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特開2022-35057通信装置、情報処理方法及びプログラム
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  • 特開-通信装置、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特開-通信装置、情報処理方法及びプログラム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035057
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】通信装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/46 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
H04L12/46 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139121
(22)【出願日】2020-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】518333236
【氏名又は名称】フォースネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】漆谷 智行
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033AA09
5K033CB09
5K033DA05
5K033DB12
5K033EC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】異なるLANに接続された装置でローカルIPアドレスが重複しても通信可能とすることができる通信装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム1000において、第1のネットワーク105に設置される通信装置100は、記憶部と、通信制御部と、を有する。記憶部は、第1のネットワークの装置のアドレス情報と、アドレス情報に対応する仮想アドレス情報と、を関連付けて関連付けデータとして記憶する。通信制御部は、第2のネットワーク115の装置116に対して、第1のネットワークの装置と通信をする際の情報として仮想アドレス情報に関する情報を送信する。第2のネットワークの装置から仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、関連付けデータに基づき、仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の第1のネットワークの装置に対する通信を許可する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークに設置される通信装置であって、
記憶部と、通信制御部と、を有し、
前記記憶部は、前記第1のネットワークの装置のアドレス情報と、前記アドレス情報に対応する仮想アドレス情報と、を関連付けて関連付けデータとして記憶し、
前記通信制御部は、
第2のネットワークの装置に対して、前記第1のネットワークの装置と通信をする際の情報として前記仮想アドレス情報に関する情報を送信し、
前記第2のネットワークの装置から前記仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記関連付けデータに基づき、前記仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可する、
通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
設定部を有し、
前記設定部は、前記第1のネットワークの装置のアドレス情報を取得し、前記アドレス情報に対応する仮想アドレス情報を生成し、前記アドレス情報と、前記仮想アドレス情報とを関連付けて前記関連付けデータとして、前記記憶部に設定する、
通信装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の通信装置において、
前記アドレス情報は、IPアドレスである、
通信装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の通信装置において、
前記通信制御部は、
第1のモードで動作している場合は、前記第2のネットワークの装置から前記アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記アドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可し、
第2のモードで動作している場合は、前記第2のネットワークの装置から前記アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記アドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可せず、前記第2のネットワークの装置から前記仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記関連付けデータに基づき、前記仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可する、
通信装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の通信装置において、
前記第1のネットワークと、前記第2のネットワークとは、バーチャルプライベートネットワークで接続されている、
通信装置。
【請求項6】
第1のネットワークに設置される、記憶部を有する通信装置が実行する情報処理方法であって、
第1の工程と、第2の工程と、を含み、
前記記憶部には、前記第1のネットワークの装置のアドレス情報と、前記アドレス情報に対応する仮想アドレス情報と、が関連付けられて関連付けデータとして記憶され、
前記第1の工程では、第2のネットワークの装置に対して、前記第1のネットワークの装置と通信をする際の情報として前記仮想アドレス情報に関する情報を送信し、
前記第2の工程では、前記第2のネットワークの装置から前記仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記関連付けデータに基づき、前記仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可する、
情報処理方法。
【請求項7】
プログラムであって、
第1のネットワークに設置される、記憶部を有するコンピュータに、
第1のステップと、第2のステップと、を実行させ、
前記記憶部には、前記第1のネットワークの装置のアドレス情報と、前記アドレス情報に対応する仮想アドレス情報と、が関連付けられて関連付けデータとして記憶され、
前記第1のステップでは、第2のネットワークの装置に対して、前記第1のネットワークの装置と通信をする際の情報として前記仮想アドレス情報に関する情報を送信し、
前記第2のステップでは、前記第2のネットワークの装置から前記仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記関連付けデータに基づき、前記仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス感染症の流行もあり、在宅勤務制度を設ける会社も多い。この場合、会社のLAN(Local Area Network)と家内のLANとはVPN(Virtual Private Network)を利用して接続される場合が多い。VPNは、インターネットを跨って、プライベートネットワークを拡張する技術である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-268312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
会社のLAN内の装置等と、自宅のLAN内の装置等でローカルIPアドレスが重複する場合がある(以後、ローカルIPアドレスを単にIPアドレスと称する)。これは、一般的に同一のLAN内においては、IPアドレスは重複しないように割り当てるが、会社内のLANと、自宅のLANではそのようなことは考慮されずにお互いIPアドレスが割り振られているからである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、第1のネットワークに設置される通信装置が提供される。この通信装置は、記憶部と、通信制御部と、を有する。記憶部は、第1のネットワークの装置のアドレス情報と、アドレス情報に対応する仮想アドレス情報と、を関連付けて関連付けデータとして記憶する。通信制御部は、第2のネットワークの装置に対して、第1のネットワークの装置と通信をする際の情報として仮想アドレス情報に関する情報を送信する。第2のネットワークの装置から仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、関連付けデータに基づき、仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の第1のネットワークの装置に対する通信を許可する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、通信装置の機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、記憶部に記憶されている関連付けデータの一例を示す図である。
図5図5は、情報処理システムにおける情報処理の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、変形例1の通信装置の機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0008】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0009】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム1000は、システム構成として、ルーター101と、通信装置100と、ファイルサーバ102と、データベースサーバ103と、LAN105と、を含む。通信装置100と、ファイルサーバ102と、データベースサーバ103とは、LAN105を介して通信可能に接続されている。ルーター101と、通信装置100と、ファイルサーバ102と、データベースサーバ103と、LAN105とは、会社内のネットワーク内に設置されている。会社内のネットワークは、第1のネットワークの一例である。
【0012】
ルーター101は、データを2つ以上の異なるネットワーク感に中継する通信機器である。ファイルサーバ102は、PC(Personal Computer)、スマートフォン等からアクセスされ、ファイルの共有、交換を行うことができるサーバである。データベースサーバ103は、データベース管理システム(DBMS)が稼働しているサーバであり、PC、スマートフォンなどからの要求に応じて、DBMSを介してストレージへデータを記録したり、書き換えを行ったり、削除を行ったり、条件に従ってデータを検索して検索結果を返したりする。図1では説明の簡略化のため、図示していないが、会社内のネットワークには、IP電話の電話機が含まれる。通信装置100には、IP電話サービスに対応したVoIP-GW機能(SIP-SIP変換機能)が実装されている。また、通信装置100には、VPN(Virtual Private Network)機能が実装されている。通信装置100の詳細は、後述する図2図3等を用いて説明する。
【0013】
また、情報処理システム1000は、ルーター111と、通信装置116と、PC112と、プリンター113と、LAN115と、を含む。通信装置116と、PC112と、プリンター113とは、LAN115を介して通信可能に接続されている。ルーター111と、通信装置116と、PC112と、プリンター113と、LAN115とは、家庭内のネットワーク内に設置されている。家庭内のネットワークは、第2のネットワークの一例である。通信装置116は、第2のネットワークの装置の一例である。
会社内のネットワークと、家庭内のネットワークとは、インターネット150を介して通信可能に接続されている。より具体的に説明すると、会社内のネットワークと、家庭内のネットワークとは、VPNを介して接続されている。図1では説明の簡略化のため、家庭内のネットワークとして1つの家庭のネットワークを示しているが、家庭内のネットワークは、在宅ワークをしている社員数分存在する。
【0014】
ルーター111は、データを2つ以上の異なるネットワーク感に中継する通信機器である。PC112は、在宅ワークを行う社員が使用するPCである。プリンター113は、家庭内のプリンターである。
【0015】
2.ハードウェア構成
図2は、通信装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。通信装置100は、ハードウェア構成として、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、を含む。制御部201は、通信装置100の全体を制御する。記憶部202は、プログラム、制御部201がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ、例えば、後述する図4に示すテーブル400等、を記憶する。制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって後述する図3に示す機能構成及び後述する図5に示すシーケンス図における通信装置100の処理が実現される。通信部203は、通信装置100と他の装置との通信を司る。
【0016】
3.機能構成
図3は、通信装置100の機能構成の一例を示す図である。通信装置100は、機能構成として、通信制御部301を含む。通信制御部301は、家庭内のネットワークの装置(より具体的には、通信装置116)に対して、会社内のネットワークの装置と通信をする際の情報として会社内のネットワークの装置の仮想アドレス情報に関する情報を送信する。
【0017】
図4は、記憶部202に記憶されているテーブル400の一例を示す図である。テーブル400は、会社内のネットワークの装置のアドレス情報と、アドレス情報に対応する仮想アドレス情報と、を関連付けるデータである。関連付けデータ401は、ファイルサーバ102のアドレス情報と、ファイルサーバ102の仮想アドレス情報と、を関連付けるデータである。関連付けデータ402は、データベースサーバ103のアドレス情報と、データベースサーバ103の仮想アドレス情報と、を関連付けるデータである。仮想アドレスには、家庭内のネットワークのアドレス情報と被らないアドレス情報が設定される。図4に示されるように、アドレス情報の一例としては、IPアドレスがある。
【0018】
通信制御部301は、家庭内のネットワークの装置(より具体的には通信装置116)に対して、仮想アドレス情報に関する情報として、仮想アドレス情報がVPN接続されている接続先(すなわち、通信装置100)にあることを示す情報を送信する。仮想アドレス情報がVPN接続されている接続先にあることを示す情報としては、図4の例を用いて説明すると、例えば、10.10.10.1、10.10.10.2等の個々の仮想アドレス情報であってもよいし、10.10.10.X等の仮想アドレスのルート情報であってもよい。
【0019】
また、家庭内のネットワークの装置から仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、通信制御部301は、関連付けデータに基づき、仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の会社内のネットワークの装置に対する通信を許可する。例えば、通信装置116を介してPC112から10.10.10.2に対して通信の要求があった場合、通信制御部301は、関連付けデータに基づき、10.10.10.2に対応するアドレス情報として192.168.1.2を特定し、192.168.1.2をアドレス情報として有するファイルサーバ102に対する通信を許可する。なお、ここで、PC112のユーザは、予め10.10.10.2は、データベースサーバ103の仮想アドレス情報であることを知っており、PC112に設定しているものとする。
【0020】
4.情報処理
図5は、情報処理システム1000における情報処理の一例を示すシーケンス図である。
SQ501において、通信制御部301は、家庭内のネットワークの装置である通信装置116に対して、会社内のネットワークの装置と通信をする際の情報として会社内のネットワークの装置の仮想アドレス情報に関する情報を送信する。通信装置116は、仮想アドレス情報に関する情報を受信すると、仮想アドレス情報に関する情報と、この情報を送信した通信装置100と、を関連付けて記憶部等に記憶する。これによって、通信装置100は、仮想アドレスに対するアクセス要求を受信した場合は、そのアクセス要求を通信装置100に送信すればよいことが分かる。
【0021】
SQ502において、PC112は、通信装置116に対して、仮想アドレス情報を含む、会社内のネットワークの装置に対するアクセス要求を送信する。アクセス要求を受信すると、通信装置116は、通信装置100に対して、仮想アドレス情報を含む、会社内のネットワークの装置に対するアクセス要求を送信する。
SQ503において、通信制御部301は、通信装置116より、仮想アドレス情報を含む、会社内のネットワークの装置に対するアクセス要求を受信する。通信制御部301は、アクセス要求に含まれる仮想アドレス情報に対応するアドレス情報が、テーブル400にあるか否かを判定する。アクセス要求に含まれる仮想アドレス情報に対応するアドレス情報が、テーブル400にない場合、通信制御部301は、アクセス要求に対応する装置がない旨等を、要求元の通信装置116に対して送信する。
アクセス要求に含まれる仮想アドレス情報に対応するアドレス情報が、テーブル400にある場合、SQ504において、通信制御部301は、関連付けデータに基づき、仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の会社内のネットワークの装置に対する通信を許可する。より具体的に、アクセス要求がデータベースサーバ103に対するアクセス要求であった場合、通信制御部301は、データベースサーバ103に対するアクセスを許可する。
【0022】
SQ505において、PC112は、通信装置116に対して、仮想アドレス情報を含む、会社内のネットワークの装置に対するアクセス要求を送信する。アクセス要求を受信すると、通信装置116は、通信装置100に対して、仮想アドレス情報を含む、会社内のネットワークの装置に対するアクセス要求を送信する。
SQ506において、通信制御部301は、通信装置116より、仮想アドレス情報を含む、会社内のネットワークの装置に対するアクセス要求を受信する。通信制御部301は、アクセス要求に含まれる仮想アドレス情報に対応するアドレス情報が、テーブル400にあるか否かを判定する。アクセス要求に含まれる仮想アドレス情報に対応するアドレス情報が、テーブル400にない場合、通信制御部301は、アクセス要求に対応する装置がない旨等を、要求元の通信装置116に対して送信する。
アクセス要求に含まれる仮想アドレス情報に対応するアドレス情報が、テーブル400にある場合、SQ507において、通信制御部301は、関連付けデータに基づき、仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の会社内のネットワークの装置に対する通信を許可する。より具体的に、アクセス要求がファイルサーバ102に対するアクセス要求であった場合、通信制御部301は、ファイルサーバ102に対するアクセスを許可する。
【0023】
実施形態1によれば、会社内のネットワークの装置のアドレス情報と、家庭内のネットワークの装置のアドレス情報とが仮に同じであったとしても、家庭内のネットワークの装置から会社内のネットワークの装置に対して問題なくアクセスすることができる。
例えば、会社内のネットワークの装置であるファイルサーバ102のアドレス情報192.168.1.1が家庭内のネットワークの装置、例えば、プリンター113のアドレス情報でも使われていた場合、PC112を用いて、ファイルサーバ102にアクセスしようと思っていても、同じネットワークにあるプリンター113にアクセスすることになる。在宅勤務が多くなり、複数の家庭内のネットワークと、会社内のネットワークとが接続される場合、このような問題は頻発する可能性がある。しかし、実施形態1によれば、通信装置100は、テーブル400を有し、他のネットワークの装置の通信装置116に、仮想アドレス情報、又は仮想アドレス情報のルート情報を送信する。PC112は、ファイルサーバ102にアクセスしようとした場合、10.10.10.1に対してアクセスすればよい。このようなアクセスの要求があった場合、通信装置116は、アクセス要求を通信装置100に送信する。通信装置100は、テーブル400に基づき仮想アドレス情報10.10.10.1に対応するアドレス情報192.168.1.1を特定し、ファイルサーバ102に対してアクセスするよう制御する。そのため、ユーザが意図した装置に対して正しくアクセスできるようになる。
【0024】
<変形例1>
変形例1を説明する。図6は、変形例1の通信装置100の機能構成の一例を示す図である。通信装置100は、機能構成として、通信制御部301と、設定部601と、を含む。設定部601は、会社内のネットワークの装置のアドレス情報を取得し、アドレス情報に対応する仮想アドレス情報を生成し、アドレス情報と、仮想アドレス情報とを関連付けて関連付けデータとして、記憶部202に記憶し、設定する。より具体的に説明すると、設定部601は、会社内のネットワークの装置として、ファイルサーバ102、データベースサーバ103のアドレス情報を取得し、ファイルサーバ102、データベースサーバ103に対応する仮想アドレス情報を生成する。設定部601は、複数の家庭内の装置のアドレス情報と被らないアドレス情報を、ファイルサーバ102、データベースサーバ103に対応する仮想アドレス情報として生成する。
【0025】
変形例1によれば、自動で仮想アドレス情報を生成し、設定することができる。
【0026】
<変形例2>
変形例2を説明する。変形例2の通信装置100は、少なくとも2つのモード(第1のモードと第2のモード)に基づき、動作を行う。第1のモードは、アドレス情報に対するアクセス及び仮想アドレス情報に対するアクセス、共に許可するモードである。第2のモードは、仮想アドレス情報に対するアクセスを許可し、アドレス情報に対するアクセスを許可しないモードである。通信装置100は、不図示の入力部等を介して何れのモードで動作するか設定されてもよいし、他の装置から受け取ったコマンドに基づいて何れのモードで動作するか設定されてもよい。
【0027】
第1のモードで動作している場合は、変形例2の通信制御部301は、PC112からアドレス情報に対して通信の要求があった場合は、アドレス情報の会社内のネットワーク装置に対する通信を許可する。また、第1のモードで動作している場合は、通信制御部301は、PC112から仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、関連付けデータに基づき、仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の会社内のネットワークの装置に対する通信を許可する。一方、第2のモードで動作している場合は、通信制御部301は、PC112からアドレス情報に対して通信の要求があった場合は、アドレス情報の会社内のネットワーク装置に対する通信を許可しない。また、第2のモードで動作している場合は、通信制御部301は、PC112から仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、関連付けデータに基づき、仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の会社内のネットワークの装置に対する通信を許可する。
【0028】
変形例2によれば、モードに応じて、実際のアドレス情報を用いたアクセス要求を許可するか否かを切り替えることができる。
【0029】
<変形例3>
変形例3を説明する。図7は、変形例3の記憶部202に記憶されているテーブル400の一例を示す図である。変形例3の設定部601は、実際に対応するアドレス情報が存在するか否かに関わらず、仮想アドレス情報を生成し、テーブル400に設定する。そして、設定部601は、末尾のアドレス情報が一致するように、実際に存在するアドレス情報をテーブル400に設定する。
【0030】
変形例3によっても自動で仮想アドレス情報を生成し、設定することができる。
【0031】
<付記>
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記通信装置において、設定部を有し、前記設定部は、前記第1のネットワークの装置のアドレス情報を取得し、前記アドレス情報に対応する仮想アドレス情報を生成し、前記アドレス情報と、前記仮想アドレス情報とを関連付けて前記関連付けデータとして、前記記憶部に設定する、通信装置。
前記通信装置において、前記アドレス情報は、IPアドレスである、通信装置。
前記通信装置において、前記通信制御部は、第1のモードで動作している場合は、前記第2のネットワークの装置から前記アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記アドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可し、第2のモードで動作している場合は、前記第2のネットワークの装置から前記アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記アドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可せず、前記第2のネットワークの装置から前記仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記関連付けデータに基づき、前記仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可する、通信装置。
前記通信装置において、前記第1のネットワークと、前記第2のネットワークとは、バーチャルプライベートネットワークで接続されている、通信装置。
第1のネットワークに設置される、記憶部を有する通信装置が実行する情報処理方法であって、第1の工程と、第2の工程と、を含み、前記記憶部には、前記第1のネットワークの装置のアドレス情報と、前記アドレス情報に対応する仮想アドレス情報と、が関連付けられて関連付けデータとして記憶され、前記第1の工程では、第2のネットワークの装置に対して、前記第1のネットワークの装置と通信をする際の情報として前記仮想アドレス情報に関する情報を送信し、前記第2の工程では、前記第2のネットワークの装置から前記仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記関連付けデータに基づき、前記仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可する、情報処理方法。
プログラムであって、第1のネットワークに設置される、記憶部を有するコンピュータに、第1のステップと、第2のステップと、を実行させ、前記記憶部には、前記第1のネットワークの装置のアドレス情報と、前記アドレス情報に対応する仮想アドレス情報と、が関連付けられて関連付けデータとして記憶され、前記第1のステップでは、第2のネットワークの装置に対して、前記第1のネットワークの装置と通信をする際の情報として前記仮想アドレス情報に関する情報を送信し、前記第2のステップでは、前記第2のネットワークの装置から前記仮想アドレス情報に対して通信の要求があった場合は、前記関連付けデータに基づき、前記仮想アドレス情報に対応するアドレス情報の前記第1のネットワークの装置に対する通信を許可する、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0032】
例えば、上述のプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0033】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0034】
100 :通信装置
101 :ルーター
102 :ファイルサーバ
103 :データベースサーバ
111 :ルーター
113 :プリンター
150 :インターネット
201 :制御部
202 :記憶部
203 :通信部
301 :通信制御部
400 :テーブル
401 :関連付けデータ
402 :関連付けデータ
601 :設定部
1000 :情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6