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  • 特開-食品包装用容器およびその使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035311
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】食品包装用容器およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
B65D81/34 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139535
(22)【出願日】2020-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】390000387
【氏名又は名称】福助工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【弁理士】
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】松原 求
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013AD12
3E013AD23
3E013AE06
3E013BB06
3E013BC04
3E013BF02
3E013BF14
3E013BG04
3E013BG06
3E013CC06
(57)【要約】
【課題】米飯や麺類などの食品の渇きを抑えることができる包装用容器を提供する。
【解決手段】容器本体の側壁部に段部を形成し、この段部に載置可能な周縁フランジを有し、再加熱する食品を収容する中皿を備え、容器本体の底部には、中皿の下方で容器本体内に水分を補充するための水分補充用凹部を形成し、この水分補充用凹部に貯留した水を再加熱時に蒸発させて水分を上方に導くために容器本体の側壁部には複数の側壁溝条を縦方向に形成し、容器本体の開口を覆う蓋材の側壁部にも前記側壁溝条と流路として繋がる蓋溝条を形成し、水分補充用凹部から蒸発した水蒸気を容器本体の側壁溝条から蓋材溝条に亘って上昇させ、容器内を循環させるようにして食品の渇きを抑える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開口するトレイ状の容器本体と、容器本体の側壁部に形成された段部に周縁フランジが載置可能な中皿とを備え、中皿の下方に位置する容器本体の底部には水分を補充するための水分補充用凹部が形成され、容器本体の側壁部には、前記水分補充用凹部から蒸発した水分を上方に導くための多数の側壁溝条が設けられ、各側壁溝条は、前記水分補充用凹部に流路として繋がるように溝方向が縦方向とされていることを特徴とする食品包装用容器。
【請求項2】
容器本体の上方開口を覆う蓋材が設けられ、蓋材は側壁部と天面部とを有する逆カップ状に形成され、蓋材の側壁部に容器本体側の側壁溝条と蒸気の流路として繋がる多数の蓋溝条が形成され、水分補充用凹部から蒸発する水蒸気を容器本体の側壁溝条から蓋材溝条に亘って上昇させ、容器内を循環するように構成された、請求項1に記載の食品包装用容器。
【請求項3】
蓋材の天面部には蒸気抜き手段が設けられている、請求項2に記載の食品包装用容器。
【請求項4】
前記水分補充用凹部には、ジェル状の補充水を収容可能とされた、請求項1~3のいずれかに記載の食品包装用容器。
【請求項5】
前記中皿は、浅い皿状の中皿本体と、その上方開口部から外側に拡がる周縁フランジとから構成され、中皿本体は、上方に突出する多数の凸部が点在する底部と、底部の周囲に底部よりも下がったに形成された周縁溝と、周縁溝の外縁から立ち上がる側壁とから構成され、前記周縁フランジは、側壁の上端から外側に水平に折曲されて形成された、前記中皿が容器本体に着脱可能に設けられている、請求項1~3のいずれかに記載の食品包装用容器。
【請求項6】
容器本体の段部の外縁から垂直に立ち上がる立上がり壁の一部に内側に突出したオーバーハング部を備え、中皿の周縁フランジがその弾性変形を利用して前記オーバーハング部を乗り越えて前記側壁部の段部に着脱可能に載置される、請求項1~5のいずれかに記載の食品包装用容器。
【請求項7】
上方が開口するトレイ状の容器本体と、容器本体の側壁部に形成された段部に周縁フランジが載置可能な中皿とを備え、中皿の下方に位置する容器本体の底部には水分を補充するための水分補充用凹部が形成され、容器本体の側壁部には、前記水分補充用凹部から蒸発した水分を上方に導くための多数の側壁溝条が設けられ、各側壁溝条は、前記水分補充用凹部に流路として繋がるように溝方向が縦方向とされている食品包装用容器において、
容器本体底部の水分補充用凹部には補充水を補充しておき、中皿に加熱調理した食品を収容し、食品の再加熱時に、補充水から蒸発した水分を複数の側壁溝条により上方に導き、容器本体内を循環させ、補充水により増量した水分により食品の渇きを抑えることを特徴とする食品包装用容器の使用方法。
【請求項8】
容器本体の上方開口を覆う蓋材が設けられ、蓋材は側壁部と天面部とを有する逆カップ状に形成され、蓋材の側壁部に容器本体側の側壁溝条と蒸気の流路として繋がる多数の蓋溝条が形成され、水分補充用凹部の補充水から蒸発する水蒸気を容器本体の側壁溝条から蓋材溝条に亘って上昇させ、容器内を循環させるようにした、請求項7に記載の食品包装用容器の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯や麺類などの食品を包装する包装用容器およびその使用方法であって、包装用容器に収容された米飯や麺類などの食品の渇きを抑えるために、電子レンジなどで加温する際に米飯や麺類に十分な水分を供給することが可能な包装用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の包装用容器として、特許文献1には、容器本体に米と水を入れて加熱し、コメを炊き上げた後、蓋材により密封して出荷する容器入炊飯米が開示されている。出荷時には、炊飯米から蒸発した水分が冷えて凝縮し、容器本体の底部に溜まり込むため、容器本体の底部内面に、水分を保持するための保持空間を設け、容器本体の底部の保持空間に炊飯米から蒸発して凝結した水を溜め、炊飯米に吸い込まれるのを抑制するようにし、炊飯米の食感や風味を保つようにしている。
【0003】
特許文献2には、水蒸気の凝集伝熱効果に着目し、容器底面のみならず壁面にも凹凸を設け、さらに容器全体の凹部を繋げる構造とすることで、電子レンジ等のマイクロ波加熱時に食品から発生する水蒸気を容器全体に循環させて加熱むらを低減するとともに、保存中や再加熱中に発生した凝結水を、容器底部において食品と分離できる食品保存用容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-304670号公報
【特許文献2】特開2017-105540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1および特許文献2において、食品の保存中や再加熱中に発生した凝結水を容器底部に食品と分離して保持する技術に関するものであるが、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の食品売り場で販売される米飯付きの弁当では、調理後の店頭販売時に米飯などの食品の水分が蒸発して渇いてしまうといった課題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑み、食品の渇きを抑制することができる食品包装用容器の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の好適な実施形態に係る食品包装用容器は、上方が開口するトレイ状の容器本体と、容器本体の側壁部に形成された段部に周縁フランジが載置可能な中皿とを備え、中皿の下方に位置する容器本体の底部には水分を補充するための水分補充用凹部が形成され、容器本体の側壁部には、前記水分補充用凹部から蒸発した水分を上方に導くための複数の側壁溝条が設けられ、各側壁溝条は、前記水分補充用凹部に流路として繋がるように溝方向が縦方向とされている。
【0008】
この場合、容器本体の上方開口を覆う蓋材が設けられる。蓋材は、ラップあるいは逆カップ状に形成したものを採用することができる。蓋材が側壁部と天面部とを有する逆カップ状に形成した場合、蓋材の側壁部に容器本体側の側壁溝条と蒸気の流路として繋がる複数の蓋溝条を形成し、水分補充用凹部から蒸発する水蒸気を容器本体の側壁溝条から蓋材溝条に亘って上昇させ、容器内を循環するように構成することができる。
【0009】
蓋材の天面部に蒸気抜き手段を設けることができる。蒸気抜き手段は、容器内の蒸気の圧力で開放する切込みや貫通穴を設ける構成が例示できる。蒸気抜き手段により、再加熱時に余分な水分が蒸気抜き開放部から外側に抜ける。
【0010】
水分補充用凹部に収容する水分は、通常の水あるいはジェル状の補充水のいずれであってもよい。
【0011】
中皿は、浅い皿状の中皿本体と、その上方開口部から外側に拡がる周縁フランジとから構成され、中皿本体は、上方に突出する多数の凸部が点在する底部と、底部の周囲に底部よりも下がったに形成された周縁溝と、周縁溝の外縁から立ち上がる側壁とから構成され、周縁フランジは、側壁の上端から外側に水平に折曲されて形成され、中皿が容器本体に着脱可能に設けられた構成を採用することができる。中皿を着脱可能とすることにより、中皿下方の水分補充用凹部に水を補充しやすくなる。また、中皿に食品を収容したとき、多数の凸部により食品の下方に空隙が生じ、再加熱時に水蒸気が循環しやすくなる。
【0012】
容器本体の段部の外縁から垂直に立ち上がる立上がり壁の一部に内側に突出したオーバーハング部を備え、中皿の周縁フランジがその弾性変形を利用して前記オーバーハング部を乗り越えて前記側壁部の段部に着脱可能に載置される構成を採用することができる。この構成により、中皿は容器本体に弱嵌合した状態となり、容器本体からの脱落を防止することができる。また、中皿の弱嵌合により容器本体から取り外し易くなり、中皿を取り外して下方の水分補充用凹部に水を補充しやすくなる。
【0013】
上記構成においては、容器本体底部の水分補充用凹部には補充水を補充しておき、次に、中皿に再加熱する食品を収容しておく。電子レンジ等により、容器ごと食品を再加熱するときは、補充水から蒸発した水分が複数の側壁溝条を通って上方に導かれ、蒸気が容器本体内を循環することになる。また、中皿の多数の凸部により食品と中皿底部との間に空隙が生じるので、補充水から発生する蒸気が循環しやすくなる。このように、水分補充用凹部に補充水を補充しておくことにより、水分が増量され、その分、食品の渇きを抑えることができる。
【0014】
さらに、容器本体の上方開口を覆う蓋材が設けられ、蓋材は側壁部と天面部とを有する逆カップ状に形成され、蓋材の側壁部に容器本体側の側壁溝条と蒸気の流路として繋がる複数の蓋溝条が形成され、水分補充用凹部の補充水から蒸発する水蒸気を容器本体の側壁溝条から蓋材溝条に亘って上昇させることができ、水蒸気を容器内で循環させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、容器本体底部の水分補充用凹部には補充水を補充しておき、食品の再加熱時に、補充水から蒸発した水分を複数の側壁溝条により上方に導き、容器本体内を循環させ、水分を増量させることができる。また、中皿の凸部により食品と中皿底部との間に空隙を形成することにより前記水蒸気を循環しやすくし、米飯や麺類などの食品の渇きを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態である食品包装用容器の分解斜視図である。
図2】同じく包装用容器の断面図である。
図3図2の要部拡大図である。
図4】中皿の周縁フランジと側壁のオーバーハング部との関係を示す断面図である。
図5】本発明の他の実施形態である具材部を備えた容器の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の食品包装用容器1は、底部2とその周囲から立ち上がる側壁部3とからなり、上方に開口する開口部4を有する合成樹脂製のトレイ型の容器本体5と、前記側壁部3のうち下部側に形成された段部6に周縁フランジ7が載置可能とされ、食品8を収容するための中皿9と、容器本体5の上方開口部4を覆うように、側壁部10と天面部11とを有する逆カップ状の蓋材12とから構成されている。
【0018】
容器本体5は、合成樹脂製のものであって、例えば、電子レンジ等による加熱時に耐熱性を有するポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン)に無機質充填材(タルク等)を混ぜ合わせたものや、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等を採用することができる。
【0019】
容器本体5の底部2の中皿8よりも下側に、収容される食品8の再加熱時に、容器本体5内に水分を供給するための水分補充用凹部13が設けられる。水分補充用凹部13は、底部全体に設けてもよいし、底部2の周囲に設けることもできる。本例では、底部2の周囲に水分補充用凹部13を設けている。この水分補充用凹部13は、底部の中央部2aよりも一段下がった位置に周状に形成されている。水分補充用凹部13には、通常の補充水(水道水等)やジェル状に成形した補充水14を収容可能とされる。ジェル状の補充水14を収容した場合、容器本体5を傾けても補充水が水分補充用凹部13から容器本体5の外側に漏れることを防止することができる。なお、容器本体5の底部2の中央部2aは、平坦な板状に形成されており、中皿9の裏面を支持する機能を有している。
【0020】
容器本体5の側壁部3は、前記水分補充用凹部13から蒸発した水分を上方に導くための多数の側壁溝条15が側壁部3に縦方向のリブ16を挟みつつ周状に多数形成されている。各側壁溝条15は、図3に示すように、水分補充用凹部13の立ち上がり壁から中皿9を載置する段部6およびその上側の側壁部3から蓋材12を内嵌合する蓋材嵌合部17に至るまで縦方向に形成されている。側壁溝条15間の縦リブ16は、容器本体5の側壁部3の補強構造にもなっている。
【0021】
容器本体5の蓋材嵌合部17の外側には周縁フランジ19が形成され、その内側の蓋材嵌合部17に蓋材12の周縁フランジ20が内嵌合するようになっている。
【0022】
蓋材12は、2軸延伸ポリスチレンやポリプロピレン等の透明な合成樹脂製であって、前記周縁フランジ20と側壁部10と天面部11とから構成される。側壁部10は、断面円弧状に形成され、その上端に天面部11が連続している。また、側壁部10の下端には、断面U字状の周縁フランジ20が周状に形成されており、該周縁フランジ20が、容器本体5の周縁の蓋材嵌合部17に内嵌合するようになっている。蓋材12の側壁部10には多数の蓋溝条22が周状に形成されている。水分補充用凹部13から蒸発する水蒸気を容器本体5の側壁溝条15から蓋溝条22に亘って上昇させ、容器1内を循環するようにしている。
【0023】
蓋材12の天面部11の中央には、蒸気抜き手段としての円弧状の切込み30が形成されている。この切込み30は、天面部11の中央に凹部31が形成され、その凹部31の底面に形成されている。切込み30は、弁当等の店頭販売時には閉塞しており、電子レンジ等による食品の再加熱時に開口するようになっている。
【0024】
中皿9は、容器本体5と同様な合成樹脂製のものであって、浅いトレイ状の中皿本体25と、その上方開口部から外側に拡がる周縁フランジ7とから構成される。中皿本体25は、上方に突出する多数の凸部26が点在する底部25aと、底部25aの周囲に底部25aよりも下がった位置に形成された周縁溝25bと、周縁溝25bの外縁から立ち上がる側壁25cとから構成されている。周縁フランジ7は、側壁25cの上端から外側に水平に折曲されて形成されている。この中皿9は、容器本体5に着脱可能に設けられている。
【0025】
さらに、容器本体5の段部6の外縁からほぼ垂直に立ち上がる立上がり壁6aの一部には内側に突出したオーバーハング部28を備えており、中皿9の周縁フランジ7がその弾性変形を利用してオーバーハング部28を乗り越えて容器本体5の側壁部3の段部6に着脱可能に載置される。すなわち、中皿9は、容器本体5に対して弱嵌合状態で段部6に嵌合載置される。なお、本例のオーバーハング部28は、矩形の段部6のコーナー部に形成されているが、これに限らず、その他の箇所に形成してもよい。
【0026】
上記構成において、容器本体5の底部の水分補充用凹部13には補充水14を補充しておき、中皿9に加熱した米飯等の食品8を収容し、食品8の再加熱時に、補充水14から蒸発した水分を容器本体5の側壁部3の複数の側壁溝条15から上方に導き、容器本体内を循環させる。また、中皿9の凸部26により食品8と中皿9の底部25との間に空隙Aを生じるので、食品8から下方に向かった水蒸気が循環しやすくなる。このように、水分補充用凹部13に貯留する補充水の分だけ、循環する水分が増量され、食品8の渇きを抑えることができる。
【0027】
さらに、容器本体5の開口部4には蓋材12が設けられ、蓋材12の側壁部10には容器本体5側の側壁溝条15と繋がる蓋溝条22が形成されているので、水分補充用凹部13の補充水14から蒸発した水蒸気は容器本体5の側壁溝条15から蓋材溝条22に亘って上昇し、容器1内を循環するようになり、米飯や麺類などの食品8の渇きを抑えることができる。
【0028】
図5は本発明の他の実施形態を示す。この実施形態の包装用容器1においては、容器本体5が、米飯や麺類などの食品8の収容する食品(米飯・麺類)収容部33と、その他の具材を収容する具材部34とが仕切り壁35により仕切られて形成されている。食品収容部33および具材部34の外周側の側壁部3には、上記実施形態と同様な縦方向の側壁溝条15が周壁に沿って多数形成されており、また、蓋材12は、容器本体5の周縁フランジに内嵌合するように形成され、その側壁部には容器本体側の側壁溝条15と蒸気の流路として繋がる縦方向の蓋溝条22が周状に形成されている。
【0029】
食品収容部33の底部には中皿9が着脱可能に設けられ、食品収容部33の底部に水分補充用凹部13が周状に形成されている。具材部34には、その底部37が奥側に向けて上り傾斜しており、底上げによるレンジ効率を向上させ、かつ容器内の具材を立体的に見せる手法が採用されている。この具材部34においても、その底部の周囲にC字状の凹部36が仕切り壁35側を除いて三方に形成されており、具材から発生した水分を貯留できるようになっている。
【0030】
上記構成においては、上記実施形態と同様な機能を有している。すなわち、容器本体5の底部の水分補充用凹部13に補充水14を補充しておき、中皿9に加熱した米飯や麺類等の食品8を収容し、具材部34にはその他の具材を収容しておく。食品8の再加熱時に、補充水14から蒸発した水分は容器本体5の側壁部3の複数の側壁溝条15から上方に導かれ、容器本体内を循環する。また、中皿9の凸部26により食品8と中皿9の底部25との間に空隙Aが生じるので、食品8からの下方に向かった水蒸気が循環しやすくなり、水分補充用凹部13に貯留する補充水の分だけ、循環する水分が増量され、食品8や具材の渇きを抑えることができる。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正変更を加えることができるのは勿論である。
【符号の説明】
【0032】
1 食品包装用容器
2 底部
2a 中央部
3 側壁部
4 開口部
5 容器本体
6 段部
6a 立ち上がり壁
7 周縁フランジ
8 食品(米飯)
9 中皿
10 側壁部
11 天面部
12 蓋材
13 水分補充用凹部
15 側壁溝条
16 リブ
17 蓋材嵌合部
19 周縁フランジ
20 蓋材の周縁フランジ
22 蓋溝条
30 切込み
31 凹部
25 中皿本体
25a 底部
25b 周縁溝
25c 側壁
26 凸部
28 オーバーハング部
33 食品(米飯)収容部
34 具材部
35 仕切り壁
36 凹部
37 底部
図1
図2
図3
図4
図5