IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 福島 亜由子の特許一覧

<>
  • 特開-マスク 図1
  • 特開-マスク 図2
  • 特開-マスク 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036734
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
A41D13/11 B
A41D13/11 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141098
(22)【出願日】2020-08-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】520322912
【氏名又は名称】福島 亜由子
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】福島 亜由子
(57)【要約】
【課題】復元性に優れ、ポケットを有しているにもかかわらず良好な肌触りを得ることができるマスクを提供する。
【解決手段】マスク本体10と、マスク本体10の左右両側に設けられた耳掛け部20とを備え、マスク本体10は、通気性を有するシート材11と、シート材11の左右方向幅Wと同一幅で、シート材11の上下方向長さLの半分の長さL/2のメッシュ材12とを備え、メッシュ材12は、シート材11に対し、シート材11の下縁11Dから、シート材11の上下方向長さの半分の長さL/2まで添設され、シート材11は、メッシュ材12の上縁部12Uでメッシュ材12を覆うように折り返され、折り返された部分11Bとメッシュ材12との間に、下方に開口したポケット部13が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体(10)と、このマスク本体(10)の左右両側に設けられた耳掛け部(20)とを備えたマスクであって、
マスク本体(10)は、通気性を有するシート材(11)と、このシート材(11)の左右方向幅(W)と同一幅(W)で、シート材(11)の上下方向長さ(L)の半分の長さ(L/2)のメッシュ材(12)とを備え、
前記メッシュ材(12)は、前記シート材(11)に対し、シート材(11)の下縁(11D)から、シート材(11)の上下方向長さ(L)の半分の長さ(L/2)まで添設され、
前記シート材(11)は、前記メッシュ材(12)の上縁部(12U)でメッシュ材(12)を覆うように折り返され、
この折り返された部分(11B)と前記メッシュ材(12)との間に、下方に開口(13c)したポケット部(13)が形成されることを特徴とするマスク。
【請求項2】
請求項1において、
前記マスク本体(10)は、前記シート材(11)が前記メッシュ材(12)を挟んだ状態で、シート材(11)とメッシュ材(12)とが一緒にプリーツ折りされていることを特徴とするマスク。
【請求項3】
請求項1または2において、
折り返されたシート材(11)の下辺(11U)は、前記シート材(11)の下縁(11D)に達しないことを特徴とするマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、
「製作が容易であって、かつ、型崩れがなく洗濯しての繰り返し使用可能であると共に、装飾性を有し、廃棄に際しては自然に還元される環境に優しいマスクを提供する」ことを課題とし、
「マスク100は、少なくとも、再生可能な植物資源を原料に合成された生分解性繊維100%で構成された表部材10と、再生可能な植物資源を原料に合成された生分解性繊維100%のメッシュ体で構成されている裏部材とを重合し、周縁15を固着した構成」のマスク(同文献要約欄)が知られている。
【0003】
このマスクは、表部材10にメッシュ体が重合されているので、「型崩れがなく洗濯しての繰り返し使用可能である」という効果、すなわち復元性に優れているという効果が得られる。
【0004】
しかし、このマスクは、メッシュ体が直接肌に接するので、必ずしも良好な肌触りが得られないという難点がある。
【0005】
また、例えば特許文献2の0020段落および図3には、
マスクの内側にパック挿入部( 2 )としてポケットを設け、・・・中略・・・マスク本体( 1 ) の外側素材には、不織布を使用し、内側ポケット素材には不織布等メッシュ素材を使用するマスクが記載されている。
【0006】
このマスクは、パック挿入部(2)に香料パック( 5 )を挿入できるという効果効果が得られる。
【0007】
しかし、このマスクも、メッシュ素材が直接肌に接するので、必ずしも良好な肌触りが得られないという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3121691号公報
【特許文献2】実用新案登録第3177385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、復元性に優れ、ポケットを有しているにもかかわらず良好な肌触りを得ることができるマスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明のマスクは、
マスク本体と、このマスク本体の左右両側に設けられた耳掛け部とを備えたマスクであって、
マスク本体は、通気性を有するシート材と、このシート材の左右方向幅と同一幅で、シート材の上下方向長さの半分の長さのメッシュ材とを備え、
前記メッシュ材は、前記シート材に対し、シート材の下縁から、シート材の上下方向長さの半分の長さまで添設され、
前記シート材は、前記メッシュ材の上縁部でメッシュ材を覆うように折り返され、
この折り返された部分と前記メッシュ材との間に、下方に開口したポケット部が形成されることを特徴とする。
【0011】
このマスクは、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
マスク本体が、通気性を有するシート材と、このシート材の左右方向幅と同一幅で、シート材の上下方向長さの半分の長さのメッシュ材とを備え、
メッシュ材が、シート材に対し、シート材の下縁から、シート材の上下方向長さの半分の長さまで添設され、
シート材が、メッシュ材の上縁部でメッシュ材を覆うように折り返され、
この折り返された部分とメッシュ材との間に、下方に開口したポケット部が形成されるので、
例えば、この折り返された部分を肌に当てるようにして装着することでマスクとして使用することができる。
折り返された部分は、シート材であるから、シート材を、肌触りの良いシート材、例えば、綿、絹等の布で構成することで肌触り良く使用することができる。
マスク本体は、メッシュ材を、折り畳んだシート材で覆った構成となっているから、シート材を、復元性(保形性)に乏しい肌触りの良い素材で構成したとしても、シート材に添設されたメッシュ材の弾性によって、マスク本体全体としての復元性(保形性)が得られる。
また、折り返された部分とメッシュ材との間には、下方に開口したポケット部が形成されるから、このポケットにユーザーが望む介在物(例えば、抗菌フィルター)を入れることができる。
そして、このポケットの開口は、下方に向かって開口しているので、マスクの使用時に外部から目立ちにくくできる。したがって、マスク装着時の外観性を高めることができる。
【0012】
以上のように、この発明のマスクによれば、復元性に優れ、ポケットを有しているにもかかわらず良好な肌触りを得ることができるという効果が得られる。
しかも、ポケットを有しているにもかかわらず外観性も高めることができる。
【0013】
このマスクにおいては、
前記マスク本体は、前記シート材が前記メッシュ材を挟んだ状態で、シート材とメッシュ材とが一緒にプリーツ折りされている構成とすることができる。
このように構成すると、不使用時のコンパクト化を図ることができる。
しかも、シート材がメッシュ材を挟んだ状態で、シート材とメッシュ材とが一緒にプリーツ折りされているので、不使用時のコンパクトな形態が維持されやすい。
【0014】
このマスクにおいては、
折り返されたシート材の下辺は、前記シート材の下縁に達しない構成とすることができる。
このように構成すると、ポケットの開口が外部から一層目立ちにくくなるため、外観性がさらに高まる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るマスクの実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は図(a)における模式的なc-c端面図。
図2】マスク本体の作成説明図で、(a)は背面図、(b)は図(a)の模式的左側面図。
図3】マスク本体の作成説明図(マスク本体のバイアステープ15を除いた展開図)で、(a)は背面図、(b)は図(a)の模式的左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るマスクの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0017】
図1に示すように、この実施の形態のマスク1は、マスク本体10と、このマスク本体10の左右両側に設けられた耳掛け部20とを備えている。
【0018】
図2に示すように、マスク本体10は、通気性を有するシート材11と、このシート材11の左右方向幅Wと同一幅Wで、シート材11の上下方向長さLの半分の長さL/2のメッシュ材(ネット材)12とを備えている。
【0019】
メッシュ材12は、シート材11に対し、シート材11の下縁11Dから、シート材11の上下方向長さの半分の長さL/2まで添設されている。
【0020】
図2に示す状態から図3に示すように、シート材11は、メッシュ材12の上縁部12Uでメッシュ材12を覆うように折り返され、この折り返された部分11Bとメッシュ材12との間に、下方に開口(開口部を13cで示す)したポケット部13が形成される。
【0021】
このマスク1は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得ることができる。
【0022】
マスク本体10が、通気性を有するシート材11と、このシート材11の左右方向幅Wと同一幅Wで、シート材11の上下方向長さLの半分の長さL/2のメッシュ材12とを備え、
メッシュ材12が、シート材11に対し、シート材11の下縁11Dから、シート材11の上下方向長さの半分の長さL/2まで添設され、
シート材11が、メッシュ材12の上縁部12Uでメッシュ材12を覆うように折り返され、この折り返された部分11Bとメッシュ材12との間に、下方に開口(13c)したポケット部13が形成されるので、
例えば、この折り返された部分11Bを肌に当てるようにして装着することでマスクとして使用することができる。
【0023】
折り返された部分11Bは、シート材11であるから、シート材11を、肌触りの良いシート材、例えば、綿、絹等の布で構成することで肌触り良く使用することができる。
【0024】
マスク本体10は、メッシュ材12を、折り畳んだシート材11で覆った構成となっているから、シート材11を、復元性(保形性)に乏しい肌触りの良い素材で構成したとしても、シート材11に添設されたメッシュ材12の弾性(復元性)によって、マスク本体10全体としての復元性(保形性)が得られる。
【0025】
また、折り返された部分11Bとメッシュ材12との間には、下方に開口(13c)したポケット部13が形成されるから、このポケット部13にユーザーが望む介在物(例えば、抗菌フィルター14(図3参照))を入れることができる。
【0026】
そして、このポケット13の開口13cは、下方に向かって開口しているので、マスクの使用時に外部から目立ちにくくできる。したがって、マスク装着時の外観性を高めることができる。
【0027】
以上のように、この実施の形態のマスク1によれば、復元性に優れ、ポケットを有しているにもかかわらず良好な肌触りを得ることができるという効果が得られる。
しかも、ポケット(13)を有しているにもかかわらず外観性も高めることができる。
【0028】
図1に示すように、この実施の形態のマスク本体10は、シート材11がメッシュ材12を挟んだ状態で、シート材11とメッシュ材12とが一緒にプリーツ折り(蛇腹折り)されている。
【0029】
このように構成すると、図1に示すように、不使用時のコンパクト化を図ることができる。
しかも、シート材11がメッシュ材12を挟んだ状態で、シート材11とメッシュ材12とが一緒にプリーツ折りされているので、メッシュ材12の弾性(復元性)によって不使用時のコンパクトな形態が維持されやすい。
【0030】
図1図2に示すように、折り返されたシート材11の下辺11B1は、シート材11の下縁11Dに達しない構成とする。すなわち、折り返されたシート材11の下辺11B1が、マスク本体10の下縁でもあるシート材11の下縁11Dよりも上方に位置する構成とする。
【0031】
このように構成すると、ポケット13の開口13cが外部から一層目立ちにくくなるため、外観性がさらに高まる。
【0032】
シート材11は、通気性を有する公知のシート材で構成できる。望ましくは肌触りの良い材料で構成する。例えば、綿、絹等の布やガーゼで構成する。
【0033】
メッシュ材12は、公知の適宜のメッシュ材(ネット材)で構成することができる。例えば、ポリエステル、ナイロン等の合成樹脂製のメッシュ材で構成できる。具体的には、例えばチュールで構成する。
【0034】
メッシュ材12は、シート材11の左右方向幅Wと同一幅Wで、シート材11の上下方向長さLの半分の長さL/2のメッシュ材12とを備え、シート材11の下縁11Dから、シート材11の上下方向長さの半分の長さL/2まで添設されるが、幅W,長さL/2は、いずれも厳密なものでなくて良く、この発明による効果が得られる範囲内で多少の寸法差は許される。例えば、幅W,長さL/2とも数ミリ以内程度の寸法差は許される。
【0035】
シート材11の下縁11Dと、メッシュ材12の下縁12Dは、メッシュ材12の下縁12Dを覆うようにシート材11の下縁11Dを折り返して縫着することが望ましい。縫着した糸を符号14で示す。
【0036】
図1に示すように、マスク本体10の左右両辺、すなわち、シート材11およびメッシュ材12の左右両辺は、例えばバイアステープ15で覆い、縫着する。なお、この際一緒に、耳掛け部20も縫着する。耳掛け部20は公知の適宜の材料、例えばゴム紐等で構成できる。
なお、シート材11の上縁11U(折り返されたシート材11の下辺11B1)についても縁折りして縫製する。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0038】
1: マスク
10: マスク本体
11: シート材
12: メッシュ材
13: ポケット部
13c: 開口
20: 耳掛け部
図1
図2
図3