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特開2022-36861申込受付FAQ支援装置、申込受付FAQ支援システム、申込受付FAQ支援方法および申込受付FAQ支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036861
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】申込受付FAQ支援装置、申込受付FAQ支援システム、申込受付FAQ支援方法および申込受付FAQ支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220301BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141286
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】511098013
【氏名又は名称】株式会社L is B
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】横井 太輔
(72)【発明者】
【氏名】城戸 猛
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】FAQ処理で回答を得たユーザに対し、回答後に適した処理を支援できること。
【解決手段】申込受付FAQ支援装置100は、FAQボット110がユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに関連する回答の文言を想定したFAQデータベース120に基づくチャットを行う。FAQボット110は、チャットの繰り返しにより得たユーザからの問い合わせの際、この問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨をユーザに提示し、ユーザによる申込みの指示に基づき、FAQの処理からシームレスに申込みの処理に移行し、申込みに必要な情報をチャットにより収集する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの問い合わせに回答する申込受付FAQ支援装置であって、
前記ユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに関連する回答の文言を想定したFAQ情報に基づくチャットを行い、
前記チャットの繰り返しにより得た前記ユーザからの問い合わせの際、当該問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨を前記ユーザに提示し、
前記ユーザによる申込みの指示に基づき、当該申込みに必要な情報をチャットにより収集する制御部を備えたことを特徴とする申込受付FAQ支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記回答が一つに絞り込まれたとき、あるいは前記回答からの誘導を契機として、前記問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨を前記ユーザに提示することを特徴とする請求項1に記載の申込受付FAQ支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ユーザへの回答とともに当該回答の候補となる画像化したスタンプを複数送信し、
前記ユーザによる前記スタンプの選択に基づき、前記ユーザからの問い合わせを得ることを特徴とする請求項1または2に記載の申込受付FAQ支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ユーザから収集した前記申込みに必要な情報を外部サービスに送信し、前記外部サービスによって前記申込みに必要な情報を補完することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の申込受付FAQ支援装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ユーザから収集したすべての前記申込みの情報を、申込先の外部サービスに送信することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の申込受付FAQ支援装置。
【請求項6】
ユーザの端末と、問い合わせに回答する申込受付FAQ支援装置と、を含む申込受付FAQ支援システムであって、
前記申込受付FAQ支援装置は、前記端末との間で、
前記ユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに関連する回答の文言を想定したFAQ情報に基づくチャットを行い、
前記チャットの繰り返しにより得た前記ユーザからの問い合わせの際、当該問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨を前記ユーザに提示し、
前記ユーザによる申込みの指示に基づき、当該申込みに必要な情報をチャットにより収集する制御部を備えたことを特徴とする申込受付FAQ支援システム。
【請求項7】
ユーザの問い合わせに回答する申込受付FAQ支援方法であって、
コンピュータが、
前記ユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに関連する回答の文言を想定したFAQ情報に基づくチャットを行い、
前記チャットの繰り返しにより得た前記ユーザからの問い合わせの際、当該問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨を前記ユーザに提示し、
前記ユーザによる申込みの指示に基づき、当該申込みに必要な情報をチャットにより収集する、
処理を実行することを特徴とする申込受付FAQ支援方法。
【請求項8】
ユーザの問い合わせに回答する申込受付FAQ支援プログラムであって、
コンピュータに、
前記ユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに関連する回答の文言を想定したFAQ情報に基づくチャットを行い、
前記チャットの繰り返しにより得た前記ユーザからの問い合わせの際、当該問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨を前記ユーザに提示し、
前記ユーザによる申込みの指示に基づき、当該申込みに必要な情報をチャットにより収集する、
処理を実行させることを特徴とする申込受付FAQ支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、FAQ(Frequency Asked Question)の業務を拡張し、FAQ処理以降の申込み受付を支援する申込受付FAQ支援装置、申込受付FAQ支援システム、申込受付FAQ支援方法および申込受付FAQ支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ユーザの質問(問い合わせ)を受け付けて自動回答するFAQの業務では、FAQの業務センタのサーバが、ユーザ入力のテキストメッセージを解析して対応する回答をユーザに返す。従来、ユーザ入力のキーワードに対してワードセグメンテーションを行い複数のキーワードに分割した後、ユーザが選択したキーワードに基づく検索を行うことで、検索効率を向上させた技術がある(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
また、LINE(登録商標)など、スマートフォン等の携帯機器を利用して友人やグループで会話できるチャットサービスが提供され、より簡単なメッセージ伝達が可能となってきている(例えば、下記特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2018-503917号公報
【特許文献2】特開2014-146380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、FAQの処理にチャットボット(bot)等のチャットサービスを組合せることで、予め想定された質問に対する回答を得ることができるが、ユーザは所望の回答を得た後、回答に基づくアクションを再度しなければならなかった。すなわち、従来技術では、質問への回答でFAQの処理が終了するため、FAQの回答を得たユーザに対する支援を行うことができなかった。
【0006】
例えば、ユーザが粗大ごみの出し方について質問したとする。この場合、FAQ処理では、ユーザに対し各種のヒアリングを行い、特定した粗大ごみの出し方を回答することで処理が終了する。この場合、ユーザは、粗大ごみの出し方を知ることができたとしても、その後、実際に粗大ごみを出すためのサイトにアクセスし、再度、ユーザ情報や粗大ごみの内容等を情報入力しなければならなかった。
【0007】
このように、従来のFAQの処理では、単に質問回答を出力することで処理が終了するため、FAQ処理後におけるユーザのアクションに対応できなかった。これにより従来のFAQの業務ではFAQにより回答を得たユーザに対し、回答を得た後の適切な処理を支援することができなかった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、FAQ処理で回答を得たユーザに対し、回答後に適した処理を支援できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の申込受付FAQ支援装置は、ユーザの問い合わせに回答する申込受付FAQ支援装置であって、前記ユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに関連する回答の文言を想定したFAQ情報に基づくチャットを行い、前記チャットの繰り返しにより得た前記ユーザからの問い合わせの際、当該問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨を前記ユーザに提示し、前記ユーザによる申込みの指示に基づき、当該申込みに必要な情報をチャットにより収集する制御部を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、前記制御部は、前記回答が一つに絞り込まれたとき、あるいは前記回答からの誘導を契機として、前記問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨を前記ユーザに提示することを特徴とする。
【0011】
また、前記制御部は、前記ユーザへの回答とともに問い合わせの候補となる画像化したスタンプを複数送信し、前記ユーザによる前記スタンプの選択に基づき、前記ユーザからの問い合わせを得ることを特徴とする。
【0012】
また、前記制御部は、前記ユーザから収集した前記申込みに必要な情報を外部サービスに送信し、前記外部サービスによって前記申込みに必要な情報を補完することを特徴とする。
【0013】
また、前記制御部は、前記ユーザから収集したすべての前記申込みの情報を、申込先の外部サービスに送信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の申込受付FAQ支援システムは、ユーザの端末と、問い合わせに回答する申込受付FAQ支援装置と、を含む申込受付FAQ支援システムであって、前記申込受付FAQ支援装置は、前記端末との間で、前記ユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに関連する回答の文言を想定したFAQ情報に基づくチャットを行い、前記チャットの繰り返しにより得た前記ユーザからの問い合わせの際、当該問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨を前記ユーザに提示し、前記ユーザによる申込みの指示に基づき、当該申込みに必要な情報をチャットにより収集する制御部を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の申込受付FAQ支援方法は、ユーザの問い合わせに回答する申込受付FAQ支援方法であって、コンピュータが、前記ユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに関連する回答の文言を想定したFAQ情報に基づくチャットを行い、前記チャットの繰り返しにより得た前記ユーザからの問い合わせの際、当該問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨を前記ユーザに提示し、前記ユーザによる申込みの指示に基づき、当該申込みに必要な情報をチャットにより収集する、処理を実行することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の申込受付FAQ支援プログラムは、ユーザの問い合わせに回答する申込受付FAQ支援プログラムであって、コンピュータに、前記ユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに関連する回答の文言を想定したFAQ情報に基づくチャットを行い、前記チャットの繰り返しにより得た前記ユーザからの問い合わせの際、当該問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨を前記ユーザに提示し、前記ユーザによる申込みの指示に基づき、当該申込みに必要な情報をチャットにより収集する、処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、FAQ処理で回答を得たユーザに対し、回答後に適した処理を支援できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施の形態にかかる申込受付FAQ支援システムの概要図である。
図2図2は、実施の形態にかかる申込受付FAQ支援装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3図3は、実施の形態にかかる申込受付FAQ支援装置によるチャット画面例を示す図である。
図4図4は、既存のFAQボットによるチャット画面例を示す図である。
図5図5は、実施の形態にかかる申込受付FAQ支援装置によるマルチ指向型対話処理を説明する図である。
図6図6は、既存のFAQボットによる回答例を示す図である。
図7図7は、実施の形態にかかるFAQから申込みへの処理の切り替えを説明する図表である。
図8図8は、実施の形態にかかる申込受付にかかるデータ処理内容の説明図である。
図9図9は、実施の形態にかかる申込受付で用いるヒアリング項目例を示す図表である。
図10図10は、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による外部サービスとの連携の説明図である。(その1)
図11図11は、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による外部サービスとの連携の説明図である。(その2)
図12図12は、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による受付記録データの例を示す図表である。
図13A図13Aは、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による申込みの処理のチャット画面例を示す図である。(その1)
図13B図13Bは、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による申込みの処理のチャット画面例を示す図である。(その2)
図13C図13Cは、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による申込みの処理のチャット画面例を示す図である。(その3)
図13D図13Dは、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による申込みの処理のチャット画面例を示す図である。(その4)
図13E図13Eは、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による申込みの処理のチャット画面例を示す図である。(その5)
図13F図13Fは、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による申込みの処理のチャット画面例を示す図である。(その6)
図14図14は、実施の形態の申込受付FAQ支援装置によるFAQおよび申込みの処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる申込受付FAQ支援装置、申込受付FAQ支援システム、申込受付FAQ支援方法および申込受付FAQ支援プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
(システムの概要構成)
図1は、実施の形態にかかる申込受付FAQ支援システムの概要図である。申込受付FAQ支援システムは、申込受付FAQ支援装置100と、外部サービス150と、申込受付FAQ支援装置100にインターネット等のネットワークNWを介して通信接続されるユーザの端末170と、を含む。
【0021】
申込受付FAQ支援装置100は、FAQボット110、FAQデータベース(DB)120、シナリオデータベース(DB)130と、を含む。FAQ支援装置100は、クラウド上に設けることもできる。
【0022】
ユーザUが操作する端末170は、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット等を用いることができる。
【0023】
以下の説明では、申込受付FAQ支援システムは、ユーザUがFAQの業務センタに問い合わせを行う例について説明する。なお、以下の説明で説明する「問い合わせ」と「質問」は同じ意味である。
【0024】
申込受付FAQ支援装置100のFAQボット110は、例えば、WebページやWebウィジェット等によりFAQ(問い合わせおよび回答)用の表示画面を生成してユーザUの端末170との間でチャットを行う。ユーザUの端末170は、FAQボット110が生成した表示画面を表示し、ユーザの操作により問い合わせに対する回答を行う。FAQボット110は、端末170との間でやり取りするFAQのチャットを管理する。
【0025】
FAQボット110は、ユーザUの端末170からの問い合わせに対する回答を予め作成されたFAQデータファイルDを保持するFAQデータベース120を参照して行う。この際、FAQボット110は、シナリオデータベース130に基づき、端末170との間でやり取りするチャットを所定のシナリオに沿って実行する。
【0026】
FAQデータベース120には、頻度が高いFAQについて、問い合わせの文言と、ユーザUへの回答の文言の組合せが予め複数記憶されている。FAQボット110は、FAQデータベース120を参照して問い合わせの処理を順次実行する。
【0027】
FAQボット110は、端末170からの問い合わせ(質問)の文言(テキスト等の文字列)に基づき、FAQデータベース120を参照して、問い合わせの文言に対応する回答を検索し、端末170に返答する。ボットとは、自動化プログラムを意味する。
【0028】
FAQデータベース120が保持するFAQデータファイルDは、例えば、表形式のデータファイルであり、予め想定したユーザUの問い合わせのキーワードおよびキーワードに対応する回答(自然言語情報)を関連づけたFAQ情報を有する。加えて、FAQデータファイルDは、問い合わせのキーワードに関連する複数のカテゴリ別のカテゴリ一覧の情報を有してもよい。さらには、FAQデータファイルDは、キーワードの学習機能により自動生成した複数のタグのタグ一覧の情報を有してもよい。タグ一覧は、FAQ情報に関連づけられる。
【0029】
FAQボット110は、シナリオデータベース130の設定に基づき、問い合わせ時のキーワード候補をユーザUに提示し、ユーザUによるキーワード候補の中からキーワードの選択により、FAQデータファイルDのFAQ情報を参照して、問い合わせ(キーワード)に対応する回答の検索結果(絞り込んだ回答の候補)を端末170に返答する。
【0030】
シナリオデータベース130には、予め想定したユーザによる問い合わせのキーワード、および問い合わせごとの回答に関する登録フォームの設定ファイルSが複数登録される。また、この設定ファイルSには、FAQの回答を得たユーザUに対し、回答後の適切なアクションを提示する申込フォームを含む。
【0031】
FAQボット110は、カテゴリ一覧を参照して、カテゴリの絞り込みが行える場合、カテゴリに関連したFAQ情報の回答を検索する。カテゴリの絞り込みにより、問い合わせに対応した回答を適切に検索できるようになる。
【0032】
FAQボット110は、問い合わせの文言に対応する回答が複数ある場合、複数の選択肢を、例えば、文言(テキスト)を画像化したスタンプとして、ユーザUの端末170に送信する。ユーザUによってスタンプを選択させることを繰り返すことで、問い合わせに対応する回答を絞り込むことができる。
【0033】
FAQボット110は、ユーザUからの問い合わせに対する最終的な回答を行った後、シナリオデータベース130に設定されたシナリオに基づき、回答を得た後のユーザUに対して可能なアクションを提示する。
【0034】
ユーザUは、FAQボット110により問い合わせの回答を得た状態で、この回答に基づきそれまでのFAQの処理とは異なるアクションを実行できる。ここで、FAQボット110は、ユーザUに対し、問い合わせに対する回答を行い、ユーザU側でFAQに対する最終的な回答が得られた状態で、シナリオデータベース130に設定されている、回答後に適するアクションを提示する。図1の例では、FAQボット110は、シナリオデータベース130から申込フォームを読み出し、ユーザUに提示する。
【0035】
詳細は後述するが、例えば、申込受付FAQ支援装置100は、ユーザUから粗大ごみの出し方のFAQにかかる処理を行う。そして、実施の形態では、申込受付FAQ支援装置100は、FAQの処理でユーザUが最終的な回答が得られた状態で、シナリオデータベース130に設定された設定ファイルSに基づき、粗大ごみを実際に申込む処理にシームレスに移行可能である。
【0036】
ここで、申込受付FAQ支援装置100は、FAQの処理用のボットと、申込み処理用のボットとを独立して設け、これらを連携させる構成としてもよい。
【0037】
また、申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)は、申込みの処理実行中において、必要に応じて外部サービス150にアクセスし、粗大ごみの申込み~終了にかかる処理を連携できる。外部サービス150は、例えば、外部API(Application Programming Interface)である。外部サービス150は、例えば、粗大ごみの申込みにおいてユーザUが入力した情報の登録処理やデータ補完等を行う。
【0038】
このように、申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)は、当初、ユーザUからの粗大ごみの出し方に対するFAQの処理を行い、ユーザUに回答した後、粗大ごみの出し方の回答を得たユーザUに対し、ユーザUが行うべき次のアクションにシームレスに移行する。ここでは、ユーザUが粗大ごみを出す場合の自治体への申込みの処理に移行する。
【0039】
これにより、実施の形態の申込受付FAQ支援装置100は、単にユーザUのFAQを処理するだけではなく、FAQ処理後においてユーザUに適切なアクションを提示する。これにより、ユーザは、FAQの処理で所定の回答を得ることができ、また、ユーザは、FAQの回答を得た後、シームレスに、回答に連携した次のアクションを円滑、かつ効率的に実施できるようになる。
【0040】
図2は、実施の形態にかかる申込受付FAQ支援装置のハードウェア構成例を示す図である。例えば、図1に示す申込受付FAQ支援装置100は、図2に示す構成を有する。申込受付FAQ支援装置100は、CPU201、ROM202、RAM203、磁気ディスクドライブ204、磁気ディスク205、光ディスクドライブ206、光ディスク207、入力デバイス208、映像I/F209、ディスプレイ210、通信I/F211、等を含む。各構成部201~211は、バス220によってそれぞれ接続されている。
【0041】
CPU201は、申込受付FAQ支援装置100の全体の制御を司る制御部の機能を有する。ROM202は、制御用のブートプログラムを記録している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU201は、RAM203をワークエリアとして使用しながら、ROM202に記録された各種プログラムを実行することによって、申込受付FAQ支援装置100の全体の制御を司る。
【0042】
磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク205としては、例えば、HD(ハードディスク)を用いることができる。
【0043】
また、光ディスクドライブ206は、CPU201の制御にしたがって光ディスク207に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク207は、光ディスクドライブ206の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク207は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。このほか記録媒体として、SSD、メモリカードなどを用いることもできる。
【0044】
入力デバイス208は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス208は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか一つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0045】
映像I/F209は、ディスプレイ210に接続される。映像I/F209は、具体的には、例えば、ディスプレイ210全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ210を制御する制御ICなどによって構成される。
【0046】
ディスプレイ210には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ210としては、例えば、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0047】
通信I/F211は、ネットワークNWに接続され、外部サービス150および端末170と通信接続するインターフェースとして機能する。ネットワークNWとしては、有線あるいは無線接続されるインターネット、公衆回線網や携帯電話網、LAN、WANなどがある。
【0048】
図1に示した申込受付FAQ支援装置100のFAQデータベース120、シナリオデータベース130は、図2に記載のROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU201が所定のプログラムを実行することによって、申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)の機能を実現する制御部である。
【0049】
また、図1に記載の端末170についても、図2同様の構成を有し、CPU201が制御部として機能し、全体の処理を司る。端末170として用いるスマートフォンやタブレット等の携帯機器では、例えば、磁気ディスク205や光ディスク207に代えてフラッシュメモリを用いてもよい。
【0050】
図3は、実施の形態にかかる申込受付FAQ支援装置によるチャット画面例を示す図である。例えば、申込受付FAQ支援装置100は、ユーザの課題をタスク別に要素分解し、ユーザがパスワードを忘れてしまったときに、分解した要素1「どうすればログインできるか知りたい」というユーザの問い合わせに対する回答をユーザに伝える。この後、申込受付FAQ支援装置100は、分解した要素2「パスワードの再発行を申し込みたい」というユーザの具体的なアクションを支援する申込み処理をシームレスに実行し、ユーザに伝える。
【0051】
図3(a)に示すように、申込受付FAQ支援装置100は、ユーザUの端末170の表示画面301上で、FAQ処理により、ユーザUの問い合わせQ1「パスワードを忘れた」に対し、FAQボット110は、回答A1「こちらでお受けできます。アカウントに紐付いたメールアドレスを教えてください」を表示する。
【0052】
この後、図3(b)に示すように、申込受付FAQ支援装置100は、ユーザUによるアドレス入力ADに対応して、FAQボット110は、回答A2「ご入力いただいたメールアドレスにパスワードの再発行のご案内をいたしました。」と通知する。
【0053】
図4は、既存のFAQボットによるチャット画面例を示す図である。図3と同様の課題に対して既存のFAQボットによる回答例を示す。既存の技術では、課題が要素分解された際、それぞれの要素(タスク)が別システムで実行される。
【0054】
例えば、図4(a)に示すように、既存のFAQボット(bot)は、ユーザUの端末170の表示画面401上で、FAQ処理により、ユーザUの問い合わせQ1「パスワードを忘れた」に対し、回答A1「こちらのサイトで再発行をお申し込みください。http://xxxx.xxx/xxx」を表示し、FAQボット(bot)による処理は終了する。
【0055】
この後、図4(b)に示すように、ユーザUは、回答A1に記載のアドレスをクリックする等アクションを行い、FAQボット(bot)とは異なる他のシステムにアクセスし、新たな表示画面411上に表示されるパスワード再発行申請の画面G上でパスワード再発行の申請を行わねばならない。
【0056】
既存の技術では、他のシステムは、FAQボットで行ったFAQ処理での情報を引き継いでおらず、ユーザUは、個人情報の再入力等、ユーザ認証にかかる処理から再度実行する必要があり手間がかかる。
【0057】
図5は、実施の形態にかかる申込受付FAQ支援装置によるマルチ指向型対話処理を説明する図である。申込受付FAQ支援装置100は、ユーザUとの対話によりユーザUの目的にあわせたゴール(結果)の変化に、シームレスに対応できるものであり、ユーザUのマルチ指向型の対話処理を行う。
【0058】
ユーザUの問い合わせQ1「パスワードを忘れた」に対し、FAQ支援装置100(FAQボット110)は対話により、ユーザUが目的M1「解決策を知りたい」という場合には、対応して「パスワードを再発行する必要があること、パスワード再発行のしかたがわかる」回答A1をユーザUに返答する。
【0059】
この回答A1を得た後において、ユーザUは目的が変化する。図5の例の場合、回答A1を得たユーザUは、問い合わせQ2「パスワードを再発行したい」としたとする。この場合、申込受付FAQ支援装置100は、新たな目的M2である「解決策を(具体的に)実施したい」に対応して、「パスワードの再発行を申請する」ための回答A2をユーザUに返答する。
【0060】
新たな目的M2でユーザUが「パスワードを再発行したい」との問い合わせQ2を行った場合、申込受付FAQ支援装置100は、それまでの目的M1に関するFAQの処理を、新たな目的M2に対応した処理に切り替える。この場合、申込受付FAQ支援装置100は、新たな問い合わせQ2に対応した外部サービス150による処理にシームレスに切り替える。このように、申込受付FAQ支援装置100は、ユーザUの目的M1,M2の変化にそれぞれ対応したゴール(結果)A1,A2を返答でき、目的の変化に柔軟に対応できる。
【0061】
図6は、既存のFAQボットによる回答例を示す図である。図6は実施の形態(図5)との対比のための図である。例えば、図6(a)に示すように、既存のFAQボット(bot)は、ユーザUのある一つのタスク、問い合わせQ1「パスワードを忘れた」に対し、「パスワードを再発行する必要があること、パスワード再発行のしかたがわかる」回答A1をユーザUに返答し、FAQボット(bot)による処理は終了する。
【0062】
この後、図6(b)に示すように、ユーザUは、次の別のタスク、すなわち、回答A1に基づき、FAQボット(bot)とは異なる他のシステム(Webサイト601)にアクセスし、「パスワードを再発行したい」との問い合わせQ2を入力し、対応して表示されるパスワード再発行申請の画面G上でパスワード再発行の申請を行う。この場合、FAQボット(bot)とは異なる他のシステム(Webサイト601)が、「パスワードの再発行を申請する」回答A2に基づく処理を行う。
【0063】
既存の技術では、FAQボット(bot)は、ある一つのタスクに関してのみ回答Q1をユーザUに返答する。この場合、FAQボット(bot)は、回答Q1に基づく別のタスクであるQ2の処理に対応できない。別のタスクであるQ2の処理は、FAQボット(bot)と異なる他のシステム(Webサイト601)で対応しなければならない。このように、既存の技術では、ユーザUとシステムで一つのタスクに対し一つの結果(ゴール)に至る対話を行うため、一つの結果に関連する別のタスクに対応できない。このため、一つの結果に関連する別のタスクの処理は、他のシステム(Webサイト601)が実行するため、ユーザUにタスク処理のための操作を要求することとなり、ユーザUに煩わしさを与える。
【0064】
図7は、実施の形態にかかるFAQから申込みへの処理の切り替えを説明する図表である。申込受付FAQ支援装置100は、ある目的M1のFAQの処理から他の目的M2である申込みへの処理への切り替えは、FAQでの回答が一つに絞り込まれたとき、あるいは回答からの誘導、あるいはユーザUに対し申込みが可能なウィジェット(ポップアップ)表示、等に基づき行い、いずれもシナリオデータベース130の設定に基づき切り替える。
【0065】
申込受付FAQ支援装置100は、チャット設定情報700に、予めユーザUからの粗大ごみに関するFAQに関する処理に関連するデータD1と、ユーザUによる粗大ごみの申込みに関する処理に関連するデータD2を設定しておく。チャット設定情報700は、ユーザUが操作入力する問い合わせに相当するチャット文(スタンプ等)701と、申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)が問い合わせに対応する返答文702(スタンプ等)と、を含む。
【0066】
ユーザUが粗大ごみの出し方のFAQの問い合わせ(目的M1)において、例えば、ユーザUが問い合わせQ3として「どういうものが粗大ごみですか」に対し、FAQボット110は、「原則、縦、横、高さのいずれかが1メートル以上あれば、粗大ごみとなります。…」と返答A3を行う。
【0067】
この後、ユーザUが「申込み」の問い合わせQ4を入力したとする。この場合、申込受付FAQ支援装置100は、「申込み」の問い合わせQ4を契機として、目的M1である粗大ごみの出し方のFAQの処理から、他の目的M2である粗大ごみの申込みへの処理への切り替えを行う。
【0068】
そして、ユーザUが「申込みはどのようにすればいいでしょうか」の問い合わせQ5を入力したとする。この問い合わせQ5の入力に対応して、申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)は、「電話あるいはこのチャットで受け付けています。…」と返答A5を行う。このように、図7に示す例では、申込受付FAQ支援装置100は、目的M1である粗大ごみの出し方のFAQの処理から、他の目的M2である粗大ごみの申込みへの処理への切り替えは、FAQの処理からの誘導で行っている。なお、ユーザUによる問い合わせQ4,Q5の入力は、直前に申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)が問い合わせQ4,Q5に対応するスタンプをユーザUの端末170に送信することで行ってもよい(例えば、図13A参照)。
【0069】
そして、申込受付FAQ支援装置100は、粗大ごみの申込みに関する処理のシナリオT5「(#hearing)_oversized_trash」を実行開始する。以降、申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)は、粗大ごみの申込みの処理を実行し、ユーザUから粗大ごみやユーザUの個人情報を収集する。
【0070】
図8は、実施の形態にかかる申込受付にかかるデータ処理内容の説明図である。図8の例では、ユーザUが粗大ごみの出し方に対するFAQの処理後の粗大ごみの申込みに関する各データの画面を示す。
【0071】
申込受付FAQ支援装置100の制御によって、ユーザUの端末170の表示画面800上には、ユーザUの粗大ごみの申込みを受け付ける自治体の粗大ごみの出し方に関する画面が表示されている。この表示画面800上には、申込受付FAQ支援装置100によるFAQの処理に続く粗大ごみの申込画面810がポップアップ表示されている。
【0072】
申込受付FAQ支援装置100は、管理画面820上に申込みに関しユーザUからのヒアリング項目830に基づき、粗大ごみの申込みに関する機能を実行する。
【0073】
申込受付FAQ支援装置100は、ユーザUからある目的M1「粗大ごみの出し方」に関するFAQの処理実行後、ユーザUの目的が目的M2「粗大ごみの申込み」への変化を検出すると、粗大ごみの申込みに関する処理を実行する。以下、主に外部サービス150が粗大ごみの申込受付におけるデータ処理を手順に沿って説明する。
【0074】
(1)申込受付FAQ支援装置100は、粗大ごみの申込みに関する提携のヒアリング項目を予め表形式ファイルに定義し、管理画面820上で登録する(ステップS801)。
(2)申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)は、定義されたヒアリング項目830を順番にユーザUの端末170に送信し、ユーザUから粗大ごみの申込みに必要な情報をヒアリングする(ステップS802)。FAQボット110は、ユーザUの端末170の申込画面810上でチャット形式により粗大ごみの申込みの情報入力を受ける。
【0075】
(3)申込受付FAQ支援装置100は、ヒアリング項目ごとにユーザUが入力した粗大ごみの申込みの情報を図示しないデータベースに保存する(ステップS803)。
(4)申込受付FAQ支援装置100は、データベースに保存した粗大ごみの申込みに関してヒアリングした受付記録データ840を保持し、表形式ファイルとして出力(ダウンロード)する(ステップS804)。
【0076】
図9は、実施の形態にかかる申込受付で用いるヒアリング項目例を示す図表である。図7で説明した粗大ごみの申込みに関するシナリオT5(図7の「_oversized_trash」)で用いる申込受付FAQ支援装置100が定義するヒアリング項目830の例を示す。
【0077】
ヒアリング項目830は、項目名、質問メッセージ、選択肢、次の項目からなる。項目名は、粗大ごみの申込みに関する各種項目であり、ユーザUが申し込む粗大ごみに関する「品名」、「氏名」、「郵便番号」、「住所」、「電話番号」、「メールアドレス」、「備考」等を含む。これら「品名」~「備考」の項目は受付記録データ840を出力する際の1行目のタイトルとなる。
【0078】
例えば、申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)は、ユーザUに対してはじめに「品名」を具体的に質問メッセージ「対象の品物の名前を教えてください。…」とのチャット文を送信し、ユーザUからの入力があると、次の項目に設定されている「氏名」を具体的に質問メッセージ「お名前を教えて下さい。」のチャット文を送信する。
【0079】
また、申込受付FAQ支援装置100は、「住所」の質問メッセージを送信する際、直前の質問「郵便番号」に基づき、外部サービス(外部API)150を呼び出し、郵便番号から住所の情報を得る。この場合の外部サービス150は、{getData(’XXX’,’郵便番号’,’address)}の入力データを受けると、郵便番号に対応する住所を検索して申込受付FAQ支援装置100に返答する。
【0080】
申込受付FAQ支援装置100は、「品名」~「備考」の各項目をユーザUに問い合わせ、ユーザUによる入力が完了したと判断すると(図9の例では備考の問い合わせに対し、ユーザUが「特になし」との入力時)、完了メッセージをユーザUに送信する。この際、申込受付FAQ支援装置100は、申込処理の状態に応じて、申込完了「_success」または、申込失敗「_failure」をユーザUに送信する。
【0081】
図10図11は、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による外部サービスとの連携の説明図である。図10には、粗大ごみの申込みに関する処理を外部サービス150と連携させた例を示す。図10に示す外部サービス150は、例えば、粗大ごみを収集する自治体が管理する管理サーバやクラウド等である。
【0082】
図10(a)に示すように、申込受付FAQ支援装置100は、ユーザUによる粗大ごみの申込みを検出すると、HTTP POSTにより粗大ごみの申込みを受け付けた受付データを外部サービス150に送信する。申込受付FAQ支援装置100は、外部サービス150のURLアドレス宛てに受付データを送信し、(ステップS1001)、外部サービス150は正常受付時には受付番号を返答し、受付エラー時には受付エラーを返答する(ステップS1002)。
【0083】
図10(b)に示すように、申込受付FAQ支援装置100は、環境設定情報1001に外部サービス150のURLアドレス(値)が設定されている。
【0084】
図10(c)に示すように、申込受付FAQ支援装置100は、ヒアリング項目830に予め設定された、申込み対応の回答として登録中「ot_complete」、申込完了「_success」、申込失敗「_failure」の各項目にそれぞれ対応する質問メッセージをユーザUに返答する。
【0085】
図11には、粗大ごみの申込時の住所検索に関する処理を外部サービス150と連携させた例を示す。図11(a)に示すように、申込受付FAQ支援装置100は、ユーザUによる粗大ごみの申込時に入力された「郵便番号」を、HTTP GETにより外部サービス150から郵便番号対応の住所を取得する。図11に示す外部サービス150は、例えば、郵便番号を住所に変換するサービスを提供する管理サーバやクラウド等である。申込受付FAQ支援装置100は、外部サービス150のURLアドレス宛てに「郵便番号」の情報を送信し、(ステップS1101)、外部サービス150から郵便番号に対応する住所検索結果を取得する(ステップS1102)。
【0086】
図11(b)に示すように、申込受付FAQ支援装置100は、環境設定情報1101に外部サービス150のURLアドレス(値)が設定されている。
【0087】
図11(c)に示すように、申込受付FAQ支援装置100は、ヒアリング項目830に予め設定された、「郵便番号」の問い合わせ後、「住所」の問い合わせ時に、外部サービス150から取得した住所をチャット文に埋め込む形でユーザUに通知する。これにより、ユーザU側での住所入力にかかる操作を簡素化できる。
【0088】
図12は、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による受付記録データの例を示す図表である。受付記録データ840は、粗大ごみの申込みの処理結果であり、受付番号、受付時刻、品名、氏名、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、備考、チェック、の各項目を含む。申込受付FAQ支援装置100は、定義したヒアリング項目830の各項目のほかに、自動採番した受付番号、受付時刻、チェックを付加して記録保持する。例えば、チェックした受付番号の内容を表形式で外部出力できる。
【0089】
図13A図13Fは、実施の形態の申込受付FAQ支援装置による申込みの処理のチャット画面例を示す図である。申込受付FAQ支援装置100(CPU201)の制御によりユーザUの端末170上に表示される申込画面810の例を示す。ここで、申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)側の問い合わせ(出力)表示は「A」、ユーザU側のスタンプの選択による回答(入力)表示は「Q」で示す。
【0090】
はじめに、図13Aに示すように、申込受付FAQ支援装置100(FAQボット110)のCPU201は、ユーザUの目的M1(粗大ごみの出し方)のFAQの処理で絞られた「対象」と「申込み」の出力A11を行ったとする。CPU201は、この出力A11に対するユーザUの選択用の「対象」と「申込み」のボタンa11を表示する。ここで、ユーザUが「申込み」のボタンa11を選択したとする。ユーザUによる「申込み」ボタンa11の選択により、「申込み」の入力Q11が表示される。
【0091】
ここで、CPU201は、ユーザUによる「申込み」の入力Q11により、ユーザUが目的M1(粗大ごみの出し方)に関するFAQの処理が終了したと判断する。そして、CPU201は、ユーザUに対し、目的M1(粗大ごみの出し方)に関連して予め設定された他の目的M2(粗大ごみの申込み)の処理に切り替え、以降、CPU201は、粗大ごみの申込みに関する処理を実行する。
【0092】
例えば、CPU201は、「申込み」に対する検索結果の出力A12を表示し、出力A12に対応してユーザUの選択用の「申込みはどのようにすればいいでしょうか?」と「電話で申込みできますか?」のボタンa12を案内表示する。ここで、ユーザUが「申込みはどのようにすればいいでしょうか?」のボタンa12を選択した場合、「申込みはどのようにすればいいでしょうか?」の入力Q12が表示される。
【0093】
そして、図13Bに示すように、CPU201は、「申込みはどのようにすればいいでしょうか?」に対する検索結果の出力A13を表示する。CPU201は、出力A13が最後の回答に相当する場合「お聞きになりたい回答を得ることはできましたか?」との出力A14を表示し、ユーザUの選択用の「はい」と「いいえ」のボタンa14を表示する。ここで、ユーザUが「はい」のボタンa14を選択した場合、「はい」の入力Q15が表示される。
【0094】
次に、CPU201は、ユーザUに対し、「このままチャットでお申し込みしますか?」との出力A15と、ユーザU選択用の「はい」、「いいえ」のボタンa15を表示する。ここで、ユーザUが「はい」のボタンa15を選択した場合、「はい」の入力Q14が表示される。そして、CPU201は、それまで行っていた目的M1(粗大ごみの出し方)のFAQの処理を、目的M2(粗大ごみの申込み)の処理に切り替える。
【0095】
そして、図13Cに示すように、CPU201は、以降粗大ごみに関する情報をユーザUから収集し、まず、「対象の品物」の出力A16を表示し、出力A16に対応してユーザUは対象品物として「電子レンジ」を文字入力し、入力Q16が表示される。ここで、CPU201は、粗大ごみの分類を絞って対象品物の特定に至るスタンプをユーザUに順次表示してもよく、この場合、ユーザUは文字入力が不要でスタンプ選択により簡単に対象品物を特定できる。次に、CPU201は、ユーザUの「名前」の出力A17を表示し、出力A17に対応してユーザUは、自分の名前を文字入力し、入力Q17が表示される。
【0096】
この後、図13Dに示すように、CPU201は、「郵便番号」の出力A18を表示し、出力A18に対応してユーザUは、居所の郵便番号を文字入力し、入力Q18が表示される。
【0097】
ここで、CPU201は、外部サービス(外部API)150を呼び出し、郵便番号に対応した住所の情報を得て、住所の出力A19を表示する。この際、CPU201は、出力A19上で、取得した住所に続く番地や建物の入力を促す。出力A19に対応してユーザUは、住所の番地を入力し、入力Q19が表示される。
【0098】
次に、CPU201は、ユーザUの「電話番号」の出力A20を表示し、出力A20に対応してユーザUは、自分の電話番号を文字入力し、入力Q20が表示される。
【0099】
この後、図13Eに示すように、CPU201は、ユーザUの「メールアドレス」の出力A21を表示し、出力A21に対応してユーザUは、自分のメールアドレスを文字入力し、入力Q21が表示される。ところで、CPU201は、申込画面810上で申し込みの状態の経過状態1301を出力Aと共に表示する。経過状態1301の表示は、FAQ開始時点「すべて」、申込開始時点「申込み」、…、現在のメールアドレス入力時点「メールアドレス」を項目表示することで、選択した項目の処理に手戻りできる。
【0100】
申込み処理に関して予め定めた情報をすべて収集すると、CPU201は、ユーザUに対し、備考「コメント」の有無の出力A22と、ユーザU選択用の「特になし」のボタンa22を表示する。ここで、ユーザUが「特になし」のボタンa22を選択した場合、「特になし」の入力Q22が表示される。ユーザUが何らかのコメントを文字入力した場合には、このコメントが入力Q22として表示される。
【0101】
次に、図13Fに示すように、CPU201は、申込みの処理でユーザUから収集した粗大ごみやユーザの情報を一覧化した出力A23を、ユーザU確認用の「問題なし」、「やりなおし」のボタンa23と共に表示する。ここで、ユーザUが「問題なし」のボタンa23を選択した場合、「問題なし」の入力Q23が表示される。ユーザUが「やりなおし」のボタンa23を選択した場合、経過状態1301の項目選択等により、選択した項目の処理に手戻りできる。
【0102】
そして、CPU201は、「申込みが完了」した出力A24を表示する。CPU201は、申込みの受付番号を発行して、データベースに記録するとともに出力A24に表示する。そして、CPU201は、申込内容(出力A23相当)を外部サービス150(自治体の管理サーバ等)に送信し、以上の粗大ごみの申込みにかかる処理を終了する。
【0103】
図14は、実施の形態の申込受付FAQ支援装置によるFAQおよび申込みの処理例を示すフローチャートである。申込受付FAQ支援装置100のCPU201の実行処理例を示す。
【0104】
はじめに、CPU201は、ユーザUに対しFAQの問い合わせをチャットで回答する(ステップS1401)。このチャットでは、チャットボットにより、予め想定したユーザUからの問い合わせに対応する回答を行うことを繰り返す。チャットの繰り返しにより(ステップS1402:Noのループ)、最終的な回答出力が得られ、FAQの処理が終了する(ステップS1402:Yes)。この後、CPU201は、FAQの処理に関連する申込みの処理に移行する(ステップS1403)。
【0105】
例えば、FAQの処理は上述した「粗大ごみの出し方」であり、申込みの処理は上述した「粗大ごみの申込み」である。
【0106】
この後、CPU201は、ユーザUに対し申込みの情報をチャットで収集する(ステップS1404)。申込みの情報をチャットで収集する際、CPU201は、外部サービス150にアクセスして必要な情報の補完等を行うことができる。
【0107】
CPU201は、申込みの情報をチャットで収集することを繰り返し(ステップS1405:Noのループ)、申込みの情報をすべて収集すると(ステップS1405:Yes)、申込みの処理を終了し(ステップS1406)、以上の一連の処理を終了する。また、CPU201は、ステップS1406の処理で収集した申込みの情報を該当する申込先の外部サービス150に送信してもよい。
【0108】
以上説明した実施の形態の申込受付FAQ支援装置によれば、ユーザからの問い合わせと、当該問い合わせに関連する回答の文言を想定したFAQ情報に基づくチャットを行い、チャットの繰り返しにより得たユーザからの問い合わせの際、この問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨をユーザに提示し、ユーザによる申込みの指示に基づき、当該申込みに必要な情報をチャットにより収集する制御部を備える。これにより、ユーザの当初の目的で問い合わせに対する回答を得ることができ、かつ、ユーザの指示によって回答のみで終了せずに、当初の目的に関連する他の目的である申込みの処理についてもシームレスに実行できるようになる。
【0109】
また、申込受付FAQ支援装置は、回答が一つに絞り込まれたとき、あるいは回答からの誘導を契機として、問い合わせに関連する所定の申込みが可能な旨をユーザに提示する。これにより、問い合わせの回答を得た後、この問い合わせに関連する申込みを円滑に実行できるようになる。
【0110】
また、申込受付FAQ支援装置は、ユーザへの回答とともに問い合わせの候補となる画像化したスタンプを複数送信し、ユーザによるスタンプの選択に基づき、ユーザからの問い合わせを得る。これにより、ユーザは、問い合わせおよび申込みの処理をスタンプ選択で簡単に操作できるようになる。
【0111】
また、申込受付FAQ支援装置は、ユーザから収集した申込みに必要な情報を外部サービスに送信し、外部サービスによって申込みに必要な情報を補完する。これにより、申込みにかかる処理負担を軽減でき、ユーザの入力の手間も省くことができるようになる。
【0112】
また、申込受付FAQ支援装置は、ユーザから収集したすべての申込みの情報を、申込先の外部サービスに送信する。これにより、問い合わせおよび申込みの処理を申込受付FAQ支援装置が実行でき、申込みに必要な情報をまとめて該当する事業者側に送信でき、事業者側の処理負担を軽減でき、ユーザにおいても問い合わせ~申込みまでをシームレスに行えるため、情報の再入力を不要にできる。
【0113】
上述した実施の形態では、粗大ごみに関するユーザからの問い合わせを受けるFAQを例に説明したが、本願発明は、粗大ごみに限らず、各種問い合わせおよび回答による業務遂行に適用できる。例えば、外食産業の複数店舗における定期的な品質管理の問い合わせおよび回答による品質管理とこれに関連する報告、飲食店に関する問い合わせと予約、観光の問い合わせと各種施設の予約等、多様な業務に適用することができる。
【0114】
なお、本実施の形態で説明した申込受付FAQ支援にかかるプログラムは、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現することができる。また、このプログラムは、半導体メモリ、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0115】
以上のように、本発明は、チャットサービスを用いたFAQとFAQに関連する各種申込みを支援する装置や支援システムへの適用に有用である。
【符号の説明】
【0116】
100 申込受付FAQ支援装置
110 FAQボット
120 FAQデータベース(DB)
130 シナリオデータベース(DB)
150 外部サービス(外部API)
170 端末
201 CPU
202 ROM
203 RAM
211 通信I/F
D FAQデータファイル
S 設定ファイル(登録フォーム/申込フォーム)
U ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図14