(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036400
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】跳上抑制装置および引戸
(51)【国際特許分類】
E05F 5/02 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
E05F5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140593
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000137959
【氏名又は名称】株式会社ムラコシ精工
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】池田 祥平
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡易な構成でありながら使い勝手の優れた跳上抑制装置および引戸を提供する。
【解決手段】引戸枠の下枠に設けられた下レールまたは前記下枠の床面を開閉方向に沿って走行する下枠荷重の引戸に用いられる跳上抑制装置であって、上レールに沿ってスライドするレールスライダ10と、前記上レールに沿って開閉する前記引戸の上端部に固定されるケース体30と、前記ケース体に取り付けられると共に前記レールスライダに設けられた第1の凹部11gに対して前記開閉方向と交差する垂直方向の動きが許容された状態で挿入され、前記垂直方向に沿って設けられた第1係合突起54を有するガイドブロック50と、前記レールスライダに設けられた第2の凹部11kに挿入された状態で前記ガイドブロックの第1係合突起と係合可能に取り付けられる第2係合突起74を有する係止ブロック70とを備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引戸枠の下枠に設けられた下レールまたは前記下枠の床面を開閉方向に沿って走行する下枠荷重の引戸に用いられる跳上抑制装置であって、
上レールに沿ってスライドするレールスライダと、
前記上レールに沿って開閉する前記引戸の上端部に固定されるケース体と、
前記ケース体に取り付けられると共に前記レールスライダに設けられた第1の凹部に対して前記開閉方向と交差する垂直方向の動きが許容された状態で挿入され、前記垂直方向に沿って設けられた第1係合突起部を有するガイドブロックと、
前記レールスライダに設けられた第2の凹部に挿入された状態で前記ガイドブロックの第1係合突起部と係合可能に取り付けられる第2係合突起部を有する係止ブロックと
を備える跳上抑制装置。
【請求項2】
前記係止ブロックは、前記引戸が前記開閉方向へ移動された際の慣性力により前記ガイドブロックの第1係合突起部と係合可能な状態となるように前記レールスライダに取り付けられている
請求項1に記載の跳上抑制装置。
【請求項3】
前記係止ブロックは、前記引戸が前記開閉方向へ移動された際の前記慣性力により回動可能な状態で前記レールスライダに軸支されている
請求項2に記載の跳上抑制装置。
【請求項4】
前記係止ブロックは、前記ガイドブロックに対して並列に複数設けられている
請求項1に記載の跳上抑制装置。
【請求項5】
複数の前記係止ブロックは、それぞれの前記第2係合突起部が前記垂直方向に互いにずれた状態で形成されている
請求項4に記載の跳上抑制装置。
【請求項6】
引戸枠の下枠に設けられた下レールまたは前記下枠の床面を開閉方向に沿って走行する下枠荷重の引戸に用いられる跳上抑制装置を有する引戸であって、
前記跳上抑制装置は、
上レールに沿ってスライドするレールスライダと、
前記上レールに沿って開閉する前記引戸の上端部に固定されるケース体と、
前記ケース体に取り付けられると共に前記レールスライダに設けられた第1の凹部に対して前記開閉方向と交差する垂直方向の動きが許容された状態で挿入され、前記垂直方向に沿って設けられた第1係合突起部を有するガイドブロックと、
前記レールスライダに設けられた第2の凹部に挿入された状態で前記ガイドブロックの第1係合突起部と係合可能に取り付けられる第2係合突起部を有する係止ブロックと
を備える引戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、跳上抑制装置および引戸に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、戸枠の下部に設けられた下レール上を走行させる非吊下式引戸(以下、これを単に「引戸」と言う場合があるものとする。)においては、戸枠に対し上下方向(重力方向)に僅かな遊びをもって組み付けられている。このような引戸においては、例えばユーザが引戸を閉める際、急激に閉じることのないようにその動作を緩慢にする引戸緩衝装置(クローザやブレーキ機構)が引戸の上端の左右両端部に取り付けられている。
【0003】
このような引戸では、当該引戸が閉じられる際、引戸緩衝装置によって引戸の上端部にのみブレーキ力が作用し、引戸の下端部にはブレーキ力が作用せずに慣性力が働いているため、引戸が傾いて跳ね上がることがある。
【0004】
このような引戸の跳ね上がりは、引戸が上枠に衝突することによる騒音や下ローラの脱輪の原因となり、また引戸緩衝装置の耐久性にも悪影響を及ぼしかねない。更には、ドアクローザーによる引戸の円滑な引き込みの妨げにもなる。これらのことから、引戸の跳ね上がりの防止や跳ね上がりを抑制することが求められている。引戸の跳ね上がりを抑制するものとして引戸の上部ガイド装置(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
【0005】
この特許文献1における引戸の上部ガイド装置では、スプリングが内蔵された内蔵ダンパ部材の上端部がランナ体の下面に当接している。このため、ランナ体と引戸の上下方向の遊び等に起因して引戸が跳ね上がろうとする場合であっても、上部ガイド装置における内蔵ダンパ部材のダンパ作用により引戸固定体とランナ体との急激な相対距離の変化を抑制できるので、引戸の跳ね上げを効果的に抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載の引戸の上部ガイド装置においては、内蔵ダンパ部材を上部ガイド装置に組み込まなければならず構造が複雑化すると共に、内蔵ダンパ部材は比較的高価な部品でありコストアップにつながることが懸念される。
【0008】
また、特許文献1に記載の引戸の上部ガイド装置においては、上レールに引戸を吊り込む際、内蔵ダンパ部材の抗力に反して引戸固定体を引戸の取付部の高さに合わせなければならず、吊り込み時の操作性が良いとはいえなかった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でありながら使い勝手の優れた跳上抑制装置および引戸を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、引戸枠の下枠に設けられた下レールまたは下枠の床面を開閉方向に沿って走行する下枠荷重の引戸に用いられる跳上抑制装置であって、上レールに沿ってスライドするレールスライダと、上レールに沿って開閉する引戸の上端部に固定されるケース体と、ケース体に取り付けられると共にレールスライダに設けられた第1の凹部に対して開閉方向と交差する垂直方向の動きが許容された状態で挿入され、垂直方向に沿って設けられた第1係合突起部を有するガイドブロックと、レールスライダに設けられた第2の凹部に挿入された状態でガイドブロックの第1係合突起部と係合可能に取り付けられる第2係合突起部を有する係止ブロックとを備える。
【0011】
係止ブロックは、引戸が開閉方向へ移動された際の慣性力によりガイドブロックの第1係合突起部と係合可能な状態となるようにレールスライダに取り付けられていることが好ましい。
【0012】
係止ブロックは、引戸が開閉方向へ移動された際の慣性力により回動可能な状態でレールスライダに軸支されていることが好ましい。
【0013】
係止ブロックは、ガイドブロックに対して並列に複数設けられていることが好ましい。
【0014】
複数の係止ブロックは、それぞれの第2係合突起部が垂直方向に互いにずれた状態で形成されていることが好ましい。
【0015】
引戸枠の下枠に設けられた下レールまたは下枠の床面を開閉方向に沿って走行する下枠荷重の引戸に用いられる跳上抑制装置を有する引戸であって、跳上抑制装置は、上レールに沿ってスライドするレールスライダと、上レールに沿って開閉する引戸の上端部に固定されるケース体と、ケース体に取り付けられると共にレールスライダに設けられた第1の凹部に対して開閉方向と交差する垂直方向の動きが許容された状態で挿入され、垂直方向に沿って設けられた第1係合突起部を有するガイドブロックと、レールスライダに設けられた第2の凹部に挿入された状態でガイドブロックの第1係合突起部と係合可能に取り付けられる第2係合突起部を有する係止ブロックとを備える。
【発明の効果】
【0016】
簡易な構成でありながら使い勝手の優れた跳上抑制装置および引戸を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施の形態における跳上抑制装置を備えたレールスライダが取り付けられている引戸の全体構成を示す略線的斜視図である。
【
図2】第1の実施の形態における跳上抑制装置を備えたレールスライダが引戸緩衝装置に組付けられた状態を示す平面図である。
【
図3】第1の実施の形態における跳上抑制装置を備えたレールスライダが取り付けられている引戸と上レールとを切り離した状態を示す略線的斜視図である。
【
図4】第1の実施の形態における跳上抑制装置を備えたレールスライダが上レール(透明な状態および非透明な状態)に組み付けられた状態を示す略線的斜視図である。
【
図5】第1の実施の形態における跳上抑制装置を備えたレールスライダと引戸とを切り離した状態を示す略線的斜視図である。
【
図6】第1の実施の形態における跳上抑制装置を備えたレールスライダが上レールに組み付けられた状態を示す側面図である。
【
図7】第1の実施の形態における跳上抑制装置が組み込まれたレールスライダおよびケース体の構成を示す略線的斜視図および分解斜視図である。
【
図8】第1の実施の形態における跳上抑制装置が組み込まれたレールスライダおよびケース体の構成を示す略線的斜視図および跳上抑制装置が目視可能な透視図である。
【
図9】第1の実施の形態における跳上抑制装置が組み込まれたレールスライダおよびケース体の構成を示す略線図である。
【
図10】第1の実施の形態における跳上抑制装置が組み込まれるレールスライダの構成を示す略線図である。
【
図11】第1の実施の形態における跳上抑制装置のガイドブロックが引戸の跳ね上げ時に上下方向へ移動が許容されている状態を示す断面図である。
【
図12】第1の実施の形態における跳上抑制装置を備えたレールスライダが引戸緩衝装置に取り付けられるときの説明に供する平面図である。
【
図13】第1の実施の形態における跳上抑制装置のガイドブロックに係止ブロックが係止されていない状態および係止されている状態を示す断面図である。
【
図14】第2の実施の形態における跳上抑制装置の構成を示す略線的斜視図である。
【
図15】第3の実施の形態における跳上抑制装置の構成を示す略線的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔1〕第1の実施の形態
以下、本発明の第1の実施の形態にかかる跳上抑制装置を備えたレールスライダが取り付けられている引戸について
図1乃至
図13を参照しながら詳細に説明する。
図1乃至
図3に示すように、第1の実施の形態においては、建物等の構造物における開口の周縁部に固定された引戸枠(図示せず)の下枠に設けられた下レールまたは下枠の床面を開閉方向に沿ってスライド移動する下枠荷重の引戸Dを対象とする。
【0019】
なお、
図1に示すように、説明の都合上、引戸Dの開閉方向を左右方向と言う場合があるものとする。すなわち、引戸Dを閉じる矢印a方向を閉方向または左方向、引戸Dを開く矢印b方向を開方向または右方向とする。また、引戸Dの開閉方向(矢印ab方向)と垂直な重力方向(矢印cd方向)を上下方向と言う場合があるものとする。すなわち、引戸Dが跳ね上がる矢印c方向を上方向、引戸Dが下レールに押し付けられる矢印d方向を下方向とする。さらに、引戸Dの開閉方向(矢印ab方向)と垂直な奥行方向(矢印ef方向)を前後方向と言う場合があるものとする。すなわち引戸Dが紙面の手前側から奥側へ押される際の矢印e方向を奥側、引戸Dが紙面の奥側から手前側へ引っ張られる際の矢印f方向を手前側とする。但し、この左右方向、上下方向および前後方向は、説明の便宜上用いられるのであって、引戸Dの使用状況によっては異なる方向として定義することができる。
【0020】
引戸Dは、平面視略長方形状からなる板状部材の戸本体D1と、その戸本体D1の上端側の左右両端部に収容された状態で固定された全体略直方体形状からなる1対のケース体30と、当該1対のケース体30にそれぞれ取り付けられた1対のレールスライダ10と、閉方向に設けられたレールスライダ10に取り付けられている引戸緩衝装置CLとを備えている。この場合、
図2に示すように、閉方向(矢印a方向)に設けられたレールスライダ10に対してのみ引戸緩衝装置CLが取り付けられている。但し、これに限らず、開方向(矢印b方向)に設けられたレールスライダ10に対して引戸緩衝装置CLが取り付けられていてもよい。
【0021】
レールスライダ10および引戸緩衝装置CLは、引戸枠の上枠に設けられた上レールL1に取り付けられ、引戸D全体が開閉方向(矢印ab方向)へスライド移動可能となる。この上レールL1は、引戸枠の上枠に固定されており、
図6に示すように、下方に開口する略U字状に形成されている。上レールL1は、長手方向に延在する天壁部L1a、その天壁部L1aの短手側両端縁から下方向へそれぞれ延びる1対の側壁部L1bと、その1対の側壁部L1bの下方向先端縁から前後方向(矢印ef方向)に沿って互いに近づくように延びて対向した状態に隔離配置された1対のフランジ部L1cとを備えている。上レールL1は、そのU字状の内側の収容空間にレールスライダ10を収容した状態で、当該レールスライダ10を当該上レールL1に沿って開閉方向(矢印ab方向)にスライドさせる。
【0022】
引戸Dの戸本体D1は、種々の材料からなる平面視長方形状の板状部材であり、その上端側の両端部(角部)には、ケース体30を収容して固定するための収容凹部KCがそれぞれ形成されている。この戸本体D1のそれぞれの収容凹部KCにケース体30が収容された状態で一体に固定される。
【0023】
次に、ケース体30およびレールスライダ10について説明するが、ここでは、閉方向(矢印a方向)に設けられたケース体30およびレールスライダ10を参照しながら説明する。ケース体30は、
図7乃至
図9に示すように、全体略直方体形状からなる部材であり、後述するガイドブロック50を収容した状態で当該ガイドブロック50を固定するケース本体部31と、当該ケース本体部31の閉方向(矢印a方向)の開口を塞ぐ蓋部33とを備えている。
【0024】
ケース体30のケース本体部31は、その内側にガイドブロック50のブロック本体部51を収容可能な収容空間31s(
図7)を有し、かつ上方向(矢印c方向)および閉方向(矢印a方向)に開口を有する略直方体形状の箱状部材である。ケース本体部31の上方向(矢印c方向)の開口は、ガイドブロック50のブロック本体部51の上方向部分が一部飛び出した状態でケース本体部31に固定するために設けられている。
【0025】
また、ケース本体部31は、収容空間31sと連通するように奥行方向(矢印ef方向)に貫通された貫通孔31hを有する。したがって、ケース本体部31の収容空間31sにガイドブロック50が収容された状態で、ピン52が貫通孔31hを介してガイドブロック50のブロック本体部51の貫通孔51phに嵌入されることにより、ケース体30に対してガイドブロック50が上下方向(矢印cd方向)および開閉方向(矢印ab方向)に規制された状態で固定される。
【0026】
ケース体30の蓋部33は、ケース本体部31の閉方向(矢印a方向)の開口を塞ぐものであり、当該ケース本体部31の閉方向の開口を塞ぐように嵌め込み可能な断面略凸状の凸部33aを有している。この蓋部33は、凸部33aがケース体30のケース本体部31の開口に嵌め込まれた状態で一体に固定されている。なお、蓋部33には、円柱形状の操作子33nが設けられており、この操作子33nが回転されたことに応じてガイドブロック50のブロック本体部51を前後方向(矢印ef方向)へ位置調整することが可能である。
【0027】
レールスライダ10は、
図6乃至
図10に示すように、全体略直方体形状からなる部材であり、戸本体D1に固定されたケース体30と対向した位置に配置される。レールスライダ10は、上レールL1に収容された状態で当該上レールL1に沿って移動するスライド本体部11、スライド本体部11が上レールL1に沿って移動するために上レールL1の1対のフランジ部L1cを挟み込んだ状態で摺動する1対のスライダ12、スライド本体部11の開方向(矢印b方向)の後端面11dから更に開方向へ突出した角柱形状の取付部14を有している。
【0028】
スライド本体部11は、上方向(矢印c方向)の天面11a、当該天面11aと垂直な前後方向(矢印ef方向)の1対の側面11b、および、天面11aと対向配置された下方向(矢印d方向)の底面11cを有している。また、スライド本体部11には、天面11a、側面11bおよび底面11cとは垂直な開方向(矢印b方向)の一端面11dを有し、その一端面11dに引戸緩衝装置CLと結合するための略立方体形状からなる取付部14が設けられている。この取付部14は、上下方向(矢印cd方向)に沿って貫通した状態で形成された雌ネジ部14mを有している。
【0029】
またスライド本体部11は、両側の側面11bのほぼ中央に、円柱形状からなり前後方向(矢印ef方向)へ突出した第1スライダ12aと、その第1スライダ12aの下方向(矢印d方向)に上レールL1のフランジ部L1cの厚さよりも僅かに大きな隙間を介して配置され、開閉方向(矢印ab方向)に沿って所定の長さを有する第2スライダ12bとからなるスライダ部12を有している。
【0030】
この場合、スライダ部12の第1スライダ12aが上レールL1の内側空間に収容されるが、第2スライダ12bは上レールL1の下方向(矢印d方向)の外側に位置付けられる。なお、第1スライダ12aの前後方向(矢印ef方向)への突出量は、上レールL1の側壁部L1bに当接することのないように設定されている。第1スライダ12aおよび第2スライダ12bは、スライド本体部11と一体に形成されている。ただし、これに限るものではなく、第1スライダ12aおよび第2スライダ12bは、スライド本体部11に後付けにより取り付けられていてもよい。
【0031】
スライダ部12の第1スライダ12aおよび第2スライダ12bは、上レールL1の側壁部L1bとの間で摺動によりスライド可能となっている。すなわち、上レールL1のフランジ部L1c、第1スライダ12aおよび第2スライダ12bは、摩擦抵抗の少ない材料でかつ摩擦抵抗の少ない表面に仕上げられている。ただし、これに限らず、第1スライダ12aおよび第2スライダ12bの代わりに、上レールL1のフランジ部L1cを転がりながら移動する第1ローラおよび第2ローラによりフランジ部L1cが挟持されるような構造であってもよい。
【0032】
スライド本体部11は、両側の側面11bを前後方向(矢印ef方向)へ貫通し、上下方向(矢印cd方向)に沿って所定の長さに形成された一対の長孔11brを有している。この長孔11brは、第1スライダ12aに対して閉方向(矢印a方向)に隣接して設けられ、第1スライダ12aよりも上方向(矢印c方向)の高い位置から第2スライダ12bに一部到達する程度の長さを有している。
【0033】
このスライド本体部11における長孔11brの上下方向(矢印cd方向)の長さは、ガイドブロック50が固定されたケース体30すなわち戸本体D1の上下方向の調整量よりも大きく設定されている。長孔11brの開閉方向(矢印ab方向)の幅は、後述するガイドブロック50の規制ピン53の直径と同じである。ただし、これに限らず、長孔11brの開閉方向(矢印ab方向)の幅は、後述するガイドブロック50の規制ピン53の直径よりも僅かに大きくてもよい。つまり、長孔11brの中で規制ピン53が上下方向(矢印cd方向)へ滑らかに移動可能であればよい。なお、規制ピン53は、ケース体30に対するガイドブロック50の脱落防止機能としても作用する。
【0034】
さらにスライド本体部11は、長孔11brの上下方向(矢印cd方向)の長さ範囲内でガイドブロック50を上下方向(矢印cd方向)へ移動自在に収容可能な大きさの第1の凹部としてのガイドブロック移動空間11gと、そのガイドブロック移動空間11gと開閉方向(矢印ab方向)の開方向(矢印b方向)において隣接し、後述する係止ブロック70を収容して取り付けるための第2の凹部としての係止ブロック収容空間11kとを備えている。
【0035】
スライド本体部11では、
図10に示すように、当該スライド本体部11の天面11aおよび底面11cにガイドブロック移動空間11gの開口11ga、11gcがそれぞれ形成されている。ここで重要なことは、スライド本体部11の底面11cに形成された開口11gcであり、この開口11gcを介して、ケース体30に固定されたガイドブロック50のブロック本体部51がガイドブロック移動空間11g内で上下方向(矢印cd方向)の動きが許容される。
【0036】
また係止ブロック収容空間11kは、係止ブロック70を収容した状態で当該係止ブロック70に対する所望の範囲の回動動作を妨げることのない大きさの空間である。スライド本体部11は、係止ブロック収容空間11kと連通するように両側の側面11bに形成された貫通孔11bhを有している。両側の側面11bに形成された貫通孔11bhは、互いに対向配置されている。
【0037】
スライド本体部11において、開方向(矢印b方向)の一端面11dを有する壁部110には、その壁部110の係止ブロック収容空間11k側の下端部から閉方向(矢印a方向)へ向かい、かつ僅かに下方向(矢印d方向)に向かって傾斜した状態で所定長さだけ延びる、係止ブロック70を支持するための支持部111が一体に形成されている。また、スライド本体部11は、ガイドブロック移動空間11gと係止ブロック収容空間11kとの間であって、支持部111と共に係止ブロック70の回動を規制するストッパとしての役割を担う直方体形状の規制部112が一体に形成されている。この規制部112は、スライド本体部11の天面11aから下方向(矢印d方向)へ向かって所定の長さだけ延びている。
【0038】
ガイドブロック50は、
図7に示すように、上下方向(矢印cd方向)に長い平面視長方形状の薄板状部材からなるブロック本体部51と、ブロック本体部51をケース体30に固定するための固定ピン52と、引戸Dの戸本体D1の跳ね上がりと共にケース体30に固定されたブロック本体部51が上下方向(矢印cd方向)に移動する際の移動量をレールスライダ10の長孔11br内で規制する規制ピン53と、係止ブロック70と係合する複数の歯54tが形成された第1係合突起部としての歯部54とを有する。
【0039】
ガイドブロック50のブロック本体部51は、
図11に示すように、閉方向(矢印a方向)であり、かつ、下方向(矢印d方向)の端部に切り欠かれた凹状の切欠部51kを有している。この切欠部51kには、位置調整用係合突起部51Kaが形成されており、ケース体30の蓋部33の内側に設けられた係合突起部33tと係合されたとき、この係合突起部33tと位置調整用係合突起部51Kaとによりブロック本体部51の前後方向(矢印ef方向)への位置を調整可能とする。またブロック本体部51は、
図7に示すように、当該ブロック本体部51を前後方向(矢印ef方向)に貫通する固定ピン用貫通孔51phおよび規制ピン用貫通孔51ihを有している。
【0040】
これら2つの固定ピン用貫通孔51phおよび規制ピン用貫通孔51ihは、上下方向(矢印cd方向)に沿って所定間隔を開けた位置に設けられている。この場合、規制ピン用貫通孔51ihが固定ピン用貫通孔51phの上方向(矢印c方向)に設けられている。
【0041】
固定ピン用貫通孔51phは、ケース本体部31に設けられた貫通孔31hと同じ直径であり、固定ピン52の直径と同じか或いは僅かに大きく、または、小さく形成されている。規制ピン用貫通孔51ihの直径は、ガイドブロック50の規制ピン53の直径と同じか、或いは僅かに大きく、または、僅かに小さく形成されている。
【0042】
また、ブロック本体部51の歯部54は、当該ブロック本体部51の開方向(矢印b方向)であり、かつ、上方向(矢印c方向)の端部に上下方向(矢印cd方向)に沿って複数の歯54tが設けられた部分であり、これらはブロック本体部51の一部となっている。
【0043】
この歯部54に形成された複数の歯54tは、
図11に示すように、その山が少なくとも上方向(矢印c方向)へ向かって傾斜しており、この場合、6個の歯54tが直線状かつ等間隔で直列に形成されている。因みに歯54tの形状および数は限定されるものではなく、ブロック本体部51が上方向(矢印c方向)へ移動する際に係止ブロック70の歯部74と係合され、当該ブロック本体部51の上方向(矢印c方向)への移動が抑制されるのであれば、任意の形状および数を選定することができる。
【0044】
係止ブロック70は、平面視略矩形状のガイドブロック50よりも小さいブロック状部材であり、開方向(矢印b方向)の端部から上方向(矢印c方向)へ向かって突出した平面視半円形状の軸支持部71と、係止ブロック70をレールスライダ10のスライド本体部11の係止ブロック収容空間11kに収容された状態で軸支するための軸支ピン72と、ガイドブロック50の歯部54と係合する第2係合突起部としての歯部74とを有している。
【0045】
軸支持部71には、前後方向(矢印ef方向)に貫通した貫通孔71hが形成されている。貫通孔71hの直径は、レールスライダ10のスライド本体部11の側面11bに形成された貫通孔11bhの直径と同じである。貫通孔71hの直径は、軸支ピン72の直径よりも大きく、軸支ピン72が抵抗を受けることなく貫通孔71hを介して滑らかに回動可能となっている。軸支ピン72は、スライド本体部11の前後方向(矢印ef方向)の幅よりも長く形成されている。
【0046】
係止ブロック70は、スライド本体部11の係止ブロック収容空間11kに収容されたとき、
図11に示すように、軸支持部71の貫通孔71hを介して軸支ピン72により開方向(矢印b方向)へ傾斜した状態で軸支されるように重心が設定されている。この状態において係止ブロック70は、ガイドブロック50の歯部54と係合されることなく、スライド本体部11の壁部110に設けられた支持部111によって支持される。すなわち係止ブロック70は、引戸Dの静止時および走行時には、不陸等によって上レールL1と引戸Dとの上下方向(矢印cd方向)の間隔が一定にならず、ガイドブロック50が上下方向(矢印cd方向)に移動したとしても、ガイドブロック50と係合することなく離間した状態が維持される。
【0047】
また係止ブロック70は、スライド本体部11の係止ブロック収容空間11kに軸支ピン72により回動自在に軸支されているため、引戸Dの走行中に引戸緩衝装置CLのブレーキ作用が働いた場合、慣性力により回動するが最終的には規制部112と当接する。すなわち、係止ブロック70は、係止ブロック収容空間11kの中で支持部111と規制部112との間でのみ軸支ピン72を介して回動可能に軸支されている。
【0048】
係止ブロック70の歯部74は、その係止ブロック70の閉方向(矢印a方向)の端面に対し、ガイドブロックの歯部54と係合するように設けられた複数の歯74tを有する。この歯部74に形成された複数の歯74tは、
図11に示すように、その山が少なくとも下方向(矢印d方向)へ向かって傾斜しており、この場合、3個の歯74tが直線状かつ等間隔で直列に形成されている。歯部74における複数の歯74tのピッチは、ガイドブロック50の歯部54における複数の歯54tのピッチと同じである。因みに歯74tの形状および数は限定されるものではなく、また複数の歯74tのピッチについてもガイドブロック50の歯部54と係合することができれば任意に設定可能である。
【0049】
次に、このような構成の引戸Dの組み立て方法について説明する。最初に、
図7に示すように、ケース体30のケース本体部31に設けられた収容空間31sにガイドブロック50のブロック本体部51を収容する。
【0050】
このときケース本体部31の貫通孔31hの位置とブロック本体部51の固定ピン用貫通孔51phの位置とを合わせた状態で固定ピン52によりケース本体部31とガイドブロック50のブロック本体部51とを一体に固定する。これにより、ケース体30に対してガイドブロック50が開閉方向(矢印ab方向)および上下方向(矢印cd方向)への動きが規制された状態となるが、引戸Dが跳ね上げられる時には、ケース体30およびガイドブロック50が一体となって上下方向(矢印cd方向)へ移動可能な状態となる。
【0051】
ケース体30と一体に取り付けられたガイドブロック50のブロック本体部51は、その後、レールスライダ10のスライド本体部11に設けられたガイドブロック移動空間11gに底面11cの開口11gcから挿入された状態において、規制ピン53がスライド本体部11の長孔11brに挿通された後、ブロック本体部51の規制ピン用貫通孔51ihにガイドブロック50の規制ピン53が嵌入される。これにより、ガイドブロック50のブロック本体部51は、レールスライダ10のスライド本体部11のガイドブロック移動空間11gに挿入された状態において、規制ピン53によりスライド本体部11の長孔11brの長さ範囲内で上下方向(矢印cd方向)への移動が許容された状態となる。
【0052】
続いて、レールスライダ10のスライド本体部11に設けられた係止ブロック収容空間11kに係止ブロック70が収容された状態で軸支ピン72がスライド本体部11の貫通孔11bhに挿通されることにより、係合ブロック70が軸支ピン72を介して支持部111と規制部112との間で回動自在に軸支される。
【0053】
これにより、
図7に示すように、ケース体30とレールスライダ10とがガイドブロック50を介して互いに連結された状態となると共に、当該ケース体30、レールスライダ10、ガイドブロック50および係止ブロック70によって跳上抑制装置としての跳上抑制機構100が構築されることになる。
【0054】
このような跳上抑制機構100が一体に組み込まれたレールスライダ10は、
図12に示すように、当該レールスライダ10の取付部14と引戸緩衝装置CLの被取付部41とを対向配置した状態でネジ14nによって取り付けられる。
図4には、ケース体30、レールスライダ10および引戸緩衝装置CLが一体に取り付けられた状態が示されている。
【0055】
なお、この場合、閉方向(矢印a方向)に設けられたレールスライダ10に対して引戸緩衝装置CLが取り付けられており、開方向(矢印b方向)のレールスライダ10には取り付けられていないが、引戸緩衝装置CLは引戸Dが開方向(矢印b方向)へ移動する際にもブレーキ作用をもたらすことができる。なお、閉方向(矢印a方向)のレールスライダ10に引戸緩衝装置CLが取り付けられているが、これに限るものではなく、開方向(矢印b方向)のレールスライダ10に取り付けられていてもよく、また引戸緩衝装置CLの代わりに他の構成からなるブレーキ機構やストッパ機構を用いてもよい。
【0056】
その後、レールスライダ10は、スライド本体部11の第1スライダ12aおよび第2スライダ12bによって上レールL1の1対のフランジ部L1cを挟み付けた状態に取り付けられる。この場合、レールスライダ10は、上レールL1に対して上下方向(矢印cd方向)および前後方向(矢印ef方向)への動きが規制され、開閉方向(矢印ab方向)へのスライド移動のみが許容される。
【0057】
また、レールスライダ10は、引戸Dを開閉方向(矢印ab方向)へガイドするものであり、引戸Dの重量を受けることはない。
図4には上レールL1に対してレールスライダ10がスライド可能な状態で取り付けられた状態が示されている。このレールスライダ10には、引戸緩衝装置CLおよびケース体30が既に取り付けられた状態にある。
【0058】
その後、引戸Dの下ローラ(図示せず)を下レールに乗せることにより、当該引戸Dを戸枠に対して開閉可能な状態に取り付ける。最後に、ケース体30が引戸Dの戸本体D1の上端側の両側端部(角部)に形成された収容凹部KCに収容された状態で一体に取り付けられて固定される。
【0059】
このような取付方法により、上レールL1に対する引戸Dの吊り込みを容易にすることができる。
図1および
図2には、ケース体30を介してレールスライダ10および引戸緩衝装置CLが戸本体D1に取り付けられた状態が示されている。このようにして、跳上抑制機構100が組み込まれた引戸Dが戸枠に取り付けられる。
【0060】
以上の構成において、引戸Dでは、開閉方向(矢印ab方向)へ動かされていない静止状態や、開閉方向(矢印ab方向)へ移動された場合であっても引戸緩衝装置CLのブレーキ作用が働いていない状態では、跳上抑制機構100の係止ブロック70は回動することはない。すなわち、跳上抑制機構100の係止ブロック70は、レールスライダ10の支持部111に当接された状態、すなわち係止ブロック70の歯部74がガイドブロック50の歯部54とは係合されていない非係合状態が維持されている。
【0061】
引戸Dは、例えば閉方向(矢印a方向)に閉められる動作が行われた場合、戸枠が当該引戸Dにより閉じられる手前で引戸緩衝装置CLによるブレーキ力が作用する。このときブレーキ力は、戸本体D1の上端部の閉方向(矢印a方向)において作用し、戸本体D1の下端部では作用しない。このため戸本体D1の下端部だけが慣性力で移動し続けることになり、戸枠に片当たりする事態が生じる。これにより引戸Dの戸本体D1が上方向(矢印c方向)に跳ね上がる。
【0062】
しかしながら、引戸緩衝装置CLによるブレーキ力が作用した瞬間、ケース体30と一体に固定されたガイドブロック50がレールスライダ10のガイドブロック移動空間11gの中で上方向(矢印c方向)へ移動しようとする。このとき、
図13に示すように、係止ブロック70が慣性力によって回動し、ガイドブロック50の歯部54と係止ブロック70の歯部74とが噛合して係合される。
【0063】
このように、ガイドブロック50の歯部54における複数の歯54tと、係止ブロック70の歯部74における複数の歯74tとが噛合して係合されるため、その時以降、引戸Dの戸本体D1が上方向(矢印c方向)へそれ以上跳ね上がることが防止される。すなわち、引戸緩衝装置CLによるブレーキ力が作用した瞬間からガイドブロック50の歯部54と係止ブロック70の歯部74とが係合されるので、戸本体D1の跳ね上がりを抑制することができる。
【0064】
このように跳上抑制機構100は、引戸緩衝装置CLのブレーキ作用による慣性力だけを利用してガイドブロック50と係止ブロック70とを係合状態とすることができるので、簡易な構成でありながら、引戸Dの跳ね上がりを誤動作なく効果的に抑制することができる。これにより、引戸Dが上枠に衝突することによる騒音や下ローラの脱輪を防止し得、また引戸用緩衝装置CLの故障を誘発することも防止することができる。
【0065】
また、引戸Dの戸本体D1を上レールL1に取り付ける際、従来のような内蔵ダンパ部材を用いた引戸のように内蔵ダンパ部材の抗力に反して取り付けるといった煩雑な操作を強いることなく、従来に比して取付時の操作性を向上させることができる。
【0066】
〔2〕第2の実施の形態
次に、第2の実施の形態における跳上抑制機構について説明する。
図14に示すように、第2の実施の形態における跳上抑制機構200は、第1の実施の形態における係止ブロック70に加えて、当該係止ブロック70と基本的構造の同じ係止ブロック80が並列に配置され、係止ブロック70および80の双方が軸支ピン72によって軸支されている。
【0067】
この場合、係止ブロック80の歯部84の歯84tは、係止ブロック70の歯部74の歯74tとは同じ形状ではあるが、異なる歯の数およびピッチに形成されている。これにより、第2の実施の形態における跳上抑制機構200は、ガイドブロック50の歯部54と係止ブロック70の歯部74または係止ブロック80の歯部84の何れかと必ず先に係合することになるので、引戸Dの跳ね上げ量を最小限に抑制することができる。
【0068】
〔3〕第3の実施の形態
次に、第3の実施の形態における跳上抑制機構について説明する。
図15に示すように、第3の実施の形態における跳上抑制機構300は、第1の実施の形態における跳上抑制機構100の係止ブロック70とは異なり、軸支ピン72による回動構造ではなく、スライド構造とする係止ブロック90を備えている。
【0069】
この場合、スライド本体部11は、壁部110に設けられた支持部111の代わりに、閉方向(矢印a方向)に向かって僅かに上方向(矢印c方向)に傾斜した支持部115を有し、この支持部115に係止ブロック90が開閉方向(矢印ab方向)へスライド自在に支持されている。この係止ブロック90も係止ブロック70と同様の歯部94を有している。
【0070】
したがって、跳上抑制機構300では、引戸緩衝装置CLによりブレーキ力が作用していない状態では係止ブロック90が支持部115の傾斜によってガイドブロック50から離れた非係合状態が維持される。一方、跳上抑制機構300では、引戸緩衝装置CLによりブレーキ力が作用すると、慣性力によって係止ブロック90が支持部115上を閉方向(矢印a方向)へスライドして当該係止ブロック90の歯部94とガイドブロック50の歯部54とが噛合して係合状態となり、引戸Dの跳ね上げを抑制することができる。
【0071】
〔4〕他の実施の形態跳上抑制機構
なお、その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の跳上抑制機構100、200、300を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0072】
10…レールスライダ、11…スライド本体部、11br…長孔、11g…ガイドブロック移動空間、11k…係止ブロック収容空間、12…スライダ、12a…第1スライダ、12b…第2スライダ、14…取付部、30…ケース体、31…ケース本体部、33…蓋部、31s…収容空間、31h…貫通孔、50…ガイドブロック、51…ブロック本体部、52…固定ピン、53…規制ピン、54、74…歯部、70、80、90…係止ブロック、71…軸支持部、72…軸支ピン、110…壁部、111…支持部、112…規制部、CL…引戸緩衝装置、D…引戸、D1…戸本体、L1…上レール。