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特開2022-35680巻回体用芯体、巻回体、および、巻回体用芯体の製造方法、巻回体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035680
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】巻回体用芯体、巻回体、および、巻回体用芯体の製造方法、巻回体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 16/04 20060101AFI20220225BHJP
   B65H 75/02 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
B65H16/04
B65H75/02 E
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140172
(22)【出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】北口 博一
【テーマコード(参考)】
3F052
3F058
【Fターム(参考)】
3F052AA01
3F052AB00
3F052BA25
3F052CA01
3F058AA02
3F058AB01
3F058AC00
3F058BA00
3F058BB03
3F058CA03
3F058CA11
3F058DA04
3F058DB05
3F058DB16
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で、巻回体を支持軸に確実に装着できる巻回体用芯体を提供する。
【解決手段】長尺の巻回物を取り扱う装置が有する支持軸であって、径方向外方に出没可能に突出する少なくとも1つの突出部311を備えた支持軸31に外側から嵌合する、前記巻回物が巻回された巻回体に用いられる巻回体用芯体61であって、紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、外周部に、前記巻回物を巻回可能であり、内周部に、径方向外方に凹み、前記支持軸31の前記突出部311が嵌合する少なくとも1つの凹部611が形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の巻回物を取り扱う装置が有する支持軸であって、径方向外方に出没可能に突出する少なくとも1つの突出部を備えた支持軸に外側から嵌合する、前記巻回物が巻回された巻回体に用いられる巻回体用芯体であって、
紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、
外周部に、前記巻回物を巻回可能であり、
内周部に、径方向外方に凹み、前記支持軸の前記突出部が嵌合する少なくとも1つの凹部が形成されている、巻回体用芯体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの凹部は、最内層の前記紙シートが破断しないように形成されている、請求項1に記載の巻回体用芯体。
【請求項3】
軸方向の両端面に、前記積層された前記紙シートからの紙粉の発生を防止する紙粉防止層が設けられている、請求項1または2に記載の巻回体用芯体。
【請求項4】
軸方向において一端部および他端部を有し、
内周部に、前記凹部が複数形成されており、
複数の前記凹部は、
前記一端部に設けられる2つの第1凹部と、
前記他端部に設けられる2つの第2凹部と、を含み、
前記2つの第1凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけて配置され、
前記2つの第2凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけ、かつ、前記2つの第1凹部とは周方向で90°ずれるように配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載の巻回体用芯体。
【請求項5】
長尺の巻回物を取り扱う装置が有する支持軸であって、径方向外方に出没可能に突出する少なくとも1つの突出部を備えた支持軸に外側から嵌合する、前記巻回物が巻回された巻回体に用いられる巻回体用芯体の製造方法であって、
紙シートを径方向に積層することで円筒状とする成形工程と、
成形された円筒状体の内周面に押圧具を押し当てて径方向外方に押圧することで、前記円筒状体の内周部に、径方向外方に凹む少なくとも1つの凹部を形成する凹部形成工程と、を含む、巻回体用芯体の製造方法。
【請求項6】
長尺の巻回物を取り扱う装置が有する支持軸であって、径方向外方に出没可能に突出する少なくとも1つの突出部を備えた支持軸に外側から嵌合する芯体と、当該芯体に巻回された前記巻回物とを備えた巻回体であって、
前記芯体は、
紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、
外周部に、前記巻回物を巻回可能であり、
内周部に、径方向外方に凹み、前記支持軸の前記突出部が嵌合する少なくとも1つの凹部が形成されている、巻回体。
【請求項7】
長尺の巻回物を取り扱う装置が有する支持軸であって、径方向外方に出没可能に突出する少なくとも1つの突出部を備えた支持軸に外側から嵌合する芯体と、当該芯体に巻回された前記巻回物とを備えた巻回体の製造方法であって、
前記芯体は、
紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、
外周部に、前記巻回物を巻回可能であり、
内周部に、径方向外方に凹み、前記支持軸の前記突出部が嵌合する少なくとも1つの凹部が形成され、
前記芯体の外周面に前記長尺の巻回物を巻き付ける巻回工程を含む、巻回体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺の巻回物を取り扱う装置が有する支持軸であって、径方向外方に出没可能に突出する少なくとも1つの突出部を備えた支持軸に外側から嵌合する巻回体、これに用いられる巻回体用芯体、および、巻回体用芯体または巻回体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、固形製剤包装装置が記載されている。この固形製剤包装装置は、固形製剤を種類毎にそれぞれ収納する複数のタブレットケースと、ロール状に巻回されて熱溶着可能な包装紙とを備え、タブレットケースから排出された固形製剤を包装紙にて包装するものである。包装紙は、固形製剤包装装置に設けられた回転軸に着脱可能に装着される軸材の周囲に巻回されてロール状を成している。軸材は中空管状を成し内側に渡って把手部が突出形成されている。そして、把手部の両端は降下していて、回転軸の各係合部にそれぞれ係合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-89235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この特許文献1に記載の軸材は把手部が形成されたことで複雑な構成となっている。このため、合成樹脂以外の材料で形成することは困難であった。一方、コスト削減の観点で、安価な材料を用いることが検討されている。
【0005】
そこで本発明は、簡単な構成で、巻回体を支持軸に確実に装着できる巻回体用芯体、巻回体、および、巻回体用芯体の製造方法、巻回体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、長尺の巻回物を取り扱う装置が有する支持軸であって、径方向外方に出没可能に突出する少なくとも1つの突出部を備えた支持軸に外側から嵌合する、前記巻回物が巻回された巻回体に用いられる巻回体用芯体であって、紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、外周部に、前記巻回物を巻回可能であり、内周部に、径方向外方に凹み、前記支持軸の前記突出部が嵌合する少なくとも1つの凹部が形成されている、巻回体用芯体である。
【0007】
これによると、紙シートが径方向に積層されたことで、巻回体用芯体を形成することが容易である。また、凹部により、支持軸に対する巻回体用芯体のずれが防止される。
【0008】
また、前記少なくとも1つの凹部は、最内層の前記紙シートが破断しないように形成されているものとできる。これによると、最内層の紙シートが破断しないので、凹部から紙粉が発生しにくい。
【0009】
また、軸方向の両端面に、前記積層された前記紙シートからの紙粉の発生を防止する紙粉防止層が設けられているものとできる。これによると、巻回体用芯体からの紙粉の発生を効果的に防止できる。
【0010】
また、軸方向において一端部および他端部を有し、内周部に、前記凹部が複数形成されており、複数の前記凹部は、前記一端部に設けられる2つの第1凹部と、前記他端部に設けられる2つの第2凹部と、を含み、前記2つの第1凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけて配置され、前記2つの第2凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけ、かつ、前記2つの第1凹部とは周方向で90°ずれるように配置されるものとできる。これによると、支持軸によって巻回体用芯体を、安定して保持できる。
【0011】
また本発明は、長尺の巻回物を取り扱う装置が有する支持軸であって、径方向外方に出没可能に突出する少なくとも1つの突出部を備えた支持軸に外側から嵌合する、前記巻回物が巻回された巻回体に用いられる巻回体用芯体の製造方法であって、紙シートを径方向に積層することで円筒状とする成形工程と、成形された円筒状体の内周面に押圧具を押し当てて径方向外方に押圧することで、前記円筒状体の内周部に、径方向外方に凹む少なくとも1つの凹部を形成する凹部形成工程と、を含む、巻回体用芯体の製造方法である。
【0012】
また本発明は、長尺の巻回物を取り扱う装置が有する支持軸であって、径方向外方に出没可能に突出する少なくとも1つの突出部を備えた支持軸に外側から嵌合する芯体と、当該芯体に巻回された前記巻回物とを備えた巻回体であって、前記芯体は、紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、外周部に、前記巻回物を巻回可能であり、内周部に、径方向外方に凹み、前記支持軸の前記突出部が嵌合する少なくとも1つの凹部が形成されている、巻回体である。
【0013】
また本発明は、長尺の巻回物を取り扱う装置が有する支持軸であって、径方向外方に出没可能に突出する少なくとも1つの突出部を備えた支持軸に外側から嵌合する芯体と、当該芯体に巻回された前記巻回物とを備えた巻回体の製造方法であって、前記芯体は、紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、外周部に、前記巻回物を巻回可能であり、内周部に、径方向外方に凹み、前記支持軸の前記突出部が嵌合する少なくとも1つの凹部が形成され、前記芯体の外周面に前記長尺の巻回物を巻き付ける巻回工程を含む、巻回体の製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、巻回体用芯体を形成することが容易であって、凹部により、支持軸に対するずれが防止されることから、簡単な構成で、巻回体用芯体に巻回物が巻回された巻回体を支持軸に確実に装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤包装装置における包装部の概略構成を示す斜視図である。
図2】前記包装部のうち支持軸と巻回体における芯体(巻回体用芯体)とを示す斜視図である。
図3】(a)は前記芯体の中心軸線の位置において軸方向に沿う切断面を示す断面図であり、(b)は(a)を前記支持軸と共に示した図であり、(c)は(a)のIII-III矢視断面図である。
図4】前記芯体の凹部における積層された紙シートの形状を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の一実施形態を取り上げて説明を行う。以下の説明において、「基端側」は図2における左側に対応し、「先端側」は図2における右側に対応している。また、以下の説明における「軸方向」とは、支持軸31の軸方向のことである。
【0017】
-巻回体-
図1に示すように、巻回体6は、巻回物としての包材62が巻回されて構成されている。巻回体6は、芯体(巻回体用芯体)61と包材62とを備える。芯体61は、円筒状に形成されている。芯体61の材質は紙である。具体的に、芯体61は、紙シート61Sが径方向に積層されて、円筒状に形成されている。包材62は、帯状に形成されている。換言すると、包材62は、長尺シート状に形成されている。包材62は、基材と熱溶着層とを備えており、ヒートシールにより接着可能である。基材としては、グラシン紙およびセロファン紙などが挙げられる。熱溶着層は、基材上に形成されている。熱溶着層の材質としては、ポリエチレンなどが挙げられる。包材62は、芯体61の外周に巻回されている。本実施形態では、包材62は、その幅方向(短手方向)の中央で、熱溶着層が内側になるように半分に折られた状態で、芯体61の外周部に巻回されている。
【0018】
-薬剤包装装置-
図1に示すように、長尺の巻回物(本実施形態では包材62)を取り扱う装置の一例である薬剤包装装置1は、包材62を用いて薬剤を包装する。薬剤としては、錠剤および散剤などが挙げられる。薬剤包装装置1は、巻回体6を支持する支持軸31を備える。巻回体6は支持軸31に径方向外側から嵌合する。なお、図1において、支持軸31は省略されている。薬剤包装装置1は、支持軸31によって支持された巻回体6から巻き出された包材62を用いて、薬剤を包装する。
【0019】
薬剤包装装置1は、薬剤の包装を行う部分である包装部2を備える。包装部2は、包材供給部3と、包材搬送部4と、包装体形成部5と、を備える。包材供給部3は、包材62を供給する。包材搬送部4は、包材供給部3によって供給される包材62を搬送する。包装体形成部5は、包材搬送部4によって搬送される包材62を用いて、薬剤が包装された包装体を形成する。包材62は、その長手方向(図示した矢印Fの方向)に搬送される。包装部2においては、包材62の搬送方向の上流側から下流側に向かって、包材供給部3、包材搬送部4および包装体形成部5が、この順に位置している。
【0020】
-包材供給部-
包材供給部3は、包材62を包材搬送部4以降に送る部分である。包材供給部3には巻回体6が周方向に回転可能なように配置される。巻回体6が回転することで、包材62が巻回体6から長手方向に引き出される。
【0021】
-包材搬送部-
包材搬送部4は、包材62を長手方向に搬送し、搬送方向下流側の包装体形成部5に供給する。包材搬送部4は、主に、張力調整機構41と折り返しバー42を備えている。張力調整機構41は、軸間距離が変動する複数のローラ411~413の間に包材62を折り返すように架け渡すことにより、張力を調整する機構である。本実施形態の張力調整機構41は、例えば軸線の位置が不動である2本の固定ローラ411,412と、基台に対して軸線の位置が湾曲するように移動する1本のダンサローラ413が組み合わされている。折り返しバー42は、張力調整機構41から上方に搬送される包材62の搬送方向を斜め下方向に転換する。包材搬送部4には、例えば包材62の表面に薬剤の処方情報等を印刷する印刷部43を設けることができる。
【0022】
-包装体形成部-
包装体形成部5は、処方に応じて包材62に薬剤を供給し、包材62を接着することで1包ごとに包装する部分である。包装体形成部5は、主に、三角板51、ホッパ52、包材接着部53を備えている。三角板51は、折り返しバー42の搬送方向下流側に位置し、幅方向で半折りされた状態の包材62の一方側と他方側とを押し開くことで、長手方向視で断面V字状の形態にする部分である。ホッパ52は、包材62が三角板51により押し開かれた断面V字状の空間62Sに、上部521に比べて横断面積が縮小して形成された下部522の一部が挿入されている。ホッパ52の上方に設けられた薬剤供給機構(図示しない)により、処方に応じて供給された薬剤が、ホッパ52の内部を経由して包材62に供給される。包材接着部53は、包材62を熱溶着する等して、薬剤が供給された包材62を1包ずつ区画するように接着する部分である。包装体形成部5はこの他、例えば、包材接着部53により接着された包材62に切断を容易にするためのミシン目を形成するためのミシン目形成部(図示しない)を設けることができる。
【0023】
-支持軸-
図2に示すように、支持軸31は、円柱状に形成されている。支持軸31は、その一部として、円筒状の外周部を備える。支持軸31の外周部における外周(支持軸31の外周)には、巻回体6、詳しくは巻回体6の芯体61が、装着される。
【0024】
支持軸31は、基台に対して回転可能に設けられている。なお、図2において、基台は支持軸31の左方に存在するが、図示は省略されている。支持軸31は、支持軸31の外周部の中心軸線(支持軸31の中心軸線)まわりに回転可能である。
【0025】
支持軸31は、駆動部によって駆動される。駆動部は、基台の内部に設けられている。駆動部としては、ステッピングモータなどが挙げられる。駆動部は、支持軸31を、第1回転方向と、この第1回転方向とは反対の第2回転方向と、に回転させる。支持軸31が第1回転方向に回転されることで、支持軸31によって支持された巻回体6から包材62が巻き出される。支持軸31が第2回転方向に回転されることで、支持軸31によって支持された巻回体6に包材62が巻き戻される。駆動部は、包装体形成部5への包材62の搬送に応じて、支持軸31を間欠的に回転させる。
【0026】
支持軸31は、基台に対して片持ち支持されている。支持軸31は、基端部(図2における左部)および先端部(図2における右部)を有する。このような支持軸31の外周には、支持軸31の先端部側から、芯体61が装着される。
【0027】
支持軸31は、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には4個)の突出部311を備える。本実施形態の各突出部311は、支持軸31の基端部寄りの位置と先端部寄りの位置とに分かれて設けられている。この突出部311は、芯体61の内周部に形成された凹部611に対して嵌合する。この嵌合により、芯体61が支持軸31に対して軸方向および周方向にずれることを防止することで、支持軸31に対して芯体61を一定位置に保持する。
【0028】
各突出部311は、支持軸31の外周部に対して出没可能に設けられている。各突出部311は、球状または半球状に形成されている。各突出部311は、支持軸31の内部に埋まっている。支持軸31の外周部には、突出部311の個数と同数の丸孔が形成されている。各丸孔は、支持軸31の外周部を、支持軸31の径方向に貫通している。各突出部311は、その一部が丸孔から径方向外方に突出する。各突出部311は、図示しないばねによって、支持軸31の径方向外方に付勢されている。ばねは、支持軸31の内部に設けられている。
【0029】
各突出部311は、支持軸31の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各突出部311は、支持軸31の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、支持軸31の基端部寄りと先端部寄りの各部において、2個の突出部311,311が、支持軸31の周方向に180°間隔で設けられている。複数の突出部311~311には、支持軸31の基端部寄りに位置する基端部側突出部3111と、支持軸31の先端部寄りに位置する先端部側突出部3112とが含まれる。基端部側突出部3111、先端部側突出部3112の各々は同一構成とされている。
【0030】
-芯体-
図2および図3に示すように、芯体61は、円筒状に形成されている。芯体61は、その一部として、径方向で外側の領域である円筒状の外周部と、径方向で内側の領域である円筒状の内周部と、を備える。芯体61は、一端部(図2図3(a)(b)における左端部)および他端部(図2図3(a)(b)における右端部)を有する。芯体61は、その中心軸線に平行な軸方向において、凹部611~611を除いて同一形状とされている。凹部611~611に関しては、後述する第1凹部6111,6111に対して第2凹部6112,6112が、芯体61の軸方向の中央でその中心軸線に直交する仮想平面に対して対称とされた上で、芯体61の周方向で90°ずれた位置に形成されている。このような芯体61は、支持軸31の外周に対して、芯体61の一端部側からも装着可能であり、かつ、芯体61の他端部側からも装着可能である。
【0031】
芯体61の外周部には包材62を巻回可能である。芯体61の外径寸法は、芯体61の軸方向において一定である。芯体61の外周部における外周には、段差がない。そのため、芯体61の外周に包材62が巻回されても、その包材62には段差痕が生じない。
【0032】
芯体61の内周部には、少なくとも1つの凹部611が形成されている。本実施形態では、複数の凹部611が形成されている。各凹部611は径方向外方に凹んでいる。本実施形態の各凹部611は略半球形の凹みとされている。つまり各凹部611の形状は、径方向視で円形の凹みとされている。また、各凹部611には、支持軸31の突出部311が嵌合する。複数の凹部611~611には、本実施形態では、芯体61の一端部に位置する複数個(具体的には2個)の第1凹部6111,6111と、芯体61の他端部に位置する複数個(具体的には2個)の第2凹部6112,6112とが含まれる。なお、凹部611は芯体61の一端部、他端部のいずれかにのみ形成することもできる。また、軸方向中央に形成することもできる。第1凹部6111の個数は、支持軸31における基端部側突出部3111の個数と同一である。第2凹部6112の個数は、支持軸31における先端部側突出部3112の個数と同一である。ただし、支持軸31と芯体61の組み合わせによっては、各凹部6111,6112の個数が各突出部3111,3112の個数より多く、嵌合しない各凹部6111,6112が存在していてもよい。
【0033】
各第1凹部6111は、支持軸31の外周に、芯体61が、芯体61の一端部側から装着されたときには、支持軸31の各基端部側突出部3111と嵌合する。一方、芯体61が、芯体61の他端部側から装着されたときには、支持軸31の各先端部側突出部3112と嵌合する。
【0034】
2個の第1凹部6111は、互いに芯体61の周方向で角度間隔をあけて配置されている。各第1凹部6111は、芯体61の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、2個の第1凹部6111,6111が、芯体61の周方向に180°間隔で設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、特定の一つの第1凹部6111の角度位置を基準(以下の記載でもこれを、芯体61に関する角度位置の基準とする)の角度である0°とすると、他の第1凹部6111の角度位置は180°である。この角度位置の関係は、支持軸31における2個の基端部側突出部3111,3111の角度位置の関係と同じである。
【0035】
各第2凹部6112は、支持軸31の外周に、芯体61が、芯体61の一端部側から装着されたときには、支持軸31の各先端部側突出部3112と嵌合する。一方、芯体61が、芯体61の他端部側から装着されたときには、支持軸31の各基端部側突出部3111と嵌合する。
【0036】
2個の第2凹部6112は、互いに芯体61の周方向で角度間隔をあけて配置されている。各第2凹部6112は、芯体61の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、2個の第2凹部6112,6112が、芯体61の周方向に180°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、芯体61の周方向において、2個の第2凹部6112,6112の各々が、2個の第1凹部6111,6111の各々に対して、90°ずれるように配置されている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、特定の一つの第1凹部6111の角度位置を0°とすると、2個の第2凹部6112,6112の各々の角度位置は、90°、270°である。この角度位置の関係は、各第1凹部6111と同様、支持軸31における2個の先端部側突出部3112,3112の角度位置の関係と同じである。この第1凹部6111と第2凹部6112との配置により、支持軸31によって芯体61を、安定して保持できる。
【0037】
各凹部611は、最内層の紙シート61Sが破断しないように形成されている。各凹部611の部分に位置する紙シート61Sは、図4に示すように、圧縮されたことで紙の繊維同士が密着して各層の厚みが周囲部分よりも薄くなっており、湾曲した状態とされている。最内層の紙シート61Sが破断しないので、紙シート61Sを構成する紙繊維の端部が各凹部611に露出しにくい。このため、各凹部611から紙粉が発生しにくい。
【0038】
芯体61の軸方向の両端面には、紙粉防止層612が設けられている。紙粉防止層612は、例えば樹脂からなるコーティング層である。この紙粉防止層612により、包材62に紙粉が付着することによる包装トラブルを防止できる。紙粉防止層612の形成方法は特に限定されないが、例えば芯体61(半製品)の両端面に樹脂を刷毛やローラ等の塗布手段により塗布することで形成できる。また、芯体61(半製品)の両端部を樹脂に浸漬(いわゆる「どぶ漬け」)することで形成できる。紙粉防止層612を設けたことで、積層された紙シート61Sにおける端縁に露出した紙繊維の端部が千切れることによる紙粉の発生を効果的に防止できる。
【0039】
-芯体、巻回体の製造方法-
次に、芯体61の製造方法について説明する。この製造方法は、成形工程、切断工程、凹部形成工程、紙粉防止層形成工程を含む。これら以外の工程を付加することもできる。成形工程では、紙シート61Sを径方向に積層することで円筒状とする。このような成形工程により芯体61の半製品を製造することで、芯体61を容易に製造できる。成形工程は、公知の紙管の製造方法を適用できる。具体的には、紙シート61Sに接着剤が少なくとも一方の面に塗布され、接着剤層を挟むようにして紙シート61Sを巻回させることにより、厚み寸法が所定寸法になるまで径方向に積層していく。一般的な紙管の製造方法では紙シート61Sをスパイラル(螺旋)状に巻回していくが、本実施形態の芯体61においても同様にして紙シート61Sを巻回していく。切断工程では、成形工程で形成された紙管を軸方向で所定寸法に切断する。凹部形成工程では、成形された円筒状体の内周面に金属製の押し型等の押圧具7(図4に二点鎖線で示す)を押し当てて径方向外方に押圧することで、成形工程で形成された円筒状体の内周部に、径方向外方に凹む少なくとも1つの凹部611を形成する。以上の各工程を経て芯体61が形成される。
【0040】
なお、前記各工程を全て実施することは必須ではない。例えば、成形工程を行わず、一般に流通している紙管を入手して、その紙管に対し切断工程及び凹部形成工程を実施することもできる。さらに、切断済みの紙管を入手して、その紙管に対し凹部形成工程だけを実施することもできる。
【0041】
さらに、巻回体6の製造方法について説明する。巻回体6の製造方法は、芯体61の外周面に長尺の巻回物としての包材62を巻き付ける巻回工程を含む。巻回工程では、包材62を径方向に重なり合うように巻き付けていく。
【0042】
-形態の変更可能性-
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0043】
たとえば、前記実施形態では、長尺の巻回物(包材62)を取り扱う装置として薬剤包装装置1を例示した。しかし、前記装置は薬剤包装装置1に限定されない。また、巻回物は包材62に限定されない。このため、例えば前記装置が印字装置であり、巻回物がインクリボンであってもよい。また、前記装置がテープディスペンサーであり、巻回物が粘着テープであってもよい。粘着テープは、例えば、包装用のテープであってもよいし、表面にバーコードや2次元コードが印刷された識別用のテープであってもよい。また、巻回物はシート状であるものに限られず、線状や紐状であってもよい。また、シート状の場合、厚さ方向に空間が貫通した網状であってもよい。また、巻回物はシールと剥離シートの組み合わせであってもよい。
【0044】
芯体61の凹部611は、前記実施形態では押圧により形成され、最内層の前記紙シート61Sが破断しないように形成されていた。しかしこれに限定されず、切削または切断により凹部611を形成することもできる。また、積層を行う前の紙シート61Sにあらかじめ貫通穴を設けておき、積層に伴い凹部611を形成することもできる。また、凹部611は、芯体61の端面から軸方向に形成された切り欠きであってもよい。また、凹部611に、紙粉防止層612と同様の層(樹脂からなるコーティング層など)を設けることで、凹部611の内面を強化することもできる。
【0045】
芯体61には、薬剤包装装置等の長尺の巻回物を取り扱う装置において、巻回体6を識別するための識別手段を設けることもできる。識別手段は、例えば2次元コードやRFIDであって、芯体61の内周面または端面に形成することができる。また、芯体61に埋め込むことができる。
【符号の説明】
【0046】
1 長尺の巻回物を取り扱う装置、薬剤包装装置
2 包装部
3 包材供給部
31 支持軸
311 突出部
3111 基端部側突出部
3112 先端部側突出部
4 包材搬送部
5 包装体形成部
6 巻回体
61 芯体
61S 紙シート
611 凹部
6111 第1凹部
6112 第2凹部
612 紙粉防止層
62 巻回物、包材
7 押圧具
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の巻回物が巻回された巻回体に用いられる巻回体用芯体であって、
前記巻回体は、前記巻回物を取り扱う装置が有する支持軸によって支持可能であり、
前記支持軸は、
中心軸線まわりに回転可能であり、
軸方向において基端部および先端部を有し、
外周部に、前記外周部に対して径方向外方に出没可能であり、径方向外方に付勢される複数の突出部が設けられており、
前記複数の突出部は、
前記基端部寄りの位置に設けられる2つの基端部側突出部と、
前記先端部寄りの位置に設けられる2つの先端部側突出部と、を含み、
前記2つの基端部側突出部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけて配置され、
前記2つの先端部側突出部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけ、かつ、前記2つの基端部側突出部とは周方向で90°ずれるように配置され、
前記巻回体用芯体は、
紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、
外周部に、前記巻回物を巻回可能であり、
軸方向において一端部および他端部を有し、
内周部に、径方向外方に凹む複数の凹部が前記巻回体用芯体の製造時から形成されており、
前記複数の凹部は、
前記一端部に設けられる2つの第1凹部と、
前記他端部に設けられる2つの第2凹部と、を含み、
前記2つの第1凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけて配置され、
前記2つの第2凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけ、かつ、前記2つの第1凹部とは周方向で90°ずれるように配置され、
前記巻回体用芯体は、前記支持軸に、前記巻回体用芯体の前記一端部側または前記巻回体用芯体の前記他端部側から、かつ、前記支持軸の前記先端部側から装着可能であり、
前記巻回体用芯体が、前記支持軸に、前記巻回体用芯体の前記一端部側から装着されたときには、前記2つの基端部側突出部と前記2つの第1凹部とが嵌合し、かつ、前記2つの先端部側突出部と前記2つの第2凹部とが嵌合することで、前記支持軸と前記巻回体用芯体とが前記中心軸線まわりに一体的に回転可能となり、
前記巻回体用芯体が、前記支持軸に、前記巻回体用芯体の前記他端部側から装着されたときには、前記2つの基端部側突出部と前記2つの第2凹部とが嵌合し、かつ、前記2つの先端部側突出部と前記2つの第1凹部とが嵌合することで、前記支持軸と前記巻回体用芯体とが前記中心軸線まわりに一体的に回転可能となる、巻回体用芯体。
【請求項2】
前記複数の凹部は、最内層の前記紙シートが破断しないように形成されている、請求項1に記載の巻回体用芯体。
【請求項3】
軸方向の両端面に、前記積層された前記紙シートからの紙粉の発生を防止する紙粉防止層が設けられている、請求項1または2に記載の巻回体用芯体。
【請求項4】
長尺の巻回物が巻回された巻回体に用いられる巻回体用芯体の製造方法であって、
前記巻回体は、前記巻回物を取り扱う装置が有する支持軸によって支持可能であり、
前記支持軸は、
中心軸線まわりに回転可能であり、
軸方向において基端部および先端部を有し、
外周部に、前記外周部に対して径方向外方に出没可能であり、径方向外方に付勢される複数の突出部が設けられており、
前記複数の突出部は、
前記基端部寄りの位置に設けられる2つの基端部側突出部と、
前記先端部寄りの位置に設けられる2つの先端部側突出部と、を含み、
前記2つの基端部側突出部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけて配置され、
前記2つの先端部側突出部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけ、かつ、前記2つの基端部側突出部とは周方向で90°ずれるように配置され、
前記巻回体用芯体は、
紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、
外周部に、前記巻回物を巻回可能であり、
軸方向において一端部および他端部を有し、
内周部に、径方向外方に凹む複数の凹部が前記巻回体用芯体の製造時から形成されており、
前記複数の凹部は、
前記一端部に設けられる2つの第1凹部と、
前記他端部に設けられる2つの第2凹部と、を含み、
前記2つの第1凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけて配置され、
前記2つの第2凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけ、かつ、前記2つの第1凹部とは周方向で90°ずれるように配置され、
前記巻回体用芯体は、前記支持軸に、前記巻回体用芯体の前記一端部側または前記巻回体用芯体の前記他端部側から、かつ、前記支持軸の前記先端部側から装着可能であり、
前記巻回体用芯体が、前記支持軸に、前記巻回体用芯体の前記一端部側から装着されたときには、前記2つの基端部側突出部と前記2つの第1凹部とが嵌合し、かつ、前記2つの先端部側突出部と前記2つの第2凹部とが嵌合することで、前記支持軸と前記巻回体用芯体とが前記中心軸線まわりに一体的に回転可能となり、
前記巻回体用芯体が、前記支持軸に、前記巻回体用芯体の前記他端部側から装着されたときには、前記2つの基端部側突出部と前記2つの第2凹部とが嵌合し、かつ、前記2つの先端部側突出部と前記2つの第1凹部とが嵌合することで、前記支持軸と前記巻回体用芯体とが前記中心軸線まわりに一体的に回転可能となり、
前記巻回体用芯体の製造方法は、
前記紙シートを径方向に積層することで円筒状とする成形工程と、
成形された円筒状体の内周面に押圧具を押し当てて径方向外方に押圧することで、前記円筒状体の内周部に、前記複数の凹部を形成する凹部形成工程と、を含む、巻回体用芯体の製造方法。
【請求項5】
長尺の巻回物が巻回された巻回体であって、
前記巻回体は、前記巻回物を取り扱う装置が有する支持軸によって支持可能であり、
前記支持軸は、
中心軸線まわりに回転可能であり、
軸方向において基端部および先端部を有し、
外周部に、前記外周部に対して径方向外方に出没可能であり、径方向外方に付勢される複数の突出部が設けられており、
前記複数の突出部は、
前記基端部寄りの位置に設けられる2つの基端部側突出部と、
前記先端部寄りの位置に設けられる2つの先端部側突出部と、を含み、
前記2つの基端部側突出部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけて配置され、
前記2つの先端部側突出部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけ、かつ、前記2つの基端部側突出部とは周方向で90°ずれるように配置され、
前記巻回体は、
円筒状に形成された芯体と、
前記芯体に巻回された前記巻回物と、を備え、
前記芯体は、
紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、
軸方向において一端部および他端部を有し
内周部に、径方向外方に凹む複数の凹部が前記芯体の製造時から形成されており、
前記複数の凹部は、
前記一端部に設けられる2つの第1凹部と、
前記他端部に設けられる2つの第2凹部と、を含み、
前記2つの第1凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけて配置され、
前記2つの第2凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけ、かつ、前記2つの第1凹部とは周方向で90°ずれるように配置され、
前記芯体は、前記支持軸に、前記芯体の前記一端部側または前記芯体の前記他端部側から、かつ、前記支持軸の前記先端部側から装着可能であり、
前記芯体が、前記支持軸に、前記芯体の前記一端部側から装着されたときには、前記2つの基端部側突出部と前記2つの第1凹部とが嵌合し、かつ、前記2つの先端部側突出部と前記2つの第2凹部とが嵌合することで、前記支持軸と前記芯体とが前記中心軸線まわりに一体的に回転可能となり、
前記芯体が、前記支持軸に、前記芯体の前記他端部側から装着されたときには、前記2つの基端部側突出部と前記2つの第2凹部とが嵌合し、かつ、前記2つの先端部側突出部と前記2つの第1凹部とが嵌合することで、前記支持軸と前記芯体とが前記中心軸線まわりに一体的に回転可能となる、巻回体。
【請求項6】
長尺の巻回物が巻回された巻回体の製造方法であって、
前記巻回体は、前記巻回物を取り扱う装置が有する支持軸によって支持可能であり、
前記支持軸は、
中心軸線まわりに回転可能であり、
軸方向において基端部および先端部を有し、
外周部に、前記外周部に対して径方向外方に出没可能であり、径方向外方に付勢される複数の突出部が設けられており、
前記複数の突出部は、
前記基端部寄りの位置に設けられる2つの基端部側突出部と、
前記先端部寄りの位置に設けられる2つの先端部側突出部と、を含み、
前記2つの基端部側突出部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけて配置され、
前記2つの先端部側突出部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけ、かつ、前記2つの基端部側突出部とは周方向で90°ずれるように配置され、
前記巻回体は、
円筒状に形成された芯体と、
前記芯体に巻回された前記巻回物と、を備え、
前記芯体は、
紙シートが径方向に積層されて、円筒状に形成されており、
軸方向において一端部および他端部を有し
内周部に、径方向外方に凹む複数の凹部が前記芯体の製造時から形成されており、
前記複数の凹部は、
前記一端部に設けられる2つの第1凹部と、
前記他端部に設けられる2つの第2凹部と、を含み、
前記2つの第1凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけて配置され、
前記2つの第2凹部は、互いに周方向で180°の角度間隔をあけ、かつ、前記2つの第1凹部とは周方向で90°ずれるように配置され、
前記芯体は、前記支持軸に、前記芯体の前記一端部側または前記芯体の前記他端部側から、かつ、前記支持軸の前記先端部側から装着可能であり、
前記芯体が、前記支持軸に、前記芯体の前記一端部側から装着されたときには、前記2つの基端部側突出部と前記2つの第1凹部とが嵌合し、かつ、前記2つの先端部側突出部と前記2つの第2凹部とが嵌合することで、前記支持軸と前記芯体とが前記中心軸線まわりに一体的に回転可能となり、
前記芯体が、前記支持軸に、前記芯体の前記他端部側から装着されたときには、前記2つの基端部側突出部と前記2つの第2凹部とが嵌合し、かつ、前記2つの先端部側突出部と前記2つの第1凹部とが嵌合することで、前記支持軸と前記芯体とが前記中心軸線まわりに一体的に回転可能となり、
前記巻回体の製造方法は、前記芯体の外周面に前記長尺の巻回物を巻き付ける巻回工程を含む、巻回体の製造方法。