IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大野 繁の特許一覧

<>
  • 特開-遊技機 図1
  • 特開-遊技機 図2
  • 特開-遊技機 図3
  • 特開-遊技機 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035903
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
A63F7/02 349Z
A63F7/02 334
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020151653
(22)【出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】717007376
【氏名又は名称】大野 繁
(72)【発明者】
【氏名】大野 繁
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC56
(57)【要約】
【課題】実際の当選確率が所定の当選確率から大きく乖離した値に収束することを抑制できる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、所定条件の成立を契機に所定の当選確率で抽選を行い、前記抽選の結果に応じて遊技を制御する制御手段と、外部電源から前記制御手段に電源を供給する供給手段と、前記供給手段によって前記外部電源から前記制御手段に供給される前記電源からノイズを除去するノイズクリア部とを備え、前記ノイズクリア部は、トルマリンを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件の成立を契機に所定の当選確率で抽選を行い、前記抽選の結果に応じて遊技を制御する制御手段と、
外部電源から前記制御手段に電源を供給する供給手段と、
前記供給手段によって前記外部電源から前記制御手段に供給される前記電源からノイズを除去するノイズクリア部とを備え、
前記ノイズクリア部は、トルマリン、ラピスラズリ、またはタンタルを含むことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記ノイズクリア部は、前記供給手段に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン、パチンコ機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の当選確率で抽選を行う遊技機が知られている(たとえば特許文献1)。遊技機は遊技場に設置され、遊技場の外部電源から遊技機に電源が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-89586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記遊技機では、ノイズの発生によって外部電源から遊技機へ供給される電源に影響し、実際の当選確率が所定の当選確率に収束せず、統計学的に所定の当選確率とは大きく乖離した値に収束する場合がある。このような事象が生じると、遊技場の管理者は遊技機の払い出しなどを管理しづらい。
【0005】
本発明は、実際の当選確率が所定の当選確率から大きく乖離した値に収束することを抑制できる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る遊技機は、所定条件の成立を契機に所定の当選確率で抽選を行い、前記抽選の結果に応じて遊技を制御する制御手段と外部電源から前記制御手段に電源を供給する供給手段と、前記供給手段によって前記外部電源から前記制御手段に供給される前記電源からノイズを除去するノイズクリア部とを備え、前記ノイズクリア部は、トルマリンを含むことを特徴とする。
【0007】
上記態様によれば、外部電源から制御手段に供給される電源に対してノイズが発生することがトルマリンによって抑制される。このため、制御手段による制御が安定化する。よって、本発明の遊技機は、実際の当選確率が所定の当選確率から大きく乖離した値に収束することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】スロットマシン1を示すブロック図である。
図2】メイン処理のフローチャートである。
図3】配線構造を示すブロック図である。
図4】変形例の配線構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1を参照して、スロットマシン1について説明する。スロットマシン1は、投入口2、ベットボタン3、始動レバー4、リール5、停止ボタン6を備える。投入口2には、遊技に使用されるコインが遊技者によって投入される。ベットボタン3は、投入されたコインを使用する際に遊技者によって押下される。始動レバー4は、後述のゲームを開始する際に遊技者によって操作される。リール5は、左リール、中リール、右リールで構成され、ゲーム中に回転する。リール5の外周には各種図柄が設けられている。停止ボタン6は、左停止ボタン、中停止ボタン、右停止ボタンで構成され、ゲーム中に回転するリール5の左リール、中リール、右リールを停止させるために、遊技者によって押下される。
【0010】
スロットマシン1は、メイン基板71と電源基板100を備える。メイン基板71は、CPU、ROM、RAMなどを備え、遊技の進行を制御する。メイン基板71には、投入口センサ21、ベットボタンセンサ31、レバーセンサ41、リールモータ51、停止ボタンセンサ61、電源基板100が電気的に接続される。
【0011】
投入口センサ21は、投入口2に設けられ、投入口2に投入されたコインを検出する。ベットボタンセンサ31は、ベットボタン3に設けられ、ベットボタン3の押下を検出する。レバーセンサ41は、始動レバー4に設けられ、始動レバー4の操作を検出する。リールモータ51は、左リールモータ、中リールモータ、右リールモータで構成され、リール5の左リール、中リール、右リールを回転させる。停止ボタンセンサ61は、停止ボタン6に設けられ、停止ボタン6の押下を検出する。
【0012】
電源基板100には、コンセントプラグ10が電気的に接続されている。コンセントプラグ10は、コンセントを介して外部電源300(図3参照)に電気的に接続される。電源基板100には、外部電源300からコンセントプラグ10を介して所定量(100Vまたは24V)の交流電圧の電源が供給される。電源基板100は、外部電源300から供給された所定量の交流電圧を規定量の直流電圧に変換して、電源をメイン基板71に供給する。
【0013】
ゲームについて説明する。遊技者は投入口2にコインを投入し、ベットボタン3を押下する。そして、遊技者は始動レバー4を操作することでゲームを開始する。ゲームが開始されると、複数の役のなかから一つの役が抽選で決定されて、リール5の回転が開始される。以下、決定された役を、「当選役」という。複数の役のそれぞれが当選役となる確率はあらかじめ定められており、以下、この確率を「当選確率」という。遊技者は、停止ボタン6を押下することでリール5を停止させる。左リールの停止図柄、中リールの停止図柄、右リールの停止図柄の組み合わせが、当選役に応じた組み合わせであれば、遊技者は当選役に応じた枚数のコインを遊技利益として得られる。
【0014】
以下では、スロットマシン1に投入されるコインの枚数に対するスロットマシン1から払い出されるコインの枚数を「出率」という。出率が高いほど遊技者にとって有利であり、出率が低いほど遊技者にとって不利となる。スロットマシン1では、出率設定(以下、「設定値」という。)が設定1~設定6の6段階設けられている。設定1の出率が最も低く、設定値が大きくなるほど出率が大きくなる。なお、設定値の段階数は本実施形態の6段階に限定されない。また、設定値は設定1、設定3、設定6などの飛び番号でもよいし、設定A、設定B、設定Cなどのアルファベットでもよい。さらに、設定値と出率との対応関係も本実施形態に限定されず、たとえば設定6の出率が最も低くてもよい。スロットマシン1の稼働前などに遊技場の管理者によって設定変更装置(図示略)が操作されて、複数の設定値のうちいずれか1つが設定される。スロットマシン1では、設定された設定値に応じた出率、つまり当選確率になるようにゲームが制御される。
【0015】
図2を参照して、メイン処理について説明する。メイン処理は、割込信号発生回路(図示略)によって所定ミリ秒毎に発生される割込信号がメイン基板71のCPUによって検知された際に、メイン基板71のROMからプログラムが読みだされてCPUによって実行される。
【0016】
メイン処理が開始されると、コイン検出処理が行われる(S11)。コイン検出処理では、投入口センサ21からの検出信号に基づいて、投入口2に投入されたコインが計数される。次いで、ベット処理が行われる(S12)。ベット処理では、ベットボタンセンサ31からの検出信号に基づいて、ベットされたコインの枚数がゲームの開始に必要なコインの枚数に達したか否かを示す情報が取得される。
【0017】
次いで、ベットされたコインの枚数がゲームの開始に必要なコインの枚数に達していれば、レバーオン処理が行われる(S13)。レバーオン処理では、レバーセンサ41からの検出信号に基づいて、始動レバー4の操作が取得される。次いで、抽選処理が行われる(S14)。ここで、メイン基板71のROMには、抽選テーブルが設定値に応じて記憶されており、抽選テーブルでは、乱数の値が複数の役のそれぞれに割り当てられている。抽選処理では、乱数が取得され、設定されている設定値に応じた抽選テーブルが参照される。取得された乱数の値が抽選テーブルにおいて、複数の役のいずれに対応しているか判定される。取得された乱数の値が対応している役が当選役となる。これにより、所定の当選確率で当選役が決定される。
【0018】
次いで、リール回転処理が行われる(S15)。リール回転処理では、リールモータ51が駆動されて、リール5の回転が制御される。次いで、リール停止処理が行われる(S16)。リール停止処理では、停止ボタンセンサ61からの検出信号に基づいて、リールモータ51を制御し、リール5の回転を停止させる。
【0019】
次いで、払出処理が行われる(S17)。払出処理では、リール5における停止図柄の組み合わせが当選役に対応する組み合わせの場合に、当選役に応じた枚数のコインが遊技者に払い出される。その後、メイン処理は終了する。
【0020】
図3を参照して、スロットマシン1の配線構造について説明する。遊技場には、複数のスロットマシン1が一つの島を構成して設置される。図3は、一例として、複数のスロットマシン1として、スロットマシン1A、スロットマシン1B、スロットマシン1Cによって一つの島が構成されている例を示す。なお、一つの島を構成するスロットマシン1の台数は、三台に限定されないし、たとえば一台でもよい。スロットマシン1A、1B、1Cの機種は同じでもよいし、異なってもよい。
【0021】
外部電源300にはケーブル200が電気的に接続され、ケーブル200から複数のケーブル200A、200B、200C、200Dに枝分かれする。なお、外部電源300よりも下流側、つまりケーブル200などはスロットマシン1の一部である。ケーブル200A、200B、200C、200Dは、それぞれ、複数のコンセント10A、10B、10C、10Dに電気的に接続する。
【0022】
コンセント10A、10B、10Cには、それぞれ、スロットマシン1Aのコンセントプラグ10、スロットマシン1Bのコンセントプラグ10、スロットマシン1Cのコンセントプラグ10が電気的に接続される。
【0023】
コンセント10Dには、ノイズクリア部400のコンセントプラグ(図示略)が電気的に接続される。したがって、ノイズクリア部400には、外部電源300からコンセント10Dを介して電源が供給される。ノイズクリア部400はトルマリンを含む。トルマリンは、ケイ酸塩鉱物の総称であり、静電気、電磁波などによるノイズ、特に低調波のノイズを除去する効果を有する。本実施形態では、ノイズクリア部400のトルマリン含有量は、5wt%程度である。ノイズクリア部400はトルマリンの他に鉄、マグネシウムなどを含み、それらとともに焼成される。
【0024】
本実施形態の配線構造によれば、ノイズクリア部400は、トルマリンによって電源からノイズを除去する。したがって、各スロットマシン1A、1B、1Cには、トルマリンによってノイズが除去された電源が供給される。このため、メイン基板71での制御が安定化する。よって、本実施形態の配線構造は、スロットマシン1において実際の当選確率が抽選テーブルによって定められた当選確率から大きく乖離した値に収束することを抑制できる。結果として、実際の出率が、遊技場の管理者が想定する出率の範囲内に収束しやすくなるので、管理者は遊技場全体での出率の管理を行いやすくなる。
【0025】
上記実施形態において、メイン基板71が本発明の「制御手段」に相当する。電源基板100、ケーブル200などが本発明の「供給手段」に相当する。
【0026】
なお、本発明は上記実施形態から種々の変更が可能である。たとえば本発明はスロットマシン1のみならず、遊技球を用いて図柄を変動させるゲームを行うパチンコ機などにも適用できる。
【0027】
また、上記実施形態では、ノイズクリア部400がコンセントプラグ(図示略)を介してコンセント10Dに電気的に接続された。これに対し、図4に示すように、ノイズクリア部400は、コンセント10Dを介さずにケーブル200に電気的に接続されてもよい。さらに、ノイズクリア部400は、ケーブル200A、200B、200Cに電気的に接続されてもよい。また、ノイズクリア部400は、電源基板100とコンセントプラグ10との間に電気的に接続されてもよい。すなわち、ノイズクリア部400は、外部電源300から電源基板100までの間のいずれかの位置に、直接または間接的に電気的に接続されていればよい。また、ノイズクリア部400は、外部電源300から電源基板100までの間において直列で接続されてもよいし、並列で接続されてもよい。また、ノイズクリア部400はスロットマシン1一台あたりに一つまたは複数設けられてもよいし、外部電源300一つあたりに一つまたは複数設けられてもよい。また、ノイズクリア部400の成形方法、ノイズクリア部400のトルマリン含有量は上記実施形態に限定されず、多いほどノイズクリア効果が高くなり、10%程度で十分なノイズクリア効果を発揮する。また、ノイズクリア部400は、ラピスラズリ(方ソーダ石グループの鉱物)、タンタルなどノイズクリア効果を有する物質を、トルマリンに代えて、またはトルマリンに加えて含んでもよい。
【0028】
さらに、ノイズクリア部400は、外部電源300からメイン基板71に供給される電源からノイズを除去できれば、スロットマシン1のいずれの部位に設けられていてもよく、電源基板100、ケーブル200などに接続していなくてもよい。すなわち、ノイズクリア部400は、メイン基板71、電源基板100などの基板を収容するケースに設けられていてもよいし、スロットマシン1の筐体に設けられてもよい。この場合でも、ノイズクリア部400は、トルマリンによって電源からノイズを除去できる。
【符号の説明】
【0029】
1、1A、1B、1C スロットマシン
71 メイン基板
100 電源基板
200、200A、200B、200C、200D ケーブル
300 外部電源
400 ノイズクリア部
図1
図2
図3
図4