(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035489
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】消臭装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/015 20060101AFI20220225BHJP
A61L 9/14 20060101ALI20220225BHJP
C02F 1/461 20060101ALI20220225BHJP
A61L 2/20 20060101ALI20220225BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20220225BHJP
A61L 101/10 20060101ALN20220225BHJP
【FI】
A61L9/015
A61L9/14
C02F1/461 Z
A61L2/20 100
A61L2/24
A61L101:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139842
(22)【出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】鳶 幸生
(72)【発明者】
【氏名】大江 克己
(72)【発明者】
【氏名】村下 典子
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
4D061
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB07
4C058CC08
4C058DD01
4C058DD20
4C058JJ14
4C180AA02
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4C180EA17X
4C180EA54X
4C180GG07
4C180GG08
4C180HH01
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4C180KK03
4C180KK04
4C180LL06
4C180LL14
4D061DA01
4D061DB01
4D061DB09
4D061DC04
4D061EA02
4D061EB01
4D061EB13
(57)【要約】
【課題】オゾンを利用して室内を良好に消臭し得る消臭装置を提供する。
【解決手段】オゾン消臭装置1は、オゾンを放出する充電器3と、ミストを放出するオゾンスプレー2と、充電器3からオゾンが放出され、オゾンスプレー2からミストが放出される消臭処理を実行する制御部と、オゾン消臭装置1の周辺に人が存在するか否かを検出するための人感センサ160とを備える。制御部は、オゾン消臭装置1の周辺に人が存在しないことに基づいて消臭処理を実行する。充電器3は、空気中の酸素からオゾンを生成するオゾン発生器120と、オゾン発生器120により生成されたオゾンを外部へ送り出すファン130と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消臭装置において、
オゾンを放出する第1放出部と、
ミストを放出する第2放出部と、
前記第1放出部からオゾンが放出され、前記第2放出部からミストが放出される消臭処理を実行する制御部と、
前記消臭装置の周辺に人が存在するか否かを検出するための人検出部と、を備え、
前記制御部は、前記消臭装置の周辺に人が存在しないことに基づいて前記消臭処理を実行する、
ことを特徴とする消臭装置。
【請求項2】
請求項1に記載の消臭装置において、
前記人検出部は、前記消臭装置から所定範囲内に人が存在するか否かに応じた検出信号を出力する人感センサを含む、
ことを特徴とする消臭装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の消臭装置において、
前記第1放出部は、
空気中の酸素からオゾンを生成するオゾン生成部と、
前記オゾン生成部により生成されたオゾンを外部へ送り出す送風部と、を含む、
ことを特徴とする消臭装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の消臭装置において、
前記第2放出部は、
水が貯められる容器と、
電気分解により前記容器内の水からオゾンを生成する電解部と、
前記容器から送られた、前記電解部により生成されたオゾンを含む水からミストを生成するミスト生成部と、を含む、
ことを特徴とする消臭装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の消臭装置において、
前記第2放出部は、ミストを放出するために要する電力の供給源となる充電池を含み、前記第1放出部に着脱可能に設置され、
前記第1放出部は、前記第2放出部が設置された状態で前記充電池を充電するための電力を供給する給電部を含み、
前記制御部は、前記第2放出部が前記第1放出部に設置されたことに基づいて、前記消臭処理を実行する、
ことを特徴とする消臭装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾンを利用した消臭を行う消臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器に貯めた水を電気分解することによりオゾンを生成し、生成したオゾンが水に含まれてなるオゾン水を噴霧するようにしたオゾンスプレーが、たとえば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のオゾンスプレーは、オゾン水をトイレの便器、キッチンのシンク等の対象物に噴霧して、対象物の消毒、殺菌等を行うものであるため、対象物を十分に濡らすだけのオゾン水の放出量が必要となる。よって、オゾン水をあまり小さな粒径の霧状にすることはできず、室内に広く拡散させることが難しいため、上記のオゾンスプレーを用いて、トイレやキッチン等の室内の消臭を行うことは難しい。
【0005】
そこで、上記のようなオゾン水ではなく、オゾンを含む空気を室内に放出させて室内の消臭を行うことが考えられる。オゾンを含む空気は、オゾン水と違って、室内に広く拡散しやすい。
【0006】
しかしながら、人が存在し得るような室内に放出される空気中のオゾン濃度は、たとえば、0.1ppm以下というように、低い濃度に制限される。このため、オゾンのみを利用して室内を十分に消臭することは難しい。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、オゾンを利用して室内を良好に消臭し得る消臭装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主たる態様は、消臭装置に関する。本態様に係る消臭装置は、オゾンを放出する第1放出部と、ミストを放出する第2放出部と、前記第1放出部からオゾンが放出され、前記第2放出部からミストが放出される消臭処理を実行する制御部と、前記消臭装置の周辺に人が存在するか否かを検出するための人検出部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記消臭装置の周辺に人が存在しないことに基づいて前記消臭処理を実行する。
【0009】
たとえば、人検出部は、消臭装置から所定範囲内に人が存在するか否かに応じた検出信号を出力する人感センサを含むような構成とされ得る。
【0010】
上記の構成によれば、第1放出部から放出されたオゾンが室内空間で第2放出部から放出されたミストと混ざり合うことにより、OHラジカルを生成することが可能となる。これにより、第1放出部からのオゾンのみならずOHラジカルによっても室内を消臭することが可能となり、室内が良好に消臭され得る。
【0011】
しかも、消臭装置の近くに人がいる場合には、消臭処理が行われないので、放出されたオゾンやミストとの接触によりユーザが不快感を覚えてしまう、ということが起こりにくい。
【0012】
本態様に係る消臭装置において、前記第1放出部は、空気中の酸素からオゾンを生成するオゾン生成部と、前記オゾン生成部により生成されたオゾンを外部へ送り出す送風部と、を含むような構成とされ得る。
【0013】
上記の構成によれば、オゾン生成部と送風部とを動作させることにより、第1放出部からオゾンを放出できる。
【0014】
本態様に係る消臭装置において、前記第2放出部は、水が貯められる容器と、電気分解により前記容器内の水からオゾンを生成する電解部と、前記容器から送られた、前記電解部により生成されたオゾンを含む水からミストを生成するミスト生成部と、を含むような構成とされ得る。
【0015】
上記の構成によれば、第2放出部からオゾンを含むミストを放出できるので、ミストに含まれたオゾンの作用により、室内の消臭効果がより高まる。
【0016】
本態様に係る消臭装置において、前記第2放出部は、ミストを放出するために要する電力の供給源となる充電地を含み、前記第1放出部に着脱可能に設置されるような構成とされ、前記第1放出部は、前記第2放出部が設置された状態で前記充電池を充電するための電力を供給する給電部を含むような構成とされ得る。この場合、前記制御部は、前記第2放出部が前記第1放出部に設置されたことに基づいて、前記消臭処理を実行し得る。
【0017】
上記の構成によれば、第2放出部を第1放出部から離した状態で使用することが可能となる。しかも、第2放出部が第1放出部に設置されて放出位置が定まることでオゾンとミストとが混ざりやすい状態において、オゾンとミストを放出でき、オゾンとOHラジカルとによる消臭効果を十分に発揮させることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、オゾンを利用して室内を良好に消臭し得る消臭装置を提供できる。
【0019】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る、オゾン消臭装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る、オゾン消臭装置の縦断面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る、送水部、シャワー放出部およびミスト放出部の斜視図である。
【
図4】
図4(a)は、実施の形態に係る、シャワー放出部の断面図であり、
図4(b)は、実施の形態に係る、ミスト放出部の断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る、オゾンスプレーの構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る、充電器の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る、制御部によるオゾンスプレーの制御処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本実施の形態に係る、制御部による充電器の制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の消臭装置の一実施形態であるオゾン消臭装置について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、オゾン消臭装置1の斜視図である。
図2は、オゾン消臭装置1の縦断面図である。
図3は、送水部30、シャワー放出部40およびミスト放出部50の斜視図である。
図4(a)は、シャワー放出部40の断面図であり、
図4(b)は、ミスト放出部50の断面図である。
【0023】
なお、以降、シャワー放出部40側をオゾン消臭装置1の前側として説明する。
【0024】
オゾン消臭装置1は、オゾンスプレー2と充電器3により構成される。オゾンスプレー2は、本発明の第2放出部に相当し、充電器3は、本発明の第1放出部に相当する。
【0025】
オゾンスプレー2は、筐体10内に、生成部20と、送水部30と、シャワー放出部40と、ミスト放出部50と、操作部60とを備える。
【0026】
オゾンスプレー2は、操作部60が操作されたことに基づいて、生成部20により生成されたオゾン水を、送水部30を通じてシャワー放出部40へ送り、シャワー放出部40から外部へシャワー状に放出する。また、オゾンスプレー2は、生成部20により生成されたオゾン水を、送水部30を通じてミスト放出部50へ送り、オゾン水からオゾンを含むミストを生成して、当該ミストをミスト放出部50から外部へ放出する。
【0027】
さらに、オゾンスプレー2は、筐体10内に、充電池710を含む電源部70を備える。オゾンスプレー2は、充電池710への充電のために、着脱可能に充電器3に設置される。
【0028】
充電器3は、筐体100内に給電部110を含み、オゾンスプレー2が設置された状態で充電池710を充電するための電力を給電部110により供給する。また、充電器3は、筐体100内に、オゾン発生器120とファン130とを備え、オゾン発生器120により空気中の酸素から生成されたオゾンを、ファン130の動作により、空気に含ませて外部へ放出させる。なお、充電器3から放出されるオゾンは、気体であり、オゾンガスということもできる。
【0029】
図1ないし
図4(b)を参照し、オゾンスプレー2の構成について詳細に説明する。
【0030】
筐体10は、胴部10aと首部10bと頭部10cとにより構成される。胴部10aは、その上部に首部10bに向うに従い内部が狭くなるテーパーを有する、ほぼ有底円筒状に形成される。胴部10aには、前側に上下方向に細長い表示窓11が形成される。また、胴部10aには、モード表示部12が形成される。胴部10aの内側には、モード表示部12の位置にLED等の表示ランプ13が取り付けられる。表示ランプ13は、複数色に点灯可能であり、後述する動作モードに応じた色で点灯する。
【0031】
首部10bは、ほぼ円筒状を有し、上下方向に延びる。頭部10cは、ほぼ方形筒状を有し、前後方向に延びる。
【0032】
生成部20は、水が貯められる容器210と、容器210内の水を取り込んで、取り込んだ水から電気分解によりオゾンを発生させる電解部220と、電解部220で発生したオゾンが含まれるオゾン水を、送水部30を通じてシャワー放出部40およびミスト放出部50へ送るためのポンプ230と、を含む。
【0033】
容器210は、透光性を有し、筐体10に対応する形状に形成される。容器210には、純水、水道水等の水が貯められる。容器210の天面の高さは、筐体10の首部10bの高さより低くされる。これにより、首部10bの上部には、ポンプ230、切替部360、操作部60等の部品が配置される空間が形成される。
【0034】
容器210には、前側に表示窓11に対応する形状の突出部211が形成される。突出部211は、表示窓11から外部に露出する。ユーザは、表示窓11を通じて容器210内の水量を確認できる。また、容器210には、後側に、容器210内に水を入れるための給水口212が設けられる。給水口212は、筐体10に設けられた開口部14から僅かに外へ突出する。給水口212を塞ぐキャップ15が開口部14に嵌り込む。
【0035】
電解部220は、陽極、陰極およびイオン交換膜を含み、容器210内の底部に配置される。電解部220には、水の流入口221と流出口222とが設けられる。
【0036】
ポンプ230は、たとえば、ダイヤフラム駆動方式の小型ポンプである。ポンプ230の吸込口231には、吸水パイプ240が接続される。吸水パイプ240の先端の吸水口241は、容器210内の底部に位置する。ポンプ230の吐出口232には、吐出パイプ250の一端が接続される。吐出パイプ250の他端は、電解部220の流入口221に接続される。
【0037】
ポンプ230が動作すると、容器210内の水が吸水口241から吸い込まれ、吸水パイプ240、ポンプ230および吐出パイプ250を通って電解部220に送られる。陽極と陰極とに通電された状態で電解部220を水が通過すると、その水が電気分解されてオゾンが生成される。生成されたオゾンが水に溶解し、オゾン水が生成される。
【0038】
送水部30は、送水パイプ310と、シャワー用パイプ320と、ミスト用パイプ330と、シャワー用バルブ340と、ミスト用バルブ350とを含む。
【0039】
送水パイプ310は、電解部220の流出口222に接続される。シャワー用パイプ320とミスト用パイプ330は、送水パイプ310から枝分かれして、それぞれ、シャワー放出部40とミスト放出部50に接続される。シャワー用パイプ320とミスト用パイプ330は、2つのパイプにより構成され、2つのパイプの間に、それぞれシャワー用バルブ340とミスト用バルブ350が配置される。シャワー用バルブ340とミスト用バルブ350は、電磁バルブであり、生成部20から流出したオゾン水を、シャワー用パイプ320とミスト用パイプ330の何れに流すかを切り替える切替部360を構成する。
【0040】
ポンプ230が動作していないとき、シャワー用バルブ340とミスト用バルブ350は閉じた状態にあり、ポンプ230が動作する際に一方のバルブが開かれる。
【0041】
ポンプ230から吐き出されたオゾン水は、送水パイプ310を流れる。送水パイプ310へ送られてきたオゾン水は、シャワー用バルブ340が開かれていれば、シャワー用パイプ320を通ってシャワー放出部40へ送られ、ミスト用バルブ350が開かれていれば、ミスト用パイプ330を通ってミスト放出部50へ送られる。
【0042】
シャワー放出部40は、筐体10の頭部10cの前端部に配置される。シャワー放出部40の前面には、外周にテーパーがついた円環状の放出口41が設けられる。放出口41は、頭部10cの前端面から外部に露出する。放出口41には、円形の放出板42が取り付けられる。放出板42には、複数の孔42aが分散して形成される。シャワー放出部40の後部には接続口43が設けられ、この接続口43にシャワー用パイプ320が接続される。シャワー放出部40の内部には、接続口43から放出口41に向けて流路44が形成される。
図4(a)の一点鎖線矢印のように、シャワー用パイプ320によりシャワー放出部40に送られてきたオゾン水は、放出板42の複数の孔42aからシャワー状に勢いよく放出、即ち噴射される。
【0043】
ミスト放出部50は、筐体10の頭部10cの後端部に配置される。ミスト放出部50は、その前面が頭部10cの後端面から外部に露出する。ミスト放出部50は、ハウジング510と、超音波振動子520と、貯水槽530とを含む。ミスト放出部50は、本発明のミスト生成部に相当する。
【0044】
ハウジング510には、前面に円形の凹部511が形成され、この凹部511に円盤状の超音波振動子520が装着される。超音波振動子520は、多数の微孔を有し超音波振動する振動面521を備える。
【0045】
貯水槽530は、ハウジング510内の上部に配置される。貯水槽530の容積は、容器210の容積よりも大幅に小さくされている。貯水槽530の天面には、流入パイプ531が形成される。流入パイプ531は、ハウジング510の後面から後方に突出する。ミスト用パイプ330が流入パイプ531に接続される。また、貯水槽530の後面上部には、溢水口532が形成される。溢水口532は、ハウジング510の後面から後方に突出する。溢水パイプ540が溢水口532に接続される。溢水パイプ540の先端は、容器210内に入れられる。
【0046】
貯水槽530は、ハウジング510の凹部511に向かって斜め下方に延び出す部分を有し、その部分の先端に流出口533が設けられる。流出口533は、凹部511内において超音波振動子520の振動面521に接続される。
【0047】
貯水槽530には、ミスト用パイプ330によりミスト放出部50に送られてきたオゾン水が貯められる。超音波振動子520が動作すると、振動面521が超音波振動する。これにより、
図4(b)のように、貯水槽530の流出口533で振動面521に触れたオゾン水が霧化して、オゾンを含むミストとなる。ミストは、放出口となる振動面521の多数の微孔から放出される。
【0048】
操作部60は、筐体10の首部10bの前側に設けられる。操作部60は、操作ボタン61を含み、操作ボタン61が押されると、内部の接点開閉式のスイッチがオンする。
【0049】
電源部70は、充電池710と、充電装置720とを含む。充電池710は、たとえば、リチウムイオン電池であり、電解部220、ポンプ230、切替部360等の電装部品を駆動するための電力を出力する。即ち、充電池710は、オゾンスプレー2からオゾンを含むミストとシャワー状のオゾン水とを放出するために要する電力の供給源である。充電装置720は、受電コイル721と充電回路基板722を含み、充電池710を充電する。受電コイル721は、導線が渦巻き状に巻かれてなり、筐体10の底面に近接するように配置される。充電池710と充電回路基板722は、筐体10内において、容器210の後方下部に配置される。
【0050】
筐体10の底部には、近接スイッチ16が配置される。近接スイッチ16は、リードスイッチ等により構成され、オゾンスプレー2が充電器3の載置面102に設置されたときに、充電器3に設けられた磁石140の磁力に反応してオンする。
【0051】
図5は、オゾンスプレー2の構成を示すブロック図である。
【0052】
オゾンスプレー2は、上述した構成に加え、制御部81、記憶部82、操作検出部83、ランプ駆動部84、電極通電部85、ポンプ駆動部86、バルブ駆動部87、振動子駆動部88および通信部89を備える。
【0053】
操作検出部83は、操作部60の操作ボタン61が押されると、操作信号を制御部81に出力する。近接スイッチ16がオンしたとき、制御部81には、近接スイッチ16からオン信号が出力される。
【0054】
ランプ駆動部84は、制御部81からの制御信号に従って表示ランプ13を点灯させる。電極通電部85は、制御部81からの制御信号に従って電解部220の陽極と陰極の間に電気分解のための電圧を印加する。ポンプ駆動部86は、制御部81からの制御信号に従ってポンプ230を駆動する。
【0055】
バルブ駆動部87は、制御部81からの制御信号に従ってシャワー用バルブ340およびミスト用バルブ350、即ち切替部360を駆動する。振動子駆動部88は、制御部81からの制御信号に従って超音波振動子520を駆動する。
【0056】
通信部89は、赤外線通信方式等の近距離無線通信方式により充電器3の通信部176と通信する。
【0057】
記憶部82は、ROM、RAM等を含む。記憶部82には、制御部81に所定の処理を実行させるためのプログラムが記憶される。また、記憶部82には、プログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
【0058】
制御部81は、操作検出部83、近接スイッチ16等からの各信号に基づいて、記憶部82に記憶されたプログラムに従い、ランプ駆動部84、電極通電部85、ポンプ駆動部86、バルブ駆動部87、振動子駆動部88、通信部89等を制御する。
【0059】
再び
図1および
図2を参照し、充電器3の構成について詳細に説明する。
【0060】
充電器3は、上下に扁平なほぼ円柱状の筐体100を備える。筐体100の天面には、僅かに凹む凹部101が形成される。凹部101の底面は、オゾンスプレー2を載置するための載置面102となり、筐体100の底面と平行となる。筐体100の周面には、後側の上部に放出口103が形成される。放出口103は、周方向に並ぶ複数のスリット孔により構成される。放出口103は、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたとき、オゾンスプレー2のミスト放出部50の放出口である振動面521と同じ方向を向く。
【0061】
筐体100内には、給電部110と磁石140が設けられる。給電部110は、電源装置111と送電コイル112とを含む。電源装置111には、図示しないプラグが接続される。プラグがコンセントに接続されると商用電源から電源装置111に電力供給がなされる。送電コイル112は、導線が渦巻き状に巻かれてなり、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたときに受電コイル721と対向する位置に、載置面102に近接して配置される。磁石140は、オゾンスプレー2が充電器3に載置されたときに近接スイッチ16と対向する位置に、載置面102に近接して配置される。
【0062】
さらに、筐体100内には、前後方向に延びる風路104が設けられる。風路104は、前側が筐体100の底面と平行であり、後側が底面に対して斜め上方に傾く。筐体100には、側面の前側を内側に凹ませるようにして収容室105が形成されており、風路104の入口104aが収容室105に繋がる。風路104の出口104bは、放出口103に繋がる。風路104内にはオゾン発生器120が配置され、収容室105内にはファン130が配置される。オゾン発生器120、ファン130および風路104により、オゾンを放出するオゾン放出部150が構成される。オゾン発生器120は、本発明のオゾン生成部に相当し、ファン130は、本発明の送風部に相当する。
【0063】
オゾン発生器120は、放電方式のオゾン発生器であり、一対の電極間にコロナ放電、無声放電等の放電を生じさせ、一対の電極間に通された空気中の酸素からオゾンを生成する。
【0064】
ファン130は、軸流ファンであり、筐体100の外部から空気を取り込み、取り込んだ空気を風路104内のオゾン発生器120へ送る。また、ファン130は、オゾン発生器120により生成されたオゾンを空気に含ませ、放出口103を通じて外部へ送り出す。なお、ファン130は、遠心ファンであってもよい。
【0065】
筐体100の後部には、オゾン消臭装置1の周辺、たとえば当該装置から所定範囲内に人が存在するか否かを検出するために、人感センサ160が配置される。
【0066】
オゾンスプレー2と充電器3の間には、充電器3の筐体100に形成された突起106と、オゾンスプレー2の筐体10に形成され、突起106が収容される凹部17とによる位置決め構造が備えられており、この位置決め構造によってオゾンスプレー2が前後反対に向けられ状態で充電器3に載置されないようにされている。
【0067】
【0068】
充電器3は、上述した構成に加え、制御部171、記憶部172、インバータ173、発生器駆動部174、ファン駆動部175および通信部176を備える。
【0069】
インバータ173は、制御部171からの制御信号に従って、電源装置111から供給された電圧から交流電圧を生成し、送電コイル112に印加する。インバータ173は、電源装置111および送電コイル112とともに給電部110を構成する。
【0070】
発生器駆動部174は、制御部171からの制御信号に従って、オゾン発生器120を駆動する。ファン駆動部175は、制御部171からの制御信号に従って、ファン130を駆動する。通信部176は、近距離無線通信方式によりオゾンスプレー2の通信部89と通信する。
【0071】
人感センサ160は、焦電型、熱起電力型等の熱型の赤外線センサであり、人から放出された赤外線により生じる温度変化の大きさに応じて変化する検出信号を制御部171へ出力する。制御部171は、入力された検出信号を所定の閾値と比較することにより、オゾン消臭装置1から所定範囲内に人が存在するか否かを判定する。たとえば、検出信号は、人から放出された赤外線を受けたとき温度変化、即ち、周辺の温度との温度差が大きいほど、ピーク電圧が大きくなる波形を有する。制御部171は、ピーク電圧を閾値となる所定電圧と比較し、ピーク電圧が所定電圧より高いときに人が存在すると判定する。このように、人感センサ160と制御部171とによって、オゾン消臭装置1から所定範囲内に人が存在するか否かの検出が行われる。人感センサ160と制御部171により、本発明の人検出部が構成される。
【0072】
記憶部172は、ROM、RAM等を含む。記憶部172には、制御部171に所定の処理を実行させるためのプログラムが記憶される。また、記憶部172には、プログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
【0073】
制御部171は、記憶部172に記憶されたプログラムに従い、インバータ173、発生器駆動部174、ファン駆動部175、通信部176等を制御する。
【0074】
さて、オゾン消臭装置1は、清掃モードの動作と消臭モードの動作とを行う。清掃モードでは、オゾンスプレー2が、充電器3から離れているときに、操作部60の操作、即ち操作ボタン61の押下に基づいてシャワー放出部40からオゾン水をシャワー状に放出させる。また、消臭モードでは、オゾンスプレー2が充電器3にセットされて充電されているときに、オゾン消臭装置1の近辺に人が存在しないことを条件に、オゾンスプレー2が定期的にミスト放出部50からオゾンを含むミストを放出させるとともに、これと同時期に充電器3が放出口103からオゾンを放出させる。
【0075】
清掃モードの動作のための処理は、オゾンスプレー2の制御部81により実行され、消臭モードの動作のための処理は、オゾンスプレー2の制御部81と充電器3の制御部171とにより協働して実行される。オゾンスプレー2の制御部81と充電器3の制御部171とにより、本発明の制御部が構成される。
【0076】
図7は、制御部81によるオゾンスプレー2の制御処理を示すフローチャートである。
【0077】
図7を参照し、制御部81は、近接スイッチ16のオン、オフに基づいて、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたか否かを判定する(S101)。
【0078】
トイレの便器、キッチンのシンク等の対象物の清掃を行う場合、ユーザは、オゾンスプレー2を手に持って充電器3から離す。
【0079】
オゾンスプレー2が充電器3に設置されていない場合(S101:NO)、制御部81は、清掃モードの処理(S102~S104)を実行する。即ち、制御部81は、操作ボタン61が押されたか否かを監視する(S102)。そして、操作ボタン61が押されると(S102:YES)、制御部81は、シャワー用バルブ340を開放し(S103)、その後、ポンプ230と電解部220を動作させる(S104)。これにより、生成部20からオゾン水がシャワー放出部40へ送られて、シャワー放出部40の放出口41からシャワー状に噴射される。なお、
図7のフローチャートには示されていないが、制御部81は、ポンプ230を作動させたのち、少し時間を置いて、電解部220を作動させる。これにより、電解部220内に確実に水が満たされた状態で陽極と陰極の間へ通電でき、これら電極の寿命低下等を防止できる。
【0080】
ポンプ230の動作は、所定時間(たとえば、3秒)行われ、所定時間が経過したときに操作ボタン61が押し続けられていれば押下が解除されるか制限時間(たとえば、10秒)が経過するまで継続される。ポンプ230が動作している間、オゾン水がシャワー放出部40から放出される。このように、オゾン水はシャワー状に放出されるため、放出量が多くなる。このため、対象物がオゾン水で十分に濡らされやすい。シャワー用バルブ340は、ポンプ230と電解部220の動作が停止したときに閉鎖される。
【0081】
なお、清掃モードの処理では、ポンプ230が動作する前にシャワー用バルブ340が開放されるので、水圧により、送水パイプ310がポンプ230の吐出口232から抜けることを防止できる。
【0082】
トイレ、キッチンなどの室内の消臭を行う場合、あるいは、オゾンスプレー2の充電を行う場合、ユーザは、オゾンスプレー2を充電器3に設置する。
【0083】
オゾンスプレー2が充電器3に設置されると(S101:YES)、制御部81は、清掃モードの処理を行う(S105~S111)。制御部81は、充電池710を充電するため、近距離無線通信を用いて充電器3の制御部171へ送電を指示する(S105)。その後、制御部81は、充電器3の制御部171からミスト発生の指示を待つ(S106)。
【0084】
制御部81は、ミスト発生の指示を受けると(S106:YES)、消臭処理を実行する(S107~S109)。即ち、制御部81は、ミスト用バルブ350を開放し(S107)、その後、ポンプ230と電解部220を動作させる(S108)。これにより、生成部20からオゾン水がミスト放出部50へ送られて、貯水槽530に貯められる。ポンプ230の動作は、貯水槽530内に所定量(たとえば、1cc程度)のオゾン水が貯まる時間だけ継続される。このときの貯水槽530の水位は、少なくとも超音波振動子520の振動面521が水没する水位となる。しかしながら、オゾン水は、貯水槽530に満杯に貯められた状態とはならない。ミスト用バルブ350は、ポンプ230と電解部220の動作が停止したときに閉鎖される。
【0085】
次に、制御部81は、超音波振動子520を動作させる(S109)。これにより、ミスト放出部50の放出口である振動面521からオゾンを含むミストが放出される。放出されたミストは、空中を浮遊して室内に拡散する。超音波振動子520の動作は、貯水槽530に貯められたオゾン水が、ほぼ全て放出される時間が経過するまで継続される。
【0086】
なお、消臭処理では、ポンプ230が動作する前にミスト用バルブ350が開放されるので、水圧により、送水パイプ310がポンプ230の吐出口232から抜けることを防止できる。
【0087】
また、何らかの原因により貯水槽530にオゾン水が供給され過ぎ、貯水槽530が満杯状態となった場合は、オゾン水が溢水口532から排出され、溢水パイプ540を通じて容器210内に戻される。これにより、水圧でミスト用パイプ330が貯水槽530の流入パイプ531から外れる等してオゾン水が筐体10内に漏れ出すことが防止される。また、戻されたオゾン水を再利用できる。
【0088】
ミスト発生の指示を待っている間にオゾンスプレー2が充電器3から離された場合(S110:YES)、制御部81は、近距離無線通信を用いて充電器3の制御部171に送電停止を指示する(S111)。そして、制御部81は、S101の処理に戻って、再びオゾンスプレー2が充電器3に設置されるまで清掃モードの処理を実行する。
【0089】
なお、清掃モードの動作が行われている間、表示ランプ13は、清掃モードに対応する色で点灯し、消臭モードの動作が行われている間、表示ランプ13は、消臭モードに対応する色で点灯する。
【0090】
図8は、制御部171による充電器3の制御処理を示すフローチャートである。
【0091】
図8を参照し、制御部171は、オゾンスプレー2の制御部81からの送電の指示を監視する(S201)。そして、送電の指示があると(S201:YES)、制御部171は、インバータ173を駆動する(S202)。
【0092】
インバータ173が動作すると、送電コイル112に交流電流が流れる。電磁誘導作用によって、オゾンスプレー2側の受電コイル721に交流電流が流れて交流電圧が発生する。交流電圧は充電回路基板722で直流電圧に変換され、充電池710に供給される。これにより、充電池710が充電される。
【0093】
次に、制御部171は、動作タイミングが到来したか否かを監視する(S203)。制御部171は、充電開始後あるいは前回のオゾンの放出開始後、所定時間(たとえば、10分)が経過したときに、動作タイミングが到来したと判定する。
【0094】
動作タイミングが到来すると(S203:YES)、制御部171は、人感センサ160からの検出信号に基づいて、オゾン消臭装置1から所定範囲内に人が存在するか否かを判定する(S204)。たとえば、オゾン消臭装置1がトイレ等、比較的狭い室内で用いられた場合、室内に人が存在しなければ、人が存在しないと判定される。
【0095】
人が存在していない場合(S204:NO)、制御部171は、消臭処理を実行する(S205、S206)。即ち、制御部171は、オゾン発生器120とファン130を動作させる(S205)。これにより、充電器3の放出口103からオゾンが放出される。放出されたオゾンは、室内で拡散する。さらに、制御部171は、近距離無線通信を用いて、オゾンスプレー2の制御部81に、ミスト発生を指示する(S206)。
【0096】
上記の通り、オゾンスプレー2からは、ミスト発生の指示に基づき、オゾンの放出とほぼ同じタイミングで、充電器3からのオゾンと同様、オゾン消臭装置1の後方に、オゾンを含むミストが放出される。充電器3から放出されたオゾンは、室内空間でミストと混ざり合い、オゾンとミスト、即ち水との反応により、OHラジカルが生成される。OHラジカルは、オゾン同様、酸化力を有するため、充電器3からのオゾンのみならずOHラジカルによっても室内が消臭される。さらには、ミストに含まれたオゾンによっても室内が消臭される。特に、オゾン消臭装置1がトイレで用いられた場合、トイレ内で発生したアンモニア臭はオゾンのみでは分解ににくいが、ミスト、即ち水が加わり、オゾンと水とがアンモニア臭に接触することで、オゾンによるアンモニア臭の分解が促進されるため、アンモニア臭が低減されやすくなる。
【0097】
充電器3では、風路104の後側が斜め上方に傾いている。このため、放出口103からは、斜め上方にオゾンが放出される。これにより、充電器3から放出されたオゾンがオゾンスプレー2のミスト放出部50から水平方向に放出されたミストと混ざり合いやすくなり、OHラジカルが生成されやすくなる。
【0098】
オゾン発生器120とファン130の動作は、オゾンスプレー2からミストが放出される時間と同じ時間、継続される。
【0099】
上記のように、本実施の形態では、充電器3からのオゾンの放出および停止のタイミングは、オゾンスプレー2からのミストの放出および停止のタイミングとほぼ同じにされている。しかしながら、上記タイミングがほぼ同じでなくてもよく、充電器3からのオゾンの放出期間とオゾンスプレー2からのミストの放出期間とに重なる期間があればよい。あるいは、室内でオゾンとミストとが混ざり合いOHラジカルが生成されるのであれば、充電器3からのオゾンの放出がオゾンスプレー2からのミストの放出の直前あるいは直後に行われ、重なる期間がなくてもよい。
【0100】
なお、オゾン発生器120とファン130が動作している間に人の存在が検出された場合は、少なくともオゾン発生器120が停止されるとよい。
【0101】
動作タイミングの到来を監視している間、制御部171は、さらに、オゾンスプレー2の制御部81からの送電停止の指示を監視する(S207)。そして、送電停止の指示があると(S207:YES)、制御部171は、インバータ173を停止させる(S208)。これにより、送電コイル112からの送電が停止する。制御部171は、S201に戻り、再び、オゾンスプレー2の制御部81からの送電の指示を監視する。
【0102】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、充電器3からオゾンが放出されるとともにオゾンスプレー2からミストが放出される消臭処理が実行される。これにより、充電器3から放出されたオゾンが室内空間でオゾンスプレー2からのミストと混ざり合い、OHラジカルが生成されるので、充電器3からのオゾンのみならずOHラジカルによっても室内が消臭される。よって、オゾン濃度を低く抑えつつ室内を消臭することが可能となる。
【0103】
しかも、オゾン消臭装置1の近くに人がいる場合には、消臭処理が実行されないので、放出されたオゾンやミストとの接触によりユーザが不快感を覚えてしまう、ということが起こりにくい。
【0104】
また、本実施の形態によれば、充電器3は、空気中の酸素からオゾンを生成するオゾン発生器120と、オゾン発生器120により生成されたオゾンを外部へ送り出すファン130と、を含むような構成とされているので、オゾン発生器120とファン130とを動作させることにより、充電器3からオゾンを放出できる。
【0105】
さらに、本実施の形態によれば、オゾンスプレー2は、水が貯められる容器210と、電気分解により容器210内の水からオゾンを生成する電解部220と、容器210から送られた、電解部220により生成されたオゾンを含む水からミストを生成するミスト放出部50を含むような構成とされている。これにより、オゾンスプレー2からオゾンを含むミストを放出できるので、ミストに含まれたオゾンの作用により、室内の消臭効果がより高まる。
【0106】
さらに、本実施の形態によれば、オゾンスプレー2の制御部81と充電器3の制御部171は、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたことに基づいて、消臭処理を実行するよう構成されている。これにより、オゾンスプレー2が充電器3から離れた状態にあるために充電器3からのオゾンとオゾンスプレー2からのミストが混ざりにくい状態でオゾンとミストが放出されることを防止でき、言い換えれば、放出位置が定まることによりオゾンとミストが混ざりやすい状態でオゾンとミストを放出でき、オゾンとOHラジカルとによる消臭効果を十分に発揮させることができる。
【0107】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0108】
たとえば、上記実施の形態では、オゾン消臭装置1から所定範囲内に人が存在するか否かを検出するために、熱型の赤外線センサである人感センサ160が用いられた。しかしながら、熱型以外の赤外線センサである人感センサや赤外線センサ以外の人感センサが用いられてもよい。
【0109】
また、上記実施の形態では、制御部171が人感センサ160からの検出信号と閾値とを比較することにより、人の有無の検出が行われた。しかしながら、人の有無の検出が人感センサ160の内部で行われ、この検出結果に応じた検出信号が人感センサ160から制御部171へ出力されるようにしてもよい。この場合は、人感センサ160のみにより、本発明の人検出部が構成される。
【0110】
さらに、上記実施の形態において、オゾン消臭装置1に、人感センサ160に加えて、人検出部として、照度センサが備えられてもよい。この場合、オゾン消臭装置1が、窓等がなく照明で照らされなければ暗い室内で用いられる場合に、照度センサが動作するよう設定が行われる。そして、制御部171は、
図8の消臭処理において、室内が照明されたか否かを照度センサにより検出し、室内が照明されていないために人が存在しないと見做され、且つ、人感センサ160により人が存在しないことが検出された場合、即ち、これら照度センサと人感センサ160の双方で、オゾン消臭装置1の周辺に人が存在しないことが検出された場合に、オゾン発生器120とファン130を動作させて、充電器3からオゾンを放出させる。
【0111】
なお、オゾン消臭装置1が、照明で照らされなければ暗い室内でのみ用いられるものである場合には、人感センサ160が備えられず、照度センサのみが備えられる構成とされてもよい。この場合、照度センサのみにより、オゾン消臭装置1の周辺に人が存在するか否かが検出される。
【0112】
さらに、上記実施の形態では、ミスト放出部50が、生成部20からのオゾン水が貯められる貯水槽530と、貯水槽530に貯められたオゾン水を超音波振動により霧化する超音波振動子520と、を含むような構成とされた。しかしながら、ミスト放出部50は、上記の構成に限られず、たとえば、オゾン水を霧状に放出させるような孔径のノズルを有するような構造のものであってもよい。
【0113】
さらに、上記実施の形態では、ミスト放出部50とシャワー放出部40が、互いに反対方向を向くように配置されたが、同じ方向を向くように並べられて配置されてもよい。
【0114】
さらに、生成部20は、上記の実施の形態の構成以外の構成とされもよい。たとえば、生成部20は、容器210内でオゾン水を生成するような構成であってもよい。この場合、たとえば、放電方式のオゾン発生器により空気からオゾンを生成し、そのオゾンを容器210内の水に溶解させてオゾン水を生成し、そのオゾン水をポンプ230により吸水して送水部30へ送るような構成とすることができる。
【0115】
さらに、上記実施の形態では、充電器3がオゾンを筐体100の放出口103から斜め上方に放出させるための構成として、放出口103が風路104より高い位置に設けられ、風路104の後側が斜めに傾斜するように形成された。しかしながら、上記の目的のために、放出口103が風路104と同じ高さとされるとともに風路104全体が筐体100の底面と平行にされ、放出口103の内側、即ち風路104の出口104bに、斜め上方を向く複数のルーバーが上下に並ぶように設けられてもよい。さらには、風路104全体が、放出口103側が高くなるように傾けられてもよい。さらには、放出口103に向かって斜め上方に空気が送られるように、風路104内に傾いた状態でファン130が配置される構成が採られてもよい。
【0116】
さらに、上記実施の形態では、オゾンスプレー2のミスト放出部50からは、オゾンスプレー2が水平な状態で水平方向にミストが放出された。しかしながら、ミスト放出部50を傾ける等することにより、オゾンスプレー2から、斜め下方にミストが放出されるようにしてもよい。このようにすれば、放出されたミストが、充電器3から斜め上方に放出されたオゾンと交差しやすくなってオゾンに混ざりやすくなり、OHラジカルが生成されやすくなる。
【0117】
さらに、上記実施の形態では、オゾンスプレー2が充電器3に設置されたときに、充電と消臭処理とが行われた。しかしながら、オゾンスプレー2に電源スイッチが設けられ、電源スイッチがオフのときには、充電のみが行われ、消臭処理が行われないようにされてもよい。
【0118】
さらに、上記実施の形態では、充電器3から非接触方式によりオゾンスプレー2に充電用の電力が供給される構成とされた。しかしながら、充電器3から接触方式によりオゾンスプレー2に充電用の電力が供給される構成とされてもよい。
【0119】
さらに、上記実施の形態では、オゾン消臭装置1がオゾンスプレー2と充電器3とにより構成された。しかしながら、オゾン消臭装置1の構成は、このような構成に限られない。たとえば、オゾン消臭装置1がオゾンスプレー2のみにより構成され、充電器3に設けられていた、オゾン放出部150が筐体10の底部に設けられるようにしてもよい。この場合、オゾン放出部150を有する筐体10の底部が、本発明の第1放出部に相当することになる。さらに、この場合、ACアダプタがオゾンスプレー2に接続されて、ACアダプタからオゾンスプレー2に充電用の電力が供給される構成が採られるとよい。
【0120】
さらに、上記実施の形態では、消臭処理において、オゾンスプレー2のミスト放出部50からオゾンを含むミストが放出された。しかしながら、所定の切替操作が行われることにより、消臭処理において、ミスト放出部50からオゾンを含まないミストが放出されるようにしてもよい。この場合、
図7のS108において、制御部171は、ポンプ230のみを動作させる。
【0121】
さらに、オゾン消臭装置1は、オゾンを含まないミストが放出される放出部と、オゾンが放出される放出部とで構成されるもの、たとえば、ミストが放出されるスプレーの底部に、オゾンが放出される構成が設けられたものであってもよい。
【0122】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 オゾン消臭装置(消臭装置)
2 オゾンスプレー(第2放出部)
3 充電部(第1放出部)
50 ミスト放出部(ミスト生成部)
81 制御部
110 給電部
120 オゾン発生器(オゾン生成部)
130 ファン(送風部)
160 人感センサ
171 制御部
210 容器
220 電解部
710 充電池