(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036425
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/68 20060101AFI20220301BHJP
E05F 15/73 20150101ALI20220301BHJP
E06B 9/264 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E05F15/73
E06B9/264 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140629
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 英二
(72)【発明者】
【氏名】中村 英彦
(72)【発明者】
【氏名】野村 誠
【テーマコード(参考)】
2E042
2E043
2E052
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042AA06
2E042CA01
2E042CA15
2E042CC00
2E043BB25
2E043BE01
2E043BE11
2E052AA04
2E052CA06
2E052EA14
2E052EB01
2E052EC01
2E052GB01
(57)【要約】
【課題】遮蔽体の開閉の必要性を判断して開閉を制御することでユーザの快適性及び利便性を向上させること。
【解決手段】制御装置は、開口部を遮蔽可能な遮蔽装置を制御する制御装置であって、制御部を有する。当該制御部は、所定範囲内で人物または所定の変位が検出されたか否かを判定し、上記所定範囲内で上記人物または上記所定の変位が検出された場合に、第1の開閉制御を実行する。また制御部は、第1の開閉制御の実行後に上記所定範囲内で、上記人物または上記所定の変位に関する所定の条件が満たされた場合に第2の開閉制御を実行する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を遮蔽可能な遮蔽装置を制御する制御装置であって、
所定範囲内で人物または所定の変位が検出されたか否かを判定し、前記所定範囲内で前記人物または前記所定の変位が検出された場合に、第1の開閉制御を実行し、第1の開閉制御の実行後に前記所定範囲内で、前記人物または前記所定の変位に関する所定の条件が満たされた場合に第2の開閉制御を実行する、制御部を具備する
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記第1の開閉制御として、前記遮蔽装置の開閉度を前記検出時の第1の開閉度から第2の開閉度に変更する制御を実行し、前記第2の開閉制御として、前記第2の開閉度を前記第1の開閉度に戻す制御を実行する
制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記第1の開閉制御として、前記第1の開閉度が閾値以上である場合に前記所定範囲内に人物が検出された場合には、前記開閉度が前記閾値未満となる前記第2の開閉度まで閉じる制御を実行する
制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記所定範囲内に検出された人物の動作情報を取得し、当該動作情報が示す動作が所定の条件を満たしていないと判定した場合に前記第1の開閉制御を実行する
制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記制御部は、視線検出手段により前記人物の視線を検出することにより、前記動作情報として、前記人物が何れの方向を向いているのかを示す情報を取得し、当該動作情報から、前記人物が前記開口部の方向を向いていると判定した場合に、前記第1の開閉制御を実行する
制御装置。
【請求項6】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記所定範囲を含む領域を撮像可能な撮像装置から動画像を取得し、前記動画像に基づいて前記動作情報を取得し、当該動作情報から、当該人物が所定の速度未満で移動していると判定した場合に前記第1の開閉制御を実行する
制御装置。
【請求項7】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記所定範囲内に検出された人物の属性情報を取得し、当該属性情報が示す属性が所定の条件を満たしている場合に前記遮蔽装置の開閉度を維持し、当該属性情報が示す属性が所定の条件を満たしていない場合に前記第1の開閉制御を実行する
制御装置。
【請求項8】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記第1の開閉制御として、前記第1の開閉度が閾値未満である場合に前記所定範囲内に人物が検出された場合には、前記開閉度が前記閾値以上となる前記第2の開閉度まで開く制御を実行する
制御装置。
【請求項9】
開口部を遮蔽可能な遮蔽装置を制御する制御方法であって、
所定範囲内で人物または所定の変位が検出されたか否かを判定し、
前記所定範囲内で前記人物または前記所定の変位が検出された場合に、第1の開閉制御を実行し、
第1の開閉制御の実行後に前記所定範囲内で、前記人物または前記所定の変位に関する所定の条件が満たされた場合に第2の開閉制御を実行する
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインド等の遮蔽装置を制御可能な制御装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅の開口部に不審者が接近した際に自動で遮蔽装置の遮蔽体を閉じる技術が存在する。
【0003】
例えば下記特許文献1には、人物が住宅の開口部に接近したことを近接センサが検知すると異常検知信号を出力し、異常検知信号に基づいて駆動手段が遮蔽体を駆動させて開口部を閉じる技術が開示されている。この技術によれば、外部からの不審者に対する防犯性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記技術は、人物の検知に伴い遮蔽体を閉制御するのみであるため、人物が立ち去った後も遮蔽体が閉じたままとなってしまう。
【0006】
また、遮蔽体の利用シーンによっては、人物の検知に伴い遮蔽体を閉制御することが好ましくないような場合もある。
【0007】
即ち、上記技術は、人物の検知に伴い遮蔽体を自動制御可能ではあるものの、ユーザの快適性や利便性について改善の余地がある。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、遮蔽体の開閉の必要性を判断して開閉を制御することでユーザの快適性及び利便性を向上させることが可能な制御装置及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る制御装置は、開口部を遮蔽可能な遮蔽装置を制御する制御装置であって、制御部を有する。当該制御部は、所定範囲内で人物または所定の変位が検出されたか否かを判定し、上記所定範囲内で上記人物または上記所定の変位が検出された場合に、第1の開閉制御を実行する。また制御部は、第1の開閉制御の実行後に上記所定範囲内で、上記人物または上記所定の変位に関する所定の条件が満たされた場合に第2の開閉制御を実行する。
【0010】
この構成によれば、人物の接近や所定の変位に伴い開閉制御するだけでなく、その後に所定条件が満たされた場合にも自動で開閉制御することができるため、シーンに応じた柔軟な使用が可能となり、遮蔽体の開閉の必要性に応じて開閉を制御することでユーザの快適性・利便性を向上させることができる。所定の変位とは、例えばドア、窓、ブラインド、スクリーン、カーテン等の開閉動作や、それらの開閉による音の発生等、それによってその後に人物が検出される蓋然性が高い動作であるが、これらに限られない。また上記人物または上記所定の変位に関する所定の条件が満たされた場合とは、例えば人物が検出されなくなった場合のほか、当該検出された人物が開口部に視線やカメラを向けていない場合や、当該人物が所定速度以上で移動している場合、また上記ドア、窓、ブラインド、スクリーン、カーテン等の上記第1の開閉制御実行時とは逆(開に対して閉、閉に対して開)の開閉動作や、当該開閉による音の発生が検出された場合等であるが、これらに限られない。
【0011】
上記制御部は、上記第1の開閉制御として、上記遮蔽装置の開閉度を上記検出時の第1の開閉度から第2の開閉度に変更する制御を実行し、上記第2の開閉制御として、上記第2の開閉度を上記第1の開閉度に戻す制御を実行してもよい。
【0012】
これにより、人物が去ったときに自動で元の開閉度に戻すことができるため、人物の検出に伴い開閉度が変更されてもユーザ自身が元に戻す操作が不要となる。
【0013】
上記制御部は、上記第1の開閉制御として、上記第1の開閉度が閾値以上である場合に上記所定範囲内に人物が検出された場合には、上記開閉度が上記閾値未満となる上記第2の開閉度まで閉じる制御を実行してもよい。
【0014】
これにより、屋外から室内が見える程度の開閉度で遮蔽装置を使用していても、人物が近づいたときには室内を覗かれるのを抑止してプライバシーを保護することができる。そのため、家などで採光や眺望を重視して遮蔽装置を使用したいユーザの快適性と利便性を向上させることができる。
【0015】
上記制御部は、上記所定範囲内に検出された人物の動作情報を取得し、当該動作情報が示す動作が所定の条件を満たしていないと判定した場合に上記第1の開閉制御を実行してもよい。
【0016】
これにより、所定範囲内に検出された人物が特定の動作をした場合に遮蔽装置を閉じるようにすることができるため、室内を覗かれる可能性のある動作をした人物を対象として遮蔽装置を閉じるようにすることができる。
【0017】
上記制御部は、視線検出手段により上記人物の視線を検出することにより、上記動作情報として、上記人物が何れの方向を向いているのかを示す情報を取得し、当該動作情報から、上記人物が上記開口部の方向を向いていると判定した場合に、上記第1の開閉制御を実行してもよい。
【0018】
これにより、検出された人物が室内を覗く可能性のある動きをした場合に遮蔽装置を閉じるようにすることができる。
【0019】
上記制御部は、上記所定範囲を含む領域を撮像可能な撮像装置から動画像を取得し、上記動画像に基づいて上記動作情報を取得し、当該動作情報から、当該人物が所定の速度未満で移動していると判定した場合に上記第1の開閉制御を実行してもよい。
【0020】
これにより、例えば検出された人物が走って通り過ぎる場合や自転車等で素通りするような場合は対象外とし、室内を覗かれる程度の速度で歩いている、または、止まっているような場合に遮蔽装置を閉じるようにすることができる。
【0021】
上記制御部は、上記所定範囲内に検出された人物の属性情報を取得し、当該属性情報が示す属性が所定の条件を満たしている場合に上記遮蔽装置の開閉度を維持し、当該属性情報が示す属性が所定の条件を満たしていない場合に上記第1の開閉制御を実行してもよい。
【0022】
これにより、所定範囲内に検出された人物の属性に応じて遮蔽装置を閉じるようにすることができるため、例えば家で使用するシーンにおいて人物の検出に伴い閉制御するような場合であっても、家族が検出された場合は不必要に閉制御することを抑止することができ、室内を覗かれると問題のある属性の人物(居住者以外など)のみを対象として遮蔽装置を閉じるようにすることができる。
【0023】
上記制御部は、上記第1の開閉制御として、上記第1の開閉度が閾値未満である場合に上記所定範囲内に人物が検出された場合には、上記開閉度が上記閾値以上となる上記第2の開閉度まで開く制御を実行してもよい。
【0024】
これにより、人物が近づいたときには自動で遮蔽装置が開き、人物が去った後には自動で遮蔽装置を閉じることができる。そのため、例えば店などで遮蔽装置を使用する場合に、人物が近づいたときには店内を見せて集客し、人物が去ったときには遮蔽装置を閉じて店内の省エネを実現することができるため、ユーザの快適性と利便性を向上させることができる。
【0025】
本発明の他の形態に係る制御方法は、開口部を遮蔽可能な遮蔽装置を制御する制御方法であって、
所定範囲内で人物または所定の変位が検出されたか否かを判定し、
上記所定範囲内で上記人物または上記所定の変位が検出された場合に、第1の開閉制御を実行し、
第1の開閉制御の実行後に上記所定範囲内で、上記人物または上記所定の変位に関する所定の条件が満たされた場合に第2の開閉制御を実行する、ことを含む。
制御方法。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、遮蔽体の開閉の必要性を判断して開閉を制御することでユーザの快適性及び利便性を向上させることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る横型ブラインドの設置例を示した図である。
【
図2】上記横型ブラインドの、スラットの水平時(全開時)における一部省略正面図である。
【
図3】上記横型ブラインドが有する制御装置の構成を示したブロック図である。
【
図4】上記制御装置によるブラインドの開閉制御例の一例の概要を示した図である。
【
図5】上記制御装置によるブラインドの開閉制御例の他の例の概要を示した図である。
【
図6】上記第1実施形態における制御装置によるブラインドの開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【
図7】本発明の第2実施形態における制御装置によるブラインドの開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【
図8】本発明の第3実施形態における制御装置によるブラインドの開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【
図9】本発明の第4実施形態における制御装置によるブラインドの開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【
図10】本発明の第5実施形態における制御装置によるブラインドの開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【
図11】本発明の第6実施形態における制御装置によるブラインドの開閉制御例の概要を示した図である。
【
図12】上記第6実施形態における制御装置によるブラインドの開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0029】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0030】
[ブラインドの概要]
図1は、本発明の一実施形態における電動(横型)ブラインドの設置例を示した図である。
【0031】
同図に示すように、家屋等の建物Bの窓等の開口部Oには電動ブラインド100(以下、単にブラインド100と称する)が設置されている。
【0032】
また建物Bの、ブラインド100の設置面と同じ面には、カメラ等のセンサCが設置されている。センサCは、そのセンシング範囲Rに存在する人物H等の物体を検出可能である。なおセンサCは、屋外をセンシングできるものである限り、建物Bの内部に設置されても構わない。
【0033】
詳細は後述するが、本実施形態では、ブラインド100の制御装置が、所定のセンシング範囲R内で人物が検出された場合にブラインド100の開閉制御を実行する。
【0034】
図2は、当該電動ブラインドの、スラットの水平時(全開時)における一部省略正面図である。同図ではヘッドボックスの内部機構も一部示されている。
【0035】
同図に示すように、ブラインド100は、ヘッドボックス1と、複数のスラット2と、複数の昇降コード3と、複数のラダーコード4を有する。
【0036】
ラダーコード4は、ヘッドボックス1から垂下されており、ラダーコード4によって複数のスラット2が整列状態で支持されている。ラダーコード4の下端は、スラット2の下方に設けられたボトムレール5に連結される。
【0037】
昇降コード3は、ヘッドボックス1から垂下され、各スラット2に設けられたコード挿通孔に挿通され、その下端はボトムレール5に連結されている。
【0038】
ヘッドボックス1は、窓枠や壁等の所定面にネジ等により固定されたブラケットによって支持される。ヘッドボックス1の内部には、複数の昇降回転ドラム6、モータ7、駆動軸8、エンコーダ9及び制御装置10が設けられている。
【0039】
各昇降回転ドラム6は、昇降コード3及びラダーコード4の上端が巻取り及び巻解き可能に連結され、昇降コード3を昇降させるとともにラダーコード4を傾動させる。
【0040】
モータ7は、昇降回転ドラム6を回転駆動させるための駆動源となる。駆動軸8は、複数の昇降回転ドラム6同士を連結するとともに昇降回転ドラム6に対してモータ7の駆動力を伝達する。
【0041】
エンコーダ9は、駆動軸8の回転量を検出し、それに対応する開閉度情報(本実施形態では、スラット2の角度情報)を出力する。
【0042】
制御装置10は、エンコーダ9により検出された回転量に基づいてモータ7の駆動を制御するとともに、上記人物Hの検出に応じてモータ7の駆動を制御することでブラインド100の開閉制御を実行する。
【0043】
昇降回転ドラム6の所定角度範囲の回転に連動してラダーコード4が傾動することでスラット2が回転する。これによりスラット2の傾斜角(スラット2間の開放状態と閉塞状態)が調整される。
【0044】
また昇降回転ドラム6の回転によって昇降コード4が引っ張られてボトムレール5が上昇することで、スラット2がボトムレール5上に積層されながら昇降される。
【0045】
[制御装置の構成]
図3は上記制御装置10の構成を示したブロック図である。
【0046】
同図に示すように、制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、記憶部13、入出力部14、I/O15を有する。
【0047】
CPU11は、必要に応じてメモリ12等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら制御装置10の各ブロック全体を統括的に制御する。
【0048】
メモリ12は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0049】
記憶部13は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。記憶部13には、上記人物Hの検出に応じた開閉制御を実行するためのプログラムの他、後述する閾値や各種解析・認証用の画像等、当該開閉制御に必要な各種データやパラメータ等も記憶される。
【0050】
入出力部14は、入力部としてのキーボードやマウス、出力部としてディスプレイ等を含む、制御システムの管理者、または利用者に対するユーザインターフェイスである。
【0051】
I/O15は、カメラ等のセンサCとの間で信号を入出力するハードウェアインターフェイスである。
【0052】
[開閉制御例の概要]
図4は、上記制御装置10によるブラインド100の開閉制御例の一例の概要を示した図である。この例では、道路に面した家屋の1階の開口部Oにブラインド100が設置される場合を想定する。
【0053】
同図(A)に示すように、ブラインド100のスラット2が開いた状態で使用されている場合に、センサCのセンシング範囲R内で人物Hが検出されると、同図(B)に示すように、制御装置10はスラット2を閉じる。これにより、人物Hに家屋内部を見られることが無いため、家屋の住人のプライバシーが保護される。
【0054】
続いて同図(C)に示すように、センシング範囲R内で人物Hが検出されなくなった場合には、制御装置10は、スラット2を開けて元の開閉状態に戻す。これにより、屋内への採光を行うとともに屋内からの眺望を良くすることで上記住人の快適性・利便性を向上させることができる。
【0055】
ここで、同図右端の図に示すように、制御装置10は、プライバシー保護のためにスラット2を閉じる際は、全閉状態(スラット2が垂直な状態)にする必要はなく、センシング範囲R内の人物の視線が屋内に届かないような角度にスラット2を制御すればよい。
【0056】
同様に、制御装置10は、採光・眺望のためにスラット2を開ける際には、全開状態(スラット2が水平な状態)にする必要はなく、採光が可能で屋外が視認可能な角度にスラット2を制御すればよい。
【0057】
図5は、上記制御装置10によるブラインド100の開閉制御例の他の例の概要を示した図である。この例では、ビル等の複数階建ての建物Bの2階以上の階の開口部Oにブラインド100が設置されており、当該建物Bは道路を隔てて別の複数回建ての建物に対向または隣接している場合を想定する。
【0058】
この場合、センサCのセンシング範囲Rは、上記対向または隣接する建物まで広げられる。
【0059】
制御装置10は、センサCが例えば正面のビルの窓内の人物H(または人物Hの視線)を検出した場合にはスラット2を閉じてプライバシーを保護し、人物Hが検出されなくなった場合にはスラット2を開けて採光・眺望を向上させる。
【0060】
これに加えて、またはこれに代えて、制御装置10は、センサCが正面のビルのブラインドが開いていることを検出した場合はスラット2を閉じ、ブラインドが閉じたことを検出した場合にはスラット2を開けてもよい。
【0061】
ここで、制御装置10は、同図右端の図の(A)に示すように、センサCが上方(上の階)に人物Hを検出した場合にはスラット2が当該視線と対向するようにスラット2を屋外側に傾動させるように閉じ、同図(B)に示すように、下方(下の階)に人物Hを検出した場合には当該視線と対向するようにスラット2を屋内側に傾動させる。これにより採光または眺望を部分的に維持しながらプライバシーを保護することができる。
【0062】
一方、同図(C)に示すように、センサCが上方と下方の両方に人物を検出した場合には、制御装置10はスラット2を全閉状態にする。
【0063】
[制御装置の動作]
次に、以上のように構成された制御装置10の動作の詳細について説明する。当該動作は、制御装置100のCPU11等のハードウェアと、メモリ12に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。
【0064】
図6は、制御装置10によるブラインド100の開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【0065】
同図に示すように、まず制御装置10は、上記センサCから屋外のセンシング範囲Rにおける検出情報(屋外情報;例えば動画像)を取得する(ステップ101)。
【0066】
続いて制御装置10は、上記屋外情報を基に、上記センシング範囲R内に人物Hが検出されたか否かを判定する(ステップ102)。具体的には、制御装置10は、センサCがカメラの場合、動画像中から人物の特徴量を抽出することで、人物Hを車や動物等と区別して検出可能である。
【0067】
人物Hが検出されたと判定した場合(Yes)、制御装置10は、エンコーダ9で現在の開閉度(スラット2の角度)を検出する(ステップ103)。
【0068】
続いて制御装置10は、現在の開閉度が、所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップ104)。ここで閾値は、例えば屋外から室内が見え得る程度の開閉度とされる。
【0069】
現在の開閉度が閾値以上であると判定した場合(Yes)、制御装置10は、開閉度が閾値未満となるように、モータ7を駆動させてスラット2を閉制御し、外から室内が見えないようにする(ステップ105、第1の開閉制御)。
【0070】
続いて制御装置10は、再びセンサCから屋外情報を取得し(ステップ106)、センシング範囲R内に人物Hが検出されたか否かを判定する(ステップ107)。
【0071】
そして制御装置10は、人物Hが検出されなくなったと判定した場合(No)、モータ7を駆動させてスラット2を上記ステップ103で取得した開閉度に戻すように開制御する(ステップ108、第2の開閉制御)。
【0072】
なお、制御装置10は、人物Hが検出されなくなった場合に必ずしも元の開閉度に戻す必要はなく、採光可能な開閉度として予め定められた開閉度にするよう開制御するようにしてもよい。
【0073】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、制御装置10は、人物Hの接近に伴いブラインド100を開閉制御するだけでなく、人物Hが立去った後にも自動で開閉制御することができるため、シーンに応じた柔軟な使用が可能となり、プライバシーを保護するだけでなくユーザの快適性・利便性を向上させることができる。
【0074】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態及びこれ以降の実施形態において、上記第1実施形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付す。
【0075】
上述の第1実施形態では、制御装置10は、センシング範囲R内で人物Hが検出された場合に開閉制御を実行したが、本実施形態では、制御装置10は、人物Hの検出に加えて、当該人物Hが所定の動作をした場合に開閉制御を実行する。
【0076】
図7は、本実施形態における制御装置10によるブラインド100の開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【0077】
同図に示すように、ステップ201、202は上記
図6のステップ101、102と同様であるが、人物Hが検出された場合(ステップ202のYes)に、制御装置10は、当該人物Hが所定の動作条件を満たすか否かを判断する(ステップ203)。
【0078】
人物Hが所定の動作条件を満たさないと判断した場合(No)、制御装置10は、上記
図6のステップ103~105と同様の閉制御を実行する(ステップ204~206)。
【0079】
続いて制御装置10は、上記ステップ201~203と同様の処理を実行し(ステップ207~209)、人物Hが所定の動作条件を満たすと判断した場合(ステップ209のYes)、上記
図6のステップ108と同様に、開閉度を基に戻す開制御を実行する(ステップ210)。
【0080】
ここで、所定の動作条件としては、以下のような場合が考えられる。
【0081】
1.人物が室内に視線を向けた場合
制御装置は、上記屋外情報の取得(ステップ201、207)の際に、人物Hの視線の検出も行うようにし、当該人物の視線を検出しなかった場合には所定の動作条件を満たしたと判定する(ステップ203、209のYes)。
【0082】
人物の視線の検出は、例えばセンサCとしてのカメラで撮像した動画像中から検出することで行ってもよいし、カメラとは別に視線センサを設けることで行ってもよい。
【0083】
これにより、人物Hを検出したとしても、人物Hの視線が向けられた場合に限って閉制御するようにすることができ、不要な閉制御処理を削減することができる。
【0084】
2.人物が室内にカメラ等を向けた場合
制御装置10は、上記屋外情報として取得した動画像中で検出された人物Hが、建物Bの室内方向にカメラ(カメラ付き携帯端末を含む)を向ける動作をしたことを検出しなかった場合には所定の動作条件を満たしたと判定する(ステップ203、209のYes)。
【0085】
具体的には、制御装置10は、上記動画像中から、カメラやカメラ付き携帯端末の形状を検出し、かつ、人物Hの手や腕が撮影時の典型的な位置や角度に動かされたことを検出した場合に、カメラを向ける動作をしたと判定してもよい。
【0086】
なお、制御装置10は、人物Hが実際にカメラを室内方向に向ける動作をしなくても、カメラのレンズを検出した場合には、上記ステップ203、209において所定の動作条件を満たさない(No)と判定してもよい。
【0087】
これにより、人物Hを検出したとしても、人物Hが室内をカメラで撮影する懸念のある動作をした場合に限って閉制御するようにすることができ、不要な閉制御処理を削減することができる。
【0088】
3.人物が所定速度未満で動いている場合(例.歩行者は対象とするが自転車は対象外)
制御装置10は、上記屋外情報として取得した動画像中で検出された人物Hが、所定速度未満の速さで動いていることが検出されなかった場合には所定の動作条件を満たしたと判定する(ステップ203、209のYes)。
【0089】
具体的には、制御装置10は、動画像から、検出した人物Hの所定フレーム間の移動量を検出することで人物Hの速度を検出してもよい。
【0090】
これにより、人物Hを検出したとしても、例えば人物が走って通り過ぎる場合や自転車等で素通りするような場合は対象外とし、室内を覗かれる程度の速度で歩いている、または、止まっている場合に限って閉制御するようにすることができ、不要な閉制御処理を削減することができる。
【0091】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0092】
上述の各実施形態では、センシング範囲R内で検出された人物Hが一人である場合を想定していたが、本実施形態では、制御装置10は、センシング範囲内Rで複数人の人物を検出した場合には、上記所定の動作をしている人物が一人でもいたら閉制御を実行する。
【0093】
図8は、本実施形態における制御装置10によるブラインド100の開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【0094】
同図に示すように、ステップ301及び302は上記
図7のステップ201及び202と同様であるが、人物Hが検出された場合(ステップ302のYes)、制御装置10は、当該検出された人物が複数人か否かを判定する(ステップ303)。
【0095】
そして、複数人が検出された場合(Yes)には、制御装置10は、その全員が上記と同様の所定の条件を満たしているか否かを判定する(ステップ304)。
【0096】
複数人が検出されなかった場合(No)には、上記
図7のステップ203と同様の処理を実行する(ステップ305)。
【0097】
続いて、制御装置10は、上記
図7のステップ204~208と同様の処理を実行し(ステップ306~310)、再び、検出された人物Hが複数人であるか否かを判定する(ステップ311)。
【0098】
続いて、制御装置10は、上記ステップ304及び305と同様の処理を実行し(ステップ312、313)、検出された人物Hが所定の動作条件を満たすと判定した場合(ステップ312及び313のYes)、上記
図7のステップ210と同様に、開閉度を基に戻す開制御を実行する(ステップ314)。
【0099】
本実施形態によれば、センシング範囲R内で複数人の人物が検出された場合、そのうち一人でも室内を覗き得る動作をしている場合にはブラインド100を閉じるようにしたため、各人の動作をチェックしながらブラインド100の開閉を判断することができる。
【0100】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0101】
上述の第2実施形態では、制御装置10は、センシング範囲R内で人物Hが検出され、かつ、当該人物Hが所定の動作条件を満たさない場合に開閉制御を実行したが、本実施形態では、制御装置10は、人物Hの所定の動作条件に代えて、当該人物Hが所定の属性以外の場合に開閉制御を実行する。
【0102】
図9は、本実施形態における制御装置10によるブラインド100の開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【0103】
同図に示すように、ステップ401、402は上記
図6のステップ101、102と同様であるが、人物Hが検出された場合(ステップ402のYes)に、制御装置10は、当該人物Hが所定の属性条件を満たすか否かを判断する(ステップ403)。
【0104】
人物Hが所定の属性条件を満たさないと判断した場合(No)、制御装置10は、上記
図6のステップ103~105と同様の閉制御を実行する(ステップ404~406)。
【0105】
続いて制御装置10は、上記ステップ401~403と同様の処理を実行し(ステップ407~409)、人物Hが所定の属性条件を満たすと判断した場合(ステップ409のYes)、上記
図6のステップ108と同様に、開閉度を基に戻す開制御を実行する(ステップ410)。
【0106】
ここで、所定の属性条件としては、以下のような場合が考えられる。
【0107】
1.人物が居住者以外の場合
制御装置10は、上記屋外情報として取得した動画像中で検出された人物Hの顔画像について、予め記憶した建物Bの居住者等の顔画像を基に、顔認証処理を実行し、居住者等の人物であることを検出した場合には所定の属性条件を満たしたと判定する(ステップ403、409のYes)。
【0108】
なお、建物Bの居住者以外の人物であっても、関係者として予め認証登録できるようにしてもよい。
【0109】
これにより、家屋の前のセンシング範囲R内で検出された人物Hが居住者等であるにも関わらず、プライバシー保護のためにブラインド100が閉制御されてしまうのを抑止することができる。
【0110】
2.人物が子供以外の場合
【0111】
制御装置10は、上記屋外情報として取得した動画像中で検出された人物Hの特徴量(身長、体の各パーツの大きさ、比率等)から、当該人物が子供であることを検出した場合には、所定の属性条件を満たしたと判定する(ステップ403、409のYes)
【0112】
これにより、家屋の前のセンシング範囲R内で検出された人物Hが子供である場合は室内を覗かれる懸念は小さいと思われるため閉制御せず、人物Hが大人等の場合に限って閉制御するようにすることができる。
【0113】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0114】
図10は、本実施形態における制御装置10によるブラインド100の開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【0115】
本実施形態は、センシング範囲R内に複数人が検出された場合の処理を示した上記第3実施形態及び人物Hの検出に加えて人物Hの属性条件を開閉制御の条件とした第4実施形態の変形例であり、当該第3実施形態における所定の動作条件に代えて、上記第4実施形態の所定の属性条件を用いている。
【0116】
すなわち、制御装置10は、センシング範囲R内に複数人の人物が検出された場合(ステップ503、511のYes)、全員が上記所定の属性条件を満たしているか否かを判定し(ステップ504、512)、全員が所定の属性条件を満たさない場合(ステップ504のNo)には閉制御を実行し(ステップ506~508)、その後全員が所定の属性条件を満たすようになった場合(ステップ512のYes)には元の開閉度へ戻す開制御を実行する(ステップ514)。
【0117】
このように本実施形態では、センシング範囲R内に複数人が検出された場合、一人でも室内を覗かれると困る属性の人物がいる場合にはブラインド100を閉じるようにしたため、各人の属性をチェックしながらブラインド100の開閉を判断することができる。
【0118】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
【0119】
上述の各実施形態では、ユーザのプライバシーの保護とユーザの快適性・利便性の向上の両立を図る目的でブラインド100の開閉制御を実行していた。しかし本実施形態では、例えば店舗等の施設の販売促進と省エネルギーの両立を図るためにブラインド100の開閉制御を実行する。
【0120】
図11は、本実施形態における制御装置10によるブラインド100の開閉制御例の概要を示した図である。この例では、店舗の1階の開口部Oにブラインド100が設置される場合を想定する。
【0121】
同図(A)に示すように、ブラインド100のスラット2が閉じた状態で使用されている場合に、センサCのセンシング範囲R内で人物Hが検出されると、同図(B)に示すように、制御装置10はスラット2を開ける。これにより、店舗の前で人物Hの足を止めてブラインド100を介して店舗内の様子を見せることで、店舗の販売促進を行うことができる。
【0122】
続いて同図(C)に示すように、センシング範囲R内で人物Hが検出されなくなった場合には、制御装置10は、スラット2を閉じて元の開閉状態に戻す。これにより、店舗の広告効果が望めない場合には、店舗内の省エネルギー効果(夏季の遮熱効果や冬季の断熱効果)を高めることができる。
【0123】
図12は、本実施形態における制御装置10によるブラインド100の開閉制御処理の流れを示したフローチャートである。
【0124】
本実施形態の開閉制御は、上記第1実施形態における
図6に示した開閉制御とは逆の処理となる。
【0125】
すなわち、制御装置10は、センシング範囲R内に人物Hが検出された場合(ステップ602のYes)、現在の開閉度が閾値未満であるか否かを判定し(ステップ603、604)、開閉度が閾値未満であると判定した場合(ステップ604のYes)、開閉度が閾値以上となるように開制御し、外から店内が見えるようにする(ステップ605)。
【0126】
ここで閾値は、店舗外から店舗内が見え得る程度の開閉度であればよい。
【0127】
そして制御装置10は、センシング範囲R内に人物Hが検出されなくなった場合(ステップ607のNo)、ステップ603で検出した開閉度に戻すように閉制御する(ステップ608)。
【0128】
なお制御装置10は、必ずしも元の開閉度に戻す必要はなく、店舗内の省エネが可能な開閉度として予め定められた開閉度にするよう閉制御するようにしてもよい。
【0129】
上記に代えて、制御装置10は、人物Hの接近を検出すると、モータ7を制御してスラット2を連続回転(開と閉の繰り返し)して、店舗の存在を人物Hに気付かせやすくするようにしてもよい。この場合、より人物Hに店舗を気付かせやすくするため、スラット2はツートンスラット(表裏の色が異なるスラット)であってもよい。
【0130】
そして制御装置10は、人物Hが更に接近して店前(例えばショーウィンドウ前)まで来たことを検出すると、スラット2を水平となる全開状態にしてもよい。
【0131】
このように本実施形態では、開閉制御により店舗等の施設の販売促進と省エネルギーの両立を図ることができる。
【0132】
<その他の変形例>
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0133】
上述の実施形態1~5においては、人物を検知するとブラインド100を閉制御し、その後人物を検知しなくなるとブラインド100を開制御する処理について説明した。ここで制御装置10は、人物の非検知(即ち、人物立ち去り)となった後にすぐにブラインド100を開けずに、一定時間(例えば1分等)経過してから開けるようにしてもよい。
【0134】
また上述の実施形態1~5において、制御装置10は、人物の立ち去りに伴う開制御と、人物の接近に伴う閉制御との間隔が所定時間未満となる制御が所定回数繰り返された場合には、少なくとも一定時間(例えば1分等)以上は閉状態としておくようにしてもよい。
【0135】
これらの処理により、人物を断続的に検出することによってスラット2が頻繁に開閉することに伴う煩わしさを解消できる。
【0136】
上述の実施形態1~5において、制御装置10は、スラット2を開状態に戻す際は、閉状態にするときよりもスラット2の制御速度(モータ7の回転速度)を遅くしてもよい。これにより、いきなり外光が室内に入ってくることによるユーザの不快感を解消できる。
【0137】
上述の実施形態では、制御装置10はセンシング範囲Rにおいて人物Hが検出されたことに基づいてブラインド100の開閉制御を実行した。しかし制御装置10は、センサCが人物H以外の物体の所定の変位を検出したことに基づいて開閉制御を実行してもよい。
【0138】
ここで所定の変位とは、例えば、ブラインド100が設置された家屋やビル等の建物Bに面する建物のドア、窓、ブラインド、スクリーン、カーテン等の開閉動作や、それらの開閉による音の発生等である。これらの動作が検出される場合、それによってその後に、建物Bの内部をブラインド100越しに視認可能な人物が検出される蓋然性が高いと考えられることから、人物の検出を待たずに当該動作に応じて開閉制御(特に閉制御)を実行することで、人物Hに屋内を覗かれる可能性をより低くすることができる。
【0139】
この場合制御装置10は、当該上記開閉動作を、カメラによって撮像された動画像の解析によって検出してもよいし、センサCがマイクを有する場合、上記開閉動作に伴う音声を解析することで開閉動作を検出してもよい。またその場合、制御装置10が解析処理を実行してもよいし、クラウド上の解析用サーバ等の他の機器に解析処理を実行させ、その解析結果を受信してもよい。
【0140】
上述の実施形態では、制御装置10は、開閉制御としてスラット2の角度を制御していた。しかし、制御装置10は、開閉制御として、縦型ブラインドのルーバーの角度を制御してもよいし、ブラインド100(スラット2又はスクリーン)の昇降を制御してもよいし、縦型ブラインド又はカーテンの左右方向の開閉を制御してもよい。
【0141】
この場合エンコーダ9は、開閉度情報として、スラット2の角度情報に代えて、縦型ブラインドにおいてはルーバーの角度情報を出力してもよいし、またスラットやルーバーの角度ではなくブラインド100(ボトムレール5)の昇降位置を示す情報を出力してもよい。
【0142】
ブラインド100の昇降を制御する場合、制御装置10は、センシング範囲R内に人物Hを検出した場合にブラインド100を最下限位置まで下げるようにしてもよい。また、透過性のスクリーンと非透過性のスクリーンとが組み合わされたブラインドにおいては、人物Hを検出した場合に透過性のスクリーンによる遮蔽領域を小さくするようにしてもよい。より具体的には、上段が透過性のスクリーンで、下段が非透過性のスクリーンの場合、人物Hを検出すると両者を連結する中間バーの位置を上昇させる。一方、上段が非透過性のスクリーンで、下段が透過性のスクリーンの場合、人物Hを検出すると中間バーの位置を下降させる。この場合、中間バーを上下させる位置は、予め定められた位置でもよいし、透過性のスクリーンの遮蔽領域が最も小さくなる位置であってもよい。
【0143】
上述の実施形態では、制御装置10は、屋外における人物Hの検出の有無に応じてブラインド100の開閉制御を実行していた。しかし、制御装置10は、屋外において人物Hが検出された場合でも、屋内に人物(居住者)がいないと判断される場合には閉制御を実行せず、屋内に人物がいると判断される場合に閉制御を実行してもよい。この際、屋内の人物の有無を検出するために人感センサ等のセンサが設けられてもよい。
【0144】
上述の第4及び第5実施形態では、検出された人物の属性情報をカメラで撮影された動画像から取得していたが、動画像以外から属性情報が取得されてもよい。例えば、ユーザが携帯するスマートフォンや着用しているウェアラブル端末等から、予め制御装置10が記憶した特定のユーザ(居住者等)のIDを近距離無線通信等の通信により受信することで、属性情報が取得されてもよい。
【0145】
上述の各実施形態では、制御装置の制御対象となる遮蔽装置として電動ブラインド100が示された。しかし、遮蔽装置はこれに限られず、本発明は、縦型ブラインド、ロールスクリーン、ハニカムスクリーン、プリーツスクリーン、ローマンシェード等の他のブランドのほか、カーテン、シャッター、アコーディオンドア、引き戸又はパネルドア等、あらゆる遮蔽装置の制御装置に容易に適用することができる。
【符号の説明】
【0146】
1…ヘッドボックス
2…スラット
3…昇降コード
4…ラダーコード
5…ボトムレール
6…昇降回転ドラム
7…モータ
8…駆動軸
9…エンコーダ
10…制御装置
11…CPU
12…メモリ
C…センサ
R…センシング範囲