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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035134
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】ガスコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/00 20060101AFI20220225BHJP
   F24C 15/10 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
F24C3/00 J
F24C15/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139240
(22)【出願日】2020-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】椋本 大貴
(72)【発明者】
【氏名】秋山 啓太
(72)【発明者】
【氏名】竹野 沙方里
(57)【要約】
【課題】天板がバーナに対して上方および下方に移動することを制限しながらも、天板固定部上での機能部品の配置の自由度が比較的高いガスコンロを提供する。
【解決手段】ガスコンロは、開口部が設けられている天板1と、開口部に通されたバーナ本体2bを有するバーナ2と、天板1を支持する天板固定部3とを備える。天板固定部3は、上方から視てバーナ本体2bを囲むように環状に設けられており、かつバーナ2の一部を上下方向から挟み込むように設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が設けられている天板と、
前記開口部に通されたバーナ本体を有するバーナと、
前記天板を支持する天板固定部とを備え、
前記天板固定部は、上方から視て前記バーナ本体を囲むように環状に設けられており、かつ前記バーナの一部を上下方向から挟み込むように設けられている、ガスコンロ。
【請求項2】
前記天板固定部は、前記バーナ本体の一部を前記上下方向から挟み込むように設けられている、請求項1に記載のガスコンロ。
【請求項3】
前記天板固定部は、前記バーナ本体の前記一部よりも上方に配置されている上方部と、前記バーナ本体の前記一部よりも下方に配置されている下方部とを含み、
前記上方部は、前記バーナ本体の前記一部と対向する下面を有し、
前記下方部は、前記バーナ本体の前記一部と対向する上面を有している、請求項2に記載のガスコンロ。
【請求項4】
前記上方部は、前記下方部に対して前記天板固定部の周方向にずれている、請求項3に記載のガスコンロ。
【請求項5】
前記下方部は、外周側から内周側に延びる爪部であり、
前記天板固定部には、前記バーナ本体が挿通されている挿通孔が形成されており、
前記天板固定部は、前記上面が前記バーナ本体の前記一部と対向している前記下方部を支点として、前記挿通孔に対して前記下方部とは反対側に位置する部分を下方に回転させることにより、前記バーナ本体の一部を前記上下方向から挟み込むように設けられている、請求項4に記載のガスコンロ。
【請求項6】
前記バーナ本体は、バーナフランジを有し、
前記上方部は、前記下面が前記バーナフランジの上面と対向するフランジである、請求項3~5のいずれか1項に記載のガスコンロ。
【請求項7】
前記上方部は、前記下方部と前記天板固定部の周方向に重なるように配置されている、請求項3に記載のガスコンロ。
【請求項8】
前記天板固定部は、前記上方部と前記下方部とを接続し、かつ前記バーナ本体に対して前記天板固定部の周方向の位置決めをする接続部を有する、請求項7に記載のガスコンロ。
【請求項9】
前記天板上に配置されている五徳をさらに備え、
前記バーナは、前記バーナ本体に混合ガスを供給する混合管をさらに含み、
前記天板固定部は、前記バーナ本体に対して前記混合管とは反対側に位置する部分から前記天板の上に延びる突起部を有し、
前記五徳は、前記突起部に係合することで回り止めされている、請求項1~8のいずれか1項に記載のガスコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板を支持する天板固定部を備えるガスコンロが知られている(例えば、特開2019-39603号公報(特許文献1)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-39603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
天板固定部については、天板がバーナに対して上方および下方に移動することを制限したい、という要望がある。
【0005】
この要望を実現し得る天板固定部として、混合管を上下方向から挟み込む切り欠き部が形成されており、かつ切り欠き部が混合管を挟み込んだ状態から水平方向にスライドさせることで、バーナに対して位置決めされ得る天板固定部が挙げられる。このような天板固定部は、水平方向へのスライド時にバーナのバーナ本体および混合管と干渉しないように設けられており、例えば上方から視てバーナ本体の三方を囲むように配置されたコ字状部を有している。
【0006】
一方で、天板固定部については、バーナ本体の周囲に配置されるべき機能部品を当該天板固定部上に配置したい、という他の要望もある。
【0007】
しかしながら、上記のようなコ字状部を有する天板固定部では、バーナ本体の周囲に配置されるべき機能部品を当該天板固定部上に配置しようとした場合、上記機能部品の配置の自由度が制限される。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、天板がバーナに対して上方および下方に移動することを制限しながらも、天板固定部上での機能部品の配置の自由度が比較的高いガスコンロを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るガスコンロは、開口部が設けられている天板と、開口部に通されたバーナ本体を有するバーナと、天板を支持する天板固定部とを備える。天板固定部は、上方から視てバーナ本体を囲むように環状に設けられており、かつバーナの一部を上下方向から挟み込むように設けられている。
【0010】
上記ガスコンロにおいて、天板固定部は、バーナ本体の一部を上下方向から挟み込むように設けられている。
【0011】
上記ガスコンロにおいて、天板固定部は、バーナ本体の一部よりも上方に配置されている上方部と、バーナ本体の一部よりも下方に配置されている下方部とを含む。上方部は、バーナ本体の一部と対向する下面を有している。下方部は、バーナ本体の一部と対向する上面を有している。
【0012】
上記ガスコンロにおいて、上方部は、下方部に対して天板固定部の周方向にずれている。
【0013】
上記ガスコンロにおいて、下方部は、外周側から内周側に延びる爪部である。天板固定部には、バーナ本体が挿通されている挿通孔が形成されている。天板固定部は、上面がバーナ本体の一部と対向している下方部を支点として、挿通孔に対して下方部とは反対側に位置する部分を下方に回転させることにより、バーナ本体の一部を上下方向から挟み込むように設けられている。
【0014】
上記ガスコンロにおいて、バーナ本体は、バーナフランジを有している。上方部は、下面がバーナフランジの上面と対向するフランジである。
【0015】
上記ガスコンロにおいて、上方部は、下方部と天板固定部の周方向に重なるように配置されている。
【0016】
上記ガスコンロにおいて、天板固定部は、上方部と下方部とを接続し、かつバーナ本体に対して天板固定部の周方向の位置決めをする接続部を有する。
【0017】
上記ガスコンロは、天板上に配置されている五徳をさらに備える。天板固定部は、天板の下から天板の上に延びる突起部を有している。五徳は、突起部に係合することで回り止めされている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、天板がバーナに対して上方および下方に移動することを制限しながらも、天板固定部上での機能部品の配置の自由度が比較的高いガスコンロを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施の形態に係るガスコンロを示す斜視図である。
図2図1に示すガスコンロの構成を示す分解斜視図である。
図3】本実施の形態に係る天板固定部を示す斜視図である。
図4図3に示す天板固定部に機能備品が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図5】本実施の形態に係るバーナおよび天板固定部を示す部分拡大斜視図である。
図6図5に示すバーナに天板固定部が取り付けられていない状態を示す部分拡大斜視図である。
図7図5に示すバーナのバーナフランジと天板固定部の上方部との構成を示す部分拡大断面図である。
図8図5に示すバーナの挿通部と天板固定部の下方部との構成を示す部分拡大断面図である。
図9図3に示す天板固定部がバーナ支持部に取り付けられる際に、天板固定部の下方部がバーナ本体に引っ掛けられた状態を示す部分拡大断面図である。
図10】天板固定部がバーナ支持部に取り付けられる際に、図9に示す天板固定部が下方部を支点として回転した状態を示す部分拡大断面図である。
図11】天板固定部の変形例を示す斜視図である。
図12図11に示す天板固定部がバーナ支持部に取り付けられる際に、天板固定部の上方部がバーナフランジ上に配置された状態を示す部分拡大断面図である。
図13図12に示すバーナフランジおよび天板固定部の上方部を示す部分拡大斜視図である。
図14図11に示す天板固定部がバーナ支持部に取り付けられる際に、図12に示す天板固定部が周方向に回転した状態を示す部分拡大断面図である。
図15図14に示すバーナフランジおよび天板固定部の上方部を示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、明細書および図面において、同一の構成要素または対応する構成要素には、同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。また、図面では、説明の便宜上、構成を省略または簡略化している場合もある。また、実施形態と変形例との少なくとも一部は、互いに任意に組み合わされてもよい。
【0021】
<ガスコンロ100の構成>
一実施形態におけるガスコンロの構成について図1および図2を用いて説明する。
【0022】
図1に示されるように、本実施形態のガスコンロ100は、例えばキッチンカウンターに形成された設置穴に設置されるビルトイン式のガスコンロである。またガスコンロ100は、例えばグリル付ガスコンロである。
【0023】
図1および図2に示されるように、ガスコンロ100は、天板1と、バーナ2と、天板固定部3と、バーナ支持部4と、五徳5と、グリル部6と、筐体10とを主に備える。
【0024】
図2に示されるように、筐体10は、上部に開口10Aが設けられた箱形状を有する。筐体10の外部、すなわち天板1の上部には、バーナ2の一部と、五徳5などが配置されている。筐体10の内部には、バーナ2の残部と、天板固定部3と、バーナ支持部4と、グリル部6などが配置されている。
【0025】
天板1は、筐体10の開口10Aを閉じるように筐体10の上部に取り付けられている。五徳5は、天板1上に配置されている。
【0026】
天板1には、複数の開口部1Aが設けられている。各開口部1Aは、天板1を貫通している。各開口部1Aは、バーナ2を通すために設けられている。天板1には、複数の貫通孔1Bがさらに設けられている。複数の貫通孔1Bは、各開口部1Aの周囲に配置されている。貫通孔1Bは、固定部11を通すために設けられている。固定部11は、天板1の上方から貫通孔1Bに挿通された後に天板固定部3に例えば螺合されることにより、天板1を天板固定部3に固定する。
【0027】
バーナ支持部4は、筐体10に支持されている。具体的には、バーナ支持部4は、筐体10の左右1対の側壁に橋渡しするように筐体10に取り付けられている。バーナ支持部4は、グリル部6の上方に位置している。
【0028】
バーナ2は、バーナ支持部4の上に取り付けられている。本実施形態では、例えば2つのバーナ2がバーナ支持部4に取り付けられている。2つのバーナ2の各々は、例えば都市ガスまたはプロパンガスなどのガスを燃焼するブンゼンバーナである。2つのバーナ2の各々は、バーナキャップ2aと、バーナ本体2bと、混合管2cとを有する。
【0029】
バーナ本体2bの下端には混合管2cが接続されている。バーナ本体2bにおける上端には、バーナキャップ2aが装着されている。バーナキャップ2aは、バーナ本体2bの上端開口部を覆っている。バーナキャップ2aの外周面には、周方向に距離を開けて複数の炎孔が配置されている。
【0030】
混合管2cでは、燃料ガスと空気とが導入されることにより混合ガスが形成される。バーナ本体2bには、混合管2cから混合ガスが供給される。混合ガスは、バーナキャップ2aの複数の円孔から外方向へ向けて放出される。炎孔から放出された混合ガスが着火されることにより、バーナキャップ2aの周囲にリング状の炎が発生する。
【0031】
天板固定部3は、バーナ支持部4に取り付けられている。天板固定部3は、固定部12によってバーナ支持部4に固定されている。天板固定部3は、天板1を支持する。上述のように、天板1は、固定部11によって天板固定部3に固定されている。天板固定部3には、固定部11を固定するための被固定部31と、固定部12を固定するための被固定部32とが設けられている。被固定部31および被固定部32の各々は、例えば複数設けられている。被固定部31および被固定部32は、例えばネジ孔である。
【0032】
天板固定部3は、上方から視てバーナ本体2bを囲むように環状に設けられている。異なる観点から言えば、天板固定部3には、バーナ本体2bが挿通されている挿通孔30が形成されている。上方から視たときの天板固定部3の平面形状は、環状であればよく、円環状であってもよいし角環状であってもよい。
【0033】
なお、以下の説明において、天板固定部3の周方向とは、挿通孔30に面する天板固定部3の内周縁部が延在する方向を意味する。
【0034】
天板固定部3は、バーナ2により上下動が規制されている。具体的には、天板固定部3は、バーナ2の一部を上下方向から挟み込むように設けられている。天板固定部3は、例えばバーナ本体2bの一部を上下方向から挟み込むように設けられている。これにより天板固定部3は、天板1の浮き上がり防止と下がり止めとの機能を有する。
【0035】
五徳5は、リング部5aと、複数の爪部5bとを有する。リング部5aは、例えば円環形状を有する。複数の爪部5bの各々は、リング部5aの外周端に接続されている。複数の爪部5bは、リング部5aの周方向に等間隔で配置されている。複数の爪部5bの各々は、リング部5aの外周端から外周側へ延びている。
【0036】
具体的には、複数の爪部5bの各々は、リング部5aの外周端から外周側へ延びる第1部分と、第1部分の外周端から上方へ立ち上がる第2部分と、第2部分の上端から内周側へ延びる第3部分とを有する。複数の爪部5b上に、被調理物を収容した加熱容器が載せられる。
【0037】
リング部5aの内周端には、外周側に向かって凹んでいる複数の凹部Cが形成されている。各凹部Cは、各凹部Cは、後述する突起部Pと係合するように設けられている。具体的には、各凹部Cは周方向において突起部Pを挟むように設けられている。各凹部Cは、上下方向においてリング部5aの下面から上方に延びており、例えばリング部5aの上面まで延びている。凹部Cが突起部Pと係合している五徳5は、周方向への回転が制限されている。つまり、五徳5は、凹部Cが突起部Pと係合することで、回り止めされるように構成されている。なお、リング部5aには、少なくとも1つ凹部Cが形成されていればよい。
【0038】
<バーナおよび天板固定部の具体的構成>
次に、バーナ2および天板固定部3の具体的構成について、図2図8を用いて説明する。
【0039】
図2および図6に示されるように、バーナ本体2bは、天板固定部3の挿通孔30に挿通されている挿通部2b1と、挿通部2b1よりも下方に配置されている非挿通部2b2
と、非挿通部2b2の外周縁から外側に突出している複数のバーナフランジ2b3とを有している。各バーナフランジ2b3は、上方から視て非挿通部2b2の周縁に沿って延在している。各バーナフランジ2b3は、上方から視て、互いに間隔を隔てて配置されており、例えば非挿通部2b2の中心を挟んで対向する2つの領域上に設けられている。
【0040】
各バーナフランジ2b3は、上方を向いた上面および下方を向いた下面を有している。挿通部2b1は、下方を向いた下面を有している。各バーナフランジ2b3の下面は、例えば挿通部2b1の下面と同一平面を成すように設けられている。
【0041】
図2図4に示されるように、天板固定部3は、例えば、上方から視て環状に設けられている環状部3aと、バーナ本体2bの一部よりも上方に配置されている複数の上方部3bと、バーナ本体2bの一部よりも下方に配置されている下方部3cとを有している。
【0042】
挿通孔30は、環状部3aに形成されている。環状部3aは、バーナ本体2bと混合管2cとが並んでいる方向において、挿通孔30に対して混合管2c側に配置されている部分と、挿通孔30に対して混合管2cとは反対側に配置されている部分を有している。被固定部32は、例えばバーナ本体2bと混合管2cとが並んでいる方向において挿通孔30に対して混合管2c側に配置されている部分に固定されている。
【0043】
複数の上方部3bおよび下方部3cの各々は、環状部3aに固定されており、例えば環状部3aにおいて挿通孔30に面している内周縁部に固定されている。下方部3cは、例えばバーナ本体2bと混合管2cとが並んでいる方向において、挿通孔30に対して混合管2cとは反対側に配置されている部分に固定されている。各上方部3bは、例えばバーナ本体2bと混合管2cとが並んでいる方向と交差する方向において、挿通孔30を挟んで配置されている部分に固定されている。
【0044】
環状部3a、複数の上方部3b、および下方部3cは、例えば一枚の金属板をプレス加工して形成されたプレス加工品である。なお、環状部3a、上方部3b、および下方部3cの各々は、互いに別部材が例えばネジなどの固定部材により固定されることにより形成された組物であってもよい。
【0045】
図7に示されるように、各上方部3bは、バーナ本体2bのバーナフランジ2b3よりも上方に配置されている。各上方部3bは、バーナフランジ2b3の上記上面と対向する下面を有しているフランジとして設けられている。各上方部3bは、例えば環状部3aの内周縁部から下方に突出しており、かつ当該内周縁部に沿って周方向に延びている。
【0046】
図8に示されるように、下方部3cは、バーナ本体2bの挿通部2b1よりも下方に配置されている。下方部3cは、例えば挿通部2b1の上記下面と対向する上面を有している。下方部3cは、外周側から内周側に延びる爪部である。具体的には、下方部3cは、例えば環状部3aの内周縁部から下方に突出している部分3c1と、当該部分3c1の下端に接続されておりかつ当該下端から内周側に延びる部分3c2とを有している。下方部3cの部分3c2が、挿通部2b1の上記下面と対向する上面を有している。なお、下方部3cの上面は、例えばバーナ本体2bにおいてバーナフランジ2b3の下面と対向するように設けられていてもよい。
【0047】
図4および図5に示されるように、天板固定部3は、例えば環状部3aから天板1の上に延びる複数の突起部Pを有している。各突起部Pは、例えば、バーナ本体2bと混合管2cとが並んでいる方向において、バーナ本体2bを挟むように配置されている。各突起部Pは、天板1上において、五徳5の凹部Cと係合するように設けられている。各突起部Pは、例えば環状部3aとは別部材として構成されており、固定部FPによって環状部3
aに固定されている。この場合、環状部3aには、固定部FPを固定するための被固定部33が設けられている。被固定部33は、例えばネジ孔である。なお、図3では、突起部Pおよび固定部FPの図示が省略されている。
【0048】
図9および図10に示されるように、天板固定部3は、上記上面がバーナ本体2bの上記一部と対向している下方部3cを支点として、挿通孔30に対して下方部3cとは反対側に位置する部分を下方に回転させることにより、バーナ本体2bの一部を上下方向から挟み込むように設けられている。
【0049】
以下では、天板固定部3がバーナ支持部4に取り付けられる方法について図9および図10を用いて説明する。
【0050】
図9に示されるように、筐体10の内部に、バーナ2およびバーナ支持部4が配置されている。この状態で、天板固定部3がバーナ支持部4に取り付けられる。その際、まず、下方部3cがバーナ本体2bに引っ掛けられる。具体的には、下方部3cの上記上面の内周端部がバーナ本体2bの挿通部2b1の下面と対向した状態とされる。この状態において、挿通孔30に対して下方部3cとは反対側に位置する部分は下方部3cよりも上方に配置されており、挿通孔30はバーナ本体2bの挿通部2b1の上方に配置されている。
【0051】
その後、上記状態から、挿通孔30に対して下方部3cとは反対側に位置する部分が下方部3cを支点として下方(図9中の矢印R1が示す方向)に回転される。この際、天板固定部3は、例えば下方部3cが内周側にスライドするように、回転される。これにより、図7図8、および図10に示される状態が実現され、天板固定部3の被固定部32はバーナ支持部4に固定され得る状態とされる。
【0052】
その後、被固定部32が固定部12によってバーナ支持部4に固定される。これによって、天板固定部3は、バーナ本体2bの上記一部を上下方向から挟み込んだ状態で、バーナ支持部4に取り付けられる。
【0053】
天板固定部3の上方部3bの下面と下方部3cの上面との間の上下方向の間隔は、挿通部2b1の下面とバーナフランジ2b3の上面との間の上下方向の間隔よりも長い。
【0054】
図8に示されるように、天板固定部3は、例えば上方部3bの下面がバーナフランジ2b3の上面とが接触している状態で、バーナ支持部4に固定されている。この状態において、下方部3cの上面は、挿通部2b1の下面と上下方向に間隔を隔てて配置されている。なお、天板固定部3は、例えば上方部3bの下面がバーナフランジ2b3の上面と上下方向に間隔を隔てて配置されている状態で、バーナ支持部4に固定されていてもよい。
【0055】
<作用効果>
ガスコンロ100は、開口部1Aが設けられている天板1と、開口部1Aに通されたバーナ本体2bを有するバーナ2と、天板1を支持する天板固定部3とを備える。天板固定部3は、上方から視てバーナ本体2bを囲むように環状に設けられており、かつバーナ2の一部を上下方向から挟み込むように設けられている。
【0056】
ガスコンロ100によれば、天板固定部3がバーナ2の一部を上下方向から挟み込むように設けられているため、天板固定部3および天板固定部3に支持された天板1がバーナ2に対して上方および下方へ移動することを制限できる。さらに、上方から視て環状に設けられている天板固定部3では、上方から視てバーナ本体の三方を囲むように配置されたコ字状部を有している天板固定部と比べて、機能部品が配置され得る領域が広い。その結果、ガスコンロ100では、天板固定部3上での機能部品の配置の自由度が比較的高い。
特に、天板固定部3は、バーナ本体2bと混合管2cとが並んでいる方向において、挿通孔30に対して混合管2cとは反対側に配置されている部分を有している。当該部分には、例えば、天板1の下から天板の上に延びる複数の突起部Pが固定されている。五徳5には、突起部Pと係合する凹部Cが設けられている。凹部Cが突起部Pと係合することで、五徳5は回り止めされている。
【0057】
ガスコンロ100において、天板固定部3は、バーナ本体2bの一部を上下方向から挟み込むように設けられている。
【0058】
仮に、天板固定部3が混合管2cの一部を上下方向から挟み込むように設けられている場合には、混合管2cの一部を上下方向から挟み込むための上方部および下方部は、バーナ本体2bと混合管2cとが並んでいる方向において挿通孔30に対して混合管2c側に配置されている環状部3aの一部分に固定される。この場合、バーナ本体2bと混合管2cとが並んでいる方向において挿通孔30に対して混合管2cとは反対側に配置されている環状部3aの一部分は上方部および下方部を支点として上下方向に回動しやすい。
【0059】
これに対し、ガスコンロ100では、天板固定部3がバーナ本体2bの一部を上下方向から挟み込むように設けられているため、環状部3aの全体が上方部3bおよび下方部3cを支点として上下方向に回動しにくい。そのため、ガスコンロ100によれば、天板固定部3が混合管2cの一部を上下方向から挟み込むように設けられている場合と比べて、天板1がバーナ2に対して上方および下方へ移動することをさらに制限できる。
【0060】
ガスコンロ100において、天板固定部3は、バーナ本体2bの上記一部よりも上方に配置されている上方部3bと、バーナ本体2bの上記一部よりも下方に配置されている下方部3cとを含む。上方部3bは、バーナ本体の一部と対向する下面を有している。下方部3cは、バーナ本体2bの一部と対向する上面を有している。上方部3bは、下方部3cに対して天板固定部3の周方向にずれている。
【0061】
下方部3cは、外周側から内周側に延びる爪部である。天板固定部3には、バーナ本体2bが挿通されている挿通孔30が形成されている。天板固定部3は、上面がバーナ本体2bの一部と対向している下方部3cを支点として、挿通孔30に対して下方部3cとは反対側に位置する部分を下方に回転させることにより、バーナ本体2bの一部を上下方向から挟み込むように設けられている。
【0062】
このような天板固定部3は、バーナ本体2bを囲むように環状に設けられていながらも、バーナ本体2bの一部を上下方向から挟み込むように比較的容易に配置され得る。
【0063】
バーナ本体2bは、バーナフランジ2b3を有している。上方部3bは、下面がバーナフランジ2b3の上面と対向するフランジとして設けられている。
【0064】
<変形例>
次に、天板固定部3の変形例について図11図15を用いて説明する。
【0065】
本変形例の天板固定部3は、図3に示す天板固定部3と基本的に同様の構成を備えるが、上方部3bが下方部3cと天板固定部3の周方向に重なるように配置されている点で、図3に示す天板固定部3とは異なる。言い換えると、下方部3cは、上方から視て上方部3bと重なっている。
【0066】
図11に示されるように、天板固定部3は、上方部3bと下方部3cとを接続する接続部3dをさらに有している。上方部3bは、バーナフランジ2b3の上記上面と対向する
下面を有している。下方部3cは、バーナフランジ2b3よりも下方に配置されている。下方部3cは、バーナフランジ2b3の下面と対向する上面を有している。挿通孔30の中央から視たときの上方部3b、下方部3c、および接続部3dの平面形状は、例えばコ字状である。
【0067】
図12および図13に示されるように、バーナフランジ2b3は、天板固定部3の周方向において端部Eを有している。接続部3dは、天板固定部の周方向においてバーナフランジ2b3の上記端部Eと対向するように設けられている。接続部3dの上下方向の長さ、すなわち上方部3bの下面と下方部3cの上面との間の上下方向の間隔は、バーナフランジ2b3の上下方向の厚み以上である。
【0068】
天板固定部3は、上方部3bの下面がバーナフランジ2b3の上面と対向した状態から、接続部3dをバーナフランジ2b3の上記端部Eに近づけるように天板固定部3を周方向に回転させることにより、バーナフランジ2b3を上下方向から挟み込むように設けられている。
【0069】
以下では、天板固定部3がバーナ支持部4に取り付けられる方法について図12図15を用いて説明する。
【0070】
まず、筐体10の内部に、バーナ2およびバーナ支持部4が配置されている。この状態で、天板固定部3がバーナ支持部4に取り付けられる。その際、まず、図12および図13に示されるように、上方部3bの下面がバーナフランジ2b3の上面と接触した状態とされる。この状態において、下方部3cおよび接続部3dは、バーナ本体2bの周縁においてバーナフランジ2b3が設けられていない領域に配置され、周方向においてバーナフランジ2b3の端部Eから離れている。
【0071】
その後、上記状態から、天板固定部3は、接続部3dがバーナフランジ2b3の端部Eに接触するまで、周方向(図12および図13中の矢印R2が示す方向)に回転される。これにより、図14および図15に示される状態が実現され、天板固定部3の被固定部32はバーナ支持部4に固定され得る状態とされる。
【0072】
その後、被固定部32が固定部12によってバーナ支持部4に固定される。これによって、天板固定部3は、バーナフランジ2b3を上下方向から挟み込んだ状態で、バーナ支持部4に取り付けられる。
【0073】
本変形例のガスコンロによれば、上記実施形態に係るガスコンロ100と同様の効果を得ることができる。
【0074】
また、本変形例のガスコンロでは、接続部3dがバーナフランジ2b3の端部Eに接触して、天板固定部3の周方向への移動が制限された状態で、被固定部32が固定部12によってバーナ支持部4に固定され得る。そのため、バーナ支持部4への天板固定部3の取り付けが容易となる。
【0075】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
1 天板、1A 開口部、1B 貫通孔、2 バーナ、2a バーナキャップ、2b
バーナ本体、2b1 挿通部、2b2 非挿通部、2b3 バーナフランジ、2c 混合管、3 天板固定部、3a 環状部、3b 上方部、3c 下方部、3d 接続部、4 バーナ支持部、4A,10A 開口、5 五徳、5a リング部、5b 爪部、6 グリル部、10 筐体、11,12,FP 固定部、30 挿通孔、31,32,33 被固定部、100 ガスコンロ。
図1
図2
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図15