(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036595
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】電子線照射装置及び搬送装置
(51)【国際特許分類】
G21K 5/10 20060101AFI20220301BHJP
G21K 5/04 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G21K5/10 L
G21K5/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140890
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】503237806
【氏名又は名称】株式会社NHVコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】水谷 睦
(57)【要約】
【課題】長尺被処理物の引き伸ばし、緩みや外れ等の事象の発生を低減できる搬送装置を備える電子線照射装置を提供する。
【解決手段】被覆電線Wを掛装して搬送移動させる搬送装置12において、駆動モータ30にて回転駆動される支軸23と搬送プーリ27との間に軸受が介在する相対回転許容状態と、支軸23と搬送プーリ27との間に軸受が介在しない相対回転ロック状態とに切り替え可能な切替装置40が備えられる。切替装置40は、被覆電線Wの定速搬送時には相対回転許容状態に、被覆電線Wの搬送加減速時には相対回転ロック状態に切り替え動作する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子線を出射する電子線照射本体部と、
駆動モータにて回転駆動される支軸に対して軸受を介して回転可能に支持された複数個の搬送プーリが前記支軸の軸方向に並設されてなる一対のプーリ群を備え、前記一対のプーリ群に長尺被処理物を掛装して搬送移動させる搬送装置と
を備え、前記一対のプーリ群の間で掛け渡されて往復移動しながら、軸方向に並ぶ個々の前記搬送プーリ毎に順次移動する搬送態様にて長尺被処理物を搬送移動させつつ、前記電子線の照射を行うように構成された電子線照射装置であって、
前記搬送装置は、前記支軸と前記搬送プーリとの間に前記軸受が介在する相対回転許容状態と、前記支軸と前記搬送プーリとの間に前記軸受が介在しない相対回転ロック状態とに切り替え可能であり、前記長尺被処理物の定速搬送時には前記相対回転許容状態に、前記長尺被処理物の搬送加減速時には前記相対回転ロック状態に切り替える切替装置を備えた、電子線照射装置。
【請求項2】
前記切替装置は、前記相対回転許容状態と前記相対回転ロック状態とを切り替えるべく、前記搬送プーリとの接離により前記搬送プーリの回転を許容又は規制するブレーキ機構を含む、請求項1に記載の電子線照射装置。
【請求項3】
前記切替装置は、圧縮空気を用いた駆動にて前記相対回転許容状態と前記相対回転ロック状態とを切り替えるように構成された、請求項1又は請求項2に記載の電子線照射装置。
【請求項4】
前記切替装置は、前記相対回転許容状態と前記相対回転ロック状態とを切り替えるべく、一方は圧縮空気を用いた駆動にて切り替えられ、他方は付勢部材の付勢力を用いた駆動にて切り替えるように構成された、請求項3に記載の電子線照射装置。
【請求項5】
駆動モータにて回転駆動される支軸に対して軸受を介して回転可能に支持された複数個の搬送プーリが前記支軸の軸方向に並設されてなる一対のプーリ群を備え、前記一対のプーリ群に長尺被処理物を掛装して搬送移動させるものであり、
前記一対のプーリ群の間で掛け渡されて往復移動しながら、軸方向に並ぶ個々の前記搬送プーリ毎に順次移動する搬送態様にて長尺被処理物を搬送移動させるように構成された搬送装置であって、
前記支軸と前記搬送プーリとの間に前記軸受が介在する相対回転許容状態と、前記支軸と前記搬送プーリとの間に前記軸受が介在しない相対回転ロック状態とに切り替え可能であり、前記長尺被処理物の定速搬送時には前記相対回転許容状態に、前記長尺被処理物の搬送加減速時には前記相対回転ロック状態に切り替える切替装置を備えた、搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺被処理物を搬送移動させながら電子線照射を行う電子線照射装置及び搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子線照射装置において、被覆電線の表面に電子線を照射しその被覆部分の架橋処理を行うことが使用用途の一つとしてある。このような被覆電線等の長尺被処理物に対して電子線照射を行う場合、長尺被処理物が電子線照射エリアを何度も往復通過するように搬送装置を用いて搬送移動させることが行われている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
搬送装置は、複数のプーリが軸方向に重ねられて並設されるプーリ群を一対有し、互いの軸線が平行となるようにして一対のプーリ群が配置されている。被覆電線等の長尺被処理物は、一対のプーリ群の間で掛け渡されて往復移動しながら、各プーリ群においては隣接のプーリ毎に軸方向に順次移動する搬送態様である。長尺被処理物は、こうした搬送装置の搬送移動により、一対のプーリ群の間に設定された電子線照射エリアを複数回往復通過し、所望の電子線照射を受けるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、搬送装置としては、各プーリ群の個々のプーリを同一の支軸に対して軸受等にて回転可能に支持し、長尺被処理物の長手方向位置での搬送速度の違いによる個々のプーリの回転速度差を吸収する構成のものがある。加えて、長尺被処理物は搬送装置に対して外部送給装置により送給されるものであるが、その送給速度に合わせて各プーリ群が同期して回転するように支軸をモータにて回転させ、長尺被処理物の搬送移動に対して各プーリ群が抵抗となるのを軽減する構成のものがある。
【0006】
このような構成の搬送装置においては、長尺被処理物の定速搬送時に特に問題はないが、定速搬送に至るまでの加速時や定速搬送からの減速時において、各プーリ群の慣性等の影響を受け、長尺被処理物の引き伸ばし、緩みや外れといった事象の発生が懸念されるところである。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、長尺被処理物の引き伸ばし、緩みや外れ等の事象の発生を低減できる搬送装置を備える電子線照射装置及びその搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する電子線照射装置は、電子線を出射する電子線照射本体部と、駆動モータにて回転駆動される支軸に対して軸受を介して回転可能に支持された複数個の搬送プーリが前記支軸の軸方向に並設されてなる一対のプーリ群を備え、前記一対のプーリ群に長尺被処理物を掛装して搬送移動させる搬送装置とを備え、前記一対のプーリ群の間で掛け渡されて往復移動しながら、軸方向に並ぶ個々の前記搬送プーリ毎に順次移動する搬送態様にて長尺被処理物を搬送移動させつつ、前記電子線の照射を行うように構成された電子線照射装置であって、前記搬送装置は、前記支軸と前記搬送プーリとの間に前記軸受が介在する相対回転許容状態と、前記支軸と前記搬送プーリとの間に前記軸受が介在しない相対回転ロック状態とに切り替え可能であり、前記長尺被処理物の定速搬送時には前記相対回転許容状態に、前記長尺被処理物の搬送加減速時には前記相対回転ロック状態に切り替える切替装置を備えた。
【0009】
上記態様によれば、長尺被処理物を掛装して搬送移動させる電子線照射装置の搬送装置において、駆動モータにて回転駆動される支軸と搬送プーリとの間に軸受が介在する相対回転許容状態と、支軸と搬送プーリとの間に軸受が介在しない相対回転ロック状態とに切り替え可能な切替装置が備えられる。切替装置は、長尺被処理物の定速搬送時には相対回転許容状態に、長尺被処理物の搬送加減速時には相対回転ロック状態に切り替え動作する。長尺被処理物の定速搬送時において支軸と搬送プーリとの間に軸受が介在する相対回転許容状態になることで、個々の搬送プーリ同士の相対的な作動も可能となる。そのため、長尺被処理物の長手方向位置にて搬送速度に違いが生じるような場合でも個々の搬送プーリの回転速度差として吸収でき、搬送装置での長尺被処理物の円滑な搬送に寄与できる。一方、長尺被処理物の搬送加減速時において支軸と搬送プーリとの間に軸受が介在しない相対回転ロック状態になることで、搬送プーリが駆動モータによるダイレクト駆動となる。そのため、搬送プーリが自身の慣性力の影響で長尺被処理物の搬送抵抗となったり搬送移動に対して回転し過ぎたりすることを低減でき、搬送装置での長尺被処理物の引き伸ばし、緩みや外れ等を抑制することが可能となる。
【0010】
上記電子線照射装置において、前記切替装置は、前記相対回転許容状態と前記相対回転ロック状態とを切り替えるべく、前記搬送プーリとの接離により前記搬送プーリの回転を許容又は規制するブレーキ機構を含むことが好ましい。
【0011】
上記態様によれば、切替装置は、搬送プーリとの接離による摩擦力の作用有無にて搬送プーリの回転を許容又は規制するブレーキ機構を含む構成のため、支軸と搬送プーリとの間の相対回転許容とロックとの切り替えを行う機構を比較的簡単な構成にて実現可能である。また、搬送プーリの回転位置のいずれにおいても回転規制できるため、相対回転許容とロックとの切り替えを円滑に行うことが可能である。
【0012】
上記電子線照射装置において、前記切替装置は、圧縮空気を用いた駆動にて前記相対回転許容状態と前記相対回転ロック状態とを切り替えるように構成されることが好ましい。
上記態様によれば、切替装置は、圧縮空気を用いた駆動により支軸と搬送プーリとの間の相対回転許容とロックとの切り替えを行う構成のため、比較的簡単な構成にて実現可能である。
【0013】
上記電子線照射装置において、前記切替装置は、前記相対回転許容状態と前記相対回転ロック状態とを切り替えるべく、一方は圧縮空気を用いた駆動にて切り替えられ、他方は付勢部材の付勢力を用いた駆動にて切り替えるように構成されることが好ましい。
【0014】
上記態様によれば、切替装置は、支軸と搬送プーリとの間の相対回転許容とロックとの切り替えを、一方は圧縮空気を用いた駆動、他方は付勢部材を用いた駆動により行う構成のため、比較的簡単な構成にて実現可能である。
【0015】
上記課題を解決する搬送装置は、駆動モータにて回転駆動される支軸に対して軸受を介して回転可能に支持された複数個の搬送プーリが前記支軸の軸方向に並設されてなる一対のプーリ群を備え、前記一対のプーリ群に長尺被処理物を掛装して搬送移動させるものであり、前記一対のプーリ群の間で掛け渡されて往復移動しながら、軸方向に並ぶ個々の前記搬送プーリ毎に順次移動する搬送態様にて長尺被処理物を搬送移動させるように構成された搬送装置であって、前記支軸と前記搬送プーリとの間に前記軸受が介在する相対回転許容状態と、前記支軸と前記搬送プーリとの間に前記軸受が介在しない相対回転ロック状態とに切り替え可能であり、前記長尺被処理物の定速搬送時には前記相対回転許容状態に、前記長尺被処理物の搬送加減速時には前記相対回転ロック状態に切り替える切替装置を備えた。
【0016】
上記態様によれば、上記した電子線照射装置に備える搬送装置と同様に切替装置を備えているため、搬送装置での長尺被処理物の引き伸ばし、緩みや外れ等を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子線照射装置及び搬送装置によれば、長尺被処理物の引き伸ばし、緩みや外れ等の事象の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態における搬送装置を含む電線照射装置の概略構成を示す斜視図。
【
図2】同形態における搬送装置を含む電線照射装置の概略構成を示す側面図。
【
図3】同形態における搬送装置のプーリ群の軸方向断面図。
【
図4】同形態における搬送装置のプーリ群の一部拡大断面図。
【
図5】同形態における搬送装置のプーリ群の一部拡大断面図。
【
図6】同形態における搬送装置の動作を説明するための説明図。
【
図7】変更例における搬送装置のプーリ群の一部拡大断面図。
【
図8】変更例における搬送装置のプーリ群の一部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、搬送装置を含む電子線照射装置の一実施形態について説明する。
図1及び
図2に示す本実施形態の電子線照射装置10は、電子線eの生成及び照射を行う電子線照射本体部11と、長尺被処理物として例えば被覆電線Wを搬送移動させる搬送装置12とを備えている。電子線照射本体部11は、被覆電線Wの被覆部分の架橋処理等を行うのに適した電子線eを生成する。電子線照射本体部11における電子線eの出射部11aは、搬送装置12の例えば上方に設置され、下方に位置する照射対象の被覆電線Wに向けて電子線eの出射が可能に構成されている。
【0020】
搬送装置12は、対をなす第1及び第2プーリ群21,22を備え、各プーリ群21,22間に設定された電子線照射エリアAを照射対象の被覆電線Wが複数回往復通過するように搬送移動させる装置である。搬送装置12の構成の詳細は後述する。被覆電線Wは、搬送装置12による搬送移動にて電子線照射エリアAを複数回往復通過することで、所望の電子線eの照射を受けるようになっている。なお、被覆電線Wは、搬送装置12に対して外部送給装置13による送給及び回収がなされている。
【0021】
搬送装置12は、基台20を備えている。基台20は、例えば下面に取り付けられた複数のキャスタ20aにて移動可能である。基台20の上面には、上記の第1及び第2プーリ群21,22がそれぞれ設置されている。なお、以降の説明において、各プーリ群21,22の全体符号については異なる符号を付し、各プーリ群21,22の具体構成及び各プーリ群21,22に付随する装置等の同一構成のものについては同一の符号を付すこととする。
【0022】
図1から
図4に示すように、第1及び第2プーリ群21,22は、それぞれ支軸23を有している。各プーリ群21,22は、各支軸23の両端がそれぞれ基台20の上面から立設する支柱部24に対してボール軸受等の軸受25を介して回転可能に支持されている(
図3等参照)。各支柱部24は、それぞれカバー部材26にて覆われている。各プーリ群21,22は、互いの支軸23が平行となるように、また互いのプーリ群21,22の間に所定の間隔を有して配置されている。
【0023】
また、各プーリ群21,22は、それぞれ同一構成をなす略円盤状の搬送プーリ27を複数個備えている。各搬送プーリ27は、自身の中央部に中央筒部27aを有しており、中央筒部27aに支軸23が挿通されている。搬送プーリ27は、複数個が支軸23に挿通されて軸方向に重なるように並設されている。搬送プーリ27の中央筒部27aの内周面には、ボール軸受等の軸受28が個々の搬送プーリ27毎に例えば2つ、軸方向に並ぶように設けられている。搬送プーリ27は、個々が支軸23に対して各軸受28を介して回転可能に支持されている。換言すれば、搬送プーリ27は、互いに独立して支持されるため、個々の搬送プーリ27毎に回転速度差が生じても、相対的な作動が可能となっている。
【0024】
搬送プーリ27の外周面には、被覆電線Wを1本ずつ収容可能な例えば2つの収容溝27bを有している。各収容溝27bは、溝断面形状が例えば溝底部よりも開口側が拡開する逆台形状をなし、被覆電線Wの溝内への進入と溝内からの離脱が容易になされるようになっている。
【0025】
ここで、
図1から
図3を参照し、本実施形態の搬送装置12による被覆電線Wの搬送態様について説明すると、外部送給装置13から送給される被覆電線Wは、まず、外部送給装置13側に位置する第1プーリ群21の軸方向一端側の搬送プーリ27の収容溝27bに上側から収容される。次いで、被覆電線Wは、第1プーリ群21から第2プーリ群22に掛け渡され、第2プーリ群22の軸方向一端側の搬送プーリ27の収容溝27bに下側から収容される。被覆電線Wは、第2プーリ群22における搬送プーリ27の下側から上側までの略半周(厳密には半周強)にわたって収容溝27b内を掛装される。被覆電線Wは、第2プーリ群22から第1プーリ群21に掛け渡され、第1プーリ群21の軸方向一端側で軸方向に1つずれた搬送プーリ27の収容溝27bに下側から収容される。被覆電線Wは、第1プーリ群21における搬送プーリ27の下側から上側までの略半周(同じく半周強)にわたって収容溝27b内を掛装され、再び第2プーリ群22側に掛け渡される。被覆電線Wは、各プーリ群21,22間において側方視で交差するようにして掛装されている。また、平面視において、軸方向に並ぶ被覆電線Wは交互に搬送方向が逆向きであり、隣接の被覆電線W同士は互いに所定間隔を有して非接触である。以上が被覆電線Wの各プーリ群21,22間の一往復の掛装態様であり、これが各プーリ群21,22の軸方向他端まで複数回繰り返される。
【0026】
こうして、搬送装置12にて搬送移動される被覆電線Wは、一対のプーリ群21,22の間で掛け渡されて往復移動しながら、各プーリ群21,22においては搬送プーリ27の収容溝27bを1つずつ軸方向にずれながら順次移動する態様となっている。被覆電線Wは、こうした搬送装置12の搬送移動により各プーリ群21,22の間に設定された電子線照射エリアAを複数回往復通過し、所望量の電子線eの照射を受けるようになっている。そして、このように電子線eの照射を受けて被覆部分の架橋処理等がなされた被覆電線Wは、第1プーリ群21の軸方向他端側の搬送プーリ27の収容溝27bから外部送給装置13に回収される。
【0027】
また、被覆電線Wは、電子線eの照射を受けると若干発熱する。すなわち、被覆電線Wは、電子線eの照射による発熱にて搬送移動中に長手方向への伸びが生じており、搬送移動の下流側の方が上流側に比べてその熱の影響が大きく伸びも大きい。そのため、被覆電線Wの搬送速度は、長手方向への伸びの大きい搬送移動の下流側の方が上流側よりも搬送速度が若干ではあるが速くなる。これを考慮し、支軸23に対して軸受28を介した支持構造の個々の搬送プーリ27は互いに回転速度差が生じても相対的な作動が可能なため、被覆電線Wの長手方向位置にて搬送速度に違いが生じても、本実施形態では個々の搬送プーリ27にて回転速度差として吸収できるようになっている。
【0028】
また、各プーリ群21,22の支軸23は、それぞれに設けられる駆動モータ30にて回転駆動が行われる。すなわち、基台20には、各プーリ群21,22に対応した駆動モータ30がそれぞれ設置されている。各駆動モータ30は、通電に基づいて回転駆動し、回転軸に固定された駆動プーリ31を回転させる。各駆動プーリ31は、各プーリ群21,22の支軸23の軸方向一端に固定された従動プーリ32に対し、それぞれ無端状の伝達ベルト33が掛装されている。そして、駆動モータ30が回転駆動すると、駆動プーリ31、伝達ベルト33及び従動プーリ32を介して支軸23に回転力が伝達される。各プーリ群21,22の搬送プーリ27と支軸23とは軸受28を介するために相対的な作動が可能であるものの、支軸23と搬送プーリ27との間には軸受28を含めて回転方向に若干の摩擦力が存在する。そのため、支軸23が回転すると、搬送プーリ27は軸受28を介して受ける回転力を受けて連れ回り可能である。
【0029】
また、駆動モータ30においては、搬送装置12に対して外部送給装置13により送給される被覆電線Wのその送給速度に合わせて、各プーリ群21,22の個々の搬送プーリ27が同期して回転できるように支軸23を回転させている。つまり、被覆電線Wの搬送移動に対して各プーリ群21,22が抵抗となるのを軽減する構成となっている。なお上記したが、支軸23に対して軸受28を介して支持される個々の搬送プーリ27は、駆動モータ30、支軸23及び軸受28を介する回転力を受けて連れ回りしつつも、個々が相対的に作動できるものとなっている。
【0030】
ちなみに、外部送給装置13は、被覆電線Wの送給開始及びその停止、送給時の定速搬送を制御装置34により制御されている。また、各プーリ群21,22毎に設置した駆動モータ30についても、その駆動モータ30の回転制御を行うインバータ等の駆動回路35を通じて制御装置34により制御されている。なお、被覆電線Wは各プーリ群21,22間において側方視で交差する掛装態様としているため、各プーリ群21,22を駆動する駆動モータ30は互いに逆方向に回転駆動される。制御装置34は、外部送給装置13と駆動モータ30とを互いに連携させた駆動制御を行っている。
【0031】
また、上記の搬送装置12においては、
図3から
図5に示すように、各プーリ群21,22の個々の搬送プーリ27と支軸23との間に軸受28が介在する相対回転許容状態(
図4)と、個々の搬送プーリ27と支軸23との間に軸受28が介在しない駆動連結とする相対回転ロック状態(
図5)とに切り替える切替装置40が設けられている。相対回転許容状態では、駆動モータ30により支軸23が回転することで軸受28を介して受ける回転力にて搬送プーリ27の連れ回りが可能である。また、個々の搬送プーリ27同士は相対的に作動できる状態である。一方、相対回転ロック状態では、駆動モータ30により回転することで支軸23から搬送プーリ27に回転力が直接的に伝達され、搬送プーリ27のダイレクト駆動が可能となる。また、個々の搬送プーリ27同士の相対的な作動はできない状態となる。
【0032】
切替装置40の具体構成としては、個々の搬送プーリ27毎に設置されるブレーキ機構41と、ブレーキ機構41の作動又は不作動の状態切り替えを例えば圧縮空気を用いて行うべくその圧縮空気の供給及び停止を行う圧力供給装置42とを備えている。
【0033】
ブレーキ機構41は、支軸23内に形成されて径方向外側に開口する収容凹部43に、ピストン44及び付勢バネ45等を収容して構成されている。ピストン44は、先端部に摩擦部材46を有し、収容凹部43内に支軸23の径方向に沿って進退動作可能に配置されている。ピストン44が収容凹部43内に配置されることで、ピストン44と支軸23との相対的な回転方向への移動は規制されている。ピストン44は、自身の径方向への進退動作に伴い、先端部の摩擦部材46が個々の搬送プーリ27の中央筒部27aの内周面に対して接離するようになっている。付勢バネ45は、ピストン44の退避側である支軸23の径方向内側に向けてピストン44を付勢し、摩擦部材46を搬送プーリ27の中央筒部27aの内周面から離間させる側に付勢する。個々の搬送プーリ27毎に設けられる各収容凹部43は、支軸23の軸方向に延設される供給流路47と連通している。
【0034】
圧力供給装置42は、上記の供給流路47と、ロータリジョイント48と、電磁弁49と、圧力源50とを備えている。ロータリジョイント48は、支軸23の一端部における供給流路47の導入口47a部分に設置され、支軸23の回転を許容しつつ供給流路47との連通状態を維持する。また、ロータリジョイント48は、自身を介して供給流路47と電磁弁49とを接続する。電磁弁49は、圧縮空気を生成及び保持する圧力源50と接続されている。
【0035】
電磁弁49が閉弁状態にあるときは、圧力源50からの圧縮空気が供給流路47に供給されないため、
図4に示すように、ブレーキ機構41のピストン44は付勢バネ45の付勢力により径方向内側に退避状態となっている。つまり、ピストン44の先端部の摩擦部材46は搬送プーリ27の中央筒部27aの内周面と非接触であり、切替装置40としては搬送プーリ27と支軸23との間に軸受28が介在する相対回転許容状態としている。
【0036】
一方、電磁弁49が開弁すると、
図5に示すように、圧力源50からの圧縮空気がロータリジョイント48を介して供給流路47に供給される。すると、ブレーキ機構41においては収容凹部43内に圧縮空気が流入し、ピストン44が付勢バネ45の付勢力に抗して突出して、先端部の摩擦部材46が搬送プーリ27の中央筒部27aの内周面に接触する。つまり、搬送プーリ27と支軸23とがブレーキ機構41にて一体的に連結された相対回転ロック状態に切り替わるようになっている。このような切替装置40の電磁弁49は
図2に示す制御装置34により開閉制御が行われ、制御装置34は切替装置40についても外部送給装置13及び駆動モータ30と連携した制御を行っている。
【0037】
本実施形態における搬送装置12を含む電子線照射装置10の動作及び作用について説明する。
図1及び
図2に示すように、まず、外部送給装置13から引き出された電子線eの未照射の被覆電線Wが搬送装置12に対して同図及び上記した掛装態様にて一通り掛装される。
【0038】
次いで、電子線照射装置10において、被覆電線Wへの電子線eの照射開始指令が生じると、電子線照射本体部11から電子線eが出射されるとともに、外部送給装置13及び搬送装置12の同期した被覆電線Wの送給及び搬送が行われる。制御装置34は、外部送給装置13の送給動作と、搬送装置12の駆動モータ30の回転動作とを同期させた制御、すなわち外部送給装置13の送給動作と、第1及び第2プーリ群21,22の回転による搬送動作とを同期させた制御を行う。
【0039】
制御装置34の具体的な制御としては、
図6に示す一制御例のように、時間t0の開始指令に基づいて被覆電線Wの送給動作と搬送動作とを開始する。このとき、被覆電線Wへの電子線eの照射も開始される(図示略)。制御装置34は、時間t0から時間t1までを加速期間T1とし、被覆電線Wの送給速度と搬送速度とを所定加速度にて加速させる。時間t1に到達すると、制御装置34は、この時間t1以降(後の時間t2まで)を定速期間T2とし、被覆電線Wの送給速度と搬送速度とを所定速度一定に制御し、被覆電線Wの定速搬送を行う。
【0040】
また、制御装置34は、被覆電線Wの搬送の加速期間T1において、搬送装置12の電磁弁49を開弁させてブレーキ機構41を作動させる。つまり、加速期間T1においては、駆動モータ30により回転される支軸23と各プーリ群21,22の搬送プーリ27とが相対回転ロック状態となり、駆動モータ30による搬送プーリ27のダイレクト駆動となる。被覆電線Wの搬送の定速期間T2になると、制御装置34は、電磁弁49を閉弁させてブレーキ機構41を非作動とする。つまり、定速期間T2になると、駆動モータ30により回転される支軸23と各プーリ群21,22の搬送プーリ27とが相対回転許容状態に切り替わり、被覆電線Wの送給に基づく搬送移動に搬送プーリ27が従動的に回転し、個々の搬送プーリ27の相対作動が許容される。
【0041】
やがて、時間t2に照射終了指令が生じると、その終了に向けてまず、制御装置34は、時間t2から時間t3までを減速期間T3とし、被覆電線Wの送給速度と搬送速度とを所定減速度にて減速させる。また、制御装置34は、被覆電線Wの搬送の減速期間T3においても、搬送装置12の電磁弁49を開弁させてブレーキ機構41を作動させる。つまり、減速期間T3においても、駆動モータ30により回転される支軸23と各プーリ群21,22の搬送プーリ27とが再び相対回転ロック状態に切り替えられ、駆動モータ30による搬送プーリ27のダイレクト駆動となる。そして、時間t3に到達すると、制御装置34は、被覆電線Wの送給動作と搬送動作とを停止する。このとき、被覆電線Wへの電子線eの照射も停止される。
【0042】
このような一連の過程において、搬送装置12は、定速期間T2においては支軸23と搬送プーリ27とを相対回転許容状態に切り替える。すなわち、被覆電線Wの定速搬送時では、電子線eの照射による発熱にて被覆電線Wが長手方向に伸び、搬送下流側ほどその伸びも大きい。そのため、被覆電線Wの長手方向位置で搬送速度に違いが生じ得るが、個々の搬送プーリ27の相対作動が許容されているため、個々の搬送プーリ27にて回転速度差として吸収でき、搬送装置12での被覆電線Wの円滑な搬送に寄与できるものとなっている。また、個々の搬送プーリ27は支軸23に対して軸受28を介して支持されているものの、相互間の回転方向には大きくはないが摩擦力が作用する。そのため、駆動モータ30にて支軸23を被覆電線Wの搬送移動と同期して回転させることで、支軸23側が搬送プーリ27の回転抵抗となることを軽減でき、このことでも被覆電線Wの円滑な搬送に寄与できるものとなっている。
【0043】
一方で、加速期間T1と減速期間T3とにおいて、搬送装置12は、支軸23と搬送プーリ27とを相対回転ロック状態に切り替える。すなわち、被覆電線Wの搬送加速時では、仮に支軸23と搬送プーリ27とを相対回転許容状態とした場合、加速中の被覆電線Wの搬送移動に対して従動的に回転する搬送プーリ27が自身の慣性力にて抵抗となり、特に本実施形態のように多くの搬送プーリ27を備えるものでは抵抗も大きくなって、被覆電線Wの想定以上の引き伸ばし等に繋がる。このことは、被覆電線Wの線径等に影響を与えかねない。本実施形態ではこれを考慮し、被覆電線Wの搬送加速時においては支軸23と搬送プーリ27とを相対回転ロック状態とし、搬送プーリ27を駆動モータ30にてダイレクト駆動とする。これにより、搬送プーリ27が自身の慣性力の影響で被覆電線Wの搬送抵抗となることが低減され、搬送装置12での被覆電線Wの引き伸ばし等を抑制することが可能である。
【0044】
また、被覆電線Wの搬送減速時では、加速時とは逆の慣性力の影響を受けるものであり、仮に支軸23と搬送プーリ27とを相対回転許容状態とすると、減速中の被覆電線Wの搬送移動に対して搬送プーリ27が自身の慣性力にて回り過ぎてしまい、各プーリ群21,22間での被覆電線Wの緩みや外れ等に繋がる。被覆電線Wが搬送プーリ27から外れると、再び被覆電線Wを搬送装置12にセットする作業は煩雑である。本実施形態ではこれを考慮し、被覆電線Wの搬送加速時においても支軸23と搬送プーリ27とを相対回転ロック状態とし、搬送プーリ27を駆動モータ30にてダイレクト駆動とする。これにより、搬送プーリ27が自身の慣性力の影響で被覆電線Wの搬送移動に対する回り過ぎが低減され、搬送装置12での被覆電線Wの緩みや外れ等を抑制することが可能である。
【0045】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態の電子線照射装置10において、被覆電線Wを掛装して搬送移動させる搬送装置12には、駆動モータ30にて回転駆動される支軸23と搬送プーリ27との間に軸受28が介在する相対回転許容状態と、支軸23と搬送プーリ27との間に軸受28が介在しない相対回転ロック状態とに切り替え可能な切替装置40が備えられる。切替装置40は、被覆電線Wの定速搬送時には相対回転許容状態に、被覆電線Wの搬送加減速時には相対回転ロック状態に切り替え動作する。被覆電線Wの定速搬送時において支軸23と搬送プーリ27との間に軸受28が介在する相対回転許容状態になることで、個々の搬送プーリ27同士の相対的な作動も可能となる。そのため、電子線eの照射に起因して被覆電線Wの長手方向に伸びが生じ、被覆電線Wの長手方向位置にて搬送速度に違いが生じるような場合であっても、個々の搬送プーリ27の回転速度差として吸収でき、搬送装置12での被覆電線Wの円滑な搬送に寄与することができる。一方、被覆電線Wの搬送加減速時において支軸23と搬送プーリ27との間に軸受28が介在しない相対回転ロック状態になることで、搬送プーリ27が駆動モータ30によるダイレクト駆動となる。そのため、搬送プーリ27が自身の慣性力の影響で被覆電線Wの搬送抵抗となったり搬送移動に対して回転し過ぎたりすることを低減でき、搬送装置12での被覆電線Wの引き伸ばし、緩みや外れ等を抑制することができる。
【0046】
(2)切替装置40は、搬送プーリ27との接離による摩擦力の作用有無にて搬送プーリ27の回転を許容又は規制するブレーキ機構41を含む構成のため、支軸23と搬送プーリ27との間の相対回転許容とロックとの切り替えを行う機構を比較的簡単な構成にて実現することができる。また、搬送プーリ27の回転位置のいずれにおいても回転規制できるため、相対回転許容とロックとの切り替えを円滑に行うことができる。
【0047】
(3)切替装置40のブレーキ機構41は、圧縮空気を用いた駆動により支軸23と搬送プーリ27との間の相対回転許容とロックとの切り替えを行う構成のため、このことでも比較的簡単な構成とすることに寄与できる。さらに、このブレーキ機構41においては、支軸23と搬送プーリ27との間の相対回転許容とロックとの切り替えを、一方は圧縮空気を用いた駆動、他方は付勢バネ45を用いた駆動により行う構成のため、このことでもさらに比較的簡単な構成とすることに寄与できる。
【0048】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・駆動モータ30にて回転駆動される支軸23と搬送プーリ27とを相対回転許容状態と相対回転ロック状態とに切り替える切替装置40の構成を適宜変更してもよい。
【0049】
例えば
図7及び
図8に示す変更例では、エア駆動装置51としてエアシリンダ52と作動バー53とが備えられる。エアシリンダ52は、電磁弁49の開閉制御による圧力源50からの圧縮空気の供給又は停止にて、自身に備える出力ロッド52aを進退動作させる。支軸23には、一体回転可能かつ軸方向に沿って移動可能な作動バー53が設けられ、作動バー53の基端部53aには、エアシリンダ52の出力ロッド52aが軸方向に当接する。基端部53aと支軸23の端面との間には、付勢バネ54が介装されている。作動バー53には、個々の搬送プーリ27の中央筒部27aの端面に対して軸方向に接離する突片部53bが搬送プーリ27毎に設けられている。中央筒部27aの端面と接離する突片部53bの部位には、摩擦部材(図示略)が設けられていてもよい。
【0050】
そして、支軸23と搬送プーリ27とを相対回転許容状態とするには、
図7に示すように、電磁弁49が閉弁状態に制御されてエアシリンダ52への圧縮空気の供給が停止され、エアシリンダ52は非作動、出力ロッド52aは退避状態である。作動バー53は、付勢バネ54の付勢力により出力ロッド52aを退避位置にて当接する位置に配置され、各突片部53bは、搬送プーリ27の中央筒部27aの端面から離間した位置に配置される。これに対し、支軸23と搬送プーリ27とを相対回転ロック状態とするには、
図8に示すように、電磁弁49が開弁状態に制御されてエアシリンダ52に圧縮空気が供給され、エアシリンダ52は作動、出力ロッド52aは突出動作する。作動バー53は、出力ロッド52aの突出により付勢バネ54の付勢力に抗して作動し、各突片部53bは、搬送プーリ27の中央筒部27aの端面に接触する。つまり、突片部53bを含む機構が上記実施形態と同様、搬送プーリ27の回転を許容又は規制するブレーキ機構41として機能する。
【0051】
また、ブレーキ機構41の構成は、上記実施形態や上記変更例以外の構成であってもよい。
さらに、支軸23と搬送プーリ27との間の相対回転許容とロックとの切り替えを行う機構として、
図5及び
図8等にて示したブレーキ機構41の他、凹凸形状の嵌合やギヤ形状の噛合等を用いた機構を用いてもよい。
【0052】
また、支軸23と搬送プーリ27との間の相対回転許容とロックとの切り替えを、一方は電磁弁49及び圧力源50等を含む圧縮空気を用いた駆動、他方は付勢バネ45,54を用いた駆動としたが、例えばその両方とも圧縮空気にて駆動するものであってもよい。
【0053】
また、圧縮空気以外の気体や液体を用いた駆動としてもよい。また、流体による駆動ではなく、電動にて駆動するものであってもよい。
・各プーリ群21,22の支軸23をそれぞれ個別の駆動モータ30にて駆動したが、1個の駆動モータ30にて駆動させる構成であってもよい。
【0054】
・支軸23と搬送プーリ27との間に用いる軸受28をボール軸受としたが、コロ軸受や滑り軸受等、他の軸受を用いてもよい。
・搬送装置12への被覆電線Wの掛装態様は一例であり、各プーリ群21,22間において側方視で交差しない掛装態様であってもよい。
【0055】
・被覆電線Wに対して電子線eを照射する
図1に示す位置は一例であり、適宜変更してもよい。また、電子線eを照射する方向についても適宜変更してもよい。
・電子線eの照射態様について特に言及しなかったが、電子線eを走査する走査型であっても、電子線eを走査しないエリア型であってもよい。
【0056】
・被覆電線Wの搬送開始から終了まで、定速期間T2のみならず加速期間T1と減速期間T3とを含めて被覆電線Wへの電子線eの照射を行う態様であったが、これに限らず、例えば加速期間T1及び減速期間T3のいずれか一方又は両方を電子線eの照射期間に含めないようにしてもよい。
【0057】
・長尺被処理物である被覆電線Wを電子線eの照射対象としたが、被覆電線のみならず、各種のチューブ部材等であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
10…電子線照射装置
11…電子線照射本体部
12…搬送装置
21…第1プーリ群(プーリ群)
22…第2プーリ群(プーリ群)
23…支軸
27…搬送プーリ
28…軸受
30…駆動モータ
40…切替装置
41…ブレーキ機構
45…付勢バネ(付勢部材)
54…付勢バネ(付勢部材)
e …電子線
W …被覆電線(長尺被処理物)