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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035172
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】表示装置、検出装置および時計
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220225BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/044
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139301
(22)【出願日】2020-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 晃彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 薫
(72)【発明者】
【氏名】安部 大智
(57)【要約】
【課題】画像を表示する際の表示品位とタッチによる優れた操作性との両立を実現することが可能な表示装置、検出装置および時計を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る表示装置は、画像を表示する表示部と、表示部を囲む周辺部に配置される第1センサ電極と、周辺部に配置され、かつ、第1センサ電極に隣接して配置される第2センサ電極と、第1センサ電極および第2センサ電極と電気的に接続される検出部と、を備え、第1センサ電極および第2センサ電極は共に、本体部および複数の線状電極を有する櫛歯部を有し、第1センサ電極の櫛歯部と、第2センサ電極の櫛歯部とは、互い違いに配置される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
前記表示部を囲む周辺部に配置される第1センサ電極と、
前記周辺部に配置され、かつ、前記第1センサ電極に隣接して配置される第2センサ電極と、
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極と電気的に接続される検出部と、
を具備し、
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は共に、本体部および複数の線状電極を有する櫛歯部を有し、
前記第1センサ電極の櫛歯部と、前記第2センサ電極の櫛歯部とは、互い違いに配置される、表示装置。
【請求項2】
前記第1センサ電極の本体部は、前記周辺部の第1領域に配置され、
前記第2センサ電極の本体部は、前記周辺部の第2領域に配置され、
前記第1センサ電極の櫛歯部と前記第2センサ電極の櫛歯部とは、前記周辺部の第3領域に配置され、
前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域の面積は等しい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は共に、本体部と櫛歯部とが細線部により接続される、請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は共に、本体部に開口部を有する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示部に配置される共通電極と、
前記表示部に配置され、かつ、前記共通電極と対向して配置される複数の画素電極と、
をさらに具備し、
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は、前記共通電極と同層に配置される、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部に配置される共通電極と、
前記表示部に配置され、かつ、前記共通電極と対向して配置される複数の画素電極と、
をさらに具備し、
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は、前記画素電極と同層に配置される、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極の本体部および櫛歯部はいずれも、曲線状の表示部の外周に沿って配置される、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記検出部は、
前記第1センサ電極からの信号が前記第2センサ電極からの信号より所定範囲以上に大きいときは前記第1領域に外部近接物体が近接または接触したと判断し、前記第2センサ電極からの信号が前記第1センサ電極からの信号より所定範囲以上に大きいときは前記第2領域に外部近接物体が近接または接触したと判断し、前記第1センサ電極からの信号と前記第2センサ電極からの信号との差が所定範囲以内のときは前記第3領域に外部近接物体が近接または接触したと判断する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の表示装置を備える時計。
【請求項10】
画像を表示する表示部と、
前記表示部を囲む周辺部に配置される第1センサ電極と、
前記周辺部に配置され、かつ、前記第1センサ電極に隣接して配置される第2センサ電極と、
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極と電気的に接続される検出部と、
を具備し、
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は共に、本体部およびテーパ部を有し、
前記第1センサ電極のテーパ部と、前記第2センサ電極のテーパ部とは、向かい合って配置され、
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極の本体部およびテーパ部はいずれも、曲線状の表示部の外周に沿って配置される、表示装置。
【請求項11】
前記第1センサ電極の本体部は、前記周辺部の第1領域に配置され、
前記第2センサ電極の本体部は、前記周辺部の第2領域に配置され、
前記第1センサ電極のテーパ部と前記第2センサ電極のテーパ部とは、前記周辺部の第3領域に配置され、
前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域の面積は等しい、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載の表示装置を備える時計。
【請求項13】
第1センサ電極と、
前記第1センサ電極に隣接して配置される第2センサ電極と、
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極と電気的に接続される検出部と、
を具備し、
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は共に、本体部および複数の線状電極を有する櫛歯部を有し、
前記第1センサ電極の櫛歯部と、前記第2センサ電極の櫛歯部とは、互い違いに配置され、
前記第1センサ電極の本体部は、第1領域に配置され、
前記第2センサ電極の本体部は、前記第1領域とは異なる第2領域に配置され、
前記第1センサ電極の櫛歯部と前記第2センサ電極の櫛歯部とは、前記第1領域および前記第2領域とは異なる、第3領域に配置され、
前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域の面積は等しい、検出装置。
【請求項14】
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は共に、本体部と櫛歯部とが細線部により接続される、請求項13に記載の検出装置。
【請求項15】
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は共に、本体部に開口部を有する、請求項13または請求項14に記載の検出装置。
【請求項16】
前記第1センサ電極および前記第2センサ電極の本体部および櫛歯部はいずれも、曲線状に配置される、請求項13~請求項15のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項17】
請求項13~請求項16のいずれか1項に記載の検出装置を備える時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置、検出装置および時計に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチ検出機能付きのウェアラブルデバイス(例えば腕時計型のウェアラブルデバイス、眼鏡型のウェアラブルデバイス等)が徐々に普及してきている。このようなウェアラブルデバイスでは、画像を表示する際の表示品位と、タッチによる優れた操作性との両立が求められており、種々様々な開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5832772号公報
【特許文献2】特開2016-40711号公報
【特許文献3】特開2004-333302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、画像を表示する際の表示品位とタッチによる優れた操作性との両立を実現することが可能な表示装置、検出装置および時計を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
画像を表示する表示部と、前記表示部を囲む周辺部に配置される第1センサ電極と、前記周辺部に配置され、かつ、前記第1センサ電極に隣接して配置される第2センサ電極と、前記第1センサ電極および前記第2センサ電極と電気的に接続される検出部と、を具備し、前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は共に、本体部および複数の線状電極を有する櫛歯部を有し、前記第1センサ電極の櫛歯部と、前記第2センサ電極の櫛歯部とは、互い違いに配置される、表示装置が提供される。
本実施形態によれば、上記した表示装置を備える時計が提供される。
【0006】
本実施形態によれば、
画像を表示する表示部と、前記表示部を囲む周辺部に配置される第1センサ電極と、
前記周辺部に配置され、かつ、前記第1センサ電極に隣接して配置される第2センサ電極と、前記第1センサ電極および前記第2センサ電極と電気的に接続される検出部と、を具備し、前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は共に、本体部およびテーパ部を有し、前記第1センサ電極のテーパ部と、前記第2センサ電極のテーパ部とは、向かい合って配置され、前記第1センサ電極および前記第2センサ電極の本体部およびテーパ部はいずれも、曲線状の表示部の外周に沿って配置される、表示装置が提供される。
本実施形態によれば、上記した表示装置を備える時計が提供される。
【0007】
本実施形態によれば、
第1センサ電極と、前記第1センサ電極に隣接して配置される第2センサ電極と、前記第1センサ電極および前記第2センサ電極と電気的に接続される検出部と、を具備し、前記第1センサ電極および前記第2センサ電極は共に、本体部および複数の線状電極を有する櫛歯部を有し、前記第1センサ電極の櫛歯部と、前記第2センサ電極の櫛歯部とは、互い違いに配置され、前記第1センサ電極の本体部は、第1領域に配置され、前記第2センサ電極の本体部は、前記第1領域とは異なる第2領域に配置され、前記第1センサ電極の櫛歯部と前記第2センサ電極の櫛歯部とは、前記第1領域および前記第2領域とは異なる、第3領域に配置され、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域の面積は等しい、検出装置が提供される。
本実施形態によれば、上記した検出装置を備える時計が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は第1実施形態に係る表示装置の一構成例を示す平面図である。
図2図2は同実施形態に係る表示装置の別の構成例を示す平面図である。
図3図3は同実施形態に係る表示装置のさらに別の構成例を示す平面図である。
図4図4は同実施形態に係る表示装置のさらに別の構成例を示す平面図である。
図5図5図1に示したA-B線で切断された表示装置の一構成例を示す断面図である。
図6図6図1に示した検出電極の展開図である。
図7図7は同実施形態に係る表示装置によるタッチ検出動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は同実施形態に係る検出電極の第1変形例を示す展開図である。
図9図9は同実施形態に係る検出電極の第2変形例を示す展開図である。
図10図10は同実施形態に係る表示装置の別の構成例を示す断面図である。
図11図11は同実施形態に係る表示装置のさらに別の構成例を示す断面図である。
図12図12は第2実施形態に係る表示装置の一構成例を示す平面図である。
図13図13図12に示した検出電極の展開図である。
図14図14は同実施形態に係る検出電極の第3変形例を示す展開図である。
図15図15は同実施形態に係る検出電極の第4変形例を示す展開図である。
図16図16は各実施形態に係る表示装置の適用例を示す図である。
図17図17は各実施形態に係る表示装置の別の適用例を示す図である。
図18図18は自己容量方式によるタッチ検出の原理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0010】
(第1実施形態)
本実施形態においては、表示装置の一例として、タッチ検出機能付きの表示装置について説明する。タッチ検出方式には、光学式、抵抗式、静電容量方式、電磁誘導方式、等の種々の方式がある。上記した各種検出方式のうちの静電容量方式は、物体(例えば指等)の近接または接触に起因して静電容量が変化することを利用する検出方式であり、比較的単純な構造で実現可能である、消費電力が少ない、等の利点を有している。本実施形態では、主に、静電容量方式を利用したタッチ検出機能付きの表示装置について説明する。
【0011】
なお、静電容量方式は、互いに離間した状態で配置された一対の送信電極(駆動電極)と受信電極(検出電極)との間に電界を発生させ、物体の近接または接触に伴う当該電界の変化を検出する相互容量方式と、単一の電極を用いて、物体の近接または接触に伴う静電容量の変化を検出する自己容量方式とを含む。本実施形態では、主に、自己容量方式を利用したタッチ検出機能付きの表示装置について説明する。
【0012】
図1は、第1実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、および第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していても良い。第1方向Xおよび第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書においては、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方向、当該矢印の先端から反対に向かう方向を下方向と称することもある。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向Xおよび第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視と言う。
【0013】
図1に示すように、表示装置DSPは、表示パネルPNLと、フレキシブル配線基板FPC1と、回路基板PCBと、を備えている。表示パネルPNLと、回路基板PCBとは、フレキシブル配線基板FPC1を介して電気的に接続されている。より詳しくは、表示パネルPNLの端子部Tと、回路基板PCBの接続部CNとは、フレキシブル配線基板FPC1を介して電気的に接続されている。
【0014】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAと、を備えている。表示部DAは表示領域と称される場合もある。また、非表示部NDAは周辺部または周辺領域と称される場合もある。表示部DAには画素PXが配置されている。具体的には、表示部DAには、多数の画素PXが第1方向Xおよび第2方向Yに沿ってマトリクス状に配列されている。本実施形態において、画素PXは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の副画素SPを含む。また、各副画素SPは、複数のセグメント画素SGを有する。各セグメント画素SGは、面積の異なる画素電極を有しており、これら複数のセグメント画素SGの表示/非表示を切り替えることで、副画素SPごとに階調が形成される。
【0015】
図1に示す同心円のうちの最も内側の円の領域が表示部DAに相当し、最も外側の円から最も内側の円を除いた領域が非表示部NDAに相当する。なお、本実施形態では、表示部DAが円形状であり、かつ、表示部DAを囲む非表示部NDAもまた同系統の形状である場合を例示しているが、これに限定されず、表示部DAは円形状でなくてもよいし、非表示部NDAは表示部DAとは異なる系統の形状であってもよい。例えば、表示部DAおよび非表示部NDAは多角形状であってもよい。さらに、表示部DAが多角形状の場合に、非表示部NDAが表示部DAとは異なる系統の形状である円形状であってもよい。
【0016】
図1に示すように、非表示部NDAには、複数の検出電極(センサ電極)Rx1~Rx4が表示部DAを囲むように配置されている。複数の検出電極Rx1~Rx4は、円形状の表示部DAの外周に沿って配置されている。検出電極Rx1は、表示部DAの外周に沿った方向において検出電極Rx2およびRx4と隣接するように配置されている。検出電極Rx2は、表示部DAの外周に沿った方向において検出電極Rx3およびRx1と隣接するように配置されている。検出電極Rx3は、表示部DAの外周に沿った方向において検出電極Rx4およびRx2と隣接するように配置されている。検出電極Rx4は、表示部DAの外周に沿った方向において検出電極Rx1およびRx3と隣接するように配置されている。
【0017】
複数の検出電極Rx1~Rx4は、円弧状の本体部Rx1a~Rx4aと、複数の線状電極を有する櫛歯部Rx1b~Rx4bとにより構成される。複数の検出電極Rx1~Rx4の櫛歯部Rx1b~Rx4bは、円弧状の本体部Rx1a~Rx4aの両端部から、表示部DAの外周に沿った方向に各々隣接する検出電極の本体部に向けて延伸している。
【0018】
例えば、検出電極Rx1の櫛歯部Rx1bは、本体部Rx1aの一端から、表示部DAの外周に沿った方向(時計回り方向)に隣接する検出電極Rx2の本体部Rx2aの一端に向けて延伸し、かつ、本体部Rx1aの他端から、表示部DAの外周に沿った方向(反時計回り方向)に隣接する検出電極Rx4の本体部Rx4aの一端に向けて延伸している。検出電極Rx2の櫛歯部Rx2bは、本体部Rx2aの一端から、表示部DAの外周に沿った方向(時計回り方向)に隣接する検出電極Rx3の本体部Rx3aの一端に向けて延伸し、かつ、本体部Rx2aの他端から、表示部DAの外周に沿った方向(反時計回り方向)に隣接する検出電極Rx1の本体部Rx1aの一端に向けて延伸している。検出電極Rx3の櫛歯部Rx3bは、本体部Rx3aの一端から、表示部DAの外周に沿った方向(時計回り方向)に隣接する検出電極Rx4の本体部Rx4aの一端に向けて延伸し、かつ、本体部Rx3aの他端から、表示部DAの外周に沿った方向(反時計回り方向)に隣接する検出電極Rx2の本体部Rx2aの一端に向けて延伸している。検出電極Rx4の櫛歯部Rx4bは、本体部Rx4aの一端から、表示部DAの外周に沿った方向(時計回り方向)に隣接する検出電極Rx1の本体部Rx1aの一端に向けて延伸し、かつ、本体部Rx4aの他端から、表示部DAの外周に沿った方向(反時計回り方向)に隣接する検出電極Rx3の本体部Rx3aの一端に向けて延伸している。
【0019】
なお、複数の検出電極Rx1~Rx4の櫛歯部Rx1b~Rx4bは平面視において互いに重畳しない。つまり、複数の検出電極Rx1~Rx4の櫛歯部Rx1b~Rx4bは、図1に示すように、互い違いに配置される。また、複数の検出電極Rx1~Rx4の櫛歯部Rx1b~Rx4bは、表示部DAの外周に沿った方向に各々隣接する他の検出電極の本体部と接続しない。
【0020】
図1では、4個の検出電極Rx1~Rx4を例示しているが、非表示部NDAに配置される検出電極Rxの個数はこれに限定されず、任意の個数の検出電極Rxが表示部DAの外周に沿って配置されて構わない。複数の検出電極Rx1~Rx4は、図示しない導通材(金属でコーティングされた導電ビーズ)を介して、後述するRx配線層RLにそれぞれ電気的に接続される。Rx配線層RLは、端子部(パッド)や当該端子部から端子部Tに向けて延びるRx配線等を含む。Rx配線は、検出電極Rx1~Rx4への駆動信号の供給、および、検出電極Rx1~Rx4からの検出信号RxAFE1~RxAFE4の出力のために使用される配線である。
【0021】
図1において拡大して示すように、セグメント画素SGは、スイッチング素子SW、画素回路PC、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線Gおよび信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだセグメント画素SGの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだセグメント画素SGの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、画素回路PCを介して、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。
【0022】
図1に示すように、回路基板PCBには、タッチコントローラTCと、ディスプレイコントローラDCと、CPU1と、等が配置される。タッチコントローラTCは、表示パネルPNLに配置される複数の検出電極Rx1~Rx4に対して駆動信号を出力し、かつ、検出電極Rx1~Rx4からの検出信号(RxAFE信号)の入力を受け付ける(つまり、外部近接物体の近接または接触を検出する)。タッチコントローラTCは検出部と称されてもよい。ディスプレイコントローラDCは、表示パネルPNLの表示部DAに表示される画像を示す映像信号を出力する。CPU1は、タッチコントローラTCとディスプレイコントローラDCの動作タイミングを規定する同期信号の出力や、タッチコントローラTCにより検出されたタッチに応じた動作の実行、等を行う。
【0023】
なお、図1では、タッチコントローラTCと、ディスプレイコントローラDCと、CPU1とが1つの半導体チップにより実現されている場合を例示しているが、これらの実装形態はこれに限定されず、例えば図2に示すように、タッチコントローラTCのみを別体として分けた上で各部を回路基板PCB上に実装するとしてもよいし、図3に示すように、回路基板PCB上にタッチコントローラTCとCPU1とを分けて実装し、表示パネルPNL上にディスプレイコントローラDCをCOG(Chip On Glass)により実装するとしてもよいし、図4に示すように、回路基板PCB上にCPU1のみを実装し、表示パネルPNL上にタッチコントローラTCとディスプレイコントローラDCとをCOGにより実装するとしてもよい。
【0024】
図5は、図1のA-B線で切断した場合の表示装置DSPの断面を示す断面図である。以下では、表示部DA側の構成と、非表示部NDA側の構成とのそれぞれについて説明する。
表示装置DSPは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、カバー部材CMとを備えている。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、X-Y平面と平行な平板状に形成されている。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、平面視において重畳し、シール(図示せず)によって接着されている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持され、シールによって封止されている。
【0025】
なお、図5では、表示装置DSPが、バックライトユニットが配置されない反射型の表示装置である場合を例示しているが、これに限定されず、表示装置DSPは、有機ELを画素として採用した表示装置や、バックライトユニットが配置された透過型の表示装置であってもよい。あるいは、表示装置DSPは、反射型と透過型を組み合わせた表示装置であってもよい。バックライトユニットとしては、種々の形態のバックライトユニットが利用可能であり、例えば、光源として発光ダイオード(LED)を利用したものや、冷陰極管(CCFL)を利用したもの、などが利用可能である。
【0026】
表示部DA側において、第1基板SUB1は、図5に示すように、透明基板10と、スイッチング素子SWと、画素回路PCと、平坦化膜11と、画素電極PEと、配向膜AL1とを備えている。第1基板SUB1は、上記した構成の他に、図1に示した走査線Gや信号線S等を備えているが、図5ではこれらの図示を省略している。
【0027】
透明基板10は、主面(下面)10Aと、主面10Aの反対側の主面(上面)10Bと、を備えている。スイッチング素子SWおよび画素回路PCは、主面10B側に配置されている。平坦化膜11は、少なくとも一つ以上の絶縁膜によって構成されており、スイッチング素子SWおよび画素回路PCを覆っている。画素電極PEは、平坦化膜11の上に配置され、平坦化膜11に形成されたコンタクトホールを介して画素回路PCに接続されている。スイッチング素子SW、画素回路PCおよび画素電極PEは、セグメント画素SG毎に配置されている。配向膜AL1は、画素電極PEを覆い、液晶層LCに接している。
【0028】
なお、図5においては、スイッチング素子SWおよび画素回路PCを簡略化して図示しているが、実際にはスイッチング素子SWおよび画素回路PCは半導体層や各層の電極を含んでいる。また、図5においては図示を省略しているが、スイッチング素子SWと画素回路PCとは電気的に接続されている。さらに、上記したように、図5において図示を省略した走査線Gや信号線Sは、例えば、透明基板10と平坦化膜11との間に配置されている。
【0029】
表示部DA側において、第2基板SUB2は、図5に示すように、透明基板20と、カラーフィルタCFと、オーバーコート層OCと、共通電極CEと、配向膜AL2と、を備えている。
【0030】
透明基板20は、主面(下面)20Aと、主面20Aの反対側の主面(上面)20Bと、を備えている。透明基板20の主面20Aは、透明基板10の主面10Bと対向している。カラーフィルタCFは透明基板20の主面20A側に配置されている。カラーフィルタCFは、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、青色カラーフィルタ、などを含む。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。共通電極CEは、複数のセグメント画素SG(複数の画素PX)に亘って配置され、第3方向Zにおいて複数の画素電極PEと対向している。共通電極CEはオーバーコート層OCの上に配置されている。配向膜AL2は、共通電極CEを覆い、液晶層LCに接している。なお、図5では、表示部DA側の第2基板SUB2の構成として、各セグメント画素SGを区画する遮光膜が設けられていない構成を説明したが、各セグメント画素SGを区画するために遮光膜が設けられ、この遮光膜がカラーフィルタCFの一部と重なる構成であってもよい。
液晶層LCは、主面10Aと主面20Aとの間に配置されている。
【0031】
透明基板10および20は、例えばガラス基材やプラスチック基板などの絶縁基板である。平坦化膜11は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物またはアクリル樹脂などの透明な絶縁材料によって形成されている。一例では、平坦化膜11は、無機絶縁膜および有機絶縁膜を含んでいる。画素電極PEは、反射電極として形成され、例えば、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、銀(Ag)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)の三層積層構造になっている。共通電極COMは、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。配向膜AL1およびAL2は、X-Y平面にほぼ平行な配向規制力を有する水平配向膜である。配向規制力は、ラビング処理により付与されてもよいし、光配向処理により付与されてもよい。
【0032】
非表示部NDA側において、第1基板SUB1は、図5に示すように、透明基板10と、Rx配線層RLと、平坦化膜11と、配向膜AL1とを備えている。以下では、表示部DA側において既に説明した構成については、その詳しい説明を省略する。
【0033】
透明基板10の上には、Rx配線層RLが配置されている。便宜上、図5ではRx配線層RLを簡略化して図示しているが、上記したように、Rx配線層RLは端子部(パッド)や当該端子部から端子部Tに向けて延びるRx配線などを含み、導通材を介して第2基板SUB2側に配置される検出電極Rxと電気的に接続されている。
【0034】
非表示部NDA側において、第2基板SUB2は、図5に示すように、透明基板20と、遮光膜BMと、オーバーコート層OCと、検出電極Rx2およびRx1と、配向膜AL2とを備えている。以下では、表示部DA側において既に説明した構成については、その詳しい説明を省略する。
【0035】
透明基板20の主面20A側には、遮光膜BMが配置されている。遮光膜BMは、非表示部NDAのほぼ全面に亘って配置されている。オーバーコート層OCは、表示部DA側のカラーフィルタCFと共に遮光膜BMを覆っている。検出電極Rx2およびRx1はオーバーコート層OCの上に配置されている。図5に示す検出電極Rx2は櫛歯部Rx2bの一部に相当し、検出電極Rx1は櫛歯部Rx1bの一部に相当する。検出電極Rx2の櫛歯部Rx2bと検出電極Rx1の櫛歯部Rx1bとの間には、互いが接触しないための間隙が存在する。図5に示す構成においては、検出電極Rx2およびRx1は、表示部DA側の共通電極CEと同層に配置されており、例えば共通電極CEと同じ透明導電材料によって形成されている。配向膜AL2は検出電極Rx2およびRX1を覆い、液晶層LCに接している。
【0036】
なお、図5では、液晶層LCに含まれる液晶分子の配向を変化させるための電界の印加方向によって2つに分類される液晶モードが、いわゆる縦電界モードである場合の構成を例示しているが、本構成は、液晶モードがいわゆる横電界モードの場合にも適用可能である。上記した縦電界モードは、例えばTN(Twisted Nematic)モードや、VA(Vertical Alignment)モードなどを含む。また、上記した横電界モードは、例えばIPS(In-Plane Switching)モードや、IPSモードの1つであるFFS(Fringe Field Switching)モードなどを含む。横電界モードを採用する場合、表示領域に設けられる共通電極CEは第1基板SUB1側に設けられ、薄い絶縁層を介して画素電極PEと対向する。
【0037】
図6は、図1に示した検出電極Rx1~Rx4の展開図である。なお、検出電極Rx1~Rx4は互いに同じ形状であるため、以下では、検出電極Rx2についてのみ説明し、その他の検出電極Rx1,Rx3,Rx4についての説明を省略する。
【0038】
図6に示すように、検出電極Rx2は、本体部Rx2aと、櫛歯部Rx2bとを有する。櫛歯部Rx2bは、本体部Rx2aの両端から、隣接する検出電極Rx1およびRx3の本体部Rx1aおよびRx3aに向けて延伸する。櫛歯部Rx2bのうち、隣接する検出電極Rx1の本体部Rx1aに向けて延伸する櫛歯部Rx2bは、検出電極Rx1の櫛歯部Rx1bと互い違いに配置される。櫛歯部Rx2bのうち、隣接する検出電極Rx3の本体部Rx3aに向けて延伸する櫛歯部Rx2bは、検出電極Rx3の櫛歯部Rx3bと互い違いに配置される。
【0039】
検出電極Rx2は、本体部Rx2aの幅L2と、本体部Rx2aの両端から延伸する2つの櫛歯部Rx2bの幅L1およびL3とが実質的に同じになるように形成される。つまり、検出電極Rx2は、幅L1~L3が略1対1対1の関係を有するように形成される。すなわち、検出電極Rx2の本体部Rx2aが位置する領域と、一方の櫛歯部Rx2bが位置する領域と、他方の櫛歯部Rx2bが位置する領域との面積は実質的に同じである。
【0040】
ここで、図6に示すように、検出電極Rx1の本体部Rx1aが位置するポジションをポジションP1、検出電極Rx1およびRx2の櫛歯部Rx1bおよびRx2bが位置するポジションをポジションP2、検出電極Rx2の本体部Rx2aが位置するポジションをポジションP3、検出電極Rx2およびRx3の櫛歯部Rx2bおよびRx3bが位置するポジションをポジションP4、検出電極Rx3の本体部Rx3aが位置するポジションをポジションP5、検出電極Rx3およびRx4の櫛歯部Rx3bおよびRx4bが位置するポジションをポジションP6、検出電極Rx4の本体部Rx4aが位置するポジションをポジションP7、検出電極Rx4およびRx1の櫛歯部Rx4bおよびRx1bが位置するポジションをポジションP8と定義する。
【0041】
その上で、図6に示すように、ポジションP3が指Oによりタッチされた場合を想定する。この場合、指Oは検出電極Rx2の本体部Rx2aに接触することになるため、指Oが有する静電容量により、検出電極Rx1~Rx4から出力される検出信号RxAFE1~RxAFE4のうち、検出信号RxAFE2の波形(シグナル値)のみが変化する。なお、ここでは、全ての検出電極Rxから出力される検出信号RxAFEのシグナル値の和は100となり、指Oが接触していない検出電極Rxから出力される検出信号RxAFEのシグナル値はゼロを示すものとする。
【0042】
上記したように、ポジションP3が指Oによりタッチされた場合、指Oは検出電極Rx2の本体部Rx2aにのみ接触しているため、検出電極Rx2から出力される検出信号RxAFE2のシグナル値は100となり、指Oが接触していない他の検出電極Rx1,Rx3,Rx4から出力される検出信号RxAFE1,RxAFE3,RxAFE4のシグナル値はいずれもゼロとなる。
なお、後述も含めて詳述するように、ここでは、ポジションP3が指Oによりタッチされた場合、ポジションP3およびP4の間が指Oによりタッチされた場合、ポジションP4が指Oによりタッチされた場合における、検出電極Rx2から出力される検出信号RxAFE2と検出電極Rx3から出力される検出信号RxAFE3との変化に着目している。このため、ポジションP3が指Oによりタッチされた場合、図6の3つのグラフのうち左側のグラフに示されるように、検出電極Rx2から出力される検出信号RxAFE2のシグナル値は100となり、検出電極Rx3から出力される検出信号RxAFE3のシグナル値はゼロとなる。
【0043】
次に、図6に示すように、ポジションP3およびP4の間が指Oによりタッチされた場合を想定する。この場合、指Oの左半分は検出電極Rx2の本体部Rx2aに接触し、指Oの右半分は検出電極Rx2およびRx3の櫛歯部Rx2bおよびRx3bに接触することになる。これによれば、指Oが有する静電容量により、検出電極Rx1~Rx4から出力される検出信号RxAFE1~RxAFE4のうち、検出信号RxAFE2およびRxAFE3のシグナル値に変化が見られることになる。
【0044】
上記したように、ポジションP3およびP4の間が指Oによりタッチされた場合、指Oの左半分が検出電極Rx2の本体部Rx2aに接触し、指Oの右半分が検出電極Rx2およびRx3の櫛歯部Rx2bおよびRx3bに接触しているため、検出電極Rx2に接触している指Oの接触面積と、検出電極Rx3に接触している指Oの接触面積との比率は3対1に近似することができる。検出信号RxAFEのシグナル値は検出電極Rxと指Oの接触面積に比例するため、シグナル値の比率(シグナル比)もまた3対1に近似することができる。つまり、図6の真ん中のグラフに示されるように、検出電極Rx2から出力される検出信号RxAFE2のシグナル値は75となり、検出電極Rx3から出力される検出信号RxAFE3のシグナル値は25となる。なお、指Oが接触していない検出電極Rx1およびRx4から出力される検出信号RxAFE1およびRxAFE4のシグナル値は共にゼロとなる。
【0045】
さらに、ポジションP4が指Oによりタッチされた場合を想定する。この場合、指Oは、互い違いに配置された検出電極Rx2およびRx3の櫛歯部Rx2bおよびRx3bに接触することになる。これによれば、指Oが有する静電容量により、検出電極Rx1~Rx4から出力される検出信号RxAFE1~RxAFE4のうち、検出信号RxAFE2およびRxAFE3のシグナル値に変化が見られることになる。
【0046】
上記したように、ポジションP4が指Oによりタッチされた場合、指Oは検出電極Rx2およびRx3の櫛歯部Rx2bおよびRx3bに接触しているため、検出電極Rx2に接触している指Oの接触面積と、検出電極Rx3に接触している指Oの接触面積との比率は1対1に近似することができる。上記したように、検出信号RxAFEのシグナル値は検出電極Rxと指Oの接触面積に比例するため、この場合、図6の右側のグラフに示されるように、検出電極Rx2から出力される検出信号RxAFE2のシグナル値は50となり、検出電極Rx3から出力される検出信号RxAFE3のシグナル値も50となる。なお、指Oが接触していない検出電極Rx1およびRx4から出力される検出信号RxAFE1およびRxAFE4のシグナル値は共にゼロとなる。
【0047】
図6では、ポジションP3、ポジションP3およびP4の間、ポジションP4が指Oによりタッチされた場合の検出信号RxAFEのシグナル値の変化について説明したが、他のポジションおよび他のポジション間が指Oによりタッチされた場合も、検出信号RxAFEのシグナル値は、図6の場合と同様な法則をもって変化する。
【0048】
検出電極Rx1~Rx4から出力される検出信号RxAFE1~RxAFE4のシグナル値は、タッチコントローラTCに出力される。タッチコントローラTCは、検出信号RxAFE1~RxAFE4のシグナル値(シグナル比)を参照して、指Oによりどのポジションがタッチされているかを検出(判断)することが可能である。
【0049】
ここで、図7のフローチャートを参照して、表示装置DSPによるタッチ検出動作の一例について説明する。
まず、タッチコントローラTCにより、駆動信号が複数の検出電極Rxに出力される(ステップS1)。続いて、タッチコントローラTCは、駆動信号の入力に応じて各検出電極Rxより各々出力される検出信号RxAFEの入力を受け付ける(ステップS2)。
【0050】
次に、タッチコントローラTCは、入力された各検出信号RxAFEのシグナル値を参照し、シグナル値が100(第1の値)の検出信号RxAFEがあるか否かを判定する(ステップS3)。換言すれば、タッチコントローラTCは、入力された各検出信号RxAFEのシグナル値を参照し、図6の左側のグラフに示した状態にあるか否かを判定する。なお、ここでは、シグナル値が100の検出信号RxAFEがあるか否かを判定するとしたが、これに限定されず、例えば第1範囲内のシグナル値(例えば90~100のシグナル値)を有した検出信号RxAFEがあるか否かを判定するとしてもよい。
【0051】
ステップS3の処理の結果、シグナル値が100の検出信号RxAFEがあると判定された場合(ステップS3のYes)、タッチコントローラTCは、当該検出信号RxAFEを出力した検出電極Rxの本体部が位置するポジションがタッチされたことを検出し(ステップS4)、ここでの一連の動作を終了させる。
【0052】
一方で、ステップS3の処理の結果、シグナル値が100の検出信号RxAFEがないと判定された場合(ステップS3のNo)、タッチコントローラTCは、入力された各検出信号RxAFEのシグナル値を参照し、シグナル値が50(第2の値)の検出信号RxAFEがあるか否かを判定する(ステップS5)。換言すれば、タッチコントローラTCは、入力された各検出信号RxAFEのシグナル値を参照し、図6の右側のグラフに示した状態にあるか否かを判定する。なお、ここでは、シグナル値が50の検出信号RxAFEがあるか否かを判定するとしたが、これに限定されず、例えば第2範囲内のシグナル値(例えば40~60のシグナル値)を有した検出信号RxAFEがあるか否かを判定するとしてもよい。
【0053】
ステップS5の処理の結果、シグナル値が50の検出信号RxAFEがあると判定された場合(ステップS5のYes)、タッチコントローラTCは、シグナル値が50の検出信号RxAFEを出力した2つの検出電極Rxの櫛歯部が位置するポジションがタッチされたことを検出し(ステップS6)、ここでの一連の動作を終了させる。
【0054】
一方で、ステップS6の処理の結果、シグナル値が50の検出信号RxAFEがないと判定された場合(ステップS5のNo)、タッチコントローラTCは、入力された各検出信号RxAFEのシグナル値を参照し、シグナル値が75(第3の値)の検出信号RxAFEがあるか否かを判定する(ステップS7)。換言すれば、タッチコントローラTCは、入力された各検出信号RxAFEのシグナル値を参照し、図6の真ん中のグラフに示した状態にあるか否かを判定する。なお、ここでは、シグナル値が75の検出信号RxAFEがあるか否かを判定するとしたが、これに限定されず、例えば第3範囲内のシグナル値(例えば70~80のシグナル値)を有した検出信号RxAFEがあるか否かを判定するとしてもよい。また、ここでは、シグナル値が75の検出信号RxAFEがあるか否かを判定するとしたが、これに限定されず、シグナル値が25の検出信号RxAFEがあるか否かを判定するとしてもよい。
【0055】
ステップS7の処理の結果、シグナル値が75の検出信号RxAFEがあると判定された場合(ステップS7のYes)、タッチコントローラTCは、シグナル値が75の検出信号RxAFEを出力した検出電極Rxの本体部と、シグナル値が25の検出信号RxAFEを出力した検出電極の櫛歯部との間のポジションがタッチされたことを検出し(ステップS8)、ここでの一連の動作を終了させる。
【0056】
一方で、ステップS7の処理の結果、シグナル値が75の検出信号RxAFEがないと判定された場合(ステップS7のNo)、タッチコントローラTCは、全ての検出信号RxAFEのシグナル値が0であることを確認した後に、いずれのポジションもタッチされていないと判断し(ステップS9)、ここでの一連の動作を終了させる。
【0057】
上記した図6では、検出電極Rx1~Rx4の本体部Rx1a~Rx4aの幅と、櫛歯部Rx1b~Rx4bの幅とが実質的に同じである場合について説明したが、検出電極Rx1~Rx4の形状はこれに限定されない。以下では、図8および図9を参照して、検出電極Rx1~Rx4の変形例について説明する。
【0058】
図8は、検出電極Rx1~Rx4の第1変形例を示す展開図である。なお、検出電極Rx1~Rx4は互いに同じ形状であるため、ここでも検出電極Rx2にのみ着目する。図8に示す第1変形例は、本体部Rx2aと櫛歯部Rx2bとが細線部Rx2abにより接続され、ポジション間に細線部Rx2ab以外の電極が配置されていないパターンレス領域が設けられている点で、図6の場合と相違している。これによれば、ポジション間(例えばポジションP3およびP4の間)が指Oによりタッチされたとしても、指Oが細線部Rx2abに接触する可能性が低いため、実質的に、ポジション間におけるタッチ検出を省略することが可能となる。上記したように、ポジション間におけるタッチ検出においては、検出信号RxAFEのシグナル値の微かな変化を捉える必要があるため、誤検出が生じる恐れもあるが、本変形例に係る構成によれば、ポジション間におけるタッチ検出を省略することが可能となるため、上記した誤検出の発生を抑制することが可能である。
【0059】
図9は、検出電極Rx1~Rx4の第2変形例を示す展開図である。なお、検出電極Rx1~Rx4は互いに同じ形状であるため、ここでも検出電極Rx2にのみ着目する。図9に示す第2変形例は、本体部Rx2aと櫛歯部Rx2bとが細線部Rx2abにより接続され、パターンレス領域が設けられている他に、本体部Rx2aに検出電極Rx2が除去された領域H(スリット、開口部)が設けられている点で、図6の場合と相違している。これによれば、本体部Rx2がタッチされた際に本体部Rx2と指Oが接触する面積と、櫛歯部Rx2bがタッチされた際に櫛歯部Rx2bと指Oが接触する面積とを略同じにすることができる。検出信号RxAFEのシグナル値は指Oとの接触面積に比例するため、本体部Rx2aと指Oが接触する面積と、櫛歯部Rx2bと指Oが接触する面積とを略同じにすることで、本体部Rx2aがタッチされた際に出力される検出信号RxAFEのシグナル値と、櫛歯部Rx2bがタッチされた際に出力される検出信号RxAFEのシグナル値とを合わせることができる。このため、タッチコントローラTCは、1つの検出信号RxAFEのシグナル値が所定値の時には本体部Rx2aがタッチされていることを検出し、2つの検出信号RxAFEのシグナル値が所定値の時には櫛歯部Rx2bがタッチされていることを検出すればよい。つまり、タッチコントローラTCは、シグナル値に関する値を複数保持していなくても、シグナル値に関する値を1つ保持していれば、どのポジションがタッチされているかを検出することが可能である。
【0060】
以上説明した本実施形態では、図5に示したように、検出電極Rxは透明基板20の主面20A側に配置されている(換言すると、共通電極CEと同層に配置されている)としたが、図10に示すように、検出電極Rxは透明基板20の主面20B側に配置されていても構わない(換言すると、共通電極CEとは異なる層に配置されていても構わない)。また、本実施形態では、図5に示したように、検出電極Rxは第2基板SUB2側に配置されているとしたが、図11に示すように、検出電極Rxは第1基板SUB1側に配置されていても構わない。図10および図11に示した構成は、検出電極Rxの配置が異なること以外は、既に説明した構成と同様であるため、タッチコントローラTCは、図7に示した一連のタッチ検出動作を実行することが可能である。
【0061】
以上説明した第1実施形態によれば、表示装置DSPは、本体部と、当該本体部の両端から延伸する櫛歯部により構成される検出電極Rx1~Rx4を備えている。また、表示装置DSPのタッチコントローラTCは、本体部および櫛歯部を有する検出電極Rx1~Rx4から各々出力される検出信号RxAFE1~RxAFE4のシグナル値の違い(シグナル比)を利用して、非表示部NDAのどのポジションがタッチされたかを検出する機能を有している。具体的には、タッチコントローラTCは、検出電極Rxの本体部が配置された領域と、隣接する検出電極Rxの櫛歯部が互い違いに配置された領域と、本体部と櫛歯部との間の領域とのうちのどのポジションがタッチされたかを検出することが可能であるため、櫛歯部が配置された領域のみを検出するための検出電極を設ける必要がなく、非表示部NDAに配置される検出電極の個数を減らすことが可能である。検出電極Rxの個数を減らすことで、検出電極Rxと電気的に接続されるRx配線層RLも同様に減らすことが可能であり、ひいては、端子部Tや接続部CNに必要なピン数を減らすことが可能である。
【0062】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態に係る表示装置DSPは、図12に示すように、検出電極Rxがテーパ部を有している点で、上記した第1実施形態と相違している。図12に示すように、検出電極Rx1~Rx4は、円弧状の本体部Rx1c~Rx4cと、テーパ部Rx1d~Rx4dとにより構成される。複数の検出電極Rx1~Rx4のテーパ部Rx1d~Rx4dは、円弧状の本体部Rx1c~Rx4cの頂点から、表示部DAの外周に沿った方向に各々隣接する検出電極の本体部の頂点に向けて延伸している。
【0063】
例えば、検出電極Rx1のテーパ部Rx1dは、本体部Rx1cの一方の端部の外周側の頂点から、表示部DAの外周に沿った方向(時計回り方向)に隣接する検出電極Rx2の本体部Rx2cの内周側の頂点に向けて延伸し、かつ、本体部Rx1cの他方の端部の内周側の頂点から、表示部DAの外周に沿った方向(反時計回り方向)に隣接する検出電極Rx4の本体部Rx4cの外周側の頂点に向けて延伸している。検出電極Rx2のテーパ部Rx2dは、本体部Rx2cの一方の端部の外周側の頂点から、表示部DAの外周に沿った方向(時計回り方向)に隣接する検出電極Rx3の本体部Rx3cの内周側の頂点に向けて延伸し、かつ、本体部Rx2cの他方の端部の内周側の頂点から、表示部DAの外周に沿った方向(反時計回り方向)に隣接する検出電極Rx1の本体部Rx1cの外周側の頂点に向けて延伸している。検出電極Rx3のテーパ部Rx3dは、本体部Rx3cの一方の端部の外周側の頂点から、表示部DAの外周に沿った方向(時計回り方向)に隣接する検出電極Rx4の本体部Rx4cの内周側の頂点に向けて延伸し、かつ、本体部Rx3cの他方の端部の内周側の頂点から、表示部DAの外周に沿った方向(反時計回り方向)に隣接する検出電極Rx2の本体部Rx2cの内周側の頂点に向けて延伸している。検出電極Rx4のテーパ部Rx4dは、本体部Rx4cの一方の端部の外周側の頂点から、表示部DAの外周に沿った方向(時計回り方向)に隣接する検出電極Rx1の本体部Rx1cの内周側の頂点に向けて延伸し、かつ、本体部Rx4cの他方の端部の内周側の頂点から、表示部DAの外周に沿った方向(反時計回り方向)に隣接する検出電極Rx3の外周側の頂点に向けて延伸している。
【0064】
以上のように、本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、検出電極Rxのテーパ部は、隣接する検出電極Rxのテーパ部と向かい合うように延伸している。なお、複数の検出電極Rx1~Rx4のテーパ部Rx1d~Rx4dは平面視において互いに重畳しない。また、複数の検出電極Rx1~Rx4のテーパ部Rx1d~Rx4dは、表示部DAの外周に沿った方向に各々隣接する他の検出電極の本体部と接続しない。
【0065】
図13は、図12に示した検出電極Rx1~Rx4の展開図である。なお、検出電極Rx1~Rx4は互いに同じ形状であるため、以下では、検出電極Rx2についてのみ説明し、その他の検出電極Rx1,Rx3,Rx4についての説明を省略する。
【0066】
図13に示すように、検出電極Rx2は、本体部Rx2cと、テーパ部Rx2dとを有する。テーパ部Rx2dは、本体部Rx2cの両端から、隣接する検出電極Rx1およびRx3の本体部Rx1cおよびRx3cに向けて延伸する。テーパ部Rx2dのうち、隣接する検出電極Rx1の本体部Rx1cに向けて延伸するテーパ部Rx2dは、検出電極Rx1のテーパ部Rx1dと向かい合って配置される。テーパ部Rx2dのうち、隣接する検出電極Rx3の本体部Rx3cに向けて延伸するテーパ部Rx2dは、検出電極Rx3のテーパ部Rx3dと向かい合って配置される。
【0067】
検出電極Rx2は、本体部Rx2cの幅L5と、本体部Rx2cの両端から延伸する2つのテーパ部Rx2dの幅L4およびL6とが実質的に同じになるように形成される。つまり、検出電極Rx2は、幅L4~L6が略1対1対1の関係を有するように形成される。すなわち、検出電極Rx2の本体部Rx2cが位置する領域と、一方のテーパ部Rx2dが位置する領域と、他方のテーパ部Rx2dが位置する領域との面積は実質的に同じである。
【0068】
ここで、図13に示すように、検出電極Rx1の本体部Rx1cが位置するポジションをポジションP1、検出電極Rx1およびRx2のテーパ部Rx1dおよびRx2dが位置するポジションをポジションP2、検出電極Rx2の本体部Rx2cが位置するポジションをポジションP3、検出電極Rx2およびRx3のテーパ部Rx2dおよびRx3dが位置するポジションをポジションP4、検出電極Rx3の本体部Rx3cが位置するポジションをポジションP5、検出電極Rx3およびRx4のテーパ部Rx3dおよびRx4dが位置するポジションをポジションP6、検出電極Rx4の本体部Rx4cが位置するポジションをポジションP7、検出電極Rx4およびRx1のテーパ部Rx4dおよびRx1dが位置するポジションをポジションP8と定義する。
【0069】
その上で、図13に示すように、ポジションP3が指Oによりタッチされた場合を想定する。この場合、指Oは検出電極Rx2の本体部Rx2cにのみ接触することになるため、指Oが有する静電容量により、検出電極Rx1~Rx4から出力される検出信号RxAFE1~RxAFE4のうち、検出信号RxAFE2のシグナル値にのみ変化が見られることになる。これによれば、検出電極Rx2から出力される検出信号RxAFE2のシグナル値は100となり、指Oが接触していない他の検出電極Rx1,Rx3,Rx4から出力される検出信号RxAFE1,RxAFE3,RxAFE4のシグナル値はいずれもゼロとなる。
【0070】
次に、図13に示すように、ポジションP4が指Oによりタッチされた場合を想定する。この場合、指Oは検出電極Rx2およびRx3のテーパ部Rx2dおよびRx3dに接触することになる。これによれば、指Oが有する静電容量により、検出電極Rx1~Rx4から出力される検出信号RxAFE1~RxAFE4のうち、検出信号RxAFE2およびRxAFE3のシグナル値に変化が見られることになる。
【0071】
上記したように、ポジションP4が指Oによりタッチされた場合、指Oは検出電極Rx2およびRx3の櫛歯部Rx2bおよびRx3bに接触しているため、検出電極Rx2に接触している指Oの接触面積と、検出電極Rx3に接触している指Oの接触面積との比率は1対1に近似することができる。既に説明したように、検出信号RxAFEのシグナル値は検出電極Rxと指Oの接触面積に比例するため、この場合、検出電極Rx2から出力される検出信号RxAFE2のシグナル値は50となり、検出電極Rx3から出力される検出信号RxAFE3のシグナル値も50となる。なお、指Oが接触していない検出電極Rx1およびRx4から出力される検出信号RxAFE1およびRxAFE4のシグナル値は共にゼロとなる。
【0072】
図13では、ポジションP3、ポジションP4が指Oによりタッチされた場合の検出信号RxAFEのシグナル値の変化について説明したが、他のポジションが指Oによりタッチされた場合も、検出信号RxAFEのシグナル値は、図13の場合と同様な法則をもって変化する。
【0073】
検出電極Rx1~Rx4から出力される検出信号RxAFE1~RxAFE4のシグナル値は、タッチコントローラTCに出力される。タッチコントローラTCは、検出信号RxAFE1~RxAFE4のシグナル値を参照して、指Oによりどのポジションがタッチされているかを検出(判断)することが可能である。なお、タッチコントローラTCによるタッチ検出動作は、図7に示したフローチャートのステップS7およびS8が省略され、ステップS5の処理がNoの場合にステップS9の処理に進むこと以外に違いがないため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0074】
上記した図13では、検出電極Rx1~Rx4の一部にテーパ部が設けられている場合について説明したが、検出電極Rx1~Rx4の形状はこれに限定されない。以下では、図14および図15を参照して、検出電極Rx1~Rx4の変形例について説明する。
【0075】
図14は、検出電極Rx1~Rx4の第3変形例を示す展開図である。なお、検出電極Rx1~Rx4は互いに同じ形状であるため、ここでは検出電極Rx2にのみ着目する。図14に示す第3変形例は、本体部Rx2cに検出電極R2が除去された領域H(スリット、開口部)が設けられている点で、図13の場合と相違している。これによれば、上記した第1実施形態の図9の場合と同様に、本体部Rx2cがタッチされた際に出力される検出信号RxAFEのシグナル値と、テーパ部Rx2dがタッチされた際に出力される検出信号RxAFEのシグナル値とを合わせることができる。このため、タッチコントローラTCは、1つの検出信号RxAFEのシグナル値が所定値の時には本体部Rx2cがタッチされていることを検出し、2つの検出信号RxAFEのシグナル値が所定値の時にはテーパ部Rx2dがタッチされていることを検出すればよい。つまり、タッチコントローラTCは、シグナル値に関する値を複数保持しなくても、シグナル値に関する値を1つ保持していれば、どこがタッチされているかを検出することが可能である。
【0076】
図15は、検出電極Rx1~Rx4の第4変形例を示す展開図である。なお、検出電極Rx1~Rx4は互いに同じ形状であるため、ここでも検出電極Rx2にのみ着目する。図15に示す第4変形例は、検出電極Rx1~Rx4の一部ではなく検出電極Rx1~Rx4自体がテーパ状に形成されている点で、図13の場合と相違している。この場合においても、例えばポジションP3がタッチされた場合は検出電極Rx2から出力される検出信号RxAFE2のシグナル値のみに変化が見られ、ポジションP4がタッチされた場合は検出電極Rx2およびRx3から出力される検出信号RxAFE2およびRxAFE3のシグナル値に変化が見られる点は変わりないため、タッチコントローラTCは、既に説明した一連のタッチ検出動作により、どのポジションがタッチされているかを検出することが可能である。
【0077】
以上説明した第2実施形態においても、表示装置DSPのタッチコントローラTCは、本体部およびテーパ部を有する検出電極Rx1~Rx4から各々出力される検出信号RxAFE1~RxAFE4のシグナル値の違いを利用して、非表示部NDAのどのポジションがタッチされたかを検出することが可能であるため、上記した第1実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
【0078】
図16は、各実施形態に係る表示装置DSPの適用例を示している。図16に示すように、表示装置DSPは、例えば腕時計100に適用される。この場合、表示装置DSPの表示部DAには、時刻等が表示され、表示装置DSPは、非表示部NDAに配置された検出電極がタッチされることにより所定のジェスチャを検出し(例えば時計の外周部を時計回りに1回転するように触れるジェスチャ、時計の外周部を反時計回りに1回転するように触れるジェスチャ、タップするジェスチャ等)、検出した所定のジェスチャに応じた動作を実現することが可能である。
【0079】
図17は、各実施形態に係る表示装置DSPの別の適用例を示している。図17に示すように、表示装置DSPは、例えば車載バックミラー200に適用される。この場合、表示装置DSPの表示部DAには、車両に設置されたカメラにより撮影された車両後方の映像等が表示され、表示装置DSPは、非表示部NDAに配置された検出電極がタッチされることにより所定のジェスチャを検出し、検出した所定のジェスチャに応じた動作を実現することが可能である。
【0080】
図18は、自己容量方式によるタッチ検出の原理の一例を説明するための図である。電源Vddの電圧を抵抗分割にて分圧した電圧をバイアス電圧として検出電極Rxに供給している。駆動回路300bからは容量結合等により所定の波形の駆動信号が検出電極Rxに供給され、検出電極Rxから所定の波形の検出信号が読み出される。このとき、指等による容量が検出電極Rxに負荷されると検出電極の振幅が変化する。図18においては検出電極Rxの振幅が低下する。従って、図18に例示する等価回路において、検出回路400bにて検出電極Rxの振幅を検出することで指等の外部近接物体の接触または近接の有無を検出する。尚、セルフ検出回路は、図18に例示する回路に限定されるものではなく、検出電極のみで指等の外部近接物体の有無を検出可能であればどのような回路方式を採用してもよい。
【0081】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、非表示部NDAに配置された限られた個数の検出電極Rx1~Rx4を用いて、非表示部NDAのどのポジションがタッチされたかを効率的に検出することが可能となり、画像を表示する際の表示品位とタッチによる優れた操作性を両立させた表示装置、検出装置および時計を提供することが可能である。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、DA…表示部、NDA…非表示部、Rx1~Rx4…検出電極、Rx1a~Rx4a…本体部、Rx1b~Rx4b…櫛歯部、T…端子部、FPC1…フレキシブル配線基板、PCB…回路基板、CN…接続部、DC…ディスプレイコントローラ、TC…タッチコントローラ、1…CPU。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18