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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035488
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】消臭装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/015 20060101AFI20220225BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20220225BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20220225BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20220225BHJP
   A61L 101/10 20060101ALN20220225BHJP
【FI】
A61L9/015
A61L9/14
A61L2/20 100
A61L2/24
A61L101:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139840
(22)【出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】北川 宏之
(72)【発明者】
【氏名】前場 克之
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB07
4C058CC08
4C058DD01
4C058DD02
4C058DD07
4C058DD13
4C058JJ14
4C058JJ22
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA10
4C180BB01
4C180BB12
4C180CA01
4C180CB01
4C180DD12
4C180EA17X
4C180EA52X
4C180GG07
4C180GG08
4C180HH01
4C180HH05
4C180HH14
4C180HH19
4C180KK03
4C180KK04
4C180LL06
4C180LL14
(57)【要約】
【課題】人が不快感を覚えにくく、オゾンを利用した消臭を良好に行え得る消臭装置を提供する。
【解決手段】オゾン消臭装置1は、オゾンを放出するオゾン放出部150と、ミストを放出するミスト放出部50と、オゾン放出部150およびミスト放出部50を制御する制御部と、オゾン消臭装置1から所定範囲内に人が存在するか否かを検出するための人感センサ160と、を備える。制御部は、人の存在が検出されていないときに、オゾン放出部150にオゾンを放出させ、オゾン放出中に人の存在が検出されると、オゾン放出部150にオゾンの放出を停止させるとともに、ミスト放出部50にミストを放出させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消臭装置において、
オゾンを放出する第1放出部と、
ミストを放出する第2放出部と、
前記第1放出部および前記第2放出部を制御する制御部と、
前記消臭装置から所定範囲内に人が存在するか否かを検出する人検出部と、を備え、
前記制御部は、
前記人検出部により人の存在が検出されていないときに、前記第1放出部にオゾンを放出させ、
オゾン放出中に前記人検出部により人の存在が検出されると、前記第1放出部にオゾンの放出を停止させるとともに、前記第2放出部にミストを放出させる、
ことを特徴とする消臭装置。
【請求項2】
請求項1に記載の消臭装置において、
前記消臭装置の周辺温度を検出する温度検出部を、さらに備え、
前記人検出部は、人から放出された赤外線により生じる温度変化の大きさに応じて変化する検出信号を出力する人感センサと、前記検出信号を所定の閾値と比較することにより人が存在するか否かを判定する判定部とを含み、
前記制御部は、前記温度検出部により検出された温度が低いほど大きな前記温度変化によって人が存在すると判定されるように、前記閾値を調整する、
ことを特徴とする消臭装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の消臭装置において、
前記消臭装置の周辺温度を検出する温度検出部を、さらに備え、
前記第1放出部は、空気中の酸素からオゾンを生成するオゾン生成部を含み、
前記制御部は、前記温度検出部により検出された温度が低いほど、前記第2放出部が放出するミストの単位時間当たりの放出量を多くする、
ことを特徴とする消臭装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の消臭装置において、
前記第1放出部は、空気中の酸素からオゾンを生成するオゾン生成部と、前記オゾン生成部により生成されたオゾンを前記第1放出部の外部へ送り出す送風部と、を含み、
前記制御部は、
前記人検出部により人の存在が検出されていないときに、前記オゾン生成部と前記送風部を動作させ、
オゾン放出中に前記人検出部により人の存在が検出されると、前記オゾン生成部の動作を停止させ、前記送風部を動作させる、
ことを特徴とする消臭装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾンを利用した消臭を行う消臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器に貯めた水を電気分解することによりオゾンを生成し、生成したオゾンが水に含まれてなるオゾン水を噴霧するようにしたオゾンスプレーが、たとえば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6249200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のオゾンスプレーは、オゾン水をトイレの便器、キッチンのシンク等の対象物に噴霧して、対象物の消毒、殺菌等を行うものであるため、対象物を十分に濡らすだけのオゾン水の放出量が必要となる。よって、オゾン水をあまり小さな粒径の霧状にすることはできず、室内に広く拡散させることが難しいため、上記のオゾンスプレーを用いて、室内の消臭を行うことは難しい。
【0005】
そこで、上記のようなオゾン水ではなく、オゾンを含む空気を室内に放出させて室内の消臭を行うことが考えられる。オゾンを含む空気は、オゾン水と違って、室内に広く拡散しやすい。
【0006】
しかしながら、消臭装置から気体状のオゾンを放出させて消臭を行う場合、オゾンの放出により、その濃度によっては人が感じられるオゾン臭が周囲に広がりやすく、消臭装置の近辺に人が来たとき、たとえば、トイレ等の狭い室内であればその室内に人が入ってきたときに、オゾン臭により人が不快感を覚えてしまう虞がある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、人が不快感を覚えにくく、オゾンを利用した消臭を良好に行え得る消臭装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主たる態様は、消臭装置に関する。本態様に係る消臭装置は、オゾンを放出する第1放出部と、ミストを放出する第2放出部と、前記第1放出部および前記第2放出部を制御する制御部と、前記消臭装置から所定範囲内に人が存在するか否かを検出する人検出部と、を備える。前記制御部は、前記人検出部により人の存在が検出されていないときに、前記第1放出部にオゾンを放出させ、オゾン放出中に前記人検出部により人の存在が検出されると、前記第1放出部にオゾンの放出を停止させるとともに、前記第2放出部にミストを放出させる。
【0009】
上記の構成によれば、第1放出部によるオゾンの放出中に、消臭装置の近辺に人が来たとき、近辺に残存するオゾンが第2放出部から放出されたミストにより分解されて、その濃度が速やかに低下し、オゾン臭が速やかに低減する。これにより、人が不快感を覚えにくくすることができる。
【0010】
本態様に係る消臭装置において、前記消臭装置の周辺温度を検出する温度検出部を、さらに備え、前記人検出部は、人から放出された赤外線により生じる温度変化の大きさに応じて変化する検出信号を出力する人感センサと、前記検出信号を所定の閾値と比較することにより人が存在するか否かを判定する判定部とを含むような構成が採られ得る。この場合、前記制御部は、前記温度検出部により検出された温度が低いほど大きな前記温度変化によって人が存在すると判定されるように、前記閾値を調整するよう構成され得る。
【0011】
上記の構成によれば、周辺温度が変わることによる人の存在の検出範囲の変動を抑制することができるので、室温等によって、消臭装置の近辺に人が存在するにもかかわらずオゾンの放出が停止されなかったり、消臭装置の近辺に人が存在しないにもかかわらずオゾンが放出されなかったりする、ということが生じにくくなる。
【0012】
本態様に係る消臭装置において、前記消臭装置の周辺温度を検出する温度検出部を、さらに備え、前記第1放出部は、空気中の酸素からオゾンを生成するオゾン生成部を含むような構成が採られ得る。この場合、前記制御部は、前記温度検出部により検出された温度が低いほど、前記第2放出部が放出するミストの単位時間当たりの放出量を多くするよう構成され得る。
【0013】
上記の構成によれば、消臭装置の周辺温度が低く、第1放出部から放出されるオゾンの濃度が高くなりやすいほど、第2放出部から放出される単位時間当たりのミストの放出量が多くされるので、ミストの無駄な消費を抑えつつ、周辺温度によらず、速やかにオゾン濃度を適度なレベルまで低下させることができ、速やかに適度な状態までオゾン臭を低減できる。
【0014】
本態様に係る消臭装置において、前記第1放出部は、空気中の酸素からオゾンを生成するオゾン生成部と、前記オゾン生成部により生成されたオゾンを前記第1放出部の外部へ送り出す送風部と、を含むような構成とされ得る。この場合、前記制御部は、前記人検出部により人の存在が検出されていないときに、前記オゾン生成部と前記送風部を動作させ、オゾン放出中に前記人検出部により人の存在が検出されると、前記オゾン生成部の動作を停止させ、前記送風部を動作させるよう構成され得る。
【0015】
上記の構成によれば、オゾンの放出中に消臭装置の近辺に人が来たとき、オゾン生成部の停止によりオゾンの放出は停止される一方、送風部は動作を行い空気の放出が行われる。これにより、放出された空気によって第2放出部から放出されたミストが拡散され、消臭装置の周辺がミストで濡れてしまうことが抑制される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、人が不快感を覚えにくく、オゾンを利用した消臭を良好に行え得る消臭装置を提供できる。
【0017】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施の形態に係る、オゾン消臭装置の斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る、オゾン消臭装置の縦断面図である。
図3図3は、実施の形態に係る、送水部、シャワー放出部およびミスト放出部の斜視図である。
図4図4(a)は、実施の形態に係る、シャワー放出部の断面図であり、図4(b)は、実施の形態に係る、ミスト放出部の断面図である。
図5図5は、実施の形態に係る、オゾンスプレーの構成を示すブロック図である。
図6図6は、実施の形態に係る、充電器の構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施の形態に係る、オゾンガスモードでの制御部によるオゾンスプレーの制御処理を示すフローチャートである。
図8図8は、本実施の形態に係る、オゾンガスモードでの制御部による充電器の制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の消臭装置の一実施形態であるオゾン消臭装置について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、オゾン消臭装置1の斜視図である。図2は、オゾン消臭装置1の縦断面図である。図3は、送水部30、シャワー放出部40およびミスト放出部50の斜視図である。図4(a)は、シャワー放出部40の断面図であり、図4(b)は、ミスト放出部50の断面図である。
【0021】
なお、以降、シャワー放出部40側をオゾン消臭装置1の前側として説明する。
【0022】
オゾン消臭装置1は、オゾンスプレー2と充電器3により構成される。
【0023】
オゾンスプレー2は、筐体10内に、生成部20と、送水部30と、シャワー放出部40と、ミスト放出部50と、操作部60とを備える。
【0024】
オゾンスプレー2は、生成部20により生成されたオゾン水を、送水部30を通じてシャワー放出部40へ送り、シャワー放出部40から外部へシャワー状に放出する。また、オゾンスプレー2は、生成部20により生成されたオゾン水を、送水部30を通じてミスト放出部50へ送り、オゾン水からオゾンを含むミストを生成して、当該ミストをミスト放出部50から外部へ放出する。
【0025】
さらに、オゾンスプレー2は、筐体10内に、充電池710を含む電源部70を備える。オゾンスプレー2は、充電池710への充電のために、着脱可能に充電器3に設置される。
【0026】
充電器3は、筐体100内に給電部110を含み、オゾンスプレー2が設置された状態で充電池710を充電するための電力を給電部110により供給する。また、充電器3は、筐体100内に、オゾン発生器120とファン130とを備え、オゾン発生器120により空気中の酸素から生成されたオゾンを、ファン130の動作により、空気に含ませて外部へ放出させる。なお、充電器3から放出されるオゾンは、気体であり、オゾンガスということもできる。
【0027】
図1ないし図4(b)を参照し、オゾンスプレー2の構成について詳細に説明する。
【0028】
筐体10は、胴部10aと首部10bと頭部10cとにより構成される。胴部10aは、その上部に首部10bに向うに従い内部が狭くなるテーパーを有する、ほぼ有底円筒状に形成される。胴部10aには、細長い表示窓11が形成される。また、胴部10aには、モード切替ボタン12とモード表示部13が設けられる。モード切替ボタン12が押される度に、動作モードが、シャワー放出部40からオゾン水がシャワー状に放出するオゾンシャワーモードとミスト放出部50からオゾンを含むミストが放出するオゾンミストモードとの間で切り替わる。モード表示部13は、複数色に点灯可能なLEDを含み、動作モードに応じた色で点灯する。
【0029】
首部10bは、ほぼ円筒状を有し、上下方向に延びる。頭部10cは、ほぼ方形筒状を有し、前後方向に延びる。
【0030】
生成部20は、水が貯められる容器210と、容器210内の水を取り込んで、取り込んだ水から電気分解によりオゾンを発生させる電解部220と、電解部220で発生したオゾンが含まれるオゾン水を、送水部30を通じてシャワー放出部40およびミスト放出部50へ送るためのポンプ230と、を含む。
【0031】
容器210は、透光性を有し、筐体10に対応する形状に形成される。容器210には、純水、水道水等の水が溜められる。容器210の天面の高さは、筐体10の首部10bの高さより低くされる。これにより、首部10bの上部には、ポンプ230、切替部360、操作部60等の部品が配置される空間が形成される。
【0032】
容器210には、前側に表示窓11に対応する形状の突出部211が形成される。突出部211は、表示窓11から外部に露出する。ユーザは、表示窓11を通じて容器210内の水量を確認できる。また、容器210には、後側に、容器210内に水を入れるための給水口212が設けられる。給水口212は、筐体10に設けられた開口部14から僅かに外へ突出する。給水口212を塞ぐキャップ15が開口部14に嵌り込む。
【0033】
電解部220は、陽極、陰極およびイオン交換膜を含み、容器210内の底部に配置される。電解部220には、水の流入口221と流出口222とが設けられる。
【0034】
ポンプ230は、たとえば、ダイヤフラム駆動方式の小型ポンプである。ポンプ230の吸込口231には、吸水パイプ240が接続される。吸水パイプ240の先端の吸水口241は、容器210内の底部に位置する。ポンプ230の吐出口232には、吐出パイプ250の一端が接続される。吐出パイプ250の他端は、電解部220の流入口221に接続される。
【0035】
ポンプ230が動作すると、容器210内の水が吸水口241から吸い込まれ、吸水パイプ240、ポンプ230および吐出パイプ250を通って電解部220に送られる。陽極と陰極とに通電された状態で電解部220を水が通過すると、その水が電気分解されてオゾンが生成される。生成されたオゾンが水に溶解し、オゾン水が生成される。
【0036】
送水部30は、送水パイプ310と、シャワー用パイプ320と、ミスト用パイプ330と、シャワー用バルブ340と、ミスト用バルブ350とを含む。
【0037】
送水パイプ310は、電解部220の流出口222に接続される。シャワー用パイプ320とミスト用パイプ330は、送水パイプ310から枝分かれして、それぞれ、シャワー放出部40とミスト放出部50に接続される。シャワー用パイプ320とミスト用パイプ330は、2つのパイプにより構成され、2つのパイプの間に、それぞれシャワー用バルブ340とミスト用バルブ350が配置される。シャワー用バルブ340とミスト用バルブ350は、電磁バルブであり、生成部20から流出したオゾン水を、シャワー用パイプ320とミスト用パイプ330の何れに流すかを切り替える切替部360を構成する。
【0038】
ポンプ230が動作していないとき、シャワー用バルブ340とミスト用バルブ350は閉じた状態にあり、ポンプ230が動作する際に一方のバルブが開かれる。
【0039】
ポンプ230から吐き出されたオゾン水は、送水パイプ310を流れる。送水パイプ310へ送られてきたオゾン水は、シャワー用バルブ340が開かれていれば、シャワー用パイプ320を通ってシャワー放出部40へ送られ、ミスト用バルブ350が開かれていれば、ミスト用パイプ330を通ってミスト放出部50へ送られる。
【0040】
シャワー放出部40は、筐体10の頭部10cの前端部に配置される。シャワー放出部40の前面には、外周にテーパーがついた円環状の放出口41が設けられる。放出口41は、頭部10cの前端面から外部に露出する。放出口41には、円形の放出板42が取り付けられる。放出板42には、複数の孔42aが分散して形成される。シャワー放出部40の後部には接続口43が設けられ、この接続口43にシャワー用パイプ320が接続される。シャワー放出部40の内部には、接続口43から放出口41に向けて流路44が形成される。図4(a)の一点鎖線矢印のように、シャワー用パイプ320によりシャワー放出部40に送られてきたオゾン水は、放出板42の複数の孔42aからシャワー状に勢いよく放出、即ち噴射される。
【0041】
ミスト放出部50は、筐体10の頭部10cの後端部に配置される。ミスト放出部50は、その前面が頭部10cの後端面から外部に露出する。ミスト放出部50は、ハウジング510と、超音波振動子520と、貯水槽530とを含む。ミスト放出部50は、本発明の第2放出部に相当する。
【0042】
ハウジング510には、前面に円形の凹部511が形成され、この凹部511に円盤状の超音波振動子520が装着される。超音波振動子520は、多数の微孔を有し超音波振動する振動面521を備える。
【0043】
貯水槽530は、ハウジング510内の上部に配置される。貯水槽530の容積は、容器210の容積よりも大幅に小さくされている。貯水槽530の天面には、流入パイプ531が形成される。流入パイプ531は、ハウジング510の後面から後方に突出する。ミスト用パイプ330が流入パイプ531に接続される。また、貯水槽530の後面上部には、溢水口532が形成される。溢水口532は、ハウジング510の後面から後方に突出する。溢水パイプ540が溢水口532に接続される。溢水パイプ540の先端は、容器210内に入れられる。
【0044】
貯水槽530は、ハウジング510の凹部511に向かって斜め下方に延び出す部分を有し、その部分の先端に流出口533が設けられる。流出口533は、凹部511内において超音波振動子520の振動面521に接続される。
【0045】
貯水槽530には、ミスト用パイプ330によりミスト放出部50に送られてきたオゾン水が貯められる。超音波振動子520が動作すると、振動面521が超音波振動する。これにより、図4(b)のように、貯水槽530の流出口533で振動面521に触れたオゾン水が霧化して、オゾンを含むミストとなる。ミストは、放出口となる振動面521の多数の微孔から放出される。
【0046】
操作部60は、筐体10の首部10bの前側に設けられる。操作部60は、操作ボタン61を含み、操作ボタン61が押されると、内部の接点開閉式のスイッチがオンする。
【0047】
電源部70は、充電池710と、充電装置720とを含む。充電池710は、たとえば、リチウムイオン電池であり、電解部220、ポンプ230、切替部360等の電装部品を駆動するための電力を出力する。充電装置720は、受電コイル721と充電回路基板722を含み、充電池710を充電する。受電コイル721は、導線が渦巻き状に巻かれてなり、筐体10の底面に近接するように配置される。充電池710と充電回路基板722は、筐体10内において、容器210の後方下部に配置される。
【0048】
筐体10の底部には、近接スイッチ16が配置される。近接スイッチ16は、リードスイッチ等により構成され、オゾンスプレー2が充電器3の載置面102に設置されたときに、充電器3に設けられた磁石140の磁力に反応してオンする。
【0049】
図5は、オゾンスプレー2の構成を示すブロック図である。
【0050】
オゾンスプレー2は、上述した構成に加え、制御部81、記憶部82、操作検出部83、表示駆動部84、電極通電部85、ポンプ駆動部86、バルブ駆動部87、振動子駆動部88および通信部89を備える。
【0051】
操作検出部83は、操作部60の操作ボタン61またはモード切替ボタン12が押されると、押されたボタンに応じた操作信号を制御部81に出力する。近接スイッチ16がオンしたとき、制御部81には、近接スイッチ16からオン信号が出力される。
【0052】
表示駆動部84は、制御部81からの制御信号に従ってモード表示部13を点灯させる。電極通電部85は、制御部81からの制御信号に従って電解部220の陽極と陰極の間に電気分解のための電圧を印加する。ポンプ駆動部86は、制御部81からの制御信号に従ってポンプ230を駆動する。
【0053】
バルブ駆動部87は、制御部81からの制御信号に従ってシャワー用バルブ340およびミスト用バルブ350、即ち切替部360を駆動する。振動子駆動部88は、制御部81からの制御信号に従って超音波振動子520を駆動する。
【0054】
通信部89は、赤外線通信方式等の近距離無線通信方式により充電器3の通信部186と通信する。
【0055】
記憶部82は、ROM、RAM等を含む。記憶部82には、制御部81に所定の処理を実行させるためのプログラムが記憶される。また、記憶部82には、プログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
【0056】
制御部81は、操作検出部83、近接スイッチ16等からの各信号に基づいて、記憶部82に記憶されたプログラムに従い、表示駆動部84、電極通電部85、ポンプ駆動部86、バルブ駆動部87、振動子駆動部88、通信部89等を制御する。
【0057】
再び図1および図2を参照し、充電器3の構成について詳細に説明する。
【0058】
充電器3は、上下に扁平なほぼ円柱状の筐体100を備える。筐体100の天面には、僅かに凹む凹部101が形成される。凹部101の底面は、オゾンスプレー2を載置するための載置面102となり、筐体100の底面と平行となる。筐体100の周面には、後側の上部に放出口103が形成される。放出口103は、周方向に並ぶ複数のスリット孔により構成される。放出口103は、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたとき、オゾンスプレー2のミスト放出部50の放出口である振動面521と同じ方向を向く。
【0059】
筐体100内には、給電部110と磁石140が設けられる。給電部110は、電源装置111と送電コイル112とを含む。電源装置111には、図示しないプラグが接続される。プラグがコンセントに接続されると商用電源から電源装置111に電力供給がなされる。送電コイル112は、導線が渦巻き状に巻かれてなり、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたときに受電コイル721と対向する位置に、載置面102に近接して配置される。磁石140は、オゾンスプレー2が充電器3に載置されたときに近接スイッチ16と対向する位置に、載置面102に近接して配置される。
【0060】
さらに、筐体100内には、前後方向に延びる風路104が設けられる。風路104は、前側が筐体100の底面と平行であり、後側が底面に対して斜め上方に傾く。筐体100には、側面の前側を内側に凹ませるようにして収容室105が形成されており、風路104の入口104aが収容室105に繋がる。風路104の出口104bは、放出口103に繋がる。風路104内にはオゾン発生器120が配置され、収容室105内にはファン130が配置される。オゾン発生器120、ファン130および風路104により、オゾンを放出するオゾン放出部150が構成される。オゾン放出部150は、本発明の第1放出部に相当する。また、オゾン発生器120は、本発明のオゾン生成部に相当し、ファン130は、本発明の送風部に相当する。
【0061】
オゾン発生器120は、放電方式のオゾン発生器であり、一対の電極間にコロナ放電、無声放電等の放電を生じさせ、一対の電極間に通された空気中の酸素からオゾンを生成する。
【0062】
ファン130は、軸流ファンであり、筐体100の外部から空気を取り込み、取り込んだ空気を風路104内のオゾン発生器120へ送る。また、ファン130は、オゾン発生器120により生成されたオゾンを空気に含ませ、放出口103を通じて外部へ送り出す。なお、ファン130は、遠心ファンであってもよい。
【0063】
筐体100の後部には、オゾン消臭装置1から所定範囲内に人が存在するか否かを検出するために、人感センサ160が配置される。また、筐体100の後部には、オゾン消臭装置1の周辺温度を検出するために、温度センサ170が配置される。
【0064】
オゾンスプレー2と充電器3の間には、充電器3の筐体100に形成された突起106と、オゾンスプレー2の筐体10に形成され、突起106が収容される凹部17とによる位置決め構造が備えられており、この位置決め構造によってオゾンスプレー2が前後反対に向けられ状態で充電器3に載置されないようにされている。
【0065】
図6は、充電器3の構成を示すブロック図である。
【0066】
充電器3は、上述した構成に加え、制御部181、記憶部182、インバータ183、発生器駆動部184、ファン駆動部185および通信部186を備える。
【0067】
インバータ183は、制御部181からの制御信号に従って、電源装置111から供給された電圧から交流電圧を生成し、送電コイル112に印加する。インバータ183は、電源装置111および送電コイル112とともに給電部110を構成する。
【0068】
発生器駆動部184は、制御部181からの制御信号に従って、オゾン発生器120を駆動する。ファン駆動部185は、制御部181からの制御信号に従って、ファン130を駆動する。通信部186は、近距離無線通信方式によりオゾンスプレー2の通信部89と通信する。
【0069】
人感センサ160は、焦電型、熱起電力型等の熱型の赤外線センサであり、人から放出された赤外線により生じる温度変化の大きさに応じて変化する検出信号を制御部181へ出力する。制御部151は、入力された検出信号を所定の閾値と比較することにより、オゾン消臭装置1から所定範囲内に人が存在するか否かを判定する。たとえば、検出信号は、人から放出された赤外線を受けたときの温度変化、即ち周辺温度との温度差が大きいほど、ピーク電圧が大きくなる波形を有する。制御部181は、ピーク電圧を閾値となる所定電圧と比較し、ピーク電圧が所定電圧より高いときに人が存在すると判定する。制御部181は、本発明の判定部に相当し、人感センサ160と制御部181とにより、本発明の人検出部が構成される。
【0070】
温度センサ170は、たとえば、サーミスタであり、検出した温度に応じた温度信号を制御部181へ出力する。温度センサ170は、本発明の温度検出部に相当する。
【0071】
記憶部182は、ROM、RAM等を含む。記憶部182には、制御部181に所定の処理を実行させるためのプログラムが記憶される。また、記憶部182には、プログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
【0072】
制御部181は、記憶部182に記憶されたプログラムに従い、インバータ183、発生器駆動部184、ファン駆動部185、通信部186等を制御する。
【0073】
さて、オゾン消臭装置1では、オゾンスプレー2が充電器3から離れているとき、オゾンスプレー2により、オゾンシャワーモードの動作とオゾンミストモードの動作とを行うことができる。これら2つのモードの動作のための処理は、オゾンスプレー2の制御部81により実行される。
【0074】
オゾンシャワーモードに設定されている状態において、操作ボタン61が押されると、制御部81は、シャワー用バルブ340を開放した後に、ポンプ230と電解部220を所定時間(たとえば、3秒間)動作させる。これにより、電解部220、即ち生成部20で生成されたオゾン水がシャワー放出部40へ送られ、所定時間、シャワー放出部40の放出口41からシャワー状のオゾン水が噴射される。ユーザは、トイレの便器、キッチンのシンク等の対象物に、オゾン水を吹き掛けて対象物を清掃することができる。
【0075】
一方、オゾンミストモードに設定されている状態において、操作ボタン61が押されると、制御部81は、ミスト用バルブ350を開放した後、ポンプ230と電解部220を動作させる。これにより、貯水槽530内にオゾン水が溜まる。その後、制御部81は、超音波振動子520を動作させる。これにより、ミスト放出部50の放出口である振動面521からオゾンを含むミストが放出される。超音波振動子520は、貯水槽530に貯められたオゾン水がほぼ全て放出されるまで動作する。ユーザは、オゾンを含むミストを室内に拡散させることにより、室内を消臭できる。また、ユーザは、オゾンを含むミストを衣類等の対象物に接触させることにより、対象物を消臭できる。
【0076】
オゾン消臭装置1では、オゾンスプレー2が充電器3に設置されると、オゾンスプレー2が充電される。オゾンスプレー2の制御部81は、近接スイッチ16により、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたことを検出すると、近距離無線通信を用いて、充電器3の制御部181へ充電開始の指示を行う。制御部181は、インバータ183を動作させ、送電コイル112に交流電流を流す。電磁誘導作用によって、オゾンスプレー2側の受電コイル721に交流電流が流れて交流電圧が発生する。交流電圧は充電回路基板722で直流電圧に変換され、充電池710に供給される。これにより、充電池710が充電される。
【0077】
オゾン消臭装置1では、オゾンスプレー2が充電器3に設置されているとき、オゾンガスモードの動作が行われ、充電器3の放出口103からオゾンを含む空気が放出される。放出される空気中のオゾン濃度は、オゾンミストモードでオゾンスプレー2から放出されるミスト中のオゾン濃度よりも高い。また、ミスト中の水によるオゾンの分解が生じない。このため、室内を消臭する効果が高い。
【0078】
一方で、オゾンガスモードでは、オゾンミストモードよりもオゾン臭が発生しやすい。多くのユーザは、オゾン臭に対して不快感を覚えやすい。そこで、オゾンガスモードでは、オゾン消臭装置1の近辺に存在しないときに、充電器3からオゾンの放出が行われる。さらに、オゾンの放出中にオゾン消臭装置1の近辺に人が来ると、オゾンの放出が停止されるとともに、オゾンが速やかに分解されてオゾン臭が低減するよう、オゾンスプレー2からミストが放出される。
【0079】
オゾンガスモードの動作のための処理は、オゾンスプレー2の制御部81と充電器3の制御部181とにより協働して実行される。オゾンスプレー2の制御部81と充電器3の制御部181とにより、本発明の制御部が構成される。
【0080】
図7は、オゾンガスモードでの制御部81によるオゾンスプレー2の制御処理を示すフローチャートである。図8は、オゾンガスモードでの制御部181による充電器3の制御処理を示すフローチャートである。
【0081】
図7を参照し、オゾンスプレー2において、制御部81は、近接スイッチ16のオン、オフに基づいて、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたか否かを判定する(S101)。
【0082】
ユーザは、オゾンスプレー2の使用を終えると、オゾンスプレー2を充電器3に設置する。
【0083】
制御部81は、オゾンスプレー2が充電器3に設置されると(S101:YES)、近距離無線通信を用いて、充電器3の制御部181に、設置の通知を送信する。(S102)。その後、制御部81は、充電器3からのオゾンスプレー2の離間を監視しつつ(S107)、制御部181からのミスト発生の指示を待つ(S103)。
【0084】
図8を参照し、充電器3において、制御部181は、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたか否かを判定する(S201)。制御部81は、オゾンスプレー2の制御部81から設置の通知を受け取ると、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたと判定する。
【0085】
オゾンスプレー2が充電器3に設置されると(S201:YES)、制御部181は、まず、オゾン消臭装置1の周辺温度に応じて、人感センサ160からの検出信号と比較される閾値の設定を行うとともに、オゾンスプレー2のミスト放出部50の超音波振動子520の出力の設定を行う(S202~S207)。
【0086】
即ち、制御部181は、温度センサ170により周辺温度を検出し(S202)、周辺温度が所定温度よりも低いか否かを判定する(S203)。
【0087】
人感センサ160では、当該センサから人までの距離が同じである場合、周辺温度が低いほど、人から放出された赤外線により生じる温度変化は大きくなり、検出信号のピーク電圧が高くなる。よって、周辺温度が所定温度よりも低い場合(S203:YES)、制御部181は、相対的に大きな温度変化によって人が存在すると判定されるように、人感センサ160からの検出信号と比較される閾値を相対的に高い値に設定する(S204)。一方、周辺温度が所定温度以上である場合(S203:NO)、制御部181は、相対的に小さな温度変化によって人が存在すると判定されるように、閾値を相対的に低い値に設定する(S206)。このような閾値の調整が行われることにより、周辺温度が変わることによる、人感センサ160を用いた人の存在の検出範囲の変動が抑制される。
【0088】
また、オゾン放出部150では、オゾン発生器120に同じ電圧が印加された場合、周辺温度が低いほど、オゾン発生器120で発生するオゾンが多くなるため、オゾンの放出量が多くなり、オゾン濃度が高くなる。オゾン濃度が高くなれば、オゾンを分解してオゾン濃度を所定のレベルまで低下させるために必要となる水の量が多くなる。よって、周辺温度が所定温度よりも低い場合(S203:YES)、制御部181は、ミスト放出部50からの単位時間当たりのミストの放出量が相対的に多くなるように、超音波振動子520の出力を相対的に高い値に設定する(S205)。一方、周辺温度が所定温度以上である場合(S203:NO)、制御部181は、ミスト放出部50からの位時間当たりのミストの放出量が相対的に少なくなるように、超音波振動子520の出力を相対的に低い値に設定する(S207)。超音波振動子520の出力を変更するために、たとえば、超音波振動の振幅や周期が変更される。このようなミスト放出部50からのミストの放出量の調整が行われることにより、後述するオゾンスプレー2でのS104ないしS106の処理が行われたときに、ミストの無駄な消費を抑えつつ、周辺温度によらず、速やかにオゾン濃度を所定のレベルまで低下させることが可能となる。
【0089】
次に、制御部181は、人感センサ160からの検出信号を、S204またはS206で設定された値の閾値と比較することにより、オゾン消臭装置1から所定範囲内に人が存在するか否かを判定する(S208)。制御部181は、人が存在しておらず(S208:NO)、オゾン放出中でない場合(S209:YES)、オゾン発生器120とファン130を動作させる(S210)。これにより、充電器3の放出口103からオゾンが空気とともに放出される。
【0090】
その後、オゾン放出中に、オゾン消臭装置1から所定範囲内に人が近づくと、制御部181は、人が存在しており(S208:YES)、オゾン放出中であると判定する(S211:YES)。この場合、制御部181は、オゾン発生器120を停止させる(S212)。このとき、ファン130は停止されず、継続して動作する。これにより、充電器3の放出口103からのオゾンの放出が停止し、放出口103から空気のみが放出される。
【0091】
さらに、制御部181は、近距離無線通信を用いて、オゾンスプレー2の制御部81に、ミスト発生を指示するとともに(S213)、S205またはS207で設定された超音波振動子520の出力の値を通知する(S214)。その後、制御部181は、オゾン発生器120が停止してから所定時間が経過すると(S215:YES)、ファン130を停止させる(S216)。
【0092】
図7に戻り、オゾンスプレー2において、制御部81は、ミスト発生の指示を受けると(S103:YES)、ミスト用バルブ350を開放し(S104)、その後、ポンプ230を動作させる(S105)。これにより、容器210内の水がミスト放出部50へ送られて、貯水槽530に溜まる。制御部81は、超音波振動子520を、制御部181から通知された出力で動作させる(S106)。これにより、ミスト放出部50からミストが放出される。放出されたミストは、オゾン消臭装置1の周辺に残存するオゾンに接触する。残存するオゾンは、ミスト、即ち水により分解される。これにより、オゾン消臭装置1の周辺のオゾン濃度が速やかに低下し、オゾン臭が速やかに低減する。
【0093】
このとき、ファン130の動作により、オゾン消臭装置1の周辺には、充電器の放出口103から空気、即ち風が送られているので、この風によりミストが拡散され、オゾン消臭装置1の周辺がミストで濡れてしまうことが抑制される。
【0094】
ユーザが、清掃等に使用するためにオゾンスプレー2を充電器3から外すと、制御部81は、オゾンスプレー2が充電器3から離れたと判定する(S107:YES)。制御部81は、充電器3の制御部181へ離間の通知を送信し(S108)、オゾンモードの制御処理を終了する。
【0095】
図8に戻り、充電器3において、制御部181は、ファン130の停止後、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたまま所定範囲内に再び人が存在しなくなれば、オゾン発生器120とファン130とを動作させて、オゾン放出部150によるオゾンの放出を行う。一方、制御部81は、オゾンスプレー2の制御部81から離間の通知を受け取ることで、オゾンスプレー2が充電器3から離されたと判定すると(S217)、オゾンモードの制御処理を終了する。
【0096】
なお、制御部81,181によるオゾンモードの制御処理は、終了後直ちに、最初から実行される。
【0097】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、オゾン放出部150によるオゾンの放出中に、オゾン消臭装置1の近辺に人が来たとき、近辺に残存するオゾンがミスト放出部50から放出されたミストにより分解されて、その濃度が速やかに低下し、オゾン臭が速やかに低減する。これにより、人が不快感を覚えにくくすることができる。
【0098】
さらに、本実施の形態によれば、人から放出された赤外線により生じる温度変化の大きさに応じて変化する検出信号を出力する人感センサ160が備えられ、検出信号が所定の閾値と比較されることにより人が存在するか否かが判定される。そして、オゾン消臭装置1の周辺温度が低いほど大きな温度変化によって人が存在すると判定されるように、閾値が調整される。これにより、周辺温度が変わることによる人の存在の検出範囲の変動を抑制することができるので、室温等によって、オゾン消臭装置1の近辺に人が存在するにもかかわらずオゾンの放出が停止されなかったり、オゾン消臭装置1の近辺に人が存在しないにもかかわらずオゾンが放出されなかったりする、ということが生じにくくなる。
【0099】
さらに、本実施の形態によれば、オゾン消臭装置1の周辺温度が低く、オゾン放出部150から放出されるオゾンの濃度が高くなりやすいほど、ミスト放出部50から放出される単位時間当たりのミストの放出量が多くされるので、ミストの無駄な消費を抑えつつ、周辺温度によらず、速やかにオゾン濃度を適度なレベルまで低下させることができ、速やかに適度な状態までオゾン臭を低減できる。
【0100】
さらに、本実施の形態によれば、オゾンの放出中にオゾン消臭装置1の近辺に人が来たとき、オゾン発生器120の停止によりオゾンの放出は停止される一方、ファン130は動作を行い空気の放出が行われる。これにより、放出された空気によってミスト放出部50から放出されたミストが拡散され、オゾン消臭装置1の周辺がミストで濡れてしまうことが抑制される。
【0101】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0102】
たとえば、上記実施の形態では、オゾン消臭装置1から所定範囲内に人が存在するか否かを検出するために、熱型の赤外線センサである人感センサ160が用いられた。しかしながら、熱型以外の赤外線センサである人感センサや赤外線センサ以外の人感センサが用いられてもよい。このように熱型の赤外線センサ以外の人感センサが用いられた場合は、オゾンガスモードの動作において、図8のS204とS206の処理、即ち、周辺温度に基づく閾値の調整は行われない。
【0103】
また、上記実施の形態では、オゾンガスモードの動作において、ミスト放出部50から放出される単位時間当たりのミストの放出量が、周辺温度に応じて調整された。しかしながら、周辺温度によらず、単位時間当たりのミストの放出量が一定となるようにされてもよい。この場合、周辺温度が低くてオゾン濃度が高くなったときに合わせて、ミストの放出量が定められるとよい。
【0104】
さらに、上記実施の形態では、オゾンガスモードの動作において、オゾンの放出中に人の存在が検出されてオゾン発生器120が停止したとき、ファン130は継続して動作した。しかしながら、ファン130は、オゾン発生器120とともに一旦停止され、その後に動作が再開されるように制御されてもよい。さらには、ミストの放出量等により、オゾン消臭装置1の周辺がミストで濡れることが懸念されにくい場合は、ファン130がオゾン発生器120とともに停止され、その後は動作しないようにされてもよい。
【0105】
さらに、上記実施の形態では、ミスト放出部50が、貯水槽530に貯められた水を超音波振動子520の超音波振動により霧化して放出するような構成とされた。しかしながら、ミスト放出部50は、上記の構成に限られず、たとえば、水を霧状に放出させるような孔径のノズルを有するような構造のものであってもよい。
【0106】
さらに、上記実施の形態では、オゾンスプレー2のミスト放出部50からは、オゾンスプレー2が水平な状態で水平方向にミストが放出された。しかしながら、ミスト放出部50を傾ける等することにより、オゾンスプレー2から、斜め下方にミストが放出されるようにしてもよい。このようにすれば、放出されたミストが、充電器3から斜め上方に放出されたオゾンと交差しやすくなってオゾンに混ざりやすくなり、ミストによるオゾンの分解が行われやすくなる。
【0107】
さらに、上記実施の形態では、オゾン消臭装置1がオゾンスプレー2と充電器3とにより構成された。しかしながら、オゾン消臭装置1の構成は、このような構成に限られない。たとえば、オゾン消臭装置1がオゾンスプレー2のみにより構成され、充電器3に設けられていたオゾン放出部150が筐体10の底部に設けられるようにしてもよい。この場合、ACアダプタがオゾンスプレー2に接続されて、ACアダプタからオゾンスプレー2に充電用の電力が供給される構成が採られるとよい。
【0108】
さらに、オゾン消臭装置1は、オゾンを含まないミストのみが放出されるミスト放出部と、オゾンが放出される放出部とで構成されるもの、たとえば、オゾン生成機能がなく、ミストのみが放出可能なスプレーの底部に、オゾンが放出されるオゾン放出部が設けられたものであってもよい。
【0109】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 オゾン消臭装置(消臭装置)
2 オゾンスプレー
3 充電器
50 ミスト放出部(第2放出部)
81 制御部
104 風路
120 オゾン発生器(オゾン生成部)
130 ファン(送風部)
150 オゾン放出部(第1放出部)
160 人感センサ
170 温度センサ(温度検出部)
181 制御部(判定部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8