(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036490
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】船舶用デッキクレーン転倒防止機構
(51)【国際特許分類】
B63B 27/10 20060101AFI20220301BHJP
B66C 23/88 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
B63B27/10 A
B66C23/88 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140721
(22)【出願日】2020-08-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】505159021
【氏名又は名称】宮本 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100136250
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 博臣
(74)【代理人】
【識別番号】100198719
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 良裕
(72)【発明者】
【氏名】宮本 達則
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA10
(57)【要約】
【課題】旋回体に設けられたジブが波の影響によって転倒するのを防止することが可能な船舶用デッキクレーンの転倒防止機構の提供。
【解決手段】船舶用デッキクレーン1は、旋回体11と、旋回体11に設けられるジブ12と、ワイヤWRに接続されたジブ12を起伏させるウィンチ13とを備える。船舶用デッキクレーン1の転倒防止装置3は、支持部材4と、ジブ12が所定の高さまで起き上がった場合に支持部材4の先端に当接する当接部材5とを備える。支持部材4は旋回体11に設けられ、当接部材5はジブ12に設けられる。当接部材5は、支持部材4の先端一部が嵌合可能な嵌合部と、支持部材4の先端一部が嵌合部に接触した際の衝撃を吸収するダンパー部とを備える。ジブ12が所定の高さまで起き上がった場合に支持部材4の先端が嵌合部に嵌合することで、ジブ12が支持部材4によって支持される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶のデッキに対して鉛直軸周りに旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体に設けられるジブと、ワイヤを巻き取り或いは繰り出すことによって前記ワイヤに接続された前記ジブを起伏させるウィンチとを備える船舶用デッキクレーンの転倒防止機構であって、
前記旋回体には、略水平方向に延在する棒状の支持部材が設けられ、
前記ジブには、前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端に当接する当接部材が設けられ、
前記当接部材は、
前記支持部材の先端一部が嵌合可能な嵌合部と、
前記支持部材の先端一部が前記嵌合部に接触した際の衝撃を吸収するダンパー部と、
を備え、
前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端が前記嵌合部に嵌合することで、前記ジブが前記支持部材によって支持されることを特徴とする船舶用デッキクレーンの転倒防止機構。
【請求項2】
前記支持部材は、長手方向に伸縮可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の船舶用デッキクレーンの転倒防止機構。
【請求項3】
前記支持部材の先端側には、円筒軸方向が前記支持部材の長手方向に直交するように配置された円筒部材が設けられ、
前記嵌合部は、前記円筒部材を嵌合可能な断面円弧状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶用デッキクレーンの転倒防止機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶のデッキに搭載されたデッキクレーンの転倒を防止するための船舶用デッキクレーン転倒防止機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶のデッキに設置される船舶用デッキクレーンが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の
図1では、船舶(51)のデッキ(52)上に設置された船舶用デッキクレーン(100)が示されている。船舶用デッキクレーン(100)は、クレーン装置(10)を備えており、船舶(51)に対して対象物(C)の積み下ろし作業等を行うことが可能である。
【0003】
特許文献1の
図2に示すように、クレーン装置(10)は、旋回体(11)と、ジブ(12)と、旋回装置(13)と、俯仰装置(14)と、巻上装置(15)とを備えて構成される。旋回体(11)は、船舶(51)に設けられた架台(16)上に配置される。旋回体(11)は、架台(16)の支持面(16a)と直交する回転軸(AX1)の軸線周りに回転可能に設けられている。ジブ(12)は、棒状の部材であり、基端部(12a)が旋回体(11)に取り付けられている。ジブ(12)は、基端部(12a)において、水平方向に平行な揺動軸(AX2)の軸線周りに起伏可能である。
【0004】
クレーン装置(10)は、旋回体(10)を介して回転可能に構成されている。旋回体(10)が回転すると、旋回体(10)に取り付けられたジブ(12)も回転する。その結果、ジブ(12)の先端をデッキ(52)の側方に張り出させ、海中から対象物を引き上げたり、当該対象物を海中に下ろしたりできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、海上における船舶は波の影響を受けて大きく揺動することがある。特許文献1において、旋回体(10)の回転に伴いジブ(12)が幅方向を向いた状態で起き上がっている場合に船舶が幅方向に大きく揺動すると、ジブ(12)が転倒して破損するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、旋回体に設けられたジブが波の影響によって転倒するのを防止することが可能な船舶用デッキクレーンの転倒防止機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、船舶のデッキに対して鉛直軸周りに旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体に設けられるジブと、ワイヤを巻き取り或いは繰り出すことによって前記ワイヤに接続された前記ジブを起伏させるウィンチとを備える船舶用デッキクレーンの転倒防止機構であって、前記旋回体には、略水平方向に延在する棒状の支持部材が設けられ、前記ジブには、前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端に当接する当接部材が設けられ、前記当接部材は、前記支持部材の先端一部が嵌合可能な嵌合部と、前記支持部材の先端一部が前記嵌合部に接触した際の衝撃を吸収するダンパー部と、を備え、前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端が前記嵌合部に嵌合することで、前記ジブが前記支持部材によって支持されることを特徴とする船舶用デッキクレーンの転倒防止機構を提供している。
【0009】
ここで、前記支持部材は、長手方向に伸縮可能に構成されているのが好ましい。
【0010】
また、前記支持部材の先端側には、円筒軸方向が前記支持部材の長手方向に直交するように配置された円筒部材が設けられ、前記嵌合部は、前記円筒部材を嵌合可能な断面円弧状を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ジブが所定の高さまで起き上がった場合に支持部材の先端が嵌合部に嵌合することで、ジブが支持部材によって支持される。そのため、波の影響によって船舶が大きく揺動したとしてもジブが転倒せず、ジブの破損を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】船舶用デッキクレーンを有する船舶を示す概略図。
【
図2】船舶用デッキクレーンに装着される転倒防止装置を示す図。
【
図3】転送防止装置の一部を構成する支持棒を示す図。
【
図4】転送防止装置の一部を構成する当接部材を示す図。
【
図6】当接部材をジブに対して固定するためのU字ロックを示す図。
【
図7】支持部材によってジブが支持される様子を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<1.実施形態>
本発明の実施形態による船舶用デッキクレーンの転倒防止機構について、
図1から
図7を参照しながら説明する。
【0014】
以下では、船舶用デッキクレーンの一例として、
図1に示す船舶用デッキクレーン1を例示する。また、船舶用デッキクレーンの転倒防止機構の一例として、
図2に示す転倒防止装置3を例示する。
【0015】
船舶用デッキクレーン1は、船舶2のデッキ22上に設置され、海上において対象物(牡蠣筏など)を海中から引き上げたり、下ろしたりするのに用いられる作業機械である。
【0016】
図1に示すように、船舶用デッキクレーン1は、旋回体11、ジブ12、ウィンチ13などを備えて構成される。
【0017】
旋回体11は、
図1の破線矢印で示されるように、デッキ22に対して鉛直軸周りに旋回可能に設けられる旋回装置である。ジブ12は、支軸11aの軸周りに起伏可能な竿状の部材である。ウィンチ13は、ワイヤWRを巻き取ったり、繰り出したりすることでワイヤWRに接続されたジブ12を起伏させる装置である。ウィンチ13は、旋回体11の後端側(支軸11aとは反対側)に設けられる。
【0018】
図2に示すように、船舶用デッキクレーン1には、海上で波の影響を受けてジブ12が転倒するのを防止するための転倒防止装置3が装着される。
【0019】
転倒防止装置3は、旋回体11に対して設けられる支持部材4と、ジブ12に対して設けられる当接部材5とを備えて構成される。
【0020】
支持部材4は、水平方向に延在する支持棒41と、支持棒41の下側に設けられ支持棒41を支持する支持棒42とを備えて構成される。なお、支持棒41は、本発明に係る支持部材の一例である。
【0021】
図3に示すように、支持棒41は、胴部411と、胴部411の先端部に設けられたナット412と、ナット412に噛み合うボルト413と、ボルト413の先端部に固定される円筒部材414とを備えて構成される。
【0022】
胴部411は、中空円筒状の部材として構成され、ボルト413の一部を収納可能に構成されている。
【0023】
円筒部材414は、円筒軸方向が支持棒41の長手方向DRに直交するようにボルト413の先端部に固定されている。
【0024】
円筒部材414を回転させると、円筒部材414に接続されているボルト413も回転する。ボルト413を所定方向に回転させると、支持棒41が伸長し、ボルト413を所定方向とは反対方向に回転させると、支持棒41が収縮する。かかる構成により、支持棒41は、長手方向DRに伸縮可能に構成されている。
【0025】
図2に示すように、支持棒41は、長手方向が略水平となるように旋回体11に設けられている。具体的には、旋回体11の筐体一部を構成する梁111,112のうち梁112に対して支持棒41の基端部が固定されている。
【0026】
なお、
図2では、左側に設けられた支持棒41のみを図示しているが、実際には、右側の梁にも全く同じ支持棒41が設けられている。つまり、支持棒41は、左右に2本設けられている。
【0027】
支持棒41には、支持棒41を支持する支持棒42が設けられている。支持棒42の下端は梁112に固定され、支持棒42の上端は支持棒41の胴部411に固定される。
【0028】
続いて、
図4~
図6を参照しながら、ジブ12に対して設けられる当接部材5について説明する。
【0029】
図4に示すように、当接部材5は、コの字プレート51A,51Bと、一対の固定棒52と、一対の円弧プレート53とを備えて構成される。
【0030】
コの字プレート51A,51Bは、互いに開口が向かい合うように配置される。なお、
図5に示すように、コの字プレート51Aとコの字プレート51Bとは、後述のダンパーゴム54を介してボルトで固定されている。
【0031】
コの字プレート51Aには一対の固定棒52が固定されている。また、コの字プレート51Bには一対の円弧プレート53が固定されている。
【0032】
一対の固定棒52は、ジブ12のフレームに沿って配置され、
図6に示すようなU字ロックによってジブ12のフレームにそれぞれ固定される。これにより、当接部材5は、ジブ12に取り付けられた状態で固定される。
【0033】
一対の円弧プレート53は、円筒部材414を嵌合可能な断面円弧状に鉄板を曲げ加工した部材であり、本発明に係る嵌合部の一例である。
【0034】
図5に示すように、コの字プレート51Aとコの字プレート51Bとの隙間には、ダンパーゴム54が設けられている。ダンパーゴム54は、円筒部材414(すなわち支持棒41の先端)が円弧プレート53に接触した際の衝撃を吸収するための部材であり、本発明に係るダンパー部の一例である。
【0035】
図7に示すように、当接部材5は、ジブ12が所定の高さまで起き上がった場合に支持部材4の先端に当接する位置に設けられている。具体的には、当接部材5は、一対の円弧プレート53に支持棒41の円筒部材414がそれぞれ嵌合する位置に設けられている。
【0036】
上述した実施形態によれば、ジブ12が所定の高さまで起き上がった場合に支持部材4の先端(支持棒41の円筒部材414)が一対の円弧プレート53に嵌合することで、ジブ12が支持部材4によって支持される。そのため、波の影響によって船舶が大きく揺動したとしてもジブ12が転倒せず、ジブ12の破損を回避できる。
【0037】
また、上述した実施形態によれば、支持棒41が長手方向DRに伸縮可能に構成されているので、転倒防止装置3を設置する船舶用デッキクレーンに応じて支持棒41の長さを調整することが可能である。
【0038】
また、上述した実施形態によれば、支持棒41の先端に円筒部材414が設けられ、ジブ12が所定の高さまで起き上がった場合に円筒部材414が断面円弧状の円弧プレート53に嵌合するように構成されている。そのため、多少の位置ずれが発生しても、円筒部材414を円弧プレート53に確実に嵌合させることが可能である。
【0039】
<2.変形例>
本発明による船舶用デッキクレーンの転倒防止機構は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0040】
例えば、上述した実施形態では、嵌合部の一例として円弧プレート53を用いる場合を例示したが、これに限定されず、V字プレートなど他の形状のものを用いるようにしてもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、ダンパー部の一例としてダンパーゴム54を用いる場合を例示したが、これに限定されず、衝撃吸収ゲルなど別の緩衝材を用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように本発明に係る船舶用デッキクレーンの転倒防止機構は、旋回体に設けられたジブの転倒を防止するのに適している。
【符号の説明】
【0043】
1 船舶用デッキクレーン
2 船舶
3 転倒防止装置
4 支持部材
5 当接部材
11 旋回体
12 ジブ
13 ウィンチ
22 デッキ
41 支持棒
42 支持棒
51A,51B コの字プレート
52 固定棒
53 円弧プレート
54 ダンパーゴム
111,112 梁
411 胴部
412 ナット
413 ボルト
414 円筒部材
DR 長手方向
WR ワイヤ
【手続補正書】
【提出日】2021-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶のデッキに対して鉛直軸周りに旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体に設けられるジブと、ワイヤを巻き取り或いは繰り出すことによって前記ワイヤに接続された前記ジブを起伏させるウィンチとを備える船舶用デッキクレーンの転倒防止機構であって、
前記旋回体には、略水平方向に延在する棒状の支持部材が設けられ、
前記ジブには、前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端に当接する当接部材が設けられ、
前記当接部材は、
前記支持部材の先端一部が嵌合可能な嵌合部と、
前記支持部材の先端一部が前記嵌合部に接触した際の衝撃を吸収するダンパー部と、
を備え、
前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端が前記嵌合部に嵌合することで、前記ジブが前記支持部材によって支持され、
前記支持部材は、胴部と、前記胴部の先端部に設けられるナットと、前記ナットに噛み合うボルトと、円筒軸方向が前記支持部材の長手方向に直交するように前記ボルトの先端に固定される円筒部材とを有し、
前記胴部は、中空円筒状の部材として構成され、前記ボルトの一部を収容可能に構成され、
前記円筒部材の回転に伴って前記円筒部材に接続されている前記ボルトも回転し、
前記ボルトが所定方向に回転すると前記支持部材が伸長し、前記ボルトが前記所定方向とは反対方向に回転すると前記支持部材が収縮することで、前記支持部材が前記長手方向に伸縮可能に構成され、
前記前記嵌合部は、前記円筒部材を嵌合可能な断面円弧状を有することを特徴とする船舶用デッキクレーンの転倒防止機構。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、船舶のデッキに対して鉛直軸周りに旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体に設けられるジブと、ワイヤを巻き取り或いは繰り出すことによって前記ワイヤに接続された前記ジブを起伏させるウィンチとを備える船舶用デッキクレーンの転倒防止機構であって、前記旋回体には、略水平方向に延在する棒状の支持部材が設けられ、前記ジブには、前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端に当接する当接部材が設けられ、前記当接部材は、前記支持部材の先端一部が嵌合可能な嵌合部と、前記支持部材の先端一部が前記嵌合部に接触した際の衝撃を吸収するダンパー部と、を備え、前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端が前記嵌合部に嵌合することで、前記ジブが前記支持部材によって支持され、前記支持部材は、胴部と、前記胴部の先端部に設けられるナットと、前記ナットに噛み合うボルトと、円筒軸方向が前記支持部材の長手方向に直交するように前記ボルトの先端に固定される円筒部材とを有し、前記胴部は、中空円筒状の部材として構成され、前記ボルトの一部を収容可能に構成され、前記円筒部材の回転に伴って前記円筒部材に接続されている前記ボルトも回転し、前記ボルトが所定方向に回転すると前記支持部材が伸長し、前記ボルトが前記所定方向とは反対方向に回転すると前記支持部材が収縮することで、前記支持部材が前記長手方向に伸縮可能に構成され、前記前記嵌合部は、前記円筒部材を嵌合可能な断面円弧状を有することを特徴とする船舶用デッキクレーンの転倒防止機構を提供している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2021-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶のデッキに対して鉛直軸周りに旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体に設けられるジブと、ワイヤを巻き取り或いは繰り出すことによって前記ワイヤに接続された前記ジブを起伏させるウィンチとを備える船舶用デッキクレーンの転倒防止機構であって、
前記旋回体には、略水平方向に延在する棒状の支持部材が設けられ、
前記ジブには、前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端に当接する当接部材が設けられ、
前記当接部材は、
前記支持部材の先端一部が嵌合可能な嵌合部と、
前記支持部材の先端一部が前記嵌合部に接触した際の衝撃を吸収するダンパー部と、
を備え、
前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端が前記嵌合部に嵌合することで、前記ジブが前記支持部材によって支持され、
前記支持部材は、胴部と、前記胴部の先端部に設けられるナットと、前記ナットに噛み合うボルトと、円筒軸方向が前記支持部材の長手方向に直交するように前記ボルトの先端に固定される円筒部材とを有し、
前記胴部は、中空円筒状の部材として構成され、前記ボルトの一部を収容可能に構成され、
前記円筒部材の回転に伴って前記円筒部材に接続されている前記ボルトも回転し、
前記ボルトが所定方向に回転すると前記支持部材が伸長し、前記ボルトが前記所定方向とは反対方向に回転すると前記支持部材が収縮することで、前記支持部材が前記長手方向に伸縮可能に構成され、
前記嵌合部は、前記円筒部材を嵌合可能な断面円弧状を有することを特徴とする船舶用デッキクレーンの転倒防止機構。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、船舶のデッキに対して鉛直軸周りに旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体に設けられるジブと、ワイヤを巻き取り或いは繰り出すことによって前記ワイヤに接続された前記ジブを起伏させるウィンチとを備える船舶用デッキクレーンの転倒防止機構であって、前記旋回体には、略水平方向に延在する棒状の支持部材が設けられ、前記ジブには、前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端に当接する当接部材が設けられ、前記当接部材は、前記支持部材の先端一部が嵌合可能な嵌合部と、前記支持部材の先端一部が前記嵌合部に接触した際の衝撃を吸収するダンパー部と、を備え、前記ジブが所定の高さまで起き上がった場合に前記支持部材の先端が前記嵌合部に嵌合することで、前記ジブが前記支持部材によって支持され、前記支持部材は、胴部と、前記胴部の先端部に設けられるナットと、前記ナットに噛み合うボルトと、円筒軸方向が前記支持部材の長手方向に直交するように前記ボルトの先端に固定される円筒部材とを有し、前記胴部は、中空円筒状の部材として構成され、前記ボルトの一部を収容可能に構成され、前記円筒部材の回転に伴って前記円筒部材に接続されている前記ボルトも回転し、前記ボルトが所定方向に回転すると前記支持部材が伸長し、前記ボルトが前記所定方向とは反対方向に回転すると前記支持部材が収縮することで、前記支持部材が前記長手方向に伸縮可能に構成され、前記嵌合部は、前記円筒部材を嵌合可能な断面円弧状を有することを特徴とする船舶用デッキクレーンの転倒防止機構を提供している。