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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035645
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】皮膚外用剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20220225BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20220225BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220225BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20220225BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20220225BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/34
A61K8/92
A61K8/84
A61Q1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140118
(22)【出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(74)【代理人】
【識別番号】100188260
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 愼二
(72)【発明者】
【氏名】中田 博子
(72)【発明者】
【氏名】小坂 恭平
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC392
4C083AC421
4C083AC422
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD242
4C083BB13
4C083BB51
4C083CC02
4C083CC13
4C083DD22
4C083DD31
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】塗布膜を厚く均一にすることができ、かつ塗布領域がマット感を有することを可能にする皮膚外用剤組成物を提供すること。
【解決手段】皮膚外用剤組成物は、(A)15質量%~40質量%のマイクロクリスタリンワックスと、(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、水添野菜油、ホホバエステル、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、(ヒマシ油/IPID)コポリマー、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ベヘン酸グリセリル、及びオクタステアリン酸ポリグリセリル-6からなる群から選択される少なくとも1つを含む固形油性ゲル化剤と、(C)2質量%~75質量%の液状油性成分と、を含む。成分(C)は、成分(A)と成分(C)とを質量比1対3で溶融混合した後、固化させて得られた混合物における、25℃における3mm針入硬度(針の径5.6φ)が30以上となるような液状油性成分である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)15質量%~40質量%のマイクロクリスタリンワックスと、
(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、水添野菜油、ホホバエステル、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、(ヒマシ油/IPID)コポリマー、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ベヘン酸グリセリル、及びオクタステアリン酸ポリグリセリル-6からなる群から選択される少なくとも1つを含む固形油性ゲル化剤と、
(C)2質量%~75質量%の液状油性成分と、を含み、
前記成分(C)は、前記成分(A)と前記成分(C)とを質量比1対3で溶融混合した後、固化させて得られた混合物における、25℃における3mm針入硬度(針の径5.6φ)が30以上となるような液状油性成分である、皮膚外用剤組成物。
【請求項2】
前記成分(C)は、液状エステル油、液状高級アルコール及び液状シリコーン油からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項3】
(D)5質量%~70質量%の液状炭化水素油をさらに含む、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項4】
(E)ワセリンが皮膚外用剤組成物の質量に対して3質量%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項5】
(A)20質量%~40質量%のマイクロクリスタリンワックスと、
(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、水添野菜油、ホホバエステル、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、(ヒマシ油/IPID)コポリマー、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ベヘン酸グリセリル、及びオクタステアリン酸ポリグリセリル-6からなる群から選択される少なくとも1つを含む固形油性ゲル化剤と、
(D)30質量%~50質量%の液状炭化水素油と、
(E)ワセリンと、を含み、
前記成分(E)が前記成分(A)1質量部に対して0.8質量部以下である、皮膚外用剤組成物。
【請求項6】
前記成分(E)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して5質量%~30質量%である、請求項5に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項7】
(C)5質量%~30質量%の液状油性成分をさらに含み、
前記成分(C)は、前記成分(A)と前記成分(C)とを質量比1対3で溶融混合した後、固化させて得られた混合物における、25℃における3mm針入硬度(針の径5.6φ)が30以上となるような液状油性成分である、請求項5又は6に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項8】
前記成分(C)は、液状エステル油、液状高級アルコール及び液状シリコーン油からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項9】
前記成分(B)が前記成分(A)1質量部に対して0.0015質量部~0.7質量部である、請求項1~8のいずれか一項に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項10】
(F)0.1質量%~15質量%の粉末をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項11】
皮膚外用剤組成物の質量に対して水が5質量%以下である、請求項1~10のいずれか一項に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項12】
負荷重:2kg、針の径:5.6φ、針入深度:3mm、上昇速度:20mm/分、及び測定温度:25℃の条件で測定した硬度が30~100である、請求項1~11のいずれか一項に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項13】
クリーム又はペーストの形態を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項14】
保湿剤として適用される、請求項1~13のいずれか一項に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項15】
唇用化粧料として適用される、請求項1~14のいずれか一項に記載の皮膚外用剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、皮膚外用剤組成物に関する。特に、本開示は、油性の皮膚外用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
保湿剤、化粧料等の皮膚外用剤には、塗布した領域がつや(光沢)を有さないことが求められることがある。例えば、特許文献1には、つやのない口紅化粧料が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載のスティック状口紅化粧料は、粉末20~50重量%と粘度が5~8csの鎖状のジメチルポリシロキサン20~50重量%を含有し、極性ワックスとしてキャンデリラロウが使用され、体質顔料としてカオリンを25~30重量%含有し、ワックスを15重量%含有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平7-20850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本開示の観点から与えられる。
【0006】
皮膚外用剤は、つやを有さないことに加えて、肌に厚く塗布できることが求められることがある。例えば、保湿剤の場合、厚く塗布できると保湿効果をより高めることができる。化粧料の場合、厚く均一に塗布できると化粧持ちを高めることができる。このように皮膚外用剤を厚く均一に塗布できるようにするためには、皮膚外用剤がある程度軟らかく、かつなめらかであることが求められる。しかしながら、軟らかい皮膚外用剤の塗布膜はつやが出やすく、マット感を出すことができない。一方、一般的に、特許文献1に記載のスティック状化粧料のように、つやが出ないような(マット感を有するような)組成にすると、皮膚外用剤が硬く、なめらかでなくなり、厚く均一に塗布することができなくなる。
【0007】
そこで、塗布膜を厚く均一にすることができ、かつ塗布領域がマット感を有することを可能にする皮膚外用剤組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1視点によれば、(A)15質量%~40質量%のマイクロクリスタリンワックスと、(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、水添野菜油、ホホバエステル、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、(ヒマシ油/IPID)コポリマー、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ベヘン酸グリセリル、及びオクタステアリン酸ポリグリセリル-6からなる群から選択される少なくとも1つを含む固形油性ゲル化剤と、(C)2質量%~75質量%の液状油性成分と、を含む、皮膚外用剤組成物が提供される。成分(C)は、成分(A)と成分(C)とを質量比1対3で溶融混合した後、固化させて得られた混合物における、25℃における3mm針入硬度(針の径5.6φ)が30以上となるような液状油性成分である。
【0009】
本開示の第2視点によれば、(A)20質量%~40質量%のマイクロクリスタリンワックスと、(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、水添野菜油、ホホバエステル、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、(ヒマシ油/IPID)コポリマー、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ベヘン酸グリセリル、及びオクタステアリン酸ポリグリセリル-6からなる群から選択される少なくとも1つを含む固形油性ゲル化剤と、(D)30質量%~50質量%の液状炭化水素油と、(E)ワセリンと、を含む、皮膚外用剤組成物が提供される。成分(E)が成分(A)1質量部に対して0.8質量部以下である。
【発明の効果】
【0010】
本開示の皮膚外用剤組成物によれば、均一な厚さで厚く塗布可能であると共に、塗布領域にマット感を出すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記各視点の好ましい形態を以下に記載する。
【0012】
上記第1視点の好ましい形態によれば、成分(C)は、液状エステル油、液状高級アルコール及び液状シリコーン油からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0013】
上記第1視点の好ましい形態によれば、皮膚外用剤組成物は、(D)5質量%~70質量%の液状炭化水素油をさらに含む。
【0014】
上記第1視点の好ましい形態によれば、(E)ワセリンが皮膚外用剤組成物の質量に対して3質量%以下である。
【0015】
上記第2視点の好ましい形態によれば、成分(E)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して5質量%~30質量%である。
【0016】
上記第2視点の好ましい形態によれば、皮膚外用剤組成物は、(C)5質量%~30質量%の液状油性成分をさらに含む。成分(C)は、成分(A)と成分(C)とを質量比1対3で溶融混合した後、固化させて得られた混合物における、25℃における3mm針入硬度(針の径5.6φ)が30以上となるような液状油性成分である。
【0017】
上記第2視点の好ましい形態によれば、成分(C)は、液状エステル油、液状高級アルコール及び液状シリコーン油からなる群から選択される少なくとも1つを含む、5質量%~30質量%の液状油性成分をさらに含む。
【0018】
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、成分(B)が成分(A)1質量部に対して0.0015質量部~0.5質量部である。
【0019】
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、皮膚外用剤組成物が(F)0.1質量%~15質量%の粉末をさらに含む。
【0020】
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、皮膚外用剤組成物の質量に対して水が5質量%以下である。
【0021】
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、負荷重:2kg、針の径:5.6φ、針入深度:3mm、上昇速度:20mm/分、及び測定温度:25℃の条件で測定した、皮膚外用剤組成物の硬度が30~100である。
【0022】
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、皮膚外用剤組成物がクリーム又はペーストの形態を有する。
【0023】
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、皮膚外用剤組成物が保湿剤として適用される。
【0024】
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、皮膚外用剤組成物が唇用化粧料として適用される。
【0025】
以下の説明において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレンの略記で、POE又はPOPの後ろのカッコ内の数字は当該化合物中におけるPOE基又はPOP基の平均付加モル数を表す。
【0026】
本開示において「実質量」とは、その化合物の添加による作用効果が生じ得る量をいう。
【0027】
本開示において「固形」とは、大気圧下、25℃で固体を維持可能なものをいう。本開示において「液状」とは、大気圧下、25℃で流動性があるもの(液状であるもの)をいう。
【0028】
[第1実施形態]
本開示の第1実施形態に係る皮膚外用剤組成物について説明する。第1実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、(A)マイクロクリスタリンワックスと、(B)固形油性ゲル化剤と、(C)液状油性成分と、を含む。
【0029】
[(A)マイクロクリスタリンワックス]
第1実施形態において、成分(A)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、15質量%以上であると好ましく、20量%以上であるとより好ましい。成分(A)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、25質量%以上、又は30質量%以上とすることができる。成分(A)が15質量%未満であると、皮膚外用剤組成物の塗布領域につやが出てしまうと共に、皮膚外用剤組成物を均一な厚さで厚く塗布することが難しくなる。成分(A)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、又は25質量%以下とすることができる。
【0030】
[(B)固形油性ゲル化剤]
成分(B)は、成分(A)と組み合わせることによって、少なくとも液状油性成分を厚く塗布できるように硬度を高めることができるものである。成分(B)は、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、水添野菜油、ホホバエステル、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、(ヒマシ油/IPID)コポリマー、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ベヘン酸グリセリル、及びオクタステアリン酸ポリグリセリル-6からなる群から選択される少なくとも1つとすることができる。
【0031】
成分(B)は、成分(A)1質量部に対して、0.0015質量部以上、0.002質量部以上、0.003質量部以上、0.005質量部以上、0.008質量部以上、0.01質量部以上、0.03質量部以上、0.05質量部以上、0.07質量部以上、0.1質量部以上、0.2質量部以上、又は0.3質量部以上とすることができる。成分(B)は、成分(A)1質量部に対して、0.5質量部以下、0.4質量部以下、0.3質量部以下、0.2質量部以下、0.1質量部以下、0.08質量部以下、0.05質量部以下、0.03質量部以下とすることができる。
【0032】
成分(B)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.5質量%以上、又は0.8質量%以上とすることができる。成分(B)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、2質量%以下、1.5質量%以下、又は1質量%以下とすることができる。
【0033】
[(C)液状油性成分]
成分(C)は、成分(A)と混合することにより、成分(A)単体の硬度よりも、皮膚外用剤として適度な硬度を有する混合物を調製することができるような成分である。成分(A)と成分(C)の混合物の硬度は以下のようにして確認することができる。
【0034】
成分(A)と成分(C)とを質量比(成分(A):成分(C)=1:3)で混合する。混合物を加熱溶融し、混合した後、室温まで冷却して固化させて、成分(A)と成分(C)とが均一に混合された混合物を作製する。この混合物について、負荷重:2kg、針入深度:3mm、上昇速度:20mm/分、及び測定温度:25℃の条件で測定した硬度を測定する。針の径が1φ(直径1mm)である場合、混合物の硬度は1以上であると好ましく、3以上であるとより好ましく、5以上であるとさらに好ましい。針の径が1φである場合、混合物の硬度は200以下であると好ましく、170以下であるとより好ましい。針の径:5.6φ(直径5.6mm)の場合、混合物の硬度は30以上であると好ましく、50以上であるとより好ましく、100以上であるとさらに好ましい。
【0035】
成分(C)は、液状エステル油、液状高級アルコール及び液状シリコーン油からなる群から選択される少なくとも1つを含むと好ましい。本開示の成分(C)に、液状炭化水素油は含まれない。
【0036】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0037】
本開示の皮膚外用剤組成物に適用する液状エステル油としては、例えば、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、セスキイソステアリン酸ソルビタン等が特に好ましい。
【0038】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等を使用することができる。
【0039】
本開示の皮膚外用剤組成物に適用する液状高級アルコールとしては、例えば、オクチルドデカノール等が特に好ましい。
【0040】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム、シクロペンタシロキサン等のシリコーン化合物等が挙げられる。
【0041】
本開示の皮膚外用剤組成物に適用する液状シリコーン油としては、例えば、揮発性ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、ポリシリコーン-15、ジフェニルジメチコン、デカメチルテトラシロキサン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン等が特に好ましい。揮発性ジメチコンは、例えば、2cSt以下の粘度(25℃)を有すると好ましい。
【0042】
成分(C)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、2質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、又は50質量%以上とすることができる。成分(C)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、75質量%以下、65質量%以下、55質量%以下、45質量%以下、35質量%以下、25質量%以下、又は15質量%以下とすることができる。
【0043】
[(D)液状炭化水素油]
第1実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、液状炭化水素をさらに含むことができる。本開示にいう成分(D)には、マイクロクリスタリンワックス及びワセリンは含まれない。
【0044】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、イソドデカン、イソヘキサデカン、水添ポリデセン、ミネラルオイル等が挙げられる。
【0045】
本開示の皮膚外用剤組成物に適用する液状炭化水素油としては、例えば、水添ポリデセン、水添ポリイソブテン等が特に好ましい。
【0046】
成分(D)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、又は50質量%以上とすることができる。成分(D)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、又は20質量%以下とすることができる。
【0047】
[(E)ワセリン]
第1実施形態に係る皮膚外用剤組成物において、成分(E)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。第1実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、ワセリンを実質的に含有しないと好ましい。ワセリンの含有を少なくすることにより、皮膚外用剤組成物の高温安定性を高めることができる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態に係る皮膚外用剤組成物について説明する。第2実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、(A)マイクロクリスタリンワックスと、(B)固形油性ゲル化剤と、(D)液状炭化水素油と、(E)ワセリンと、を含む。第1実施形態に係る皮膚外用剤組成物は(C)液状油性成分を含有していたが、第2実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、成分(C)を必ずしも含む必要はない。
【0049】
[(A)マイクロクリスタリンワックス]
第2実施形態において、成分(A)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、20質量%以上であると好ましい。
【0050】
第2実施形態における成分(A)の上記以外の形態は第1実施形態と同様とすることができる。第2実施形態における成分(A)の上記以外の形態については、第1実施形態の記載を援用し、ここでの記載を省略する。
【0051】
[(B)固形油性ゲル化剤]
第2実施形態における成分(B)の形態は第1実施形態と同様とすることができる。第2実施形態における成分(B)の形態については、第1実施形態の記載を援用し、ここでの記載を省略する。
【0052】
[(D)液状炭化水素油]
【0053】
第2実施形態において、成分(D)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上とすることができる。成分(D)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、50質量%以下、45質量%以下、又は40質量%以下とすることができる。
【0054】
第2実施形態における成分(D)の上記以外の形態は第1実施形態と同様とすることができる。第2実施形態における成分(D)の上記以外の形態については、第1実施形態の記載を援用し、ここでの記載を省略する。
【0055】
[(E)ワセリン]
第2実施形態に係る皮膚外用剤組成物において、成分(E)は、成分(A)1質量部に対して、好ましくは0.8質量部以下である。成分(E)は、成分(A)1質量部に対して、0.6質量部以下、又は0.4質量部以下とすることができる。ワセリンが0.8質量部を超えると、組成物を厚く塗布することが難しくなってしまう。成分(E)は、成分(A)1質量部に対して、0.1質量部以上、0.2質量部以上、0.3質量部以上、又は0.4質量部以上とすることができる。成分(E)を多くすると、マット感を強くすることができる。成分(E)を少なくすると、組成物をなめらかにすることができる。
【0056】
成分(E)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、5質量%以上、10質量%以上、12質量%以上、又は15質量%以上とすることができる。成分(E)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下とすることができる。
【0057】
[(C)液状油性成分]
第2実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、上記成分に加えて、液状油性成分をさらに含むことができる。
【0058】
第2実施形態において、成分(C)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上とすることができる。成分(C)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下とすることができる。
【0059】
第2実施形態における成分(C)の上記以外の形態は第1実施形態と同様とすることができる。第2実施形態における成分(C)の上記以外の形態については、第1実施形態の記載を援用し、ここでの記載を省略する。
【0060】
[共通形態]
以下に、第1実施形態及び第2実施形態の共通の形態について説明する。
【0061】
[(F)粉末]
本開示の皮膚外用剤組成物は、上記成分に加えて、粉末をさらに含むことができる。
【0062】
粉末は、化粧料用途等、一般に用い得るものであれば特に限定されるものではない。粉末としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、焼成雲母、焼成タルク、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、煙霧状シリカ、ゼオライト、ガラス、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末、シリコーン樹脂粉末、シルクパウダー、ウールパウダー、ウレタンパウダー等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(γ-酸化鉄等)、無機黄色系顔料(黄酸化鉄、黄土等)、無機黒色系顔料(黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等)、無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等);ワックス粉末(例えば、カルナバワックス粉末等);デンプン粉末(例えば、トウモロコシデンプン粉末、コメデンプン粉末等)等を使用することができる。
【0063】
粉末は、皮膚外用剤の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、粉末としてマイカを選択すると、塗布領域のマット感を高めることができる。顔料を選択すると、皮膚外用剤組成物を着色することができる。
【0064】
成分(F)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上とすることができる。成分(F)は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、15質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、又は3質量%以下とすることができる。
【0065】
[(G)その他]
本開示の皮膚外用剤組成物は、本開示の効果を阻害しない範囲において、他の成分、例えば、水、水溶性アルコール、上記以外の油性成分、粉末、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、親水性非イオン性界面活性剤、親油性非イオン性界面活性剤、増粘剤、保湿剤、皮膜剤、油溶性紫外線吸収剤、水溶性紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を必要に応じて適宜含有することができる。
【0066】
水としては、化粧料、医薬部外品等に使用される水を使用することができ、例えば、精製水、イオン交換水、水道水等を使用することができる。
【0067】
水は、皮膚外用剤組成物の質量に対して、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。皮膚外用剤組成物は水を実質量含有しないとさらに好ましい。
【0068】
水溶性アルコールとしては、例えば、低級アルコール、多価アルコール、多価アルコール重合体、2価のアルコールアルキルエーテル類、2価アルコールアルキルエーテル類、2価アルコールエーテルエステル、グリセリンモノアルキルエーテル、糖アルコール、単糖、オリゴ糖、多糖およびそれらの誘導体等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0069】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
【0070】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトール、デンプン分解糖還元アルコール等);グリコリド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0071】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオース、ベルバスコース類等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0072】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0073】
その他のポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(グルカムE-10)、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(グルカムP-10)等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0074】
油性成分としては、例えば、ワックス、液体油脂、固体油脂、ロウ、高級脂肪酸等を使用することができる。
【0075】
ワックスとしては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、カポックロウ、サトウキビロウ、ラウリン酸ヘキシル、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEコレステロールエーテル、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等が挙げられる。
【0076】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0077】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0078】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0079】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0080】
天然の水溶性ポリマーとしては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等)等が挙げられる。
【0081】
半合成の水溶性ポリマーとしては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0082】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルメチルエーテル(PVM)、PVP(ポリビニルピロリドン)、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸、タウレート系合成高分子、アクリレート系合成高分子等が挙げられる。
【0083】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0084】
皮膜剤としては、例えば、高分子シリコーン、シリコーンレジン、トリメチルシロキシケイ酸等)が挙げられる。
【0085】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0086】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0087】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0088】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン、クロルフェネシン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキョウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0089】
さらに、本開示の組成物は、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物、酢酸トコフェロール、グリチルレジン酸、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、グルコキシルヘスペリジンも適宜含有することができる。
【0090】
[形態・硬度]
本開示の皮膚外用剤組成物は、クリーム形態又はペースト形態を有することができる。クリーム状ないしペースト状の皮膚外用剤組成物は、チューブ型容器に収容することができる。
【0091】
本開示の皮膚外用剤組成物は、8以上の硬度を有すると好ましい。本開示の皮膚外用剤組成物は、200以下の硬度を有すると好ましい。皮膚外用剤組成物をクリーム状ないしペースト状とする場合、皮膚外用剤組成物は30以上の硬度を有すると好ましい。また、皮膚外用剤組成物は100以下の硬度を有すると好ましい。
【0092】
硬度は、皮膚外用剤組成物を製造した直後に測定用の容器に充填し、1時間静置したのち、サン科学社製レオメータを用い、負荷重:2kg、針の径:5.6φ、針入深度:3mm、上昇速度:20mm/min.、測定温度:25℃で測定することができる。
【0093】
[製造方法]
本開示の皮膚外用剤組成物の製造方法について説明する。本開示の皮膚外用剤組成物は、公知の方法で製造することができる。例えば、マイクロクリスタリンワックスを加熱溶融させる。次に、溶融したマイクロクリスタリンワックスに、その他の成分を添加して混合する。次に、混合物を冷却する。このようにして、本開示の皮膚外用剤組成物を製造することができる。加熱溶融したマイクロクリスタリンワックスと液状油性成分とを混合した後に固化させることによって、適度な硬度を有する均一な組成物を製造することができる。
【0094】
本開示の皮膚外用剤組成物において、相構造等が、組成によって直接特定することが困難であるか、又はおよそ実際的ではない場合がある。このような場合には、本開示の皮膚外用剤組成物は、その製造方法によって特定することが許されるべきものである。
【0095】
本開示の皮膚外用剤組成物は、例えば、保湿剤、化粧料等に適用することができる。例えば、本開示の皮膚外用剤組成物は、唇用保湿剤(リップクリーム)、皮膚用保湿剤(バーム)、口紅、リップグロス等に適用することができる。
【0096】
本開示の皮膚外用剤組成物は、塗布した領域に、つやのないマット感を出すことができる。また、本開示の皮膚外用剤組成物は、マット感を出さないのにもかかわらず、肌に厚く塗布することができる。さらに、本開示の皮膚外用剤組成物は、なめらかさを有しており、均一な厚さで塗布することができる。これにより、例えば、本開示の皮膚外用剤組成物を保湿剤に適用した場合には、肌に均一な厚さで厚く塗布することができるので、持続的な高い保湿効果を実現することができる。また、本開示の皮膚外用剤組成物は、厚く塗布可能であってもべたつきが抑制されている。
【実施例0097】
本開示の皮膚外用剤組成物について、以下に例を挙げて説明する。しかしながら、本開示の皮膚外用剤組成物は以下の例に限定されるものではない。各表に示す各成分の含有率の単位は質量%である。
【0098】
[試験例1~9]
固形油性ゲル化剤の種類が異なる皮膚外用剤組成物を作製し、各皮膚外用剤組成物について、バルク硬度を測定すると共に、塗布膜がマット感を有するか、塗布膜が厚さを有するか、なめらかな塗布感があるか、皮膚外用剤組成物をむらなく塗布できるか、皮膚外用剤組成物を収容する容器としてチューブ容器とボトル容器のいずれが適するか、及び高温環境における安定性について評価した。各試験項目の評価方法及び評価基準を以下に示す。表1~表2に、各皮膚外用剤組成物の組成及び評価を示す。
【0099】
[バルク硬度]
皮膚外用剤組成物を製造した直後に測定用の容器に充填し、1時間静置する。その後、サン科学社製レオメータを用い、負荷重:2kg、針の径:5.6φ、針入深度:3mm、上昇速度:20mm/min.、測定温度:25℃で皮膚外用剤組成物の硬度を測定した。
【0100】
[使用感及び仕上がりの評価]
使用感及び仕上がり(マット感の有無、塗布膜の厚さ、なめらかさ、むらのなさ、及びべたつきのなさ)について、専門パネル10名が試料を唇に1.5往復塗布し、評価した。評価人数によって各評価項目を評価付けした。
A:9名以上が評価項目について良好であると回答した;
B:7~8名が評価項目について良好であると回答した;
C:6名が評価項目について良好であると回答した;
D:4~5名が評価項目について良好であると回答した;
E:3名以下が評価項目について良好であると回答した。
【0101】
[容器のタイプ]
T:皮膚外用剤組成物をチューブタイプの容器で使用可能である;
B:皮膚外用剤組成物をボトルタイプ及び/又はジャータイプの容器で使用可能である。
【0102】
[高温安定性]
皮膚外用剤組成物を50℃の環境に2週間静置し、皮膚外用剤組成物の外観を以下の基準で評価した。
良好:皮膚外用組成物に分離も溶融も生じなかった;
不良:皮膚外用組成物に分離又は溶融が生じた。
【0103】
固形油性ゲル化剤(成分(B))を含有していない試験例1の皮膚外用剤組成物は、マット感の評価は高いものの、塗布膜の厚さ、むらの無さ及びべたつきの無さは低評価であった。一方、固形油性ゲル化剤を添加した試験例2~8の皮膚外用剤組成物は、いずれの評価項目も高評価であった。しかしながら、固形油性ゲル化剤としてパルミチン酸デキストリンを用いた試験例9においては、マット感及び塗布膜の厚さは低評価であった。これより、少なくとも試験例2~8で用いた固形油性ゲル化剤であれば良好な皮膚外用剤組成物を作製することができると考えられる。
【0104】
試験例2~8の皮膚外用剤組成物は、チューブタイプの容器から出しやすく、ボトルタイプでも問題なく取り出すことができた。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
[試験例10~18]
ワックスの種類及び量が異なる皮膚外用剤組成物を作製し、各皮膚外用剤組成物について試験例1~9と同様の試験を行った。表3~表4に、各皮膚外用剤組成物の組成及び評価を示す。
【0108】
試験例10~18のいずれの皮膚外用剤組成物もマット感の評価が低かった。また、試験例10~15及び17~18の皮膚外用剤組成物は塗布膜を厚くすることができなかった。また、むらのなさが低評価の試験例もあった。これより、好ましいワックスはマイクロクリスタリンワックスであると考えられる。また、マイクロクリスタリンワックスの含有率は10質量%以上であると好ましいと考えられる。
【0109】
【表3】
【0110】
【表4】
【0111】
[試験例19~24]
マイクロクリスタリンワックスに対する固形油性ゲル化剤の質量比が異なる皮膚外用剤組成物を作製し、各皮膚外用剤組成物について試験例1~9と同様の試験を行った。表5に、各皮膚外用剤組成物の組成及び評価を示す。
【0112】
試験例19~24においては、いずれも良好なマット感及び膜厚を実現することができた。これより、マイクロクリスタリンワックス1質量部に対して、固形油性ゲル化剤は0.0015質量部以上とすることができると考えられる。固形油性ゲル化剤の割合が高くなるとなめらかさがよくなる傾向が見受けられた。マイクロクリスタリンワックス1質量部に対して、固形油性ゲル化剤は少なくとも0.7質量部以下とすることができると考えられる。固形油性ゲル化剤の割合が低くなるとマット感及び塗布膜の厚さの評価が高くなる傾向が見受けられた。
【0113】
【表5】
【0114】
[試験例25~26]
上記試験例で用いた液状油性成分とは異なる(C)液状油性成分を用いた皮膚外用剤組成物を作製し、各皮膚外用剤組成物について試験例1~9と同様の試験を行った。表6~表7に、各皮膚外用剤組成物の組成及び評価を示す。
【0115】
液状エステル油、液状シリコーン油、及び液状高級アルコールのいずれも添加しなかった試験例25においては、硬度が低いと共に、塗布膜の厚さが低評価であった。一方、液状エステル油、液状シリコーン油、及び液状高級アルコールのうちのいずれかを添加した試験例25~34においては、いずれの評価項目も良好な評価を得ることができた。これより、液状炭化水素油以外の液状油性成分は、マイクロクリスタリンワックスと混合することによって組成物の硬度を高めることができる液状油性成分が好ましいと考えられる(後述の試験例参照)。このような液状油性成分としては、液状エステル油、液状シリコーン油及び液状高級アルコールのうちの少なくとも1つであると好ましいと考えられる。
【0116】
成分(C)である液状油性成分は、組成物の質量に対して2質量%以上とすることができることが分かった。(C)液状油性成分は、組成物の質量に対して75質量%以下であると好ましく、65質量%以下であるとより好ましいと考えられる。
【0117】
試験例31及び34においては(D)液状炭化水素油を含んでいなくとも良好な評価を得ることができた。これより、(C)液状油性成分を含む形態においては、(D)液状炭化水素油は必ずしも必要ではないことが分かった。(D)液状炭化水素油を含むと、なめらかさの評価が高くなる傾向が観察された。(D)液状炭化水素油は、組成物の質量に対して5質量%以上であると好ましいと考えられる。(D)液状炭化水素油は、組成物の質量に対して70質量%以下とすることができる。
【0118】
【表6】
【0119】
【表7】
【0120】
[試験例35~40]
ワセリンを含む皮膚外用剤組成物を作製し、各皮膚外用剤組成物について試験例1~9と同様の試験を行った。表8に、各皮膚外用剤組成物の組成及び評価を示す。
【0121】
マイクロクリスタリンワックス及び固形油性ゲル化剤を含有していない試験例35の皮膚外用剤組成物は、マット感及び塗布膜の厚さが低評価であった。また、高温安定性も低かった。試験例36において、試験例35の組成物に固形油性ゲル化剤を添加しても評価は変わらなかった。これより、ワセリンではマイクロクリスタリンワックスの代替とはならないことが分かった。試験例37及び38においては、試験例36のワセリンの一部をマイクロクリスタリンワックスで代替させた。その結果、塗布膜の厚さ及び高温安定性は改善したが、試験例37においては塗布膜の厚さの評価がまだ低かった。これより、ワセリンを含む形態においては、マイクロクリスタリンワックスは20質量%以上であると好ましいと考えらえる。ワセリンは、マイクロクリスタリンワックス1質量部に対して0.8質量部以下であると好ましいと考えられる。
【0122】
試験例36の(C)液状油性成分の一部をワセリンで代替させた試験例39及び40においては、良好な評価が得られた。特に、試験例40においては、(C)液状油性成分が無配合でも問題なかった。これより、ワセリンは30質量%以下とすることができると考えられる。
【0123】
【表8】
【0124】
[試験例41~44]
粉末を含む皮膚外用剤組成物を作製し、各皮膚外用剤組成物について試験例1~9と同様の試験を行った。表9に、各皮膚外用剤組成物の組成及び評価を示す。
【0125】
粉末を含有する皮膚外用剤組成物においても良好な評価を得ることができた。粉末は、少なくとも15質量%まで添加することができると考えられる。試験例42においては、よりマット感を高めることができた。これより、マット感を高めたい場合には、マイカを5質量%以上添加すると好ましいと考えられる。また、試験例43及び44においては顔料を添加しても問題なかった。これより、本開示の皮膚外用剤組成物は、口紅等の化粧料にも適用することができる。
【0126】
【表9】
【0127】
[試験例45]
(A)マイクロクリスタリンワックスと混合することによって適度な硬度を有する混合物を得ることができる液状油性成分を確認した。マイクロクリスタリンワックスと表10に記載の各液状油性成分とを質量比1:3で混合した。混合物を溶融するまで加熱し、混合して、室温まで冷却して固化させた。サン科学社製レオメータを用い、負荷重:2kg、針入深度:3mm、上昇速度:20mm/min.、測定温度:25℃で混合物の硬度を測定した。針の径は1φ及び5.6φを使用した。
【0128】
液状エステル油、液状高級アルコール及び液状シリコーン油(不揮発性ジメチコン除く)は、十分な硬度かつ均一な組成を有する、マイクロクリスタリンワックスとの混合物が得られた。今回の測定では200を超える硬度は測定できなかった。ただし、針の径1φで硬度3以上あれば針の径5.6φでも十分な硬度が得られることが分かった。
【0129】
【表10】
【0130】
本発明の皮膚外用剤組成物は、上記実施形態及び実施例に基づいて説明されているが、上記実施形態及び実施例に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、各開示要素(請求の範囲、明細書及び図面に記載の要素を含む)に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができる。また、本発明の請求の範囲の範囲内において、各開示要素の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
【0131】
本発明のさらなる課題、目的及び形態(変更形態含む)は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
【0132】
本書に記載した数値範囲については、別段の記載のない場合であっても、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし範囲が本書に具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【0133】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下の記載には限定されない。各付記は、特許請求の範囲に記載の各請求項と組み合わせることもできる。
[付記1]
本開示の皮膚外用剤組成物を保湿剤として使用する、皮膚外用剤組成物の使用方法。
[付記2]
本開示の皮膚外用剤組成物を口唇に塗布する、皮膚外用剤組成物の使用方法。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本開示の皮膚外用剤組成物は、例えば、肌に適用する化粧料、洗浄料等に適用することができる。例えば、本開示の油性固形化粧料は、下地化粧料、上地化粧料、メイクアップ化粧料、制汗剤、防臭剤、日焼け止め化粧料、スキンケア剤、洗浄料等に適用することができる。