(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036445
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】万引き防止セルフレジ
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20220301BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220301BHJP
G08B 13/22 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G06Q30/06
G08B13/22
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140653
(22)【出願日】2020-08-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】517216660
【氏名又は名称】株式会社フォトラダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】特許業務法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】沼澤 英司
【テーマコード(参考)】
3E142
5C084
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142BA16
3E142GA04
3E142GA34
3E142GA41
5C084AA03
5C084AA09
5C084BB31
5C084CC35
5C084DD07
5C084EE07
5C084GG07
5C084GG09
5C084GG43
5C084HH01
5C084HH17
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】万引きを防止しやすい万引き防止セルフレジを提供する。
【解決手段】万引き防止セルフレジ1は、商品Gに対して取付部21を介して着脱自在に取り付けられているRFID2と、RFID2に関連付けられた未精算/精算済の精算情報を書き換える書換手段3と、RFID2に関連付けられた精算情報を読み取る読取手段4と、読み取られた精算情報に基づいて、商品Gが精算済であるときに、取付部21が解放されることによって、RFID2が商品Gから自動的に取外されるようになっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に対して取付部を介して着脱自在に取り付けられているRFIDと、
前記RFIDに関連付けられた未精算/精算済の精算情報を書き換える書換手段と、
前記RFIDに関連付けられた前記精算情報を読み取る読取手段と、
読み取られた前記精算情報に基づいて、前記商品が精算済であるときに、前記取付部が解放されることによって、前記RFIDが前記商品から自動的に取外されるようになっている、万引き防止セルフレジ。
【請求項2】
店舗の出入口に設置されて、未精算の前記商品に取り付けられた前記RFIDの精算情報を検知する検知手段をさらに備え、
未精算の前記商品が出入口を通過する場合に、出入口が開かないようになっている、請求項1に記載された、万引き防止セルフレジ。
【請求項3】
前記取付部は、融解部を有しており、
前記商品が精算済であるときに、前記融解部を融解させる赤外線を照射する照射部をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載された、万引き防止セルフレジ。
【請求項4】
前記商品が精算済であるときに、前記RFIDを取り外すアームをさらに備える、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された、万引き防止セルフレジ。
【請求項5】
前記精算情報は、スマートフォンによる決済によっても書き換え可能になっている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された、万引き防止セルフレジ。
【請求項6】
前記商品に取り付けられている前記RFIDを、未精算の状態で取り外すと、警告音が鳴ると同時に、必要に応じてセキュリティ担当者に通報されるようになっている、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載された、万引き防止セルフレジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、万引き防止セルフレジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、店舗では、万引き対策が必要となることも多かった。例えば、特許文献1には、未精算商品につき、中央で集計を取り、商品の流れが想定した流れと相違した場合に、利用者に認知を促すセルフレジ・キオスク・システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来のシステムでは、ユーザーに対し、未精算であることを知らせることはできても、膨大な数の商品の集計を取ることに要するシステムの複雑さが回避できず、ユーザーに逃走(強行突破)されてしまう恐れもある。
【0005】
そこで、本発明は、万引きを防止しやすい万引き防止セルフレジを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の万引き防止セルフレジは、商品に対して取付部を介して着脱自在に取り付けられているRFIDと、前記RFIDに関連付けられた未精算/精算済の精算情報を書き換える書換手段と、前記RFIDに関連付けられた前記精算情報を読み取る読取手段と、読み取られた前記精算情報に基づいて、前記商品が精算済であるときに、前記取付部が解放されることによって、前記RFIDが前記商品から自動的に取外されるようになっている。
【発明の効果】
【0007】
このように、本発明の万引き防止セルフレジは、RFIDと、未精算/精算済の精算情報を書き換える書換手段と、精算情報を読み取る読取手段と、商品が精算済であるときに、RFIDが商品から自動的に取外されるようになっている。このように、RFIDを使用することによって万引きを防止しやすくなっている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】万引き防止セルフレジの構成を説明する説明図である。
【
図2】万引き防止セルフレジの処理フローを説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例0010】
(構成)
まず、
図1を用いて、実施例の万引き防止セルフレジ1の構成について説明する。万引き防止セルフレジ1は、モニタ兼用のタッチパネル11を有する本体10と、商品Gに対して取付部21を介して着脱自在に取り付けられているRFID2と、RFID2に関連付けられた未精算/精算済の精算情報を書き換える書換手段3と、RFID2に関連付けられた精算情報を読み取る読取手段4と、を備えている。
【0011】
本体10は、万引き防止セルフレジ1(システム)の全体を統括・制御する、コントローラを内蔵するとともに、タッチパネル11が一体となっている。タッチパネル11は、モニタ兼用とされており、読み取った商品や、精算済の商品の情報が表示される。
【0012】
RFID2は、商品GのID情報が埋め込まれたタグであり、電磁波や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報をやりとりすることができる。具体的には、ID情報としては、商品名、メーカ名、価格、未精算/精算済の精算情報などが記録されている。精算情報を含むID情報は、後述する書換手段3によって書き換えることができる。さらに、本実施例の精算情報は、スマートフォンによる決算によっても書き換え可能となっていることが好ましい。
【0013】
書換手段3としては、リーダ・ライタの機能を有するスキャナ30を使用することができる。そして、書換手段3は、商品Gに関連付けられている精算情報を未精算から精算済に書き換えることができるようになっている。具体的には、スキャナ30で読み込まれた商品Gの精算情報は、図示しないサーバと通信することで、サーバ上の精算情報を書き換えるように構成されるか、又は、RFID2自体に記録された精算情報を直接書き換えることができるように構成される。
【0014】
読取手段4は、電磁波又は電波を用いて精算情報を読み取ることができるようになっており、精算箱60内の任意の箇所に配置されている。なお、読取手段4は、必要に応じて、リーダ・ライタとしての機能、すなわち書込機能を有することも好ましい。
【0015】
そして、本実施例の万引き防止セルフレジ1は、読取手段4によって読み取られた精算情報に基づいて、商品Gが精算済であるときに、取付部21が解放されることによって、RFID2が商品Gから自動的に取外されるようになっている。
【0016】
具体的な構成としては、RFID2側は、溶融部を有する取付部21を有しており、精算箱60側は、例えば蓋61に赤外線等の電波を照射する電波照射ランプ62が取り付けられる。したがって、この電波照射ランプ62で溶融部を照射することで、取付部21が解放されて、商品GからRFID2(タグ)が取り外れるようになっている。
【0017】
そして、本実施例の万引き防止セルフレジ1は、RFID2を商品Gから取り外すアーム7をさらに備えている。アーム7は、精算箱60の内部に設置されており、精算済の商品Gに取り付けられているRFID2(溶融部が溶融されている状態)から、RFID2を物理的に切り離すようにされている。例えば、アーム7は、センサによってRFID2(タグ)の位置を捕捉し、RFID2(タグ)をアーム7の先端部で引っ掛けて分離させるようになっている。したがって、精算箱60に商品Gを入れる際に、アーム7によってRFID2を取り外しやすいように並べることが好ましい。
【0018】
そして、図示しないが、万引き防止セルフレジ1が設置される店舗の出入口としての自動ドアの近傍には、未精算の商品Gに取り付けられたRFID2の精算情報を検知する検知手段(5)をさらに備えており、未精算の商品Gが出入口を通過する場合に、出入口が開かないようになっている。
【0019】
具体的な構成としては、例えば、検知手段(5)としては、出入口の通路の両脇に設置されるタワー型のセンサ(防犯ゲート)を使用することができる。そして、検知手段(5)からの指示を受けた自動ドアのコントローラによって、自動ドアの開閉が制御されるように構成されることが好ましい。
【0020】
(制御手順)
次に、
図2のフローチャートを用いて、実施例の万引き防止セルフレジ1の制御手順について説明する。まず、書換手段3としてのスキャナ30を用いて商品Gを登録する(ステップS1)。そうすると、本体10のコントローラ内で精算情報が未精算から精算済に書き換えられる。次に、商品Gを精算箱60に格納する(ステップS2)。そうすると、読取手段4によって精算情報が読み取られる。
【0021】
そして、コントローラにおいて、全ての商品を登録したか否かが判定される(ステップS3)。全ての商品を登録していなければ(ステップS3のNO)、ステップS1へ戻って商品を登録する(ステップS1)。全ての商品を登録していれば(ステップS3のYES)、登録完了ボタンを押して登録を完了する(ステップS4)。
【0022】
次に、コントローラにおいて、実在数と登録数が一致するか否かが判定される(ステップS5)。実在数と登録数が一致していない場合(ステップS5のNO)には、再度登録するか(ステップS1へ戻るルート)、又は、商品Gをキャンセルするか(ステップS6)を選択する。実在数と登録数が一致する場合(ステップS5のYES)、及び、商品Gをキャンセルした場合(ステップS6)には、RFID2(タグ)に電波を照射して(ステップS7)、RFID2(タグ)と商品Gの結合を解除する。その後、必要に応じてアーム7によってRFID2を取り外す。
【0023】
最後に、自動ドアのロックを解除したうえで(ステップS8)、精算箱60から商品Gを取り出して処理を終了する(ステップS9)。
【0024】
(効果)
次に、実施例の万引き防止セルフレジの奏する効果を列挙して説明する。
【0025】
(1)上述してきたように、万引き防止セルフレジ1は、商品Gに対して取付部21を介して着脱自在に取り付けられているRFID2と、RFID2に関連付けられた未精算/精算済の精算情報を書き換える書換手段3と、RFID2に関連付けられた精算情報を読み取る読取手段4と、読み取られた精算情報に基づいて、商品Gが精算済であるときに、取付部21が解放されることによって、RFID2が商品Gから自動的に取外されるようになっている。このように、RFID2を使用することによって万引きを防止しやすくなっている。
【0026】
(2)さらに、店舗の出入口に設置されて、未精算の商品Gに取り付けられたRFID2の精算情報を検知する検知手段をさらに備え、未精算の商品Gが出入口を通過する場合に、出入口が開かないようになっているため、未精算の商品Gを店外に持ち出すことができないようになっている。
【0027】
(3)また、取付部21は、融解部を有しており、商品Gが精算済であるときに、融解部を融解させる赤外線を照射する照射部としての電波照射ランプ62をさらに備えることで、RFID2と商品Gの結合を容易に解除することができる。
【0028】
(4)さらに、商品Gが精算済であるときに、RFID2を取り外すアーム7をさらに備えることで、商品Gを精算箱60から取り出すときにRFID2を手で取り外す手間を省くことができる。
【0029】
(5)なお、精算情報は、スマートフォンによる決済によっても書き換え可能になっていることが好ましい。
【0030】
(6)また、商品Gに取り付けられているRFID2を、未精算の状態で取り外した場合に、警告音が鳴ると同時に、必要に応じて、セキュリティ担当者に通報されるようになっていることが好ましい。
【0031】
(その他の構成・作用・効果)
本発明の一態様は、店内陳列の全商品にRFID2を取り付けて、RFID2に搭載されたアンテナ内部に未精算/精算済の精算情報を読み取ることができる信号を組み込み、利用者は購入しようとする商品Gを自ら登録し、登録し終わった商品Gは、自動又は手動で精算箱60に格納され、さらに支払いまで完了したときは精算箱60内に電波が流れ、RFID2搭載アンテナの信号情報を書き換えることにより、店外に持ち出すことができる。この場合、金属製の容器に入った商品は、紙等でできた箱に入れて陳列をした方が好ましい。
【0032】
利用者が商品Gを登録せずに精算箱60に入れた場合には、精算箱60内部の読取手段4がこれを検知して、利用者に通知をし、登録またはキャンセルの手法として利用者が精算箱60から商品Gを取り出さなければ、会計をすることができないようになっていることが好ましい。
【0033】
利用者が買い上げ合計金額の持ち合わせがない場合などで、商品Gをキャンセルする場合には、タッチパネル11等の案内にしたがって、キャンセルする商品Gを選択した後に、キャンセルする商品Gを精算箱60から取り出したうえで登録完了ボタンを押して、会計に進むようになっていることが好ましい。
【0034】
未精算の商品Gを店外に持ち出そうとすると、自動ドア付近にある検知手段5(ゲート)がこれを検知し、必要に応じて、通知や警告の音声が流れたり、自動ドアがロックされて開かなくしたりしてもよい。
【0035】
精算済の商品Gを持ち帰るときに、精算情報を書き換えられたRFID2は、「自動ドアの外側で」商品Gから剥がすことができ、必要に応じて、商品Gからはがされた、すなわち精算情報が書き換えられたRFID2は、所定の場所に設置された専用の回収機に投入することで返金するように構成することもできる。精算情報が書き換えられたRFID2の回収方法は、帰宅後に荷造りをし、回収センターに着払いで配送してもよい。なお、RFID2がはがされた商品Gは、例えば、二重ドアで区切られたエリア内で、電子レンジで温めたり、商品にお湯を入れたりしてもよい。
【0036】
店内の出入り口に、二重ドアがある場合には、外側ドアと内側ドアの間の部分や、その他の所定の位置に、上は人の手が届くところから始まり、下は床面に渡る一連のロッカーの集合体を設置し、床に近いところから天井に向かうにつれて各ロッカーは、徐々に小さくなるように配置し、各ロッカーには利用者が配送する荷物を格納すると、ロッカーの底部に備える荷物の重さを測る「量り」によって計測されたサイズ帯、又は、ロッカーのサイズごとに定められた大きさによるサイズ帯、のいずれか大きい方のサイズ帯が自動的にタッチパネル上に反映され、利用者が入力をした送り先情報との全情報から算出した料金の支払いが完了するとロッカーに鍵がかかり集配業者または店員以外はロッカーを開けられなくなるようにすることもできる。このロッカーは、インターネット販売による受け取り商品Gの受け取り時や、宅配便の店頭受け取りサービスについても店内端末の操作により、ロックを解除して行うことができるようにすることもできる。
【0037】
さらに、インターネット代金の支払いや、公共料金その他の支払いについては、店内備えつけのATM端末の機能を拡充するか、専用の端末を増設してこれに対応することもできる。
【0038】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0039】
例えば、実施例では、書換手段3と読取手段4とを別の構成として説明したが、これに限定されるものではなく、書換手段3を省略して、精算箱60内の読取手段4が読取機能と書換機能の両方を有するように構成することも好ましい。