(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036739
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】頭髪押さえ具
(51)【国際特許分類】
A45D 8/00 20060101AFI20220301BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20220301BHJP
A45D 8/36 20060101ALI20220301BHJP
A45D 8/40 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
A45D8/00 501B
A41D13/11 H
A45D8/36 A
A45D8/40 504Z
A45D8/36 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141106
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】320006287
【氏名又は名称】高橋 悦子
(74)【代理人】
【識別番号】100209668
【弁理士】
【氏名又は名称】樋田 成人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 悦子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佳
(72)【発明者】
【氏名】高橋 咲季
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マスクを装着する際、マスクのひもを掛り止めするためのマスク用保持具であって、マスクゴムひもを掛ける耳の痛みやマスク掛り止めの強度を調節する機構の発明であるが、掛け外しの容易さやマスクズレの軽減を重視し、加えて、ファッション性を重要視する者等が利用しやすく、且つ特に他部材等を使用するような無駄なコストを押さえ、従来から多用されているヘアバンド、カチューシャ、ターバン、ヘアカバー等の頭髪押さえ具を改良するマスク用保持具の提供。
【解決手段】マスク12の耳掛け部を掛かり止めすることができる複数の突起状掛かり具を具備することに特徴を有する頭髪押さえ具10。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクの耳掛け部を掛かり止めすることができる複数の突起状掛かり具を具備することに特徴を有する頭髪押さえ具。
【請求項2】
前記突起状掛かり具は、前記頭髪押さえ具の人の装着時に左右の耳裏部の近傍に各2ずつ位置する
ことに特徴を有する請求項1に記載の頭髪押さえ具。
【請求項3】
前記突起状掛かり具は、ボタン及び/若しくは飾りボタン及び/若しくはコンチョ及び/若しくはカシメ及び/若しくはワッシャ及び/若しくは止め金及び/若しくはホックである
ことに特徴を有する請求項1乃至2の何れか1項に記載の頭髪押さえ具。
【請求項4】
前記頭髪押さえ具は、ヘアバンド若しくはカチューシャ若しくはターバン若しくはシニヨンカバー、バレッタを含むヘアカバー若しくはバンダナ若しくは三角巾若しくはフードキャップである
ことに特徴を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の頭髪押さえ具。
【請求項5】
前記頭髪押さえ具が、可撓性を有する機材から成るヘアバンド若しくはカチューシャであって、
前記ヘアバンド若しくは前記カチューシャの装着時に左右の耳裏部の近傍となる部分には前記突起状掛かり具を接合するための複数の貫通穴を一定間隔ごとに具備し、前記突起状掛かり具の接合位置を任意に設定することができる
ことに特徴を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の頭髪押さえ具。
【請求項6】
前記頭髪押さえ具が、可撓性を有する機材から成るカタカナのエの字状の構造を有するヘアカバーであって、
前記エの字状構造の上下左右4箇所の先端部に前記突起状掛かり具を具備する
ことに特徴を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の頭髪押さえ具。
【請求項7】
前記頭髪押さえ具が、可撓性を有する機材から成るカタカナのロの字状の構造を有するヘアカバーであって、
前記ロの字状構造の上下左右4箇所の先端角部に前記突起状掛かり具を具備する
ことに特徴を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の頭髪押さえ具。
【請求項8】
前記頭髪押さえ具が、可撓性を有する機材から成るローマ字のIの字状の構造を有するヘアカバーであって、
前記Iの字状構造の上下2箇所の先端部に前記突起状掛かり具を具備する
ことに特徴を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の頭髪押さえ具。
【請求項9】
前記頭髪押さえ具及び前記突起状掛かり具が、各々任意のデザインを有しファッション性を有する
ことに特徴を有する請求項1乃至8の何れか1項に記載の頭髪押さえ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクを装着する際、マスクの紐を掛り止めするための頭髪押さえ具に関するものである。特にヘアバンド、カチューシャ、ターバン、ヘアカバー等に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
一般的に、衛生マスク、いわゆるマスクは、空気を濾過して塵埃や花粉を除去するため、あるいは細菌・ウイルスの飛散を防止するために、装着者の鼻や口を覆うように装着される。
【0003】
しかし、頻繁にマスクを利用する医療従事者や花粉症患者、防塵を必要とする職種等においては、長時間継続してマスクのゴム紐を両耳にかけている事で、痛みや不快を感じるという問題がある。例えば、マスクひも(紐)の耳に接触する部分に緩衝材を用い、接触による痛みを緩和するように考案されたものもあるが、耳にマスク紐をかけているかぎり、耳とマスク紐の接触が継続される為、接触している箇所の痛みや不快感を取り除く点で十分とは言えない。
【0004】
また一般的に、頭髪押さえ具には、ヘアバンド、カチューシャ、ターバン、ヘアカバー等があり、これらは主に頭髪をきれいに束ね、又は美しくまとめ、しかも飾りなどを伴った方法でファッション性をかもし出し、おしゃれの一環として広く利用されている。特に、ヘアカバーの中には、シニヨンカバーやバレッタと言われるような特殊なファッションをかもし出すものもある。本発明においては、これらヘアバンド、カチューシャ、ターバン、ヘアカバー等を総称して「頭髪押さえ具」と称する。
【0005】
上記のように、衛生マスクを長時間着用する場合は、耳掛けヒモ又は耳掛けゴムの強度によっては耳に不快な痛みを伴うことも多く、そのような対策として、下記に挙げるような先行文献によって各種提案がなされてきた。
【0006】
たとえば、特許文献1では、通気性を有する素材で形成され、装着者の口及び鼻を覆うマスク部と、装着者に装着される装着部とを備えるマスクであって、前記装着部は、前記マスクに取付けられ、耳に掛けられる左右一対の耳掛け部と、頭部に掛けられる頭掛け部とを有することを特徴とするマスクの技術思想が開示されている。
【0007】
しかし、この例では、頭部に掛けられる頭かけ部の補強により、耳部に掛けられるヒモ又はゴムの負担を軽減することはできるが、やはり、長時間装着による耳部の痛みなどを根本的に解消する方法には至っていない。しかも、耳掛けと頭部掛けの両方を併用しなければならないデメリットがあり、コスト的にも有利とは言い難い。特に、ファッション性にこだわれば単純構造の頭かけ部の使用などは論外である。
【0008】
また特許文献2では、マスク本体に付設された一対のマスク紐を係止して、マスクの紐が耳にかからないようにすることでマスク装着時の痛みや違和感を緩和するマスク用係止具であって、細長い板状、紐状又は棒状の係止具基体に、前記一対のマスク紐を各々係止するための第1係止部と第2係止部とを有し、一方端である前記第1係止部の先端に、第1係合部分と、前記第1係止部の先端から他端へ向う側の離れた位置に第2係合部分を備え、前記第1係合部分と前記第2係合部分との間の位置において、前記一対のマスク紐のうちいずれか一方を、前記係止具基体の短手方向に並行な線を軸にして折りたたみながら取り囲んで第1係合部分と第2係合部分を結合してマスク紐を連結し、前記第2係止部には、前記一対のマスク紐のもう一方を引っ掛けて係止する係止手段を有することを特徴とするマスク用係止具についての技術思想が開示されている。
【0009】
しかし、この例では、マスク用係止具基体という本来の衛生マスクとは別の部材を必要とするものであり、使用方法や操作においても取り扱いにくい欠点がある。何よりも、この例ではマスク用係止具基体を購入しなければならないコストデメリットが大きい。そして特に使用する者にとってはファッション性がなく、魅力がない。
【0010】
たとえば、特許文献3では、マスクの耳かけ紐がかけられるジグザグ形状部があることを特徴とした針金で出来た線状の輪状物であることを特徴としたマスク装着補助器に関する技術思想が開示されている。
【0011】
しかし、この例も、ジグザグ形状部があることを特徴とした針金で出来た線状の輪状物を頭部に掛ける必要があり、前記文献と同様に使用において煩わしく、且つコスト的にも輪状物という別部材を必要としデメリットが大きい。特に、ファッション性を重視する者にとっては、ジグザグ形状部があることを特徴とした針金で出来た線状の輪状物などを使用して、マスクひも(紐)の耳の痛みを避けようとする人はおよそ皆無であり、実用的であるとは考え難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実用新案登録第3204650号公報
【特許文献2】特開2016-83250号公報
【特許文献3】実用新案登録第3192637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこうした従来技術上の問題点を解決することを企図したものであり、マスク(衛生マスク等)を装着する際、マスクの紐を掛り止めするためのマスク用保持具であって、マスクゴムひも(紐)を掛ける耳の痛みやマスク掛り止めの強度を調節する機構に関するものの発明であるが、それのみではなく、掛け外しの容易さやマスクズレの軽減を重視し、加えて、ファッション性の観点からも利用しやすく、且つ特に他部材等を使用するような無駄なコストを押さえ、従来から多用されているヘアバンド、カチューシャ、ターバン、ヘアカバー等の頭髪押さえ具を改良することにおいて、上記目的を達成することができる技術思想を提示することを課題及び主目的とする。
【0014】
また、本発明は、マスク着用の際の更なる安全性向上と、着用中のストレスや煩わしさを軽減し、作業性を格段に向上させ、経済効果も併せて向上させ得るような、ファッション性を伴う頭髪押さえ具を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
かかる課題を解決するため、本発明に係る頭髪押さえ具は、マスクの耳掛け部を掛かり止めすることができる複数の突起状掛かり具を具備することに特徴を有する。
【0016】
マスク(衛生マスク等)は、ゴムひもや繊維ひもなど両耳に掛かり止めするための耳掛け部を有しているものが多い。本発明に係る頭髪押さえ具は、これらのマスクの耳掛け部を両耳ではなく掛かり止めするための複数の突起状掛かり具を具備している。
【0017】
また本発明に係る頭髪押さえ具の前記突起状掛かり具は、前記頭髪押さえ具の人の装着時に左右の耳裏部の近傍に各2ずつ位置することに特徴を有する形態をとることもできる。
【0018】
そして、本発明に係る頭髪押さえ具の前記突起状掛かり具は、ボタン及び若しくは飾りボタン及び若しくはコンチョ及び若しくはカシメ及び若しくはワッシャ及び若しくは止め金及び若しくはホックである形態をとることもできる。
【0019】
加えて、本発明に係る頭髪押さえ具は、ヘアバンド若しくはカチューシャ若しくはターバン若しくはシニヨンカバー、バレッタを含むヘアカバー若しくはバンダナ若しくは三角巾若しくはフードキャップである形態をとることもできる。
【0020】
既に記載したように、本発明に係る頭髪押さえ具は、本体がヘアバンド、カチューシャ、ターバン、そしてシニヨンカバー、バレッタを含むヘアカバーや、バンダナ若しくは三角巾若しくはフードキャップ等の具体的商品事例があるが、これらの頭髪押さえ具にマスクの耳掛け部を掛かり止めすることができる複数のボタン及び若しくは飾りボタン及び若しくはコンチョ及び若しくはカシメ及び若しくはワッシャ及び若しくは止め金及び若しくはホック等の突起状掛かり具を有することに特徴がある。
【0021】
また、上記のボタン及び若しくは飾りボタン及び若しくはコンチョ及び若しくはカシメ及び若しくはワッシャ及び若しくは止め金及び若しくはホック等の突起状掛かり具は、ファッション飾りボタンのようにファッション性を有するデザイン化された形態であってよい。
【0022】
例えば、本発明に係る頭髪押さえ具のファッション飾りボタンは、頭髪押さえ具の人の装着時に左右の耳裏部の近傍に各2ずつ位置する態様であれば、両耳部を避けてマスク耳掛けひもが両耳部の上下を通り両耳裏部に設置された各2コずつの飾りボタンに掛かり止めされる。
【0023】
本発明に係る頭髪押さえ具のファッション飾りボタンが、頭髪押さえ具の人の装着時に、左右の耳裏部の近傍に各2ずつ位置することによって、マスクひも等を安定して掛かり止めすることができ、また左右の耳部からマスクひもやマスクゴムひもを離すことも可能になる。マスクを安定して保持することができることによって装着者のストレスを回避することができる。またファッションの観点からも大きなメリットを生む。
【0024】
また、本発明に係る頭髪押さえ具を利用してマスクひもを掛かり止めすることによって、例えば難聴者が耳掛け型補聴器を利用する際、マスクひもなどと機器が競合して使用し難くなるような煩わしさを解消することが出来る。更には、耳掛け型トランシーバー・インカムなどの機器類を使用する産業や、そういった機器類を利用する場合、またメガネなどを利用する場合においても、マスクゴムなどと競合する煩わしさを解消し、マスクなどとの併用が容易となり、利便性を大きく向上させると考えられる。
【0025】
本発明に係る頭髪押さえ具は、ファッション性を有するヘアバンド若しくはカチューシャ若しくはターバン若しくはシニヨンカバー、バレッタを含むヘアカバー若しくはバンダナ若しくは三角巾若しくはフードキャップである形態をとることによって、頭髪押さえ具の発明であることを主張する。
【0026】
これらの頭髪押さえ具は、従来からファッション性を重要視する人々がおしゃれの一環として用いられてきたものであり、本発明に係る頭髪押さえ具は、そのファッション性を損なうことがないよう突起状掛かり具であるファッション飾りボタン等を自由任意に例えば耳裏近傍部に取付け、マスクの耳掛けひも又は耳掛けゴムを耳の代わりにそのボタン等の突起状掛かり具に掛かり止めさせることによって機能を果たし、且つファッション性を犠牲にしないものである。
【0027】
本発明に係る頭髪押さえ具は、前記頭髪押さえ具が可撓性を有する機材から成るヘアバンド若しくはカチューシャであって、前記ヘアバンド若しくは前記カチューシャの装着時に左右の耳裏部の近傍となる部分には前記突起状掛かり具を接合するための複数の貫通穴を一定間隔ごとに具備し、前記突起状掛かり具の接合位置を任意に設定することができる態様をとることができる。
【0028】
突起状掛かり具を接合するための複数の貫通穴が一定間隔ごとに設定されていることにより、ボタン及び若しくは飾りボタン及び若しくはコンチョ及び若しくはカシメ及び若しくはワッシャ及び若しくは止め金及び若しくはホック等を、任意の位置に任意の数だけ接合させることができる。つまり頭の大きさや耳の位置、マスクひもの長さ等に影響されずに本発明に係る頭髪押さえ具を利用することができる。複数の貫通穴の形状や大きさ及び間隔を限定するものではない。
【0029】
また本発明に係る頭髪押さえ具は、可撓性を有する機材から成るカタカナのエの字状の構造を有するヘアカバーであって、前記エの字状構造の上下左右4箇所の先端部に前記突起状掛かり具を具備する態様をとることもできる(
図3参照)。
【0030】
また、本発明に係る頭髪押さえ具は、可撓性を有する機材から成るカタカナのロの字状の構造を有するヘアカバーであって、前記ロの字状構造の上下左右4箇所の先端角部に前記突起状掛かり具を具備する態様をとることもできる(
図4参照)。
【0031】
また本発明に係る頭髪押さえ具は、可撓性を有する機材から成るローマ字のIの字状の構造を有するヘアカバーであって、前記Iの字状構造の上下2箇所の先端部に前記突起状掛かり具を具備する態様をとることもできる。
【0032】
本発明に係る頭髪押さえ具の上記のカタカナのエの字状構造又はカタカナのロの字状構造又はローマ字のIの字状の構造は、例えば、ファッション性を有するヘアカバーであり、例えばシニヨンカバー、バレッタ等と称するものであってもよい。
【0033】
本発明に係る頭髪押さえ具は、その材質、大きさ、厚さを限定するものではないが、ヘアバンド若しくはカチューシャ若しくはターバン若しくはヘアカバー、シニヨンカバー、バレッタ等として用いられる柔らかで且つ適度な強度を有する同様機材から構成されていればよい。例えば布繊維材質であってもよい。但し、カタカナのエの字状構造又はカタカナのロの字状構造又はローマ字のIの字状の構造の縦棒部分(縦辺部分)はマスク紐などが耳に当たらないように左右耳上側に掛かり止めする位置を確保するためにも安易に折れ曲がったりしない程度の強度を有することが好ましい。
図1、
図2、
図3、
図4において事例概念図を示すが、大きさ、色、形状、材質を問わない頭髪押さえ具である。
【0034】
そして、本発明に係る頭髪押さえ具及び前記突起状掛かり具は、各々任意のデザインを有しファッション性を有する形態をとることができる。
【0035】
なお、本発明は上述した形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であるが、これらはすべて、本技術思想の一部である。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、マスクを装着する際、マスクのひも(紐)を掛り止めするための頭髪押さえ具であって、マスクゴムひもを掛ける耳の痛みやマスク掛り止めの強度を調節する機構のみではなく、加えて、ファッションの観点からも利用しやすく、且つ特に他部材等を使用するような無駄なコストを押さえ、従来から多用されているヘアバンド、カチューシャ、ターバン、ヘアカバー等と同様の頭髪押さえ具を開発し、提供することができる。
【0037】
本発明によれば、難聴者が耳掛け型補聴器を利用する際、マスクひもなどと機器が競合して使用し難くなるような煩わしさを解消することが出来る。更には、耳掛け型トランシーバー・インカムなどの機器類を使用する産業や、そういった機器類を利用する場合、またメガネなどを利用する場合においても、マスクゴムなどと競合する煩わしさを解消し、マスクなどとの併用が容易となり、利便性を大きく向上させると考えられる。つまり、本発明によれば、マスクのズレなどによる鼻や口の露出も無くなり、何度も手で直す必要がなくなり、それはひいては、介護者などヘルスケア部門、手の離せない研究職、ズレによる不快感を他者に与えかねない人々の物理的煩わしさを廃し、作業性を格段に向上させるだけでなく、心理的ストレスも軽減可能である。現時点での世界的新コロナ蔓延の状況において、そういったストレスからの解放は経済的だけでなく、社会的ストレスからも軽減が可能で、そういった観点からも社会的貢献度は非常に大きいと考えられる。また年々老年期人口の増す現代社会において、介護疲れ他の理由で医療・介護などに携わる者にとっても有意義で貢献度が大きいと考えられる。
【0038】
本発明によれば、頭髪押さえ具及びマスク着用の際の更なる安全性向上と、着用中のストレスや煩わしさを軽減し、作業性を格段に向上させ、経済効果も併せて向上させ得るような、ファッション性を伴う頭髪押さえ具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具の全体イメージを示した斜視概念図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具であるヘアバンドのイメージを示した概念図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具であるヘアカバーのイメージを示した概念図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具であるヘアカバーのイメージを示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具全体イメージを示した概念図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具10は、ヘアバンド、カチューシャ、ターバン、ヘアカバー等のようなファッション性を有する頭髪押さえ具であり、一般的に女性やスポーツ選手などが利用している。但し本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具10は、突起状掛かり具である複数の飾りボタン11を有する。飾りボタン11もファッション性を有するオシャレ感覚の豊かなものであり、使用する個人の好みに合わせて選択できる。
【0042】
本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具は、頭部に掛ける無味乾燥な単なるマスクひも掛かり止め具ではないことを主張する。
【0043】
本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具の飾りボタン11は、衛生マスク12のマスクひも(マスク耳掛け部)13が耳の代わりに掛かり止めされる構造となっている。飾りボタン11は、頭髪押さえ具を装着した際、耳部の後ろ側であって任意の位置に取り付けることができる。例えば、頭髪押さえ具10の任意の位置に飾りボタン11が取り付けやすいように、一定間隔で飾りボタン11の取付け用穴部を有していてもよい。
【0044】
本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具の飾りボタン11は、任意の位置でマスクひもやマスクゴムを安定して保持することができる。よって、マスクのズレによる装着者のストレスを回避し、感染のリスクも軽減し、積極的なおしゃれをかもし出すことができる。
【0045】
また、
図1から明らかなように、本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具の飾りボタン11の位置は、左右の耳部の後ろ側近傍に各々2コずつ取り付けられているのが最も好ましい。但し本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具の飾りボタン11の数は左右の耳部の後ろ側近傍に各々2コずつの計4コ以上の数があってもよい。本発明は、耳に衛生マスクのゴム紐などが強く掛かり止めされて耳の痛みの苦痛を受けることを回避している。本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具の飾りボタン11は、マスクひもやマスクゴムを安定して保持することができる。また、マスクゴムやマスクひもの伸展性を利用することで更なる安定保持が可能となる。
【0046】
本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具は、
図1においてはヘアバンドを事例に描かれているが、カチューシャ、ターバン、ヘアカバー(シニヨンカバー、バレッタを含む)、バンダナ、三角巾若しくはフードキャップであってもよい。飾りボタン11が取り付けられる形態であればよい。ヘアカバーについては
図3、
図4を参照した事例を後述する。
【0047】
図2は、本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具であるヘアバンドのイメージを示した概念図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具であるヘアバンドは、例えば布又は繊維状の糸等から美しく編まれたヘアバンドであってもよい。また
図2に示すように飾り等が施されていてもよいし、色彩が多種多様であってもよい。これはカチューシャ、ターバン、ヘアカバー(シニヨンカバー、バレッタ等を含む。)であっても同様である。マスクひも13が掛かり止めされる飾りボタン11を有する構造をとっている。
【0048】
図3は、本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具であるヘアカバーのイメージを示した概念図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具であるヘアカバー15は、例えばカタカナの「エ」の字構造15であって、その左右上下の先端部に飾りボタン11を有する。左側のマスクひもは左側の2つの飾りボタン11に掛かり止めされ、右側のマスクひもは右側の2つの飾りボタン11に掛かり止めされる形態となる。
【0049】
図3に示すカタカナの「エ」の字構造15の本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具は、可撓性材料である合成樹脂や繊維又は飾り具材から構成されていてもよい。本発明に掛かる頭髪押さえ具は、その材質を限定するものではないが、ファッション性を有するおしゃれな部材であることが要求される。但し、カタカナの「エ」の字構造15の縦棒部分は折れ曲がらない程度の強度を、耳上側で掛かり止めを実現するために保持できていることが好ましい。
【0050】
図4は、本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具であるヘアカバーのイメージを示した概念図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具であるヘアカバーは、例えばカタカナの「ロ」の字構造16であって、その左右上下の先端角部に飾りボタン11を有する。左側のマスクひもは左側の2つの飾りボタン11に掛かり止めされ、右側のマスクひもは右側の2つの飾りボタン11に掛かり止めされる形態となる。
【0051】
図4に示すカタカナの「ロ」の字構造16の本発明の一実施形態に係る頭髪押さえ具は、可撓性材料である合成樹脂や繊維又は飾り具材から構成されていてもよい。本発明に掛かる頭髪押さえ具は、同様にその材質を限定するものではないが、ファッション性を有するおしゃれな部材であることが要求される。但し、カタカナの「ロ」の字構造の左右の縦棒部分は折れ曲がらない程度の強度を、耳上側で掛かり止めを実現するために保持できていることが好ましい。
【0052】
図3及び
図4においては、カタカナの「エ」の字構造15及びカタカナの「ロ」の字構造16を表したが、例えばローマ字の「I」の字構造やカタカナの「ロ」の字構造の内部を埋めた略四角形状等を有する態様のヘアカバーであっても上記と同様に本発明の一つの実施形態として対応できることは言うまでもない。
【0053】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。これらはすべて、本発明の技術思想の一部であることを主張する。
【産業上の利用可能性】
【0054】
上述したように、本願に係る発明によれば、マスクを装着する際、マスクのひもを掛り止めするためのマスク用保持具であって、マスクゴムひもを掛ける耳の痛みやマスク掛り止めの強度を調節する機構を提供しつつ、加えて、ファッションの観点からも利用しやすく、且つ特に他部材等を使用するような無駄なコストを押さえ、従来から多用されているヘアバンド、カチューシャ、ターバン、ヘアカバー等と同様の頭髪押さえ具を開発し、提供することができる。
【0055】
そして、本発明によれば、難聴者が耳掛け型補聴器を利用する際、マスクひもなどと機器が競合して使用し難くなるような煩わしさを解消することが出来る。更には、耳掛け型トランシーバー・インカムなどの機器類を使用する産業や、そういった機器類を利用する場合、またメガネなどを利用する場合においても、マスクゴムなどと競合する煩わしさを解消し、マスクなどとの併用が容易となり、利便性を大きく向上させると考えられる。
【0056】
本発明に係る頭髪押さえ具を利用することによるマスクなどの確実な保持による感染リスクや粉塵からの忌避など安全性や、加えて利用時の作業性などを格段に向上させつつも、経済効果も格段に向上させ得る。利便性・社会的有益性の高さに加えて、皆が利用したくなるようなファッション性を併せ持つ頭髪髪押さえを提供することが可能になる。
【0057】
また本発明によれば、頭髪押さえ具及び衛生マスクの安全性と着脱等の作業性を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることの可能なファッション性豊かな頭髪押さえ具を提供することが可能になる。
【0058】
したがって、本発明は、あらゆる素材や防護マスク用途に対しても、利用・適用可能である。よって、本願は、ヘルスケア・食品部門・研究部門・サービス業他各種産業に対して大きな有益性をもたらすものである。
【符号の説明】
【0059】
10 頭髪押さえ具(ヘアバンド、カチューシャ、ターバン、ヘアカバー等)
11 飾りボタン
12 マスク(衛生マスク)
13 マスクひも(マスク紐、マスクゴムひも、マスク耳掛け部)
14 頭髪
15 ヘアカバー(カタカナの「エ」の字構造)
16 ヘアカバー(カタカナの「ロ」の字構造)