(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036914
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】統合されたドラム乾燥と押出しによるポリマー溶液からの溶媒除去方法
(51)【国際特許分類】
B29B 7/82 20060101AFI20220301BHJP
C08J 11/02 20060101ALI20220301BHJP
B29B 17/04 20060101ALI20220301BHJP
B29B 13/06 20060101ALI20220301BHJP
C08J 3/00 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
B29B7/82
C08J11/02 ZAB
B29B17/04
B29B13/06
C08J3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021129971
(22)【出願日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】20190065
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521349185
【氏名又は名称】アーペーカー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(72)【発明者】
【氏名】ハーゲン ハーネル
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ボーニヒ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】統合されたドラム乾燥及び押出しによって、溶解した目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液から溶媒を除去する連続式方法を提供する。
【解決手段】溶解した目的ポリマーを含む液化形態物から少なくとも1つの溶媒を除去する連続式の方法であって、以下の工程:少なくとも1つの加熱された回転ドラムを含むドラム乾燥機において、液化形態物から少なくとも1つの溶媒を蒸発させる工程であって、前記液化形態物は、最大75℃の温度、500mbar(50000Pa)未満の圧力下にて、加熱された回転ドラムのシェル面に接触し、目的ポリマーを含むドラム乾燥機乾燥フィルムが、回転ドラムのシェル面で生成される工程、前記少なくとも1つの加熱された回転ドラムのシェル面からドラム乾燥機乾燥フィルムを剥がす工程、及び剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムを、ドラム乾燥機と押出機の間の真空シールを介してドラム乾燥機から押出機に移す工程、を含む方法。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶解した目的ポリマーを含む液化形態物から少なくとも1つの溶媒を除去する連続式の方法であって:
少なくとも1つの加熱された回転ドラムを含むドラム乾燥機において、前記液化形態物から前記少なくとも1つの溶媒を蒸発させる工程、ここで、前記液化形態物は、最大75℃の温度、500mbar(50000Pa)未満の圧力下にて、少なくとも1つの加熱された回転ドラムのシェル面に接触し、前記目的ポリマーを含むドラム乾燥機乾燥フィルムが、前記少なくとも1つの加熱された回転ドラムの前記シェル面で生成される、
前記少なくとも1つの加熱された回転ドラムの前記シェル面から前記ドラム乾燥機乾燥フィルムを剥がす工程、及び
前記剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムを、前記ドラム乾燥機と押出機の間の真空シールを介して前記ドラム乾燥機から前記押出機に移す工程、
を含む、方法。
【請求項2】
前記液化形態物が、前記少なくとも1つの加熱された回転ドラムのシェル面に、最大65℃の温度、300ミリバール未満の圧力で接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムの前記押出機への前記連続的な移送が、前記剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムを前記ドラム乾燥機シェル面から前記押出機へ連続的に方向付けるガイド機構により促進される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ガイド機構が、前記ブレードに並置されるガイド面の使用を含み、このガイド面が、前記剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムに接触し、前記押出機の入口開口部を下流に備える前記ドラム乾燥機の出口開口部へと前記剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムを方向付ける、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムが、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満の量の溶媒を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記液化形態物が、特に機械的固液分離によって、任意選択で遠心分離機を使用して、追加的に精製され、それにより精製された液化形態物が得られる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ドラム乾燥機が複数の回転ドラムを含む場合、前記複数の回転ドラムは、少なくとも2つの逆回転ドラムを含み、これらの逆回転ドラムは、前記逆回転ドラムの前記シェル外面に沿った線形スリットを構成しており、これを通って、前記液化形態物が、前記逆回転ドラムの逆回転によって移送され、それにより前記少なくとも2つの逆回転ドラムの前記シェル外面に前記ドラム乾燥機乾燥フィルムが生成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記線形スリットは、1000μm以下、好ましくは100μm~1000μm、より好ましくは300μm未満の幅を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ドラム乾燥機乾燥フィルムの幅が、前記ドラム全長の最大100%、好ましくは前記ドラム全長の最大90%である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ドラム乾燥機乾燥フィルムの幅が、1000μm以下、好ましくは300μm未満である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ドラム乾燥機の前記入口開口部が、シールを含み、前記シールが、前記ドラム乾燥機の圧力を安定させ、少なくとも1つの真空ポンプに接続されている少なくとも1つの中間バルブによって提供される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記押出機がスクリュー押出機である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記液化形態物がポリマー懸濁液、溶融物又は溶液である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
プラスチック廃棄物をリサイクルするためのものであり、プラスチック廃棄物リサイクルプラントで実施される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
以下のステーション:
A)、任意選択でプラスチック廃棄物用の切断又は細断装置である、プラスチック廃棄物用の小サイズ化装置、及び任意選択で、前記小サイズ化されたプラスチック廃棄物を分類するためのプラスチック粒子サイズ分類装置、を備える任意選択のステーション;
B)ステーションa)で生成された、小サイズ化され任意選択で分類されたプラスチック廃棄物を洗浄するための、任意選択のステーション;
C)容器を含むステーションであって、前記容器が、ステーションA)で生成された前記小サイズ化されたプラスチック廃棄物、任意選択で分類されたプラスチック廃棄物、又はステーションB)で生成された洗浄されたプラスチック廃棄物、に任意選択で由来する、少なくとも1つの目的ポリマーを溶解するための、攪拌機及び/又は加熱システム及び/又は有機溶媒を含む、前記ステーション;
D)固液分離用の遠心分離機を含む任意選択のステーション、
E)液化形態物から溶媒蒸発させる前記ドラム乾燥機、及び、ポリマーペレット製造用の、前記剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルム押出し用の押出機、を含むステーション、
を含むプラスチック廃棄物リサイクルプラントであって、
ここで、前記プラスチック廃棄物リサイクルプラントは、上記の順序で各ステーションから次のステーションに材料を移送する移送システムを備える、
特に請求項1~14のいずれか一項に記載の方法を実施するための、
プラスチック廃棄物リサイクルプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶解した目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液の統合されたドラム乾燥及び押出しによって、溶解した目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液から溶媒を除去する連続式方法に関する。本発明は又、統合されたドラム乾燥及び押出し工程を含む、少なくとも1つの目的ポリマーを含むプラスチック材料の溶媒系リサイクル方法に関する。本発明は又、目的ポリマーをリサイクルする(再生する)ためのプラスチック廃棄物リサイクルシステムに関する。さらに、本発明は又、このリサイクル方法によって得られるポリマー材料に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックは一般に生分解性ではないため、プラスチックが環境に影響を与えることはよく知られている。毎年、プラスチック袋、ペレット、プラスチックボトルなどの何百万トンものプラスチック製の物体が、海洋を含む水中に行き着き、時間の経過とともに蓄積する。陸上にあるプラスチック廃棄物がはるかなたの遠隔地で見つかる場合がある。プラスチックの物体は非常にゆっくりと分解し、最終的にはサブミクロンサイズのマイクロプラスチックを形成し、広範囲にわたるプラスチック汚染をさらに促進し、かくして深刻な環境問題を引き起こす。DDT(ジクロロジフェニルトリクロロ-エタン)やBPA(ビスフェノールA)などの有毒化学物質はマイクロプラスチックに付着することがわかっているため、マイクロプラスチックの拡散によるこのような有毒化学物質が拡散し易くなる。特にマイクロプラスチック状のプラスチック廃棄物を肉や魚の消費を含む自然食の一部として誤って消費した場合、動物の生命や人間に潜在的な危険がもたらされる。
【0003】
プラスチックのリサイクルは、循環するプラスチックの量を制御し、現に生成され環境に放出されるプラスチック廃棄物の量を減らす効果的かつ持続可能な方法である。この目的のために、プラスチック廃棄物をリサイクルする様々なメカニズムが時間とともに明らかになりつつある。
【0004】
独国特許出願公開第4414750(A1)号明細書は、紙が混入している可能性のある粘性ポリマー溶融物を洗浄するためのプロセス及び装置に関するものであり、不純物は遠心分離によってポリマー溶融物から分離される。
【0005】
欧州特許出願公開第0894818(A)号明細書では、廃棄物から可溶性ポリマー又はポリマー混合物を再生利用するプロセスが開示され、これには以下の工程が含まれる:(i)ポリマー又はポリマー混合物をポリマー材料から選択的に溶解する。(ii)不要な不溶性成分を、任意選択で、得られた溶液から除去する。(iii)不要な可溶性成分を、任意選択で溶液から除去する。(iv)ポリマー又はポリマー混合物を、ガス又はガス混合物の存在下で沈殿剤との乱流混合によって選択的に沈殿させる。(v)沈殿したポリマー又はポリマー混合物の液相からの分離;(vi)任意選択で、ポリマー又はポリマー混合物を乾燥させる。好ましくは、さらに可溶性のポリマー又は混合物を、得られた懸濁液から分離した後の分離後の不溶性成分から溶解し、及び/又は不溶性成分は、最終的な水洗浄工程を受ける。ポリマー溶液は、クロマトグラフィー、好ましくはゲル浸透クロマトグラフィー及び/又は固相抽出、好ましくは炭素及び/又は液液抽出工程を受ける。
【0006】
独国特許出願公開第4033604(A1)号明細書は、廃棄物からの可溶性プラスチックの回収に関するものであり、回収されるプラスチックは、適切な溶媒によってプラスチック含有廃棄物から選択的に溶出される。このようにして得られた溶液は、そのプラスチックの非溶媒である媒体で満たされた容器に注入される。この場合、この媒体の温度は、プラスチックが溶解していた溶媒の沸点より高くなければならない。それにより溶媒が蒸発し、回収されるプラスチックがリリースされ、蒸発した溶媒は回収される。プラスチックの沈殿は、このプラスチックの非溶媒を超過剰にプラスチック溶液に注入するので定量的に回収できる。
【0007】
国際公開第2018/114046(A1)パンフレットには、廃棄物懸濁液から少なくとも1つの固体を分離するための遠心分離機が開示され、懸濁液には、固体と、少なくとも1つの溶媒及び少なくとも1つのプラスチックが溶解したポリマー溶液とが含まれる。
【0008】
米国特許出願公開第2007/0265361(A1)号明細書は、ポリエステル又はポリエステル混合物を溶媒に溶解し、続いてそこから沈殿剤を用いて流動性粒子を沈殿させることによる、ポリエステル含有廃棄物からポリエステル又はポリエステル混合物をリサイクルする方法に関する。沈殿剤は、その後に沈殿剤と溶媒とを簡単な方法により分離可能になるように選択される。
【0009】
米国特許出願公開第2008/0281002(A1)号明細書は、ポリスチレン系の少なくとも2つのポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドを含むプラスチック材料をリサイクルする方法に関する。この方法により、プラスチック材料は、ポリマー、コポリマー、又はブレンド用の溶媒と混合される。続いて、対応する沈殿剤を添加し沈殿を生じさせることで、ゼラチン状の沈殿生成物を、プラスチック材料のさらなる成分から分離することができる。この方法は、あらゆるプラスチック材料、特に電子スクラップ処理及びシュレッダー処理による軽フラクションからプラスチック材料をリサイクルするのに使用する。
【0010】
国際公開第2011/082802(A1)パンフレットは、少なくとも1つのポリマーと、分離される少なくとも1つの材料とを含む廃棄物をリサイクルする方法に関するものであり、以下の工程が含まれる:a)少なくとも1つの膨潤剤を添加してポリマーゲルを形成し、b)少なくとも1つ不溶性不純物を、ろ過又は沈降によってポリマーゲルから分離する。
【0011】
国際公開第2017/003804(A1)パンフレットには、ポリエチレンを精製するプロセスが開示されており、このプロセスにおいては、不純物がプラスチック材料を溶解することなく抽出によりポリマーマトリックスから除去される。
【0012】
米国特許第5,043,421号明細書には、押出中に少なくとも1つの非溶媒を添加することによって、押出機内のポリマーを含む溶液からの溶媒除去方法が開示されている。
【0013】
独国特許出願公開第102013210110(A1)号明細書には、ポリラクチドを含む廃棄物からポリラクチドを濃縮する工程を含む方法が開示され、この方法においては、ポリラクチドは溶液状であり、脱気押出機を使用することによって少なくとも一部の溶媒が除去される。
【0014】
国際公開第1999/043744(A1)パンフレットには、水溶液からほぼ純粋なポリマーを回収する方法が開示されている。膜濾過工程は、特定の塩及び/又は金属などの不純物を除去する目的で、前記方法において使用される。
【0015】
国際公開第2012117250(A1)号パンフレットには、除染プロセス及び押出機内での溶解した目的ポリマーの押出しを含む、ポリプロピレン用のリサイクルプロセスが開示され、ここでは、溶媒は押出機内の真空下での蒸発、並びに加熱よって少なくとも部分的に除去される。
【0016】
米国特許第5,740,617号は、水性スラリーを約0.1~2cmの範囲の均一な粒子サイズを有する乾燥した固い製品に変換するために使用した、回転ドラム乾燥機を開示している。
【0017】
日本特許公報昭58-27801では、新規重合により得られた溶解したポリマーのドラム乾燥機上での蒸発乾固が開示され、ドラム乾燥によって得られた乾燥ポリマーフィルムは、ドラム乾燥機から切り離されて巻き上げられ、これにより、巻き上げられたポリマーのドラムからの落下/分離が可能になり、巻き上げられたポリマーが冷えるのを防止できるため、乾燥ポリマーの柔軟性が保持され、巻き上げられたポリマーをコンベヤーベルトにより移送し押出機で処理するのに有利になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
多くのリサイクル技術は、溶媒系の方法であり、目的ポリマーは、溶液に移され溶解され、その後で、先行技術で知られている、溶媒の蒸発及び/又は沈殿を含むがこれらに限定されないポリマー回収方法によって、上記の溶液から回収される。ここで、いくつかの方法は、特定のグループのポリマー又は単一の目的ポリマーに対して選択的であり得る。
【0019】
しかしながら、溶解した目的ポリマーを溶液から回収することは別の課題を生じる場合がある。蒸発又は沈殿プロセスは膨大なエネルギーを消費し、持続可能性の点で及び/又は経済的に有利ではない場合があり、したがって、持続可能なリサイクル方法によるプラスチック廃棄物の削減、に貢献しそうにない。さらに、目的ポリマーを継続的に過度に加熱するとポリマーを不安定にしてしまう場合がある。
【0020】
別の問題としては、溶液からポリマーを回収するプロセスが、不連続又はバッチプロセスのような、いくつかの工程を含む場合があり、バッチプロセスでは、時間及び/又は空間上の中断なくプロセス通してポリマーを連続的に移送するのではなく、目的ポリマーが、バッチごとに移送される。たとえば、プラスチックペレットなどのプラスチック製品を製造するためには、溶液から回収したポリマーを押出機に移して処理する前に、完全に乾燥させる必要がある。場合によっては、乾燥したポリマーを最初に乾燥装置から取り出してから押出機に導入する必要がある。これだと、移送が連続的でない場合、時間とエネルギーの大幅な損失につながり得る。完全連続なプロセスでは、溶媒の除去とプラスチックの押出し工程が一つに統合され、これは溶解した目的ポリマーからプラスチックを製造する上でエネルギー効率のさらに高い方法である。
【0021】
毎年数億トンのプラスチックが世界的に生産されていることを考えると、リサイクルプロセスでわずかでもエネルギーが削減されるとその影響は大きく、リサイクル効率やスループットの大幅な向上、及びリサイクル方法の持続可能性につながる可能性がある。
【0022】
別の問題は、長時間の熱誘導溶媒蒸発中に高温に晒されたポリマーは、例えば180℃を超えると、部分的にダメージを受ける傾向にあることである。特に、ポリマー鎖は極度の加熱下でより頻繁に切断されるため、分子量が一定の範囲ではなくなり、平均分子量が減少し、その分布がランダムなものとなる。目的ポリマーは、熱不安定性による化学分解の影響をさらに受ける。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明では、プラスチック押出機中での押出しと統合された、溶解した目的ポリマーの真空下でのドラム乾燥を用いる溶媒除去方法が提供される。溶解した目的ポリマーからの溶媒除去と押出とのこの統合された方法は、驚くべきことに溶媒除去をエネルギー側面から改善し、さらに同時に持続可能なリサイクルプロセスにつながる連続統合化に向けた改善された方法も提供する。押出機と比較して、特に表面積対体積比に優れているため、ドラム乾燥での乾燥プロセスはより穏やかで効率的である。
【0024】
ドラム乾燥におけるこの蒸発は減圧下で行われる。これにより、蒸発温度を常圧よりも低く保つことができ、目的ポリマーの分解を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、いくつかのステーションを含むプラスチック廃棄物リサイクルプラント100を示している。このプラスチック廃棄物リサイクルプラントは、本方法の実施可能な例にすぎない。又、重合によるポリマー製造用のプラスチック製造プラントでは、少なくとも1つの目的ポリマーを含むプラスチック材料を統合された抽出工程によってリサイクルする、本明細書中に記載の溶媒系の方法が使用できる。プラスチック廃棄物109用の細断装置108は、第1のステーション101に含まれる。プラスチック廃棄物は、第1のコンベヤーベルト110によって細断装置108に輸送され得、第2のコンベヤーベルト112によって、細断されたプラスチック廃棄物111は、細断装置108の外へ運ばれ得る。好ましくは、いくつかの実施形態では、プラスチック廃棄物リサイクルプラント100は、細断されたプラスチック廃棄物111の洗浄用の第2のステーション102を備える。この第2のステーション102には、水などの洗浄液114を有する容器113を備えることができ、そこでは、細断されたプラスチック廃棄物111が浄化される。浄化後の細断されたプラスチック廃棄物111は、例えば、別のコンベヤーベルト124によって、容器118を備える第3のステーション103へ運ばれ得る。ここで、容器118は、攪拌機117及び/又は加熱システム115を例えば、容器118の一部として備える。いくつかの実施形態では、細断されたプラスチック廃棄物111は、第1のステーション101から第3のステーション103に直接運ばれる。第3のステーションは、好ましくは溶媒116を含み、ここでは目的ポリマーは上記の溶媒に溶解し、そして溶液又は懸濁液119を形成する。第4のステーション104は、固液分離用の遠心分離機120を備え得る。第5のステーション105は、目的ポリマーを含む溶媒フリーの液化ポリマー塊の押出しのための、任意選択でポリマーペレット122製造のための、押出機121と統合された、溶解した目的ポリマーを含む液化形態物から溶媒を蒸発するドラム乾燥機を備える。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の課題は、溶解した目的ポリマー、特に、溶解した熱可塑性の目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液から、溶媒を、懸濁液又は溶液中の目的ポリマーのドラム乾燥によって除去する、改善された方法を提供することであり、この方法は、乾燥後の目的ポリマーの、プラスチック押出機への連続移送を含む。
【0027】
したがって、本明細書では、溶解した目的ポリマーを含む液化形態物から少なくとも1つの溶媒を除去する連続式方法が提供され、この方法は以下の工程を含む:
少なくとも1つの加熱された回転ドラムを含むドラム乾燥機において、液化形態物から少なくとも1つの溶媒を蒸発させること、ここで、この液化形態物は、最大75℃の温度、500mbar(50kPa)未満の圧力で、少なくとも1つの加熱された回転ドラムのシェル面に接触し、目的ポリマーを含む、ドラム乾燥機乾燥フィルム(ドラム乾燥機で乾燥されたフィルム)が、少なくとも1つの加熱された回転ドラムのシェル面で生成する、
少なくとも1つの加熱された回転ドラムのシェル面からドラム乾燥機乾燥フィルムを剥離すること、
剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムを、ドラム乾燥機と押出機の間の真空シールを介してドラム乾燥機から押出機に移すこと。
【0028】
懸濁液又は溶液中にある目的ポリマーのドラム乾燥の際に、任意選択で脱気によって補完してもよく、任意選択での脱気は、脱気押出機で行われる。
【0029】
この方法により、少なくとも熱誘導溶媒蒸発の時間スパン及び/又は温度を低減することで、目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液から溶媒が除去でき、したがって、この溶媒除去が例えば180℃を超えるような高温で長期間の型熱誘導蒸発によって行われる場合に起こるであろう熱不安定性に起因するポリマーの分解による目的ポリマーの損失が、低減される。このことは、溶解した目的ポリマーをドラム乾燥機面の広い表面にわたって広げ、それによって穏やかな加熱と真空下で急速にフィルムの蒸発処理を行うことにより達成される。次に、押出しのために、ドラム乾燥機乾燥フィルムをプラスチック押出機に連続的に移す。減圧下にすることで、長時間の熱誘導蒸発を回避でき、目的ポリマーへの追加的な応力及び目的ポリマーの分解を未然に防ぐことができる。
【0030】
又本発明の課題としては、完全なプラスチックリサイクルプロセスに統合するための、溶解した目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液から溶媒を除去する改善された方法を提供し、さらにこの方法により、完全なプラスチックリサイクルプロセス全体のエネルギー効率、いわゆるランニングコストを改善し、さらに次にリサイクルスループットも向上させることである。本発明の課題は又、目的ポリマーを含むプラスチック廃棄物のリサイクル用に改良されたプラスチック廃棄物リサイクルシステムを提供することである。そのような改良プラスチック廃棄物リサイクルシステムは、複数の処理ステーションを備えたプラスチックリサイクルプラントを備え、溶媒除去ステーション又は統合された溶媒除去工程は本発明の主題に係るものである。
【0031】
本明細書では、溶解した目的ポリマーを含む溶液又は懸濁液から溶媒を除去するための改善された方法が提供され、溶媒除去工程は、真空下で、目的ポリマーに害の少ない温度で行われ、使用温度は、蒸発が起こっている間の使用圧力に依存する。
【0032】
この方法ではさらに、溶解した目的ポリマーの薄膜を形成するための、ドラム乾燥機を使用する溶媒除去工程が提供され、それにより、真空及び低温下での蒸発プロセスが著しく促進される。
【0033】
蒸発のために用いられる温度は可能な限り低く保たれ、いくつかの実施形態では、180℃未満、好ましくは150℃未満、より好ましくは120℃未満、より好ましくは100℃未満、より好ましくは75℃未満、さらにより好ましくは65℃未満、より好ましくは周囲温度で、最も好ましくは室温である。
【0034】
蒸発のために使用される圧力は可能な限り低く保たれ、いくつかの実施形態では、1000ミリバール(100kPa)未満、好ましくは500ミリバール(50kPa)未満、より好ましくは300ミリバール(30kPa)未満、より好ましくは100ミリバール(10kPa)未満、最も好ましくは20ミリバール(2kPa)未満である。
【0035】
ドラム乾燥プロセスにおける圧力、温度、速度を組み合わせて調整することにより、目的ポリマーの溶融を防ぎ、目的ポリマーの品質、スループット、及びエネルギー効率が最善化される。例えば、回転ドラムの回転速度は10rpm以下であってよい。乾燥される材料は、数分間、場合によっては1分以下の間、回転ドラムと接触していてもよい。ドラム乾燥及び押出しのプロセスを含むプロセス全体で、たとえば以下に詳細に説明する圧力及び温度を使用して、1時間あたり少なくとも300kgの産出量を達成することができる。これは、懸濁液又は溶液に溶解した目的ポリマーの割合が10%として換算すると、ドラム乾燥機へ1時間あたり3000kg投入する量に相当する。
【0036】
溶液又は懸濁液を含んでいる、ドラム乾燥機に提供される溶解した目的ポリマーの形態は、本明細書では「液化形態物」と呼ばれる。
【0037】
特に、溶解した目的ポリマー及び少なくとも1つの有機溶媒を含む液化形態物から溶媒を除去する方法が提供され、この方法は、500mbar(50kPa)未満、好ましくは300mbar(30kPa)未満の圧力の真空下で、液化形態物を、ドラム乾燥機の、加熱された回転ドラム又は複数の加熱された回転ドラムのシェル面に接触させながら、液化形態物から溶媒を蒸発させることを含む連続方法である。ここで、加熱されるとは、500mbar(50kPa)未満下で最大75℃の温度、特に300mbar(30kPa)未満で最大65℃の温度を意味する。これにより、ドラム乾燥機の、加熱された回転ドラム又は複数の加熱された回転ドラムのシェル面で、目的ポリマーを含むドラム乾燥機乾燥フィルムが製造される。次に、目的ポリマーを含む本質的に無溶媒の(本質的に溶媒フリーの)ポリマー塊であるドラム乾燥機乾燥フィルムが、加熱された回転ドラム又は複数の加熱された回転ドラムのシェル面から剥離される。ここで、本質的に無溶媒とは、好ましくは3重量%未満の溶媒、より好ましくは1重量%未満の溶媒量を意味する。次に、剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムは、押出のために、ドラム乾燥機から押出機に連続的に移送され、ここで、剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムがドラム乾燥機から押出機へ連続的に移送される間に、剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムにより、ドラム乾燥機と押出機の間に真空シール(真空封止)が形成される。
【0038】
剥離後のドラム乾燥機乾燥フィルムによりドラム乾燥機と押出機の間に真空シールが生成されることで、連続プロセスが提供され、この連続プロセスにおいては、ドラム乾燥機を真空下で連続的に操作でき、押出機を周囲圧力又は過圧下で使用することができ、そのようにして、乾燥後のポリマー塊をドラム乾燥機から直接運ぶことができる。このことは、本質的には、乾燥プロセスの後で押出機への移送中にポリマー塊を溶融することで達成されるが、これは、押出機に入る前の溶融であってよく、及び/又は、押出機に入った後の溶融であってよい。このようにして生成した溶融物を栓のようにすることにより、ドラム乾燥機と押出機間の移送領域が閉じられて又は実質的に閉じられて真空シールが形成される。したがって、乾燥したポリマー塊を押出機に移すのにドラム乾燥機を開ける(そうすると真空でなくなる)、といった操作は必要なく、したがって、プロセスを中断することなく、押出機がより高い圧力で操作される場合であっても、ドラム乾燥機内の真空を維持できるか、又は少なくとも実質上維持することができる。いくつかの実施形態において、前記方法は、以下の工程を含む:
(i)溶解した目的ポリマー及び少なくとも1つの有機溶媒を含む液化形態物を、ドラム乾燥機の入口開口部を通して真空下にあるドラム乾燥機に提供すること;
(ii)工程i)の液化形態物を、ドラム乾燥機の、加熱ドラム又は複数の加熱ドラムと接触させること;
(iii)ドラム乾燥機の、加熱ドラム又は複数の加熱ドラムを回転させて、工程ii)の液化形態物に接触するドラム乾燥機の回転加熱ドラム又は複数の回転加熱ドラムにより、加熱及び真空下にて、ドラム乾燥機の、加熱された回転ドラム又は複数の加熱された回転ドラムのシェル面において、ドラム乾燥機乾燥フィルムを形成すること;
(iv)工程iii)のドラム乾燥機乾燥フィルムを、回転加熱ドラム又は複数の回転加熱ドラムのシェル面でブレードと接触させ、それによりドラム乾燥機乾燥フィルムを回転ドラム又は複数の回転ドラムのシェル面から剥離すること;
(v)工程iv)の剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムを、ドラム乾燥機の出口開口部に連続的に移送し、ドラム乾燥機の出口開口部と押出機の入口開口部との連結を通じて、工程iv)の剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムの押出機への連続的な供給を可能にすること;及び
(vi)工程v)の剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムを、押出機中で押出すこと。
【0039】
一実施形態では、剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムをドラム乾燥機シェル面から押出機に連続的に向わせるガイド機構により、剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムを押出機へ連続的に移送し易くなる。
【0040】
いくつかの実施形態では、ガイド機構には、ブレードに並置されるガイド面を使用することが含まれ、ガイド面が、剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムに接触し、剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムを、押出機の入口開口部を下流に備えるドラム乾燥機の出口開口部の方に向かせる。
【0041】
最大20°の斜角のブレードを使用して、ドラム乾燥機乾燥フィルムをドラムの全長方向に沿ってドラム乾燥機シェル面から剥がすことができる。ブレードとドラムとの間の距離は、100μm未満、好ましくは10μm未満の範囲であってよい。ブレードは、特にロールの円周のほぼ全体にわたって、調整可能である。剥離したポリマー材料が上記のように巻き上がる傾向にあるフィルムの場合、材料のガイド用には鈍いプレートを使用することが好ましい。ドラムとそのようなプレートの間の距離は、ブレードまでの距離よりも大きく、つまり100μm超である。このことは、ブレードと、プレートによるガイドにより剥離したフィルムはガイドされ、自重で落下することがないことを意味する。
【0042】
一実施形態では、液化形態物は、特に機械的固液分離によって、任意選択で遠心分離機を使用してさらに精製され、それによって精製された液化形態物が得られる。
【0043】
驚くべきことに、ドラム乾燥工程を、押出し工程、及び/又は任意選択で脱気押出機を含む、任意選択の脱気工程、と統合することにより、リサイクルプロセスのエネルギー消費が減少し、及び/又はリサイクル期間が短縮し、それにより、結果として構築される全体的なリサイクルプロセスにより、再生プラスチックのスループットが向上し、したがってより効率的なプラスチックのリサイクルが可能になり、そしてプラスチック汚染の問題により効率的に対処できる、ということを発見した。押出しとドラム乾燥の両方を統合し、任意選択で脱気工程と組み合わせると、操業時間とコストが大幅に削減されると同時に、溶媒除去の効率が最大化され、高温で溶媒蒸発させる必要性が事実上減少する。
【0044】
驚くべきことに、ドラム乾燥工程と、溶媒の蒸発が減圧下で行われる押出工程、及び/又は任意選択で脱気押出機を含む任意選択の脱気工程、を統合することにより、エネルギー消費を減らし及び/又はリサイクルプロセス期間が短縮され、よって、目的ポリマーへの追加的な応力が無くなることで、結果として構築される全体的なリサイクルプロセスにより、リサイクルプラスチックのスループットが向上し、より効率的なプラスチックリサイクルが可能になり、プラスチック汚染の問題により効率的に対処できるようになる。
【0045】
押出機で蒸発が起こる場合、エネルギーの大半は、電気駆動装置から発生する。ただし、ドラム乾燥機ではほとんど熱エネルギーしか費やされない。ドラム駆動機自体は、それに比べて無視することができる。電気駆動装置には効率係数というものがあり、電気エネルギーも効率係数に応じて生成する、という点からは、エネルギーの少なくとも30%を節約できることを意味する。製品の損傷に関しては、影響は大幅に比較的低いことが期待できる。したがって、新品のような品質は、単独押出しのプロセスの場合と比較して、本発明のプロセスで達成される可能性が高い。
【0046】
上記の工程i)~vi)は、必ずしも工程の特定の配列又は番号を意味するものではない。しかしながら、この方法の工程は昇順で、すなわち上記の順序で実施されることが好ましい。
【0047】
一実施形態では、工程i)の前に、目的ポリマーの少なくとも一部を溶解する。いくつかの実施形態によれば、目的ポリマーを含む溶液又は懸濁液を得るために、目的ポリマーを含むプラスチック材料に溶媒又は溶媒の混合物を加えることは、高温で目的ポリマーを溶解することにより達成される。一実施形態では、高温とは、室温より高く、好ましくは40℃より高くてもよいが、さらに高くてもよく、以下でより詳細に説明するように、ポリマーと溶媒の特定の組み合わせに依存し得る。たとえば、ポリエチレン(PE)、特に低密度ポリエチレン(LDPE)の場合、ヘプタンが、特に85~95℃で、特に適した溶媒であることが分かった。ポリエチレン(PE)、特に高密度ポリエチレン(HDPE)の場合、ヘプタンが、特に105~115℃Cで、特に適した溶媒であることが分かった。ポリプロピレン(PP)の場合、オクタンが、特に平均温度125~135℃で、特に適した溶媒であることが分かった。PVCの場合、アセトンが、特に平均温度80~160℃Cで、特に適した溶媒であることが分かった。ポリアミド(PA)、特にポリアミド-6の場合、プロピレングリコールが、好ましくは平均温度80~160℃で、特に適切な溶媒であることが分かった。
【0048】
一実施形態では、目的ポリマーを含むプラスチック廃棄物は、特に攪拌機及び/又は加熱システムを使用することにより、溶媒に少なくとも部分的に溶媒に溶解する。
【0049】
一実施形態では、溶媒を除去する方法は、目的ポリマーを含むプラスチック廃棄物をリサイクルする方法であり、目的ポリマーを含むプラスチック廃棄物は、特に攪拌機及び/又は加熱システムを使用することにより、溶媒に少なくとも部分的に溶解する。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、溶媒又は溶媒の混合物をプラスチック材料に添加して目的ポリマーを含む溶液又は懸濁液を得ることには、目的ポリマーを、溶媒を含む、特には密閉の及び/又は気密の、容器中の溶媒又は溶媒の混合物に、少なくとも部分的に溶解させることが含まれ、懸濁液又は溶液を攪拌する攪拌機が提供される。攪拌機は、容器に接続することができ、及び/又はそれは容器内に配置してもよい。いくつかの実施形態では、容器に接続せずに、たとえば攪拌機を上から容器中にぶら下げるようにして、攪拌機を容器内に配置してもよい。しかしながら、攪拌機は、容器に、特には密閉され及び/又は気密である容器に、接続される場合が多い。懸濁液又は溶液は、好ましくは、少なくとも15分間、特に少なくとも30分間撹拌される。好ましくは、懸濁液又は溶液は、6時間未満、特に2時間未満(120分)攪拌される。撹拌することにより、目的ポリマーを溶媒に溶解することが促進されることが分かった。
【0051】
一実施形態では、溶媒を除去する方法が、目的ポリマーを含むプラスチック廃棄物をリサイクルする方法であり、目的ポリマーを、特に攪拌機及び/又は加熱システムを使用することにより、溶媒に少なくとも部分的に溶解する。別の実施形態では、溶媒を除去する方法が、溶媒系リサイクルプロセスに統合する方法である。溶媒系リサイクルプロセスは、好ましくは、連続式の溶媒系リサイクルプロセスである。
【0052】
一実施形態では、押出機は、脱気ユニットをさらに含み、脱気ユニットは、目的ポリマーを本質的に完全に脱気するのに使用され、本質的に完全な脱気とは、溶媒フリーで、目的ポリマーとして95質量%を超える、好ましくは99質量%を超えるものが得られることを意味する。
【0053】
一実施形態では、脱気ユニットは脱気押出機である。一実施形態では、押出機はスクリュー押出機である。
【0054】
一実施形態では、目的ポリマーは、溶媒の沸点より、又は混合溶媒中で最も低い沸点を有する有機溶媒の沸点より5K超低い温度で、特に10K超低い温度で、溶媒に少なくとも部分的に溶解する。
【0055】
いくつかの実施形態では、目的ポリマーは熱可塑性ポリマーである。いくつかの実施形態では、目的ポリマーは、消費者使用後のポリマー、産業使用済みポリマー、及びそれらの組み合わせを含む群から選択されるプラスチック材料に由来する。
【0056】
いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、ポリアミド(PA)及びそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0057】
いくつかの実施形態では、目的ポリマーは、ポリスチレン(PS)、特に発泡ポリスチレン(EPS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、スチレン-アクリロニトリル樹脂(SAN)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)からなる群から選択される。特に適切な目的ポリマーは、ポリエチレン(PE)、特に低密度ポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度ポリエチレン(HDPE)である。
【0058】
いくつかの実施形態において、目的ポリマーは、ポリスチレン(PS)、特に発泡ポリスチレン(EPS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、スチレン-アクリロニトリル樹脂(SAN)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)及びポリエチレンテレフタレート(PET)からなる群から選択される。特に適切な目的ポリマーは、ポリエチレン(PE)、特に低密度ポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度ポリエチレン(HDPE)である。本方法は、低密度ポリエチレン(LDPE)のリサイクルに特に適していることが分かった。
【0059】
一実施形態では、目的ポリマーはポリオレフィンである。一実施形態では、目的ポリマーは低密度ポリエチレン(LDPE)である。一実施形態では、目的ポリマーはポリプロピレン(PP)である。一実施形態では、目的ポリマーはポリアミド(PA)である。
【0060】
上記工程i)にて提供される懸濁液又は溶液は、好ましくは、ポリスチレン(PS)、特に発泡ポリスチレン(EPS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、スチレン-アクリロニトリル樹脂(SAN)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)からなる群から選択される1つ以上の少なくとも部分的に溶解した熱可塑性の目的ポリマーを含む。ポリエチレン(PE)は、好ましくは、高密度ポリエチレン(HDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)から選択されるか、又は両方を含む。この方法は、ポリエチレン(PE)、特に低密度ポリエチレン(LDPE)のリサイクルに特に適していることが分かった。
【0061】
いくつかの実施形態において、目的ポリマーは、50~20000kDa、特に100~4000kDa、特に200~2000kDaの平均分子量を有する。いくつかの実施形態において、目的ポリマーは、50~20000kDa、特に100~4000kDa、特に200~2000kDaの数平均分子量を有する。
【0062】
一実施形態では、目的ポリマーが溶解している溶媒又は溶媒の混合物は、溶解した目的ポリマーで飽和している溶液又は懸濁液を形成する。
【0063】
いくつかの実施形態において、目的ポリマーは、溶媒又は溶媒の混合物及び溶解したポリマーの総重量に対して、5重量%以上、より好ましくは7重量%以上、特に10重量%以上の量で、この溶媒又は溶媒の混合物に溶解する。
【0064】
いくつかの実施形態において、目的ポリマーは、溶媒又は溶媒の混合物及び溶解したポリマーの総重量に対して5重量%以上、より好ましくは7重量%以上、特に10重量%以上の量で、この溶媒又は溶媒の混合物に溶解し、目的ポリマーを溶解する溶媒又は溶媒の混合物は、溶解した目的ポリマーで飽和した溶液又は懸濁液を形成する。目的ポリマーに加えて、他の目的外のポリマーが存在してもよい。目的外ポリマーは、溶媒に溶解しないか、又は上記条件下、目的ポリマーよりも溶解度が低いことが好ましい。例えば、プラスチック廃棄物がリサイクルされる場合、目的外ポリマーは、目的ポリマーよりも少ない程度で存在することが好ましい。目的外ポリマーは、溶媒及び溶解したポリマーの総重量に対して、1重量%未満、特に0.5重量%未満の量で溶解するのが好ましい。
【0065】
懸濁液又は溶液は、20℃を超える平均温度、特に室温25℃を超える平均温度、特に40℃を超える平均温度で加熱されることが好ましい。
【0066】
いくつかの実施形態では、懸濁液又は溶液は、少なくとも50℃、特に少なくとも80℃の平均温度を有する。いくつかの実施形態では、目的ポリマーを溶媒に溶解する間、溶媒は、平均温度20~160℃、特に平均温度40~140℃、好ましくは平均温度50~100℃に加熱される。いくつかの実施形態においては、懸濁液又は溶液は、60~180℃の平均温度で加熱され、当業者によって理解されるように、これは、溶媒に依存する。たとえば、溶媒としてのヘプタンは、蒸発するのに比較的低い温度を必要とする。ただし、HDP又はPPに対してヘプタンを使用すると、その溶解のために過圧が必要になる場合がある。目的ポリマーが低密度ポリエチレン(LDPE)の場合、80~120℃の平均温度が、前記ポリマーを溶解するのに特に適していることが見出された。目的ポリマーが高密度ポリエチレン(HDPE)の場合、平均温度100~140℃の温度がポリマー溶解に特に適していることが分かった。目的ポリマーがポリプロピレン(PP)の場合、平均温度120~160℃の温度が、ポリマーを溶解するのに特に適していることが見出された。いくつかの実施形態において、懸濁液又は溶液の上述の容器内の平均温度は、特に目的ポリマーを溶解する場合、20℃超、好ましくは40℃超、特に60℃超、特に好ましくは80℃超である。これは又、溶媒又は懸濁液を含む容器内の懸濁液又は溶液の平均温度であってよい。いくつかの実施形態において、目的ポリマーの溶解は、溶媒の沸点より5K超低い温度、特に10K超低い温度下で行われる。
【0067】
いくつかの実施形態では、特に目的ポリマーを溶解するときの懸濁液又は溶液のピーク温度は、20℃超であり、好ましくは40℃超、特に60℃超、特に好ましくは80℃超である。これは又、溶媒又は懸濁液を含む容器内の溶媒及び/又は懸濁液又は溶液のピーク温度であってよい。平均温度は、好ましくは、すべてではないにしてもほとんどの目的ポリマーが溶媒に溶解し、及び/又は溶解したままの状態になるような温度として選択されるべきことが理解される。
【0068】
いくつかの実施形態では、懸濁液又は溶液の精製には、機械的固液分離によって懸濁液又は溶液の未溶解成分を除去することが含まれる。いくつかの実施形態では、機械的固液分離は遠心分離機によって達成される。いくつかの実施形態では、ふるい、特に金属ふるいを、機械的固液分離のために代替的又は追加して使用することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、固液分離により、1000mgを超える、特に100mgを超える、好ましくは10mgを超える重量の任意の粒子が除去される。いくつかの実施形態において、固液分離により、50mgを超える、特に5mgを超える、好ましくは1mgを超える重量の任意の粒子が除去される。固液分離後、懸濁液は、好ましくは、目的ポリマー及び固体粒子を含む溶液になる。
【0070】
いくつかの実施形態において、この固液分離には、好ましくは遠心分離によって、未溶解の任意の物質の少なくとも50重量%(重量%)、特に少なくとも90重量%、好ましくは99重量%が除去されることが含まれる。
【0071】
いくつかの実施形態では、遠心分離機とは気密遠心分離機であり、特に、懸濁液は気密条件下で遠心分離され得る。いくつかの実施形態において、溶媒除去は、気密条件下で実施される。さらに別の実施形態では、リサイクルプロセスは気密条件下で実施される。
【0072】
いくつかの実施形態では、遠心分離機内の酸素含有量は、特に好ましくは遠心分離機内の懸濁液の総重量に関して及び/又は遠心分離機内のガス組成に対して、15重量%未満、特に10重量%未満、好ましくは7重量%未満である。いくつかの実施形態では、ドラム乾燥及び押し出しを含むリサイクルプロセス及び/又は溶媒除去プロセスにおける酸素含有量が、特に好ましくは遠心分離機内の懸濁液の総重量及び/又は遠心分離内のガス組成に対して、特には15重量%未満、特に10重量%未満、好ましくは7重量%未満である。
【0073】
いくつかの実施形態では、溶媒は、単一の有機溶媒、又は少なくとも1つの有機溶媒を含む混合物、好ましくは2つ以上の有機溶媒の混合物である。
【0074】
いくつかの実施形態において、目的ポリマーを溶解するために使用される溶媒は、単一の有機溶媒又は少なくとも1つの有機溶媒を含む混合物、好ましくは2つ以上の有機溶媒の混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒は、単一の有機溶媒、又は少なくとも1つの有機溶媒を含む溶媒の混合物である。
【0075】
いくつかの実施形態において、有機溶媒は、脂肪族又は芳香族炭化水素である。いくつかの実施形態において、溶媒は、脂肪族又は芳香族炭化水素を含む。それらは飽和又は不飽和であり得る。いくつかの実施形態では、溶媒は環状有機化合物を含む。一実施形態では、溶媒は、有機酸を含み、有機酸としては、ギ酸及び/又は酢酸が挙げられるがが、これらに限定されない。一実施形態では、溶媒は、ギ酸、酢酸、アセトン又はプロパノンなどのケトン、並びに、アルコール、例えばメタノール若しくはエタノール、若しくはグリコールなどのポリオール若しくは2-プロパノール、又はそれらの混合物を含む。一実施形態では、溶媒は、ギ酸、酢酸、アセトン又はプロパノンなどのケトン、並びにアルコール、例えばメタノール若しくはエタノール、若しくはグリコールなどのポリオール若しくは2-プロパノール、又はそれらの混合物を含む。溶媒は、目的ポリマーが溶解するように選択される。ポリエチレン(PE)、特に低密度ポリエチレン(LDPE)に対して、ヘプタンが、特に85~95℃及び/又は0.8~1.2バール(80~120kPa)の圧力で、特に適切な溶媒であることが見出された。ポリエチレン(PE)、特に高密度ポリエチレン(HDPE)に対して、ヘプタンが、特に105~115℃及び/又は1~2バール(100~200kPa)の圧力で、特に適した溶媒であることが分かった。ポリプロピレン(PP)に対して、オクタンが、特に平均温度125~135℃で、特に適した溶媒であることが分かった。PVCに対して、アセトンが、特に平均温度80~160℃で、特に適した溶媒であることが分かった。ポリアミド(PA)に、特にポリアミド-6に対して、プロピレングリコールが、好ましくは平均温度80~160℃で、特に適切な溶媒であることが分かった。
【0076】
いくつかの実施形態では、工程i)の溶液又は懸濁液は、溶媒又は溶媒の混合物及び溶解したポリマーの総重量に対して、10重量%以上の目的ポリマーを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、単一の目的ポリマーのみが存在する。他の実施形態では、目的とするポリマーのブレンドが製造され、ペレットの製造に使用することができる。
【0078】
ドラム乾燥に使用するドラム乾燥機は、本発明を実施するのに適した、従来技術を使った既知の任意のドラム乾燥機であってよい。そのようなドラム乾燥機は、1つ又は2つの加熱された回転ドラムを有してよい。乾燥される材料は、その1又は複数の回転ドラムに供給することができ(「能動供給」)、又は、1又は複数の回転ドラムを、材料を取り上げるために、浴又は溶液中に浸漬しつつ回転させることができる(「受動供給」)。
【0079】
一実施形態では、ドラム乾燥機は複数の回転ドラムを含み、複数の回転ドラムは、少なくとも2つの逆反回転ドラムを含み、これらが、逆回転ドラムのシェル外面に沿って線形スリットを構成しており、それを通して、液化形態物が、この逆回転ドラムの逆回転によって移送され、それによって、少なくとも2つの逆回転ドラムのシェル外面においてドラム乾燥機乾燥フィルムが生成する。
【0080】
一実施形態では、線形スリットは、1000μm以下、好ましくは100μm~1000μm、より好ましくは300μm未満の幅を有する。
【0081】
一実施形態では、ドラム乾燥機乾燥フィルムの幅は、ドラム全長の最大100%、好ましくはドラム全長の最大90%である。
【0082】
一実施形態では、ドラム乾燥機乾燥フィルムは、幅が1000μm以下、好ましくは300μm未満である。
【0083】
一実施形態では、液化された目的ポリマーは、真空下でドラム乾燥機に移されるので、真空状態が不安定化することはない。
【0084】
一実施形態では、ドラム乾燥機の入口開口部にはシール(封止)が含まれ、このシールは、ドラム乾燥機の圧力を安定させ、少なくとも1つの中間バルブによって提供され、この少なくとも1つの中間バルブは、少なくとも1つの真空ポンプに接続される。特にこの中間バルブは、プロセスの開始から、乾燥後のポリマー塊がドラム乾燥機と押出機の間に真空シールを提供するまでの間、真空を確立するために用いられる。その後、中間バルブを開き、プロセス全体通してオープンのままにすることができる。
【0085】
特にいくつかの実施形態では、乾燥したポリマー塊は、1つ又は複数のドラムからトラフに落下し、さらに、押出機のスクリューチャネルに、その供給スクリューを介して、押し込まれる。そこでポリマーの塊が溶融する。押出機スクリューの設計により、乾燥したポリマー塊を詰める(つまり、圧縮又は高密度化する)ことで「ジャムゾーン」が構築される。これにより、特にプロセス開始時、ドラム乾燥機の出口開口部を密閉してドラム内を真空に維持する閉鎖部が、形成される。一旦ポリマー塊が押出機、特に押出機の最初のゾーン(計量ゾーン)で溶融すると、溶融物はドラム乾燥機の出口開口部も閉塞する。したがって、いくつかの実施形態では、追加の中間バルブが提供されない場合、プロセスの開始中、ドラム乾燥機内と押出機内の圧力が実質的に等しいことがあり得る。一旦、押出機スクリューにおける詰められたポリマー塊によって、さらにポリマー溶融物によって、「栓」が形成されると、特にドラム乾燥機内の真空も含む、ドラム乾燥機と押出機との間に差圧が生まれる。差圧は、例えば、少なくとも100ミリバール(10kPa)の場合がある。
【0086】
一実施形態では、液化形態物は、ポリマー懸濁液、溶融物、又は溶液である。
【0087】
一実施形態では、液化形態物は、ポリマー懸濁液又は溶液である。
【0088】
一実施形態では、剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムは、乾燥したゲル状ポリマーである。
【0089】
一実施形態では、ドラム乾燥機は加熱され、加熱とは、ドラム乾燥機のドラム又は複数のドラムの温度が、有機溶媒の沸点より、又は溶媒の混合物中最低蒸発温度を有する有機溶媒の沸点より、20K低い、好ましくは10K低い温度のことを意味する。
【0090】
一実施形態では、ドラム乾燥機は加熱され、加熱とは、ドラム乾燥機のドラム又は複数のドラムの温度が、有機溶媒の沸点より、又は溶媒の混合物中最低蒸発温度を有する有機溶媒の沸点より、20K低い、好ましくは10K低い温度のことを意味し、言及される温度は、使用圧力下で目的ポリマーの融点より低い温度である。目的ポリマーの融点は基本的に圧力に依存しないか、ほとんど圧力に依存しないため、ここでいう「使用圧力」とは通常、常圧(大気圧)に対応する。しかしながら、ドラム乾燥機内を真空又は低圧下にするのは、溶媒の沸点をその蒸気圧曲線に従って下げるためであることが理解されよう。
【0091】
一実施形態では、ドラム速度は10rpm未満、好ましくは5rpm未満である。
【0092】
一実施形態では、押出機は加圧下にあり、この圧力は30バール(3000kPa)超、好ましくは50バール(5000kPa)超、最も好ましくは100バール(10000kPa)超である。
【0093】
一実施形態では、押出機内の圧力は、補助加熱付きの真空ポンプシステムによって達成される。
【0094】
一実施形態では、本方法は、目的ポリマーを含むプラスチック廃棄物をリサイクルする方法であり、目的ポリマーを含むプラスチック廃棄物は、特に攪拌機及び/又は加熱システムを使用して、少なくとも1つの有機溶媒を含む溶媒に少なくとも部分的に溶解する。
【0095】
一実施形態では、溶媒への目的ポリマーの溶解は、溶媒の沸点より、又は溶媒の混合物中、最も低い蒸発温度を有する有機溶媒の沸点より5K超、特に10K超低い温度下で行われる。
【0096】
一実施形態では、目的ポリマーは、熱可塑性の目的ポリマーである。
【0097】
一実施形態では、目的ポリマーは、消費者使用後のポリマー、産業使用後のポリマー、及びそれらの組み合わせを含む群から選択されるプラスチック材料に由来する。
【0098】
一実施形態では、目的ポリマーは、ポリオレフィン、ポリアミド(PA)及びそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0099】
一実施形態では、目的ポリマーはポリオレフィンである。
【0100】
一実施形態では、目的ポリマーは低密度ポリエチレン(LDPE)である。
【0101】
一実施形態では、目的ポリマーはポリプロピレン(PP)である。
【0102】
一実施形態では、目的ポリマーはポリアミド(PA)である。
【0103】
一実施形態では、溶媒は、単一の有機溶媒、又は少なくとも1つの有機溶媒を含む溶媒の混合物である。
【0104】
一実施形態では、溶媒又は溶媒の混合物は、脂肪族又は芳香族炭化水素を含む。
【0105】
一実施形態では、溶媒又は溶媒の混合物は、ギ酸、酢酸、アセトン又はプロパノンなどのケトン、並びに、アルコール、例えばメタノール若しくはエタノール、若しくはグリコールなどのポリオール若しくは2-プロパノール、又はそれらの混合物を含む。
【0106】
一実施形態では、目的ポリマーは低密度ポリエチレン(LDPE)であり、溶媒は、アルカン類、イソアルカン類及び環状アルカン類を含む群から選択され、ここで、LDPEの溶媒がアルカンである場合、アルカンは好ましくはn-ヘプタンである。
【0107】
一実施形態では、目的ポリマーは低密度ポリエチレン(LDPE)であり、溶媒はn-ヘプタン又はメチルシクロヘキサンである。
【0108】
一実施形態では、目的ポリマーは低密度ポリエチレン(LDPE)であり、溶媒はn-ヘプタンである。
【0109】
一実施形態では、目的ポリマーは低密度ポリエチレン(LDPE)であり、溶媒はメチルシクロヘキサンである。
【0110】
一実施形態では、目的ポリマーはポリプロピレン(PP)であり、溶媒はn-ノナンである。
【0111】
一実施形態では、目的ポリマーはポリアミド(PA)であり、溶媒はプロピレングリコールである。
【0112】
一実施形態では、本方法は、プラスチック廃棄物をリサイクルする方法であり、プラスチック廃棄物リサイクルプラントで実施される。
【0113】
一実施形態では、溶媒除去及び押出し工程は、プラスチックリサイクルプロセスの一部である。
【0114】
一実施形態では、溶媒除去及び押出し工程は、プラスチック廃棄物リサイクルプラントを使用して実施されるプラスチックリサイクルプロセスの一部である。
【0115】
一実施形態では、プラスチック廃棄物リサイクルプラントは、以下のステーションを含む。
A)任意選択でプラスチック廃棄物用の切断又は細断装置である、プラスチック廃棄物用の小サイズ化装置、及び任意選択の、小サイズ化されたプラスチック廃棄物を分類するためのプラスチック粒子サイズ分類装置、を備える、任意選択のステーション;
B)ステーションA)で生成された、小サイズ化され任意選択で分類されたプラスチック廃棄物を、洗浄するための、任意選択のステーション;
C)容器を含むステーションであって、容器が、ステーションA)で生成された、小サイズ化されたプラスチック廃棄物、任意選択で分類されたプラスチック廃棄物、又はステーションB)で生成された洗浄されたプラスチック廃棄物、に任意選択で由来する、少なくとも1つの目的ポリマーを溶解するための攪拌機及び/又は加熱システム及び/又は有機溶媒を含む、ステーション;
D)固液分離用の遠心分離機を含む、任意選択のステーション;
E)液化形態物からの溶媒蒸発用のドラム乾燥機、及び、ポリマーペレット製造用の、剥離したドラム乾燥機乾燥フィルム押出し用の、押出機、を含むステーション;
ここで、プラスチック廃棄物リサイクルプラントは、上記の順序で各ステーションから次のステーションに材料を移送する移送システムを備える。
【0116】
任意選択で追加するステーションは、いくつかの実施形態においては実装されておらず、実装されていない場合、移送システムは、実装されている次のステーションに移送を行う。又、明示的に記載されていない追加のステーションが実装される場合がある。
【0117】
いくつかの実施形態では、前記目的ポリマーは低密度ポリエチレン(LDPE)であり、溶媒はn-ヘプタンである。
【0118】
好ましくは、目的ポリマーのための溶媒には、少なくとも80重量%の有機溶媒、特に少なくとも90重量%の有機溶媒、特に好ましくは少なくとも95重量%の有機溶媒が含まれる。溶媒中の水の含有量は、存在する場合には、好ましくは20重量%未満、特に10重量%未満である。いくつかの実施形態において、懸濁液又は溶液は又、上記の組成を有する溶媒を含み得る。
【0119】
好ましくは、目的ポリマーのための溶媒には、少なくとも60重量%の有機溶媒、特に少なくとも80重量%の有機溶媒、特に好ましくは少なくとも90重量%の有機溶媒が含まれる。溶媒中の水の含有量は、存在する場合には、好ましくは40重量%未満、特に20重量%未満、より良好には10重量%未満である。いくつかの実施形態において、懸濁液又は溶液は、又上記の組成を有する溶媒を含み得る。
【0120】
一実施形態では、本方法は、プラスチック廃棄物リサイクル用の溶媒系リサイクルプロセスの後処理工程である。一実施形態では、本方法は、プラスチック廃棄物リサイクル用の溶媒系リサイクルプロセスの後処理工程である。
【0121】
一実施形態では、本方法は、プラスチック廃棄物のリサイクル用であり、プラスチック廃棄物リサイクルプラントで実施される。
【0122】
いくつかの実施形態では、溶解した目的ポリマーから除去された溶媒は、目的ポリマーを溶解するために少なくとも部分的に再利用されて、溶解した目的ポリマーを含むより多くの懸濁液又は溶液が提供される。いくつかの実施形態では、再利用する溶媒は、溶媒の蒸発及び凝縮によって、及び/又は蒸留によって精製され、不純物は蒸発によって除去され、溶媒が残る。多くの場合、最良のアプローチとするには溶媒の沸点を考慮する必要がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、溶媒は精製する必要なく、好ましくは同一の目的ポリマーが次回のポリマー溶解の際にも使用される場合に、溶媒を直接再利用してもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、上記の工程ii)で得られた濃縮された目的ポリマーは、ゲル状の粘稠度を有する。その場合、ポリマーを目的ポリマーゲルと呼ぶことがある。
【0124】
いくつかの実施形態では、ポリマーペレットは、プラスチック押出しにより形成される。いくつかの実施形態では、箔、パイプ、ボトル、パレット、芝生グリッド、又は住宅用建築材料などの製品は、ペレットから、又は得られた濃縮後の目的ポリマーから、ブロー成形、押出成形、プレス及び/又は射出成形によって直接形成される。
【0125】
いくつかの実施形態では、本方法は、押出しの前にポリマー溶融物を形成すること、及び/又は押出し後にペレットカッターを使用してペレット又は製品を形成することが含まれる。残留溶媒は、そのようなポリマー溶融物からより効率的に除去される。
【0126】
いくつかの実施形態において、目的ポリマーを溶液から分離する、ということは、少なくとも50重量%、特に少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも90重量%の溶媒が除去されることを意味する。いくつかの実施形態では、少なくとも99重量%の溶媒が除去される。
【0127】
プラスチック廃棄物をリサイクルする方法におけるいくつかの実施形態では、プラスチック廃棄物の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも80重量%、特に90重量%はプラスチックであり、プラスチックには目的ポリマーも含まれる。いくつかの実施形態では、プラスチック廃棄物の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも80重量%、特に90重量%が目的ポリマーである。いくつかの実施形態では、少なくとも最大10重量%、好ましくは最大20重量%、特に最大50重量%のプラスチック廃棄物はプラスチックである。
【0128】
好ましい実施形態では、プラスチック廃棄物は、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%の、目的ポリマー、特に単一のポリマー又は2つ又は3つのポリマーの混合物からできている。
【0129】
あるいは又さらに、いくつかの実施形態によれば、工程i)に係る目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液の提供に先行して、プラスチック廃棄物を溶媒に入れる前の、プラスチック廃棄物の洗浄、例えば水洗、を行ってよい。洗浄ではいくつかの不純物が取り除かれる。いくつかの実施形態では、洗浄は、材料を液体と接触させて懸濁液を調製し、引き続き得られた懸濁液を精製することによって行い、特に機械的固液分離により行われる。いくつかの実施形態では、前記液体は水である。いくつかの実施形態では、洗浄には、平均温度40℃を超える、特に平均温度80℃を超える温度での水による洗浄が含まれてよい。又、水洗浄は摩擦式の洗浄機により実施することができ、特には、プラスチック廃棄物をローターで輸送して、及び/又は水をプラスチック廃棄物と反対方向に輸送して行う。ローターと水による摩擦により不純物が除去される。いくつかの実施形態では、そのような摩擦洗浄を伴う工程はなく、細断されたプラスチック廃棄物が直接使用される。これは産業廃棄物であるプラスチック廃棄物がリサイクルされる場合に相当しうる。消費者製品から出るプラスチック廃棄物では、洗浄工程が有利である場合が多い。
【0130】
いくつかの実施形態によれば、工程i)に係る目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液の提供は、プラスチック材料を溶媒又は溶媒の混合物に入れる前に、目的ポリマーを含むプラスチック廃棄物のサイズを小さくすることによって行われる。目的ポリマーがプラスチック廃棄物から得られる場合、小サイズ化により、目的ポリマーの溶解速度及び/又は溶解度合いが改善される。一実施形態では、小サイズ化は、細断又は切断、あるいはそれらの組み合わせによりなされる。プラスチック廃棄物を小サイズ化する装置は、最先端技術による装置が知られている。
【0131】
いくつかの実施形態では、プラスチック廃棄物は、ポリエチレン(PE)及びアルミニウム、好ましくはポリエチレン、アルミニウム及び紙を含む。いくつかの実施形態では、プラスチック廃棄物の少なくとも60重量%、特に少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%が前記材料からなる。
【0132】
いくつかの実施形態では、プラスチック廃棄物は、包装用の材料及び/又は箔から少なくとも部分的に得られる。いくつかの実施形態では、プラスチック廃棄物の少なくとも60重量%、特に少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%は、包装用の材料及び/又は箔からなる。
【0133】
いくつかの実施形態では、前記プラスチック廃棄物は、自動車部品から少なくとも部分的に得られる。この実施形態の中には、プラスチック廃棄物の少なくとも60重量%、特に少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%が自動車部品からなるものがある。
【0134】
いくつかのさらなる実施形態では、プラスチック廃棄物は、缶、カップ、箔、折りたたみ可能なチューブ、プラスチック袋からなる群から選択される少なくとも1種類を含む。いくつかの実施形態では、プラスチック廃棄物は、缶、カップ、箔、折りたたみ可能なチューブ、プラスチック袋からなる群から選択される少なくとも2種類又は3種類を含む混合廃棄物である。この種類の物は、好ましくは、プラスチック廃棄物の総重量の少なくとも20重量%、特に少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも60重量%を構成する。他の種類のプラスチック廃棄物又は他のプラスチック材料を原料として使用することができる。
【0135】
本発明は又、統合された抽出工程を有する、少なくとも1つの目的ポリマーを含むプラスチック材料の溶媒系のリサイクル方法の使用に関する。この方法は、好ましくは、プラスチック廃棄物、特に一般固形廃棄物、好ましくは本開示に記載される種類及び/又は組成物のプラスチック廃棄物をリサイクルする方法である。したがって、本発明の方法は、プラスチック廃棄物のリサイクル用に使用するのに有利である。しかしながら、プラスチック材料処理用の他の用途が想定され得ることは理解されよう。
【0136】
容器は、溶媒及び/又は廃棄物攪拌用の攪拌機を含む。攪拌機は、容器に接続してもよく及び/又はそれを容器内に配置してもよい。容器は、いくつかの実施形態では、タンク、特に密閉タンクであってよい。容器は、1m3~100m3、特に5m3~50m3、特に好ましくは20m3~40m3の容積を有するタンクであってよい。
【0137】
好ましくは、このプラスチック廃棄物リサイクルシステムは、上記の方法を実施するのに適している。
【0138】
容器は、プラスチック廃棄物を少なくとも部分的に溶解する有機溶媒を含むのが好ましい。
【0139】
一実施形態では、容器は、プラスチック廃棄物を少なくとも部分的に溶解する少なくとも1つの有機溶媒を含む、溶媒の混合物を含む。
【0140】
上記の方法に使用されるあらゆる装置は、好ましくは、プラスチック廃棄物リサイクルシステムの一部でもあり得る。
【0141】
本発明は、上記の方法を実施する、上記のプラスチック廃棄物リサイクルシステムの使用にも関する。
【0142】
いくつかの実施形態では、単一の熱可塑性の目的ポリマーのみが存在する。他の実施形態では、熱可塑性の目的ポリマーのブレンドが製造され、ペレットの製造に使用することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、上記の工程i)及び/又はii)及び/又は工程iii)及び/又はiv)及び/又はv)及び/又はvi)は、15重量%未満の酸素、特に5重量%未満の酸素、好ましくは1重量%未満の酸素を含む環境、特に液相及び/又は気相内の環境で実施される。すべての工程に気相及び液相環境が含まれている必要はない。
【0144】
いくつかの実施形態では、溶媒除去後に得られる溶媒は、目的ポリマーの溶解用に少なくとも部分的に再利用され、工程i)に従って、より多くの、溶解した目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液が提供される。いくつかの実施形態では、再利用する溶媒は、溶媒の蒸発及び凝縮によって、及び/又は蒸留によって精製され、不純物は蒸発によって除去され、溶媒が残る。しばしば最善の工程とするには溶媒の沸点を考慮する必要がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、精製する必要はなく、溶媒を蒸発及び凝縮及び/又は蒸留しないでも溶媒を直接再利用することができ、前サイクルのサイズ分類時に用いた溶解した目的ポリマーが次のサイクルのサイズ分類の時の溶解した目的ポリマーと同一である場合には、任意選択で、その後のリサイクルにおける溶媒再利用のための溶媒精製は省略され、サイズ分類のサイクルは、目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液を提供すること、目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液を押出機に移送すること、サイズ分類ユニットを有する押出機で目的ポリマーを含む懸濁液又は溶液のサイズ分類処理をすること、任意選択で脱気ユニットを使用して脱気すること、及び溶媒回収ユニットを使って溶媒回収すること、からなる。
【0145】
溶媒回収ユニットでは、溶媒が回収され、溶媒精製ユニットによる回収後の溶媒の蒸発及び/又は蒸留により溶媒を精製する場合には、任意選択で、溶媒は精製ユニットに送られる。
【0146】
一実施形態では、溶媒の除去、回収、及び精製は、連続プロセスである。一実施形態では、溶媒の除去、回収、及び精製は、連続プロセスであり、プロセスの連続性は、物理的な中断を必要とせずに、あるステーションから次のステーションへの溶媒の迅速移動によって確保される。原料は、ポンプとバルブを介してドラム乾燥機に供給してもよい。乾燥した目的ポリマーは、スクリューコンベヤーによって運び出すことができる。蒸発した溶媒は、蒸気として排出し、凝縮器を介して回収することができる。
【0147】
この方法は、目的ポリマーを含むあらゆる種類の溶液から溶媒を少なくとも部分的に除去する方法として使用することができる。プラスチック廃棄物は、目的ポリマーを先の溶媒に溶解する溶媒に、浸漬することができる。驚くべきことに、前記プラスチック廃棄物に存在する不純物により、ドラム乾燥及び/又は押出しが効率良く行われることが妨げられることはない。プラスチック廃棄物をリサイクルするこの方法は、熱可塑性の目的ポリマーを含むあらゆる種類のプラスチック廃棄物に適している。
【0148】
プラスチック廃棄物を溶媒に溶解させる前に、選別することが可能であり、上記の工程i)に係る、懸濁液又は溶液中の目的ポリマーの提供は、上記のプラスチック廃棄物を選別することを含みうる。しながら、いくつかの実施形態では、混合プラスチック廃棄物が使用され、選別はほとんど又は全く行われない。
【0149】
好ましくは、このプラスチック廃棄物リサイクルプラントは、上記の方法を実施するのに適している。
【0150】
容器は、プラスチック廃棄物を少なくとも部分的に溶解するための有機溶媒を含むことが好ましい。
【0151】
上記の方法に使用されるあらゆる装置は、プラスチック廃棄物リサイクルプラントの一部でもあり得ることが好ましく、例えば膜の詳細の方法について説明した容器が挙げられる。
【0152】
本発明は又、目的ポリマーを少なくとも1つの有機溶媒を含む溶媒に溶解し、少なくとも1種の有機溶媒を含む溶媒から目的ポリマーを回収することによって、プラスチック廃棄物から目的ポリマーをリサイクルするための、上記のプラスチック廃棄物リサイクルプラントの使用、に関する。
【0153】
上記の内容と合わせて、以下の連続番号が付けられた実施形態により、本発明の特定の態様がさらに提供される。
【0154】
1.溶解した目的ポリマーを含む液化形態物から少なくとも1つの溶媒を除去する連続式の方法であって、以下の工程:
少なくとも1つの加熱された回転ドラムを含むドラム乾燥機において、前記液化形態物から前記少なくとも1つの溶媒を蒸発させる工程、ここで、前記液化形態物は、最大75℃の温度、500mbar(50kPa)未満の圧力下にて、少なくとも1つの加熱された回転ドラムのシェル面に接触し、前記目的ポリマーを含むドラム乾燥機乾燥フィルムが、前記少なくとも1つの加熱された回転ドラムの前記シェル面で生成する、
前記少なくとも1つの加熱された回転ドラムの前記シェル面から前記ドラム乾燥機乾燥フィルムを剥離する工程、及び
前記剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムを、前記ドラム乾燥機と前記押出機の間の真空シールを介して前記ドラム乾燥機から前記押出機に移す工程、
を含む方法。
【0155】
2.前記液化形態物が、前記少なくとも1つの加熱された回転ドラムのシェル面に、最大65℃の温度、300ミリバール(30kPa)未満の圧力で接触する、実施形態1に記載の方法。
【0156】
3.前記剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムの前記押出機への前記連続的な移送が、前記剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムを前記ドラム乾燥機シェル面から前記押出機へ連続的に方向付けるガイド機構によって促進される、実施形態1又は2に記載の方法。
【0157】
4.前記ガイド機構は、前記ブレードに並置される前記ガイド面の使用を含み、前記ガイド面が、前記剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムに接触し、前記剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムを、前記押出機の入口開口部を下流に備える前記ドラム乾燥機の出口開口部に向くようにさせる、実施形態3に記載の方法。
【0158】
5.前記剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムが、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満の量の溶媒を含む、実施形態1~4のいずれか一つに記載の方法。
【0159】
6.前記液化形態物が、特に機械的固液分離によって、任意選択で遠心分離機を使用してさらに精製され、それにより精製された液化形態物が得られる、実施形態1~5のいずれか一つに記載の方法。
【0160】
7.前記ドラム乾燥機が複数の回転ドラムを含む場合、前記複数の回転ドラムは、少なくとも2つの逆回転ドラムを含み、これらの逆回転ドラムは、前記逆回転ドラムの前記シェル外面に沿った線形スリットを構成しており、これを通して、前記液化形態物が、前記逆回転ドラムの逆回転によって移送され、それにより前記少なくとも2つの逆回転ドラムの前記シェル外面に、前記ドラム乾燥機乾燥フィルムが生成される、実施形態1~6のいずれか一つに記載の方法。
【0161】
8.前記線形スリットは、1000μm以下、好ましくは100μm~1000μm、より好ましくは300μm未満の幅を有する、実施形態7に記載の方法。
【0162】
9.前記ドラム乾燥機乾燥フィルムの幅が、前記ドラム全長の最大100%、好ましくは前記ドラム全長の最大90%である、実施形態1~8のいずれか一つに記載の方法。
【0163】
10.前記ドラム乾燥機乾燥フィルムの幅が1000μm以下、好ましくは300μm未満である、実施形態1~9のいずれか一つに記載の方法。
【0164】
11.前記ドラム乾燥機の前記入口開口部がシール(封止部)を含み、前記シールは、前記ドラム乾燥機の圧力を安定させ、少なくとも1つの真空ポンプに接続されている少なくとも1つの中間バルブによって提供される、実施形態1~10のいずれか一つに記載の方法。
【0165】
12.前記押出機が、スクリュー押出機である、実施形態1~11のいずれか一つに記載の方法。
【0166】
13.前記液化形態物が、ポリマー懸濁液、溶融物又は溶液である、実施形態1~12のいずれか一つに記載の方法。
【0167】
14.前記液化形態物が、ポリマー懸濁液又は溶液である、実施形態1~13のいずれか一つに記載の方法。
【0168】
15.前記剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムが、乾燥ゲル様ポリマーである、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
16.加熱とは、前記ドラム乾燥機の、前記ドラム又は複数のドラムの前記温度が、前記有機溶媒又は溶媒の混合物の中で蒸発温度が前記最も低い前記有機溶媒の沸点より20K低い、好ましくは10K低い温度であることを意味する、実施形態1~15のいずれか一つに記載の方法。
【0170】
17.ドラム速度が10rpm未満、好ましくは5rpm未満である、実施形態1~16のいずれか一つに記載の方法。
【0171】
18.前記押出機が加圧下にあり、前記圧力が30バール(3000kPa)超、好ましくは50バール(5000kPa)超、最も好ましくは100バール(10000kPa)超である、実施形態1~17のいずれか一つに記載の方法。
【0172】
19.前記押出機内の圧力が、補助加熱付きの真空ポンプシステムによって達成される、実施形態1~18のいずれか一つに記載の方法。
【0173】
20.目的ポリマーを含むプラスチック廃棄物をリサイクルする方法であり、目的ポリマーを含むプラスチック廃棄物を、特に攪拌機及び/又は加熱システムを使用して、少なくとも1つの有機溶媒を含む前記溶媒に少なくとも部分的に溶解する、実施形態1~実施形態19のいずれか一つに記載の方法。
【0174】
21.溶媒への前記目的ポリマーの溶解が、前記溶媒の前記沸点より、又は溶媒の混合物の中で蒸発温度が前記最も低い前記有機溶媒の前記沸点より5K超低い温度で、特に10K超低い温度下で行われる、実施形態1~20のいずれか一つに記載の方法。
【0175】
22.前記目的ポリマーが熱可塑性の目的ポリマーである、実施形態1~21のいずれか一つに記載の方法。
【0176】
23.前記目的ポリマーが、消費者使用ポリマー、産業使用後ポリマー、及びそれらの組み合わせを含む群から選択されるプラスチック材料に由来する、実施形態1~22のいずれか一つに記載の方法。
【0177】
24.前記目的ポリマーが、ポリオレフィン、ポリアミド(PA)及びそれらの組み合わせを含む群から選択される、実施形態1~23のいずれか一つに記載の方法。
【0178】
25.前記目的ポリマーがポリオレフィンである、実施形態1~24のいずれか一つに記載の方法。
【0179】
26.前記目的ポリマーが低密度ポリエチレン(LDPE)である、実施形態1~25のいずれか一つに記載の方法。
【0180】
27.前記目的ポリマーがポリプロピレン(PP)である、実施形態1~26のいずれか一つに記載の方法。
【0181】
28.前記目的ポリマーがポリアミド(PA)である、実施形態1~27のいずれか一つに記載の方法。
【0182】
29.前記溶媒が、単一の有機溶媒又は少なくとも1つの有機溶媒を含む溶媒の混合物である、実施形態1~28のいずれか一つに記載の方法。
【0183】
30.前記溶媒又は溶媒の混合物が脂肪族又は芳香族炭化水素を含む、実施形態1~29のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
31.前記溶媒又は溶媒の混合物が、ギ酸、酢酸、アセトン又はプロパノンなどのケトン、並びにアルコール、例えばメタノール若しくはエタノール、若しくはグリコールなどのポリオール若しくは2-プロパノール、又はそれらの混合物を含む、実施形態1~30のいずれか一つに記載の方法。
【0185】
32.前記目的ポリマーが低密度ポリエチレン(LDPE)であり、前記溶媒がアルカン類、イソアルカン類及び環状アルカン類を含む群から選択される、実施形態1~31のいずれか一つに記載の方法であって、LDPEの前記溶媒がアルカンの場合、前記アルカンは好ましくはn-ヘプタンである。
【0186】
33.前記目的ポリマーがポリプロピレン(PP)であり、前記溶媒がn-ノナンである、実施形態1~32のいずれか一つに記載の方法。
【0187】
34.前記目的ポリマーがポリアミド(PA)であり、前記溶媒がプロピレングリコールである、実施形態1~33のいずれか一つに記載の方法。
【0188】
35.プラスチック廃棄物をリサイクルする方法であって、プラスチック廃棄物リサイクルプラントで実施される、実施形態1~34のいずれか一つに記載の方法。
【0189】
36.以下のステーション:
A)、任意選択でプラスチック廃棄物用の切断又は細断装置である、プラスチック廃棄物用の小サイズ化装置、及び任意選択の、前記小サイズ化されたプラスチック廃棄物を分類するためのプラスチック粒子サイズ分類装置、を備える、任意選択のステーション;
B)ステーションa)で生成された小サイズ化され任意選択で分類されたプラスチック廃棄物を、洗浄するための、任意選択のステーション;
C)容器を含むステーションであって、前記容器が、ステーションA)で生成された前記小サイズ化されたプラスチック廃棄物、任意選択で分類されたプラスチック廃棄物、又はステーションB)で生成された洗浄されたプラスチック廃棄物に任意選択で由来する、少なくとも1つの目的ポリマーを溶解するための有機溶媒を含む、前記ステーション;
D)固液分離用の遠心分離機を含む、任意選択のステーション、
E)液化形態物からの溶媒蒸発のための前記ドラム乾燥機及び、ポリマーペレット製造用の、前記剥離したドラム乾燥機乾燥フィルム押出し用の、押出機、を含むステーション、
を含むプラスチック廃棄物リサイクルプラントであって、
ここで、前記プラスチック廃棄物リサイクルプラントは、上記の順序で各ステーションから次のステーションに材料を移送する移送システムを備える、
特に実施形態1~35のいずれか一つに記載の方法を実施するための、プラスチック廃棄物リサイクルプラント。
【0190】
定義
以下に、本発明を説明するために使用される様々な用語の定義を列挙した。これらの定義は、特定の場合に個別に、又はより大きな群の一部として限定されない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体にわたって使用される用語として適用される。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、一般に、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0191】
本明細中、冠詞「a」及び「an」は、冠詞の後の、文法上の目的語の1つ又は複数(すなわち、少なくとも1つ)を指す。例として、「an element」は、少なくとも1つの元素、すなわち、元素又は複数の元素を意味する。これは、特に、以下で論じる「目的ポリマー」及び「溶媒」にも当てはまる。
【0192】
本明細書中、「平均温度」という用語は、経過時間の間、好ましくは対応する工程期間にわたって平均化される温度を指す。連続システムでは、工程の持続時間とは、その工程条件下での廃棄物の平均時間を指す。溶媒中では、攪拌により軽減できるが、場所により温度依存性を示す場合がある。このような場合、温度も先の場所に対して平均化して、平均温度を決定する必要がある。充分に攪拌すると、平均温度の場所依存性は通常わずかとなり、平均温度は、工程実施中、1つのスポットで測定することによって決定できる。
【0193】
本明細書中、「ピーク温度」という用語は、工程中に達成される最高温度を指す。これは継続的に温度を監視し、最高温度を選択することで決定できる。たとえば、バッチ式工程を実施する場合、冷たいプラスチック廃棄物を溶媒に仕込むと、バッチ内で温度が下がる場合がある。加熱システムを使えば、容器を加熱しておけば溶媒が次の工程に導かれる前に溶媒温度をピーク温度にしておくことができる。連続システムでは、温度は一定化でき、「平均温度」と「ピーク温度」の間に差が現れないことがよくある。溶媒内の場所によっては変動する場合もあり得るが、連続システムの場合、温度は場所に(経過時間に)依存せずに平均化され、ピーク温度を決定することができる。
【0194】
本明細書中、「溶媒」という用語は、単一の溶媒又は異なる溶媒の混合物を指す。単一の溶媒の場合、回収が容易な場合があるが、混合物だと有毒な溶媒の使用を減らしたり、ポリマーの溶解を加速したりすることができる場合がある。
【0195】
本明細書中、「目的ポリマー」という用語は、単一のポリマー又は異なるポリマーの混合物を指す。ポリマーには、コポリマー及びブロックポリマーも含まれる。多くの場合、ポリマーの混合は完全には避けられない。好ましくは、「目的ポリマー」という用語は、溶媒に溶解可能であり、ポリマーペレットを製造するために使用され得る、単一のポリマー又は異なるポリマーの混合物を指す。場合によっては、「目的ポリマー」は、主成分としての1つ、2つ、又は3つのポリマーの混合物を指し、不純物として、目的ポリマーの総重量に対して5重量%未満存在し得る。さらに、「目的ポリマー」という用語の使用は、「目的ポリマー」、「その目的ポリマー」又は「前記目的ポリマー」が言及される場合に、これらが単一のポリマー又は異なるポリマーの混合物であると明確に述べられない限り、上記のように理解され、すなわち「目的ポリマー」は、「少なくとも1つの目的ポリマー」であり、「前記目的ポリマー」は、「前記少なくとも1つの目的ポリマー」であり、「前記目的ポリマー」は、「前記少なくとも1つの目的ポリマー」である。目的外ポリマーは又、使用する溶媒に溶解しないポリマーであってよく、それは固液分離によって除去され得る。
【0196】
本明細書中、「いくつかの」という用語は、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の実体、好ましくは2つ又は3つの実体を指す。
【0197】
本明細書中、「プラスチック廃棄物」という用語は、プラスチックを含む廃棄物を指す。好ましくは、プラスチック廃棄物とは、例えば一次使用後に廃棄される、及び/又は欠陥品であるが故に廃棄された任意の物質である。いくつかの実施形態では、「プラスチック廃棄物」は固体である。いくつかの実施形態では、「プラスチック廃棄物」は、特に一般大衆によって廃棄される日用品を含む、一般の固形廃棄物を指す。いくつかの実施形態では、「プラスチック廃棄物」は、消費者使用後のポリマー、産業使用後のポリマー、及びそれらの組み合わせを指す。
【0198】
本明細書中、「混合プラスチック廃棄物」という用語は、異なる種類のプラスチック物体を含むプラスチック廃棄物を指す。多くの場合、プラスチックは使用前に分類される。例えばプラスチック袋のみ、又はプラスチックホイルのみという様に。しかしこれをするには通常、プラスチックの選別が必要となる。場合によっては、混合プラスチック廃棄物は、家庭から出る一般のプラスチック廃棄物であり、つまり、プラスチック袋、プラスチック包装、プラスチックチューブなどが混合されている廃棄物である。これに対して、本発明によれば、同一の材料として及び/又は対象物としてグループ別に回収しなくても、又混合プラスチック廃棄物を使用してもポリマーが製造できることが見出された。
【0199】
本明細書中、「アルカン類」という用語は、5~20個の炭素原子、典型的には5~12個の炭素原子を有する直鎖炭化水素を指す。例には、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、及びn-ノナンが含まれるが、これらに限定されない。
【0200】
本明細書中、「イソアルカン類」という用語は、5~20個の炭素原子、典型的には5~12個の炭素原子を有する分岐鎖炭化水素を指す。例として、イソオクタンが含まれるが、これに限定されない。
【0201】
本明細書中、「環状アルカン類」という用語は、環を形成する原子(すなわち、骨格原子)のそれぞれが炭素原子である環状飽和炭化水素を指す。環状アルカン類は、必要に応じて、1~4個の炭素原子を有するアルキル基で置換することができる。例として、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンが含まれるが、これらに限定されない。
【0202】
本明細書中、「ケトン類」という用語は、炭素原子に結合したカルボニル基を有する有機化合物を指す。例として、アセトン、ブタノンが含まれるが、これらに限定されない。
【0203】
本明細書中、「有機酸類」という用語は、式C(=O)OHの官能基を有する有機化合物を指す。例として、ギ酸、酢酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0204】
「数平均分子量」は、好ましくは、それぞれのポリマーサンプル、例えば目的ポリマーの総重量を目的ポリマーのポリマー分子数で割ったものである。「平均分子量」は、ISO 16014-1:2012及び/又はISO 16014-2:2012に従って、好ましくはISO 16014-1:2012によって決定することができる。
【0205】
「新ポリマー」、「新品の様な」又は「新グレードポリマー」という用語は、固体ポリマー、又は特定の目的ポリマーを含むプラスチック製品の純度グレード違いを指す。本発明の文脈上、「新ポリマー」又は「新グレードポリマー」という用語は、目的ポリマーが95重量%以上、好ましくは99重量%以上、最も好ましい100重量%であることを指す。「新品の様なポリマー」という用語は、目的ポリマーが90重量%以上、好ましくは95重量%以上、最も好ましくは99重量%以上であることを指す。
【0206】
本発明の文脈上、「不純物」とは、本発明の主題である方法により製造された製品の一部であることを意図されていないもののことであり、任意の分子又は実体を指す。より具体的には、製品がポリマーであることが意図されている場合、ポリマー以外のものはすべて不純物として分類される。製品が特定の添加剤を含むポリマーであることが意図されている場合、特定の添加剤を含むポリマー以外のものはすべて不純物として分類される。別の例としては、製品が、特定の長さ及び/又は分岐又は特定の分布を含み、任意選択で特定の添加剤をさらに含むポリマーの場合、特定の長さ及び/又は分岐又は特定の分布、任意選択で特定の添加剤を含むポリマーの一部を形成しないものは、「不純物」と見なされる。したがって、不純物とみなされるものの定義は、当業者が、何を、特定の製品を特徴づける構成要素であるとみなさないかによって決まる。
【0207】
「気密」とは、周囲の環境から密閉された特定のエンクロージャの体積に対して、少なくとも95%、好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは100%の体積の気体が封入されたままの状態であることを意味する。本発明の文脈上、揮発性が高く可燃性の溶媒を含む有機溶液又は懸濁液を含む管状体を、周囲の大気の酸素との接触を防ぎ、燃焼のリスクを軽減するために低酸素濃度の気密エンクロージャに封入することができる。
【0208】
「押出機」とは、先行技術において既知の、任意のプラスチック押出機を意味する。これには、脱気押出機も含まれてよい。ただし、「脱気押出機」という用語を使用する場合は、脱気機能のないプラスチック押出機は除外される。脱気押出機も従来技術において既知のものである。
【0209】
「小サイズ化」という用語は、物理的に実体のサイズを縮小するプロセスのことを指す。本発明の文脈上、具体的には、小サイズ化とは、プラスチック材料のサイズを縮小することを指し、いくつかの例では、プラスチック材料の細断又は切断が含まれる。
【実施例0210】
実施例1
a)3.7kgのn-ヘプタンを容器に充填し、95℃の温度に加熱した。
b)0.1kgのLDPE顆粒を容器に加えた。
c)混合物を30分間撹拌して、LDPEのn-ヘプタン溶液を得た。
d)真空ポンプのスイッチを入れて、真空ドラム乾燥機に0.05バール(5kPa)の圧力をかけた。
e)ドラムを80℃の温度に加熱し、1.5rpmの回転速度に調整した。
f)2つのドラム間の間隔を5mmにし、ポリマー溶液を投入ポンプを使って投入した。n-ヘプタンの蒸発が始まった。
g)蒸発したヘプタンを凝縮器で凝縮し、溶媒タンクに移した。凝縮したn-ヘプタンを3.4kg回収した。
h)固体ポリマーをドラムから削り取って、残留溶媒濃度が4重量%の、剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムを得た。
i)ドラム乾燥機乾燥フィルムをスクリューコンベヤーにより引き込み、押出機に供給した。
j)ポリマーを220℃の温度で押出機にて溶融した。
k)材料をペレット化ユニットでペレット化して、85gのLDPE顆粒を得た。
【0211】
実施例2
a)26.6kgのメチルシクロヘキサンを容器に充填し、95℃の温度に加熱した。
b)0.8kgのLDPE顆粒を容器に加えた。
c)混合物を30分間撹拌して、LDPEのメチルシクロヘキサン溶液を得た。
d)真空ポンプのスイッチを入れて、真空ドラム乾燥機に0.05バール(5kPa)の圧力をかけた。
e)ドラムを65℃の温度に加熱し、2.5rpmの回転速度に調整した。
f)2つのドラム間の間隔を5mmにして、ポリマー溶液を投入ポンプを使って投入した。メチルシクロヘキサンの蒸発が始まった。
g)蒸発したメチルシクロヘキサンを濃縮器で濃縮し、溶媒タンクに移した。23.7kgの濃縮メチルシクロヘキサンを回収した。
h)固体ポリマーをドラムから削り取って、残留溶媒濃度が4重量%の、剥離したドラム乾燥機乾燥フィルムを得た。
i)ドラム乾燥機乾燥フィルムをスクリューコンベヤーにより引き込み、押出機に供給した。
j)ポリマーを220℃の温度で押出機にて溶融した。
k)材料をペレット化ユニットでペレット化して、640gのLDPE顆粒を得た。