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  • 特開-衛生グリップ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035838
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】衛生グリップ
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/08 20060101AFI20220225BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
A41D13/08 102
A41D13/05 156
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140415
(22)【出願日】2020-08-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】520320619
【氏名又は名称】株式会社柏原デザインオフィス
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】柏原 勝登
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA06
3B011AC21
3B011AC22
3B011AC24
(57)【要約】
【課題】小型・軽量で携帯に便利であって、対象物に直接手を触れることなく該対象物を掴んでこれを把持することができる衛生グリップを提供すること。
【解決手段】衛生グリップ1は、折り曲げ可能で弾性復元力を有する弾性体シートで構成されたグリップ部2と、該グリップ部2の一方の面2aに設けられたアーチ状のバンド部3とを備え、グリップ部2とバンド部3との間に形成された隙間Sに手Hを差し込んでグリップ部2を折り曲げ、この折り曲げられたグリップ部2によって対象物10を掴んでこれを把持するよう構成されている。ここで、グリップ部2の手Hの差込方向に直交する中心線CLに対して手Hの差込方向前方にオフセットした位置にバンド部3が中心線CLに沿って略平行に配置されている。また、グリップ部2の中心線CLに対して手Hの差込方向後方にオフセットした位置の外周に切欠き2dが形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げ可能で弾性復元力を有する弾性体シートで構成されたグリップ部と、該グリップ部の一方の面に設けられたアーチ状のバンド部とを備え、
前記グリップ部と前記バンド部との間に形成された隙間に手を差し込んで前記グリップ部を折り曲げ、この折り曲げられた前記グリップ部によって対象物を掴んでこれを把持することを特徴とする衛生グリップ。
【請求項2】
前記グリップ部の手の差込方向に直交する中心線に対して手の差込方向前方にオフセットした位置に前記バンド部を前記中心線に沿って略平行に配置したことを特徴とする請求項1に記載の衛生グリップ。
【請求項3】
前記グリップ部の前記中心線に対して手の差込方向後方にオフセットした位置の外周に切欠きを形成したことを特徴とする請求項2に記載の衛生グリップ。
【請求項4】
前記グリップ部は、円形シートとして構成され、該グリップ部に前記バンド部の両端が取り付けられていることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の衛生グリップ。
【請求項5】
前記グリップ部と前記バンド部とは別体に構成され、前記バンド部の両端は、締結具によって前記グリップ部に締結されていることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の衛生グリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の手が対象物に直接触れることなく該対象物を掴んでこれを把持することができる衛生グリップに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電車やバスなどの車内に備え付けられているつり革は、不特定多数の人が利用するために衛生的であるとは言い難く、このつり革に手が直接触れることに嫌悪感やストレスを感じる人も多い。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、簡易着脱式の携帯用つり革が提案されている。この携帯用つり革は、ユーザーが携帯し、必要なときには該携帯用つり革に設けられた着脱部を電車などの車内に備え付けられているつり革用パイプに掛けることによって使用される。
【0004】
また、特許文献2には、電車などの車内に備え付けられているつり革に対して着脱されるつり革補助具が提案されている。このつり革用補助具は、可撓性を有する素材によって構成された一対の把持部と、これらの把持部を繋ぎ合わせる連結部とを有しており、各把持部には握り用穴部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-067573号公報
【特許文献2】実用新案登録第3226642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1において提案された携帯用つり革や特許文献2において提案されたつり革補助具は、何れもユーザーの手がつり革に直接触れることがないために衛生的ではあるが、これらを例えば鞄に入れて持ち運ぶ場合、鞄内が嵩み、容易且つ気軽に携帯することができないという問題がある。特に、特許文献1において提案された携帯用つり革は、大型で重いため、その持ち運びは容易ではない。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、小型・軽量で携帯に便利であって、対象物に直接手を触れることなく該対象物を掴んでこれを把持することができる衛生グリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る衛生グリップ(1)は、折り曲げ可能で弾性復元力を有する弾性体シートで構成されたグリップ部(2)と、該グリップ部(2)の一方の面(2a)に設けられたアーチ状のバンド部(3)とを備え、前記グリップ部(2)と前記バンド部(3)との間に形成された隙間(S)に手(H)を差し込んで前記グリップ部(2)を折り曲げ、この折り曲げられた前記グリップ部(2)によって対象物(10)を掴んでこれを把持することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、衛生グリップは、片手で扱える程度に小さくて軽量な弾性体シートから成るグリップ部と、該グリップ部に設けられたベルト部とによって構成されているため、携帯に便利であって、例えば、鞄などに嵩ばることなく収容して便利に持ち運ぶことができる。
【0010】
また、当該衛生グリップの使用に際しては、グリップ部とバンド部との間に形成された隙間に手を差し込んでグリップ部を折り曲げ、この折り曲げられたグリップ部によって対象物を挟んでこれを掴むことができるため、対象物にユーザーの手が直接触れることがなくて非常に衛生的である。そして、使用後は、該衛生グリップの対象部を掴んだグリップ部の面を洗浄または消毒することによって、当該衛生グリップを何度でも繰り返して使用することができるために経済的である。
【0011】
ここで、前記グリップ部(2)の手(H)の差込方向に直交する中心線(CL)に対して手(H)の差込方向前方にオフセットした位置に前記バンド部(3)を前記中心線(CL)に沿って略平行に配置しても良い。また、前記グリップ部(2)の前記中心線(CL)に対して手の差込方向後方にオフセットした位置の外周に切欠き(2d)を形成しても良い。
【0012】
上記構成を採用することによって、使用後の衛生グリップのグリップ部を中心線を境として2つ折りに折り畳み、手からバンド部を外してこれをグリップ部の切欠きに掛ければ、使用後の衛生グリップをコンパクトに小さく折り畳むことができる。このため、コンパクトに折り畳まれた衛生グリップを鞄などに収納しても、これが嵩ばることがなく、当該衛生グリップの携帯性が高められ、その持ち運びが便利になる。ここで、バンド部と切欠きは、グリップ部の中心線に対して手の差込方向に互いに逆方向にオフセットした位置に設けられているため、両者は所定の距離だけ離れた位置に配置される。この結果、衛生グリップの使用後に折り畳まれたグリップ部の切欠きにバンド部をこれを張った状態で掛けることができる。
【0013】
さらに、前記グリップ部(2)は、円形シートとして構成され、該グリップ部(2)に前記バンド部(3)の両端が取り付けられていても良い。
【0014】
上記構成によれば、衛生グリップの円形シート状のグリップ部をユーザーの手のひら内で扱うことができ、その小型・コンパクト化と取扱性の向上が図られる。
【0015】
さらに、前記グリップ部(2)と前記バンド部(3)とは別体に構成され、前記バンド部(3)の両端は、締結具(4)によって前記グリップ部(2)に締結されていても良い。
【0016】
上記構成によれば、衛生グリップを構成するグリップ部とバンド部をそれらの機能に適した材質、例えば、グリップ部をウレタンフォーム、ベルト部を軟質樹脂によって構成することができる。また、これらのグリップ部とベルト部とを別々に製作することによって、当該衛生グリップの生産性を高めて製造コストを下げることもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、小型・軽量で携帯に便利であって、対象物に直接手を触れることなく該対象物を掴んでこれを把持することができる衛生グリップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る衛生グリップの正面図である。
図2】本発明に係る衛生グリップの平面図(図1の矢視A方向の図)である。
図3】(a)は図1のB部拡大断面図、(b)は図1のB部拡大分解断面図である。
図4】本発明に係る衛生グリップ部のグリップ部とバンド部との間の隙間に手を差し込んだ状態を示す平面図である。
図5】本発明に係る衛生グリップ部のグリップ部とバンド部との間の隙間に手を差し込んだ状態を示す斜視図である。
図6】本発明に係る衛生グリップによって対象物を掴んでこれを把持した状態を示す斜視図である。
図7】本発明に係る衛生グリップの使用を終えてこれのグリップ部を折り畳む前の状態を示す斜視図である。
図8】本発明に係る衛生グリップの使用を終えてこれのグリップ部を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図9】本発明に係る衛生グリップの使用を終えて折り畳まれたグリップ部の切欠きにベルト部を掛けた状態を示す斜視図である。
図10】本発明に係る衛生グリップの携帯時の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明に係る衛生グリップの正面図、図2は同衛生グリップの平面図(図1の矢視A方向の図)、図3(a)は図1のB部拡大断面図、図3(b)は図1のB部拡大分解断面図である。
【0021】
本実施の形態に係る衛生グリップ1は、図1及び図2に示すように、折り曲げ可能で弾性復元力を有する円形の弾性体シートで構成されたグリップ部2と、該グリップ部2の一方の面(以下、「裏面」と称する)2aに設けられたアーチ状のバンド部3とを備えている。なお、本実施の形態では、衛生グリップ1のサイズとして、子供用のSサイズと、女性用のMサイズ及び成人男性用のLサイズの3種類が容易されており、Sサイズは、グリップ部2の直径φD(図1参照)が9cm、Mサイズは10cm、Lサイズは11cmにそれぞれ設定されている。また、本実施の形態では、グリップ部2とバンド部3とは別部材として別体に構成されており、グリップ部2は、厚さt(図2参照)が3mmのウレタンフォームから成る円形シートとして構成されており、バンド部3は、撓曲可能で柔軟な軟質樹脂を3Dプリンタを用いてアーチ状に成形することによって構成されている。
【0022】
ところで、本実施の形態に係る衛生グリップ1は、後述のように(図4図6参照)、ユーザーがグリップ部2とバンド部3との間の隙間(空間)S(図2参照)に手(片手)H(図4図6参照)を差し込んでグリップ部2を折り曲げ、この折り曲げられたグリップ部2によってつり革のリング(把手)などの対象物10(図6参照)を掴んでこれを把持するものであるが、具体的には以下のように構成されている。
【0023】
すなわち、図1に示すように、グリップ部2の手Hの差込方向(図1の垂直上方)に直交する水平な中心線CLに対して手Hの差込方向前方(図1の上方)に所定量ε1だけオフセットした位置にバンド部3が中心線CLに沿って(水平線L1に沿って)略平行に配置されている。ここで、バンド部3の左右両端部には、図2に示すように、幅広の取付部3Aがそれぞれ形成されており、バンド部3は、その左右の各取付部3Aが図3に示すように締結具である樹脂製のリベット4によってグリップ部2の裏面2aの外周部付近にそれぞれ取り付けられている。
【0024】
より詳細には、図3(b)に示すように、バンド部3の各取付部3A(図3には一方のみ図示)には、リベット4の頭部4aの形状に沿う鍵状の差込穴3aがそれぞれ形成されており、グリップ部2の左右(差込穴3aに対応する箇所)には円孔2cがそれぞれ形成されている。このような状態において、バンド部3の各取付部3Aをグリップ部2の裏面2a(図3(b)の上面)に当てて差込穴3aと円孔2cとを合わせ、リベット4の頭部4aをグリップ部2の円孔2cに通し、該頭部4aをバンド部3の各取付部3Aに形成された差込穴3aに圧入することによって、図3(a)に示すように、バンド部3の左右の各取付部3Aがグリップ部2の裏面2aの左右にそれぞれ取り付けられる。そして、このようにバンド部3の左右の取付部3Aがグリップ部2の裏面2aの左右に取り付けられた状態においては、図2に示すように、該バンド部3とグリップ部2の裏面2aとの間には、手Hの甲の形状に倣ったカマボコ状の隙間(空間)Sが形成されている。
【0025】
また、図1に示すように、グリップ部2の中心線CLに対して手の差込方向後方(図1の下方)に所定量ε2だけオフセットした位置の外周(図1において中心線CLに対してε2だけ下方にオフセットした水平線L2とグリップ部2の外周との交点)には、左右一対の半円状の切欠き2dがそれぞれ形成されている。
【0026】
次に、以上のように構成された衛生グリップ1の使用方法を図4図6に基づいて以下に説明する。
【0027】
図4図6は衛生グリップの使用手順を示す図であって、図4は衛生グリップ部のグリップ部とバンド部との間の隙間に手を差し込んだ状態を示す平面図、図5は同斜視図、図6は衛生グリップによって対象物を掴んでこれを把持した状態を示す斜視図である。
【0028】
衛生グリップ1の使用に際しては、図4及び図5に示すように、ユーザーは、当該衛生グリップ1のグリップ部2とバンド部3との間に形成された隙間(空間)S(図2参照)に手Hを差し込む。そして、差し込んだ手Hの指を曲げてグリップ部2を図6に示すように折り曲げてつり革のリングなどの対象物10を掴んでこれを把持する。このとき、前述のように、グリップ部2とバンド部3との間には手Hの甲の形状に倣ったカマボコ状の隙間(空間)Sが形成されているため、当該衛生グリップ1が手Hに馴染んで優しくフィットする。このため、当該衛生グリップ1に対するユーザーの使用感が頗る良好である。
【0029】
以上のように、ユーザーが衛生グリップ1を用いて対象物10(図6参照)を掴むことによって、ユーザーは、対象物10に直接触れることなくこれを掴むことができるために衛生的であり、ユーザーが対象物10を直接掴むことによる嫌悪感やストレスが解消される。
【0030】
次に、使用後の衛生グリップ1の取り扱いについて図7図10を参照しながら以下に説明する。
【0031】
図7図10は使用後の衛生グリップの取り扱い方法をその工程順に示す図であって、図7は衛生グリップの使用を終えてこれのグリップ部を折り畳む前の状態を示す斜視図、図8は衛生グリップの使用を終えてこれのグリップ部を折り畳んだ状態を示す斜視図、図9は衛生グリップの使用を終えて折り畳まれたグリップ部の切欠きにベルト部を掛けた状態を示す斜視図、図10は衛生グリップの携帯時の状態を示す斜視図である。
【0032】
衛生グリップ1の使用が終わると、ユーザーは、図7に示すように、手Hの親指hを衛生グリップ1のグリップ部2に掛けて該グリップ部2を内側に折り曲げてこれを図8に示すように折り畳んで重ねる。そして、この状態からユーザーは手Hの甲に掛けていたバンド部3を手Hから外し、図9に示すように、外されたバンド部3を折り畳まれたグリップ部2を跨いで該グリップ部2に形成された一対の切欠き2dに引っ掛ける。すると、衛生グリップ1は、図10に示すように、グリップ部2の対象物10を掴んだ表面2b(図2参照)を内側にして折り畳まれた状態が維持され、この状態で当該衛生グリップ1を例えば鞄に収納してこれを持ち運ぶことができる。なお、本実施の形態に係る衛生グリップ1においては、バンド部3と切欠き2dは、グリップ部2の中心線CLに対して手Hの差込方向に互いに逆方向(上下)にオフセットした位置に設けられているため、両者は所定の距離だけ離れた位置に配置される。この結果、衛生グリップ1の使用後に折り畳まれたグリップ部2の切欠き2dにバンド部3をこれを張った状態で掛けることができる。
【0033】
以上のように、本実施の形態に係る衛生グリップ1は、片手Hで扱える程度に小さくて軽量な弾性体シートから成るグリップ部2と、該グリップ部2に設けられたベルト部3とによって構成されるため、携帯に便利であって、例えば、鞄などに嵩ばることなく収容してこれを気軽に持ち運ぶことができる。特に、本実施の形態に係る衛生グリップ1においては、グリップ部2が円形シートとして構成されているため、このグリップ部2をユーザーの手のひら内で扱うことができ、当該衛生グリップ1の小型・コンパクト化と取扱性の向上が図られる。
【0034】
さらに、本実施の形態に係る衛生グリップ1においては、グリップ部2とバンド部3とをそれぞれ独立に別体として構成し、バンド部3の両端をリベット4によってグリップ部2に締結する構成を採用したため、グリップ部2とバンド部3をそれらの機能に適した材質、本実施の形態では、グリップ部2をウレタンフォーム、ベルト部3を軟質樹脂によって構成することができる。そして、これらのグリップ部2とベルト部3とを別々に製作することによって、当該衛生グリップ1の生産性を高めて製造コストを下げることもできる。
【0035】
ところで、衛生グリップ1を再び使用する際には、図10に示すようにコンパクトに折り畳まれた当該衛生グリップ1のグリップ部2の切欠き2dに掛けられているバンド部3を切欠き2dから外せば、グリップ部2は、自身が有する弾性復元力によって元の円板状シートへと復元するため、ユーザーは、図4図6に示す手順を経て当該衛星グリップ1によって対象物10(図6参照)を衛生的に掴んでこれを把持することができる。
【0036】
以上のように、本実施の形態によれば、衛生グリップ1を小型・軽量でコンパクトに構成したため、該衛生グリップ1を鞄などに収容して便利に持ち運ぶことができるとともに、対象物10に直接手Hを触れることなく該対象物10を掴んでこれを把持することができるために衛生的であり、ユーザーに嫌悪感やストレスを与えることがないという効果が得られる。
【0037】
なお、以上の実施の形態では、衛生グリップ1を別体のグリップ部2とバンド部3とで構成し、バンド部3をリベット4によってグリップ部2に締結する構成を採用したが、グリップ部2とバンド部3とを一体に構成しても良い。
【0038】
また、以上の実施の形態では、衛生グリップ1が掴む対象物10としてつり革のリングを例に挙げて説明したが、衛生グリップ1が掴む対象物10としては、例えば、ドアノブなどの他の任意のものを想定することができる。
【0039】
さらに、以上の実施の形態において、グリップ部2とバンド部3にそれぞれ使用した材質は一例であって、それぞれの機能を満足するものであれば、これらのグリップ部2とバンド部3の材質には他の任意のものを選定することができる。
【0040】
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 衛生グリップ
2 グリップ部
2a グリップ部の裏面
2b グリップ部の正面
2c グリップ部の円孔
2d グリップ部の切欠き
3 バンド部
3A バンド部の取付部
3a バンド部の差込穴
4 リベット(締結具)
4a リベットの頭部
10 対象物
CL グリップ部の中心線
H ユーザーの手
S グリップ部とバンド部との間の隙間(空間)
ε1 バンド部のオフセット量
ε2 切欠きのオフセット量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2020-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げ可能で弾性復元力を有する弾性体シートで構成されたグリップ部と、該グリップ部の一方の面に設けられたアーチ状のバンド部とを備え、
前記グリップ部の手の差込方向に直交する中心線に対して手の差込方向前方にオフセットした位置に前記バンド部を前記中心線に沿って略平行に配置し、
前記グリップ部の前記中心線に対して手の差込方向後方にオフセットした位置の外周に切欠きを形成し、
前記グリップ部と前記バンド部との間に形成された隙間に手を差し込んで前記グリップ部を折り曲げ、この折り曲げられた前記グリップ部によって対象物を掴んでこれを把持することを特徴とする衛生グリップ。
【請求項2】
前記グリップ部は、円形シートとして構成され、該グリップ部に前記バンド部の両端が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の衛生グリップ。
【請求項3】
前記グリップ部と前記バンド部とは別体に構成され、前記バンド部の両端は、締結具によって前記グリップ部に締結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生グリップ。