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特開2022-36349OLED照明モジュール、OLED照明装置および照明撮像システム
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  • 特開-OLED照明モジュール、OLED照明装置および照明撮像システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036349
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】OLED照明モジュール、OLED照明装置および照明撮像システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20220301BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220301BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20220301BHJP
   G03B 15/03 20210101ALI20220301BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20220301BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20220301BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20220301BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220301BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220301BHJP
【FI】
H05B33/14 A
H04N5/225 600
G03B15/02 G
G03B15/02 L
G03B15/03 W
G03B15/05
G03B15/02 S
F21V7/28 240
G02B5/08 A
H05B33/02
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2018201449
(22)【出願日】2018-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】戸川 拓三
【テーマコード(参考)】
2H042
2H053
3K107
5C122
【Fターム(参考)】
2H042DA02
2H042DA03
2H042DA04
2H042DA05
2H042DA11
2H042DA12
2H042DA17
2H042DB01
2H042DB02
2H042DC02
2H042DD04
2H042DE04
2H053CA15
3K107AA01
3K107BB02
3K107CC43
3K107EE30
3K107FF12
3K107FF15
5C122DA35
5C122EA12
5C122FB13
5C122GE11
5C122GG11
5C122GG13
(57)【要約】
【課題】本発明は、より小型化でき、影のでき難いOLED照明モジュール、OLED照明装置および照明撮像システムを提供する。
【解決手段】本発明のOLED照明モジュールMLは、第1面SFaと、第1面SFaと所定の角度で交差する第2面SFbとを含む柱状部材1と、第1面SFa上に形成されたOLED発光部2と、第2面SFb上に形成され、OLED発光部2から放射される一部の光を反射し、残部の光を透過する半透鏡3とを備え、柱状部材1は、OLED発光部2から放射される光の波長に対し透明な材料で形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面と所定の角度で交差する第2面とを含む柱状部材と、
前記第1面上に形成されたOLED発光部と、
前記第2面上に形成され、前記OLED発光部から放射される一部の光を反射し、残部の光を透過する半透鏡とを備え、
前記柱状部材は、前記OLED発光部から放射される光の波長に対し透明な材料で形成されている、
OLED照明モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の複数のOLED照明モジュールを備え、
前記複数のOLED照明モジュールは、各OLED発光部で発光された各光を同一方向に揃えて射出するように配置されている、
OLED照明装置。
【請求項3】
前記複数のOLED照明モジュールは、当該OLED照明装置の光放射面に近いほど前記OLED発光部の光放射効率が小さくなるように配置されている、
請求項2に記載のOLED照明装置。
【請求項4】
請求項1に記載のOLED照明モジュール、または、請求項2もしくは請求項3に記載のOLED照明装置と、
前記半透鏡の反射方向に光軸方向を揃えるように配置され、前記半透鏡および前記柱状部材を介して被写体を撮像する撮像部とを備える、
照明撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OLEDを利用したOLED照明モジュール、前記OLED照明モジュールを複数備えたOLED照明装置、および、前記OLED照明モジュールまたは前記OLED照明装置を備える照明撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
肉眼で対象物を見るヒューマンビジョンや、複数の光電変換素子を1次元や2次元でアレイ状に配置したイメージセンサで対象物を見る(撮像する)マンビジョンでは、前記対象物を適切に見るために、通常、照明装置によって前記対象物が照明される。この際に、肉眼の視線やカメラの光軸に対し同軸で照明光を対象物に照射したい場合がある。
【0003】
このような場合に利用される照明装置として、非特許文献1に開示されたシーシーエス株式会社製のLFV3シリーズと呼ばれる一群(複数種類)の照明装置がある。この非特許文献1に開示されたLFV3シリーズの照明装置1000は、図4に示すように、ビームスプリッタ1001と、拡散板1002と、複数の発光ダイオード(LED)1003と、反射防止材1006と、反射フィルム1007と、これら反射防止材1006、ビームスプリッタ1001、拡散板1002、反射フィルム1007および複数のLED1003をこの順の配置で収容する直方体状の筐体1004とを備える。複数のLED1003は、筐体1004の一方側における内側壁面上に並置するように配置される。拡散板1002は、これら複数のLED1003で形成される光放射面の第1法線と当該拡散板の第2法線とが互いに一致するように(互いに平行となるように)、前記光放射面から所定の距離だけ離間して筐体1004内に配置される。反射フィルム1007は、前記複数のLED1003と拡散板1002との間に空間を囲周するように、筐体1004の上下左右の各面壁上に貼り付けられている。ビームスプリッタ1001は、2等辺3角柱状の本体部材1001aと、この本体部材1001aの斜面上に設けられたハーフミラ1001bとを備える。反射防止材1006は、ビームスプリッタ1001と筐体1004の他方側における内側壁面との間に配置されている。筐体1004の他方側には、その互いに対向する上面壁および下面壁それぞれに、第1および第2貫通開口1005a、1005bが形成されており、ビームスプリッタ1001は、この場所に、ハーフミラ1001bの設けられていない各他面を、筐体1004の他方側における側壁内面および上面壁内面それぞれに当接し、第1貫通開口1005aから本体部材1001aが外部から見えると共に、第2貫通開口1005bからハーフミラ1001bが外部から見えように、配設される。筐体1004の上面壁に寄った、ハーフミラ1001bの一方端と拡散板1002の一方端とは、交差することなく、所定の距離SLだけ離間して配置されている。このような構成のLFV3シリーズの照明装置1000は、マシンビジョンでは、対象物のワークWKとカメラCAとの間に配置され、カメラCAは、ビームスプリッタ1001を介してワークWKを見て撮像することができる。この際に、複数のLED1003で放射された光は、反射フィルム1007と拡散板1002で拡散され、略均一な照明光となってハーフミラ1001bに入射する。この略均一な照明光は、その一部がハーフミラ1001bによってカメラCAの光軸方向に沿ってワークWKに向かって反射され、残部がそのまま通過する。これによってカメラCAの光軸に対し同軸で照明光が対象物のワークWKに照射される。なお、ヒューマンビジョンでは、肉眼がカメラCAに代わる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「LFV3シリーズ」、シーシーエス株式会社、[平成30年9月3日検索]、インターネット(URL;https://www.ccs-inc.co.jp/products/series/150
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数のLED1003からの光をビームスプリッタ1001を介して照射してしまうと、均一な光量でワークWKを照明できない。このため、前記照明装置1000は、反射フィルム1007と拡散板1002を備えているが、略均一な光量でワークWKを照明するためには、複数のLED1003と拡散板1002との間に、適当な距離を設ける必要がある。このため、前記照明装置1000の構成では、さらに小型化することが難しい。
【0006】
また、前記照明装置1000は、上述の距離SLだけ離間した部分がワークWKに影となって写り込んでしまう場合があった。特に、ワークWKが金属材料で作られた部材である場合には、その表面が鏡面である場合が多く、前記表面に写り込んだ前記距離SLの部分が、目立ってしまう。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、より小型化でき、前記影のでき難いOLED照明モジュール、OLED照明装置および照明撮像システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかるOLED照明モジュールは、第1面と、前記第1面と所定の角度で交差する第2面とを含む柱状部材と、前記第1面上に形成されたOLED発光部と、前記第2面上に形成され、前記OLED発光部から放射される一部の光を反射し、残部の光を透過する半透鏡とを備え、前記柱状部材は、前記OLED発光部から放射される光の波長に対し透明な材料で形成されている。好ましくは、上述のOLED照明モジュールにおいて、前記柱状部材は、前記所定の角度が45度である3角柱形状である。
【0009】
このようなOLED照明モジュールは、柱状部材の第1面上に、面発光可能なOLED発光部が形成されているので、上記OLED照明モジュールでは、反射フィルムと拡散板とが省略できる。このため、拡散板に起因する上述の事象が生じないので、上記OLED照明モジュールは、より小型化でき、前記影ができ難い。
【0010】
発明の他の一態様にかかるOLED照明装置は、複数の上述のOLED照明モジュールを備え、前記複数のOLED照明モジュールは、各OLED発光部で発光された各光を同一方向に揃えて射出するように配置されている。好ましくは、上述のOLED照明モジュールにおいて、前記柱状部材は、前記所定の角度が45度である4角柱形状である。好ましくは、上述のOLED照明装置において、前記複数のOLED照明モジュールは、各半透鏡の反射方向が揃うように各柱状部材が一列に順次に連結されることで、各OLED発光部で発光された各光を同一方向に揃えて射出するように配置される。好ましくは、上述のOLED照明装置において、OLED照明装置から放射される光の強度を増加する観点から、前記複数のOLED照明モジュールにおける各OLED発光部は、互いに同色の光を放射する。好ましくは、上述のOLED照明装置において、OLED照明装置から所望の色の光を放射させる観点から、前記複数のOLED照明モジュールにおける各OLED発光部は、互いに異なる色の光を放射する。
【0011】
これによれば、複数のOLED照明モジュールを備えたOLED照明装置が提供できる。上記OLED照明装置は、複数のOLED照明モジュールを備えるので、上記OLED照明装置では、反射フィルムと拡散板とが省略できる。このため、拡散板に起因する上述の事象が生じないので、上記OLED照明装置は、前記影ができ難い。上記OLED照明装置は、複数のOLED照明モジュールを備えるので、その照明光の光量を増加させたり、複数色の照明光を照射できたり、合成色の照明光を照射できたり等できる。
【0012】
他の一態様では、上述のOLED照明装置において、前記複数のOLED照明モジュールは、当該OLED照明装置の光放射面に近いほど前記OLED発光部の光放射効率が小さくなるように配置されている。言い換えれば、前記複数のOLED照明モジュールは、当該OLED照明装置の光放射面から遠いほど前記OLED発光部の光放射効率が大きくなるように配置されている。好ましくは、上述のOLED照明装置において、前記複数のOLED照明モジュールは、3個の第1ないし第3OLED照明モジュールであり、前記第1OLED照明モジュールの第1OLED発光部は、緑色の光を放射し、前記第2OLED照明モジュールの第2OLED発光部は、赤色の光を放射し、前記第3OLED照明モジュールの第3OLED発光部は、青色の光を放射し、前記第1ないし第3OLED照明モジュールは、当該OLED照明装置の光放射面から、第3OLED照明モジュール、第2OLED照明モジュールおよび第1OLED照明モジュールの順に配置されている。
【0013】
当該OLED照明装置の光放射面から遠い位置に配置されるOLED照明モジュールから放射された光ほど、より多くの半透鏡を透過しなければならない。上記OLED照明装置は、各OLED照明モジュールが当該OLED照明装置の光放射面に近いほど前記OLED発光部の光放射効率が小さくなるように、言い換えれば、各OLED照明モジュールが当該OLED照明装置の光放射面から遠いほど前記OLED発光部の光放射効率が大きくなるように配置されている。このため、上記OLED照明装置は、当該OLED照明装置の光放射面から遠い位置に配置されるOLED照明モジュールから放射された光も、より大きな光量で照射可能となる。
【0014】
発明の他の一態様にかかる照明撮像システムは、上述のOLED照明モジュール、または、これら上述のいずれかのOLED照明装置と、前記半透鏡の反射方向に光軸方向を揃えるように配置され、前記半透鏡および前記柱状部材を介して被写体を撮像する撮像部とを備える。
【0015】
これによれば、上述のOLED照明モジュール、または、これら上述のいずれかのOLED照明装置を備えた照明撮像システムが提供できる。上記照明撮像システムは、上述のOLED照明モジュール、または、これら上述のいずれかのOLED照明装置を備えるので、より小型化でき、前記影のないワークの画像を生成できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかるOLED照明モジュールは、より小型化でき、前記影ができ難い。本発明によれば、前記OLED照明モジュールを複数備えたOLED照明装置、および、前記OLED照明モジュールまたは前記OLED照明装置を備える照明撮像システムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態における照明撮像システムを説明するための図である。
図2】前記照明撮像システムに用いられるOLED照明モジュールおよび補助部材を説明するための図である。
図3】第2実施形態におけるOLED照明装置の構成を説明するための図である。
図4】従来技術として、シーシーエス株式会社製のLFV3-100の概略構成を示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における照明撮像システムを説明するための図である。図1Aは、照明撮像システムの構成を示す一部断面図であり、図1Bは、OLED照明装置の断面斜視図である。図1Aでは、OLED照明装置が断面図となっている。図2は、前記照明撮像システムに用いられるOLED照明モジュールおよび補助部材を説明するための図である。図2Aは、OLED照明モジュールおよび補助部材それぞれの各全体斜視図であり、図2Bは、OLEDの構成を示す断面図である。なお、図2Aでは、OLED照明モジュールと補助部材とが分離された状態で図示され、OLED照明モジュールが実線で図示され、補助部材が2点鎖線で図示されている。
【0019】
第1実施形態における照明撮像システムは、撮像対象であるワークWKに照明光を照射してワークWKを撮像するシステムであり、例えば、図1Aに示すように、撮像装置CAと、OLED照明装置LPaとを備える。
【0020】
撮像装置CAは、OLED照明装置LPaから照射される照明光で照明されたワークWKをOLED照明装置LPaを介して撮像する装置である。撮像装置CAは、例えば、被写体における光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記被写体における光学像を電気的な信号に変換するエリアイメージセンサ、および、エリアイメージセンサの出力を画像処理することで前記被写体の画像を表すデータである画像データを生成する画像処理回路等を備えるデジタルカメラ等である。撮像装置CAは、ワークWKの画像(ワークWKの画像データ)を、用途に応じた所定の装置(不図示)へ出力する。例えば、ワークWKを検品する検品システムでは、ワークWKの画像に基づいてワークWKの不具合の存否を判定する判定装置へ、撮像装置CAは、ワークWKの画像を出力する。撮像装置CAとOLED照明装置LPaとの配置関係は、後述する。
【0021】
OLED照明装置LPaは、OLED(Organic Light Emitting Diode)を利用した照明装置である。OLED照明装置LPaは、例えば、図1Aおよび図1Bに示すように、柱状部材1、OLED発光部2および半透鏡3を備えたOLED照明モジュールMLと、補助部材4と、駆動部5と、筐体HSと、ケーブルLNとを備える。
【0022】
OLED照明モジュールMLは、OLEDを備え、OLEDで発光された光を所定の方向から放射する装置であり、例えば、上述したように、柱状部材1と、OLED発光部2と、半透鏡3とを備える(図1Aおよび図2A参照)。
【0023】
柱状部材1は、第1面SFaと、第1面SFaと所定の角度θで交差する第2面SFbとを含む柱状の光学素子であり、OLED発光部2から放射される光の波長に対し透明な材料で形成されている。より具体的には、本実施形態では、柱状部材1は、前記所定の角度θが45度である3角柱形状、より詳しくは、さらに第3面SFcおよび両側面(符号を省略)を備えた断面直角2等辺3角形の3角柱形状の部材であり、第1面SFa、第2面SFbおよび第3面SFcの順で連結されている(なお、第3面SFcは、第1面SFaに連結されている)。すなわち、第1面SFaの一方端が第2面SFbの他方端に連結され、第2面SFbの一方端が第3面SFcの他方端に連結され、第3面SFcの一方端が第1面SFaの他方端に連結されている。第1面SFaと第3面SFcとの断面で前記直角2等辺3角形の2辺が形成され、第2面SFbの断面で前記直角2等辺3角形の斜辺が形成される。したがって、第1面SFaと第3面SFcとの成す角が90度であり、第1面SFaと第2面SFbとの成す角θおよび第3面SFcと第2面SFbとの成す角が45度であり、第2面SFbが斜面となる。このような柱状部材1の材料は、例えば、樹脂(ポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート(PMMA)等)やガラス等であるが、防湿性(防水性)の観点からガラスが好ましい。
【0024】
OLED発光部2は、柱状部材1の第1面SFa上に形成され、駆動部5から供給された電力によってOLEDで発光する層状(膜状)の素子である。OLED発光部2は、平面視にて、例えば多角形形状や円形形状等の任意の形状であって良いが、本実施形態では、図2Aに示すように、平面視にて矩形形状である。OLED発光部2は、1対の第1および第2電極間に有機発光層を備え、前記第1および第2電極に電力が供給されると、前記有機発光層における電子と正孔との再結合により発光する。より具体的には、一例では、図2Bに示すように、OLED発光部2は、柱状部材1の第1面SFa上に層状(膜状)で形成された前記第1電極としての透明電極21と、前記透明電極21上に層状(膜状)で形成された有機発光層22と、前記有機発光層22上に層状(膜状)で形成された前記第2電極として金属電極23と、外部から前記透明電極21および前記金属電極23それぞれと通電可能に、これら前記透明電極21、前記有機発光層22および前記金属電極23を前記柱状部材1と協働して封止する封止層24とを備える。有機発光層22は、一例では、正孔注入層(HIL:Hole Injection Layer)/正孔輸送層(HTL:Hole Transfer Layer)/発光層(EML:EMissive Layer)/電子輸送層(ETL:Electron Transfer Layer)/電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)により構成される。有機発光層22として、上記の他に、例えば発光層/電子輸送層により構成されるもの、正孔輸送層/発光層/電子輸送層により構成されるもの、正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層により構成されるもの、正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/バッファー層により構成されるもの、バッファー層/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/バッファー層により構成されるものが挙げられる。なお、光量を増加させるために、前記有機発光層22が多層化されても良い。
【0025】
半透鏡(ハーフミラー)3は、柱状部材1の第2面SFb上に形成され、OLED発光部2から放射される一部の光を反射し、残部の光を透過する層状(膜状)の光学素子である。半透鏡3は、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、クロム(Cr)等の金属薄膜である。半透鏡3は、後述するように機能するので、照明光の光量を増加させる観点からは、反射率が高い方が好ましいが、撮像装置CAは、半透鏡3を介してワークWKを撮像するので、照明と撮像とをバランスさせる観点から、半透鏡3は、OLED発光部2から放射される光の波長に対する透過率および反射率それぞれが50%ずつとなるように膜厚が設計され作成される。
【0026】
このようなOLED照明モジュールMLは、第1面SFa上にOLED発光部2が形成され、第2面SFb上に半透鏡3が形成され、第1面SFaと第2面SFbとの成す角θが45度であるため、OLED発光部2で発光した光は、第1面SFaから柱状部材1に入射され、第2面SFbに到達し、その一部が半透鏡3で第3面SFcに向かって反射されて第3面SFcから放射され、その残部が半透鏡3を透過する。
【0027】
補助部材4は、OLED照明モジュールMLの半透鏡3を保護し、後述のようにOLED照明モジュールMLを筐体HSに収容した場合に、OLED照明モジュールMLと筐体HSとで形成される空間を充填する(満たす、埋める)ための部材である。より具体的には、例えば、補助部材4は、柱状部材1と略同形であって同材料で形成され、本実施形態では、OLED発光部2から放射される光の波長に対し透明な材料で形成された断面直角2等辺3角形の3角柱形状の部材である。このような補助部材4では、補助部材4の斜面(第2面)FSeを半透鏡3に当接することで、柱状部材1と補助部材4とは、半透鏡3を互いの斜面FSb、FSeで挟み込んだ断面矩形形状の角柱形状となる。
【0028】
駆動部5は、ケーブルLNとOLED照明モジュールMLのOLED発光部2それぞれに電気的に接続され、OLED照明モジュールMLのOLED発光部2を駆動して発光させる装置である。駆動部5は、例えば、ケーブルLNで給電された電力を所定の電流値に変換してOLED照明モジュールMLのOLED発光部2に給電することで、OLED照明モジュールMLのOLED発光部2を駆動して発光させる。前記所定の電流値は、所定の光量でOLED発光部2が発光するように予め適宜に設定されて良く、あるいは、ケーブルLNを介して外部から受信した制御信号に応じて設定されて良い。
【0029】
筐体HSは、これらOLED照明モジュールML、補助部材4および駆動部5を収容する部材である。筐体HSは、例えば、略直方体形状の中空な箱部材であり、その一方側には、その互いに対向する上面壁WLaおよび下面壁WLbそれぞれに、適宜な所定の大きさ(面積)で第1および第2貫通開口APa、APbが形成されており、OLED照明モジュールMLおよび補助部材4は、この場所に、配置される。より詳しくは、半透鏡3を挟み込んだ柱状部材1および補助部材4における柱状部材1の第3面SFcが第2貫通開口APcから外部に臨み、柱状部材1の第3面SFcに対向する、補助部材4の第2面SFfが第1貫通開口APaから外部に臨み、そして、柱状部材1の第1面SFaに対向する、補助部材4の第1面SFdが筐体HSの前記一方側における側壁WLcの内壁面に当接するように、OLED照明モジュールMLおよび補助部材4は、筐体HSの前記一方側内に配置され収容される。そして、筐体HSの他方側における側壁WLdに形成された第3貫通開口にケーブルLNが挿通され、側壁WLdの内壁面と、柱状部材1の第1面SFa上に形成されたOLED発光部2(OLED発光部2を介した柱状部材1の第1面SFa)と間に、駆動部5が配置され、筐体HSの前記他方側内に収容される。
【0030】
このような構成のOLED照明装置LPaは、例えば、載置台や搬送ベルト等の支持体CB上に載置されたワークWKを照明するように、支持体CBから所定の第1距離(第1高さ)だけ離間した位置に配置される。そして、このように配置されたOLED照明装置LPaに対し、撮像装置CAは、OLED照明装置LPaのOLED照明モジュールMLにおける半透鏡3の反射方向に、当該撮像装置CAの光軸方向を揃えるように、OLED照明装置LPaから所定の第2距離(第2高さ)だけ離間した位置に配置される。本実施形態では、OLED発光部2で発光された光は、柱状部材1における第1面SFaの第1法線NLaに沿った第1法線方向に伝播し、半透鏡3によって、前記第1法線NLaに直交する、柱状部材1における第3面SFcの第2法線NLbに沿った第2法線方向に反射するので、撮像装置CAは、その光軸AXが前記第2法線NLbと一致するように配置される。なお、OLED照明装置LPaにおける筐体HSの上面壁WLaに、撮像装置CAを装着するための、撮像装置CAを脱着可能なアタッチメントをさらに備え、撮像装置CAは、前記アタッチメントに装着されても良い。
【0031】
このような照明撮像システムSでは、ケーブルLNを介して給電され駆動部5によってOLED照明モジュールMLのOLED発光部2が発光すると、上述のように、OLED発光部2で発光した光は、第1面SFaから柱状部材1に入射され、第1面SFaの第1法線NLaに沿った第1法線方向に柱状部材1内を伝播し、第2面SFbに到達し、その一部が半透鏡3で第3面SFcに向かって反射され、第3面SFcの第2法線NLbに沿った第2法線方向に柱状部材1内を伝播し、第3面SFcから放射され、その残部が半透鏡3を透過する。第3面SFcから放射された光は、照明光となり、この照明光によってワークWKが照明される。一方、上述のように配置された撮像装置CAは、筐体HSの第1貫通開口APa、補助部材4、OLED照明モジュールMLにおける前記半透鏡3および前記柱状部材1、ならびに、筐体HSの第2貫通開口APbを介して被写体のワークWKを捉え、OLED照明装置LPaからの照明光で照明された前記ワークWKを撮像する。すなわち、前記ワークWKの光像は、筐体HSの第2貫通開口APb、柱状部材1、半透鏡3、補助部材4および筐体HSの第1貫通開口APaを介して撮像装置CAに入射され、撮像装置CAによって撮像される。
【0032】
以上説明したように、第1実施形態におけるOLED照明モジュールML、これを備えたOLED照明装置LPa、および、これを備えた照明撮像システムSは、柱状部材1の第1面SFa上に、面発光可能なOLED発光部2が形成されているので、上記OLED照明モジュールMLでは、反射フィルムと拡散板とが省略できる。このため、拡散板に起因する上述の事象が生じないので、上記OLED照明モジュールML、OLED照明装置LPaおよび照明撮像システムSは、より小型化でき、前記影ができ難い。したがって、照明撮像システムSは、前記影のないワークWKの画像を生成できる。
【0033】
また、従来の前記照明装置1000は、ビームスプリッタ1001、拡散板1002および複数のLED1003を筐体1004に組み付ける必要があるが、上記OLED照明装置LPaは、OLED照明モジュールML、すなわち、一体にされた柱状部材1、OLED発光部2および半透鏡3を筐体HSに組み付ければ良いので、部品点数が減るから、組立性が向上し、コストの削減が期待できる。
【0034】
なお、上述のOLED照明装置LPaにおいて、補助部材4は、省略されても良い。この場合では、例えば塵や埃等による半透鏡3の汚損を防止する観点から、第1貫通開口APaにカバーガラスが嵌め込まれて良い。
【0035】
また、上述のOLED照明装置LPaにおいて、駆動部5は、省略されても良い。この場合では、ケーブルLNがOLED発光部2に接続され、所定の光量でOLED発光部2が発光するように適宜に設定された電流値の電力がケーブルLNを介してOLED発光部2に給電される。
【0036】
また、上述のOLED照明装置LPaにおいて、迷光防止の観点から、補助部材4の第1面SFdと筐体HSの前記一方側における側壁WLcの内壁面との間には、例えば黒色塗料等の膜状体、黒色布および黒色紙等の光を吸収する光吸収層が配置されても良い。
【0037】
次に、別の実施形態について説明する。
(第2実施形態)
第1実施形態におけるOLED照明装置LPaは、1個のOLED照明モジュールMLを備えて構成されたが、第2実施形態におけるOLED照明装置は、複数のOLED照明モジュールを備え、各OLED照明モジュールの各OLED発光部で発光された各光を同一方向に揃えて射出する装置である。以下に、OLED照明モジュールが3個の場合について、より具体的に説明するが、3個に限定されるものではなく、2個でも、4個以上でも良い。
【0038】
図3は、第2実施形態におけるOLED照明装置の構成を説明するための図である。図3Aは、前記OLED照明装置の構成を示す断面図であり、図3Bは、前記OLED照明装置に用いられるOLED照明モジュールの構成を示す断面図である。
【0039】
このような第2実施形態におけるOLED照明装置LPbは、例えば、図3Aに示すように、3個の第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBと、2個の第1および第2補助部材4a、4bとを備える。
【0040】
第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBは、OLED発光部2の発光色(発光波長帯域)が異なるだけで、図3Aおよび図3Bに示すように、基本的に同構成であるので、主に第1OLED照明モジュールMLGについて説明し、第2および第3OLED照明モジュールMLR、MLGについては、第2および第3OLED照明モジュールMLR、MLGの構成要素に対応する第1OLED照明モジュールMLGの構成要素の符号に続けて括弧書きでそれらの符号を記載することで、第2および第3OLED照明モジュールMLR、MLGの説明に代える。なお、符号の添え字「G」は、第1OLED照明モジュールMLGにかかる構成要素を表し、符号の添え字「R」は、第2OLED照明モジュールMLRにかかる構成要素を表し、符号の添え字「B」は、第3OLED照明モジュールMLBにかかる構成要素を表す。
【0041】
第1OLED照明モジュールMLG(MLR、MLB)は、OLEDを備え、OLEDで発光された光を所定の方向から放射する装置であり、例えば、図3に示すように、柱状部材1G(1R、1B)と、OLED発光部2G(2R、2B)と、半透鏡3G(3R、3B)とを備える。第2実施形態のOLED照明装置LPbにおける第1OLED照明モジュールMLG(MLR、MLB)のOLED発光部2G(2R、2B)および半透鏡3G(3R、3B)は、それぞれ、OLED発光部2の発光色の点を除き、第1実施形態のOLED照明装置LPaにおけるOLED照明モジュールMLのOLED発光部2および半透鏡3と同様であるので、その説明を省略する。
【0042】
柱状部材1G(1R、1B)は、第1面SFaG(SFaR、SFaB)と、第1面SFaG(SFaR、SFaB)と所定の角度θで交差する第2面SFbG(SFbR、SFbB)とを含む柱状の光学素子であり、各OLED発光部2G、2R、2Bから放射される光の波長に対し透明な材料で形成されている。より具体的には、本実施形態では、柱状部材1G(1R、1B)は、前記所定の角度θが45度である4角柱形状、より詳しくは、さらに第3面SFcG(SFcR、SFcB)、第4面SFdG(SFdR、SFdB)および両側面(符号を省略)を備えた断面平行四辺形の4角柱形状の部材であり、第1面SFaG(SFaR、SFaB)、第2面SFbG(SFbR、SFbB)、第3面SFcG(SFcR、SFcB)および第4面SFdG(SFdR、SFdB)の順で連結されている(なお、第4面SFdG(SFdR、SFdB)は、第1面SFaG(SFaR、SFaB)に連結されている)。したがって、第1面SFaG(SFaR、SFaB)と第2面SFbG(SFbR、SFbB)との成す角、および、第3面SFcG(SFcR、SFcB)と第4面SFdG(SFdR、SFdB)との成す角は、それぞれ、45度であり、第1面SFaG(SFaR、SFaB)と第4面SFdG(SFdR、SFdB)との成す角、および、第2面SFbG(SFbR、SFbB)と第3面SFcG(SFcR、SFcB)との成す角は、それぞれ、135度である。第2面SFbG(SFbR、SFbB)の大きさは、この上に形成される半透鏡3G(3R、3B)でOLED発光部2G(2R、2B)からの光を全て受光できるように、第1面SFaG(SFaR、SFaB)上に形成されたOLED発光部2G(2R、2B)を、第2面SFbG(SFbR、SFbB)に投影した場合に、前記投影されたOLED発光部2G(2R、2B)を少なくとも含む大きさであることが好ましい。
【0043】
そして、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBは、各OLED発光部2G、2R、2Bで発光された各光を同一方向に揃えて射出するように配置される。さらに、本第2実施形態では、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBは、当該OLED照明装置LPbの光放射面に近いほど前記OLED発光部2G、2R、2Bの光放射効率が小さくなるように配置される。言い換えれば、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBは、当該OLED照明装置LPbの光放射面から遠いほど前記OLED発光部2G、2R、2Bの光放射効率が大きくなるように配置されている。
【0044】
より具体的には、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBは、各半透鏡3G、3R、3Bの反射方向が揃うように各柱状部材1G、1R、1Bが一列に順次に連結されることで、各OLED発光部2G、2R、2Bで発光された各光を同一方向に揃えて射出するように配置される。第1OLED照明モジュールMLGのOLED発光部2Gは、緑色の光を放射する第1有機発光層を備えて構成され、第2OLED照明モジュールMLRのOLED発光部2Rは、赤色の光を放射する第2有機発光層を備えて構成され、第3OLED照明モジュールMLBのOLED発光部2Bは、青色の光を放射する第3有機発光層を備えて構成される。一般に、緑色の光を放射するOLED、赤色の光を放射するOLED、および、青色の光を放射するOLEDの順で発光効率が大きい((緑色の光を放射するOLEDの発光効率)>(赤色の光を放射するOLEDの発光効率)>(青色の光を放射するOLEDの発光効率))。このため、本第2実施形態では、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBは、当該OLED照明装置LPbの光放射面から、第3OLED照明モジュールMLB、第2OLED照明モジュールMLRおよび第1OLED照明モジュールMLGの順に配置されている。
【0045】
より詳しくは、第1OLED照明モジュールMLGの柱状部材1Gに対し、第2OLED照明モジュールMLRの柱状部材1Rは、その柱状部材1Rの第2面SFbRがその半透鏡2Rを介して第1OLED照明モジュールMLGにおける柱状部材1Gの第4面SFdGに当接するように配置され、第2OLED照明モジュールMLRの柱状部材1Rに対し、第3OLED照明モジュールMLBの柱状部材1Bは、その柱状部材1Bの第2面SFbBがその半透鏡2Bを介して第2OLED照明モジュールMLRにおける柱状部材1Rの第4面SFdRに当接するように配置される。
【0046】
第1補助部材4aは、第1OLED照明モジュールMLGの半透鏡3Gを保護し、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBを図略の筐体に収容する場合に、第1OLED照明モジュールMLGと前記筐体とで形成される空間を充填するための部材である。より具体的には、例えば、第1補助部材4aは、各OLED発光部2G、2R、2Bから放射される光の波長に対し透明な材料で形成され、第1OLED照明モジュールMLGにおける柱状部材1Gの第2面SFbGと同面積の斜面を持つ断面直角2等辺3角形の3角柱形状の部材である。第2補助部材4bは、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBを前記筐体に収容する場合に、第3OLED照明モジュールMLBと前記筐体とで形成される空間を充填するための部材である。より具体的には、例えば、第2補助部材4bは、各OLED発光部2G、2R、2Bから放射される光の波長に対し透明な材料で形成され、第3OLED照明モジュールMLGにおける柱状部材1Bの第4面SFdBと同面積の斜面を持つ断面直角2等辺3角形の3角柱形状の部材である。このような第1および第2補助部材4a、4bでは、第1補助部材4aの斜面を、第1OLED照明モジュールMLGの半透鏡3Gに当接し、第2補助部材4bの斜面を、第3OLED照明モジュールMLGの第4面SFdBに当接することで、第1補助部材4a、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBの各柱状部材1G、1R、1Bおよび第2補助部材4bは、断面矩形形状の角柱形状となる。そして、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBにおける各半透鏡3G、3R、3Bの反射方向に沿って延びる線を法線とする第2補助部材4bの面SFexが、当該OLED照明装置LPbの光放射面SFexとなる。
【0047】
このような構成のOLED照明装置LPaでは、第1OLED照明モジュールMLGにおいて、その第1面SFaG上にOLED発光部2Gが形成され、その第2面SFbG上に半透鏡3Gが形成され、第1面SFaGと第2面SFbGとの成す角θが45度であるため、OLED発光部2Gで発光した光は、第1面SFaGから柱状部材1Gに入射され、第2面SFbGに到達し、その一部が半透鏡3Gで第4面SFdGに向かって反射されて第4面SFcGを介して第2OLED照明モジュールMLRの半透鏡3Rに入射され、その残部が半透鏡3Gを透過する。第2OLED照明モジュールMLRの半透鏡3Rでは、OLED発光部2Gで発光した光の前記一部は、さらにその一部が半透鏡3Rでその第3面SFaGに向かって反射され、その残部が半透鏡3Rを透過する。
【0048】
第2OLED照明モジュールMLRにおいて、その第1面SFaR上にOLED発光部2Rが形成され、その第2面SFbR上に半透鏡3Rが形成され、第1面SFaRと第2面SFbRとの成す角θが45度であるため、OLED発光部2Rで発光した光は、第1面SFaRから柱状部材1Rに入射され、第2面SFbRに到達し、その一部が半透鏡3Rで第4面SFdRに向かって反射されて第1OLED照明モジュールMLGの光と共に第4面SFcRを介して第3OLED照明モジュールMLBの半透鏡3Bに入射され、その残部が半透鏡3Rを透過する。第3OLED照明モジュールMLBの半透鏡3Bでは、OLED発光部2Bで発光した光の前記一部は、第1OLED照明モジュールMLGの光と共に、さらにその一部が半透鏡3Bでその第3面SFaRに向かって反射され、その残部が半透鏡3Bを透過する。
【0049】
第3OLED照明モジュールMLBにおいて、その第1面SFaB上にOLED発光部2Bが形成され、その第2面SFbB上に半透鏡3Bが形成され、第1面SFaBと第2面SFbBとの成す角θが45度であるため、OLED発光部2Bで発光した光は、第1面SFaBから柱状部材1Bに入射され、第2面SFbBに到達し、その一部が半透鏡3Bで第4面SFdBに向かって反射されて第1および第2OLED照明モジュールMLG、MLRの各光と共に第4面SFcBを介して第2補助部材4bに入射され、その残部が半透鏡3Bを透過する。
【0050】
そして、第2補助部材4bに入射された第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBの各光は、第2補助部材4bの面SFex、すなわち、当該OLED照明装置LPbの光放射面SFexから射出される。
【0051】
このように各OLED発光部2G、2R、2Bで発光した各光は、伝播するので、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBの各半透鏡3G、3R、3Bが各OLED発光部2G、2R、2Bから放射される光の波長に対し透過率50%で設計され作成された場合、論理上、第1OLED照明モジュールMLGのOLED発光部2Gで発光された光は、3個の半透鏡3G、3R、3Bと作用するので、当初の光量に対する1/8の光量で光放射面SFexから射出され、第2OLED照明モジュールMLRのOLED発光部2Rで発光された光は、2個の半透鏡3R、3Bと作用するので、当初の光量に対する1/4の光量で光放射面SFexから射出され、第3OLED照明モジュールMLBのOLED発光部2Bで発光された光は、1個の半透鏡3Bと作用するので、当初の光量に対する1/2の光量で光放射面SFexから射出されることになる。このため、一例では、同量の光量で光放射面SFexから射出させる場合には、第3OLED照明モジュールMLBのOLED発光部2Bで発光された光の光量に対し、第1OLED照明モジュールMLGのOLED発光部2Gは、4倍の光量で発光させ、第2OLED照明モジュールMLRのOLED発光部2Rは、2倍の光量で発光させる必要がある。
【0052】
一方、この第2実施形態におけるOLED照明装置LPbを第1実施形態におけるOLED照明装置LPaのように、照明撮像システムに利用する場合、第2実施形態におけるOLED照明装置LPbは、例えば、支持体上に載置されたワークを照明するように、前記支持体から所定の第3距離(第3高さ)だけ離間した位置に配置される。そして、このように配置されたOLED照明装置LPbに対し、撮像装置CAは、例えば、図3Aに破線で示すように、OLED照明装置LPbにおける第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBにおける半透鏡3G、3R、3Bの反射方向に、当該撮像装置CAの光軸方向を揃えるように、OLED照明装置LPbから所定の第4距離(第4高さ)だけ離間した位置に配置される。本実施形態では、撮像装置CAは、OLED照明装置LPbの第2補助部材4bの面SFexに、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBを介して対向する第1補助部材4aの面SFsvを介して入射される、ワークWKの光像を撮像する。このような図3Aに破線で示す撮像装置CAでは、ワークWKの光像を、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBの3個の各半透鏡3G、3R、3Bを介して受光する。
【0053】
以上説明したように、第2実施形態におけるOLED照明装置LPbは、複数のOLED照明モジュールML、この例では、3個の第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBを備えるので、上記OLED照明装置LPbでは、拡散板が省略できる。このため、拡散板に起因する上述の事象が生じないので、上記OLED照明装置LPbは、前記影ができ難い。上記OLED照明装置LPbは、互いに発光色の異なる3個の第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBを備えるので、緑色、赤色および青色の3色の照明光を照射でき、緑色、赤色および青色のうちの複数を合成した合成色の照明光を照射できる。
【0054】
上記OLED照明装置LPbでは、当該OLED照明装置LPbの光放射面SFexから遠い位置に配置されるOLED照明モジュールML(MLG、MLR、MLB)から放射された光ほど、より多くの半透鏡3(3G、3R、3B)を透過しなければならない。上記OLED照明装置LPbは、各OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBが当該OLED照明装置LPbの光放射面SFexに近いほど前記OLED発光部2(2G、2R、2B)の光放射効率が小さくなるように、言い換えれば、各OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBが当該OLED照明装置LPbの光放射面SFexから遠いほど前記OLED発光部2の光放射効率が大きくなるように配置されている。このため、上記OLED照明装置LPbは、当該OLED照明装置LPbの光放射面SFexから遠い位置に配置されるOLED照明モジュールMLから放射された光も、より大きな光量で照射可能となる。
【0055】
なお、上述のOLED照明装置LPaは、互いに発光色の異なる3個の第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBを備えたが、OLED照明装置LPbから放射される光の強度を増加するために、第1ないし第3OLED照明モジュールMLG、MLR、MLBにおける各OLED発光部2G、2R、2Bは、互いに同色の光を放射しても良い。
【0056】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0057】
S 照明撮像システム;ML、MLG、MLR、MLB OLED照明モジュール;LPa、LPb OLED照明装置;CA 撮像装置;WK ワーク;SFa、SFaG、SFaR、SFaB 第1面;SFb、SFbG、SFbR、SFbB 第2面;1、1G、1R、1B 柱状部材;2、2G、2R、2B OLED発光部;3、3G、3R、3B 半透鏡
図1
図2
図3
図4