(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036804
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】クリップ式イヤリング
(51)【国際特許分類】
A44C 7/00 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
A44C7/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141185
(22)【出願日】2020-08-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】520278974
【氏名又は名称】河野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】桐原 勉
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114EA04
(57)【要約】
【課題】クリップ式イヤリングを耳に装着した状態としたときに当該クリップ式イヤリングが耳から脱落しにくいものとする。
【解決手段】一部に非連続部100を有してループをなすように形成されているイヤリング本体110と、非連続部100におけるイヤリング本体110の一端部110a及び他端部110bに形成され、耳を挟む挟着部120と、を備えるクリップ式イヤリング1であって、挟着部120は、イヤリング本体110の一端部110aに形成され、イヤリング本体の他端部110b側を向く凹部121aを有する受け部121と、イヤリング本体110の他端部110bに形成され、受け部121に形成されている凹部121aに侵入可能な押さえ部123と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部に非連続部を有してループをなすように形成されているイヤリング本体と、
前記非連続部における前記イヤリング本体の一端部及び他端部に形成され、耳を挟む挟着部と、を備えるクリップ式イヤリングであって、
前記挟着部は、
前記イヤリング本体の前記一端部に形成され、前記イヤリング本体の前記他端部の側を向く凹部を有する受け部と、
前記イヤリング本体の前記他端部に形成され、前記受け部の前記凹部に侵入可能な押さえ部と、
を有することを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項2】
請求項1に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記受け部は、椀形状をなしていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項3】
請求項2に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記受け部における前記凹部の側を当該受け部の前面とし、前記凹部とは反対側を当該受け部の背面としたとき、
前記受け部は、当該受け部の前記前面と前記背面とを貫通する空気抜き用の小孔が形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項4】
請求項1に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記受け部は、前記イヤリング本体の前記一端部から複数方向に湾曲をなすように分岐して形成された複数股アーム形状をなしていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項5】
請求項1~5のいずれかに記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記押さえ部は、第1押さえ部と第2押さえ部とに分岐しており、前記第1押さえ部は前記受け部に向かう方向に突出して形成され、前記第2押さえ部は前記第1押さえ部から離間する方向に折れ曲がって形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記イヤリング本体は、当該イヤリング本体を2分割した第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とを有し、当該第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とは連結部によって連結されており、
前記第1イヤリング本体部材と前記第2イヤリング本体部材とを、前記連結部において所定の回転角度内で相対的に回転させることにより、前記受け部と前記押さえ部との間隔を可変可能とすることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項7】
請求項6に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記連結部は、
前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の一方のイヤリング本体部材に形成されている一対の脚部と、
前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の他方のイヤリング本体部材に形成され、前記一対の脚部にワッシャーを介して挟持される基部と、
前記一対の脚部と前記基部と前記ワッシャーとを軸支するピンと、
を有することを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項8】
請求項6に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記連結部は、
前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の一方のイヤリング本体部材に形成されている一対の脚部と、
前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の他方のイヤリング本体部材に形成され、前記一対の脚部に挟持される基部と、
前記一対の脚部と前記基部とを軸支するピンと、
を備え、
前記一対の脚部は、所定間隔を有して対面する「一対の脚部の第1側壁面」と「一対の脚部の第2側壁面」とを有し、
前記基部は、前記「一対の脚部の第1側壁面」に対面接触する「基部の第1側壁面」と前記「一対の脚部の第2側壁面」に対面接触する「基部の第2側壁面」とを有し、
前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの一方には、前記ピンを貫通させるためのピン貫通孔を中心とした円を描くように第1凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの他方には、前記第1凹溝に篏合する第1凸状体が、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項9】
請求項8に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記第1凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、
前記第1凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの一方には、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように第2凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの他方には、前記第2凹溝に篏合する第2凸状体が前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項11】
請求項10に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記第2凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、
前記第2凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項12】
請求項1~5のいずれかに記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記イヤリング本体は、一本の連続したイヤリング本体部材でなり、当該イヤリング本体部材は弾性を有していることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項13】
一部に非連続部を有してループをなすように形成されているイヤリング本体と、前記非連続部における前記イヤリング本体の一端部及び他端部に形成され、耳を挟む挟着部と、を備え、前記イヤリング本体は、当該イヤリング本体を2分割した第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とを有し、当該第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とは連結部によって連結されており、前記第1イヤリング本体部材と前記第2イヤリング本体部材とを、前記連結部において所定の回転角度内で相対的に回転させることにより、前記挟着部の間隔を可変可能とするクリップ式イヤリングであって、
前記連結部は、
前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の一方のイヤリング本体部材に形成されている一対の脚部と、
前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の他方のイヤリング本体部材に形成され、前記一対の脚部に挟持される基部と、
前記一対の脚部と前記基部とを軸支するピンと、
を備え、
前記一対の脚部は、所定間隔を有して対面する「一対の脚部の第1側壁面」と「一対の脚部の第2側壁面」とを有し、
前記基部は、前記「一対の脚部の第1側壁面」に対面接触する「基部の第1側壁面」と前記「一対の脚部の第2側壁面」に対面接触する「基部の第2側壁面」とを有し、
前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの一方には、前記ピンを貫通させるためのピン貫通孔を中心とした円を描くように第1凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの他方には、前記第1凹溝に篏合する第1凸状体が、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項14】
請求項13に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記第1凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、
前記第1凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの一方には、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように第2凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの他方には、前記第2凹溝に篏合する第2凸状体が前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項16】
請求項15に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記第2凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、
前記第2凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリップ式イヤリングに関する。
【背景技術】
【0002】
耳を挟むための挟着部を有するイヤイングには、ねじ止め式のものとクリップ式のものとがある。ねじ止め式のイヤリングは、耳に装着した状態において外れにくいといった利点がある反面、製造する際の工数が多くまた加工が複雑である課題がある。また、着脱が面倒であり、また、耳に装着した際にはネジの存在が美観を損なうといった課題もある。
【0003】
これに対して、クリップ式イヤリングは、挟着部にネジなどの部品が不要となるため挟着部の構造を単純にすることができるといった利点がある。また、クリップ式イヤリングは着脱が容易であり、しかも、ネジなどが存在しないことから外観がすっきりしたものとなり、美観上において優れるといった利点もある。その一方で、クリップ式イヤリングは、耳から外れやすいといった課題があることから、クリップ式イヤリングを耳に装着した際に、装着状態を安定的に保持できるようにするための工夫が必要となる。
【0004】
クリップ式イヤリングを耳に装着した際に、装着状態を安定的に保持できるようにするための工夫がなされたクリップ式イヤリングは種々知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図14は、特許文献1に記載されているクリップ式イヤリング900を説明するめに示す図である。なお、
図14(a)は特許文献1に記載されているクリップ式イヤリング900の構成を示す図であり、
図14(b)は特許文献1に記載されているクリップ式イヤリング900を耳に装着した状態を示す図である。
【0005】
特許文献1に記載されているクリップ式イヤリング900(以下、クリップ式イヤリング900と略記する場合もある。)は、
図14に示すように、イヤリング本体としての主装飾体910及び副装飾体920で構成され、主装飾体910及び副装飾体920のそれぞれの端部には、一対の脚部930,940と、その間に挟み込まれる基部950とが形成されている。そして、一対の脚部930,940と基部950との間に1枚又は2枚以上の弾性を有する金属板材960を介在させて、これらをピン970によって軸支し、ピン970の部分が加締められたものとなっている。
【0006】
また、基部950には、その外周に凹溝ないし切欠き950aが形成されている。そして、一対の脚部930,940と基部950とがピン970を回転軸として、所定の回転角度内で相対的に回転する際には、金属板材960は基部950の凹溝ないし切欠き950a内に向かって撓み、撓んだ部分が基部950の凹溝ないし切欠き950aの端縁に係合するようになっている。
【0007】
このように構成されているクリップ式イヤリング900によれば、金属板材960は基部950の凹溝ないし切欠き950a内に向かって撓み、撓んだ部分が基部950の凹溝ないし切欠き950aの端縁に係合することから、当該イヤリング900を耳に装着した状態(
図14(b)参照。)、すなわち、主装飾体910の端面(耳当て部911)と副装飾体920の端面(耳当て部921)とで耳たぶ980を挟着した状態としたときに、耳当て部911と耳当て部921とによる挟着力を向上させることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のクリップ式イヤリング900は、
図14(a)に示すように、主装飾体910の耳当て部911及び副装飾体920の耳当て部921はそれぞれ平坦面であり、平坦面の耳当て部911,921で耳たぶ980を挟む構造である。このため、イヤリング900を耳に装着した状態(
図14(b)参照。)としたときに、イヤリング900が耳から脱落しやすいことは否めない。従って、主装飾体910と副装飾体920とで形成されるイヤリング本体部に比較的小さな引っ張り力が加わった場合でも、イヤリング900が耳から脱落してしまう場合がある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、耳に装着した状態としたときに耳から脱落しにくいクリップ式イヤリングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]本発明のクリップ式イヤリングは、一部に非連続部を有してループをなすように形成されているイヤリング本体と、前記非連続部における前記イヤリング本体の一端部及び他端部に形成され、耳を挟む挟着部と、を備えるクリップ式イヤリングであって、前記挟着部は、前記イヤリング本体の前記一端部に形成され、前記イヤリング本体の前記他端部の側を向く凹部を有する受け部と、前記イヤリング本体の前記他端部に形成され、前記受け部の前記凹部に侵入可能な押さえ部と、を有することを特徴とする。
【0012】
[2]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記受け部は、椀形状をなしていることが好ましい。
【0013】
[3]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記受け部における前記凹部の側を当該受け部の前面とし、前記凹部とは反対側を当該受け部の背面としたとき、前記受け部は、当該受け部の前記前面と前記背面とを貫通する空気抜き用の小孔が形成されていることが好ましい。
【0014】
[4]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記受け部は、前記イヤリング本体の前記一端部から複数方向に湾曲をなすように分岐して形成された複数股アーム形状をなしていることもまた好ましい。
【0015】
[5]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記押さえ部は、第1押さえ部と第2押さえ部とに分岐しており、前記第1押さえ部は前記受け部に向かう方向に突出して形成され、前記第2押さえ部は前記第1押さえ部から離間する方向に折れ曲がって形成されていることが好ましい。
【0016】
[6]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記イヤリング本体は、当該イヤリング本体を2分割した第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とを有し、当該第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とは連結部によって連結されており、 前記第1イヤリング本体部材と前記第2イヤリング本体部材とを、前記連結部において所定の回転角度内で相対的に回転させることにより、前記受け部と前記押さえ部との間隔を可変可能とすることが好ましい。
【0017】
[7]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記連結部は、前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の一方のイヤリング本体部材に形成されている一対の脚部と、前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の他方のイヤリング本体部材に形成され、前記一対の脚部にワッシャーを介して挟持される基部と、前記一対の脚部と前記基部と前記ワッシャーとを軸支するピンと、を有することが好ましい。
【0018】
[8]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記連結部は、前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の一方のイヤリング本体部材に形成されている一対の脚部と、前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の他方のイヤリング本体部材に形成され、前記一対の脚部に挟持される基部と、前記一対の脚部と前記基部とを軸支するピンと、を備え、前記一対の脚部は、所定間隔を有して対面する「一対の脚部の第1側壁面」と「一対の脚部の第2側壁面」とを有し、前記基部は、前記「一対の脚部の第1側壁面」に対面接触する「基部の第1側壁面」と前記「一対の脚部の第2側壁面」に対面接触する「基部の第2側壁面」とを有し、前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの一方には、前記ピンを貫通させるためのピン貫通孔を中心とした円を描くように第1凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの他方には、前記第1凹溝に篏合する第1凸状体が、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることが好ましい。
【0019】
[9]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記第1凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、前記第1凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることもまた好ましい。
【0020】
[10]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの一方には、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように第2凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの他方には、前記第2凹溝に篏合する第2凸状体が前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることが好ましい。
【0021】
[11]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記第2凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、前記第2凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることもまた好ましい。
【0022】
[12]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記イヤリング本体は、一本の連続したイヤリング本体部材でなり、当該イヤリング本体部材は弾性を有しているものであってもよい。
【0023】
[13]本発明のクリップ式イヤリングは、一部に非連続部を有してループをなすように形成されているイヤリング本体と、前記非連続部における前記イヤリング本体の一端部及び他端部に形成され、耳を挟む挟着部と、を備え、前記イヤリング本体は、当該イヤリング本体を2分割した第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とを有し、当該第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とは連結部によって連結されており、前記第1イヤリング本体部材と前記第2イヤリング本体部材とを、前記連結部において所定の回転角度内で相対的に回転させることにより、前記挟着部の間隔を可変可能とするクリップ式イヤリングであって、前記連結部は、前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の一方のイヤリング本体部材に形成されている一対の脚部と、前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の他方のイヤリング本体部材に形成され、前記一対の脚部に挟持される基部と、前記一対の脚部と前記基部とを軸支するピンと、を備え、前記一対の脚部は、所定間隔を有して対面する「一対の脚部の第1側壁面」と「一対の脚部の第2側壁面」とを有し、前記基部は、前記「一対の脚部の第1側壁面」に対面接触する「基部の第1側壁面」と前記「一対の脚部の第2側壁面」に対面接触する「基部の第2側壁面」とを有し、前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの一方には、前記ピンを貫通させるためのピン貫通孔を中心とした円を描くように第1凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの他方には、前記第1凹溝に篏合する第1凸状体が、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることを特徴とする。
【0024】
[14]本発明のクリップ式イヤリングは、前記第1凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、前記第1凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることもまた好ましい。
【0025】
[15]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの一方には、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように第2凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの他方には、前記第2凹溝に篏合する第2凸状体が前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることが好ましい。
【0026】
[16]本発明のクリップ式イヤリングにおいては、前記第2凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、前記第2凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることもまた好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明のクリップ式イヤリング([1]に記載のクリップ式イヤリング)は、当該クリップ式イヤリングを耳に装着した状態とすると、耳は押さえ部によって押されて、押された部分が受け部の凹部に入り込むため、使用者が意図的に取り外さなければ装着状態が保持され、当該クリップ式イヤリングが耳たぶから簡単に脱落してしまうといったことを未然に防止できる。これにより、本発明のクリップ式イヤリングによれば、耳に装着した状態としたときに耳から脱落しにくいクリップ式イヤリングを提供することができる。
【0028】
また、本発明のクリップ式イヤリング([13]に記載のクリップ式イヤリング)においては、当該クリップ式イヤリングに用いられる連結部を構成する一対の脚部と基部とが広い面積で接触する構成となっている。これにより、一対の脚部と基部との間には、一対の脚部と基部との間にワッシャー介在させたときと遜色のない摩擦力が働く。このため、本発明のクリップ式イヤリング([13]に記載のクリップ式イヤリング)は、挟着部の間隔を所定間隔に設定した際に、設定した間隔を安定的に保持できる。これにより、本発明のクリップ式イヤリング([13]に記載のクリップ式イヤリング)によれば、耳に装着した状態としたときに耳から脱落しにくいクリップ式イヤリングとなる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】実施形態1に係るクリップ式イヤリング1を説明するために示す図である。
【
図2】実施形態1に係るクリップ式イヤリング1の挟着部120(受け部121及び押さえ部123)を拡大して示す図である。
【
図3】実施形態1に係るクリップ式イヤリング1を耳たぶ200に装着した状態の要部を拡大して示す断面図である。
【
図4】実施形態2に係るクリップ式イヤリング2を説明するために示す図である。
【
図5】実施形態2に係るクリップ式イヤリング2を耳たぶ200に装着した状態の要部を拡大して示す断面図である。
【
図6】実施形態3に係るクリップ式イヤリング3を説明するために示す図である。
【
図7】実施形態3に係るクリップ式イヤリング3を耳たぶ200に装着した状態の要部を拡大して示す断面図である。
【
図8】実施形態4に係るクリップ式イヤリング4を説明するために示す図である。
【
図9】実施形態4に係るクリップ式イヤリング4における連結部150を説明するための図である。
【
図10】実施形態4に係るクリップ式イヤリング4における連結部150の変形例を説明するための図である。
【
図11】実施形態5に係るクリップ式イヤリング5を説明するために示す図である。
【
図12】イヤリング本体110が幅広の場合のクリップ式イヤリング6を説明するための図である。
【
図13】実施形態2に係るクリップ式イヤリング2の変形例を説明するために示す図である。
【
図14】特許文献1に記載されているクリップ式イヤリング900を説明するめに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0031】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1を説明するために示す図である。実施形態1に係るクリップ式イヤリング1は、
図1に示すように、一部に非連続部100を有してループをなすように形成されているイヤリング本体110と、非連続部100におけるイヤリング本体110の一端部110a及び他端部110bに形成され、耳を挟む挟着部120と、を備える。
【0032】
なお、ここで、「ループ」というのは円形だけでなく、楕円形、3角形以上の多角形などを含むものとする。実施形態1に係るクリップ式イヤリング1においては、イヤリング本体110は、円形をなすものとして説明する。但し、イヤリング本体110は、非連続部100を有しているため、厳密には円形ではないが、この明細書ではこれを円形として説明する。また、イヤリング本体110の断面形状(周方向に直交する断面形状)は、
図1に示すイヤリング本体110の例では、角形(四角形)とした場合が示されているが、円形、楕円形、3角形以上の多角形など種々の形状とすることができる。
【0033】
このようなクリップ式イヤリング1において、挟着部120は、イヤリング本体110の一端部110aに一体的に形成されている受け部121と、イヤリング本体110の他端部110bに一体的に形成されている押さえ部123とを有している。なお、受け部121及び押さえ部123についての詳細は後述する。
【0034】
また、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1においては、イヤリング本体110は、イヤリング本体110を2分割した第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とを有している。第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とは連結部140によって連結されている。そして、第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とを、連結部140において所定の回転角度内で相対的に回転させることにより、受け部121と押さえ部123との間隔を可変可能としている。なお、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1においては、イヤリング本体110は、円形をなしているため、第1イヤリング本体部材111及び第2イヤリング本体部材112は、それぞれが半円をなしている。
【0035】
なお、「イヤリング本体110を2分割」というのは、イヤリング本体110の周方向長さを2つに分割することを意味している。この場合、イヤリング本体110の周方向長さを2等分して第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とを同じ長さとしてもよいが、必ずしも同じ長さである必要はなく、第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とは多少長さが異なってもよい。
【0036】
ここで、連結部140は、第1イヤリング本体部材111に一体的に形成されている一対の脚部141,142と、第2イヤリング本体部材112に一体的に形成され、ワッシャー143,144を介して一対の脚部141,142に挟持される基部145と、一対の脚部141,142とワッシャー143,144と基部145とを軸支するピン146とを有し、ピン146の部分で加締められたものとなっている。なお、ワッシャー143,144は、スプリングワッシャー、平ワッシャーなど種々のワッシャーを使用することができる。
【0037】
連結部140がこのような構成となっていることにより、一対の脚部141,142と基部145との間には、所定の摩擦力が働く。このため、使用者が第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とを指で摘まんで、当該第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とを開閉させる操作を行う際には、一対の脚部141,142と基部145との間の摩擦力による抵抗感が得られる。ここで、「第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とを開閉させる操作」というのは、第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とを、連結部140において所定の回転角度内で相対的に回転させる操作を意味している。
【0038】
このように、第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とを開閉させる際には、一対の脚部141,142と基部145との間の摩擦力による抵抗感が得られるため、使用者が意図的に第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112を開閉させる操作を行わなければ、挟着部120の間隔、すなわち、受け部121と押さえ部123との間の間隔は変化しにくいものとなる。このため、受け部121と押さえ部123との間の間隔を所定の間隔に設定した場合には、その間隔を安定的に保持できる。なお、ここで示した連結部140の構成は一例であって、連結部140の構成は特に限定されるものではなく、種々の構成を採用できる。
【0039】
なお、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1においては、当該クリップ式イヤリング1を構成する各部材(連結部140を含め各部材)の材料は同一材料を用いることが好ましい。例えば、イヤリング本体110の材料がプラチナであったとすると、クリップ式イヤリング1を構成する各部材をプラチナとすることが好ましい。但し、ワッシャー143,144がスプリングワッシャーなどの場合には、弾性力が要求されるためステンレスなどが好ましい。
【0040】
図2は、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1の挟着部120(受け部121及び押さえ部123)を拡大して示す図である。なお、
図2(a)は受け部121及び押さえ部123を周方向に沿って切断した場合の断面図であり、
図2(b)は押さえ部123の斜視図である。
図2を参照して実施形態1に係るクリップ式イヤリング1の挟着部120(受け部121及び押さえ部123)について詳細に説明する。
【0041】
受け部121は開口が円形をなす椀形状をなしており、イヤリング本体110の他端部110bの側(押さえ部123の側)を向く凹部121aを有している。ここで、凹部121aの表面(耳たぶに接触する側の面)は、研磨などが施されていることによって滑らかな曲面となっている。また、受け部121は、凹部121aの側を当該受け部121の前面とし、凹部121aとは反対側121bを当該受け部121の背面(背面121bとする。)としたとき、当該受け部121の前面と背面121bとを貫通する空気抜き用の小孔121cが形成されている。この小孔121cの機能については後述する。
【0042】
一方、押さえ部123は、受け部121の凹部121aに侵入可能となっている。当該押さえ部123は、研磨などが施されていることによって表面が滑らかな曲面となっている。また、押さえ部123は、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1においては、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、第1押さえ部123aと第2押さえ部123bとに分岐している。
【0043】
具体的には、第1押さえ部123aは受け部121の凹部121aに向かう方向に突出しており、その先端部は滑らかな曲面となっている。一方、第2押さえ部123bは第1押さえ部123aから離間する方向(イヤリング本体110の内側に向かう方向)に湾曲するように折れ曲がった平板形状をなし、その表面は滑らかな曲面となっている。ここで、第2押さえ部123bは湾曲するように折れ曲がった平板形状なしているため、当該第2押さえ部123bは、第1押さえ部123aよりも広い面積で耳たぶに接触することとなる。
【0044】
図3は、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1を耳たぶ200に装着した状態の要部を拡大して示す断面図である。実施形態1に係るクリップ式イヤリング1を耳たぶ200に装着した状態とすると、
図3に示すように、耳たぶ200は押さえ部123に押されて受け部121の凹部121aに入り込む。このとき、耳たぶ200は押さえ部123の2つの押さえ部(第1押さえ部123a及び第2押さえ部123b)で押さえられるため、耳タブ200を確実に押さえることができる。特に、第2押さえ部123bは、湾曲するように折れ曲がった平板形状をなしているため、広い面積で耳たぶ200に接触することとなり、耳タブ200を確実に押さえる役目を果たすこととなる。
【0045】
このようにして、耳たぶ200が押さえ部123に押されて受け部121の凹部121aに入り込んだ状態となると、耳たぶ200と受け部121の凹部121aとの間に溜まっている空気は、小孔121cから受け部121の外部に押し出されることとなる。これにより、耳たぶ200と受け部121の凹部121aの間は真空又は真空に近い状態となり、耳たぶ200と受け部121の凹部121aとの間の密着性を高くすることができ、それによって、挟着状態をより確実なものとすることができる。
【0046】
以上説明したように、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1は、当該クリップ式イヤリング1を耳に装着した状態とすると、耳たぶ200は押さえ部123に押されて椀形状をなす受け部121の凹部121aに入り込むため(
図3参照。)、使用者が意図的に取り外さなければ装着状態が保持され、クリップ式イヤリング1が耳たぶ200から簡単に脱落してしまうといったことを未然に防止できる。
【0047】
また、受け部121には空気抜き用の小孔121cが形成されていることにより、耳たぶ200と受け部121の凹部121aの表面との間は真空又は真空に近い状態となり、耳たぶ200と受け部121の凹部121aの表面との間の密着性を高くすることができ、それによって、挟着状態をより確実なものとすることができる。
【0048】
また、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1は、椀形状をなす受け部121の凹部121aの表面は滑らかな曲面であり、また、押さえ部123表面も滑らかな曲面である。このため、当該クリップ式イヤリング1を耳たぶ200に装着したときに、耳たぶ200に痛みや不快感を与えることがなく、付け心地の良いものとすることができる。また、受け部121は椀形状で、かつ、凹部121aの表面は滑らかな曲面であるため、当該実施形態1に係るクリップ式イヤリング1を耳に装着した状態において、仮に、何らかの予期しない強い引っ張りが加わった場合には、クリップ式イヤリング1は耳たぶ200から外れるため、安全性においても優れたものとなる。
【0049】
また、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1は、当該クリップ式イヤリング1を構成する各部材(連結部を含めた全体)は、同一材料(例えばプラチナなど)を使用することにより、装飾性を損なうことなく、イヤリングとしての価値を高めることができる。
【0050】
[実施形態2]
図4は実施形態2に係るクリップ式イヤリング2を説明するために示す図である。実施形態1に係るクリップ式イヤリング2が実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と異なる点は、挟着部120の受け部121であり、その他の構成は実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と同様であるため、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と同一構成要素には同一符号が付されている。なお、実施形態2に係るクリップ式イヤリング2における挟着部120の受け部を「受け部122」として説明する。なお、
図4において、
図4(a)は実施形態2に係るクリップ式イヤリング2の全体的な斜視図であり、
図4(b)は受け部122の要部を拡大して示す平面図である。
【0051】
実施形態2に係るクリップ式イヤリング2においては、受け部122は、イヤリング本体110の一端部110aから左右方向に湾曲をなすように分岐して形成された二股アーム形状(刺す股形状)をなしている。なお、ここでの「左右方向」というのは、イヤリング本体110を外周に沿ってイヤリング本体110の他端部110b(押さえ部123)側を見たときの左右方向である。
【0052】
このように形成されている受け部122は、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1における受け部121と同様に、受け部122の凹部122aがイヤリング本体110の他端部110b(押さえ部123)の側を向くように形成されており、当該凹部122aの表面(耳たぶに接触する側の面)は、研磨などが施されていることによって滑らかな曲面となっている。
【0053】
図5は、実施形態2に係るクリップ式イヤリング2を耳たぶ200に装着した状態の要部を拡大して示す図である。なお、
図5においては、押さえ部123側のみが断面として示されている。実施形態2に係るクリップ式イヤリング2を耳たぶ200に装着すると、
図5に示すように、耳たぶ200は押さえ部123によって押されて、受け部122の凹部122a(
図4参照。)に入り込む。このとき、耳たぶ200は押さえ部123の2つの押さえ部(第1押さえ部123a及び第2押さえ部123b)で押さえられるため、耳タブ200を確実に押さえることができる。特に、第2押さえ部123bは、湾曲するように折れ曲がった平板形状をなしているため、広い面積で耳たぶ200に接触することとなり、耳タブ200を確実に押さえる役目を果たすこととなる。
【0054】
実施形態2に係るクリップ式イヤリング2においても実施形態1に係るクリップ式イヤリング1とほぼ同様の効果が得られる。すなわち、実施形態2に係るクリップ式イヤリング2を耳たぶ200に装着した状態とすると、クリップ式イヤリング2は、確実に耳たぶ200に装着された状態となり、使用者が意図的に取り外さなければ装着状態が保持され、イヤリングが簡単に脱落してしまうことを未然に防止できる。
【0055】
また、実施形態2に係るクリップ式イヤリング2は、受け部122の凹部122aの表面は滑らかな曲面であり、また、押さえ部123の表面も滑らかな曲面であるため、当該クリップ式イヤリング2を耳に装着したときに、耳に痛みや不快感を与えることがなく、付け心地をよいものとすることができる。また、受け部122は二股アーム形状(刺す股形状)で、かつ、凹部122aは滑らかな曲面であるため、当該実施形態1に係るクリップ式イヤリング1を耳に装着した状態において、仮に、何らかの予期しない強い引っ張りが加わった場合には、クリップ式イヤリング1は耳たぶ200から外れるため、安全性にも優れたものとなる。
【0056】
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係るクリップ式イヤリング3を説明するために示す図である。実施形態3に係るクリップ式イヤリング3が実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と異なる点は挟着部120の押さえ部123であり、その他の構成は実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と同様であるため、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と同一構成要素には同一符号が付されている。なお、実施形態3に係るクリップ式イヤリング3の押さえ部を押さえ部124として説明する。
【0057】
前述した実施形態1に係るクリップ式イヤリング1の押さえ部123は、第1押さえ部123aと第2押さえ部123bとが存在していたが、実施形態3に係るクリップ式イヤリング3の押さえ部124は、
図6に示すように、第2イヤリング本体部材112の端部(イヤリング本体110の他端部110b)がそのまま押さえ部として機能するものとなっている。
【0058】
但し、イヤリング本体110の他端部110bが押さえ部124として機能するため、他端部110bの表面は研磨などが施されていることによって全体が曲面となっている。なお、
図6に示す例では、押さえ部124は、第2イヤリング本体部材111と同じ太さとして描かれているが、第2イヤリング本体部材111と同じ太さであることに限られるものではなく、押さえ部として好ましい太さとすることができる。
【0059】
図7は、実施形態3に係るクリップ式イヤリング3を耳たぶ200に装着した状態の要部を拡大して示す断面図である。実施形態3に係るクリップ式イヤリング3を耳たぶ200に装着した状態とすると、
図7に示すように、耳たぶ200は押さえ部124に押されて受け部121の凹部121aに入り込む。
【0060】
実施形態3に係るクリップ式イヤリング3においても実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と同様、実施形態4に係るクリップ式イヤリング3を耳たぶ200に装着した状態とすると、当該クリップ式イヤリング3は、確実に耳たぶ200に装着された状態となり、意図的に取り外さなければ装着状態が保持され、クリップ式イヤリング3が簡単に脱落してしまうことを未然に防止できる。
【0061】
また、実施形態3に係るクリップ式イヤリング3においては、押さえ部124の形状が単純であるため、当該クリップ式イヤリング4を製造するためのゴム型などを安価なものとすることができる。
【0062】
なお、実施形態3に係るクリップ式イヤリング3においては、当該実施形態3に係るクリップ式イヤリング3における押さえ部124を、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1に適用した場合を例示したが、実施形態2に係る各クリップ式イヤリング2(
図4参照。)にも適用できる。
【0063】
[実施形態4]
図8は、実施形態4に係るクリップ式イヤリング4を説明するために示す図である。実施形態4に係るクリップ式イヤリング4が実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と異なるのは、連結部140の構成である。その他の構成は、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と同様であるため、同一構成要素には同一符号が付されている。実施形態4に係るクリップ式イヤリング4における連結部を「連結部150」として説明する。
【0064】
図9は、実施形態4に係るクリップ式イヤリング4における連結部150を説明するための図である。なお、
図9(a)は
図8のa-a矢視断面を拡大して示す図であり、
図9(b)は
図9(a)に示す連結部150の一対の脚部151,152と基部と153とを切り離して示す図であり、
図9(c)は基部153の側壁面153a,153bのうちの側壁面153aを示す図であり、
図9(d)は一対の脚部151,152の対面する側壁面151a、152aのうちの側壁面151aを示す図である。なお、
図9(b)~
図9(d)においては
図9(a)に示すピン154は図示が省略されている。
【0065】
図9を参照して実施形態4に係るクリップ式イヤリング4における連結部150について説明する。実施形態4に係るクリップ式イヤリング4における連結部150を、単に「連結部150」と略記する場合もある。
【0066】
連結部150は、一対の脚部151,152と、当該一対の脚部151,152に挟持される基部153と、一対の脚部151,152と基部153とを軸支するピン154と、とを有している。この点は、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1における連結部140と同様である。但し、連結部150は、ワッシャー(例えばスプリングワッシャーなど)を使用することなく、一対の脚部151,152と基部153との間に所定の摩擦力を得る構成となっている。この点が、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1における連結部140と異なる。
【0067】
一対の脚部151,152は、所定間隔を有して対面する「一対の脚部の第1側壁面151a」と「一対の脚部の第2側壁面152a」とを有している。一方、基部153は、「一対の脚部の第1側壁面151a」に対面接触する「基部の側壁面153a」と、「一対の脚部の第2側壁面152a」に対面接触する「基部の側壁面153b」とを有している。以下、連結部150について詳細に説明する。
【0068】
「一対の脚部の第1側壁面151a」及び「基部の第1側壁面153a」のうちの一方(ここでは「一対の脚部の第1側壁面151a」とする。)には、ピン154を貫通させるためのピン貫通孔156を中心とした円を描くように第1凹溝155aが環状に形成されている。また、「一対の脚部の第1側壁面151a」及び「基部の第1側壁面153b」のうちの他方(ここでは、「基部の第1側壁面153a」とする。)には、第1凹溝155aに篏合する第1凸状体157aがピン貫通孔156を中心とした円を描くように環状に形成されている。
【0069】
また、「一対の脚部の第2側壁面152a」及び「基部の第2側壁面153b」のうちの一方(ここでは、「一対の脚部の第2側壁面152a」とする。)には、ピン貫通孔156を中心とした円を描くように第2凹溝155bが環状に形成されている。また、「一対の脚部の第2側壁面152a」及び「基部の第2側壁面153b」のうちの他方(ここでは、「基部の第2側壁面153b」とする。)には、第2凹溝155bに篏合する環状の第2凸状体157bがピン貫通孔156を中心とした円を描くように環状に形成されている。
【0070】
なお、実施形態4に係るクリップ式イヤリング4においては、第1凹溝155a及び第2凹溝155bは、ここでは、周方向に直交する断面が半円形であるとする。一方、第1凸状体157a及び第2凸状体157bは第1凹溝155a及び第2凹溝155bに篏合するものである。このため、第1凸状体157a及び第2凸状体157bは周方向に直交する断面が半円形となっている。
【0071】
但し、第1凹溝155a及び第2凹溝155bの周方向に直交する断面は、半円形でなくてもよく、例えば、周方向に直交する断面がU字形、コの字形角形、V字形などであってもよい。一方、第1凸状体157a及び第2凸状体157bは、第1凹溝155a及び第2凹溝155bに篏合する形状であればよいため、当該第1凸状体157a及び第2凸状体157bは、第1凹溝155a及び第2凹溝155bに合わせた形状とする。例えば、第1凹溝155a及び第2凹溝155bの周方向に直交する断面がV字形であれば、第1凸状体157a及び第2凸状体157bの周方向に直交する断面もV字形とする。
【0072】
なお、
図9(c)及び
図9(d)においては、「一対の脚部の第1側壁面151a」と、「基部の第1側壁面153a」のみが図示されているが、「一対の脚部の第2側壁面152a」及び「基部の第2側壁面153b」も同様の構成となっている。
【0073】
ところで、一対の脚部151,152は多少の弾性を有している。このため、一対の脚部151,152は、脚部151,152の間隔を多少広げることができ、一対の脚部151,152の間隔を多少広げたあと、広げる力を解放させることによって、一対の脚部151,152は初期の状態(広げる前の状態)に復帰する。従って、一対の脚部151,152と基部153とを連結する際には、一対の脚部151,152の間隔を多少広げた状態で、基部153を一対の脚部151,152の間に差し込んで、「基部の第1側壁面153a」に形成されている第1凸状体157aを「一対の脚部の第1側壁面151a」に形成されている第1凹溝155aに対向させるとともに、「基部の第2側壁面153b」に形成されている第2凸状体157bを「一対の脚部の第2側壁面152a」に形成されている第2凹溝155bに対向させたのちに、広げる力を解放させる。
【0074】
これにより、一対の脚部151,152は初期の状態(広げる前の状態)に復帰して、第1凸状体157a及び第2凸状体157bが第1凹溝155a及び第2凹溝155bに篏合する。そして、ピン154をピン貫通孔156に差し込んで加締めることにより、
図9(a)に示すように、第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とが連結部150によって連結された状態となる。
【0075】
第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とが連結部150によって連結された状態となると、「一対の脚部の第1側壁面151a」と「基部の第1側壁面153a」とが圧接状態で接触し、かつ、第1凹溝155aに第1凸状体157aが篏合するとともに第2凹溝155bに第2凸状体157bが篏合した状態となる。また、「一対の脚部の第2側壁面152a」と「基部の第2側壁面153b」とが圧接状態で接触し、かつ、第2凹溝155bに第2凸状体157bが篏合するとともに第2凹溝155bに第2凸状体157bが篏合した状態となる。
【0076】
また、第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とが連結部150によって連結された状態においては、第1凸状体157a及び第2凸状体157bは、第1凹溝155及び第2凹溝155b内を摺動可能となっている。このため、第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とを開閉させるための操作(開閉操作)作を行うと、当該開閉操作に伴って、第1凸状体157a及び第2凸状体157bは、第1凹溝155及び第2凹溝155b内を一方向又は他方向に摺動する。
【0077】
このような構成の連結部150は、第1イヤリング本体部材111と第2イヤリング本体部材112とを開閉させるための開閉操作を行う際には、一対の脚部151,152と基部153との間には、所定の摩擦力が働くこととなる。すなわち、「一対の脚部の第1側壁面151a」と「基部の第1側壁面153a」とが圧接状態で接触し、かつ、第1凹溝155aに第1凸状体157aが篏合した状態となっている。また、「一対の脚部の第2側壁面152a」と「基部の第2側壁面153b」とが圧接状態で接触し、かつ、第2凹溝155bに第2凸状体157bが篏合した状態となっている。
【0078】
このため、一対の脚部151,152と基部153との間の接触面積は、一対の脚部151,152と基部153とがそれぞれ平面で接触した場合に比べて広くなる。これによって、一対の脚部151,152と基部153との間には、所定の摩擦力が働くこととなる。具体的には、一対の脚部151,152と基部153との間には、
図1に示すクリップ式イヤリング1における連結部140のようにワッシャー(例えばスプリングワッシャーなど)143を介在させた場合と遜色のない摩擦力が働くこととなる。
【0079】
実施形態4に係るクリップ式イヤリング4は、このような構成の連結部150を有していることによって、受け部121と押さえ部123(
図8参照。)との間隔を所定間隔に設定すると、設定した間隔を安定的に保持することができる。これにより、実施形態4に係るクリップ式イヤリング4によれば、耳に装着した状態としたときに耳から脱落しにくいクリップ式イヤリングとなる。
【0080】
また、実施形態4に係るクリップ式イヤリング4は、ワッシャー(例えばスプリングワッシャーなど)が不要となり、部品点数を削減できるとともに組み立て工数も削減できる。また、ワッシャーが不要となることからクリップ式イヤリング全体を同じ材料で製造し易くなる。このため、実施形態4に係るクリップ式イヤリング4は、イヤリングとしての装飾性を損なうことなく、イヤリングとしての価値を高めることができる。
【0081】
ところで、
図9に示した連結部150においては、第1凹溝155a、第2凹溝155bの本数及び第1凸状体157a、第2凸状体157bの本数はそれぞれ1本としたが、第1凹溝155a、第2凹溝155bの本数及び第1凸状体157a、第2凸状体157bの本数はそれぞれ複数本とすることができる。
【0082】
図10は、実施形態4に係るクリップ式イヤリング4における連結部150の変形例を説明するための図である。
図10(a)は
図9(b)に対応する図であり、
図10(b)は
図9(c)に対応する図であり、
図10(c)は
図9(d)に対応する図である。
【0083】
連結部150の変形例は、
図10に示すように、第1凹溝155aは、複数本(ここでは2本とする。)の凹溝でなり、当該2本の凹溝155aは、ピン貫通孔156を中心とした同心円を描くように形成されている(
図10(c)参照。)。また、第1凸状体157aは、複数本(ここでは2本とする。)の凸状体でなり、当該2本の凸状体157aは、ピン貫通孔156を中心とした同心円を描くように形成されている(
図10(b)参照。)。
【0084】
一方、第2凹溝155bは、複数本(同じく2本とする。)の凹溝でなり、当該2本の凹溝155bは、ピン貫通孔156を中心とした同心円を描くように形成されている。また、第2凸状体157bは、複数本(同じく2本とする。)の凸状体でなり、当該2本の凸状体157bは、ピン貫通孔156を中心とした同心円を描くように形成されている。
【0085】
連結部150が
図10に示すような構成となっていることにより、一対の脚部151,152と基部153との間の接触面積を、さらに広くすることができる。このため、一対の脚部151,152と基部153との間にはより大きな摩擦力が働くこととなる。これにより、受け部121と押さえ部123(
図8参照。)との間隔を、より一層、安定的に保持することができるため、より一層、脱落しにくいクリップ式イヤリングとなる。
【0086】
なお、
図10においては、第1凹溝155a及び第1凸状体157aの本数を2本とするとともに、第2凹溝155b及び第2凸状体157bの本数も2本とした場合を例示したが、2本に限られるものではなく、それぞれ3本以上とすることも可能である。
【0087】
また、「一対の脚部の第1側壁面151a」及び「基部の第1側壁面153a」の側と、「一対の脚部の第2側壁面152a」及び「基部の第2側壁面153b」の側とで、凹溝及び凸状体の本数を異ならせてもよい。例えば、「一対の脚部の第1側壁面151a」及び「基部の第1側壁面153a」の側においては、凹溝及び凸状体を1本とし、「一対の脚部の第2側壁面152a」及び「基部の第2側壁面153b」の側においては、凹溝及び凸状体を2本とするといようにしてもよい。
【0088】
また、
図9及び
図10の例では、凹溝(第1凹溝155a,第2凹溝155b)及び凸状体(第1凸状体157a,第2凸状体157b)は、一対の脚部151,152においては、「一対の脚部の第1側壁面151a」及び「一対の脚部の第2側壁面152a」の両方に形成し、基部153においては、「基部の第1側壁面153a」及び「基部の第2側壁面153b」の両方に形成した場合を例示したが、このような構成に限られるものではない。
【0089】
すなわち、所望とする摩擦力が得られるのであれば、一対の脚部151,152においては、「一対の脚部の第1側壁面151a」のみに第1凹溝155aを形成し、基部153においては、「基部の第1側壁面153a」のみに第1凸状体157aを形成してもよい。また、これとは逆に、一対の脚部151,152においては、「一対の脚部の第2側壁面152a」のみに第2凹溝155bを形成し、基部153においては、「基部の第2側壁面153b」のみに凸状体157bを形成してもよい。
【0090】
また、
図9及び
図10の例では、一対の脚部151,152側には凹溝(第1凹溝155a,第2凹溝155b)を形成し、基部153側には凸状体(第1凸状体157a,第2凸状体157b)を形成した場合を例にしたが、逆であってもよい。すなわち、「一対の脚部の第1側壁面151a」及び「一対の脚部の第2側壁面152a」にはそれぞれ凹溝を形成するとともに、「基部の第1側壁面153a」及び「基部の第2側壁面153b」にはそれぞれ凸状体を形成するようにしてもよい。
【0091】
ところで、実施形態4に係るクリップ式イヤリング4においては、挟着部120としては実施形態1に係るクリップ式イヤリング1で用いた挟着部120を例示したが、実施形態1に係るクリップ式イヤリング2又は実施形態3に係るクリップ式イヤリング3で用いた挟着部120であってもよい。また、これら各実施形態において用いた挟着部とは異なった構造を有する挟着部であってもよい。
【0092】
すなわち、実施形態4に係るクリップ式イヤリング4においては、挟着部の構成は特に限定されるものではない。例えば、一部に非連続部を有してループをなすように形成されているイヤリング本体と、非連続部におけるイヤリング本体の一端部及び他端部に形成され、耳を挟む挟着部と、を備え、イヤリング本体は、当該イヤリング本体を2分割した第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とを有し、さらに、当該第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とは連結部によって連結されており、第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とを、連結部において所定の回転角度内で相対的に回転させることにより、挟着部の間隔を可変可能とするクリップ式イヤリングであれば適用できる。
【0093】
[実施形態5]
図11は、実施形態5に係るクリップ式イヤリング5を説明するために示す図である。実施形態5に係るクリップ式イヤリング5が実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と異なる点はイヤリング本体110であり、その他の構成は実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と同様である。このため、実施形態5に係るクリップ式イヤリング5において、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と同一構成要素には同一符号が付されている。
【0094】
実施形態5に係るクリップ式イヤリング5においては、イヤリング本体110は、連結部が存在せずに、一本の連続したイヤリング本体部材113でなり、当該イヤリング本体部材113は弾性を有している。この場合、初期の状態(外力を加えない状態)においては、受け部121と押さえ部123の間隔は、押さえ部123が受け部121内にわずかに侵入している程度となっていることが好ましい。
【0095】
このような構成のイヤリング本体部材113を有する実施形態5に係るクリップ式イヤリング5を耳たぶに装着する際には、使用者はイヤリング本体部材113の弾性力に抗して受け部121と押さえ部123の間隔を指で広げた状態(例えば、
図11に示す状態)として、受け部121と押さえ部123とで耳たぶを挟んだ後に指を離す。これにより、イヤリング本体部材113は弾性力(復帰力)によって、受け部121と押さえ部123との間隔が元の間隔((外力を加えない状態の間隔)に復帰する。これによって、例えば
図3と同様に、実施形態5に係るクリップ式イヤリング5を耳たぶに装着することができる。
【0096】
なお、実施形態5に係るクリップ式イヤリング5においては、連結部が存在しない一本の連続したイヤリング本体部材113を実施形態1に係るクリップ式イヤリング1に適用した場合を例示したが、実施形態2に係る各クリップ式イヤリング2(
図4参照。)及び実施形態3に係る各クリップ式イヤリング3(
図6参照。)にも適用できる。
【0097】
以上説明したように、実施形態5に係るクリップ式イヤリング5においては、イヤリング本体が一本の連続したイヤリング本体部材113でなり、連結部140が存在しないことから構成を単純なものとすることができる。このため、組み立て工数を少なくすることができ、低コスト化が図れる。
【0098】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0099】
(1)上記各実施形態においては、イヤリング本体110が、比較的、細い部材(例えば、受け部121の開口面の径よりも細い部材)で構成されているものを例示したが、イヤリング本体110は様々なサイズや形状を採用することができる。イヤリング本体110のサイズや形状に応じて、挟着部120の受け部121,122及び押さえ部123,124を様々なサイズや形状とすることができる。
【0100】
図12は、イヤリング本体110が幅広のクリップ式イヤリング6を説明するための図である。
図12においては、クリップ式イヤリング6の一部(挟着部120とその周辺)のみが示されている。イヤリング本体110(第1イヤリング本体部材111及び第2イヤリング本体部材112)が幅広のクリップ式イヤリング6においては、例えば、
図12に示すような挟着部120を採用できる。ずなわち、クリップ式イヤリング6は、イヤリング本体110の一端部110aには、イヤリング本体110と同等の幅を有する幅広の受け部125を形成し、イヤリング本体110の他端部110bには、イヤリング本体110と同等の幅を有する幅広の押さえ部126を形成したものとなっている。なお、受け部の開口は長円形をなしている。
【0101】
そして、受け部125は、イヤリング本体110の他端部110b(押さえ部126)の側を向く凹部125aを有し、押さえ部126は、受け部125の凹部125aに侵入可能となっている。この場合も、受け部125の凹部125a及び押さえ部126は、それぞれの表面が曲面となっている。なお、
図12においては、受け部125の凹部125aの表面は曲面となっていることが明確に示されていないが、受け部125の凹部125aの表面は曲面となっている。
【0102】
なお、
図12に示すような形状を有する受け部125は開口が長円形をなしているが、このような開口を有する受け部も、椀形状をなす受け部に含まれるものとする。このように、受け部125が椀形状である場合には、実施形態1に係るクリップ式イヤリング1と同様に受け部125には空気抜き用の小孔125cが形成されていることが好ましい。また、受け部125は椀形状ではなく、実施形態2に係るクリップ式イヤリング2と同様に二股アーム形状をなしている構成であってもよい(図示は省略する。)。
【0103】
一方、押さえ部126は、
図12に示す例では、第1押さえ部(例えば
図2に示す第1押さえ部123a)と第2押さえ部(例えば
図2に示す第1押さえ部123b)とに分岐されていない構成を例示したが、第1押さえ部(例えば
図2に示す第1押さえ部123a)と第2押さえ部(例えば
図2に示す第1押さえ部123b)とに分岐されている構成となっていてもよい。
【0104】
(2)上記各実施形態においては、各クリップ式イヤリングを耳たぶに装着する場合を例示したが、耳たぶに限られるものではなく、耳の他の部分に装着することもできる。
【0105】
(3)上記実施形態1~3に示す各実施形態においては連結部140にワッシャー143,144が存在する場合を例示したが、受け部121と押さえ部123との間隔を所定間隔に設定した際に、設定した間隔を安定的に保持することができれば、ワッシャーは存在していなくてもよい。
【0106】
(4)上記各実施形態のうち受け部が椀形状121である場合(例えば、実施形態1,3,4など)においては、椀形状の受け部121における凹部121aの開口を取り囲む端縁部は平坦面とした場合を例示したが、当該端縁部は平坦部でなくてもよく、例えば、周方向に沿ってうねりを有する波形であってもよい。
【0107】
(5)上記実施形態2においては、受け部122は、イヤリング本体110の一端部110aから左右方向に湾曲をなすように分岐して形成された二股アーム形状をなしているものを示したが分岐する数は3つ以上であってもよい。
【0108】
図13は、実施形態2に係るクリップ式イヤリング2の変形例を説明するために示す図である。なお、実施形態2に係るクリップ式イヤリング2の変形例を「クリップ式イヤリング2a」とし、当該クリップ式イヤリング2aの受け部を受け部127とする。
【0109】
クリップ式イヤリング2aの受け部127は、
図13に示すように、イヤリング本体110の一端部110aから3方向に湾曲をなすように分岐して形成された三股アーム形状をなしている。このように形成された受け部127は、3つのアーム部127a,127b,127cで構成されており、これら3つのアーム部127a,127b,127cによって凹部128が形成される。なお、3つのアーム部127a,127b,127cの先端には、それぞれ球状体129a、129b、129cが形成されている。
【0110】
このような受け部127を有するクリップ式イヤリング2aにおいても、実施形態2に係るイクリップ式イヤリング2と同様の効果が得られ、さらに、クリップ式イヤリング2aにおいては、当該クリップ式イヤリング2aを耳に装着した際には、装着した状態をより安定的に保持できる。
【0111】
なお、
図13に示すクリップ式イヤリング2aにおいては、各アーム部127a,127b,127cは、当該各アーム部127a,127b,127cの延出方向に直交する断面(図示せず。)が角形をなす角柱形アームである場合が例示されているが、各アーム部127a,127b,127cの断面が円形をなす円柱形アームであってもよい。
【0112】
また、
図13に示すクリップ式イヤリング2aにおいては、イヤリング本体110の一端部110aから3方向に湾曲をなすように分岐して形成された三股アーム形状としたが、4方向に湾曲をなすよう分岐して形成された四股アーム形状、5方向に湾曲をなすよう分岐して形成された五股アーム形状など、分岐させる数は任意である。
【符号の説明】
【0113】
1,2,3,4,5,6・・・クリップ式イヤリング、100・・・非連続部、110・・・イヤリング本体、110a・・・イヤリング本体110の一端部、110b・・・イヤリング本体110の他端部、111・・・第1イヤリング本体部材、112・・・第2イヤリング本体部材、113・・・一本の連続したイヤリング本体部材、120・・・挟着部、121,122,125,127・・・受け部、121a,122a,125a、128・・・凹部、121b・・・背面、121c・・・空気抜き用の小孔、123,124,126・・・押さえ部、123a・・・第1押さえ部、123b・・・第2押さえ部、127a,127b,127c・・・アーム部、129a、129b,129c・・・先端頭部、140,150・・・連結部、141,142,151,152・・・一対の脚部、143,144・・・ワッシャー、145,153・・・基部、146,154・・・ピン、151a・・・「一対の脚部の第1側壁面」、152a・・・「一対の脚部の第2側壁面、153a・・・「基部の第1側壁面」、153b・・・「基部の第2側壁面」、155a・・・第1凹溝、155b・・・第2凹溝、156・・・ピン貫通孔、157a・・・第1凸状体、157b・・・第2凸状体、200・・・耳たぶ(耳)
【手続補正書】
【提出日】2021-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部に非連続部を有してループをなすように形成されているイヤリング本体と、
前記非連続部における前記イヤリング本体の一端部及び他端部に形成され、耳を挟む挟着部と、を備えるクリップ式イヤリングであって、
前記挟着部は、
前記イヤリング本体の前記一端部に形成され、前記イヤリング本体の前記他端部の側を向く凹部を有する受け部と、
前記イヤリング本体の前記他端部に形成され、前記受け部の前記凹部に侵入可能な押さえ部と、
を有し、
前記イヤリング本体は、当該イヤリング本体を2分割した第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とを有し、当該第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とは連結部によって連結されており、
前記第1イヤリング本体部材と前記第2イヤリング本体部材とを、前記連結部において所定の回転角度内で相対的に回転させることにより、前記受け部と前記押さえ部との間隔を可変可能とし、
前記連結部は、
前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の一方のイヤリング本体部材に形成されている一対の脚部と、
前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の他方のイヤリング本体部材に形成され、前記一対の脚部に挟持される基部と、
前記一対の脚部と前記基部とを軸支するピンと、
を備え、
前記一対の脚部は、所定間隔を有して対面する「一対の脚部の第1側壁面」と「一対の脚部の第2側壁面」とを有し、
前記基部は、前記「一対の脚部の第1側壁面」に対面接触する「基部の第1側壁面」と前記「一対の脚部の第2側壁面」に対面接触する「基部の第2側壁面」とを有し、
前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの一方には、前記ピンを貫通させるためのピン貫通孔を中心とした円を描くように第1凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの他方には、前記第1凹溝に篏合する第1凸状体が、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項2】
請求項1に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記第1凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、
前記第1凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの一方には、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように第2凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの他方には、前記第2凹溝に篏合する第2凸状体が前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項4】
請求項3に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記第2凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、
前記第2凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記受け部は、椀形状をなしていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項6】
請求項5に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記受け部における前記凹部の側を当該受け部の前面とし、前記凹部とは反対側を当該受け部の背面としたとき、
前記受け部は、当該受け部の前記前面と前記背面とを貫通する空気抜き用の小孔が形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記受け部は、前記イヤリング本体の前記一端部から複数方向に湾曲をなすように分岐して形成された複数股アーム形状をなしていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記押さえ部は、第1押さえ部と第2押さえ部とに分岐しており、前記第1押さえ部は前記受け部に向かう方向に突出して形成され、前記第2押さえ部は前記第1押さえ部から離間する方向に折れ曲がって形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項9】
一部に非連続部を有してループをなすように形成されているイヤリング本体と、前記非連続部における前記イヤリング本体の一端部及び他端部に形成され、耳を挟む挟着部と、を備え、前記イヤリング本体は、当該イヤリング本体を2分割した第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とを有し、当該第1イヤリング本体部材と第2イヤリング本体部材とは連結部によって連結されており、前記第1イヤリング本体部材と前記第2イヤリング本体部材とを、前記連結部において所定の回転角度内で相対的に回転させることにより、前記挟着部の間隔を可変可能とするクリップ式イヤリングであって、
前記連結部は、
前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の一方のイヤリング本体部材に形成されている一対の脚部と、
前記第1イヤリング本体部材及び前記第2イヤリング本体部材の他方のイヤリング本体部材に形成され、前記一対の脚部に挟持される基部と、
前記一対の脚部と前記基部とを軸支するピンと、
を備え、
前記一対の脚部は、所定間隔を有して対面する「一対の脚部の第1側壁面」と「一対の脚部の第2側壁面」とを有し、
前記基部は、前記「一対の脚部の第1側壁面」に対面接触する「基部の第1側壁面」と前記「一対の脚部の第2側壁面」に対面接触する「基部の第2側壁面」とを有し、
前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの一方には、前記ピンを貫通させるためのピン貫通孔を中心とした円を描くように第1凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第1側壁面」及び前記「基部の第1側壁面」のうちの他方には、前記第1凹溝に篏合する第1凸状体が、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項10】
請求項9に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記第1凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、
前記第1凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの一方には、前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように第2凹溝が形成されており、前記「一対の脚部の第2側壁面」及び前記「基部の第2側壁面」のうちの他方には、前記第2凹溝に篏合する第2凸状体が前記ピン貫通孔を中心とした円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。
【請求項12】
請求項11に記載のクリップ式イヤリングにおいて、
前記第2凹溝は、複数本の凹溝でなり、当該複数本の凹溝は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されており、
前記第2凸状体は、複数本の凸状体でなり、当該複数本の凸状体は、前記ピン貫通孔を中心とした同心円を描くように形成されていることを特徴とするクリップ式イヤリング。