(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036015
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】埋め込み構造およびその作製方法ならびに基板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/32 20060101AFI20220225BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
H05K3/32 Z
H01L23/12 N
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127727
(22)【出願日】2021-08-03
(31)【優先権主張番号】202010847366.8
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 先 明
(72)【発明者】
【氏名】謝 炳 森
(72)【発明者】
【氏名】黄 本 霞
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
(72)【発明者】
【氏名】王 聞 師
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AA10
5E319AC02
5E319CC70
5E319CD15
5E319GG15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】埋め込み構造のプロセスやステップを簡素化し、端子面が上向きに配置されることにより、デバイスおよび線路を電気メッキによって一体に接続し、デバイスと線路との接続の安定性を確保し、良好な電気信号を確保する埋め込み構造の作製方法及び基板を提供する。
【解決手段】方法は、仮支持プレート上に第2回路層を作製し、第2回路層を覆って第1誘電体層を作製し、第1誘電体層をパターン画像化処理して、デバイスを実装するキャビティを形成し、デバイスの端子が設置された面をキャビティの開口側に向け、第2誘電体層を作製し、デバイスを第2誘電体層内に埋め込み、デバイス端子表面と第2誘電体層表面の差が設定値であり、第2誘電体層表面に第1回路層を作製し、第1回路層をデバイス端子に直接接続する。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮支持プレートを用意し、前記仮支持プレートの上下面の少なくとも一面に第2回路層を作製し、前記第2回路層を覆って第1誘電体層を作製するステップと、
前記第1誘電体層をパターン画像化処理して硬化させ、キャビティを形成し、前記キャビティ内にデバイスを実装して熱硬化させ、前記デバイスの端子が設置された面を前記キャビティの開口側に向けるステップと、
前記第2誘電体層を作製するステップであって、前記デバイスが前記第2誘電体層内に埋め込まれ、かつ前記第2誘電体層の表面が前記端子の表面より設定値だけ高いステップと、
前記第2誘電体層の表面に、前記端子に接続される第1回路層を作製し、かつ前記第2誘電体層を貫通して金属柱を作製するステップであって、前記第1回路層は前記金属柱を介して前記第2回路層に接続されるステップと、
前記仮支持プレートを分割して、第1段階埋め込み構造体を形成するステップと、
前記第1段階埋め込み構造体の両面にはんだマスクを形成し、前記はんだマスク上に開口部を開け、前記第2回路層と前記第1回路層の表面を露出させ、前記第2回路層と前記第1回路層の表面を金属化処理するステップと、を含むことを特徴とする埋め込み構造の作製方法。
【請求項2】
前記仮支持プレートの上下面の少なくとも一面に第2回路層を作製する具体的な方法は、
前記仮支持プレートの上下面の少なくとも一面にフォトレジストを積層するステップと、
前記フォトレジストを露光し、現像して前記第2回路層の開口部パターンを得るステップと、
前記開口部パターンに電気メッキを施し、フォトレジストを除去し、前記第2回路層を形成するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の埋め込み構造の作製方法。
【請求項3】
前記第2誘電体層の表面に前記端子に直接接続される第1回路層を作製し、かつ前記第2誘電体層を貫通して金属柱を作製する具体的な方法は、
無電解銅メッキまたはスパッタリングによって前記第2誘電体層の表面に金属シード層を形成するステップと、
フォトレジストを積層し、前記フォトレジストをパターン画像化処理し、前記第1回路層パターンおよび前記金属柱パターンを露出させるステップと、
前記第1回路層パターンおよび前記金属柱パターンに電気メッキを施して前記第1回路層および前記金属柱を形成するステップとを含み、
前記第1回路層はシード層を介して前記端子と直接電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の埋め込み構造の作製方法。
【請求項4】
前記設定値の取り得る値の範囲は、5~30μmであることを特徴とする請求項1に記載の埋め込み構造の作製方法。
【請求項5】
前記仮支持プレートは4層の対称構造であり、中間から両面まで順に有機層、第1金属層、第2金属層、保護層であることを特徴とする請求項1に記載の埋め込み構造の作製方法。
【請求項6】
前記キャビティ内にデバイスを実装して熱硬化させる具体的な方法は、
前記デバイス非端子面に超薄型フィルム接着剤を塗布し、加熱して前記デバイスを前記キャビティの下の仮支持プレートに直接接着させるステップ、
あるいは、前記キャビティの底部に接着材料を塗布することによって、前記デバイスを前記接着材料に粘着固定させるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の埋め込み構造の作製方法。
【請求項7】
前記第1誘電体層と前記第2誘電体層の誘電体材料は、感光性誘電体材料または非感光性誘電体材料であることを特徴とする請求項1に記載の埋め込み構造の作製方法。
【請求項8】
仮支持プレートを用意し、前記仮支持プレートの上下面の少なくとも一面に第2回路層を作製し、前記第2回路層を覆って第1誘電体層を作製するステップと、
前記第1誘電体層をパターン画像化処理して硬化させ、前記第2回路層の表面を露出させ、フォトレジストを積層した後に、パターン画像化処理を行って金属柱パターンを得て、電気メッキをして金属柱を形成するステップと、
フォトレジストを除去してキャビティを形成し、前記キャビティ内にデバイスを実装して熱硬化させ、前記デバイスの端子が設置された面を前記キャビティの開口側に向けるステップと、
第2誘電体層を作製するステップであって、前記デバイスが前記第2誘電体層内に埋め込まれ、かつ前記第2誘電体層の表面が前記端子の表面より設定値だけ高いステップと、
前記第2誘電体層の表面に、前記端子に直接接続される第1回路層を作製するステップであって、前記第1回路層は前記金属柱を介して前記第2回路層に接続されるステップと、
前記仮支持プレートを分割して、第1段階埋め込み構造体を形成するステップと、
前記第1段階埋め込み構造体の両面にはんだマスクを形成し、前記はんだマスク上に開口部を開け、前記第2回路層と前記第1回路層の表面を露出させ、前記第2回路層と前記第1回路層の表面を金属化処理するステップと、を含むことを特徴とする埋め込み構造の作製方法。
【請求項9】
対向して設置される第1表面および第2表面を含む誘電体層と、
前記誘電体層に埋め込まれたデバイスと端子であって、前記デバイスの前記端子が設置された面と前記第1表面との差が設定値であり、前記デバイスの非端子面は前記第2表面と面一である、デバイスと端子と、
前記誘電体層の第1表面に設置され、前記端子に直接電気的に接続される第1回路層と、
前記誘電体層の第2表面と面一になるように設置される第2回路層と、
前記第1回路層および前記第2回路層を接続するための金属柱と、を備えることを特徴とする埋め込み構造。
【請求項10】
前記設定値の取り得る値の範囲は5~30μmであることを特徴とする請求項9に記載の埋め込み構造。
【請求項11】
少なくとも1層の請求項9または10のいずれか1項に記載の埋め込み構造を含むことを特徴とする基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体分野に関し、具体的には、埋め込み構造およびその作製方法ならびに基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業が盛んに進んでいるにつれ、電子製品も次第に多機能、高性能になる傾向が見られる。電子製品はますます小型化、インテリジェント化になり、それに対応して電子製品内部を構成するコア部品基板および素子に対する要件がますます高くなり、薄型化や安定した性能は電子製品を製作する重要な要素となっている。
【0003】
どのようにプロセスを簡素化してデバイスパッケージモジュールの薄型化と安定した性能を実現するかは各デバイスメーカーが解決すべき問題となっている。従来技術によるデバイスの埋め込み処理は、2つの部分を含み、一部は矩形キャビティアレイポリマーフレームの作製であり、一部はポリマーフレームによってデバイスを埋め込む処理である。2つの部分で完成したデバイスの埋め込みは必然的にプロセスの流れが複雑で、作製コストが高く、パッケージが厚いなどの欠点があり、かつデバイスと線路の溶接はキャビティ底部で完成することが避けられず、溶接効果は直観的に検査できず、埋め込み品質は確保できない。
【0004】
従来技術において、デバイスと線路は異なる材料を溶接することによって形成され、このようなプロセスはデバイスと線路との間の電気信号接続の安定性に直接影響し、それによって製品の不良率を増加させ、かつデバイスと線路との間は、はんだによって溶接され、デバイスの下の隙間の大きさが不安定で、その間に誘電体材料を積層する時の充填効果が不安定で、充填不良の恐れがあり、製品の信頼性に影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術の様々な不足に鑑み、本発明の主な目的は、埋め込み構造およびその作製方法ならびに基板を提供することであり、当該埋め込み構造およびその作製方法ならびに基板は、デバイス埋め込みプロセスの流れが簡単であり、パッケージの厚さが薄くなり、デバイスと線路との電気信号の接続がより安定的である。この概要は、特許請求の範囲を限定するためのものではない。前記技術的解決手段は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本願の実施例は、埋め込み構造の作製方法を提供する。
仮支持プレートを用意し、前記仮支持プレートの上下面の少なくとも一面に第2回路層を作製し、前記第2回路層を覆って第1誘電体層を作製するステップと、
前記第1誘電体層をパターン画像化処理して硬化させ、キャビティを形成し、前記キャビティ内にデバイスを実装して熱硬化させ、前記デバイスの端子が設置された面を前記キャビティの開口側に向けるステップと、
前記第2誘電体層を作製するステップであって、前記デバイスが前記第2誘電体層内に埋め込まれ、かつ前記第2誘電体層の表面が前記端子の表面より設定値だけ高いステップと、
前記第2誘電体層の表面に、前記端子に直接接続される第1回路層を作製し、かつ前記第2誘電体層を貫通して金属柱を作製するステップであって、前記第1回路層は前記金属柱を介して前記第2回路層に接続されるステップと、
前記仮支持プレートを分割して、第1段階埋め込み構造体を形成するステップと、
前記第1段階埋め込み構造体の両面にはんだマスクを形成し、前記はんだマスク上に開口部を開け、前記第2回路層と前記第1回路層の表面を露出させ、前記第2回路層と前記第1回路層の表面を金属化処理するステップとを含む。
【0007】
本願のいくつかの実施例によれば、仮支持プレートを用意し、前記仮支持プレートの上下面の少なくとも一面に第2回路層を作製する具体的な方法は、仮支持プレートを用意し、前記仮支持プレートの上下面の少なくとも一面にフォトレジストを積層するステップと、前記フォトレジストを露光し、現像して前記第2回路層の開口部パターンを得るステップと、前記開口部パターンに電気メッキを施し、フォトレジストを除去し、前記第2回路層を形成するステップと、を含む。
【0008】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第2誘電体層の表面に、前記端子に直接接続される第1回路層を作製し、かつ前記第2誘電体層を貫通して金属柱を作製する具体的な方法は、無電解銅メッキまたはスパッタリングによって前記第2誘電体層の表面に金属シード層を形成するステップと、フォトレジストを積層し、前記フォトレジストをパターン画像化処理し、前記第1回路層パターンおよび前記金属柱パターンを露出させるステップと、前記第1回路層パターンおよび前記金属柱パターンに電気メッキを施して前記第1回路層および前記金属柱を形成するステップとを含み、前記第1回路層はシード層を介して前記端子と直接電気的に接続される。
【0009】
本願のいくつかの実施例によれば、前記設定値の取り得る値の範囲は、5~30μmである。
【0010】
本願のいくつかの実施例によれば、前記仮支持プレートは4層の対称構造であり、中間から両面まで順に有機層、第1金属層、第2金属層、保護層である。
【0011】
本願のいくつかの実施例によれば、前記キャビティ内にデバイスを実装して熱硬化させる具体的な方法は、前記デバイス非端子面に超薄型フィルム接着剤を施し、加熱して前記デバイスを前記キャビティの下の保護層に直接接着させるステップ、あるいは、前記キャビティの底部に接着材料を施すことによって、前記デバイスを前記仮支持プレートに粘着固定させるステップを含む。
【0012】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1誘電体層と前記第2誘電体層の誘電体材料は、感光性誘電体材料または非感光性誘電体材料である。
【0013】
第2態様では、本願の実施例は埋め込み構造の作製方法を提供する。
仮支持プレートを用意し、前記仮支持プレートの上下面の少なくとも一面に第2回路層を作製し、前記第2回路層を覆って第1誘電体層を作製するステップと、
前記第1誘電体層をパターン画像化処理して硬化させ、前記第2回路層の表面を露出させ、フォトレジストを積層した後に、パターン画像化処理を行って金属柱パターンを得て、電気メッキして金属柱を形成するステップと、
フォトレジストを除去してキャビティを形成し、前記キャビティ内にデバイスを実装して熱硬化させ、前記デバイスの端子が設置された面を前記キャビティの開口側に向けるステップと、
第2誘電体層を作製するステップであって、前記デバイスが前記第2誘電体層内に埋め込まれ、かつ前記第2誘電体層の表面が前記端子の表面より設定値だけ高いステップと、
前記第2誘電体層の表面に、前記端子に直接接続される第1回路層を作製するステップであって、前記第1回路層は前記金属柱を介して前記第2回路層に接続されるステップと、
前記仮支持プレートを分割して、第1段階埋め込み構造体を形成するステップと、
前記第1段階埋め込み構造体の両面にはんだマスクを形成し、前記はんだマスク上に開口部を開け、前記第2回路層と前記第1回路層の表面を露出させ、前記第2回路層と前記第1回路層の表面を金属化処理するステップとを含む。
【0014】
第3態様では、本願の実施例は埋め込み構造を提供する。
対向して設置される第1表面および第2表面を含む誘電体層と、
前記誘電体層に埋め込まれたデバイスと端子であって、前記デバイスの前記端子が設置された面と前記第1表面との差が設定値であり、前記デバイスの非端子面は前記第2表面と面一である、デバイスと端子と、
前記誘電体層の第1表面に設置され、前記端子に直接電気的に接続される第1回路層と、
前記誘電体層の第2表面と面一になるように第2表面に設置される第2回路層と、
前記第1回路層および前記第2回路層を接続するための金属柱とを備える。
【0015】
本願のいくつかの実施例によれば、前記設定値の取り得る値の範囲は5~30μmである。
【0016】
第4態様では、本願の実施例は、少なくとも1層の前記埋め込み構造を含む基板を提供する。
【0017】
本願の埋め込み構造およびその作製方法ならびに基板は少なくとも以下の有益な効果を有する。本願の作製プロセスを用いると、プロセスのステップを減少させ、作製の難易度を低下させ、製品品質を向上させ、かつ作製コストを削減できる。本願の構成によれば、デバイスと線路との接続時に正確にはんだを塗布する必要があるという従来の解決手段における問題を解決し、端子面を上向きに配置することによって、パターン画像化処理を経た後、デバイスおよび線路は電気メッキによって一体に接続され、デバイスと線路との接続の安定性を確保し、良好な電気信号を確保することができる。また、実施過程において、外観監視によって検査を容易にし、端子面を上向きに配置することによって、デバイス背面は全体に塗布された粘性材料またはDAF(超薄型フィルム接着剤)によって支持プレートの支持金属と接続し、端子面を下向きに配置した時の線路とデバイスとの間の充填不良という従来技術におけるリスクを良好に解決できる。端子面を上向きに配置することにより、デバイスと下方の支持プレートを貼り付けて接続し、デバイスと回路層は同一の基準面にあり、パッケージの全体厚さをさらに低下させる。
【0018】
本願のさらなる態様および利点は、一部が以下の説明によって与えられ、一部が以下の説明から明らかになるか、または本発明の実施から理解されるようになる。
【0019】
本願の上記および/またはさらなる態様および利点は、以下の図面を参照する実施形態に対する説明から明らかになりかつ容易に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1a】本願の一実施形態の作製方法のフローチャートである。
【
図1b】本願の別の実施形態の作製方法のフローチャートである。
【
図2】本願の一実施形態の全体構造の断面模式図である。
【
図3】本願の別の実施形態の全体構造の断面模式図である。
【
図4a】本願の一実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図4b】本願の一実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図4c】本願の一実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図4d】本願の一実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図4e】本願の一実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図4f】本願の一実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図4g】本願の一実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図4h】本願の一実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図4i】本願の一実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図4j】本願の一実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5a】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5b】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5c】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5d】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5e】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5f】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5g】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5h】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5i】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5j】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5k】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【
図5l】本願の別の実施形態の作製プロセスの中間状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下に図面および実施例を参照して本願を更に詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施例は、単に本願を説明するためのものであって、本願を限定するためのものではなく、技術上の本質的な意味を持たず、如何なる構造の修飾、比例関係の変更、または大きさの調整は、本願によってもたらされ得る有効性および達成され得る目的に影響を及ぼすことなく、本願によって開示された技術的内容に包含され得る範囲内であることを理解されたい。
【0022】
ここは、本願の具体的な実施例について詳細に説明するが、本願の好ましい実施例は図面に示されており、図面は、明細書のテキスト部分の説明をグラフで補足し、本願の各特徴および全体的な技術的解決手段を直観的、イメージ的に理解できるようにする役割を果たすが、本願の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0023】
本願の記載において、若干という用語の意味は1つまたは複数であり、複数の意味は2つ以上であり、「より大きい」、「より小さい」、「超える」などは、数値自身を含まないと解釈され、「以上」、「以下」、「以内」などは数値自身を含むと解釈される。「第1」、「第2」と記載される場合、単に技術的特徴を区別することを目的としたものであり、相対的重要性を示す又は暗示するもの、或いは示された技術的特徴の数を暗黙的に示すもの、或いは示された技術的特徴の前後関係を暗黙的に示すものとして理解すべきではない。
【0024】
本発明の実施例によって提供される埋め込み構造の理解を容易にするために、以下、図面を参照して、その具体的な構造を説明する。まず、
図2および
図3を参照すると、
図2には埋め込み構造の全体構造の断面模式図が示され、
図3には埋め込み構造の他の実施例の全体構造の断面模式図が示される。
図2および
図3から分かるように、埋め込み構造は主に誘電体層100を含み、誘電体層100は、第1誘電体層130と、第2誘電体層140とを含み、誘電体層100は、対向して設置される第1表面110および第2表面120をさらに含み、誘電体層を作製する誘電体材料は一般に有機または無機誘電体材料の1種または複数種の混合物であり、例えばポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイン酸イミド、トリアジン樹脂、セラミック充填剤、ガラス繊維などであり、機能性の要件に応じて区分すると、現在では、感光性と非感光性がある。ここでは、誘電体材料として感光性材料を選択することができることは理解されるであろう。
【0025】
図2に示すように、埋め込み構造は、誘電体層に埋め込まれたデバイス200と、端子210とをさらに含み、デバイス200の正面には、端子210が設けられ、端子210の表面と第1表面110との差は設定範囲にあり、ここでは5~30μmであり、任意選択で5μm、10μm、15μm、18μm、20μm、25μm、28μmまたは30μmなどの様々な値を取ることができ、端子210の表面は第1表面110と同じ方向の面であり、非端子面220は第2表面120と面一であり、このように設置すると、パッケージ化された構造の厚さをさらに低減することができる。なお、デバイス200は、ベアチップ、IC、BGAなどのアクティブデバイスであってもよく、チップは、CPUチップ、無線周波数駆動チップ、または他のプロセッサのチップなどの異なる機能のチップであってもよく、パッシブデバイスであってもよく、パッシブデバイスを使用する場合、コンデンサ、インダクタ、および抵抗器が可能である。誘電体層100はデバイス200を囲み且つ包むように配置され、誘電体層100の第1表面110には第1回路層300が設置され、第1回路層300はデバイス200の端子と直接電気的に接続される。このような接続方法は、正確なはんだ塗布が必要とされるという従来の解決手段における問題を解決し、デバイスおよび線路は電気メッキによって一体に接続されているため、デバイスと線路との接続の安定性を確保し、良好な電気信号を確保する。第1回路層300に対向して第2回路層310が設置され、第2回路層310は、誘電体層100の第2面120に設置され、かつ第2面120と面一になり、
図2に示すように、第1回路層300と第2回路層310とは、金属柱400を介して接続されている。
【0026】
図3に示す埋め込み構造の全体構造の概略図は当該出願の別の実施例であり、これは
図2の主な構造と同じであり、異なる点は主にプロセスフローの実施の前後であり、この点は後の作製プロセスにおいて詳細に説明され、ここでは説明を省略する。
【0027】
なお、
図2または
図3では、誘電体層100内に2つのデバイス200が埋め込まれる具体的な構造概略図が示されているが、本願の実施例では、誘電体層100内に埋め込まれたデバイス200の数は、2つに限定されず、1つまたは3つまたはそれ以上であってもよいが、誘電体層100に埋設されているデバイス200の数にかかわらず、このデバイス200と他の構造層との接続形態が同じであることを理解されたい。同様に、本願の実施例において、この埋め込み構造は、1つの層に限定されるものではなく、設計要件に応じて、2層又はそれ以上であってもよいが、何層設計しようとも、その設計の全体的な構造が変わらず、上から順に第1回路層300、若干のデバイス200および金属柱400を取り囲む誘電体層100、第2回路層310であることは理解される。なお、本願の作製方法は、2つのデバイスを1層の埋め込み構造で包むことを例として説明する。
【0028】
本発明の実施例によって提供される埋め込み構造の理解を容易にするために、
図2に示すように、本発明の第1実施例は、埋め込み構造の作製方法を提供し、
図1aに示すように、この方法は具体的には以下のステップを含む。
【0029】
仮支持プレート500を用意し、仮支持プレート500の上下面の少なくとも一面に第2回路層310を作製し、第2回路層310を覆って第1誘電体層130を作製する。
【0030】
具体的には、
図4a、
図4bおよび
図4cに示すように、
図4aにおいて、支持プレートの保護層540の表面にフォトレジスト600を積層し、露光、現像して第2回路層310の開口部パターンを得る。
図4bに示すように、第2回路層310に電気メッキを施し、フォトレジストを除去し、誘電体材料を積層して第1誘電体層130を形成し、半硬化させる。
図4cに示すように、第1誘電体層130をパターン画像化処理し、第2回路層310の上面を露出させ、誘電体材料を完全に熱硬化させる。
【0031】
実際に実施する場合、充填効果を確保するために、誘電体材料の使用量は、一般に、実際に必要な充填量に基づいて計算され、ここで、誘電体積層後の表面は、第2回路層310の表面より5~20μmだけ高い必要があり、差分は5μm、10μm、15μm、18μmまたは20μmなどの値を選択することができる。誘電体材料は、ポリイミド、エポキシ、ビスマレイン酸イミド、トリアジン樹脂、セラミック充填剤、ガラス繊維などのような有機または無機誘電体材料のうちの1種又はそれ以上の混合物であってもよい。機能性の要件に応じて区分すると、現在では、感光性と非感光性誘電体材料がある。なお、本実施例では、感光性誘電体材料を選択して誘電体層100を作製しているが、これは、感光性材料を用いる場合には、パターン画像化処理を経て露出する必要のある線路や銅柱部分を露出させた後に、漏出線路や銅柱表面をレーザ、ドリル等の薄化プロセスで加工する必要がなく、パターン画像化処理を用いればよいからであり、生産効率を向上させ、積層して平滑化した後、全体の薄化処理を必要とせず、誘電体層100をより均一にさせ、実際に実施する時、下方デバイスに損害を与えず、歩留まりを向上させる。感光性誘電体材料を用いて圧着する際には、加熱ステージを短時間熱硬化または光硬化させればよい。誘電体材料が非感光性材料を採用する場合、線路上面は薄化プロセスを用いて、例えば研磨板やプラズマエッチングなどの加工方式で線路上面を露出させるまで誘電体材料を全体的に薄化するか、又はレーザ焼結によって線路上面の誘電体材料を焼結して、必要とされる線路上面を得るようにすることができる。
【0032】
図4aに示すように、支持プレートは対称構造であり、中間は有機層510であり、中間から両面まで順に有機層510、第1金属層520、第2金属層530、保護層540である。有機層510は、PPなどの有機材料であってもよく、第1金属層520は、銅などの金属材料であってもよく、第2金属層530は、銅などの金属材料であってもよく、第1金属層520および第2金属層530は物理的に圧着されて得るものであり、保護層540は、電気メッキによって形成されるものであり、その材料は、Cu、Ti、Ni、CuWTi、CuNiCuおよびCuTiCu等が挙げられるが、これらに限定されない。支持プレートの個々の層の厚さは調整可能であり、この実施例では、有機層510から計算される場合が示され、個々の層は、任意選択で、18μmの銅層、3μmの銅層、3~10μmの保護層であり、保護層金属は、ニッケルまたはチタンなどとすることができる。実際の作製において、支持プレートは対称構造であるため、作製時に支持プレートの対称面に前記埋め込み構造を一枚ずつ作製することができる。作製した後、プレート分割を行って2枚の基板を得ることができ、基板はすべて若干のセルを含む格子状のマトリックスアレイであり、セルごとに1つまたは複数のデバイスの組み合わせがある。
【0033】
第1誘電体層130をパターン画像化処理して硬化させて、キャビティ230を形成し、キャビティ230内にデバイス200を実装して熱硬化させ、デバイス200の端子210が設置された面はキャビティ230の開口側に向ける。
【0034】
具体的には、
図4cおよび
図4dに示すように、第1誘電体層130をパターン画像化処理して、デバイスを実装するためのキャビティ230を得る。キャビティのサイズはデバイスのサイズに応じて設計することができる。キャビティの底部に接着材料240を塗布し、接着材料240に多くの代替方式が存在し、デバイスと下方金属層を接着するためのものとして用いられ、これは、デイスペンサや印刷等によって塗布される。接着材料240は、有機または無機材料であってもよく、一般的には、スズペースト、銀ペースト、レッドグルーまたはグリーンオイルなどである。デバイス200を実装し、デバイス200は端子210、および対応する非端子面220を有し、実装する時、デバイス200の非端子面220を接着材料240に粘着固定させて接着材料240を熱硬化させ、実装は高精度の従来のSMTプロセスを採用し、実装してから還流し、加熱して溶接する。接着材料240を配置せず、デバイス非端子面220にDAF(超薄型フィルム接着剤)を塗布することにより、実装時に、加熱ステージでDAFを下方金属層に直接接着することができることが理解されるであろう。
【0035】
第2誘電体層140を作製し、デバイス200は第2誘電体層140内に埋め込まれ、かつ第2誘電体層140の表面はデバイス端子表面より設定値だけ高い。
【0036】
具体的には、
図4eに示すように、誘電体材料を積層し、誘電体材料をパターン画像化処理し、キャビティ開口部250および導通金属柱パターン410を露出させ、誘電体材料を熱硬化させる。
【0037】
ここで、充填効果を確保するために、誘電体材料の使用量は充填量に基づいて計算され、デバイスの上面より一定の厚さだけ高い。第2誘電体層は、端子210表面より5~30μm高く、差分は5μm、10μm、15μm、18μm、20μm、25μmまたは30μmなどの値を選択することができる。
【0038】
第2誘電体層140の表面に端子210に直接接続される第1回路層300を作製し、かつ第2誘電体層140を貫通して金属柱400を作製し、第1回路層300は、金属柱400を介して第2回路層310に接続される。
【0039】
具体的には、
図4f、
図4gを参照すると、
図4fに示すように、第2誘電体層140の表面、具体的には端子210表面、導通金属柱パターン410の内面、および第2誘電体層140の表面110にシード層を作製する。
図4gに示すように、シード層上に、フォトレジスト600を積層し、フォトレジスト600をパターン画像化処理し、メッキ対象の第1回路層300のパターンおよび導通金属柱400パターンを露出させ、第1回路層300のパターンおよび導通金属柱400のパターンに電気メッキを施して第1回路層300および金属柱400を得る。
【0040】
以上のステップから、第1回路層300とデバイス200の端子210表面とがシード層を介して電気メッキにより直接電気的に接続されていることが分かる。このような接続方法は正確なはんだ塗布が必要とされるという従来の解決手段における問題を解決し、デバイスおよび線路はメッキ接続によって一体に接続されているための、デバイスと線路との接続の安定性を確保し、良好な電気信号を確保する。
【0041】
シード層の作製は、具体的には、第2誘電体層140の表面に無電解銅メッキまたはスパッタリングを用いて金属シード層320を形成するものであり、一般的なシード層金属はチタン、銅、チタンタングステン合金であるが、上記金属に限定されず、シード層の厚さは一般的に0.8~5μmである。本実施例は、金属スパッタリングの方式を選択することができ、厚さ0.1μmのチタン、厚さ1μmの銅をスパッタリングする。
【0042】
仮支持プレートを分割し、第1段階埋め込み構造体を形成する。
第1段階埋め込み構造体の両面にはんだマスク700を形成し、はんだマスク700上に開口部を開けて第2回路層310と第1回路層300の表面を露出させ、第2回路層310と第1回路層300の表面を金属化処理する。
【0043】
具体的には、
図4h、
図4i、および
図4jを参照する。
図4hに示すように、フォトレジスト600を除去し、第2誘電体層140の表面から露出したシード層320を食刻し、線路を保護するためにフォトレジスト600を積層し、プレート全体を露光した後、プレートを分割し、
図4iに示すように、プレート分割の時、第1金属層520および第2金属層530からプレートを分割し、それぞれプレート分割面550、第2金属層530、および保護層540をそれぞれ食刻した後、フォトレジスト600を除去する。プレート分割して保護層540を食刻する場合、支持プレートの保護層が薄いため、本実施例では、保護層540の厚さは3~10μmであり、保護層金属はニッケルやチタン等とすることができ、第2金属層530に用いられる金属とは異なるため、異なるエッチング液を用いることができ、エッチング量が小さい。そのため、保護層を食刻した後の回路層への影響は比較的に無視することができる。プレート分割を完成した後、
図4jに示すように、ソルダーレジストで基板上下面を作製し、ソルダーレジストによる作製は、基板表面処理、ソルダーレジスト層印刷、熱による半硬化、露光、現像、熱硬化処理を含み、その後、基板の上下面に金属表面処理を施し、金属表面層330を形成し、
図2に示すような埋め込み構造の基板を得る。
【0044】
なお、本願の第1実施例で提供される埋め込み構造の作製方法の手順は、1層の埋め込み構造の具体的なプロセスを例示したものに過ぎず、必要に応じて上記ステップを繰り返して1層以上の埋め込み構造を得ることができる。
【0045】
本願の他の実施例の作製方法は、
図3に示すような埋め込み構造の基板を作製することができる。その作製方法は本願の第1実施例の作製プロセスとほぼ同じであり、
図1bに示すように、細部に若干の差異があり、具体的には以下のステップのとおりである。
【0046】
仮支持プレート500を用意し、仮支持プレート500の上下面の少なくとも一面に第2回路層310を作製し、第2回路層310を覆って第1誘電体層130を作製する。
【0047】
具体的には、
図5a、
図5bおよび
図5cに示すように、
図5aでは、支持プレート保護層540の表面にフォトレジスト600を積層し、露光、現像して第2回路層310の開口部パターンを得る。
図4iに示すように、第2回路層310に電気メッキを施し、フォトレジストを除去し、誘電体材料を積層して第1誘電体層130を形成し、半硬化させる。
図5cに示すように、第1誘電体層130をパターン画像処理し、第2回路層310の上面を露出させ、誘電体材料を完全に熱硬化させる。
【0048】
実際に実施する場合、充填効果を確保するために、誘電体材料の使用量は一般に実際に必要な充填量に基づいて計算され、ここで、誘電体材料積層後の表面は、第2回路層310の表面より5~20μmだけ高く、差分は5μm、10μm、15μm、18μmまたは20μmなどの値を選択することができる。
【0049】
第1誘電層130をパターン画像化処理し且つ硬化させ、第2回路層310の表面を露出させ、フォトレジスト600を積層した後にパターン画像化処理を行って金属柱パターン410を得て、電気メッキをして金属柱400を形成する。
【0050】
フォトレジスト600を除去してキャビティ230を形成し、キャビティ230内にデバイス200を実装して熱硬化させ、デバイス200の端子210が設置された面はキャビティ230の開口側に向ける。
【0051】
具体的には、
図5c、
図5d、
図5eおよび
図5fに示すとおりである。
図5cに示すように、第1誘電体層130をパターン画像化処理し、デバイスを実装するためのキャビティ230を得て、フォトレジスト600を積層した後にパターン画像化処理を行い、導通金属柱パターン410を得る。
図5d、
図5eに示すように、導通金属柱400に電気メッキを施し、フォトレジスト600を除去し、
図5fに示すように、デバイスキャビティ230の底部に接着材料240を塗布し、デバイス200を実装する。デバイス200は端子210と、対応する端子210が設けられていない非端子面220とを有し、実装時、デバイス200の非端子面220を接着材料240に接着固定し、接着材料240を熱硬化させる。接着材料240を配置せず、デバイス非端子面220にDAF(超薄型フィルム接着剤)を塗布することにより、実装時に、加熱ステージでDAFを下方金属層に直接接着することができることが理解されるであろう。
【0052】
第2誘電体層140を作製し、デバイス200は第2誘電体層140内に埋め込まれ、かつ第2誘電体層140の表面は端子210の表面より設定値だけ高い。
【0053】
具体的には、
図5gに示すように、誘電体材料を積層し、誘電体材料をパターン画像化処理し、キャビティ開口部250および金属柱400の上面を露出させ、誘電体材料を熱硬化させる。
【0054】
ここで、充填効果を確保するために、誘電体材料の使用量は充填量に基づいて計算され、デバイスの上面より一定の厚さだけ高く、第2誘電体層は、端子210表面より5~30μm高く、差分は5μm、10μm、15μm、18μm、20μm、25μmまたは30μmなどの値を選択することができる。
【0055】
第2誘電体層140の表面に、端子210に直接接続される第1回路層300を作製し、第1回路層300は、金属柱400を介して第2回路層310に接続される。
【0056】
具体的には、
図5h、
図5iを参照する。
図5hに示すように、第2誘電体層140の表面、具体的には端子210表面、金属柱400の上面、および第2誘電体層140の表面110にシード層を作製する。
図5iに示すように、シード層上に、フォトレジスト600を積層し、フォトレジスト600をパターン画像化処理し、メッキ対象の第1回路層300のパターンを露出させ、第1回路層300のパターンに電気メッキを施す。
【0057】
以上のステップから、第1回路層300とデバイス200の端子210表面とがシード層を介して電気メッキにより直接電気的に接続されていることが分かる。このような接続方法は正確なはんだ塗布が必要とされるという従来の解決手段における問題を解決し、デバイスおよび線路は電気メッキ接続によって一体に接続されているため、デバイスと線路との接続の安定性を確保し、良好な電気信号を確保する。
【0058】
シード層の作製については、本願の第1実施例におけるシード層の作製プロセスと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0059】
仮支持プレートを分割し、第1段階埋め込み構造体を形成する。
第1段階埋め込み構造体の両面にはんだマスク700を形成し、はんだマスク700上に開口部を開けて第2回路層310と第1回路層300の表面を露出させ、第2回路層310と第1回路層300の表面を金属化処理する。
【0060】
具体的には、
図5j、
図5k、および
図5lを参照する。
図5jに示すように、フォトレジスト600を除去し、第2誘電体層140の表面から露出したシード層320を食刻し、線路を保護するためにフォトレジスト600を積層し、プレート全体を露光した後、プレートを分割し、
図5kに示すように、プレート分割の時、第1金属層520および第2金属層530からプレートを分割し、それぞれプレート分割面550、第2金属層530、および保護層540をそれぞれ食刻した後、フォトレジスト600を除去する。プレート分割して保護層540を食刻する場合、支持プレートの保護層が薄く、本実施例では、保護層540の厚さは3~10μmであり、保護層金属はニッケルやチタン等とすることができ、第2金属層530に用いる金属とは異なるため、異なるエッチング液を用いることができ、エッチング量が小さい。そのため、保護層を食刻した後の回路層への影響は比較的に無視することができる。プレート分割を完成した後、
図5lに示すように、基板上下面をソルダーレジスト作製し、その後、金属表面処理を施し、金属表面層330を形成し、
図2に示すような埋め込み構造の基板を得る。
【0061】
なお、必要に応じて上記のいくつかの中間ステップを繰り返して若干層の多層埋め込み構造基板を作製することができる。上記のプロセスから分かるように、本願が提供する埋め込み構造は、1回の作製プロセスを実施する過程においてデバイス埋め込み構造の基板作製を完成することができ、2つの部分に分けてデバイス埋め込みを完成する必要があるという従来技術における問題を解決し、これによって本願が従来技術と比較してプロセスやステップを減少させ、作製難易度を低下させ、製品品質を向上させ、かつ作製コストを削減する。
【0062】
本願は、デバイス埋め込み特徴を利用するので、作製中に、外観監視によってデバイスと線路との間の接続品質の検査を容易にすることができる。
【0063】
端子面を上向きに配置することにより、デバイス背面を全体に塗布された粘性材料またはDAF(超薄型フィルム接着剤)によって支持プレートの支持金属と接続し、端子面を下向きに配置した時の線路とデバイスとの間の充填不良のリスクを良好に解決する。
【0064】
端子面を上向きに配置することにより、デバイス200と下方の支持プレートを貼り付けて接続し、デバイス200と第2回路層310は同一の基準面にあり、パッケージの全体厚さをさらに低下させる。
【0065】
以上、図面を参照しながら、本願の好ましい実施について具体的に説明したが、本願は、上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば、本願の趣旨を逸脱することなく、種々の均等な変形又は置換を行うことができ、これらの均等な変形または置換は、すべて本願の特許請求の範囲によって定義される範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
100 誘電体層
110 誘電体層第1表面
120 誘電体層第2表面
130 第1誘電体層
140 第2誘電体層
200 デバイス
210 端子
220 非端子面
230 キャビティ
240 接着材料
250 キャビティ開口部
300 第1回路層
310 第2回路層
320 シード層
330 金属表面層
400 金属柱
410 金属柱パターン
500 仮支持プレート
510 有機層
520 第1金属層
530 第2金属層
540 保護層
550 プレート分割面
600 フォトレジスト
700 はんだマスク