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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036378
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】ミニキッチン
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/08 20060101AFI20220301BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20220301BHJP
   A47B 81/00 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
A47B77/08 Z
A61L2/18
A47B81/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140545
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】501114291
【氏名又は名称】株式会社ビラハウジング
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】林 俊二
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA29
4C058BB07
4C058CC05
4C058CC06
4C058JJ06
4C058JJ24
(57)【要約】
【課題】新型コロナウイルスなど感染症拡大防止に貢献し得る、衛生的で体調管理を可能とする使い勝手の良いミニキッチンを提供する。
【解決手段】ミニキッチン1は、シンク3及び水栓4を備えたカウンタートップ5と、カウンタートップ5の下面側に位置するキャビネット本体6と、キャビネット本体の内部を食品・キチン用品収納室R1と洗濯機収容室R2とに仕切る仕切り板7と、を備える。そして、シンク3の奥行方向に位置するキッチン正面化粧パネルPa1に、手指の消毒液を吐出する機能と掌の温度を検出する機能とを備えてなる消毒・検温ユニット8が設置される構成、および消毒・検温ユニット8からシンク3内に向けて消毒液が吐出される構成になっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンク及び水栓を備えたカウンタートップと、
前記カウンタートップの下面側に位置するキャビネット本体と、
前記キャビネット本体の内部を食品・キチン用品収納室と洗濯機収容室とに仕切る仕切り板と、
を具備するミニキッチンにおいて、
前記シンクの奥行方向に位置するキッチン正面化粧パネルに、手指の消毒液を吐出する機能と掌の温度を検出する機能とを備えてなる消毒・検温ユニットが設置される構成、および、前記消毒・検温ユニットから前記シンク内に向けて前記消毒液が吐出される構成になっていること
を特徴とするミニキッチン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばワンルーム賃貸住宅等のように延床面積が小さい住宅に設置されるミニキッチンに関し、特に、新型コロナウイルスなど感染症拡大防止に貢献し得る、衛生的で体調管理を可能とする使い勝手の良いものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のミニキッチンとしては、例えば、特許文献1に開示された構造のミニキッチンが知られている。同文献1のミニキッチンは、シンクや水栓などを備えたカウンタートップと、カウンタートップの下面側に位置するキャビネット本体とを備え、キャビネット本体の内部は、仕切り板によって2室、具体的には食品・キチン用品を収納する室と洗濯機を収容する室とに仕切られた構造になっている。
【0003】
しかしながら、特許文献1のミニキッチンやこれとは別の従来のミニキッチンの分野において、新型コロナウイルスなど感染症拡大防止に積極的に取り組んだものはない。いわゆる昨今のコロナ禍では、自分が感染する、あるいは、自分から他人に感染をさせないためにも、手洗い、入浴に加えて更に、定期的に手指消毒、体温測定を行うことが重要であり、このような体調管理の環境を整えることが自宅やホテル、旅館などの宿泊施設、社宅、寮、シェアハウス等でも望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3148951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、新型コロナウイルスなど感染症拡大防止に貢献し得る、衛生的で体調管理を可能とする使い勝手の良いミニキッチンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、シンク及び水栓を備えたカウンタートップと、前記カウンタートップの下面側に位置するキャビネット本体と、前記キャビネット本体の内部を食品・キチン用品収納室と洗濯機収容室とに仕切る仕切り板と、を具備するミニキッチンにおいて、前記シンクの奥行方向に位置するキッチン正面化粧パネルに、手指の消毒液を吐出する機能と掌の温度を検出する機能とを備えてなる消毒・検温ユニットが設置される構成、および、前記消毒・検温ユニットから前記シンク内に向けて前記消毒液が吐出される構成になっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、ミニキッチンに具体的な構成として、前述の通り、シンクの奥行方向に位置するキッチン正面化粧パネルに、手指の消毒液を吐出する機能と掌の温度を検出する機能とを備えてなる消毒・検温ユニットが設置される構成、および、前記消毒・検温ユニットから前記シンク内に向けて前記消毒液が吐出される構成を採用した。このため、朝、晩の起床、帰宅、若しくは就寝時に、ミニキッチンで、水道水による手洗いやうがいに加えて更に、消毒液による手指消毒と掌温度の計測による体温測定も行うことが可能となるなど、手軽に体調管理を行える点で、新型コロナウイルスなど感染症拡大防止に貢献し得るミニキッチンを提供し得る。
【0008】
しかも、本発明によると、前述の通り、消毒・検温ユニットからシンク内に向けて消毒液が吐出される構造になっているので、吐出された消毒液が掌から漏れ落ちても、漏れ落ちた消毒液はシンクに滴下し集中的に回収されるので、掌から漏れ落ちた消毒液が床に滴下し散乱したり、滴下した消毒液によって床が汚れたりすることがなくなり、また、汚れた床をその都度掃除する手間も省ける等、衛生的で使い勝手の良いミニキッチンを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明を適用したミニキッチンの正面透視図。
図2図1のミニキッチンにおいて洗濯機設置台を引き出した状態の説明図。
図3図1のミニキッチンにおける消毒・検温ユニット付近の拡大図。
図4図3のA矢視断面図。
図5】本発明の他の実施形態の説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明を適用したミニキッチンの正面透視図、図2は、図1のミニキッチンにおいて洗濯機設置台を引き出した状態の説明図、図3は、図1のミニキッチンにおける消毒・検温ユニット付近の拡大図、図4は、図3のA矢視断面図である。
【0012】
図1のミニキッチン1は、加熱調理器2、シンク3及び水栓4を備えたカウンタートップ5と、カウンタートップ5の下面側に位置するキャビネット本体6と、キャビネット本体6の内部を食品・キチン用品収納室R1と洗濯機収容室R2に仕切る仕切り板7(図2参照)と、を備えた構成になっている。
【0013】
さらに、図1のミニキッチン1は、シンク3の奥行方向奥部に位置するキッチン正面化粧パネルPa1に、手指の消毒液を吐出する機能と掌の温度を検出する機能とを備えてなる消毒・検温ユニット8が設置される構成、および、その消毒・検温ユニット8からシンク3内に向けて消毒液が吐出される構成を採用している。
【0014】
消毒・検温ユニット8の基本的な構成ないしは機能、すなわち、図3に示したようにユニット本体81の正面に体温の表示部82が設けられていて、ユニット本体81の正面に掌を近づけると、正面に配置されている赤外線センサS1が作動し掌の温度を検知するとともに、検知した温度が現在の体温として当該表示部82に表示されるように構成されていること、および、ユニット本体81の下面に消毒液の吐出口83が設けられていて、ユニット本体81の下面に掌を近づけると、図示しない赤外線センサが作動し掌の存在を検知するとともに、その検知をトリガとして前記吐出口83から所定量の消毒液が吐出されるように構成されていることは、公知であるため、その詳細な構成ないしは機能の説明は省略する。
【0015】
図3および図4を参照すると、消毒・検温ユニット8の具体的な取付け方式として、図1のミニキッチン1では、消毒・検温ユニット8の取付け面(具体的にはキッチン正面化粧パネルP1)を開口し、この開口部に取付けブラケット9を介して装消毒・検温ユニット8を取付けている。
【0016】
また、消毒・検温ユニット8が取付け面(具体的にはキッチン正面化粧パネルP1)から出っ張り過ぎると見栄えが悪いため、図1のミニキッチン1では、図4に示したように取付けブラケット9を凹形状とし、その凹部9Aに消毒・検温ユニット8が所定の深さまで嵌め込まれる構成、及び、その嵌め込まれた部分が当該凹部9Aと一緒に前記取付け面の裏側に配置される構成を採用しているが、これに限定されることはない。図示は省略するが、例えば、消毒・検温ユニット8に付属の取付け部品を利用して消毒・検温ユニット8全体が取付け面の表面に露出した状態で取付けられる方式を採用してもよい。
【0017】
消毒・検温ユニット8は、電池で作動する方式とACアダプタ電源で作動する方式、いずれかの作動方式を選択できる。図1のミニキッチン1では、ACアダプタ電源で作動する方式を採用しているため、電源回りの構成として、取付けブラケット9の一部に孔を開け、その孔を通じて消毒・検温ユニット5の電源配線を取付け面(具体的にはキッチン正面化粧パネルP1)の裏側に引き込むことができるように構成している。
【0018】
加熱調理器2の具体的な構成として、図1のミニキッチン1では、2口タイプ又は1口タイプのIHヒータを採用しているが、これに限定されることはなく、必要に応じてガスコンロを加熱調理器2として採用してもよいし、また加熱調理器2は省略することも可能である。
【0019】
シンク3は、一人住まいのワンルーム等に適したコンパクト仕様になっている。このシンク3は、錆に強いSUS304のステンレスで形成されており、また、手入れがしやすいようにするため、同シンク3の表面には鏡面仕上げを施している。さらに、図1のミニキッチン1では、シンク3の下面に、図示しないゴミ収集機能と防臭機能付きの排水装置を設けている。
【0020】
水栓4としては、図1のような2バルブ仕様の混合水栓を採用できるほか、図示は省略するが、周知のシングルレバー形式の混合水栓を水栓4として採用してもよい。
【0021】
カウンタートップ5は、SUS304等の錆に強いステンレスや、人造大理石で形成したもの等を採用することができる。カウンタートップ5の間口サイズ(左右方向の幅)は900mm~1500mmの範囲内において、例えば900mm、1050mm、1200mm、1500mmの中から必要に応じて適宜選択することができる。
【0022】
カウンタートップ5は、このカウンタートップ5から上方に立ち上がっている前述のキッチン正面化粧パネルPa1と左右のキッチン側面化粧パネルPa2、Pa2とで囲まれた状態になっている。
【0023】
キッチン正面化粧パネルPa1と左右のキッチン側面化粧パネルPa2、Pa2は、後述するキャビネット本体6の左右の側板6A、6A、背板6Cと一体の構造でも分離可能な構造でもよい。図1のミニキッチン1では分離可能な構造を採用した。これは、カウンタートップ5を境にしてミニキッチン1を上下に分割可能とすることで、ミニキッチン1の搬送・設置の作業性向上を図るためである。
【0024】
キャビネット本体6は、左右の側板6A、6A、背板6C、及び底板6Dからなり、その正面側が左右の扉7R、7Lによって開閉する構造になっている。また、図示は省略するが、このキャビネット本体5の上面は開口していて、その開口部を塞ぐようにカウンタートップ4が当該キャビネット本体5に着脱自在に組み付けられている。
【0025】
左右の扉7R、7Lは、キャビネット本体5のそれぞれの側板6A、6Aに図示しないヒンジを介して取り付けられており、右側の扉7Rを開くことにより、前述の食品・キチン用品収納室R1が現れる状態になり、左側の扉7Lを開くことにより、前述の洗濯機収容室R2が現れる状態となるように構成してある。
【0026】
仕切り板7は、キャビネット本体6の底板6Dと背板5Cに一体に取り付け固定されることで、そのキャビネット本体5内を前述の2つの室(食品・キッチン用品収納室R1と洗濯機収容室R2)に仕切っている。
【0027】
また、この仕切り板7には、水栓4の配管部から洗濯機収容室R2に給水ホース13Aを導くための貫通孔(図示省略)を形成してある。
【0028】
仕切り板7によって仕切り形成される洗濯機収容室R2は、市販の洗濯機Wとして2.3~3.8kg仕様の全自動洗濯機を収容できる大きさを有しているが、この大きさに限定されることはない。洗濯機Wの大きさ(幅と高さ)に応じて洗濯機収容室R2の大きさも適宜変更することができる。
【0029】
洗濯機収容室R2には、その底板としてキッチン床面に置かれる洗濯機設置台11が設けられている。図1のミニキッチン1では、その洗濯機設置台11の上に洗濯機Wが置かれる構成になっている。
【0030】
図2を参照すると、洗濯機設置台11は、プレート11Aの周囲に枠11Bを一体に形成してなる構造であって、その枠11Bの内側に洗濯機Wからの漏水を捕集する防水パンとしての機能を備えている。
【0031】
また、この洗濯機設置台11は、図示しないスライド手段によって、洗濯機収容室R2から扉7Lの外へ引き出し可能に設けられている。スライド手段としては、例えば一対のガイドとこれにスライド可能に嵌合するレールを採用することができる。更に、洗濯機収容室R2の引き出しを容易にする手段およびスライド手段に作用する洗濯機Wの重量負荷を軽減する手段として、洗濯機設置台11の下面に戸車を装着してもよい。
【0032】
《本発明の他の実施形態(その1)》
図1のミニキチン1は、特許4307518号公報で開示されたミニキッチン改造用の台輪によって改造することができ、この改造後のミニキッチンでも図1のミニキッチン1と同様に消毒・検温ユニット8を採用することができる。
【0033】
《本発明の他の実施形態(その2)》
図1のミニキッチン1では、キャビネット本体6の手前に洗濯機Wが引き出される方式を採用したが、これとは別に、カウンタートップ5の一部、具体的には図6のように洗濯機収容室R2の天板を構成している部分51を上下方向に開閉可能とし、かかる部分が開の状態になることで、洗濯機11が利用可能となるように構成することもでき、このような構成においても図1のミニキッチン1と同様に消毒・検温ユニット8を採用することができる。
【0034】
《本発明の他の実施形態(その3)》
図1のミニキッチン1に対する消毒・検温ユニット8の取付けは、既設ミニキッチンの改修工事として行うこともできるし、ミニキッチンの製造工場において新品のミニキッチンに対する取付け工事として行う、あるいは、新品ミニキッチンの設置現場で追加工事として行ってもよい。
【0035】
消毒・検温ユニット8の表示部82では、体温以外の情報として、”手洗い、消毒を行いましょう”等、コロナウイルス感染症対策メッセージを表示してもよい。また、手指の消毒後に検温を行うと、消毒液の気化熱によって正確な体温測定ができない場合もあることから、検温をしてから消毒を行いましょう等のメッセージを消毒・検温ユニット8の表示部82で表示してもよい。
【0036】
《作用効果》
以上説明した実施形態のミニキッチン1では、その具体的な構成として、シンク3の奥行方向に位置するキッチン正面化粧パネルPa1に、手指の消毒液を吐出する機能と掌の温度を検出する機能とを備えてなる消毒・検温ユニット8が設置される構成、および、消毒・検温ユニット8からシンク3内に向けて消毒液が吐出される構成を採用した。このため、朝、晩の起床、帰宅、若しくは就寝時に、ミニキッチンで、水道水による手洗いやうがいに加えて更に、消毒液による手指消毒と掌温度の計測による体温測定も行うことが可能となるなど、手軽に体調管理を行える点で、新型コロナウイルスなど感染症拡大防止に貢献し得る。
【0037】
しかも、前記実施形態のミニキッチン1によると、消毒・検温ユニット8からシンク3内に向けて消毒液が吐出される構造になっているので、吐出された消毒液が掌から漏れ落ちても、漏れ落ちた消毒液はシンク3に滴下し集中的に回収されるので、掌から漏れ落ちた消毒液が床に滴下し散乱したり、滴下した消毒液によって床が汚れたりすることがなくなり、また、汚れた床をその都度掃除する手間も省ける等、衛生的で使い勝手が良いという利点も有している。
【0038】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により多くの変形が可能である。
【0039】
例えば図1のミニキッチン1において左右の側板6A、6Aを省略したタイプ、いわゆるコンパクトキッチンにも本発明は適用される。
【符号の説明】
【0040】
1 ミニキッチン
2 加熱調理器
3 シンク
4 水栓
5 カウンタートップ
6 キャビネット本体
6A キャビネット本体の側板
6C キャビネット本体の背板
7R、7L 扉
8 消毒・検温ユニット
81 ユニット本体
82 表示部
83 吐出口
9 取付けブラケット
9A 凹部
11 洗濯機設置台
11A プレート
11B 枠
13A 給水ホース
13B 排水ホース
Pa1 キッチン正面化粧パネル
Pa2 キッチン側面化粧パネル
R1 食品・キチン用品収納室
R2 洗濯機収容室
S1 赤外線センサ
図1
図2
図3
図4
図5