(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034886
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】振動発電装置
(51)【国際特許分類】
H02N 2/18 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
H02N2/18
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138807
(22)【出願日】2020-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】509183084
【氏名又は名称】テセラ・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139206
【弁理士】
【氏名又は名称】戸塚 朋之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】槙原 幹十朗
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晋一
【テーマコード(参考)】
5H681
【Fターム(参考)】
5H681BB08
5H681BB14
5H681DD15
5H681EE21
5H681FF27
(57)【要約】
【課題】 振動発電装置において、発電部の機械振動の変位を安定状態で維持させつつ電力の取得を行う。
【解決手段】
発電部111を備えた発電回路11と、発電回路11の2出力端子間に接続された、インダクタ121およびスイッチ122の直列回路からなるインダクタ・スイッチ回路12と、スイッチ122を制御する制御回路13とを備え、発電部111が、2電極から交流電力を出力する振動発電装置1において、発電回路111は、発電部111に直列接続された追加キャパシタ112を備え、制御回路11はインダクタ121と、発電部111に形成されるキャパシタおよび追加キャパシタ112との間のエネルギーの授受のタイミングをスイッチ122のターンオン・ターンオフにより制御し、これにより発電部111の機械振動を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
層形成された圧電材と、その両面に形成した第1電極および第2電極を有する発電部を備えた発電回路と、
前記発電回路の出力端子間に接続された、インダクタおよびスイッチの直列回路からなるインダクタ・スイッチ回路と、
前記スイッチを制御する制御回路と、
を備え、前記発電部が、外部からエネルギーを受けて機械振動し、これにより前記圧電材が振動によって変形することで前記2電極から交流電力を出力する振動発電装置において、
さらに、
前記発電回路は、前記発電部に直列または並列に接続された少なくとも1つのキャパシタ、または前記発電部に直列および並列に接続された複数のキャパシタ、
を備え、
前記制御回路は、
前記インダクタと、前記発電部に形成されるキャパシタおよび前記少なくとも1つのキャパシタとの間のエネルギーの授受のタイミング、または、
前記インダクタと、前記発電部に形成されるキャパシタおよび前記複数のキャパシタとの間のエネルギーの授受のタイミング、
を前記スイッチのターンオン・ターンオフにより制御し、これにより前記発電部の機械振動を制御することを特徴とする振動発電装置。
【請求項2】
層形成された圧電材と、その両面に形成した第1電極および第2電極を有する発電部を備えた発電回路と、
前記発電回路の2出力端子間に接続され、入力段に整流器を有する電力取得回路と、
前記発電回路の一方の端子を始点として前記電力取得回路を経て前記発電回路の他方の端子に戻るライン上に設けられた、インダクタおよびスイッチからなるインダクタ・スイッチ回路と、
前記スイッチを制御する制御回路と、
を備え、前記発電部が、外部からエネルギーを受けて機械振動し、これにより前記圧電材が振動によって変形することで前記第1電極および前記第2電極から交流電力を出力する振動発電装置において、
さらに、
前記発電部に直列または並列に接続された少なくとも1つのキャパシタ、または前記発電部に直列および並列に接続された複数のキャパシタ、
を備え、
前記制御回路は、
前記インダクタと、前記発電部に形成されるキャパシタおよび前記少なくとも1つのキャパシタとの間のエネルギーの授受のタイミング、または、
前記インダクタと、前記発電部に形成されるキャパシタおよび前記複数のキャパシタとの間のエネルギーの授受のタイミング、
を前記スイッチのターンオン・ターンオフにより制御し、これにより前記発電部の機械振動を制御することを特徴とする振動発電装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の振動発電装置であって、
前記制御回路は、前記発電部の機械振動の変位の大きさが最大に近くなったとき、最大になったとき、または最大になった後一定時間を経過したときに、前記スイッチを所定時間オン状態として前記発電部に形成されるキャパシタの充電極性を逆向きとすることで、その後に生じる前記発電部の機械振動の変位を抑制することを特徴とする振動発電装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の振動発電装置であって、
前記制御回路は、前記発電部の発生電圧が極値に近くなったとき、極値になったとき、または極値になった後一定時間を経過したときに、前記スイッチを所定時間オン状態として前記発電部に形成されるキャパシタの充電極性を逆向きとすることで、その後に生じる前記発電部の機械振動の変位を抑制することを特徴とする振動発電装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の振動発電装置であって、
前記インダクタのインダクタンス、および前記発電部に接続された前記少なくとも1つのキャパシタのキャパシタンスまたは前記複数のキャパシタのキャパシタンスは、前記発電部の機械振動の変位を抑制しながら前記振動を継続させる値に設定されていることを特徴とする振動発電装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の振動発電装置であって、
前記制御回路は、前記発電部に接続された前記少なくとも1つのキャパシタのキャパシタンスまたは前記複数のキャパシタのキャパシタンスを変更する機能を備えた振動発電装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の振動発電装置であって、
前記発電部がカンチレバーであることを特徴とする振動発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばカンチレバー型の発電部を備えた振動発電装置に関し、具体的には発電部の機械振動の変位を安定状態で維持させつつ電力の取得ができる前記振動発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばカンチレバー型の発電部を備えた振動発電装置が種々知られている(特許文献1等参照)。
図9は振動発電装置9の回路図、
図10は振動発電装置9の動作説明図である。
図9および
図10に示すように、この種の振動発電装置9は、発電回路91とインダクタ・スイッチ回路92と制御回路93と電力取得回路94とを備えている。
発電回路91は、発電部911を備えている。発電部911は、
図10の拡大表示Kに示すように支持体9111と錘体9112とアーム9113とを備えており、アーム9113には圧電材層9114,第1電極9115,第2電極9116が形成されている。
【0003】
図9に示すように、発電部911は、通常、交流電源9117(G
O)とキャパシタ9118(キャパシタンスC
O)との直列回路で表される。
図10を参照すると、発電部911に外部からエネルギー(通常は構造体90からの振動)が与えられると錘体9112が振動する。アーム9113がこの振動によって変形し、圧電材層9114はその変形量に応じた電圧を発生する。そして、この電圧は第1電極9115と第2電極9116との間の電位差(電圧V
O)として表れる。
【0004】
図9に示されるように、インダクタ・スイッチ回路92は、インダクタ921とスイッチ922との直列接続回路であり、発電部911の第1電極9115と第2電極9116との間に接続されている。
インダクタ921は、発電部911のキャパシタ9118(キャパシタンスC
O)とともに共振回路を構成している。
スイッチ922は、制御回路93からの制御信号Sによりターンオン・ターンオフ制御される。
【0005】
制御回路93は、発電部911の機械振動の変位(例えば錘体9112の変位)を、電気的または光学的に監視しており、当該機械振動の変位の大きさが最大(極大または極小)に近くなったとき、最大(極大または極小)となったとき、または最大(極大または極小)となった後一定時間を経過したときに、スイッチ922をオフ状態からオン状態に切り替える。
制御回路93によるスイッチ922の切り替え制御では、キャパシタ9118の充電エネルギーをインダクタ921との間でやり取りさせ、キャパシタ9118の充電電荷の極性の反転を行う。そして、充電電荷の極性の反転が終了したタイミングで、制御回路93はスイッチ922をオン状態からオフ状態に切り替える。
この制御回路93の一連の動作を本明細書ではSSHI制御と言う。
【0006】
制御回路93がスイッチ922に与える制御信号S、第1電極9115,第2電極9116間の電圧V
O、発電部911の機械振動の変位dz(錘体9112の変位)を
図11に示す。
第1電極9115,第2電極9116間に現れる電圧V
Oは、
図9に参照されるように、錘体9112の振動により生じた電圧Vgに、上述した充電電荷の極性の反転による電圧V
COが重畳された(オフセットされた)電圧である。
電力取得回路94は整流器941と充電用のキャパシタ942とからなり、SSHI制御により制御された発電部911からの電力は、整流器941を介して充電用のキャパシタ942に蓄積される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図11に示した電圧V
Oは、発電部911の機械振動の変位dzの抑制を考慮しない場合の第1電極9115,第2電極9116間の電圧であり、実際には、上述した第1電極9115,第2電極9116に充電される電荷の極性が反転することにより、発電部911の機械振動の変位dzが抑制される。
このため、発電部911の機械振動の振動数が固有振動数である場合や固有振動数に近い場合には、発電部911の機械振動の変位dzの抑制作用が顕著になり、結果、発電部911の機械振動の振幅がほとんどゼロに収束してしまう。
この場合の、制御回路93がスイッチ922に与える制御信号S、第1電極9115,第2電極9116間の電圧V
O、発電部911の機械振動の変位dzを
図12に示す。
図12では、発電部の機械振動の変位dzがゼロに近くなった時点(
図12の時刻t
O1参照)で、SSHI制御を中止することで、錘体9112の振動を元に戻すようにしている。
この場合には、制御回路93には、錘体9112の振動がゼロに近くなったことを検出する機能、SSHI制御を中止・再開する機能等が必要となる。
【0009】
本発明の目的は、振動発電装置においてSSHI制御を行うに際し、簡易な構成により、発電部の機械振動を安定した状態で維持させつつ電力を取得することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下を要旨とする。
(1)
層形成された圧電材と、その両面に形成した第1電極および第2電極を有する発電部を備えた発電回路と、
前記発電回路の出力端子間に接続された、インダクタおよびスイッチの直列回路からなるインダクタ・スイッチ回路と、
前記スイッチを制御する制御回路と、
を備え、前記発電部が、外部からエネルギーを受けて機械振動し、これにより前記圧電材が振動によって変形することで前記2電極から交流電力を出力する振動発電装置において、
さらに、
前記発電回路は、前記発電部に直列または並列に接続された少なくとも1つのキャパシタ、または前記発電部に直列および並列に接続された複数のキャパシタ、
を備え、
前記制御回路は、
前記インダクタと、前記発電部に形成されるキャパシタおよび前記少なくとも1つのキャパシタとの間のエネルギーの授受のタイミング、または、
前記インダクタと、前記発電部に形成されるキャパシタおよび前記複数のキャパシタとの間のエネルギーの授受のタイミング、
を前記スイッチのターンオン・ターンオフにより制御し、これにより前記発電部の機械振動を制御することを特徴とする振動発電装置。
以下、「発電部に直列または並列に接続された少なくとも1つのキャパシタ」または「発電部に直列および並列に接続された複数のキャパシタ」を、「追加キャパシタ」とも言う。
また、「発電部に形成されるキャパシタおよび追加キャパシタ」を、「合成キャパシタ」とも言う。
(1)の発明では、発電回路の2出力端子間に接続されたインダクタ・スイッチ回路のインダクタと合成キャパシタとがLC共振回路を構成している。制御回路はインダクタと合成キャパシタとの間でのエネルギーの授受のタイミングを、スイッチのターンオン・ターンオフにより制御し、これにより発電部の機械振動(の大きさ)を調整する。
【0011】
(2)
層形成された圧電材と、その両面に形成した第1電極および第2電極を有する発電部を備えた発電回路と、
前記発電回路の2出力端子間に接続され、入力段に整流器を有する電力取得回路と、
前記発電回路の一方の端子を始点として前記電力取得回路を経て前記発電回路の他方の端子に戻るライン上に設けられた、インダクタおよびスイッチからなるインダクタ・スイッチ回路と、
前記スイッチを制御する制御回路と、
を備え、前記発電部が、外部からエネルギーを受けて機械振動し、これにより前記圧電材が振動によって変形することで前記第1電極および前記第2電極から交流電力を出力する振動発電装置において、
さらに、
前記発電部に直列または並列に接続された少なくとも1つのキャパシタ、または前記発電部に直列および並列に接続された複数のキャパシタ、
を備え、
前記制御回路は、
前記インダクタと、前記発電部に形成されるキャパシタおよび前記少なくとも1つのキャパシタとの間のエネルギーの授受のタイミング、または、
前記インダクタと、前記発電部に形成されるキャパシタおよび前記複数のキャパシタとの間のエネルギーの授受のタイミング、
を前記スイッチのターンオン・ターンオフにより制御し、これにより前記発電部の機械振動を制御することを特徴とする振動発電装置。
(2)の発明では、発電回路の一方の端子を始点として電力取得回路を経て発電回路の他方の端子に戻るライン上に設けられたインダクタ・スイッチ回路のインダクタと合成キャパシタとがLC共振回路を構成している。制御回路はインダクタと合成キャパシタとの間でのエネルギーの授受のタイミングを、スイッチのターンオン・ターンオフにより制御し、これにより発電部の機械振動(の大きさ)を調整する。
【0012】
(1)および(2)の発明では、発電部は、典型的にはカンチレバー型(後述する(7)参照)である。本発明では、発電部はカンチレバー型に限定されず、両端支持梁型(double-supported beam)等の種々のタイプを採用することができる。
圧電材層にはPVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride)等の樹脂系圧電材であってもよいし、ピエゾ等のセラミック系圧電材であってもよい。
(1)および(2)の発明では、追加キャパシタとして、通常のコンデンサを使用できることはもちろん、可変容量ダイオード、MOSFET、単体のダイオード、逆接続したダイオードペア等も使用できる。
追加キャパシタのキャパシタンスは、発電部の構造によっても影響される。たとえば、追加キャパシタが発電部に直列接続されるとする。追加キャパシタのキャパシタンスが小さすぎると、発生する発電量が少なくなり発電能力が低下する。逆に追加キャパシタのキャパシタンスが大きすぎると、振動抑制が強くなり過ぎて発電部の振動が停止してしまう。
例えば、発電部に直列接続される追加キャパシタのキャパシタンスは発電部のキャパシタンスの0.5~8倍とすることが好ましく、4~6倍とすることがより好ましい。発電部に並列接続される追加キャパシタのキャパシタンスも概ね上記と同様である。
また、本発明では、前記スイッチとして、リレーや半導体スイッチが使用できる。半導体スイッチとして、例えばMOSFET,光MOSFET,バイポーラトランジスタ等が使用できる。
なお、インダクタの抵抗成分、スイッチの抵抗成分、発電部の抵抗成分等がインダクタと合成キャパシタとの間でのエネルギーの授受のタイミングに影響することもあり、この場合には、制御回路は抵抗成分も考慮したタイミングの制御を行うことができる。
【0013】
(3)
(1)または(2)に記載の振動発電装置であって、
前記制御回路は、前記発電部の機械振動の変位の大きさが最大に近くなったとき、最大になったとき、または最大になった後一定時間を経過したときに、前記スイッチを所定時間オン状態として前記発電部に形成されるキャパシタの充電極性を逆向きとすることで、その後に生じる前記発電部の機械振動の変位を抑制することを特徴とする振動発電装置。
【0014】
(4)
(1)または(2)に記載の振動発電装置であって、
前記制御回路は、前記発電部の発生電圧が極値に近くなったとき、極値になったとき、または極値になった後一定時間を経過したときに、前記スイッチを所定時間オン状態として前記発電部に形成されるキャパシタの充電極性を逆向きとすることで、その後に生じる前記発電部の機械振動の変位を抑制することを特徴とする振動発電装置。
(3),(4)の振動発電装置において、スイッチをオン状態とする時間(ターンオンからターンオフするまでの時間)は、概ね、共振周期の1/2の奇数倍(π×(LC)1/2×(2n-1):nは正の整数)とすることができる。この時間は、インダクタと合成キャパシタとにより構成したLC回路における、前記発電部のキャパシタの充電極性が反転する時間とすることができる。
制御回路は、(3)の「発電部の機械振動の変位の大きさが最大に近くなったとき、最大になったとき、または最大になった後一定時間を経過したとき」のタイミングや、(4)の「発電部の発生電圧が極値に近くなったとき、極値になったとき、または極値になった後一定時間を経過したとき」のタイミングを、発電回路の出力電圧の値や微分値を監視することで検出できる。また、制御回路は、インダクタを流れる電流(すなわち、スイッチを流れる電流)の値や微分値、またはゼロクロス時刻を監視することで上記のタイミングを検出することもできる。
【0015】
(5)
(1)または(2)に記載の振動発電装置であって、
前記インダクタのインダクタンス、および前記発電部に接続された前記少なくとも1つのキャパシタのキャパシタンスまたは前記複数のキャパシタのキャパシタンスは、前記発電部の機械振動の変位を抑制しながら前記振動を継続させる値に設定されていることを特徴とする振動発電装置。
【0016】
(6)
(1)または(2)に記載の振動発電装置であって、
前記制御回路は、前記発電部に接続された前記少なくとも1つのキャパシタのキャパシタンスまたは前記複数のキャパシタのキャパシタンスを変更する機能を備えた振動発電装置。
【0017】
(7)
(1)から(6)の何れか1項に記載の振動発電装置であって、
前記発電部がカンチレバー型であることを特徴とする振動発電装置。
本発明において、発電部は典型的にはカンチレバーであるが、これに限定されず、例えば両端支持梁等の他の構成も使用される。
【0018】
以下に、本発明の振動発電装置の動作例を説明する。
なお、以下の例では追加キャパシタは、発電部に直列接続されたているものとする。
図9および
図10に例示した従来の振動発電装置におけるSSHI制御において、発電部が発生するエネルギーがW
Oであり、発電部のキャパシタ9118(キャパシタンスC
O)に生じる電荷がQ
Oであるとする。
また、本発明の振動発電装置におけるSSHI制御において、発電部が発生するエネルギーがW
1であり、スイッチがターンオンしたときに合成キャパシタ(発電部のキャパシタと追加キャパシタ)に生じる電荷がQ
1であるとする。合成キャパシタに生じる電荷がQ
1であれば、合成キャパシタを構成する発電部のキャパシタにも電荷Q
1が生じ、追加キャパシタにも電荷Q
1が生じる。
本発明の振動発電装置において、合成キャパシタのキャパシタンスC
1の値は、発電部のキャパシタのキャパシタンスC
Oよりも小さいので、C
1<C
Oとなる。
ここで、W
O=W
1であると仮定すると、C
1<C
Oなので、Q
1<Q
Oが成立する(W
O=W
1の条件、およびエネルギーの式、Q
O
2/(2C
O)=Q
1
2/(2C
1)による)。
すなわち、本発明の振動発電装置では、電荷の移動量(充電電荷量)が従来の振動発電装置(
図12参照)よりも少なくなっている。
上述したように、Q
1は、発電部に形成されているキャパシタに充電される電荷でもあるので、発電部の第1電極,第2電極に与えられる電荷は、追加キャパシタがない場合に比べて、追加キャパシタがある場合の方が少なくなる。
本発明では、追加キャパシタにより、発電部の機械振動の変位の抑制を調整(緩和)できるので、発電部の振動を減衰させることなく発電動作を継続することができる。
なお、発電部に並列に追加のキャパシタを接続した場合には、発電部の機械振動の変位の抑制を強化することができるので、発電部の振動が大きくなりすぎる場合に、発電部は最適な振動を行いつつ発電動作を継続することができる。
【発明の効果】
【0019】
発電部の第1電極,第2電極に与える電荷量を適宜に設定できるので、発電部の振動状態の調整(機械振動の変位の大きさを適切な値に保つ)することができる。
これにより、発電部の機械振動を適正な状態に維持することができる。
また、本発明では、発電回路の出力電圧を高くできるので、発電回路から電力取得回路に電力を効率よく移送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は本発明の振動発電装置の第1実施形態を示す回路図である。
【
図3】
図3は発電回路の出力電圧および発電部の第1電極と第2電極との間の電圧の波形図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の振動発電装置と、従来の振動発電装置と、制御をしない従来の振動発電装置の発電性能の比較結果を示す図である。
【
図5】
図5は第1実施形態の振動発電装置における追加キャパシタの配置例を示す図である。
図5(A)は発電部の2出力端子に並列にキャパシタを接続しこのキャパシタの両端子にそれぞれ他のキャパシタを接続した例を示す図である。
図5(B)は発電部の2出力端子にそれぞれキャパシタを接続し、さらに両キャパシタの発電部に接続されていない側の端子に他のキャパシタを接続した例を示す図である。
【
図6】
図6(A)は第1実施形態の振動発電装置におけるインダクタの配置例を示す図である。
図6(B)は第1実施形態の振動発電装置におけるスイッチの配置例を示す図である。
【
図7】
図7(A)は発電部に直列接続される追加キャパシタとしてキャパシタアレイを採用した振動発電装置を示す図である。
図7(B)は発電部に直列接続される追加キャパシタとして可変容量ダイオードを採用した振動発電装置を示す図である。
図7(C)は発電部に並列接続される追加キャパシタとして可変容量ダイオードを採用した振動発電装置を示す図である。
【
図8】
図8は本発明の振動発電装置の第2実施形態を示す回路図である。
図8(A)はインダクタ・スイッチ回路が発電回路の一方の出力端子から引き出されたライン上に設けられた振動発電装置を示している。
図8(B)はインダクタが発電回路の一方の出力端子と整流器の一方の入力端子との間に接続され、スイッチが整流回路の一方の出力端子から引き出されたライン上に設けられた振動発電装置を示している。
【
図11】
図11は、発電部の機械振動の変位の抑制を考慮しない場合の発電装置において、スイッチング信号、第1電極と第2電極との間の電圧、発電部の振動状態を示す図である。
【
図12】
図12は、従来の発電装置において、スイッチング信号、第1電極と第2電極との間の電圧、発電部の振動状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明の振動発電装置の第1実施形態を示す回路図であり、
図2は
図1の振動発電装置を模式的に示す図である。
図1および
図2に示すように、振動発電装置1は、発電回路11とインダクタ・スイッチ回路12と制御回路13と電力取得回路14とから構成されている。
【0022】
発電回路11は、発電部111と追加キャパシタ112とからなる。
第1実施形態では、
図2に参照されるように、発電部111はカンチレバー型である。
図2の拡大表示Kに示すように、発電部111は、支持体1111と錘体1112とアーム1113とを備えており、アーム1113には圧電材層1114と、第1電極1115および第2電極1116が形成されている。
カンチレバー型の発電部111は、例えば橋梁等の振動構造体10に取り付けられる。
圧電材層1114はPVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride)等の圧電樹脂材であってもよいし、ピエゾ(PZT)等の圧電セラミック材であってもよい。
発電部111は、
図1に示されるように、典型的には交流電源1117とキャパシタ1118との直列接続回路で表される。
電力取得回路14は、整流器(第1実施形態ではダイオードブリッジ)141と充電用のキャパシタ142とから構成されている。なお、図示はしていないが、キャパシタ142は二次電池等であってもよい。また、充電用のキャパシタ142にはDC/DCコンバータなどの電気回路、負荷(抵抗や二次電池)等を接続することができる。
【0023】
第1実施形態では、発電部111には直列に追加キャパシタ112が接続されている。
追加キャパシタ112はキャパシタ1121(キャパシタンスCa)およびキャパシタ1122(キャパシタンスCb)からなり、これらは発電部111に対して対称に配置されている。
第1実施形態では、制御回路13は、発電回路11の出力電圧V1(または電力取得回路14の入力電圧)を取り込み、出力電圧V1の極値(極大および極小)を検出している。
制御回路13は出力電圧V1の極値を検出したときは、スイッチ122にターンオンのための制御信号Sを送出する。なお、出力電圧V1の極値からやや振幅が小さくなった時点(極値から振幅が数mmV小さくなった時点)でスイッチ122をターンオンしてもよい。
【0024】
インダクタ・スイッチ回路12は、インダクタ121とスイッチ122との直列接続回路である。第1実施形態では、インダクタ・スイッチ回路12は、発電回路11(発電部111と追加キャパシタ112との直列接続回路)の2出力端子に接続されている。
第1電極1115,第2電極1116間に形成されるキャパシタ1118と、追加キャパシタ112(キャパシタ1121およびキャパシタ1122)の直列接続と等価なキャパシタを合成キャパシタΓと称する。なお、この合成キャパシタΓは、図面には表されていない。
合成キャパシタΓのキャパシタンスC1は、キャパシタ1118のキャパシタンスをCO、キャパシタ1121のキャパシタンスをCa、キャパシタ1122のキャパシタンスをCbとすると、
C1=CO×Ca×Cb/(CO×Ca+Ca×Cb+Cb×CO)
で表される。
【0025】
第1実施形態の振動発電装置1の動作を以下に説明する(符号付きの構成要素については、
図1および
図2を参照)。
第1実施形態では、制御回路13は、発電回路11の出力電圧V
1を監視(検出)している。
振動構造体10からの振動が発電部111に伝わり発電部111が機械振動する場合、第1電極1115および第2電極1116間に交流起電力(電圧V
O)が生じる。この電圧V
Oにより、両電極に電荷が誘起されこの電荷は電流として電力取得回路14に送られる。
なお、発電部111が機械振動するとは、錘体1112が振動することまたはアーム1113が振動することであり、発電部111の機械振動の変位は、錘体1112の変位あるいはアーム1113の先端の変位を意味する。
制御回路13は、発電部111の出力電圧V
1の極値を検出するとスイッチ122をターンオンする。
インダクタ121(インダクタンスL)と合成キャパシタΓ(キャパシタンスC
1)はLC回路を構成している。スイッチ122がターンオンすると、合成キャパシタΓに充電されている電荷(蓄積エネルギー)は、インダクタ121に渡され、さらに充電電荷の極性を反転した状態で合成キャパシタΓに戻される。
【0026】
第1実施形態では、制御回路13には、充電電荷の極性の反転が行われるタイミングがプリセットされている。このプリセットタイミングは、共振周期の1/2の奇数倍(π×(LC)
1/2×(2n-1):nは正の整数)であり、制御回路13は、このタイミングでスイッチ122をターンオフする。
なお、インダクタ・スイッチ回路12において、インダクタ121とスイッチ122との位置関係は、
図1に示す配置順と逆であってもよい。
【0027】
図3に発電回路11の出力電圧V
1の波形、および、発電部111の第1電極1115,第2電極1116間の電圧V
Oの波形を示す。
図3からわかるように、第1電極1115,第2電極1116間の電圧V
O(
図3の太実線)は、発電回路11の出力電圧V
1(
図3の細実線)よりも低い電圧として与えられる。
図3において、極性反転時をt
DOWN,t
UPで示す。電圧V
Oと出力電圧V
1の極
性反転時の変化に注目すると、出力電圧V
1に比べて電圧V
Oの変化が小さい。
これは、本発明の振動発電装置では、第1電極1115,第2電極1116に充電される電荷量(合成キャパシタΓに充電される電荷量でもある)が、追加キャパシタ112を設けない場合(
図9参照)に比べて少ないからである。
【0028】
前述したように、SSHI制御では、発電部111は、交流電源1117が発生する電圧の極性とは反転した極性で充電される。この反転した極性の電荷は、アーム1113の動きを抑制するように作用し、この充電電荷量が多くなり過ぎると発電部111の振動が停止する。
追加キャパシタ112がないときには、第1電極1115,第2電極1116に充電される反転極性(発電部111の機械振動の変位を抑制する極性)の電荷量が多い。このために、アーム1113は過度の抑制を受け、結果として発電部111の振動が停止する方向に向かうと考えられる。
第1実施形態では、発電部111に追加キャパシタ112を直列に接続することで、極性の反転に起因する発電部111の機械振動の変位の抑制を緩和することができる。これにより、発電部111の振動が停止することを回避でき、結果として発電効率を高くすることができる。
また、発電部111に直列接続した追加キャパシタ112は、発電回路11の出力端子間電圧を高くするように作用するので、電力取得回路14への電力移送が速やかに行われる。
【0029】
図4に、(a)第1実施形態におけるSSHI制御をした場合(追加キャパシタを設けた場合)、(b)追加キャパシタを設けずにSSHI制御をした場合、(c)SSHI制御をしない場合についての静電エネルギー生成をシミュレーションした結果を示す。
図4に示すように、(a)の第1実施形態におけるSSHI制御による場合が、最も多く静電エネルギーを取得できることが立証される。
【0030】
図5(A),(B)に、追加キャパシタの配置変更例を示す。
図5(A)では、
図1の発電回路11において、キャパシタ1121,1122に加えさらに発電部111に並列にキャパシタ1123(キャパシタンスCc)を接続している。
図5(B)では、
図1の発電回路11において、キャパシタ1121,1122に加え、さらに発電回路11の2出力端子間にキャパシタ1124(キャパシタンスCd)を接続している。
図5(A),(B)の発電回路11では、キャパシタが回路に対称に配置されている。回路の対称性は、発電回路11の出力の正負の対称性に寄与していると考えられる。
【0031】
図6(A)に、2つのインダクタを用いたインダクタ・スイッチ回路12の例を示す。
図6(A)では、
図1のインダクタ・スイッチ回路12において、スイッチ122に直列に2つのインダクタ121a,121bを接続している。
図6(B)に、2つのスイッチを用いたインダクタ・スイッチ回路12の例を示す。
図6(B)では、
図1のインダクタ・スイッチ回路12におけるインダクタ121に直列に2つのスイッチ122a,122bを接続している。
図6(A),(B)の発電回路11では、インダクタやスイッチが回路に対称に配置されている。回路の対称性は、発電回路11の出力の対称性に寄与していると考えられる。
【0032】
図7(A)は、発電回路11において追加キャパシタとしてキャパシタアレイを採用した振動発電装置1を示す図である。
図7(A)において、発電部111の両端子にはキャパシタアレイ1125とキャパシタアレイ1126が接続されている。
図7(A)では、制御回路13からの選択信号により、キャパシタアレイ1125のキャパシタンスCeの値およびキャパシタアレイ1126のキャパシタンスCfの値をスイッチングにより変更できる。
図7(A)において、制御回路13は発電回路11の出力電圧V
1を監視しており、発電部111の振動が過度に抑制されるか否かを判断できる。
制御回路13は、例えば、発電回路11の出力電圧が低下する傾向にあると判断したときは、キャパシタアレイ1125とキャパシタアレイ1126の各キャパシタンスの合成値が小さくなるように、選択信号SLCT1,SLCT2を出力する。
この場合に、制御回路13は、キャパシタアレイ1125のキャパシタンスCeとキャパシタアレイ1126のキャパシタンスCfが同じになるように選択信号SLCT1,SLCT2を出力することができる。
【0033】
図7(B)は追加キャパシタとして可変容量ダイオードを採用した振動発電装置1を示す図である。
図7(B)では、制御回路13からの設定信号SET1,SET2により可変容量ダイオード1127および可変容量ダイオード1128の各キャパシタンスCg,Chの値を変更できる。
図7(B)においても、制御回路13は発電回路11の出力電圧V
1を監視しており、発電部111の振動が過度に抑制されるか否かを判断できる。
制御回路13は、例えば、発電回路11の出力電圧が低下する傾向にあると判断したときは、可変容量ダイオード1127のキャパシタンスCgと可変容量ダイオード1128のキャパシタンスChの合計値が小さくなるように、設定信号SET1,SET2を出力する。
この場合に、制御回路13は、可変容量ダイオードのキャパシタンスCgと可変容量ダイオード1128のキャパシタンスChが同じになるように設定信号SET1,SET2を出力することができる。
【0034】
図7(C)は追加キャパシタとして2つのキャパシタ1121,1122と、可変容量ダイオード1129を設けた振動発電装置1を示す図である。
図7(C)の振動発電装置1は、
図5(A)の振動発電装置1の発電回路11における発電部111に並列接続したキャパシタ1123を、可変容量ダイオード1129に置き換えて構成されている。
図7(C)では、制御回路13からの設定信号SETにより可変容量ダイオード1129のキャパシタンスCiの値を変更できる。
図7(C)においても、制御回路13は発電回路11の出力電圧V
1を監視しており、発電部111の振動が過度に抑制されるか否かを判断できる。
制御回路13は、例えば、発電回路11の出力電圧が低下する傾向にあると判断したときは、可変容量ダイオード1129のキャパシタンスCiの値が大きくなるように、可変容量ダイオード1129に設定信号SETを出力する。
なお、
図7(C)の振動発電装置1では、可変容量ダイオード1129にかえて、
図7(A)で示したキャパシタアレイを採用することもできる。
【0035】
図8は本発明の振動発電装置の第2実施形態を示す回路図である。
図8(A)はインダクタ・スイッチ回路12が発電回路11の一方の出力端子から引き出されたライン上に設けられた振動発電装置1を示している。また、
図8(B)はインダクタ121が発電回路11の一方の出力端子と整流器141の一方の入力端子との間に接続され、スイッチ122が整流回路141の一方の出力端子から引き出されたライン上に設けられた振動発電装置1を示している。
なお、図示はしないが、インダクタ・スイッチ回路12が整流回路141の一方の出力端子から引き出されたライン上に設けられるように構成することもできる。
【0036】
第1実施形態ではインダクタ・スイッチ回路12は発電回路11の2出力端子間に直接接続されている。
したがって、上述したように、第1実施形態の振動発電装置1では、発電回路11は、常に電力取得回路14に接続されている。
これに対して、
図8(A),(B)に示した第2実施形態では、上述したように、インダクタ・スイッチ回路12は、発電回路11の一方の端子を始点として電力取得回路14を経て発電回路11の他方の端子に戻るライン上に設けられている。
したがって、
図8(A),(B)の第2実施形態では、発電回路11は、スイッチ122がオン状態のときだけ電力取得回路14に接続される。
なお、
図8の振動発電装置1において、追加キャパシタは、発電部111に直列接続されたキャパシタ1121,1122から構成されている。
【0037】
第2実施形態では、制御回路13は出力電圧V1の極値を検出したときは、さらに極値からやや振幅が小さくなった時点(極値から振幅が数mmV小さくなった時点)でスイッチ122にターンオンの制御信号Sを送出している。
スイッチ122がターンオンされると、キャパシタ1118および追加キャパシタ112(キャパシタ1121および1122)の充電電荷の極性の反転が行われる。
第2実施形態でも、制御回路13には、充電電荷の極性の反転が行われるタイミング(π×(LC)1/2×(2n-1):nは正の整数)がプリセットされており、制御回路13は、このタイミングでスイッチ122をターンオフする。
【0038】
図1の振動発電装置1と同様、
図8(A),(B)の振動発電装置1でも、電荷の移動量が従来の振動発電装置(
図9および
図10参照)よりも少なくなっている。したがって、
図8(A),(B)の振動発電装置1でも、発電部111の機械振動の変位が過度に抑制されることはなく、発電部111の振動が停止する方向に向かうことはない。
なお、
図8の発電回路11では、追加キャパシタとして発電部111に直列接続したキャパシタ1121,1122が採用されている。この構成に代えて、
図5(A),(B)および
図7(A),(B),(C)に示した構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0039】
1 :振動発電装置
10 :振動構造体
11 :発電回路
12 :スイッチ回路
13 :制御回路
14 :電力取得回路
111 :発電部
112 :追加キャパシタ
121,121a,121b :インダクタ
122,122a,122b :スイッチ
141 :整流器
142 :充電用のキャパシタ
1111 :支持体
1112 :錘体
1113 :アーム
1114 :圧電材層
1115 :第1電極
1116 :第2電極
1117 :交流電源(GO)
1118 :キャパシタ(キャパシタンスCO)
1121 :キャパシタ(キャパシタンスCa)
1122 :キャパシタ(キャパシタンスCb)
1123 :キャパシタ(キャパシタンスCc)
1124 :キャパシタ(キャパシタンスCd)
1125 :キャパシタアレイ(キャパシタンスCe)
1126 :キャパシタアレイ(キャパシタンスCf)
1127 :可変容量ダイオード(キャパシタンスCg)
1128 :可変容量ダイオード(キャパシタンスCh)
1129 :可変容量ダイオード(キャパシタンスCi)
9 :振動発電装置
90 :構造体
91 :発電回路
92 :スイッチ回路
93 :制御回路
94 :電力取得回路
911 :発電部
921 :インダクタ
922 :スイッチ
941 :整流器
942 :充電用のキャパシタ
9111 :支持体
9112 :錘体
9113 :アーム
9114 :圧電材層
9115 :第1電極
9116 :第2電極
9117 :交流電源
9118 :キャパシタ
S :制御信号
SET,SET1,SET2 :設定信号
SLCT1,SLCT2 :選択信号
VO,VCO,Vg :電圧
V1 :出力電圧
dz :発電部の機械振動の変位
Γ :合成キャパシタ