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特開2022-36863着信拒否システム、通話内容分析サーバ、着信拒否制御装置、および、着信拒否設定方法
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  • 特開-着信拒否システム、通話内容分析サーバ、着信拒否制御装置、および、着信拒否設定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036863
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】着信拒否システム、通話内容分析サーバ、着信拒否制御装置、および、着信拒否設定方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/436 20060101AFI20220301BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
H04M3/436
H04M3/42 Q
H04M3/42 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141290
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】馬場 佳宏
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA07
5K201BC19
5K201BC23
5K201BC29
5K201DC04
5K201DC05
5K201EC06
(57)【要約】
【課題】電話を利用した迷惑・不正行為をより効率よく防止することができる技術を提供する。
【解決手段】通話内容分析サーバ2は、着信拒否制御装置1から発信元番号とともに受信した受話信号を音声認識処理によりテキストデータに変換し、人工知能の判定処理によりこのテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為に該当するか否かを判断する。そして、迷惑・不正行為に該当すると判断したならば、受話信号および発信元番号の送信元である着信拒否制御装置1を含むすべての着信拒否制御装置1に、発信元番号を着信拒否番号とする着信拒否番号通知を送信する。また、着信拒否制御装置1は、通話内容分析サーバ2から着信拒否番号を受信すると、着信拒否番号を自装置1に設定するとともに、この着信拒否番号の電話端末6と通話中ならばユーザに注意喚起する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話を利用した迷惑・不正行為の防止を支援する着信拒否システムであって、
電話端末毎に設けられた着信拒否制御装置と、
通話内容を分析して電話を利用した迷惑・不正行為の可能性を判断する通話内容分析サーバと、を備え、
前記着信拒否制御装置は、
呼が着信した場合に、当該呼の発信元番号が着信拒否番号に設定されているならば、自装置に対応する前記電話端末に当該呼を着信させることなく、着信拒否を返信し、着信拒否番号に設定されていないならば、自装置に対応する前記電話端末に当該呼を着信させる着信制御手段と、
前記着信制御手段により自装置に対応する前記電話端末に着信させた呼に当該電話端末が着信応答して通話を開始した場合に、当該電話端末の受話信号を当該呼の発信元番号とともに前記通話内容分析サーバに送信する通話信号送信手段と、
前記通話内容分析サーバより着信拒否番号を受信した場合に、当該着信拒否番号を前記着信制御手段に設定するとともに、自装置に対応する前記電話端末が当該着信拒否番号の通話相手と通話中であるならば、注意喚起出力を行う着信拒否設定手段と、を有し、
前記通話内容分析サーバは、
前記着信拒否制御装置から前記受話信号を前記発信元番号とともに受信した場合に、当該受話信号を、音声認識処理により、通話内容を表すテキストデータに変換する音声認識手段と、
人工知能の学習処理により予め作成された学習済みモデルを用いて、人工知能の判定処理により、前記音声認識手段により得られたテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した詐欺に該当するか否かを判断する通話内容判断手段と、
前記通話内容判断手段により、前記音声認識手段により得られたテキストデータが表す通話内容が電話を利用した迷惑・不正行為に該当すると判断された場合に、前記着信拒否制御装置から前記受話信号とともに受信した前記発信元番号を、着信拒否番号として、当該着信拒否制御装置を含むすべての前記着信拒否制御装置に通知する着信拒否番号通知手段と、を有する
ことを特徴とする着信拒否システム。
【請求項2】
請求項1に記載の着信拒否システムであって、
前記通話内容分析サーバは、
前記テキストデータが表す通話内容が電話を利用した迷惑・不正行為に該当すると前記通話内容判断手段により判断された場合に、前記音声認識手段により当該テキストデータに変換された受話信号から抽出された声紋情報を記憶する声紋情報記憶手段と、
前記着信拒否制御装置から前記受話信号を前記発信元番号とともに受信した場合に、当該受話信号から声紋情報を抽出して、当該声紋情報が前記声紋情報記憶手段に記憶されている声紋情報と整合するか否かを分析する声紋分析手段と、をさらに有し、
前記通話内容判断手段は、
前記声紋分析手段により、前記発信元番号とともに前記着信拒否制御装置から受信した受話信号から抽出された前記声紋情報が、前記声紋情報記憶手段に記憶されている声紋情報と整合しないと分析された場合に、前記音声認識手段により得られた前記テキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為に該当するか否かを判断し、
前記着信拒否番号通知手段は、
前記声紋分析手段により受話信号から抽出された声紋情報が、前記声紋情報記憶手段に記憶されている声紋情報と整合すると分析された場合、あるいは、前記通話内容判断手段により、前記音声認識手段により当該受話信号から変換されたテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為に該当すると判断された場合に、前記着信拒否制御装置から当該受話信号とともに受信した前記発信元番号を、着信拒否番号として、当該着信拒否制御装置を含むすべての前記着信拒否制御装置に送信する
ことを特徴とする着信通知システム。
【請求項3】
請求項2に記載の着信通知システムであって、
前記声紋分析手段は、
前記着信拒否制御装置から前記受話信号を前記発信元番号とともに受信した場合に、当該受話信号から声紋情報を話者毎に抽出し、話者毎に抽出された声紋情報の少なくとも一つが前記声紋情報記憶手段に記憶されている声紋情報と整合するか否かを分析し、
前記声紋情報記憶手段は、
前記テキストデータが表す通話内容が電話を利用した迷惑・不正行為に該当すると前記通話内容判断手段により判断された場合に、前記音声認識手段により当該テキストデータに変換された受話信号から話者毎に抽出された声紋情報を記憶し、
前記着信拒否番号通知手段は、
前記声紋分析手段により前記受話信号から話者毎に抽出された声紋情報の少なくとも一つが前記声紋情報記憶手段に記憶されている声紋情報と整合すると分析された場合、あるいは、前記音声認識手段により当該受話信号から変換されたテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為に該当すると前記通話内容判断手段により判断された場合に、前記着信拒否制御装置から当該受話信号とともに受信した前記発信元番号を、着信拒否番号として、当該着信拒否制御装置を含むすべての前記着信拒否制御装置に送信する
ことを特徴とする着信通知システム。
【請求項4】
電話端末毎に設けられた着信拒否制御装置から発信元番号とともに送られてくる受話信号に基づいて、電話を利用した迷惑・不正行為の可能性を判断する通話内容分析サーバであって、
前記着信拒否制御装置から前記受話信号を前記発信元番号とともに受信した場合に、当該受話信号を、音声認識処理により、通話内容を表すテキストデータに変換する音声認識手段と、
人工知能の学習処理により予め作成された学習済みモデルを用いて、人工知能の判定処理により、前記音声認識手段により得られたテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為に該当するか否かを判断する通話内容判断手段と、
前記音声認識手段により得られたテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為に該当すると前記通話内容判断手段により判断された場合に、前記着信拒否制御装置から前記受話信号とともに受信した前記発信元番号を、着信拒否番号として、当該着信拒否制御装置を含むすべての前記着信拒否制御装置に通知する着信拒否番号通知手段と、を有する
ことを特徴とする通話内容分析サーバ。
【請求項5】
電話端末の着信拒否を制御する着信拒否制御装置であって、
前記電話端末を宛先とする呼が着信した場合に、当該呼の発信元番号が着信拒否番号に設定されているならば、当該呼を前記電話端末に着信させることなく、着信拒否を返信し、着信拒否番号に設定されていないならば、当該呼を前記電話端末に着信させる着信制御手段と、
前記着信制御手段により前記電話端末に着信させた呼に前記電話端末が着信応答して通話を開始した場合に、前記電話端末の受話信号を当該呼の発信元番号とともに、電話を利用した迷惑・不正行為の可能性を判断する通話内容分析サーバに送信する通話信号送信手段と、
前記通話内容分析サーバより着信拒否番号を受信した場合に、当該着信拒否番号を前記着信制御手段に設定するとともに、前記電話端末が当該着信拒否番号の通話相手と通話中であるならば、注意喚起出力を行う着信拒否設定手段と、を有する
ことを特徴とする着信拒否制御装置。
【請求項6】
電話端末毎に設けられた着信拒否制御装置と、通話内容を分析して電話を利用した迷惑・不正行為の可能性を判断する通話内容分析サーバと、を用いて、電話を利用した迷惑・不正行為の防止を支援する着信拒否設定方法であって、
前記着信拒否制御装置は、
呼が着信した場合に、当該呼の発信元番号が着信拒否番号に設定されているならば、当該呼を自装置に対応する前記電話端末に着信させることなく、着信拒否を返信し、前記着信拒否番号に設定されていないならば、当該呼を自装置に対応する前記電話端末に着信させ、
自装置に対応する前記電話端末に着信させた呼に当該電話端末が着信応答して通話を開始した場合に、当該電話端末の受話信号を当該呼の発信元番号とともに前記通話内容分析サーバに送信し、
前記通話内容分析サーバより着信拒否番号を受信した場合に、当該着信拒否番号を設定するとともに、自装置に対応する前記電話端末が当該着信拒否番号の通話相手と通話中であるならば、注意喚起出力を行い、
前記通話内容分析サーバは、
前記着信拒否制御装置から前記受話信号を前記発信元番号とともに受信した場合に、当該受話信号を、音声認識処理により、通話内容を表すテキストデータに変換し、
人工知能の学習処理により予め作成された学習済みモデルを用いて、人工知能の判定処理により、前記音声認識処理により得られた前記テキストデータが表す通話内容が、電話を利用した詐欺に該当するか否かを判断し、
前記音声認識処理により得られたテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為に該当すると判断された場合に、前記着信拒否制御装置から前記受話信号とともに受信した前記発信元番号を、着信拒否番号として、当該着信拒否制御装置を含むすべての前記着信拒否制御装置に通知する
ことを特徴とする着信拒否方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話端末に対する着信拒否設定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電話を利用した詐欺の防止を支援する特定電話通知システムが開示されている。
【0003】
この特定電話通知システムにおいて、特定通話通知装置は、発信端末および着信端末間の通話内容を音声認識装置に送信し、音声認識装置は、この通話内容を音声認識処理によりテキストデータに変換して特定通話通知装置に送信する。そして、特定通話通知装置は、このテキストデータを通話内容分析装置に送信する。通話内容分析装置は、人工知能の学習処理により予め作成された学習済みモデルを用いて、人工知能の判定処理により、特定通話通知装置から受け取ったテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した詐欺に該当するか否かを判断し、該当すると判断したならば、その旨を特定通話通知装置に送信する。これを受けて、特定通話通知装置は、発信端末から着信端末への電話が詐欺の可能性があることを通知先端末に通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-153961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の特定電話通知システムによれば、通知先端末を、着信端末のユーザが所有する端末に設定することにより、着信端末のユーザに、発信端末からの電話が、電話を利用した詐欺の可能性があることを迅速に知らせることができる。これにより、着信端末のユーザは、着信端末に発信端末の電話番号を着信拒否設定するなどの対策を講じることができる。
【0006】
しかしながら、着信端末以外の端末を使用するユーザは、発信端末からの電話が、電話を利用した詐欺の可能性があることを知らないため、この発信端末からの着信に応答してしまう可能性がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電話を利用した嫌がらせや詐欺等の迷惑・不正行為をより効率よく防止することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明では、電話端末各々に着信拒否制御装置を外付けあるいは内蔵する。着信拒否制御装置は、呼が着信した場合、その発信元番号が着信拒否番号に設定されているならば、その呼を電話端末に着信させることなく、着信拒否を返信し、発信元番号が着信拒否番号に設定されていないならば、その呼を電話端末に着信させる。そして、電話端末が着信応答し、通話を開始したならば、電話端末の受話信号を発信元番号とともに通話内容分析サーバに送信する。通話内容分析サーバは、着信拒否制御装置から受話信号を発信元番号とともに受信すると、この受話信号を、音声認識処理により、通話内容を表すテキストデータに変換する。そして、人工知能の学習処理により予め作成された学習済みモデルを用いて、人工知能の判定処理により、テキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為に該当するか否かを判断し、該当すると判断したならば、受話信号および発信元番号の送信元である着信拒否制御装置を含むすべての着信拒否制御装置に、発信元番号を着信拒否番号として通知する。これを受けて、着信拒否制御装置は、着信拒否番号を設定するとともに、着信拒否番号の通話相手と通話中ならば、所定の表示器を点灯する、警告音を出力する等によりユーザに注意喚起する。
【0009】
例えば、本発明は、
電話を利用した迷惑・不正行為の防止を支援する着信拒否システムであって、
電話端末毎に設けられた着信拒否制御装置と、
通話内容を分析して電話を利用した迷惑・不正行為の可能性を判断する通話内容分析サーバと、を備え、
前記着信拒否制御装置は、
呼が着信した場合に、当該呼の発信元番号が着信拒否番号に設定されているならば、自装置に対応する前記電話端末に当該呼を着信させることなく、着信拒否を返信し、着信拒否番号に設定されていないならば、自装置に対応する前記電話端末に当該呼を着信させる着信制御手段と、
前記着信制御手段により自装置に対応する前記電話端末に着信させた呼に当該電話端末が着信応答して通話を開始した場合に、当該電話端末の受話信号を当該呼の発信元番号とともに前記通話内容分析サーバに送信する通話信号送信手段と、
前記通話内容分析サーバより着信拒否番号を受信した場合に、当該着信拒否番号を前記着信制御手段に設定するとともに、自装置に対応する前記電話端末が当該着信拒否番号の通話相手と通話中であるならば、注意喚起出力を行う着信拒否設定手段と、を有し、
前記通話内容分析サーバは、
前記着信拒否制御装置から前記受話信号を前記発信元番号とともに受信した場合に、当該受話信号を。音声認識処理により、通話内容を表すテキストデータに変換する音声認識手段と、
人工知能の学習処理により予め作成された学習済みモデルを用いて、人工知能の判定処理により、前記音声認識手段により得られたテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した詐欺に該当するか否かを判断する通話内容判断手段と、
前記通話内容判断手段により、前記音声認識手段により得られたテキストデータが表す通話内容が電話を利用した迷惑・不正行為に該当すると判断された場合に、前記着信拒否制御装置から前記受話信号とともに受信した前記発信元番号を、着信拒否番号として、当該着信拒否制御装置を含むすべての前記着信拒否制御装置に通知する着信拒否番号通知手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明において、通話内容分析サーバは、着信拒否制御装置から発信元番号とともに受信した受話信号を音声認識処理によりテキストデータに変換し、人工知能により、このテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為に該当するか否かを判断する。そして、迷惑・不正行為に該当すると判断したならば、受話信号および発信元番号の送信元である着信拒否制御装置を含むすべての着信拒否制御装置に、発信元番号を着信拒否番号として送信する。また、着信拒否制御装置は、通話内容分析サーバから着信拒否番号を受信すると、着信拒否番号を自装置に設定するとともに、この着信拒否番号の通話相手と通話中ならばユーザに注意喚起する。このため、詐欺、悪質な勧誘、嫌がらせ等の迷惑・不正行為を目的とした電話があった電話端末以外の電話端末においても、この電話と同じ電話番号からの呼を着信拒否することができる。したがって、本発明によれば、電話を利用した迷惑・不正行為をより効率よく防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る着信拒否システムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る着信拒否システムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係る着信拒否システムの動作例を説明するためのシーケンス図であり、図2の続きである。
図4図4は、着信拒否制御装置1の概略機能構成図である。
図5図5は、着信拒否制御装置1の着信処理を説明するためのフロー図である。
図6図6は、着信拒否制御装置1の着信拒否設定処理を説明するためのフロー図である。
図7図7は、通話内容分析サーバ2の概略機能構成図である。
図8図8は、通話内容分析サーバ2の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る着信拒否システムの概略構成図である。
【0014】
図示するように、本実施の形態に係る着信拒否システムは、電話端末3-1~3-n(以下、単に電話端末3とも呼ぶ)毎に設けられた着信拒否制御装置1-1~1-n(以下、着信拒否制御装置1とも呼ぶ)と、IP網5を介して着信拒否制御装置1-1~1-nに接続された通話内容分析サーバ2と、を備えて構成される。
【0015】
着信拒否制御装置1は、自装置1に対応する電話端末3と電話網4との間に設けられ、電話網4から着信した呼の発信元番号が着信拒否番号に設定されている場合、自装置1に対応する電話端末3にこの呼を着信させることなく電話網4に着信拒否を返信する。また、着信拒否制御装置1は、自装置1に対応する電話端末3に着信させた呼にこの電話端末3が着信応答して通話が開始されたならば、この電話端末3の受話信号を発信元電話番号とともに、IP網5を介して通話内容分析サーバ2に送信する。
【0016】
通話内容分析サーバ2は、着信拒否制御装置1から受話信号を発信元番号とともに受信すると、音声認識処理により、この受話信号を、通話内容を表すテキストデータに変換する。そして、人工知能の学習処理により予め作成された学習済みモデルを用いて、人工知能の判定処理により、テキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為(詐欺、悪質な勧誘、嫌がらせ等)に該当するか否かを判断し、該当すると判断したならば、受話信号および発信元番号の送信元である着信拒否制御装置1を含むすべての着信拒否制御装置1に、着信拒否番号として発信元番号を通知し、各着信拒否制御装置1に着信拒否番号を設定する。
【0017】
図2および図3は、本実施の形態に係る着信拒否システムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0018】
着信拒否制御装置1-1は、電話を利用した迷惑・不正行為を行おうとしている攻撃者の電話端末6から呼が着信すると(S100)、この呼の発信元番号が着信拒否番号として登録されているか否かをチェックする(S101)。そして、この呼の発信元番号が着信拒否番号として登録されていないことを確認すると、自装置1-1に対応付けられた電話端末3-1にこの呼を着信させる(S102)。そして、電話端末3-1がこの呼に着信応答して(S103)、この電話端末3-1と発信元である電話端末6との間で通話が開始されると(S104)、着信拒否制御装置1-1は、通話内容分析サーバ2に発信元番号を通知するとともに、通話内容分析サーバ2に対して、電話端末3-1の受話信号(電話端末6から電話端末3-1へ送られてくる通話信号)の送信を開始する(S105)。
【0019】
これを受けて、通話内容分析サーバ2は、着信拒否制御装置1-1から逐次送られてくる受話信号をバッファリングする。そして、ある程度バッファリングされたならば、このバッファリングされた受話信号から話者の声紋情報を抽出し(S106)、抽出した声紋情報と整合する声紋情報が攻撃者の声紋情報として登録されているか否かをチェックする(S107)。そして、抽出した声紋情報と整合する声紋情報が攻撃者の声紋情報として登録されていないことを確認すると、バッファリングされた受話信号に音声認識処理を施して、この受話信号をテキストデータに変換する(S108)。
【0020】
それから、通話内容分析サーバ2は、人工知能の学習処理により予め作成された学習済みモデルを用いて、人工知能の判定処理により、音声認識処理により得られたテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した迷惑・不正行為に該当するか否かを判断する(S109)。そして、電話を利用した迷惑・不正行為に該当すると判断すると、この受話信号の受信に先立って受信した発信元番号を着信拒否番号として含む着信拒否番号通知を、この発信元番号および受信信号の送信元である着信拒否制御装置1-1を含むすべての着信拒否制御装置1に送信する(S110)。また、通話内容分析サーバ2は、受信信号から抽出した話者の声紋情報を攻撃者の声紋情報として登録する(S111)。
【0021】
つぎに、通話内容分析サーバ2から着信拒否番号通知を受信した各着信拒否制御装置1は、着信拒否番号通知に含まれている着信拒否番号を自装置1に設定する(S112、S113)。また、着信拒否制御装置1-1は、自装置1-1に対応付けられた電話端末3-1が、この着信拒否番号通知に含まれている着信拒否番号を有する電話端末6と通話中であるならば、所定の表示器を点灯する、警告音を出力する等の注意喚起出力を行って、電話端末3-1のユーザに注意喚起する(S114)。これを受けて、電話端末3-1が、ユーザの指示に従い、攻撃者の電話端末6との通話を終了して呼を切断したものとする(S115)。
【0022】
その後、いずれの着信拒否制御装置1(例えば、着信拒否制御装置1-2)においても、攻撃者の電話端末6から呼が着信すると(S116)、この呼の発信元番号が着信拒否番号として登録されているか否かをチェックする(S117)。そして、この呼の発信元番号が着信拒否番号として登録されていることを確認すると、自装置1-2に対応付けられた電話端末3-2にこの呼を着信させることなく、電話網4に着信拒否を返信する。
【0023】
つぎに、本実施の形態に係る着信拒否システムを構成する着信拒否制御装置1および通話内容分析サーバ2の詳細を説明する。
【0024】
まず、着信拒否制御装置1の詳細を説明する。
【0025】
図4は、着信拒否制御装置1の概略機能構成図である。
【0026】
図示するように、着信拒否制御装置1は、電話網接続部10と、電話端末接続部11と、IP網接続部12と、中継部13と、注意喚起出力部14と、着信拒否番号記憶部15と、着信制御部16と、受話信号送信部17と、着信拒否設定部18と、を有する。
【0027】
電話網接続部10は、電話網4に接続するためのインターフェースである。
【0028】
電話端末接続部11は、電話端末3に接続するためのインターフェースである。
【0029】
IP網接続部12は、IP網5に接続するためのインターフェースである。
【0030】
中継部13は、電話網接続部10およびIP網接続部12間における呼制御信号および通話信号(受話信号および送話信号)のやり取りを中継する。
【0031】
注意喚起出力部14は、LED等のランプ、スピーカ、LCD等のディスプレイ等で構成され、着信拒否設定部18から受け付けた注意喚起出力の指示に従い、ランプ点灯、警告音出力、LCD表示等により、自装置1に対応する電話端末3のユーザに、通話相手が、電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為を行おうとしている攻撃者である可能性があることを注意喚起する。
【0032】
着信拒否番号記憶部15には、着信拒否番号が記憶される。
【0033】
着信制御部16は、着信拒否番号記憶部15を参照し、電話網4から着信した呼の、電話端末3への中継を、中継部13と連携して制御する。
【0034】
受話信号送信部17は、電話網4から着信した呼によって電話端末3と電話網4との間に通話路が確立して通話が開始された場合に、通話内容分析サーバ2に対して、通話相手の電話番号である発信元番号を通知するとともに、この通話路を介して電話網4から電話端末3へ送られてくる受話信号を逐次送信する。
【0035】
着信拒否設定部18は、通話内容分析サーバ2から着信拒否番号通知を受信して、この着信拒否番号通知に含まれている着信拒否番号を着信拒否番号記憶部15に記憶する。また、この際、着信拒否番号通知に含まれている着信拒否番号を有する通話相手と通話中であるならば、注意喚起出力部14に注意喚起出力を指示する。
【0036】
なお、図4に示す着信拒否制御装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、および、電話回線インターフェース、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースを備えたPC(Personal Computer)等のコンピュータシステムにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【0037】
図5は、着信拒否制御装置1の着信処理を説明するためのフロー図である。
【0038】
このフローは、電話網4から電話網接続部10に呼が着信することにより開始される。
【0039】
まず、中継部13は、電話網接続部10に着信した呼の発信元番号を着信制御部16に通知する。これを受けて、着信制御部16は、中継部13から受け取った発信元番号が着信拒否番号記憶部15に登録されているか否かを調べる(S200)。発信元番号が着信拒否番号記憶部15に登録されているならば(S200でYES)、中継部13に着信拒否を指示する。これを受けて、中継部13は、着信した呼を電話端末3に中継することなく、電話網接続部10を介して電話網4に着信拒否を返信する(S201)。
【0040】
一方、発信元番号が着信拒否番号記憶部15に登録されていない場合(S200でNO)、着信制御部16は、中継部13に中継を指示する。これを受けて、中継部13は、電話網接続部10に着信した呼を電話端末接続部11に中継して、この呼を電話端末3に着信させる(S202)。
【0041】
それから、中継部13は、電話端末接続部11を介して電話端末3から受信した応答を電話網接続部10に中継して、電話網4に返信する(S203)。その後、中継部13を介して電話端末3と呼の発信元端末との間に通話路が確立され、通話が開始されると(S204でYES)、受話信号送信部17は、IP網接続部12を介して通話内容分析サーバ2に呼の発信元番号を通知する(S205)。また、通話内容分析サーバ2に対して、受話信号(通話路を介して呼の発信元端末から電話端末3へ送信される通話信号)の送信を開始する(S206)。
【0042】
つぎに、中継部13を介して電話端末3と呼の発信元端末との間に確立された通話路が切断されると(S207でYES)、受話信号送信部17は、通話内容分析サーバ2に対する受話信号の送信を終了する(S208)。
【0043】
図6は、着信拒否制御装置1の着信拒否設定処理を説明するためのフロー図である。
【0044】
このフローは、IP網接続部12がIP網5を介して通話内容分析サーバ2から着信拒否番号通知を受信することにより開始される。
【0045】
まず、着信拒否設定部18は、着信拒否番号通知に含まれている着信拒否番号が着信拒否番号記憶部15に登録されていなければ、この着信拒否番号を着信拒否番号記憶部15に新たに登録する(S220)。
【0046】
つぎに、着信拒否設定部18は、中継部13を介して電話端末3と通話相手との間に通話路が確立され通話中である場合(S221でYES)、通話相手の電話番号が着信拒否番号通知に含まれている着信拒否番号であるならば(S222でYES)、注意喚起出力部14に注意喚起出力を指示する。これを受けて、注意喚起出力部14は、ランプ点灯、警告音出力等により、電話端末3のユーザに、通話相手が電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為を行おうとしている攻撃者である可能性があることを注意喚起する(S223)。
【0047】
つぎに、通話内容分析サーバ2の詳細を説明する。
【0048】
図7は、通話内容分析サーバ2の概略機能構成図である。
【0049】
図示するように、通話内容分析サーバ2は、IP網接続部20と、受話信号バッファ部21と、声紋情報記憶部22と、声紋分析部23と、音声認識部24と、学習済みモデル記憶部25と、通話内容判断部26と、着信拒否番号通知部27と、主制御部28と、を有する。
【0050】
IP網接続部20は、IP網5に接続するためのインターフェースである。
【0051】
受話信号バッファ部21は、着信拒否制御装置1から逐次送られてくる受話信号を、これに先立ってこの着信拒否制御装置1から受信した発信元番号に紐付けてバッファリングする。
【0052】
声紋情報記憶部22には、通話内容判断部26により詐欺等の迷惑・不正行為に該当すると判断された電話の通話相手(攻撃者)の声紋情報が記憶される。
【0053】
声紋分析部23は、受話信号バッファ部21にバッファリングされた受話信号から話者毎に声紋情報を抽出する。そして、話者毎に抽出されたいずれかの声紋情報が声紋情報記憶部22に記憶されている声紋情報と整合するか否かを分析(声紋認証)する。例えば、両者の声紋情報(音声波形)の類似度が所定以上である場合に整合すると分析する。
【0054】
音声認識部24は、受話信号バッファ部21にバッファリングされた受話信号に音声認識処理を実施して、この受話信号をテキストデータに変換する。
【0055】
学習済みモデル記憶部25には、詐欺等の迷惑・不正行為の可能性の高い電話における攻撃者の通話内容の学習済みモデル(学習器)が記憶される。ここで、学習済みモデルは、複数の学習用テキストデータを用いた人工知能による学習処理により生成される。例えば、人工知能に、過去に行われた詐欺等を目的とした迷惑電話のそれぞれについて、攻撃者の通話内容を表すテキストデータを用いて、詐欺電話の通話内容の特徴(キーワード、文体等)を学習させることにより、詐欺等の迷惑・不正行為の可能性の高い電話における攻撃者の通話内容の学習済みモデルが生成される。
【0056】
通話内容判断部26は、学習済みモデル記憶部25に記憶されている、人工知能による学習処理により生成された、詐欺等の迷惑・不正行為の可能性の高い電話における攻撃者の通話内容の学習済みモデルを用いて、音声認識部24により受話信号から変換されたテキストデータに対して、人工知能による判定処理を実施して、このテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為に該当するか否かを判断する。
【0057】
着信拒否番号通知部27は、声紋分析部23により、受話信号バッファ部21にバッファリングされた受話信号から抽出されたいずれかの話者の声紋情報が、声紋情報記憶部22に記憶されている声紋情報と整合すると分析された場合、あるいは、通話内容判断部26により、音声認識部24によってこの受話信号から変換されたテキストデータが表す通話内容が電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為に該当すると判断された場合に、この受話信号に紐付けられて受話信号バッファ部21に登録されている発信元番号を着信拒否番号とする着信拒否番号通知を、すべての着信拒否制御装置1に送信する。
【0058】
そして、主制御部28は、通話内容分析サーバ2の各部20~27を統括的に制御する。
【0059】
なお、図7に示す通話内容分析サーバ2の機能構成は、図4に示す着信拒否制御装置1の機能構成と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP等の計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置、および、NIC等の通信インターフェースを備えたPC等のコンピュータシステムにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【0060】
図8は、通話内容分析サーバ2の動作を説明するためのフロー図である。
【0061】
このフローは、IP網5を介して着信拒否制御装置1からIP網接続部20に発信元番号が通知されることにより開始される。
【0062】
まず、受話信号バッファ部21は、IP網接続部20を介して受信した発信元番号に紐付けて、この発信元番号の送信元の着信拒否制御装置1から引き続き送られてくる受話新号のバッファリングを開始する(S300)。
【0063】
つぎに、受話信号バッファ部21は、所定量の受話信号をバッファリングしたならば(S301でYES)、このバッファリングした受話信号を、この受話信号に紐付けられている発信元番号とともに主制御部28に渡す。これを受けて、主制御部28は、声紋分析部23に、受話信号バッファ部21より受け取った受話信号を渡して声紋分析を指示する。
【0064】
つぎに、声紋分析部23は、主制御部28より受け取った受話信号から話者毎に声紋情報を抽出して、話者毎に抽出されたいずれかの声紋情報が、声紋情報記憶部22に記憶されている声紋情報と整合するか否かを分析する(S302)。そして、その分析結果を、受話信号から抽出した話者毎の声紋情報とともに主制御部28に通知する。
【0065】
主制御部28は、いずれかの話者の声紋情報が、声紋情報記憶部22に記憶されている声紋情報と整合していることを示す分析結果を声紋分析部23から受け取ったならば(S303でYES)、受話信号バッファ部21より受け取った受話信号に紐付けられている発信元番号を着信拒否番号通知部27に通知する。これを受けて、着信拒否番号通知部27は、主制御部28より受け取った発信元番号を着信拒否番号とする着信拒否番号通知を、IP網接続部20を介してすべての着信拒否制御装置1に送信する(S307)。その後、このフローを終了する。
【0066】
一方、主制御部28は、すべての話者の声紋情報が声紋情報記憶部22に記憶されている声紋情報と整合していないことを示す分析結果を声紋分析部23から受け取ったならば(S303でNo)、受話信号バッファ部21より受け取った受話信号を音声認識部24に渡す。これを受けて、音声認識部24は、主制御部28より受け取った受話信号に音声認識処理を実施して、この受話信号をテキストデータに変換する。それから、通話内容判断部26は、学習済みモデル記憶部25に記憶されている学習済みモデルを用いて、このテキストデータに人工知能による判定処理を実施して、このテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為に該当するか否かを判断する(S304)。そして、判断結果を主制御部28に通知する。
【0067】
つぎに、主制御部28は、テキストデータが表す通話内容が電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為に該当することを示す判断結果を通話内容判断部26より受け取ったならば(S305でYES)、声紋分析部23より分析結果とともに受け取った話者毎の声紋情報を声紋情報記憶部22に登録する(S306)。それから、受話信号バッファ部21より受け取った受話信号に紐付けられている発信元番号を着信拒否番号通知部27に通知する。これを受けて、着信拒否番号通知部27は、主制御部28より受け取った発信元番号を着信拒否番号とする着信拒否番号通知を、IP網接続部20を介してすべての着信拒否制御装置1に送信する(S307)。その後、このフローを終了する。
【0068】
一方、主制御部28は、テキストデータが表す通話内容が電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為に該当しないことを示す判断結果を通話内容判断部26より受け取ったならば(S305でNO)、受話信号バッファ部21から受話信号が新たに送られてくるのを待つ。
【0069】
ここで、受話信号バッファ部21は、所定量の受話信号を新たにバッファリングしたならば(S308でYES)、このバッファリングした受話信号を、この受話信号に紐付けられている発信元番号とともに主制御部28に渡し、S302に戻る。一方、所定量の受話信号が新たにバッファリングされることなく(S308でNO)、着信拒否制御装置1からIP網接続部20に送られてくる受話信号の受信が終了したならば(S309でYES)、このフローを終了する。
【0070】
以上、本発明の第一実施の形態を説明した。
【0071】
本実施の形態において、通話内容分析サーバ2は、着信拒否制御装置1から発信元番号とともに受信した受話信号を音声認識処理によりテキストデータに変換し、人工知能の判定処理によりこのテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為に該当するか否かを判断する。そして、詐欺等の迷惑・不正行為に該当すると判断したならば、受話信号および発信元番号の送信元である着信拒否制御装置1を含むすべての着信拒否制御装置1に、発信元番号を着信拒否番号とする着信拒否番号通知を送信する。また、着信拒否制御装置1は、通話内容分析サーバ2から新たな着信拒否番号を受信すると、この着信拒否番号を自装置1に設定するとともに、自装置1に対応する電話端末3がこの着信拒否番号の電話端末6と通話中ならばユーザに注意喚起する。このため、詐欺等の迷惑・不正行為を目的とする電話があった電話端末3以外の電話端末3においても、この電話と同じ電話番号からの呼を着信拒否することができる。したがって、本実施の形態によれば、電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為をより効率よく防止することができる。
【0072】
また、本実施の形態において、通話内容分析サーバ2は、変換されたテキストデータが表す通話内容が、電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為に該当すると判断した場合に、このテキストデータに変換された受話信号から抽出された話者毎の声紋情報を登録する。また、通話内容分析サーバ2は、着信拒否制御装置1から受話信号を発信元番号とともに受信した場合に、この受話信号から話者毎の声紋情報を抽出し、いずれかの話者の声紋情報が登録済みの声紋情報と整合しているか否かを分析する。そして、整合していると分析した場合には、人工知能の判定処理を行うことなく、直ちに着信拒否番号通知をすべての着信拒否制御装置1に送信する。したがって、本実施の形態によれば、電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為による被害をより迅速に未然防止することができる。
【0073】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0074】
例えば、上記の実施の形態では、着信拒否制御装置1を電話端末3の外付け装置として、電話端末3と電話網4との間に配置しているが、本発明はこれに限定されない。着信拒否制御装置1は、電話端末3の機能として電話端末3に内蔵させてもよい。
【0075】
また、上記の実施の形態において、通話内容分析サーバ2は、声紋分析部23により、受話信号から話者毎の声紋情報を抽出し、いずれかの話者の声紋情報が声紋情報記憶部22に登録済みの声紋情報と整合しているか否かを分析している。しかし、本発明はこれに限定されない。声紋情報記憶部22および声紋分析部23に代えて人工知能を利用して、受話信号から抽出された声紋情報が攻撃者のそれに該当するか否かを判断してもよい。すなわち、通話内容判断部26により、テキストデータが表す通話内容が、電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為に該当すると判断された場合に、このテキストデータの変換元の受話信号から抽出された声紋情報の特徴(スペクトラム、ピッチ等)を学習させることにより、詐欺等の迷惑・不正行為の可能性の高い電話における攻撃者の声紋情報の学習済みモデルを生成する。また、この学習済みモデルを用いて、受話信号から抽出された話者毎の声紋情報に対して、人工知能による判定処理を実施して、この声紋情報が攻撃者のそれに該当するか否かを判断する。
【0076】
また、本実施の形態では、着信拒否制御装置1は、自装置1に対応する電話端末3のユーザが、電話を利用した詐欺等の迷惑・不正行為を目的としている可能性のある通話相手と通話中の場合、被害発生の未然防止対策として、ランプ点灯、警告音出力等による注意喚起を行っているが、その他の対策を行ってもよい。例えば、通話中の電話端末3のユーザが注意喚起の出力後所定の期間内に通話を継続している場合、着信拒否制御装置1は、強制的に通話路を強制的に切断してもよい。これにより、詐欺等の迷惑・不正行為を目的としている可能性のある通話が自動的に切断されるとともに発信元番号が着信拒否番号として設定されるため、ユーザが、例えば通話相手の話術によって冷静な判断力を失って通話を継続している場合であっても、被害の発生を未然に防止することできる。あるいは、強制的に通話を保留にして、電話端末3のスピーカから、例えば電話端末3に格納されたメッセージを流すようにしてもよい。これにより、ユーザは、例えば冷静な判断力を失って通話を継続していた場合であっても、メッセージにしたがった対応(例えばいったん電話を切る等)をとることができる。
【符号の説明】
【0077】
1、1-1~1-n:着信拒否制御装置 2:通話内容分析サーバ
3-1~3-n:電話端末 4:電話網 5:IP網 6:電話端末
10:電話網接続部 11:電話端末接続部 12:IP網接続部
13:中継部 14:注意喚起出力部 15:着信拒否番号記憶部
16:着信制御部 17:受話信号送信部 18:着信拒否設定部
20:IP網接続部 21:受話信号バッファ部 22:声紋情報記憶部
23:声紋分析部 24:音声認識部 25:学習済みモデル記憶部
26:通話内容判断部 27:着信拒否番号通知部 28:主制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8