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特開2022-36885カメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036885
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】カメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/235 20060101AFI20220301BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220301BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20220301BHJP
   G03B 15/03 20210101ALI20220301BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20220301BHJP
   B60Q 1/24 20060101ALI20220301BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
H04N5/235 400
H04N5/235 500
H04N5/225 100
G03B15/00 V
G03B15/03 X
G03B15/05
B60Q1/24 Z
B60Q1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207254
(22)【出願日】2020-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106436
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リン ジュン スブ
(72)【発明者】
【氏名】キム ミョン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ユウ ハン ソン
【テーマコード(参考)】
2H053
3K339
5C122
【Fターム(参考)】
2H053AD00
2H053BA51
2H053DA03
3K339AA02
3K339BA02
3K339BA07
3K339BA11
3K339BA18
3K339BA22
3K339BA25
3K339CA01
3K339DA01
3K339GB01
3K339KA09
3K339KA39
3K339MA01
5C122DA14
5C122EA12
5C122EA21
5C122FA09
5C122FF11
5C122FH11
5C122FH18
5C122GE14
5C122GG14
5C122GG21
5C122HB01
5C122HB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ヘッドランプに内蔵されたカメラがヘッドランプ光源と連動し、カメラに光が必要なタイミングでヘッドランプ光源を集中させるランプ制御器連動システム及び方法を提供する。
【解決手段】カメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムにおいて、カメラ100と光源300を一体に構成したヘッドライトモジュールと、カメラのシャッター開き時間を相対的に短くした短露出区間と相対的に長くした長露出区間で撮影した映像を合成し、一つのフレーム映像として生成するカメラ制御器と、ランプ制御器350とを有する。ランプ制御器は、長露出区間と短露出区間のタイミングに同期し、短露出区間より長露出区間に相対的に多くの光を発するよう光源を制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと光源を一体に構成したヘッドライトモジュールと、
前記カメラのシャッター開き時間を相対的に短くした短露出区間で撮影した映像と前記カメラのシャッター開き時間を相対的に長くした長露出区間で撮影した映像を合成し、一つのフレーム映像として生成するカメラ制御器と、
前記カメラの長露出区間と短露出区間のタイミングに同期し、
前記短露出区間より前記長露出区間に相対的に多くの光を発するよう光源を制御するランプ制御器と、
を含むことを特徴とするカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム。
【請求項2】
前記ランプ制御器は、
予め設定した一つのフレーム周期の開始地点から一定時間以後に水平同期信号が入力されたタイミングから垂直同期信号が入力されたタイミングを短露出区間と推定し、
前記短露出区間に続いて水平同期信号が入力されたタイミングから垂直同期信号が入力されたタイミングを長露出区間と推定することを特徴とする、請求項1に記載のカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム。
【請求項3】
前記ランプ制御器は、
前記カメラを介して撮影した映像の水平同期信号及び垂直同期信号を前記カメラから伝達されることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム。
【請求項4】
前記カメラにおいて、
水平同期信号及び垂直同期信号の出力端は絶縁構造を備えていることを特徴とする、請求項3に記載のカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム。
【請求項5】
前記ランプ制御器は、
前記カメラを介して撮影した映像の水平同期信号及び垂直同期信号を前記カメラ制御器から伝達されることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム。
【請求項6】
前記カメラ制御器において、
水平同期信号及び垂直同期信号の出力端は絶縁構造を備えていることを特徴とする、請求項5に記載のカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム。
【請求項7】
カメラと光源を一体に構成したヘッドライトモジュールに備えられているカメラ制御器を介し、前記カメラのシャッター開き時間を相対的に短くした短露出区間で撮影した映像と前記カメラのシャッター開き時間を相対的に長くした長露出区間で撮影した映像を合成し、一つのフレーム映像として生成する映像生成段階と、
ランプ制御器で前記カメラの長露出区間と短露出区間のタイミングに同期し、前記短露出区間より前記長露出区間に相対的に多くの光を発するよう光源を制御する点灯段階と、
を含むことを特徴とするカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動方法。
【請求項8】
前記点灯段階は、
予め設定した一つのフレーム周期の開始地点から一定時間以後に水平同期信号が入力されたタイミングから垂直同期信号が入力されたタイミングを短露出区間と推定する段階と、
前記短露出区間以後に水平同期信号が入力されたタイミングから垂直同期信号が入力されたタイミングを長露出区間と推定する段階と、
を含むことを特徴とする、請求項7に記載のカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動方法。
【請求項9】
前記点灯段階は、
前記カメラを介して撮影した映像の水平同期信号及び垂直同期信号を前記カメラから伝達される段階を含むことを特徴とする、請求項7に記載のカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動方法。
【請求項10】
前記点灯段階は、
前記カメラを介して撮影した映像の水平同期信号及び垂直同期信号を前記カメラ制御器から伝達される段階を含むことを特徴とする、請求項7に記載のカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動方法。
【請求項11】
請求項7から請求項10の何れか一項に記載のカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動方法を行うプログラムが記録され、コンピューターで読み取れる記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム及び方法に関し、より詳細には、ヘッドランプに内蔵されたカメラがヘッドランプ光源と連動し、カメラに光が必要なタイミングでヘッドランプ光源を集中させることにより、カメラで撮影された映像の品質と認識率が向上されるようにしたカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に車両には運転者の便宜性向上及び運転者サポートのためのカメラ(又はカメラモジュール)を設置し、前方カメラ、後方カメラ、アラウンドビューモニタリング及びドライブレコーダー等がこれに該当する。
【0003】
カメラを介して撮影した映像(例:映像情報)は、カメラ映像を処理して車両情報、信号機情報、歩行者情報、障害物情報等の各種運転者サポート情報を生成するカメラ制御部へ伝送する。
【0004】
車両に設置するカメラは1個のケーブルを介して色々な機能を行うものであり、1個のケーブルを用いてカメラ電源供給、映像信号送出及び制御信号(I2C)送受信等の機能を行う。
【0005】
すなわち、カメラと連結された1個のケーブルはカメラ制御部に入力され、カメラ制御部で映像情報を分析及び加工し車両内部ネットワークを介して映像信号を出力させることができる。
【0006】
一方、ヘッドランプに内蔵されたカメラと光源を連動してカメラの認識率を高めるためには実時間タイミングの情報交換が必要であり、従来にはカメラ制御器でカメラから伝達された映像を分析し、車両のCANバスを介して情報を伝える方式であった。
【0007】
しかし、この場合、映像処理の遅延時間とCAN通信の遅延時間によってリアルタイム同期が不可能になるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、ヘッドランプに内蔵されたカメラがヘッドランプ光源と連動し、カメラに光が必要なタイミングでヘッドランプ光源を集中させるようにするものであり、車両内CAN通信を介してヘッドランプ信号とカメラ信号の速度差が発生する部分を解決するためにイメージセンサの水平同期信号と垂直同期信号をランプ制御器で出力してヘッドランプとカメラのタイミングを同期させることで、同一のエネルギーでカメラにより多い光を供給し、カメラ映像品質が向上され、エネルギー効率が増加し得るカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム及び方法を提供する。
【0009】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から当該分野の技術者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムは、カメラと光源を一体に構成したヘッドライトモジュールと、前記カメラのシャッター開き時間を相対的に短くした短露出区間で撮影した映像と前記カメラのシャッター開き時間を相対的に長くした長露出区間で撮影した映像を合成し、一つのフレーム映像として生成するカメラ制御器と、前記カメラの長露出区間と短露出区間のタイミングに同期し、前記短露出区間より前記長露出区間に相対的に多くの光を発するよう光源を制御するランプ制御器とを含むことができる。
【0011】
一実施形態において、前記ランプ制御器は、予め設定した一つのフレーム周期の開始地点から一定時間以後に水平同期信号が入力されたタイミングから垂直同期信号が入力されたタイミングを短露出区間と推定し、前記短露出区間に続いて水平同期信号が入力されたタイミングから垂直同期信号が入力されたタイミングを長露出区間と推定することができる。
【0012】
一実施形態において、前記ランプ制御器は、前記カメラを介して撮影した映像の水平同期信号及び垂直同期信号を前記カメラから伝達され得る。
【0013】
一実施形態において、前記カメラで水平同期信号及び垂直同期信号の出力端は絶縁構造を備えることができる。
【0014】
一実施形態において、前記ランプ制御器は、前記カメラを介して撮影した映像の水平同期信号及び垂直同期信号を前記カメラ制御器から伝達され得る。
【0015】
一実施形態において、前記カメラ制御器で水平同期信号及び垂直同期信号の出力端は絶縁構造を備えることができる。
【0016】
本発明の他の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動方法は、カメラと光源を一体に構成したヘッドライトモジュールに備えられているカメラ制御器を介し、前記カメラのシャッター開き時間を相対的に短くした短露出区間で撮影した映像と前記カメラのシャッター開き時間を相対的に長くした長露出区間で撮影した映像を合成し、一つのフレーム映像として生成する映像生成段階と、ランプ制御器で前記カメラの長露出区間と短露出区間のタイミングに同期し、前記短露出区間より前記長露出区間に相対的に多くの光を発するよう光源を制御する点灯段階と、を含むことができる。
【0017】
一実施形態において、前記点灯段階は、予め設定した一つのフレーム周期の開始地点から一定時間以後に水平同期信号が入力されたタイミングから垂直同期信号が入力されたタイミングを短露出区間と推定する段階と、前記短露出区間以後に水平同期信号が入力されたタイミングから垂直同期信号が入力されたタイミングを長露出区間と推定する段階と、を含むことができる。
【0018】
一実施形態において、前記点灯段階は、前記カメラを介して撮影した映像の水平同期信号及び垂直同期信号を前記カメラから伝達される段階を含むことができる。
【0019】
一実施形態において、前記点灯段階は、前記カメラを介して撮影した映像の水平同期信号及び垂直同期信号を前記カメラ制御器から伝達される段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本技術は、ヘッドランプに内蔵されたカメラがヘッドランプ光源と連動し、カメラに光が必要なタイミングでヘッドランプ光源を集中させることができるようにするものであり、車両内CAN通信を介してヘッドランプ信号とカメラ信号の速度差が発生する部分を解決するため、イメージセンサの水平同期信号と垂直同期信号をランプ制御器に出力してヘッドランプとカメラのタイミングを同期させることにより、同一のエネルギーでカメラに一層多くの光を供給してカメラ映像の品質が向上され、エネルギー効率が増加し得るという効果がある。
【0021】
その他、本文書を介して直接的又は間接的に把握される多様な効果が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムを構成するヘッドランプを示した図である。
図2】本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムを構成する映像獲得装置を示した図である。
図3】本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムを示したブロック図である。
図4】本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムで短露出と長露出によるランプ電流の例を示した図である。
図5】本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムを示した他のブロック図である。
図6】本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動方法を説明するための流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図を介して詳しく説明する。各図の構成要素に参照符号を付与することにおいて、同一の構成要素に対してはたとえ異なる図上に表示されるとしても、出来る限り同一の符号を有するようにしていることに留意されたい。また、本発明の実施形態を説明することにおいて、関連する公知の構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解の妨げになると判断された場合には、その詳細な説明は省略する。
【0024】
本発明の実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためだけのものであり、その用語によって当該構成要素の本質や順番又は順序等が限定されない。また、別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含め、ここで用いられる全ての用語は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有した者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。一般に用いられる辞書に定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有したものと解釈されなければならず、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味に解釈されない。
【0025】
以下、図1から図5を参照しつつ、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムを構成するヘッドランプを示した図であり、図2は、本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムを構成する映像獲得装置を示した図であり、図3は、本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムを示したブロック図であり、図4は、本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムで短露出と長露出によるランプ電流の例を示した図であり、図5は、本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムを示した他のブロック図である。
【0027】
図1から図5を参照すれば、本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムは、車両に備えられるもので、カメラ100とLED等の光源300を一体に構成したヘッドライトモジュール、カメラ制御器150及びランプ制御器350を含んで構成することができる。
【0028】
図2から図4を参照すれば、カメラ100は、レンズ10、絞り30、シャッター50、イメージセンサ70、A/Dコンバータ(ADC)90及びISPモジュール95を含んで構成することができる。
【0029】
被写体から反射された光はレンズ10を経て、絞り30及びシャッター50を制御してイメージセンサ70に入射することができる。
【0030】
イメージセンサ70は、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(Complemetary Metal-Oxide Semiconductor、CMOS)のような固体撮像素子であってよい。
【0031】
イメージセンサ70は、入射した光の強さを測定し、測定した光に対応する映像信号を出力することができ、イメージセンサ70から出力した映像信号はADC90を介してデジタル映像信号に変換され、変換されたデジタル映像信号はISPモジュール95に入力され得る。
【0032】
ISP(Image Signal Processing)モジュール95は、受信された映像信号に対してカラー補間(Color interpolation)、カラー補正(Color correction)、ガンマ補正(Gamma correction)、オートホワイトバランス(Auto white balancing)等の映像処理を行うことができ、IPSモジュール95を経た映像信号は別途のディスプレイ装置を介して車両の内部に表示され運転者に提供され得る。
【0033】
イメージセンサ70は、人の目より感知できる明るさの範囲が狭いため、これを克服するために光の露出時間(Exposure time、ET)を異ならせて設定して得た映像を合成し、明るさの範囲を高める技術を適用することによって高ダイナミックレンジ(High Dynamic Range;HDR)映像を生成できる。
【0034】
露出時間とは、イメージセンサ70が光に露出される時間であってよく、絞り30の数値、シャッター50のスピード、ISO感度等に依存し得る。
【0035】
本発明では、カメラ100の動作シナリオを事前に入力し、露出時間において短露出時間(short exposure time、SET)が先に出力され、続いて長露出時間(long exposure time、LET)が出力される2段階の露出ポリシーを設定しており、短露出時間は長露出時間より相対的に短い露出時間であってよく、長露出時間は短露出時間より相対的に長い露出時間であってよい。
【0036】
参考として、2段階の露出ポリシーは一つのフレーム周期内に2個の垂直同期信号が出力されるもので、短露出時間及び長露出時間に出力されてよく、3段階の露出政策は一つのフレーム周期内に3個の垂直同期信号が出力されるもので、短露出時間、中間露出時間及び長露出時間に出力されてよい。
【0037】
カメラ制御器150は、事前に入力された動作シナリオを参照し撮影時にシャッター50のスピード、絞り30の開き程度等を制御でき、これによって短露出時間で撮影された短露出映像と、長露出時間で撮影された長露出映像を獲得できる。
【0038】
併せて、短露出映像は、暗い部分の光は足りないが明るい部分は正常に獲得され、長露出映像はイメージセンサ70のセルが飽和されるが暗い部分は正常イメージを獲得できるので、短露出映像と長露出映像を合成して高ダイナミックレンジ(High Dynamic Range;HDR)映像を生成できる。
【0039】
カメラ100のデータ伝送方式として、カメラ100を介して撮影された映像信号は各イメージセンサ70のセル毎に光の強さで表現され得る。
【0040】
一般に、2Dイメージは横、縦で構成され、例えば、フルHD映像は1920×1080の解像度を有することができる。
【0041】
すなわち、一つの映像は1920個のラインがあり、各ラインは1080個のピクセルで構成されてよく、イメージセンサ70は、1920個のラインをそれぞれ送信する度に水平同期信号(HSYNC信号)を送出し、一つの映像を送信する度に垂直同期信号(VSYNC信号)を送出することができる。
【0042】
図3を参照し、カメラ100とランプ制御器350のリアルタイム同期のための結線構造として、カメラ100とランプ制御器350を直接連結することができる。
【0043】
したがって、カメラ100で映像撮影によって出力される水平同期信号及び垂直同期信号は、カメラ100からランプ制御器350に直接出力され得る。
【0044】
図4を参照し、ランプ制御器350は、予め設定した一つのフレーム周期(Frame Period)の間、入力される水平同期信号及び垂直同期信号を分析することができる。
【0045】
本発明においてカメラ100のシャッターオープン動作に対し予め設定された動作シナリオに従って、短露出時間の区間が先に出力されるようシャッターの開き時間を制御し、続いて長露出時間区間が出力されるようシャッターの開き時間を制御することができる。
【0046】
したがって、一つのフレーム周期(Frame Period)の開始地点から一定時間以後に第1水平同期信号が入力されたタイミングから第1垂直同期信号が入力されたタイミングを短露出時間210と推定することができ、短露出時間210に続いて第2水平同期信号が入力されたタイミングから第2垂直同期信号が入力されたタイミングを長露出時間250と推定することができる。
【0047】
すなわち、水平同期信号が出力された後から垂直同期信号が出力される前まで特定の露出時間のシャッターが開かれているものと推定することができる。
【0048】
したがって、ランプ制御器350は、カメラ100から直接入力される水平同期信号及び垂直同期信号に連動し、短露出区間では光源300に入力される電流を遮断して消灯させ、長露出区間では光源300に電流を供給して点灯させることができる。
【0049】
ランプ制御器350とカメラ100を連動してカメラ100が必要とする長露出区間に光を集中させることにより、カメラ100を介して撮影される映像の品質が向上され、短露出区間では光源300を消灯させることによりエネルギー効率を増加させることができる。
【0050】
すなわち、ランプ制御器350は、カメラ100の長露出区間と短露出区間のタイミングに同期し、短露出に対する長露出区間の間に光源300から一層多くの光を発するよう制御するのである。
【0051】
図5を参照し、カメラ100とランプ制御器350のリアルタイム同期のための他の形態の結線構造として、高速通信線(FAKRA)を用いてカメラ制御器150とカメラ100を連結し、カメラ制御器150とランプ制御器350を連結してカメラ100から出力される水平同期信号及び垂直同期信号の連動により光源300を制御することができる。
【0052】
このとき、カメラ100から出力される水平同期信号及び垂直同期信号はシリアル化してカメラ制御器150に伝送され、カメラ制御器150でシリアル化された信号を再びパラレルに分離してランプ制御器350に伝送することができる。
【0053】
併せて、カメラ100及びカメラ制御器150から水平同期信号及び垂直同期信号が出力される出力端は、絶縁構造を備えつつ、信号増幅回路をさらに備えることができる。
【0054】
したがって、周辺部品の影響で静電気等が発生するとしても、カメラ100及びカメラ制御器150を電気的な損傷から保護することができ、環境的な影響で出力信号が減少することを防止できる。
【0055】
以下、図6を参照し、本発明の他の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動方法を具体的に説明する。図6は、本発明の一実施形態によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動方法を説明するための流れ図である。
【0056】
以下では、図3のカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システムが図6のプロセスを行うことを仮定する。
【0057】
先ず、カメラ100の動作シナリオを事前に入力し、露出時間において、短露出時間が先に出力され、続いて長露出時間が出力される2段階の露出ポリシーを設定することができる(S101)。
【0058】
次いで、一つのフレーム周期の開始地点で一定時間以後に第1水平同期信号が入力されれば(S102)、短露出区間の開始と推定することができる(S103)。
【0059】
次いで、第1垂直同期信号が入力されれば(S104)、短露出区間の終了地点と推定することができる(S105)。
【0060】
次いで、第2水平同期信号が入力されれば(S106)、長露出区間の開始と推定することができ(S107)、ランプ制御器350は、光源300に電流を増加して光源300を点灯させることができる(S108)。
【0061】
次いで、第2垂直同期信号が入力されれば(S109)、長露出区間の終了地点と推定することができ(S110)、ランプ制御器350は、光源300に電流を減少して光源300を消灯させることができる(S111)。
【0062】
以上で説明した通りの本発明によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動システム及び方法によれば、ヘッドランプに内蔵されたカメラがヘッドランプ光源と連動し、カメラに光が必要なタイミングにヘッドランプ光源を集中させることができるようにするものであり、車両内CAN通信を介してヘッドランプ信号とカメラ信号の速度差が発生する部分を解決するために、イメージセンサの水平同期信号と垂直同期信号をランプ制御器に出力してヘッドランプとカメラのタイミングを同期させることにより、同一のエネルギーでカメラに一層多くの光を供給してカメラ映像の品質が向上され、エネルギー効率が増加し得るという効果がある。
【0063】
一方、本発明による段階S101から段階S111によるカメラ内蔵ヘッドランプのランプ制御器連動方法をプログラム化し、コンピューターが読み取れるよう記録媒体に格納させることもできる。
【0064】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能なはずである。
【0065】
したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護の範囲は特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6