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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035453
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】棒状化粧料繰り出し容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20220225BHJP
   A45D 40/04 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
A45D40/00 Y
A45D40/04 B ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139788
(22)【出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】000140915
【氏名又は名称】株式会社カツシカ
(72)【発明者】
【氏名】目▲崎▼ 康将
(57)【要約】
【課題】 本発明は、容器を分別して廃棄できる棒状化粧料繰り出し容器に関するものである。
【解決手段】 棒状化粧料を保持する合成樹脂製の保持筒と、保持筒を回動不能に摺動自在に案内する合成樹脂製の連結筒と、保持筒と左ネジ螺合し、連結筒と回動自在に係合した合成樹脂製の身筒と、棒状化粧料及び保持筒上部を覆う金属製のスリーブとからなり、連結筒と身筒の相対回転により保持筒を上下摺動させる繰り出し機構を構成し、連結筒の上部側壁に左ネジ方向に屈曲した連結溝を刻設し、スリーブ内壁に設けた連結突部を係合させ、スリーブを取外し可能に連結する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状化粧料(101)を保持する保持皿(121)の下端より脚筒(122)が垂下し、該脚筒(122)の下部外側壁に螺合突部(123)を突設した合成樹脂製の保持筒(102)と、該保持筒(102)の脚筒(122)が挿入され、側壁に前記螺合突部(123)が貫通して保持筒(102)を回動不能に摺動自在に案内するガイド溝(173)を軸線に長く穿設し、上部に連結部(131)を設けた合成樹脂製の連結筒(103)と、該連結筒(103)を回動自在に脱落不能に保持し、内側壁に前記ガイド溝(173)を貫通した螺合突部(123)が螺合する左ネジ状のラセン溝(151)を螺設した合成樹脂製の身筒(105)と、前記連結筒(103)の連結部(131)に連結し、前記棒状化粧料(101)及び保持皿(121)を上下摺動自在に内装した金属製のスリーブ(104)から成り、連結筒(103)及びスリーブ(104)と身筒(105)の相対回転により保持筒(102)を上下摺動させる繰り出し機構部(A1)を構成し、
前記連結筒(103)の連結部(131)側壁に、連結部(131)上端に開溝し、一方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部(136)となり終端する連結溝(135)を刻設し、スリーブ(104)下部の、連結部(131)に嵌合する被嵌部(142)内側壁に連結突部(143)を突設し、該連結突部(143)を連結溝(135)のポケット部(136)に着脱自在に係合させ、連結筒(103)とスリーブ(104)を連結することを特徴とする棒状化粧料繰り出し容器。
【請求項2】
棒状化粧料(201)を保持する保持皿(221)の下端よりネジ棒(222)を垂下し、該ネジ棒(222)の外側壁に左雄ネジ(223)を螺設した合成樹脂製の保持筒(202)と、該保持筒(202)のネジ棒(222)が挿入され、内側壁にネジ棒(222)の左雄ネジ(223)が螺合する左雌ネジ(251)を螺設し、外側壁に右雄ネジ(292)を螺設した合成樹脂製のネジ筒(210)と、該ネジ筒(210)が回動自在に挿入され、内側壁に前記ネジ筒(210)の右雄ネジ(292)が螺合する右雌ネジ(274)を螺設し、上部に連結部(231)を設けた合成樹脂製の連結筒(203)と、該連結筒(203)下部に回動自在に脱落不能に連結し、前記ネジ筒(210)が回動不能に上下摺動自在に挿入された合成樹脂製の身筒(205)と、前記連結筒(203)の連結部(231)に連結し、前記棒状化粧料(201)及び保持皿(221)を上下摺動自在に内装した金属製のスリーブ(204)から成り、連結筒(203)及びスリーブ(204)と身筒(205)の相対回転により保持筒(202)を上下摺動させる繰り出し機構部(A2)を構成し、
前記連結筒(203)の連結部(231)側壁に、連結部(231)上端に開溝し、一方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部(236)となり終端する連結溝(235)を刻設し、スリーブ(204)下部の、連結部(231)に嵌合する被嵌部(242)内側壁に連結突部(243)を突設し、該連結突部(243)を連結溝(235)のポケット部(236)に着脱自在に係合させ、連結筒(203)とスリーブ(204)を連結することを特徴とする棒状化粧料繰り出し容器。
【請求項3】
棒状化粧料(301)を保持する保持皿(321)の下端よりネジ棒(322)を垂下し、該ネジ棒(322)外側壁に左雄ネジ(323)を螺設した合成樹脂製の保持筒(302)と、該保持筒(302)のネジ棒(322)が回動不能に上下摺動自在に貫通するガイド穴(373)を穿設し、上部に連結部(331)を設けた合成樹脂製の連結筒(303)と、該連結筒(303)下部に回動自在に脱落不能に連結し、前記保持皿(302)のネジ棒(322)の左雄ネジ(323)が螺合する左雌ネジ(351)を螺設した合成樹脂製の身筒(305)と、前記連結筒(303)の連結部(331)に連結し、前記棒状化粧料(301)及び保持皿(321)を上下摺動自在に内装した金属製のスリーブ(304)から成り、連結筒(303)及びスリーブ(304)と身筒(305)の相対回転により保持筒(302)を上下摺動させる繰り出し機構部(A3)を構成し、
前記連結筒(303)の連結部(331)側壁に、連結部(331)上端に開溝し、一方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部(336)となり終端する連結溝(335)を刻設し、スリーブ(304)下部の、連結部(331)に嵌合する被嵌部(342)内側壁に連結突部(343)を突設し、該連結突部(343)を連結溝(335)のポケット部(336)に着脱自在に係合させ、連結筒(303)とスリーブ(304)を連結することを特徴とする棒状化粧料繰り出し容器。
【請求項4】
棒状化粧料(401)を保持する保持皿(421)の下端より脚筒(422)を垂下し、該脚筒(422)の下部外側壁に回動防止片(426)を、下部内側壁に左雌ネジ(451)をそれぞれ設けた保持筒(402)と、該保持筒(402)の脚筒(422)が摺動自在に挿入され、側壁に前記回動防止片(426)が係合して保持筒(402)を上下摺動自在に回動不能に案内するガイド溝(473)を軸線に長く穿設し、上部に連結部(431)を設けた合成樹脂製の連結筒(403)と、該連結筒(403)下端に回動自在に脱落不能に連結し、前記保持筒(402)の脚筒(422)内に侵入するネジ棒(428)を立設し、該ネジ棒(428)の外側壁に前記脚筒(422)の左雌ネジ(451)と螺合する左雄ネジ(423)を螺設した合成樹脂製の身筒(405)と、前記連結筒(403)の連結部(431)に連結し、前記棒状化粧料(401)及び保持皿(421)を上下摺動自在に内装した金属製のスリーブ(404)から成り、連結筒(403)及びスリーブ(404)と身筒(405)の相対回転により保持筒(402)を上下摺動させる繰り出し機構部(A4)を構成し、
前記連結筒(403)の連結部(431)側壁に、連結部(431)上端に開溝し、一方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部(436)となり終端する連結溝(435)を刻設し、スリーブ(404)下部の、連結部(431)に嵌合する被嵌部(442)内側壁に連結突部(443)を突設し、該連結突部(443)を連結溝(435)のポケット部(436)に着脱自在に係合させ、連結筒(403)とスリーブ(404)を連結することを特徴とする棒状化粧料繰り出し容器。
【請求項5】
前記連結筒(103~503)の連結部(131~431)の下方に、弾性を有するスプリング片(171~571)を刻設し、該スプリング片(171~571)の当接部(172~572)に前記スリーブ(104~404)の下端を当接させ、スプリング片(171~571)の弾発力により前記スリーブ(104~404)の連結突部(143~443)を連結溝(135~435)のポケット部(136~436)の上端に当接させたことを特徴とする請求項1~請求項4、いずれかの項記載の棒状化粧料繰り出し容器。
【請求項6】
前記連結筒(103~403)の連結溝(135~435)に、下方向に傾斜し、ポケット部(136~436)に連続したカム部(137~437)を設け、スリーブ(104~404)と連結筒(103~403)の相対回転により連結突部(143~443)をポケット部(136~436)に係合可能としたことを特徴とする請求項5記載の棒状化粧料繰り出し容器。
【請求項7】
前記連結筒(303)上端に、前記スリーブ(304)の棒状化粧料(301)及び保持皿(321)を収納する収納部(341)の下端に回動自在に嵌合するボス部(377)を突設し、該ボス部(377)と収納部(341)の嵌合及び連結部(331)と被嵌部(342)の嵌合によりスリーブ(304)を保持させることを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれかの項記載の棒状化粧料繰り出し容器。
【請求項8】
前記連結筒(103~403)の連結溝(135~435)の屈曲方向が左ネジ方向であり、前記保持筒(102~402)が上昇限の状態で、スリーブ(104~404)を押し下げながらさらに繰り上げ操作を続行すると、連結突部(143~443)と連結溝(135~435)の係合が外れ、スリーブ(104~404)を離脱できることを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれかの項記載の棒状化粧料繰り出し容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口紅、リップクリーム、スティックファンデーションなどの棒状化粧料を、繰り出して使用する棒状化粧料繰り出し容器の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年においては、地球環境等の問題から、容器を分別して廃棄するリサイクルへの関心が高まっている。口紅、リップクリーム、スティックファンデーションなどの棒状化粧料繰り出し容器も同様にリサイクル性が求められていた。
【0003】
しかし、従来の棒状化粧料繰り出し容器は、外部に露出する部分に意匠性の高い金属素材を使用する場合があった。また、容器内部にある棒状化粧料を繰り出す繰り出し機構部には、成型性、摺動性の良さから合成樹脂素材を使用していた。これら外装部と機構部は、使用中に分解してしまわないよう、強固に組付けられていた。そのため、棒状化粧料繰り出し容器を廃棄する場合分解し難く、金属部材を分別してリサイクルするのは大変困難であった。
【0004】
外装部より機構部を抜き取り可能にすれば、外装部が全て金属の場合には外装部のみをリサイクルできるのではあるが、機構部は一部分が外部に露出するためその部分を覆う金属部材が組付けられている場合があった。特許文献1及び2に於いては、機構部(特許文献1は内筒部11、特許文献2は身筒4)を覆うのは金属製のスリーブ(特許文献1は10、特許文献2は13)であり、スリーブ(10、13)の下部に内周リブ(係合用溝部10b、21b)を突設し、機構部(内筒部11、身筒4)に内周リブ(係合用溝部10b、21b)が回動自在に係合する引掛り部(被係合用溝部17a、係合凹部33)を設け、スリーブ(10、13)と機構部(内筒部11、身筒4)を回転自在に脱落不能に連結していた。そのため、機構部(内筒部11、身筒4)よりスリーブ(10、13)を取り外すのには無理があった。
【0005】
そこで特許文献1に於いては、合成樹脂製の機構部(内筒部11)の下端より一対の切欠き部(20)を切欠いている。この切欠き部(20)は、引掛り部(被係合用溝部17a)を超えて仕切り壁(21)より上方に達し、仕切り壁(21)を2つに分割している。そして、スリーブ(10)下端より突出した機構部(内筒部11)の基部(太径係合部18)を摘まみ、内方向に変形させる事により引掛り部(被係合用溝部17a)を縮径させて金属製のスリーブ(10)を容易に取外しできるようにしていた。
【0006】
また、特許文献2に於いては、合成樹脂製の機構部(身筒4)の引掛り部(係合凹部33)の上側の引掛り(フック32)を別パーツ、径方向に出没自在とし、引掛り(フック32)を内方向に引き込ませて金属製のスリーブ(13)を容易に取外しできるようにしていた。
【0007】
また、特許文献3に於いては、合成樹脂製の機構部(内筒体3)にラセン溝(螺溝4a)を螺設した合成樹脂製のラセン筒(外筒体4)を回転自在に保持し、金属製のスリーブ(7)は、ラセン筒(外筒体4)を内部に回転不能に圧入試着している。この圧入力は、通常使用状態以上の力で、引き抜けるようにしておけば、特別な機構を設けずとも金属製のスリーブ(13)を容易に取外しできる。
【0008】
以上、特許文献1~3に於いて、繰り出し機構部のうち、唯一金属製部材であるスリーブ(10,13,7)を、通常使用状態以外の操作で容易に取外し可能としたため、棒状化粧料繰り出し容器を廃棄する際、金属製部材と合成樹脂製部材とが分別でき、金属製部材をリサイクルできた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10-108728号公報
【特許文献2】特開2002-348号公報
【特許文献3】特開2003-38245号公報
【特許文献4】実全昭59-101914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、金属製部材をリサイクルできる、特許文献1~3に記載されているスリーブ取外し方法は、繰り出し機構部の引掛り部とスリーブの内周リブが回動自在に係合している構成(特許文献1及び2)、スリーブ内面に繰り出し機構部の一部であるラセン筒を圧入止着した構成(特許文献3)に対して有効であり、それ以外の構成、例えば、特許文献4の、スリーブ(2)の下部に機構部(ガイド筒6)を止着した構成に対して実施する事は困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
棒状化粧料101を保持する保持皿121の下端より脚筒122が垂下し、この脚筒122の下部外側壁に螺合突部123を突設した合成樹脂製の保持筒102と、この保持筒102の脚筒122が挿入され、側壁に前記螺合突部123が貫通して保持筒102を回動不能に摺動自在に案内するガイド溝173を軸線に長く穿設し、上部に連結部131を設けた合成樹脂製の連結筒103と、この連結筒103を回動自在に脱落不能に保持し、内側壁に前記ガイド溝173を貫通した螺合突部123が螺合する左ネジ状のラセン溝151を螺設した合成樹脂製の身筒105と、前記連結筒103の連結部131に連結し、前記棒状化粧料101及び保持皿121を上下摺動自在に内装した金属製のスリーブ104から成り、連結筒103及びスリーブ104と身筒105の相対回転により保持筒102を上下摺動させる繰り出し機構部A1を構成し、前記連結筒103の連結部131側壁に、連結部131上端に開溝し、一方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部136となり終端する連結溝135を刻設し、スリーブ104下部の、連結部131に嵌合する被嵌部142内側壁に連結突部143を突設し、この連結突部143を連結溝135のポケット部136に着脱自在に係合させ、連結筒103とスリーブ104を連結する。
【0012】
または、棒状化粧料201を保持する保持皿221の下端よりネジ棒222を垂下し、このネジ棒222の外側壁に左雄ネジ223を螺設した合成樹脂製の保持筒202と、この保持筒202のネジ棒222が挿入され、内側壁にネジ棒222の左雄ネジ223が螺合する左雌ネジ251を螺設し、外側壁に右雄ネジ292を螺設した合成樹脂製のネジ筒210と、このネジ筒210が回動自在に挿入され、内側壁に前記ネジ筒210の右雄ネジ292が螺合する右雌ネジ274を螺設し、上部に連結部231を設けた合成樹脂製の連結筒203と、この連結筒203下部に回動自在に脱落不能に連結し、前記ネジ筒210が回動不能に上下摺動自在に挿入された合成樹脂製の身筒205と、前記連結筒203の連結部231に連結し、前記棒状化粧料201及び保持皿221を上下摺動自在に内装した金属製のスリーブ204から成り、連結筒203及びスリーブ204と身筒205の相対回転により保持筒202を上下摺動させる繰り出し機構部A2を構成し、前記連結筒203の連結部231側壁に、連結部231上端に開溝し、一方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部236となり終端する連結溝235を刻設し、スリーブ204下部の、連結部231に嵌合する被嵌部242内側壁に連結突部243を突設し、この連結突部243を連結溝235のポケット部236に着脱自在に係合させ、連結筒203とスリーブ204を連結する。
【0013】
または、棒状化粧料301を保持する保持皿321の下端よりネジ棒322を垂下し、このネジ棒322外側壁に左雄ネジ323を螺設した合成樹脂製の保持筒302と、この保持筒302のネジ棒322が回動不能に上下摺動自在に貫通するガイド穴373を穿設し、上部に連結部331を設けた合成樹脂製の連結筒303と、この連結筒303下部に回動自在に脱落不能に連結し、前記保持皿302のネジ棒322の左雄ネジ323が螺合する左雌ネジ351を螺設した合成樹脂製の身筒305と、前記連結筒303の連結部331に連結し、前記棒状化粧料301及び保持皿321を上下摺動自在に内装した金属製のスリーブ304から成り、連結筒303及びスリーブ304と身筒305の相対回転により保持筒302を上下摺動させる繰り出し機構部A3を構成し、前記連結筒303の連結部331側壁に、連結部331上端に開溝し、一方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部336となり終端する連結溝335を刻設し、スリーブ304下部の、連結部331に嵌合する被嵌部342内側壁に連結突部343を突設し、この連結突部343を連結溝335のポケット部336に着脱自在に係合させ、連結筒303とスリーブ304を連結する。
【0014】
または、棒状化粧料401を保持する保持皿421の下端より脚筒422を垂下し、この脚筒422の下部外側壁に回動防止片426を、下部内側壁に左雌ネジ451をそれぞれ設けた保持筒402と、この保持筒402の脚筒422が摺動自在に挿入され、側壁に前記回動防止片426が係合して保持筒402を上下摺動自在に回動不能に案内するガイド溝473を軸線に長く穿設し、上部に連結部431を設けた合成樹脂製の連結筒403と、この連結筒403下端に回動自在に脱落不能に連結し、前記保持筒402の脚筒422内に侵入するネジ棒428を立設し、このネジ棒428の外側壁に前記脚筒422の左雌ネジ451と螺合する左雄ネジ423を螺設した合成樹脂製の身筒405と、前記連結筒403の連結部431に連結し、前記棒状化粧料401及び保持皿421を上下摺動自在に内装した金属製のスリーブ404から成り、連結筒403及びスリーブ404と身筒405の相対回転により保持筒402を上下摺動させる繰り出し機構部A4を構成し、前記連結筒403の連結部431側壁に、連結部431上端に開溝し、一方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部436となり終端する連結溝435を刻設し、スリーブ404下部の、連結部431に嵌合する被嵌部442内側壁に連結突部443を突設し、この連結突部443を連結溝435のポケット部436に着脱自在に係合させ、連結筒403とスリーブ404を連結する。
【0015】
そして、前記連結筒103~503の連結部131~431の下方に、弾性を有するスプリング片171~571を刻設し、このスプリング片171~571の当接部172~572に前記スリーブ104~404の下端を当接させ、スプリング片171~571の弾発力により前記スリーブ104~404の連結突部143~443を連結溝135~435のポケット部136~436の上端に当接させても良い。
【0016】
また、前記連結筒103~503の連結溝135~435には、下方向に傾斜し、ポケット部136~436に連続したカム部137~437を設け、スリーブ104~404と連結筒103~503の相対回転により連結突部143~443をポケット部136~436に係合可能としても良い。
【0017】
また、前記連結筒303の上端に、前記スリーブ304の棒状化粧料301及び保持皿321を収納する収納部341の下端に回動自在に嵌合するボス部377を突設し、このボス部377と収納部341の嵌合及び連結部331と被嵌部342の嵌合によりスリーブ304を保持させてもよい。
【0018】
また、前記連結筒103~503の連結溝135~435の屈曲方向が左ネジ方向であり、前記保持筒102~402が上昇限の状態で、スリーブ104~404を押し下げながらさらに繰り上げ操作を続行すると、連結突部143~443と連結溝135~435の係合が外れ、スリーブ104~404を離脱できるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は以上のように、棒状化粧料101~401を繰り上げ下げする繰り出し機構をスリーブ104~404の下方に設けた機構部A1~A4を有しており、この機構部A1~A4の金属製のスリーブ104~404は、合成樹脂製の連結筒103~503と係合し結合している。そのため、この結合を外すことによって、簡単にスリーブ104~404を機構部A1~A4より取り外せ、合成樹脂製素材と金属製素材に簡単に分離できるようになっている。
【0020】
このスリーブ104~404の連結突部143~443と連結筒103~503の連結溝131~431の係合力は、連結突部143~443が連結溝131~431上方に屈曲したポケット部136~436に係合し、スプリング片171~571により上方に押し付けられているため、通常の繰り上げ下げ操作での回転トルクでは緩むことがない。
【0021】
さらに、スリーブ104~404の下部に繰り出し機構を設けた機構部A1~A4は、スリーブ104~404と身筒105~405を時計回りに相対回転させることにより棒状化粧料101~401を繰り出せる左ネジ機構であり、スリーブ104~404の連結突部143~443と係合し結合させている連結筒103~503の連結溝135~435も同じ左ネジ方向に屈曲している。したがって、棒状化粧料101~401の上昇限のとき、さらにスリーブ101~401を繰り出し方向に回転させることによって、はじめて連結筒103~503とスリーブ104~404の係合が外れ、スリーブ104~404が分離できる。
【0022】
加えて、スリーブ104~404の下部に繰り出し機構を設けた機構部A1~A4は、収納した棒状化粧料101~401を所要量繰り出して塗布する使用方法が主であり、棒状化粧料101~401を上昇限まで繰り上げるのは棒状化粧料101~401を使い切ってしまったときに限られる。したがって、本発明の棒状化粧料繰り出し容器は、棒状化粧料101~401を使い切って廃棄しようとするときに、スリーブ104~404の離脱操作が行えるようになっており、不用意にスリーブ104~404が脱落してしまう様なことは起こらない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明実施例1の棒状化粧料繰り出し容器の、棒状化粧料収納状態の正面断面図である。
図2】本発明実施例1の棒状化粧料繰り出し容器の、図1に於ける側面断面図である。
図3】本発明実施例1の棒状化粧料繰り出し容器の、スリーブ分別時の保持皿の位置を示す正面断面図である。
図4】本発明実施例1の棒状化粧料繰り出し容器の、外装体より機構部を分離した際の斜視図である。
図5】本発明実施例1の棒状化粧料繰り出し容器の、機構部よりスリーブを分離した際の斜視図である。
図6】本発明実施例2の棒状化粧料繰り出し容器の、棒状化粧料収納状態の正面断面図である。
図7】本発明実施例2の棒状化粧料繰り出し容器の、スリーブ分別時の保持皿の位置を示す正面断面図である。
図8】本発明実施例2の棒状化粧料繰り出し容器の、機構部よりスリーブを分離した際の、ポケット部及び当接部を正面とした半断面図である。
図9】本発明実施例3の棒状化粧料繰り出し容器の、棒状化粧料収納状態の正面断面図である。
図10】本発明実施例3の棒状化粧料繰り出し容器の、図9に於ける側面断面図である。
図11】本発明実施例3の棒状化粧料繰り出し容器の、スリーブ分別時の保持皿の位置を示す側面断面図である。
図12】本発明実施例3の棒状化粧料繰り出し容器の、機構部よりスリーブを分離した際の斜視図である。
図13】本発明実施例4の棒状化粧料繰り出し容器の、棒状化粧料収納状態の正面断面図である。
図14】本発明実施例4の棒状化粧料繰り出し容器の、スリーブ分別時の保持皿の位置を示す側面断面図である。
図15】本発明実施例4の棒状化粧料繰り出し容器の、機構部よりスリーブを分離した際の側面半断面図である。
図16】本発明実施例棒状化粧料繰り出し容器の、その他の実施例の連結筒の斜視図。
【実施例0024】
本発明実施例1の棒状化粧料繰り出し容器を図1図5によって説明する。まず、本発明実施例1の棒状化粧料繰り出し容器は、棒状化粧料101及び棒状化粧料101の繰り出し機構を内装した機構部A1と、この機構部A1を装着する外装体B1とより成っている。機構部A1は、保持筒102、連結筒103、スリーブ104、身筒105及びストッパーリング106より成っている。以下、詳細を説明する。
【0025】
保持筒102は合成樹脂製で、上端に棒状化粧料101の下端を保持するカップ状の保持皿121を有している。この保持皿121の下端よりは、脚筒122を垂下している。この脚筒122の下部側壁に、螺合突部123を設けている。この螺合突部123は、軸線を中心に180度間隔、2か所に設けている。この螺合突部123の間には、下端より軸線方向に切欠き124を設けている。この切欠き124も一対設けられ、螺合突部123が内方向に窄まり可能になっている。更にこの脚筒122の内側壁、切欠き124上方には、水平に内周リブ125を突設している。この保持筒102の脚筒122は、連結筒103内に上下摺動自在に挿入され、保持皿121は連結筒103上端に当接している。
【0026】
この連結筒103は合成樹脂製で、上下に開口したパイプ状をしている。この連結筒103の上部は連結部131になっており、連結部131の下方に上部鍔部132を、連結筒103の下端外周壁には下部鍔部133を、それぞれ設け、この上部鍔部132と下部鍔部133の間に保持部134を構成している。
【0027】
前記連結部131の外側壁には連結溝135を刻設している。この連結溝135の一方の端部は連結筒103の上端面に開溝し、左ネジ方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部136となり終端となる。この連結溝135の上側は、下方向に傾斜し、ポケット部136に連続したカム部137になっている。尚この連結溝135は、連結部131の側壁に、180度間隔で2か所に設けられている。(図5参照)
【0028】
この連結溝135の下方側壁には、上部窓部138及び下部窓部139が上下に設けられ、間にスプリング片171を構成している。このスプリング片171は、上方に向かって湾曲しており、弾性を有して変形可能となっている。このスプリング片171は、前記上部鍔部132の一部を構成しており、スプリング片171の最上位部位は、当接部172になっている。これら上部窓部138、下部窓部139、スプリング片171、及び当接部172は、180度間隔で2か所に設けられている。そして同じように180度間隔で2か所に設けられた連結溝135のポケット部136と、当接部172とは、約90度ずれて配置している。(図5参照)
【0029】
また、前記保持部134には、軸線方向に長くガイド溝173を穿設している。このガイド溝173は、円周2か所に設けられており、前記脚筒122の螺合突部123が貫通して保持筒134を連結筒103内で回動不能に上下摺動自在に案内している。この連結筒103の連結部131は、スリーブ104の下端より挿入され、保持皿121がスリーブ104内に上下摺動自在に内装されている。
【0030】
このスリーブ104は、アルミニウム製で、上下に開口したパイプ状をしている。このスリーブ104は、棒状化粧料101及び保持筒102の保持皿121が収納される収納部141と、前記連結筒103の連結部131に嵌合する被嵌部142になっている。この被嵌部142の下端は、連結筒103のスプリング片171の当接部172に当接している。また、被嵌部142の内径は、上方の収納部141内径よりも大径になっている。この被嵌部142の内壁には、連結突部143を突設している。この連結突部143の高さは、前記収納部141の内径と同じであり、前記保持皿121のスリーブ104内への挿入の妨げとはならない。(図1及び図3参照)
【0031】
この連結突部143は、連結筒103の連結部131の連結溝135に突入するようになっている。最終的にこの連結突部143は連結溝135のポケット部136に侵入、スプリング片171の弾性でポケット部136の上端に当接した時点で係合する。この時、スプリング片171の弾性(負荷)は最小となる。
【0032】
また、連結筒103の保持部134には、身筒105を回動自在に保持している。この身筒105は合成樹脂製で、連結筒103の上部鍔部138と下部鍔部139の間に挟持され、上下動しないようになっている。身筒105の内側壁には、前記保持部134のガイド溝173を貫通した保持筒102の螺合突部123が螺合する左雌ネジ状のラセン溝151を螺設している。また、身筒105の下部外側壁全周には、軸線と平行に無数の縦状ローレット152を刻設している。この縦状ローレット152の下方外周壁には、水平方向に凹溝153を刻設している。
【0033】
そして、身筒105を保持してスリーブ104を時計方向に回転操作(右回転)すると、保持筒102の螺合突部123が回転するスリーブ104に連結された連結筒103のガイド溝173を貫通して回転しない身筒105のラセン溝151に螺合しているため、螺合作用により保持筒102が上昇する。そして、図3に示すように螺合突部123が身溝136の上端に当接して保持筒102の上昇限、図1及ぶ図2に示すようにガイド溝136の下端に当接して保持筒102の下降限となる。
【0034】
また、脚筒122下方よりは、ストッパーリング106が挿入されている。このストッパーリング106は合成樹脂製で外周壁には、前記脚筒122の内周リブ125が係合してストッパーリング106を脱落不能に保持する係合溝161を周設している。このストッパーリング106は、脚筒122内に止着された時、脚筒122の螺合突部123を突設した部位の内方向への湾曲を阻止するようになっている。
【0035】
以上が機構部A1であるが、機構部A1を組み立てる際、保持筒102の脚筒122の下端部分を内側に湾曲させて連結筒103内に挿入し、螺合突部123を連結筒103のガイド溝173を貫通させ、身筒105のラセン溝151に螺合させる。保持筒102の組付け後、脚筒122の後部にストッパーリング106を挿入し、内周リブ125と係合溝161を係合止着すれば、脚筒122下端が内方向に湾曲不能となり、螺合突部123とガイド溝173の係合、螺合突部123とラセン溝151の螺合が外れなくなる。
【0036】
また、スリーブ104の連結筒103への組付け時、スリーブ104の連結突部143を連結筒103の連結部131の連結溝135に突入させる。スリーブ104の下端が連結部131のスプリング片171の当接部172に当接した時点で、連結筒103に対してスリーブ104を反時計方向に回転させると、連結突部143はカム部137に当接し、カム部137に沿ってスプリング片171を圧縮、スリーブ104を降下させながら移動、ポケット部136に突入する。そして、スプリング片171の弾性でポケット部136の上端に当接した時点で係合する。最終的に、連結突部143がポケット部136の上端に当接した時点でスリーブ104下端はスプリング片171の当接部172に触れているか、僅かに押圧している状態、スプリング片171への負荷が最小となっている。
【0037】
このスリーブ104の連結突部143は、連結筒103の連結溝135内のポケット部136に係合し、スプリング片171の弾性によりポケット部136の上端に押し付けられている。したがって、保持筒102の上昇限から下降限の範囲での繰り上げ下げ操作でスリーブ104と連結筒103の間にかかる応力では緩むことがない。保持筒102が上昇限(図2の状態)になると、スリーブ104と身筒105の相対回転が不能となり、スリーブ104の回転力はスリーブ104と連結筒103の間にかかる。この状態で、スリーブ104を押し下げたままスリーブ104の回転操作を続行すると、連結突部143がポケット部136から脱出した後、連結突部143と連結溝135の係合を解除でき、図5のように、スリーブ104が離脱する様になっている。
【0038】
外装体B1は、キャップ107、中筒108及び本体筒109より成っている。本体筒109は有底筒状をしており、上部に中筒108を止着している。この中筒108の上端部は本体筒109より突出してキャップ107を抜脱自在に嵌合する嵌合部181になっている。また、中筒108の嵌合部181下方は、本体筒109内に止着する止着部182になっている。この止着部182下方は、前記機構部A1の身筒105下部を保持する装着部183となっている。この装着部183の内側壁には、前記身筒105の縦状ローレット152に係合する縦リブ184を突設している。さらに、前記身筒105の凹溝153に係合する係合突部185を突設している。その結果、縦状ローレット152と縦リブ184が係合して外装体B1に身筒105が回動不能に、凹溝153と係合突部185が係合して外装体B1に身筒105が抜脱不能にそれぞれ係合保持され、結果機構部A1と外装体B1が連結している。
【実施例0039】
本発明実施例2の棒状化粧料繰り出し容器を図6図8によって説明する。本発明実施例2の棒状化粧料繰り出し容器は、棒状化粧料201及び棒状化粧料201を内装した機構部A2と、この機構部A2を装着する外装体B2とより成っている。機構部A2は、保持筒202、身筒205、スリーブ204、ネジ筒210及び連結筒203より成っている。以下、詳細を説明する。
【0040】
保持筒202は合成樹脂製で、上端に棒状化粧料201の下端を保持するカップ状の保持皿221を有している。この保持皿221の外周壁には複数の回動防止片226を均等に配置して突設しており、下端よりはネジ棒222を垂下している。このネジ棒222の外周壁には、左ネジ状の左雄ネジ223を螺設している。この保持筒202のネジ棒222は、ネジ筒210内に上下摺動自在に挿入され、保持皿221はネジ筒210上端に当接している。
【0041】
このネジ筒210は合成樹脂製で、上下に開口したパイプ状をしている。このネジ筒210の内側壁には、前記保持筒202のネジ棒222の左雄ネジ223と螺合する左ネジ状の左雌ネジ251を突設している。また、ネジ筒210の下部外周壁には、複数の係合リブ291を突設している。この係合リブ291の上部外側壁には、右ネジ状の右雄ネジ292を螺設している。このネジ筒210の下部は身筒205に、上部は連結筒203に、それぞれ摺動自在に挿入されている。
【0042】
この身筒205は合成樹脂製で内周壁には、前記ネジ筒210の係合リブ291が係合して、ネジ筒210を回動不能に摺動自在に案内する案内溝254を軸線方向に長く刻設している。また、身筒205の上部には、小径の保持部234を設けている。この保持部234の外側壁には、周溝255を刻設している。この保持部234の下方は基部256となり、基部276の外側壁には、水平方向に凹溝253を刻設している。この凹溝253の下方外周壁には、軸線と平行に無数の縦状ローレット252を刻設している。
【0043】
連結筒203は、合成樹脂製でパイプ状をしている。この連結筒203の上部には、連結部231を設けている。この連結部231の内側壁には、前記ネジ筒210の右雄ネジ292に螺合する右ネジ状の右雌ネジ274を突設している。また連結部231の下方は、内径が拡大し、前記身筒205の保持部234に嵌合する外嵌部275を設けている。この外嵌部275の内側壁には、前記身筒205の保持部234の周溝255と係合して身筒205と連結筒203を回動自在に脱落不能に係合保持する凸部276を突設している。この連結部231と外嵌部275の間には段部232を構成している。
【0044】
また、連結部231の外側壁には連結溝235を刻設している。この連結溝235の一方の端部は連結筒203の上端面に開溝し、左ネジ方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部236となり終端となっている。この連結溝235の上側は、下方向に傾斜し、ポケット部236に連続したカム部237になっている。尚、この連結溝235は、連結部231の側壁1か所に設けられている。(図8参照)
【0045】
さらに、この連結溝235の下方側壁、連結部231の下部側壁には、上部窓部238を、外嵌部178上部側壁には下部窓部239が上下に設けられ、間にスプリング片271を構成している。このスプリング片271は、上方に向かって湾曲しており、弾性を有して変形可能となっている。このスプリング片271は、前記段部232の一部を構成しており、スプリング片271の最上位部位は、段部232より上方に突出して当接部272になっている。これら上部窓部238、下部窓部239、スプリング片271、及び当接部272は、1か所に設けられている。そして同じように1か所に設けられた連結溝235のポケット部236と、当接部272とは、軸線と平行に直列に並んでいる。この連結筒203の連結部231及び保持筒202の保持皿221はスリーブ204の下端より挿入されている。(図8参照)
【0046】
このスリーブ204は、アルミニウム製で、上下に開口したパイプ状をしている。このスリーブ204は、棒状化粧料201及び保持筒202の保持皿221が収納される収納部241と、前記連結筒203の連結部231に嵌合する被嵌部242になっている。この収納部241の内側壁には、前記保持皿221の回動防止片226が係合して保持筒202を回動不能に上下摺動自在に案内するガイド溝273を軸線方向に長く刻設している。このガイド溝273は、前記保持皿221の回動防止片226に対応しており、スリーブ204内周壁に回動防止片226の整数倍本設けられ、結果、スリーブ204内周壁にはガイド溝273と非溝部243とが交互に設けられている。(図8参照)
【0047】
被嵌部242の下端は、連結筒203のスプリング片271の当接部272に当接している。この被嵌部242の内径は、前記収納部241のガイド溝273の内径とほぼ同径となっている。この被嵌部242の内壁には、連結突部243を突設している。この連結突部243の高さは、前記非溝部244の内径よりも突出しておらず、前記保持皿221のスリーブ204内への挿入の妨げとはならない。この連結突部243は、連結筒203の連結部231の連結溝235に突入するようになっている。最終的にこの連結突部143は連結溝135のポケット部136に侵入、スプリング片171の弾性でポケット部136の上端に当接した時点で係合し、連結筒203とスリーブ204を一体化する。この時、スプリング片171の弾性(負荷)は最小となる。(図6図7参照)
【0048】
以上が機構部A2であるが、身筒205を保持してスリーブ204を時計方向に回転操作(右回転)すると、保持筒202は保持皿221の回動防止片226がスリーブ204のガイド溝273に係合しているためスリーブ204の回転に従動する。ネジ筒210は係合リブ291が身筒205の案内溝254に係合しているため身筒205の回転に従動する。その結果、回転する保持筒202のネジ棒222の左雄ネジ223が、回転しないネジ筒210の左雌ネジ251と螺合しているため、螺合作用により保持筒202が上昇する。
【0049】
同時に連結筒203は、スリーブ204の連結突部243が、連結筒203の連結溝235のポケット部236に係合して一体化しているため、スリーブ204の回転に従動する。その結果、回転する連結筒203の右雌ネジ274が、前記回転しないネジ筒210の右雄ネジ292と螺合しているため、螺合作用によりネジ筒210が上昇する。この保持筒202の上昇とネジ筒210の上昇との複合作用により、棒状化粧料201が繰り出される。そして、図に示すように回動防止片226がガイド溝273の上端に当接して保持筒202の上昇限、図に示すように保持皿221の下端がネジ筒210、連結筒203の上端に当接して保持筒202の下降限となる。
【0050】
また、スリーブ204の連結筒203への組付け時、スリーブ204の連結突部243を連結筒203の連結部231の連結溝235に突入させる。スリーブ204の下端がスプリング片271の当接部272に当接した時点で、連結筒203に対してスリーブ204を反時計方向に回転させると、連結突部243はカム部237に当接し、カム部237に沿ってスプリング片271を圧縮、スリーブ204を降下させながら移動、ポケット部236に突入する。そして、スプリング片271の弾性でポケット部236の上端に当接した時点で係合する。最終的に、連結突部243がポケット部236の上端に当接した時点でスリーブ204下端はスプリング片271の当接部272に触れているか、僅かに押圧している状態となっている。
【0051】
このスリーブ204の連結突部243は、連結筒203の連結溝235内のポケット部236に係合し、スプリング片271の弾性によりポケット部236の上端に押し付けられている。従って、保持筒202の上昇限から下降限の範囲での繰り上げ下げ操作でスリーブ204と連結筒203の間にかかる応力では緩むことがない。ここで、保持筒202が上昇限(図6の状態)になると、スリーブ204と身筒205の相対回転が不能となり、スリーブ204の回転力はスリーブ204と連結筒203の間にかかる。この状態で、スリーブ204を押し下げたままスリーブ204の回転操作を続行すると、連結突部243がポケット部236から脱出した後、連結突部243と連結溝235の係合を解除でき、図7のように、スリーブ204が離脱する様になっている。この時、スリーブ204のガイド溝236に係合した保持筒202もネジ筒210に対して回転し、保持筒202のネジ棒222とネジ筒210の螺合が外れ、保持筒202も離脱する。
【0052】
外装体B2は、キャップ207、中筒208及び本体筒209より成っている。本体筒209は有底筒状をしており、上部に中筒208を止着している。この中筒208の上端部は本体筒209より突出してキャップ207を抜脱自在に嵌合する嵌合部281になっている。また、中筒208の嵌合部281下方は、本体筒209内に止着する止着部282になっている。この止着部282下方は、前記機構部A2の身筒205の基部256を保持する装着部283となっている。この装着部283の内側壁には、前記基部256の縦状ローレット252に係合する縦リブ284を突設している。さらに、前記基部256の凹溝253に係合する係合突部285を突設している。その結果、縦状ローレット252と縦リブ284が係合して外装体B2に身筒205が回動不能に、凹溝253と係合突部285が係合して外装体B2に身筒205が抜脱不能にそれぞれ係合保持され、結果機構部A2と外装体B2が連結している。
【実施例0053】
本発明実施例3の棒状化粧料繰り出し容器を図9図12によって説明する。まず、本発明実施例3の棒状化粧料繰り出し容器は、棒状化粧料301及び棒状化粧料301の繰り出し機構を内装した機構部A3と、この機構部A3を装着する外装体B3とより成っている。機構部A3は、保持筒302、連結筒303、スリーブ304、及び身筒305より成っている。以下、詳細を説明する。
【0054】
保持筒302は合成樹脂製で、上端に棒状化粧料301の下端を保持するカップ状の保持皿321を有している。この保持皿321の下面よりは、円柱状のネジ棒322が垂下している。このネジ棒322の外側壁には、左雄ネジ323を螺設している。また、円柱状のネジ棒322の側面を上下に削除して一対の平面状の回り止め部326を構成している。この回り止め部326間の幅は、前記左雄ネジ323の谷径と同径以下になっている(図12参照)。この回り止め部326の下部外側壁には、抜け止め突部327を突設している。この抜け止め突部327は、前記左雄ネジ323の延長線上に設けられ、左雄ネジ323の一部となっている。この保持筒302のネジ棒322は、連結筒303内に上下摺動自在に挿入され、保持皿321は連結筒303上端に当接している。
【0055】
この連結筒303は合成樹脂製で、上下に開口したパイプ状をしている。この連結筒303の上側開口部は、前記保持筒302のネジ棒322の横断面形状(本実施例に於いては略トラック形状)より僅かに大き目な相似形状のガイド穴373を穿設している。その結果、保持筒302を上下摺動自在に、回動不能に案内している。また、ガイド穴373にネジ棒322を挿入する際、ネジ棒322の抜け止め突部327を無理入れする事によって組付ける。この抜け止め突部327は左雄ネジの323の延長線上に設けられているため、ねじ込むことで無理入れすることができる。そして、ガイド穴373縁部に抜け止め突部327が当接して棒状化粧料301及び保持皿321の上昇限となり、保持皿321が連結筒303の上端に当接して棒状化粧料301及び保持皿321の下降限となる。(図12参照)
【0056】
また、連結筒303は上部より、ボス部377、連結部331、外嵌部375を連設している。このボス部377は、棒状化粧料301及び保持皿321の外径とほぼ同径となっている。このボス部377、連結部331、及び外嵌部375は、徐々に外径が拡大しており、ボス部377と連結部331間に段差378、連結部331と外嵌部375の間に段部332をそれぞれ構成している。また、外嵌部375は内径が拡大し、内側壁には凸部376を周設している。(図12参照)
【0057】
この連結部331の外側壁には連結溝335を刻設している。この連結溝335の一方の端部は連結筒303の上端の段差378に開溝し、左ネジ方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部336となり終端となっている。この連結溝335の上側は、下方向に傾斜し、ポケット部336に連続したカム部337になっている。尚、この連結溝335は、連結部331の側壁に、180度間隔で2か所に設けられている。(図12参照)
【0058】
さらに、この連結溝335の下方側壁、連結部331の下部側壁には、上部窓部338を穿設している。この上部窓部338の下方、外嵌部378上部側壁には下部窓部339を穿設して、上部窓部338との間にスプリング片371を構成している。このスプリング片371は、上方に向かって湾曲しており、弾性を有して変形可能となっている。このスプリング片371は、前記段部332の一部を構成しており、スプリング片371の最上位部位は、段部332より上方に突出して当接部372になっている。これら上部窓部338、下部窓部339、スプリング片371、及び当接部372は、180度間隔で2か所に設けられている。そして同じように180度間隔で2か所に設けられた連結溝335のポケット部336とは、当接部372が軸線と平行に直列に並んでいる。この連結筒303のボス部377、連結部331及び保持筒302の保持皿321はスリーブ304の下端より挿入されている。また、連結筒303の外嵌部372には、身筒305が嵌合している。(図12参照)
【0059】
スリーブ304はアルミニウム製で、上下に開口したパイプ状をしている。このスリーブ304は、棒状化粧料301、保持筒302の保持皿321及び連結筒303のボス部377が収納される収納部341と、この収納部341より内径が拡大し前記連結筒303の連結部331に嵌合する被嵌部342になっている。この被嵌部342の下端は、連結筒303のスプリング片371の当接部372に当接している。この被嵌部342の内壁には、連結突部343を突設している。この連結突部343の高さは、前記収納部341の内壁より突出しておらず、前記保持皿321及びボス部377のスリーブ304内への挿入の妨げとはならない(図9図10参照)。この連結突部343は、連結筒303の連結部331の上端に開溝した連結溝335に突入するようになっている。最終的にこの連結突部343は連結溝335のポケット部336に侵入、スプリング片371の弾性でポケット部336の上端に当接した時点で係合し、連結筒303とスリーブ304を一体化する。この時、スプリング片371の弾性(負荷)は最小となる。
【0060】
身筒305は合成樹脂製で、下部が基部356となり、上部は外径が縮小した保持部334となっている。この保持部334には、連結筒303の外嵌部375が嵌合している。この保持部334の外側壁には、前記外嵌部375内壁に設けられた凸部376と回動自在に、脱落不能に係合する周溝355を刻設している。基部356は、前記連結筒303の外嵌部375下方に露出している。この基部356の外側壁には、水平方向に凹溝353を刻設している。この凹溝353の下方外周壁には、軸線と平行に無数の縦状ローレット352を刻設している。また、身筒305の内周壁には、前記保持筒302のネジ棒322の左雄ネジ323と螺合する左雌ネジ351を螺設している。
【0061】
以上が機構部A3であるが、身筒305を保持してスリーブ304を時計方向に回転操作(右回転)すると、保持筒302はネジ棒322がスリーブ304と係合して従動する連結筒303のガイド穴373に係合しているためスリーブ304の回転に従動する。身筒305内の左雌ネジ351とネジ棒322の左雄ネジ323と螺合している結果、回転する保持筒302のネジ棒322の左雄ネジ323が、回転しない身筒305の左雌ネジ351と螺合しているため、螺合作用により保持筒302が上昇し、保持皿321に保持された棒状化粧料301が繰り出される。そして、図に示すように、ネジ棒322の抜け止め突部327が連結筒303のガイド穴373の下縁に当接して保持筒302の上昇限、図に示すように、保持皿321の下端が連結筒303に当接して保持筒302の下降限となる。
【0062】
このスリーブ304の連結突部343は、連結筒303の連結溝335内のポケット部336に係合し、スプリング片371の弾性によりポケット部336の上端に押し付けられている。したがって、保持筒302の上昇限から下降限の範囲での繰り上げ下げ操作でスリーブ304と連結筒303の間にかかる応力では緩むことがない。保持筒302が上昇限(図の状態)になると、スリーブ304と身筒305の相対回転が不能となり、スリーブ304の回転力はスリーブ304と連結筒303の間にかかる。この状態で、スリーブ304を押し下げたままスリーブ304の回転操作を続行すると、連結突部343がポケット部336から脱出した後、連結突部343と連結溝135の係合を解除でき、図のように、スリーブ304が離脱する様になっている。
【0063】
外装体B3は、キャップ307、中筒308及び本体筒309より成っている。本体筒309は有底筒状をしており、上部に中筒308を止着している。この中筒308の上端部は本体筒309より突出してキャップ307を抜脱自在に嵌合する嵌合部381になっている。また、中筒308の嵌合部381下方は、本体筒309内に止着する止着部382になっている。この止着部382下方は、前記機構部A3の身筒305の基部356を保持する装着部383となっている。この装着部383の下端は内径が窄まって、前記基部356の凹溝353に係合する係合部385を設けている。この係合部385には、凹溝353内の縦状ローレット352と係合する縦リブ384を複数条設けている。その結果、係合部385が凹溝353に係合して外装体B3に身筒305が抜脱不能に、縦状ローレット352に縦リブ384が係合して外装体B3に身筒305が回動不能にそれぞれ係合保持され、結果機構部A3と外装体B3が連結している。
【実施例0064】
本発明実施例4の棒状化粧料繰り出し容器を図13図15によって説明する。まず、本発明実施例4の棒状化粧料繰り出し容器は、棒状化粧料401及び棒状化粧料401の繰り出し機構を内装した機構部A4と、この機構部A4を装着する外装体B4とより成っている。機構部A4は、保持筒402、連結筒403、スリーブ404、及び身筒405より成っている。以下、詳細を説明する。
【0065】
保持筒402は合成樹脂製で、上端に棒状化粧料401の下端を保持するカップ状の保持皿421を有している。この保持皿421の下端よりは、脚筒422を垂下している。この脚筒422の下部側壁に、回動防止片426を突設している。この回動防止片426は、軸線を中心に180度間隔、2か所に設けている。この回動防止片426の間には、下端より軸線方向に切欠き424を設けている。この切欠き424も一対設けられ、回動防止片426が内方向に窄まり可能になっている。更にこの脚筒422の下端内側壁には、左雌ネジ451を螺設している。この左雌ネジ451は、切欠き424により分断されている。この保持筒402の脚筒422は、連結筒403内に上下摺動自在に挿入され、保持皿421は連結筒403上端に当接している。
【0066】
この連結筒403は合成樹脂製で、上下に開口したパイプ状をしている。この連結部403の下部は、内径が拡大した外嵌部475になっている。この外嵌部475の内側壁には、凸部476を周設している。この外嵌部475には、身筒405が嵌合している。
【0067】
この外嵌部475上方内側壁には、軸線と平行にガイド溝473を刻設している。このガイド溝473の上端は端部を有しており、外嵌部475に開溝している。このガイド溝473には、保持筒402の脚筒422の回動防止片426が係合し、保持筒402を上下摺動自在に、回動不能に案内している。なお、連結筒403に保持筒402の脚筒422を挿入する際、脚筒422の下端は切欠き424により窄めることが可能で、脚筒422の下端を窄めて連結筒403上方より挿入し、下端部が復元して回動防止片426をガイド溝473に係合させることができる。そして、ガイド溝473の上端に回動防止片426が当接して棒状化粧料401及び保持皿421の上昇限となり、保持皿421が連結筒403の上端に当接して棒状化粧料401及び保持皿421の下降限となる(図13図14参照)。
【0068】
この連結筒403の上部は連結部431となり、連結部431の下端外壁に段部432を構成している。この連結部431の外側壁には連結溝435を刻設している。この連結溝435の一方の端部は連結筒403の上端面に開溝し、左ネジ方向に屈曲した後、更に上方に屈曲してポケット部436となり終端となっている。この連結溝435の上側は、下方向に傾斜し、ポケット部436に連続したカム部437になっている。尚、この連結溝435は、連結部431の側壁に、180度間隔で2か所に設けられている。(図15参照)
【0069】
さらに、この連結溝435の下方、連結部431の下部側壁には、上部窓部438を貫通して穿設している。更にこの上部窓部438の、段部432を挟んだ下方側壁には下部窓部439を貫通して穿設して、上部窓部438との間にスプリング片471を構成している。このスプリング片471は、上方に向かって湾曲しており、上下方向に弾性を有して変形可能となっている。このスプリング片471は、前記段部432の一部を構成しており、スプリング片471の最上位部位は、段部432より上方に突出して当接部472になっている。これら上部窓部438、下部窓部439、スプリング片471、及び当接部472は、180度間隔で2か所に設けられている。なお、同じように180度間隔で2か所に設けられた連結溝435のポケット部436との関係であるが、ポケット部436と当接部472とが軸線と平行に直列に並んでいる。この連結筒403の連結部431及び保持筒402の保持皿421はスリーブ404の下端より挿入されている。(図15参照)
【0070】
スリーブ404はアルミニウム製で、上下に開口したパイプ状をしている。このスリーブ404は、棒状化粧料401、保持筒402の保持皿421が収納される収納部441と、この収納部441より内径が拡大し前記連結筒403の連結部431に嵌合する被嵌部442になっている。この被嵌部442の下端は、連結筒403のスプリング片471の当接部472に当接している。この被嵌部442の内壁には、連結突部443を突設している。この連結突部443の高さは、前記収納部441の内壁より突出しておらず、前記保持皿421のスリーブ404内への挿入の妨げとはならない(図12参照)。この連結突部443は、連結筒403の連結部431の上端に開溝した連結溝435に突入するようになっている。最終的にこの連結突部443は連結溝435のポケット部436に侵入、スプリング片471の弾性でポケット部436の上端に当接した時点で係合し、連結筒403とスリーブ404を一体化する。この時、スプリング片471の弾性(負荷)は最小となる。
【0071】
この身筒405は合成樹脂製で、基部456と、この基部456の上方に設けた保持部434と、この保持部434より立設したネジ棒428とより成っている。ネジ棒428は、前記保持筒402の脚筒422に下方より侵入しており、外側壁には前記脚筒422の左雌ネジ451と螺合する左雄ネジ423を螺設している。保持部434には、連結筒403の外嵌部475が嵌合している。この保持部435の外周壁には、前記外嵌部472の凸部473と回動自在に、脱落不能に係合する周溝455を刻設している。基部456は、前記連結筒403の下方に露出している。この基部456の外側壁には、水平方向に凹溝453を刻設している。この凹溝453の下方外周壁には、軸線と平行に無数の縦状ローレット452を刻設している。
【0072】
以上が機構部A4である。この機構部A4を組み立てる際、保持筒402の脚筒422の下端部分を内側に湾曲させたまま連結筒403内に上方より挿入し、回動防止片426を連結筒403のガイド溝473に係合させる。連結筒403に保持筒402を組付け後、身筒405を連結筒403下部より挿入し、身筒405のネジ棒428の左雄ネジ423と前記保持筒402の脚筒422内の左雌ネジ451に螺合させると、ネジ棒428が脚筒422の内部に位置し、脚筒422下端が内方向に湾曲不能となり、回動防止片426とガイド溝473の係合が外れなくなる。そして、身筒405の保持部434が連結筒403の外嵌部475に嵌合し、周溝455に凸部476が係合し、身筒405と連結筒403が回動自在に、脱落不能に連結する。
【0073】
そして、身筒405の基部456を保持してスリーブ404を時計方向に回転操作(右回転)すると、保持筒402はスリーブ404と係合して従動する連結筒403のガイド溝473に係合しているためスリーブ404の回転に従動する。保持筒402の脚筒422内の左雌ネジ451と身筒405のネジ棒428の左雄ネジ423と螺合している結果、回転する保持筒402と、回転しない身筒405が螺合しているため、螺合作用により保持筒402が上昇し、保持皿421に保持された棒状化粧料401が繰り出される。そして、図に示すように、保持筒402の回動防止片426が連結筒403のガイド溝473の上端に当接して保持筒402の上昇限、図に示すように、保持皿421が連結筒403の上端に当接して保持筒402の下降限となる。
【0074】
このスリーブ404の連結突部443は、連結筒403の連結溝435内のポケット部436に係合し、スプリング片471の弾性によりポケット部436の上端に押し付けられている。したがって、保持筒402の上昇限から下降限の範囲での繰り上げ下げ操作でスリーブ404と連結筒403の間にかかる応力では緩むことがない。保持筒402が上昇限(図の状態)になると、スリーブ404と身筒405の相対回転が不能となり、スリーブ404の回転力はスリーブ404と連結筒403の間にかかる。この状態で、スリーブ404を押し下げたままスリーブ404の回転操作を続行すると、連結突部443がポケット部436から脱出した後、連結突部443と連結溝435の係合を解除でき、図のように、スリーブ404が離脱する様になっている。
【0075】
外装体B4は、キャップ407、中筒408及び本体筒409より成っている。本体筒409は有底筒状をしており、上部に中筒408を止着している。この中筒408の上端部は本体筒409より突出してキャップ407を抜脱自在に嵌合する嵌合部481になっている。また、中筒408の嵌合部481下方は、本体筒409内に止着する止着部482になっている。この止着部482下方は、前記機構部A4の身筒405の基部456を保持する装着部483となっている。この装着部483の内側壁には、前記基部456の縦状ローレット452に係合する縦リブ484を突設している。さらに装着部483の内側壁には、前記基部456の凹溝453に係合する係合突部485を突設している。その結果、縦状ローレット452と縦リブ484が係合して外装体B4に身筒405が回動不能に、凹溝453と係合突部485が係合して外装体B4に身筒405が抜脱不能にそれぞれ係合保持されている。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明実施例に於いて棒状化粧料101~401を繰り出すための繰り出し機構は、実施例1ではラセン溝151と螺合突部123の組み合わせ、実施例2では左雄ネジ223と左雌ネジ251、及び右雄ネジ292と右雌ネジ274の組み合わせ、実施例3では左雄ネジ323と左雌ネジ351の組み合わせ、実施例4では左雄ネジ423と左雌ネジ451の組み合わせによりそれぞれ成っているように、左ネジを基本とした回転繰り出し機構が主となっている。そして、本発明実施例に於いては、スリーブ104~404と連結筒103~503を連結する連結溝135~435も同じ左ネジ方向(反時計方向)に屈曲している。したがって、棒状化粧料101~401の上昇限のとき、さらにスリーブ104~404を繰り出し方向に回転させることによって、はじめて身筒103~503とスリーブ104~404のネジ結合が外れ、スリーブ104~404が分離できるようになっている。
【0077】
もちろん、スリーブ104~404と連結筒103~503を連結する連結溝135~435を、棒状化粧料101~401を繰り出すための回転繰り出し機構の左ネジとは逆の右ネジ方向(時計方向)に屈曲させることも可能である。この場合、棒状化粧料101~401の下降限の位置でさらに繰り下げ方向にスリーブ104~404を回転させることにより、連結筒103~503とスリーブ104~404の係合が外れ、スリーブ104~404が分離できるようになる。
【0078】
本発明は、棒状化粧料容器の分別・廃棄を目的とするが、本発明明細書に於いては、特に棒状化粧料101~401の繰り出し機構を内装した機構部A1~A4の合成樹脂製部材と金属製部材の分解・分別方法を説明した。棒状化粧料容器には、機構部A1~A4のほかに、機構部A1~A4を覆う外装部B1~B4がある。この外装部B1~B4の構成部材の材質は明細書中に明記していないが、各部材の材質の混在具合によって外装部B1~B4の分別・廃棄の方法が異なる。以下に説明する。
【0079】
機構部A1~A4と外装体B1~B4を着脱可能とし、機構部A1~A4をカートリッジとした場合、機構部A1~A4を実施例のように合成樹脂製部材と金属製部材に分解・分別廃棄できる。この場合、外装体B1~B4は再利用でき、廃棄する必要がないので、外装体B1~B4の構成部材の材質は、合成樹脂、金属、及び合成樹脂、金属の組み合わせなど、自由に設定できる。
【0080】
外装体B1~B4は、基本的には分別できない廃棄である。ただし、外装体B1~B4の構成部品が全て同材質の金属製の場合、外装体B1~B4をリサイクルに回すことができる。また、外装体B1~B4の構成部品が全て金属製部材であるが、いろいろな種類の金属製部材が混在している場合、若しくは外装体B1~B4の構成部品が合成樹脂製部材と金属製部材が混在している場合には、本発明明細書には記載がないが、外装体B1~B4を部品単位に分解できれば、部品単位で廃棄、リサイクルを分別できるようになる
【0081】
また、外装体B1~B4の係合突部185~485と機構部A1~A4の凹溝153~453の係合を強固なものとするか、特別な係合手段を設けず、接着、カシメなどの手段で固着して、機構部A1~A4と外装体B1~B4を一体化することもできる。この場合、機構部A1~A4を外装体B1~B4に装着したままで保持筒102~402の上昇限若しくは下降限に於いて、スリーブ104~404の取り外し操作を行い、スリーブ104~404のみ取り外し、リサイクルすることができる。
【0082】
また、スリーブ104~404の連結突部143~443と連結筒103~503のポケット部136~436が係合し、スリーブ104~404の下端がスプリング片171~571の当接部172~572が当接して連結突部143~443をポケット部136~436の上端に押し付けている。このポケット部136~436と当接部172~572の数は、実施例2に述べたように、各1か所ずつ1組でも、実施例1、実施例3、実施例4に述べたように、各2か所ずつ2組でも良く、2組以上ももちろん可能である。
【0083】
また、連結溝135~435のポケット部136~436の上下の位置関係であるが、実施例1に述べたように、90度ずれて設ける事も、実施例2、実施例3、実施例4に述べたように、軸線と平行に上下に並べることも可能である。もちろん、任意の角度でずらすこともできる。
【0084】
ただし、スリーブ104~404の支持位置(ポケット部136~436の位置)と、押し上げ位置(当接部172~572の位置)が偏ってしまうと、スリーブ104~404が傾いて連結してしまう危険性がある。この傾きや、スリーブ104~404のがたつきの対策のため、実施例3に示したような、連結筒303の上端にスリーブ304の収納部341の下部に侵入するボス部377の連設が有効である。このボス部377が収納部341に侵入する事により、スリーブ304に働く傾き方向への応力を吸収できる。この構成は、他の実施例1、実施例2及び実施例4に対しても実施可能である。ただし、ボス部377の長さの分だけ容器全長が長くなってしまう問題がある。
【0085】
また、実施例に於いて、スプリング片171~471は、上部窓部138~438と下部窓部139~439の間に形成されたアーチ状をしているが、スリーブ104~404を押し上げるためにスプリング片171~471の弾発力を調整する必要がある。この弾発力は、スプリング片171~471の上下の厚みで調整することや、上部窓部138~438と下部窓部139~439を部分的につなげてスプリング片171~471を片持ちにする事や、特に下部窓部139~439を貫通させずにフィルム状に残して刻設する事によって調整できる。
【0086】
さらに、実施例1~実施例4に示したように、連結筒103~503の側壁に、上部窓部138~438と下部窓部139~439を上下に設け、間に上下方向に弾性を有して変形可能なスプリング片171~471を構成しているが、図16に示すように、連結筒503の上端を切欠いて、内方向に弾性を有して変形可能な舌片状のスプリング片571としても良い。この場合の当接部572は、スプリング片571の側壁に設け、径方向の弾発力を上下方向の弾発力に変換するカム形状にする必要がある。尚、この舌片状のスプリング片571は、連結筒503の上端より軸線と平行に略ニ字状に切欠き579を設けて構成することも、連結筒503の側壁に略U字状に切欠き579を設けて構成することもできる。
【符号の説明】
【0087】
101、201、301、401 棒状化粧料
102、202、302、402 保持筒
103、203、303、403、503 連結筒
104、204、304、404 スリーブ
105、205、305,405 身筒
121、221、321、421 保持皿
122、422 脚筒
123 螺合突部
131、231、331、431 連結部
135,235,335,435 連結溝
136、236,336、436 ポケット部
137,237,337,437 カム部
142,242,342,442 被嵌部
143,243,343,443 連結突部
151 ラセン溝
171,271,371,471、571 スプリング片
172,272,372,472、572 当接部
173,373,473 ガイド溝
210 ネジ筒
222,322 ネジ棒
223、323、423 左雄ネジ
251、351、451 左雌ネジ
274 右雌ネジ
292 右雄ネジ
341 収納部
377 ボス部
426 回動防止片
428 ネジ棒
A1、A2、A3、A4 繰り出し機構部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16