(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035051
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】固形燃料保持具及びこれを備えた屋外用加熱調理装置
(51)【国際特許分類】
A47J 37/07 20060101AFI20220225BHJP
A47J 37/04 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
A47J37/07
A47J37/04 103A
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139112
(22)【出願日】2020-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】391036404
【氏名又は名称】株式会社ロゴスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】浜西 千尋
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AA08
4B040AC01
4B040AD04
4B040CA03
4B040CA18
4B040EC02
(57)【要約】
【目的】 本発明は、固形燃料で食材に対して側方から加熱可能にする。
【構成】 固形燃料保持具100は、固形燃料Fを収容可能な容器110と、少なくとも一つの第1通気口111と、少なくとも一つの挿入口112とを備えている。少なくとも一つの第1通気口111は、容器110に設けられており且つ容器110の内部に連通している。少なくとも一つの挿入口112は、容器110に設けられており且つ容器110の内部に連通している。少なくとも一つの挿入口112から容器110の内部に固形燃料Fが挿入可能となっている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形燃料を収容可能な容器と、
前記容器に設けられており且つ前記容器の内部に連通した少なくとも一つの第1通気口と、
前記容器に設けられており且つ前記容器の前記内部に連通した少なくとも一つの挿入口とを備えており、
前記少なくとも一つの挿入口から前記容器の前記内部に前記固形燃料が挿入可能となっている固形燃料保持具。
【請求項2】
請求項1記載の固形燃料保持具において、
前記固形燃料保持具は燃料支持具に中空支持され、前記容器が食材支持部に支持された食材の側方に配置されるようになっている固形燃料保持具。
【請求項3】
請求項2記載の固形燃料保持具において、
前記燃料支持具は、筒状であり、
前記容器は前記燃料支持具内で前記食材支持部に支持された食材の側方に配置されるようになっている固形燃料保持具。
【請求項4】
請求項1記載の固形燃料保持具において、
前記容器は、バーベキューグリルの五徳、焼網又は鉄板上に配置されるようになっている固形燃料保持具。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の固形燃料保持具において、
前記容器を持ち運び可能にするためのハンドルを更に備えており、
前記ハンドルは、前記容器に設けられている固形燃料保持具。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の固形燃料保持具において、
前記容器は、底部と、
前記底部の周縁部から立ち上がった略筒状の側壁とを有しており、
前記側壁の少なくとも一部が金網で構成されており、
前記少なくとも一つの第1通気口は、前記金網の隙間であり、
前記少なくとも一つの挿入口は、前記側壁の上側の開口である固形燃料保持具。
【請求項7】
請求項1~5の何れかに記載の固形燃料保持具において、
前記容器は、底部と、
前記底部の周縁部から立ち上がった略筒状の側壁とを有しており、
前記少なくとも一つの第1通気口は、前記側壁に設けられており、
前記少なくとも一つの挿入口は、前記側壁の上側の開口である固形燃料保持具。
【請求項8】
請求項6又は7記載の固形燃料保持具において、
前記固形燃料は成形炭であり、
前記容器の前記側壁は、互いに対向する第1壁及び第2壁を有しており、
前記第1壁と前記第2壁との間隔が、前記固形燃料の厚さ寸法と略同じ又は若干大きい固形燃料保持具。
【請求項9】
請求項1~8の何れかに記載の固形燃料保持具において、
前記少なくとも一つの第1通気口及び前記少なくとも一つの挿入口は、一体化されている固形燃料保持具。
【請求項10】
燃料支持具と、
食材を支持可能な食材支持部と、
前記燃料支持具に中空支持される請求項2又は3記載の固形燃料保持具とを備えており、
前記固形燃料保持具の前記容器は、前記食材支持部に支持された食材の側方に配置される屋外用加熱調理装置。
【請求項11】
請求項10記載の屋外用加熱調理装置において、
前記燃料支持具は筒状であり、
前記食材支持部は、前記燃料支持具に懸架されており、
前記固形燃料保持具の前記容器は、前記燃料支持具内で前記食材支持部に支持された食材の側方に配置される屋外用加熱調理装置。
【請求項12】
請求項10又は11記載の屋外用加熱調理装置において、
前記固形燃料保持具は、前記容器に設けられたフックを更に備えており、
前記フックが前記燃料支持具に引っ掛けられている屋外用加熱調理装置。
【請求項13】
請求項12記載の屋外用加熱調理装置において、
前記燃料支持具は、前記容器が前記食材支持部に支持された食材に対して接近及び離反する第1方向に延びたガイド部を有しており、
前記フックは、前記ガイド部に前記第1方向に移動自在に引っ掛けられている屋外用加熱調理装置。
【請求項14】
請求項10又は11記載の屋外用加熱調理装置において、
前記固形燃料保持具及び前記燃料支持具の少なくとも一方は、係合凸部を有しており、他方が係合孔又は係合凹部を有しており、
前記係合凸部が前記係合孔又は係合凹部に係合されている屋外用加熱調理装置。
【請求項15】
請求項14記載の屋外用加熱調理装置において、
前記係合孔又は係合凹部は、前記容器が前記食材支持部に支持された食材に対して接近及び離反する第1方向に延びており、
前記係合凸部は、前記係合孔又は係合凹部に前記第1方向に移動自在に係合されている屋外用加熱調理装置。
【請求項16】
請求項10~15の何れかに記載の屋外用加熱調理装置において、
前記燃料支持具は、前記容器の前記少なくとも一つの第1通気口の近傍に位置する少なくとも一つの第2通気口を有する屋外用加熱調理装置。
【請求項17】
請求項10~16の何れかに記載の屋外用加熱調理装置において、
少なくとも前記容器の下側に配置された第1受部を更に備えている屋外用加熱調理装置。
【請求項18】
請求項17記載の屋外用加熱調理装置において、
前記第1受部に支持された五徳又は焼網を更に備えており、
前記燃料支持具が前記五徳又は焼網上に載置されている屋外用加熱調理装置。
【請求項19】
請求項17記載の屋外用加熱調理装置において、
前記第1受部を収容保持するフレーム又は筐体と、
前記フレーム又は筐体に支持された五徳又は焼網を更に備えており、
前記燃料支持具が前記五徳又は焼網上に載置されている屋外用加熱調理装置。
【請求項20】
請求項17~19の何れかに記載の屋外用加熱調理装置において、
前記第1受部は、前記食材支持部に支持された食材の下側に配置される屋外用加熱調理装置。
【請求項21】
請求項10~20の何れかに記載の屋外用加熱調理装置において、
前記食材支持部に支持された食材の下側に配置されており且つ前記食材からの落下物を受ける第2受部を更に備えている屋外用加熱調理装置。
【請求項22】
請求項11記載の屋外用加熱調理装置において、
前記燃料支持具に固定されており且つ前記食材支持部を回転させる駆動部を更に備えており、
前記食材支持部は、前記燃料支持具に回転自在に支持されている屋外用加熱調理装置。
【請求項23】
請求項22記載の屋外用加熱調理装置において、
筒状の被把持部を更に備えており、
前記食材支持部は、第1端部と、第2端部とを有しており、
前記食材支持部の前記第1端部は、前記駆動部に接続されており、
前記食材支持部の前記第2端部は、前記被把持部内に空転可能に挿入されている屋外用加熱調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形燃料保持具及びこれを備えた屋外用加熱調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来の屋外用加熱調理装置が記載されている。加熱料理器は、コンロ本体と、一対の支柱と、丸棒とを備えている。コンロ本体は、上側に開口した箱型であって、その内部に薪や炭等の固形燃料が収容可能となっている。一対の支柱は、その下端部がコンロ本体の両側面に固定されており且つ上方に延びている。丸棒は、肉に突き刺され、一対の支柱の上端部に回転可能に懸架されており且つコンロ本体上に位置する。この丸棒を回転させながら、コンロ本体内の燃焼させた固形燃料上で、肉を加熱調理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
丸棒は、コンロ本体上で一対の支柱の上端部に回転可能に懸架される構成であることから、丸棒に突き刺された肉は、その下側からしかコンロ本体内の固形燃料によって加熱調理できない。
【0005】
本発明は、固形燃料で食材に対して側方から加熱可能にする固形燃料保持具及びこれを備えた加熱料理器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の固形燃料保持具は、固形燃料を収容可能な容器と、少なくとも一つの第1通気口と、少なくとも一つの挿入口とを備えている。少なくとも一つの第1通気口は、容器に設けられており且つ容器の内部に連通している。少なくとも一つの挿入口は、容器に設けられており且つ容器の内部に連通している。少なくとも一つの挿入口から容器の内部に固形燃料が挿入可能となっている。
【0007】
このような態様の固形燃料保持具の容器内に固形燃料が収容されるため、容器を食材の側方に配置することによって、容器内に収容された固形燃料で食材を側方から加熱調理することが可能になる。
【0008】
固形燃料保持具は燃料支持具に中空支持され、容器が食材支持部に支持された食材の側方に配置された構成とすることが可能である。
【0009】
燃料支持具は、筒状とすることが可能である。この場合、容器は燃料支持具内で食材支持部に支持された食材の側方に配置されるようになっていてもよい。
【0010】
容器は、バーベキューグリルの五徳、焼網又は鉄板上に配置されるようになっていてもよい。
【0011】
上記何れかの態様の固形燃料保持具は、容器を持ち運び可能にするためのハンドルを更に備えた構成とすることが可能である。この場合、ハンドルは、容器に設けられた構成とすることが可能である。
【0012】
容器は、底部と、底部の周縁部から立ち上がった略筒状の側壁とを有する構成とすることが可能である。
【0013】
側壁の少なくとも一部が金網で構成されていてもよい。この場合、少なくとも一つの第1通気口は、金網の隙間とすることが可能である。少なくとも一つの第1通気口は、側壁に設けられた構成とすることが可能である。
【0014】
少なくとも一つの挿入口は、側壁の上側の開口とすることが可能である。
【0015】
固形燃料は成形炭とすることが可能である。この場合、容器の側壁は、互いに対向する第1壁及び第2壁を有しており、第1壁と第2壁との間隔が、固形燃料の厚さ寸法と略同じ又は若干大きくすることが可能である。
【0016】
少なくとも一つの第1通気口及び少なくとも一つの挿入口は、一体化することが可能である。
【0017】
本発明の一態様の屋外用加熱調理装置は、燃料支持具と、食材を支持可能な食材支持部と、上記何れかの態様の固形燃料保持具とを備えた構成とすることが可能である。
【0018】
固形燃料保持具の容器は、食材支持部に支持された食材の側方に配置された構成とすることが可能である。
【0019】
燃料支持具は筒状である場合、食材支持部は、燃料支持具に懸架された構成とすることが可能である。
【0020】
固形燃料保持具の容器は、燃料支持具内で食材支持部に支持された食材の側方に配置された構成とすることが可能である。
【0021】
上記何れかの態様の固形燃料保持具は、容器に設けられたフックを更に備えた構成とすることが可能である。この場合、フックが燃料支持具に引っ掛けられた構成とすることが可能である。
【0022】
燃料支持具は、容器が食材支持部に支持された食材に対して接近及び離反する第1方向に延びたガイド部を有する構成とすることが可能である。この場合、フックは、ガイド部に第1方向に移動自在に引っ掛けられた構成とすることが可能である。
【0023】
固形燃料保持具及び燃料支持具の少なくとも一方は、係合凸部を有しており、他方が係合孔又は係合凹部を有する構成とすることが可能である。係合凸部が係合孔又は係合凹部に係合された構成とすることが可能である。
【0024】
係合孔又は係合凹部は、容器が食材支持部に支持された食材に対して接近及び離反する第1方向に延びた構成とすることが可能である。この場合、係合凸部は、係合孔又は係合凹部に第1方向に移動自在に係合された構成とすることが可能である。
【0025】
燃料支持具は、容器の少なくとも一つの第1通気口の近傍に位置する少なくとも一つの第2通気口を有する構成とすることが可能である。
【0026】
上記何れかの態様の屋外用加熱調理装置は、少なくとも容器の下側に配置された第1受部を更に備えた構成とすることが可能である。
【0027】
上記何れかの態様の屋外用加熱調理装置は、第1受部に支持された五徳又は焼網を更に備えた構成とすることが可能である。この場合、燃料支持具が五徳又は焼網上に載置された構成とすることが可能である。
【0028】
上記何れかの態様の屋外用加熱調理装置は、第1受部を収容保持するフレーム又は筐体と、フレーム又は筐体に支持された五徳又は焼網を更に備えた構成とすることが可能である。この場合も、燃料支持具が五徳又は焼網上に載置された構成とすることが可能である。
【0029】
第1受部は、食材支持部に支持された食材の下側に配置されていてもよい。
【0030】
上記何れかの態様の屋外用加熱調理装置は、食材支持部に支持された食材の下側に配置されており且つ食材からの落下物を受ける第2受部を更に備えた構成とすることが可能である。
【0031】
上記何れかの態様の屋外用加熱調理装置は、燃料支持具に固定されており且つ食材支持部を回転させる駆動部を更に備えた構成とすることが可能である。この場合、食材支持部は、燃料支持具に回転自在に支持された構成とすることが可能である。
【0032】
上記何れかの態様の屋外用加熱調理装置は、筒状の被把持部を更に備えた構成とすることが可能である。食材支持部は、第1端部と、第2端部とを有する構成とすることが可能である。食材支持部の第1端部は、駆動部に接続された構成とすることが可能である。食材支持部の第2端部は、被把持部内に空転可能に挿入された構成とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1A】本発明の実施例1に係る固形燃料保持具の正面、平面及び右側面から表した斜視図である。
【
図1B】前記固形燃料保持具の背面、平面及び左側面から表した斜視図である。
【
図2A】本発明の実施例1に係る屋外用加熱調理装置の斜視図である。
【
図2B】前記屋外用加熱調理装置の平面図であって、前記燃料保持具が食材支持部から離れて位置する状態を示す図である。
【
図2C】前記屋外用加熱調理装置の平面図であって、前記燃料保持具が食材支持部の近くに位置する状態を示す図である。
【
図3A】前記屋外用加熱調理装置の燃料支持部の正面、平面及び左側面から表した斜視図である。
【
図3B】前記屋外用加熱調理装置の前記燃料支持部の背面、底面及び左側面から表した斜視図である。
【
図4A】前記屋外用加熱調理装置の第1設計変型例を示す平面図である。
【
図4B】前記第1設計変型例の屋外用加熱調理装置の前記燃料支持部が第1受部に支持された五徳に支持された状態を示す斜視図である。
【
図5】前記屋外用加熱調理装置の第2設計変型例を示す斜視図である。
【
図6】前記屋外用加熱調理装置の第3設計変型例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施例1及びその設計変形例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変更例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【実施例0035】
以下、本発明の実施例1及びその設計変型例に係る固形燃料保持具100(以下、単に保持具100とも称する。)について、
図1A~
図1Bを参照しつつ説明する。
図1A及び
図1Bには、実施例1の保持具100が示されている。
図1A及び
図1Bには、Z-Z’方向、X-X’方向及びY-Y’方向が示されている。Z-Z’方向は保持具100の高さ方向に相当する。X-X’方向は、Z-Z’方向に略直交しており、Y-Y’方向はZ-Z’方向及びX-X’方向に略直交している。
【0036】
保持具100は容器110を備えている。容器110は、その内部に炭(成形炭(
図1A参照)、木炭又は竹炭等)や薪等の少なくとも一つの固形燃料Fを収容可能な構成であればよい。容器110は、複数の固形燃料Fを収容可能な構成とすることも可能である。
【0037】
容器110は、底部110aと、側壁110bとを有している。底部110aは、金属板等の耐熱板で構成されていてもよい(
図1A及び
図1B参照)し、金網等の耐熱性を有する線材で構成されていてもよい。底部110aは周縁部を有している。
【0038】
側壁110bは、略筒状(四角筒状(
図1A及び
図1B参照)等の多角筒状又は円筒状)であって、底部110aの周縁部からZ方向に立ち上がった構成とすることが可能である。又は、側壁110bは、X-X’方向の断面視において略U字状、略L字状又は略V字状であって、底部110aからZ方向に立ち上がった構成とすることも可能である(図示なし)。何れの場合であっても、側壁110bは、金網等の耐熱性を有する線材で構成されていてもよいし(
図1A及び
図1B参照)、金属板等の耐熱板で構成されていてもよい。
【0039】
側壁110bが多角筒状である場合、側壁110bは、Y-Y’方向において互いに対向する第1壁及び第2壁を有する構成とすることが可能である。固形燃料Fが成形炭である場合、第1壁と第2壁とのY-Y’方向の間隔L1(後述する
図2B参照)は、一つの固形燃料Fの厚さ寸法(Y-Y’方向の寸法)と略同じ又は若干大きくしてもよいし(
図1A参照)、複数の固形燃料Fの厚さ寸法の和と略同じ又は若干大きく(すなわち、並べて収容できる大きさ)してもよい。固形燃料Fが成形炭以外である場合、第1壁と第2壁とのY-Y’方向の間隔L1は、一又は複数の固形燃料Fを収容できる大きさとすることが可能である。
【0040】
側壁110bが多角筒状である場合、側壁110bは、X-X’方向において互いに対向する第3壁及び第4壁を有する構成とすることが可能である。固形燃料Fが成形炭である場合、第3壁と第4壁とのX-X’方向の間隔L2(
図2B参照)は、複数の固形燃料FのX-X’方向の寸法の和と略同じ又は若干大きく(すなわち、並べて収容できる大きさ)してもよいし(
図1A参照)、一つの固形燃料Fの厚さ寸法と略同じ又は若干大きくしてもよい。固形燃料Fが成形炭以外である場合、第3壁と第4壁とのY-Y’方向の間隔L2は、一又は複数の固形燃料Fを収容できる大きさとすることが可能である。
【0041】
側壁110bが多角筒状である場合、容器110は、図示しない天板を更に有する構成とすることが可能である。天板は、金属板等の耐熱板で構成されていてもよいし、金網等の耐熱性を有する線材で構成されていてもよい。天板は、側壁110bのZ方向側の開口の周縁部にヒンジ接続されており且つ側壁110bのZ方向側の開口を開閉可能に閉塞する構成としてもよいし、側壁110bのZ方向側の開口の周縁部に接続されており且つ側壁110bのZ方向側の開口を閉塞する構成としてもよい。なお、天板は省略可能である。
【0042】
保持具100は、少なくとも一つの通気口111(第1通気口)を更に備えている。少なくとも一つの通気口111は、容器110に設けられており且つ容器110の内部に連通している。少なくとも一つの通気口111は、複数とすることが可能である。一又は各通気口111は、容器110の底部110a及び側壁110bの少なくとも一方を貫通した貫通孔、又は、容器110の底部110a及び側壁110bの少なくとも一方を構成する金網の隙間とすることが可能である。天板が設けられている場合、一又は各通気口111は、容器110の天板を貫通した貫通孔、又は、容器110の天板を構成する金網の隙間とすることが可能である。側壁110bがX-X’方向の断面視において略U字状、略L字状又は略V字状である場合、側壁110bが設けられていない部分が通気口111をなしていてもよい。何れの態様である場合も、少なくとも一つの通気口111から容器110の内部へ空気が流入及び/又は排出される。
【0043】
保持具100は、少なくとも一つの挿入口112を更に備えている。少なくとも一つの挿入口112は、容器110に設けられており且つ容器110の内部に連通している。例えば、側壁110bが筒状である場合、挿入口112は一つであって、側壁110bのZ方向の開口とすることが可能である。また、少なくとも一つの挿入口112は、容器110の底部110a及び側壁110bの少なくとも一方を貫通した貫通孔、又は、容器110の底部110a及び側壁110bの少なくとも一方を構成する金網の隙間とすることが可能である。天板が設けられている場合、少なくとも一つの挿入口112は、容器110の天板を貫通した貫通孔、又は、容器110の天板を構成する金網の隙間とすることが可能である。側壁110bがX-X’方向の断面視において略U字状、略L字状又は略V字状である場合、側壁110bが設けられていない部分が挿入口112をなしていてもよい。何れの態様であっても、少なくとも一つの挿入口112から容器110の内部へ少なくとも一つの固形燃料Fを挿入可能な大きさを有している。少なくとも一つの挿入口112は複数とすることが可能である。
【0044】
なお、上記した貫通孔、金網の隙間又は側壁110bが設けられていない部分が、少なくとも一つの挿入口112及び少なくとも一つの通気口111の双方をなしていてもよい。すなわち、少なくとも一つの挿入口112及び少なくとも一つの通気口111が一体化され、兼用されていても構わない。少なくとも一つの挿入口112及び/又は少なくとも一つの通気口111から燃焼後の固形燃料Fを排出させる構成としても構わない。
【0045】
保持具100は、容器110を持ち運び可能にするためのハンドル120を更に備えていてもよい。ハンドル120は、上記何れかの態様の容器110に設けられている。例えば、ハンドル120は、下記(1)~(4)の何れかの構成とすることが可能である。
【0046】
(1)容器110の側壁110bが金網で構成されている場合、ハンドル120は、側壁110bを構成する金網に回動可能に取り付けられた耐熱性を有する線材で構成されている(
図1A及び
図1B参照)。この場合、ハンドル120は、略L字状の一対の線材を有している。一対の線材は、第1部と、第2部とを有する。第1部は、第1端部と、その反対側の第2端部とを有する。第1部の第1端部は、側壁110bを構成する金網の最もZ側に位置する線材に巻き付けられている。第2部は、第1部の第2端部から延びており且つ第1部に対して略直角である。第1部の第1端部を支点としてハンドル120が、収容位置から使用位置にかけて回動可能となっている。収容位置は、ハンドル120が容器110内に収容される位置である。使用位置は、ハンドル120の一対の線材の第1部の第2端部が側壁110bに当接し且つ第2部が側壁110bから離反するように延びる位置である。使用位置における第2部が使用者に把持されることによって、容器110が持ち運び可能となっている。
【0047】
(2)容器110の側壁110bが金網で構成されている場合、ハンドル120は、側壁110bに連接又は固定された耐熱性を有する線材で構成されていてもよい。この場合、ハンドル120は、容器110の側壁110bから離反するように延びる一対の線材を有する。この一対の線材が使用者に把持されることによって、容器110が持ち運び可能となっている。
【0048】
(3)容器110の側壁110bが耐熱板で構成されている場合、ハンドル120は、側壁110bにヒンジ等で回動可能に取り付けられた耐熱板で構成されている。この場合、ハンドル120は、略L字状であって、第1部と、第2部とを有する。第1部は、第1端部と、その反対側の第2端部とを有する。第1部の第1端部は、側壁110bをヒンジ等で回答可能に取り付けられている。第2部は、第1部の第2端部から延びており且つ第1部に対して略直角である。第1部の第1端部を支点としてハンドル120が、収容位置から使用位置にかけて回動可能となっている。収容位置は、ハンドル120が容器110内に収容される位置である。使用位置は、ハンドル120の第1部の第2端部が側壁110bに当接し且つ第2部が側壁110bから離反するように延びる位置である。使用位置における第2部が使用者に把持されることによって、容器110が持ち運び可能となっている。
【0049】
(4)容器110の側壁110bが耐熱板で構成されている場合、ハンドル120は、側壁110bに連接された耐熱板で構成されており且つ容器110の側壁110bから離反するように延びている。ハンドル120が使用者に把持されることによって、容器110が持ち運び可能となっている。
【0050】
以下、本発明の実施例1及びその設計変型例に係る屋外用加熱調理装置D(以下、単に調理装置Dとも称する。)について、
図2A~
図6を参照しつつ説明する。
図2A~
図3Bには、実施例1の調理装置Dが示されている。
図4A及び
図4Bには、実施例1の調理装置Dの第1設計変型例が示され、
図5には、実施例1の調理装置Dの第2設計変型例が示され、
図6には、実施例1の調理装置Dの第3設計変型例が示されている。
図2A~
図3Bには、Z-Z’方向、X-X’方向及びY-Y’方向が示されている。Z-Z’方向は保持具100の高さ方向に相当する。X-X’方向は、Z-Z’方向に略直交しており、Y-Y’方向はZ-Z’方向及びX-X’方向に略直交している。
【0051】
調理装置Dは、上記した何れかの態様の少なくとも一つの保持具100と、燃料支持具200と、食材支持部300とを備えている。
【0052】
食材支持部300は、肉、魚、野菜、バームクーヘン等の食材(図示なし)を支持する構成となっている。例えば、食材支持部300は、食材を貫通する棒体(
図2A~
図2C参照)で構成されていてもよいし、食材に両側から突き刺される一対の二股銛(図示なし)を有する構成としてもよい。食材支持部300が、棒体である場合、第1端部と、第2端部と、第1端部及び第2端部の間の中間部とを有している。中間部は食材内に位置し得る部分であって、第1端部及び第2端部は、食材の外側に配置される部分である。食材支持部300が、一対の二股銛を有する場合、第1端部と、第2端部とを有する。第1端部は、一対の二股銛の一方の二股銛の根元部分であり、第2端部は、他方の二股銛の根元部分である。
【0053】
燃料支持具200は、Z-Z’方向に延びる略筒状(四角筒状(
図2A~
図3B参照)等の多角筒状又は円筒状)の本体部210を有している。本体部210は、耐熱性を有する素材(例えば、金属や耐熱樹脂)で構成されている。
【0054】
本体部210は折り畳み可能な構成とすることが可能である。例えば、本体部210が偶数の多角筒状である場合、当該多角筒を構成する矩形状の複数の板を有し、この複数の板のうち隣り合う板の端部同士が回動自在に連結されている。複数の板のうち相対する二つの板が、谷折り可能な二つの板で構成されている。
【0055】
又は、本体部210は分解可能な構成とすることが可能である。例えば、本体部210が多角筒状である場合、当該多角筒を構成する矩形状の複数の板を有し、この複数の板のうち隣り合う板の端部同士が着脱自在である構成とすることが可能である。燃料支持具200が円筒である場合、当該円筒を構成する複数の円弧状の板を有し、この板のうち隣り合う板の端部同士が着脱可能な構成とすることが可能である。なお、本体部210は、折り畳み不能及び分解不能な略筒状とすることも可能である。
【0056】
燃料支持具200は、食材支持部300を中空支持する構成を更に有している。例えば、燃料支持具200は、食材支持部300が懸架される少なくとも一組の一対の支持部240を有している。少なくとも一組の一対の支持部240は、燃料支持具200の本体部210のX-X’方向において相対する部分に設けられており且つZ方向側に開放した凹部又は本体部210のX-X’方向において相対する部分に設けられた貫通孔であって、食材支持部300の第1端部、第2端部が挿入され、懸架されている。このようにして食材支持部300が燃料支持具200に懸架されることによって、食材支持部300に支持された食材が燃料支持具200の本体部210内に配置されるようになっている。なお、一対の支持部240は、本体部210のX-X’方向において相対する部分に複数組設けられていてもよい。
図2A~
図3Bでは、一対の支持部240が、本体部210のX-X’方向において相対する板に3組設けられている。複数の組のうち、一の組の一対の支持部240の高さ位置と、別の一の組の支持部240の高さ位置が相違していてもよいが、全ての組の一対の支持部240の高さ位置が同じであってもよい。なお、支持部240が凹部である場合、支持部240の高さ位置とは、凹部のZ’方向側の底部の高さ位置であり、支持部240が貫通孔である場合、支持部240の高さ位置とは、貫通孔のZ’方向側の縁部の高さ位置である。
【0057】
食材支持部300は、少なくとも一組の一対の支持部240に懸架された状態で回転可能となっていても良い。この場合、調理装置Dは、モータ等の駆動部400を更に備えていてもよい。モータ等の駆動部400は、食材支持部300の第1端部に接続されており、食材支持部300を少なくとも一組の一対の支持部240に懸架された状態で回転させるようになっている。駆動部400には、突起410が設けられており、この突起410が本体部210に設けられた少なくとも一つの回転止用の止め孔250に挿入されることによって、駆動部400自身が回転するのを防ぐようになっていても良い。駆動部400は省略可能である。この場合、食材支持部300は、食材支持部300の第1端部にハンドル等を設けて、少なくとも一組の一対の支持部240に懸架された状態で、手動で回転させる構成としてもよいし、食材支持部300は少なくとも一組の一対の支持部240に懸架された状態で回転しない構成としてもよい。なお、回転止用の止め孔250は省略可能である。
【0058】
燃料支持具200は、本体部210の少なくとも一組の一対の支持部240に対してY方向側に位置する少なくとも一つの第1部及び/又はY’方向側に位置する少なくとも一つの第2部を更に有している。少なくとも一つの第1部は、一対であって、X-X’方向において相対するX方向側の第1部と、X’方向側の第1部とを有していてもよい。少なくとも一つの第2部は、一対であって、X-X’方向において相対するX方向側の第2部と、X’方向側の第2部とを有していてもよい。
【0059】
燃料支持具200は、本体部210内で少なくとも一つの保持具100が食材支持部300によって中空支持された食材の側方に位置するように少なくとも一つの保持具100を中空支持する構成を有している。例えば、本体部210及び少なくとも一つの保持具100は、下記(A)~(D)の何れかの構成を有していてもよい。なお、下記(A)~(D)においては、保持具100は、一つであるとして説明するが、複数であっても同様の構成とすることが可能である。
【0060】
(A)保持具100は、少なくとも一つのフック130を更に有している。
【0061】
(A-1)少なくとも一つのフック130が一つであり且つ本体部210の第1部又は第2部が一つである場合、フック130は、容器110の側壁110bに設けられた鉤型であって、容器110の外側に延びた後Z’方向側に延びている。このフック130が、本体部210の第1部又は第2部のZ方向側の端、本体部210の第1部又は第2部に設けられた貫通孔又は本体部210の第1部又は第2部に設けられたZ方向に開放された凹部に引っ掛けられている。このようして保持具100が本体部210内で中空支持され、食材に対してY方向側又はY’方向側(側方)に位置するようになっている。なお、本体部210の第1部のZ方向側の端、本体部210の第1部に設けられた貫通孔又は本体部210の第1部に設けられたZ方向に開放された凹部は、少なくとも一組の一対の支持部240に対してY方向側に位置しており、本体部210の第2部のZ方向側の端、本体部210の第2部に設けられた貫通孔又は本体部210の第2部に設けられたZ方向に開放された凹部は、少なくとも一組の一対の支持部240に対してY’方向側に位置している。
【0062】
(A-2)少なくとも一つのフック130が一対であり且つ本体部210の第1部又は第2部が一対である場合、一対のフック130は、X方向側のフック130及びX’方向側のフック130を有する。X方向側のフック130は、X方向(容器110の外側)に延びた後Z’方向に延びており、X’方向側のフック130は、X’方向(容器110の外側)に延びた後Z’方向に延びている。X方向側、X’方向側のフック130が、X方向側、X’方向側の第1部又は第2部のZ方向側の端、X方向側、X’方向側の第1部又は第2部に設けられた貫通孔又はX方向側、X’方向側の第1部又は第2部に設けられたZ方向に開放された凹部に、引っ掛けられている。このようにして保持具100が本体部210内で中空支持され、食材支持部300に中空支持された食材に対してY方向側又はY’方向側(側方)に位置するようになっている。なお、X方向側、X’方向側の第1部のZ方向側の端、X方向側、X’方向側の第1部に設けられた貫通孔又はX方向側、X’方向側の第1部に設けられたZ方向に開放された凹部は、少なくとも一組の一対の支持部240に対してY方向側に位置しており、X方向側、X’方向側の第2部のZ方向側の端、X方向側、X’方向側の第2部に設けられた貫通孔又はX方向側、X’方向側の第2部に設けられたZ方向に開放された凹部は、少なくとも一組の一対の支持部240に対してY’方向側に位置している。
【0063】
(B)(B-1)(A-1)の本体部210のX方向側、X’方向側の第1部又は第2部のZ方向側の端、貫通孔又は凹部が、Y-Y’方向(食材支持部300に中空支持された食材に対して接近及び離反する第1方向)に延びたランナ部220を構成している。ランナ部220は、フック130をY-Y’方向に移動自在に案内する。(B-2)(A-2)の本体部210のX方向側、X’方向側の第1部又は第2部のZ方向側の端、貫通孔又は凹部が、Y-Y’方向に延びたX方向側のランナ部220、X’方向側のランナ部220を構成している。X方向側、X’方向側のランナ部220は、X方向側、X’方向側のフック130をY-Y’方向に移動自在に案内する。
【0064】
(C)保持具100及び本体部210の少なくとも一方が、図示しない少なくとも一つの係合凸部を有しており、他方が図示しない少なくとも一つの係合孔又は係合凹部を有している。
【0065】
(C-1)少なくとも一つの係合凸部が一つであり、且つ、係合孔又は係合凹部が一つである場合、係合凸部は、容器110の側壁110bに設けられており且つ容器110の外側に凸であり、係合孔は本体部210の第1部又は第2部に設けられており、又は、係合凹部が本体部210の第1部又は第2部に設けられ且つZ方向に開放されている。係合凸部が係合孔に挿入保持されることによって、保持具100が本体部210内で中空支持され、食材支持部300に中空支持された食材に対してY方向側又はY’方向側(側方)に位置するようになっている。係合孔は、少なくとも一組の一対の支持部240に対してY方向側又はY’方向側に位置している。係合孔又は係合凹部は、少なくとも一組の一対の支持部240に対してY方向側又はY’方向側に位置している。
【0066】
(C-2)少なくとも一つの係合凸部が一対であり、且つ、係合孔又は係合凹部が一対である場合、一対の係合凸部は、X方向側の係合凸部及びX’方向側の係合凸部を有する。X方向側の係合凸部は、X方向(容器110の外側)に凸であり、X’方向側の係合凸部は、X’方向(容器110の外側)に凸である。この場合、一対の係合孔又は係合凹部は、X方向側の係合孔又は係合凹部と、X’方向側の係合孔又は係合凹部とを有する。X方向側、X’方向側の係合孔は、X方向側、X’方向側の第1部又は第2部に設けられた貫通孔であり、X方向側、X’方向側の係合凹部はX方向側、X’方向側の第1部又は第2部に設けられたZ方向に開放された凹部である。X方向側、X’方向側の係合孔又は係合凹部にX方向側、X’方向側の係合凸部が挿入保持されている。このようにして保持具100が本体部210内で中空支持され、食材支持部300に中空支持された食材に対してY方向側又はY’方向側(側方)に位置するようになっている。X方向側、X’方向側の係合孔又は係合凹部は、少なくとも一組の一対の支持部240に対してY方向側又はY’方向側に位置している。
【0067】
(D)(D-1)(C-1)の係合孔又は係合凹部がY-Y’方向(第1方向)に延びたランナ部を構成している。このランナ部が係合凸部をY-Y’方向に移動自在に案内する。(D-2)(C-2)のX方向側、X’方向側の係合孔又は係合凹部がY-Y’方向に延びたX方向側、X’方向側のランナ部を構成している。このX方向側、X’方向側のランナ部がX方向側、X’方向側の係合凸部をY-Y’方向に移動自在に案内する。係合凸部が、容器110ではなく、本体部210の第1部又は第2部に設けられ、且つ、係合孔又は係合凹部が、本体部210ではなく、容器110の側壁110bに設けられていても良い。
【0068】
燃料支持具200は、上記(A-1)、(A-2)、(B-1)、(B-2)、(C-1)、(C-2)、(D-1)及び(D-2)の何れかの通りに、少なくとも一組の一対の支持部240に対してY方向側及びY’方向側で二つの保持具100を中空支持する構成とすることが可能である。以下、説明の便宜上、二つの保持具100のうち、少なくとも一組の一対の支持部240に対してY方向側に位置する保持具100をY方向側の保持具100と称し、少なくとも一組の一対の支持部240に対してY’方向側に位置する保持具100をY’方向側の保持具100と称する。また、上記(B-1)、(B-2)、(D-1)及び(D-2)のランナ部を纏めて少なくとも一つのランナ部とも称する。この少なくとも一つのランナ部のうち、Y方向側の保持具100を支持する少なくとも一つのランナ部をY方向側の少なくとも一つのランナ部と称し、Y’方向側の保持具100を支持する少なくとも一つのランナ部をY’方向側の少なくとも一つのランナ部と称する。
【0069】
なお、
図2A~
図2Cでは、保持具100は二つであって、Y方向側の保持具100が、本体部210のX方向側、X’方向側の第1部のZ方向側の端であるランナ部220にY-Y’方向に移動自在に中空支持され、Y’方向側の保持具100が本体部210のX方向側、X’方向側の第2部のZ方向側の端であるランナ部220にY-Y’方向に移動自在に中空支持されている。
【0070】
燃料支持具200は、少なくとも一つの通気口211(第2通気口)を更に有していてもよい。少なくとも一つの通気口211は、本体部210を貫通する貫通孔であって、本体部210内で中空支持された少なくとも一つの保持具100の少なくとも一つの通気口111の近傍に位置する。例えば、本体部210の少なくとも一つの保持具100に対してY方向側及び/又はY方向側の部分を貫通する貫通孔であって、少なくとも一つの保持具100の少なくとも一つの通気口111の近傍に位置する構成とすることが可能である。
図2A及び
図2Bでは、本体部210のY方向及びY’方向側の板にそれぞれ複数の通気口211が設けられており、本体部210のY方向側の板の複数の通気口211がY方向側の保持具100の複数の通気口111の近傍に位置し、本体部210のY’方向側の板の複数の通気口211がY’方向側の保持具100の複数の通気口111の近傍に位置する。なお、少なくとも一つの通気口211は省略可能である。
【0071】
少なくとも一つの保持具100がハンドル120を有している場合、燃料支持具200は、少なくとも一つの凹部230を更に有する構成とすることが可能である。燃料支持具200が一つの保持具100を中空支持する場合、少なくとも一つの凹部230は、本体部210の保持具100に対してY方向側の部分又はY’方向側の部分をY-Y’方向に貫通しており且つZ方向に開放されている。少なくとも一つの凹部230内に保持具100のハンドル120が挿入されている。保持具100のハンドル120が一対の線材を有する場合、ハンドル120の一対の線材が、一の凹部230内又は一対の凹部230内に挿入されている。
【0072】
燃料支持具200がY方向側の保持具100及びY’方向側の保持具100を中空支持する場合、少なくとも一つの凹部230は、Y方向側の少なくとも一つの凹部230と、Y’方向側の少なくとも一つの凹部230とを含む。Y方向側の少なくとも一つの凹部230は、本体部210の保持具100に対してY方向側の部分をY-Y’方向に貫通しており且つZ方向に開放されている以外、上記の通りである。Y’方向側の少なくとも一つの凹部230は、本体部210の保持具100に対してY’方向側の部分をY-Y’方向に貫通しており且つZ方向に開放されている以外、上記の何れかの態様の通りである。
【0073】
上記した何れの場合も、少なくとも一つの保持具100が燃料支持具200の少なくとも一つのランナ部によってY-Y’方向に移動自在に支持されている場合、少なくとも一つの保持具100のハンドル120が、当該少なくとも一つの保持具100のY-Y’方向の移動に伴って、少なくとも一つの凹部230内をY-Y’方向に移動自在となっていると良い。なお、少なくとも一つの保持具100がハンドル120を有していない場合、少なくとも一つの保持具100のハンドル120が容器110に対して着脱自在である場合、又は、少なくとも一つの保持具100が燃料支持具200に支持された状態で、少なくとも一つの保持具100のハンドル120が燃料支持具200に干渉しないように傾斜している場合、少なくとも一つの凹部230は、省略可能である。
【0074】
燃料支持具200が食材支持部300を回転可能に中空支持している場合、調理装置Dは、被把持部500を更に備えた構成とすることが可能である。被把持部500は、食材支持部300の第2端部の長手方向に延びた筒状である。被把持部500の前記長手方向に直交する方向の断面の内形寸法は、食材支持部300の前記長手方向に直交する方向の断面の第2端部の外形寸法よりも大きい。被把持部500内には、食材支持部300の第2端部が空転可能に挿入されている。これにより、食材支持部300が回転中に被把持部500が把持されたとしても、被把持部500が食材支持部300の回転に伴って回転しないので、食材支持部300の第2端部が持ちやすくなる。
【0075】
調理装置Dは、第1受部600を更に備えた構成とすることが可能である。第1受部600は、例えば、Z方向側の面が開放された下向きの多角錐(
図4A及び
図4Bでは、四角錐)状であってもよいし、Z方向側に開放されたZ’方向に凸の略半円筒又は略半球を有する形状であってもよいし、多角形状の底面の周縁部から立ち上がった略筒状の側壁を有する形状であってもよいし、皿状であってもよい。第1受部600は、少なくとも少なくとも一つの保持具100の下側(Z’方向側)に配置されており且つ少なくとも一つの保持具100内の固形燃料Fからの落下物(灰や煤)を受けるようになっている。第1受部600は、少なくとも一つの保持具100及び食材支持部300によって中空支持された食材の下側(Z’方向側)に配置されており、且つ、当該食材からの落下物(油、調味液や食材の一部(例えば、バームクーヘンの生地))を受けるようになっていてもよい。
【0076】
調理装置Dは、第1受部600を有する焚火台及び/又はバーベキューグリルを備えた構成とすることが可能である。この場合、調理装置Dの焚火台及び/又はバーベキューグリルは、以下の(a)~(e)の何れかの通りの構成とすることが可能である。
【0077】
(a)第1受部600は、焚火台及び/又はバーベキューグリルの火床であって、五徳610(
図4A及び
図4B参照)又は図示しない焼網を支持している。燃料支持具200が、五徳610又は焼網上に載置され、第1受部600に対してZ方向側で支持されている。なお、第1受部600は、脚部800に支持されている。
【0078】
(b)第1受部600は、バーベキューグリルの火床であって、バーベキューグリルのフレーム700(
図5参照)に収容保持されている。フレーム700は、一対の第1対辺部710と、一対の第2対辺部720とを有している。一対の第1対辺部710は、下向き略U字状や略O字状のパイプ又は耐熱板等であって、X-X’方向で互いに対向している。一対の第2対辺部720は、略O字状や下向き略U字状のパイプ又は耐熱板等であって、Y-Y’方向で互いに対向しており且つ一対の第1対辺部710間を連結している。一対の第1対辺部710が前述のパイプで構成されている場合、フレーム700は、一対の補強板730を更に有していてもよい。一対の補強板730は、一対の第1対辺部710に固定されたZ-Z’方向における断面視略L字状や横向き略U字状等の耐熱板である。一対の第1対辺部710、一対の第2対辺部720及び一対の補強板730のうちの少なくとも一組に第1受部600が支持され且つ一対の第1対辺部710及び一対の第2対辺部720によって囲われた空間内に配置されている。一対の第1対辺部710、一対の第2対辺部720及び一対の補強板730のうちの少なくとも一組が五徳610又は図示しない焼網を支持しており、燃料支持具200が、五徳610又は焼網上に載置され、第1受部600に対してZ方向側で支持されている。なお、一対の第1対辺部710及び/又は一対の第2対辺部720には、脚部800が固定されている。
【0079】
(c)第1受部600が、バーベキューグリルの火床であって、バーベキューグリルのZ方向に開放された耐熱性の箱型の筐体900(
図6参照)に収容保持されている。筐体900が五徳610又は図示しない焼網を支持しており、燃料支持具200が、五徳610又は焼網上に載置され、第1受部600に対してZ方向側で支持されている。筐体900には、脚部800が固定されている。
【0080】
(d)第1受部600が、上記何れかの態様の焚火台及び/又はバーベキューグリルの火床であって、燃料支持具200が、第1受部600、フレーム700又は筐体900上に載置され、第1受部600に対してZ方向側で支持されている。
【0081】
(e)第1受部600が、焚火台及び/又はバーベキューグリルのフレーム700又は筐体900に支持された鉄板であって、燃料支持具200が、第1受部600上に載置され、支持されている。
【0082】
燃料支持具200が(a)~(e)の何れかの通りに焚火台及び/又はバーベキューグリルに支持される場合、燃料支持具200は、少なくとも一つの係合部270を更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの係合部270は、Z’方向側に開放された係合凹部(
図3A及び
図3B参照)又はZ’方向側に凸である係合凸部である。少なくとも一つの係合部270は、複数であってもよい。一又は各係合部270が係合凹部である場合、一又は各係合部270内に、五徳610が挿入される(
図4A~
図6参照)、又は、一又は各係合部270内に、五徳610、フレーム700若しくは筐体900に設けられた一又は複数の係合凸部が嵌合することによって、燃料支持具200が位置固定される構成とすることが可能である。一又は各係合部270が係合凸部である場合、一又は各係合部270が、五徳610、フレーム700若しくは筐体900に設けられた対応する係合凹部、又は、焼網の隙間に嵌合することによって、燃料支持具200が位置固定される構成とすることが可能である。なお、少なくとも一つの係合部270及びこれに対応する係合凸部、係合凹部は省略可能である。
【0083】
焚火台及び/又はバーベキューグリル(第1受部600を除く。)は省略可能である。この場合、燃料支持具200は、地面、テーブルの天板又は、地面若しくはテーブルの天板上の耐熱シート(例えば、出願人の「たき火台 耐火・断熱シート(80×130cm)」(商品コード:No.81064034)等)上に載置されており、第1受部600は、燃料支持具200内で少なくとも一つの保持具100の下側に配置されている。この第1受部600は、少なくとも一つの保持具100及び食材支持部300に中空支持された食材の下側に配置されていても構わない。燃料支持具200がテーブルの天板上に載置される場合、天板の載置面は耐熱処理がなされていることが好ましい。なお、燃料支持具200は、地面、テーブルの天板又は耐熱シート上に配置される場合、第1受部600も省略可能である。
【0084】
調理装置Dは、図示しない第2受部を更に備えた構成とすることが可能である。第2受部は、第1受部600と同様の形状を有する構成とすることが可能である。第2受部は、燃料支持具200内で食材支持部300に中空支持された食材の下側に配置されており且つ当該食材からの落下物(油、調味液や食材の一部(例えば、バームクーヘンの生地))を受けるようになっている。燃料支持具200の本体部210が筒状である場合、燃料支持具200は少なくとも一つの開口260を更に有する構成とすることも可能である。少なくとも一つの開口260は、燃料支持具200をX-X’方向又はY-Y’方向に貫通している。少なくとも一つの開口260から第2受部が燃料支持具200内に出し入れ可能となっている。
【0085】
第1受部600と第2受部とは、併存して調理装置Dに設けられていてもよいし、何れか一方のみが調理装置Dに設けられていても良い。なお、第2受部は省略可能である。この場合、少なくとも一つの開口260も省略可能である。少なくとも一つの開口260が省略される場合、燃料支持具200に食材付きの食材支持部300を懸架する前に、燃料支持具200内に第2受部を配置しておけばよい。
【0086】
以下、上記した何れかの態様の調理装置Dの使用方法について詳しく説明する。まず、燃料支持具200を用意する。燃料支持具200を、上記した五徳610、焼網、第1受部600、フレーム700、筐体900、地面、テーブルの天板又は耐熱シート上に載置する。その後、燃焼した固形燃料Fが収容された保持具100を少なくとも一つ用意する。この少なくとも一つの保持具100を燃料支持具200に中空支持させる。そして、食材支持部300を用意する。食材支持部300を燃料支持具200の少なくとも一組の一対の支持部240に懸架し、中空支持させる。食材支持部300には、肉、魚及び/又は野菜等が予め取り付けられていてもよい。この場合、燃料支持具200に中空支持された少なくとも一つの保持具100が、食材支持部300に支持された食材に対して側方に配置され、当該保持具100内の固形燃料Fで加熱調理することができる。又は、燃料支持具200に中空支持された少なくとも一つの保持具100が、食材支持部300に対して側方に配置された後に、食材支持部300に対してバームクーヘンの生地等を付着させるようにしても良い。この場合も、燃料支持具200に中空支持された少なくとも一つの保持具100が、食材支持部300に付着した(支持された)食材に対して側方に配置され、当該保持具100内の固形燃料Fで加熱調理することができる。なお、食材支持部300は、加熱調理中に駆動部400又は手動で回転させても良いし、回転させなくてもよい。
【0087】
以上のような少なくとも一つの保持具100及び調理装置Dによる場合、少なくとも一つの保持具100が、燃料支持具200に中空支持され、食材支持部300に支持された食材の側方に配置されるので、少なくとも一つの保持具100内の固形燃料Fによって食材支持部300に支持された食材を側方から加熱調理することができる。
【0088】
少なくとも一つの保持具100がハンドル120を有している場合、ハンドル120を把持することによって、固形燃料F入りの少なくとも一つの保持具100を容易に持ち運ぶことができる。
【0089】
少なくとも一つの保持具100及び食材支持部300の双方が、燃料支持具200内に配置されるので、食材支持部300によって支持される食材を燃料支持具200内で加熱調理することができる。よって、外部から塵や埃が食材に付着する可能性が低減される。
【0090】
少なくとも一つの保持具100が、少なくとも一つのランナ部に移動自在に支持されている場合、少なくとも一つの保持具100を食材に対して接近させたり離反させたりすることによって、少なくとも一つの保持具100に収容された固形燃料Fの食材に対する火力を調整することができる。また、少なくとも一つの保持具100がハンドル120を有しており且つ当該ハンドル120が燃料支持具200の少なくとも一つの凹部230内にY-Y’方向に移動自在に挿入されている場合、当該ハンドル120が少なくとも一つの凹部230から燃料支持具200外に突出している部分を操作することによって、少なくとも一つの保持具100を食材に対して接近させたり離反させたりすることができるので、当該操作を容易に行うことができる。
【0091】
固形燃料Fが成形炭であり、少なくとも一つの保持具100の第1壁と第2壁との間隔L1が、一つの固形燃料Fの厚さ寸法と略同じ又は若干大きい場合、少なくとも一つの保持具100の第1壁と第2壁で一つの固形燃料Fが安定的に保持される。また、間隔L1が複数の固形燃料Fの厚さ寸法の和と略同じ又は若干大きい場合、少なくとも一つの保持具100の第1壁と第2壁で複数の固形燃料Fが並んだ状態で安定的に保持される。
【0092】
なお、上記した固形燃料保持具及び屋外用加熱調理装置は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0093】
上記何れかの態様の燃料支持具200は、食材支持部300が懸架される少なくとも一組の一対の支持部240を有するとしたが、これに限定されるものではない。上記何れかの態様の燃料支持具200は、食材支持部300の第1端部又は第2端部を片持ち梁状に支持する少なくとも一つの支持部240を有する構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの支持部240は、食材支持部300の第1端部又は第2端部が挿入支持される長孔で構成されていても良いし、食材支持部300の第1端部又は第2端部が挿入支持される第1、第2孔又は第1、第2凹部を有する構成とすることも可能である。校舎の場合、第1孔又は第1凹部は、上記何れかの態様の燃料支持具200の本体部210に設けられており、第2孔又は第2凹部は、上記何れかの態様の燃料支持具200の本体部210に固定された片部材に設けられた構成とすることが可能である。
【0094】
支持部240は省略可能である。この場合、本発明の食材支持部は、上記何れかの態様の燃料支持具200に支持されるのではなく、地面等に突き刺して燃料支持具200内で食材を支持する構成であっても良いし、上記した地面、テーブルの天板、第1受部、第2受部、フレーム700、筐体900、五徳、焼網又は鉄板上に載置され且つ燃料支持具200内で食材を支持するスタンドとして構成してもよい。
【0095】
上記何れかの態様の燃料支持具の本体部は、筒状に限定されるものではなく、保持具100を中空支持する構成であればよい。例えば、燃料支持具は、本体部がX-X’方向の断面視において略U字状、略L字状又は略V字状である以外、上記何れかの態様の燃料支持具と同様の構成とすることが可能である。
【0096】
上記何れかの態様の固形燃料保持具は、燃料支持具に中空支持されるものに限定されない。例えば、固形燃料保持具は、上記した地面、テーブルの天板、第1受部、第2受部、フレーム700、筐体900、五徳、焼網又は鉄板上に載置され且つ上記何れかの態様の食材支持部に支持された食材に対して側方に配置されるようになっていても構わないし、フレーム700、筐体900、五徳、焼網又は鉄板上に載置され且つ焼網又は鉄板上の食材に対して側方に配置されるようになっていても構わない。後者の場合、食材支持部は省略される。なお、上記何れかの態様の固形燃料保持具の容器の底部及び側壁の少なくとも一方は、少なくとも一部が金網等の耐熱性を有する線材で構成され、残りが耐熱板等で構成されていてもよい。
【0097】
なお、本発明では、上記何れかの態様の固形燃料保持具に収容された固形燃料Fに加えて、上記何れかの態様の第1受部内に収容された固形燃料FでZ’方向側から上記何れかの態様の食材支持部に支持された食材を加熱調理しても構わない。本発明における固形燃料Fは、炭や薪に限定されることなく、バーベキューで使用されるあらゆる固形燃料を含む。