(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035952
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】ポータブルバンカーレーキ
(51)【国際特許分類】
A63B 57/50 20150101AFI20220225BHJP
E01C 23/06 20060101ALI20220225BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20220225BHJP
【FI】
A63B57/50
E01C23/06
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024791
(22)【出願日】2021-02-19
(31)【優先権主張番号】P 2020138336
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306015951
【氏名又は名称】松村 勲
(72)【発明者】
【氏名】松村 勲
【テーマコード(参考)】
2D053
【Fターム(参考)】
2D053AA20
2D053AB09
(57)【要約】
【課題】保管や持ち運び時はかさばることなくゴルフクラブと共にゴルフバッグの中に入れて運べる形態にし、使用するときは正常な形態に戻せるようにする。
【解決手段】二つのレーキ翼の回転を柄部材に対して略直角状態と略倣う状態の片方または双方において一時的に停止させる回転止めと、前記略直角状態と略倣う状態の片方もしくは双方においてレーキ翼の回転位置の固定か開放かを選択的に行うロック部材で構成する。もしくはレーキ翼を有するソケット部からなるヘッド部と、ヘッド部に差し込む差し込み部とこれに続く柄からなる本体部とで構成する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右二つのレーキ翼を有する柄部材の端部に設けられたヘッド部において、柄部材に略倣った状態から略直角状態まで回転自在に設け、前記ヘッド部には前記二つのレーキ翼の回転を一端もしくは両端において一時的に停止させる回転止めと、レーキ翼の回転位置の固定か開放かを選択的に行うロック部材とを設けたポータブルバンカーレーキ。
【請求項2】
前記柄部材に略倣った状態と略直角状態の片方もしくは双方において、レーキ翼の回転位置の固定か開放かを選択的に行うロック部材は略直角状態と略並列する状態の双方において同一の部材であることを特徴とする請求項1に記載のポータブルバンカーレーキ。
【請求項3】
前記二つのレーキ翼の回転は連動していることを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載のポータブルバンカーレーキ。
【請求項4】
前記二つのレーキ翼の回転は同一軸であることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のポータブルバンカーレーキ。
【請求項5】
一つのレーキ翼とソケット部からなるヘッド部と、ヘッド部に差し込む差し込み部とこれに続く柄からなる本体部とを有し、柄に倣った一部にレーキ翼を収納する空間部を設けたことを特徴とするポータブルバンカーレーキ。
【請求項6】
レーキ翼はヘッド部において前後に傾斜することを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載のポータブルバンカーレーキ。
【請求項7】
柄部材は前記ヘッド部と一体もしくは分離可能であると共に、伸縮もしくは分割可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載のポータブルバンカーレーキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ場でバンカーを均す際に使用する道具で、保管や持ち運びの際には横に広がったレーキ翼を柄部材に倣う形で柄部材と略一体化させることでコンパクト化し、ゴルフクラブと共にゴルフバッグに収納することが出来て、使用する際にはバンカーまでそのまま携行し、レーキ翼を横に広げた形にして使用することが出来るポータブルバンカーレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ場でバンカーを均す際にレーキを使用するが、通常使用する際には置かれている場所まで取りに行かねばならず、また置かれている場所は定まっているわけではないので遠くまで取りに行かなければならない場合がある。更にプレーしている際にプレーの妨げになることや球がぶつかるなどのトラブルも生じる。これらの問題を解決する方法として変形させたり折りたたむものが提案されている。(例えば、特許文献1、実用新案文献2、実用新案文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】[特許文献1] 特開2019-042216
【特許文献2】[特許文献2] 昭62-61266
【特許文献3】[特許文献3] 昭61-182768
【非特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、変形や折り畳みによっても長さや幅がゴルフクラブと共にゴルフバッグの中に入れて保管したり持ち運ぶには十分とは言えず、使用する際に携行するにもかさばるという不便がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のポータブルバンカーレーキは、保管や持ち運びの際はレーキ翼を柄部材の先に飛び出すことなく柄部材に倣う形で柄部材と略一体化させることでコンパクト化し、使用する際には前記レーキ翼を柄部材の先端部において柄部材と直角な状態に容易に変換できるもので、一つには、二つのレーキ翼がそれぞれ柄部材のヘッド部において、前記柄部材に略倣う状態から略直角状態まで回転可能に設けられ、前記ヘッド部には前記二つのレーキ翼の回転を前記柄部材に対して略直角状態と略倣う状態の片方もしくは双方において回転の動きを一時的に停止させる回転止めと、前記略直角状態と略倣う状態の片方もしくは双方においてレーキ翼の回転位置の固定か開放かを選択的に行うロック部材を設ける。その他には、レーキ翼とソケット部からなるヘッド部と、ヘッド部に差し込む差し込み部とこれに続く柄からなる本体部とを設け、更に柄に倣った一部にレーキ翼を収納する空間部を設ける。
【発明の効果】
【0007】
本発明のポータブルバンカーレーキは、ゴルフの際に、ゴルフクラブと一緒にゴルフバッグの中に入れて容易に持ち運ぶことが出来るうえ予備のゴルフクラブを持ち歩く感覚で携行しながらプレーが出来るため、バンカーレーキが必要な際、不特定の場所に置かれている備え付けのバンカーレーキを、置かれている場所まで取りに行くことなくその場ですぐに使用できるという効果がある。
更に、コンパクトで手軽に持ち運べるため、ショットの際やパッティングの際に落ち葉などを造作もなく素早く取り除くことも出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図13】第二の実施例に於ける左右レーキ翼の外観図
【
図14】第二の実施例に於ける左右レーキ翼を、柄部材を有するヘッド部に嵌めこんだ外観図
【
図17】ヘッド部に上カバーを取り付けた状態の外観図
【
図19】第二の実施例で左右のレーキ翼が開いた状態の外観図
【
図20】第二の実施例で左右のレーキ翼が閉じた状態の外観図
【
図21】左右のレーキ翼を同時に回転させるその他の実施例でレーキ翼が閉じた状態の模式図
【
図22】左右のレーキ翼を同時に回転させるその他の実施例でレーキ翼が開いた状態の模式図
【
図27】レーキ翼回転部が回転した位置を示す模式図
【
図28】ヘッド部と本体部が着脱式のレーキの組合せ図
【
図32】ヘッド部と本体部が着脱式のレーキにおける本体部の外観図
【
図33】ヘッド部が本体部に装着されレーキ翼が基準位置にあるレーキの外観図
【
図34】ヘッド部が本体部に装着されレーキ翼が回転位置にあるレーキの外観図
【
図35】ヘッド部を本体部に収納する状況を示す外観図
【
図36】ヘッド部が本体部に収納された状態を示す外観図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るポータブルバンカーレーキは、一つには左右二つのレーキ翼を柄部材の先端に設けられたヘッド部おいて、柄部材に倣った状態から略直角状態まで回転自在に設け、前記ヘッド部には前記二つのレーキ翼の回転を一端もしくは両端において回転の動きを一時的に停止させる回転止めと、レーキ翼の回転位置の固定か開放かを選択的に行うロック部材を設ける。
二つには、レーキ翼を有するソケット部からなるヘッド部と、ヘッド部に差し込む差し込み部とこれに続く柄からなる本体部とを設けると共に、柄に倣った一部にレーキ翼を収納する空間部を設けるもので、以下に詳細を記載する。
【実施例0010】
図1と
図2はそれぞれ本発明に係るポータブルバンカーレーキのヘッド部1の上部並びに下部の外観図で、左側回転軸孔2と右側回転軸孔3が所定の間隔をもって形成されると共に、周辺には左側回転止め4並びに右側回転止め5が前記左右回転軸孔の外側に形成され、更に前記二つの回転止めと連結する形で摺動壁9が形成され、前記二つの回転軸孔を挟んで前記摺動壁9の逆側には内側回転止め6が前記二つの回転軸孔の中間線上に設けられている。
【0011】
更に、前記ヘッド部1には該ヘッド部1に接続させる部材をつなぐためのネジ穴7が設けられていると共に、前記摺動壁9に沿うようにロック部材挿入枠8が孔部として形成されている。
【0012】
図3は前記ヘッド部1に取り付けられる左右レーキ翼のうちの左側レーキ翼11の斜視図で、左側均し部13の下方には複数の突起15が設けられると共に前記左側均し部13の端部には左側レーキ当たり部直角用21Aと左側レーキ当たり部並列用21Bの二つの面を有するブロックから立ち上がるように円柱形の左側摺動部16Aと左側ネジ18Aが左側レーキ翼の回転軸19Aとして設置されており、前記 左側摺動部16Aと前記左側均し部13の間には段差部として左側歯車圧着部17Aが形成されている。
【0013】
ここで、前記左側レーキ翼11は、前記左側レーキ回転軸19Aが
図1Aに示す前記ヘッド部1の左側回転軸孔2に下方から差し込まれ回転するようになっており、回転領域は左側均し部13が左側回転止め4にぶつかる位置から内側回転止め6にぶつかる範囲に制限されている。
【0014】
図4は前記ヘッド部1に柄部材25を取り付けた部材において前記左側レーキ翼11が前記柄部材25に対して略直角状態の柄付きレーキの斜視図で、前記左側レーキ翼11は前記左側レーキ回転軸19Aが前記ヘッド部1の左側回転軸孔2に下方から差し込まれ左側均し部13が左側回転止め4にぶつかる位置で止められている。
【0015】
また、
図3に示す左側レーキ翼11と同じ構成で同様の動作をする右側レーキ翼12も前記ヘッド部1の右側回転軸孔3に回転可能に装着され前記左側レーキ翼と同様に右側均し部14が右側回転止め5にぶつかる位置で止められている。
【0016】
図5は左右のレーキ翼が共に柄部材25に対して略並列状態の柄付きレーキの斜視図で、前記ヘッド部1に柄部材25を取り付けた部材において、前記左側レーキ翼11と右側レーキ翼12が共に内側回転止め6にぶつかる位置で止められている。
【0017】
なお、左右のレーキ翼を前記ヘッド部1に装着停止後、左側歯車23と右側歯車24をそれぞれのレーキ翼の回転軸に差し込み左側キャップ23Aと右側キャップ24Aで固定するが、前記ヘッド部1を挟んで左側歯車23を左側歯車圧着部17Aに固定するように圧着する際、前記左側歯車23と挟み込んだヘッド部の間には微小な隙間を残しているため、前記左側歯車23は前記左側レーキ翼11と同時に回転する。
【0018】
一方右側レーキ翼12も左側レーキ翼11と同様に取り付けられており、左側歯車23と右側歯車24がそれぞれ噛み合った状態になっているため、片方のレーキ翼を回転させると他方のレーキ翼も同調して回転する。
【0019】
図6と
図7は二つレーキ翼がそれぞれ柄(不図示)に並列状態の回転模式図と柄(不図示)に直角状態の回転模式図を示すもので、左側レーキ翼11と右側レーキ翼12が互いに噛み合った左側歯車23と右側歯車24を介してそれぞれの回転軸の周りを回転した結果生ずる状態を示している。
【0020】
図8は左右のレーキ翼を固定するために使用するロック部材31の外観図で、該ロック部材31は上下つまみ32、下方に向いた面を持つ上側当て付け部33、スライド部34、上方に向いた面を持つ下側当て付け部35、前記スライド部34から前方に張り出した側面である固定部36で構成され、前記ロック部材挿入枠8内に上下スライド可能にはめ込まれている。
【0021】
図9と
図10は左側レーキ翼11と右側レーキ翼12が共に柄部材25と略直角で固定された状態の上部斜視図と下部斜視図で、ロック部材31は前記摺動壁9に沿って下方に押し込まれ、上部あて付け部33が前記ヘッド部1の上面にぶつかった位置で停止している。
【0022】
このとき、左側レーキ翼11の左側レーキあたり部直角用21Aが前記ロック部材31の固定部36に隙間を密にしで対峙しており、左側レーキ翼11の動きが止められる。一方、右側のレーキ翼12も左側と同様に右側レーキ当たり部直角用22Aが前記ロック部材31の固定部36に隙間を密にして対峙しているため、右側レーキ翼12の動きも止められる。
【0023】
図11と
図12はそれぞれ左側レーキ翼11並びに右側レーキ翼12が柄部材25と直角になった位置においてロックを解除しレーキ翼を開放状態にした上部斜視図と下部斜視図で、前記ロック部材31が上下つまみ32をもって引き上げられ、下側当て付け部35が前記ヘッド部1の下面にぶつかる位置で止められている。
【0024】
これにより、左側レーキ当たり部直角用21Aは左側レーキ当たり部直角用21Aとレーキ当たり部並列用21Bの上部に設けた左側切り欠き部20Aによって前記ロック部材31の固定部36の接触から解放され、左側レーキ翼11は自由に回転可能になる。なお、それに合わせて左側レーキ翼11と相似させた右側レーキ翼12も同じ理由で回転可能になる。
【0025】
ここで、左右のレーキ翼を回転させ前記柄部材25と並列状態にした後、前記ロック部材31を押し込むと、左側を代表して記述するが、左側レーキ当たり部並列用21Bと前記ロック部材31の固定部36が略隙間を無く対峙するようになり左側レーキ翼11は回転が出来なくなる。なお、右側レーキ翼12も同様なので左側レーキ翼11と右側レーキ翼12は同時に固定されることになる。
【0026】
図13は第二の実施例に於ける左右レーキ翼の外観図で、左側レーキ翼111並びに右側レーキ翼112の上端部にはそれぞれ円柱状の左側摺動部113並びに右側摺動部114が設けられ、更に円柱状の摺動部の上にはそれぞれ左側ネジ部115並びに右側ネジ部116が設けられており、更に前記左側摺動部113並びに右側摺動部114の上面にはそれぞれネジ部を避けて左側摺り割り117並びに右側摺り割り118が設けられている。
【0027】
図14は第二の実施例に於ける左右レーキ翼を、左右の側面にそれぞれ左側ネジ穴121並びに右側ネジ穴122を有すると共に後部面に柄部材119を有するヘッド部120に嵌めこんだ外観図で、前記左側レーキ翼111並びに右側レーキ翼112が、それぞれ前記左側摺動部113並びに右側摺動部114を中心に回転自在にヘッド部120に取り付けられている。
【0028】
図15は第二の実施例における左右レーキ翼をヘッド部120にはめ込み歯車を取り付けた状態の外観図で、前記左側摺動部113並びに右側摺動部114の上面にそれぞれ左側歯車123並びに右側歯車124が取り付けられそれぞれ左側ネジ部115並びに右側ネジ部116を使用して左側ナット125並びに右側ナット126で締め付けられている。
【0029】
なお、この際前記左側歯車123並びに右側歯車124は
図16に示すように左右それぞれの歯がかみ合った状態にあり、該左側歯車123並びに右側歯車124にそれぞれ設けられた左側突起127並びに右側突起128が左側摺り割り117並びに右側摺り割り118にはめ込まれた状態になっている。
【0030】
これにより、左側レーキ翼111と右側レーキ翼112はそれぞれ左側摺動部113及び右側摺動部114を中心に連動して回転する。
【0031】
図17は
図15のヘッド部120にカバー129を取り付けた状態の外観図で、該カバー129は左右二箇所においてカバー固定ネジ130により前記ヘッド部120に取り付けられている。
【0032】
ここで、前記カバー129は
図18に示す通り、外部からの砂などの侵入を防護できるように、内側がヘッド部120の外部形状に合わせた略箱型の形状をしており、左右側面にはカバー固定ネジ130を通すためのカバー部孔部133、左右側面の下部には下側カバー切り欠き部140、前後外壁面にはそれぞれ前側引っ掛り131並びに後側引っ掛り132が設けられ、後面にはヘッド部後部136の上部形状に略合致した後側カバー切り欠き部139が設けられている。
【0033】
更にカバーの後側内面には突起134が設けられ、下側カバー切り欠き部140の後側端面にはレーキ翼の回転止めとして機能する後側レーキ翼ストッパ138が形成されている。
【0034】
更に、カバー129はヘッド部120に対してカバー固定ネジ130を中心に回転可能であり、左側レーキ翼111並びに右側レーキ翼112はヘッド部下部に設けた前側レーキ翼ストッパ135により回転が停止される。
【0035】
図19は本第二の実施例に係るポータブルバンカーレーキにおいて左右のレーキ翼が開いた状態即ちバンカーレーキ使用時の外観図で、前記左側レーキ翼111並びに右側レーキ翼112が
図17に示すように左右レーキ翼の回転止めとして作用するようヘッド部120の下側に設けた前側レーキ翼ストッパ135に接した状態で、前記カバー129が後側引っ掛り132に触れながら前記カバーネジ130を中心に回転され、ヘッド部120のライン状突起141がカバー129の突起134との間でクリック機能を発揮し逆回転が阻まれる状態になる。
【0036】
このときカバー129の後側カバー切り欠き部上面139並びに左右の後側カバー切り欠き部側面142はヘッド部後部136の上面並びに側面を隙間なく覆う状態になっている。更に左右にある下側カバー切り欠き部140は左側レーキ翼111並びに右側レーキ翼112の各上部を包含する状態にあり、左右にある後側レーキ翼ストッパ138により前記左側レーキ翼111並びに右側レーキ翼112は後方への回転が抑止される。
【0037】
図20は本第二の実施例に係るポータブルバンカーレーキの左右のレーキ翼が閉じた状態の外観図で、前記左右のレーキ翼を開いて固定した状態からカバー129の前側引っ掛り131や後側引っ掛り132部を利用し前記カバー固定ネジ130を中心に回転させながら持ち上げ、左側レーキ翼111並びに右側レーキ翼112を連動させながら柄部材119に倣う位置に向けて回転させヘッド部後部136の下部に設けた内側回転止め137で受け止めて停止させる。
【0038】
その後再び前記カバー129の前側引っ掛り131や後側引っ掛り132部をつまんで前記カバー固定ネジ130を中心に回転させながら前記バンカーレーキ使用時と同じカバーの位置にセットする。このとき左右のレーキ翼の側面をカバー129の後側カバー切り欠き部側面142で挟む状態になっているため、左右のレーキ翼が開くことが無い。
【0039】
図21と
図22は左右のレーキ翼を同時に回転させる手法の別の実施例で、それぞれ左右のレーキ翼が閉じた状態の模式図と左右のレーキ翼が開いた状態の模式図である。
【0040】
ここで、左側レーキ翼11と右側レーキ翼12にはそれぞれ押し引き用左側回転軸43と押し引き用右側回転軸44を回転軸にした左側アーム41と右側アーム42の各先端が取り付けられ、左右両アームの他端は回転軸付き移動つまみ45で回転自在に結合されている。更に、この回転軸付き移動つまみ45は柄部材25の柄に沿って設けられた摺動枠46内で移動させることが出来るようになっている。
【0041】
これによって前記回転軸付き移動つまみ45を前記摺動枠46の中で移動させると前記左側レーキ翼11は左側レーキ回転軸19を中心に回転し、前記右側レーキ翼12は右側レーキ回転軸20を中心に回転する。
【0042】
なお、
図21は前記回転軸付き移動つまみ45が前記摺動枠46の一端まで引き寄せられた状態で、左右のレーキ翼が前記柄部材25に略倣った位置にある状態を示している。なお、この位置で、前記回転軸付き移動つまみ45は前記柄部材25に対し、例えば前記回転軸付き移動つまみ45の端部に設けたネジと前記柄部材25に設けたネジ穴を使って固定できるようになっている。
【0043】
一方、
図22は前記回転軸付き移動つまみ45が前記摺動枠46の他端まで押し上げけられた状態で、左右のレーキ翼は前記柄部材25と略垂直の位置にある。なお、この位置で、前記回転軸付き移動つまみ45は前記柄部材25に対し、前記
図21の位置の場合と同様の手法で固定できるようになっている。
【0044】
図23と
図24はレーキ翼回転の別の実施例で、それぞれ左右のレーキ翼が開いた状態と閉じた状態を示している。このとき左側レーキ翼11と右側レーキ翼12はそれぞれ左側レーキ翼受け51と右側レーキ翼受け52とで共通軸孔53を持つように重ねられ共通軸の周りで回転できるようになっている。
【0045】
図25はレーキ翼の取り付け角度がレーキの操作に従い変化するレーキの実施例で、実際には左右一対で構成されるものであるが、左側に限定してレーキ翼を構成する部品の配置図を示しており、砂を均す際にレーキの柄部材を握って押し引きするが、柄部材は地面と傾きを持つためレーキ翼が柄部材と直角の場合は柄部材を引く際にレーキ翼が砂に食い込む形になる為これを和らげるように先端部が外側に倒れるようにレーキ翼の角度が変えられるようになったものである。
【0046】
具体的には、大きくは左側レーキ翼201と左側レーキ翼回転部205とで構成され、該左側レーキ翼回転部205の上部左右にはそれぞれ回転軸孔A208と回転軸孔B209を有するレーキ翼支持部A206とレーキ翼支持部B207とが設けられている。
【0047】
更に前記レーキ翼支持部A206並びにレーキ翼支持部B207の上端前半分にはそれぞれ回転軸孔A208並びに回転軸孔B209と同心状のカーブが形成され、上端後半分は左側レーキ翼回転部205に連なるレーキ翼支持部A206並びにレーキ翼支持部B207の平面に垂直な平面に仕上げられている。
【0048】
一方、前記左側レーキ翼201は左右の軸受けA212並びに軸受けB213を残して下部がえぐられた左側レーキ翼内形204が形成され、左右の軸受A212並びに軸受B213にはそれぞれ軸孔A214並びに軸孔B215が設けられそれぞれの軸孔に対して回転軸A216並びに回転軸B217が差し込まれるようになっている。
【0049】
ここで、前記左側レーキ翼内形204の形状は前記レーキ翼支持部A206並びにレーキ翼支持部B207の上部の形状に倣ったカーブと平面、並びにカーブに連結した斜面で形成されている。
【0050】
図26は前記左側レーキ翼201に左側レーキ翼回転部205をはめ込み、軸孔A214と回転軸孔A208、かつ軸孔B213と回転軸孔B209を合致させ、それぞれの孔に回転軸A216並びに回転軸B217を差し込み、これら軸の周りに左側レーキ翼回転部205が回転可能に取り付けられた中、左側レーキ翼201の側面と左側レーキ翼回転部205の側面が略同一方向を向いた状態を示している。
【0051】
このことは
図25において、レーキ翼支持部外形A210並びにレーキ翼支持部外形B211は共に左側レーキ翼内形204に倣った状態になっており、レーキ翼支持部外形A210並びにレーキ翼支持部外形B211の上部は共に左側レーキ翼内形204の内面水平部に倣った状態になっており、
図26における手前側、即ち前記左側レーキ翼内形204に形成された斜面と反対側への回転は抑止され、左側レーキ翼201に対して左側レーキ翼回転部205が垂直方向の状態を作り出している。
【0052】
図27は左側レーキ翼201に対して左側レーキ翼回転部205が回転軸A216並びに回転軸B217の周りに回転しレーキ翼支持部A206並びにレーキ翼支持部B207の側壁面が前記左側レーキ翼内形204の斜面に接して停止した状態を示しており、左側レーキ翼201に対して左側レーキ翼回転部205の先端が前方に傾斜する状態を作り出している。
【0053】
なお具体的には示していないが前記
図13と同様に右側のレーキ翼は左側とペアで形成するものであり、現実は左側摺動部202並びに右側ネジ部203を含め
図14に示すものと同様の構造を形成するものである。
【0054】
図28は第三の実施例で、ヘッド部301と本体部302を着脱式にしたレーキを示している。
【0055】
図29は前記ヘッド部301を形成する部品の構成図であり、ソケット部303の左側側面には左側レーキ翼移動制御溝305Aが彫り込まれ、更に深く左側ネジ孔306Aが形成されている。また、右側側面は隠れているが右側レーキ翼移動制御溝が左側と対峙するように設けられ、右側ネジ孔306Bが同様に形成されている。
なお、左側レーキ翼移動制御溝305Aの側面形状は前側が下に向かって前方に向かう傾斜面、後側が下方に向かう垂直面になっている。
【0056】
一方、先端が櫛状になった均し部306の上部にはそれぞれ左側軸孔308A並びに右側軸孔308Bがそれぞれ形成された左側レーキ翼支持部307A並びに右側レーキ翼支持部307Bが平行に立ち上がっている。
【0057】
ここで、均し部306はソケット部303にはめ込まれ左側固定ネジ304A及び右側固定ネジ304Bで取り付けられるが、左側固定ネジ304Aは軸の部分を左側軸孔308Aに通して左側ネジ穴306Aに固定され、右側固定ネジ304Bは右側軸孔308Bを通して右側ネジ穴306Bに固定される。なお、各部品が取りつけられたのちは、均し部306がソケット部303に対して所定の範囲であるが自由に回転できる状態になる。
【0058】
図30は均し部306が基準位置にあるヘッド部の模式図で、均し部306がソケット部303に左側レーキ翼支持部307A並びに右側レーキ翼支持部307Bを介して取り付けられ、ソケット部303の水平面に対して直角位置にある状態を示している。
【0059】
即ち、左右同じ状況であるので、ここでは、左側に注視して記述すると、均し部306に略平行である左側レーキ翼支持部307Aの側面が前記左側レーキ翼移動制御溝305Aの垂直面に倣った状態である。
【0060】
なお、ソケット部303の左右側面にはそれぞれ左側クリック窓308A並びに右側クリック窓308Bが設けられ後方には差し込み部挿入口309が設けられている。
【0061】
図31は均し部306が回転位置にあるヘッド部の模式図で、均し部306がソケット部303に左側レーキ翼支持部307A並びに右側レーキ翼支持部307Bを介して回転自在に取り付けられた中で、ソケット部303に対して傾斜した状態を示している。
【0062】
即ち、左右同じ形態であるので、左側に注視して記述すると、左側レーキ翼支持部307Aにおける前記
図30で述べた側面と逆の側面が前記左側レーキ翼移動制御溝305Aの傾斜面に倣った状態である。
【0063】
図32はヘッド部301と本体部302が着脱式のレーキにおける本体部302の外観図で、差し込み部310と柄部材317が、左側側壁313Aと右側側壁313Bが開口部316を隔てて箱状に形成された中間部を介して接続されたものになっている。なお、柄部材317が図面では、短く描かれているが、現実には所定の長さを持っていることは言うまでもない。
【0064】
ここで、差し込み部310は箱型で、先端部から伸びる左右の側面は上下の平面部から分離された状態で後方に伸び、左側面には外側に出っ張った左側ストッパ311Aが形成され、更に端部には外側に出っ張った左側レバー312Aが形成されている。なお図面には現れていないが右側面にも同様に右側ストッパ311B並びに右側レバー312Bが左側と向い合せに形成されている。
【0065】
次に、箱状に形成された中間部の左側側壁313A並びに右側側壁313Bの略中央の上部にはそれぞれ左側クリック用窓314A並びに右側クリック用窓314Bが、略中央の下部にはそれぞれ左側突起315A並びに右側突起315Bが形成されている。
【0066】
図33はヘッド部301が本体部302に装着されレーキ翼が基準位置にあるレーキの外観図で、本体部302の先端にある差し込み部310の左側レバー312A並びに右側レバー312Bを外側から押さえて差し込み部310をヘッド部301のソケット部303に設けられた差し込み部挿入口309に挿入した状態を示している。なお、均し部306はソケット部303に対して直角状態にある。
【0067】
通常、レーキを使用する際、柄部材317を持って押し引きするが、柄部材を持ち上げた状態で使用するため
図33では均し部306は上部が前方に倒れ傾斜する。このため、押す場合は砂の抵抗が少なく砂にめり込むこともなくスムーズに操作することが出来る。一方、引く場合は均し部306が
図33に示す状態の場合、均し部306が砂に食い込む状態になり操作性が悪い。
【0068】
図34はヘッド部が本体部に装着されレーキ翼が回転位置にあるレーキの外観図で、均し部306の上部がソケット部303に対して後方に傾斜した状態を示している。このため、柄部材を引く場合に砂の抵抗が少なく砂にめり込むこともなくスムーズに操作することが出来る。
【0069】
以上から、上記
図33及び
図34の状態が切り替わることは、柄部材の押し引きの際、理にかなった状態が選択されることを示している。
【0070】
図35はヘッド部301を本体部302と一体化する状況を示す外観図で、レーキをゴルフバッグに収納する際やレーキをバンカーで使用する前後に持ち運ぶ際、本体部302の箱状に形成された中間部における開口部316に向け、ヘッド部301のソケット部303をつまんで均し部306を挿入する。
【0071】
図36はヘッド部301を本体部302に収納した状態を示す外観図で、均し部306が開口部316に収納され、均し部306の両面に設けた突起318が左側クリック窓314A並びに右側クリック窓314Bに嵌まった状態になっており、故意に引き抜かない限り抜け落ちる事は無い。これにより均し部306の先端の櫛状の突起の部分は左側側壁313A並びに右側側壁313Bで形成される空間内におさまるのでゴルフクラブに絡まるのを防ぐことが出来る。また逆に外部からの衝撃を防ぐことも出来る。
【0072】
なお、
図33に示している左側突起315A並びに右側突起315Bはヘッド部301を引き抜く際の滑り止めの役割をしている。
【0073】
図37は伸縮可能な柄部材の内筒部を示す外観図で、所定の径と長さを有する接続筒部62と該接続筒部62よりも一回り小さい外径と所定の長さを持つ挿入筒部63とで形成されている。更に、前記接続筒部62の端部にはネジ部61が形成されており前記ヘッド部1のネジ穴7に取り付けられる。
【0074】
一方、前記挿入筒部63の端部にはその外部に止め部材64が設けられ、該止め部材64は、円筒の一部から円筒の接線方向に所定の長さと所定の張り出しを形成した後再び円筒に戻る形状になっている。
【0075】
図38は伸縮可能な柄部材の外筒部を示す外観図で、前記挿入筒部63をスライドさせて挿入する所定の長さの円筒部である外筒内壁68と所定の外径を有する外筒65で形成され、該外筒65の端部にはグリップ部67が形成されている。
【0076】
また、前記挿入筒部63をスライドさせて挿入させる前記外筒内壁68には前記止め部材64の形状をやや大きくした形状の止め部材挿入溝66が所定の長さをもって切り込まれている。
【0077】
上記内筒部と外筒部を組み合わせて使用する際、前記挿入筒部63の止め部材64を外筒内壁68の止め部材挿入溝66に合わせて挿入し全長を調整するが、調整後は外筒65を前記止め部材64の接線方向に回転すれば前記内筒部と前記外筒部とを締め付け固定することが出来る。なお、再度長さを調整する場合は、前記回転方向と逆に回せば自由に長さを調整できる状態になる。
【0078】
なお、前記接続筒部62と前記挿入筒部63の境界には段差が設けられているので、外筒65の端部を前記段差の位置に押し付けると柄部材をヘッド部1に取り付けたままで全体の長さが最短になりコンパクト化が図れる。
一方、ネジ部61から前記接続筒部62を取り外しておくこともコンパクト化に効果がある。
【0079】
以上述べた実施例に於いて、レーキ翼を固定や解除する手法としてヘッド部にロック部材を差し込む手法や閂を形成する部材を回転させて固定や解除をする方法を述べたが、これに限定されるものではなく、レーキ翼そのものを直接ヘッド部にネジなどで固定することや、レーキ翼とヘッド部の間でクリック機構を設けて固定すること等も可能である。
【0080】
また、レーキ翼の回転止めもヘッド部に設けたものに限定されるものではなく、レーキ翼の一部にクリック機構や磁石による吸着機構を設けるなどの手段でも良い。
【0081】
更に、本実施例においては左右のレーキ翼は歯車やアームで開閉を同調させているが、歯車やアームを取り除いて、左右のレーキ翼を個々に回転させるものであっても良い。
【0082】
更に、均し部とその下部に突起を有するレーキ翼は、均し部を上下二つに分割し、丁番で接続することによって折り畳み可能にし、折り畳んだ際は磁石やクリックで折り畳みを維持し、折り畳みを解除した場合は爪や閂などで固定する方法でコンパクト化したり、上下二つに分離した片方が他方に重なるようにスライドさせる方法でコンパクト化したりする形態も考えられる。
【0083】
更に、
図13や
図14を参考に述べるが、左右レーキ翼の回転軸が立ち上がる根本の平面部とヘッド部の平面部とが接する面や、回転をつかさどる円筒形の摺動部に細かな砂やごみなどの不純物が侵入して動きが阻害されることを厳密な意味で防ぐためには回転軸とヘッド部が接する面において摺動性を考慮しながら弾力性や潤滑性のあるワッシャやシール材を挟み込むことも考えられる。
【0084】
更に、
図15から
図19を参考にして述べるが、ヘッド部の上部から左右レーキ翼の摺動部への砂やごみ等の不純物の侵入や左右歯車への不純物の絡みつきを防止するため、
図19の状態で、カバー129の内面とヘッド部120の外周が、またヘッド部後部136の外周とカバー129の縁の部分が略隙間なく閉じられる寸法並びに形状構造になっている。
【0085】
更に、上記各レーキ翼の回転は円柱状の軸の周りに回転させているが、ヘッド部に相当する部分に丁番の片側を取り付け、レーキ翼に相当する部分に前記丁番の他方を取り付けて連結し、丁番の回転を利用してレーキ翼を回転させることも可能である。
【0086】
また、左右のレーキ翼の回転の同調は歯車の噛み合わせによるものでは無く、ゴムローラのような摩擦力の大きい回転体を接触させるものであっても良い。
【0087】
更に、上記実施例に於いて材質の記載はないが、金属、鋳物、樹脂、木材、竹等を使うことが可能で、構成部分により選択的にこれらの材料を使うことも可能なことは言うまでもない。
本発明のポータブルバンカーレーキは、ゴルフ場に持ち込む際に、かさばることなくゴルフクラブと共にゴルフバッグの中に入れて安全かつ容易に持ち運ぶことが出来るうえ、バンカーを均す際に不特定の場所に置かれている備え付けのレーキを、それが置かれている場所までわざわざ取りに行くことなく、その場ですぐに使用できるのでゴルフに最適である。