(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036872
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】自動調心玉軸受
(51)【国際特許分類】
F16C 23/08 20060101AFI20220301BHJP
F16C 33/32 20060101ALI20220301BHJP
F16C 33/58 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
F16C23/08
F16C33/32
F16C33/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020152392
(22)【出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】303060491
【氏名又は名称】浜口 隆志
(72)【発明者】
【氏名】浜口 隆志
【テーマコード(参考)】
3J012
3J701
【Fターム(参考)】
3J012AB01
3J012BB03
3J012DB01
3J012EB20
3J012FB02
3J701AA02
3J701AA42
3J701AA54
3J701BA02
3J701BA09
3J701BA53
3J701BA54
3J701BA55
3J701FA31
3J701FA60
3J701XB03
3J701XB13
3J701XB14
(57)【要約】
【課題】従来の玉軸受では、大きな荷重がかかって軸がたわむ等により、固定された外軌道輪に対して内軌道輪が斜めに傾くと軸受に大きな負荷が掛かり摩耗や破損が生じるので、外軌道輪に対して内軌道輪が斜めに傾いても問題なく回転する自動調心玉軸受を提供する。
【解決手段】内軌道輪と外軌道輪との間に転動体が介在された自動調心玉軸受であって、外軌道輪は転動体に内接する接触位置を軸受の中心点を中心に全ての方向に円弧状に回動可能に配置する事で、外軌道輪に対して内軌道輪が斜めに傾いても問題なく回転する自動調心玉軸受とした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内軌道輪と外軌道輪との間に転動体が介在された自動調心玉軸受であって、
大径部と小径部とを有する転動体が次の比率で、前記小径部で前記内軌道輪に外接し、前記大径部で前記外軌道輪に内接し、前記外軌道輪は前記転動体に内接する接触位置を軸受の中心点を中心に全ての方向に円弧状に回動可能にした事を特徴とする自動調心玉軸受。
前記転動体の前記内軌道輪に外接する前記小径部の直径:前記転動体の前記外軌道輪に内接する前記大径部の直径=前記転動体が前記小径部で外接する前記内軌道輪の直径:前記転動体が大径部で内接する前記外軌道輪の直径。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動調心玉軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の玉軸受では、大きな荷重がかかって軸がたわむ等により、ケーシングに固定された外軌道輪に対して内軌道輪が斜めに傾くと軸受に大きな負荷が掛かるという欠点が有った。
【0003】
軸受に大きな負荷が掛かる事により玉軸受に摩耗や破損が生じるため、外軌道輪に対して内軌道輪が斜めに傾いても問題なく回転する玉軸受が望まれていた。
例えば下記特許文献1に記載のベアリングがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のベアリングは大きな荷重がかかって軸がたわむ等により、固定された外軌道輪に対して内軌道輪が斜めに傾くと軸受に大きな負荷が掛かり摩耗や破損が生じる。
このため、特許文献1のベアリングは外軌道輪に対して内軌道輪が斜めに傾いても問題なく回転する玉軸受ではない。
【0006】
本発明は前記のような問題を解決するものであり、外軌道輪に対して内軌道輪が斜めに傾いても問題なく回転する自動調心玉軸受にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特許文献1のベアリングは、外軌道輪と転動体の接触位置の円軌道と内軌道輪と転動体の接触位置の円軌道の回転中心軸が同一軸であり、外軌道輪と転動体の接触位置の円軌道の回転中心軸と内軌道輪と転動体の接触位置の円軌道の回転中心軸が軸受の中心点を中心に傾くと軸受に大きな負荷が掛かり摩耗や破損が生じる。
【0008】
本発明の自動調心玉軸受は、外軌道輪と転動体の接触位置の円軌道の回転中心軸と内軌道輪と転動体の接触位置の円軌道の回転中心軸が軸受の中心点を中心に傾いても玉軸受を回転可能にするため、外軌道輪の転動体との接触位置を軸受の中心点を中心に全ての方向に円弧状に回動可能に配置することにより、外軌道輪と転動体の接触位置の円軌道の回転中心軸に対して内軌道輪と転動体の接触位置の円軌道の回転中心軸が軸受の中心点を中心に斜めに傾いても問題なく回転する自動調心玉軸受にした事を特徴とする。
【0009】
本発明の自動調心玉軸受は内軌道輪と外軌道輪との間に転動体が介在された自動調心玉軸受であって、大径部と小径部とを有する転動体が次の比率で、
小径部で内軌道輪に外接し、大径部で外軌道輪に内接する事を特徴とする自動調心玉軸受。
転動体の内軌道輪に外接する小径部の直径:転動体の外軌道輪に内接する大径部の直径=転動体が小径部で外接する内軌道輪の直径:転動体が大径部で内接する外軌道輪の直径。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外軌道輪の転動体との接触位置を軸受の中心点を中心に軸方向にも円弧状に回動可能に配置することにより外軌道輪と転動体の接触位置の円軌道の回転中心軸に対して軸受の中心点を中心に内軌道輪と転動体の接触位置の円軌道の回転中心軸が斜めに傾いても問題なく回転する自動調心玉軸受にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】外軌道輪に対し回転軸が直角な状態の自動調心玉軸受の側面断面図。
【
図2】外軌道輪に対し軸受の中心点を中心に回転軸が斜めに傾いた状態での自動調心玉軸受の側面断面図。
【
図3】自動調心玉軸受の軌道輪と転動体の接触位置の動きを示す正面概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は外軌道輪1と転動体3の接触位置5の円軌道12の回転中心軸7と内軌道輪1と転動体3の接触位置6の円軌道11の回転中心軸8が同一軸の状態での自動調心玉軸受の側面断面図。
図2は自動調心玉軸受の中心点9を中心に、外軌道輪1に対して内軌道輪2が傾斜した状態での自動調心玉軸受の側面断面図。
図3は自動調心玉軸受の軌道輪と転動体3の接触位置の動きを示す正面概略図であり、大径部14と小径部13とを有する転動体3が次の比率で、小径部13で内軌道輪11に外接し、大径部14で外軌道輪12に内接している。
転動体3の内軌道輪11に外接する小径部の直径13:転動体3の外軌道輪12に内接する大径部の直径14=転動体3が小径部13で外接する内軌道輪の直径11:転動体3が大径部14で内接する外軌道輪の直径12
【0013】
以上実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成、形状、配置、素材等において本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更実施できる。
【符号の説明】
【0014】
1 外軌道輪
2 内軌道輪
3 転動体
4 軸
5 外軌道輪と転動体の接触位置
6 内軌道輪と転動体の接触位置
7 外軌道輪の回転中心軸
8 内軌道輪の回転中心軸
9 自動調心玉軸受の中心点
10 軸受の中心点を中心とした回転中心軸方向の円弧
11 内軌道輪の転動体との接触位置の円軌道
12 外軌道輪の転動体との接触位置の円軌道
13 転動体の内軌道輪との接触位置の円軌道
14 転動体の外軌道輪との接触位置の円軌道