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特開2022-35922省電力ワイヤロープの安全診断方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035922
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】省電力ワイヤロープの安全診断方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20220225BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
G08C15/00 D
G08C17/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189537
(22)【出願日】2020-11-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0103903
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519360017
【氏名又は名称】エンキア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ソン ス
(72)【発明者】
【氏名】イ、イン ファン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ギ フン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ウン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジョン ファン
【テーマコード(参考)】
2F073
【Fターム(参考)】
2F073AA12
2F073AA19
2F073AA22
2F073AA28
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE13
2F073DE16
2F073EE01
2F073EE13
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG08
2F073GG09
(57)【要約】
【課題】 ワイヤロープの安全診断において、センサが、一定の時間以外は、待機モードに切り替えられ、必要な場合にのみ動作を感知し、動きが感知されるときにのみ、安全診断が行われるようにして、電力を節約し、効用性を向上させることができ、このような安全診断において、ディープラーニングを用いることにより、さらに正確かつ一貫して欠陥診断が行われるようにする省電力ワイヤロープの安全診断方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】 ワイヤロープの安全診断において、複数個のセンサノードがリアルタイムで安全診断を行うためには、センサが続けてオンした状態でなければならず、電力を多く消耗するので、このような電力消耗を減少させるために、待機モードにあるうちに、動きが感知されたときにのみ、安全診断が行われるようにし、ワイヤロープの安全診断による欠陥の判断時、ディープラーニングを用いて、さらに正確かつ一貫した欠陥の判断を可能にする方法及びシステムとする。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
省電力ワイヤロープの安全診断方法において、
(a)センサ部が、待機モードから復帰して、省電力ワイヤロープの安全を診断するソフトウェアであるプラットフォームのアクセスポイントであるAPに制御要請信号を送信する段階と、
(b)センサ部から制御要請信号を受信したAPが、動作感知が必要であるか否かを判断し、必要であると認められるときは、センサ部に動作感知信号を送信する段階と、
(c)APから動作感知信号を受信したセンサ部が、動作感知センサによって動作を感知し、動作が感知されたときは、安全診断センサによってワイヤロープ安全診断センシングを行う段階と、
(d)センサ部で安全診断センシングを終了すれば、プラットフォームが、人工知能サーバによって、ディープラーニングを用いて、ワイヤロープの欠陥を判断する段階と、
(e)前記(b)段階乃至(d)段階を繰り返す段階と、を含む
ことを特徴とする省電力ワイヤロープの安全診断方法。
【請求項2】
前記(a)段階は、待機モードに突入してから、予め設定された時間が経過したとき、待機モードから復帰する
請求項1に記載の省電力ワイヤロープの安全診断方法。
【請求項3】
前記(b)段階は、APが今日センシングを行ったか、今日が運営日及び運営曜日に該当するか、現在時間が業務時間であるか否かなどを判断して、動作感知が必要であると認められるときにのみ、センサ部に動作感知信号を送信する
請求項1に記載の省電力ワイヤロープの安全診断方法。
【請求項4】
前記(b)段階は、APが今日センシングを行ったか、今日が運営日及び運営曜日に該当するか、現在時間が業務時間であるか否かなどを判断して、動作感知が必要であると認められないときは、センサ部に待機信号を送信し、センサ部は、予め設定された時間の間、待機モードに突入する
請求項1に記載の省電力ワイヤロープの安全診断方法。
【請求項5】
前記(c)段階は、前記動作感知センサは、前記安全診断センサに含まれた複数個のセンサノードのうち一つであって、対象物の磁気力を測定し、一定時間前に測定された電圧と現在測定された電圧とを比べて、電圧差が閾値電圧を上回るときは、動作が感知されたと判断する
請求項1に記載の省電力ワイヤロープの安全診断方法。
【請求項6】
前記(c)段階は、前記動作感知センサは、前記安全診断センサとは別途に連結され、上下方向の動きを感知するジャイロセンサであって、対象物の一定時間前に測定された座標値と現在測定された座標値とを比べて、z軸変化量が閾値変化量を上回るときは、動作が感知されたと判断する
請求項1に記載の省電力ワイヤロープの安全診断方法。
【請求項7】
前記(d)段階は、センサ部において安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベースに保存し、安全診断センシングを終了すれば、保存されたセンサデータ及び制御要請信号をAPに送信し、APからセンサデータを受信したプラットフォームは、人工知能サーバにセンサデータ信号処理及び欠陥判断を要請し、人工知能サーバがディープラーニングによってワイヤロープの欠陥を判断する
請求項1に記載の省電力ワイヤロープの安全診断方法。
【請求項8】
前記(d)段階は、
センサ部において安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベースに保存し、一定時間が経過すれば、安全診断センシングを終了し、保存されたセンサデータ及び制御要請信号をAPに送信する段階と、
前記プラットフォームが人工知能サーバにセンサデータの信号処理を要請すれば、人工知能サーバがセンサデータのノイズ及びトレンドを除去して前処理し、一定値以上の漏洩磁束が発生するとき、欠陥があると判断する一次判断段階と、
人工知能サーバが、前処理されたデータから様々な統計画像を抽出し、順方向神経網などのディープラーニング学習によって欠陥があると判断する二次判断段階と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の省電力ワイヤロープの安全診断方法。
【請求項9】
省電力ワイヤロープの安全診断システムにおいて、
待機モードから復帰して、APに制御要請信号を送信し、APから動作感知信号を受信すれば、動作感知センサによって動作を感知し、動作が感知されたときは、安全診断センサによってワイヤロープ安全診断センシングを行い、安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベースに保存し、安全診断センシングが終了すれば、保存されたセンサデータ及び制御要請信号をAPに送信するセンサ部と、
前記センサ部から制御要請信号を受信すれば、動作感知が必要であるか否かを判断し、必要であると認められるときは、センサ部に動作感知信号を送信するアクセスポイントであるAPを含み、前記センサ部からセンサデータを受信すれば、人工知能サーバにワイヤロープの欠陥判断を要請するワイヤロープ安全診断プラットフォームと、
前記プラットフォームの要請により、ディープラーニングを介してセンサデータを信号処理して、ワイヤロープの欠陥を判断する人工知能サーバと、を含む
ことを特徴とする省電力ワイヤロープの安全診断システム。
【請求項10】
前記センサ部は、ワイヤロープの動きを感知し、待機モードから活性モードに切り替える動作感知センサと、ワイヤロープの欠陥を測定する安全診断センサと、を含み、その構成となる複数個のセンサノードを含む
請求項9に記載の省電力ワイヤロープの安全診断システム。
【請求項11】
前記制御要請信号を受信したAPは、今日センシングを行ったか、今日が運営日及び運営曜日に該当するか、現在時間が業務時間であるか否かなどを判断して、動作感知が必要であると認められるときにのみ、センサ部に動作感知信号を送信する
請求項9に記載の省電力ワイヤロープの安全診断システム。
【請求項12】
前記制御要請信号を受信したAPは、今日センシングを行ったか、今日が運営日及び運営曜日に該当するか、現在時間が業務時間であるか否かなどを判断して、動作感知が必要であると認められないときは、センサ部に待機信号を送信し、センサ部は、予め設定された時間の間、待機モードに突入する
請求項9に記載の省電力ワイヤロープの安全診断システム。
【請求項13】
前記動作感知センサは、前記安全診断センサに含まれた複数個のセンサノードのうち一つであって、対象物の磁気力を測定し、一定時間前に測定された電圧と現在測定された電圧とを比べて、電圧差が閾値電圧を上回るときは、動作が感知されたと判断する
請求項9に記載の省電力ワイヤロープの安全診断システム。
【請求項14】
前記動作感知センサは、前記安全診断センサとは別途に連結され、上下方向の動きを感知するジャイロセンサであって、対象物の一定時間前に測定された座標値と現在測定された座標値とを比べて、z軸変化量が閾値変化量を上回るときは、動作が感知されたと判断する
請求項9に記載の省電力ワイヤロープの安全診断システム。
【請求項15】
前記人工知能サーバは、前記プラットフォームが人工知能サーバへAPに受信されたセンサデータ信号処理を要請すれば、人工知能サーバがセンサデータのノイズ及びトレンドを除去して前処理し、一定値以上の漏洩磁束が発生するとき、欠陥があると判断する一次判断を行い、人工知能サーバが前処理されたデータから様々な統計画像を抽出し、順方向神経網などのディープラーニング学習によって欠陥があると判断する二次判断を行う
請求項9に記載の省電力ワイヤロープの安全診断システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力ワイヤロープの安全診断方法及びシステムに係り、さらに詳しくは、対象物を持ち上げる巻揚げ装置などに用いられるワイヤロープの安全を診断するにあたって、センサを一定の時間以外は、待機モードに切り替え、待機モードでない場合は、ワイヤの動きが感知されるときにのみ、安全診断を行って、省電力で運用することができるようにするための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業現場のワイヤロープ産業災害の予防のためには、寸法、目視点検による手動検査や、高価な大型の外国製検査装備を用いて、高コスト、一回性の手動検査が行われ、手動管理による管理危険や高コストの危険が生じた。
【0003】
以後、このような危険を最小化するために、センサを使ったワイヤロープの安全診断を行うことにより、費用節減及び高精度の検査が行われるようにした。
【0004】
しかしながら、ワイヤロープの安全診断のための装置には、複数個のセンサノードが必要であるが、このようなセンサをリアルタイムで稼動する場合、電力を多く消費するという困難さがあり、このような問題を解決するために、省電力で運用されるワイヤロープ安全診断センシング技術の必要性が台頭している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した問題点を解決するために、本発明が解決しようとする課題は、ワイヤロープの安全診断において、センサが、一定の時間以外は、待機モードに切り替えられ、必要な場合にのみ動作を感知し、動きが感知されるときにのみ、安全診断が行われるようにして、電力を節約し、効用性を向上させることができ、このような安全診断において、ディープラーニングを用いることにより、さらに正確かつ一貫した欠陥診断が行われるようにすることにある。
【0006】
本発明の解決課題は、上述されたものに限定されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から、当業者にとって、明確に理解されるべきであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した技術的課題を解決するための手段として、本発明の実施形態によれば、省電力ワイヤロープの安全診断方法は、(a)センサ部が、待機モードから復帰し、省電力ワイヤロープの安全を診断するソフトウェアであるプラットフォームのアクセスポイントであるAPに制御要請信号を送信する段階と、(b)センサ部から制御要請信号を受信したAPが、動作感知が必要であるか否かを判断し、必要であると認められるときは、センサ部に動作感知信号を送信する段階と、(c)APから動作感知信号を受信したセンサ部が、動作感知センサによって動作を感知し、動作が感知されたときは、安全診断センサによってワイヤロープ安全診断センシングを行う段階と、(d)センサ部で安全診断センシングを終了すれば、プラットフォームが、人工知能サーバによって、ディープラーニングを用いて、ワイヤロープの欠陥を判断する段階と、(e)前記(b)段階乃至(d)段階を繰り返す段階と、を含む。
【0008】
前記(a)段階は、待機モードに突入してから、予め設定された時間が経過したとき、待機モードから復帰する。
【0009】
前記(b)段階は、APが今日センシングを行ったか、今日が運営日及び運営曜日に該当するか、現在時間が業務時間であるか否かなどを判断して、動作感知が必要であると認められるときにのみ、センサ部に動作感知信号を送信する。
【0010】
前記(b)段階は、APが今日センシングを行ったか、今日が運営日及び運営曜日に該当するか、現在時間が業務時間であるか否かなどを判断して、動作感知が必要であると認められないときは、センサ部に待機信号を送信し、センサ部は、予め設定された時間の間、待機モードに突入する。
【0011】
前記(c)段階は、前記動作感知センサは、前記安全診断センサに含まれた複数個のセンサノードのうち一つであって、対象物の磁気力を測定し、一定時間前に測定された電圧と現在測定された電圧とを比べて、電圧差が閾値電圧を上回るときは、動作が感知されたと判断する。
【0012】
前記(c)段階は、前記動作感知センサは、前記安全診断センサとは別途に連結され、上下方向の動きを感知するジャイロセンサであって、対象物の一定時間前に測定された座標値と現在測定された座標値とを比べて、z軸変化量が閾値変化量を上回るときは、動作が感知されたと判断する。
【0013】
前記(d)段階は、センサ部において安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベースに保存し、安全診断センシングを終了すれば、保存されたセンサデータ及び制御要請信号をAPに送信し、APからセンサデータを受信したプラットフォームは、人工知能サーバにセンサデータ信号処理及び欠陥判断を要請し、人工知能サーバがディープラーニングによってワイヤロープの欠陥を判断する。
【0014】
前記(d)段階は、センサ部において安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベースに保存し、一定時間が経過すれば、安全診断センシングを終了し、保存されたセンサデータ及び制御要請信号をAPに送信する段階と、前記プラットフォームが人工知能サーバにセンサデータの信号処理を要請すれば、人工知能サーバがセンサデータのノイズ及びトレンドを除去して前処理し、一定値以上の漏洩磁束が発生するとき、欠陥があると判断する一次判断段階と、人工知能サーバが、前処理されたデータから様々な統計特性を抽出し、順方向神経網などのディープラーニング学習によって欠陥があると判断する二次判断段階と、を含む。
【0015】
一方、本発明の他の実施形態によれば、省電力ワイヤロープの安全診断システムは、待機モードから復帰して、APに制御要請信号を送信し、APから動作感知信号を受信すれば、動作感知センサによって動作を感知し、動作が感知されたときは、安全診断センサによってワイヤロープ安全診断センシングを行い、安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベースに保存し、安全診断センシングが終了すれば、保存されたセンサデータ及び制御要請信号をAPに送信するセンサ部と、前記センサ部から制御要請信号を受信すれば、動作感知が必要であるか否かを判断し、必要であると認められるときは、センサ部に動作感知信号を送信するアクセスポイントであるAPを含み、前記センサ部からセンサデータを受信すれば、人工知能サーバにワイヤロープの欠陥判断を要請するワイヤロープ安全診断プラットフォームと、前記プラットフォームの要請により、ディープラーニングを介してセンサデータを信号処理して、ワイヤロープの欠陥を判断する人工知能サーバと、を含む。
【0016】
前記センサ部は、ワイヤロープの動きを感知し、待機モードから活性モードに切り替える動作感知センサと、ワイヤロープの欠陥を測定する安全診断センサと、を含み、その構成となる複数個のセンサノードを含む。
【0017】
前記制御要請信号を受信したAPは、今日センシングを行ったか、今日が運営日及び運営曜日に該当するか、現在時間が業務時間であるか否かなどを判断して、動作感知が必要であると認められるときにのみ、センサ部に動作感知信号を送信する。
【0018】
前記制御要請信号を受信したAPは、今日センシングを行ったか、今日が運営日及び運営曜日に該当するか、現在時間が業務時間であるか否かなどを判断して、動作感知が必要であると認められないときは、センサ部に待機信号を送信し、センサ部は、予め設定された時間の間、待機モードに突入する。
【0019】
前記動作感知センサは、前記安全診断センサに含まれた複数個のセンサノードのうち一つであって、対象物の磁気力を測定し、一定時間前に測定された電圧と現在測定された電圧とを比べて、電圧差が閾値電圧を上回るときは、動作が感知されたと判断する。
【0020】
前記動作感知センサは、前記安全診断センサとは別途に連結され、上下方向の動きを感知するジャイロセンサであって、対象物の一定時間前に測定された座標値と現在測定された座標値とを比べて、z軸変化量が閾値変化量を上回るときは、動作が感知されたと判断する。
【0021】
前記人工知能サーバは、前記プラットフォームが人工知能サーバへAPに受信されたセンサデータ信号処理を要請すれば、人工知能サーバがセンサデータのノイズ及びトレンドを除去して前処理し、一定値以上の漏洩磁束が発生するとき、欠陥があると判断する一次判断を行い、人工知能サーバが前処理されたデータから様々な統計画像を抽出し、順方向神経網などのディープラーニング学習によって欠陥があると判断する二次判断を行う。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ワイヤロープの安全診断において、センサが、一定の時間以外は、待機モードに切り替えられ、必要な場合にのみ動作を感知し、動きが感知されるときにのみ、安全診断が行われるようにして、電力を節約し、効用性を向上させることができ、このような安全診断において、ディープラーニングを用いることにより、さらに正確かつ一貫した欠陥診断が行われ得る。
【0023】
本発明の効果は、上述したものに限定されず、上述されなかった他の効果は、以下の記載から、当業者にとって明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断方法の順序図である。
図2】本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断方法及びシステムにおける動作感知センサの電圧測定値を示す例示図である。
図3】本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断方法及びシステムにおける欠陥診断方法を示す例示図である。
図4】本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断方法及びシステムにおける動作感知技術を詳細に示す順序図である。
図5】本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以上、本発明の目的、他の目的、特徴及び利点は、添付図面に関連した以下の好適な実施形態により容易に理解されるであろう。しかし、本発明は、ここで説明される実施形態に限定されず、他の形態に具現され得る。かえって、ここで紹介されている実施形態は、開示された内容が徹底かつ安全になるように、また、当業者に本発明の思想が十分伝えられるようにするために提供されるものである。
【0026】
本明細書において、第1、第2などの用語が構成要素を記述するために使用された場合、これらの構成要素が、このような用語により限定されることはない。これらの用語は、単にある構成要素を他の構成要素と区別させるために用いられているだけである。ここで説明され例示されている実施形態は、その相補的な実施形態をも含む。
【0027】
また、あるエレメント、構成要素、装置、またはシステムが、プログラムまたはソフトウェアからなる構成要素を含むと言われる場合、明示的な言及がなくても、そのエレメント、構成要素、装置またはシステムは、そのプログラムまたはソフトウェアが実行または動作するために必要なハードウェア(例えば、メモリ、CPUなど)や他のプログラムまたはソフトウェア(例えば、オペレーティングシステムやハードウェアを駆動するために必要なドライバなど)を含む。
【0028】
また、本発明において用いられる用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。本明細書において、単数の表現は、文脈からみて、特に言及していない限り、複数の表現を含む。明細書において用いられる「含む(comprises)」及び/または「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素について、一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
【0029】
また、本明細書に記載された「…部」、「…器」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアやソフトウェアまたはハードウェア及びソフトウェアの結合により具現され得る。また、「1」、「一つ」及び「その」などの冠詞は、本発明について記述する文脈からみて、本明細書において他に指示され、または文脈によって明らかに反駁されない限り、単数及び複数の全てを含む意味として用いられ得る。
【0030】
以下の特定の実施形態を記述するにあたって、様々な特定的な内容は、発明をさらに具体的に説明して理解を助けるために作成された。しかし、本発明を理解することができる程度に、この分野における知識を有する者であれば、このような様々な特定的な内容がなくても用いられ得る。
【0031】
ある場合は、発明を記述するにあたって、周知でありながら発明とあまり関連がない部分は、本発明の説明にあたって、混沌を防ぐために記述しないことを予め言及しておく。
【0032】
以下、添付図面を参照して、本発明において実施しようとする具体的な技術内容について詳述する。
【0033】
図1は、本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断方法の順序図である。
【0034】
本発明は、ワイヤロープ安全診断センサが待機モードにあるうちに、活性状態で動作が感知される場合にのみ、安全診断を行わせ、電力を節約して効率性を向上させるための発明である。
【0035】
図1を参照すれば、本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断方法は、センサ部が待機モードから復帰してAPに制御要請を行う段階(S100)、APが、動作感知の要否を判断し、センサ部へ動作感知信号を送信する段階(S200)、センサ部が、動作感知して感知された場合にのみ、安全診断センシングを行う段階(S300)、安全診断センシングを終了し、APに制御要請すれば、プラットフォームが、人工知能サーバによってワイヤロープ欠陥を判断する段階(S400)、センサ部が待機モードに突入する段階(S500)と、を含む。
【0036】
ここで、センサ部が待機モードから復帰してAPに制御要請を行う段階(S100)は、(a)段階で表現され得る。
【0037】
(a)段階において、センサ部は、待機モードから復帰して無線送受信部(RF)を活性化し、APに制御要請信号を送信する。
【0038】
以下、センサ部は、RFを介して、ゲートウェーに接続して通信することができる。
【0039】
ここで、APは、省電力ワイヤロープの安全を診断するソフトウェアであるプラットフォームのアクセスポイント(Access Point)を意味する。
【0040】
ここで、待機モードは、スリーブで表現されてもよく、待機モードでは、電力が多く消費されるセンサ部の複数個のセンサノードが、センシングを行わず、センサ部のRFをオフしておき、時間のみをチェックするようにして、消費電力を最小限に抑えるモードを意味する。
【0041】
ここで、待機モードに突入するとき、待機モードの持続時間を予め決めておき、待機モードに突入してから、予め設定された時間が経過すれば、待機モードから復帰する。
【0042】
ここで、待機モードの持続時間は、ワイヤロープの使用時間に基づき、待ち時間を変えて決めることができ、APは、これを可変的に適用することができる。
【0043】
したがって、待機モードでは、時間のみをチェックする。
【0044】
ここで、待機モード以外の時間は、活性モードで示し得る。
【0045】
待機モードから活性モードに切り替えられると、オフしていたRFがオンし、センサノード及びRFが活性化される。
【0046】
ここで、制御要請信号は、ゲートウェーを介してAPに送信される。
【0047】
ここで、APが、動作感知の要否を判断し、センサ部に動作感知信号を送信する段階(S200)は、(b)段階で表現され得る。
【0048】
(b)段階において、センサ部から制御要請信号を受信したAPは、動作感知が必要であるか否かを判断し、必要であると認められるときは、センサ部に動作感知信号を送信する。
【0049】
ここで、APが、動作感知が必要であるか否かを判断することは、オペレーターが予め決めておいた条件に応じて、動作感知信号(Detect)、待機モード突入信号(Sleep)、即時安全診断センシング信号(Active)のうちいずれか一つのコマンド(Command)を、ゲートウェーを介してセンサ部に送信することを意味する。
【0050】
ここで、センサ部は、受信されたコマンドを分類して、コマンドが動作感知信号である場合は、動作を感知する段階(S300)、待機モード突入信号である場合は、直ちに待機モードに突入し、即時安全診断センシング信号である場合は、動作感知無しに、すぐワイヤロープの安全診断を開始する。
【0051】
ここで、APが、動作感知が必要であるか否かを判断する条件は、一つ以上の条件を全て満たす場合に設定してもよく、その条件は、多様に決められるが、実施形態では、若し、1日1回しか安全診断センシングを行わず、安全診断センシングを運営しない非運営日、運営曜日、運営時間を予め決めておいた場合は、今日センシングを行ったか、今日が非運営日ではなく、運営日に該当するか、運営曜日に該当するか、現在時間が業務時間であるか否かを判断して、動作感知が必要であると認められるときにのみ、ゲートウェーを介してセンサ部に動作感知信号を送信する。
【0052】
ここで、APが、動作感知が必要であるか否かを判断する条件を判断した結果、動作感知が必要であると認められないときは、ゲートウェーを介して、センサ部に待機モード突入信号を送信する。
【0053】
この場合、センサ部は、予め設定された時間の間、待機モードに突入する。
【0054】
ここでAPは、使用者が予め決めておいた即時安全診断センシング条件を満たす場合は、ゲートウェーを介して、センサ部に直ちに安全診断センシング(Active)突入信号を送信する。
【0055】
この場合、センサ部は、予め決められた時間の間、ワイヤロープの安全診断センシングを開始する。
【0056】
ここで、センサ部が、動作感知して感知された場合にのみ、安全診断センシングを行う段階(S300)は、(c)段階で表現され得る。
【0057】
(c)段階において、センサ部が、ゲートウェーを介して、APから動作感知信号を受信した場合は、動作感知センサによって、動作を感知し始め、動作が感知されたときは、安全診断センサによってワイヤロープ安全診断センシングを開始する。
【0058】
ここで、動作感知センサは、センサ部に含まれたセンサであって、前記安全診断センサに含まれた複数個のセンサノードのうち一つによって、対象物の磁気力を測定し、一定時間前に測定された電圧と現在測定された電圧とを比べて、その電圧差が閾値電圧を上回るときは、動作が感知されたと判断する。
【0059】
ここで、磁気力を測定して、磁束が変化すれば、それにより、電圧が変化するので、電圧差を導出することができる。
【0060】
また、ここで、閾値電圧は、オペレーターが予め決めておいてもよい。
【0061】
図2は、本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断方法及びシステムにおける動作感知センサの電圧測定値を示した例示図である。
【0062】
図2を参照すれば、センサ部の複数個のセンサノード(グラフにおいて6個)における測定値から導出された電圧値をグラフで示したものであり、そのうち、チャンネル2を動作感知センサとして活用することができる。
【0063】
図2を参照すれば、最初は、各ノードが比較的一定の値を維持してから、特定の時間帯に一部のノードの電圧が跳ね上がって高い値に維持される。
【0064】
図2を参照すれば、チャンネル2のノードにおいて、1.42、1.47、1.52、1.57、1.62秒帯に順次にそれぞれ電圧を測定してみれば、1.42秒に3008mV、1.47秒に2969mV、1.52秒に3357mV、1.57秒に3657mV、1.62秒に3720mVで示された。
【0065】
したがって、この場合、現在測定された電圧と一定時間前に測定された電圧とを比べるが、一定時間が0.1秒であるときをみると、現在時間が1.52秒に該当する場合は、現在測定された電圧(3357mV)と0.1秒前(1.42秒)に測定された電圧(3008mV)との電圧差が349mVであり、現在時間が1.57秒に該当する場合は、現在測定された電圧(3657mV)と0.1秒前(1.47秒)に測定された電圧(2969mV)との電圧差が688mVであり、現在時間が1.62秒に該当する場合は、現在測定された電圧(3720mV)と0.1秒前(1.52秒)に測定された電圧(3357mV)との電圧差が363mVである。
【0066】
したがって、ここで、オペレーターが予め決めておいた閾値電圧が0.5V(500mV)である場合は、1.52秒に導出された電圧差のみが閾値電圧を上回るので、このような場合は、1.52秒に動作が感知されたと判断する。
【0067】
また、図1を参照すれば、(c)段階(S300)において、動作感知センサは、センサ部に含まれたセンサであり、前記安全診断センサに含まれた複数個のセンサノードのうち一つではなく、安全診断センサとは別途に連結され、上下方向の動きを感知するジャイロセンソであって、対象物の一定時間前に測定された座標値と現在測定された座標値とを比べて、z軸変化量が閾値変化量を上回るときは、動作が感知されたと判断することができる。
【0068】
ここで、対象物であるワイヤロープの上下方向の移動範囲が、オペレーターが予め決めておいた閾値変化量を上回るときは、動作が感知されたと判断する。
【0069】
このようにワイヤロープの安全診断を直ちに行わず、安全診断センサのセンサノードのうち一つまたは別途のジャイロセンサによって動きを感知し、動きがあると感知されたときにのみ、安全診断を行うようにして、不要な安全診断を減少させ、電力を効率的に活用することができる。
【0070】
このように動作が感知されたときにのみ、安全診断センサによってワイヤロープ安全診断センシングを開始する。
【0071】
図1を参照すれば、ここで、安全診断センシングを終了し、APに制御要請すれば、プラットフォームが、人工知能サーバによってワイヤロープの欠陥を判断する段階(S400)は、(d)段階で表現され得る。
【0072】
(d)段階において、センサ部は、安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベースに保存し、一定時間が経過すれば、安全診断センシングを終了し、保存されたデータ及び制御要請信号をAPに送信する。APからセンサデータを受信したプラットフォームは、人工知能サーバにセンサデータ信号処理及び欠陥判断を要請すれば、人工知能サーバは、ディープラーニングによってワイヤロープの欠陥を判断する。
【0073】
ここで、(d)段階は、センサ部の安全診断センサが安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベースに保存し、一定時間が経過すれば、安全診断センシングを終了し、保存されたセンサデータ及び制御要請信号をAPに送信する段階(S410)、前記プラットフォームが人工知能サーバへAPに受信されたセンサデータ信号処理を要請すれば、人工知能サーバがセンサデータのノイズ及びトレンドを除去して前処理し、一定値以上の漏洩磁束が発生するとき、欠陥があると判断する一次判断段階(S420)、人工知能サーバが前処理されたデータから様々な統計画像を抽出し、順方向神経網などのディープラーニング学習によって欠陥があると判断する二次判断段階(S430)を含むことができる。
【0074】
ここで、APに送信する段階(S410)は、センサデータをデータベースに保存してから、保存されたセンサデータを、ゲートウェーを介してAPに送信する。
【0075】
このようにAPを介してプラットフォームに送信されたセンサデータは、人工知能サーバによってワイヤロープの欠陥を判断するようになり、人工知能サーバの欠陥ディープラーニング欠陥診断方法は、図3に示すようである。
【0076】
図3は、本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断方法及びシステムの欠陥診断方法を示す例示図である。
【0077】
ここで、一次判断段階(S420)において、人工知能サーバは、原本データから、低域通過フィルター(Low-pass filter;LPF)などを介してノイズを除去し、及び帯域通過フィルター(Bandpass filter;BPF)などを介してトレンドを除去するなど、データを前処理する。
【0078】
ここで前処理されたデータにおいて、一定基準値以上の漏洩磁束が発生する場合は、一次的に欠陥があると判断する。
【0079】
また、二次判断段階(S430)において、人工知能サーバは、前処理されたデータに対して、歪度(Skewness)、尖度(Kurtosis)、振幅(Peak-to-peak)、Peak-to-factorなどの様々な統計画像を抽出し、順方向ネットワーク(Feed-Forward Network、FFネットワーク)を活用して、誤探知可能な信号も正確に診断して、誤探知を除去し、欠陥があると判断する。
【0080】
図1を参照すれば、(d)段階において、ゲートウェーを介して、センサ部から制御要請信号を受信したAPは、さらに動作感知が必要であるか否かを判断する(b)段階から(c)、(d)段階を繰り返す。
【0081】
この場合、APは、上述したように、今日センシングを行った場合は、待機モード突入信号を送信することができ、この場合は、センサ部が待機モード(SLEEP)に突入する(S500)。
【0082】
待機モードに突入したセンサ部は、予め決められた一定の時間が経過すれば、復帰して、さらにAPに制御要請信号を送信し(S100)、このように本発明では、待機モード及び待機モードから復帰した活性モードが交替して繰り返される。
【0083】
図4は、本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断方法及びシステムの動作感知技術を詳しく示した順序図である。
【0084】
図4を参照すれば、ワイヤロープ安全診断システムの省電力運用のためにセンサ部とAPとの間に行われる動作を示すことができる。
【0085】
先ず、センサ部が待機モードから復帰してAPに制御要請を行う段階(S100)では、センサ部が、スリーブから復帰して(S110)、ゲートウェーを介してAPに制御要請を行う(S120)。
【0086】
以後、APが、動作感知が必要であるか否かを判断して、センサ部に動作感知信号を送信する段階(S200)では、APがゲートウェーを介してセンサ部の制御要請信号を受信すれば(S210)、動作感知の要否を判断し(S220)、例えば、今日センシングを行ったか、運営日であるか、運営曜日であるか、業務時間であるかを判断し、今日センシングが行われず、非運営日ではなく、運営日であり、運営曜日であり、現在時間が業務時間である場合は、ゲートウェーを介してセンサ部に動作感知信号を送信する(S230)。
【0087】
但し、APは、判断結果、今日センシングが行われたか、非運営日であるか、運営曜日ではないか、現在時間が業務時間ではない場合のうちいずれか一つである場合は、ゲートウェーを介して、センサ部に次の運営時間まで、スリーブ、すなわち待機モードに突入するようにとの信号を送信する(S240)。
【0088】
このようなスリーブ信号には、待機モードを持続する時間が含まれ、該当時間が経過すれば、スリーブから復帰し(S110)、センサ部が最初から段階を開始することができる。
【0089】
以後、センサ部が動作感知して、感知された場合にのみ、安全診断センシングを開始する段階(S300)では、ゲートウェーを介して、APから動作感知信号を受信したセンサ部が、動作感知を開始する(S310)。
【0090】
この場合、上述したように、動作感知センサによって動作を感知し、このような動作感知センサは、安全診断センサの複数個のセンサノードの一つによって、電圧差を導出して動きを感知することもでき、安全診断センサと別途に連結されたジャイロセンサによって、位置変化量を導出して動きを感知することもできる。
【0091】
動作感知を開始(S310)してから、動作が感知されたときは(S320)、センサ部の安全診断センサによって安全診断センシングを開始する(S330)。動きがある場合にのみ、安全診断を行い、センサ部で消耗する電力を節約するためである。
【0092】
但し、動作感知を開始(S310)してから、動作が感知されない場合は(S320)、続けて動作感知(S310)を行う。
【0093】
ここで、センサ部は、動作が感知されなければ、続けて動作感知を行うが、通常、センサ部は、定められた時間毎に、APにハッシュメッセージを送って制御要請を行うことができるので、APがこれに対して別途に他の動作を要請すれば、動作感知が中断され得る。
【0094】
以後、安全診断センシングを終了し、APに制御要請をすれば、プラットフォームが、ワイヤロープ欠陥を判断する段階(S400)は、安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベースに保存し、安全診断センシングが終了すれば、センサデータと制御要請信号を、ゲートウェーを介してAPに送信する(S410)。
【0095】
ここで、APは、制御要請信号を受信し(S210)、さらに動作感知の要否を判断して(S220)、動作感知信号、待機モード突入信号、即時安全診断センシング信号のうちいずれか一つのコマンドを、ゲートウェーを介してセンサ部に送信することができる(S230、S240、アクティブ信号は、図示省略)。
【0096】
ここで、待機モード突入信号を受信したセンサ部は、次の運営時間まで待機モードを維持し、予め決められた時間が経過してSLEEPから復帰すれば(S110)、図4の最初の段階から繰り返され得る。
【0097】
図4において、図示されていないが、センサデータをAPに送信(S410)すれば、APを介してセンサデータを受信したプラットフォームは、上述したように、人工知能サーバによってワイヤロープの欠陥を判断するようになり、人工知能サーバの欠陥ディープラーニング欠陥診断方法は、図3に示したものと同様である。
【0098】
図5は、本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断システムの構成図である。
【0099】
図5を参照すれば、本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断システムは、ワイヤロープ10に取り付けられ、動作及び安全診断のための測定を行う複数個のセンサノードを含んだセンサ部100、システム全体を管理するプラットフォーム200、人工知能サーバ300などが含まれる。
【0100】
ここで、センサ部100は、待機モードから復帰してRFを活性化し、AP210に制御要請信号を送信し、AP210から動作感知信号を受信すれば、動作感知センサによって動作を感知して、動作が感知されたときは、安全診断センサによってワイヤロープ安全診断センシングを行い、安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベースに保存し、一定の時間が経過すれば、安全診断センシングを終了し、保存されたデータ及び制御要請信号をAP210に送信する。
【0101】
ここでAP210は、省電力ワイヤロープの安全を診断するソフトウェアであるプラットフォームのアクセスポイントを意味する。
【0102】
したがって、センサ部100は、ワイヤロープ10安全診断センシング、ワイヤロープ10の動き感知、電力消耗を防ぐスリーブ(待機モード)、ゲートウェー400へのデータ伝達などの役割を果たす。
【0103】
ここで、センサ部100の各センサノードは、電源がオンしたとき、ゲートウェー400に接続要請(contact req)を行い、接続応答(contact res)を受けることにより、ペアリングすることができる。
【0104】
ここで、待機モードは、スリーブで表現されてもよく、待機モードでは、電力が多く消費されるセンサ部の複数個のセンサノードは、センシングせず、センサ部のRFをオフしておき、時間のみをチェックするようにして、消費電力を最小限に抑えるモードを意味する。
【0105】
ここで、待機モードに突入するとき、待機モードの持続時間を予め決めておき、待機モードに突入してから、予め設定された時間が経過すれば、待機モードから復帰する。
【0106】
ここで、待機モードの持続時間は、ワイヤロープの使用時間に基づき、待ち時間を変えて決めることができ、APは、これを可変的に適用することができる。
【0107】
したがって、待機モードでは、時間のみをチェックする。
【0108】
ここで、待機モード以外の時間は、活性モードで示し得る。
【0109】
待機モードから活性モードに切り替えられると、オフしていたRFがオンし、センサノード及びRFが活性化される。
【0110】
このようなセンサ部100には、ワイヤロープの動きを感知して、待機モードから活性モードに切り替える動作感知センサ、及びワイヤロープの欠陥を測定する安全診断センサなどが含まれ、これにより、ワイヤロープをセンシングし、センシングの結果、生成されたセンサデータが含まれた信号をゲートウェーに伝達するために、複数個のセンサノード、RFなどが含まれてもよい。
【0111】
ここで、プラットフォーム200は、省電力ワイヤロープの安全を診断するソフトウェアとして、プラットフォームソフトウェアともいう。
【0112】
ここで、プラットフォーム200は、センサ部100から制御要請信号を受信すれば、動作感知が必要であるか否かを判断し、必要であると認められるときは、センサ部100に動作感知信号を送信するAP210を含み、人工知能サーバ300にワイヤロープの欠陥判断を要請する。
【0113】
ここで、AP210がゲートウェー400を介してセンサ部100から制御要請信号を受信した場合、動作感知が必要であるか否かを判断し、必要であると認められるときは、センサ部100に動作感知信号を送信する。
【0114】
ここで、AP210が、動作感知が必要であるか否かを判断することは、オペレーターが予め決めておいた条件に応じて、動作感知信号、待機モード突入信号、即時安全診断センシング信号のうちいずれか一つのコマンドを、ゲートウェー400を介してセンサ部100に送信することを意味する。
【0115】
ここで、センサ部100は、受信されたコマンドを分類して、コマンドが動作感知信号である場合は、動作感知を開始し、待機モード突入信号である場合は、直ちに待機モードに突入し、即時安全診断センシング信号である場合は、動作感知無しに、すぐワイヤロープの安全診断を開始することができる。
【0116】
ここで、AP210が、動作感知が必要であるか否かを判断する条件は、一つ以上の条件を全て満たす場合に設定してもよいが、これについての説明は、上述した通りである。
【0117】
ここで、プラットフォーム200は、センサ部100において、ゲートウェー400を介して、センサデータを収集、保存、または処理し、ワイヤロープの欠陥を管理し、ワイヤロープの欠陥管理現況をダッシュボードなどに示し、または欠陥状態を使用者に伝達するなどの役割を果たす。
【0118】
ここで、センサ部100が、ゲートウェー400を介してAP210から動作感知信号を受信した場合は、動作感知センサによって動作を感知し始め、動作が感知されたときは、安全診断センサによってワイヤロープ10安全診断センシングを開始する。
【0119】
ここで、動作感知センサは、センサ部100に含まれたセンサであって、前記安全診断センサに含まれた複数個のセンサノードのうち一つによって、対象物の磁気力を測定し、一定時間前に測定された電圧と現在測定された電圧とを比べて、その電圧差が閾値電圧を上回るときは、動作が感知されたと判断する。
【0120】
ここで、磁気力を測定して、磁束が変化すれば、それにより、電圧が変化するので電圧差を導出することができる。
【0121】
また、ここで、閾値電圧は、オペレーターが予め決めておいてもよい。
【0122】
これについての例示を通じた説明は、上述した通りである。
【0123】
また、このような動作感知センサは、センサ部100に含まれたセンサとして、前記安全診断センサに含まれた複数個のセンサノードのうち一つではなく、安全診断センサとは別途に連結され、上下方向の動きを感知するジャイロセンサによって、対象物の一定時間前に測定された座標値と現在測定された座標値とを比べて、z軸変化量が閾値変化量を上回るときは、動作が感知されたと判断することができる。
【0124】
ここで、対象物であるワイヤロープ10の上下方向の移動範囲が、オペレーターが予め決めておいた閾値変化量を上回るときは、動作が感知されたと判断する。
【0125】
このようにワイヤロープの安全診断を直ちに行わず、安全診断センサのセンサノードのうち一つまたは別途のジャイロセンサによって動きを感知し、動きがあると感知された場合にのみ、安全診断を行うようにして、不要な安全診断を減少させ、電力を効率的に活用することができる。
【0126】
センサ部100が、安全診断センシングを行って生成されたセンサデータをデータベース500に保存し、一定の時間が経過すれば、安全診断センシングを終了し、保存されたデータ及び制御要請信号を、ゲートウェー400を介してAP210に送信する。
【0127】
ここで、センサ部100が安全診断センシングを終了し、AP210に制御要請をすれば、プラットフォーム200は、人工知能サーバ300にセンサデータ信号処理及び欠陥判断を要請し、人工知能サーバ300は、ディープラーニングによってワイヤロープ10の欠陥を判断することができる。
【0128】
図5を参照すれば、人工知能サーバ300は、プラットフォーム200の要請により、ディープラーニングを介してセンサデータ信号処理を行い、ワイヤロープの欠陥を判断する。
【0129】
ここで、人工知能サーバ300は、センサデータのノイズ及びトレンドを除去して前処理し、一定値以上の漏洩磁束が発生するとき、欠陥があると判断する一次判断を行い、前処理されたデータから様々な統計画像を抽出し、順方向神経網などのディープラーニング学習によって欠陥があると判断する二次判断を行う。
【0130】
これについての説明は、上述した通りである。
【0131】
したがって、人工知能サーバ300は、センサデータの信号処理、センサデータの欠陥判断などの役割を果たす。
【0132】
また、本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断システムは、上述した省電力ワイヤロープの安全診断方法と同様に駆動されるので、重複する説明は、省略した。
【0133】
図5を参照すれば、本発明の実施形態に係る省電力ワイヤロープの安全診断システムには、センサ部100とプラットフォーム200のAP210との間の信号を伝達するゲートウェー400、センサデータなどを保存するデータベース500などが含まれてもよい。
【0134】
ここで、ゲートウェー400は、センサ部100からセンサデータを収集してプラットフォーム200に伝達し、プラットフォーム200の命令をセンサ部100に伝達するなどのセンサ部100とプラットフォーム200との間の信号を伝達する役割を果たす。
【0135】
ここで、データベース500は、センサ部100におけるワイヤロープ10の安全診断センシングによって生成されたセンサデータなどを保存する。
【0136】
以上、本発明の実施形態は、上述した装置及び/または運用方法によってのみ具現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するためのプログラム、そのプログラムが記録された記録媒体などにより具現されてもよく、このような具現は、上述した実施形態の記載に基づき、本発明が属する技術の分野における専門家であれば、容易に具現することができるものである。以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、下記の請求範囲において定められる本発明の基本概念を利用した当業者の多くの変形及び改良形態も、本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0137】
10 ワイヤロープ
100 センサ部
200 プラットフォーム
210 AP
300 人工知能サーバ
400 ゲートウェー
500 データベース

図1
図2
図3
図4
図5