(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035308
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】容器シール装置
(51)【国際特許分類】
B65B 7/28 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
B65B7/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139531
(22)【出願日】2020-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】山内 伸人
【テーマコード(参考)】
3E049
【Fターム(参考)】
3E049AA05
3E049AB01
3E049BA01
3E049BA04
3E049CA04
3E049CA08
3E049DA01
3E049DB01
3E049EA01
3E049EB03
3E049EC03
3E049FA02
3E049FA06
(57)【要約】
【課題】フィルムシートと容器の位置合わせが可能な容器シール装置を提供する。
【解決手段】トレイ容器シール装置10は、長尺状のフィルムシートSを連続的に繰り出す繰り出しローラ13と、トレイ容器Tに重ね合されたフィルムシートSをトレイ容器Tに貼着するヒートシーラ14と、フィルムシートSに設けられたマークMを検出するセンサ26と、ヒートシーラ14においてトレイ容器Tを保持するシール用支持台42と、シール用支持台42を搬送方向に移動させる移動機構34と、繰り出しローラ13と移動機構34の動作を制御する制御部とを備える。制御部は、フィルムシートSがトレイ容器Tの所定位置にシールされるように、センサからの信号に基づき、繰り出しローラ13の繰り出し速度および移動機構34の動作を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される複数の容器の上面に重ね合わせるように長尺状のフィルムシートを連続的に繰り出す繰り出しローラと、
重ね合わされた前記フィルムシートを前記容器に貼着するシール手段と、
前記フィルムシートに設けられたマークを検出する検出手段と、
前記シール手段において容器を保持する保持部材と、
前記保持部材を搬送方向に移動させる移動手段と、
前記繰り出しローラと前記移動手段の動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、フィルムシートが容器の所定位置にシールされるように、前記検出手段の検出信号に基づき、前記繰り出しローラによる繰り出し速度および前記移動手段の動作を制御する
ことを特徴とする容器シール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される複数の容器に長尺状のフィルムシートを貼着する容器シール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
格子状に複数の収容ポケットが設けられたトレイ容器の各収容ポケットに、カレーやシチューのルーなどの食品を投入し、トレイ容器開口部を樹脂フィルムなどのシール材(トップフィルム)で密封するトレイ容器シール装置が知られている(特許文献1、2)。同装置では、トレイ容器は連接された状態で供給され、シール材がトレイ容器の上に重ねられるように繰り出される。シール材はヒートシーラーによりトレイ容器に貼着され、密封されたトレイ容器は所定の数の収容ポケットを単位に打ち抜かれ分割される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-198570号公報
【特許文献2】特開2013-6625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、トレイ容器のシール材(トップフィルム)には、位置合わせが不要なエンドレス柄のフィルムが用いられるため、シール材とトレイ容器の位置合わせを行う必要はない。一方、シール材に印刷された絵柄や文字等をトレイ容器の所定位置に配置する場合、シール材とトレイ容器の位置を正確に位置合わせを行う必要がある。しかし、シール材(トップフィルム)は、ロール状に巻かれた長尺のフィルムシートであり、フィルムシートには伸び縮みも発生するため位置合わせ調整が必要である。特に処理能力を維持した位置合わせ調整は困難である。
【0005】
本発明は、フィルムシートと容器の位置合わせが可能な容器シール装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である容器シール装置は、搬送される複数の容器の上面に重ね合わせるように長尺状のフィルムシートを連続的に繰り出す繰り出しローラと、重ね合わされた前記フィルムシートを前記容器に貼着するシール手段と、前記フィルムシートに設けられたマークを検出する検出手段と、前記シール手段において容器を保持する保持部材と、前記保持部材を搬送方向に移動させる移動手段と、前記繰り出しローラと前記移動手段の動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、フィルムシートが容器の所定位置にシールされるように、前記検出手段の検出信号に基づき、前記繰り出しローラによる繰り出し速度および前記移動手段の動作を制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フィルムシートとトレイ容器の位置合わせが可能なトレイ容器シール装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態であるトレイ容器シール装置で密封されるトレイ容器の平面図である。
【
図2】トレイ容器に貼着される長尺状のフィルムシートの一部平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態のトレイ容器シール装置の配置を示す模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるトレイ容器シール装置で密封されるトレイ容器の平面図であり、
図2は、トレイ容器に貼着される長尺状のフィルムシートの一部平面図である。また、
図3は、本発明の一実施形態のトレイ容器シール装置の配置を示す模式的な側面図である。
【0010】
本実施形態のトレイ容器シール装置10は、連接した状態で供給されるトレイ容器Tの上に、長尺状のフィルムシートSを重ね合わせ貼着する装置である。トレイ容器Tは、例えば、格子状に複数(例えば4×4個)の収容ポケットPを備え、収容ポケットPの各々には、個別に物品が投入された後、トレイ容器シール装置10へと供給される。本実施形態では、例えばカレーのルーやシチューのルーが投入されるが、収容ポケットPに投入される物品は、お菓子や食品以外の製品、また液体であってもよい。
【0011】
トレイ容器Tは、一方向に多数連接された状態で容器供給コンベヤ12からトレイ容器シール装置10に供給される。容器供給コンベヤ12から供給されるトレイ容器Tの各収容ポケットPには製品が投入されており、容器供給コンベヤ12からトレイ容器シール装置10へ移載されるトレイ容器Tの上面には、長尺状のフィルムシートSが搬送方向に沿って重ね合わせられる。なお、容器供給コンベヤ12からトレイ容器シール装置10へ移載されるトレイ容器Tのタイミングは、図示しない機構により所定のタイミングに制御される。
【0012】
長尺状のフィルムシートSの表面には、絵柄や記号、文字などからなる所望のラベル印刷Lや後述する位置決め用のマーク(レジスタマーク)Mが、所定の位置に所定間隔で施されており、不図示の原反ロールから供給される。なお、本実施形態では、ラベル印刷Lは、例えばレシピなどの文書である。フィルムシートSは、アイドラーやテンションローラなどのローラを介して、繰り出しローラ13により原反ロールから所望の速度で繰り出される。フィルムシートSは、容器供給コンベヤ12の下流端の上方において、押さえローラ17によりトレイ容器Tの上面に押し当てられ重ね合わせられる。
【0013】
容器供給コンベヤ12から供給され、フィルムシートSが上面に重ね合わせられたトレイ容器Tは、その後水平に搬送され、ヒートシーラ(シール手段)14および冷却装置(冷却手段)16を経た後、アンビルロール18とダイロール20(切断手段)の間を通って搬送される。なお、フィルムシートSは、トレイ容器Tとともに水平に搬送され、後述するように、ヒートシーラ14においてトレイ容器Tの表面に貼着され、冷却装置16で冷却された後、ダイロール20により所定数(図示例では2個)のトレイ容器T毎に切断される。切断されたトレイ容器Tは、容器排出コンベヤ22へと送り出され、フィルムシートSの残存部分は、アンビルロール18を介して巻取りロール24により巻き取られる。
【0014】
フィルムシートSの供給部には、繰り出されるフィルムシートSの表面に印刷されたマークMを検出するセンサ(検出手段)26が設けられる。本実施形態では、センサ26は繰り出しローラ13の上流側に配置される。なお、センサ26から出力されるマーク検出信号は図示しない制御部へと送られる。
【0015】
図4は、ヒートシーラ14の断面図である。本実施形態では、搬送方向に直行する方向に沿って2台のシーリングヘッド14Aが配置される。各シーリングヘッド14Aは支持部28により上方から支持され、支持部28はヘッド昇降機構30により昇降可能に基台32の上に据え付けられる。基台32は、リニヤアクチュエータやサーボモータなどを用いた移動機構(移動手段)34により搬送方向に往復動可能である。
【0016】
シーリングヘッド14Aの下方には、トレイ容器Tの両側縁から外側に延出するフランジ部を下方から支持する一対のレール36が設けられ、レール36は図示しない固定部により支持される。すなわち、容器供給コンベヤ12からヒートシーラ14に供給されたトレイ容器Tは、レール36の上に押し出され、レール36上をスライドしながら移動可能である。
【0017】
また、レール36上に保持されるトレイ容器Tの底面は、各々トレイ受け38によって支持される。トレイ受け38は、基台32に固定されており、基台32とともに一体的に搬送方向に往復動可能である。
【0018】
また、基台32には、支持台昇降機構40を介してシール用支持台(保持部材)42が設けられる。シール用支持台42は、支持台昇降機構40により昇降可能であるとともに、移動機構34により基台32とともに一体的に搬送方向に往復動可能である。シール用支持台42は、トレイ容器TのフィルムシートSとの接着面下(収容ポケットPの周囲)に当接する形状を有し、上昇されるとトレイ容器Tの接着面下を支持し、重ねられたトレイ容器TとフィルムシートSをシーリングヘッド14Aとの間に挟み込む。
【0019】
冷却装置16の構成は、ヒートシーラ14のシーリングヘッド14Aを冷却ヘッド16Aに置き換えた構造を備える。したがって、
図3では、シーリングヘッド14Aと同一の機能を備える構成については、ヒートシーラ14のものと同一参照符号が用いられる。
【0020】
次に、トレイ容器シール装置10、すなわちヒートシーラ14におけるシール動作について説明する。ヘッド昇降機構30と支持台昇降機構40は、同期して駆動され、シーリングヘッド14Aとシール用支持台42の一方を下降されると他方は上昇される。また、移動機構34によりシーリングヘッド14Aとシール用支持台42は、一体的に搬送方向に往復動される。
【0021】
ヘッド昇降機構30および支持台昇降機構40による、シーリングヘッド14Aの下降と、シール用支持台42の上昇は、トレイ容器TとフィルムシートSを挟み込むと停止する。その後、シーリングヘッド14Aとシール用支持台42は、フィルムシートSとトレイ容器Tを挟んだ状態で、フィルムシートSの移動に合わせて搬送方向下流に向けて移動し、この間にフィルムシートSは、トレイ容器Tの収容ポケットPの周囲を取り囲む接着面に接着される。フィルムシートSのトレイ容器Tへの貼着が完了したタイミングで、ヘッド昇降機構30によりシーリングヘッド14Aは上昇されるとともに、支持台昇降機構40によりシール用支持台42は下降され、更に移動機構34により搬送方向上流側へと移動される。これにより、シーリングヘッド14Aおよびシール用支持台42は、ボックスモーションで元の位置に戻される。
【0022】
このとき、繰り出しローラ13の回転速度(繰り出し速度)、ヒートシーラ14のヘッド昇降機構30、移動機構34、支持台昇降機構40の駆動は、センサ26のマーク検出信号に基づき、フィルムシートSの供給タイミングに合わせて図示しない制御部により制御され、搬送方向に関して、トレイ容器TがフィルムシートSの所定位置にシールされるように位置合わせが行われる。本実施形態では、ヒートシーラ14において、トレイ容器Tの各収容ポケットPが、フィルムシートSのラベル印刷Lに対応する領域に位置するように、ヒートシーラ14のヘッド昇降機構30、移動機構34、支持台昇降機構40が制御される。
【0023】
また、本実施形態では、冷却装置16のヘッド昇降機構30、移動機構34、支持台昇降機構40の駆動も、ヒートシーラ14と同様にセンサ26のマーク検出信号に基づき、フィルムシートSの供給タイミングに合わせて図示しない制御部により制御され、冷却装置16の下流側に配置されるダイロール20の回転速度も、連接されるトレイ容器Tの適正な位置でトレイ容器Tを切断するように、マーク検出信号とトレイ容器Tの供給タイミングに合わせて制御される。
【0024】
以上のように、本実施形態によれば、高速でシール処理をしながらも、フィルムシートとトレイ容器を、例えばフィルムシートの伸び縮みや、ずれに応じて正確に位置合わせすることができる。
【0025】
なお、本実施形態ではトレイ容器の供給タイミングとマーク検出信号に基づき各装置の駆動を制御したが、トレイ容器の供給タイミングをセンサにより検出する構成としてもよい。
【0026】
本実施形態では、トレイ容器を例に説明を行ったが、本発明をカップ容器のような別の形態の容器へのフィルムシートの貼着に用いることもできる。
【符号の説明】
【0027】
10 容器シール装置
12 容器供給コンベヤ
13 繰り出しローラ
14 ヒートシーラ(シール手段)
14A シーリングヘッド
16 冷却装置
16A 冷却ヘッド
18 アンビルロール
20 ダイロール
26 センサ(検出手段)
30 ヘッド昇降機構
34 移動機構(移動手段)
40 支持台昇降機構
42 シール用支持台(保持部材)
M 位置決め用マーク(レジスタマーク)
P 収容ポケット
S フィルムシート
T トレイ容器(容器)