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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036632
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20220301BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220301BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20220301BHJP
   F21W 131/101 20060101ALN20220301BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220301BHJP
【FI】
F21V23/00 160
F21V23/00 170
F21S2/00 630
H05K7/00 F
H05K7/00 N
F21W131:101
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140939
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤江 正明
【テーマコード(参考)】
3K014
4E352
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA00
3K014BA03
4E352AA02
4E352AA18
4E352BB02
4E352CC08
4E352DR05
4E352DR37
4E352GG17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外部から筐体の内部に引き込まれるケーブルの固定作業を容易にした照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具100は、筐体と、筐体の内部に配置された電源端子台24と、筐体の外部から内部に引き込まれ電源端子台24に接続されるケーブル10と、筐体のケーブル10が引き込まれる引き込み口12と電源端子台24との間においてケーブル10を筐体の一部であるフレームに固定する複数の突起部50と、を備える。複数の突起部50は、フレームから突出し、電源端子台24に最も近い位置に配置されている2つの第1突起部50aと、第1突起部50aよりも引き込み口12が位置する側に配置されている第2突起部50bと、を含み、2つの第1突起部50aの間隔は、ケーブル10の外径よりも小さく、ケーブル10は、2つの第1突起部50aの間及び第1突起部50aと第2突起部50bとの間を通り配置される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置された電源端子台と、
前記筐体の外部から内部に引き込まれ前記電源端子台に接続されるケーブルと、
前記筐体の前記ケーブルが引き込まれる引き込み口と前記電源端子台との間において前記ケーブルを前記筐体の一部であるフレームに固定する複数の突起部と、を備え、
前記複数の突起部は、
前記フレームから突出し、前記電源端子台に最も近い位置に配置されている2つの第1突起部と、
前記第1突起部よりも前記引き込み口が位置する側に配置されている第2突起部と、を含み、
2つの前記第1突起部の間隔は、
前記ケーブルの外径よりも小さく、
前記ケーブルは、
2つの前記第1突起部の間及び前記第1突起部と前記第2突起部との間を通り配置される、照明器具。
【請求項2】
前記第1突起部と前記第2突起部との間隔は、
前記ケーブルの最小屈曲半径よりも大きい、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記複数の突起部は、
前記第2突起部よりも前記引き込み口が位置する側に配置される2つの第3突起部を含み、
前記ケーブルは、
2つの前記第3突起部の間を通り配置される、請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記複数の突起部の側面は、
前記フレームから前記複数の突起部のそれぞれの先端部に向かって外径が大きくなる方向に傾斜する傾斜面を備え、
前記ケーブルは、
前記傾斜面と前記フレームとの間に挟持される、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記傾斜面は、
ローレット形状が形成されている、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記傾斜面の傾斜角度は、
垂直方向に対し5°以上30°以下に形成されている、請求項4又は請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記ケーブルは、
チューブにより複数の配線を束ねて形成される、請求項1~請求項6の何れか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、特に内部のケーブルの固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネルなどの内部で用いられる照明器具は、外部から筐体の内部にケーブルが引き込まれる。ケーブルは、筐体の内部に設置された電源端子台に接続される。例えばトンネルに新幹線などの車両が通行する際に、走行による振動又は風圧により、ケーブルが揺れる場合がある。ケーブルの揺れは、照明器具内に引き込まれた部分にも伝達する。ケーブルの振動は、電源端子台に伝達し、電源端子台とケーブルとの接続部に張力が掛かる。
【0003】
従来の照明器具として、筐体の内部に配置された装置主要部への電力供給線に、電力供給線の径方向に働く力で電力供給線に圧着される移動規制具が固定されているものが知られている。移動規制具は、筐体に設けられた電力供給線の挿通孔を通過できない寸法となっている。固定手段の損傷等により筐体及び装置主要部が設備取付け対象部から脱落した場合に、筐体が移動規制具に係合する。そして、移動規制具が筐体と係合することにより、電源端子台とケーブルとの接続部には張力が直接かからないように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-127229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の照明器具では、電力供給線であるケーブルを2つの挟持部により挟むことにより移動規制具が固定される。移動規制具は、スリーブに覆われたケーブルの外周を囲うように取り付けられ、ネジを螺合させることによりケーブルに固定される。移動規制具をケーブルに固定する作業は、工事作業者の作業時間を増加させる。また、例えばトンネル内など暗い環境下における移動規制具をケーブルに固定する作業は、取り付ける部品を探したり、移動規制具が確実に固定されているか確認したりする作業が発生し、作業時間が困難であるという課題があった。
【0006】
本開示は、前述のような課題を解決するためになされたもので、外部から筐体の内部に引き込まれるケーブルの固定作業を容易にした照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る照明器具は、筐体と、前記筐体の内部に配置された電源端子台と、前記筐体の外部から内部に引き込まれ前記電源端子台に接続されるケーブルと、前記筐体の前記ケーブルが引き込まれる引き込み口と前記電源端子台との間において前記ケーブルを前記筐体の一部であるフレームに固定する複数の突起部と、を備え、前記複数の突起部は、前記フレームから突出し、前記電源端子台に最も近い位置に配置されている2つの第1突起部と、前記第1突起部よりも前記引き込み口が位置する側に配置されている第2突起部と、を含み、2つの前記第1突起部の間隔は、前記ケーブルの外径よりも小さく、前記ケーブルは、2つの前記第1突起部の間及び前記第1突起部と前記第2突起部との間を通り配置される
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、複数の突起部によりケーブルを固定するため、筐体の外部からケーブルの振動が伝わっても電源端子台とケーブルとの接続部に張力が掛からず、接続部の破損を抑制するとともに、容易にケーブルの固定作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る照明器具100の斜視図である。
図2図1に示す照明器具100の発光部カバー20を取り外した状態の斜視図である。
図3図2の照明器具100から発光部21を取り外した状態の斜視図である。
図4図3の照明器具100の平面図である。
図5図4の固定部11の拡大図である。
図6図5に示されている固定部11の側面図である。
図7図5に示されている固定部11の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、適宜変更することができる。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具100の斜視図である。図2は、図1に示す照明器具100の発光部カバー20を取り外した状態の斜視図である。図3は、図2の照明器具100から発光部21を取り外した状態の斜視図である。照明器具100は、筐体60の内部に設置された発光部21により周囲を照らすものである。図1に示されるように、照明器具100は、一方向に長尺の筐体60を備える。筐体60は、発光部カバー20とフレーム30とを備える。
【0012】
図1及び図2に示されるように、発光部カバー20は、筐体60の内部に設置された発光部21を覆い、発光部21からの光を透過できるように構成されている。また、発光部カバー20は、石などの飛来物から内部の発光部21を保護する。
【0013】
図1図3に示されるように、フレーム30は、発光部カバー20、発光部21及び電源装置22が取り付けられるものである。また、フレーム30は、取付具40に固定されている。取付具40は、例えばトンネル内の壁面、建築物の壁面、及び柱等の構造物に固定され、筐体60を構造物に設置するためのものである。なお、筐体60及び取付具40は、図1図3に示される形態に限定されず、取り付けられる構造物により適宜形状を変更することができる。
【0014】
発光部21は、例えばLEDランプである。発光部21は、フレーム30に固定された電源装置22と接続される。電源装置22は、発光部21に電気を供給する。
【0015】
図4は、図3の照明器具100の平面図である。図4は、照明器具100から発光部カバー20及び発光部21を取り外した状態の平面図である。電源装置22は、ケーブル10により外部電源と接続され、ケーブル10を介して電気が供給される。フレーム30には、筐体60の内部にケーブル10を引き込むための開口である引き込み口12が形成されている。ケーブル10は、引き込み口12から筐体60に挿入され、フレーム30の表面31に沿って、電源装置22まで配線される。引き込み口12は、ケーブル10が通る程度の孔であり、例えばゴムパッキンなどで隙間が埋まるように構成されると良い。
【0016】
図4に示されるように、電源装置22は、照明器具100のフレーム30の長手方向の中央部に設置されている。ケーブル10は、引き込み口12からフレーム30の表面31に沿って配線されている。ケーブル10は、発光部23とフレーム30の表面31の間を通り、固定部11を経て電源装置22の電源端子台24に接続される。固定部11は、電源端子台24と引き込み口12との間においてケーブル10を固定する。ケーブル10は、電源端子台24と引き込み口12との間において固定部11に固定されているため、筐体60の外部からケーブル10の振動が伝わった場合においても、電源端子台24との接続部に直接振動が伝わらないように構成されている。また、筐体60の外部においてケーブル10に荷重が加わった場合においても、荷重を固定部11で受けることができ、電源端子台24とケーブル10との接続部には荷重が直接加わることがない。
【0017】
図5は、図4の固定部11の拡大図である。実施の形態1において、固定部11は、フレーム30の表面31から突出する複数の突起部50により構成されている。複数の突起部50は、最も電源端子台24に近い側に配置されている第1突起部50a、第1突起部50aに対し引き込み口12が位置する側に配置されている第2突起部50b、及び最も引き込み口12が位置する側に近い第3突起部50cの3種類を備える。ただし、複数の突起部50は、さらに多くの突起部50から構成されていても良い。
【0018】
第1突起部50aは、2つあり、電源端子台24から引き込み口12に向かう方向に対し交差する方向に並列している。また、第3突起部50cも2つあり、電源端子台24から引き込み口12に向かう方向に対し交差する方向に並列している。ケーブル10は、電源端子台24から、2つの第1突起部50aの間を通り、第2突起部50bの側面に沿って配線され、さらに2つの第3突起部50cの間を通って配線されている。ケーブル10は、第1突起部50a、第2突起部50b、及び第3突起部50cに抑えられて、フレーム30の表面31に垂直な方向に容易に外れないように構成されている。
【0019】
また、第1突起部50aと第2突起部50bとは、ケーブル10が延びる方向に対し平行に並んでいない。つまり、ケーブル10は、2つの第1突起部50aの間を通った後に曲げられ、第2突起部50bの側面に沿って配線される。第2突起部50bの側面に沿って配線された後、ケーブル10は、2つの第3突起部50cの間を通される。第2突起部50bは、2つの第1突起部50aの間の中央部と2つの第3突起部50cの間の中央部とを結ぶ仮想線上に配置されている。従って、ケーブル10は、固定部11において屈曲して複数の突起部50に抑えられているため、電源端子台24から引き込み口12の方向に引っ張られても、電源端子台24とケーブル10との接続部に直接荷重が掛かるのが抑制される。
【0020】
図6及び図7は、図5に示されている固定部11の側面図である。図6は、ケーブル10が延びる方向に直行する方向から見た図であり、図7は、ケーブル10が延びる方向に見た図である。固定部11は、フレーム30の表面31に垂直な方向から見ると円形だが、側面から見ると表面31から先端部55に向かって外径が広がるような傾斜面51を備える。傾斜面51は、フレーム30の表面31から先端部55に至る高さ方向の途中にある最大外径部56まで形成されている。複数の突起部50の最大外径部56から先端部55に至るまでは、先端部55に向かうに従い外径が狭まる傾斜面57が形成されている。ここで、フレーム30の表面31側にある傾斜面51を第1の傾斜面51、先端部55側にある傾斜面57を第2の傾斜面57、と称する場合がある。また、複数の突起部50は、例えばフレーム30にねじ部53を螺合させて固定されている。
【0021】
図7に示すように、第1の傾斜面51は、フレーム30の表面31に垂直な方向に対し傾斜しているため、ケーブル10を表面31側に抑えることができる。第1の傾斜面51は、具体的には傾斜角度をフレーム30の表面31に垂直方向に対し5°以上30°以下の角度となるように設定すると良い。また、2つの第1突起部50aの最大外径部56の間隔寸法wは、ケーブル10の直径寸法Dよりも小さく形成されている。従って、傾斜面51及び最大外径部56は、ケーブル10を表面31側に抑え込み、表面31から離れないようにしている。また、実施の形態1において、最大外径部56のフレーム30の表面31からの高さ寸法Hは、ケーブル10の直径寸法Dの半分、即ちケーブル10の半径寸法以上になっている。これらの関係は、2つの第3突起部50cも同様に構成されている。
【0022】
また、第2の傾斜面57は、最大外径部56から先端部55に向かって外径が狭まるように形成されている。このように構成されることにより、ケーブル10は、複数の突起部50の間にはめ込み易い。なお、第1突起部50a及び第3突起部50cの先端部55同士の間隔寸法w1は、ケーブル10の直径寸法Dよりも大きいため、ケーブル10を間にはめ込み易い。
【0023】
また、複数の突起部50の傾斜面51の表面にはローレット形状54が形成されている。ローレット形状54は、凹凸により構成される。そのため、その凸部がケーブル10の表面に食い込み、ケーブル10が固定部11から抜けにくくなる。なお、実施の形態1においては、ローレット形状54は、傾斜面51の母線に沿って溝を形成して構成されているが、互いに交差する溝であっても良く、直線状ではなく曲線状であっても良い。
【0024】
なお、ケーブル10は、複数の配線を樹脂等で構成されたチューブにより覆い束ねて形成されている。ケーブル10の仕様により、屈曲できる最小半径が決まるが、固定部11の複数の突起部50の間隔、特に第1突起部50aと第2突起部50bとの間隔は、少なくともケーブル10の最小屈曲半径以上に設定されると良い。第2突起部50bと第3突起部50cとの間隔も同様に設定されると良い。これにより、ケーブル10は、内部の導線が断線することなく、複数の突起部50により確実に固定される。
【0025】
以上のように構成されることにより、実施の形態1に係る照明器具100は、作業者が配線作業をし易い。また、配線作業は、ケーブル10を複数の突起部50の間に押し込むだけで、作業がし易く、ケーブル10のはめ込まれた状態も視認し易いため、確実に作業されたかを確認する作業も容易になり、製品の信頼性も向上する。また、ケーブル10は、複数の突起部50によりケーブル10の延びる方向及びケーブル10がフレーム30の表面31から離れる方向の荷重を受けることができる。そのため、筐体60の外部からケーブル10に荷重が加わっても電源端子台24とケーブル10との接続部に荷重が掛からず、断線などの破損を抑制できる。
【0026】
以上に実施の形態について説明したが、照明器具100の構成は、図面に示された形態のみに限定されず、適宜変更することができる。例えば、照明器具100は、複数の突起部50の数量を適宜変更することができる。要するに、本開示の主旨を逸脱しない範囲で、当業者が成し得る変更をすることが可能である。
【符号の説明】
【0027】
10 ケーブル、11 固定部、12 引き込み口、20 発光部カバー、21 発光部、22 電源装置、23 発光部、24 電源端子台、30 フレーム、31 表面、40 取付具、50 突起部、50a 第1突起部、50b 第2突起部、50c 第3突起部、51 (第1の)傾斜面、53 ねじ部、54 ローレット形状、55 先端部、56 最大外径部、57 (第2の)傾斜面、60 筐体、100 照明器具、D 直径寸法、H 高さ寸法、w 間隔寸法、w1 間隔寸法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7