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  • 特開-繊維機械 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022036927
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】繊維機械
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20220301BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
H02M3/00 W
H02J1/00 306K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021135569
(22)【出願日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】10 2020 122 066.9
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518264859
【氏名又は名称】ザウラー スピニング ソリューションズ ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Saurer Spinning Solutions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Carlstr. 60, 52531 Uebach-Palenberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ギュンター ヴェーダースホーフェン
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】フランク ヴェーファース
(72)【発明者】
【氏名】グレゴア ボース
(72)【発明者】
【氏名】ニクラス ローラー
【テーマコード(参考)】
5G165
5H730
【Fターム(参考)】
5G165CA01
5G165DA01
5G165DA06
5G165EA06
5G165GA04
5G165HA09
5G165JA09
5G165LA03
5H730AA14
5H730BB82
5H730BB88
5H730CC01
5H730FD61
(57)【要約】
【課題】本発明は、少なくとも1つの電気的な負荷、特に電気的な駆動部を有する複数の作業ユニットと、少なくとも1つの電気的な負荷に電気的なエネルギを供給する、少なくとも2つの電源ユニットを有するエネルギ供給システムとを備える繊維機械であって、電源ユニットは、それぞれ相互に独立して、作業ユニットに電気的なエネルギを供給するように構成されており、かつ、電気的な負荷に協働して給電するために並列接続されている、繊維機械に関する。
【解決手段】エネルギ効率の良い動作を可能にする繊維機械を提供するために、エネルギ供給の電源ユニットの効率が最適化された動作のための制御ユニットが設けられており、この制御ユニットは、エネルギ供給に利用される電源ユニットの数をエネルギ消費に関連して選択するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気的な負荷(3)、特に電気的な駆動部を有する複数の作業ユニット(2)と、
前記少なくとも1つの電気的な負荷(3)に電気的なエネルギを供給する、少なくとも2つの電源ユニット(4)を有するエネルギ供給システムと、
を備える繊維機械(1)であって、
前記電源ユニット(4)は、それぞれ相互に独立して、前記作業ユニット(2)に電気的なエネルギを供給するように構成されており、かつ、前記電気的な負荷(3)に協働して給電するために並列接続されている、繊維機械(1)において、
エネルギ供給の前記電源ユニット(4)の効率が最適化された動作のための制御ユニット(6)が設けられており、前記制御ユニット(6)は、エネルギ供給に利用される前記電源ユニット(4)の数をエネルギ消費に関連して選択するように構成されている、
ことを特徴とする繊維機械(1)。
【請求項2】
前記制御ユニット(6)は、前記電源ユニット(4)の効率曲線を記憶し、エネルギ供給に利用される前記電源ユニット(4)の数を、前記効率曲線を使用して調整するように構成されている、請求項1に記載の繊維機械(1)。
【請求項3】
前記電源ユニット(4)は、自身の電力データ及び/又は動作温度を検出し、前記制御ユニット(6)に伝達するように構成されている、請求項1又は2に記載の繊維機械(1)。
【請求項4】
前記制御ユニット(6)は、前記効率曲線を求めるように構成されている、請求項1から3までのいずれか一項又は複数項に記載の繊維機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
少なくとも1つの電気的な負荷、特に電気的な駆動部を有する複数の作業ユニットと、
少なくとも1つの電気的な負荷に電気的なエネルギを供給する、少なくとも2つの電源ユニットを有するエネルギ供給システムと、
を備える繊維機械に関し、これらの電源ユニットは、それぞれ相互に独立して、作業ユニットに電気的なエネルギを供給するように構成されており、かつ、これらの電気的な負荷に協働して給電するために並列接続されている。
【背景技術】
【0002】
冒頭に記載した形式の繊維機械は、従来技術から、多様な構成において知られている。例えば、独国特許出願公開第102015014177号明細書は、複数の電源ユニットから構成されるエネルギ供給システムを備える繊維機械を開示しており、これによって、作業ユニットの個々の負荷に必要に応じてエネルギが供給される。
【0003】
繊維機械のこの構成においては、予期されるエネルギ消費を考慮して、エネルギ供給システムが相応に構成され、ここで、エネルギ供給システムに対する予期されるエネルギ需要に基づいて、エネルギ供給を保証するために、複数の電源ユニットが設けられる。
【0004】
繊維機械の理論的に求められたエネルギ需要は、しばしば実際のエネルギ需要を上回ること、又は、利用可能なエネルギが継続的に利用されないことが実際に判明している。これによって、作業ユニットの給電に利用される電源ユニットは、全体として、電源ユニットが低い効率しか有しない動作範囲において動作することになり、これは、全体的に、繊維機械の動作コストを過度に高くする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015014177号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
繊維機械のエネルギ消費は益々重要になっているので、本発明の課題は、エネルギ効率の良い動作を可能にする繊維機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題を、請求項1の特徴部分の構成を有する繊維機械によって解決する。本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0008】
本発明に係る繊維機械の特徴は、エネルギ供給システムの電源ユニットの効率が最適化された動作のために、エネルギ供給に利用される電源ユニットの数をエネルギ消費に関連して調整するように構成されている制御ユニットである。
【0009】
本発明においては、制御ユニットは、繊維機械の実際のエネルギ消費に関連して、エネルギ供給に必要な電源ユニットの数を選択することができ、ここで、電源ユニットの数の他に、特に有利には、制御ユニットは、エネルギ供給に利用される電源ユニットの具体的な選択を行うようにも構成されている。これによって、エネルギ需要に応じるために利用されるべき電源ユニットがそれぞれ、高い効率を有する、自身の効率的な動作範囲において動作することが可能になる。特に低いエネルギ消費の他に、電源ユニットの相応の動作は、電源ユニットの特に長い耐用年数を保証し、この結果、本発明に係る繊維機械に対する故障率及び修理費用が特に低くなる。
【0010】
エネルギ供給システム、特に、給電に利用される電源ユニットの数は、制御ユニットによって基本的に任意の形式により制御される。本発明の特に簡易的な構成においては、エネルギ供給に利用される電源ユニットの数は、制御ユニットによって求められた、繊維機械のエネルギ消費に関連しており、このために、制御ユニット内に相応のデータが記憶されている。これらのデータは、エネルギ消費に関連した、利用されるべき電源ユニットの数を示す。
【0011】
しかし、本発明の特に有利な構成においては、制御ユニットは、電源ユニットの効率曲線を記憶し、エネルギ供給に利用される電源ユニットの数を、この効率曲線を使用して選択するように構成されている。本発明のこのような発展形態においては、制御ユニット内に、エネルギ供給システムの各電源ユニットに対して効率曲線が記憶されており、ここから、各電源ユニットの最適な動作範囲を求めることができる。本発明のこのような発展形態においては、制御ユニットは、エネルギ消費に関連して、個々の電源ユニットの効率曲線を考慮して、利用される電源ユニットの数及び具体的に使用されるべき電源ユニットを最適に選択するように構成されており、これによって、エネルギ消費を特に有利に、繊維機械のエネルギ需要に整合させることができ、これによって、特に費用効果が高い、繊維機械の動作が実現される。
【0012】
エネルギ供給に使用されるべき電源ユニットの具体的な選択及び数は、基本的に、制御ユニット内に記憶されている、電源ユニット及びエネルギ需要のデータのみを考慮して決定され、このために電源ユニットとの拡張された通信は必要とされない。しかし、本発明の特に有利な構成においては、電源ユニットは、自身の電力データ及び/又は動作温度を検出し、制御ユニットに伝達するように構成されている。
【0013】
電力データ及び/又は動作温度を検出し、制御ユニットに伝達することによって、エネルギ供給に利用されるべき電源ユニットの選択及び数を、各電源ユニットから伝達されたデータに基づいて決定することができる。ここで、動作温度及び電力データを介して、リアルタイムに、どのような動作範囲において又はどのような効率で、各電源ユニットが動作させられるのかを求めることができ、従って、繊維機械の動作のために、各エネルギ消費に対して最適な、電源ユニットの特に確実な選択及びコントロールを行うことができる。特に有利には、電源ユニットの選択は、制御ユニットによって、電力データ及び求められた動作パラメータを考慮して行われる。
【0014】
エネルギ供給システムの動作に必要なデータ、特に有利に設けられている効率曲線の制御ユニット内への記憶を、基本的には任意の形式により行うことができ、例えば、繊維機械の設定時の、ユーザによる簡単なデータ入力によって、又は、適当なデータインタフェースを介して行うことができる。相応の入力を介して、後から、有利に設けられた効率曲線を制御ユニット内に記憶することもできる。しかし、本発明の特に有利な構成においては、制御ユニットは、効率曲線を求めるように構成されている。
【0015】
制御ユニットによって、繊維機械の動作中に、電源ユニットの種々のデータが検出可能な本発明のこのような発展形態によって、制御ユニットは、特に電力データを考慮して、個々の電源ユニットに対して具体的な効率曲線を求めることができる。これによって、制御ユニットを介して、繊維機械を特に効率的に動作させることが可能になる。なぜなら、エネルギ供給に使用される電源ユニットの数及び選択を、制御ユニットによって各電源ユニットに対して求められた、特に正確なデータを考慮して決定することができるからである。
【0016】
本発明の実施例について、以下に、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】繊維機械の第1の実施形態を示す図である。
図2】繊維機械の第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、繊維機械1の概略図を示している。繊維機械1は、相互に隣接して配置されている2つの作業ユニット2を含む。作業ユニット2は、例えば、巻取りユニットとして、それ自体既知の形式により構成されるものとしてよい。図1は、例示的に、各作業ユニット2に1つの電気的な負荷3しか示していない。電気的な負荷3は、有利には、電気的な駆動部として構成されている。
【0019】
繊維機械1は、機械の長さにわたって延在する直流電圧バー9を有する。直流電圧バー9には、電気的な負荷3と、場合によってはさらなる、図示されていない、電気的なエネルギを供給するための、作業ユニット2の電気的な負荷とが接続されている。
【0020】
繊維機械1の長さにわたって、複数の、この実施例においては3つの電源ユニット4が配置されている。これらは協働して、繊維機械1のエネルギ供給システムを形成している。電源ユニット4は、図示の実施例においては、下流のDC電圧中間回路を備える整流器として構成されている。電源ユニット4の入力端4.1は、それぞれ交流電圧網8に接続されている。電源ユニット4の出力端4.2は、それぞれ直流電圧バー9に接続されている。従って、電源ユニット4は、出力端4.2において並列接続されており、作業ユニット2の電気的な負荷3に協働して給電を行う。
【0021】
繊維機械1は、さらに中央の制御ユニット6を有しており、これは、データバス5を介して、図示されていない、作業ユニット2の作業ユニット制御部及び電源ユニット4に接続されている。
【0022】
データバス5を介して、相互に接続されている電源ユニット4が中央の制御ユニット6に接続されており、従って、電源ユニット4は、継続的に、自身の電力データ及び動作温度を制御ユニット6に伝達する。
【0023】
電力データ及び動作温度に関して、制御ユニット6は、各電源ユニット4に対して、個々の効率曲線を求める。これは、エネルギ供給システムが最適な動作範囲において動作することを可能にする。このために、制御ユニット6によって、作業ユニット2のエネルギ需要に関連して、電源ユニット4の数及び選択が決定され、これは、極めて効率よく、作業ユニット2のエネルギ供給のために利用される。
【0024】
従って、繊維機械1の実際のエネルギ需要に関連して、特に効率的なエネルギ供給を提供することができ、ここで電源ユニット4は、常に、特に良好な効率を有する範囲において動作する。ここで、効率曲線は、制御ユニット6によって、各電源ユニット4に対して、求められた電力データ及び動作温度に基づいて求められる。
【0025】
図2は、大部分が、図1の繊維機械1と一致する繊維機械のさらなる実施形態を示している。相違点は、電源ユニット4が、繊維機械1にわたって分配して配置されているのではなく、繊維機械1の終端部において、共通のスイッチキャビネット7内に収容されているということだけである。
【符号の説明】
【0026】
1 繊維機械
2 作業ユニット
3 負荷
4 電源ユニット
4.1 入力端
4.2 出力端
5 データバス
6 制御ユニット
7 スイッチキャビネット
8 交流電圧網
9 直流電圧バー
図1
図2
【外国語明細書】