(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036596
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】灯具及び該灯具を備えた照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20220301BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20220301BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220301BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20220301BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20220301BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220301BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21V31/00 150
F21V31/00 200
F21V23/00 150
F21V17/00 154
F21V33/00 400
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140892
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 恒人
【テーマコード(参考)】
3K011
3K014
【Fターム(参考)】
3K011AA01
3K011BA02
3K011BA06
3K014AA01
3K014DA08
3K014NA02
3K014RB07
(57)【要約】
【課題】照明装置に誘引されて集まり、構成部材の隙間を通じて内部空間に侵入する虫を効果的に抑制することができる、灯具及び該灯具を備えた照明装置を提供する。
【解決手段】灯具は、透光性の出射面及び出射面と対向する開口面を有する箱形のカバーと、カバーの開口面を覆う台座と、カバー及び台座で囲まれて形成された内部空間に配置され、出射面に向かって光を照射する光源部と、内部空間に侵入する或いは侵入しようとする虫を忌避させる忌避部材とを備えている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の出射面及び前記出射面と対向する開口面を有する箱形のカバーと、
前記カバーの前記開口面を覆う台座と、
前記カバー及び前記台座で囲まれて形成された内部空間に配置され、前記出射面に向かって光を照射する光源部と、
前記内部空間に侵入する或いは侵入しようとする虫を忌避させる忌避部材と
を備えた灯具。
【請求項2】
前記光源部は、複数の光源構成部材で構成されており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、複数の前記光源構成部材のうち少なくとも一つに含まれている、請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記光源部は、前記光源構成部材として、
光源基板と、
前記光源基板の表面に実装された複数の発光素子と、を有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記光源基板に含まれている、請求項2に記載の灯具。
【請求項4】
前記光源部は、前記光源構成部材として、
光源基板と、
前記光源基板の表面に実装された複数の発光素子と、
前記光源基板の表面に設けられたレジストと、を有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記レジストに含まれている、請求項2又は請求項3に記載の灯具。
【請求項5】
前記光源構成部材は、前記光源構成部材として、
光源基板と、
前記光源基板の表面に実装された複数の発光素子と、
前記光源基板に発光素子をはんだで接合したはんだ接合部と、
前記はんだ接合部の表面に敷設されたフラックスと、を有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記フラックスに含まれている、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項6】
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で前記台座に含まれている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項7】
前記台座は、表面に敷設された塗膜を有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記塗膜に含まれている、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項8】
前記光源部と前記台座とを接着させる接着部材を更に有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、該接着部材に含まれている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項9】
前記光源部及び前記台座の少なくとも一方の表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部を更に有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、該表示印刷部に含まれている、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項10】
前記光源部と前記台座との間に配置された光源シート部材を更に有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記光源シート部材に含まれている、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項11】
前記光源シート部材の表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部を有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、該表示印刷部に含まれている、請求項10に記載の灯具。
【請求項12】
前記台座に載置され、前記光源部に接続される電線を所定の位置に配置させる電線保護具を更に有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記電線保護具に含まれている、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項13】
前記カバーは、前記内部空間に通じる開口部が設けられ、該開口部を開閉自在に塞ぐカバー蓋部を有しており、
前記カバー蓋部には、前記内部空間に面した内面部に前記忌避部材が設けられている、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項14】
前記台座には、前記内部空間に通じる開口部が設けられ、該開口部を開閉自在に塞ぐ台座蓋部を有しており、
前記台座蓋部には、前記内部空間に面した内面部に前記忌避部材が設けられている、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項15】
前記光源部に電力を供給する電源部を更に有しており、
前記電源部は、複数の電源構成部材で構成され、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、複数の前記電源構成部材のうち少なくとも一つに含まれている、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項16】
前記電源部は、前記電源構成部材として、
電源ケースと、
前記電源ケースに収納され、前記光源部に供給するための電力を生成する電源回路を有する電源基板と、を備えている、請求項15に記載の灯具。
【請求項17】
前記電源ケースは、表面に敷設された塗膜を有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記塗膜に含まれている、請求項16に記載の灯具。
【請求項18】
前記電源部は、前記電源構成部材として前記電源基板の表面に設けられたレジストを有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記レジストに含まれている、請求項16又は請求項17に記載の灯具。
【請求項19】
前記電源部は、前記電源構成部材として、
前記電源基板に電源回路をはんだで接合したはんだ接合部と、
前記はんだ接合部の表面に敷設されたフラックスと、を有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記フラックスに含まれている、請求項16から請求項18のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項20】
前記電源部は、前記電源構成部材として、前記電源ケースと前記電源基板との間に配置された電源シート部材を備えている、請求項16から請求項19のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項21】
前記電源部は、前記電源構成部材として前記電源基板又は前記電源回路に塗布される接着部材を備えている、請求項16から請求項20のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項22】
前記電源部に敷設されるラベルからなる表示印刷部を有しており、
前記忌避部材は、樹脂材料に含有された状態で該表示印刷部に含まれている、請求項15から請求項21のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項23】
前記電源ケースは、前記電源ケースの内部に通じる開口部が設けられ、該開口部を開閉自在に塞ぐケース蓋部を有しており、
前記ケース蓋部には、前記電源ケースの内部に面した内面部に前記忌避部材が設けられている、請求項15から請求項22のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項24】
前記忌避部材は、微細成形加工された微細樹脂に含有された構成とされ、
前記樹脂材料は、前記忌避部材が含有された前記微細樹脂を混合した構成である、請求項2から請求項12、請求項15から請求項22のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項25】
前記樹脂材料又は前記微細樹脂は、気体透過性を有する構成である、請求項2から請求項12、請求項15から請求項22、請求項24のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項26】
前記カバー蓋部、前記台座蓋部又は前記ケース蓋部は、前記開口部に着脱自在に取り付けられている、請求項13、請求項14又は請求項23に記載の灯具。
【請求項27】
請求項1から請求項26のいずれか一項に記載の灯具と、
被取付部に取り付けられ、前記灯具が装着される器具と、を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、虫を忌避させる忌避部材を有する灯具、及び該灯具を備えた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前から、天井又は壁等の被取付部に取り付けられる照明装置が知られている。例えば、特許文献1に開示された照明器具は、光を照射させる光源ユニットと、天井又は壁等の被取付部に固定され、光源ユニットが取り付けられる器具本体と、を有している。光源ユニットは、長尺状に形成された取付部材と、取付部材に取り付けられる光源部と、透光性を有し、光源部を覆うようにして取付部材に取り付けられるカバーと、を有している。光源部は、カバーと取付部材とで囲まれた内部空間に配置されている。
【0003】
照明装置は、光源部を例えば放電方式、フィラメント方式又はLED方式等とした構成が知られている。例えば放電方式の照明装置では、紫外線領域の波長帯域における光の強度が大きいため、虫が誘引されやすい。虫は、視感度特性によって光自体に誘引される性質を有しているためである。これは光源がフィラメント方式及びLED方式においても同様である。
【0004】
ところで、LED方式は、紫外線領域の波長帯域における光の強度が放電方式よりも小さい。そのため、LED方式は、放電方式と比較した場合、虫の視感度特性に基づく反応波長帯域における光の強度が弱いため、理論上は虫が誘引され難い。しかし、LED方式であっても、光が存在するため、虫が照明装置に誘引されてしまう。一方、対象となる波長帯域の強度を選択的に抑制させることによって低誘虫化された照明装置もある。このような照明装置は、一定の効果はあるものの、光は存在するため、虫が照明装置に誘引されてしまう。
【0005】
このように、従来の照明装置では、例えば、顔料、染料、蛍光体等の光学材料を用いて光の強度を抑制したり、波長帯域に応じて光の強度を調整したり、或いは波長特性を長波長帯域の側へシフトさせたりすることによって、照明装置に誘引されて集まる虫が抑制されるように光学特性を調整していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の照明装置のように、光学特性を調整することによって照明装置に誘引されて集まる虫の抑制はできても、虫が照明装置に誘引されて集まってきてしまうことを完全に防ぐことは難しい。照明装置においては、構成部材の隙間を経由するなどしてカバーと取付部材とで囲まれた内部空間に虫が侵入すると、カバーを透過して外部に虫が透けて見えたり、カバーに虫の影が投影されたりするので、外観が著しく低下してしまう。また、照明装置は、虫が堆積することによって、カバーを透過する光が遮られて光の取出し効率が低下するおそれがある。更に、光源部等に虫が付着すると、部品の劣化を加速させたり、短絡等の不具合を生じたりしてしまい、安全性を維持できなくなるおそれがある。そして、これらを防止するためのクリーニングなどのメンテナンスコストを増大させてしまうおそれもある。
【0008】
また、照明装置において、白色光源を用いる場合には、光学材料を用いて光の強度を抑制したり、波長帯域に応じて光の強度を調整したりすることによって、光の利用効率を低下させてしまうこと、或いは、照明空間に照射させる光の色度の調整を困難にさせてしまうという課題もあった。
【0009】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、光学特性を調整する方法によらず、照明装置に誘引されて集まり、構成部材の隙間を通じて内部空間に侵入する虫を効果的に抑制することができる、灯具及び該灯具を備えた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る灯具は、透光性の出射面及び前記出射面と対向する開口面を有する箱形のカバーと、前記カバーの前記開口面を覆う台座と、前記カバー及び前記台座で囲まれて形成された内部空間に配置され、前記出射面に向かって光を照射する光源部と、前記内部空間に侵入する或いは侵入しようとする虫を忌避させる忌避部材とを備えたものである。
【0011】
本開示に係る照明装置は、上記灯具と、被取付部に取り付けられ、前記灯具が装着される器具と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、カバー及び台座で囲まれて形成された内部空間に侵入する或いは侵入しようとする虫を忌避させる忌避部材を備えているので、光学特性を調整する方法によらず、照明に誘引されて集まってきてしまう虫を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置の一構成例を示した斜視図である。
【
図3】
図2に示した灯具を被取付部側から見た状態の斜視図である。
【
図5】
図3に示した灯具であって、電源部を設けた部分の縦断面図である。
【
図7】
図5に示したA部の拡大図であって忌避部材の変形例を示した説明図である。
【
図8】実施の形態1に係る照明装置の変形例1の要部を示した説明図である。
【
図9】実施の形態2に係る照明装置の灯具であって、電源部を設けた部分の縦断面図である。
【
図10】
図9に示したB部であって主要な部分のみを示した拡大図である。
【
図11】実施の形態4に係る照明装置の要部を示した拡大図である。
【
図12】実施の形態4に係る照明装置の変形例の要部を示した説明図である。
【
図13】実施の形態6に係る照明装置であって、灯具の電源部を設けた部分の縦断面図である。
【
図14】実施の形態7に係る照明装置の要部を示した拡大図である。
【
図15】実施の形態10に係る照明装置の灯具の主要部を分解して示した斜視部である。
【
図16】実施の形態10に係る照明装置の変形例であって、灯具の主要部を分解して示した斜視図である。
【
図17】実施の形態11に係る照明装置の灯具の主要部を示した斜視図である。
【
図18】
図17に示したカバー蓋部の動作を示した説明図である。
【
図19】実施の形態11に係る照明装置の変形例であって、灯具の主要部を示した斜視図である。
【
図20】
図19に示したカバー蓋部の動作を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置の一構成例を示した斜視図である。
図2は、
図1に示した照明装置の分解斜視図である。
図3は、
図2に示した灯具を被取付部側から見た状態の斜視図である。
図4は、
図3に示した灯具の分解斜視図である。
図5は、
図3に示した灯具であって、電源部を設けた部分の縦断面図である。
図6は、
図5に示したA部の拡大図である。
【0016】
図1及び
図2を含む各図において、説明の便宜上、灯具101の長手方向をX軸方向とし、灯具101の短手方向をY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする。
図1に示すZ2の矢印方向は重力方向である。
【0017】
(照明装置100)
実施の形態1に係る照明装置100は、
図1及び
図2に示すように、長手方向Xに延びる長尺状であり、天井又は壁など被取付部103に取り付けられて、室内空間等の照明空間に光を照射するものである。照明装置100は、照明空間に光を照射する長尺の灯具101と、天井又は壁等の被取付部103に取り付けられて固定され、長尺の灯具101が着脱自在に取り付けられる長尺の器具102と、を備えている。
【0018】
灯具101は、
図2~
図4に示すように、カバー1と、台座2と、光源部3と、光源シート部材4、電源部5と、バネ受具6と、を有している。一方、器具102は、
図2に示すように、器具本体部7と、端子台8と、取付バネ9と、を有している。
【0019】
(灯具101)
先ず、灯具101の各構成要素を
図1~
図4に基づいて説明する。カバー1は、透光性の材料を用いて形成され、光源部3の周囲を覆う部材である。透光性の材料とは、例えば、ポリカーボネイト若しくはアクリル等の合成樹脂、又はガラス等である。カバー1は、使用される材料に応じて、射出成形、押出し成形、三次元積層造形等により形成される。
【0020】
カバー1は、
図1~
図5に示すように、透光性の出射面及び出射面と対向する開口面を有する長尺の箱形に形成されている。具体的には、カバー1は、出射面の側に設けられた湾曲面状の出射面を有する長尺のカバー主部10と、カバー主部10の長手方向Xの両端の開口面を塞ぐカバー端部11と、を有している。カバー主部10は、短手方向Yの両端縁から被取付部103に向かってそれぞれ立ち上がるカバー壁面部12(
図5を参照)と、各カバー壁面部12の端縁から開口の内方側に向かって突き出すように設けられたL字状のカバー取付部13(
図5を参照)と、を有している。
【0021】
カバー主部10は、一例として縦断面が湾曲面状とした構成を示しているが、例えば、V字状、W字状、矩形状等でもよく、その他の形状でもよい。カバー端部11は、カバー主部10に接着等によって一体的に取り付けられている。カバー壁面部12は、
図5に示すように、被取付部103に向かって立ち上がる端縁が開口の内方側へ向くように形成されており、この端縁にL字状のカバー取付部13が設けられている。
【0022】
カバー取付部13は、
図5に示すように、カバー1の長手方向Xに沿って形成されており、台座2にカバー1を取り付けるために設けられている。カバー取付部13は、台座2を支持するカバー支持部13aと、台座2を係止させるカバー係止部13bと、でL字状に形成されている。
【0023】
カバー支持部13aは、カバー1の開口の一部を塞ぐようにカバー1の短手方向Yに延伸させて形成されている。カバー支持部13aの上面には、台座2が載置される。各カバー取付部13のカバー支持部13aは、カバー1の長手方向Xに沿って並行して形成されている。並行するカバー支持部13a及び13aの間には、光源部3が配置される。
【0024】
カバー係止部13bは、被取付部103に向かって延伸させて形成されており、中間部分においてカバー壁面部12の先端縁が接続されている。カバー係止部13bの上端には、フック部13cが形成されている。フック部13cは、台座2に掛け止めるために設けられている。
【0025】
台座2は、板金で形成されており、
図3~
図5に示すように、カバー1の開口面を覆うものである。
図5に示すように、カバー1と台座2とで囲まれた空間を内部空間S1とする。台座2は、カバー1の長手方向Xに沿って延びる平板状の基部20と、基部20の短手方向Yの両端縁から被取付部103に向かって立ち上がる側部21と、を有している。台座2は、カバー取付部13のカバー支持部13aに基部20が載置されて支持され、側部21の上端部にカバー係止部13bのフック部13cが掛け止められる。なお、台座2にカバー1を取り付ける手段は、図示した構成に限定されない。例えば、台座2にカバー1を接着させて取り付ける構成でもよいし、台座2に対してカバー1をスライドさせて取り付ける構成でもよいし、その他の構成でもよい。
【0026】
基部20には、カバー主部10の側となる下面に、光源部3が取り付けられている。また、基部20には、カバー1の開口側となる上面に、電源部5と、電線保護具54及び55と、取付バネ9に係合するバネ受具6と、が設けられている。
【0027】
光源部3は、
図4~
図6に示すように、長尺の光源基板30と、光源基板30の表面に実装された複数の発光素子31と、を有している。光源基板30は、基部20の下面に、例えば、接着部材32等を用いて取り付けられている。接着部材32は、液状若しくは半液状の接着剤、又は粘着剤が敷設された粘着シート等が採用可能である。また、
図4に示すように、光源基板30には、電線5bの導線を通すための貫通孔30aが形成されている。また、
図6に示すように、光源基板30の表面には、光の反射率を高める反射剤であるレジスト33が設けられている。
【0028】
発光素子31は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)素子である。複数の発光素子31は、
図4に示すように、光源基板30の長手方向Xに沿って直線状に実装されており、カバー1のカバー主部10と対向している。なお、
図4では、発光素子31を一部省略して示しているが、実際には、光源基板30の長手方向Xに沿って連続して実装されている。また、発光素子31は、
図6に示すように、一例として、はんだによって光源基板30に接合されている。このはんだ接合部34の表面には、フラックス35が敷設されている。
【0029】
光源部3は、電源部5から電力が供給されて発光素子31を発光させる。発光素子31から発光された光は、カバー主部10を介して室内空間等の照明空間に照射される。なお、光源部3の動作熱は、台座2を介して灯具101の外部空間等の放熱領域に向けて放熱される。
【0030】
光源シート部材4は、
図4~
図6に示すように、台座2と光源基板30との間に配置されている。光源シート部材4は、薄膜状とされ、台座2の基部20の下面を覆うように配置されている。光源シート部材4は、例えば樹脂材料を用いて形成される。光源シート部材4の厚さ寸法は、例えば0.5mm程度である。
【0031】
光源シート部材4は、スリット状の貫通孔40が長手方向Xに沿って設けられている。貫通孔40は、光源基板30よりも小さい大きさである。貫通孔40には、光源基板30を台座2の基部20に接着させる接着部材32が配置される。光源シート部材4は、接着部材32が硬化することで、光源基板30と基部20との間に挟まれて固定される。
【0032】
上記のように、光源基板30の外周と基部20の下面との間には、光源シート部材4が介在している。光源シート部材4は、電気絶縁性を有する材料を用いて形成することができる。つまり、光源シート部材4は、光源基板30の外周部付近に敷設された配線パターン及び該外周部付近に実装された電子部品などの光源回路と、台座2との電気絶縁を確保することができる。灯具101は、光源シート部材4を設けることにより、光源基板30を小型化することが可能となり、軽量化及び材料コストの低減等させることができる。なお、光源シート部材4のその他の機能としては、反射率の向上、放熱性の向上、摩擦係数の低減又は異物侵入リスクの低減等がある。また、光源シート部材4は、前記の機能以外の機能を有する構成でもよい。
【0033】
電源部5は、端子台8から供給された電力を光源部3に供給する電源としての機能と、点灯電力の制御を行う機能と、を有している。電源部5は、
図5に示すように、長尺状の電源ケース50と、電源ケース50の内部に収納され、光源部3に供給するための電力を生成する電源回路52を有する電源基板51と、電源基板51の下面に設けられた電源シート部材53と、を備えている。電源回路52は、電源基板51に実装された電子部品等で構成される。電源シート部材53は、例えば絶縁効果又は放熱効果を有するものである。
【0034】
電源部5は、
図4に示すように、基部20の上面に載置され、基部20に設けられた電源支持部23と電源固定部24とによって位置が固定される。そして、電源部5は、基部20に形成された挿通孔20aに通したネジ等の接合部材22を用いて基部20に取り付けられている。電源部5は、器具102を被取付部103に取り付けるために用いられる吊りボルト(図示は省略)の位置を考慮して、吊りボルト(図示は省略)と電源ケース50が接触しない位置を選択して配置されている。電源部5は、端子台8と電線5aを介して接続され、光源部3と電線5bを介して接続されている。
【0035】
電線5aの一端部には、端子台8に接続された電線8aのコネクタに接続するためのコネクタが設けられている。電線5bは、給電線であり、電源部5から光源部3に点灯電力を供給するための供給経路となる。電線5bは、基部20に形成された貫通孔である電線挿通孔を経由して配置され、電源部5と光源部3とを電気的に接続する。なお、電源部5の動作熱は、台座2を介して灯具101の外部空間等の放熱領域に向けて放熱される。また、電線5bは、2つで一組とした構成を示しているが、これに限らず、1つでもよいし3つ以上で一組とした構成でもよい。
【0036】
電線固定具は、電線配置具54と、電線保持具55と、を有している。電線配置具54は、電線5a及び5bが吊りボルト(図示は省略)と接触しないように配線するために設けられている。電線配置具54は、
図4に示すように、基部20の上面に載置され、基部20に形成された取付孔26に一部が挿し込まれて基部20に取り付けられ、基部20に設けられた固定部25によってその位置が固定されている。
【0037】
電線保持具55は、電線5bの一端部にある給電部の損傷を防止し、且つ給電部と基部20との絶縁距離を確保する目的で設けられている。電線保持具55は、例えば基部20の上面に載置され、基部20に形成された取付孔(図示省略)に一部が挿し込まれて基部20に取り付けられ、基部20に設けられた固定部(図示省略)によってその位置が固定されている。
【0038】
バネ受具6は、器具本体部7に設けられた取付バネ9と係合し、灯具101を器具102に取り付けるために設けられている。バネ受具6は、
図2及び
図3に示すように、取付バネ9に対応する位置であって、基部20の長手方向Xにおける両端にそれぞれ設けられている。バネ受具6は、
図4に示すように、基部20の上面に載置され、基部20に形成された取付孔28に一部が挿し込まれて基部20に取り付けられ、基部20に設けられた固定部27によってその位置が固定されている。なお、バネ受具6は、照明装置100の形状及び大きさに応じて、位置及び個数を適宜変更して設けるものとする。なお、図示することは省略したが、器具102にバネ受具6を設け、灯具101に取付バネ9を設けてもよい。
【0039】
(器具102)
器具本体部7は、
図1及び
図2に示すように、長手方向Xに沿って延びる本体部7aと、本体部7aの両端に取り付けられた端板部7bと、を有している。本体部7aは、板金を折り曲げて形成されている。具体的には、本体部7aは、短手方向Yの断面形状が凹状となるように折り曲げられて形成され、長手方向Xに沿って延設させた凹部70を有している。また、本体部7aは、短手方向Yにおける凹部70の開口端縁から被取付部103に向かって斜め上方に折り曲げて形成され、長手方向Xに沿って延設させた斜面部71を有している。斜面部71は、灯具101から照射される光の一部を反射させて側方に配光するために設けられている。なお、本体部7aは、例えば樹脂材料を用いて形成するなど、金属以外の材料を用いて形成してもよい。
【0040】
凹部70は、長手方向Xに延びる平板状の天面部72と、短手方向Yにおける天面部72の両端縁から灯具101に向かって屈曲させた側面部73と、を有している。側面部73の端縁は、矩形の開口を形成する開口縁部となる。
【0041】
天面部72には、器具102を被取付部103に取り付けるための吊りボルト又はネジ等の接合部材を通す複数の取付孔(図示は省略)が形成されている。器具102は、天面部72が被取付部103に吊りボルト又はネジ等の接合部材で接合されることで、被取付部103に取り付けられる。また、天面部72には、外部電線を照明装置100の内部へ通すための通線孔が形成されている。外部電線は、照明装置100の内部で端子台8に接続される。なお、外部電線は、電力の供給を受けるための外部電源線が含まれている。また、外部電線は、照明装置100の外部と通信を行うための制御線を含んでもよい。
【0042】
端板部7bは、本体部7aの長手方向Xにおける両端面を塞ぐように、本体部7aの長手方向Xにおける両端部に取り付けられる。なお、端板部7bには、複数の照明装置100を長手方向Xに連結設置する場合に開放して送り電線を通すためのノックアウト7cを設けてもよい。
【0043】
器具102は、器具本体部7の凹部70と端板部7bとで囲まれた部分が灯具装着部7dとなる。灯具装着部7dには、灯具101が着脱自在に装着される。灯具101は、開口から一部分が収容された状態で、灯具装着部7dに装着される。
【0044】
図2に示すように、灯具装着部7dの内部には、端子台8及び取付バネ9が設けられている。端子台8は、器具本体部7の天面部72に固定されている。端子台8は、建物等に設けられた図示省略の固定配線に接続されて、商用電源から電力供給を受けると共に、制御用の通信を中継するために設けられている。端子台8は、一端部にコネクタを有する電線8aを介して電源部5の電線5aに接続される。
【0045】
取付バネ9は、バネ受具6と係合して、器具102に灯具101を取り付けるために設けられている。取付バネ9は、
図2に示すように、例えば、ステンレス等の弾性を有する材質であり、帯状の板材を湾曲させて形成した板バネである。取付バネ9は、基端部が天面部72に取り付けられており、灯具装着部7dの開口側に向かって突き出している。取付バネ9は、図示例の場合、バネ受具6に対応する位置であって、天面部72の長手方向Xにおける両端にそれぞれ1つずつ設けられている。なお、取付バネ9は、図示した2つに限定されない。例えば、照明装置100の長手方向Xの長さが短い場合には、長手方向Xにおける一端側に取付バネ9を設け、長手方向Xにおける他端側にフックなどで固定する機構としてもよい。また、照明装置100の長手方向Xの長さが長い場合には、長手方向Xにおける両端と中央にそれぞれ取付バネ9を設けてもよい。要するに、取付バネ9は、照明装置100の形状及び大きさに応じて、位置及び個数を適宜変更して設けるものとする。
【0046】
ところで、従来の照明装置では、光学特性を調整することによって照明装置に誘引されて集まる虫を抑制していたが、虫が照明装置に誘引されて集まってきてしまうことを完全に防ぐことは難しい。照明装置100においては、構成部材の隙間を経由するなどしてカバー1と台座2とで囲まれた内部空間S1に虫が侵入すると、カバー1を透過して外部に虫が透けて見えたり、カバー1に虫の影が投影されたりするので、外観が著しく低下してしまう。また、照明装置100は、内部空間S1に虫が堆積することによって、カバー1を透過する光が遮られて光の取り出し効率が低下するおそれがある。更に、光源部3等に虫が付着すると、部品の劣化を加速させり、短絡等の不具合を生じたりしてしまい、安全性を維持できなくなるおそれがある。そして、これらを防止するためのクリーニングなどのメンテナンスコストを増大させてしまうおそれもある。
【0047】
ここで、虫とは、例えば、飛翔性昆虫及び徘徊性昆虫である。飛翔性昆虫とは、例えば、ハエ類、ユスリカ類、蚊類、ヨコバイ類、ウンカ類、コナジラミ類、ハチ類、ゴキブリ類等である。徘徊性昆虫は、例えば、アリ類、シロアリ類、ハネカクシ類、アブラムシ類、シミ類、ノミ類、シラミ類、ダニ類、ムカデ類、蜘蛛類等である。なお、これらの虫は、一例である。
【0048】
そこで、実施の形態1に係る照明装置100では、カバー1と台座2とで囲まれた内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を忌避させる忌避部材36を有する灯具101を備えている。
【0049】
具体的には、
図6に示すように、光源基板30は、樹脂材料を含む材料から成る基材(母材)で構成されている。光源基板30は、光源部3の光源構成部材である。樹脂材料には、忌避部材36が含有されている。忌避部材36は、液体、ジェル状又はペースト状の半液体、個体及び気体のいずれでもよい。また、忌避部材36は、経皮型及び経口型のいずれでもよい。忌避部材36が含有された樹脂材料は、基材の一部を構成する。基材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。
【0050】
なお、
図7は、
図5に示したA部の拡大図であって忌避部材の変形例を示した説明図である。忌避部材36は、
図7に示すように、微細成形加工された微細樹脂37に含有された構成としてもよい。樹脂材料は、忌避部材36が含有された微細樹脂37を混合した構成である。具体的には、忌避部材36が混合されたビーズ状の微細樹脂37をフィラとして樹脂材料に混合した構成である。
【0051】
次に、実施の形態1に係る照明装置100の変形例1を
図8に基づいて説明する。
図8は、実施の形態1に係る照明装置の変形例1の要部を示した説明図である。変形例1の照明装置100は、
図8に示すように、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料から成る表示印刷部38を光源基板30の表面の敷設した構成である。表示印刷部38は、光源基板30の長手方向の端部であって、発光素子31から発せられる光を遮らないように敷設されている。表示印刷部38は、例えば部品又は製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。表示印刷部38に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成の表示印刷部38は、上記した忌避部材36が含有された光源基板30と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。また、表示印刷部38を光源基板30の表面に敷設する位置は、図示した光源基板30の長手方向の端部に限定されない。表示印刷部38は、発光素子31が実装されていない領域であって、発光素子31から発せられる光を遮らないように敷設できれば、その他の位置でもよい。
【0052】
次に、実施の形態1に係る照明装置100の変形例2を説明する。
図6に示すように、実施の形態1に係る照明装置100は、光源基板30の表面に、光の反射率を高める反射剤であるレジスト33が設けられている。レジスト33は、光源部3の光源構成部材である。このレジスト33が、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、レジスト33の一部を構成する。レジスト33の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成のレジスト33は、上記した忌避部材が含有された樹脂材料を含む光源基板30及び表示印刷部38の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0053】
次に、実施の形態1に係る照明装置100の変形例3を説明する。
図6に示すように、実施の形態1に係る照明装置100は、光源基板30に発光素子31をはんだで接合したはんだ接合部34を有している。はんだ接合部34の表面には、フラックス35が敷設されている。フラックス35は、光源部3の光源構成部材である。このフラックス35が、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、フラックス35の一部を構成する。フラックス35の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成のフラックス35は、上記した忌避部材36が含有された樹脂材料を含む光源基板30、表示印刷部38及びレジスト33の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0054】
以上のように、実施の形態1に係る照明装置100は、透光性の出射面及び出射面と対向する開口面を有する箱形のカバー1と、カバー1の開口面を覆う台座2と、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に配置され、出射面に向かって光を照射する光源部3と、内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を忌避させる忌避部材36と、を備えている。光源部3は、複数の光源構成部材で構成されている。複数の光源構成部材のうち少なくとも一つは、内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を忌避させる忌避部材36を有する樹脂材料が含まれた構成とされている。
【0055】
また、実施の形態1に係る照明装置100は、光源部3の表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部38を有している。忌避部材36は、樹脂材料に含有された状態で表示印刷部38に含まれている。
【0056】
つまり、実施の形態1に係る照明装置100では、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を光源構成部材又は表示印刷部38に含まれた忌避部材36で忌避させることができる。よって、照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0057】
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る照明装置を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、忌避部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0058】
図9は、実施の形態2に係る照明装置の灯具であって、電源部を設けた部分の縦断面図である。
図10は、
図9に示したB部であって主要な部分のみを示した拡大図である。実施の形態2に係る照明装置100は、
図9及び
図10に示すように、虫を忌避させる忌避機能を台座2に設けたことを特徴としている。具体的には、金属材料から成る基材(母材)で構成された台座2の表面のうち、内部空間S1に面した部分と、カバー取付部13のカバー支持部13a及びカバー係止部13bと対向する部分とに、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料から成る塗膜29を敷設した構成としている。つまり、カバー取付部13のカバー支持部13a及びカバー係止部13bと、台座2の基部20及び側部21と、で囲まれた僅かな隙間である侵入空間S3に忌避部材36を含有した塗膜29を敷設している。なお、塗膜29は、接着部材32が敷設されない領域に敷設することが好ましい。接着部材32の剥離強度、すなわち光源基板30の取付強度を維持するためである。忌避部材36が含有された樹脂材料は、塗膜29の一部を構成する。塗膜29の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。塗膜29は、反射率向上、放射性向上、摩擦係数の低減、防錆及び防汚等の機能を有する。
【0059】
なお、塗膜29は、その他の機能を有する構成でもよい。また、塗膜29は、台座2の基部20であって電源部5を載置させた側の上面、或いは側部21であって電源部5と対向する内面に敷設してもよい。基部20の上面或いは側部21の内面に忌避部材36が含有された塗膜29を敷設することによって、内部空間S1及び侵入空間S3に虫が侵入し難くなる。
【0060】
実施の形態2に係る照明装置100では、カバー取付部13のカバー支持部13a及びカバー係止部13bと、台座2の基部20及び側部21と、で囲まれた僅かな隙間である侵入空間S3から内部空間S1へ侵入する或いは侵入しようとする虫を、忌避部材36を含有した塗膜29で忌避させることができる。よって、実施の形態2に係る照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。
【0061】
次に、実施の形態2に係る照明装置100の変形例1を説明する。変形例1の照明装置100では、台座2が樹脂材料を含む材料から成る基材(母材)で構成されている。樹脂材料には、忌避部材36が含有されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、基材の一部を構成する。基材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成の基材は、上記した忌避部材36が含有された樹脂材料を含む塗膜29と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0062】
次に、実施の形態2に係る照明装置100の変形例2を説明する。変形例2の照明装置100は、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料から成る表示印刷部を台座2の表面に敷設した構成である。実施の形態2における表示印刷部は、上記実施の形態1で説明した表示印刷部38の構成と同じである。つまり、表示印刷部は、例えば部品又は製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。表示印刷部に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成の表示印刷部は、上記した忌避部材36が含有された樹脂材料を含む塗膜29及び基材の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0063】
なお、実施の形態2に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0064】
以上のように、実施の形態2に係る照明装置100は、忌避部材36が樹脂材料に含有された状態で台座2に含まれている。また、実施の形態2に係る照明装置100は、台座2の表面に敷設された塗膜29を有しており、忌避部材36が樹脂材料に含有された状態で塗膜29に含まれている。また、実施の形態2に係る照明装置100は、台座2の表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部を有しており、忌避部材36が樹脂材料に含有された状態で表示印刷部に含まれている。
【0065】
つまり、実施の形態2に係る照明装置100は、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を台座2又は表示印刷部に設けた忌避部材36で忌避させることができる。よって、実施の形態2に係る照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0066】
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、忌避部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0067】
実施の形態3に係る照明装置100は、虫を忌避させる忌避機能を接着部材32に設けたことを特徴としている。
図5~
図7に示すように、光源部3の光源基板30は、台座2の基部20の下面に、接着部材32で接着されている。実施の形態3に係る照明装置100では、この接着部材32が忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。忌避剤が含有された樹脂材料は、接着部材32の一部を構成する。接着部材32の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。
【0068】
なお、実施の形態3に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1及び2において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0069】
以上のように、実施の形態3に係る照明装置100は、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を接着部材32に設けた忌避部材で忌避させることができる。よって、実施の形態3に係る照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0070】
実施の形態4.
次に、実施の形態4に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、忌避部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0071】
図11は、実施の形態4に係る照明装置の要部を示した拡大図である。実施の形態4に係る照明装置100は、
図11に示すように、虫を忌避させる忌避機能を光源シート部材4に設けたことを特徴としている。
図4~
図7、
図11に示すように、台座2と光源基板30との間には、光源シート部材4が配置されている。実施の形態4に係る照明装置100では、この光源シート部材4が忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、光源シート部材4の一部を構成する。光源シート部材4の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。
【0072】
次に、実施の形態4に係る照明装置100の変形例を説明する。
図12は、実施の形態4に係る照明装置の変形例の要部を示した説明図である。変形例の照明装置100は、
図12に示すように、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料から成る表示印刷部38を光源シート部材4の表面に敷設した構成である。実施の形態4における表示印刷部38は、上記実施の形態1で説明した表示印刷部38の構成と同じである。つまり、表示印刷部38とは、例えば部品又は製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。この表示印刷部38に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成の表示印刷部38は、上記した忌避部材36が含有された樹脂材料を含む光源シート部材4と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0073】
なお、実施の形態4に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1~3において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0074】
以上のように、実施の形態4に係る照明装置100は、忌避部材36が樹脂材料に含有された状態で光源シート部材4に含まれている。また、実施の形態4に係る照明装置100は、光源シート部材4の表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部38を有しており、忌避部材36が樹脂材料に含有された状態で表示印刷部38に含まれている。
【0075】
つまり、実施の形態4に係る照明装置100では、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を光源シート部材4又は表示印刷部38に設けた忌避部材36で忌避させることができる。よって、実施の形態4に係る照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0076】
実施の形態5.
次に、実施の形態5に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、忌避部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0077】
実施の形態5に係る照明装置100は、虫を忌避させる忌避機能を電線配置具54又は電線保持具55に設けたことを特徴としている。電線配置具54は、電線5a及び5bが吊りボルト(図示は省略)と接触しないように配線するために設けられている。電線保持具55は、電線5bの一端部にある給電部の損傷を防止し、且つ給電部と基部20との絶縁距離を確保する目的で設けられている。
【0078】
実施の形態5に係る照明装置100では、電線配置具54又は電線保持具55が忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、接着部材の一部を構成する。接着部材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、電線配置具54及び電線保持具55は、両方とも忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成してもよい。
【0079】
なお、実施の形態5に係る照明装置の各構成は、実施の形態1~4において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0080】
実施の形態5に係る照明装置100では、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を電線配置具54及び電線保持具55に含まれた忌避部材36で忌避させることができる。よって、照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0081】
実施の形態6.
次に、実施の形態6に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、忌避部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0082】
図13は、実施の形態6に係る照明装置であって、灯具の電源部を設けた部分の縦断面図である。実施の形態6に係る照明装置100は、虫を忌避させる忌避機能を電源部5の電源ケース50に設けたことを特徴としている。照明装置100は、
図3及び
図4に示すように、光源部3に給電される点灯電力を生成する電源部5を備えている。電源部5は、複数の電源構成部材で構成されている。電源構成部材は、
図5に示すように、電源ケース50と、電源ケース50に収納され、光源部3に供給するための電力を生成する電源回路52を有する電源基板51と、電源基板51の下面に設けられた電源シート部材53と、を備えている。
【0083】
電源部5は、金属材料から成る基材(母材)で構成された電源ケース50の表面に、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料から成る塗膜56が敷設されており、内部空間S2に侵入する虫を抑制することで、内部空間S1に侵入する虫を抑制させる構成とされている。塗膜56は、電源ケース50の内面であって、電源部5における内部空間S2に面した部分に敷設されている。塗膜56は、電源ケース50の内面の一部に敷設してもよいし、全面に敷設してもよい。なお、塗膜56は、電源ケース50の外面に敷設してもよい。忌避部材36が含有された樹脂材料は、塗膜56の一部を構成する。塗膜56の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。塗膜56は、反射率向上、放射性向上、摩擦係数の低減、防錆及び防汚等の機能を有する。なお、塗膜は、その他の機能を有する構成でもよい。
【0084】
次に、実施の形態6に係る照明装置100の変形例1を説明する。変形例1の照明装置100の電源ケース50は、樹脂材料を含む材料から成る基材(母材)で構成されている。樹脂材料には、忌避部材36が含有されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、基材の一部を構成する。基材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成の基材は、上記した忌避部材36が含有された樹脂材料を含む塗膜と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0085】
次に、実施の形態6に係る照明装置100の変形例2を説明する。変形例2の照明装置100は、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料から成る表示印刷部を電源ケース50の表面に敷設した構成である。実施の形態6における表示印刷部は、上記実施の形態1で説明した表示印刷部38の構成と同じである。つまり、表示印刷部は、例えば部品又は製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。この表示印刷部に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成の表示印刷部は、上記した忌避部材36が含有された樹脂材料を含む塗膜及び基材の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0086】
なお、実施の形態6に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1~5において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0087】
以上のように、実施の形態6に係る照明装置100では、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を電源ケース50又は表示印刷部に含まれた忌避部材36で忌避させることができる。よって、実施の形態6に係る照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0088】
また、実施の形態6に係る照明装置100は、電源部5の電源ケース50の内部空間S2へ虫が侵入する事態を効果的に抑制できるので、虫が付着することによって電源部5の故障等が生じることがなく、長期に亘って電源部5の動作の安定性が確保できる。
【0089】
実施の形態7.
次に、実施の形態7に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、忌避部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0090】
図14は、実施の形態7に係る照明装置の要部を示した拡大図である。実施の形態7に係る照明装置100は、虫を忌避させる忌避機能を電源部5の電源基板51に設け、内部空間S2に侵入する虫を抑制することで、内部空間S1に侵入する虫を抑制させる構成とされている。電源基板51は、
図14に示すように、平板状の基材51a(母材)と、基材51aの一方の表面に敷設されたフラックス51bと、基材51aの他方の表面に設けられた導電部51cと、導電部51cの表面に設けられたレジスト51dと、接合部材57を介して電源回路52とはんだ接合されたはんだ接合部51eと、はんだ接合部51eの表面に敷設されたフラックス51fと、を有している。
【0091】
実施の形態7に係る照明装置100では、基材51aが樹脂材料を含む材料で形成されている。そして、樹脂材料には、忌避部材36が含有されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、基材51aの一部を構成する。基材51aの一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。
【0092】
次に、実施の形態7に係る照明装置100の変形例1を説明する。変形例1の照明装置100は、忌避部材36である忌避剤を含有した樹脂材料を含む材料から成る表示印刷部を電源基板51の表面に敷設した構成である。実施の形態7における表示印刷部は、上記実施の形態1で説明した表示印刷部38の構成と同じである。つまり、表示印刷部は、例えば部品又は製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。この表示印刷部に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成の表示印刷部は、上記した忌避部材36が含有された樹脂材料を含む電源基板51と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0093】
次に、実施の形態7に係る照明装置100の変形例2を説明する。電源基板51は、光の反射率を高める反射剤であるレジスト51dを有している。レジスト51dは、電源部5の電源構成部材である。このレジスト51dが、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、レジスト51dの一部を構成する。レジスト51dの一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成のレジスト51dは、上記した忌避部材36が含有された樹脂材料を含む電源基板51及び表示印刷部の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0094】
次に、実施の形態7に係る照明装置100の変形例3を説明する。電源基板51は、基材51aの一方の表面に敷設されたフラックス51bと、接合部材57を介して電源回路52にはんだ接合されたはんだ接合部51eと、はんだ接合部51eの表面に敷設したフラックス51fと、を有している。フラックス51fは、酸化物等の不純物の除去、はんだの表面張力緩和、はんだ接合部51eの酸化防止等の機能を有する。フラックス51b及び51fは、電源部5の電源構成部材である。このフラックス51b及びフラックス51fのうち、いずれか一方又は双方が、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、フラックス51b及び51fの一部を構成する。フラックス51b及び51fの一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成のフラックス51b及び51fは、上記した忌避部材36が含有された樹脂材料を含む電源基板51、表示印刷部及びレジスト51dの少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0095】
なお、実施の形態7に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1~6において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0096】
以上のように、実施の形態7に係る照明装置100では、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を電源構成部材又は表示印刷部に含まれた忌避部材36で忌避させることができる。よって、実施の形態7に係る照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0097】
また、実施の形態7に係る照明装置100は、電源部5の電源ケース50の内部空間S2へ虫が侵入する事態を効果的に抑制できるので、虫が付着することによって電源部5の故障等が生じることがなく、長期に亘って電源部5の動作の安定性が確保できる。
【0098】
実施の形態8.
次に、実施の形態8に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、忌避部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0099】
実施の形態8に係る照明装置100は、虫を忌避させる忌避機能を電源部5の電源シート部材53に設け、内部空間S2に侵入する虫を抑制することで、内部空間S1に侵入する虫を抑制させる構成とされている。電源シート部材53は、
図5に示すように、電源基板51の下面に設けられ、例えば絶縁効果又は放熱効果を有するものである。電源シート部材53は、電源部5の電源構成部材である。この電源シート部材53は、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、電源シート部材53の一部を構成する。電源シート部材53の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。
【0100】
次に、実施の形態8に係る照明装置100の変形例1を説明する。変形例1の照明装置100は、忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料から成る表示印刷部を電源シート部材53の表面に敷設した構成である。実施の形態8における表示印刷部は、上記実施の形態1で説明した表示印刷部38の構成と同じである。つまり、表示印刷部は、例えば部品又は製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。この表示印刷部に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、前記構成の表示印刷部は、上記した忌避部材36が含有された樹脂材料を含む電源シート部材53と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0101】
なお、実施の形態8に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1~7において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0102】
以上のように、実施の形態8に係る照明装置100では、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を電源シート部材53又は表示印刷部に含まれた忌避部材36で忌避させることができる。よって、照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0103】
また、実施の形態8に係る照明装置100は、電源部5の電源ケース50の内部空間S2へ虫が侵入する事態を効果的に抑制できるので、虫が付着することによって電源部5の故障等が生じることがなく、長期に亘って電源部5の動作の安定性が確保できる。
【0104】
実施の形態9.
次に、実施の形態9に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、忌避部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0105】
実施の形態9に係る照明装置100は、虫を忌避させる忌避機能を電源基板51又は電源回路52に塗布される接着部材に設け、内部空間S2に侵入する虫を抑制することで、内部空間S1に侵入する虫も抑制させる構成とされている。接着部材は、電源部5の電源構成部材である。実施の形態9に係る照明装置100では、この接着部材が忌避部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。忌避部材36が含有された樹脂材料は、接着部材の一部を構成する。接着部材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。
【0106】
なお、実施の形態9に係る照明装置の各構成は、実施の形態1~8において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0107】
実施の形態9に係る照明装置100では、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫を接着部材に含まれた忌避部材36で忌避させることができる。よって、照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0108】
また、実施の形態9に係る照明装置100は、電源部5の電源ケース50の内部空間S2へ虫が侵入する事態を効果的に抑制できるので、虫が付着することによって電源部5の故障等が生じることがなく、長期に亘って電源部5の動作の安定性が確保できる。
【0109】
実施の形態10.
次に、実施の形態10に係る照明装置100を
図15に基づいて説明する。
図15は、実施の形態10に係る照明装置の灯具の主要部を分解して示した斜視部である。なお、実施の形態1で説明した照明装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、忌避部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0110】
実施の形態10に係る照明装置100は、
図15に示すように、カバー1のカバー端部11に特徴を有している。カバー1は、出射面の側に設けられた湾曲面状の出射面を有する長尺で断面U字状のカバー主部10と、カバー主部10の長手方向Xの両端の開口部10aを塞ぐカバー端部11と、を有している。カバー端部11は、カバー主部10の着脱自在に取り付けられている。カバー端部11は、カバー主部10に取り付けられるU字状のカバー枠部110と、カバー枠部110の内周面を開閉自在に塞ぐカバー蓋部111と、を有している。カバー枠部110とカバー蓋部111とは、下部がヒンジ部112で連結されている。
【0111】
カバー枠部110のU字の両端部には、係合孔110aがそれぞれ形成されている。カバー蓋部111には、カバー枠部110の係合孔110aに係合する係合突起111aが設けられている。また、カバー枠部110には、外面の縁部に沿って段差部が形成されている。そして、カバー蓋部111の縁部には、カバー枠部110の段差部に嵌まる段差部が形成されている。カバー枠部110とカバー蓋部111は、互いの段差部を嵌め合わせることで、位置が固定される。そして、カバー端部11は、係合突起111aを係合孔110aに係合させることで、カバー蓋部111をカバー枠部110に取り付けることができ、カバー蓋部111でカバー主部10の端部の開口部10aを塞ぐことができる。カバー端部11は、係合突起111aを係合孔110aから外し、ヒンジ部112を介してカバー蓋部111を下方に回動させることで、カバー主部10の開口部10aを開放させることができる。
【0112】
カバー蓋部111は、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、忌避部材36を設置するための忌避剤収容部113が設けられている。忌避剤収容部113は、カバー蓋部111と一体的に設けてもよいし、カバー蓋部111とは別部材として設けてもよい。忌避剤収容部113には、ビーズ状の忌避部材36が収容されている。カバー端部11は、カバー蓋部111の係合突起111aをカバー枠部110の係合孔110aから外し、下方に回動させることで、忌避剤収容部113を露出させることができ、忌避部材を充填させることができる。
【0113】
なお、実施の形態10に係る照明装置100は、忌避剤収容部113を設けることなく、光源部3が収容される内部空間S1に面したカバー蓋部111の内面部に、剥離可能な粘着部材によって忌避部材36を固定する構成でもよい。
【0114】
次に、実施の形態10に係る照明装置100の変形例を
図16に基づいて説明する。
図16は、実施の形態10に係る照明装置の変形例であって、灯具の主要部を分解して示した斜視図である。
図16に示すカバー端部11も、カバー主部10に取り付けられるU字状のカバー枠部110と、カバー枠部110の内周面を開閉自在に塞ぐカバー蓋部111と、を有している。カバー枠部110とカバー蓋部111とは、連結されておらず、別部材として構成されている。
【0115】
カバー枠部110のU字の両端部には、係合孔110aがそれぞれ形成されている。カバー蓋部111は、カバー枠部110の係合孔110aに係合する係合突起111a(
図15を参照)が設けられている。また、カバー枠部110には、外面の縁部に沿って段差部が形成されている。そして、カバー蓋部111の縁部には、カバー枠部110の段差部に嵌まる段差部が形成されている。カバー枠部110とカバー蓋部111は、互いの段差部を嵌め合わせることで、位置が固定される。カバー端部11は、係合突起111aを係合孔110aに係合させることで、カバー蓋部111をカバー枠部110に取り付けることができ、カバー蓋部111でカバー主部10の端部の開口部10aを塞ぐことができる。カバー端部11は、係合突起111aを係合孔110aから外し、カバー蓋部111を上方へスライドさせることで、カバー蓋部111をカバー枠部110から取り外すことができ、カバー主部10の端部の開口部10aを開放させることができる。
【0116】
カバー蓋部111は、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、忌避剤を設置するための忌避剤収容部113が設けられている。忌避剤収容部113は、カバー蓋部111と一体的に設けてもよいし、カバー蓋部111とは別部材として設けてもよい。忌避剤収容部113には、ビーズ状の忌避部材36が収容されている。カバー端部11は、カバー蓋部111の係合突起111aをカバー枠部110の係合孔110aから外し、下方に回動させることで、忌避剤収容部113を露出させることができ、忌避部材36を充填させることができる。
【0117】
なお、変形例として説明したカバー端部11は、忌避剤収容部113を設けることなく、光源部3が収容される内部空間S1に面したカバー蓋部111の内面部に、剥離可能な粘着部材によって忌避部材36を固定する構成でもよい。
【0118】
また、変形例として説明したカバー蓋部111は、メンテナンス用の交換部品として取り扱われてもよく、リサイクルも可能である。また、カバー端部11又は台座2の全体の形状が異なる場合であっても、カバー蓋部111を共通化させるために互換性を有した形状にすることができ、汎用性を向上させることができる。
【0119】
以上のように、実施の形態10に係る照明装置100のカバー1は、内部空間S1に通じる開口部10aが設けられ、該開口部10aを開閉自在に塞ぐカバー蓋部111を有している。カバー蓋部111には、内部空間S1に面した内面部に忌避部材36が設けられている。
【0120】
つまり、実施の形態10に係る照明装置100では、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫をカバー蓋部111に設けた忌避部材36で忌避させることができる。よって、照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0121】
また、実施の形態10に係る照明装置100では、長期使用によって忌避部材36の効果を発揮できなくなった場合に、カバー蓋部111を開けて、忌避部材36を容易に取り替えることができる。
【0122】
実施の形態11.
次に、実施の形態11に係る照明装置100を、
図17及び
図18に基づいて説明する。
図17は、実施の形態11に係る照明装置の灯具の主要部を示した斜視図である。
図18は、
図17に示したカバー蓋部の動作を示した説明図である。なお、実施の形態1で説明した照明装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、忌避部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0123】
実施の形態11に係る照明装置100は、
図17及び
図18に示すように、カバー1のカバー端部11に特徴を有している。カバー1は、出射面の側に設けられた湾曲面状の出射面を有する長尺で断面U字状のカバー主部10と、カバー主部10の長手方向Xの両端の開口部10aを塞ぐカバー端部11と、を有している。カバー端部11は、カバー主部10に着脱自在に取り付けられている。カバー端部11には、光源部3が収容される内部空間S1に連通する開口部114が形成されており、開口部114がカバー蓋部115で塞がれている。カバー蓋部115は、下縁部が開口部114の下縁とヒンジ部116で連結されている。カバー蓋部115の上端縁には、取手部115aが設けられている。カバー端部11は、
図18に示すように、取手部115aを手前に引いて、ヒンジ部112を介してカバー蓋部115を下方に回動させることで、開口部114を開放させることができる。カバー端部11は、ヒンジ部112を介してカバー蓋部115を上方に回動させることで、
図17に示すように、開口部114をカバー蓋部115で塞ぐことができる。
【0124】
カバー蓋部115は、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、忌避部材36を設置するための忌避剤収容部113が設けられている。忌避剤収容部113は、カバー蓋部115と一体的に設けてもよいし、カバー蓋部115とは別部材として設けてもよい。忌避剤収容部113には、ビーズ状の忌避部材36が収容されている。カバー端部11は、取手部115aを手前に引いて、カバー蓋部115を下方に回動させることで、忌避剤収容部113を露出させることができ、忌避部材36を充填させることができる。
【0125】
なお、実施の形態11に係る照明装置100は、忌避剤収容部113を設けることなく、光源部3が収容される内部空間S1に面したカバー蓋部115の内面部に、剥離可能な粘着部材によって忌避部材36を固定する構成でもよい。
【0126】
また、図示することは省略したが、
図17及び
図18に示したカバー端部11の構成は、台座2に適用することもできる。具体的には、台座2の基部20において、光源部3が収容される内部空間S1に連通する開口部が形成され、該開口部がカバー蓋部に相当する台座蓋部で塞がれた構成である。台座蓋部には、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、忌避部材36を設置するための忌避剤収容部が設けられている。
【0127】
また、図示することは省略したが、
図17及び
図18に示したカバー端部11の構成は、電源ケース50に適用することもできる。具体的には、電源ケース50の内部空間S2に連通する開口部が形成され、該開口部がカバー蓋部に相当するケース蓋部で塞がれた構成である。ケース蓋部には、電源ケース50の内部空間S2に面した内面部に、忌避部材36を設置するための忌避剤収容部が設けられている。
【0128】
次に、実施の形態11に係る照明装置100の変形例を
図19及び
図20に基づいて説明する。
図19は、実施の形態11に係る照明装置の変形例であって、灯具の主要部を示した斜視図である。
図20は、
図19に示したカバー蓋部の動作を示した説明図である。
【0129】
図19及び
図20に示すカバー端部11も、光源部3が収容される内部空間S1に連通する開口部114が形成されており、開口部114がカバー蓋部115で塞がれている。カバー蓋部115は、開口部114に連結されておらず、別部材として構成されている。カバー蓋部115の上端縁には、取手部115aが設けられている。カバー端部11は、
図19に示すように、カバー蓋部115を開口部114に嵌め込むことで、該開口部114を塞ぐことができる。カバー端部11は、
図20に示すように、カバー蓋部115を上方へスライドさせることで、カバー蓋部115をカバー枠部110から取り外すことができ、カバー端部11の開口部114を開放させることができる。
【0130】
カバー蓋部115は、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、忌避部材36を設置するための忌避剤収容部113が設けられている。忌避剤収容部113は、カバー蓋部115と一体的に設けてもよいし、カバー蓋部115とは別部材として設けてもよい。忌避剤収容部113には、ビーズ状の忌避部材36が収容されている。カバー端部11は、取手部115aを持ってカバー蓋部115を上方へスライドさせることで、忌避剤収容部113を露出させることができ、忌避部材36を充填させることができる。
【0131】
なお、変形例として説明したカバー端部11は、忌避剤収容部113を設けることなく、光源部3が収容される内部空間S1に面したカバー蓋部115の内面部に、剥離可能な粘着部材によって忌避部材36を固定する構成でもよい。
【0132】
また、図示することは省略したが、
図19及び
図20に示したカバー端部11の構成は、台座2に適用することもできる。具体的には、台座2の基部20において、光源部3が収容される内部空間S1に連通する開口部が形成され、該開口部がカバー蓋部115に相当する台座蓋部で塞がれた構成である。台座蓋部には、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、忌避部材36を設置するための忌避剤収容部が設けられている。
【0133】
また、図示することは省略したが、
図19及び
図20に示したカバー端部11の構成は、電源ケース50に適用することもできる。具体的には、電源ケース50の内部空間S2に連通する開口部が形成され、該開口部がカバー蓋部115に相当するケース蓋部で塞がれた構成である。ケース蓋部には、電源ケース50の内部空間S2に面した内面部に、忌避部材36を設置するための忌避剤収容部が設けられている。
【0134】
また、変形例として説明したカバー蓋部115は、メンテナンス用の交換部品として取り扱われてもよく、リサイクルも可能である。また、カバー端部11又は台座2の全体の形状が異なる場合であっても、カバー蓋部115を共通化させるために互換性を有した形状にすることができ、汎用性を向上させることができる。
【0135】
以上のように、実施の形態11に係る照明装置100のカバー1は、内部空間S1に通じる開口部114が設けられ、該開口部114を開閉自在に塞ぐカバー蓋部115を有している。カバー蓋部115には、内部空間S1に面した内面部に忌避部材36が設けられている。
【0136】
つまり、実施の形態11に係る照明装置100では、カバー1及び台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入する或いは侵入しようとする虫をカバー蓋部115に設けた忌避部材36で忌避させることができる。よって、照明装置100は、光源部3が設けられた内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に内部空間S1に虫が侵入しても、内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0137】
また、実施の形態11に係る照明装置100では、長期使用によって忌避部材36の効果を発揮できなくなった場合に、カバー蓋部115を開けて、忌避部材36を容易に取り替えることができる。
【0138】
以上、実施の形態に基づいて照明装置を説明したが、照明装置は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した照明装置の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよい。また、照明装置100は、トラフタイプ以外の直付型でもよいし、埋込型でもよい。また、照明装置100は、図示した長尺状のタイプに限定されない。また、カバー1と台座2は、別物部材で構成した例を示したが、例えば、筒状部材として一体的に形成した構成でもよい。要するに、照明装置は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【0139】
また、照明装置100では、実施の形態の構成によって照明装置100に誘引される虫を抑制させることができるので、発光素子31から発する光が白色光(或いは擬似白色光)の場合であっても光の利用効率を低下させてしまうことがなく、照明空間に照射させる光の色度を容易に調整することが可能となる。
【符号の説明】
【0140】
1 カバー、2 台座、3 光源部、4 光源シート部材、5 電源部、5a、5b 電線、6 バネ受具、7 器具本体部、7a 本体部、7b 端板部、7c ノックアウト、7d 灯具装着部、8 端子台、8a 電線、9 取付バネ、10 カバー主部、10a 開口部、11 カバー端部、12 カバー壁面部、13 カバー取付部、13a カバー支持部、13b カバー係止部、13c フック部、20 基部、20a 挿通孔、21 側部、22 接合部材、23 電源支持部、24 電源固定部、25 固定部、26 取付孔、27 固定部、28 取付孔、29 塗膜、30 光源基板、30a 貫通孔、31 発光素子、32 接着部材、33 レジスト、34 はんだ接合部、35 フラックス、36 忌避部材、37 微細樹脂、38 表示印刷部、40 貫通孔、50 電源ケース、51 電源基板、51a 基材、51b フラックス、51c 導電部、51d レジスト、51e はんだ接合部、51f フラックス、52 電源回路、53 電源シート部材、54 電線配置具(電線保護具)、55 電線保持具(電線保護具)、56 塗膜、57 接合部材、70 凹部、71 斜面部、72 天面部、73 側面部、100 照明装置、101 灯具、102 器具、103 被取付部、110 カバー枠部、110a 係合孔、111 カバー蓋部、111a 係合突起、112 ヒンジ部、113 忌避剤収容部、114 開口部、115 カバー蓋部、115a 取手部、116 ヒンジ部、S1、S2 内部空間、S3 侵入空間。