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特開2022-35216包装箱、電子レンジ加熱パウチ食品及び電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法
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  • 特開-包装箱、電子レンジ加熱パウチ食品及び電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035216
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】包装箱、電子レンジ加熱パウチ食品及び電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20220225BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
B65D81/34 U
B65D5/42 G
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139369
(22)【出願日】2020-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003274
【氏名又は名称】マルハニチロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 知宙
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】沼▲崎▼ 絵里奈
【テーマコード(参考)】
3E013
3E060
【Fターム(参考)】
3E013BA15
3E013BA22
3E013BA24
3E013BB12
3E013BC01
3E013BC14
3E013BD12
3E013BE01
3E013BF32
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA05
3E060BC01
3E060CA12
3E060CA22
3E060CE04
3E060CE12
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA17
(57)【要約】
【課題】加熱後の加熱パウチを取り扱う際の、調理者が感じる熱さを低減し、加熱後の加熱パウチの取り扱いを容易にする。
【解決手段】上面が開口された箱体2と、箱体2に設けられ箱体2の開口部を塞ぐ蓋部3と、を有し、蓋部3の少なくとも一部を箱体2から外すことで開口部が開放される包装箱1において、箱体2は、互いに対向する箱前面板11及び箱後面板14と、箱前面板11及び箱後面板14のそれぞれと連続する箱左側面板12及び箱右側面板13と、箱前面板11、箱後面板14、箱左側面板12及び箱右側面板13のそれぞれに連続する下面板16と、を有する。さらに、箱左側面板12及び箱右側面板13の少なくとも一方に、箱体2の、箱前面板11の内面と箱後面板14の内面とが近づく方向への変形を容易とする易変形部として左側面板折り曲げ線12b又は右側面板折り曲げ線13bを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口された箱体と、当該箱体に設けられ前記箱体の開口部を塞ぐ蓋部と、を有し、前記蓋部の少なくとも一部を前記箱体から外すことで前記開口部が開放される包装箱であって、
前記箱体は、互いに対向する前面板及び後面板と、前記前面板及び前記後面板のそれぞれと連続する二つの側面板と、前記前面板、前記後面板及び前記二つの側面板のそれぞれに連続する下面板と、を有し、
前記二つの側面板の少なくとも一方に、前記箱体の、前記前面板の内面と前記後面板の内面とが近づく方向への変形を容易とする易変形部を備えることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記二つの側面板のそれぞれに前記易変形部を備えることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記易変形部は、前記箱体の開口端を含む位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記易変形部は、前記側面板を外側に山折りする方向に変形させるガイドを含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の包装箱。
【請求項5】
電子レンジ加熱用の加熱パウチを収容したまま加熱する加熱パウチ用の包装箱であって、
前記前面板及び前記後面板間が薄い扁平な直方体形状を有し、
前記加熱パウチが収容された状態で前記易変形部が変形した状態における前記箱体の開口端は、前記加熱パウチを開封するときのガイドとなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の包装箱。
【請求項6】
前記加熱パウチが収容された状態で前記易変形部が変形した状態における前記開口端は、前記加熱パウチに設けられた当該加熱パウチの開封位置よりも下方に位置することを特徴とする請求項5に記載の包装箱。
【請求項7】
食品が収容された電子レンジ加熱用の加熱パウチと、当該加熱パウチを収容する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の包装箱と、を備える電子レンジ加熱パウチ食品。
【請求項8】
請求項7に記載の電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法であって、
前記蓋部の少なくとも一部を前記箱体から外すことで前記箱体の前記開口部を開放し、
前記開口部を開放した状態で前記包装箱を電子レンジにて加熱し、
加熱後、前記包装箱を前記電子レンジから取り出し、
前記箱体を掴んで前記易変形部を変形させ、当該易変形部が変形した状態の前記箱体を介して一方の手の指で前記加熱パウチを掴み、他方の手の指で前記加熱パウチの上部を掴んで横にひくことにより、前記加熱パウチに設けられた開封位置で前記加熱パウチを開封し、
少なくとも一方の手の指で前記易変形部が変形した状態の前記箱体を介して前記加熱パウチを掴んだ状態で、前記加熱パウチに収容された食品を容器に盛り付けることを特徴とする電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱、電子レンジ加熱パウチ食品及び電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レトルトカレー等の調理済み食品を密封包装したパウチ(包装袋)を、扁平な外装用の紙カートンに入れて販売形態とした食品包装体が数多く販売されている。例えば、紙カートンの一部を開封してパウチの一部を露出させた状態で、電子レンジにより紙カートン内のパウチを加熱調理するものが知られている。
このような食品包装体は、加熱後はパウチを掴んで紙カートンから取り出すが、パウチ内の調理済み食品が加熱されていることから、パウチを紙カートンから取り出し、パウチを開封し、収容物を容器に盛り付けるまでの間、調理者は加熱されたパウチの熱さに耐える必要がある。
【0003】
そのため、紙カートンの形状を工夫し、比較的熱くない可能性が高いパウチ上部の左右方向両端部分を掴むように仕向けるようにした紙カートン等も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6406542号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、紙カートンの形状を工夫し、パウチ上部の左右方向両端部分を掴んでパウチを取り出す方法にあっては、パウチに収容された調理済み食品の形状や液状形態等によっては、収容された調理済み食品を、パウチを介して掴むことになる。そのため、調理者はパウチの熱さに耐えながら、パウチを取り扱うことになる。
【0006】
そこで、この発明は従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、加熱後のパウチを取り扱う際の、調理者が感じるパウチの熱さを低減し、パウチ内の調理済み食品を容易に容器に盛り付けることの可能な包装箱、電子レンジ加熱パウチ食品及び電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の一態様によれば、上面が開口された箱体と、箱体に設けられ箱体の開口部を塞ぐ蓋部と、を有し、蓋部の少なくとも一部を箱体から外すことで開口部が開放される包装箱であって、箱体は、互いに対向する前面板及び後面板と、前面板及び後面板のそれぞれと連続する二つの側面板と、前面板、後面板及び二つの側面板のそれぞれに連続する下面板と、を有し、二つの側面板の少なくとも一方に、箱体の、前面板の内面と後面板の内面とが近づく方向への変形を容易とする易変形部を備える、包装箱が提供される。
【0008】
また、本願発明の他の態様によれば、食品が収容された電子レンジ加熱用の加熱パウチと、加熱パウチを収容する上記態様の包装箱と、を備える電子レンジ加熱パウチ食品、が提供される。
【0009】
さらに、本願発明の他の態様によれば、電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法であって、蓋部の少なくとも一部を箱体から外すことで箱体の開口部を開放し、開口部を開放した状態で包装箱を電子レンジにて加熱し、加熱後、包装箱を電子レンジから取り出し、箱体を掴んで易変形部を変形させ、易変形部が変形した状態の箱体を介して一方の手の指で加熱パウチを掴み、他方の手の指で加熱パウチの上部を掴んで横にひくことにより、加熱パウチに設けられた開封位置で加熱パウチを開封し、少なくとも一方の手の指で易変形部が変形した状態の前記箱体を介して加熱パウチを掴んだ状態で、加熱パウチに収容された食品を容器に盛り付ける、電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法、が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、加熱後の加熱パウチの収容物を容器に盛り付けるとき等、加熱後の加熱パウチを取り扱う際に、調理者は加熱パウチの熱さに耐える必要はなく、加熱パウチを容易に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る包装箱の一例を示す斜視図である。
図2】包装箱を展開した状態(箱原板)の一例である。
図3】包装箱の作用を説明するための図である。
図4】包装箱の作用を説明するための図である。
図5】包装箱の作用を説明するための図である。
図6】包装箱の作用を説明するための図である。
図7】包装箱の作用を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
〔外形形状〕
図1は、本発明の一実施形態に係る包装箱1の一例を示す開封前の斜視図、図2は、図1に示す包装箱1の組立前の箱原板であり、ここでは、食品が収容された電子レンジ加熱用の加熱パウチを収容する包装箱に適用した場合について説明する。
なお、図1において、手前側を前、その逆側を後ろ、左側を左、その逆側を右とする。
図1に示すように、包装箱1は、図1において上方に開口部を有する箱体2と、箱体2の開口部を塞ぐ蓋部3とを備え、蓋部3を開封する前は、全体として前後方向に薄い扁平な直方体の箱形状を有する。包装箱1は、例えばコートボール紙で形成される。包装箱1は、コートボール紙に限定されるものではなく、カード紙等、他の紙であっても適用することができる。
【0014】
蓋部3を開封する前の包装箱1の前面には、長方形形状の箱前面板11が配置され、箱前面板11には、箱前面板11の左端部と直交する箱左側面板12が連続している。また箱前面板11には、箱前面板11の右端部と直交する箱右側面板13が連続している。箱左側面板12及び箱右側面板13は、同一の長方形形状であって互いに対向して配置される。
包装箱1の背面には、箱左側面板12及び箱右側面板13と直交し箱左側面板12及び箱右側面板13と連続する箱後面板14が配置される。箱後面板14は、箱前面板11と同一形状であって、箱前面板11と互いに対向して配置される。
【0015】
箱前面板11、箱左側面板12、箱右側面板13、及び箱後面板14それぞれの上縁には、これらと直交するように連続して上面板15が配置される。箱前面板11、箱左側面板12、箱右側面板13、及び箱後面板14それぞれの下縁には、これらと直交するように連続して下面板16が配置される。上面板15と下面板16とは同一の長方形形状を有し互いに対向して配置される。
包装箱1は、例えば、上下方向の高さHは184mm、左右方向の幅Wは142mm、前後方向の厚みDは25mmである。
【0016】
〔破断線〕
ここでいう「破断線」とは、包装箱1を形成するコートボール紙等の板を破断しやすくするための、いわゆるミシン目等の貫通する切り込みである。
図2に示すように、箱前面板11の上部には、箱左側面板12と箱右側面板13との間に左右に延びる前面破断線11aが設けられている。
前面破断線11aは、箱前面板11の左端から延びて上面板15側に凸となる湾曲した破断線11aaと、一端が破断線11aaと連続する略水平な破断線11abと、箱前面板11の右端から延びて上面板15側に凸となる湾曲した破断線11aeと、一端が破断線11aeと連続し略水平な破断線11adと、破断線11abと破断線11adとに挟まれた箱前面板11の左右方向の中央部分に、これらに連続するように、下面板16側に凸となるなだらかな勾配で湾曲した破断線11acと、を備える。前面破断線11aは、左右対象に形成される。
【0017】
なお、破断線11aa~破断線11aeそれぞれの境界は厳密なものではなく、説明の便宜上の名称であり、前面破断線11aにおいて、概ね中央部に概ね下方向に突出した部分があり、この突出した部分の両側に概ね水平な部分があり、この水平な部分の両側に、概ね上方向に凸となる湾曲した部分があればよい。
また、箱前面板11の破断線11aa、11acの下部の、蓋部3を切り離したときに箱体2の上端となる部分の左右の端部のそれぞれには、加熱後の包装箱を持つ際の持つ位置を示すマーク11Mが設けられている。
また、図1及び図2に示すように、箱左側面板12には、破断線11aaと連続して箱後面板14に達する左側面破断線12aがほぼ水平に設けられ、箱右側面板13には、破断線11aeと連続して箱後面板14に達する右側面破断線13aがほぼ水平に設けられている。
【0018】
さらに、図2に示すように、箱後面板14には、両端が、左側面破断線12aと右側面破断線13aとに連続する後面破断線14aが設けられている。後面破断線14aは、一端が左側面破断線12aと連続し一定の傾きで下面板16側に延びる破断線14aaと、箱後面板14の左右方向中央部に位置し、一端が破断線14aaと連続して水平に延びる破断線14abと、一端が破断線14abと連続し一定の傾きで右側面破断線13aに達する破断線14acとを備える。後面破断線14aは、左右対象に形成される。
なお、破断線14aa~14acそれぞれの境界は厳密なものではなく、説明の便宜上の名称であり、後面破断線14aにおいて、中央部に下面板16側に凸となる水平部分があればよい。
【0019】
図2に示すように、包装箱1の前面破断線11aにおいて、破断線11aa及び11abは、例えば、カタカナの「ノ」の字状のミシン目で構成され、破断線11ad及び11aeは逆「ノ」の字形状のミシン目で構成され、破断線11acは切れ目どうしの隙間が比較的小さい断続する線分形状のミシン目で構成される。また、左側面破断線12aは「ノ」の字状のミシン目で構成され、右側面破断線13aは、逆「ノ」の字形状のミシン目で構成される。後面破断線14aは、断続する線分形状のミシン目で構成され、破断線14aa及び14acは、切れ目どうしの隙間が比較的小さいが、破断線14abは、破断線14aa及び14acよりも、切れ目どうしの隙間が大きく、後述のヒンジとして機能するために、破断線14aa及び14acよりも破断しにくくなっている。
このように、前面破断線11a、左側面破断線12a、右側面破断線13a及び後面破断線14a、が連続して設けられるため、これら破断線11a~14aの部分で包装箱1を破断することにより、箱体2と蓋部3とに切り離すことができるようになっている。
【0020】
また、箱前面板11の破断線11ac及び、箱後面板14の後面破断線14aは比較的隙間が小さい断続する線分形状のミシン目で形成し、破断線11aa、11ab、11ad、11aeと、左側面破断線12a及び右側面破断線13aとを、「ノ」の字状又は逆「ノ」の字形状のミシン目で形成している。そのため、調理者が、破断線11acで箱前面板11を破断し、箱前面板11の蓋部3となる蓋前面板111を、箱前面板11の箱体2の一部となる箱体前面板112から離れる方向に持ち上げることにより、破断線11ab、11aa、左側面破断線12aと連なる破断線と、破断線11ad、11ae、右側面破断線13aと連なる破断線とに沿って、箱体前面板112と蓋前面板111とが容易に切り離される。そして、ミシン目の形状が異なると共に、破断線の延びる方向が下方に切り替わる箱左側面板12及び箱右側面板13のそれぞれと箱後面板14との境界部分で多少破断しにくくなるため、包装箱1の開封操作を行ったときに、左右の側面破断線12a、13aの破断に続けて、後面破断線14a全体が破断されることを回避しつつ、破断線14aa及び14acが破断される。これにより、箱後面板14が箱体後面板142と蓋後面板141とに切り離されることを回避しつつ、破断線14abが蓋部3のヒンジとして機能するようになっている。
【0021】
なお、ここでは、破断線11a~14aを、「ノ」の字状又は逆「ノ」の字形状のミシン目と、断続する線分形状のミシン目とで形成する場合について説明したが、これに限るものではない。破断線11a~14aは、蓋部3を箱体2から切り離す際に、切り離し操作を容易に行うことができればよく、破断し易さと箱の強度等とを考慮して適宜変更することができ、どのような形状のミシン目であってもよく、またジッパー等であってもよい。
【0022】
また、図2に示すように、箱前面板11の上端部には前面上破断線11bが形成されている。前面上破断線11bは、上端部中央に形成され上方が開放した半円状の破断線11bbと、破断線11bbの左端から上端縁部に沿って箱前面板11の左端まで延びる破断線11ba及び破断線11bbの右端から箱前面板11の右端まで延びる破断線11bcとからなる。箱前面板11の下端部には、前面下破断線11cが形成されている。前面下破断線11cは、下端部中央からやや右よりに形成され下方が開放した半円状の破断線11cbと、破断線11cbの右端から下端縁部に沿って箱前面板11の右端まで延びる破断線11ccとからなる。
【0023】
前面上破断線11b及び前面下破断線11cは、例えば、断続する線分形状のミシン目で構成され、半円状の破断線11bbよりも、その両側の破断線11ba、11bcの方がミシン目の切れ目が短く形成され、破断線11bbよりも破断しやすくなっている。同様に、前面下破断線11cのうち、半円状の破断線11cbよりも、その両側の破断線11ca、11ccの方がミシン目の切れ目が短く形成され、破断線11cbよりも破断しやすくなっている。
そして、包装箱1を廃棄する際に、半円状の破断線11bb、11cbを押し破り、前面上破断線11b及び前面下破断線11cを破断することで、包装箱1を分解しやすくするようになっている。
【0024】
〔箱原板〕
次に、図2を参照して包装箱1の組立前の箱原板20を説明する。
箱原板20は、箱右側面板13、箱後面板14、箱左側面板12、箱前面板11、側面板糊代片21が、右後折り曲げ線22a、左後折り曲げ線22b、左前折り曲げ線22c、右前折り曲げ線22dを介して順次連接されている。
箱右側面板13の上端縁には、上右折り曲げ線23aを介して右側板上折り込み片24aが連接され、箱右側面板13の下端縁には、下右折り曲げ線25aを介して右側板下折り込み片26aが連接されている。
【0025】
箱後面板14の上端縁には、上後折り曲げ線23bを介して後板上縁片24bが連接され、下端縁には、下後折り曲げ線25bを介して後板下縁片26bが連接されている。
箱左側面板12の上端縁には、上左折り曲げ線23cを介して左側板上折り込み片24cが連接され、箱左側面板12の下端縁には、下左折り曲げ線25cを介して左側板下折り込み片26cが連接されている。
箱前面板11の上端縁には、上前折り曲げ線23dを介して前板上縁片24dが連接され、下端縁には、下前折り曲げ線25dを介して前板下縁片26dが連接されている。
【0026】
また、箱前面板11の上端縁には、上方が開放した半円状の破断線11bbを中央に備える前面上破断線11bが上前折り曲げ線23dと重なって形成されている。箱前面板11の下端部には、下方が開放した半円状の破断線11cbを右端よりの位置に備える前面下破断線11cが下前折り曲げ線25dと重なって形成されている。
箱前面板11の長手方向上方寄りの位置には、図2に示すように、破断線11aa、11ab、11ac、11ad、11aeからなる前面破断線11aが形成されている。
箱左側面板12には、前面破断線11aと連続して箱後面板14に達する左側面破断線12aが設けられている。
【0027】
箱右側面板13には、前面破断線11aと連続して箱後面板14に達する右側面破断線13aが設けられ、側面板糊代片21にも、前面破断線11aと連続する糊代片破断線21aが設けられる。右側面破断線13aと糊代片破断線21aとは、包装箱1が組み立てられたときには、重なった破断線となる。
箱後面板14には、左側面破断線12a及び右側面破断線13aに連続する後面破断線14aが設けられている。
【0028】
また、箱左側面板12には、左側面破断線12aの下方から左前折り曲げ線22cに沿って延びる後述の左側面板折り曲げ線12bが設けられ、箱右側面板13には、右側面破断線13aの下方から右後折り曲げ線22aに沿って延びる後述の右側面板折り曲げ線13bが設けられている。
さらに、前板上縁片24dには、複数の破断線からなる上縁片破断線24daが形成されている。上縁片破断線24daは、前板上縁片24dの左右方向中央部を挟んで、中央部に向かって同じ角度だけ傾いたカタカナの「ハ」の字状に配置された2本の直線状の破断線を基準として、この2本の破断線と平行に複数の破断線が等間隔に形成されている。
【0029】
同様に、前板下縁片26dには、複数の破断線からなる下縁片破断線26daが形成されている。下縁片破断線26daは、前板下縁片26dの左右方向中央部を挟んで、中央部に向かって同じ角度だけ傾いたカタカナの「ハ」の字の逆形状となるように配置された2本の直線状の破断線を基準として、この2本の破断線と平行に複数の破断線が等間隔に形成されている。これら上縁片破断線24da及び下縁片破断線26daは、例えば半切れミシン目で形成される。
なお、箱原板20における各折り曲げ線は、箱原板20の折り目を正確に折り曲げるための折り曲げ線であって、後述の左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bと同一形状の折り曲げ線であってもよく、異なっていてもよい。
【0030】
〔組み立て方法〕
次に、図2に示す箱原板20の組み立て方の一例を説明する。
まず、右後折り曲げ線22a、左後折り曲げ線22b、左前折り曲げ線22c、右前折り曲げ線22dをそれぞれ概ね90度山折りとし(以下、「90度山折り」という。)、連接された箱右側面板13、箱後面板14、箱左側面板12、箱前面板11、側面板糊代片21を筒状として、側面板糊代片21の表面に糊を塗布して箱右側面板13の内面と接合する。糊としては、電子レンジでの加熱に耐えうる材料であれば、特に限定されるものではなく、例えば、耐熱タイプのホットメルトを用いて加熱して溶着してもよい。
【0031】
次に、下右折り曲げ線25aと下左折り曲げ線25cとを90度山折りし、左側板下折り込み片26aと右側板下折り込み片26cとを折り込む。その後、下前折り曲げ線25dを90度山折りして前板下縁片26dを折り込む。最後に、下後折り曲げ線25bを90度山折りし、後板下縁片26bを折り込み、これらを糊付けして下面板16を形成する。
この状態で、収容物(食品)を充填した加熱パウチを箱体2に収容する。加熱パウチは、正面視で長方形の厚みの薄い袋状に形成されている。加熱パウチの正面視の大きさは、包装箱1の内寸とほぼ同じ大きさとなっている。また、加熱パウチの厚みは、包装箱1の厚みよりも薄くなっている。また、包装箱1に加熱パウチを収容したときに、箱体2の上端近傍となる位置、つまり、前面破断線11a近傍の位置に、加熱パウチに設けられた開封位置を示す破線等が対向するように形成される。
【0032】
加熱パウチを収容したならば、最後に、上左折り曲げ線23c及び上右折り曲げ線23aを90度山折りし、左側板上折り込み片24c及び右側上折り込み片24aを折り込む。その後、上前折り曲げ線23dを90度山折りし、前板上縁片24dを折り込み、続いて、上後折り曲げ線23bを90度山折りし、後板上縁片24bを折り込み、これらを糊付けして、上面板15を形成する。
【0033】
図2において、箱原板20の、箱前面板11、箱左側面板12、箱右側面板13、及び箱後面板14の、前面破断線11a、左側面破断線12a、右側面破断線13a、後面破断線14aよりも上の部分である、蓋前面板111、蓋左側面板121、蓋右側面板131、及び蓋後面板141と、前板上縁片24d及び後板上縁片24bとが蓋部3を構成する。また、箱原板20の、前面破断線11a、左側面破断線12a、右側面破断線13a、後面破断線14aよりも下の部分である、箱体前面板(前面板)112、箱体左側面板(側面板)122、箱体右側面板(側面板)132、及び箱体後面板(後面板)142と、前板下縁片26d及び後板下縁片26b(下面板)とが、箱体2を構成している。
【0034】
〔易変形部〕
易変形部は、箱体2の箱体前面板112と箱体後面板142との、これらの内面どうしが近づく方向への変形を容易とする部分である。
図2に示すように、箱左側面板12の箱体2側の部分である箱体左側面板122には、左側面板折り曲げ線12bが形成され、箱右側面板13の箱体2側の部分である箱体右側面板132には、右側面板折り曲げ線13bが形成されている。
【0035】
左側面板折り曲げ線12bは、箱体左側面板122の幅方向中央に、箱体前面板112の左端の延びる方向に沿って形成され、左側面破断線12aから僅かに下がった位置から、箱体左側面板122の長手方向中央よりもやや上付近にかけて形成される。同様に、右側面板折り曲げ線13bは、箱体右側面板132の幅方向中央に、箱体前面板112の右端の延びる方向に沿って形成され、右側面破断線13aから僅かに下がった位置から、箱体右側面板132の長手方向中央よりもやや上付近にかけて形成される。
【0036】
左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bの長さは、後述するように、箱体2のマーク11Mの部分を掴み、左側面板折り曲げ線12b又は右側面板折り曲げ線13bを折り曲げて、箱体2を変形させた状態で、箱体2のマーク11Mの部分で加熱パウチを十分掴むことの可能な長さに設定される。
左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bの長さは、例えば20mm以上60mm以下の長さに設定され、好ましくは40mm以上60mm以下であり、さらに好ましくは55mmである。
なお、左側面板折り曲げ線12bの上端は、左側面破断線12aの切れ目と重ならない位置にあればよい。同様に、右側面板折り曲げ線13bの上端は、右側面破断線13aの切れ目と重ならない位置にあればよい。
【0037】
左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bは、例えば箱体2の表となる側又は裏となる側から型押しすることにより形成される溝状の折り筋又は凸状の折り筋、またハーフカットにより形成される折り筋等である。つまり、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを設けることにより、箱左側面板12及び箱右側面板13が箱体2の外側に凸となるように折り曲げ易くなっている。なお、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bの形態は、折り筋に限るものではなく、例えば、半切れミシン目等であってもよく、箱体左側面板122及び箱体右側面板132をその幅方向中央部分で折り曲げ易くすることができればどのような形態の折り曲げ線であってもよい。
【0038】
このように、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを設けることによって、箱体2の箱体前面板112及び箱体後面板142を、箱体前面板112のマーク11M部分で掴むことにより、箱体左側面板122及び箱体右側面板132が、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを案内として外側に山折りとなって、箱体2が変形するようになっている。箱体2をマーク11M部分で掴むことにより変形する領域、つまり左側面板折り曲げ線12b及び後述の図5に示す凸部123を含む箱体左側面板122の上方部分U12が易変形部であり、同様に右側面板折り曲げ線13b及び後述の凸部133を含む箱体右側面板132の上方部分U13が易変形部である。
【0039】
なお、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bは、箱体左側面板122及び箱体右側面板132をその幅方向中央部分で折り曲げ易くするように形成されているが、包装箱1としての強度は確保できるようになっている。つまり、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bは、箱体左側面板122及び箱体右側面板132の折り曲げ易さと包装箱1としての強度とを共に有するように形成され、加熱パウチが収容された状態での包装箱1を、店などで陳列する際、また、搬送する際等に、包装箱1が潰れたり変形したりすることがない強度を維持するようになっている。
【0040】
〔作用〕
このように構成した包装箱1の作用を説明する。
【0041】
〔包装箱1の開封〕
図1に示す状態から、包装箱1の前面破断線11aの中央部である破断線11ac部分を押し込み、破断させ隙間を作る。隙間を利用して、蓋部3の一部となる蓋前面板111側を掴み、上に引き上げる。これにより、破断線11ab及び破断線11adが破断し、さらに破断線11aa及び破断線11aeが破断し、さらに左側面破断線12a及び右側面破断線13aが破断し、箱前面板11、箱左側面板12及び箱右側面板13が、蓋部3側と箱体2側とに破断される。さらに蓋前面板111を後方に回転させると、箱後面板14の破断線14aa及び14acが破断する。このとき、破断線14abまでは破断しないため、破断線14abをヒンジとして、蓋部3が回転可能な状態となる。そして、蓋部3を、破断線14abをヒンジとして180度回転させ、箱後面板14の蓋部3の一部となる蓋後面板141と、箱体2の一部となる箱体後面板142とを接触させた状態にする。これにより、包装箱1は、図3に示すように、箱体2の上方のみが蓋部3により支えられた状態となり、箱体2が斜めとなるため、加熱パウチは斜めに維持された状態となる。
この状態で電子レンジで加熱することによって、加熱パウチの上方に設けられた図示しない蒸気抜き穴から収容物が排出されることなく加熱が行われる。
【0042】
〔加熱パウチの開封〕
まず、調理者は、包装箱1を電子レンジから取り出す。このとき、調理者は、図4に示すように箱体2の左右両側の上端部に表示されたマーク11Mの部分で、箱体前面板112及び箱体後面板142を両側から挟むようにして掴み取り出す。
ここで、箱体左側面板122に設けられた左側面板折り曲げ線12bは、左側面破断線12aから僅かな隙間だけ下の位置から形成されている。同様に、箱体右側面板132に設けられた右側面板折り曲げ線13bは、右側面破断線13aから僅かな隙間だけ下の位置から形成されている。加熱後の包装箱1は、蓋部3が開けられた状態であるため、箱体左側面板122及び箱体右側面板132に形成された左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bは、箱体2の上端、つまり箱体2の開口端を含む位置に設けられていることになる。
【0043】
そのため、調理者が、包装箱1を電子レンジから取り出すために、箱体2の左右両側の上端部のマーク11Mの表示部を掴むと、箱体前面板112及び箱体後面板142のそれぞれの内面どうしが近づく方向に力が加わることに伴って、箱体左側面板122及び箱体右側面板132が変形し、図5に示すように、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bがガイドとなって、この左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13b部分で山折り状態となり、箱体左側面板122及び箱体右側面板132が外側に飛び出し、箱体前面板112及び箱体後面板142の内面どうしが近づき箱体2の上端がつぶれた状態となる。つまり、易変形部U12及びU13が変形することになる。
【0044】
加熱パウチPは、その正面視の大きさは、包装箱1の内寸とほぼ同じ大きさとなっているため、調理者がマーク11Mを掴むと、箱体前面板112及び箱体後面板142を介して加熱パウチPを掴むことになる。調理者は、加熱パウチPに直接触れることなく、箱体前面板112と箱体後面板142とを介して加熱パウチPを掴むことになるため、加熱パウチPを直接掴む場合に比較して、調理者はそれほど熱さを感じることなく、加熱パウチPを取り扱うことができる。
【0045】
次に、取り出した加熱パウチPにおいて、箱体2と蓋部3とを接続するためのヒンジとして機能する箱後面板14の破断線14abを破断し、箱体2と蓋部3とを完全に切り離す。なお、蓋部3は、必ずしもは箱体2から切り離さずともよく、使い勝手に応じて切り離せばよい。
この状態で、図6に示すように、箱体前面板112と箱体後面板142とを両側から掴むことで外側に折り曲げられた、箱体左側面板122の飛び出した部分(以後、凸部という。)123、又は箱体右側面板132の飛び出した部分(以後、凸部という。)133のうちの一方、例えば、凸部123を箱体前面板112側又は箱体後面板142側に折り曲げる。図6では凸部123を箱体前面板112側に折り曲げた場合を示す。
【0046】
そして、図6に示すように、凸部123を折り曲げた状態で、マーク11Mの位置で、左手の指で凸部123と共に箱体2を掴み、箱体2を介して加熱パウチPを掴んだ状態で、右手の指で加熱パウチPの上端に形成された「切り口」を示す破断線のやや上方を持って、右側にひいて加熱パウチPを開封する。このとき、加熱パウチPに設けられた「切り口」を示す破断線は、図5に示すように、箱体2の上端部と概ね一致する位置に設けられている。そのため、箱体2の上縁部が加熱パウチPを開封する際のガイドとなる。さらに、このとき、凸部123を箱体前面板112側に折り曲げているため、開封する際に、加熱パウチPの端部が変形しにくくなり、加熱パウチPの最初の切れ目を容易に入れることができる。
【0047】
続いて、図7に示すように、凸部123を元に戻し、少なくとも左右一方の側のマーク11M部分を掴むことで、箱体2を介して開封した加熱パウチPを掴み、他方の手の指で他方の側のマーク11Mの部分またはその下方を掴むことで、加熱パウチPを箱体2に収容したまま、加熱パウチPを傾けて収容物を容器に盛り付ける。
このようにすることによって、加熱パウチPを掴むときには、少なくとも一方の手の指がマーク11M部分で箱体2を介して加熱パウチPを掴むことになる。そのため、加熱後の比較的熱い加熱パウチPであっても、調理者は容易に掴むことができ、加熱された加熱パウチPの熱さをそれほど感じることなく、容器への盛り付けを行うことができる。
【0048】
また、加熱パウチPの開封位置と、箱体2の上端部とが略一致するようにしているため、加熱パウチPを開封した後、容器への盛り付けを行うために加熱パウチPを傾ける等した場合でも、箱体2により加熱パウチPの変形は抑制される。仮に、箱体2の上端部が、加熱パウチPの開封位置よりも下方にあった場合には、箱体2を傾けた際に、場合によっては、加熱パウチPの箱体2の上端から飛び出している部分が折れたり変形したりする可能性があり、加熱パウチPの収容物が、意図しない箇所にこぼれる可能性がある。しかしながら、本実施形態に係る包装箱1は、箱体2により加熱パウチの変形が抑制されるため、盛り付け時に、意図しない箇所に収容物がこぼれることを回避することができる。
なお、上記実施形態においては、箱左側面板12及び箱右側面板13のそれぞれに、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを形成した場合について説明したが、少なくともいずれか一方に設ければよい。
【0049】
また、上記実施形態においては、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを箱体2の上端部に形成する場合について説明したが、これに限るものではない。箱体左側面板122及び箱体右側面板132の上下方向全体にわたって左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを形成してもよい。また、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを、上下方向の中央部等、箱体左側面板122及び箱体右側面板132の上下方向の途中に形成してもよく、箱体2を介して加熱パウチPを掴み易く、盛り付けし易い位置に設ければよい。
【0050】
また、上記実施形態においては、箱体左側面板122及び箱体右側面板132を山折りした後、一方の凸部123又は133を、箱体前面板112側又は箱体後面板142側に折り曲げる場合について説明したが、必ずしも折り曲げる必要はない。同様に、加熱した後、箱体2と蓋部3とを完全に切り離さなくてもよい。
また、上記実施形態においては、包装箱1が薄い扁平な直方体の箱形状である場合について説明したが、必ずしも薄い扁平でなくともよい。また、箱体2側が略直方体形状であれば蓋部3はどのような形状であってもよい。
【0051】
また、上記実施形態においては、加熱前の状態では、包装箱1が箱体2と蓋部3とが一体に形成された場合について説明したがこれに限るものではない。加熱前の包装箱1が、箱体2と箱体2と分離された蓋部3とで構成されていてもよい。
また、前面破断線11a、左側面破断線12a、右側面破断線13a及び後面破断線14aの形状、及び配置位置は、任意に設定することができる。
【0052】
また、上記実施形態においては、加熱パウチが箱体2に収容された状態で、加熱パウチの開封位置と箱体2の上端部とが略一致するようにした場合について説明したが、これに限るものではない。加熱パウチが箱体2に収容された状態で、箱体2の上端部が、加熱パウチの開封位置よりも低い位置にあってもよく、箱体2の上端部と、加熱パウチの開封位置との相対位置関係は、加熱パウチを開封する際に、箱体2の上端部が加熱パウチを開封する際のガイドとなる位置に設けてもよく、また、加熱パウチを開封した後、収容物を容器に盛り付ける際に、箱体2の上方が邪魔にならないか、等、調理者の使い勝手を考慮して設定すればよい。
【0053】
また、上記実施形態においては、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを設けることによって、箱体左側面板122及び箱体右側面板132に易変形部を設ける場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、箱体2が薄い扁平な形状でなく比較的厚みのある箱体2の場合等には、箱体左側面板122及び箱体右側面板132に、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを含むそれぞれと平行な複数の折り曲げ線を設け、箱体左側面板122及び箱体右側面板132を蛇腹状に折るようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態においては、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを山折りし、外側に飛び出るように変形させる場合について説明したがこれに限るものではない。例えば左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを谷折りし、内側に凸となるように変形させるようにしてもよい。このようにすることによって、マーク11Mの部分は、箱体前面板112及び箱体後面板142と、折り曲げられた箱体左側面板122又は箱体右側面板132とが重なるため、調理者はより一層熱を感じにくくなる。
【0055】
また、上記実施形態においては、蓋部3を開封する前の状態では、箱体左側面板122及び箱体右側面板132は、板状であって、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを設けることによって、箱体左側面板122及び箱体右側面板132を折り曲げる場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、蓋部3を開封する前の状態では、箱体左側面板122及び箱体右側面板132は外側に凸又は内側に凸であって、包装箱1の左右が外側又は内側に撓んだ形状であってもよい。この場合には、左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを設けなくとも、箱体2を掴むことにより、箱体左側面板122及び箱体右側面板132を容易に変形させることができる。
【0056】
この場合、板状の箱体左側面板122及び箱体右側面板132に左側面板折り曲げ線12b及び右側面板折り曲げ線13bを設けた場合に比較して、包装箱1の前後方向の強度が小さくなる。そのため、店等における包装箱1の陳列時或いは搬送時等における包装箱1の変形等を許容できる場合に適している。
【0057】
なお、上述した実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 包装箱
2 箱体
3 蓋部
11 箱前面板
11a 前面破断線
11M マーク
12 箱左側面板
12a 左側面破断線
13 箱右側面板
13a 右側面破断線
14 箱後面板
14a 後面破断線
15 上面板
16 下面板
12b 左側面板折り曲げ線
13b 右側面板折り曲げ線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
上面が開口された箱体と、当該箱体に設けられ前記箱体の開口部を塞ぐ蓋部と、を有し、前記蓋部の少なくとも一部を前記箱体から外すことで前記開口部が開放される包装箱であって、
前記箱体は、互いに対向する前面板及び後面板と、前記前面板及び前記後面板のそれぞれと連続する二つの側面板と、前記前面板、前記後面板及び前記二つの側面板のそれぞれに連続する下面板と、を有し、
前記二つの側面板の少なくとも一方に、前記箱体の、前記前面板の内面と前記後面板の内面とが近づく方向への変形を容易とする易変形部を備え
当該易変形部は、前記側面板の長手方向の一部のみに設けられていることを特徴とする包装箱。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本願発明の一態様によれば、上面が開口された箱体と、箱体に設けられ箱体の開口部を塞ぐ蓋部と、を有し、蓋部の少なくとも一部を箱体から外すことで開口部が開放される包装箱であって、箱体は、互いに対向する前面板及び後面板と、前面板及び後面板のそれぞれと連続する二つの側面板と、前面板、後面板及び二つの側面板のそれぞれに連続する下面板と、を有し、二つの側面板の少なくとも一方に、箱体の、前面板の内面と後面板の内面とが近づく方向への変形を容易とする易変形部を備え、易変形部は、側面板の長手方向の一部のみに設けられている、包装箱が提供される。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口された箱体と、当該箱体に設けられ前記箱体の開口部を塞ぐ蓋部と、を有し、前記蓋部の少なくとも一部を前記箱体から外すことで前記開口部が開放される、電子レンジ加熱用の加熱パウチを収容したまま加熱する加熱パウチ用の包装箱であって、
前記箱体は、互いに対向する前面板及び後面板と、前記前面板及び前記後面板のそれぞれと連続する二つの側面板と、前記前面板、前記後面板及び前記二つの側面板のそれぞれに連続する下面板と、を有し、
前記二つの側面板の少なくとも一方に、前記箱体の、前記前面板の内面と前記後面板の内面とが近づく方向への変形を容易とする易変形部を備え、
当該易変形部は、前記側面板の長手方向中央よりも上側の領域のみに設けられていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記二つの側面板のそれぞれに前記易変形部を備えることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記易変形部は、前記箱体の開口端を含む位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記易変形部は、前記側面板を外側に山折りする方向に変形させるガイドを含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の包装箱。
【請求項5】
記前面板及び前記後面板間が薄い扁平な直方体形状を有し、
前記加熱パウチが収容された状態で前記易変形部が変形した状態における前記箱体の開口端は、前記加熱パウチを開封するときのガイドとなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の包装箱。
【請求項6】
前記加熱パウチが収容された状態で前記易変形部が変形した状態における前記開口端は、前記加熱パウチに設けられた当該加熱パウチの開封位置よりも下方に位置することを特徴とする請求項5に記載の包装箱。
【請求項7】
食品が収容された電子レンジ加熱用の加熱パウチと、当該加熱パウチを収容する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の包装箱と、を備える電子レンジ加熱パウチ食品。
【請求項8】
請求項7に記載の電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法であって、
前記蓋部の少なくとも一部を前記箱体から外すことで前記箱体の前記開口部を開放し、
前記開口部を開放した状態で前記包装箱を電子レンジにて加熱し、
加熱後、前記包装箱を前記電子レンジから取り出し、
前記箱体を掴んで前記易変形部を変形させ、当該易変形部が変形した状態の前記箱体を介して一方の手の指で前記加熱パウチを掴み、他方の手の指で前記加熱パウチの上部を掴んで横にひくことにより、前記加熱パウチに設けられた開封位置で前記加熱パウチを開封し、
少なくとも一方の手の指で前記易変形部が変形した状態の前記箱体を介して前記加熱パウチを掴んだ状態で、前記加熱パウチに収容された食品を容器に盛り付けることを特徴とする電子レンジ加熱パウチ食品の盛り付け方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本願発明の一態様によれば、上面が開口された箱体と、箱体に設けられ箱体の開口部を塞ぐ蓋部と、を有し、蓋部の少なくとも一部を箱体から外すことで開口部が開放される、電子レンジ加熱用の加熱パウチを収容したまま加熱する加熱パウチ用の包装箱であって、箱体は、互いに対向する前面板及び後面板と、前面板及び後面板のそれぞれと連続する二つの側面板と、前面板、後面板及び二つの側面板のそれぞれに連続する下面板と、を有し、二つの側面板の少なくとも一方に、箱体の、前面板の内面と後面板の内面とが近づく方向への変形を容易とする易変形部を備え、易変形部は、側面板の長手方向中央よりも上側の領域のみに設けられている、包装箱が提供される。