(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035656
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】ワイヤレスLED
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20220225BHJP
【FI】
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140138
(22)【出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】503136244
【氏名又は名称】清水 晃
(72)【発明者】
【氏名】清水 晃
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA04
3K273PA09
3K273QA16
3K273QA22
3K273SA02
3K273SA10
3K273SA32
3K273SA35
3K273SA36
3K273SA56
3K273TA02
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA37
3K273TA46
3K273TA47
3K273TA55
3K273TA62
3K273UA22
3K273UA26
(57)【要約】
【課題】無電源のLEDに電力を供給する方法として、電磁誘導や磁界共鳴を利用する方式がある。どちらの方式も、電力を供給するコイルに高周波の磁界を発生させて、受電側のコイルが磁界の近くにあるときにLEDが発光する。電磁誘導方式は数cm程度で、磁界共鳴方式では数十cm程度の距離内で使用可能である。また、電力を供給するコイルから発生する磁界により、他の電子機器にノイズなどの影響を与える場合もある。
【解決手段】ワイヤレスで無電源のLEDが発光する手段として、赤外線を用いて、赤外線により電力を供給する。受光側は、その赤外線を電力に変換してLEDを発光させるため、赤外線が十分に届く範囲であれば、その範囲内のどこに移動してもLEDの発光が可能である。さらに、他の電子機器にノイズなどの影響を与えない。また、LEDに電力を供給するケーブルも電池も不要である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線で電力を供給する手段と、赤外線を電力に変換する手段によりLEDを発光させるワイヤレスLED。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレスで無電源のLED(発光ダイオード)を発光する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のワイヤレスLEDは、無電源のLEDに電力を供給する方法として、電磁誘導や磁界共鳴を利用する方式がある。どちらの方式も、電力を供給するコイルに高周波の磁界を発生させて、受電側のコイルが磁界の近くにあるときにLEDが発光する。電磁誘導方式は数cm程度で、磁界共鳴方式では数十cm程度の距離内で使用される。また、電力を供給するコイルから発生する磁界により、他の電子機器にノイズなどの影響を与える場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-177300
【特許文献2】特開2010-200563
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、電磁誘導や磁界共鳴によるワイヤレスLEDでは、電力を供給するコイルと受電側のコイルが近距離でないと電力が供給できず、受電側を固定するか、または位置ずれの許容範囲(狭範囲の移動)で使用される。また、電力を供給するコイルから他の電子機器にノイズなどの影響を与える点もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電力を供給する手段として赤外線を用いて、その赤外線を電力に変換する手段によりLEDを発光させることを特徴とする無電源のワイヤレスLEDである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、赤外線により電力を供給する装置と赤外線を電力に変換してLEDを発光させる装置から成る。赤外線を電力に変換する受光側は、照射された赤外線が十分に届く範囲であれば、その範囲内のどこに移動してもLEDの発光が可能である。他の電子機器にノイズなどの影響を与えない。また、ワイヤレスなので、LEDに電力を供給するケーブルも電池も不要で、電飾やイルミネーションなどの設置も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は本発明の実施例を示した説明図である。
【
図2】
図2は本発明の赤外線で電力を供給する装置の説明図である。
【
図3】
図3は本発明の赤外線を電力に変換してLEDを発光させる装置の説明図である。
【
図4】
図4は本発明の赤外線を電力に変換してLEDを発光させる装置の外観の一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、赤外線により電力を供給する装置と赤外線を電力に変換してLEDを発光させる装置から成り、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【実施例0009】
図1は、本発明の実施例の説明図である。1は赤外線により電力を供給する装置である。2は装置1から照射された赤外線である。4は装置1に電力を供給する電源である。3は赤外線を電力に変換して、LEDを発光させる装置である。
【0010】
図2は、赤外線で電力を供給する装置1の説明図である。5は数Hz以下の低周波の波形を発生させる手段で、方形波(矩形波)、正弦波、のこぎり波や任意の波形などを発生させる発信器などである。この低周波の波形を6のPWM変調手段でPWM変調(パルス幅変調)する。例えば、三角波を用いて5の波形をオペアンプのコンパレータ回路(比較回路)でPWM変調する。あるいは、他の方法でもよい。7はPWM変調された赤外線を照射する手段であり、高輝度のパーワ赤外線LEDなどを用いてもよいし、他の素子を用いてもよい。
【0011】
4は手段5、手段6、手段7へ電力を供給する電源であり、ACアダプターなどの電源でもよいし、装置にACコードを繋いで、装置内部で交流を直流に変換する手段を設けてもよい。
【0012】
図2よりも簡単な実施例としては、手段5と手段6を省き、電源4と手段7をスイッチで繋ぐ方法でもよい。例えば、4の電源に電池などを用いて、スイッチを入れたり、切ったりするような簡単な方法で赤外線の照射を行ってもよい。
【0013】
装置1から赤外線を照射するときの指向性は、使用する用途に応じて設定する。指向性を弱くして、広い範囲を照射してもよい。逆に、指向性を強くするために、レンズや反射鏡などを用いて、狭い範囲だけを照射するようにしてもよい。
【0014】
図3は、赤外線を電力に変換してLEDを発光させる装置3の説明図である。8は赤外線を電力に変換する手段で、赤外線を電力に変換できればどのような素子を用いてもよい。例えば、赤外線LEDを用いてもよい。一般的には、LEDは電流を流すと発光する素子として知られているが、逆に、このLEDに光が当たると起電力を発生する性質がある。この性質を利用して、手段8に安価な赤外線LEDなどを用いてもよい。 9はLEDで、赤色、緑色、青色や白色などの可視光を発光するLEDである。あるいは、他の発光素子を用いてもよい。
【0015】
手段8の個数は、9のLEDの発光電圧以上になるように個数を設定する。例えば、手段8に安価な赤外線LEDを使用する場合について説明する。赤外線LEDが受光したときの開放電圧(無負荷時の出力電圧)が1.2Vで、9のLEDの発光電圧が3.0Vの場合は、手段8の赤外線LEDを3個直列にして、9のLEDを発光させてもよい。あるいは、手段8の赤外線LEDを6個用いて、3個を直列につないだものを2つ作り、それらを並列につないでもよい。9のLEDは1個でも、複数個でもよい。複数個のLEDを発光させるときは、それに応じて手段8の個数を設定する。
【0016】
図2の手段5の波形や周波数によって、装置3のLEDの明るさの変化を変えることができる。例えば、手段5で方形波を発生させて、装置3のLEDを点滅させてもよいし、方形波のデュ-ティ比を100%にして、連続点灯してもよい。
図2の手段5で正弦波を発生させて、LEDの明るさがなめらかに変化するようにしてもよい。また、手段5の周波数を変えることにより、LEDの明るさの変化の速さを変えられるようにしてもよい。
【0017】
図4は、
図1の装置3を上から見たときの外観の一例である。8は赤外線を電力に変換する手段である。9はLEDで、赤色、緑色、青色や白色などの可視光を発光するLEDである。10は基板で、手段8と9のLEDをつなぐ回路が銅線や銅箔などで形成された基板である。10の基板の形は円形でもよいし、四角形や星形など、どのような形状でもよい。大きさも制限はなく、この装置を小型軽量にして衣服や身体などに取り付けられるようにしてもよい。基板上の手段8とLEDの配置や個数は、どのように設定してもよい。あるいは、手段8と9のLEDを分離してケーブルなどで繋いでもよい。また、この装置を防水加工して、水中で発光させてもよい。
【0018】
装置1と装置3の設置台数は、使用する目的に応じて設定する。例えば、赤外線を広範囲に照射できる指向性の弱い装置1を複数台用いることによって、装置3が移動するときの移動範囲を広くすることも可能である。あるいは、赤外線を狭範囲に照射する指向性の強い装置1を複数台用いて、赤色、緑色、青色などの発光色の装置3を複数台用いることによって、人目をひく派手な電飾も可能である。
赤外線を電力に変換してLEDを発光するため、赤外線が十分に届く範囲であれば、LEDが発光する。受光側は、その照射された範囲内を移動することも可能である。他の電子機器にノイズなどの影響を与えない。ワイヤレスなので、LEDに電力を供給するケーブルも電池も不要で、電飾やイルミネーションなどの設置も容易である。また、この装置を防水加工して、水中で発光させることも可能である。