IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

<>
  • 特開-表示装置 図1
  • 特開-表示装置 図2
  • 特開-表示装置 図3
  • 特開-表示装置 図4
  • 特開-表示装置 図5
  • 特開-表示装置 図6
  • 特開-表示装置 図7
  • 特開-表示装置 図8
  • 特開-表示装置 図9
  • 特開-表示装置 図10
  • 特開-表示装置 図11
  • 特開-表示装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036332
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20220301BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220301BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G02F1/1343
G09F9/00 342
G02F1/1333
G02F1/1333 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2018186828
(22)【出願日】2018-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今関 佳克
(72)【発明者】
【氏名】上條 陽一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 義弘
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 光一
(72)【発明者】
【氏名】大澤 修一
【テーマコード(参考)】
2H092
2H189
2H190
5G435
【Fターム(参考)】
2H092GA37
2H092GA39
2H092GA48
2H092HA13
2H092NA11
2H092NA25
2H092PA01
2H092QA06
2H189AA17
2H189GA43
2H189HA02
2H189HA10
2H189JA14
2H189LA01
2H189LA03
2H189LA07
2H190JA05
2H190JA11
2H190JC11
2H190KA04
2H190LA01
5G435AA14
5G435BB12
5G435EE12
5G435FF05
5G435FF13
5G435HH20
(57)【要約】
【課題】信頼性の低下を抑制できる表示装置を提供する。
【解決手段】第1基板と、第2基板と、光学素子と、前記第2基板に前記光学素子を接着する導電接着層と、接続部材と、を備え、前記第1基板は、前記第2基板が重畳する第1領域と、電極を備えた第2領域と、を備え、前記第2基板は、前記第1基板に向かって窪んだ凹部と、前記第1領域と前記第2領域との境界に位置する基板端部と、を備え、前記導電接着層は、前記凹部に重畳する端部を備え、前記接続部材は、前記凹部に配置されて前記導電接着層に接し、前記基板端部及び前記電極に接している、表示装置。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
第2基板と、
光学素子と、
前記第2基板に前記光学素子を接着する導電接着層と、
接続部材と、を備え、
前記第1基板は、前記第2基板が重畳する第1領域と、電極を備えた第2領域と、を備え、
前記第2基板は、前記第1基板に向かって窪んだ凹部と、前記第1領域と前記第2領域との境界に位置する基板端部と、を備え、
前記導電接着層は、前記凹部に重畳する端部を備え、
前記接続部材は、前記凹部に配置されて前記導電接着層に接し、前記基板端部及び前記電極に接している、表示装置。
【請求項2】
前記第2基板は、絶縁基板を備え、
前記絶縁基板は、前記第1基板と対向する内面と、前記内面とは反対側の外面と、を備え、
前記導電接着層は、前記外面に接し、
前記凹部は、前記外面から前記内面に向かう方向に窪んでいる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記凹部は、前記内面まで貫通していない、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2基板は、さらに、遮光層を備え、
前記遮光層は、前記内面側に形成され、
前記凹部は、前記遮光層に重畳している、請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
画像を表示する表示部を備え、
前記第1領域は、前記表示部を含み、
前記凹部は、平面視で、前記表示部と前記基板端部との間に位置している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記基板端部は、平面視で、前記凹部と前記電極との間において第1方向に沿って直線状に形成されている、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記凹部は、前記第1方向に沿って延出している、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記凹部は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延出している、請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記凹部は、前記第1方向に沿って延出した第1部分と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延出した第2部分と、を備え、
前記第1部分及び前記第2部分は、繋がっている、請求項6に記載の表示装置。
【請求項10】
前記凹部は、円形である、請求項6に記載の表示装置。
【請求項11】
前記凹部は、第1エッジと、第2エッジと、を有し、
平面視で、前記第1エッジは前記表示部と前記導電接着層の前記端部との間に位置し、前記第2エッジは前記導電接着層の前記端部と前記基板端部との間に位置している、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、横電界方式の液晶表示装置において、静電気対策等のために、一方の基板の表面に設けられた透明導電膜と、他方の基板に設けられた接地電位の電極や回路基板とが、接続部材によって電気的に接続される技術が知られている。透明導電膜の上には、偏光板が設けられている。偏光板が膨張した際には、偏光板と接続部材とが接触し、接続部材と透明導電膜とが接触する面積の低下を招くおそれがある。特に、狭額縁化の要望に伴い、偏光板と接続部材とが接近して配置される傾向にあり、偏光板のわずかな膨張であっても、その影響を受けやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-109562号公報
【特許文献2】特開2010-117458号公報
【特許文献3】特開2010-181747号公報
【特許文献4】特開2011-170200号公報
【特許文献5】特開2012-93468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、信頼性の低下を抑制できる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
第1基板と、第2基板と、光学素子と、前記第2基板に前記光学素子を接着する導電接着層と、接続部材と、を備え、前記第1基板は、前記第2基板が重畳する第1領域と、電極を備えた第2領域と、を備え、前記第2基板は、前記第1基板に向かって窪んだ凹部と、前記第1領域と前記第2領域との境界に位置する基板端部と、を備え、前記導電接着層は、前記凹部に重畳する端部を備え、前記接続部材は、前記凹部に配置されて前記導電接着層に接し、前記基板端部及び前記電極に接している、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、表示装置DSPの外観を示す平面図である。
図2図2は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。
図3図3は、図2に示した画素PXを含む表示装置DSPの断面図である。
図4図4は、図1に示したA-Bに沿った表示パネルPNLの断面図である。
図5図5は、図1に示したA-Bに沿った表示パネルPNLの他の断面図である。
図6図6は、凹部CCの第1構成例を示す平面図である。
図7図7は、凹部CCの第2構成例を示す平面図である。
図8図8は、図7に示した第2構成例に適用可能な接続部材CNの他の形状を示す図である。
図9図9は、凹部CCの第3構成例を示す平面図である。
図10図10は、凹部CCの第4構成例を示す平面図である。
図11図11は、凹部CCの第5構成例を示す平面図である。
図12図12は、凹部CCの第6構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、表示装置DSPの外観を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。例えば、第1方向Xは表示装置DSPの短辺方向に相当し、第2方向Yは表示装置DSPの長辺方向に相当する。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0009】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、フレキシブルプリント回路基板1と、ICチップ2と、回路基板3と、を備えている。
【0010】
表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、後述する液晶層LCと、を備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAとを備えている。第1基板SUB1は、第2方向Yに並んだ第1領域A1及び第2領域A2を備えている。第2基板SUB2は、第1領域A1と第2領域A2との境界に位置する基板端部SUBEを備え、第1領域A1において第1基板SUB1に重畳し、第2領域A2には重畳していない。基板端部SUBEは、第1方向Xに沿って延出している。表示部DAは、第1領域A1に含まれる。
表示部DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。ここでの画素PXとは、画素信号に応じて個別に制御することができる最小単位を示し、副画素と称する場合がある。画素PXは、例えば、赤色を表示する赤画素、緑色を表示する緑画素、青色を表示する青画素、または、白色を表示する白画素のいずれかである。
【0011】
フレキシブルプリント回路基板1は、第2領域A2に実装され、回路基板3と電気的に接続されている。ICチップ2は、フレキシブルプリント回路基板1に実装されている。なお、ICチップ2は、第2領域A2に実装されてもよい。ICチップ2は、ディスプレイドライバDDを内蔵している。ディスプレイドライバDDは、画像を表示する画像表示モードにおいて画像表示に必要な信号を出力する。図1に示した例では、ICチップ2は、タッチコントローラTCを内蔵している。タッチコントローラTCは、表示装置DSPへの物体の接近又は接触を検出するタッチセンシングモードを制御する。
【0012】
第1基板SUB1は、第2領域A2において、電極ELを備えている。電極ELは、例えば、フレキシブルプリント回路基板1を介して接地されているが、所定の固定電位に設定されていてもよい。図1に示した例では、電極ELは、フレキシブルプリント回路基板1を挟んだ2か所に設けられているが、1か所のみに設けられてもよいし、3か所以上に設けられてもよい。
第2基板SUB2は、非表示部NDAにおいて、後に詳述する凹部CCを備えている。凹部CCは、表示部DAと基板端部SUBEとの間に位置している。光学素子OD2は、表示部DAに重畳し、非表示部NDAに延出している。光学素子OD2は、表示部DAと基板端部SUBEとの間に位置する端部ODEを備えている。端部ODEは、第1方向Xに沿った直線状に形成され、凹部CCに重畳している。なお、光学素子OD2は、平面視において、凹部CCの全体に重畳しないことが望ましい。すなわち、光学素子OD2の端部ODEは、第2方向Yに沿って、凹部CCと基板端部SUBEとの間に位置していることが望ましい。
【0013】
接続部材CNは、非表示部NDAに位置し、凹部CCにおいて光学素子OD2に重畳し、基板端部SUBEを介して、電極ELにも重畳している。接続部材CNは、例えば、導電性を有する樹脂材料によって形成されている。
【0014】
第2基板SUB2の基板端部SUBEは、平面視において、凹部CCと電極ELとの間において第1方向Xに沿った直線状に形成されており、また、2か所に設けられた接続部材CNの間においても第1方向Xに沿った直線状に形成されている。つまり、第2基板SUB2の基板端部SUBEは、第2方向Yに窪んだ凹部、及び、第2方向Yに突出した凸部のいずれも有していない。また、第2基板SUB2は、第3方向Zに貫通した貫通孔も有していない。
【0015】
図2は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。複数本の走査線Gは、第1方向Xに沿って延出し、走査線駆動回路GDと電気的に接続されている。複数本の信号線Sは、第2方向Yに沿って延出し、信号線駆動回路SDと電気的に接続されている。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。例えば、信号線Sは、その一部が屈曲していたとしても、第2方向Yに延出しているものとする。
【0016】
共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置されている。共通電極CEは、電圧供給部CD及び図1に示したタッチコントローラTCと電気的に接続されている。画像表示モードにおいては、電圧供給部CDは、コモン電圧(Vcom)を共通電極CEに供給する。タッチセンシングモードにおいては、タッチコントローラTCは、コモン電圧とは異なるタッチ駆動電圧を共通電極CEに供給し、共通電極CEからタッチ信号を読み取る。このような共通電極CEは、表示部DAにおいて、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置され、各々検出電極Rxとして機能する。
【0017】
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0018】
図3は、図2に示した画素PXを含む表示装置DSPの断面図である。ここでは、横電界方式を適用した例について説明する。なお、本明細書において、第1基板SUB1から第2基板SUB2に向かう方向を「上側」(あるいは、単に上)と称し、第2基板SUB2から第1基板SUB1に向かう方向を「下側」(あるいは、単に下)と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。
【0019】
第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁膜11乃至14、信号線S、金属配線M、共通電極CE、画素電極PE、配向膜AL1などを備えている。第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタ層CF、オーバーコート層OC、配向膜AL2などを備えている。絶縁基板10及び20は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの透明基板である。
【0020】
第1基板SUB1において、信号線Sは、絶縁膜11の上に位置し、絶縁膜12によって覆われている。金属配線Mは、絶縁膜12の上に位置し、絶縁膜13によって覆われている。共通電極CEは、絶縁膜13の上に位置し、絶縁膜14によって覆われている。画素電極PEは、絶縁膜14の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。なお、絶縁基板10と絶縁膜11との間には、他の無機絶縁膜、図2に示したスイッチング素子SWの半導体層及び走査線Gなどが配置されている。金属配線Mは、信号線Sの直上に位置し、共通電極CEと電気的に接続されている。また、金属配線Mは、図2を参照して説明した画像表示モードにおいて、電圧供給部CDと共通電極CEとを電気的に接続する導電経路を形成し、タッチセンシングモードにおいて、タッチコントローラTCと共通電極CEとを電気的に接続する導電経路を形成する。
【0021】
絶縁膜11及び14は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などによって形成された無機絶縁膜である。絶縁膜12及び13は、例えば、アクリル樹脂などによって形成された有機絶縁膜である。なお、絶縁膜13は、無機絶縁膜であってもよい。また、絶縁膜13を省略し、金属配線Mと共通電極CEとが接していてもよい。画素電極PE及び共通電極CEは、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。
【0022】
第2基板SUB2において、絶縁基板20は、第1基板SUB1と対向する内面20Aと、内面20Aとは反対側の外面20Bと、を備えている。遮光層BM及びカラーフィルタ層CFは、絶縁基板20の内面20Aに位置している。カラーフィルタ層CFは、赤色のカラーフィルタCFR、緑色のカラーフィルタCFG、及び、青色のカラーフィルタCFBを含んでいる。オーバーコート層OCは、カラーフィルタ層CFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な有機絶縁膜である。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。
【0023】
液晶層LCは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。
【0024】
偏光板PL1を含む光学素子OD1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、導電接着層ADにより絶縁基板20の外面20Bに接着されている。導電接着層ADは、導電性粒子を含むなどして導電性を有する接着層であり、ほぼ透明である。なお、光学素子OD1及びOD2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。照明装置ILは、表示パネルPNLに向けて照明光を照射する。
【0025】
図4は、図1に示したA-Bに沿った表示パネルPNLの断面図である。なお、ここでは、説明に必要な構成のみを図示しており、第1基板SUB1は簡略化して示し、また、光学素子OD1及び照明装置ILの図示を省略している。
【0026】
第2基板SUB2は、第1基板SUB1と光学素子OD2との間に位置している。第2基板SUB2は、第1基板SUB1に向かって窪んだ凹部CCを備えている。より具体的には、第2基板SUB2において、凹部CCは、絶縁基板20に形成されており、絶縁基板20の外面20Bから内面20Aに向かう方向に窪んでいる。なお、凹部CCは、内面20Aまでは貫通していない。このような凹部CCは、第2方向Yに沿って、表示部DAと基板端部SUBEとの間に位置している。一例では、凹部CCの第3方向Zに沿った深さDPは、50μm~100μmである。
【0027】
光学素子OD2は、表示部DA及び非表示部NDAに亘って設けられている。光学素子OD2を接着する導電接着層ADは、絶縁基板20の外面20Bに接している。光学素子OD2の端部ODE、及び、導電接着層ADの端部ADEは、いずれも凹部CCに重畳している。
【0028】
接続部材CNは、第2基板SUB2においては、凹部CCに配置され、凹部CCに重畳する導電接着層ADに接している。つまり、凹部CCに重畳する領域においては、導電接着層ADは、第3方向Zに沿って、接続部材CNと光学素子OD2との間に位置している。接続部材CNは、第1基板SUB1の第2領域A2においては、電極ELに接している。接続部材CNは、第2基板SUB2の基板端部SUBEに接しており、導電接着層ADと電極ELとの間において連続的に設けられている。これにより、導電接着層ADと電極ELとが接続部材CNを介して電気的に接続される。
【0029】
第2基板SUB2において、遮光層LSは、絶縁基板20の内面20Aに設けられ、非表示部NDAに位置している。遮光層LSは、表示部DAを囲むように配置されている。表示部DAと非表示部NDAとの境界は、遮光層LSの内周部LSIによって規定される。このような遮光層LSは、図3に示した遮光層BMと一体的に形成されている。凹部CCは、遮光層LSに重畳しているが、遮光層LSまでは貫通していない。
シールSEは、非表示部NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着するとともに、液晶層LCを封止している。シールSEは、遮光層LSと重畳する位置に設けられている。
【0030】
ここで、凹部CCの形成方法、及び、接続部材CNによる導電接着層ADと電極ELとの接続方法の一例について、簡単に説明する。
絶縁基板20の外面20B側からレーザー光を照射し、絶縁基板20の内部にレーザー光を集光させる。このときの光源としては、レーザー光の集光部分の周辺が熱的にも化学的にもほとんど損傷を受けない点で、フェムト秒のパルス幅を有するレーザー光を出射するフェムト秒レーザーが好適である。このようなレーザー光が照射されることにより、絶縁基板20の内部が改質される。
次いで、絶縁基板20の外面20Bの側をエッチング等で除去することで、絶縁基板20を薄板化する。絶縁基板20は、例えばガラス基板であり、フッ化水素酸(HF)水溶液などのエッチング液により溶解し、薄板化される。また、改質部分は、上記のエッチング液により、ガラスよりも溶解されやすい。このため、絶縁基板20の厚さの減少に伴って、改質部分がエッチング液に晒されると、外面20Bよりも窪んだ凹部CCが形成される。
その後、光学素子OD2が導電接着層ADにより絶縁基板20の外面20Bに接着される。このとき、光学素子OD2及び導電接着層ADが凹部CCを塞がないように、光学素子OD2は配置される。
その後、導電性を有する樹脂材料が凹部CCに充填されるとともに、電極ELまで連続的に塗布され、この樹脂材料を硬化させる。これにより、導電接着層ADと電極ELとが接続部材CNによって電気的に接続される。
【0031】
図5は、図1に示したA-Bに沿った表示パネルPNLの他の断面図である。ここでは、図4に示した光学素子OD2及び導電接着層ADが第2方向Yに沿って膨張した状態を示している。
【0032】
図5において矢印YA及びYBで示したように、光学素子OD2及び導電接着層ADが第2方向Yに沿って膨張した際、特に、凹部CCに重畳する側では、膨張した分に応じて導電接着層ADが凹部CCに重畳する面積が拡大する。また、光学素子OD2及び導電接着層ADが膨張した際であっても、凹部CCに配置された接続部材CNはほとんど移動しない。このため、凹部CCにおける導電接着層ADと接続部材CNとの接触面積の低減を抑制することができる。導電接着層ADが光学素子OD2とともに矢印YAで示す方向に膨張した際には、導電接着層ADと接続部材CNとの接触面積が増大する。これにより、導電接着層ADと接続部材CNとの接触面積の低減に伴う接続不良を抑制することができる。したがって、信頼性の低下を抑制することができる。
【0033】
また、導電接着層ADから接続部材CNを介して接地電位の電極ELまでの放電経路を形成することができ、第2基板SUB2の帯電を抑制することができる。これにより、帯電に起因した表示品位の低下を抑止することができる。
【0034】
さらに、第2基板SUB2の帯電を抑制するために、絶縁基板20の外面20Bに透明導電膜を設ける場合と比較して、透明導電膜の形成コストを削減することができる。
【0035】
次に、凹部CCのいくつかの構成例について、X-Y平面に沿った平面図を参照しながら説明する。なお、各構成例において、光学素子OD2の端部ODE、及び、導電接着層ADの端部ADEは、平面視で一致しているものとする。
【0036】
≪凹部の第1構成例≫
図6は、凹部CCの第1構成例を示す平面図である。平面視で、凹部CCは、第2方向Yに沿って、表示部DAと基板端部SUBEとの間に位置している。基板端部SUBEは、凹部CCと電極ELとの間において第1方向Xに沿って直線状に形成されている。
【0037】
図6に示す第1構成例では、凹部CCは、第1方向Xに沿って延出している。例えば、凹部CCは、第1方向Xに延びた長方形状に形成されているが、第1方向Xに延びた長円形状あるいは楕円形状に形成されていてもよい。
凹部CCは、表示部DA側に位置する第1エッジE1と、基板端部SUBE側に位置する第2エッジE2と、を有している。第1エッジE1は、第2方向Yに沿って、表示部DAと導電接着層ADの端部ADEとの間に位置している。また、第2エッジE2は、第2方向Yに沿って、導電接着層ADの端部ADEと基板端部SUBEとの間に位置している。つまり、第1エッジE1は、凹部CCの全周に亘るエッジのうち、光学素子OD2及び導電接着層ADに重畳する部分に相当する。また、第2エッジE2は、凹部CCの全周に亘るエッジのうち、光学素子OD2及び導電接着層ADに重畳しない部分に相当する。
接続部材CNは、凹部CCにおいて第1方向Xに沿って延出し、平面視で導電接着層ADに重畳している。また、接続部材CNは、凹部CCと基板端部SUBEとの間において第2方向Yに沿って延出している。このような第1構成例によれば、上記の効果が得られる。
【0038】
≪凹部の第2構成例≫
図7は、凹部CCの第2構成例を示す平面図である。
図7に示す第2構成例では、凹部CCは、部分CC1及び部分CC2を備えている。部分CC1は、図6に示した第1構成例の凹部CCと同様に、第1方向Xに沿って延出している。部分CC2は、部分CC1と基板端部SUBEとの間に位置し、第2方向Yに沿って延出している。これらの部分CC1及び部分CC2は、互いに繋がっている。なお、部分CC2は、基板端部SUBEまで達していてもよいし、基板端部SUBEまで達していなくてもよい。
部分CC1は、光学素子OD2及び導電接着層ADに重畳する第1エッジE1と、光学素子OD2及び導電接着層ADに重畳しない第2エッジE2と、を有している。部分CC2の全周に亘るエッジは、光学素子OD2及び導電接着層ADに重畳していない。
接続部材CNは、部分CC1及び部分CC2にそれぞれ配置されている。接続部材CNは、部分CC1において第1方向Xに沿って延出し、導電接着層ADに重畳している。また、接続部材CNは、部分CC2において第2方向Yに沿って延出している。このような第2構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。また、たとえ光学素子OD2及び導電接着層ADが部分CC1を塞ぐように膨張したとしても、部分CC2に配置された接続部材CNによって、導電接着層ADと電極ELとの接続不良を抑制することができる。
上記の第2構成例において、部分CC1は第1部分に相当し、部分CC2は第2部分に相当する。
【0039】
図8は、図7に示した第2構成例に適用可能な接続部材CNの他の形状を示す図である。図8に示す変形例では、接続部材CNは、部分CC1及び部分CC2において第2方向Yに沿って延出している。接続部材CNのうち、部分CC1に配置された接続部材CNは、導電接着層ADに重畳している。このような変形例においても、図7を参照して説明した第2構成例と同様の効果が得られる。
【0040】
≪凹部の第3構成例≫
図9は、凹部CCの第3構成例を示す平面図である。
図9に示す第3構成例は、図6に示した第1構成例と比較して、凹部CCが第2方向Yに沿って延出している点で相違している。例えば、凹部CCは、第2方向Yに延びた長方形状に形成されているが、第2方向Yに延びた長円形状あるいは楕円形状に形成されていてもよい。また、ここでは、3個の凹部CCが第1方向Xに沿って間隔を置いて並んでいるが、凹部CCの個数は1個でもよいし、複数個でもよい。
凹部CCの各々は、光学素子OD2及び導電接着層ADに重畳する第1エッジE1と、光学素子OD2及び導電接着層ADに重畳しない第2エッジE2と、を有している。
接続部材CNは、凹部CCの各々において第2方向Yに沿って延出し、導電接着層ADに重畳している。このような第3構成例によれば、上記の効果が得られる。また、たとえ光学素子OD2及び導電接着層ADが第2方向Yに沿って基板端部SUBEに近接する側に膨張したとしても、凹部CCに配置された接続部材CNによって、導電接着層ADと電極ELとの接続不良を抑制することができる。
【0041】
≪凹部の第4構成例≫
図10は、凹部CCの第4構成例を示す平面図である。
図10に示す第4構成例では、凹部CCは、部分CC11、部分CC12、及び、部分CC13を備えている。部分CC11は、図6に示した第1構成例の凹部CCと同様に、第1方向Xに沿って延出している。部分CC12及び部分CC13は、図9に示した第3構成例の凹部CCと同様に、第2方向Yに沿って延出している。部分CC11は、部分CC12と部分CC13との間に位置し、部分CC12及び部分CC13とそれぞれ繋がっている。
接続部材CNは、部分CC11、部分CC12、及び、部分CC13にそれぞれ配置されている。接続部材CNは、部分CC11において第1方向Xに沿って延出している。接続部材CNは、部分CC12及び部分CC13において、第2方向Yに沿って延出している。接続部材CNは、部分CC11、部分CC12、及び、部分CC13において、導電接着層ADに重畳している。このような第4構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。
上記の第4構成例において、部分CC11は第1部分に相当し、部分CC12及び部分CC13は第2部分に相当する。
【0042】
≪凹部の第5構成例≫
図11は、凹部CCの第5構成例を示す平面図である。
図11に示す第5構成例は、図6に示した第1構成例と比較して、凹部CCが円形である点で相違している。接続部材CNは、第2方向Yに沿って延出している。接続部材CNのうち、凹部CCに配置された接続部材CNは、導電接着層ADに重畳している。このような第5構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。
【0043】
≪凹部の第6構成例≫
図12は、凹部CCの第6構成例を示す平面図である。
図12に示す第6構成例では、凹部CCは、部分CC21及び部分CC22を備えている。部分CC21は、図6に示した第1構成例の凹部CCと同様に、第1方向Xに沿って延出している。部分CC22は、半円形状に形成されている。これらの部分CC21及び部分CC22は、互いに繋がっている。接続部材CNは、第2方向Yに沿って延出している。接続部材CNのうち、部分CC21に配置された接続部材CNは、導電接着層ADに重畳している。このような第6構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0045】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0046】
本明細書にて開示した構成から得られる表示装置の一例を以下に付記する。
(1)
第1基板と、
第2基板と、
光学素子と、
前記第2基板に前記光学素子を接着する導電接着層と、
接続部材と、を備え、
前記第1基板は、前記第2基板が重畳する第1領域と、電極を備えた第2領域と、を備え、
前記第2基板は、前記第1基板に向かって窪んだ凹部と、前記第1領域と前記第2領域との境界に位置する基板端部と、を備え、
前記導電接着層は、前記凹部に重畳する端部を備え、
前記接続部材は、前記凹部に配置されて前記導電接着層に接し、前記基板端部及び前記電極に接している、表示装置。
(2)
前記第2基板は、絶縁基板を備え、
前記絶縁基板は、前記第1基板と対向する内面と、前記内面とは反対側の外面と、を備え、
前記導電接着層は、前記外面に接し、
前記凹部は、前記外面から前記内面に向かう方向に窪んでいる、(1)に記載の表示装置。
(3)
前記凹部は、前記内面まで貫通していない、(2)に記載の表示装置。
(4)
前記第2基板は、さらに、遮光層を備え、
前記遮光層は、前記内面側に形成され、
前記凹部は、前記遮光層に重畳している、(2)に記載の表示装置。
(5)
画像を表示する表示部を備え、
前記第1領域は、前記表示部を含み、
前記凹部は、平面視で、前記表示部と前記基板端部との間に位置している、(1)に記載の表示装置。
(6)
前記基板端部は、平面視で、前記凹部と前記電極との間において第1方向に沿って直線状に形成されている、(5)に記載の表示装置。
(7)
前記凹部は、前記第1方向に沿って延出している、(6)に記載の表示装置。
(8)
前記凹部は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延出している、(6)に記載の表示装置。
(9)
前記凹部は、前記第1方向に沿って延出した第1部分と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延出した第2部分と、を備え、
前記第1部分及び前記第2部分は、繋がっている、(6)に記載の表示装置。
(10)
前記凹部は、円形である、(6)に記載の表示装置。
(11)
前記凹部は、第1エッジと、第2エッジと、を有し、
平面視で、前記第1エッジは前記表示部と前記導電接着層の前記端部との間に位置し、前記第2エッジは前記導電接着層の前記端部と前記基板端部との間に位置している、(7)乃至(10)のいずれか1項に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0047】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル DA…表示部 NDA…非表示部
SUB1…第1基板 A1…第1領域 A2…第2領域 EL…電極
SUB2…第2基板 SUBE…基板端部
CC…凹部 E1…第1エッジ E2…第2エッジ
OD2…光学素子 ODE…端部
AD…導電接着層 ADE…端部
CN…接続部材
20…絶縁基板 20A…内面 20B…外面
LS…遮光層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12