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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036587
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】圧縮梱包装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 27/12 20060101AFI20220301BHJP
   B30B 9/30 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
B65B27/12 Z
B30B9/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140879
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100101867
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 寿武
(72)【発明者】
【氏名】奥田 勝利
(72)【発明者】
【氏名】松井 雷太
【テーマコード(参考)】
3E052
【Fターム(参考)】
3E052AA27
3E052BA18
3E052CA20
3E052LA18
(57)【要約】
【課題】 圧縮扉を用いて梱包対象物を圧縮するとともに、機械的構造の簡素化を実現した上で、圧縮した梱包対象物を任意の長さで結束し塊を製造可能とする。
【解決手段】 制御装置1により押圧圧縮ブロック、圧縮扉、結束機構の各構成部を制御する。圧縮室内で形成する圧縮梱包対象物の目標長さを設定する入力部2と、圧縮室内で形成された圧縮梱包対象物の長さを検出する前進位置検知センサ4とを備える。制御装置1は、入力部2により設定された目標長さを判定基準にして、前進位置検知センサ4により検出された圧縮梱包対象物の長さに基づき、圧縮扉を開くとともに、結束機構により当該圧縮梱包対象物を結束できる位置まで押圧圧縮ブロックを前進させ、結束動作を実行する。
【選択図】 図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包対象物が充填されるとともに、前端部に排出口が形成された圧縮室と、
前記排出口を開閉する圧縮扉と、
前記圧縮室内を前後方向に移動自在であり、前記圧縮室内に充填された梱包対象物を、前進動作により前記圧縮扉に押し付けて圧縮していく押圧圧縮部材と、
前記圧縮室内で前記押圧圧縮部材により圧縮された梱包対象物(圧縮梱包対象物)を、線材により結束する結束機構と、
前記圧縮室内で形成する圧縮梱包対象物の目標長さを設定する仕様設定手段と、
前記圧縮室内で形成された圧縮梱包対象物の長さを検出する検出手段と、
前記仕様設定手段により設定された目標長さを判定基準にして、前記検出手段により検出された圧縮梱包対象物の長さに基づき、前記圧縮扉を開くとともに、前記結束機構により当該圧縮梱包対象物を結束できる位置まで前記押圧圧縮部材を前進させる制御手段と、を備えたことを特徴とする圧縮梱包装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出手段により検出された圧縮梱包対象物の長さが、前記仕様設定手段により設定された目標長さに到達したとき、前記圧縮扉を開くとともに、前記結束機構により当該圧縮梱包対象物を結束できる位置まで前記押圧圧縮部材を前進させることを特徴とする請求項1に記載の圧縮梱包装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記仕様設定手段により設定された圧縮梱包対象物の目標長さが、前記押圧圧縮部材を前進させなくとも前記結束機構により結束できる範囲内の長さであるときは、前記圧縮扉を閉じたままで、かつ前記押圧圧縮部材を前進させることなく、前記結束機構による結束動作に移すことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮梱包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、古紙などの廃棄物をまとめて圧縮し、針金などの結束線材を用いて周囲を結束して梱包する圧縮梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の圧縮梱包装置としては、例えば、特許文献1に開示された構成のものがある。同文献1に開示された圧縮梱包装置は、本出願人により先に提案されたもので、廃棄物等の梱包対象物を圧縮室(100)に充填して、押圧圧縮ブロック(200)により圧縮するとともに、圧縮した梱包対象物を結束線材(1)によって結束して塊状とする機能を有している。なお、括弧内の符号は、特許文献1の図面に付されたものである。
【0003】
従来の圧縮梱包装置は、一般に、あらかじめ設定した一定長さの梱包対象物の塊を製造する構成となっているが、特許文献1の圧縮梱包装置は、線材延出ユニット(400)と線材結合・切断ユニット(500)の位置を前後方向に移動できるようにして、梱包対象物の圧縮長さを可変とし、異なる長さの梱包対象物の塊を製造できるようにしている(同文献1の図19を参照)。
【0004】
しかし、上述した特許文献1の構成では、線材延出ユニット(400)と線材結合・切断ユニット(500)の位置を前後方向に移動するための機構を備える必要があり、構造が複雑化してしまうことは否めない。
【0005】
また、特許文献1には、圧縮室(100)の排出口(101a)に扉(14)を設けず、常に排出口(101a)を開放する構成についても開示されている(同文献1の段落「0079」を参照)。すなわち、前サイクルで圧縮梱包済みの梱包対象物の塊が扉(14)の役目をして、当該梱包対象物の塊と押圧圧縮ブロック(200)との間で、梱包対象物の圧縮が行われる。この構成によれば、圧縮した梱包対象物を任意の長さで結束し塊を製造することが可能となる。
【0006】
しかし、この構成は圧縮室の外に、前サイクルで圧縮梱包済みの梱包対象物の塊が残置されている必要があり、製造した圧縮梱包対象物の塊が圧縮室から排出された後すぐに搬出されてしまう場合には適用できないという制限があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-171353号公報
【特許文献2】特開2010-179935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、圧縮扉を用いて梱包対象物を圧縮するとともに、機械的構造の簡素化を実現した上で、圧縮した梱包対象物を任意の長さで結束し塊を製造することができる圧縮梱包装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、梱包対象物が充填されるとともに、前端部に排出口が形成された圧縮室と、
排出口を開閉する圧縮扉と、
圧縮室内を前後方向に移動自在であり、圧縮室内に充填された梱包対象物を、前進動作により圧縮扉に押し付けて圧縮していく押圧圧縮部材と、
圧縮室内で押圧圧縮部材により圧縮された梱包対象物(圧縮梱包対象物)を、線材により結束する結束機構と、
圧縮室内で形成する圧縮梱包対象物の目標長さを設定する仕様設定手段と、
圧縮室内で形成された圧縮梱包対象物の長さを検出する検出手段と、
仕様設定手段により設定された目標長さを判定基準にして、検出手段により検出された圧縮梱包対象物の長さに基づき、圧縮扉を開くとともに、結束機構により当該圧縮梱包対象物を結束できる位置まで押圧圧縮部材を前進させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
このように構成とすることで、圧縮梱包対象物を任意の長さで結束し塊を製造することができる。しかも、押圧圧縮部材の前進動作により圧縮される梱包対象物からの圧力を圧縮扉で受けるので、前サイクルで製造された圧縮梱包対象物の塊を、圧縮室の外に残置しておく必要がなく、高い自由度で効率的に圧縮した梱包対象物の塊を製造することができる。さらに、結束機構を前後方向(すなわち、押圧圧縮部材が前進後退する方向)に移動調整する必要がなく、よって機械的構造の簡素化を図ることができる。
【0011】
ここで、制御手段は、検出手段により検出された圧縮梱包対象物の長さが、仕様設定手段により設定された目標長さに到達したとき、圧縮扉を開くとともに、結束機構により当該圧縮梱包対象物を結束できる位置まで押圧圧縮部材を前進させる構成とすることが好ましい。
【0012】
また、制御手段は、仕様設定手段により設定された圧縮梱包対象物の目標長さが、押圧圧縮部材を前進させなくとも結束機構により結束できる範囲内の長さであるときは、圧縮扉を閉じたままで、かつ押圧圧縮部材を前進させることなく、結束機構による結束動作に移す構成としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、圧縮梱包対象物を任意の長さで結束し塊を製造することができる。しかも、押圧圧縮部材の前進動作により圧縮される梱包対象物からの圧力を圧縮扉で受けるので、高い自由度で効率的に圧縮した梱包対象物の塊を製造することができる。さらに、機械的構造の簡素化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)は本発明の実施形態に係る圧縮梱包装置の全体構造を説明するための側面断面図、(b)は押圧圧縮ブロックに取り付けた検知板と駆動シリンダの固定部に設けたセンサを拡大して示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る圧縮梱包装置の全体構造を説明するための平面断面図である。
図3】押圧圧縮ブロックの先頭部分を拡大して示す側面図である。
図4】線材延出ユニットを示す正面断面図である。
図5】同じく、線材延出ユニットを示す正面断面図である。
図6】線材延出ユニットを示す平面断面図である。
図7】同じく、線材延出ユニットを示す平面断面図である。
図8】(a)は線材結合・切断ユニットの構成を拡大して示す平面図、(b)は上流側線材捩り結合部材を拡大して示す平面図である。
図9】線材結合・切断ユニットの機能を説明するための平面図である。
図10】圧縮室内で梱包された梱包対象物を排出する動作を示す平面断面図である。
図11図10に続く、圧縮室内で梱包された梱包対象物を排出する動作を示す平面断面図である。
図12図11に続く、圧縮室内で梱包された梱包対象物を排出する動作を示す平面断面図である。
図13】線材保持ユニットの構成を示す正面断面図である。
図14】制御装置を中心とする制御系の構成を示すブロック図である。
図15】制御装置による制御動作を説明するための模式図である。
図16図15に続く、制御装置による制御動作を説明するための模式図である。
図17図16に続く、制御装置による制御動作を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は本発明の実施形態に係る圧縮梱包装置の全体構造を説明するための側面断面図、図2は同じく平面断面図である。
本実施形態に係る圧縮梱包装置は、廃棄物等の梱包対象物を圧縮し、結束線材Aによって結束して塊状にする機能を有し、圧縮室100、押圧圧縮ブロック200、結束機構、制御装置1を備えている。
【0016】
〔圧縮室〕
圧縮室100は、図1(a)及び図2に示すように、底壁10、天井壁11、第一側壁12、第二側壁13により四角筒状に構成された枠体101の内部空間に形成されている。枠体101(すなわち、圧縮室100)は前後方向に延びており、その前端部(図1(a)の右端部)は圧縮梱包された梱包対象物の排出口101aとなっている。本実施形態では、この排出口101aに圧縮扉14が設置してある。圧縮扉14は、支持枠15により上下方向へ移動自在に支持されており、駆動シリンダ16からの駆動力を受けて上方向へ移動して排出口101aを解放するとともに、下方向への移動をもって排出口101aを閉塞する。
【0017】
枠体101の天井壁11には、梱包対象物の投入口11aが形成されており、この投入口11aの上方にホッパ17と称する梱包対象物を投入するための構成ユニットが連結されている。梱包対象物としては、資源ゴミと称する新聞、雑誌などの紙製廃棄物や、ペットボトルなどのプラスチック製廃棄物を主としているが、これに限定されるものではない。なお、ホッパ17には、廃棄物をそのまま投入する構成のもの、梱包対象物を内部で細かく切断したり粉砕したりする機能を備えたものなど、所望の形態に廃棄物を梱包するために各種構成のものが開発されている。
【0018】
第一側壁12と第二側壁13は互いに対向している。そして、第一側壁12には、投入口11aよりも前方の領域に、複数の第一線材挿通用スリット12aが前後方向へ延びるように形成してある。また、第二側壁13には、第一線材挿通用スリット12aと対向して前後方向へ延びる複数の第二線材挿通用スリット13aが形成してある。本実施形態では、図1(a)に示すように5本の第一線材挿通用スリット12aが高さ方向へ等間隔に並べて形成してあり、第二線材挿通用スリット13aも同様に5本形成されている。なお、各線材挿通用スリット12a,13aの形成本数は各5本に限定されるものではなく、梱包対象物を結束する結束線材Aの本数に合わせて任意に設定することができる。本実施形態の圧縮梱包装置は、5本の結束線材Aによって梱包対象物を結束する仕様となっている。
これらの各線材挿通用スリット12a,13aは、結束線材Aを挿通するとともに、後述する線材延出ユニット400による結束線材Aの延出動作や、線材保持ユニットによる結束線材Aの保持動作を実現するために機能する。
【0019】
〔押圧圧縮ブロック〕
押圧圧縮ブロック200は、ホッパ17から圧縮室100に投入された梱包対象物を、圧縮扉14に押し付けて圧縮していく押圧圧縮部材としての機能を有している。
押圧圧縮ブロック200は、図1(a)及び図2に示すように、ブロック駆動シリンダ20からの駆動力を受けて圧縮室100内を前後方向(図1(a)の左右矢印方向)に移動する。そして、前進動作によって、ホッパ17から圧縮室100に投入された梱包対象物を前方へ押圧し、圧縮扉14との間で圧縮していく。
【0020】
押圧圧縮ブロック200の先頭部分には、図3に拡大して示すように、複数の線材通路21が設けてある。ここで、線材通路21は、上述した各線材挿通用スリット12a,13aと同じ高さ位置に同じ本数だけ形成してある。すなわち、本実施形態では5本の線材通路21が高さ方向へ等間隔に並べて形成されている。
【0021】
線材通路21は、押圧圧縮ブロック200の先頭部分を横方向に貫通している。また押圧圧縮ブロック200の前面は横方向に切り欠かれ、線材通路21に連通する開口を形成している。この開口は、結束線材Aを線材通路21から抜き出すための線材抜き出しスリット22として機能する。
【0022】
圧縮室100の投入口11aを介してホッパ17から投入された梱包対象物は、押圧圧縮ブロック200の前進動作により圧縮室100の前方へと押圧されていき、圧縮扉14との間で圧縮される。このとき、投入口11aは、押圧圧縮ブロック200の上面で閉塞されている。なお、投入口11aに開閉圧縮扉を設け、その開閉圧縮扉の開閉によって圧縮室100内への梱包対象物の投入量を調整することもできる。
押圧圧縮ブロック200の前進動作は、圧縮された梱包対象物からの反発力があらかじめ設定した値に到達した時点で終了し、その後に押圧圧縮ブロック200が、圧縮室100内を後退して元の位置へ戻る。押圧圧縮ブロック200が後退すると、再び投入口11aが開口して梱包対象物が圧縮室100内へ投入される。
【0023】
押圧圧縮ブロック200の前進及び後退動作を繰り返すことで、押圧圧縮ブロック200と圧縮扉14の間で圧縮された梱包対象物の容積が増大していく。そして、押圧圧縮ブロック200と圧縮扉14の間で圧縮された梱包対象物の全長が、あらかじめ設定した目標値に到達したとき、押圧圧縮ブロック200の前進動作を終了し、あらかじめ設定してある梱包位置23まで押圧圧縮ブロック200を後退させる。この梱包位置23は、上記目標値に到達したときの押圧圧縮ブロック200の位置よりも僅かながら後方の位置に設定される。
【0024】
梱包位置23は、圧縮した梱包対象物を結束線材Aにより結束して梱包するための作業位置である。したがって、梱包位置23に停止した押圧圧縮ブロック200における線材通路21の側方には、第一側壁12及び第二側壁13に形成した各線材挿通用スリット12a,13aが開口している。また、この梱包位置23に合わせて、後述する線材延出ユニット400や線材結合・切断ユニット500も設置されている(図2参照)。なお、図面には、梱包位置に停止した押圧圧縮ブロック200における先端面の位置を、梱包位置23として示している。
【0025】
梱包位置23に押圧圧縮ブロック200が停止した状態で、押圧圧縮ブロック200と圧縮扉14の間で圧縮された梱包対象物の背面に、線材通路21を通して結束線材Aが巻き付けられる。そして、線材通路21内の結束線材Aは、その後の押圧圧縮ブロック200の後退動作に伴い線材抜き出しスリット22を介して線材通路21から抜け出る。
【0026】
〔結束機構〕
結束機構は、圧縮室100内で押圧圧縮ブロック200により圧縮された梱包対象物(圧縮梱包対象物)を、結束線材Aにより結束する機能を有している。
結束機構は、第一線材供給源301及び第二線材供給源302からなる線材供給ユニットと、線材延出ユニット400と、線材結合・切断ユニット500と、第一線材保持機構601及び第二線材保持機構602からなる線材保持ユニットと、で構成されている。
【0027】
まず、線材供給ユニットについて説明する。
図2に示すように、圧縮室100を構成する枠体101の両側方には、第一側壁12の外側に結束線材Aを繰り出す第一線材供給源301と、第二側壁13の外側に結束線材Aを繰り出す第二線材供給源302とが設置してある。これらの各線材供給源301,302は、針金などの無端状の結束線材Aを巻回したリールで構成されている。ここで、第一線材供給源301には、第一側壁12に形成した各第一線材挿通用スリット12aの中央高さ位置に合わせて、複数のリールが配設してあり、各リールからそれぞれ第一側壁12の外側へと結束線材Aが繰り出される。同様に、第二線材供給源302には、第二側壁13に形成した各第二線材挿通用スリット13aの中央高さ位置に合わせて、複数のリールが配設してあり、各リールからそれぞれ第二側壁13の外側へと結束線材Aが繰り出される。
【0028】
次に、線材延出ユニット400について説明する。
図4図7は線材延出ユニットを示しており、図4及び図5は装置を正面側(図1(a)の右方向)から看た図、図6及び図7は平面断面図である。
線材延出ユニット400は、押圧圧縮ブロック200が梱包位置23に停止している状態において、第一線材供給源301から繰り出された結束線材Aを、第一側壁12の第一線材挿通用スリット12aから押圧圧縮ブロック200の線材通路21を経て、さらに第二側壁13の第二線材挿通用スリット13aを通して、第二側壁13の外側に向かって延出させる線材延出手段としての機能を有している。
【0029】
第一側壁12の外側部位には、第一側壁12(すなわち、圧縮室100の軸方向)と直交する方向に延びるガイドレール40が上下に設置してあり、これらのガイドレール40に案内されて摺動支持部材41が第一側壁12と直交する方向へ摺動自在となっている。摺動支持部材41には、第一側壁12の第一線材挿通用スリット12aに対向して複数本(本実施形態では5本)の突出しロッド42の基端部が固定されている。各突出しロッド42の先端部には、U字形状をした線材保持部材43が設けてある。U字状に分かれた線材保持部材43の各先端部(2箇所)には、結束線材Aを軸方向に移動自在とした状態で保持するための保持ローラ44がそれぞれ回転自在に取り付けてある。
【0030】
上述した構成の線材延出ユニット400は、図6に示すように、各突出しロッド42の先端部に設けた線材保持部材43が、第一側壁12の第一線材挿通用スリット12aを介して、梱包位置23に停止した押圧圧縮ブロック200の線材通路21と対向するように位置決めされている。
【0031】
押圧圧縮ブロック200が圧縮室100内に投入された梱包対象物を圧縮する動作を繰り返している間、摺動支持部材41は後退位置に停止し、線材保持部材43は圧縮室100の外側位置で待機している(図6参照)。所要量の梱包対象物の圧縮作業が終了し、押圧圧縮ブロック200が梱包位置23に停止すると、摺動支持部材41がガイドレール40に沿って摺動する。この動作により、線材保持部材43は、第一側壁12の第一線材挿通用スリット12a、押圧圧縮ブロック200の線材通路21及び第二側壁13の第二線材挿通用スリット13aを通して、第二側壁13の外側へと移動する(図7参照)。
【0032】
この移動過程で、線材保持部材43の先端部に取り付けた保持ローラ44に、まず第一線材供給源301から繰り出された結束線材Aが当接し、第二側壁13の外側へ向かって押し延ばされていく。続いて、第二線材供給源302から繰り出された結束線材Aが、第一線材供給源301から繰り出された結束線材Aと重ね合う状態で保持ローラ44に保持され、その後は各結束線材Aが重なり合った状態で第二側壁13の外側へ向かって押し延ばされていく。
【0033】
このようにして、第二側壁13の外側にあらかじめ設定してある重合保持位置45まで各結束線材Aを押し延ばし、線材保持部材43が各結束線材Aの延出頂部を当該位置に保持する。重合保持位置45には、後述する線材結合・切断ユニット500が設けてあり、当該位置で、重なり合った各結束線材Aの延出頂部が切断される。
【0034】
次に、線材結合・切断ユニット500について説明する。
図8及び図9は線材結合・切断ユニットの構成を示す図である。
線材結合・切断ユニット500は、第二側壁13の外側に設置してあり、各線材供給源301,302から繰り出され、線材延出ユニット400によって重なり合った状態で押し延ばされて、その延出頂部が重合保持位置45に保持された各結束線材Aに対し、次のように機能する。すなわち、重合保持位置45で各結束線材Aを切断し、かつ切断端の上流側にある各結束線材Aを捩り結合するとともに、切断端の下流側にある各結束線材Aも捩り結合する。なお、ここで結束線材Aの上流側とは各線材供給源301,302に近い側をいい、下流側とは各線材供給源301,302から遠い側をいう。
【0035】
線材結合・切断ユニット500は、第二側壁13の第二線材挿通用スリット13aに対向して配設した複数枚(本実施形態では5枚)のユニット基盤501を備え、各ユニット基盤501に上流側線材支持手段502、下流側線材支持手段503、上流側線材捩り結合部材504、下流側線材捩り結合部材505の各構成要素が設けられている。
【0036】
上流側線材支持手段502は、上流側位置決め盤50、上流側装着板51及び上流側線材支持ローラ52の各構成部材を備えている。
上流側位置決め盤50は、ユニット基盤501に固定されるか、又はユニット基盤501と一体の構成となっている。この上流側位置決め盤50には、複数の位置決め孔53(ねじ孔)が形成されている。図9に示す構成では、第二側壁13(すなわち、圧縮室100の軸方向)と直交する方向、さらに具体的には各結束線材Aが線材延出ユニット400により押し延ばされてくる方向に、一定間隔で二列の位置決め孔53が形成されている。
【0037】
上流側装着板51は、上流側位置決め盤50に形成した任意の位置決め孔53に対して、ボルトなどの締結部材54を用いて締結することで、上流側位置決め盤50の任意の位置に固定される。この上流側装着板51に、上流側線材支持ローラ52が回転自在に組み込まれている。
【0038】
この上流側線材支持ローラ52の設置位置は、第二線材供給源302から繰り出された結束線材Aを、重合保持位置45よりも上流側で折り返して支持する上流側支持位置55となる。この上流側支持位置55は、上流側位置決め盤50に対する上流側装着板51の締結位置を変更することで、重合保持位置45に対して接近又は離間するよう移動させることができる(図9(a)(b)参照)。
【0039】
下流側線材支持手段503も、上述した上流側線材支持手段502と同様の構成となっている。すなわち、下流側線材支持手段503は、下流側位置決め盤50、下流側装着板51及び下流側線材支持ローラ52の各構成部材を備えている。
【0040】
下流側位置決め盤50は、ユニット基盤501に固定されるか、又はユニット基盤501と一体の構成となっている。この下流側位置決め盤50には、複数の位置決め孔53(ねじ孔)が形成されている。図9に示す構成では、第二側壁13(すなわち、圧縮室100の軸方向)と直交する方向、さらに具体的には各結束線材Aが線材延出ユニット400により押し延ばされてくる方向に、一定間隔で二列の位置決め孔53が形成されている。
【0041】
下流側装着板51は、下流側位置決め盤50に形成した任意の位置決め孔53に対して、ボルトなどの締結部材54を用いて締結することで、下流側位置決め盤50の任意の位置に固定される。この下流側装着板51に、下流側線材支持ローラ52が回転自在に組み込まれている。
【0042】
この下流側線材支持ローラ52の設置位置は、第二線材供給源302から繰り出された結束線材Aを、重合保持位置45よりも下流側で折り返して支持する下流側支持位置56となる。この下流側支持位置56は、下流側位置決め盤50に対する下流側装着板51の締結位置を変更することで、重合保持位置45に対して接近又は離間するよう移動させることができる(図9(a)(b)参照)。
【0043】
上流側線材捩り結合部材504(上流側線材捩り結合手段)は、図8(b)に拡大して示すように、図示しない駆動モータによって回転駆動されて、重合保持位置45よりも上流側で各結束線材Aを周面に巻き付け、図9に示すように、上流側支持位置55までの領域(上流側捩り結合領域)を捩って各結束線材Aを結合する。
【0044】
下流側線材捩り結合部材505(下流側線材捩り結合手段)も、上述した上流側線材捩り結合部材504と同様の構成となっている。すなわち、下流側線材捩り結合部材505は、図示しない駆動モータによって回転駆動されて、重合保持位置45よりも下流側で各結束線材Aを周面に巻き付け、図9に示すように、下流側支持位置56までの領域(下流側捩り結合領域)を捩って各結束線材Aを結合する。
【0045】
また、線材結合・切断ユニット500は、重合保持位置45で各結束線材Aを切断する線材切断手段506を備えている。かかる線材切断手段506の構造はすでに公知であるため、詳細な説明は省略する(例えば、特許文献2の図7を参照)。
【0046】
さて、所要量の梱包対象物の圧縮作業が終了して押圧圧縮ブロック200が梱包位置23に停止した後、各線材供給源301,302から繰り出された結束線材Aが、線材延出ユニット400により押し延ばされて、その延出頂部が重合保持位置45に保持される。そして、線材切断手段506が重合保持位置45で各結束線材Aを切断し、かつ切断端の上流側にある各結束線材Aを上流側線材捩り結合部材504が捩り結合するとともに、切断端の下流側にある各結束線材Aを下流側線材捩り結合部材505が捩り結合する。
【0047】
これら一連の動作をもって、下流側線材捩り結合部材505により捩り結合されて一本に繋がった結束線材Aが、圧縮された梱包対象物の周囲を囲繞して梱包形態が完成する(図10参照)。また、各線材供給源301,302から繰り出された各結束線材Aは、上流側線材捩り結合部材504によって捩り結合されることで一本に繋がり、その中間部分は押圧圧縮ブロック200の線材通路21に配置されている。
【0048】
上述した構成の線材結合・切断ユニット500は、特に下流側線材支持手段503において、重合保持位置45に対し下流側支持位置56を変更することで、圧縮された梱包対象物を囲繞する結束線材Aの全周長さを任意に変更することが可能となる。
【0049】
すなわち、下流側支持位置56を図9(a)の位置から同図(b)の位置に変更すれば、重合保持位置45に対して下流側支持位置56が接近し、下流側捩り結合領域がL1からL2へと短くなる。その結果、当該領域にある二本の結束線材Aの長さ(すなわち、L1-L2の二倍の長さ)だけ、梱包対象物を囲繞する結束線材Aの全周長さが長くなる。
【0050】
逆に、下流側支持位置56を図9(b)の位置から同図(a)の位置に変更すれば、重合保持位置45に対して下流側支持位置56が離間し、下流側捩り結合領域がL2からL1へと長くなる。その結果、当該領域にある二本の結束線材Aの長さ(すなわち、L1-L2の二倍の長さ)だけ、梱包対象物を囲繞する結束線材Aの全周長さが短くなる。
【0051】
このようにして梱包対象物を囲繞する結束線材Aの全周長さを変更することで、圧縮された梱包対象物から結束線材Aが受ける反発力を調整することが可能となる。
【0052】
なお、本実施形態では、上流側線材支持手段502についても、重合保持位置45に対して上流側支持位置55を変更できる構成としたが、かかる上流側支持位置55は一箇所に固定した構成としてもよい。
【0053】
〔梱包対象物の排出動作〕
図10図12は圧縮室内で梱包された梱包対象物を排出する動作を示す図である。
線材結合・切断ユニット500による各結束線材Aの切断及び捩り結合が終了すると、線材延出ユニット400の摺動支持部材41が後退して、線材保持部材43が圧縮室100の外側位置へと戻る(図10参照)。この状態で、圧縮扉14が上方向へ移動して圧縮室100の先端部にある排出口101aが開く。続いて、押圧圧縮ブロック200が前進して、結束線材Aにより梱包され塊となった梱包対象物を排出口101aから押し出す(図11参照)。
【0054】
このとき、第一線材供給源301から押圧圧縮ブロック200の線材通路21を通って第二線材供給源302へと繋がる結束線材Aは、押圧圧縮ブロック200が前進動作によって引っ張られた状態にある。そこで、本実施形態では、梱包された梱包対象物を排出口101aから押し出した後、押圧圧縮ブロック200を僅かに後退させて、上記結束線材Aの緊張状態を解く(図12参照)。
【0055】
〔線材保持ユニット〕
図13は線材保持ユニットを説明するための図である。
線材保持ユニットは、第一線材保持機構601と第二線材保持機構602で構成されている。図2に示すように、第一線材保持機構601は、圧縮室100における排出口101aの近くであって、第一側壁12の外側に設置されている。また、第二線材保持機構602は、圧縮室100における排出口101aの近くであって、第二側壁13の外側に設置されている。そして、図13に示す引掛部材61の先端に形成した鈎部61aに結束線材Aを引っ掛けて保持する機能を有している。
【0056】
第一線材保持機構601及び第二線材保持機構602により結束線材Aを引っ張って保持する動作は、既述したように、梱包された梱包対象物を排出口101aから押し出した後、図12に示すように押圧圧縮ブロック200を僅かに後退させることで、結束線材Aの緊張状態を解いた状態にしてから実行する。このように緊張状態が解かれた結束線材Aは、大きな引張力を必要とすることなく、引掛部材61により第一側壁12(第二側壁13)の外方向へ引っ張り出すことができ、さらに引っ張り保持状態を解除した後も保持していた位置に残る。
【0057】
引掛部材61により結束線材Aを第一側壁12(第二側壁13)の外方向へ引っ張って保持している状態で、押圧圧縮ブロック200を後退させると、線材通路21に配置された結束線材Aが線材抜き出しスリット22(図3参照)を通って線材通路21から抜け出る。このとき、結束線材Aが線材抜き出しスリット22のエッジ部分に引っ掛かったとしても、引掛部材61が当該結束線材Aを両側方で引っ張り保持しているので、当該結束線材Aは確実に線材通路21から抜け出ることができる。
【0058】
線材通路21に配置された結束線材Aが線材通路21から抜け出た後に鈎部61aを結束線材Aの保持位置から退避させて、結束線材Aの保持状態を解除する。このように保持状態を解除した後も、結束線材Aはそのまま第一側壁12及び第二側壁13の外方向へ引っ張り出された位置に留まり、次サイクルにおける梱包対象物の圧縮動作の開始を待つ。
【0059】
〔制御装置〕
図14は制御装置を中心とする制御系の構成を示すブロック図である。
制御装置1は、汎用コンピュータなどを用いて構成することができる。制御装置1は、入力部2と記憶部3を備えている。
入力部2は、キーボードやタッチパネルなどの汎用の入力機器で構成することができる。入力部2からは、制御装置1が圧縮梱包装置の各構成部を制御するために必要とされる各種の設定値が入力される。
記憶部3は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置で構成することができる。記憶部3には、圧縮梱包装置の各構成部を制御するためのプログラムがあらかじめ保存されている。入力部2から入力された各種設定値も、この記憶部3に保存される。なお、制御装置1には、記憶部3とは別に、演算処理を実行するために必要となるメモリ(図示せず)が搭載されている。
【0060】
制御装置1は、記憶部3から制御プログラムや各種の設定値を読み出して、圧縮梱包装置の各構成部を制御する。すなわち、ブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200の前後方向へ移動させるとともに、あらかじめ設定された位置に停止させる。また、駆動シリンダ16を制御して、圧縮扉14を開閉する。さらに、線材延出ユニット400、線材結合・切断ユニット500を制御して、圧縮梱包対象物を結束線材Aで結束する。その後、ブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200を前進させて、結束済みの圧縮梱包対象物の塊を圧縮室100の排出口101aから排出する。続いて、ブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200を後退させるとともに、適時のタイミングで、第一,第二線材保持機構601,602を制御して、結束線材Aを保持して、押圧圧縮ブロック200の線材通路21(図3参照)から結束線材Aを抜き出す。そして、押圧圧縮ブロック200を始動位置まで後退させる。これら各構成部を制御することによって、圧縮梱包対象物の塊を製造して、圧縮室100の排出口101aから逐次排出する。
【0061】
また、本実施形態に係る圧縮梱包装置は、圧縮した梱包対象物を任意の長さで結束して塊を製造する機能を有している。
入力部2からは圧縮室100内で形成する圧縮梱包対象物の目標長さの設定値が入力され、その設定値が記憶部3に保存される。すなわち、これら入力部2と記憶部3は、圧縮梱包対象物の目標長さを設定する仕様設定手段として機能している。
【0062】
図1(b)に戻り、圧縮室100の内壁には、前進位置検知センサ4、後退位置検知センサ5、結束位置検知センサ6が設けてある。また、押圧圧縮ブロック200には、検知板7が取り付けてある。検知板7には一定間隔ごとに位置検知用スリット7aが形成してある。前進位置検知センサ4と後退位置検知センサ5は、これら位置検知用スリット7aが移動する軌道に対向して設けてあり、押圧圧縮ブロック200の移動に伴い、各センサ4,5の対向位置を位置検知用スリット7aが通過するごとに、各センサ4,5から各々検知信号が制御装置1に出力される。制御装置1は、その検知信号に基づき、押圧圧縮ブロック200の移動位置を認識する。ここで、前進位置検知センサ4は、圧縮室100内で形成された圧縮梱包対象物の長さを検出する検出手段として機能する。
また、検知板7には、結束位置検知用切欠部7bが形成してあり、結束位置検知センサ6は、この結束位置検知用切欠部7bが移動する軌道に対向して設けてあり、押圧圧縮ブロック200の前進動作に伴い、結束位置検知センサ6の対向位置に結束位置検知用切欠部7bが到達したとき、同センサ6から検知信号が制御装置1に出力される。
なお、これらのセンサ4,5,6は、複数の位置を検出できる一つのセンサ(例えば、超音波センサ、レーザー式センサ、ロータリーエンコーダなど)で代用することもできる。
【0063】
図15図18は制御装置による制御動作を説明するための模式図である。
具体的には、図15は圧縮室の前端部から結束位置までの距離に対応した長さで圧縮梱包対象物を結束する場合の動作を説明するための模式図である。
記憶部3には、圧縮室100の前端部から結束位置Pまでの距離L1に対応した目標長さが設定値として保存されている。ここで、結束位置Pとは、線材延出ユニット400と線材結合・切断ユニット500とが協働して、結束線材Aにより圧縮梱包対象物Wを結束する位置である。換言すれば、線材延出ユニット400により延出した結束線材Aを、線材結合・切断ユニット500によって結合しかつ切断する作業を行う位置である。この結束位置Pに、押圧圧縮ブロック200の線材通路21(図3参照)は配置され、結束線材Aがこの線材通路21を通って延出される。
【0064】
制御装置1は、ブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200を前後方向へ移動させ、圧縮室100内に投入された梱包対象物を圧縮していく(図15(a)参照)。そして、前進位置検知センサ4からの検知信号に基づき、圧縮梱包対象物Wの長さが目標長さL1に到達したと判断したとき、制御装置1はブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200を結束位置Pに停止させる(図15(b)参照)。
次いで、制御装置1は、線材延出ユニット400、線材結合・切断ユニット500を制御して、圧縮梱包対象物Wを結束線材Aで結束する。その後、駆動シリンダ16を制御して圧縮扉14を開くとともに、ブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200を前進させて、結束済みの圧縮梱包対象物Wの塊を圧縮室100の排出口101aから排出する(図15(c)参照)。
続いて、ブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200を後退させるとともに、適時のタイミングで、第一,第二線材保持機構601,602を制御して、結束線材Aを保持して、押圧圧縮ブロック200の線材通路21(図3参照)から結束線材Aを抜き出す。そして、押圧圧縮ブロック200を始動位置まで後退させる。
【0065】
図16及び図17は圧縮室の前端部から結束位置までの距離よりも長い寸法で圧縮梱包対象物の塊を製造する場合の動作を説明するための模式図である。
記憶部3には、圧縮室100の前端部から結束位置Pまでの距離L1よりも長い目標長さL2が設定値として保存されている。
【0066】
制御装置1は、ブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200を前後方向へ移動させ、圧縮室100内に投入された圧縮梱包対象物Wを圧縮していく(図16(a)参照)。そして、前進位置検知センサ4からの検知信号に基づき、圧縮梱包対象物Wの長さが目標長さL2に到達したと判断したとき、制御装置1はブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200の前進動作を停止させる(図16(b)参照)。
【0067】
次いで、制御装置1は、駆動シリンダ16を制御して圧縮扉14を開き、圧縮室100の排出口101aを開放する。そして、制御装置1はブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200を結束位置Pまで前進させ、当該結束位置Pで停止させる(図17(a)参照)。このとき、圧縮室100の排出口101aからは、圧縮梱包対象物Wの一部が外側に排出される。また、圧縮扉14が開いているため、圧縮梱包対象物Wからの圧力を圧縮扉14が受け止めることはできない。しかし、弾力性がなく圧縮された状態を保持する梱包対象物も多く、その種の梱包対象物については、圧縮扉14が圧力を受けていなくとも、結束線材Aによる結束を支障なく実行できることが、本発明者らは実験で確認している。
【0068】
続いて、制御装置1は、線材延出ユニット400、線材結合・切断ユニット500を制御して、圧縮梱包対象物Wを結束線材Aで結束する。そして、ブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200を前進させて、結束済みの圧縮梱包対象物Wの塊を圧縮室100の排出口101aから排出する(図17(b)参照)。
その後、ブロック駆動シリンダ20を制御して押圧圧縮ブロック200を後退させるとともに、適時のタイミングで、第一,第二線材保持機構601,602を制御して、結束線材Aを保持して、押圧圧縮ブロック200の線材通路21(図3参照)から結束線材Aを抜き出す。そして、押圧圧縮ブロック200を始動位置まで後退させる。
【0069】
制御装置1がこのような制御機能を備えることで、結束機構を前後方向に移動調整して結束位置を変更することなく、圧縮梱包対象物を任意の長さで結束し塊を製造することができる。よって機械的構造の簡素化を図ることができる。
【0070】
制御装置1は、入力部2から入力され記憶部3に保存されている「圧縮梱包対象物の目標長さの設定値」を、圧縮室100の前端部から結束位置Pまでの距離L1と比較して、当該設定値が距離L1に相当するときは、図15に示したように、圧縮扉14を閉じたままで、かつ押圧圧縮ブロック200を前進させることなく、結束動作を実行する。
ここで、「圧縮梱包対象物の目標長さの設定値」が距離L1に近い寸法であって、押圧圧縮ブロック200が圧縮を完了した位置で結束動作を実行できると制御装置1が判断したときは、図15に示したように、圧縮扉14を閉じたままで、かつ押圧圧縮ブロック200を前進させることなく、結束動作を実行する。
【0071】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変形実施や応用実施が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0072】
A:結束線材、P:結束位置、W:圧縮梱包対象物、
1:制御装置、2:入力部、3:記憶部、4:前進位置検知センサ、5:後退位置検知センサ、6:結束位置検知センサ、7:検知板、7a:位置検知用スリット、7b:結束位置検知用切欠部、
100:圧縮室、101:枠体、101a:排出口、
10:底壁、11:天井壁、11a:投入口、12:第一側壁、12a:第一線材挿通用スリット、13:第二側壁、13a第二線材挿通用スリット、14:圧縮扉、15:支持枠、16:駆動シリンダ、17ホッパ、
200:押圧圧縮ブロック、
20:ブロック駆動シリンダ、21:線材通路、22:線材抜き出しスリット、
23:梱包位置、
301:第一線材供給源、302:第二線材供給源、
400:線材延出ユニット、
40:ガイドレール、41:摺動支持部材、42:突出しロッド、43:線材保持部材、44:保持ローラ、45:重合保持位置、
500:線材結合・切断ユニット、501:ユニット基盤、502:上流側線材支持手段、503:下流側線材支持手段、504:上流側線材捩り結合部材、505:下流側線材捩り結合部材、506:線材切断手段、
50:上流側位置決め盤(下流側位置決め盤)、51:上流側装着板(下流側装着板)、52:上流側線材支持ローラ(下流側線材支持ローラ)、53:位置決め孔、54:締結部材、55:上流側支持位置、56下流側支持位置、
601:第一線材保持機構、602:第二線材保持機構、
61:引掛部材、61a:鈎部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17