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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035795
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】通気弁付き収納ボックス
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/122 20060101AFI20220225BHJP
   F16K 27/02 20060101ALI20220225BHJP
   F16K 24/06 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
E03C1/122 A
E03C1/122 Z
F16K27/02
F16K24/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140352
(22)【出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】390009999
【氏名又は名称】日動電工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390002381
【氏名又は名称】株式会社キッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】蘆田 洋
(72)【発明者】
【氏名】小林 哲也
【テーマコード(参考)】
2D061
3H051
3H055
【Fターム(参考)】
2D061AC08
3H051AA01
3H051BB03
3H051CC06
3H051FF02
3H055AA02
3H055AA22
3H055CC03
3H055CC06
3H055GG27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】設置作業の簡素化を図りながら、構成の追加による構成の複雑化を招くことなく、通気弁を安定して支持できる通気弁付き収納ボックスを提供する。
【解決手段】伸頂通気管又は排水管に連通接続自在な通気弁3と、その通気弁3を収納自在な収納ボックス4とが備えられ、通気弁3は、収納ボックス4に対して移動不能な状態で収納ボックス4に一体的に備えられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸頂通気管又は排水管に連通接続自在な通気弁と、その通気弁を収納自在な収納ボックスとが備えられ、
前記通気弁は、前記収納ボックスに対して移動不能な状態で前記収納ボックスに一体的に備えられている通気弁付き収納ボックス。
【請求項2】
前記収納ボックスには、前記収納ボックス内の収納位置への前記通気弁の挿入移動を可能とする挿入開口部が形成され、
前記挿入開口部にて開口された部位に配置される状態で前記収納ボックスに固定自在な固定部と、
前記通気弁が収納位置に配置されて前記固定部が前記収納ボックスに固定された状態において、前記通気弁の周部に係合する係合部とが備えられ、
前記通気弁の周部に対する前記係合部の係合により、前記通気弁が、前記収納ボックス内の収納位置から移動不能な状態で、前記収納ボックスに一体的に備えられている請求項1に記載の通気弁付き収納ボックス。
【請求項3】
前記挿入開口部は、前記収納ボックスの内部空間を開放する開放部側に向けて開口され、
前記収納ボックスは、前記挿入開口部にて開口された部位を通して前記通気弁の収納位置への挿入移動を許容するように構成されている請求項2に記載の通気弁付き収納ボックス。
【請求項4】
前記収納ボックスに対して前記固定部を固定する場合に、前記固定部の姿勢が適正姿勢であると、前記収納ボックスへの前記固定部の固定を許容し、且つ、前記固定部の姿勢が適正姿勢以外であると、前記収納ボックスへの前記固定部の固定を阻害する固定姿勢調整部が備えられている請求項2又は3に記載の通気弁付き収納ボックス。
【請求項5】
前記収納ボックスの前面部には、その内部空間を開放する開放部と、その開放部の外周端部に相当する位置に配設されて前記収納ボックスの前面部側に突出する突出部とが備えられ、
壁体に形成される壁側開口部を前記突出部に外嵌させる状態で前記収納ボックスの前面部側に壁体を設置自在であり、
前記壁体に前記壁側開口部を生成する際に、前記壁側開口部に対応する基準線を生成するための基準線生成部が備えられ、
前記基準線生成部は、前記収納ボックスの前面部において、前記開放部の外周端部に相当する位置に配設される前記突出部の外側端部に相当する位置に配設されている請求項1~4の何れか1項に記載の通気弁付き収納ボックス。
【請求項6】
前記収納ボックスは、前記通気弁との一体物として製造されている請求項1に記載の通気弁付き収納ボックス。
【請求項7】
前記収納ボックスは、前記通気弁との一体物として製造される第1分割ユニットと、その第1分割ユニットに装着自在な第2分割ユニットに分割自在に構成されている請求項1に記載の通気弁付き収納ボックス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸頂通気管又は排水管に連通接続する状態で通気弁を設置する通気弁付き収納ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
通気弁は、排水管内の負圧発生時に開状態となり、排水管内に空気を取り込み、スムーズな排水を促すことで、封水トラップの封水が流出してしまうトラップ切れの発生等を防止している。通気弁を設置するに当たり、従来、通気弁を収納自在な箱状の収納ボックスを用いて、通気弁を伸頂通気管に連通接続する状態で設置するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のものでは、収納ボックスの底面部等に収納位置に対応する開口孔部が形成されており、ビス等を用いて間柱に収納ボックスを固定した状態において、通気弁を有するハウジングを、収納ボックスの開口孔部に嵌め込むことで、収納ボックス内に収納させる状態で通気弁を設置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6260232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のものでは、通気弁を有するハウジングと収納ボックスとが別々に備えられているので、通気弁を設置するに当たり、収納ボックスを設置する設置作業と、設置済みの収納ボックスに対してハウジング(通気弁)を設置する作業とを別々に行わなければならず、通気弁の設置作業が手間のかかるものとなっている。
【0006】
また、収納ボックスに対してハウジング(通気弁)を設置する場合には、収納ボックスの底面部に形成された開口孔部にハウジングを嵌め込むだけであり、収納ボックスに対してハウジングが移動してしまう可能性があり、ハウジング(通気弁)を安定して支持することができない。
【0007】
そこで、特許文献1に記載のものでは、例えば、排水管内の正圧時におけるハウジングの移動を規制するための規制部が備えられている。よって、ハウジングの移動を規制することが可能となるが、規制部等の構成を追加しなければならず、構成の複雑化を招くものとなる。
【0008】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、設置作業の簡素化を図りながら、構成の追加による構成の複雑化を招くことなく、通気弁を安定して支持することができる収納ボックスを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は、伸頂通気管又は排水管に連通接続自在な通気弁と、その通気弁を収納自在な収納ボックスとが備えられ、
前記通気弁は、前記収納ボックスに対して移動不能な状態で前記収納ボックスに一体的に備えられている点にある。
【0010】
本構成によれば、通気弁は、収納ボックスに一体的に備えられているので、通気弁を設置する場合には、通気弁が一体的に備えられた収納ボックスを設置する設置作業だけを行えばよく、設置作業の簡素化を図ることができる。しかも、通気弁は、収納ボックスに対して移動不能な状態で収納ボックスに一体的に備えられているので、収納ボックスに対して通気弁が移動してしまうのを防止することができる。よって、通気弁の移動を規制するための構成を追加することもないので、構成の複雑化を招くこともなく、通気弁を安定して支持することができる。
【0011】
本発明の第2特徴構成は、前記収納ボックスには、前記収納ボックス内の収納位置への前記通気弁の挿入移動を可能とする挿入開口部が形成され、
前記挿入開口部にて開口された部位に配置される状態で前記収納ボックスに固定自在な固定部と、
前記通気弁が収納位置に配置されて前記固定部が前記収納ボックスに固定された状態において、前記通気弁の周部に係合する係合部とが備えられ、
前記通気弁の周部に対する前記係合部の係合により、前記通気弁が、前記収納ボックス内の収納位置から移動不能な状態で、前記収納ボックスに一体的に備えられている点にある。
【0012】
本構成によれば、通気弁を収納ボックス内の収納位置から移動不能な状態で収納ボックスに一体的に備える場合には、収納ボックスに形成された挿入開口部を通して、通気弁を収納ボックスに対して挿入移動させて、通気弁を収納位置に配置させることができる。これにより、通気弁の収納位置への挿入移動をスムーズに且つ適切に行うことができる。そして、通気弁を収納位置に配置させて、収納ボックスの挿入開口部にて開口された部位に固定部を固定することで、係合部が通気弁の周部に係合する。これにより、挿入開口部にて開口された部位を閉じながら、通気弁を収納位置から移動不能に保持させることができ、通気弁を収納ボックスに適切に一体的に備えることができる。
【0013】
本発明の第3特徴構成は、前記挿入開口部は、前記収納ボックスの内部空間を開放する開放部側に向けて開口され、
前記収納ボックスは、前記挿入開口部にて開口された部位を通して前記通気弁の収納位置への挿入移動を許容するように構成されている点にある。
【0014】
本構成によれば、挿入開口部が、収納ボックスの開放部側に向けて開口されているので、開放部を利用して収納ボックス内への通気弁の挿入が容易であり、その後、固定部による固定を行うことで、容易に通気弁を収納ボックスに対して移動不能に固定できる。そして、この構造によれば、収納ボックスに対して、開放部以外に通気弁を出し入れ可能となるような開口を設ける必要が無く、例えば、開放部以外にも開口を設ける必要がある場合に比べて、収納ボックスの開放面をカバーによって閉じる構造とすることも容易となる。
【0015】
本発明の第4特徴構成は、前記収納ボックスに対して前記固定部を固定する場合に、前記固定部の姿勢が適正姿勢であると、前記収納ボックスへの前記固定部の固定を許容し、且つ、前記固定部の姿勢が適正姿勢以外であると、前記収納ボックスへの前記固定部の固定を阻害する固定姿勢調整部が備えられている点にある。
【0016】
本構成によれば、固定姿勢調整部を備えることで、固定部の姿勢が適正姿勢であるときだけ、収納ボックスへの固定部の固定を許容することができる。これにより、収納ボックスに対して固定部を固定させる場合に、固定部の姿勢間違いを防止することができ、収納ボックスに対する固定部の固定を簡易にかつ適切に行うことができる。
【0017】
本発明の第5特徴構成は、前記収納ボックスの前面部には、その内部空間を開放する開放部と、その開放部の外周端部に相当する位置に配設されて前記収納ボックスの前面部側に突出する突出部とが備えられ、
壁体に形成される壁側開口部を前記突出部に外嵌させる状態で前記収納ボックスの前面部側に壁体を設置自在であり、
前記壁体に前記壁側開口部を生成する際に、前記壁側開口部に対応する基準線を生成するための基準線生成部が備えられ、
前記基準線生成部は、前記収納ボックスの前面部において、前記開放部の外周端部に相当する位置に配設される前記突出部の外側端部に相当する位置に配設されている点にある。
【0018】
本構成によれば、収納ボックスの前面部側に壁体を設置するに当たり、壁側開口部を突出部に外嵌させる状態で壁体を設置自在であるので、壁側開口部が突出部に外嵌するように壁体を設置すればよく、収納ボックスと壁側開口部との相対位置の調整をスムーズに行うことができる。しかも、壁側開口部を突出部に外嵌させる状態で壁体を設置すれば、壁体の壁側開口部及び収納ボックスの開放部を通して、収納ボックスの内部空間を開放することができ、収納ボックスの内部空間の状況を確認したり、メンテナンス作業等を行うことができる。
【0019】
このように、壁体の壁側開口部を収納ボックスの突出部に外嵌させる場合には、壁体に適切な大きさの壁側開口部を生成することが求められる。そこで、本構成によれば、基準線生成部が備えられており、その基準線生成部が、収納ボックスの前面部において、開放部の外周端部に相当する位置に配設される突出部の外側端部に相当する位置に配設されている。これにより、基準線生成部を用いることで、突出部の外側端部に相当する位置に基準線を生成することができる。よって、その基準線に応じた開口部を生成することで、適切な大きさの壁側開口部を生成することができる。
【0020】
本発明の第6特徴構成は、前記収納ボックスは、前記通気弁との一体物として製造されている点にある。
【0021】
本構成によれば、収納ボックスは、通気弁との一体物として製造されているので、収納ボックスを製造した後に、収納ボックスと通気弁との一体化を図るための作業を行う必要が無く、設置作業の簡素化をより一層図ることができる。
【0022】
本発明の第7特徴構成は、前記収納ボックスは、前記通気弁との一体物として製造される第1分割ユニットと、その第1分割ユニットに装着自在な第2分割ユニットに分割自在に構成されている点にある。
【0023】
本構成によれば、通気弁との一体物として第1分割ユニットが製造されているので、収納ボックスに対して通気弁を移動不能な状態で一体的に備えるための機能を第1分割ユニットに集中させることができる。第1分割ユニットに加えて、第2分割ユニットを備えるので、収納ボックスに対して通気弁を移動不能な状態で一体的に備えるための機能以外の機能を第2分割ユニットに備えさせることができる。これにより、収納ボックスとして備える機能や収納ボックスの設置状況等に応じて、第1分割ユニットと第2分割ユニットとに備えさせる機能を分散させて、有用で合理的な通気弁付き収納ボックスを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】通気弁付き収納ボックス、閉塞部、カバー部を示す分解斜視図
図2】通気弁付き収納ボックス、閉塞部、カバー部を設置した状態を示す断面図
図3】通気弁付き収納ボックスを示す斜視図
図4】収納ボックスに通気弁を一体的に備える過程、及び、固定部を示す斜視図
図5】挿入開口部、固定部を示す斜視図
図6】通気弁付き収納ボックス、閉塞部、カバー部を設置するときの施工手順を示す図
図7】通気弁付き収納ボックス、閉塞部、カバー部を設置するときの施工手順を示す図
図8】第2実施形態における一体型収納ボックスを示す斜視図
図9】第2実施形態における第1分割ユニット、第2分割ユニットを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る通気弁付き収納ボックスの実施形態について図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
この通気弁付き収納ボックス1は、図2に示すように、伸頂通気管2に対して通気弁3を連通接続する状態で設置するためのものである。通気弁付き収納ボックス1は、図1に示すように、通気弁3と、その通気弁3を収納自在な収納ボックス4とが備えられ、通気弁3が、収納ボックス4に対して移動不能な状態で収納ボックス4に一体的に備えられている。
【0026】
通気弁3は、連通接続される伸頂通気管2(図2参照)内の圧力状態等に応じて、開閉自在に構成されている。伸頂通気管2内が通常の大気圧である場合には、通気弁3が閉状態となり、伸頂通気管2内の臭気等が外部に漏れるのを防止している。伸頂通気管2内に負圧が発生した場合には、通気弁3が開状態となり、伸頂通気管2を通して排水管内に空気を取り込み、スムーズな排水を促している。伸頂通気管2内に正圧が発生した場合には、通常の大気圧の場合と同様に、通気弁3が閉状態となっている。
【0027】
通気弁3の構成について、簡単に説明する。通気弁3は、図1及び図2に示すように、伸頂通気管2に連通接続自在な円筒状の通気弁本体部31と、弁体やその弁体を開閉するための開閉機構を有する円形状の通気弁ユニット32と、その通気弁ユニット32の上部を覆う円形状の通気弁カバー部33とが備えられている。
【0028】
通気弁本体部31は、図2に示すように、下方側部位31aと中間部位31bと上方側部位31cとが備えられている。下方側部位31aは、伸頂通気管2の外径と同じ大きさの内径を有する円筒状に形成され、伸頂通気管2に外嵌する状態で伸頂通気管2に連通接続自在に構成されている。中間部位31bは、下方側部位31a及び上方側部位31cよりも小径の円筒状に形成され、その外面部が凹入溝状に形成されている。上方側部位31cも円筒状に形成され、通気弁ユニット32を内嵌させる状態で通気弁ユニット32を装着自在に構成されている。
【0029】
通気弁ユニット32の開閉機構としては、例えば、伸頂通気管2内が大気圧や正圧のときに、錘により弁体を閉止状態とし、伸頂通気管2内が負圧のときに、その負圧によって弁体を開放位置に揺動させる錘を利用した回転式の開閉機構を用いることができる。通気弁ユニット32の上方側部位には、その周方向に間隔を隔てて複数の通気弁開口部34が形成され、この通気弁開口部34を通して、その周囲からの空気を通気弁ユニット32の内部に取込自在に構成されている。なお、本発明に係る通気弁付き収納ボックスに適用可能な通気弁はこのような構造のものに限定されず、伸頂通気管又は排水管に連通接続可能であり、それらの管内が大気圧又は正圧時に閉じて負圧時に開く機能を有し、且つ、下記のように収納ボックスへの固定が可能なものであれば、特に制限なく適用することができる。
【0030】
収納ボックス4は、樹脂等の材料にて構成されており、図3に示すように、上壁部41、左右両側の側壁部42、下壁部43、後壁部44を有し、上下、左右、後方が壁部にて覆われた矩形の箱状に形成されている。収納ボックス4の前面部は、その内部空間46を開放する開放部45に構成されている。収納ボックス4は、例えば、正面視において、上下幅と左右幅とが同一な正方形状に形成され、開放部45も正方形状に形成されている。
【0031】
収納ボックス4の前面部には、図3に示すように、開放部45の外周端部に、収納ボックス4の前面部側(前方側)に突出する前方突出部47(突出部に相当する)、収納ボックス4の外側に延びるフランジ部48が備えられている。前方突出部47は、開放部45の外側端部に相当する位置に配設され、収納ボックス4の前面部側に突出する起立壁状に形成されている。前方突出部47は、上壁部41に対応する上方部位、左右両側の側壁部42に対応する側方部位、下壁部43に対応する下方部位の夫々が備えられ、収納ボックス4の周方向の全周に亘る状態で開放部45の周囲を囲む形状、より具体的には矩形状に形成されている。
【0032】
フランジ部48は、図3に示すように、前方突出部47の外側端部から収納ボックス4の外側に延びる板状に形成されている。フランジ部48は、上壁部41に対応する上方部位48a、左右両側の側壁部42に対応する側方部位48b、下壁部43に対応する下方部位48cの夫々が備えられ、収納ボックス4の周方向の全周に亘る状態で前方突出部47の周囲を囲む矩形状に形成されている。
【0033】
収納ボックス4の上壁部41の外面部には、図3に示すように、収納ボックス4の外側に延びる第1~第3上方リブ部51~53が備えられている。第1~第3上方リブ部51~53は、収納ボックス4の中央部を基準として、左右方向で対称に備えられている。第1上方リブ部51は、収納ボックス4の左右方向の端部よりも中央側に配設され、上下方向に延びる起立壁状に形成されている。第2上方リブ部52は、収納ボックス4の左右方向の端部に配設され、上壁部41の左右方向の端部から斜め外側上方に延びる板状に形成されている。第2上方リブ部52には、収納ボックス4の前後方向に延びるリブ用開口部54が形成されている。第3上方リブ部53は、収納ボックス4の後端部に相当する位置に配設され、上下方向に延びる起立壁に形成されている。第1~第3上方リブ部51~53は、フランジ部48と略同一長さに構成されており、第1~第3上方リブ部51~53の外側端部とフランジ部48の外側端部とが略同一位置に存在している。
【0034】
収納ボックス4の側壁部42の内面部には、図3に示すように、ビス等の固定具7(図2参照)を挿通自在な固定具用挿通部61、ビス等の固定具7(図2参照)を取り付ける固定具用取付部62が備えられている。固定具用挿通部61は、収納ボックス4の前後方向に延びる開口状に形成され、収納ボックス4の上方側と下方側との上下一対配設されている。固定具用取付部62は、収納ボックス4の上下方向の中央部に配設されている。固定具用取付部62は、収納ボックス4の内部空間46側に突出させた円筒状に形成され、その内壁部に固定具7(図2参照)に螺合自在なネジ部が備えられている。収納ボックス4の側壁部42の外面部には、収納ボックス4の外側に延びる第1側方リブ部63及び第2側方リブ部64が備えられている。第1側方リブ部63は、固定具用挿通部61を上下方向で挟む状態で上下一対配設されている。第2側方リブ部64は、収納ボックス4の下端部に相当する位置に配設されている。
【0035】
収納ボックス4の下壁部43には、図4(A)及び図5に示すように、収納ボックス4内の収納位置への通気弁3の挿入移動を可能とする挿入開口部71が形成されている。収納ボックス4内の収納位置は、収納ボックス4の前後方向及び左右方向の中央部に設定されている。挿入開口部71の前方側部位71aが矩形状に形成され、挿入開口部71の後方側部位71bが半円形に形成され、挿入開口部71全体が、収納ボックス4の前方側が開口された凹状に形成されている。挿入開口部71の矩形状の前方側部位71aは、収納ボックス4の左右方向での幅が通気弁3の通気弁本体部31における中間部位31bの外径と略同一の大きさとなっている。挿入開口部71の半円形状の後方側部位71bは、通気弁3の通気弁本体部31における中間部位31bの外径と略同一径に形成されている。これにより、通気弁3の通気弁本体部31における中間部位31bと挿入開口部71とを上下方向で位置合わせして、通気弁3を収納ボックス4の内部空間46側(後方側)に移動させることで、通気弁3の通気弁本体部31における中間部位31bが挿入開口部71を挿入移動する状態で、通気弁3を収納位置に移動させることができる。
【0036】
このようにして、収納ボックス4の前面部側(開放部45側)から、挿入開口部71にて開口された部位を通して、通気弁3を収納位置へスムーズに且つ適切に挿入移動させることができる。そして、収納ボックス4は、挿入開口部71にて開口された部位を通して通気弁3の収納位置への挿入移動を許容し、且つ、挿入開口部71にて開口された部位以外の部位を通して通気弁3の収納位置への挿入移動を禁止するように構成されており、別途、通気弁3を出し入れ可能となるような開口を設けなくても、収納位置に通気弁3を配置することができる。
【0037】
図4及び図5に示すように、挿入開口部71にて開口された部位に配置されてその開口部位を閉じる状態で収納ボックス4に固定自在な固定部81が備えられている。図4(B)は、固定部81単体を示しており、固定部81を後方側から見た斜視図となっている。固定部81の前方側部位81aが矩形状に形成され、固定部81の後方側部位81bが半円形状に形成され、固定部81全体が、収納ボックス4の後方側が開口された凹状の板状に形成されている。前方側部位81aには、前方突出部47が左右方向で連続するように前方突出部に対応する部位、及び、フランジ部48が左右方向で連続するようにフランジ部に対応する部位が備えられている。半円形状の後方側部位81bは、通気弁3の通気弁本体部31における中間部位31bの外径と略同一径に形成されている。これにより、挿入開口部71の後方側部位71bと固定部81の後方側部位81bとにより円形状の開口部が形成され、その開口部に通気弁3(通気弁本体部31における中間部位31b)を固定自在に構成されている。
【0038】
固定部81には、図4及び図5に示すように、左右両端部の夫々に外方側に突出する状態で延設された外方延設部82が備えられている。それに対して、収納ボックス4の下壁部43には、挿入開口部71の左右両端部に相当する位置に、固定部81の外方延設部82に係合自在な凹入溝部72が形成されている。これにより、固定部81は、外方延設部82を凹入溝部72に係合させる状態で、収納ボックス4に対して前後方向にスライド移動自在に備えられている。よって、収納ボックス4に固定部81を固定する場合には、外方延設部82を凹入溝部72に係合させる状態で、収納ボックス4に対して固定部81を収納ボックス4の後方側にスライド移動させるだけでよい。
【0039】
固定部81には、図4及び図5に示すように、外方延設部82から外方側に延設された突起部83が備えられている。それに対して、収納ボックス4の下壁部43には、図5に示すように、挿入開口部71の左右両端部に相当する位置において、凹入溝部72の後方側に、突起部83が係合自在な係合孔部が備えられている。収納ボックス4に対して固定部81を所望位置まで後方側にスライド移動させることで、突起部83を凹入溝部72の後方側の係合孔部に係合させる状態で固定部81を収納ボックス4に固定自在としている。
【0040】
固定部81は、収納ボックス4と同様に、樹脂等の弾性変形可能な材料にて構成されており、例えば、固定部81の後方側部位81bを、挿入開口部71よりも左右方向の外方側に広がるように構成されている。よって、収納ボックス4に対して固定部81をスライド移動させる際には、固定部81の後方側部位81bを左右方向の内方側に弾性変性させて、左右方向の外方側への復帰付勢力を作用させている。これにより、固定部81の後方側部位81bに作用する左右方向の外方側への復帰付勢力を利用して、固定部81の突起部83を凹入溝部72の後方側の係合孔部に係合させている。
【0041】
突起部83は、その後方側部位ほど左右方向の内方側に位置する傾斜状に形成されており、収納ボックス4に対して固定部81をスライド移動させる際には、傾斜状の突起部83が他の部材に引っかかる等を防止して、スライド移動をスムーズに行えるようにしている。
【0042】
上述の如く、通気弁3は、図3に示すように、収納ボックス4に対して移動不能な状態で収納ボックス4に一体的に備えられており、収納位置に配置される通気弁3に対して係合する係合部を備えることで、収納ボックス4に対して通気弁3を移動不能としている。
【0043】
収納位置に配置される通気弁3に対して係合する係合部として、図4及び図5に示すように、ボックス側係合部74と固定部81とが備えられている。ボックス側係合部74と固定部81とにより、円形状の通気弁3の全周に亘って係合されており、収納ボックス4に対して通気弁3を移動不能な状態を適切に保持している。ちなみに、この実施形態では、係合部としてボックス側係合部74と固定部81とを備えているが、収納ボックス4側のボックス側係合部のみや固定部のみから係合部を構成することもでき、どのような構造にて通気弁3の周部に係合するかは適宜変更が可能である。
【0044】
ボックス側係合部74は、図5に示すように、挿入開口部71の半円形状の後方側部位71bに対応する部位から下方側に延びる板状の壁部にて構成され、平面視にて半円形状に形成されている。ボックス側係合部74は、図2に示すように、収納位置に配置される通気弁3に対して、通気弁3の通気弁本体部31における中間部位31bの後方側半分の外周囲に当接する状態で凹入溝状の中間部位31bに係合自在に構成されている。
【0045】
固定部81には、図4及び図5に示すように、半円形状の後方側部位81bが備えられており、その後方側部位81bには、半円形に対応する部位から下方側に延びる板状の壁部が備えられている。固定部81の後方側部位81bは、図2に示すように、収納位置に配置される通気弁3に対して、通気弁3の通気弁本体部31における中間部位31bの前方側半分の外周囲に当接する状態で凹入溝状の中間部位31bに係合自在に構成されている。
【0046】
図4(A)に示すように、挿入開口部71を通して収納ボックス4の内部空間46に通気弁3を移動させて通気弁3を収納位置に配置させると、図2に示すように、ボックス側係合部74が通気弁3の通気弁本体部31における中間部位31bの後方側半分の周部に係合する。図4(A)に示すように、外方延設部82を凹入溝部72に係合させて収納ボックス4に対して固定部81を後方側にスライド移動させて、固定部81にて挿入開口部71にて開口された部位を閉じる状態で収納ボックス4に固定することで、図2に示すように、固定部81の後方側部位81bが通気弁3の通気弁本体部31における中間部位31bの前方側半分の周部に係合する。ボックス側係合部74と固定部81とにより、通気弁3の通気弁本体部31における中間部位31bの全周に亘って連続して係合し、収納ボックス4に対して通気弁3を移動不能な状態を適切に保持することで、通気弁3を収納ボックス4に適切に一体的に備えることができる。
【0047】
収納ボックス4に固定部81を固定するに当たり、図4(A)及び図5に示すように、固定部81の姿勢が適正姿勢であると、収納ボックス4への固定部81の固定を許容し、且つ、固定部81の姿勢が適正姿勢以外であると、収納ボックス4への固定部81の固定を阻害する固定姿勢調整部91が備えられている。
【0048】
固定部81の上面部には、図4(A)及び図5に示すように、上面であることを示す上面識別部84(例えば、「up」の文字)が備えられ、固定部81の上面部が上方側を向く姿勢が適正姿勢に設定されている。固定姿勢調整部91は、固定部81の外方延設部82と収納ボックス4の凹入溝部72とを有し、外方延設部82が凹入溝部72に係合するか否かによって、収納ボックス4への固定部81の固定を許容する状態と阻害する状態とに切り替えている。外方延設部82は、右側の外方延設部82aと左側の外方延設部82bとの左右一対備えられ、凹入溝部72も、右側の凹入溝部72aと左側の凹入溝部72bとの左右一対備えられている。外方延設部82及び凹入溝部72は、右側と左側とで上下方向の幅が異なるように構成され、この幅の違いによって、外方延設部82が凹入溝部72に係合するか否かを切り替えている。
【0049】
右側の外方延設部82aの上下方向の幅K1は、図5に示すように、左側の外方延設部82bの上下方向の幅K2よりも大きく構成され、右側の凹入溝部72aの上下方向の幅K3は、左側の凹入溝部72bの上下方向の幅K4よりも大きく構成されている。右側の外方延設部82aの上下方向の幅K1と右側の凹入溝部72aの上下方向の幅K3とは、略同一幅に構成され、左側の外方延設部82bの上下方向の幅K2と左側の凹入溝部72bの上下方向の幅K4とも、略同一幅に構成されている。これにより、右側の外方延設部82aは、右側の凹入溝部72aにのみ係合し、左側の凹入溝部72bに係合しないので、右側の外方延設部82aが右側に位置する適正姿勢のときのみ、固定部81の外方延設部82が収納ボックス4の凹入溝部72に係合して、収納ボックス4に固定部81を固定することができる。
【0050】
通気弁付き収納ボックス1を設置対象箇所に設置する際には、図1及び図2に示すように、通気弁付き収納ボックス1の開放部45を覆うために、通気弁付き収納ボックス1に取付自在な閉塞部5と、その閉塞部5に取付自在なカバー部6とが備えられている。
【0051】
閉塞部5は、収納ボックス4の開放部45を閉塞する板状に構成され、開放部45の一部を開口させる第1開口部101が形成されている。第1開口部101は、閉塞部5において、収納ボックス4の上端側部位に相当する位置に配設されている。
【0052】
カバー部6は、収納ボックス4の外部からの空気を吸気自在な第2開口部111を有し、その第2開口部111と第1開口部101とを連通させる状態で閉塞部5を覆うように構成されている。図2に示すように、カバー部6の後面部と閉塞部5の前面部との間には、隙間が形成されており、その隙間が、第2開口部111と第1開口部101とを連通させる連通部113として備えられている。第2開口部111は、カバー部6において、収納ボックス4の下端側部位に相当する位置に配設されている。
【0053】
以下、通気弁付き収納ボックス1を設置対象箇所に設置する際の施工手順について説明する。
まず、図6(A)に示すように、収納ボックス4の固定具用挿通部61にビス等の固定具7を挿通させて、間柱201に固定具7を固定することで、収納ボックス4の横側部が間柱201の側面部に当接する状態で間柱201対して収納ボックス4を固定するボックス固定工程を行う。ちなみに、図6(A)では、固定具用挿通部61のみに固定具7を挿通させて間柱201に固定しているが、例えば、リブ用開口部54(図3参照)にも、ビス等の固定具7を挿通自在であるので、リブ用開口部54に固定具7を挿通させて間柱201に固定することもできる。このボックス固定工程を行う際に、収納ボックス4の姿勢を適正な姿勢に調整するレベル出しを行う。レベル出しでは、図3に示すように、収納ボックス4のフランジ部48における上方部位48a及び下方部位48c(固定部81)に形成された第1レベル出し部202、及び、収納ボックス4のフランジ部48における左右の側方部位48bの夫々に形成された第2レベル出し部203を用いて、収納ボックス4の左右方向の中央部を通る直線が上下方向に沿う直線と平行となり、且つ、収納ボックス4の上下方向の中央部を通る直線が左右方向に沿う直線と平行となる適切な姿勢になるように、収納ボックス4の姿勢を調整している。
【0054】
次に、図6(B)に示すように、収納ボックス4の前方側に石膏ボード等の壁体204を設置する壁体設置工程を行う。この壁体設置工程では、壁体204に予め壁側開口部205を形成しておき、その壁側開口部205を収納ボックス4の前方突出部47に外嵌させる状態で、壁体204の後面部を収納ボックス4のフランジ部48等の前面部に当接させて収納ボックス4の前方側に壁体204を設置する。このとき、壁体204に先に壁側開口部205を形成しておくのが正しい施工手順であるが、壁側開口部205を形成せずに収納ボックス4の前方側に壁体204を設置しようとすると、収納ボックス4の前方突出部47が壁体204の後面部に当接することになり、壁体204が前方側に膨出する浮き状態となる。よって、作業者は、壁体204に先に壁側開口部205を形成しておくという施工手順の間違いを認識することができ、施工手順の間違いを防止することができる。
【0055】
壁体設置工程では、図2及び図6(B)に示すように、壁側開口部205を収納ボックス4の前方突出部47に外嵌させるので、壁体204に適切な大きさの壁側開口部205を形成することが求められる。そこで、収納ボックス4には、図3に示すように、壁側開口部205に対応する基準線を生成するための基準線生成部206が備えられている。基準線生成部206は、収納ボックス4の前面部における前方突出部47の角部(四隅部)において、開放部45の外周端部に配設される前方突出部47の外側端部に相当する位置に配設されている。基準線生成部206は、前方突出部47よりも前方側に突出する先端が湾曲面となる山形状に形成されている。
【0056】
壁体204に壁側開口部205を生成する場合には、収納ボックス4の前面部を壁体204に押し付けることにより、基準線生成部206が壁体204に埋め込まれ、基準線生成部206の埋め込み箇所に基準点となる凹部を生成することができる。この基準点は前方突出部47の角部に生成されるので、基準点同士を繋ぐ直線を引くことで、前方突出部47の外側端部に相当する位置に基準線を生成することができる。よって、その基準線に応じた開口部を生成することで、適切な大きさの壁側開口部205を生成することができる。
【0057】
壁体設置工程により収納ボックス4の前方側に壁体204を設置すると、図7(A)に示すように、収納ボックス4の前面部に閉塞部5を取り付ける閉塞部取付工程を行う。この閉塞部取付工程では、壁体204の前面部に閉塞部5の後面部を当接させる状態で閉塞部5を位置決めし、閉塞部5の取付孔部102に固定具7を挿通させて収納ボックス4の固定具用取付部62に固定具7を取り付けている。
【0058】
次に、図7(B)に示すように、カバー部6を取り付けるカバー部取付工程を行う。このカバー部取付工程では、閉塞部5に備えられた被係合部にカバー部6に備えられる係合部を係合させて、閉塞部5を覆う状態でカバー部6を取り付けている。このとき、閉塞部5の前面部とカバー部6の後面部との間に連通部113(図2参照)が形成されており、閉塞部5の第1開口部101とカバー部6の第2開口部111とが連通部113にて連通され、第2開口部111、第1開口部101を通して収納ボックス4外の空気を、収納ボックス4の内部空間46に取込自在に構成されている。
【0059】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、第1実施形態において、通気弁3を収納ボックス4に一体的に備えるための別実施形態である。以下、通気弁3を収納ボックス4に一体的に備えるための構成を中心に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明は省略する。
【0060】
第1実施形態では、図4及び図5に示すように、収納ボックス4に挿入開口部71を形成し、その挿入開口部71を通して通気弁3を収納位置に配置させ、固定部81にて挿入開口部71にて開口された部位を閉じる状態で収納ボックス4に固定している。これにより、ボックス側係合部74及び固定部81により通気弁3の周部に係合して、通気弁3を移動不能な状態で通気弁3を収納ボックス4に一体的に備えている。
【0061】
第2実施形態では、図8に示すように、通気弁付き収納ボックス1が、通気弁3との一体物の一体型収納ボックス300として製造されている。一体型収納ボックス300は、図3の収納ボックス4と同様に、側壁部302、下壁部303、及び、後壁部304が備えられているが、上壁部301については、その左右方向の中央部が開放され、その左右方向の両端側部位のみが備えられている。なお、この中央部は開放されておらず閉じていてもよい。一体型収納ボックス300は、下壁部303が通気弁3の周部の全周に亘り係合する状態で通気弁3と一体的に製造されている。
【0062】
一体型収納ボックス300には、図3の収納ボックス4と同様に、第1~第3上方リブ部51~53、固定具用挿通部61、固定具用取付部62、第1及び第2側方リブ部63、64等が備えられている。固定具用取付部62については、配設数及び配設位置が異なり、一体型収納ボックス300の角部(四隅部)の夫々に配設されている。
【0063】
図8に示す一体型収納ボックス300は、収納ボックスの全体を通気弁3との一体物として製造しているが、この構成に代えて、例えば、図9に示すように、通気弁付き収納ボックス1を、通気弁3との一体物として製造される第1分割ユニット401と、その第1分割ユニット401に装着自在な第2分割ユニット402に分割自在に構成することもできる。
【0064】
通気弁付き収納ボックス1は、下側半分を構成する第1分割ユニット401と上側半分を構成する第2分割ユニット402とに分割自在に構成されている。ちなみに、第1分割ユニット401から分割(分離)させた第2分割ユニット402を点線にて示している。
【0065】
第1分割ユニット401は、下壁部405、側壁部404の下側半分、及び、後壁部406の下側半分が備えられ、下壁部405が通気弁3の周部の全周に亘り係合する状態で通気弁3と一体的に製造されている。第2分割ユニット402は、上壁部403、側壁部404の上側半分、及び、後壁部406の上側半分が備えられている。第1分割ユニット401側に備えられた第1分割取付部407と第2分割ユニット402側に備えられた第2分割取付部408とを係合させることで、第1分割ユニット401に第2分割ユニット402を装着自在に構成されている。
【0066】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0067】
(1)上記実施形態では、収納ボックス4を矩形状としているが、収納ボックス4の形状については適宜変更が可能である。
【0068】
(2)上記実施形態では、収納ボックス4の開放部45を閉塞する部材として、閉塞部5とカバー部6との2つの部材が備えられているが、例えば、収納ボックス4の開放部45を閉塞する1つの部材を備えることもでき、開放部45を閉塞するための部材の数や構成は適宜変更が可能である。
【0069】
(3)上記第1実施形態では、通気弁3として、通気弁本体部31において中間部位31bが下方側部位31a及び上方側部位31cよりも小径の筒状であり、この部分に収納ボックス4の後方側部位71b及び固定部81の後方側部位81bが嵌まるようになっており、いわば通気弁3側が凹、収納ボックス4及び固定部81側が凸の関係で係合するようになっているが、凹凸関係はこの逆であってもよい。すなわち、通気弁3の周部の一部が外径側に突出しており、収納ボックス4の後方側部位71b及び固定部81の後方側部位81bにこの突出部に対応する溝が設けられ、それらが係合するようになっていてもよい。また、固定部81は、その外方延設部82を凹入溝部72に係合させることで収納ボックス4に固定されるが、この係合部分の凹凸関係も逆であってもよい。これらに限らず、通気弁3、収納ボックス4及び固定部81は、それぞれ互いに係合される部位の凹凸関係が上記実施形態とは逆であってもよく、さらに凹凸形状による嵌まり合いとは異なる係合方法によって係合されてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 通気弁付き収納ボックス
2 排水管
3 通気弁
4 収納ボックス
47 前方突出部(突出部)
71 挿入開口部
74 ボックス側係合部(係合部)
81 固定部(係合部)
91 固定姿勢調整部
204 壁体
205 壁側開口部
206 基準線生成部
301 一体型収納ボックス
401 第1分割ユニット
402 第2分割ユニット

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9