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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036572
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】電線保護管の保持具
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/00 20060101AFI20220301BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20220301BHJP
   F16B 2/20 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
H02G7/00
H02G1/02
F16B2/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140852
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000139573
【氏名又は名称】株式会社愛洋産業
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岸 泰至
【テーマコード(参考)】
3J022
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC14
3J022FB08
3J022FB12
3J022FB24
3J022HA05
3J022HB02
3J022HB06
5G352AC03
5G367BB04
(57)【要約】
【課題】保護手袋を着用している作業者であっても電線保護管から取り外しやすい、電線保護管の保持具を提供する。
【解決手段】円筒状の電線挿通部がその軸方向である電線挿通方向に沿って設けられた切れ目部分により拡開自在であるとともに、その切れ目部分の各端縁から外方向に延びる突出片が形成された電線保護管を、拡開不能な状態に保持する、電線保護管の保持具は、脚部と、円弧部と、を備える。脚部は、突出片が差し込まれる溝部が形成される。円弧部は、脚部から延び、電線挿通部の外周面に嵌合する形状である。保持具は、溝部に突出片が差し込まれ、かつ、円弧部が電線挿通部の外周面に嵌合した状態で、電線保護管の外周に装着されるものである。保持具は、更に、保持具が電線保護管に装着された状態で電線挿通方向となる方向に突出した形状の少なくとも1つの凸部を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の電線挿通部がその軸方向である電線挿通方向に沿って設けられた切れ目部分により拡開自在であるとともに、その切れ目部分の各端縁から外方向に延びる突出片が形成された電線保護管を、拡開不能な状態に保持する、電線保護管の保持具であって、
前記突出片が差し込まれる溝部が形成された脚部と、
前記脚部から延び、前記電線挿通部の外周面に嵌合する形状の円弧部と、
を備え、
前記溝部に前記突出片が差し込まれ、かつ、前記円弧部が前記電線挿通部の外周面に嵌合した状態で、前記電線保護管の外周に装着されるものであり、
さらに、前記円弧部は、前記突出片の先端が前記溝部に引掛けられた状態で、前記円弧部の先端を前記電線挿通部に押し付ける向きに力が加えられることにより、前記電線挿通部に嵌め込まれるようになっており、
前記保持具は、更に、前記保持具が前記電線保護管に装着された状態で前記電線挿通方向となる方向に突出した形状の少なくとも1つの凸部を備える、電線保護管の保持具。
【請求項2】
請求項1に記載の電線保護管の保持具であって、
前記円弧部の先端には、前記円弧部により描かれる円弧を一部とする円の外側方向に延びるように形成された案内片が設けられ、
前記円弧部の外周面の所定位置には、前記円弧部により描かれる円弧を一部とする円の外側方向に延びるように形成された引掛片が設けられ、
前記案内片及び前記引掛片の少なくとも一方は、前記少なくとも1つの凸部を備える、電線保護管の保持具。
【請求項3】
請求項2に記載の電線保護管の保持具であって、
前記脚部、前記円弧部、前記案内片及び前記引掛片はそれぞれ板状であり、
前記案内片及び前記引掛片の少なくとも一方は、その先端に、前記保持具が前記電線保護管に装着された状態で前記電線挿通方向となる方向に端部が突出するように形成された先端片を備え、
前記少なくとも1つの凸部は、前記先端片の端部である、電線保護管の保持具。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電線保護管の保持具であって、
前記脚部は、前記保持具が前記電線保護管に装着された状態で、前記突出片のうちの一方の根本付近から当該突出片に沿って延びるとともに、当該突出片の先端を越えた位置で2つの前記突出片を両側から挟むように折り返された形状であって、その折り返された部分が前記溝部となっており、
前記円弧部は、前記保持具が前記電線保護管に装着された状態で、前記脚部の前記溝部側とは反対側の端部から前記電線挿通部の外周に沿って延びるとともに、前記電線挿通部の外周の円周長の半分よりも長い部分を覆う形状である、電線保護管の保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電柱間に架設された電線を保護する電線保護管を、拡開不能な状態に保持する保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
電柱間に架設された電線に、樹木の枝や建設現場作業をするクレーン車等が直接接触して発生する電気事故を防止するため、電線の外側に被せられた状態で電線を保護する電線保護管が用いられている。この種の電線保護管は、電線を挿通するための中空部が形成された円筒状の電線挿通部を有しており、この電線挿通部は、軸方向に沿って設けられた切れ目部分により拡開自在となっている。そして、拡開させた状態で電線保護管を電線に被せることで、電線保護管は電線に取り付けられる。
【0003】
ここで、電線に装着された状態で電線保護管が拡開すると電線保護管が落下する可能性があることから、電線保護管を拡開不能な状態に保持する必要がある。このような技術の一つとして、例えば特許文献1には、別体で電線保護管に装着する、電線保護管の保持具が開示されている。特許文献1に開示されている電線保護管の保持具は、作業者から加えられた力によって保持具が弾性変形することで、電線保護管に装着される。それにより、電線保護管は拡開不能な状態に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-111258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されている電線保護管の保持具の電線保護管への装着及び電線保護管からの取り外し作業は、作業者が絶縁手袋などの保護手袋を着用して実施されることが多い。そのため、作業者が当該保持具を取り外しにくく、取り外す際に、当該保持具を滑り落としてしまうといった問題がある。
【0006】
本開示の一局面は、保護手袋を着用している作業者であっても電線保護管から取り外しやすい、電線保護管の保持具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、円筒状の電線挿通部がその軸方向である電線挿通方向に沿って設けられた切れ目部分により拡開自在であるとともに、その切れ目部分の各端縁から外方向に延びる突出片が形成された電線保護管を、拡開不能な状態に保持する、電線保護管の保持具であって、脚部と、円弧部と、を備える。脚部は、突出片が差し込まれる溝部が形成される。円弧部は、脚部から延び、電線挿通部の外周面に嵌合する形状である。保持具は、溝部に突出片が差し込まれ、かつ、円弧部が電線挿通部の外周面に嵌合した状態で、電線保護管の外周に装着されるものである。さらに、円弧部は、突出片の先端が溝部に引掛けられた状態で、円弧部の先端を電線挿通部に押し付ける向きに力が加えられることにより、電線挿通部に嵌め込まれるようになっている。保持具は、更に、保持具が電線保護管に装着された状態で電線挿通方向となる方向に突出した形状の少なくとも1つの凸部を備える。
【0008】
このような構成によれば、保護手袋を着用している作業者であっても、電線保護管の保持具を電線保護管から取り外しやすくできる。
本開示の一態様では、円弧部の先端には、円弧部により描かれる円弧を一部とする円の外側方向に延びるように形成された案内片が設けられてもよい。円弧部の外周面の所定位置には、円弧部により描かれる円弧を一部とする円の外側方向に延びるように形成された引掛片が設けられてもよい。案内片及び引掛片の少なくとも一方は、少なくとも1つの凸部を備えてもよい。
【0009】
このような構成によれば、作業者は、案内片及び引掛片の少なくとも一方に指を引掛けた際に、少なくとも1つの凸部に保護手袋の表面を引掛けることができるため、取り外しが容易であり、保護手袋から滑り落ちにくい。
【0010】
本開示の一態様では、脚部、円弧部、案内片及び引掛片はそれぞれ板状であってもよい。案内片及び引掛片の少なくとも一方は、その先端に、保持具が電線保護管に装着された状態で電線挿通方向となる方向に端部が突出するように形成された先端片を備えてもよい。少なくとも1つの凸部は、先端片の端部であってもよい。
【0011】
このような構成によれば、作業者は、案内片及び引掛片の少なくとも一方に指を引掛けた際に、先端片の端部である少なくとも1つの凸部に保護手袋の表面を引掛けることができるため、取り外しが容易であり、保護手袋から滑り落ちにくい。
【0012】
本開示の一態様では、脚部は、保持具が電線保護管に装着された状態で、突出片のうちの一方の根本付近から当該突出片に沿って延びるとともに、当該突出片の先端を越えた位置で2つの突出片を両側から挟むように折り返された形状であって、その折り返された部分が溝部となっていてもよい。円弧部は、保持具が電線保護管に装着された状態で、脚部の溝部側とは反対側の端部から電線挿通部の外周に沿って延びるとともに、電線挿通部の外周の円周長の半分よりも長い部分を覆う形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の保持具の斜視図である。
図2】実施形態の保持具の正面図である。
図3】実施形態の保持具の左側面図である。
図4】実施形態の保持具を電線保護管に装着した状態を表す断面図である。
図5】案内片を、図2に示すA方向から見た矢視図である。
図6】引掛片を、図2に示すB方向から見た矢視図である。
図7】実施形態の保持具を電線保護管に装着する方法、及び、実施形態の保持具を電線保護管から取り外す方法を説明するための断面図である。
図8】変形例の保持具の斜視図である。
図9】変形例の保持具の正面図である。
図10】変形例の保持具の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.構成]
図1図4に示す保持具40は、樹脂により成型された保持具である。本実施形態では、保持具40は、PC、HDPE等の硬質プラスチック樹脂により成型される。保持具40は、電柱間に架設された電線10の外側に被せられた状態で電線を保護するために用いられる保護管である電線保護管20を、拡開不能な状態に保持する。電線保護管20は、電線10を挿通するための中空部が形成された円筒状の電線挿通部21を有しており、電線挿通部21は、電線挿通部21の軸方向である電線挿通方向に沿って設けられた切れ目部分により拡開自在となっている。そして、切れ目部分の各端縁から外方向に突出片22がそれぞれ延びている。
【0015】
保持具40は、脚部41と、円弧部42と、案内片43と、引掛片44と、を備える。脚部41、円弧部42、案内片43、引掛片44は、それぞれ板状である。また、以下では、保持具40が電線保護管20に装着された状態で電線挿通方向となる方向を幅方向と定義する。なお、幅方向は、保持具40における板状の部分の厚みの方向である厚み方向に対して垂直な方向となる。
【0016】
脚部41は、直線状に延びるように形成されるとともに、一端の端部がコの字状に折り返されていることにより、突出片22を重ね合わせた状態でその先端を差し込み可能な幅の溝部411が形成される。本実施形態では、脚部41の一端の端部が、突出片22側に直角に折り曲げられて延び、さらに突出片22側に直角に折り曲げられることで、溝部411が形成される。
【0017】
円弧部42は、脚部41の溝部411が形成されている側とは反対側の端部から延び、電線保護管20の電線挿通部21の外周面に嵌合する円弧状に形成される。また、円弧部42の円弧長は、電線挿通部21の外周の円周長の半分よりも長く、かつ、保持具40を電線保護管20に取り付ける際に円弧部42が塑性変形しないような長さに形成される。
【0018】
案内片43は、本体部431と、先端片432と、を備える。
本体部431は、長方形の板状であって、円弧部42の脚部41が形成されている側とは反対側の端部から、円弧部42により描かれる円弧を一部とする円の外側方向に延びるように形成される。本実施形態では、本体部431は、当該円の半径方向外側に延びるように形成される。ただし、本体部431が延びる方向は、当該円の半径方向に限定されるものではなく、例えば、当該円の半径方向に対して角度を有する方向であってもよい。
【0019】
先端片432は、長方形の板状であって、本体部431の先端において本体部431と垂直な向きで設けられる。具体的には、図5に示すように、先端片432は、本体部431の幅方向及び厚み方向のそれぞれにおいて、先端片432の端部が本体部431よりも突出するように形成される。なお、先端片432の端部のうち幅方向に突出した端部を、以下では凸部433と称する。
【0020】
図1図4に戻り、引掛片44は、本体部441と、先端片442と、を備える。
本体部441は、長方形の板状であって、円弧部42の外周面の円周方向の中間位置から、円弧部42により描かれる円弧を一部とする円の外側方向に延びるように形成される。本実施形態では、本体部441は、当該円の半径方向外側に延びるように形成される。ただし、本体部441が延びる方向は、当該円の半径方向に限定されるものではなく、例えば、当該円の半径方向に対して角度を有する方向であってもよい。
【0021】
先端片442は、長方形の板状であって、本体部441の先端において本体部441と垂直な向きで設けられる。具体的には、図6に示すように、先端片442は、本体部441の幅方向及び厚み方向のそれぞれにおいて、先端片442の端部が本体部441よりも突出するように形成される。なお、先端片442の端部のうち幅方向に突出した端部を、以下では凸部443と称する。
【0022】
図1図4に戻り、脚部41の幅と、円弧部42の幅と、本体部431の幅と、本体部441の幅と、は同一の長さに設計されている。また、先端片432の幅と、先端片442の幅と、は同一の長さに設計されている。なお、幅とは、幅方向の長さである。
【0023】
脚部41の厚みと、円弧部42の厚みと、本体部431の厚みと、本体部441の厚みと、は均一である。また、先端片432の厚みと、先端片442の厚みと、は均一である。なお、厚みとは、厚み方向の長さである。
【0024】
本体部431及び本体部441は、保持具40を電線保護管20に装着する作業及び保持具40を電線保護管20から取り外す作業を、保護手袋を着用した作業者(以下、作業者とする)が容易に実施できる程度の長さに、それぞれ形成される。
【0025】
次に、作業者が、保持具40を電線保護管20に装着する方法について説明する。
図7に示すように、作業者は、まず、電線10に被せられた電線保護管20の突出片22の先端に、保持具40の溝部411を引掛ける。
【0026】
続いて、作業者は、突出片22の先端を支点として、円弧部42の先端を電線挿通部21に押し付ける方向(Y1方向)に、円弧部42を押す。その際、作業者は、案内片43及び引掛片44の少なくとも一方に指を引掛けることができるため、力を加えやすくなる。特に、凸部433及び凸部443が幅方向に突出しているため、作業者は、凸部433及び凸部443の少なくとも一方に保護手袋の表面を引掛けることができる。
【0027】
ここで、案内片43は、電線挿通部21の外周面に押し付けられることにより、当該外周面に沿って滑り、電線挿通部21の突出片22が延びる側から遠ざかる方向に移動する。その際、円弧部42は、押し広げられるように弾性変形する。
【0028】
そして、円弧部42の先端が、電線挿通部21の突出片22が延びる側とは反対側の部分を乗り越えることで、図4に示すように、円弧部42が電線挿通部21に嵌め込まれ、保持具40は電線保護管20の外周に装着される。
【0029】
こうして、保持具40が電線保護管20の外周に装着されると、円弧部42が電線挿通部21の外周の円周長の半分よりも長い部分で嵌合するとともに、溝部411に突出片22が差し込まれた状態となる。
【0030】
次に、作業者が、保持具40を電線保護管20から取り外す方法について、図7を用いて説明する。
作業者は、突出片22の先端を支点として、円弧部42の先端を電線挿通部21から引き離す方向(Y2方向)に、円弧部42を引っ張る。その際、作業者は、案内片43及び引掛片44の少なくとも一方に指を引掛けることができるため、力を加えやすくなる。特に、凸部433及び凸部443が幅方向に突出しているため、作業者は、凸部433及び凸部443の少なくとも一方に保護手袋の表面を引掛けることができる。
【0031】
[2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)保持具40は、幅方向に突出した形状の凸部433及び凸部443を備える。
【0032】
このような構成によれば、作業者が、凸部433及び凸部443の少なくとも一方に保護手袋の表面を引掛けることができる。そのため、作業者の加える力が保持具40に伝達されやすくなり、また、滑りにくくなる。その結果、保護手袋を着用している作業者であっても、保持具40を電線保護管20から取り外しやすくできる。
【0033】
(2b)本実施形態では、案内片43が凸部433を備え、引掛片44が凸部443を備える。このような構成によれば、保持具40を電線保護管20から取り外す作業において、作業者は、案内片43及び引掛片44の少なくとも一方に指を引掛けた際に、凸部433及び凸部443の少なくとも一方に保護手袋の表面を引掛けることができる。このため、保持具40は、凸部433及び凸部443が設けられない構成と比較して、取り外しが容易であり、保護手袋から滑り落ちにくい。
【0034】
(2c)本実施形態では、案内片43及び引掛片44は、それぞれの先端に、幅方向に端部が突出するように形成された先端片432及び先端片442を備える。
このような構成によれば、保持具40を電線保護管20から取り外す作業において、作業者は、案内片43及び引掛片44の少なくとも一方に指を引掛けた際に、先端片432及び先端片442の少なくとも一方の端部に保護手袋の表面を引掛けることができる。このため、保持具40は、先端片432及び先端片442が設けられない構成と比較して、取り外しが容易であり、保護手袋から滑り落ちにくい。
【0035】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0036】
(3a)上記実施形態では、先端片432は、本体部431の幅方向及び厚み方向のそれぞれにおいて、先端片432の端部が本体部431よりも突出するように形成されるが、これに限定されるものではない。例えば、先端片432は、本体部431の幅方向にのみ端部が突出するように形成されてもよい。
【0037】
(3b)上記実施形態では、先端片442は、本体部441の幅方向及び厚み方向のそれぞれにおいて、先端片442の端部が本体部441よりも突出するように形成されるが、これに限定されるものではない。例えば、先端片442は、本体部441の幅方向にのみ端部が突出するように形成されてもよい。
【0038】
(3c)上記実施形態では、先端片432及び先端片442は、それぞれ長方形の板状に形成されるが、先端片432及び先端片442の形状はこれに限定されるものではない。例えば、先端片432及び先端片442は、楕円形の板状に形成されてもよい。
【0039】
(3d)上記実施形態では、案内片43は先端片432を備えているが、案内片43は先端片432を備えなくてもよい。この場合、幅方向に突出した形状の凸部433が本体部431に形成されてもよい。
【0040】
(3e)上記実施形態では、引掛片44は先端片442を備えているが、引掛片44は先端片442を備えなくてもよい。この場合、幅方向に突出した形状の凸部443が本体部441に形成されてもよい。
【0041】
(3f)上記実施形態では、幅方向に突出した形状の凸部が案内片43及び引掛片44に形成されるが、凸部が形成される位置はこれに限定されるものではない。凸部は、例えば案内片43及び引掛片44のいずれか一方にのみ形成されてもよく、また例えば、脚部41及び円弧部42の少なくとも一方に形成されてもよい。
【0042】
(3g)上記実施形態では、保持具40は、案内片43及び引掛片44を備えるが、保持具40の構成はこれに限定されるものではない。例えば、保持具40は、案内片43及び引掛片44の少なくとも一方を備えなくてもよい。
【0043】
(3h)上記実施形態では、脚部41の幅と、円弧部42の幅と、本体部431の幅と、本体部441の幅と、は同一の長さに設計されているが、同一の長さに設計されていなくてもよい。
【0044】
(3i)上記実施形態では、脚部41の厚みと、円弧部42の厚みと、本体部431の厚みと、本体部441の厚みと、は均一であるが、均一でなくてもよい。
(3j)上記実施形態では、先端片432の幅と、先端片442の幅と、は同一の長さに設計されているが、同一の長さに設計されていなくてもよい。
【0045】
(3k)上記実施形態では、先端片432の厚みと、先端片442の厚みと、は均一であるが、均一でなくてもよい。
(3l)上記実施形態では、保持具40における凸部433が形成された部分の幅及び保持具40における凸部443が形成された部分の幅が、保持具40における最大の幅となっているが、最大の幅とならない形状であってもよい。例えば、保持具40における幅の狭い部分に凸部が形成されていてもよい。
【0046】
(3m)上記実施形態では、脚部41の一端の端部がコの字状に折り返されている形状の例として、脚部41の一端の端部が、突出片22側に直角に折り曲げられて延び、さらに突出片22側に直角に折り曲げられる形状を示したが、脚部41の一端の端部がコの字状に折り返されている形状はこれに限定されるものではない。
【0047】
例えば、図8図10に示す保持具50は、脚部51と、円弧部42と、案内片43と、引掛片44と、を備える。脚部51は、板状であり、直線状に延びるように形成されるとともに、一端の端部がコの字状に折り返されていることにより、突出片22を重ね合わせた状態でその先端を差し込み可能な幅の溝部511が形成される。溝部511は、脚部51の一端の端部が、突出片22側に鈍角に折り曲げられて延び、さらに突出片22側に鈍角に折り曲げられることで形成される。
【0048】
(3n)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【符号の説明】
【0049】
10…電線、20…電線保護管、21…電線挿通部、22…突出片、40,50…保持具、41,51…脚部、42…円弧部、411,511…溝部、433,443…凸部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10