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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035531
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】画像形成装置の課金管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/14 20120101AFI20220225BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220225BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
G06Q20/14 300
B41J29/38 201
G06F3/12 322
G06F3/12 303
G06F3/12 338
G06F3/12 367
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020139927
(22)【出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】岡田 富行
【テーマコード(参考)】
2C061
5L055
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS02
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2C061HN22
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】手間とコストがかからず、機密保持も行うことのできる画像形成装置の課金管理システムを提供する。
【解決手段】画像情報を入力する画像情報入力部11と、第1媒体41の第1識別子と第2媒体42の第2識別子とを読み込む識別子読込部12と、読み込んだ第2識別子を記憶する記憶部14と、過去の画像形成に使用した画像情報を第2識別子と対応付けて保持する画像情報保持部15と、画像情報保持部15に保持された画像情報、又は画像情報入力部11に新たに入力された画像情報で画像形成する画像形成部16と、今回読み込んだ第2識別子が所定の画像情報と対応する第2識別子と同じ場合は、画像情報保持部15に保持された画像情報の再使用を許可し、今回読み込んだ第2識別子が異なる場合は、画像情報保持部に保持された画像情報の再使用を禁止する制御部17と、課金情報を生成する課金情報生成部21とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の使用認証のための第1識別子が記録された、全ユーザー共通で使用する第1媒体と、各ユーザーを識別する第2識別子が記録された第2媒体とを用い、前記第1媒体で画像形成装置の使用認証を行って画像形成を行い、前記第2媒体でユーザーIDを特定して各ユーザーの課金を行う画像形成装置の課金管理システムであって、
画像情報を入力する画像情報入力部と、
前記第1媒体の前記第1識別子と、前記第2媒体の前記第2識別子とを読み込む識別子読込部と、
読み込んだ前記第2識別子を記憶する記憶部と、
過去の画像形成に使用した前記画像情報を前記第2識別子と対応付けて保持する画像情報保持部と、
前記画像情報保持部に保持された前記画像情報、又は前記画像情報入力部に新たに入力された前記画像情報で印刷媒体に画像形成する画像形成部と、
前記識別子読込部で読み込んだ前記第1識別子により使用認証が行われた場合には前記画像形成装置の使用を許可し、前記画像情報保持部に保持された所定の画像情報を印刷する場合に、今回読み込んだ前記第2識別子が前記所定の画像情報と対応する第2識別子と同じ場合は、前記画像情報保持部に保持された前記画像情報の再使用を許可し、今回読み込んだ前記第2識別子が前記所定の画像情報と対応する第2識別子と異なる場合は、前記画像情報保持部に保持された前記画像情報の再使用を禁止する制御部と、
前記画像形成部の使用に関する情報と前記第2識別子とを対応付けた課金情報を生成する課金情報生成部とを備えたことを特徴とする画像形成装置の課金管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の課金管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、投入した料金分の印刷等が行える印刷装置の課金管理システムが開示されている。その課金管理システムは、印刷装置の傍の課金装置に料金を投入する。投入された料金はそのまま格納される。そのため盗難の恐れがある。
【0003】
盗難のリスクを低減させる方法としては、例えば、利用対象者(例えば学生)のIDをICカードで認証し、料金を決済する方法が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-251906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、利用対象者のIDをICカードで認証する方法は、利用しないIDがあるにもかかわらず、ICカードの全ユーザーIDを印刷装置(又はその管理装置)に登録しなければならず、手間とコストが大きくなる。
【0006】
上記のような利用対象者のIDをICカードで認証する方法に変えて、全ユーザーが共通に使える認証カードと、ユーザーIDを記録したカードとに分ける方法がある。このようにすれば、全ユーザーが共通に使える認証カードを用いて印刷装置を使用でき、課金についてはユーザーIDを記録したカードでユーザーIDを識別して課金することができ、利便性もよくなる。
【0007】
一方、印刷装置は、印刷済みの画像情報を再利用できる機能を備えたものがある。このような印刷装置を上記のように全ユーザーが共通に使える認証カードと、ユーザーIDを記録したカードとを用いて課金管理しようとすると、印刷済みの画像情報が自由に利用できてしまい、機密保持の問題が生じてしまう。
【0008】
本発明は、上記の如き課題を解決することを目的とするものであり、手間とコストがかからず、機密保持も行うことのできる画像形成装置の課金管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置の課金管理システムは、画像形成装置の使用認証のための第1識別子が記録された、全ユーザー共通で使用する第1媒体と、各ユーザーを識別する第2識別子が記録された第2媒体とを用い、前記第1媒体で画像形成装置の使用認証を行って画像形成を行い、前記第2媒体でユーザーIDを特定して各ユーザーの課金を行う画像形成装置の課金管理システムであって、画像情報を入力する画像情報入力部と、前記第1媒体の前記第1識別子と、前記第2媒体の前記第2識別子とを読み込む識別子読込部と、読み込んだ前記第2識別子を記憶する記憶部と、過去の画像形成に使用した前記画像情報を前記第2識別子と対応付けて保持する画像情報保持部と、前記画像情報保持部に保持された前記画像情報、又は前記画像情報入力部に新たに入力された前記画像情報で印刷媒体に画像形成する画像形成部と、前記識別子読込部で読み込んだ前記第1識別子により使用認証が行われた場合には前記画像形成装置の使用を許可し、前記画像情報保持部に保持された所定の画像情報を印刷する場合に、今回読み込んだ前記第2識別子が前記所定の画像情報と対応する第2識別子と同じ場合は、前記画像情報保持部に保持された前記画像情報の再使用を許可し、今回読み込んだ前記第2識別子が前記所定の画像情報と対応する第2識別子と異なる場合は、前記画像情報保持部に保持された前記画像情報の再使用を禁止する制御部と、前記画像形成部の使用に関する情報と前記第2識別子とを対応付けた課金情報を生成する課金情報生成部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、手間とコストがかからず、機密保持を行いつつ印刷済みの画像情報を有効利用できる画像形成装置の課金管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る課金管理システムの機能構成例を示すブロック図である。
図2図1に示す画像形成装置の概略の処理手順を示すフローチャートである。
図3】本発明の第2実施形態に係る課金管理システムの機能構成例を示すブロック図である。
図4図3に示す管理装置の概略の処理手順を示すフローチャートである。
図5図3に示す管理装置に表示される表示例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付し、その説明を省略若しくは簡略化する。
【0013】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の課金管理システムの機能構成例を示すブロック図である。図1に示す画像形成装置の課金管理システム100は、例えば大学の教務課等において不特定多数の学生が使用する画像形成装置10と、その課金情報を管理する管理装置20とで構成される。
【0014】
画像形成装置10は例えば多数の学生が行き交うスペースに配置され、管理装置20は事務員が仕事をする限られたスペースに配置される。画像形成装置10と管理装置20は、例えばLANケーブル30等で接続される。
【0015】
画像形成装置10は、孔版印刷装置又はインクジェット印刷装置である。管理装置20は、一般的なパーソナルコンピュータで構成することができる。
【0016】
(構成)
図1に示すように、画像形成装置10は、画像情報入力部11、識別子読込部12、第1記憶部13、第2記憶部14、画像情報保持部15、画像形成部16、及び制御部17を備える。
【0017】
画像情報入力部11は、画像情報を入力する。画像情報は、原稿を例えばCCDラインセンサ(図示せず)でスキャンして読み取る。画像情報入力部11は、例えばスキャナーで構成することができる。画像情報入力部11で読み取った画像情報は、制御部17の一部分を構成するメモリ(例えばRAM)に記録される。
【0018】
識別子読込部12は、画像形成装置10の使用を許可する第1媒体41に記録された第1識別子と、利用者(例えば学生)を識別する第2媒体42に記録された第2識別子とを読み込む。第1媒体41は、画像形成装置10を使用した利用者が例えば教務課の窓口で、第2媒体42(例えば学生証)を提示して事務員から一時的に借用するものである。
【0019】
第1媒体41は、例えばICカード又は磁気カードである。第2媒体42も例えばICカード又は磁気カードである。第1媒体41と第2媒体42は、両方が同じ種類のカードで有ってもよいし、異なる種類のカードで有ってもよい。種類が異なる場合は、それぞれの種類のカードが読み取れるインターフェースを備える。ICカードも非接触型でも接触型でもどちらでも構わない。
【0020】
第1記憶部13は第1識別子を記憶している。第1識別子は、予め管理者によって第1記憶部13に記憶させられている。第1識別子は、画像形成装置の数に対応する数あればよい。
【0021】
管理する対象の画像形成装置が一台の場合、第1識別子は1つ以上あればよい。したがって、第1識別子(第1媒体41)を管理する管理者の労力は少なくて済む。
【0022】
第2記憶部14は、識別子読込部12で読み込まれた第2識別子が有効な場合に該第2識別子を記憶する。有効か否かの判定は、第2媒体42(学生証)に記録された例えば学生番号の範囲及び有効期限等で行う。判定は制御部17が行う。第2識別子は有効である場合に第2記憶部14に記憶される。なお、第2記憶部14は、単に記憶部14と称する場合もある。
【0023】
画像情報保持部15は、過去の画像形成に使用した画像情報を保持する。画像情報保持部15が保持する画像情報は、元は画像情報入力部11で原稿をスキャンして読み取った画像情報であるが、保持されるメモリ領域が画像情報入力部11で読み取った画像情報と異なる。本実施形態において、過去の画像形成に使用した画像情報は、直前(前回)の画像情報を保持する例で説明する。
【0024】
画像情報保持部15は、画像情報入力部11で原稿をスキャンして読み取った画像情報で画像形成した後の画像情報を、他のメモリ領域で保持する。つまり、画像情報入力部11に入力された画像情報は、画像形成がされた後に画像情報保持部15に移動される。
【0025】
画像形成部16は、画像情報入力部11に新たに入力された画像情報、又は画像情報保持部15に保持された画像情報を印刷媒体に画像形成する。印刷媒体はカット紙又はロール紙等の用紙である。又はフィルムで有ってもよい。
【0026】
制御部17は、識別子読込部12で新たに読み込んだ第1識別子が第1記憶部13に記憶されている場合は画像形成装置10の使用を許可し、新たに読み込んだ第2識別子が前回の画像形成時と同じ場合は画像情報保持部15に保持された前回の画像形成に使用した画像情報の再使用を許可し、新たに読み込んだ第2識別子が前回の画像形成時と異なる場合は画像情報保持部15に保持された前回の画像形成に使用した画像情報の再使用を禁止する。
【0027】
上記の画像情報入力部11と識別子読込部12と画像形成部16を除いた機能構成部は、例えばROM、RAM、CPU等からなるコンピュータで実現してもよい。各機能構成部をコンピュータによって実現する場合、各機能構成部が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。
【0028】
管理装置20は課金情報生成部21を備える。課金情報生成部は、画像形成装置10の画像形成部16で形成した画像形成情報を受信し、該画像形成情報から課金情報を生成し、該課金情報と第2識別子を対応付ける。画像形成情報は、例えば、用紙サイズ、使用した印刷媒体の枚数、カラー印刷の有無等の使用料金を計算できる情報である。
【0029】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置の課金管理システム100は、画像形成装置10の使用認証のための第1識別子が記録された、全ユーザー共通で使用する第1媒体41と、各ユーザーを識別する第2識別子が記録された第2媒体42とを用い、第1媒体41で画像形成装置10の使用認証を行って画像形成を行い、第2媒体42でユーザーIDを特定して各ユーザーの課金を行う画像形成装置の課金管理システムであって、画像情報を入力する画像情報入力部11と、第1媒体41の第1識別子と、第2媒体42の第2識別子とを読み込む識別子読込部12と、読み込んだ第2識別子を記憶する記憶部14と、過去の画像形成に使用した画像情報を第2識別子と対応付けて保持する画像情報保持部15と、画像情報保持部15に保持された画像情報、又は画像情報入力部11に新たに入力された画像情報で印刷媒体に画像形成する画像形成部16と、識別子読込部12で読み込んだ第1識別子により使用認証が行われた場合には画像形成装置10の使用を許可し、画像情報保持部15に保持された所定の画像情報を印刷する場合に、今回読み込んだ第2識別子が所定の画像情報と対応する第2識別子と同じ場合は、画像情報保持部15に保持された画像情報の再使用を許可し、今回読み込んだ第2識別子が所定の画像情報と対応する第2識別子と異なる場合は、画像情報保持部15に保持された画像情報の再使用を禁止する制御部17と、画像形成部16の使用に関する情報と第2識別子とを対応付けた課金情報を生成する課金情報生成部21とを備える。これにより、手間とコストがかからず、機密保持を行いつつ印刷済みの画像情報を有効利用できる画像形成装置の課金管理システムを提供することができる。
【0030】
制御部17は、新たに読み込んだ第2識別子が前回の画像形成時と同じ場合は画像情報保持部15に保持された前回の画像形成に使用した画像情報の再使用を許可し、新たに読み込んだ第2識別子が前回の画像形成時と異なる場合は画像情報保持部15に保持された画像情報の再使用を禁止する。したがって、第2記憶部14は、前回と今回の画像形成装置10を使用した利用者の第2識別子を記憶すればよい。つまり、第2記憶部14は、先入れ先出しで2つの第2識別子をメモリすればよい。もちろん、より多くの第2識別子を記憶するようにしても構わない。
【0031】
また、第1記憶部13は、画像形成装置10の使用を許可する第1媒体41に記録された第1識別子を記憶するので、第1識別子は最低1つを記憶すればよい。このように記憶する第1識別子と第2識別子のそれぞれ数は少なくて済む。したがって、画像形成装置の課金管理システム100の導入コストは安価である。
【0032】
また、前回と今回の画像形成時の第2識別子が一致しない場合は、画像情報保持部15に保持された画像情報の再使用が禁止されるので、情報漏洩を防止することができる。
【0033】
(作用)
図2は、画像形成装置10の概略の処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
画像形成装置10が動作を開始すると、先ず初めに画像形成装置10の使用を許可する第1媒体41に記録された第1識別子を読み込む(ステップS1)。このステップS1の前は、画像形成装置10が備える表示部(図示せず)に、利用者に対して識別子読込部12に第1媒体41を読ませる指示が表示されている。
【0035】
読み込まれた第1識別子は、制御部17によって第1記憶部13に予め記憶されている第1識別子と照合される(ステップS2)。読み込まれた第1識別子が、第1記憶部13に記憶されていない場合(ステップS2のNO)は、画像形成装置10の使用は認められない(ステップS3)。
【0036】
読み込まれた第1識別子が、第1記憶部13に記憶されている場合(ステップS2のYES)は、利用者を識別する第2媒体42に記録された第2識別子の入力が求められる。例えば図示を省略している表示部に、第2媒体42を読ませる指示が表示される。利用者は、識別子読込部12に第2媒体42を読ませる(ステップS4)。
【0037】
読み込まれた第2識別子は、制御部17において有効か否かがチェックされる(ステップS5)。例えば、第2媒体42が有効期限切れの学生証であったと仮定すると、第2識別子は無効であり画像形成装置10の使用は認められない(ステップS3)。
【0038】
第2識別子が有効である場合は、画像形成装置10の使用が許可される(ステップS6)。そして、有効と判定された第2識別子は、第2記憶部14に記憶される(ステップS7)。
【0039】
制御部17は、有効と判定した第2識別子が、前回読込んだ第2識別子と同じであるかを更に判定する(ステップS8)。有効と判定した第2識別子が、前回読込んだ第2識別子と同じ場合は、前回の画像情報の再使用を許可する(ステップS9)。有効と判定した第2識別子が、前回読込んだ第2識別子と異なる場合は、前回の画像情報の再使用を禁止する(ステップS10)。
【0040】
以降、画像形成装置10は、利用者が操作する操作パネル(図示せず)から入力される制御信号に対応した動作を行う。図2に示す例は、利用者の操作が再印刷又は印刷の例のみを示す。実際は各種の操作が有り得るが、それらの操作に対する処理ステップは省略している。
【0041】
例えば、操作パネルの印刷ボタンが押下された場合(ステップS11のNO)、画像情報入力部11にセットされた原稿をスキャンして画像情報を読込む。そして、画像形成部16は、そのスキャンして読み込んだ画像情報で印刷媒体に画像形成する(ステップS12)。
【0042】
操作パネルの再印刷ボタンが押下された場合(ステップS11のYES)、制御部17は画像情報保持部15が保持する前回の画像形成に使用した画像情報の再使用が許可されているか否かを確認する(ステップS13)。再使用が許可されている場合、つまり前回の画像形成時の利用者と今回の利用者が同じ場合は、画像情報保持部15に保持されている前回の画像形成に使用した画像情報で印刷媒体に画像形成する(ステップS14)。
【0043】
再印刷が禁止されている場合、つまり前回の画像形成時の利用者と今回の利用者が異なる場合は、例えば表示部に「再印刷不可」のメッセージが表示され、画像形成は行われない(ステップS15)。
【0044】
画像形成部が印刷媒体に画像形成を行った後、管理装置20は課金情報を生成する処理を行う。管理装置20の作用は、第2実施形態で説明する。
【0045】
以上説明したように、前回と今回の利用者が異なる場合、画像情報保持部15に保持されている前回の画像形成に使用した画像情報の再使用が禁止される。したがって、原稿(画像情報)が他人の目に晒されることがない。つまり、情報漏洩を防止することができる。また、利用者を識別する第2識別子を予め記憶させておく手間が不要である。
【0046】
〔第2実施形態〕
図3は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の課金管理システムの機能構成例を示すブロック図である。図3に示す画像形成装置の課金管理システム200は、画像形成装置の課金管理システム100(図1)よりも保護(セキュリティ)のレベルを高めたものである。
【0047】
画像形成装置の課金管理システム200は、画像形成装置210の使用の許可を、第1識別子と第2識別子の2つを用いて行う。そのため管理装置220は、課金情報生成部21、第2識別子読込部221、及び利用者登録部222を備える。課金情報生成部21は、参照符号から明らかなように課金管理システム100と同じものである。
【0048】
第2識別子読込部221は、利用者を識別する第2媒体42に記録された第2識別子を読み込む。第2媒体42が例えば磁気カードであると仮定した場合、第2識別子読込部221は磁気カードリーダーである。
【0049】
利用者登録部222は、第2識別子読込部221で読み込んだ第2識別子を、画像形成装置210の第2記憶部14に記憶させる。第2識別子は、LANケーブル30を介して
管理装置220から離れて配置される画像形成装置210の第2記憶部14に記憶させられる。
【0050】
制御部217は、新たに読み込んだ第1識別子が第1記憶部13に記憶され、且つ新たに読み込んだ第2識別子が第2記憶部14に記憶されている場合に画像形成装置210の使用を許可する。このように第1識別子と第2識別子の2つで画像形成装置210の使用を認証するのでセキュリティのレベルを高めることができる。
【0051】
(作用)
図4は、管理装置220の概略の処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
画像形成装置の課金管理システム200を構成する画像形成装置210を使用する場合、利用者は、管理装置220が配置された場所のスタッフに第2媒体42を提示し、スタッフから画像形成装置210の使用を許可する第1媒体41を借用する。この時、スタッフは第2識別子読込部221に利用者の第2媒体42を読み込ませる(ステップS20)。
【0053】
利用者登録部222は、読み込んだ第2識別子が有効であるか否かを判定する(ステップS21)。有効か否かの判定は、第2媒体42(学生証)に記録された例えば学生番号の範囲及び有効期限等で行う。
【0054】
第2識別子が無効で有る場合、スタッフは画像形成装置210の使用を許可する第1媒体41の利用者への貸与を停止する(ステップS21のNO)。有効な第2媒体42が提示されない限り第1媒体41は利用者に貸与されない。
【0055】
第2識別子が有効である場合、スタッフは第1媒体41を利用者に貸与する。この時、スタッフが、画像形成装置210において第1識別子と第2識別子の2つで使用を認証するか、第1識別子のみで使用を認証するかを選択できるようにしてもよい。
【0056】
図5は、管理装置220の表示装置(図示せず)に表示される第2識別子による認証の有無を選択する表示例を模式的に示す図である。表示画面に表示された「使用前に自動登録」を選択して登録ボタンをクリック等すると、第2識別子による認証有りが選択される。
【0057】
「手動設定」を選択して登録ボタンをクリック等すると、第2識別子による認証無しが選択される。第2識別子による認証無しの場合の画像形成装置210の作用は、上記の実施形態の作用(図2)と同じである。この場合、画像形成装置210の第2記憶部14に第2識別子を登録する処理(ステップS22)はスキップされる。
【0058】
第2識別子による認証有りが選択されると、利用者登録部222は、第2識別子読込部221で読み込んだ第2識別子を、画像形成装置210の第2記憶部14に記憶(登録)させる(ステップS22)。そうすると、画像形成装置210の制御部217は、新たに読み込んだ第1識別子が第1記憶部13に記憶され、且つ新たに読み込んだ第2識別子が第2記憶部14に記憶されている場合に画像形成装置210の使用を許可する。
【0059】
使用が許可された後の画像形成装置210の作用は、上記の実施形態と同じである。画像形成部16による印刷媒体に画像形成する処理が終了すると、管理装置220の課金情報生成部21は、画像形成部16で形成した画像形成情報を受信する(ステップS23)。そして、課金情報生成部21は、受信した画像形成情報から課金情報を生成する(ステップS24)。
【0060】
画像形成装置210において画像形成を終了した利用者は、管理装置220が配置された場所に移動して使用料の精算を行う。この時、利用者は、第1媒体41をスタッフに返却する。
【0061】
本実施形態に係る画像形成装置の課金管理システム200を構成する管理装置220は、第2識別子を読み込む第2識別子読込部221と、第2識別子読込部221で読み込んだ第2識別子を画像形成装置210の記憶部14に記憶させる利用者登録部222とを備え、画像形成装置210は、新たに読み込んだ第1識別子が第1記憶部13に記憶され、且つ新たに読み込んだ第2識別子が記憶部14に記憶されている場合に画像形成装置210の使用を許可する制御部217を備える。これにより、画像形成装置210の使用を認証するセキュリティのレベルを高めることができる。
【0062】
以上説明したように本実施形態に係る画像形成装置の課金管理システム100,200によれば、簡易な方法で課金が行え、機密保持も可能であり、導入コストが安価な課金管理システムを提供することができる。
【0063】
また、利用者を予め登録する手間がかからない。また、画像形成装置10の使用を許可する第1識別子(第1媒体41)の数も少なくて済む。したがって、多数の識別子の登録が不要であり手間とコストを削減することができる。
【0064】
また、使用料金のやり取りは対面で行うので、盗難のリスクを低減することができる。また、不特定多数の利用者が使用しても、原稿(画像情報)が他人の目に晒されることがなく情報漏洩を防止することができる。
【0065】
なお、第1識別子(第1媒体41)と第2識別子(第2媒体42)を読み込む識別子読込部12は、図1等において1つを備える例で説明したが、本発明はこの例に限定されない。上記の通り、第1媒体41と第2媒体42は、例えば、両方が同じ種類のカードで有ってもよいし、異なる種類のカードで有ってもよい。異なる種類のカードの場合は、それぞれの種類のカードが読める識別子読込部にすればよい。
【0066】
なお、第2媒体42よりも数が少ない第1媒体41は、例えば第1識別子を暗号化した状態で記憶できるICカードで構成してもよい。セキュリティレベルを高めることができる。数の多い第2媒体42は、例えば磁気カードで構成してもよい。コストを下げることができる。
【0067】
また、画像形成装置10と管理装置20は、例えばLANケーブル30で接続される例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。画像形成装置10と管理装置20は、スタンドアロン型の装置で構成しても構わない。その場合、画像形成装置10の使用量の情報を第1媒体41に書き込み、管理装置20でその使用量に関する情報を読み出して課金情報を生成するようにしてもよい。
【0068】
また、画像形成装置10と管理装置20の2つの装置で構成する必要もない。管理装置20が備える課金情報生成部21は、画像形成装置10に含めてもよい。
【0069】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0070】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
【0071】
(付記1)
画像形成装置の使用認証のための第1識別子が記録された、全ユーザー共通で使用する第1媒体と、各ユーザーを識別する第2識別子が記録された第2媒体とを用い、前記第1媒体で画像形成装置の使用認証を行って画像形成を行い、前記第2媒体でユーザーIDを特定して各ユーザーの課金を行う画像形成装置の課金管理システムであって、
画像情報を入力する画像情報入力部と、
前記第1媒体の前記第1識別子と、前記第2媒体の前記第2識別子とを読み込む識別子読込部と、
読み込んだ前記第2識別子を記憶する記憶部と、
過去の画像形成に使用した前記画像情報を前記第2識別子と対応付けて保持する画像情報保持部と、
前記画像情報保持部に保持された前記画像情報、又は前記画像情報入力部に新たに入力された前記画像情報で印刷媒体に画像形成する画像形成部と、
前記識別子読込部で読み込んだ前記第1識別子により使用認証が行われた場合には前記画像形成装置の使用を許可し、前記画像情報保持部に保持された所定の画像情報を印刷する場合に、今回読み込んだ前記第2識別子が前記所定の画像情報と対応する第2識別子と同じ場合は、前記画像情報保持部に保持された前記画像情報の再使用を許可し、今回読み込んだ前記第2識別子が前記所定の画像情報と対応する第2識別子と異なる場合は、前記画像情報保持部に保持された前記画像情報の再使用を禁止する制御部と、
前記画像形成部の使用に関する情報と前記第2識別子とを対応付けた課金情報を生成する課金情報生成部とを備えたことを特徴とする画像形成装置の課金管理システム。
【0072】
(付記2)
管理装置は、
前記第2識別子を読み込む第2識別子読込部と、
前記第2識別子読込部で読み込んだ前記第2識別子を前記記憶部に記憶させる利用者登録部と
を備え、
前記画像形成装置は、
新たに読み込んだ前記第1識別子が第1記憶部に記憶され、且つ新たに読み込んだ前記第2識別子が前記記憶部に記憶されている場合に前記画像形成装置の使用を許可する制御部
を備える付記1に記載の画像形成装置の課金管理システム。
【符号の説明】
【0073】
10,210 画像形成装置
11 画像情報入力部
12 識別子読込部
13 第1記憶部
14 第2記憶部(記憶部)
15 画像情報保持部
16 画像形成部
17,217 制御部
20 管理装置
21課金情報生成部
41 第1媒体
42 第2媒体
100,200 画像形成装置の課金管理システム
221 第2識別子読込部
222 利用者登録部
図1
図2
図3
図4
図5