(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036048
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】アミン化合物、及びそれを含む発光素子
(51)【国際特許分類】
H01L 51/50 20060101AFI20220225BHJP
C07C 211/61 20060101ALI20220225BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20220225BHJP
C07D 209/88 20060101ALI20220225BHJP
C07D 405/12 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
H05B33/22 D
H05B33/14 B
C07C211/61 CSP
C09K11/06 690
C07D209/88
C07D405/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133690
(22)【出願日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0104804
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】特許業務法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンジ
(72)【発明者】
【氏名】ハン サンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク ハンキュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ウンジェ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ソヒ
【テーマコード(参考)】
3K107
4C063
4H006
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB08
3K107CC04
3K107CC12
3K107CC21
3K107DD53
3K107DD59
3K107DD68
3K107DD69
3K107DD71
3K107DD74
3K107DD78
3K107EE21
3K107FF06
3K107FF14
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC76
4C063DD08
4C063EE05
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB92
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アミン化合物、及びそれを含む発光素子を提供する。
【解決手段】第1電極110と第2電極150との間に配され、発光層を含む中間層130と、を含み、下記化学式1で表されたアミン化合物を含む発光素子である。化学式1においてで、Aは、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のシクロヘキシル基である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極に対向した第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、発光層を含む中間層と、を含み、
下記化学式1で表されたアミン化合物を含む、発光素子。
【化1】
・・・(化学式1)
(前記化学式1において、
Aは、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のシクロヘキシル基であり、
n1~n4は、互いに独立して、0~3の整数のうち一つであり、
n1+n2+n3+n4≧1であり、
L
1~L
3、Ar
1及びAr
2は、互いに独立して、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
3-C
60炭素環基、または少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
a1~a3は、互いに独立して、0~5の整数のうち一つであり、
R
1及びR
2は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
3-C
60炭素環基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、または-P(=O)(Q
1)(Q
2)であり、
b1は、0~3の整数のうち一つであり、
b2は、0~4の整数のうち一つであり、
前記R
10aは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)、-P(=O)(Q
11)(Q
12)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基またはC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)、-P(=O)(Q
21)(Q
22)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基またはC
6-C
60アリールチオ基;あるいは
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)または-P(=O)(Q
31)(Q
32);であり、
前記Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C
1-C
60アルキル基;C
2-C
60アルケニル基;C
2-C
60アルキニル基;C
1-C
60アルコキシ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C
1-C
60アルキル基、C
1-C
60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換のC
3-C
60炭素環基またはC
1-C
60ヘテロ環基;である。)
【請求項2】
前記第1電極は、アノードであり、
前記第2電極は、カソードであり、
前記中間層は、前記第1電極と前記発光層との間に設けられた正孔輸送領域、及び前記発光層と前記第2電極との間に設けられた電子輸送領域をさらに含み、
前記正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、電子阻止層、またはこれらの任意の組み合わせを含み、
前記電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、電子注入層、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記正孔輸送領域が、前記化学式1で表されたアミン化合物を含む、請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記正孔輸送領域が、前記正孔注入層及び前記正孔輸送層のうち少なくとも1層を含み、
前記正孔注入層及び前記正孔輸送層のうち少なくとも1層が、前記化学式1で表されたアミン化合物を含む、請求項2に記載の発光素子。
【請求項5】
前記発光層が、前記化学式1で表されたアミン化合物を含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項6】
前記発光層がホスト及びドーパントを含み、前記発光層において、ホストの含量が前記ドーパントの含量より多く、
前記ホストは、前記化学式1で表されたアミン化合物を含む、請求項5に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第1電極の外側に設けられた第1キャッピング層、及び前記第2電極の外側に設けられた第2キャッピング層のうち少なくとも1層をさらに含み、
前記少なくとも1層のキャッピング層は、589nmの波長で1.6以上の屈折率を有する、請求項1に記載の発光素子。
【請求項8】
前記第1電極の外側に設けられ、前記化学式1で表されたアミン化合物を含む第1キャッピング層、
前記第2電極の外側に設けられ、前記化学式1で表されたアミン化合物を含む第2キャッピング層、または
前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層を含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項9】
下記化学式1で表されたアミン化合物。
【化2】
・・・(化学式1)
(前記化学式1において、
Aは、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のシクロヘキシル基であり、
n1~n4は、互いに独立して、0~3の整数のうち一つであり、
n1+n2+n3+n4≧1であり、
L
1~L
3、Ar
1及びAr
2は、互いに独立して、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
3-C
60炭素環基、または少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
a1~a3は、互いに独立して、0~5の整数のうち一つであり、
R
1及びR
2は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
3-C
60炭素環基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、または-P(=O)(Q
1)(Q
2)であり、
b1は、0~3の整数のうち一つであり、
b2は、0~4の整数のうち一つであり、
前記R
10aは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)、-P(=O)(Q
11)(Q
12)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基またはC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)、-P(=O)(Q
21)(Q
22)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基またはC
6-C
60アリールチオ基;あるいは
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)または-P(=O)(Q
31)(Q
32);であり、
前記Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C
1-C
60アルキル基;C
2-C
60アルケニル基;C
2-C
60アルキニル基;C
1-C
60アルコキシ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C
1-C
60アルキル基、C
1-C
60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換のC
3-C
60炭素環基またはC
1-C
60ヘテロ環基;である。)
【請求項10】
前記化学式1において、n1+n2+n3+n4が、1、2または3である、請求項9に記載のアミン化合物。
【請求項11】
n4が0であり、
n1+n2+n3が、1、2または3である、請求項9に記載のアミン化合物。
【請求項12】
前記化学式1において、L1~L3は、互いに独立して、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-ベンゾフルオレン-フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ベンゾシロリル基、ジベンゾシロリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンズイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)、またはそれら任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、インダセン、アセナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、スピロ-ベンゾフルオレン-フルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ピロール、チオフェン、フラン、シロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、ベンゾシロール、ジベンゾシロール、キノリン、イソキノリン、ベンズイミダゾール、イミダゾピリジン及びイミダゾピリミジンから選択された環構造を有する基であり、
前記Q31~前記Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、シアノ基で置換されたフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、またはナフチル基である、請求項9に記載のアミン化合物。
【請求項13】
a1~a3は、互いに独立して、0または1である、請求項9に記載のアミン化合物。
【請求項14】
前記化学式1において、Ar1及びAr2は、互いに独立して、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、少なくとも1つのフェニル基で置換されたC1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、インドリル基、イソインドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾシロリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、シクロヘプタン基、シクロペンテン基、シクロヘキセン基、ベンゼン基、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、スピロ-シクロペンタン-フルオレン、スピロ-シクロヘキサン-フルオレン、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ペンタフェン、ヘキサセン、ペンタセン、ピロール基、チオフェン、フラン、シロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾシロール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、ジベンゾカルバゾール、アザフルオレン、アザスピロ-ビフルオレン、アザカルバゾール、ジアザカルバゾール、アザジベンゾフラン、アザジベンゾチオフェン、アザジベンゾシロール、イミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジンから誘導される基であり、
前記Q31ないし前記Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、シアノ基で置換されたフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、またはナフチル基である、請求項9に記載のアミン化合物。
【請求項15】
前記化学式1において、Ar1及びAr2のうち少なくとも一つは、少なくとも1つの前記R10aで置換されたもしくは無置換のπ電子過剰C3-C60環式基である、請求項9に記載のアミン化合物。
【請求項16】
前記化学式1において、*-Ar
1-(A)
n1が、下記化学式2-1A~2-1Dのうちいずれか一つによって表示され、*-Ar
2-(A)
n2が、下記化学式2-2A~2-2Dのうちいずれか一つで表される、請求項9に記載のアミン化合物。
【化3】
【化4】
(前記化学式2-1A~2-1D、及び化学式2-2A~2-2Dにおいて、
X
1は、O、S、C[R
11-(A)
n12][R
12-(A)
n13]またはSi[R
11-(A)
n12][R
12-(A)
n13]であり、
X
2は、O、S、C[R
21-(A)
n22][R
22-(A)
n23]またはSi[R
21-(A)
n22][R
22-(A)
n23]であり、
R
3~R
6は互いに独立して、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)、-P(=O)(Q
11)(Q
12)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基またはC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)、-P(=O)(Q
21)(Q
22)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基またはC
6-C
60アリールチオ基;あるいは
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)または-P(=O)(Q
31)(Q
32);であり、
前記Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C
1-C
60アルキル基;C
2-C
60アルケニル基;C
2-C
60アルキニル基;C
1-C
60アルコキシ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C
1-C
60アルキル基、C
1-C
60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換のC
3-C
60炭素環基またはC
1-C
60ヘテロ環基;であり、
b3及びb5は、互いに独立して、0~3の整数のうち一つであり、
b4及びb6は、互いに独立して、0~4の整数のうち一つであり、
b7は、0~7の整数のうち一つであり、
R
11、R
12、R
21及びR
22は、互いに独立して、少なくとも1つの前記R
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、少なくとも1つの前記R
10aで置換されたもしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、少なくとも1つの前記R
10aで置換されたもしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、少なくとも1つの前記R
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、少なくとも1つの前記R
10aで置換されたもしくは無置換のC
3-C
60炭素環基、少なくとも1つの前記R
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基、少なくとも1つの前記R
10aで置換されたもしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、または少なくとも1つの前記R
10aで置換されたもしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基であり、
n11~n13、及びn21~n23は、互いに独立して、0、1、2または3であり、
前記化学式2-1Aにおいて、X
1がOまたはSである場合、n11=n1であり、X
1がC[R
11-(A)
n12][R
12-(A)
n13]またはSi[R
11-(A)
n12][R
12-(A)
n13]である場合、n11+n12+n13=n1であり、
化学式2-2Aにおいて、X
2がOまたはSである場合、n21=n2であり、X
2がC[R
21-(A)
n22][R
22-(A)
n23]またはSi[R
21-(A)
n22][R
22-(A)
n23]である場合、n21+n22+n23=n2であり、
*は、隣接原子との結合位置である。)
【請求項17】
前記化学式1における*-Ar
1-(A)
n1及び*-Ar
2-(A)
n2は、互いに独立して、下記化学式6-1~6-52で表された基のうち1つである、請求項9に記載のアミン化合物。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
(前記化学式6-1~6-52において、
「Ph」は、フェニル基であり、
*は、隣接原子との結合位置である。)
【請求項18】
前記化学式1において、R1及びR2は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C1-C20アルキル基またはC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、ピレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、オキサゾロピリジニル基、チアゾロピリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾシロリル基、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、ピレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、オキサゾロピリジニル基、チアゾロピリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基またはアザジベンゾシロリル基;あるいは
-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)または-B(Q1)(Q2);であり、
前記Q1~Q3は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基またはナフチル基である、請求項9に記載のアミン化合物。
【請求項19】
下記化学式1-1~1-4のうち一つで表される、請求項9に記載のアミン化合物。
【化11】
【請求項20】
下記化合物1~168のうちから選択された、請求項9に記載のアミン化合物。
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミン化合物、及びそれを含む発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子は、電気エネルギーが光エネルギーに変換される特性の素子である。そのような発光素子の例示としては、発光層に有機材料を使用する有機電界発光素子、発光層に量子ドットを使用する量子ドット発光素子などがある。
【0003】
発光素子は、基板上部に第1電極が配されており、第1電極上部に、正孔輸送領域(hole transport region)、発光層、電子輸送領域(electron transport region)及び第2電極が順次に形成されている構造を有することができる。第1電極から注入された正孔は、正孔輸送領域を経由して発光層に移動し、第2電極から注入された電子は、電子輸送領域を経由して発光層に移動する。正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合し、励起子(exciton)を生成する。該励起子が、励起状態から基底状態に変わる際に光が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、低駆動電圧、高効率及び長寿命を達成する発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態よれば、下記化学式1で表されたアミン化合物が提供される。
【化1】
・・・(化学式1)
前記化学式1において、
Aは、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のシクロヘキシル基であり、
n1~n4は、互いに独立して、0~3の整数のうち一つであり、
n1+n2+n3+n4≧1であり、
L
1~L
3、Ar
1及びAr
2は、互いに独立して、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
3-C
60炭素環基、または少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
a1~a3は、互いに独立して、0~5の整数のうち一つであり、
R
1及びR
2は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
3-C
60炭素環基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基、少なくとも1つの
R10aで置換されたもしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたもしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、または-P(=O)(Q
1)(Q
2)であり、
b1は、0~3の整数のうち一つであり、
b2は、0~4の整数のうち一つであり、
前記R
10aは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)、-P(=O)(Q
11)(Q
12)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基またはC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)、-P(=O)(Q
21)(Q
22)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基またはC
6-C
60アリールチオ基;あるいは
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)または-P(=O)(Q
31)(Q
32);であり、
前記Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C
1-C
60アルキル基;C
2-C
60アルケニル基;C
2-C
60アルキニル基;C
1-C
60アルコキシ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C
1-C
60アルキル基、C
1-C
60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C
3-C
60炭素環基またはC
1-C
60ヘテロ環基;である。
【0007】
他の実施形態によれば、第1電極と、前記第1電極に対向した第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、発光層を含む中間層と、を含み、前記化学式1で表されたアミン化合物を含む発光素子が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によると、アミン化合物を含む発光素子は、低駆動電圧、高効率及び長寿命を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態による発光素子の断面図を概略的に図示し図面である。
【
図2】本発明の一実施形態による発光装置の断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態による発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態で実現される。
【0011】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。図面を参照して説明する際、同一、あるいは対応する類似の構成要素は、同一の参照符号を付し、それに係わる重複される説明は、省略する。
【0012】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0013】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を事前に排除するものではない。
【0014】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素のような部分が、他の部分の上または上部にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0015】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張されていたり、縮小されていたりする。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されているが、本発明は、必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
【0016】
本明細書において、「中間層」は、発光素子において、第1電極と第2電極との間に設けられた単一及び/または複数の全ての層を示す用語である。
【0017】
[用語の定義]
本明細書において、C3-C60炭素環基は、環形成原子が炭素だけからなるC3-C60環式基を意味し、C1-C60ヘテロ環基は、環形成原子が炭素以外に、ヘテロ原子をさらに含むC1-C60環式基を意味する。C3-C60炭素環基及びC1-C60ヘテロ環基それぞれは、1個の環からなる単環基、または2以上の環が互いに縮合されている多環基であってもよい。例えば、C1-C60ヘテロ環基の環形成原子数は、3~61個であってもよい。
【0018】
本明細書において、環式基は、上述のC3-C60炭素環基及びC1-C60ヘテロ環基のいずれをも含む。
【0019】
本明細書において、π電子過剰C3-C60環式基は、環形成部分構造(モイエティ)として、*-N=*’を含んでいないC3-C60環式基を意味し、π電子欠乏性含窒素C1-C60環式基は、環形成部分構造として、*-N=*’を含むC1-C60ヘテロ環基を意味する。
【0020】
例えば、
上述のC3-C60炭素環基は、i)以下に述べるグループT1、またはii)2以上のグループT1が互いに縮合された縮合環基(例えば、シクロペンタジエン、アダマンタン、ノルボルナン、ベンゼン、ペンタレン、ナフタレン、アズレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ペンタフェン、ヘプタレン、ナフタセン、ピセン、ヘキサセン、ペンタセン、ルビセン、コロネン、オバレン、インデン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、インデノフェナントレン及びインデノアントラセンなどから選択された環構造を有する基)であってもよく、
C1-C60ヘテロ環基は、i)以下に述べるグループT2、ii)2以上のグループT2が互いに縮合された縮合環基、またはiii)1以上のグループT2と、1以上のグループT1とが互いに縮合された縮合環基(例えば、ピロール、チオフェン、フラン、インドール、ベンゾインドール、ナフトインドール、イソインドール、ベンゾイソインドール、ナフトイソインドール、ベンゾシロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、カルバゾール、ジベンゾシロール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、インデノカルバゾール、インドロカルバゾール、ベンゾフロカルバゾール、ベンゾチエノカルバゾール、ベンゾシロロカルバゾール、ベンゾインドロカルバゾール、ベンゾカルバゾール、ベンゾナフトフラン、ベンゾナフトチオフェン、ベンゾナフトシロール、ベンゾフロジベンゾフラン、ベンゾフロジベンゾチオフェン、ベンゾチエノジベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリン、キノキサリン、ベンゾキノキサリン、キナゾリン、ベンゾキナゾリン、フェナントロリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾトリアジン、イミダゾピラジン、イミダゾピリダジン、アザカルバゾール、アザフルオレン、アザジベンゾシロール、アザジベンゾチオフェン、及びアザジベンゾフランなどから選択された環構造を有する基)であってもよく、
π電子過剰C3-C60環式基は、i)グループT1、ii)2以上のグループT1が互いに縮合された縮合環基、iii)以下に述べるグループT3、iv)2以上のグループT3が互いに縮合された縮合環基、またはv)1以上のグループT3と、1以上のグループT1とが互いに縮合された縮合環基(例えば、上述のC3-C60炭素環、ピロール、チオフェン、フラン、インドール、ベンゾインドール、ナフトインドール、イソインドール、ベンゾイソインドール、ナフトイソインドール、ベンゾシロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、カルバゾール、ジベンゾシロール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、インデノカルバゾール、インドロカルバゾール、ベンゾフロカルバゾール、ベンゾチエノカルバゾール、ベンゾシロロカルバゾール、ベンゾインドロカルバゾール、ベンゾカルバゾール、ベンゾナフトフラン、ベンゾナフトチオフェン、ベンゾナフトシロール、ベンゾフロジベンゾフラン、ベンゾフロジベンゾチオフェン、及びベンゾチエノジベンゾチオフェンなどから選択された環構造を有する基)であってもよく、
π電子欠乏性含窒素C1-C60環式基は、i)以下に述べるグループT4、ii)2以上のグループT4が互いに縮合された縮合環基、iii)1以上のグループT4と、1以上のグループT1とが互いに縮合された縮合環基、iv)1以上のグループT4と、1以上のグループT3とが互いに縮合された縮合環基、またはv)1以上のグループT4、1以上のグループT1、及び1以上のグループT3が互いに縮合された縮合環基(例えば、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリン、キノキサリン、ベンゾキノキサリン、キナゾリン、ベンゾキナゾリン、フェナントロリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾトリアジン、イミダゾピラジン、イミダゾピリダジン、アザカルバゾール、アザフルオレン、アザジベンゾシロール、アザジベンゾチオフェン、及びアザジベンゾフランなどから選択された環構造を有する基)であってもよく、
グループT1は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘブテン、アダマンタン、ノルボルナン(または、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン)、ノルボルネン基、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.2]オクタンまたはベンゼンから誘導される基であり、
グループT2は、フラン、チオフェン、1H-ピロール、シロール、ボロール、2H-ピロール、3H-ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、アザシロール、アザボロール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジンまたはテトラジンから誘導される基であり、
グループT3は、フラン、チオフェン、1H-ピロール、シロールまたはボロールから誘導される基であり、
グループT4は、2H-ピロール、3H-ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、アザシロール、アザボロール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジンまたはテトラジンから誘導される基であってもよい。
【0021】
本明細書において、環式基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、π電子過剰C3-C60環式基またはπ電子欠乏性含窒素C1-C60環式基という用語は、当該用語が使用された化学式の構造により、任意の環式基に縮合されている基、一価基または多価基(例えば、二価基、三価基、四価基)である。例えば、「ベンゼンから誘導される基」は、ベンゾ基、フェニル基、フェニレン基などでもあるが、それは、「ベンゼン」が含まれた化学式の構造により、当業者が容易に理解することができるであろう。
【0022】
例えば、一価C3-C60炭素環基及び一価C1-C60ヘテロ環基の例は、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基(non-aromatic condensed polycyclic group)、及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基(non-aromatic condensed heteropolycyclic group)を含んでもよく、二価C3-C60炭素環基及び一価C1-C60ヘテロ環基の例は、C3-C10シクロアルキレン基、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基、C3-C10シクロアルケニレン基、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、C6-C60アリーレン基、C1-C60ヘテロアリーレン基、二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基を含んでもよい。
【0023】
本明細書において、C1-C60アルキル基は、炭素数1~60の鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素一価基を意味し、その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基などが含まれる。本明細書において、C1-C60アルキレン基は、前述のC1-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0024】
本明細書において、C2-C60アルケニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素-炭素二重結合を含む一価炭化水素基を意味し、その具体例としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルケニレン基は、前述のC2-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0025】
本明細書において、C2-C60アルキニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素-炭素三重結合を含む一価炭化水素基を意味し、その具体例としては、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルキニレン基は、前述のC2-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0026】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は、前述のC1-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0027】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基は、C3-C10一価飽和炭化水素環式基を意味し、その具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基(または、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基)、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルキレン基は、前述のC3-C10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0028】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含むC1-C10一価環式基を意味し、その具体例としては、1,2,3,4-オキサトリアゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基は、前述のC1-C10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0029】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニル基は、C3-C10一価環式基であり、環内に、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有さない基を意味し、その具体例としては、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルケニレン基は、前述のC3-C10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0030】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含むC1-C10一価環式基であり、環内に、少なくとも1つの二重結合を有する。C1-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例としては、4,5-ジヒドロ-1,2,3,4-オキサトリアゾリル基、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、前述のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0031】
本明細書において、C6-C60アリール基は、C6-C60芳香族炭素環を有する一価基を意味し、C6-C60アリーレン基は、C6-C60芳香族炭素環を有する二価基を意味する。C6-C60アリール基の具体例としては、フェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基などが含まれる。C6-C60アリール基及びC6-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、該2以上の環は、互いに縮合されうる。
【0032】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリール基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含む、C1-C60芳香族ヘテロ環を有する一価基を意味し、C1-C60ヘテロアリーレン基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含む、C1-C60芳香族ヘテロ環を有する二価基を意味する。C1-C60ヘテロアリール基の具体例としては、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、ベンゾキノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントロリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基などが含まれる。C1-C60ヘテロアリール基及びC1-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、該2以上の環は、互いに縮合されうる。
【0033】
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有する一価基(例えば、環形成炭素数8~60を有する)を意味する。一価非芳香族縮合多環基の具体例には、インデニル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、インデノフェナントレニル基、インデノアントラセニル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、前述の一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0034】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子をさらに含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、環形成炭素数1~60を有する)を意味する。一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の具体例としては、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、インドリル基、ベンゾインドリル基、ナフトインドリル基、イソインドリル基、ベンゾイソインドリル基、ナフトイソインドリル基、ベンゾシロリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、アザカルバゾリル基、アザフルオレニル基、アザジベンゾシロリル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾフラニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、イミダゾトリアジニル基、イミダゾピラジニル基、イミダゾピリダジニル基、インデノカルバゾリル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフロカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ベンゾシロロカルバゾリル基、ベンゾインドロカルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ベンゾナフトフラニル基、ベンゾナフトチオフェニル基、ベンゾナフトシロリル基、ベンゾフロジベンゾフラニル基、ベンゾフロジベンゾチオフェニル基、ベンゾチエノジベンゾチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、前述の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0035】
本明細書において、C6-C60アリールオキシ基は、-OA102(ここで、A102は、前述のC6-C60アリール基である)を示し、C6-C60アリールチオ基は、-SA103(ここで、A103は、前述のC6-C60アリール基である)を示す。
【0036】
本明細書において、ヘテロ原子は、炭素原子を除いた任意の原子を意味する。ヘテロ原子の例としては、O、S、N、P、Si、B、Ge、Se、またはそれら任意の組み合わせを含む。
【0037】
本明細書において、「Ph」は、フェニル基を意味し、「Me」は、メチル基を意味し、「Et」は、エチル基を意味し、「ter-Bu」または「But」は、tert-ブチル基を意味し、「OMe」は、メトキシ基を意味する。
【0038】
本明細書において、「ビフェニリル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ビフェニリル基」は、置換基が「C6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」として解釈されてもよい。
【0039】
本明細書において、「ターフェニリル基」は、「ビフェニリル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ターフェニリル基」は、置換基が「C6-C60アリール基で置換されたC6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」として解釈されてもよい。
【0040】
本明細書において、*及び*’は、他の定義がない限り、当該化学式において、隣接原子との結合位置を意味する。
【0041】
本明細書において、「R10a」は、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)、-P(=O)(Q11)(Q12)、またはこれらの任意の組み合わせ(any combination thereof)で置換されたもしくは無置換の、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基またはC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)、-P(=O)(Q21)(Q22)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基またはC6-C60アリールチオ基;あるいは
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)または-P(=O)(Q31)(Q32);であり、
前述のQ11~Q13、Q21~Q23、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C1-C60アルキル基;C2-C60アルケニル基;C2-C60アルキニル基;C1-C60アルコキシ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C1-C60アルキル基、C1-C60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C3-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基である。
【0042】
本開示のアミン化合物は、下記化学式1で表される。
【化2】
・・・(化学式1)
【0043】
化学式1において、Aは、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のシクロヘキシル基である。
【0044】
化学式1において、n1~n4は、それぞれAの個数を示すものであり、互いに独立して、0~3の整数のうち一つであり、n1+n2+n3+n4≧1である。
【0045】
一例として、n1+n2+n3+n4が、1、2または3であってもよい。例えば、n4が0であり、n1+n2+n3が、1、2または3であってもよい。
【0046】
他の例としては、
n1が1であり、n2~n4がそれぞれ0であるか、
n2が1であり、n1、n3及びn4がそれぞれ0であるか、
n3が1であり、n1、n2及びn4がそれぞれ0であるか、
n1及びn2がそれぞれ1であり、n3及びn4が0であるか、
n1及びn3がそれぞれ1であり、n2及びn4が0であるか、
n2及びn3がそれぞれ1であり、n1及びn4が0であるか、あるいは
n1、n2及びn3がそれぞれ1であり、n4が0であってもよい。
【0047】
化学式1において、L1~L3、Ar1及びAr2は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であってもよい。
【0048】
一実施形態によれば、L1~L3は、互いに独立して、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-ベンゾフルオレン-フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ピロリル記、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ベンゾシロリル基、ジベンゾシロリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンズイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、インダセン、アセナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、スピロ-ベンゾフルオレン-フルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ピロール、チオフェン、フラン、シロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、ベンゾシロール、ジベンゾシロール、キノリン、イソキノリン、ベンズイミダゾール、イミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジンから選択された環構造を有する基であり、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、シアノ基で置換されたフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、またはナフチル基であってもよい。
【0049】
一実施形態によれば、L
1~L
3は、互いに独立して、下記化学式3-1~3-25で表された基のうち一つであってもよい。
【化3】
【化4】
【化5】
【0050】
化学式3-1~3-25において、
Y1は、O、S、C(Z3)(Z4)、N(Z5)またはSi(Z6)(Z7)であり、
Z1~Z7は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、トリアジニル基、ベンズイミダゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)または-B(Q31)(Q32)であり、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、シアノ基で置換されたフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、またはナフチル基であり、
d3は、0~3の整数のうち一つであり、
d4は、0~4の整数のうち一つであり、
d5は、0~5の整数のうち一つであり、
d6は、0~6の整数のうち一つであり、
d8は、0~8の整数のうち一つであり、
*、*’及び*”は、隣接原子との結合位置である。
【0051】
化学式1において、a1~a3は、互いに独立して、0~5の整数のうち一つである。a1が0である場合、(L1)a1は、単結合であり、a2が0である場合、(L2)a2は、単結合であり、a3が0である場合、(L3)a3は、単結合である。
【0052】
一実施形態によれば、a1~a3は、互いに独立して、0または1であってもよい。
【0053】
一実施形態によれば、Ar1及びAr2は、互いに独立して、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、少なくとも1つのフェニル基で置換されたC1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、インドリル基、イソインドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾシロリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、スピロ-シクロペンタン-フルオレン、スピロ-シクロヘキサン-フルオレン、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ペンタフェン、ヘキサセン、ペンタセン、ピロール、チオフェン、フラン、シロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾシロール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェニン、ジベンゾシロール、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、ジベンゾカルバゾール、アザフルオレン、アザスピロ-ビフルオレン、アザカルバゾール、ジアザカルバゾール、アザジベンゾフラン、アザジベンゾチオフェン、アザジベンゾシロール、イミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジンから誘導される基であり、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、シアノ基で置換されたフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、またはナフチル基である。
【0054】
一実施形態によれば、Ar
1及びAr
2は、互いに独立して、下記化学式5-1~5-21で表された基のうち一つであってもよい。
【化6】
【化7】
【化8】
【0055】
化学式5-1~5-21において、
Y31は、O、S、N(Z35)、C(Z33)(Z34)またはSi(Z36)(Z37)であり、
Z31~Z37は、互いに独立して、化学式1におけるAとの結合位置、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、少なくとも1つのフェニル基で置換されたC1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)または-B(Q31)(Q32)であり、
e2は、1または2であり、
e3は、1~3の整数のうち一つであり、
e4は、1~4の整数のうち一つであり、
e5は、1~5の整数のうち一つであり、
e6は、1~6の整数のうち一つであり、
e7は、1~7の整数のうち一つであり、
e9は、1~9の整数のうち一つであり、
前述のQ31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、シアノ基で置換されたフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、またはナフチル基であり、
*は、隣接原子との結合位置である。
【0056】
他の実施形態によれば、化学式1において、Ar1及びAr2のうち少なくとも一つは、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換の、π電子過剰C3-C60環式基(π electron-rich C3-C60 cyclic group)であってもよい。
【0057】
「π電子過剰C3-C60環式基」は、環形成部分構造(モイエティ)であり、*-N=*’を含まないC3-C60環式基を意味する。例えば、π電子過剰C3-C60環式基は、シクロペンタジエン、アダマンタン、ノルボルナン、ベンゼン、ペンタレン、ナフタレン、アズレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ペンタフェン、ヘプタレン、ナフタセン、ピセン、ヘキサセン、ペンタセン、ルビセン、コロネン、オバレン、インデン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、インデノフェナントレン、インデノアントラセン、ピロール、チオフェン、フラン、インドール、ベンゾインドール、ナフトインドール、イソインドール、ベンゾイソインドール、ナフトイソインドール、ベンゾシロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、カルバゾール、ジベンゾシロール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、インデノカルバゾール、インドロカルバゾール、ベンゾフロカルバゾール、ベンゾチエノカルバゾール、ベンゾシロロカルバゾール、ベンゾインドロカルバゾール、ベンゾカルバゾール、ベンゾナフトフラン、ベンゾナフトチオフェン、ベンゾナフトシロール、ベンゾフロジベンゾフラン、ベンゾフロジベンゾチオフェンまたはベンゾチエノジベンゾチオフェンから誘導された基である。
【0058】
例えば、Ar1及びAr2のうち少なくとも一つは、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換の、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、スピロ-シクロペンタン-フルオレン、カルバゾール、ジベンゾシロール、ジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランから誘導された基であってもよい。
【0059】
一実施形態によれば、化学式1において、*-Ar
1-(A)
n1が、下記化学式2-1A~2-1Dのうちいずれか一つによって表され、*-Ar
2-(A)
n2が、下記化学式2-2A~2-2Dのうちいずれか一つによって表されてもよい。
【化9】
【化10】
【0060】
化学式2-1A~2-1D、及び化学式2-2A~2-2Dにおいて、
X1は、O、S、C[R11-(A)n12][R12-(A)n13]またはSi[R11-(A)n12][R12-(A)n13]であり、
X2は、O、S、C[R21-(A)n22][R22-(A)n23]またはSi[R21-(A)n22][R22-(A)n23]であり、
R3~R6に係わる説明は、R10aと同様であり、
b3及びb5は、互いに独立して、0~3の整数のうち一つであり、
b4及びb6は、互いに独立して、0~4の整数のうち一つであり、
b7は、0~7の整数のうち一つであり、
R11、R12、R21及びR22は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC2-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC2-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC6-C60アリールチオ基であり、
n11~n13、及びn21~n23は、互いに独立して、0、1、2または3であり、
ただし、化学式2-1Aにおいて、X1がOまたはSである場合、n11=n1であり、X1がC[R11-(A)n12][R12-(A)n13]またはSi[R11-(A)n12][R12-(A)n13]である場合、n11+n12+n13=n1であり、
化学式2-2Aにおいて、X2がOまたはSである場合、n21=n2であり、X2がC[R21-(A)n22][R22-(A)n23]またはSi[R21-(A)n22][R22-(A)n23]である場合、n21+n22+n23=n2であり、
*は、隣接原子との結合位置である。
【0061】
他の実施得形態によれば、化学式1において、*-Ar
1-(A)
n1及び*-Ar
2-(A)
n2は、互いに独立して、下記化学式6-1~6-52で表された基のうち一つであってもよい。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【0062】
化学式6-1~6-52において、
「Ph」は、フェニル基であり、
*は、隣接原子との結合位置である。
【0063】
化学式1において、R1及びR2は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC2-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC2-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)、または-P(=O)(Q1)(Q2)であり、
前述のQ1~Q3は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C1-C60アルキル基;C2-C60アルケニル基;C2-C60アルキニル基;C1-C60アルコキシ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C1-C60アルキル基、C1-C60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C3-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基である。
【0064】
一実施形態によれば、R1及びR2は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、C1-C20アルキル基またはC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、ピレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、オキサゾロピリジニル基、チアゾロピリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾシロリル基、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたもしくは無置換の、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、ピレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、オキサゾロピリジニル基、チアゾロピリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基またはアザジベンゾシロリル基;あるいは
-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)または-B(Q1)(Q2);であり、
前述のQ1~Q3は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基またはナフチル基である。
【0065】
化学式1において、b1及びb2は、それぞれR1及びR2の個数を示すものである。b1は、0~3の整数のうち一つであり、b2は、0~4の整数のうち一つである。
【0066】
一実施形態によれば、化学式1で表されるアミン化合物は、下記化学式1-1~1-4のうち一つによって表されてもよい。
【化17】
【0067】
化学式1-1~1-4において、
A、n1~n4、L1~L3、a1~a3、Ar1、Ar2、R1、R2、b1及びb2に係わる説明は、前述のところを参照する。
【0068】
一実施形態によれば、化学式1-2で表されたアミン化合物は、下記化学式1-2Aまたは1-2Bによって表されてもよい。
【化18】
【0069】
化学式1-2Aにおいて、n1+n2≧1であり、
記化学式1-2Bにおいて、n1+n2≧0であり、
化学式1-2A及び1-2Bにおいて、L1~L3、a1~a3、Ar1、Ar2、R1、R2、b1及びb2に係わる説明は、前述のところを参照する。
【0070】
例えば、化学式1-2Bにおいて、n1+n2≧1であってもよい。
【0071】
一実施形態によれば、化学式1で表されるアミン化合物は、下記化合物1~168のうちから選択されてもよいが、これらに限定されるものではない。
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【0072】
化学式1で表されたアミン化合物は、分子内に置換もしくは無置換のシクロヘキシル基を少なくとも一つ含む。該アミン化合物は、シクロヘキシル基を含むことにより、コアと置換基との間において、π結合が切れ、屈折率が低くなるため、低屈折正孔輸送材料として使用される。
【0073】
併せて、化学式1で表されたアミン化合物は、9番炭素に、メチル基が置換されたフルオレニル基を含むことにより、9番炭素の置換基が、炭素数が2個以上である基を含む場合に比べ、最高占有分子軌道(HOMO:highest occupied molecular orbital)エネルギー準位及び最低非占有分子軌道(LUMO:lowest unoccupied molecular orbital)エネルギー準位の調節が容易でもある。それにより、本開示のアミン化合物を、発光素子の正孔輸送層に使用する場合、正孔輸送層と隣接した有機層、例えば、正孔注入層と発光層とのHOMO・LUMOエネルギー準位を、正孔注入及び輸送に有利になるように合わせることができるので、本開示のアミン化合物を含む発光素子は、長寿命及び/または高効率を実現することができる。
【0074】
本開示のアミン化合物は、正孔輸送に有利な構造を有するため、正孔移動度が向上され、またジュール熱に対する耐熱性、及び高温環境に対する安定性が改善されうる。本開示のアミン化合物を含む発光素子は、向上された耐熱性を有するので、保管状態及び素子駆動状態における耐久性が高く、素子の寿命が向上されうる。
【0075】
併せて、化学式1で表されたアミン化合物は、アミノ基の窒素原子に存在する非共有電子対により、優れた正孔輸送性及び正孔注入特性を有することができる。それにより、該アミン化合物を正孔輸送領域(hole transport region)に含む発光素子は、正孔輸送及び注入に適する最高占有分子軌道(HOMO)エネルギーレベルを有することができるため、駆動電圧が低くなり、効率が向上されうる。
【0076】
従って、本開示のアミン化合物を含む電子素子、例えば、発光素子は、低駆動電圧、高効率及び長寿命を実現することができる。
【0077】
化学式1で表されたアミン化合物の合成方法は、後述する合成例及び/または実施例を参照し、当業者が認識することができるであろう。
【0078】
化学式1で表されるアミン化合物のうち少なくとも一つは、発光素子(例えば、有機電界発光素子)に使用されうる。従って、第1電極と、第1電極に対向した第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられ、発光層を含む中間層と、を含み、本明細書に記載されたように、化学式1で表されたアミン化合物を含む発光素子が提供される。
【0079】
一実施形態によれば、
発光素子の第1電極は、アノードであり、
発光素子の第2電極は、カソードであり、
中間層は、第1電極と発光層との間に設けられた正孔輸送領域、及び発光層と第2電極との間に設けられた電子輸送領域(electron transport region)をさらに含み、
正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、電子阻止層、またはこれらの任意の組み合わせを含み、
電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、電子注入層、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0080】
一実施形態によれば、本開示のアミン化合物は、発光素子の1対の電極間に含まれてもよい。従って、アミン化合物は、発光素子の中間層、例えば、中間層の正孔輸送領域に含まれてもよい。
【0081】
例えば、発光素子の正孔輸送領域に、本開示のアミン化合物が含まれてもよい。
【0082】
一実施形態によれば、正孔輸送領域は、正孔注入層及び正孔輸送層のうち少なくとも1層を含み、正孔注入層及び正孔輸送層のうち少なくとも1層が本開示のアミン化合物を含んでもよい。
【0083】
他の実施形態によれば、発光素子の発光層が、化学式1で表されたアミン化合物を含んでもよい。
【0084】
例えば、発光層は、ホスト及びドーパントを含み、発光層において、ホストの含量がドーパントの含量よりも多く含まれ、該ホストは、化学式1で表されたアミン化合物を含んでもよい。
【0085】
さらに他の実施形態によれば、発光素子は、第1電極の外側に配された第1キャッピング層、及び第2電極の外側に配された第2キャッピング層のうち少なくとも1層をさらに含んでもよい。
【0086】
例えば、少なくとも1層のキャッピング層は、589nmの波長において、1.6以上の屈折率を有することができる。
【0087】
他の例として、第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層に、化学式1で表されたアミン化合物が含まれてもよい。第1キャッピング層及び/または第2キャッピング層に係わるさらに詳細な説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0088】
一実施形態によれば、発光素子は、
第1電極の外側に設けられ、化学式1で表されたアミン化合物を含む第1キャッピング層;
第2電極の外側に設けられ、化学式1で表されたアミン化合物を含む第2キャッピング層;または
上述の第1キャッピング層及び上述の第2キャッピング層;を含んでもよい。
【0089】
本明細書において、「(中間層及び/またはキャッピング層が)化学式1で表される化合物を含む」とは、「(中間層及び/またはキャッピング層が)化学式1の範疇に属する1種の化合物、または化学式1の範疇に属する互いに異なる2種以上の化合物を含んでもよい」とも解釈される。
【0090】
例えば、中間層及び/またはキャッピング層は、アミン化合物として、化合物1のみを含んでもよい。このとき、化合物1は、発光素子の正孔輸送層に存在してもよい。または、中間層は、アミン化合物として、化合物1と化合物2とを含んでもよい。このとき、化合物1と化合物2は、同一層に存在(例えば、化合物1と化合物2は、いずれも正孔輸送層に存在)するか、あるいは互いに異なる層に存在(例えば、化合物1は、正孔輸送層に存在し、化合物2は、発光層に存在)することができる。
【0091】
他の実施形態によれば、前述のような発光素子を含む電子装置が提供される。電子装置は、薄膜トランジスタをさらに含んでもよい。例えば、電子装置は、ソース電極及びドレイン電極を含む薄膜トランジスタをさらに含み、発光素子の第1電極は、ソース電極またはドレイン電極と電気的に接続されてもよい。一方、電子装置は、カラーフィルタ、色変換層、タッチスクリーン層、偏光層、またはこれらの任意の組み合わせをさらに含んでもよい。電子装置に係わるさらに詳細な説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0092】
[
図1に係わる説明]
図1は、本発明の一実施形態による発光素子10の断面図を概略的に図示したものである。発光素子10は、第1電極110、中間層130及び第2電極150を含む。以下、
図1を参照し、本発明の一実施形態による発光素子10の構造及び製造方法について説明する。
【0093】
[第1電極110]
図1の第1電極110の下部、または第2電極150の上部には、基板が追加して設けられてもよい。基板としては、ガラス基板またはプラスチック基板を使用することができる。または、基板は、可撓性基板であってもよく、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド、またはこれらの任意の組み合わせのような、耐熱性及び耐久性にすぐれるプラスチックを含んでもよい。
【0094】
第1電極110は、例えば、基板上部に、第1電極用物質を、蒸着法またはスパッタリング法などを利用して設けることによって形成されることができる。第1電極110がアノードである場合、第1電極用物質として、正孔注入が容易である高仕事関数物質を利用することができる。
【0095】
第1電極110は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極である。透過型電極である第1電極110を形成するためには、第1電極用物質として、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、またはこれらの任意の組み合わせを利用することができる。また、半透過型電極または反射型電極である第1電極110を形成するためには、第1電極用物質として、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム・リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム合金(Mg-In)、マグネシウム-銀合金(Mg-Ag)、またはこれらの任意の組み合わせを利用することができる。
【0096】
第1電極110は、単一層からなる単層構造、または複数の層を含む多層構造を有することができる。例えば、第1電極110は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有することができる。
【0097】
[中間層130]
第1電極110上部には、中間層130が設けられる。中間層130は、発光層を含む。
【0098】
中間層130は、第1電極110と発光層との間に設けられる正孔輸送領域、及び発光層と第2電極150との間に設けられる電子輸送領域をさらに含んでもよい。
【0099】
中間層130は、各種有機物以外に、有機金属化合物のような金属含有化合物、量子ドットのような無機物などをさらに含んでもよい。
【0100】
一方、中間層130は、i)第1電極110と第2電極150との間に順次に積層されている2以上の発光ユニット(emitting unit)、及びii)2個の発光ユニット間に設けられる電荷生成層(chrge generation layer)を含んでもよい。中間層130が、前述のような発光ユニット及び電荷生成層を含む場合、該発光素子10は、タンデム(tandem)構造を有する発光素子であってもよい。
【0101】
[中間層130における正孔輸送領域]
正孔輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質を含む単一層からなる単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質を含む複数の層を含む多層構造を有することができる。
【0102】
正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、電子阻止層、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0103】
例えば、正孔輸送領域は、第1電極110から順に積層された正孔注入層/正孔輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光補助層、正孔注入層/発光補助層、正孔輸送層/発光補助層または正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の多層構造を有することができる。
【0104】
正孔輸送領域は、化学式1で表されたアミン化合物を含んでもよい。
【0105】
また、正孔輸送領域は、下記化学式201で表される化合物、下記化学式202で表される化合物、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【化26】
・・・(化学式201)
【化27】
・・・(化学式202)
【0106】
化学式201及び化学式202において、
L201~L204は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
L205は、*-O-*’、*-S-*’、*-N(Q201)-*’、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C20アルキレン基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC2-C20アルケニレン基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xa1~xa4は、互いに独立して、0~5の整数のうち一つであり、
xa5は、1~10の整数のうち一つであり、
R201~R204、及びQ201は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
R201とR202は、選択的に、単結合、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C5アルキレン基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC2-C5アルケニレン基を介して互いに結合され、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC8-C60多環基(例えば、カルバゾリル基など)を形成することができ(例えば、下記化合物HT16などを参照する)、
R203とR204は、選択的に、単結合、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C5アルキレン基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC2-C5アルケニレン基を介して互いに結合され、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC8-C60多環基を形成することができ、
na1は、1~4の整数のうち一つである。
【0107】
例えば、化学式201及び化学式202で表される化合物それぞれは、下記化学式CY201~CY217で表された環構造を有する基のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【化28】
【0108】
化学式CY201~CY217において、R10b及びR10cに係わる説明は、それぞれ本明細書において、R10aに係わる説明を参照し、環CY201~環CY204は、互いに独立して、C3-C20炭素環基またはC1-C20ヘテロ環基であり、化学式CY201~CY217のうち少なくとも1つの水素は、本明細書に記載されたようなR10aで置換されてもよく、または無置換であってもよい。
【0109】
一実施形態によれば、化学式CY201~CY217において、環CY201~環CY204は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン及びアントラセンから選択された環構造であってもよい。
【0110】
他の実施形態によれば、化学式201及び化学式202で表される化合物それぞれは、化学式CY201~CY203で表された環構造を有する基のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0111】
さらに他の実施形態によれば、化学式201で表される化合物は、化学式CY201~CY203で表された環構造を有する基のうち少なくとも一つ、及び前記化学式CY204~CY217で表された環構造を有する基のうち少なくとも一つをそれぞれ含んでもよい。
【0112】
さらに他の実施形態によれば、化学式201におけるxa1は、1であり、R201は、化学式CY201~CY203のうち一つで表された環構造を有する基であり、xa2は、0であり、R202は、化学式CY204~CY207のうち一つで表された環構造を有する基であってもよい。
【0113】
さらに他の実施形態によれば、化学式201及び化学式202で表される化合物それぞれは、化学式CY201~CY203で表された環構造を有する基を含まなくてもよい。
【0114】
さらに他の実施形態によれば、化学式201及び化学式202で表される化合物それぞれは、化学式CY201~CY203で表された環構造を有する基を含まず、化学式CY204~CY217で表された環構造を有する基のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0115】
さらに他の実施形態によれば、化学式201及び化学式202で表される化合物それぞれは、化学式CY201~CY217で表された環構造を有する基を含まなくてもよい。
【0116】
例えば、正孔輸送領域は、下記化合物HT1~HT44のうち一つ、m-MTDATA、TDATA、2-TNATA、NPB(NPD)、β-NPB、TPD、spiro-TPD、spiro-NPB、メチル化された-NPB、TAPC、HMTPD、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン)(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【0117】
正孔輸送領域の厚みは、約5nm~約1,000nm、例えば、約10nm~約400nmであってもよい。正孔輸送領域が、正孔注入層、正孔輸送層、またはこれらの任意の組み合わせを含む場合、正孔注入層の厚みは、約10nm~約900nm、例えば、約10nm~約100nmであってもよく、正孔輸送層の厚みは、約5nm~約200nm、例えば、約10nm~約150nmであってもよい。正孔輸送領域、正孔注入層及び正孔輸送層の厚みが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、十分な正孔輸送特性を得ることができる。
【0118】
発光補助層は、発光層から放出される光の波長に応じた光学的共振距離を補償し、光放出効率を上昇させる役割を行う層である。電子阻止層は、電子輸送領域からの電子注入を防止する役割を行う層である。発光補助層及び電子阻止層には、前述のような正孔輸送領域に含まれる物質が含まれてもよい。
【0119】
[p-ドーパント]
正孔輸送領域は、前述の物質以外に、導電性向上のために、電荷生成物質を含んでもよい。電荷生成物質は、正孔輸送領域内に、均一に分散されておいてもよく、不均一に分散(例えば、電荷生成物質からなる単層形態)されていてもよい。
【0120】
電荷生成物質は、例えば、p-ドーパントであってもよい。
【0121】
例えば、p-ドーパントのLUMOエネルギーレベルは、-3.5eV以下であってもよい。
【0122】
一実施形態によれば、p-ドーパントは、キノン誘導体、シアノ基含有化合物、元素EL1含有化合物及び元素EL2含有化合物、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。元素EL1及び元素EL2については、後述する。
【0123】
キノン誘導体の例は、TCNQ、F4-TCNQなどを含んでもよい。
【0124】
シアノ基含有化合物の例は、HAT-CN、下記化学式221で表された化合物などを含んでもよい。
【化38】
【化39】
・・・(化学式221)
【0125】
化学式221において、
R221~R223は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
R221~R223のうち少なくとも一つは、互いに独立して、シアノ基;-F;-Cl;-Br;-I;シアノ基、-F、-Cl、-Br、-I、またはこれらの任意の組み合わせで置換されたC1-C20アルキル基;あるいはこれらの任意の組み合わせで置換された、C3-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基である。
【0126】
元素EL1含有化合物及び前記元素EL2含有化合物において、元素EL1は、金属、準金属、またはそれらの組み合わせであり、元素EL2は、非金属、準金属、またはそれらの組み合わせである。
【0127】
金属の例は、アルカリ金属(例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)など);アルカリ土類金属(例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)など);遷移金属(例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)など);ポスト遷移金属(例えば、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)など);ランタニド金属(例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジミウム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテニウム(Lu)など);などを含んでもよい。
【0128】
準金属の例は、シリコン(Si)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)などを含んでもよい。
【0129】
非金属の例は、酸素(O)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、Iなど)などを含んでもよい。
【0130】
例えば、元素EL1含有化合物及び元素EL2含有化合物は、金属酸化物、金属ハロゲン化物(例えば、金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物など)、準金属ハロゲン化物(例えば、準金属フッ化物、準金属塩化物、準金属臭化物、準金属ヨウ化物など)、金属テルル化物、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0131】
金属酸化物の例は、酸化タングステン(例えば、WO、W2O3、WO2、WO3、W2O5など)、酸化バナジウム(例えば、VO、V2O3、VO2、V2O5など)、酸化モリブデン(MoO、Mo2O3、MoO2、MoO3、Mo2O5など)、酸化レニウム(例えば、ReO3など)などを含んでもよい。
【0132】
金属ハロゲン化物の例は、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、遷移金属ハロゲン化物、ポスト遷移金属ハロゲン化物、ランタノイド金属ハロゲン化物などを含んでもよい。
【0133】
アルカリ金属ハロゲン化物の例は、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、LiCl、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、CsBr、LiI、NaI、KI、RbI、CsIなどを含んでもよい。
【0134】
アルカリ土類金属ハロゲン化物の例は、BeF2、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2、BeCl2、MgCl2、CaCl2、SrCl2、BaCl2、BeBr2、MgBr2、CaBr2、SrBr2、BaBr2、BeI2、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2などを含んでもよい。
【0135】
遷移金属ハロゲン化物の例は、チタンハロゲン化物(例えば、TiF4、TiCl4、TiBr4、TiI4など)、ジルコニウムハロゲン化物(例えば、ZrF4、ZrCl4、ZrBr4、ZrI4など)、ハフニウムハロゲン化物(例えば、HfF4、HfCl4、HfBr4、HfI4など)、バナジウムハロゲン化物(例えば、VF3、VCl3、VBr3、VI3など)、ニオブハロゲン化物(例えば、NbF3、NbCl3、NbBr3、NbI3など)、タンタルハロゲン化物(例えば、TaF3、TaCl3、TaBr3、TaI3など)、クロムハロゲン化物(例えば、CrF3、CrCl3、CrBr3、CrI3など)、モリブデンハロゲン化物(例えば、MoF3、MoCl3、MoBr3、MoI3など)、タングステンハロゲン化物(例えば、WF3、WCl3、WBr3、WI3など)、マンガンハロゲン化物(例えば、MnF2、MnCl2、MnBr2、MnI2など)、テクネチウムハロゲン化物(例えば、TcF2、TcCl2、TcBr2、TcI2など)、レニウムハロゲン化物(例えば、ReF2、ReCl2、ReBr2、ReI2など)、鉄ハロゲン化物(例えば、FeF2、FeCl2、FeBr2、FeI2など)、ルテニウムハロゲン化物(例えば、RuF2、RuCl2、RuBr2、RuI2など)、オスミウムハロゲン化物(例えば、OsF2、OsCl2、OsBr2、OsI2など)、コバルトハロゲン化物(例えば、CoF2、CoCl2、CoBr2、CoI2など)、ロジウムハロゲン化物(例えば、RhF2、RhCl2、RhBr2、RhI2など)、イリジウムハロゲン化物(例えば、IrF2、IrCl2、IrBr2、IrI2など)、ニッケルハロゲン化物(例えば、NiF2、NiCl2、NiBr2、NiI2など)、パラジウムハロゲン化物(例えば、PdF2、PdCl2、PdBr2、PdI2など)、白金ハロゲン化物(例えば、PtF2、PtCl2、PtBr2、PtI2など)、銅ハロゲン化物(例えば、CuF、CuCl、CuBr、CuIなど)、銀ハロゲン化物(例えば、AgF、AgCl、AgBr、AgIなど)、金ハロゲン化物(例えば、AuF、AuCl、AuBr、AuIなど)などを含んでもよい。
【0136】
ポスト遷移金属ハロゲン化物の例は、亜鉛ハロゲン化物(例えば、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2など)、インジウムハロゲン化物(例えば、InI3など)、スズハロゲン化物(例えば、SnI2など)、などを含んでもよい。
【0137】
ランタノイド金属ハロゲン化物の例は、YbF、YbF2、YbF3、SmF3、YbCl、YbCl2、YbCl3SmCl3、YbBr、YbBr2、YbBr3SmBr3、YbI、YbI2、YbI3、SmI3などを含んでもよい。
【0138】
準金属ハロゲン化物の例は、アンチモンハロゲン化物(例えば、SbCl5など)などを含んでもよい。
【0139】
金属テルル化物の例は、アルカリ金属テルル化物(例えば、Li2Te、Na2Te、K2Te、Rb2Te、Cs2Teなど)、アルカリ土類金属テルル化物(例えば、BeTe、MgTe、CaTe、SrTe、BaTeなど)、遷移金属テルル化物(例えば、TiTe2、ZrTe2、HfTe2、V2Te3、Nb2Te3、Ta2Te3、Cr2Te3、Mo2Te3、W2Te3、MnTe、TcTe、ReTe、FeTe、RuTe、OsTe、CoTe、RhTe、IrTe、NiTe、PdTe、PtTe、Cu2Te、CuTe、Ag2Te、AgTe、Au2Teなど)、ポスト遷移金属テルル化物(例えば、ZnTeなど)、ランタノイド金属テルル化物(例えば、LaTe、CeTe、PrTe、NdTe、PmTe、EuTe、GdTe、TbTe、DyTe、HoTe、ErTe、TmTe、YbTe、LuTeなど)などを含んでもよい。
【0140】
[中間層130における発光層]
発光素子10がフルカラー発光素子である場合、発光層は、個別副画素別に、赤色発光層、緑色発光層及び/または青色発光層にパターニングされてもよい。または、発光層は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層のうち、2以上の層が接触または離隔されて積層された構造を有するか、あるいは赤色光放出物質、緑色光放出物質及び青色光放出物質のうち、2以上の物質が層区分なしに混合された構造を有し、白色光を放出してもよい。
【0141】
発光層は、ホスト及びドーパントを含んでもよい。ドーパントは、リン光ドーパント、蛍光ドーパント、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。
【0142】
発光層においてドーパントの含量は、ホスト100重量部に対し、約0.01~約15重量部であってもよい。
【0143】
また、発光層は、量子ドットを含んでもよい。
【0144】
一方、発光層は、遅延蛍光物質を含んでもよい。遅延蛍光物質は、発光層において、ホストまたはドーパントの役割を行うことができる。
【0145】
発光層の厚みは、約10nm~約100nm、例えば、約20nm~約60nmであってもよい。発光層の厚みが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優れた発光特性を示すことができる。
【0146】
[ホスト]
ホストは、下記化学式301で表される化合物を含んでもよい
[Ar301]xb11-[(L301)xb1-R301]xb21・・・化学式301
【0147】
化学式301において、
Ar301及びL301は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xb11は、1、2または3であり、
xb1は、0~5の整数のうち一つであり、
R301は、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC2-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC2-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基、-Si(Q301)(Q302)(Q303)、-N(Q301)(Q302)、-B(Q301)(Q302)、-C(=O)(Q301)、-S(=O)2(Q301)、または-P(=O)(Q301)(Q302)であり、
xb21は、1~5の整数のうち一つであり、
Q301~Q303に係わる説明は、それぞれ本明細書において、Q1に係わる説明を参照する。
【0148】
例えば、化学式301において、xb11が2以上である場合、2以上のAr301は、単結合を介して互いに結合されてもよい。
【0149】
他の例として、ホストは、下記化学式301-1で表された化合物、下記化学式301-2で表された化合物、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【化40】
・・・(化学式301-1)
【化41】
・・・(化学式301-2)
【0150】
化学式301-1及び化学式301-2において、
環A301~環A304は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
X301は、O、S、N-[(L304)xb4-R304]、C(R304)(R305)、またはSi(R304)(R305)であり、
xb22及びxb23は、互いに独立して、0、1または2であり、
L301、xb1及びR301に係わる説明は、それぞれ本明細書に記載されたところを参照し、
L302~L304に係わる説明は、互いに独立して、前述のL301に係わる説明を参照し、
xb2~xb4に係わる説明は、互いに独立して、前述のxb1に係わる説明を参照し、
R302~R305、及びR311~R314に係わる説明は、それぞれ前述のR301に係わる説明を参照する。
【0151】
さらに他の例として、ホストは、アルカリ土類金属錯体を含んでもよい。例えば、ホストは、Be錯体(例えば、下記化合物H55)、Mg錯体、Zn錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0152】
さらに他の例として、ホストは、下記化合物H1~H124のうち一つ、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(ADN)、2-メチル-9,10-ビス(ナフチレン-2-イル)アントラセン(MADN)、9,10-ジ-(2-ナフチル)-2-t-ブチル-アントラセン(TBADN)、4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル(CBP)、1,3-ジ-9-カルバゾリルベンゼン(mCP)、1,3,5-トリ(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(TCP)、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【化55】
【0153】
[リン光ドーパント]
リン光ドーパントは、中心金属として、少なくとも1つの遷移金属を含んでもよい。
【0154】
リン光ドーパントは、一座(monodenate)配位子、二座(bidentate)配位子、三座(tridentate)配位子、四座(tetradentate)配位子、五座(pentadentate)配位子、六座(hexadentate)配位子、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0155】
リン光ドーパントは、電気的に中性(neutral)であってもよい。
【0156】
例えば、リン光ドーパントは、下記化学式401で表される有機金属化合物を含んでもよい。
M(L
401)
xc1(L
402)
xc2・・・(化学式401)
【化56】
・・・(化学式402)
【0157】
化学式401及び化学式402において、
Mは、遷移金属(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、チタン(Ti)、金(Au)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)またはツリウム(Tm))であり、
L401は、上記化学式402で表される配位子であり、xc1は、1、2または3であり、xc1が2以上である場合、2以上のL401は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい、
L402は、有機配位子であり、xc2は、0、1、2、3、または4であり、xc2が2以上である場合、2以上のL402は、互いに互いに同一であってもよく、異なっていてもよい、
X401及びX402は、互いに独立して、窒素または炭素であり、
環A401及び環A402は、互いに独立して、C3-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基であり、
T401は、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(=O)-*’、*-N(Q411)-*’、*-C(Q411)(Q412)-*’、*-C(Q411)=C(Q412)-*’、*-C(Q411)=*’または*=C(Q411)=*’であり、
X403及びX404は、互いに独立して、化学結合(例えば、共有結合または配位結合)、O、S、N(Q413)、B(Q413)、P(Q413)、C(Q413)(Q414)またはSi(Q413)(Q414)であり、
Q411~Q414に係わる説明は、それぞれ本明細書において、上述のQ1に係わる説明を参照し、
R401及びR402は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは無置換のC1-C20アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは無置換のC1-C20アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは無置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基、-Si(Q401)(Q402)(Q403)、-N(Q401)(Q402)、-B(Q401)(Q402)、-C(=O)(Q401)、-S(=O)2(Q401)または-P(=O)(Q401)(Q402)であり、
Q401~Q403に係わる説明は、それぞれ本明細書において、上述のQ1に係わる説明を参照し、
xc11及びxc12は、互いに独立して、0~10の整数のうち一つであり、
化学式402において、*及び*’は、それぞれ化学式401におけるMとの結合位置である。
【0158】
例えば、化学式402において、i)X401は、窒素であり、X402は、炭素であるか、あるいはii)X401とX402とがいずれも窒素である。
【0159】
他の例として、化学式402において、xc1が2以上である場合、2以上のL401において、2個の環A401は、選択的に、連結基であるT402を介して互いに結合されてもよく、あるいは2個の環A402は、選択的に、連結基であるT403を介して互いに結合されてもよい(下記化合物PD1~PD4、及び下記化合物PD7を参照)。T402及びT403に係わる説明は、それぞれ本明細書において、上述のT401に係わる説明を参照する。
【0160】
化学式401におけるL402は、任意の有機配位子である。例えば、L402は、ハロゲン原子、ジケトン基(例えば、アセチルアセトネート基)、カルボン酸基(例えば、ピコリネート基)、-C(=O)、イソニトリル基、-CN基、ホスホロス基(例えば、ホスフィン(phosphine)基、ホスファイト(phosphite)基など)、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0161】
リン光ドーパントは、例えば、下記化合物PD1~PD25のうち一つ、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【化57】
【化58】
【化59】
【0162】
[蛍光ドーパント]
蛍光ドーパントは、アミノ基含有化合物、スチリル基含有化合物、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0163】
例えば、蛍光ドーパントは、下記化学式501で表される化合物を含んでもよい。
【化60】
・・・(化学式501)
【0164】
化学式501において、
Ar501、L501~L503、R501及びR502は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xd1~xd3は、互いに独立して、0、1、2、または3であり、
xd4は、1、2、3、4、5、または6である。
【0165】
例えば、化学式501におけるAr501は、3個以上の単環基が互いに縮合された縮合環基(例えば、アントラセニル基、クリセニル基、ピレニル基など)を含んでもよい。
【0166】
他の例として、化学式501におけるxd4は、2であってもよい。
【0167】
例えば、蛍光ドーパントは、下記化合物FD1~FD36のうち一つ、DPVBi、DPAVBi、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【化61】
【化62】
【化63】
【化64】
【化65】
【化66】
【化67】
【0168】
[遅延蛍光物質]
発光層は、遅延蛍光物質を含んでもよい。
【0169】
本明細書において、遅延蛍光物質は、遅延蛍光放出メカニズムによって遅延蛍光を放出することができる任意の化合物のうちから選択される。
【0170】
発光層に含まれた遅延蛍光物質は、発光層に含まれた他の物質の種類に応じて、ホストまたはドーパントの役割を行うことができる。
【0171】
一実施形態によれば、遅延蛍光物質の三重項エネルギーレベル(eV)と、遅延蛍光物質の一重項エネルギーレベル(eV)との差は、0eV以上0.5eV以下である。遅延蛍光物質の三重項エネルギーレベル(eV)と、遅延蛍光物質の一重項エネルギーレベル(eV)との差が前述のような範囲を満たすことにより、遅延蛍光物質において、三重項状態から一重項状態への逆エネルギー移動(up-conversion)が効果的になされ、発光素子10の発光効率などが向上されうる。
【0172】
例えば、遅延蛍光物質は、i)少なくとも1つの電子ドナー(例えば、カルバゾリル基のようなπ電子過剰C3-C60環式基など)、及び少なくとも1つの電子アクセプタ(例えば、スルホキシド基、シアノ基、π電子欠乏性含窒素C1-C60環式基(π electron-deficient nitrogen-containing C1-C60 cyclic group)など)を含む物質、ii)ホウ素(B)を共有しながら縮合された2以上の環式基を含むC8-C60多環基を含む物質などを含んでもよい。
【0173】
遅延蛍光物質の例は、下記化合物DF1~DF9のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【化68】
【化69】
【0174】
[量子ドット]
発光層は、量子ドットを含んでもよい。
【0175】
本明細書において、量子点は、半導体化合物の結晶を意味し、該結晶の大きさにより、多様な発光波長の光を放出することができる任意の物質を含むものである。
【0176】
量子ドットの直径は、例えば、約1nm~10nmであってもよい。
【0177】
量子ドットは、湿式化学工程、有機金属化学蒸着(MOCVD:metal organic chemical vapor deposition)工程、分子線エピタキシ(MBE:molecular beam epitaxy)工程、またはこれらと類似した工程によって合成されることができる。
【0178】
湿式化学工程は、有機溶媒と前駆体物質とを混合した後、量子ドット粒子結晶を成長させる方法である。結晶が成長するとき、有機溶媒が、自然に量子ドット結晶表面に配位された分散剤の役割を行い、結晶の成長を調節するため、有機金属化学蒸着や分子線エピタキシのような気相蒸着法よりさらに容易であり、低コストの工程を介して量子ドット粒子の成長を制御することができる。
【0179】
量子ドットは、III-VI族半導体化合物、II-VI族半導体化合物、III-V族半導体化合物、III-VI族半導体化合物、I-III-VI族半導体化合物、IV-VI族半導体化合物、IV族元素または化合物、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0180】
III-VI族半導体化合物の例は、In2S3のような二元化合物;AgInS、AgInS2、CuInS、CuInS2のような三元化合物;またはこれらの任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0181】
II-VI族半導体化合物の例は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、MgSe、MgSのような二元化合物;CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、MgZnSe、MgZnSのような三元化合物;CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTeのような四元化合物;またはこれらの任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0182】
III-V族半導体化合物の例は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSbのような二元化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InGaP、InNP、InAlP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNPのような三元化合物;GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSbのような四元化合物;またはこれらの任意の組み合わせ;を含んでもよい。なお、III-V族半導体化合物は、II族元素をさらに含んでもよい。II族元素をさらに含むIII-V族半導体化合物の例は、InZnP、InGaZnP、InAlZnPなどを含んでもよい。
【0183】
III-VI族半導体化合物の例は、GaS、GaSe、Ga2Se3、GaTe、InS、InSe、In2Se3、InTeのような二元化合物;InGaS3、InGaSe3のような三元化合物;またはこれらの任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0184】
I-III-VI族半導体化合物の例は、AgInS、AgInS2、CuInS、CuInS2、CuGaO2、AgGaO2、AgAlO2のような三元化合物;またはこれらの任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0185】
IV-VI族半導体化合物の例は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTeのような二元化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTeのような三元化合物;SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTeのような四元化合物;またはこれらの任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0186】
IV族元素またはIV族化合物は、Si、Geのような単一元素化合物;SiC、SiGeのような二元化合物;またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0187】
二元化合物、三元化合物及び四元化合物のような多元化合物に含まれたそれぞれの元素は、均一な濃度または不均一な濃度で、粒子内に存在してもよい。
【0188】
一方、量子ドットは、当該量子ドットに含まれたそれぞれの元素の濃度が均一である単一構造、またはコア・シェルの二重構造を有することができる。例えば、コアに含まれた物質と、シェルに含まれた物質は、互いに異なっていてもよい。
【0189】
量子ドットのシェルは、コアの化学的変性を防止し、半導体特性を維持するための保護層の役割、及び/または量子ドットに電気泳動特性を付与するためのチャージング層(charging layer)の役割を行うことができる。シェルは、単層または多層であってもよい。アとシェルとの界面は、シェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有することができる。
【0190】
量子ドットのシェルの例としては、金属または非金属の酸化物、半導体化合物、またはこれらの組み合わせなどを挙げることができる。金属または非金属の酸化物の例は、SiO2、Al2O3、TiO2、ZnO、MnO、Mn2O3、Mn3O4、CuO、FeO、Fe2O3、Fe3O4、CoO、Co3O4、NiOのような二元化合物;MgAl2O4、CoFe2O4、NiFe2O4、CoMn2O4のような三元化合物;またはこれらの任意の組み合わせ;を含んでもよい。半導体化合物の例は、本明細書に記載されたような、III-VI族半導体化合物、II-VI族半導体化合物、III-V族半導体化合物、III-VI族半導体化合物、I-III-VI族半導体化合物、IV-VI族半導体化合物、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、半導体化合物は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnSeS、ZnTeS、GaAs、GaP、GaSb、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InGaP、InSb、AlAs、AlP、AlSb、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0191】
該量子ドットは、約45nm以下、具体的には、約40nm以下、さらに具体的には、約30nm以下の発光波長スペクトルの半値幅(FWHM:full width of half maximum)を有することができ、この範囲において、色純度や色再現性を向上させることができる。また、そのような量子ドットを介して発光される光は、全方向に放出され、光視野角が向上されうる。
【0192】
また、該量子ドットの形態は、具体的には、球形、ピラミッド形、多重枝形(multi-arm)、または立方体(cubic)のナノ粒子・ナノチューブ・ナノワイヤ・ナノファイバ・ナノ板状粒子のような形態であってもよい。
【0193】
量子ドットの大きさを調節することにより、エネルギーバンドギャップの調節が可能であるため、量子ドット発光層において、多様な波長帯の光を得ることができる。従って、互いに異なる大きさの量子ドットを使用することにより、さまざまな波長の光を放出する発光素子を実現することができる。具体的には、量子ドットの大きさは、赤色光、緑色光及び/または青色光が放出されるように選択される。また、量子ドットの大きさは、多様な色の光が混ざり、白色光を放出するように構成されることもできる。
【0194】
[中間層130における電子輸送領域]
電子輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質を含む単一層からなる単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質を含む複数の層を含む多層構造を有することができる。
【0195】
電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、電子注入層、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0196】
例えば、電子輸送領域は、発光層から順に積層された電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層、電子調節層/電子輸送層/電子注入層またはバッファ層/電子輸送層/電子注入層などの構造を有することができる。
【0197】
電子輸送領域(例えば、電子輸送領域におけるバッファ層、正孔阻止層、電子調節層または電子輸送層)は、少なくとも1つのπ電子欠乏性含窒素C1-C60環式基を含む金属非含有(metal-free)化合物を含んでもよい。
【0198】
例えば、電子輸送領域は、下記化学式601で表された化合物を含んでもよい。
[Ar601]xe11-[(L601)xe1-R601]xe21・・・(化学式601)
【0199】
化学式601において、
Ar601及びL601は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xe11は、1、2または3であり、
xe1は、0、1、2、3、4、または5であり、
R601は、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基、-Si(Q601)(Q602)(Q603)、-C(=O)(Q601)、-S(=O)2(Q601)、または-P(=O)(Q601)(Q602)であり、
Q601~Q603に係わる説明は、それぞれ本明細書において、上述のQ1に係わる説明を参照し、
xe21は、1、2、3、4、または5であり、
前述のAr601、L601及びR601のうち少なくとも一つは、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のπ電子欠乏性含窒素C1-C60環式基である。
【0200】
例えば、化学式601において、xe11が2以上である場合、2以上のAr601は、単結合を介して互いに結合されてもよい。
【0201】
他の例として、化学式601におけるAr601は、置換もしくは無置換のアントラセンニルである。
【0202】
さらに他の例として、電子輸送領域は、下記化学式601-1で表された化合物を含んでもよい。
【化70】
・・・(化学式601-1)
【0203】
化学式601-1において、
X614は、NまたはC(R614)であり、X615は、NまたはC(R615)であり、X616は、NまたはC(R616)であり、X614~X616のうち少なくとも一つは、Nであり、
L611~L613に係わる説明は、それぞれ上述のL601に係わる説明を参照し、
xe611~xe613に係わる説明は、それぞれ上述のxe1に係わる説明を参照し、
R611~R613に係わる説明は、それぞれ上述のR601に係わる説明を参照し、
R614~R616は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたもしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基である。
【0204】
例えば、化学式601及び化学式601-1において、xe1、及びxe611~xe613は、互いに独立して、0、1または2である。
【0205】
電子輸送領域は、下記化合物ET1~ET45のうち一つ、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、Alq3、BAlq、TAZ、NTAZ、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【化71】
【化72】
【化73】
【化74】
【化75】
【化76】
【化77】
【0206】
電子輸送領域の厚みは、約16nm~約500nm、例えば、約10nm~約400nmであってもよい。電子輸送領域が、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、またはこれらの任意の組み合わせを含む場合、前述のバッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みは、互いに独立して、約2nm~約100nm、例えば、約3nm~約30nmであってもよく、電子輸送層の厚みは、約10nm~約100nm、例えば、約15nm~約50nmであってもよい。前述のバッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層及び/または電子輸送層の厚みが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、十分な電子輸送特性を得ることができる。
【0207】
電子輸送領域(例えば、電子輸送領域における電子輸送層)は、前述のような物質以外に、金属含有物質をさらに含んでもよい。
【0208】
金属含有物質は、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。アルカリ金属錯体の金属イオンは、Liイオン、Naイオン、Kイオン、RbイオンまたはCsイオンであってもよく、アルカリ土類金属錯体の金属イオンは、Beイオン、Mgイオン、Caイオン、SrイオンまたはBaイオンであってもよい。アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体の金属イオンに配位された配位子は、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン、シクロペンタジエン、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0209】
例えば、金属含有物質は、Li錯体を含んでもよい。Li錯体は、例えば、下記化合物ET-D1(LiQ)またはET-D2を含んでもよい。
【化78】
【0210】
電子輸送領域は、第2電極150からの電子注入を容易にする電子注入層を含んでもよい。電子注入層は、第2電極150と直接接触することができる。
【0211】
電子注入層は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質を含む単一層からなる単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質を含む複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0212】
電子注入層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、希土類金属含有化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0213】
アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。アルカリ土類金属は、Mg、Ca、Sr、Ba、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。希土類金属はSc、Y、Ce、Tb、Yb、Gd、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0214】
アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物及び希土類金属含有化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属それぞれの、酸化物、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)、テルル化物、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0215】
アルカリ金属含有化合物は、Li2O、Cs2O、K2Oのようなアルカリ金属酸化物;LiF、NaF、CsF、KF、LiI、NaI、CsI、KIのようなアルカリ金属ハロゲン化物;またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。アルカリ土類金属含有化合物は、BaO、SrO、CaO、BaxSr1-xO(xは、0<x<1を満たす実数である)、BaxCa1-xO(xは、0<x<1を満たす実数である)のようなアルカリ土類金属化合物を含んでもよい。希土類金属含有化合物は、YbF3、ScF3、Sc2O3、Y2O3、Ce2O3、GdF3、TbF3、YbI3、ScI3、TbI3、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。また、希土類金属含有化合物は、ランタノイド金属テルル化物を含んでもよい。ランタノイド金属テルル化物の例は、LaTe、CeTe、PrTe、NdTe、PmTe、SmTe、EuTe、GdTe、TbTe、DyTe、HoTe、ErTe、TmTe、YbTe、LuTe、La2Te3、Ce2Te3、Pr2Te3、Nd2Te3、Pm2Te3、Sm2Te3、Eu2Te3、Gd2Te3、Tb2Te3、Dy2Te3、Ho2Te3、Er2Te3、Tm2Te3、Yb2Te3、Lu2Te3などを含んでもよい。
【0216】
アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体及び希土類金属錯体は、i)前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属のイオンのうち一つ、及びii)金属イオンと結合した配位子として、例えば、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン、シクロペンタジエン、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0217】
電子注入層は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、希土類金属含有化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはこれらの任意の組み合わせだけによってなるか、あるいは有機物(例えば、化学式601で表された化合物)をさらに含んでもよい。
【0218】
一実施形態によれば、電子注入層は、i)アルカリ金属含有化合物(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物)からなるか、あるいはii)a)アルカリ金属含有化合物(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物)、及びb)アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、またはこれらの任意の組み合わせからなる。例えば、電子注入層は、KI:Yb共蒸着層、RbI:Yb共蒸着層などであってもよい。
【0219】
電子注入層が有機物をさらに含む場合、前述のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、希土類金属含有化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはこれらの任意の組み合わせは、有機物を含むマトリックスに均一または不均一に分散されている。
【0220】
電子注入層の厚みは、約0.1nm~約10nm、約0.3nm~約9nmであってもよい。電子注入層の厚みが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、十分な電子注入特性を得ることができる。
【0221】
[第2電極150]
前述のような中間層130上部には、第2電極150が設けられている。第2電極150は、電子注入電極であるカソードであり、このとき、第2電極150用物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、導電性化合物、またはこれらの任意の組み合わせを使用することができる。
【0222】
第2電極150は、リチウム(Li)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム合金(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム合金(Mg-In)、マグネシウム-銀合金(Mg-Ag)、イッテルビウム(Yb)、銀-イッテルビウム合金(Ag-Yb)、ITO、IZO、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。第2電極150は、透過型電極、半透過型電極または反射型電極である。
【0223】
第2電極150は、単一層である単層構造、または複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0224】
[キャッピング層]
第1電極110の外側には、第1キャッピング層が設けられてもよく、かつ/または第2電極150の外側には、第2キャッピング層が設けられてもよい。具体的には、発光素子10は、第1キャッピング層、第1電極110、中間層130及び第2電極150が順に積層された構造;第1電極110、中間層130、第2電極150及び第2キャッピング層が順に積層された構造;または第1キャッピング層、第1電極110、中間層130、第2電極150及び第2キャッピング層が順に積層された構造を有することができる。
【0225】
発光素子10の中間層130における発光層で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第1電極110及び第1キャッピング層を経て、外部に取り出され、発光素子10の中間層130における発光層で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第2電極150及び第2キャッピング層を経て、外部に取り出される。
【0226】
第1キャッピング層及び第2キャッピング層は、補強干渉の原理により、外部発光効率を向上させる役割を行うことができる。それにより、発光素子10の光抽出効率が上昇され、発光素子10の発光効率が向上されうる。
【0227】
第1キャッピング層及び第2キャッピング層それぞれは、(589nmでの)屈折率が1.6以上の物質を含んでもよい。
【0228】
第1キャッピング層及び第2キャッピング層は、互いに独立して、有機物を含む有機キャッピング層、無機物を含む無機キャッピング層、または有機物及び無機物を含む複合キャッピング層であってもよい。
【0229】
第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、炭素環化合物、ヘテロ環化合物、アミノ基含有化合物、ポルフィン誘導体(porphine derivatives)、フタロシアニン誘導体(phthalocyanine derivatives)、ナフタロシアニン誘導体(naphthalocyanine derivatives)、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。前述の炭素環化合物、ヘテロ環化合物及びアミノ基含有化合物は、選択的に、O、N、S、Se、Si、F、Cl、Br、I、またはこれらの任意の組み合わせを含む置換基によって置換されてもよい。一実施形態によれば、第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、アミノ基含有化合物を含んでもよい。
【0230】
例えば、第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、化学式201で表された化合物、化学式202で表された化合物、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0231】
さらに他の実施形態によれば、第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、化合物HT28~HT33のうち一つ、下記化合物CP1~CP6のうち一つ、β-NPB、またはこれらの任意の化合物を含んでもよい。
【化79】
【化80】
【0232】
[電子装置]
発光素子は、各種電子装置に含まれることができる。例えば、発光素子を含む電子装置は、発光装置、認証装置などであってもよい。
【0233】
電子装置(例えば、発光装置)は、発光素子以外に、i)カラーフィルタ、ii)色変換層、またはiii)カラーフィルタ及び色変換層をさらに含んでもよい。カラーフィルタ及び/または色変換層は、発光素子から放出される光の少なくとも1つの進行方向上に設けられる。例えば、発光素子から放出される光は、青色光または白色光であってもよい。発光素子に係わる説明は、前述の発光素子に関する説明を参照する。一実施形態によれば、色変換層は、量子ドットを含んでもよい。量子ドットは、例えば、上述したような量子ドットであってもよい。
【0234】
電子装置は、第1基板を含んでもよい。第1基板は、複数の副画素領域を含み、カラーフィルタは、複数の副画素領域それぞれに対応する複数のカラーフィルタ領域を含み、色変換層は、複数の副画素領域それぞれに対応する複数の色変換領域を含んでもよい。
【0235】
複数の副画素領域間に、画素定義膜が設けられ、それぞれの副画素領域が定義される。
【0236】
カラーフィルタは、複数のカラーフィルタ領域、及び複数のカラーフィルタ領域間に設けられた遮光パターンをさらに含んでもよい。色変換層は、複数の色変換領域、及び複数の色変換領域の間に設けられた遮光パターンをさらに含んでもよい。
【0237】
複数のカラーフィルタ領域(または、複数の色変換領域)は、第1色光を放出する第1領域、第2色光を放出する第2領域、及び/または第3色光を放出する第3領域を含み、第1色光、第2色光及び/または第3色光は、互いに異なる最大発光波長を有してもよい。例えば、第1色光は、赤色光であり、第2色光は緑色光であり、第3色光は、青色光であってもよい。例えば、複数のカラーフィルタ領域(または、複数の色変換領域)は、量子ドットを含んでもよい。具体的には、第1領域は、赤色量子ドットを含み、第2領域は、緑色量子ドットを含み、第3領域は、量子ドットを含まなくてもよい。該量子ドットに係わる説明は、本明細書に記載されたところを参照する。第1領域、第2領域及び/または第3領域は、それぞれ散乱体をさらに含んでもよい。
【0238】
例えば、発光素子は、第1光を放出し、第1領域は、第1光を吸収し、第1-1色光を放出し、第2領域は、第1光を吸収し、第2-1色光を放出し、第3領域は、第1光を吸収し、第3-1色光を放出することができる。このとき、第1-1色光、第2-1色光及び第3-1色光は、互いに異なる最大発光波長を有してもよい。具体的には、第1光は、青色光であり、第1-1色光は、赤色光であり、第2-1色光は、緑色光であり、第3-1色光は、青色光である。
【0239】
電子装置は、前述のような発光素子以外に、薄膜トランジスタをさらに含んでもよい。薄膜トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極及び活性層を含んでもよく、ソース電極及びドレイン電極のうちいずれか一つと、発光素子の第1電極及び第2電極のうちいずれか一つは、電気的に接続されうる。
【0240】
薄膜トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁膜などをさらに含んでもよい。
【0241】
活性層は、結晶質シリコン、アモルファスシリコン、有機半導体、酸化物半導体などを含んでもよい。
【0242】
電子装置は、発光素子を密封する密封部をさらに含んでもよい。密封部は、カラーフィルタ及び/または色変換層と、発光素子との間に設けられてもよい。密封部は、発光素子からの光が外部に取り出されるようにしながら、同時に、発光素子に、外気及び水分が浸透することを遮断する。密封部は、透明なガラス基板またはプラスチック基板を含む密封基板であってもよい。密封部は、有機層及び/または無機層を1層以上含む薄膜封止層であってもよい。密封部が、薄膜封止層である場合、電子装置は、フレキシブルであってもよい。
【0243】
密封部上には、カラーフィルタ及び/または色変換層以外に、電子装置の用途により、多様な機能層が追加して設けられることができる。機能層の例は、タッチスクリーン層、偏光層などを含んでもよい。タッチスクリーン層は、減圧式タッチスクリーン層、静電式タッチスクリーン層または赤外線式タッチスクリーン層であってもよい。認証装置は、例えば、生体(例えば、指先、瞳など)の生体情報を利用し、個人を認証する生体認証装置であってもよい。
【0244】
認証装置は、前述のような発光素子以外に、生体情報収集手段をさらに含んでもよい。
【0245】
電子装置は、各種ディスプレイ、光源、照明、パーソナルコンピュータ(例えば、モバイル型パーソナルコンピュータ)、携帯電話、デジタル写真機、電子手帳、電子辞典、電子ゲーム機、医療機器(例えば、電子体温計、血圧計、血糖計、脈拍計測装置、脈波計測装置、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、プロジェクタなどにも応用される。
【0246】
[
図2及び
図3に係わる説明]
図2は、本発明の一実施形態による発光装置の断面図である。
図2の発光装置は、基板100、薄膜トランジスタ(TFT)、発光素子及び発光素子を密封する封止部300を含む。
【0247】
基板100は、可撓性基板、ガラス基板または金属基板であってもよい。基板100上には、バッファ層210が設けられてもよい。バッファ層210は、基板100を介する不純物の浸透を防止し、基板100上部に平坦な面を提供する役割を行うことができる。
【0248】
バッファ層210上には、薄膜トランジスタ(TFT)が設けられる。薄膜トランジスタ(TFT)は、活性層220、ゲート電極240、ソース電極260及びドレイン電極270を含んでもよい。
【0249】
活性層220は、シリコンまたはポリシリコンのような無機半導体、有機半導体または酸化物半導体を含んでもよく、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域を含む。
【0250】
活性層220の上部には、活性層220とゲート電極240とを絶縁するためのゲート絶縁膜230が設けられ、ゲート絶縁膜230上部には、ゲート電極240が設けられる。
【0251】
ゲート電極240の上部には、層間絶縁膜250が設けられる。層間絶縁膜250は、ゲート電極240とソース電極260との間、及びゲート電極240とドレイン電極270との間に設けられる、それらを絶縁する役割を行う。
【0252】
層間絶縁膜250上には、ソース電極260及びドレイン電極270が設けられる。層間絶縁膜250及びゲート絶縁膜230は、活性層220のソース領域及びドレイン領域が露出されるように形成され、そのような活性層220の露出されたソース領域及びドレイン領域と接するように、ソース電極260及びドレイン電極270が設けられる。
【0253】
そのような薄膜トランジスタ(TFT)は、発光素子に電気的に接続され、発光素子を駆動させることができる。薄膜トランジスタ(TFT)は、パッシベーション層280で覆われて保護される。パッシベーション層280は、無機絶縁膜、有機絶縁膜、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。パッシベーション層280上には、発光素子が設けられる。発光素子は、第1電極110、中間層130及び第2電極150を含む。
【0254】
第1電極110は、パッシベーション層280上に設けられる。パッシベーション層280は、ドレイン電極270の全体を覆わず、所定の領域を露出させるように形成され、露出されたドレイン電極270と接続されるように、第1電極110が設けられる。
【0255】
第1電極110上に、絶縁物を含む画素定義膜290が設けられる。画素定義膜290は、第1電極110の所定領域を露出させ、露出された領域に、中間層130が形成される。画素定義膜290は、ポリイミド系またはポリアクリル系の有機膜であってもよい。
図2には、図示されていないが、中間層130のうち一部以上の層は、画素定義膜290上部にまで延長され、共通層の形態で設けられてもよい。
【0256】
中間層130上には、第2電極150が設けられ、第2電極150上には、キャッピング層170が追加して形成されてもよい。キャッピング層170は、第2電極150を覆うように形成されてもよい。
【0257】
キャッピング層170上には、封止部300が設けられる。封止部300は、発光素子上に設けられ、水分や酸素から発光素子を保護する役割を行う。封止部300は、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、またはこれらの任意の組み合わせを含む無機膜;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンスルホネート、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、ヘキサメチルジシロキサン、アクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸など)、エポキシ系樹脂(例えば、AGE(aliphatic glycidyl ether)など)、またはこれらの任意の組み合わせを含む有機膜;または前述した無機膜と有機膜との組み合わせを含んでもよい。
【0258】
図3は、本発明の他の実施形態による発光装置の断面図である。
図3の発光装置は、封止部300上部に、遮光パターン500及び機能性領域400が追加して設けられているという点を除いては、
図2の発光装置と同一の発光装置である。機能性領域400は、i)カラーフィルタ領域、ii)色変換領域、またはiii)カラーフィルタ領域と色変換領域との組み合わせである。一例によれば、
図3の発光装置に含まれた発光素子は、タンデム発光素子であってもよい。
【0259】
[製造方法]
正孔輸送領域に含まれた各層、発光層及び電子輸送領域に含まれた各層は、それぞれ、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett)法、インクジェットプリンティング法、レーザプリンティング法、レーザ熱転写(LITI:laser induced thermal imaging)法のような多様な方法を利用し、所定領域に形成される。
【0260】
該真空蒸着法により、正孔輸送領域に含まれた各層、発光層及び電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、蒸着条件は、例えば、約100~約500℃の蒸着温度、約10-8~約10-3torrの真空度、及び約0.001~約10nm/secの蒸着速度の範囲内において、形成する層に含まれる材料、及び形成する層の構造を考慮して選択される。
【実施例0261】
以下、合成例及び実施例を挙げ、本発明の一実施形態による化合物及び有機発光素子についてさらに具体的に説明する。下記合成例において、「Aの代わりにBを使用した」という表現において、Aのモル当量とBのモル当量は、互いに同一である。
【0262】
[合成例]
合成例1:化合物1の合成
【化81】
N-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(1当量、10mmol)、1-ブロモ-4-シクロヘキシルベンゼン(1.1当量、11mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.3mmol)、t-BuONa(3当量、30mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.6mmol)及びトルエン100mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0263】
反応が終結した後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0264】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、3.5gの化合物1を得た(収率=70%、純度≧99.9%)。
【0265】
合成例2:化合物5の合成
【化82】
N-([1,1’-ビフェニル]-2-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(1当量、10mmol)、1-ブロモ-4-シクロヘキシルベンゼン(1.1当量、11mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.3mmol)、t-BuONa(3当量、30mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.6mmol)及びトルエン100mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0266】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0267】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、3.8gの化合物5を得た(収率=75%、純度≧99.9%)。
【0268】
合成例3:化合物13の合成
【化83】
N-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(1当量、10mmol)、2-ブロモ-4’-シクロヘキシル-1,1’-ビフェニル(1.1当量、11mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.3mmol)、t-BuONa(3当量、30mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.6mmol)及びトルエン100mlを、1口丸底フラスコに入れ、2時間撹拌した。
【0269】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0270】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、3.9gの化合物13を得た(収率=66%、純度≧99.9%)。
【0271】
合成例4:化合物21の合成
【化84】
9,9-ジメチル-N-(ナフタレン-1-イル)-9H-フルオレン-2-アミン(1当量、10mmol)、1-ブロモ-4-シクロヘキシルベンゼン(1.1当量、11mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.3mmol)、t-BuONa(3当量、30mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.6mmol)及びトルエン100mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0272】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0273】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、3.2gの化合物21を得た(収率=65%、純度≧99.9%)。
【0274】
合成例5:化合物25の合成
【化85】
9,9-ジメチル-N-(ナフタレン-1-イル)-9H-フルオレン-2-アミン(1当量、10mmol)、2-ブロモ-4’-シクロヘキシル-1,1’-ビフェニル(1.1当量、11mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.3mmol)、t-BuONa(3当量、30mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.6mmol)、トルエン100mlを1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0275】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0276】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、3.8gの化合物25を得た(収率=67%、純度≧99.9%)。
【0277】
合成例6:化合物75の合成
【化86】
N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9-ジフェニル-9H-フルオレン-2-アミン(1当量、10mmol)、1-ブロモ-4-シクロヘキシルベンゼン(1.1当量、11mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.3mmol)、t-BuONa(3当量、30mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.6mmol)及びトルエン100mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0278】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0279】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、4.4gの化合物75を得た(収率=69%、純度≧99.9%)。
【0280】
合成例7:化合物79の合成
【化87】
N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9-ジフェニル-9H-フルオレン-2-アミン(1当量、10mmol)、1-ブロモ-2-シクロヘキシルベンゼン(1.1当量、11mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.3mmol)、t-BuONa(3当量、30mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.6mmol)及びトルエン100mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0281】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0282】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、4.4gの化合物79を得た(収率=69%、純度≧99.9%)。
【0283】
合成例8:化合物99の合成
【化88】
N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ[フルオレン]-2-アミン(1当量、10mmol)、1-ブロモ-4-シクロヘキシルベンゼン(1.1当量、11mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.3mmol)、t-BuONa(3当量、30mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.6mmol)及びトルエン100mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0284】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0285】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、4.1gの化合物99を得た(収率=64%、純度≧99.9%)。
【0286】
合成例9:化合物103の合成
【化89】
N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ[フルオレン]-2-アミン(1当量、10mmol)、1-ブロモ-2-シクロヘキシルベンゼン(1.1当量、11mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.3mmol)、t-BuONa(3当量、30mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.6mmol)及びトルエン100mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0287】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0288】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、4.0gの化合物103を得た(収率=63%、純度≧99.9%)。
【0289】
【0290】
(1)中間体121-1の合成
2,7-ジブロモ-9-フェニル-9H-カルバゾール(1当量、10mmol)、シクロヘキシルボロン酸(1.1当量、11mmol)、Pd(PPh3)4(0.03当量、0.3mmol)、K2CO3(2当量、20mmol)、及びトルエン/エタノール/H2O 100ml/10ml/20mlを1口丸底フラスコに入れ、70℃で6時間撹拌した。
【0291】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/10体積比)。
【0292】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、中間体121-1を2.0g得た(収率=50%、純度≧99.9%)。
【0293】
(2)化合物121の合成
中間体121-1(1当量、5mmol)、9,9-ジメチル-N-フェニル-9H-フルオレン-2-アミン(1.1当量、5.5mmol)、Pd2(dba)3(0.03当量、0.15mmol)、t-BuONa(3当量、15mmol)、t-Bu3P(0.06当量、0.3mmol)及びトルエン50mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0294】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0295】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、2.0gの化合物121を得た(収率=67%、純度≧99.9%)。
【0296】
合成例11:化合物125の合成
【化91】
中間体121-1(1当量、5mmol)、9,9-ジメチル-N-(ナフタレン-1-イル)-9H-フルオレン-2-アミン(1.1当量、5.5mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.15mmol)、t-BuONa(3当量、15mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.3mmol)及びトルエン50mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0297】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0298】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、2.4gの化合物125を得た(収率=74%、純度≧99.9%)。
【0299】
合成例12:化合物129の合成
【化92】
中間体121-1(1当量、5mmol)、N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)ジベンゾ[b,d]フラン-3-アミン(1.1当量、5.5mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.15mmol)、t-BuONa(3当量、15mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.3mmol)及びトルエン50mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0300】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0301】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、2.5gの化合物129を得た(収率=71%、純度≧99.9%)。
【0302】
合成例13:化合物133の合成
【化93】
中間体121-1(1当量、5mmol)、ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)アミン(1.1当量、5.5mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.15mmol)、t-BuONa(3当量、15mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.3mmol)及びトルエン50mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0303】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0304】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、3.0gの化合物133を得た(収率=83%、純度≧99.9%)。
【0305】
合成例14:化合物135の合成
【化94】
中間体121-1(1当量、5mmol)、N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9-ジフェニル-9H-フルオレン-2-アミン(1.1当量、5.5mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.15mmol)、t-BuONa(3当量、15mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.3mmol)及びトルエン50mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0306】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0307】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、3.2gの化合物134得た(収率=74%、純度≧99.9%)。
【0308】
合成例15:化合物136の合成
【化95】
中間体121-1(1当量、5mmol)、N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ[フルオレン]-2-アミン(1.1当量、5.5mmol)、Pd
2(dba)
3(0.03当量、0.15mmol)、t-BuONa(3当量、15mmol)、t-Bu
3P(0.06当量、0.3mmol)及びトルエン50mlを、1口丸底フラスコに入れ、110℃で2時間撹拌した。
【0309】
反応が終結された後、H2Oとエーテルとでワークアップを行い、カラムクロマトグラフィで有機層を分離した(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン=1/5体積比)。
【0310】
得られた有機層をエーテルで再結晶し、3.2gの化合物136を得た(収率=74%、純度≧99.9%)。
【0311】
合成例1な~15で合成された化合物の1H NMR(nuclear magnetic resonance)及びMS/FAB(mass spectroscopy/fast atom bombardment)を、下記表1に示した。
【0312】
表1に示された化合物以外の他の化合物も、前述の合成経路及び原料物質を参照し、本技術分野の当業者であるならば、その合成方法を容易に認識することができるであろう。
【表1】
【0313】
比較例1
アノードは、コーニング(Corning)社の15Ω/cm2(120nm)ITOガラス基板を、50mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とを利用し、各5分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射してオゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置に該ガラス基板を設けた。
【0314】
基板上部に、まず正孔注入層として公知の物質である2-TNATAを真空蒸着し、60nm厚に形成した後、次に、正孔輸送性化合物として、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)を30nm厚に真空蒸着し、正孔輸送層を形成した。
【0315】
正孔輸送層上部に、公知の青色蛍光ホストとして9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン(DNA)と、青色蛍光ドーパントとして公知化合物である4,4’-ビス[2-(4-(N,N-ジフェニルアミノ)フェニル)ビニル]ビフェニル(DPAVBi)とを、重量比98:2で同時蒸着し、30nm厚の発光層を形成した。
【化96】
【0316】
次に、発光層上部に、電子輸送層として、Alq3を30nm厚に蒸着した後、電子輸送層上部に、ハロゲン化アルカリ金属であるLiFを、電子注入層として、1nm厚に蒸着し、Al(陰極電極)を300nmに真空蒸着し、LiF/Al電極を形成することにより、有機電界発光素子を作製した。
【0317】
比較例2~7
正孔輸送層の形成時、NPBの代わりに、それぞれ下記化合物A~Fを利用したことを除いては、比較例1と同一の方法で有機電界発光素子を作製した。
【化97】
【0318】
実施例1~12
正孔輸送層の形成時、NPBの代わりに、それぞれ下記表2の化合物を利用したことを除いては、比較例1と同一の方法で有機電界発光素子を作製した。
【0319】
評価結果
実施例1~15、及び比較例1~7で作製した有機電界発光素子に対し、電流密度50mA/cm2での駆動時の素子性能(駆動電圧、輝度、効率及び色座標)と、電流密度100mA/cm2での初期輝度50%低減までの時間(半減寿命)とを測定し、下記表2に示した。
【0320】
-輝度:電流・電圧計(Kethley SMU 236)で電源を供給し、輝度計PR650を利用して測定した。
-効率:電流・電圧計(Kethley SMU 236)で電源を供給し、輝度計PR650を利用して測定した。
【表2】
【0321】
表2から、本発明の一実施形態による化合物を、正孔輸送材料として、有機電界発光素子に使用した実施例1~15の場合、比較例1~7の有機電界発光素子と比較して、駆動電圧が改善され、効率及び寿命が向上される効果が示されるということを確認することができる。
【0322】
すなわち、本発明の化合物が、素子の発光素子に使用される場合、駆動電圧、効率及び寿命の側面において、すぐれた効果を発揮することができるということが分かる。
【0323】
本発明につき、上述した合成例及び実施例を参照して説明したが、これらは、例示的なものに過ぎず、本発明に属する技術分野の当業者であるならば、これらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められるものである。