(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035183
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】台車及びその車輪システム
(51)【国際特許分類】
B62B 3/00 20060101AFI20220225BHJP
B60B 33/00 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
B62B3/00 G
B62B3/00 A
B60B33/00 X
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139319
(22)【出願日】2020-08-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】598022956
【氏名又は名称】株式会社大同機械
(74)【代理人】
【識別番号】100154357
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】落合 康全
(72)【発明者】
【氏名】山崎 文敬
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050BB02
3D050DD01
3D050DD03
3D050EE09
3D050EE11
3D050GG06
3D050JJ01
3D050JJ09
3D050KK06
3D050KK14
(57)【要約】
【課題】電動アシスト機能を付与しつつ、6輪の台車での走行性能を高めることを可能にする。
【解決手段】本開示の一実施形態に係る台車10は、右側の第1中間輪を含む3つの車輪及び左側の第2中間輪を含む3つの車輪を備える。台車10は、載置台の下面に設けられて、第1軸周りに可動である第1支持部材であって、第1前輪と第1中間輪とが設けられている、第1支持部材16と、載置台の下面に設けられて、第2軸周りに可動である第2支持部材であって、第2前輪と第2中間輪とが設けられている、第2支持部材18と、第1中間輪のアシスト駆動用の第1モータ30と、第2中間輪のアシスト駆動用の第2のモータ34と、第1モータの制御及び第2モータの制御を実行する制御部とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右側の第1前輪、第1中間輪及び第1後輪と、左側の第2前輪、第2中間輪及び第2後輪とを備えた台車であって、
載置台の下面に設けられて、第1軸周りに可動である第1支持部材であって、前記第1前輪と前記第1中間輪とが設けられている、第1支持部材と、
前記載置台の前記下面に設けられて、第2軸周りに可動である第2支持部材であって、前記第2前輪と前記第2中間輪とが設けられている、第2支持部材と、
前記第1中間輪のアシスト駆動用の第1モータと、
前記第2中間輪のアシスト駆動用の第2のモータと、
前記第1モータの制御及び前記第2モータの制御を実行する制御部と
を備えた台車。
【請求項2】
前記制御部は、
ユーザにより操作される2つの操作部からの入力に応じて、前記第1モータの出力及び第2モータの出力をそれぞれ制御する、
請求項1に記載の台車。
【請求項3】
右側の第1操作部と、左側の第2操作部とを備え、
前記制御部は、前記第1操作部及び前記第2操作部のそれぞれに作用する力を検知して、検知した該力に応じて、前記第1モータの出力及び第2モータの出力をそれぞれ制御する、
請求項2に記載の台車。
【請求項4】
前記第1モータの前記第1中間輪への動力伝達を断接する第1クラッチ機構と、
前記第2モータの前記第2中間輪への動力伝達を断接する第2クラッチ機構と
を更に備えている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の台車。
【請求項5】
自動停止装置を更に備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の台車。
【請求項6】
左右3輪ずつの6つの車輪を有する台車用の車輪システムであって、
前記台車の載置台の下面に設けられる第1支持部材であって、第1軸周りに可動であり、右側の2つの車輪が設けられ、一方の車輪が第1中間輪である、第1支持部材と、
前記載置台の前記下面に設けられる第2支持部材であって、第2軸周りに可動であり、左側の2つの車輪が設けられ、一方の車輪が第2中間輪である、第2支持部材と、
前記第1中間輪のアシスト駆動用の第1モータと、
前記第2中間輪のアシスト駆動用の第2のモータと、
前記第1モータの制御及び前記第2モータの制御を実行する制御部と
を備えた車輪システム。
【請求項7】
前記第1支持部材側に設けられる第1操作部と、前記第2支持部材側に設けられる第2操作部とを備え、
前記制御部は、前記第1操作部及び前記第2操作部のそれぞれに作用する力を検知して、検知した該力に応じて、前記第1モータの出力及び第2モータの出力をそれぞれ制御する、
請求項6に記載の車輪システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、左右3輪ずつの6輪を有し、かつ、電動アシスト機構を備える台車、及び、台車に取り外し可能に取り付けられる車輪システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、荷物等を載せて手押しで運搬する台車に、モータ及びそのモータの駆動力が伝達される1つの駆動車輪を備えた電動アシスト機構を着脱可能に取り付けた、電動アシスト機構付き台車を開示する。この台車は、荷台の下部に設けられる4つの転動車輪と、U字状部材である取っ手とを備える。この電動アシスト機構付き台車は、人力走行時にはその台車の取っ手に作用する力で転動車輪に回転力を発生させて走行し、アシスト走行時は前述のモータの駆動力により駆動車輪に回転力を発生させて走行する。
【0003】
一方、左右3輪ずつの計6輪が設けられた台車が知られている。この6輪の台車は、4輪の台車に比べて、台車の安定性を高めることができ、例えば長物や重量物の搬送に用いられることができる。このような6輪の台車において、基台の後端部にキャスタを設け、基台の前端部に支持部材を回動可能に取り付け、この支持部材の前端部にキャスタを取り付け、支持部材の後端部に、一方向に回転する通常の車輪を取り付けたものを、特許文献2は開示する。特許文献2の記載によれば、台車の走路上に障害物が存在している場合には、支持部材のキャスタが障害物に乗り上げ、このとき支持部材は回動自在であるためそのキャスタは上方に回動して障害物を簡単に乗り越えることができる。また、続いて支持部材の車輪が障害物に乗り上げたときには、その車輪が上方に回動して簡単に障害物を乗り越えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-151247号公報
【特許文献2】特開平3-61168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
6輪の台車は、上述のように重量物などの搬送に用いられる。したがって、6輪の台車が、手押しで用いられるとき、電動アシスト機能を設けることが期待される。また、6輪の台車の適用範囲を好適に拡大するためには、走路上の障害物をより好適に乗り越えることができたり、傾斜地及び平地を好適に走行できたりすることが望まれる。本開示の目的は、電動アシスト機能を付与しつつ、6輪の台車での走行性能を高めることを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様は、右側の第1前輪、第1中間輪及び第1後輪と、左側の第2前輪、第2中間輪及び第2後輪とを備えた台車であって、載置台の下面に設けられて、第1軸周りに可動である第1支持部材であって、前記第1前輪と前記第1中間輪とが設けられている、第1支持部材と、前記載置台の前記下面に設けられて、第2軸周りに可動である第2支持部材であって、前記第2前輪と前記第2中間輪とが設けられている、第2支持部材と、前記第1中間輪のアシスト駆動用の第1モータと、前記第2中間輪のアシスト駆動用の第2のモータと、前記第1モータの制御及び前記第2モータの制御を実行する制御部とを備えた台車を提供する。
【0007】
好ましくは、前記制御部は、ユーザにより操作される2つの操作部からの入力に応じて、前記第1モータの出力及び第2モータの出力をそれぞれ制御する。前記台車は右側の第1操作部と、左側の第2操作部とを備え、前記制御部は、前記第1操作部及び前記第2操作部のそれぞれに作用する力を検知して、検知した該力に応じて、前記第1モータの出力及び第2モータの出力をそれぞれ制御するとよい。
【0008】
好ましくは、前述の台車は、前記第1モータの前記第1中間輪への動力伝達を断接する第1クラッチ機構と、前記第2モータの前記第2中間輪への動力伝達を断接する第2クラッチ機構とを更に備えている。
【0009】
好ましくは、前記台車は、自動停止装置を更に備える。
【0010】
本開示の第2態様は、左右3輪ずつの6つの車輪を有する台車用の車輪システムであって、前記台車の載置台の下面に設けられる第1支持部材であって、第1軸周りに可動であり、右側の2つの車輪が設けられ、一方の車輪が第1中間輪である、第1支持部材と、前記載置台の前記下面に設けられる第2支持部材であって、第2軸周りに可動であり、左側の2つの車輪が設けられ、一方の車輪が第2中間輪である、第2支持部材と、前記第1中間輪のアシスト駆動用の第1モータと、前記第2中間輪のアシスト駆動用の第2のモータと、前記第1モータの制御及び前記第2モータの制御を実行する制御部とを備えた車輪システムを提供する。
【0011】
この車輪システムは、前記第1支持部材側に設けられる第1操作部と、前記第2支持部材側に設けられる第2操作部とを備えるとよい。この場合、前記制御部は、前記第1操作部及び前記第2操作部のそれぞれに作用する力を検知して、検知した該力に応じて、前記第1モータの出力及び第2モータの出力をそれぞれ制御するとよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示の第1態様及び第2態様によれば、電動アシスト機能を付与しつつ、6輪の台車での走行性能を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る台車の正面図である。
【
図3】
図3は、
図1の台車の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1の台車での平地から傾斜地への走行例を説明する図である。
【
図5】
図5は、
図1の台車の制御構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、台車に取り付け可能な車輪システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示に係る実施形態を添付図に基づいて説明する。同一の部品(又は構成)には同一の符号を付してあり、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0015】
一実施形態に係る台車10について説明する、
図1は、台車10の正面図であり、平地などにバランスよく位置する状態での台車10を示す。
図2は、
図1の台車10の左後方側からの斜視図である。
図3は、
図1の台車10の概略構成を示すブロック図である。台車10は、荷物を載せることができる載置台12と、2つの取っ手部14A、14Bと、6つの車輪Wとを有する。
【0016】
載置台12は、荷台又は基台と称され得るものであり、略矩形の部材であり、平板状に構成されている。載置台12は、ここでは、左右方向(第1方向)D1よりも、それに直交するように延びる前後方向(第2方向)D2に長い略長方形形状に構成されているが、その他の種々の形状、寸法を有してもよい。
図1及び
図2に示すように、載置台12は、左右方向D1に略平行に、かつ、前後方向D2に略平行に延びる。載置台12は、スリット又は孔などを設けて、軽量化されるとよい。
【0017】
台車10は、
図2に示すように、右側の第1取っ手部14Aと、左側の第2取っ手部14Bとを有する。これらの第1及び第2取っ手部14A、14Bは、略棒状であり、載置部12の後方に設けられている。
図1及び
図2に示すように、ここでは、第1及び第2取っ手部14A、14Bは、それぞれ、左右方向D1及び前後方向D2のそれぞれに直交する高さ方向(第3方向)D3に延びるように載置台12に対して設けられている。これらの取っ手部14A、14Bは互いに独立している。2つの取っ手部14A、14Bは、それぞれ、操作部として機能し、ユーザ(荷台10の操作者)による力が作用したとき、その力に応じてある程度撓む又はひずみを検知できる材料でできているとよい。例えば、取っ手部14A、14Bは、アルミニウム合金、プラスチック材料等で作製されるとよい。
【0018】
車輪Wとして、台車10には、前後方向D2に並ぶ第1前輪Wrf、第1中間輪Wrm及び第1後輪Wrrと、前後方向D2に並ぶ第2前輪Wlf、第2中間輪Wlm及び第2後輪Wlrとが左右に備えられている。第1前輪Wrf、第1中間輪Wrm及び第1後輪Wrrは、台車10の右側の車輪であり、第2前輪Wlf、第2中間輪Wlm及び第2後輪Wlrは、台車10の左側の車輪である。
【0019】
載置台12の下面12Bに2つの支持部材16、18が設けられている。一方の支持部材16は、ここでは第1支持部材と称し、台車10の右側に配置される。第1支持部材16は第1軸周りに可動であるように構成されている。ここでは、第1支持部材16は、載置台12の下面12Bに、左右方向D1に延びるように設けられた第1軸部20周りに所定範囲で回動可能に設けられる。第1軸部20は、第1軸に対応する。支持部材16の動きの所定範囲は、主に、載置台12と第1支持部材16との位置関係及び、第1支持部材16の形状により定まる。下面12Bには、被取付部が設けられている。この被取付部に、第1軸部20を介して、第1支持部材16は取り付けられる。同様に、他方の支持部材18は、ここでは第2支持部材と称し、台車10の左側に配置される。第2支持部材18は第2軸周りに可動であるように構成されている。ここでは、第2支持部材18は、載置台12の下面12Bに、左右方向D1に延びるように設けられた第2軸部24周りに所定範囲で回動可能に設けられる(
図1の矢印A1、A2参照)。第2軸部24は、第2軸に対応する。この第2支持部材18の動きの所定範囲も、主に、載置台12と第2支持部材18との位置関係及び、第2支持部材18の形状により定まる。下面12Bには、
図1に示すように被取付部26が設けられている。この被取付部26に、第2軸部24を介して、第2支持部材18は取り付けられる。
図1及び
図3から明らかなように、第2支持部材18は、第1支持部材16と左右方向D1で対向するように位置付けられる。なお、第1及び第2支持部材16、18はそれぞれ平衡装置を構成する。
【0020】
第1前輪Wrfと第1中間輪Wrmとは、第1支持部材16の下側に設けられ、第1軸部20の両側に位置付けられている。第1支持部材16において、第1軸部20の前方に第1前輪Wrfが設けられ、第1軸部20の後方に第1中間輪Wrmが設けられている。同様に、第2支持部材18の下側において、第2軸部24の両側に位置付けられている第2前輪Wlf及び第2中間輪Wlmについては、
図1に示すように、第2軸部24の前方に第2前輪Wlfが設けられ、第2軸部24の後方に第2中間輪Wlmが設けられている。
【0021】
ここで、第1支持部材16は第2支持部材18とは同じ構成を備えるので、ここでは、第2支持部材18に関して主に説明し、第1支持部材16の詳細な説明は省略する。第2支持部材18は、ここでは、
図1に示すように、略二等辺三角形状の部材である。
図1において、左右方向D1と高さ方向D3とに延びる平面P1を、第2軸部24の軸線24Aに沿って定めるとき、第2支持部材18は平面P1によって略2等分され、平面P1に関して略左右対称である。そして、第2支持部材18の頂点部分に第2軸部24は位置付けられている。したがって、第2支持部材18は第2軸部24周りに所定範囲で回動可能である、つまり揺動可能である。よって、
図4に示すように、例えば、平地から傾斜地へ台車10が移動するとき、第2軸部24周りに第2支持部材18は回動し、第2中間輪Wlmはしっかりと地面に接地し続けることが可能になる。この第2中間輪Wlmの接地は、傾斜地から平地へ台車10が移動するとき、走路上に障害物があるとき、など種々のときに有効に働く。これは、第1支持部材16に関しても同様である。なお、
図4では、第2支持部材18を設けずに、載置台12の下面12Bの所定の位置に固定された場合の第2中間輪Wlmを破線で示す。破線で示す第2中間輪Wlmは地面から離れている。
【0022】
本実施形態では、このような第2中間輪Wlmを駆動輪とする。同様に、第1支持部材16の第1中間輪Wrmも駆動輪とされる。ただし、第1及び第2中間輪Wrm、Wlmはそれぞれ、前後方向D2に向くように方向固定とされているが、方向が変更可能に構成されてもよい。なお、他の車輪Wrf、Wrr、Wlf、Wlrはキャスタ構造を採用し、任意の方向へ向きが変わるようになっている。また、
図1及び
図2から明らかなように、全ての車輪Wは同じ大きさを有するが、これに限定されない。
【0023】
台車10は、更に電動アシスト機構28を備える。電動アシスト機構28の電動アシスト機能を実現する構成及びそれに付随する車輪Wに関する構成を
図1から
図3に基づいて、以下説明する。電動アシスト機構28は、第1中間輪Wrmのアシスト駆動用のモータ30と、第2中間輪Wlmのアシスト駆動用の第2のモータ34と、第1モータの制御及び第2モータの制御を実行する制御部とを備える。
【0024】
図3に示すように、第1支持部材16に設けられている第1中間輪Wrmに駆動力を供給可能にするべく、モータ(第1モータ)30が設けられている。第1モータ30の駆動力を第1中間輪Wrmに伝達するように、第1モータ30と第1中間輪Wrmとの間に動力伝達機構32が設けられている。ここでは、動力伝達機構32は、第1モータ30の出力軸に設けられた歯車32aと、第1中間輪Wrmの車軸に設けられた歯車32bと、それら歯車32a、32bに巻き掛けられたチェーン32cとを備える。なお、動力伝達機構32は、他の構成を備えてもよく、例えば、歯車のみで構成されてもよく、或いは、チェーン32cの代わりにベルトが用いられてもよい。
【0025】
同じく、第2支持部材18に設けられている第1中間輪Wlmに駆動力を供給可能にするべく、モータ(第2モータ)34が設けられている。第2モータ34の駆動力を第2中間輪Wlmに伝達するように、第2モータ34と第2中間輪Wlmとの間に動力伝達機構36が設けられている。動力伝達機構36は、前述の動力伝達機構32と同じ構成を備え、第2モータ34の出力軸に設けられた歯車36aと、第2中間輪Wlmの車軸に設けられた歯車36bと、それら歯車36a、36bに巻き掛けられたチェーン36cとを備える。なお、動力伝達機構36も、前述の動力伝達機構32と同じく、他の構成を備えてもよい。
【0026】
なお、第1モータ30は種々の箇所に設けられてもよい。ここでは、第1モータ30は載置台12の下面12Bにおける第1軸部20の内側に設けられているが、他の箇所、例えば第1支持部材16に設けられてもよい。同様に、第2モータ34も、載置台12の下面12Bにおける第2軸部24の内側に設けられているが、他の箇所、例えば第2支持部材18に設けられてもよい。
【0027】
駆動輪である第1及び第2中間輪Wrm、Wlmのそれぞれにブレーキ38、40が設けられている。このブレーキ38、40は自動停止装置を構成する。ブレーキ38の操作レバー38aは、第1取っ手部14Aに設けられている。ユーザは操作レバー38aを握らない限り、ブレーキがかかった状態になり、よって上記第1モータ30の駆動力により第1中間輪Wrmは動くことができない。同様に、ブレーキ40の操作レバー40aは、第2取っ手部14Bに設けられている。ユーザは操作レバー40aを握らない限り、ブレーキがかかった状態になり、よって上記第2モータ34の駆動力により第2中間輪Wlmは動くことができない。したがって、台車10が電動アシスト機構28を使用して移動しているときに、ユーザが操作レバー38a、40aから手を離すことで、台車10は自動停止する。なお、ブレーキ38、40は、ワイヤ等で機械的に操作されるものであるが、電気的に作動するものであってもよい。
【0028】
更に、駆動輪である第1中間輪Wrmには、第1モータ30の第1中間輪Wrmへの動力伝達を断接する第1クラッチ機構42が設けられている。同じく駆動輪である第2中間輪Wlmには、第2モータ34の第2中間輪Wlmへの動力伝達を断接する第2クラッチ機構44が設けられている。ここでは、第1クラッチ機構42は、第1モータ30と上記歯車32aとの間に設けられ、第2クラッチ機構44は、第2モータ34と上記歯車36aとの間に設けられている。これらの第1及び第2クラッチ機構42、44は
図2及び
図3に示すクラッチレバー46を操作することで操作機構部42a、44aがそれぞれ機械的に作動し、その断接が切り替えられる。動力伝達が切断される状態にクラッチレバー46が操作されているとき、台車10は電動アシスト機構28を使用して移動することができず、手動で操作され得る。このとき、例えば、他の車両で台車10の牽引を行ってもよい。台車10が電動アシスト機構28を使用して移動することができるとき、クラッチレバー46は動力伝達が可能な状態に操作されている。なお、第1クラッチ機構42のクラッチレバーは、第2クラッチ機構44のクラッチレバーと別に設けられてもよい。また、第1クラッチ機構42は第1モータ30の第1中間輪Wrmへの動力伝達を断接可能にする箇所であれは、いずれの箇所に設けられてもよい。これは、第2クラッチ機構44でも同様である。
【0029】
電動アシスト機構28では、取っ手部14A、14Bのそれぞれがユーザにより操作される操作部となる。つまり、2つの操作部14A、14Bが設けられている。取っ手部14A、14Bには、左右方向D1の力を検知する検知器(以下、左右力検知器)48A、48Bと、前後方向D2の力を検知する検知器(以下、前後力検知器)50A、50Bとがそれぞれ備えられている。左右力検知器48A、48Bも前後力検知器50A、50Bもそれぞれひずみゲージであり、取っ手部14A、14Bに作用する力を検知する力検知器として機能する。なお、左右力検知器48A、48B及び前後力検知器50A、50Bのいずれか、幾つか又は全てはひずみゲージ以外のセンサ等であってもよく、例えば感圧センサであってもよい。
【0030】
更に、台車10には、ブレーキ38、40の操作レバー38a、40aの位置検出用のブレーキポジションセンサ52A、52B、及び、クラッチレバー46の位置検出用のクラッチレバーポジションセンサ54が設けられている。
【0031】
更に、台車10には、第1及び第2モータ30、34などの作動用電源としてのバッテリ56が設けられている。ここでは、
図2に示すように、バッテリ56は、載置台12の下面12Bに配置されている。バッテリ56には、電源スイッチ58、充電端子60、バッテリ残量計62が設けられている。
【0032】
台車10の電動アシスト機構28は、上記モータ30、34などの他に、制御部としての機能を担う制御装置70を備える。制御装置70には、左右力検知器48A、48B、前後力検知器50A、50B、ブレーキポジションセンサ52A、52B、及び、クラッチレバーポジションセンサ54の各々からの出力が入力される。制御装置70は所謂コンピュータとして構成されていて、所謂プロセッサである処理部(例えばCPU)70C、記憶部(例えばROM、RAM)、入出力ポートを備える。制御装置70は、それらからの出力に基づいて、第1及び第2モータ30、34の各作動を制御することができる。制御装置70は、台車10を操作する操作者であるユーザが操作部である取っ手部14A、14Bに及ぼす力を軽減するようにアシストするべく、第1及び第2モータ30、34の各作動を制御する。制御装置70は、第1及び第2モータ30、34の各作動を独立して制御することも、それらの作動を同期させることもできる。例えば、制御装置70は、第1中間輪Wrmの回転速度と、第2中間輪Wlmの回転速度とを同じにして単に前進するように、又は、単に後進するように、第1及び第2モータ30、34の各作動を制御することもできる。また、制御装置70は、第1中間輪Wrmと第2中間輪Wlmとの一方のみを回転させるように、又は、第1中間輪Wrmの回転方向と第2中間輪Wlmの回転方向とを逆にするように、第1及び第2モータ30、34の各作動を制御することもできる。
【0033】
本実施形態では、台車10の前進、後進、及び、回転などを可能にするように、制御装置70は第1及び第2モータ30、34の各作動の制御を行う。このためのプログラムやデータを制御装置70は記憶している。制御装置70は、制御部としての機能を実質的に担う処理部70Cが記憶部に記憶されているプログラムを実行することで、各種機能モジュールを実現する。
図5に、制御装置70の処理部70Cつまり制御部の機能ブロック図を示す。具体的には、制御装置70は、機能モジュールとして、ブレーキ検知部701、クラッチ検知部702、前後力検知部703、左右力検知部704、制御量算出部705、指令送信部706を有する。指令送信部706は、第1モータ30への指令信号の送信用の第1モータ送信部707及び第2モータ34への指令信号の送信用の第2モータ送信部708という機能モジュールを含む。機能モジュールの一部は、他のプロセッサ、ディジタル回路、またはアナログ回路等のハードウェアであってもよい。
【0034】
ブレーキ検知部701は、ブレーキポジションセンサ52A、52Bからの信号の入力に基づいて、ブレーキ38、40の状態を検知する。第1取っ手部14Aにブレーキポジションセンサ52Aが設けられ、第2取っ手部14Bにブレーキポジションセンサ52Bが設けられている。ここでは、ブレーキ38、40のうちの少なくともいずれか一方の操作レバー38a、40aが操作されていないとき、ブレーキがON状態にあると判定される。これにより、ユーザが望まない電動アシストの実行を防ぐことができる。
【0035】
クラッチ検知部702は、クラッチレバーポジションセンサ54からの信号の入力に基づいてクラッチレバー46の状態を検知する。ここでは、クラッチレバー46が動力伝達を切断する状態にあるとき、クラッチ機構42、44が非接続状態にあると判定される。これにより、ユーザが望まない電動アシストの実行を防ぐことができる。
【0036】
前後力検知部703は、前後力検知器50A、50Bからの信号の入力に基づいて取っ手部14A、14Bつまり操作部からの前後方向D2の入力を検知する。第1操作部である第1取っ手部14Aの前後力検知器50Aは、第1取っ手部14Aに作用する前後方向の力を検知する。同様に、第2操作部である第2取っ手部14Bの前後力検知器50Bは、第2取っ手部14Bに作用する前後方向の力を検知する。例えば、両取っ手部14A、14Bを介して前方向の力が入力されてそれらの差が第1所定範囲内であるとき、前後力検知部703は、前進用の力を検知する。また、例えば、第1取っ手部14Aを介しての入力が後方向の力であり、第2取っ手部14Bを介しての入力が前方向の力であり、それらの力の大きさの差が第2所定範囲内であるとき、その場での右方向旋回用の力が検知される。逆の場合、左方向旋回用の力が検知される。例えば、所定速度で台車10が前方向に走行しているときに、前後力検知部703により検知された前進用の力がそれまでよりも弱くなったとき、前進であるが、速度を弱める前進用の力が検知される。更に、例えば、所定速度で台車10が前方向に走行しているときに、前後力検知部703により検知された力がゼロ又は後方向の力になったとき、その力の変化の度合いに応じた速度での、台車10の停止用の力が検知される。
【0037】
左右力検知部704は、左右力検知器48A、48Bからの信号の入力に基づいて取っ手部14A、14Bつまり操作部からの左右方向D1の入力を検知する。第1操作部である第1取っ手部14Aの左右力検知器48Aは、第1取っ手部14Aに作用する左右方向D1の力を検知する。同様に、第2操作部である第2取っ手部14Bの左右力検知器48Bは、第2取っ手部14Bに作用するユーザによる左右方向D1の力を検知する。この左右力検知部704が検知した左右方向の力は、前後力検知部703により検知された前後方向の力を補うように、制御量算出部705において、制御に用いられるとよい。例えば、第1取っ手部14Aを介して入力された力が右方向の力であり、第2取っ手部14Bを介して入力された力も右方向の力であるとき、前後力検知部703により検知された力が前方向への力である場合、右前側に進むことに対応する力が検知され得る。更に、左右検知部704において、第1取っ手部14Aからの左右方向の力と、第2取っ手部からの左右方向の力が逆向きであり、それらが共に所定量よりも大きいとき、台車10の緊急停止など特別な操作入力があったと判定することも可能である。
【0038】
制御量算出部705は、前後力検知部703により検知された力つまり入力と、左右力検知部704により検知された力つまり入力に基づいて、第1モータ30への制御量及び第2モータ34への制御量のそれぞれを算出する。この制御量の算出のためのデータ等は、予め制御装置70の記憶部に記憶されている。例えば、右方向旋回用の力が検知されたとき、第1中間輪Wrmを後方に動かすための制御量が算出され、第2中間輪Wlmを第1中間輪Wrmと同じ回転速度で前方に動かすための制御量が算出される。制御量は、例えばバッテリ56からの電流量である。
【0039】
指令送信部706は、制御量算出部705が算出した制御量に応じた信号を第1モータ30及び第2モータ34のそれぞれに送信する。第1モータ送信部407は第1モータ30用の信号を第1モータ30のドライバ30Aに送信し、第2モータ送信部408は第2モータ34用の信号を第2モータ34のドライバ34Aに送信する。
【0040】
こうして、制御部としての制御装置70つまり処理部70Cは、第1操作部である第1取っ手部14Aからの入力及び第2操作部である第2取っ手部14Bからの入力に応じて、つまりそれぞれに作用した力に応じて、第1モータ30の出力及び第2モータの出力をそれぞれ制御する。なお、左右力検知器48A、48B及び前後力検知器50A、50Bが本開示の力検知器に相当するが、これに限定されず、例えば当該力検知器は前後力検知器50A、50Bのみで構成されてもよい。この場合、左右力検知部704は設けられず、例えば、前後力検知部703のみが力検知部として設けられ得る。
【0041】
制御装置70つまり処理部70Cによる制御を、
図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、
図6のフローチャートは所定時間間隔で繰り返されるとよい。
【0042】
バッテリ残量計62による残量が所定量以上あって、電源スイッチ58がONになっているとき、
図6のフローチャートに基づく処理が実行される。ステップS601では、クラッチ機構つまり第1クラッチ機構42及び第2クラッチ機構44が接続状態にあるか否かが判定される。クラッチレバーポジションセンサ54からの信号の入力に基づいてクラッチレバー46が接続状態に対応する位置にあると判定されたとき、ステップS601で肯定判定される。一方で、クラッチレバー46が非接続状態つまり切断状態に対応する位置にあると判定されたとき、ステップS601で否定判定される。
【0043】
ステップS601で肯定判定されたとき、次のステップS603では、ブレーキ38、40の両方が解除されているか否かが判定される。ブレーキポジションセンサ52A、52Bからの信号の入力に基づいて、ブレーキ38、40の両方がOFF状態つまり解除されていると判定されたとき、ステップS603で肯定判定され、ブレーキ38、40の両方が解除されていないと判定されたとき、ステップS603で否定判定される。なお、ステップS601とステップS603の順番は、逆であってもよい。
【0044】
ステップS601又はステップS603で否定判定されたとき、ステップS605で、第1モータ30及び第2モータ34の作動がOFFにされる。つまり、この場合、アシスト制御の実行が禁止される。これにより当該ルーチンは終了する。
【0045】
ステップS601及びステップS603で肯定判定されたとき、ステップS607で、第1モータ30及び第2モータ34の作動がONにされる。これにより、上述のように、ユーザにより操作される2つの操作部からの入力に応じて、第1モータ30の出力及び第2モータ34の出力がそれぞれ制御される。なお、第1モータ30の出力及び第2モータ34の出力は、ユーザの第1及び第2取っ手部14A、14Bへの力を軽減するように制御される。また、第1モータ30の出力及び第2モータ34の出力は、所定速度(例えば3.5km/h)以上で台車10が走行しないように、制御される。第1モータ30及び第2モータ34の各出力は、回転速度及び/又は駆動力であり得る。
【0046】
以上説明したように、上記構成を備える台車10によれば、以下の効果が奏される。
【0047】
台車10には、上記電動アシスト機構28が設けられているので、台車10に電動アシスト機能を付与することができる。そして、6輪のうちの中間輪Wrm、Wlmが軸部材20、24周りに回動可能である支持部材16、18に設けられているので、例えば
図4に基づいて説明したように台車10は走路に柔軟に対応可能になる。また中間輪Wrm、Wlmが駆動輪となることで、台車10はその場での旋回など小回りも可能になる。このように、電動アシスト機構28付き台車10によれば、6輪車での走行性能を高めることができる。
【0048】
また、第1中間輪Wrmの駆動用に第1モータ30を設け、第2中間輪Wlmの駆動用に第2モータ34を設け、それらの中間輪Wrm、Wlmを個別に駆動可能である。したがって、第1中間輪Wrmの出力と、第2中間輪Wlmの出力とを個別に制御することができる。例えば、第1中間輪Wrmの回転速度を、第2中間輪Wlmの回転速度と異ならせることができ、これにより、その場での旋回など、台車10は更に小回りに優れる。
【0049】
また、台車10においては、左右の取っ手部14A、14Bが独立して設けられていて、それぞれを操作部として、ユーザは指令を入力することができる。したがって、制御装置70つまり処理部70Cは、旋回、前進、後進、停止などの種々の走行制御を、より適切に実行することができる。
【0050】
また、台車10では、第1モータ30の第1中間輪Wrmへの動力伝達を断接する第1クラッチ機構42と、第2モータ34の第2中間輪Wlmへの動力伝達を断接する第2クラッチ機構44とが設けられる。したがって、これらのクラッチ機構の断接を切り替えることで、モータ30、34から中間輪Wrm、Wlmへの動力伝達の時期を好適に調節することができ、よって台車10は安全性にも優れる。
【0051】
更に、台車10では、自動停止装置を備え、この自動停止装置は例えばユーザが操作レバー38a、40aから手を離すことで台車10が停止するように構成されているブレーキ38、40を備える。したがって、台車10は更に安全性に優れる。
【0052】
なお、上記台車10では、車輪W、電動アシスト機構28などは、台車10に予め一体的に設けられた。しかし、電動アシスト機構28を含む車輪システム110をアタッチメントとして、既存の台車に取り付け及び取り外し可能にしてもよい。車輪システム110を
図7に示す。車輪システム110は、電動アシスト機構28を備える。具体的には、支持部材16、18、モータ30、34、クラッチ機構42、44、各種センサ、バッテリ56、制御装置70が車輪システム110に設けられているが、このうちの一部は省かれてもよい。更に、車輪システム110は、2つの操作部としての取っ手部14A、14Bを備える。また、車輪システム110はブレーキ38、40を備える。一般的な4輪の台車の前輪を外して、車輪システム110を機械的に取り付けることで、上記台車10のような台車を作ることができる。ただし、本開示の車輪システムは、車輪システム110の構成に限定されず、例えば、取っ手部14A、14B及び/又はブレーキ38、40を備えなくてもよい。なお、この場合、車輪システム110の前輪及び中間輪と、既存の台車の後輪とに支えられた載置部12が平地で略水平になるように、各車輪の大きさ及び/又は載置部12に対する位置等が調整されるとよい。
【0053】
以上、本開示に係る実施形態及びその変形例について説明したが、本開示はそれらに限定されない。本願の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神及び範囲から逸脱しない限り、種々の置換、変更が可能である。
【0054】
例えば、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。例えば、情報処理装置である、制御部としての機能を担う制御装置70は1つのコンピュータである必要はなく、複数のコンピュータを備えるシステムとして構成されてもよい。
【0055】
また、上記台車10では、前輪Wrf、Wlf、中間輪Wrm、Wlm及び、後輪Wrr、Wlrはそれぞれ1つの車輪で構成された。しかし、より重い物の搬送に適するように、各車輪Wは、左右方向D1に並べて設けられる複数の車輪で構成されてもよい。つまり、車輪Wの各々は、ダブルタイヤであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 台車
12 載置台
14A 第1取っ手部(第1操作部)
14B 第2取っ手部(第2操作部)
16 第1支持部材
18 第2支持部材
20 第1軸部
24 第2軸部
28 電動アシスト機構
30 第1モータ
34 第2モータ
42 第1クラッチ機構
44 第2クラッチ機構
48A,48B 左右力検知器
50A、50B 前後力検知器
56 バッテリ
70 制御装置
【手続補正書】
【提出日】2020-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右側の第1前輪、第1中間輪及び第1後輪と、左側の第2前輪、第2中間輪及び第2後輪とを備えた台車であって、
載置台の下面に設けられて、第1軸周りに可動である第1支持部材であって、前記第1前輪と前記第1中間輪とが設けられている、第1支持部材と、
前記載置台の前記下面に設けられて、第2軸周りに可動である第2支持部材であって、
前記第2前輪と前記第2中間輪とが設けられている、第2支持部材と、
前記第1中間輪のアシスト駆動用の第1モータと、
前記第2中間輪のアシスト駆動用の第2モータと、
前記載置台の後方において該載置台の載置面に直交する方向に延びるように設けられた略棒状の右側の第1操作部であって、力が作用したときに該力に応じたひずみを検知できる材料でできている第1操作部に備えられ、該第1操作部に作用する左右方向の力及び前後方向の力を検知する第1力検知器と、
前記第1操作部から独立し、前記載置台の後方において前記載置面に直交する前記方向に延びるように設けられた略棒状の左側の第2操作部であって、力が作用したときに該力に応じたひずみを検知できる材料でできている第2操作部に備えられ、該第2操作部に作用する左右方向の力及び前後方向の力を検知する第2力検知器と、
前記第1モータの制御及び前記第2モータの制御を実行する制御部と
を備え、
前記第1力検知器及び前記第2力検知器はそれぞれひずみゲージであり、
前記制御部は、前記第1操作部の前記第1力検知器からの入力及び前記第2操作部の前記第2力検知器からの入力に応じて、前記第1モータの出力及び前記第2モータの出力をそれぞれ制御する、
台車。
【請求項2】
前記第1モータは前記第1支持部材に設けられ、前記第2モータは前記第2支持部材に設けられている、
請求項1に記載の台車。
【請求項3】
前記第1モータの前記第1中間輪への動力伝達を断接する第1クラッチ機構と、
前記第2モータの前記第2中間輪への動力伝達を断接する第2クラッチ機構と
を更に備えている、
請求項1又は2に記載の台車。
【請求項4】
自動停止装置を更に備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の台車。
【請求項5】
左右3輪ずつの6つの車輪を有する台車用の車輪システムであって、
前記台車の載置台の下面に設けられる第1支持部材であって、第1軸周りに可動であり、右側の2つの車輪が設けられ、一方の車輪が第1中間輪である、第1支持部材と、
前記載置台の前記下面に設けられる第2支持部材であって、第2軸周りに可動であり、左側の2つの車輪が設けられ、一方の車輪が第2中間輪である、第2支持部材と、
前記第1中間輪のアシスト駆動用の第1モータと、
前記第2中間輪のアシスト駆動用の第2モータと、
前記載置台の後方において該載置台の載置面に直交する方向に延びるように設けられる略棒状の右側の第1操作部であって、力が作用したときに該力に応じたひずみを検知できる材料でできている第1操作部に備えられ、該第1操作部に作用する左右方向の力及び前後方向の力を検知する第1力検知器と、
前記第1操作部から独立し、前記載置台の後方において前記載置面に直交する前記方向に延びるように設けられる略棒状の左側の第2操作部であって、力が作用したときに該力に応じたひずみを検知できる材料でできている第2操作部に備えられ、該第2操作部に作用する左右方向の力及び前後方向の力を検知する第2力検知器と、
前記第1モータの制御及び前記第2モータの制御を実行する制御部と
を備え、
前記第1力検知器及び前記第2力検知器はそれぞれひずみゲージであり、
前記制御部は、前記第1操作部の前記第1力検知器からの入力及び前記第2操作部の前記第2力検知器からの入力に応じて、前記第1モータの出力及び前記第2モータの出力をそれぞれ制御する、
車輪システム。