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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036917
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】導電性組成物
(51)【国際特許分類】
   H01B 1/22 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
H01B1/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132275
(22)【出願日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】P 2020140914
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】久保田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】田上 安宣
【テーマコード(参考)】
5G301
【Fターム(参考)】
5G301DA03
5G301DA06
5G301DA12
5G301DA23
5G301DA26
5G301DA42
5G301DA53
5G301DA55
5G301DA57
5G301DA59
5G301DD01
5G301DD02
5G301DD03
(57)【要約】
【課題】印刷を一定時間停止した後に印刷を再開した場合に、印刷再開前後で配線パターンの線幅や組成物の粘度が変化し難く、印刷性と導電性に優れた導電性組成物の提供。
【解決手段】(a)平均分子量が200~2,000のポリエチレングリコールを0.1~5質量%、(b)炭素数が8~18の脂肪族モノカルボン酸を0.1~5質量%、(c)導電性粒子を60~95質量%、および(d)バインダ樹脂を1~30質量%含有する導電性組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)平均分子量が200~2,000のポリエチレングリコールを0.1~5質量%、
(b)炭素数が8~18の脂肪族モノカルボン酸を0.1~5質量%、
(c)導電性粒子を60~95質量%、および
(d)バインダ樹脂を1~30質量%含有する導電性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱前の組成物を静置した際に湿潤状態を長時間維持可能であり、印刷性と導電性に優れた導電性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、安全性や環境性に対する意識の高まりから、人体や環境に影響を及ぼす薬液の使用量削減が求められている。電子部品の配線形成法においても、多量の薬液を使用する従来のウェットエッチング法から、比較的薬液の使用量が少ない印刷法への置き換えが進められている。その中で、汎用的な印刷法であるスクリーン印刷機を用いた配線形成技術の開発が盛んに行なわれており、その材料としてスクリーン印刷に適した導電性ペーストの研究開発が進められている。導電性ペーストは、その導電性や塗布する基板への密着性など、目標とする製品の開発に必要な様々な特性が要求される。その中で、生産性の観点から特に強く要求される特性が印刷性であり、印刷性に優れた導電性ペーストが強く求められている。例えば、特許文献1には細線印刷性に優れ、印刷線幅が変化し難い導電性ペーストが開示されている。
【0003】
スクリーン印刷を用いた配線形成においては、長時間連続的に同等の線幅の配線パターンが印刷可能な導電性ペーストが生産性の面で好ましい。しかし、実際の製造工程では印刷されたパターンの検査や印刷機の点検などの作業上の都合から、長時間印刷を停止することが頻繁に行われる。例えば、特許文献1の導電性ペーストを用いてスクリーン印刷を実施した場合、印刷を一定時間停止した後に印刷を再開したとき、スクリーン版上で導電性ペーストが乾燥することにより生じるメッシュの目詰まりや、導電性ペースト中の溶剤が揮発することにより生じる増粘によって、印刷再開後の配線パターンにカスレなどの欠陥が発生したり、印刷再開前後で配線パターンの線幅が大きく変化したりするという問題点がある。
すなわち、前述の導電性ペーストを用いてスクリーン印刷を一定時間停止した場合、停止時間の長短によっては、配線パターンの線幅のばらつきによる抵抗値の上昇や、カスレによる断線が生じるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-67492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決すべき課題は、印刷を一定時間停止した後に印刷を再開した場合に、印刷再開前後で配線パターンの線幅や組成物の粘度が変化し難く、印刷性と導電性に優れた導電性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、導電性粒子とバインダ樹脂に加えて、導電性粒子の分散安定性に優れた特定の成分と、組成物の湿潤状態を長時間維持可能な特定の成分とを配合することにより、上記課題を解決できる導電性組成物を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(a)平均分子量が200~2,000のポリエチレングリコールを0.1~5質量%、(b)炭素数が8~18の脂肪族モノカルボン酸を0.1~5質量%、(c)導電性粒子を60~95質量%、および(d)バインダ樹脂を1~30質量%含有する導電性組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の導電性組成物によれば、導電性と印刷性に優れた配線形成材料として使用でき、印刷を一定時間停止した後に印刷を再開した場合に、印刷再開前後で配線パターンの線幅や組成物の粘度が変化し難いという効果が得られる。したがって、抵抗値の上昇や断線が起き難い配線パターンを印刷することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を説明する。
なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2~5」は2以上かつ5以下を表す。
更に、濃度または量を特定した場合、任意のより高い方の濃度または量と、任意のより低い方の濃度または量とを関連づけることができる。例えば「2~10質量%」および「好ましくは4~8質量%」の記載がある場合、「2~4質量%」、「2~8質量%」、「4~10質量%」および「8~10質量%」の記載も包含される。
【0010】
本発明の導電性組成物は、(a)平均分子量が200~2,000のポリエチレングリコール、(b)炭素数が8~18の脂肪族モノカルボン酸、(c)導電性粒子、および(d)バインダ樹脂を含有する。以下、各成分について説明する。
なお、上記成分(a)、(b)、(c)および(d)の各含有量は、成分(a)、(b)、(c)および(d)の各含有量の合計値に対する割合(質量%)である。
【0011】
〔成分(a):ポリエチレングリコール〕
本発明で用いられる成分(a)はポリエチレングリコールであり、その平均分子量は200~2,000であり、湿潤性維持の観点から、好ましく400~1,500、より好ましくは500~800である。これらは一種を単独で使用し、または二種以上を併用することもできる。
【0012】
なお、ポリエチレングリコールの平均分子量は、JIS K1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて平均分子量を算出する方法により測定することができる。
【0013】
成分(a)の含有量は、0.1~5質量%である。湿潤性維持の観点からは、好ましくは0.2~5質量%、より好ましくは0.3~5質量%、さらに好ましくは0.5~5質量%である。
一方、硬化膜の導電性の観点からは、好ましくは0.1~4質量%、より好ましくは0.1~3質量%、さらに好ましくは0.1~2質量%である。
成分(a)の含有量が少なすぎると、良好な湿潤性が発揮され難くなり、長時間の湿潤性を維持し難くなるため、印刷再開前後での配線パターンの線幅が変化し易くなることがある。また成分(a)の含有量が多すぎると、導電性組成物の導電性が低下することがある。
【0014】
〔成分(b):脂肪族モノカルボン酸〕
本発明で用いられる成分(b)は炭素数が8~18の脂肪族モノカルボン酸である。脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸、直鎖不飽和脂肪族モノカルボン酸、分岐飽和脂肪族モノカルボン酸、分岐不飽和脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。上記化合物から選ばれる一種を単独で使用し、または二種以上を併用することもできる。
【0015】
炭素数8~18の直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸などが挙げられる。炭素数8~18の直鎖不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸などが挙げられる。炭素数8~18の分岐飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、2-エチルヘキサン酸などが挙げられる。
【0016】
成分(b)として、導電性の観点から、炭素数8~18の直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸が好ましい。また、直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸は、炭素数が12~18のものがより好ましく、炭素数が12~14のものがさらに好ましく、炭素数12のものが特に好ましい。
【0017】
成分(b)の含有量は、0.1~5質量%である。粘度変化抑制の観点からは、好ましくは0.3~5質量%、より好ましくは0.5~5質量%、さらに好ましくは1~5質量%である。
一方、硬化膜の導電性の観点からは、好ましくは0.1~4質量%、より好ましくは0.1~3.5質量%、さらに好ましくは0.1~3質量%である。
成分(b)の含有量が少なすぎると、導電性組成物の粘度が増加しやすくなることがある。また成分(b)の含有量が多すぎると、導電性組成物の導電性が低下することがある。
【0018】
〔成分(c):導電性粒子〕
本発明で用いられる成分(c)は導電性粒子であり、例えば、銅粒子などの無機導電性粒子を用いることができる。銅粒子は、銅のみからなっていてもよいが、銀や白金などの銅以外の金属、金属酸化物、金属硫化物を更に含有していてもよい。銅粒子が銅以外の金属、金属酸化物、金属硫化物を更に含有する場合、銅粒子中の銅の質量比率は50質量%以上とすることが好ましい。また、銅粒子は表面層や突起物が形成された形状であってもよい。
【0019】
導電性粒子は市販のものをそのまま用いても良いが、耐酸化性の向上などを目的に、表面を被覆した表面被覆導電性粒子を用いることが好ましい。中でも、アミン化合物により表面を被覆した表面被覆導電性粒子を用いることが好ましく、下記式(1)で表されるアミン化合物により表面を被覆した表面被覆導電性粒子を用いることがより好ましい。
【0020】
【化1】
【0021】
(式(1)中、
mは0~3の整数、nは0~2の整数であり、
n=0のとき、mは0~3のいずれかであり、
n=1またはn=2のとき、mは1~3のいずれかである。)
【0022】
上記式(1)で表されるアミン化合物などのアミン化合物で表面を被覆した表面被覆導電性粒子は、より良好な耐酸化性を得る観点から、脂肪族モノカルボン酸でさらに被覆された表面被覆導電性粒子とすることが好ましい。
これにより導電性粒子表面は、アミン化合物により形成された第1被覆層と、脂肪族モノカルボン酸により形成された第2被覆層とで被覆される。好ましくは、第1被覆層は導電性粒子表面に形成され、第2被覆層は第1被覆層上に形成される。
【0023】
第2被覆層を形成する脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数8~20の脂肪族モノカルボン酸が好ましい。該脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸、直鎖不飽和脂肪族モノカルボン酸、分岐飽和脂肪族モノカルボン酸、分岐不飽和脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
炭素数8~20の直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸などが挙げられる。炭素数8~20の直鎖不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸などが挙げられる。炭素数8~20の分岐飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、2-エチルヘキサン酸などが挙げられる。
上記脂肪族モノカルボン酸として、上記化合物から選ばれる一種を単独で使用し、または二種以上を併用することもできる。
表面被覆導電性粒子の分散性から、使用する成分(b)の脂肪族モノカルボン酸と構造や炭素数が同じものまたは近似のものを用いることが好ましい。
【0024】
表面被覆導電性粒子を製造する方法は特に限定されない。アミン化合物で表面を被覆した表面被覆導電性粒子を得る方法としては、例えば、導電性粒子を塩化アンモニウム水溶液などにより洗浄した後、該洗浄後の導電性粒子をアミン化合物の溶液中に添加し、必要に応じて加熱する方法が挙げられる。
アミン化合物により形成された第1被覆層と、脂肪族モノカルボン酸により形成された第2被覆層とで被覆された表面被覆導電性粒子の製造方法としては、例えば、アミン化合物で表面を被覆した表面被覆導電性粒子を、脂肪族モノカルボン酸の溶液に添加する方法が挙げられる。なお、脂肪族モノカルボン酸の溶液に添加した後に、必要に応じて、加熱してもよい。以下、導電性粒子の記載は、表面被覆導電性粒子を包含するものとする。
【0025】
導電性粒子の平均粒径(D50)については、特に限定されないが、成分(c)としての導電性粒子を含有する導電性組成物をインクジェット印刷やスクリーン印刷などの各種印刷方法において良好に印刷可能とするためには、導電性粒子の平均粒径(D50)を制御することが好ましい。具体的には、導電性粒子の平均粒径(D50)は、5nm~20μmであることが好ましく、10nm~10μmであることがより好ましい。
なお、導電性粒子の平均粒径(D50)は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル(株)製「マイクロトラックMT3000II」)により測定することができる。
【0026】
また、導電性粒子のBET比表面積は0.05~400m/gであることが好ましく、0.1~200m/gであることがより好ましい。
なお、導電性粒子のBET比表面積は、比表面積測定装置(ユアサアイオニクス(株)製「モノソーブ」)を用いてBET1点法により測定することができる。
【0027】
導電性粒子の形状やアスペクト比(粒子の長径と短径との比)に特に制限はなく、球状、多面体状、扁平状、板状、フレーク状、薄片状、棒状、樹枝状、ファイバー状等の各種形状のものを用いることができる。導電性粒子は、構成成分、平均粒径、形状、アスペクト比等の異なるもの中から選ばれる一種を単独で使用し、または二種以上を併用することもできる。
導電性粒子として、球状、扁平状、板状、フレーク状、薄片状、樹枝状から選ばれる一種の導電性粒子または二種以上の導電性粒子を用いることが導電性の観点から好ましく、球状、板状、樹枝状から選ばれる一種の導電性粒子または二種の導電性粒子を用いることがより好ましい。また、二種の導電性粒子を併用する場合は、球状の導電性粒子と板状の導電性粒子を用いることが好ましい。
球状の導電性粒子と板状の導電性粒子の二種を併用する場合の質量比は、組成物を加熱硬化して得られる硬化膜の導電性の観点から、球状の導電性粒子:板状の導電性粒子は1:99~99:1であることが好ましく、5:95~95:5であることがより好ましく、10:90~90:10であることがさらに好ましい。
【0028】
成分(c)の含有量は、60~95質量%である。成分(c)の含有量の下限は、好ましくは70質量%であり、より好ましくは80質量%である。また、成分(c)の含有量の上限は、好ましくは90質量%である。
【0029】
〔成分(d):バインダ樹脂〕
本発明で用いられる成分(d)はバインダ樹脂であり、本発明の導電性組成物においてバインダとして作用する成分である。
成分(d)としては、導電性ペースト等に用いられる公知のバインダ樹脂を用いることができ、加熱や光照射により硬化する熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂、および熱可塑性樹脂などを例示することができる。
【0030】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、キシレン樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂などが挙げられる。
成分(d)のバインダ樹脂として、これらの樹脂から選ばれる一種を単独で使用し、または二種以上を併用することもできる。
【0031】
また、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびポリビニルフェノール樹脂から選ばれる一種または二種以上を用いることが硬化性の観点から好ましく、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂から選ばれる一種または二種を用いることがより好ましい。
【0032】
成分(d)の含有量は、1~30質量%であり、好ましくは3~25質量%、より好ましくは4~20質量%、さらに好ましくは5~15質量%である。成分(d)の含有量が少なすぎると、導電性組成物を用いて印刷するときに十分な流動性を持たせることが難しくなることがある。成分(d)の含有量が多すぎると、導電性組成物中における成分(c)の導電性粒子同士が接触し難くなり、優れた導電性を示す硬化膜が得られ難くなることがある。
【0033】
また、成分(d)としてエポキシ樹脂とフェノール樹脂の二種を併用する場合の質量比は、硬化性の観点から、エポキシ樹脂:フェノール樹脂は1:99~99:1であることが好ましく、5:95~95:5であることがより好ましく、10:90~90:10であることがさらに好ましい。
【0034】
〔その他成分〕
本発明の導電性組成物は、上記の成分(a)~(d)以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、溶剤、滑剤、レベリング剤、分散剤、硬化剤、硬化促進剤、可塑剤、粘度調整剤、発泡剤等の各種添加剤を含有していてもよい。また、本発明の導電性組成物は、原料成分および製造過程の装置等から不可避的に混入し得る不純物を含んでいてもよい。
【0035】
(溶剤)
本発明の導電性組成物は、塗工性の改善や粘度の調節を目的に、溶剤を含有していてもよい。
溶剤の種類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのエーテル系アルコール類;プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールなどの非エーテル系アルコール類;シクロヘキサノールアセテート、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、1,6-ヘキサンジオールアセテートなどのエステル類;イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルシクロヘキサノールなどのテルペン類;オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、炭酸プロピレンなどのその他の炭化水素類等が挙げられる。
これらの溶剤の中で、上記エーテル系アルコール類、上記エステル類および上記テルペン類から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましく、更にテルペン類から選ばれる一種または二種以上を用いることがより好ましい。
【0036】
溶剤の種類は上記に制限されず、用途に応じて、様々な溶剤から選ばれる一種を単独で使用し、または二種以上を混合して使用することもできる。二種以上を混合する場合の混合比率は特に制限されない。
【0037】
本発明の導電性組成物が溶剤を含有する場合、溶剤の含有量は、成分(a)~(d)の合計含有量100質量部に対して、好ましくは2~20質量部であり、より好ましくは3~15質量部、さらに好ましくは4~10質量部である。
【0038】
(滑剤)
本発明で用いる導電性組成物は、組成物中での成分(c)の導電性粒子の分散性調節を目的に、滑剤を適宜添加することができる。滑剤の種類およびその混合比率は特に制限されず、用途に応じて一種を単独で、または二種以上を混合して用いることができる。
滑剤の種類としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの脂肪酸類;ナトリウム、カリウム、バリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、スズなどの金属と前記脂肪酸類とから形成された脂肪酸金属塩類;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;ステアリン酸ブチルなどの脂肪酸エステル類;パラフィンワックス、流動パラフィン等のワックス類;エチレングリコール、ステアリルアルコール等のアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびこれらの変性物からなるポリエーテル類;シリコーンオイル等のポリシロキサン類;フッ素系オイルなどのフッ素化合物が挙げられる。
これらの滑剤の中で、脂肪酸類および脂肪酸金属塩類から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましく、更に、ステアリン酸マグネシウムを用いることがより好ましい。
【0039】
本発明の導電性組成物が滑剤を含有する場合、滑剤の含有量は、成分(a)~(d)の合計含有量100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部であり、より好ましくは0.1~5質量部、さらに好ましくは0.2~3質量部である。
【0040】
(レベリング剤)
本発明で用いる導電性組成物は、導電性組成物から得られる塗工膜の表面欠陥を調節することを目的に、レベリング剤を適宜添加することができる。レベリング剤の種類およびその混合比率は特に制限されず、用途に応じて一種を単独で、または二種以上を混合して用いることができる。
レベリング剤の種類としては、例えば、BYK-354、BYK-355、BYK-356、BYK-350、BYK-381、BYK-394、BYK-399、BYK-3440、BYK-3441、BYK-358N、BYK-361N(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製、「BYK」は登録商標)などのアクリル系化合物類;ポリフローKL-400X、ポリフローKL-400HF、ポリフローKL-401、ポリフローKL-402、ポリフローKL-403、ポリフローKL-404、ポリフローKL-406X(以上、共栄社化学(株)製)などのシリコーン系化合物類;メガファックF410、メガファックF281、メガファックF477、メガファックF510、メガファックF552、メガファックF554、メガファックF556、メガファックF557、メガファックF558、メガファックF559、メガファックF560、メガファックF561、メガファックF563、メガファックF569(以上、DIC(株)製、「メガファック」は登録商標)などのフッ素系化合物類が挙げられる。
これらのレベリング剤の中で、フッ素系化合物類から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましく、更に、メガファックF477を用いることがより好ましい。
【0041】
本発明の導電性組成物がレベリング剤を含有する場合、レベリング剤の含有量は、成分(a)~(d)の合計含有量100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部であり、より好ましくは0.1~5質量部、さらに好ましくは0.2~3質量部である。
【0042】
(分散剤)
本発明で用いる導電性組成物は、組成物中での成分(c)の導電性粒子の分散性調節を目的に、分散剤を適宜添加することができる。分散剤の種類およびその混合比率は特に制限されず、用途に応じて一種を単独で、または二種以上を混合して用いることができる。
分散剤の種類としては、例えば、ラウロイルザルコシン、ミリストイルザルコシン、パルミトイルザルコシン、ステアロイルザルコシン、オレオイルザルコシンなどのザルコシン化合物類;フィラノールPA-075F、フィラノールPA-085C、フィラノールPA-107P、エスリームAD-3172M、エスリームAD-374M、エスリームAD-508E、(以上、日油(株)製、「エスリーム」は登録商標)などの高分子アミン系化合物類;マリアリムAKM-0531、マリアリムAFB-1521、マリアリムAAB-0851、マリアリムAWS-0851、マリアリムSC-0505K、マリアリムSC-1015F、マリアリムSC-0708A(以上、日油(株)製)などの高分子ポリカルボン酸系化合物類が挙げられる。
これらの分散剤の中で、ザルコシン化合物類から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましく、更に、オレオイルザルコシンを用いることがより好ましい。
【0043】
本発明の導電性組成物が分散剤を含有する場合、分散剤の含有量は、成分(a)~(d)の合計含有量100質量部に対して、好ましくは0.1~10質量部であり、より好ましくは0.2~5質量部、さらに好ましくは0.3~3質量部である。
【実施例0044】
以下に、本発明に係る導電性組成物の製造例および評価方法を示す。また、実施例および比較例を挙げて本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。
実施例および比較例で用いた各成分を下記に示す。
なお、各成分の物性は、本明細書に記載の方法により測定された値である。
【0045】
〔成分(a):ポリエチレングリコール〕
PEG200(平均分子量が200のポリエチレングリコール)
PEG600(平均分子量が600のポリエチレングリコール)
PEG2000(平均分子量が2,000のポリエチレングリコール)
PEG4000(平均分子量が4,000のポリエチレングリコール)
グリセリン
【0046】
〔成分(b):脂肪族モノカルボン酸〕
2-エチルヘキサン酸(炭素数が8の分岐飽和脂肪族モノカルボン酸)
ラウリン酸(炭素数が12の直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸)
ステアリン酸(炭素数が18の直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸)
【0047】
〔成分(c):導電性粒子〕
銅粒子(1):球状銅粒子[表面被覆銅粒子(1)、下記合成例1に製造方法を示す。]
銅粒子(2):樹枝状銅粒子[FCC-TB、福田金属箔粉工業(株)製、粒径(D50):5.5~8.0μm]
銅粒子(3):板状銅粒子[表面被覆銅粒子(2)、下記合成例2に製造方法を示す。]
【0048】
〔成分(d):バインダ樹脂〕
レゾール型フェノール樹脂[PL-5208、群栄化学工業(株)製、固形分60.0質量%、溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテル]
ビスフェノールF型エポキシ樹脂[jER(登録商標)-806、三菱ケミカル(株)製]
【0049】
その他の成分として、以下の材料を使用した。
(滑剤)
ステアリン酸マグネシウム
(分散剤)
オレオイルザルコシン
(レベリング剤)
フッ素系化合物[メガファック(登録商標)F-477、DIC(株)製]
(溶剤)
ターピネオール
イソボロニルシクロヘキサノール
【0050】
〔合成例1〕
(銅粒子(1):表面被覆銅粒子(1)の製造)
水100gに対し塩化アンモニウム5gを溶解した塩化アンモニウム水溶液を調製した。銅粒子a[三井金属鉱業(株)製「1200Y」;粒径(D50)2μm、BET比表面積0.40m/g、形状:球状]50gを、該塩化アンモニウム水溶液に添加し、窒素バブリング下、30℃で60分間攪拌した。撹拌は、メカニカルスターラーを使用し、回転数150rpmで実施した。以下、撹拌は同様の撹拌装置を使用して同じ回転数で行った。攪拌終了後、5C濾紙の桐山ロートを用いて減圧濾過にて銅粒子を濾別し、つづいて、桐山ロート上で150gの水により銅粒子の洗浄を2回行った。
洗浄した銅粒子を、40質量%のジエチレントリアミン水溶液250gに添加し、窒素バブリングをしながら60℃下で1時間加熱攪拌を行った。
【0051】
撹拌を止めて5分間静置した後、上澄み液約200gを抜き取って除去した。つづいて、沈殿物に洗浄用溶剤としてイソプロパノール200gを添加し、30℃で3分間攪拌を行った。撹拌を止めて5分間静置した後、上澄み液約200gを抜き取って除去し、その後、2質量%のラウリン酸イソプロパノール溶液250gを添加した後、30℃で30分間攪拌した。
攪拌終了後、5C濾紙の桐山ロートを用いて減圧濾過にて銅粒子を濾別した。得られた銅粒子を25℃で3時間減圧乾燥することにより、表面被覆銅粒子(1)(銅粒子(1))を得た。
【0052】
〔合成例2〕
(銅粒子(3):表面被覆銅粒子(2)の製造)
銅粒子aを銅粒子b[三井金属鉱業(株)製「1400YP」;粒径(D50)6μm、BET比表面積0.60m/g、形状:板状]に変更した以外は合成例1と同様にして、表面被覆銅粒子(2)(銅粒子(3))を得た。
【0053】
〔実施例1〕
(導電性組成物の製造)
成分(a)としてPEG200を1.5g、成分(b)としてラウリン酸を1.5g、成分(c)として表面被覆銅粒子(1)(銅粒子(1))を87g、成分(d)としてレゾール型フェノール樹脂[PL-5208、群栄化学工業(株)製、固形分60質量%、溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテル]を16.7g(固形分として10g)混合した。次に、プラネタリーミキサー[ARV-310、(株)シンキー製]を用いて、室温下、回転数1500rpmで60秒間撹拌し、1次混練を行った。
次に、3本ロールミル[EXAKT-M80S、(株)永瀬スクリーン印刷研究所製]を用いて、室温、ロール間距離5μmの条件下で5回通すことで、2次混練を行った。2次混練で得られた混練物に、ターピネオール(Ter)を8g加え、プラネタリーミキサーを用いて、室温、真空条件下、回転数1000rpmで90秒間撹拌し脱泡混練することにより、導電性組成物を製造した。
導電性組成物中の各成分の配合割合を表1に示す。
【0054】
(硬化膜の形成)
得られた導電性組成物をガラス基板上に、メタルマスクを用いて、幅×長さ×厚み=1.0mm×30mm×50μmのパターンを塗布した。導電性組成物を塗布したガラス基板を対流オーブンにて、大気雰囲気下で250℃、30分間加熱することにより硬化膜を作製した。
【0055】
(抵抗値の評価方法)
上記の方法で得られた硬化膜の導電性を下記の抵抗値測定により評価した。形成したパターンの両端に測定プローブを押し当て、デジタルマルチメータ[PC7000、三和電気計器(株)製]を用いて硬化膜の抵抗値を測定し、下記の評価基準により判定した。
硬化膜の抵抗値が低いほど電流が流れやすく、導電性が優れていることを示す。
◎: 抵抗値が1.0Ω未満である。
○: 抵抗値が1.0Ω以上、10.0Ω未満である。
△: 抵抗値が10.0Ω以上、50.0Ω未満である。
×: 抵抗値が50.0Ω以上である。
【0056】
(連続印刷前後の粘度変化率の評価方法)
得られた導電性組成物を、スクリーン印刷機[MT-320T、マイクロ・テック(株)製]を用いて、PETフィルム上に100枚連続で印刷した。
E型粘度計[TV-25、東機産業(株)製]を用いて、スクリーン印刷機を用いた連続印刷前と連続印刷後それぞれの導電性組成物の粘度を測定し、粘度変化率を下記式(I)で求め、下記の評価基準により判定した。
本試験では、粘度変化率の値が小さいほど、連続印刷時に導電性組成物の粘度が変化しにくく、印刷性が安定していることを示す。
【0057】
粘度変化率(%)=
[(連続印刷試験後における導電性組成物の粘度)/(連続印刷試験前における導電性組成物の粘度)]×100・・・ (I)
◎: 粘度変化率が110%未満である。
○: 粘度変化率が110%以上、150%未満である。
△: 粘度変化率が150%以上、200%未満である。
×: 粘度変化率が200%以上である。
【0058】
(断続印刷前後の線幅維持率の評価方法)
スクリーン印刷機[MT-320T、マイクロ・テック(株)製]を用いて、得られた導電性組成物をPETフィルム上に1枚印刷した後に、導電性組成物をスクリーン版上で60分間静置してから、別のPETフィルムに1枚印刷した。
レーザー顕微鏡[VK-9700、(株)キーエンス製]を用いて印刷前と印刷後のそれぞれの線幅を測定し、線幅維持率を下記式(II)で求め、下記の評価基準により判定した。
本試験では、線幅維持率の値が100%に近いほど、断続印刷時に導電性組成物の湿潤性が長時間維持され、配線パターンが安定して印刷可能であることを示す。
【0059】
線幅維持率(%)=
[(60分間静置後に印刷した配線パターンの線幅)/(1枚目に印刷した配線パターンの線幅)]×100・・・ (II)
◎: 線幅維持率が90%以上、100%以下である。
○: 線幅維持率が70%以上、90%未満である。
△: 線幅維持率が50%以上、70%未満である。
×: 線幅維持率が50%未満である。
【0060】
〔実施例2~11:比較例1~4〕
各成分の配合割合を表1~3に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして導電性組成物の製造とメタルマスクを用いたガラス基板への塗布を行った。なお、硬化膜の形成については、実施例2~6、8~10と比較例1~4は大気雰囲気下で加熱を行ない、実施例7、11は窒素雰囲気下で加熱を行った。
さらに、各硬化膜について、実施例1と同様にして抵抗値、連続印刷前後の粘度変化率および断続印刷前後の線幅維持率を評価した。実施例1~6の結果を表1に、実施例7~11の結果を表2に、比較例1~4の結果を表3にそれぞれ示す。なお、表1~3におけるフェノール樹脂の含有量は固形分換算量である。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
実施例1~11では、硬化膜の抵抗値がいずれも10.0Ω未満であり、連続印刷前後の粘度変化率が150%未満であり、断続印刷前後の線幅維持率が70%以上である。
これに対して、成分(a)を配合せずに導電性組成物を調製した比較例1では、硬化膜の抵抗値が10.0Ω以上と高く、連続印刷前後の粘度変化率が200%以上と高く、断続印刷前後の線幅維持率が70%未満と低かった。
また、成分(b)を配合せずに導電性組成物を調製した比較例2では、断続印刷前後の線幅維持率が70%であったが、硬化膜の抵抗値が50.0Ω以上と高く、連続印刷前後の粘度変化率が200%以上と高かった。
成分(a)に代えてPEG4000を用いて導電性組成物を調製した比較例3では、硬化膜の抵抗値が10.0Ω未満であったが、連続印刷前後の粘度変化率が200%以上と高く、断続印刷前後の線幅維持率が50%未満と低かった。
また、成分(a)に代えてグリセリンを用いて導電性組成物を調製した比較例4では、硬化膜の抵抗値が85Ωと高かった。
【0065】
〔実施例12〕
以下の配合で、実施例1と同様にして導電性組成物の製造および硬化膜の形成を行った。さらに、各硬化膜について、実施例1と同様にして抵抗値、連続印刷前後の粘度変化率および断続印刷前後の線幅維持率を評価した。
【0066】
成分(a): PEG200 1.5g
成分(b): ラウリン酸 1.5g
成分(c)導電性粒子: 表面被覆銅粒子(銅粒子(1)) 87g
成分(d)バインダ樹脂: レゾール型フェノール樹脂 16.7g(固形分として10g)
滑剤 : ステアリン酸マグネシウム 0.3g
レベリング剤: メガファックF-477 0.3g
溶剤 : ターピネオール 8g
【0067】
硬化膜の抵抗値が2.5Ωであったことから評価は「○」、連続印刷前後の粘度変化率が105%であったことから評価は「◎」、断続印刷前後の線幅維持率が85%であったことから評価は「○」と判定した。
【0068】
〔実施例13〕
以下の配合で、実施例1と同様にして導電性組成物の製造および硬化膜の形成を行った。さらに、各硬化膜について、実施例1と同様にして抵抗値、連続印刷前後の粘度変化率および断続印刷前後の線幅維持率を評価した。
【0069】
成分(a): PEG600 1.5g
成分(b): ラウリン酸 1.5g
成分(c)導電性粒子: 表面被覆銅粒子(銅粒子(1)) 87g
成分(d)バインダ樹脂: レゾール型フェノール樹脂 10g(固形分として6g)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂 4g
分散剤: オレオイルザルコシン 1g
溶剤 : ターピネオール 2g、イソボロニルシクロヘキサノール 6g
【0070】
硬化膜の抵抗値が1.2Ωであったことから評価は「○」、連続印刷前後の粘度変化率が105%であったことから評価は「◎」、断続印刷前後の線幅維持率が95%であったことから評価「◎」と判定した。