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特開2022-37036双方向性ネットワークによるテレグラム分割送信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037036
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】双方向性ネットワークによるテレグラム分割送信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20220301BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20220301BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20220301BHJP
【FI】
H04L1/00 F
H04L1/00 E
H04W74/08
H04W72/04 135
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196673
(22)【出願日】2021-12-03
(62)【分割の表示】P 2018549920の分割
【原出願日】2017-03-22
(31)【優先権主張番号】102016205054.0
(32)【優先日】2016-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】500242786
【氏名又は名称】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
(71)【出願人】
【識別番号】507239592
【氏名又は名称】フリードリヒ-アレクサンダー-ウニベルジテート・エアランゲン-ニュルンベルク
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ウェクスラー ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】キリアーン ゲルト
(72)【発明者】
【氏名】クナイスル ヤーコプ
(72)【発明者】
【氏名】ローベルト イェルク
(72)【発明者】
【氏名】ホイベルガー アルベルト
(57)【要約】      (修正有)
【課題】データ送信機を提供する。
【解決手段】データ送信機は、第一データ受信機に送られる第一データパケットを、複数の送信データパケットに分割する、送信データパケットの生成手段を備え、第一データ受信機に送られるそれぞれの送信データパケットは、第一データパケットよりも短い。データ送信機は、送信データパケットを、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して、第一データ受信機に送信する。データパケットの送信手段は、第一データ受信機に送信される複数の送信データパケット間のタイムギャップ中に、少なくとも一つの別の送信データパケットを第一のデータ受信機又は第二データ受信機に送信する。または、一つの送信データパケットの送信時に別の送信データパケットが送信待機中である場合、別の送信データパケットのうち送信待機中の送信データパケットを、送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一データパケット(104)を少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)に分割するように構成され、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のそれぞれは前記第一のデータパケット(104)より短くなる、送信データパケットを生成する手段(112)であって、前記送信データパケット(104_1~104_n)のうちの一部のみが、前記第一データパケット(104)をデコーディングするのに必要となるように、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)をチャネルエンコーディングする手段(112)と、
タイムギャップ(116)を有するように一の通信チャネルを介して、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)を送信する、データパケットの送信手段(114)と、を備えており、
前記データパケットの送信手段(114)は、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のうち、送信待機中の送信データパケットを、送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとし、一つの送信データパケットの送信時、別の送信データパケットが送信待機中である場合に、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のうち、送信待機中の当該一つの送信データパケットを送信しないように構成され、前記通信チャネルを介して、別の送信データパケット(124)を送信するように構成されたデータ送信機(100_1)。
【請求項2】
前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)は第一データ受信機(102_1)に送信され、
前記送信データパケットの生成手段(112)は、第二データ受信機(102_2)に送信される第二データパケット(106)を少なくとも三つの送信データパケット(106_1~106_m)に分割し、
前記第二データ受信機(102_2)に送信される前記それぞれの送信データパケット(106_1~106_m)は、前記第二データパケット(106)より短く、
さらに、前記送信データパケットの生成手段(112)は、その一部のみが前記第二データパケット(106)をデコーディングするのに必要となるように、前記第二データ受信機(102_2)に送信される前記少なくとも三つの送信データパケット(106_1~106_m)をチャネルエンコーディングし、
前記データパケットの送信手段(114)は、タイムギャップを有するように前記通信チャネルを介して、前記少なくとも三つの送信データパケット(106_1~106_m)を前記第二データ受信機(102_2)に送信し、
前記第二データ受信機(102_2)に送信される、前記少なくとも三つの送信データパケット(106_1~106_m)のうちの一つが、前記別の送信データパケットである、請求項1に記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項3】
前記データパケットを送信する手段(114)は、一つの送信データパケットの送信時、前記さらなる別の送信データパケット(124)が送信待機中であり、かつ、前記さらなる別の送信データパケット(124)が送信基準を満たした場合に、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のうち、送信待機中の送信データパケットを送信しないように構成された、請求項1又は2に記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項4】
前記送信基準は、別の送信データパケットが、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のうち、送信待機中のものよりも送信優先度が高いことである、請求項3に記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項5】
前記送信基準は、別の送信データパケット(124)の送信において、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のうちの別の送信データパケットに基づいて、前記データ受信機(102_1、102_2)による前記第一データパケット(104)のデコーディングが、少なくとも90%の確率で実行可能だということである、請求項3に記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項6】
前記確率を決定する際にチャネル品質が考慮される、請求項5に記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項7】
前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のうち、まだ送出されていない送信データパケットの数が、前記確率を決定する際に考慮される、請求項5又は6に記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項8】
前記送信基準は、送信待機中の送信データパケット及び別の送信データパケット(124)が、同じ周波数チャネル内で送信されることである、請求項3に記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項9】
前記データパケットの送信手段(114)は、外的要因に依存して、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のうち、送信待機中の送信データパケットを送信しない請求項1~8のいずれかに記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項10】
前記データパケットの送信手段(114)は、第一周波数チャネル内で、第一送信データパケットを前記第一データ受信機(102_1)に、第二周波数チャネル内で、第二データパケットを前記第二データ受信機(102_2)に送信する、請求項1~9のいずれかに記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項11】
前記データパケットの送信手段(114)は、前記送信データパケット(104_1~104_n)を少なくとも二つの周波数チャネルに分布させる、請求項1~10のいずれかに記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項12】
別の送信データパケットを用いて、送信データパケットのうちの少なくとも一つの送信時間、又は二つの送信データパケット間の少なくともタイムギャップを送出するように構成されている、請求項1~11のいずれかに記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項13】
別のデータ送信機への別の送信データパケットを用いて、前記別のデータ送信機が送信データパケットを送出するときの送信時間、又は前記別のデータ送信機によって送出される二つの送信データパケット間のタイムギャップを、予め決定するように構成されている、請求項1~12のいずれかに記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項14】
前記データパケットの送信手段(114)は、通信チャネルの品質又は占有に依存して、送信データパケット間のタイムギャップ、又は送信データパケットの非送出を調整する、請求項1~13のいずれかに記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項15】
前記データ送信機(100_1)はデータ送受信機であり、
前記第一データ受信機(102_1)からのデータパケットを受信し、受信出力及び受信の品質を決定するデータパケットの受信手段(138)をさらに備えており、
受信出力又は受信の品質に依存して、前記第一データ受信機(102_1)に送信する前記送信データパケット(104_1~104_n)の送信出力を調整する、請求項1~14のいずれかに記載のデータ送信機(100_1)。
【請求項16】
一つの、請求項1~15のいずれかに記載のデータ送信機(100_1)と、
一つのデータ受信機(102_1)と、を備え、
前記データ受信機は、前記データ送信機(100_1)からタイムギャップ(116)を有するように一の通信チャネルを介して送信され、それぞれが第一データパケット(104)より短い、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)を受信し、前記第一データパケット(104)を得るために、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)を結合する、データパケットの受信手段(134)を備えており、
前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)は、その一部のみがデコーディングに必要となるようにチャネルエンコーディングされ、
前記データパケットの受信手段(138)は、前記第一データパケットを得るために、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のうち、少なくとも二つを受信し、結合し、デコーディングするシステム(128)。
【請求項17】
第一データパケット(104)を少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)に分割し、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のそれぞれが前記第一のデータパケット(104)より短くなるように、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)を生成するステップであって、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)を生成するとき、前記送信データパケット(104_1~104_n)のうちの一部のみが、前記第一データパケット(104)をデコーディングするのに必要となるように、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)をチャネルエンコーディングするステップと、
タイムギャップ(116)を有するように一の通信チャネルを介して、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)を送信するデータパケットの送信ステップと、を実行し、
前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)を送信するデータパケットの送信ステップでは、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)を送信するとき、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のうち、送信待機中の送信データパケットを、送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとし、一つの送信データパケットの送信時、別の送信データパケットが送信待機中である場合に、前記少なくとも三つの送信データパケット(104_1~104_n)のうち、送信待機中の当該一つの送信データパケットを送信しないようにし、前記通信チャネルを介して、別の送信データパケット(124)を送信するデータ送信方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法を実行するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のいくつかの実施形態は、データ送信機に関し、特に、1つのデータパケットを複数の送信データパケットに分割して、通信チャネルを介してデータ受信機へ送信するデータ送信機に関する。さらにいくつかの実施形態は、データ受信機に関し、特に、データ送信機から通信チャネルを介して送信された、複数の送信データパケットに分割されたデータパケットを、受信するデータ受信機に関する。いくつかの実施形態は、双方向性ネットワークにおいて、同時に送信することを目的とした、テレグラム分割による送信方法の拡張に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局とノードとの間で、一方向又は双方向にデータを送信する様々なシステムがある。例えば、よく知られるシステムに、DECT(digital enhanced cordless telecommunications)やRFID(radio frequency identification)というものがある。これらのシステムでは、ノードが同期するべき基準周波数及び基準時間を、基地局が予め決めておくことが一般的である。RFIDシステムでは、読み手(基地局)は、その送出の直後に続く時間窓(time window)を予め決定し、RFIDトランスポンダ(ノード)は時間窓内の任意の時間を、応答方法にしたがって、ランダムに選択する。予め決めておいた時間窓は、さらに、等しい長さのタイムスロットに細分される。これは、スロットALOHAプロトコルと呼ばれる。DECTでは、固定された所定のパターン内に複数のタイムスロットが設けられる。基地局は、通信に用いることのできる正確なタイムスロットを、ノードに関連付ける。クォーツ許容誤差によって生じる不正確さによってデータパケットがオーバーラップしないために、バッファータイムが、タイムスロット間に設けられる。
【0003】
DE10-2011-082098には、データパケットを、実際に送信される情報よりも短い送信パケットに分割(テレグラム分割と称される)する、バッテリー稼働の送信機についての方法が記載されている。ここで、テレグラムは複数の部分パケットやサブパケットに分割される。複数の情報記号は、サブパケットで送信される。サブパケットは一つ又は複数の周波数に分布させられ、これは周波数ホッピングと呼ばれる。送信が行われないサブパケット間では、休止状態となる。
【0004】
加えて、[G. Kilian, H. Petkov, R. Psiuk, H. Lieske, F. Beer, J. Robert, and A. Heuberger, ”テレグラム分割を使用した低電力遠隔測定システムのカバレッジ改善”, Proceedings of 2013 European Conference on Smart Objects, Systems and Technologies(SmartSysTech), 2013]には、改善されたネットワークカバレッジの、低エネルギーテレグラム分割が述べられている。
【0005】
また、[G. Kilian, M. Breiling, H. H. Petkov, H. Lieske, F. Beer, J. Robert, and A. Heuberger, ”テレグラム分割を用いた遠隔測定システムの、送信の信頼性の向上”, IEEE Transactions on Communications, vol. 63, no. 3, pp. 949-961, Mar. 2015]には、テレグラム分割遠隔測定システムにおいて、どのようにして送信の信頼性が改善されるかが述べられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、干渉やコリジョンの影響を受けたチャネルによって引き起こされるデータの損失は、広範囲かつ低データスループットのネットワークにおける、多数の参加者間でのデータ送信時に、依然として発生している。
【0007】
従って、本発明の目的は、干渉の影響を受けるチャネルの利用時に、多数の参加者間でデータ送信を行う場合において、チャネルの利用、又は送信の信頼性をさらに向上させるという概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、独立請求項によって解決される。
【0009】
その他の有利な発明については従属請求項の主題である。
【0010】
実施形態はデータ送信機を提供する。データ送信機は、第一データ受信機に送信される第一データパケットを、少なくとも二つの送信データパケットに分割する、送信データパケットの生成手段を備える。なお、少なくとも二つの送信データパケットは、それぞれが第一データパケットよりも短い。データ送信機は、少なくとも二つの送信データパケットを、タイムギャップを有するように、一の通信チャネルを介して第一データ受信機に送信する、データパケットの送信手段をさらに備える。したがって、データパケットの送信手段は、第一データ受信機に送信される少なくとも二つの送信データパケット間のタイムギャップ中に、少なくとも一つの別の送信データパケットを、第一のデータ受信機又は第二データ受信機に送信するように構成されている。
【0011】
実施形態では、データ送信機は、(少なくとも)一つの別の送信データパケットを送出するために、二つの送信データパケット間、又は送出される二つの送信データパケット間のタイムギャップ(例えば、間隔、休止)を用いてもよい。それによってチャネル占有率、又はチャネル利用率を改善できる。
【0012】
さらなる実施形態はデータ送信機を提供する。データ送信機は、第一データパケットを少なくとも三つの送信データパケットに分割し、一部のみが第一データパケットのデコーディングに必要となるように、少なくとも三つの送信データパケットをチャネルエンコーディングする、データパケットの生成手段を備える。なお、少なくとも三つの送信データパケットは、それぞれが第一データパケットより短い。また、データ送信機は、タイムギャップを有するように、一の通信チャネルを介して一の周波数チャネル内で、少なくとも三つの送信データパケットを送信する、データパケットの送信手段を備える。さらに、データ送信機は、前記周波数チャネル内で、干渉又は別のデータ送信機からの送信を認識する、周波数チャネルのモニタリング手段を備える。したがって、データパケットの送信手段は、予め決められた送信データパケット送出時、干渉又は別のデータ送信機からの送信が、周波数チャネルをモニタリングする手段によって認識された場合に、少なくとも三つの送信データパケットのうち送信待機中又は保留中の一つの送信データパケットを、送信しない、通信チャネルを介して部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。
【0013】
実施形態において、データ送信機は、干渉又は別のデータ送信機からの送信データパケットが認識されたときには、送信待機中の送信データパケットを、送信しない、通信チャネルを介して部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとするように構成されている。送信データパケットをチャネルエンコーディングするのに用いたチャネルエンコーディングによって、データ損失又は情報損失を生じることなく、複数の送信データパケットのうちの1つ(又は複数)を送信しない、又は、複数の送信データパケットのうちの1つ(又は複数)のみを送信することが可能である。なぜなら、第一のデータパケットをデコーディングするのに全ての送信データパケットが必要というわけではなく、一部だけあれば足りるからである。
【0014】
さらなる実施形態はデータ送信機を提供する。データ送信機は、第一データパケットを少なくとも三つの送信データパケットに分割し、一部のみが第一データパケットのデコーディングに必要となるように、少なくとも三つの送信データパケットをチャネルエンコーディングする、データパケットの生成手段を備える。なお、少なくとも三つの送信データパケットは、それぞれが第一データパケットより短い。さらに、データ送信機は、タイムギャップを有するように、一の通信チャネルを介して、少なくとも三つの送信データパケットを送信する、データパケットの送信手段を備える。データパケットの送信手段は、少なくとも三つの送信データパケットのうち、送信待機中の一つの送信データパケットを、送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。
【0015】
実施形態において、データ送信機は、例えば一つの送信データパケットの送信時、送信待機中の別の送信データパケットがある場合、少なくとも三つの送信データパケットのうち、送信待機中の当該一つの送信データパケットを、送信しない、通信チャネルを介して部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとするように構成されている。送信データパケットをチャネルエンコーディングするのに用いたチャネルエンコーディングによって、データ損失又は情報損失を生じることなく、複数の送信データパケットのうちの1つ(又は複数)を送信しない、又は、複数の送信データパケットのうちの1つ(又は複数)のみを送信することが可能である。なぜなら、第一のデータパケットをデコーディングするのに全ての送信データパケットが必要というわけではなく、一部だけあれば足りるからである。
【0016】
さらなる実施形態はデータ受信機を提供する。データ受信機は、少なくとも二つの送信データパケットを第一データ送信機から受信し、第一データパケットを得るために少なくとも二つの送信データパケットを結合し、少なくとも二つの送信データパケット間のタイムギャップ中に、少なくとも一つの別のデータパケットを第一データ送信機又は第二データ送信機から受信する、データパケットの受信手段を備える。なお、少なくとも二つの送信データパケットは、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して送信され、それぞれが第一データパケットの一部を含む。
【0017】
さらなる実施形態は前記データ送信機の一つと、前記データ受信機の一つと、から構成されるシステムを提供する。
【0018】
実施形態において、前記システムは、アップリンク(アップリンクは、端子の視点から見ると、データフローの方向が電気通信ネットワークへと向かうもの)及び/又はダウンリンク(ダウンリンクは、端子の視点から見ると、データフローの方向が電気通信ネットワークから来るもの)におけるテレグラム分割を含む、双方向性の特性を備える。アップリンク及びダウンリンクの両方において、テレグラム分割法は、全ての送信又は一部の送信に用いることができる。
【0019】
実施形態では、干渉の影響を受けるチャネルを使用した、低データスループット及び広範囲のネットワークにおいて、多数の参加者間の効率的なデータ送信を可能とする。実施形態において、テレグラム分割法の原理は、双方向性ネットワークに用いることができる。本実施形態における送信は、必ずしも基地局とセンサーノードとの間で行われる必要はなく、任意の参加者間で行われてもよい。さらに、実施形態は、複数の送信を同時に送信及び/又は受信することを可能とし、これによって形成されるコリジョンの解消も可能にする。例えば、個々のテレグラムを優先順位付けする方法に使用してもよい。さらに、実施形態は、特定の性能や電力調整によるチャネルの拡張を可能とする。
【0020】
反対に、参照信号、ダウンリンク信号又はアップリンク信号の送出を省略することで、基地局とセンサーノードとの間の同期性が失われ、又は送信時のデータ損失が生じる。テレグラム分割法は、テレグラムを送信するときに、データの損失を発生させることなく、複数のサブパケットを省略することを可能にする。送信には全てのサブパケットが必要ではない、という根本的な考え方は、テレグラム分割による送信を行う場合の、複数の参加者を伴った通信において、様々な可能性を生み出す。サブパケット送信及びサブパケット受信を具体的に制御することで、送信はさらに改善し、ネットワークの全体的なスループットを向上させることができる。いくつかの実施形態において、特に、サブパケット情報の省略や送出または受信を行うことによって、テレグラム分割の参加者は通信に影響を及ぼすことができる。さらに、テレグラム分割法による通信時において、実施形態は、複数の参加者から他の複数の参加者への送信を同時にオーバーラップさせることを可能とする。
【0021】
さらなる実施形態は方法を提供する。本方法は、第一データ受信機に送信される第一データパケットを、少なくとも二つの送信データパケットに分割することにより送信データパケットを生成するステップと、少なくとも二つの送信データパケットを、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して第一データ受信機に送信するステップと、第一データ受信機に送信される少なくとも二つの送信データパケット間のタイムギャップ中に、さらに別の送信データパケットを第一データ受信機又は第二データ受信機に送信するステップと、を備える。なお、第一データ受信機に送信される分割されたそれぞれのデータパケットは、第一データパケットより短い。
【0022】
さらなる実施形態は方法を提供する。本方法は、第一データ受信機に送信される第一データパケットを分割することにより、少なくとも三つの送信データパケットを生成するステップと、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して一の周波数チャネルで、少なくとも二つの送信データパケットを送信するステップと、干渉又は別のデータ送信機の送信を認識するために、周波数チャネルをモニタリングするステップと、を備える。なお、第一データ受信機に送信されるそれぞれの少なくとも三つの送信データパケットは第一データパケットより短い。また、少なくとも三つの送信データパケットが生成されるとき、少なくとも三つの送信データパケットは、その一部のみが第一データパケットをデコーディングするのに必要となるように、チャネルエンコーディングされる。少なくとも三つの送信データパケットを送信するとき、データパケットの送信時に、周波数チャネルのモニタリング手段によって干渉又は別のデータ送信機からの送信が認識された場合には、少なくとも三つの送信データパケットのうち送信待機中の送信データパケットは、送信されない、通信チャネルを介して部分的にのみ送信される及び遅れて送信されるのいずれかである。
【0023】
さらなる実施形態は方法を提供する。本方法は、第一データ受信機に送信される第一データパケットを分割することにより、少なくとも三つの送信データパケットを生成するステップと、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して一の周波数チャネル内で、少なくとも二つの送信データパケットを送信するステップと、を備える。なお、第一データ受信機に送信されるそれぞれの少なくとも三つの送信データパケットは第一データパケットより短い。また、少なくとも三つの送信データパケットが生成されるとき、少なくとも三つの送信データパケットは、その一部のみが第一データパケットをデコーディングするのに必要となるように、チャネルエンコーディングされる。少なくとも三つの送信データパケットを送信するとき、データパケットの送信時に別の送信データパケットが送信待機中である場合には、少なくとも三つの送信データパケットのうち送信待機中の送信データパケットは、送信されない、通信チャネルを介して部分的にのみ送信される及び遅れて送信されるのいずれかである。
【0024】
さらなる実施形態は方法を提供する。本方法は、第一データ送信機から送信される少なくとも二つの送信データパケットを受信するステップと、第一データパケットを得るために少なくとも二つの送信データパケットを結合させるステップと、第一データ送信機又は第二データ送信機から送られる、少なくとも二つの送信データパケット間のタイムギャップ中に、少なくとも一つの別のデータパケットを受信するステップと、を備える。なお、少なくとも二つの送信データパケットは、タイムギャップを有するように通信チャネルを介して送信され、それぞれ第一データパケットの一部を含む。
【0025】
本発明の好適な実施形態を、以下に説明する添付の図面を参照しながら詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一つ以上のデータ送信機と一つ以上のデータ受信機を有する通信システムの概略図である。
図2】一実施形態におけるデータ送信機の概略図である。
図3】(a)送信待機中の送信データパケット及び干渉又は追加送信データを考慮した、通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示した図である。(b)実際に送出された送信データパケット及び干渉又は追加送信データを考慮した、通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示した図である。
図4】一実施形態におけるデータ送信機の概略図である。
図5図4に示されたデータ送信機と、一実施形態における複数のデータ受信機とを備えたシステムの概略図である。
図6】一実施形態における、図5に示されたシステムの通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示す図である。
図7】一実施形態におけるデータ受信機の概略図である。
図8図7に示されたデータ受信機と、一実施形態における複数のデータ送信機と、を有するシステムの概略図である。
図9】一実施形態における、データパケットを受信する追加手段を有する、図4に示されたデータ送信機の概略図である。
図10図9に示された送受信機と、一実施形態における2つのデータ送信機及び2つのデータ受信機と、を有するシステムの概略図である。
図11】一実施形態における2つの送受信機を有するシステムの概略図である。
図12】一実施形態における、図11に示されたシステムにおける通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示した図である。
図13】本発明の一実施形態におけるデータ送信機の概略図である。
図14】(a)互いに一部オーバーラップしている、送信待機中の送信データパケットを含む、通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示した図である。(b)オーバーラップした送信データパケットが存在しないように考慮された、実際に送出された通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示した図である。
図15】(a)互いに一部オーバーラップしている、送信待機中の送信データパケットを考慮した、通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示した図である。(b)実際に送出された、オーバーラップしていない送信データパケットを考慮した、通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示した図である。
図16】一実施形態におけるデータパケットの送信方法のフローチャートである。
図17】一実施形態におけるデータパケットの送信方法のフローチャートである。
図18】一実施形態におけるデータパケットの送信方法のフローチャートである(図19に続く)。
図19】一実施形態におけるデータパケットの受信方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施形態を詳述するが、図面における同じ要素、効果については同じ参照番号によって示され、異なる実施形態の記載は相互に交換可能である。
【0028】
ここで、データ送信機及びデータ受信機の発明の実施形態について詳述する前に、データ送信機及びデータ受信機を用いる代表的な通信システムについて図1に示す。
【0029】
図1は、少なくとも一つのデータ送信機100_1と、少なくとも一つのデータ受信機102_1と、を備える通信システムの概略図を示す。通信システムは、さらに第二データ送信機100_2を備えてもよい。この場合、データ送信機100_1は第一データ送信機100_1と称される。同様に、通信システムは、第二データ受信機102_2を備えてもよい。この場合、データ送信機102_1は第一データ送信機102_1と称される。
【0030】
第一データ送信機100_1と第二データ送信機100_2は同じデータ送信機であってよい。同様に、第一データ受信機102_1と第二データ受信機102_2は同じデータ受信機であってよい。
【0031】
例えば、第一データ送信機100_1は、第一データパケット104を第一データ受信機102_1に送信し、第二データパケット106を第二データ受信機に送信してよい。この場合、第一データ受信機102_1は第一データパケット104を受信し、第二データ受信機102_2は第二データパケット106を受信する。
【0032】
第一データ送信機100_1は、当然、第一データパケット104を第一データ受信機102_1に送信し、第二データパケット106を第二データ受信機102_2に送信してよい。この場合、第一データ受信機102_1は第一データパケット104を受信し、第二データ受信機102_2は第二データパケット106を受信する。
【0033】
第一データ送信機100_1の代わりに、第二データ送信機100_2によって、2つのデータパケット104及び106のうち少なくとも一つを、それぞれデータ受信機102_1及び102_2に送信することも可能である。同様に、データ送信機100_1及び100_2のどちらか、又は両方から送信されたデータパケット104及び106の両方を、二つのデータ受信機102_1及び102_2のうちのどちらか一方で、受信することができる。
【0034】
さらに、(第一)データ送信機100_1から見ると、第二データ送信機100_2は、別のデータパケット108を送信する、別のデータ送信機100_2とすることができる。ここで、別のデータ送信機100_2は、通信システムの一部である必要はない。
【0035】
さらに、通信システムとは別に、通信システムの送信中に干渉を発生する干渉源110が存在してよい。
【0036】
データ送信機は、基地局とノード(センサノード)の両方に設置されてよい。例えば、本システムは、アクチュエータ又はセンサの固有パラメータを調整するコントロールデータのようなデータを、基地局から個々のあるいは大量のシンプルノードへ送信するのに用いられる。ここで用いられる電波送信バンドは、通常、この送信のためだけに確保されておらず、他の多くのシステムと共有されているため、高い信頼性で情報を送信することが困難となっている。さらに、いくつかのバンドは、所定期間を超えた送信時間を制限する規制を受けやすい。
【0037】
データの送信だけでなく、データの受信についても、かなりの高エネルギー消費を必要とするため、テレグラム分割方法は、ノードから基地局へのデータ送信、及び、基地局からノードへのデータ送信の両方に用いられてよい。これらの場合において、絶え間のない電流供給ではなく、例えば、環境(温度変化・太陽光・電磁波など)からエネルギーを獲得する環境発電方法や、送信機又は受信機に対して電流を十分に長い時間にわたって供給できない電池の稼働によって、ノードのエネルギー消費は抑制される。
【0038】
[周波数チャネルのモニタリングを含む送信経路におけるテレグラム分割]
【0039】
図2は一実施形態におけるデータ送信機100_1の概略図を示す。データ送信機100_1は、第一データパケット104を、それぞれが第一のデータパケット104より短くなるような、少なくとも三つの送信データパケットである104_1~104_n(nは3以上の自然数)に分割し、そのうちの一部のみ(例えば、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nの中の(少なくとも)二つ)が第一データパケット104へのデコーディングに必要となるように、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nをチャネルエンコーディングする、送信データパケットの生成手段112を備える。さらに、データ送信機100_1は、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nを、一の通信チャネルを介して一の周波数チャネルで、タイムギャップ116を有するように送信する、データパケットの送信手段114を備える。さらに、データ送信機100_1は、当該周波数チャネルにおける、干渉源110による干渉120、又は別のデータ送信機100_2による送信122を認識する、周波数チャネルのモニタリング手段118を備える。データパケットの送信手段114は、干渉120又は別のデータ送信機100_2による送信122が、送信データパケットの送信時、周波数チャネルのモニタリング手段118によって認識された場合に、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、送信待機中の送信データパケットを、送信しない、当該送信データパケットを部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。
【0040】
実施形態において、例えばデータ送信機100_1は、干渉120又は別のデータ送信機102による送信122が認識されたとき、送信待機中の送信データパケットを、送信しない、通信チャネルを介して部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとするように構成されていてよい。送信データパケット104_1~104_nをチャネルエンコーディングするのに用いたチャネルエンコーディングによって、第一のデータパケット104をデコーディングするのに全ての送信データパケットが必要というわけではなく、一部だけあれば足りるために、データ損失又は情報損失を生じることなく、複数の送信データパケットのうちの1つ(又は複数)を送出しない、部分的にのみ送出する及び遅れて送出するのいずれかとすることが可能である。
【0041】
例えば、図2に示すように、干渉120又は別のデータ送信機100_2からの送信122が、第三の送信データパケット104_3の予定されている送信よりも少し前に発生し、周波数チャネルのモニタリング手段118によって認識される。すると、データパケットの送信手段114は、第三の送信データパケット104_3を、送信しない、通信チャネルを介して部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。
【0042】
例えば、周波数チャネルのモニタリング手段118は、周波数チャネルにおける干渉120又は別のデータ送信機100_2の送信データパケット122を認識するために、周波数チャネルにおける出力の検出を行ってもよい。
【0043】
さらに、(置換的、または付加的に)周波数チャネルのモニタリング手段118は、過去の干渉や別のデータ送信機の過去の送信に基づいて、及び/又は、周波数チャネルと近接する周波数チャネルにおける干渉又は別のデータ送信機の送信に基づいて、周波数チャネルにおける干渉120又は別のデータ送信機100_2の送信122を予測してもよい。
【0044】
さらに、データパケットの送信手段114は、干渉120又は別のデータ送信機100_2の送信122に依存して、送信データパケット104_1~104_nの間のタイムギャップ116を調整してもよい。
【0045】
図2に示すデータ送信機100_1の動作モードを、図3(a)及び図3(b)に示したダイヤグラムを参照しつつより詳細に説明する。
【0046】
図3(a)は、送信待機中の(予定された)送信データパケット104_1~104_n、及び干渉120又は別の送信122と共にを、通信チャネル(送信媒体)の占有の様子をダイヤグラムとして示している。図3(b)は、干渉120又は別の送信122を考慮した、実際に送出された送信データパケット104_1~104_nを、通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示している。図3(a)及び図3(b)において、縦軸は周波数を、横軸は時間を、それぞれ示している。
【0047】
図3(a)及び図3(b)に示す通り、データ送信機100_1(又はデータパケットの送信手段114)は、干渉120や送信122を認識することによって、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、第三送信データパケット104_3と第六送信データパケット104_6を送信しないように構成されてよい。
【0048】
また、図3(a)及び図3(b)に示す通り、データパケットの送信手段114は、送信データパケットを、複数(少なくとも二つ)の周波数チャネル(又は送信周波数)に分布させてよい。
【0049】
データ送信機100_1は、周波数チャネルモニタリングを含む、送信経路におけるテレグラム分割方法を連続的に行うことが可能である(listen-before-talk方式と呼ばれる)。図2から図3(b)は、サブパケットが送信される周波数域のチャネル内で、何らかのアクティビティーが見いだされた場合、個々のサブパケット(送信データパケット)104_1~104_nが送信されない、又は部分的にのみ送信されるテレグラム分割を伴う送信システムに関係する図である。例えば、アクティビティーは、サブパケットのターゲットバンドにおける電力検出によって発生することがあり得る。過去又は現在における周辺のチャネルアクティビティーの観測から、チャネルアクティビティーを予測することが可能である。エラー保護(チャネルエンコーディング)技術により、テレグラム(第一データパケット)104は、いくつかのサブパケットの送信を省略するエラーフリーな方法においてデコーディングされてもよい。
【0050】
[複数のテレグラムを同時に送出する、送信経路におけるテレグラム分割]
【0051】
図4は、例えば、一実施形態におけるデータ送信機100_1の概略図を示す。送信機100_1は、第一データ受信機102_1に送信される第一データパケット104を、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_n(nは2以上の自然数)に分割する、送信データパケットの生成手段112を備える。なお、それぞれの送信データパケット104_1~104_nは、第一データパケット104より短い。さらに、データ送信機100_1は、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nを、タイムギャップ116を有するように一の通信チャネルを介して、第一データ受信機102_1に送信する、データパケットの送信手段114を備える。データパケットの送信手段114は、第一データ受信機102_1に送信される少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_n間のタイムギャップ116中に、少なくとも一つの別の送信データパケット124を、第一データ受信機102_1又は第二データ受信機102_2に送信する。
【0052】
実施形態では、データ送信機100_1は、(少なくとも)一つの別の送信データパケット124を送出するために、二つの送信データパケット104_1~104_n間、又は送出される二つの送信データパケット104_1~104_n間のタイムギャップ(間隔、休止のようなもの)116を用いてよい。それにより、チャネル占有率又はチャネル利用率を改善できる。
【0053】
別の送信データパケット124は、任意の送信方法を用いて送信できる、任意のデータパケットとしてよい。
【0054】
別の送信データパケット124は、データ送信機100_1によって、通信チャネルを介して第一データ受信機102_1又は第二データ受信機102_2に送信される第二データパケット106を分割した、少なくとも二つの送信データパケットのうちの一つであってよい。
【0055】
例えば、送信データパケットの生成手段112は、第二データ受信機102_2に送信される第二データパケット106を、少なくとも二つのデータパケット106_1~106_m(mは2以上の自然数)に分割するように構成されてよい。なお、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mのそれぞれは、第二データパケット106より短い。データパケットの送信手段114は、この通信チャネルを介して、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mを、タイムギャップを有するように送信してよいこの場合、第二データパケット106の、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mのうち一つが、別の送信データパケットであってよい。
【0056】
図4に示すように、データパケットの送信手段114は、第一データ受信機102_1に送信される少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nと、第二データ受信機102_2に送信される少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mとを、それぞれ他方のデータ受信機に送信される送信データパケット間のタイムギャップ中に、交互に送信してよい。
【0057】
図4に示すデータ送信機100_1の動作モードを、図5及び図6を参照しつつより詳細に説明する。
【0058】
図5は、図4に示すデータ送信機100_1と、一実施形態における複数のデータ受信機102_1~102_4とを備えた、システム128の概略図を示す。詳細には、図5は、第一データ受信機102_1と第二データ受信機102_2を示す。システム128はさらに、(任意で)第三データ受信機102_3と、第四データ受信機102_4と、を備えていてよい。例えば、図5に示すように、データ送信機100_1及び第四データ受信機102_4は基地局であってよく、第一データ受信機102_1、第二データ受信機102_2及び第三データ受信機102_3はノード(センサーノード)であってよい。従って、図5は、ある参加者(データ送信機100_1)から別の参加者たち(データ受信機102_1~102_4)へのデータパケット(又はテレグラム)の分配を示す。
【0059】
図6は、一実施形態である図5に示したシステム128の、通信チャネル(送信媒体)の占有の様子をダイヤグラムとして示す。図6において、縦軸は周波数を、横軸は時間を示す。
【0060】
図4で既に説明したが、図6に示すように、データパケットの送信手段114は、タイムギャップを有するように、一の通信チャネルを介して、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_n(図6では”A”とも呼ばれる)を、第一データ受信機102_1に送信してよい。ここで、データパケットの送信手段114は、第一データ受信機102_1に送信される、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_n間のタイムギャップ116中に、別の送信データパケット124(図6では”B”とも呼ばれる)を、第二データ受信機102_2に送信してよい。
【0061】
例えば、図6に示すように、別の送信データパケット124は、異なる送信方法(テレグラム分割方法を用いない)によって、第二データ受信機102_2に送出されることも可能である。
【0062】
データパケットの生成手段112は、第三データ受信機102_3に送信される第三データパケットを、少なくとも二つのデータパケット130_1~130_m(図6では”C”とも呼ばれる)(mは2以上の自然数)に分割してよい。なお、第三データ受信機102_2に送信されるそれぞれの送信データパケット130_1~130_mは、第三データパケットより短い。データパケットの送信手段114は、タイムギャップを有するように、一の通信チャネルを介して、少なくとも二つの送信データパケット130_1~130_mを、第三データ受信機102_3に送信してよい。
【0063】
さらに、データパケットの生成手段112は、第四データ受信機102_4に送信される第四データパケットを、少なくとも二つのデータパケット132_1~132_i(図6では”2”とも呼ばれる)(iは2以上の自然数)に分割してよい。なお、第四データ受信機102_4に送信されるそれぞれの送信データパケット132_1~132_iは、第四データパケットより短い。ここで、データパケットの送信手段114は、タイムギャップを有するように、一の通信チャネルを介して、少なくとも二つの送信データパケット132_1~132_iを、第四データ受信機102_4に送信してよい。
【0064】
図6に示すように、第一データ受信機102_1に送信される少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nと、第三データ受信機102_3に送信される少なくとも二つの送信データパケット130_1~130_mと、第四データ受信機102_4に送信される少なくとも二つの送信データパケット132_1~132_iとは、それぞれ別のデータ受信機に送信される送信データパケット間のタイムギャップ中に、交互に送信されてよい。
【0065】
従って、データ送信機100_1は、第一、三、四データ受信機102_1、102_3及び102_4と通信するためのテレグラム分割方法と、第二データ受信機102_2と通信するための異なる送信方法と、を利用することができる。当然、テレグラム分割方法は、第二データ受信機102_2と通信するために用いられてもよい。
【0066】
図6にも示されているように、データパケットの送信手段108は、送信パケットを、複数(少なくとも二つ)の周波数チャネル(又は送信周波数)にわたって分布させてよい。
【0067】
すなわち、一人の参加者(データ送信機)100_1は、時間的にオーバーラップして、他の複数の参加者(データ受信機)102_1~102_4にデータを送信することができる。テレグラム分割における比較的長い休止によって、上記のことが可能となる。ここで、二つのサブパケット(送信データパケット)間の休止において、参加者(データ送信機)100_1は、別の送信を別の参加者(データ受信機)に行う、又は少なくとも一つの別の送信を同じ参加者に行う。この通信には、テレグラム分割を用いてもよく、ほかの送信技術を用いてもよい。テレグラム分割を用いる場合、異なるホップパターン、又は同じホップパターンであるが時間をオフセットしたものを使用してよい。周波数オフセットにおいて、タイムオフセットしたホップパターンを送信することが可能だが、必ずしも必要ではない。
【0068】
タイムホップパターンの結果、全てのテレグラム(データパケット)の送出には比較的長い時間を要するが、それは、干渉に対する耐性を増加させるために、多くの休止が存在するからである。例えば、図6に示すように、休止状態において、時間的にオーバーラップする複数のテレグラムを用いることで、別の参加者に送信を行うことは可能である。具体的には、4つのメッセージ(データパケット)A、B、C及び2を同時に送信するとき
のスペクトルの占有の様子は、図6から得ることができる。第一、第三及び第四メッセージであるA、C及び2の送信には、テレグラム分割方法を用いることができる。第一及び第三メッセージであるA及びCには、サブパケットのパターンが同じで時間及び周波数をシフトしたものを用いてよい。第四メッセージ2には、異なるサブパケットのパターンを用いてよい。第二メッセージBには、異なる送信技術を用いてよい。
【0069】
[複数のテレグラムを同時に受信する、受信経路におけるテレグラム分割]
【0070】
図7は一実施形態におけるデータ受信機102_1の概略図を示す。データ受信機102_1は、タイムギャップ116を有するように通信チャネルを介して送信され、それぞれが第一データパケット104の一部を含む少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_n(nは2以上の自然数)を、第一データ送信機100_1から受信する、データパケットの受信手段134を備える。データパケットの受信手段134は、第一データパケット104を得るために、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nを結合する。ここで、データパケットの受信手段134は、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nの間の前記タイムギャップ116中に、第一データ送信機100_1又は第二データ送信機100_2から送信される、少なくとも一つの別のデータパケット124を受信する。
【0071】
別の送信データパケット124は、異なる送信方法(テレグラム分割方法を除くもの)によって、第一データ送信機100_1又は第二データ送信機100_2から送出されることも可能である。
【0072】
別の送信データパケット124は、データ送信機100_1又は第二データ送信機100_2によって、通信チャネルを介して第一データ受信機102_1に送信される第二データパケット106を分割した、少なくとも二つの送信データパケットのうちの一つであってよい。
【0073】
例えば、データパケットの受信手段134は、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_m(mは2以上の自然数)を、第二データ送信機100_2から受信してよい。なお、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mは、タイムギャップを有するように、一の通信チャネルを介して送信され、それぞれが第二データパケット106の一部を含む。また、データパケットの受信手段134は、第二データパケット106を得るために、第二データ送信機100_2から送信される、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mを結合するよう構成されている。この場合、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mのうち一つは、別の送信データパケット124であってよい。
【0074】
例えば、図7に示すように、データパケットの受信手段134は、第一データ送信機100_1から送信される少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nと、第二データ送信機100_2から送信される少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mとを、それぞれ他方のデータ送信機から送信される送信データパケット間のタイムギャップ中に、交互に受信してよい。
【0075】
一人の参加者(例えば、データ受信機102_1)は、時間的にオーバーラップして、他の複数の参加者(例えば、データ送信機100_1~100_2)から受信することができる。テレグラム分割における比較的長い休止によって、上記のことが可能となる。ここで、参加者は、二つのサブパケット間の休止において、別の参加者から別の送信を、又は同じ参加者から少なくとも一つの別のメッセージを受信する。この送信は、テレグラム分割を用いてもよく、ほかの送信技術を用いてよい。テレグラム分割を用いた場合、異なるサブパケットパターン、又は同じサブパケットパターンであるが時間をオフセットしたものを使用してよい。周波数オフセットにおいて、タイムオフセットしたサブパケットパターンを送信することが可能だが、必ずしも必要ではない。
【0076】
ホップパターン又はタイムホップパターンの結果、全てのテレグラム(例えば、第一データパケット104又は第二データパケット106)の送出には比較的長い時間を要するが、それは、干渉に対する耐性を上げるために多くの休止が存在するためである。以下の例で説明するが、図8に示すように、休止状態において、時間的にオーバーラップする複数のテレグラムを有するシステムでは、別の参加者からの送信を受信することは可能である。
【0077】
図8は、図1に示すデータ受信機102_1と、一実施形態における複数のデータ送信機100_1~100_4と、を備えるシステム128の概略図を示す。具体的には、図8において、データ受信機102_1は、第一データ送信機100_1から第一データパケット”A”を、第二データ送信機100_2から第二データパケット”B”を、第三データ送信機100_3から第三データパケット”C”を、第四データ送信機100_4から第四データパケット”2”を受信するような、四つの送信機100_1~100_4が示されている。
【0078】
データ受信機102_1は基地局であってよい。第一データ送信機100_1、第二データ送信機100_2及び第三データ送信機100_3はノード(センサーノード)であってよく、第四データ送信機100_4は基地局であってよい。
【0079】
時間範囲及び/又は周波数範囲において、複数のテレグラム(例えば、データパケット)がオーバーラップする場合、干渉されたデータの多くはエラー修正機能によって修正される。これは、SIC(successive interference cancellation)のような方法を用いても、可能である。受信局が複数の受信アンテナを備える場合、ビームフォーミング又はビームフォーミングアルゴリズムを付加して用いてもよい。
【0080】
[送信及び受信の動作が混在したテレグラム分割、テレグラムが時間的にオーバーラップした混在した送信及び受信]
【0081】
図9は、一実施形態における、データパケットを受信する手段138をさらに有する、図4に示されたデータ送信機100_1の概略図である。以下の説明は、図2に示したデータ送信機100_1と同様に適用される。データ送信機100_1の送信経路に関しては、上述の説明を参照されたい。
【0082】
データ送信機100_1は、データパケットを受信する手段138を備えた、データ送受信機であってよい。データパケットの受信手段138は、第一データ受信機102_1に送信される送信データパケット104_1~104_nの間のタイムギャップ116中に、別のデータ送信機100_2から送信される送信データパケット140を受信してよい。
【0083】
ここで、別のデータ送信機100_2から送信される送信データパケット140は、任意の送信方法によって送信されてよい。送信データパケット140は、別のデータ送信機100_2によってデータ送受信機100_1に送信される、別のデータパケット108を分割した、少なくとも二つの送信データパケットのうちの一つでよい。
【0084】
例えば、データパケットの受信手段138は、第一データ受信機102_1に送信される送信データパケット104_1~104_n間でタイムギャップを有するように、別のデータ送信機100_2から送信される少なくとも二つの送信データパケット108_1~108_b(bは2以上の自然数)のうち、少なくとも一つを受信し、別のデータパケット108を得るために、少なくとも二つの送信データパケット108_1~108_bを結合してよい。なお、少なくとも二つの送信データパケット108_1~108_bは、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して送信され、それぞれは別のデータパケット108の一部を含む。この場合、別のデータ送信機102から送信される、少なくとも二つの送信データパケット108_1~108_bのうち一つは、別の送信機100_2から送信される送信データパケット140であってよい。
【0085】
一人の参加者(例えば、送受信機100_1)は、複数の別の参加者から時間的にオーバーラップして受信、及び/又は複数の別の参加者に時間的にオーバーラップして送信してもよい。テレグラム分割における比較的長い休止によって、上記のことが可能となる。ここで、参加者たちの方向を問わない一つの送信のサブパケット間の休止は、別の方向を問わない送信を実行するために用いられてもよい。
【0086】
基本的には、受信局が全二重動作をサポートすることが可能であり、それによって同じ周波数で同時に送信及び受信を行うことができる。このような追加送信は、テレグラム分割方法によって行われてもよく、他の送信技術によって行われてもよい。
【0087】
テレグラム分割を用いた場合、異なるサブパケットパターン、又は同じサブパケットパターンであるが時間をオフセットしたものを使用してよい。周波数オフセットにおいて、タイムオフセットしたサブパケットパターンを送信することが可能だが、必ずしも必要ではない。
【0088】
複数の参加者の間で混在した送信及び受信は、図10を参照して、以下により詳しく説明する。
【0089】
図10は、図9に示した送受信機100_1と、二つのデータ送信機100_2、100_3及び二つのデータ受信機102_2、102_3と、を有する一実施形態におけるシステム128の概略図である。データ送受信機100_1は、第二データ送信機100_2から第一データパケット”A”を受信し、第二データ受信機102_2に第二データパケット”B”を送信し、第三データ受信機102_3に第三データパケット”C”を送信し、第三データ送信機100_3から第四データパケット”2”を受信できる。
【0090】
送受信機100_1は基地局であってよい。第二データ送信機100_2、第二データ受信機102_2及び第三データ受信機102_3はセンサーノードであってよく、第三データ送信機100_3は基地局であってよい。
【0091】
つまり、図10は例えば、時間的にオーバーラップしたテレグラムでの混在した送信及び受信を示している。具体的には、基地局1(100_1)は、センサーノードB(102_2)及びセンサーノードC(102_3)に送信することができ、同時に基地局2(100_3)及びセンサーノードA(100_2)からメッセージを受信することができる。
【0092】
従って、基地局100_1は、二つのセンサーノード102_2及び102_3に送信しようとする一方で、センサーノード100_2及び基地局100_3からのメッセージを受信する。
【0093】
ホップパターン又はタイムホップパターンの結果、全てのテレグラムの送出には比較的長い時間を要するが、それは、干渉に対する耐性を上げるために多くの休止が存在するためである。休止状態において、さらに別の送信を行うことは可能である。例えば、時間的にオーバーラップした複数のテレグラムを送信する様子は図6を参照されたい。
【0094】
全二重動作(参加者間での送信及び受信)については、図11及び図12を参照して、以下でより詳しく説明する。
【0095】
図11は、二つの送受信機100_1及び100_2を有する、一実施形態におけるシステム128の概略図である。例えば、図11は、二参加者間の全二重動作を示している。全二重動作において、参加者は、時間的にオーバーラップして、別の参加者と送信及び受信を行う。この送信は、テレグラム分割に制限されず、一方向につき、一つのメッセージしか送れないわけでもない。
【0096】
例えば、図11に示すように、第一送受信機100_1は基地局であってよく、第二送受信機100_2はセンサーノードであってよい。例えば、基地局は100_1は、二つのメッセージ(データパケット)をセンサーノード100_2に送信し、センサーノードは、一つのメッセージ(データパケット)を基地局100_1に送信してもよい。
【0097】
図12は、一実施形態における図11に示されたシステム128の、通信チャネル(送信媒体)の占有の様子をダイヤグラムとして示す。縦軸は周波数、横軸は時間を表す。
【0098】
図12に示すように、第一送受信機100_1は、第一データパケット104を、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nに分割して(テレグラム分割)、第二送受信機100_2に送信するように構成されていてよい。さらに、第一送受信機100_1は、別の送信データパケット124を、少なくとも二つの送信データパケット104_2及び104_3(異なる送信方法)間のタイムギャップ中に、第二送受信機100_2に送信するように構成されてよい。
【0099】
第二送受信機100_2は、第二データパケット106を、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_m(テレグラム分割)に分割して、第一送受信機100_1に送信するように構成されていてよい。
【0100】
ここで、第一送受信機から送信される送信データパケット及び第二送受信機から送信される送信データパケットは、それぞれ他方の送信データパケット間のタイムギャップ中に送出されてよい。
【0101】
[複数の参加者に送信するときにオーバーラップする送信データパケットを省略しつつ行う、送信経路におけるテレグラム分割]
【0102】
図13は、本発明の一実施形態におけるデータ送信機100_1の概略図である。データ送信機100_1は、第一データパケット104を、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_n(nは3以上の自然数)に分割し、そのうちの一部のみが第一データパケット104へのデコーディングに必要となるように(少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nの中の少なくとも二つ)、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nをチャネルエンコーディングする、送信データパケットの生成手段112を備える。なお、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nは、それぞれが第一のデータパケット104より短い。さらに、データ送信機は、タイムギャップ116を有するように、一の通信チャネルを介して、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nを送信するように構成された、データパケットの送信手段114を備える。ここで、データパケットの送信手段114は、一つの送信データパケットの送信時、送信待機中の別の送信パケット124がある場合、送信待機中の少なくとも三つの送信データパケットのうち、当該一つの送信データパケットを、送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとしてよい。
【0103】
実施形態において、例えば、データ送信機は、一つの送信データパケットの送信時、送信待機中の別の送信データパケットがある場合に、少なくとも三つの送信データパケットのうち送信待機中の当該一つの送信データパケットを、送信しない、当該通信チャネルを介して部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとすることができる。送信データパケットをチャネルエンコーディングするのに用いたチャネルエンコーディングによって、データ損失又は情報損失を生じることなく、複数の送信データパケットのうちの1つ(又は複数)を、送信しない又は部分的にのみ送出することが可能である。なぜなら、第一のデータパケットをデコーディングするのに全ての送信データパケットが必要というわけではなく、一部だけあれば足りるからである。
【0104】
例えば図13に示すように、別の送信データパケット124が、第二送信データパケット104_2の送信を待っていることがある。この場合、データパケットの送信手段114は、第二送信データパケットを送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとしてよい。
【0105】
実施形態において、データパケットの送信手段114は、当該通信チャネルを介して、別の送信データパケット124を送信してよい。つまり、データ送信機100_1は、別の送信データパケット124を送信することが可能である。
【0106】
別の送信データパケット124は、任意の送信方法によって送信されることが可能である。別の送信データパケット124は、第二データパケット106が分割された、少なくとも三つの送信データパケット106_1~106_mのうちの一つとすることもできる。
【0107】
例えば、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nが、第一受信機102_1に送信されてよい。ここで、送信データパケットの生成手段112は、第二データ受信機102_2に送信される第二データパケット106を、少なくとも三つの送信データパケット106_1~106_m(mは3以上の自然数)に分割し、そのうちの一部のみが第二データパケット106へのデコーディングに必要となるように、少なくとも三つの送信データパケット106_1~106_mをチャネルエンコーディングしてよい。なお、少なくとも三つの送信データパケット106_1~106_mは、それぞれが第二データパケット106より短い。データパケットの送信手段114は、タイムギャップを有するように、一の通信チャネルを介して、少なくとも三つの送信データパケット106_1~106_mを第二データ受信機102_2に送信してよい。この場合、第二データ受信機102_2に送信される、少なくとも三つの送信データパケットのうちの一つが、別の送信データパケット124であってよい。
【0108】
実施形態において、別の送信データパケット124は、他の任意のデータ送信機100_2によって送信されてよい。別のデータ送信機100_2によって、別の送信データパケット124を送信する時間が、データ送信機100_1に知らされてよい。
【0109】
図14(a)は、送信待機中の(予定された)送信データパケットを含む、通信チャネル(送信媒体)の占有の様子をダイヤグラムとして示している。図14(b)は、実際に送出された送信データパケットを含む、通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示している。図14(a)及び図14(b)のどちらについても、縦軸は周波数、横軸は時間を表している。
【0110】
図14(a)に示すように、第一データパケット104は、送信データパケット104_1~104_nに分割されて送信されてよく、第二データパケット106は、送信データパケット106_1~106_nに分割されて送信されてよく、第三データパケットは、送信データパケット130_1~130_iに分割されて送信されてよい。それぞれの送信データパケットは、それぞれが他の送信データパケット間のタイムギャップ中に、それぞれがあるタイムギャップを有するように送信される。
【0111】
図14(a)に示すように、送信データパケットの予定された送出は、二つのオーバーラップ領域142及び144を形成する。第一オーバーラップ領域においては、送信データパケット104_3及び106_3がオーバーラップし、第二オーバーラップ領域においては、送信データパケット104_4、106_4及び130_4がオーバーラップする。これが、図14(b)に示すように、前述した送信データパケットが送信されない理由である。
【0112】
また、これが、一人の参加者が、時間的にオーバーラップして、複数の参加者に送信することが可能となる理由である。ここで、いくつかの送信データパケットのタイムホップパターンはオーバーラップすると考えられる。送信機は、どのサブパケット(送信データパケット)がオーバーラップするか認知していてよい(図14(a)参照)。オーバーラップしているサブパケットは送出できない(図14(b)参照)。なぜなら、受信機はサブパケットの欠如を検出し、この情報を処理する。つまり、このサブパケットを欠如情報であると評価するからである。
【0113】
この手順は、複数のサブパケットのうちの一つを特定の受信機に送出するよりも優れているかもしれない。というのも、サブパケットの受信を待機している別の、少なくとも一人の参加者が、そのサブパケットが自分に送信されていないことを判断できず、結果的にテレグラムをデコーディングできない情報を含む、一つのサブパケットを受信してしまうかもしれないからである。エラー修正デコーディングの観点から述べると、間違った情報は、情報がない場合よりも悪い。
【0114】
実施形態において、データパケットの送信手段114は、別の送信データパケットがさらに送信基準を満たしているときに、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、送信待機中の送信データパケットを送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとしてよい。
【0115】
例えば、送信基準は、別の送信データパケット124が、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、送信待機中のものよりも送信優先度が高いことであってよい。
【0116】
さらに、送信基準は、送信待機中の送信データパケット104_1~104_n及び別の送信データパケット124が、同じ周波数チャネル内で送信されることであってもよい。
【0117】
二つのサブパケットが、周波数範囲ではオーバーラップせず、時間範囲においてオーバーラップするとき、通常、両方のサブパケットを送信することができ、送信の省略は不要である。信号が、周波数範囲ではオーバーラップせず、時間範囲においてのみオーバーラップする場合であっても、ただ一つの信号のみを送信することが必要となる場合がある。それは、技術的理由のために、たとえ周波数範囲においてオーバーラップしないとしても、送信機が一度に一つのサブパケットのみしか送信できないような場合である。
【0118】
どのサブパケットを省くことが可能かという判断は、異なるパラメータから得られる。例えば、受信機に送信されるチャネル減衰、又は既に省略されたサブパケットの数から決定される。
【0119】
[参加者がデコーディングを行えるという利点があるときにオーバーラップしている送信データパケットだけを送信する、送信経路におけるテレグラム分割]
【0120】
前述したように、データパケットの送信手段114は、別の送信データパケットがさらに送信基準を満たしたときに、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、送信待機中の送信データパッケージを送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとしてよい。
【0121】
例えば、送信基準は、別のデータパケット124の送信において、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうちの、別の送信データパケットに基づいて、データ受信機によって第一データパケット104をデコーディングすることが、少なくとも90%(又は70%、80%、95%)の確率で可能だ、ということであってよい。例えば、前記確率を決定する際、チャネル品質を考慮してよい。さらに、前記確率を決定する際、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、まだ送出されていない送信データパケットの数が考慮されてもよい。
【0122】
図15(a)は、送信待機中の(予定された)送信データパケットを含む、通信チャネル(送信媒体)の占有の様子をダイヤグラムとして示している。図15(b)は、実際に送出された送信データパケットを含む、通信チャネルの占有の様子をダイヤグラムとして示している。図15(a)及び図15(b)のどちらについても、縦軸は周波数、横軸は時間を表している。
【0123】
図15(a)に示すように、第一データパケット104は送信データパケット104_1~104_nに分割して、第二データパケット106はデータパケット106_1~106_nに分割して、それぞれ他方のデータパケット間のタイムギャップ中に送信されてよい。
【0124】
さらに、図15(a)に示すように、送信データパケットの予定された送出は、送信データパケット104_4と106_4とがオーバーラップする、オーバーラップ領域142を形成する。図15(b)に示すように、送信データパケット104_4は送信されていない。
【0125】
これは、一人の参加者が、時間的にオーバーラップして、複数の参加者に送信することが可能であることを意味している。タイムホップパターンによって、高確率でいくつかのサブパケットがオーバーラップするだろう。サブパケットがオーバーラップしている場合、一つのサブパケットは、一人の参加者にとっては重要で別の参加者にとってはあまり干渉しない、と基地局によって評価されたときにのみ送出される。
【0126】
例えば、干渉の評価には、過去の参加者間のチャネル品質を用いてもよい。二人の参加者(例えば、A及びC)間のチャネルが非常に良好である場合、参加者(例えば、C)が、異なる参加者(たとえば、B)への送出によって干渉を受ける可能性は非常に低い。二人の参加者(例えば、A及びB)間のチャネルが非常に悪く、サブパケットがオーバーラップしている場合、一人の参加者(例えば、C)にサブパケットを送出することによる付加的な干渉によって、別の参加者(例えば、B)に送信するメッセージの受信の質はさらに低下するだろう。評価のためのさらなる基準は、テレグラム中の既に省かれたサブパケットの数であってもよい。
【0127】
つまり、図15(a)及び図15(b)に示すように、干渉される可能性が低いサブパケットは、オーバーラップしている場合においても、送出することが可能である。図15(a)に示すように、サブパケットが部分的にオーバーラップした、二人の参加者(例えば、C及びB)への送出が予定されている。一人の参加者(例えば、C)へのチャネルは、オーバーラップによって干渉を受けにくいと評価されるのであれば、一人の参加者(例えば、C)へのサブパケットは省かれ、別の参加者(例えば、B)へのサブパケットは送出されてもよい。
【0128】
[外的要因に依存して送信データパケットを省略する、送信経路におけるテレグラム分割]
【0129】
図3に示したデータ送信機100_1の変形例として、データパケットの送信手段は、オーバーラップした送信データパケットを送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。また、データパケットの送信手段は、これに代えて(又は付加的に)、外的要因に依存して、少なくとも三つの送信データパケットのうち、送信待機中の送信データパケットを送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとしてよい。
【0130】
データ送信機(例えば、基地局)100_1は、ある送信データパケットが、外的要因(例えば、制御因子、全体的なデューティーサイクル、一次元ネットワーク(UMTS)のメッセージ)によって送信されないとき、当該送信データパケットを送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとしてよい。
【0131】
[チャネルに合わせたホップパターンを有する送受信経路におけるテレグラム分割]
【0132】
データパケットの送信手段114は、通信チャネルの品質又は占有に依存して、送信データパケット間のタイムギャップ、送信データパケットが分布する一又は複数の周波数チャネル、又は、送信データパケットの非送出を調整してよい。つまり、データパケットの送信手段114は、通信チャネルの品質又は占有に用いられるホップパターンを、調整するように構成されていてよい。
【0133】
さらに、データ送信機(又はデータ送受信機)100_1は、別の送信データパケットを用いて、送信データパケットのうちの少なくとも一つの通信時間、又は二つの送信データパケット間の少なくともタイムギャップを送出するように構成されていてよい。つまり、データ送信機100_1は、ホップパターンに関する情報を有する対応した送信データパケットを用いるようにして、自身のホップパターンを、別のデータ送信機に送信するように構成されていてもよい。
【0134】
データ送信機は、別の送信データパケットを用いて、別のデータ送信機が、送信データパケットを送出するときの送信時間、又は別のデータ送信機によって送出される二つの送信データパケット間のタイムギャップを、予め決定できるように構成されていてもよい。つまり、データ送信機(例えば、基地局)は、別のデータ送信機に用いられるホップパターンを予め決定してもよい。
【0135】
送出に用いられるホップパターンの選択は、必要に応じて行われる。最適な性能を得るために、ランダムに選択された送信チャネルよりも改善された性能を、送信が予想される送信チャネルに提供するようなホップパターンが選択されてよい。改善されたホップパターンを決定するために、参加者は、自身から得られた、又は外部から通信された、現在及び過去のチャネル上の情報を参考にすることができる(例えば、数秒前の通信チャネルの状況、実施環境下における一般的なチャネルの状況、又は先週と同時刻における状況、等)。
【0136】
別の参加者に用いられるホップパターンを送信する方法に関しての、チャネルの推定及びパターンの選択は参加者のみ行うことができる。
【0137】
[要求された送信データパケット(受信サブパケット)と衝突する送信データパケット(サブパケット)の送出が省略される際の、同時送受信のためのテレグラム分割]
【0138】
参加者のサブパケットの送出が、別の参加者からのサブパケットの受信とオーバーラップすることがある。別のサブパケットが送出されているとき、受信機はサブパケットを受信できないであろう。
【0139】
サブパケットを受信するためには、サブパケットの送出を中断する必要がある。例えば、受信機に送信されるチャネルの減衰や、これまでに送出されていないサブパケットの数などの情報から、サブパケットの送信の中断は決定される。
【0140】
例えば、アップリンク送信は、優先順位の高いホップパターンのように、重要であると評価されてよい。基地局は、センサーノードのアップリンクの受信回数に応じて、ダウンリンクメッセージの送出を中断してよい。それによって、自身のダウンリンクメッセージの著しい損傷を伴うことなく、センサーノードテレグラムを受信できる。
【0141】
[送受信時において優先されたテレグラムが適する、送受信経路におけるテレグラム分割]
【0142】
一人の参加者は、高い優先順位で送信又は受信されるテレグラムを含んでいることがある。別のテレグラムのオーバーラップした全てのサブパケットは、送信方向及び受信方向の両方で、前記優先されたテレグラムのために無視されてよい。
【0143】
優先されたテレグラムのサブパケットの受信とオーバーラップする送出は、中断されてよい。優先されていないテレグラムのサブパケットを送出又は受信したとき、それらがオーバーラップしている場合は常に中断されてよく、代わりに優先されたテレグラムのサブパケットが送信されてよい。
【0144】
[参加者へのテレグラム分割方法の送信出力を調整する、送信経路におけるテレグラム分割]
【0145】
データ送受信機100_1のデータパケット受信手段は、さらに、第一データ受信機から送信されるデータパケットを受信してよく、受信出力を決定してもよく、データ送受信機100_1は、決定された受信出力に依存して、第一データ受信機に送信される送信データパケットの送信出力を調整してよい。
【0146】
従って、一人の参加者(例えば、A)は、別の参加者から送信されるテレグラムの電界強度を測定してよい。別の参加者へ送信される、参加者自身のテレグラムの送信出力が、調整されてもよい。
【0147】
無線チャネル(radio channel)の負荷を最小とするために、送信出力を最小に抑えることが可能である。つまり、無線チャネルが明白に良好であれば、高出力の受信をした参加者は、低出力でのみ送信を送り返す。別の参加者が受信した出力が減少している場合、より高出力で送信を返す必要がある。追加的又は代替的に、エラー修正機能の使用には全てのサブパケットを受信する必要がないため、複数のサブパケットが省略されてよい。
【0148】
多数の参加者が同じ送信出力で受信し、類似したホップパターンによって複数の参加者に返信する必要があるとき、個々の参加者への送信出力を調整することによって、参加者たちは、自身のテレグラムと、他の参加者から送出されたテレグラムとを、そのレベルを用いて区別することが可能となる。つまり、識別能を改善することができる(又は最大化することさえ可能である)。
【0149】
例えば、基地局は、時間的にオーバーラップさせて、第一センサーノード(A)及び第二センサーノード(B)のような複数のセンサーノードに向けて送信してよく、その場合、第一センサーノード(A)からの送信はより低い電界強度となり、第二センサーノード(B)からの送信はより高い電界強度となる。そして、基地局は、サブパケットを、高出力で第一センサーノード(A)に送信し、低出力で第二センサーノード(B)に送信してよい。サブパケットがオーバーラップしている場合、サブパケットは第一センサーノード(A)に送出される。第二センサーノード(B)は、電界強度が別のサブパケットの有するものより大きい場合に、サブパケットが第二センサーノード(B)に送信されなかったことを検知できる。
【0150】
[その他]
【0151】
ポイント・ツー・ポイントの通信を除き、ある一人の参加者から複数(=MC)又は全て(=BC)の参加者へと送信されるブロードキャスト(BC)又はマルチキャスト(MC)送信は、同時に行われてよい。これが、全ての参加者に等しい特別なBC/MCホップパターンと、全ての参加者ごとに固有のホップパターンと、が存在する理由である。サブパケットがオーバーラップする際、優先テレグラムがいずれであるかに依存して、BC
/MC送信又は固有のテレグラムのどちらか一方からの個々のサブパケットが省略されてよい。
【0152】
図16は、一実施形態における、データパケットを送信する方法200のフローチャートを示す。方法200は、第一データ受信機に送信される第一データパケットを、少なくとも二つの送信データパケットに分割することにより、少なくとも二つの送信データパケットを生成するステップ202と、少なくとも二つの送信データパケットを、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して第一データ受信機に送信するステップ204と、別の送信データパケットを、第一データ受信機に送られる少なくとも二つの送信データパケット間のタイムギャップ中に、第一データ受信機又は第二データ受信機に送信するステップ206と、を備える。なお、少なくとも二つの送信データパケットは、それぞれが第一データパケットより短い。
【0153】
図17は、一実施形態における、データパケットを送信する方法210のフローチャートを示す。方法210は、第一データ受信機に送信される第一データパケットを分割することにより、少なくとも三つの送信データパケットを生成するステップ212と、少なくとも三つの送信データパケットを、一の通信チャネルを介して一の周波数チャネルで、タイムギャップを有するように送信するステップ214と、干渉又は当該周波数チャネルにおける別のデータ送信機の送信を認識するために、当該周波数チャネルをモニタリングするステップ216と、を備える。なお、少なくとも三つの送信データパケットは、それぞれが第一データパケットより短い。また、少なくとも三つの送信データパケットが生成されるとき、少なくとも三つの送信データパケットは、その一部のみが第一データパケットをデコーディングするのに必要となるように、チャネルエンコーディングされる。また、少なくとも三つの送信データパケットを送信するとき、データパケットの送信時に周波数チャネルをモニタリングする手段によって干渉又は別のデータ送信機の送信が認識された場合には、少なくとも三つの送信データパケットのうち送信待機中の送信データパケットは送信されない、当該通信チャネルを介して部分的にのみ送信される及び遅れて送信されるのいずれかである。
【0154】
図18は、一実施形態における、データパケットを送信する方法220のフローチャートを示す。方法220は、第一データ受信機に送信される第一データパケットを分割することにより、少なくとも三つの送信データパケットを生成するステップ222と、少なくとも三つの送信データパケットを、一の通信チャネルを介して一の周波数チャネルで、タイムギャップを有するように送信するステップ224と、を備える。また、少なくとも三つの送信データパケットが生成されるとき、少なくとも三つの送信データパケットは、その一部のみが第一データパケットをデコーディングするのに必要となるように、チャネルエンコーディングされる。なお、少なくとも三つの送信データパケットは、それぞれが第一データパケットより短い。少なくとも三つの送信データパケットを送信するとき、少なくとも三つの送信データパケットのうち送信待機中の送信データパケットは、もし当該送信待機中の送信データパケットの送信時にさらに別の送信データパケットが送信待機中であれば、送信されない、通信チャネルを介して部分的にのみ送信される及び遅れて送信されるのいずれかである。
【0155】
図19は、一実施形態における、データパケットを受信する方法230のフローチャートを示す。方法230は、第一データ送信機から送られる少なくとも二つの送信データパケットを受信するステップ232と、第一データパケットを得るために少なくとも二つの送信データパケットを結合させるステップ234と、少なくとも二つの送信データパケット間のタイムギャップ中に、第一データ送信機又は第二データ送信機から送られる少なくとも一つの別のデータパケットを受信するステップ236と、を備える。なお、少なくとも二つの送信データパケットは、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して送信され、それぞれ第一データパケットの一部を含む。
【0156】
第1態様によると、データ送信機100_1は、第一データ受信機102_1に送信される第一データパケット104を、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nに分割する、送信データパケットの生成手段112と、前記少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nを、タイムギャップ116を有するように、一の通信チャネルを介して前記第一データ受信機102_1に送信する、データパケットの送信手段114と、を備える。なお、前記少なくとも二つの送信データパケット(104_1~104_n)は、それぞれが前記第一データパケットより短い。前記データパケットの送信手段114は、第一データ受信機102_1に送信される前記少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_n間の前記タイムギャップ116中に、少なくとも一つの別のデータパケット124を、前記第一データ受信機102_1又は第二データ受信機102_2に送信する。
【0157】
第1態様を引用した第2態様によると、前記送信データパケットの生成手段112は、前記第二データ受信機102_2に送信される第二データパケット106を、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mに分割し、前記データパケットの送信手段114は、前記少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mを、タイムギャップを有するように、一の通信チャネルを介して前記第二データ受信機102_2に送信する。なお、前記少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mは、それぞれが前記第二データパケット106より短い。前記第二データ受信機102_2に送信される、前記少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mのうち一つは、別の送信データパケット124である。
【0158】
第2態様を引用した第3態様によると、前記データパケットの送信手段114は、前記第一データ受信機102_1に送信される前記少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nと、前記第二データ受信機102_2に送信される前記少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mとを、それぞれ他方のデータ受信機に送信される送信データパケットの間のタイムギャップ中に、交互に送信する。
【0159】
第1態様から第3態様までのうち少なくとも一つを引用した第4態様によると、前記少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nは、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nである。そして、前記送信データパケットの生成手段112は、そのうちの一部のみが前記第一データパケット104のデコーディングに必要となるように、前記少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nをチャネルエンコーディングする。
【0160】
第5態様観点によると、前記データ送信機100_1は、第一データパケット104を少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nに分割する、送信データパケットの生成手段112と、タイムギャップ116を有するように、一の通信チャネルを介して一の周波数チャネル内で、前記少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nを送信する、データパケットの送信手段114と、周波数チャネルにおける干渉120又は別のデータ送信機100_2からの送信122を認識する、周波数チャネルのモニタリング手段118と、を備える。なお、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nは、それぞれが前記第一データパケット104より短い。前記送信データパケットの生成手段112は、その一部のみが前記第一データパケット104のデコーディングに必要となるように、前記少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nをチャネルエンコーディングする。また、前記データパケットの送信手段114は、送信データパケットの送信時、干渉120又は別のデータ送信機100_2からの送信122が、前記周波数チャネルをモニタリングする手段118によって認識された場合に、前記少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、送信待機中のデータパケットを、送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。
【0161】
第5態様を引用した第6態様によると、周波数チャネルのモニタリング手段118は、前記周波数チャネルにおける干渉120又は別のデータ送信機100_2の送信122を認識するために、前記周波数チャネルにおける出力の検出を行う。
【0162】
第5態様から第6態様までのうち少なくとも一つを引用した第7態様によると、周波数チャネルのモニタリング手段118は、過去の干渉又は別のデータ送信機の過去の送信に基づいて、当該周波数チャネルにおける干渉120又は別のデータ送信機100_2の送信122を推測する。または、周波数チャネルのモニタリング手段118は、当該周波数チャネルと近接する周波数チャネルにおける、干渉又は別のデータ送信機の送信に基づいて、当該周波数チャネルにおける干渉120又は別のデータ送信機100_2の送信122を予測するよう構成されている。
【0163】
第5態様から第7態様までのうち少なくとも一つを引用した第8態様によると、データパケットの送信手段114は、認識された干渉120又は別のデータ送信機100_2による送信122に依存して、送信データパケット104_1~104_nの間のタイムギャップ116を調整する。
【0164】
第5態様から第8態様までのうち少なくとも一つを引用した第9態様によると、データパケットの送信手段114は、第一データ受信機102_1に送られる、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_n間の前記タイムギャップ116中に、別の送信データパケット124を、第一のデータ受信機、又は第二データ受信機に送信する。
【0165】
第10態様によると、データ送信機100_1は、第一データパケット104を少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nに分割する、送信データパケットの生成手段112と、前記少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nを、タイムギャップ116を有するように、一の通信チャネルを介して送信する、データパケットの送信手段114と、を備える。なお、前記それぞれの少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nは、第一データパケット104よりも短い。送信データパケットの生成手段112は、その一部のみが第一データパケット104のデコーディングに必要となるように、前記少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nをチャネルエンコーディングする。データパケットの送信手段114は、前記少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、送信待機中のデータパケットを、送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。
【0166】
第10態様を引用した第11態様によると、データパケットの送信手段114は、一つの送信データパケットの送信時、送信待機中の別の送信データパケット124がある場合、送信待機中の少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、一つの送信データパケットを、送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。
【0167】
第11態様を引用した第12態様によると、データパケットの送信手段114は、当該通信チャネルを介して、別の送信データパケット124を送信する。
【0168】
第11態様から第12態様までのうち少なくとも一つを引用した第13態様によると、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nは第一データ受信機102_1に送信される。送信データパケットの生成手段112は、第二データ受信機102_2に送信される第二データパケット106を、少なくとも三つの送信データパケット106_1~106_mに分割し、その一部のみが第二データパケット106のデコーディングに必要であるように、データ受信機102_2に送信される前記少なくとも三つの送信データパケット106_1~106_mをチャネルエンコーディングする。なお、第二データ受信機102_2に送信される、それぞれの送信データパケット106_1~106_mは、第二データパケット106より短い。データパケットの送信手段114は、前記少なくとも三つの送信データパケット106_1~106_mを、タイムギャップを有するように、一の通信チャネルを介して第二データ受信機102_2に送信する。第二データ受信機102_2に送信される送信データパケット106_1~106_mのうちの一つは、別の送信データパケットである。
【0169】
第11態様を引用した第14態様によると、別の送信データパケット124は、別のデータ送信機100_2から送信される。
【0170】
第14態様を引用した第15態様によると、データ送信機は、別の送信データパケット124が、別の送信機100_2から送信される時間を把握する。
【0171】
第11態様から第15態様までのうち少なくとも一つを引用した第16態様によると、データパケットの送信手段114は、一つの送信データパケットの送信時、別の送信データパケット124が送信待機中であり、かつ、別の送信データパケット124が送信基準を満たした場合に、送信待機中の少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、一つの送信データパケットを、送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。
【0172】
第16態様を引用した第17態様によると、送信基準は、別の送信データパケットが、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、送信待機中のものよりも送信優先度が高いことであってよい。
【0173】
第16態様を引用した第18態様によると、送信基準は、別のデータパケット124の送信において、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうちの別の送信データパケットに基づいて、データ受信機102_1又は102_2による第一データパケット104のデコーディングが、少なくとも90%の確率で実行可能だということである。
【0174】
第18態様を引用した第19態様によると、前記確率を決定する際、チャネル品質が考慮される。
【0175】
第18態様から第19態様までのうち少なくとも一つを引用する第20態様によると、前記確率を決定する際、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、まだ送出されていない送信データパケットの数が考慮される。
【0176】
第16態様を引用した第21態様によると、送信基準は、送信待機中の送信データパケット及び別の送信データパケット124が、同じ周波数チャネル内で送信されることである。
【0177】
第14態様及び第16態様を引用した第22態様によると、データ送信機はデータ送受信機である。また、送信基準は、データ送受信機100_1による、別のデータパケット124の受信が必要であることである。
【0178】
第10態様から第22態様までの少なくとも一つを引用した第23態様によると、データパケットの送信手段114は、外的要因に依存して、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち送信待機中のデータパケットを、送信しない、部分的にのみ送信する及び遅れて送信するのいずれかとする。
【0179】
第1態様から第23態様までの少なくとも一つを引用した第24態様によると、データパケットの送信手段114は、第一周波数チャネル内で第一送信データパケットを第一データ受信機102_1に、第二周波数チャネル内で第二データパケットを第二データ受信機102_2に、送信する。
【0180】
第1態様から第24態様までの少なくとも一つを引用した第25態様によると、データパケットの送信手段114は、送信データパケット104_1~104_nを、少なくとも二つの周波数チャネルに分布させる。
【0181】
第1態様から第25態様までの少なくとも一つを引用した第26態様によると、データ送信機100_1はデータ送受信機であり、第一データ受信機102_2に送信される送信データパケット間のタイムギャップ116中に、別のデータ送信機100_2から送信される送信データパケット140を受信する、データパケットの受信手段138を備える。
【0182】
第26態様を引用した第27態様によると、データパケットの受信手段138は、第一データ受信機102_1に送信される送信データパケット104_1~104_n間の前記タイムギャップ116中に、別のデータ送信機100_2からの少なくとも二つの送信データパケット108_1~108_bのうち少なくとも一つを受信し、別のデータパケット108を得るために、前記少なくとも二つの送信データパケット108_1~108_bを結合する。なお、前記少なくとも二つの送信データパケット108_1~108_bは、別のデータ送信機100_2から、タイムギャップを有するように、前記通信チャネルを介して送信され、それぞれは別のデータパケット108の一部を含む。また、別のデータ送信機100_2から送信される、前記少なくとも二つの送信データパケット108_1~108_bのうちの一つは、別の送信機から送信される送信データパケット140である。
【0183】
第1態様から第27態様までの少なくとも一つを引用した第28態様によると、データ送信機100_1は、別の送信データパケットを用いて、送信データパケットのうちの少なくとも一つの送信時間、又は二つの送信データパケット間の少なくともタイムギャップを送出するように構成されている。
【0184】
第1態様から第28態様までの少なくとも一つを引用した第29態様によると、データ送信機100_1は、別のデータ送信機への別の送信データパケットを用いて、別のデータ送信機が送信データパケットを送出するときの送信時間、又は別のデータ送信機によって送出される二つの送信データパケット間のタイムギャップを、予め決定するように構成されている。
【0185】
第1態様から第29態様までの少なくとも一つを引用した第30態様によると、データパケットの送信手段114は、通信チャネルの品質又は占有に依存して、送信データパケット間のタイムギャップ、又は送信データパケットの非送出を調整する。
【0186】
第1態様から第30態様までの少なくとも一つを引用した第31態様によると、データ送信機はデータ送受信機であり、さらに、第一データ受信機102_1から送信されるデータパケットを受信し、受信出力又は受信の質を決定する、データパケットの受信手段138を備える。なお、データ送信機100_1は、受信出力又は受信の品質に依存して、第一データ受信機に送信する送信データパケット104_1~104_nの送信出力を調整するように構成されている。
【0187】
第5態様から第31態様までの少なくとも一つを引用した第32態様によると、データパケットの送信手段114は、一つの送信データパケットの送信時、別の送信データパケット124が送信待機中である場合に、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、送信待機中の当該一つの送信データパケットを部分的に送信する。当該一つの送信データパケットの送出部分が、別の送信データパケット124とオーバーラップする。
【0188】
第33態様によると、データ受信機102_1は、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nを第一データ送信機100_1から受信し、第一データパケット104を得るために、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nを結合し、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_n間のタイムギャップ116中に、少なくとも一つの別のデータパケット124を、第一データ送信機100_1又は第二データ送信機100_2から受信する、データパケットの受信手段134を備える。なお、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nは、前記タイムギャップ116を有するように前記通信チャネルを介して送信され、それぞれが第一データパケット104の一部を含む。
【0189】
第33態様を引用する第34態様によると、データパケットの受信手段138は、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mを第二データ送信機100_2から受信する。なお、少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mは、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して送信され、それぞれが第二データパケット106の一部を含む。データパケットの受信手段134は、第二データパケット106を得るために、前記少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mを結合する。第二データ送信機100_2から送信される前記少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mのうち少なくとも一つは、別の送信データパケット124である。
【0190】
第34態様を引用する第35態様によると、データパケットの受信手段134は、第一データ送信機100_1から送信される少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nと、第二データ送信機100_2から送信される少なくとも二つの送信データパケット106_1~106_mとを、それぞれ他方のデータ送信機から送信される送信データパケット間のタイムギャップ中に、交互に受信する。
【0191】
第33態様から第35態様までの少なくとも一つを引用した第36態様によると、少なくとも二つの送信データパケット104_1~104_nは少なくとも三つの送信データパケットである。また、少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nは、前記少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、その一部のみがデコーディングに必要となるようにチャネルエンコーディングされている。データパケットの受信手段138は、第一データパケット104を得るために、前記少なくとも三つの送信データパケット104_1~104_nのうち、少なくとも二つを受信、結合及びデコーディングする。
【0192】
第37態様によると、システム128は、第1観点から第31観点までに示したもののうち少なくとも一つのデータ送信機100_1と、第32観点から第35観点までに示したもののうち少なくとも一つのデータ受信機102_1と、を備える。
【0193】
第38態様によると、本方法は、第一データパケットを、第一データ受信機に送られる少なくとも二つの送信データパケットに分割することにより、少なくとも二つの送信データパケットを生成するステップと、少なくとも二つの送信データパケットを、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して第一データ受信機に送信するステップと、さらに別の送信データパケットを、第一データ受信機に送られる少なくとも二つの送信データパケット間のタイムギャップ中に、第一データ受信機又は第二データ受信機に送信するステップと、を備える。なお、第一データ受信機に送信されるそれぞれのデータパケットは、第一データパケットより短い。
【0194】
第39態様によると、本方法は、第一データ受信機に送られる第一データパケットを分割することにより、少なくとも三つの送信データパケットを生成するステップと、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して一の周波数チャネル内で、少なくとも二つの送信データパケットを送信するステップと、干渉又は別のデータ送信機の送信データパケットを認識するために、周波数チャネルをモニタリングするステップと、を備える。なお、第一データ受信機に送信される、それぞれ少なくとも三つの送信データパケットは第一データパケットより短い。また、少なくとも三つの送信データパケットが生成されるとき、少なくとも三つの送信データパケットは、その一部のみが第一データパケットをデコーディングするのに必要となるようにチャネルエンコーディングされる。なお、少なくとも三つの送信データパケットを送信するとき、データパケットの送信時に、周波数チャネルをモニタリングする手段によって干渉又は別のデータ送信機からの送信が認識された場合には、少なくとも三つの送信データパケットのうち送信待機中の送信データパケットは、送信されない、通信チャネルを介して部分的にのみ送信される及び遅れて送信されるのいずれかである。
【0195】
第40態様によると、本方法は、第一データ受信機に送られる第一データパケットを分割することにより、少なくとも三つの送信データパケットを生成するステップと、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して一の周波数チャネル内で、少なくとも二つの送信データパケットを送信するステップと、を備える。なお、第一データ受信機に送られる、それぞれの少なくとも三つの送信データパケットは第一データパケットより短い。また、少なくとも三つの送信データパケットが生成されるとき、少なくとも三つの送信データパケットは、その一部のみが、第一データパケットをデコーディングするのに必要とされるようにチャネルエンコーディングされる。なお、少なくとも三つの送信データパケットを送信するとき、一つの送信データパケットの送信時に、別の送信データパケットが送信待機中である場合には、送信待機中の少なくとも三つの送信データパケットのうち送信待機中の送信データパケットは、送信されない、部分的にのみ送信される及び遅れて送信されるのいずれかである。
【0196】
第41態様によると、本方法は、第一データ送信機から送られる少なくとも二つの送信データパケットを受信するステップと、第一データパケットを得るために少なくとも二つの送信データパケットを結合させるステップと、第一データ送信機又は第二データ送信機から送られる、少なくとも二つの送信データパケット間のタイムギャップ中に、少なくとも一つの別のデータパケットを受信するステップと、を備える。なお、少なくとも二つの送信データパケットは、タイムギャップを有するように一の通信チャネルを介して送信され、それぞれ第一データパケットの一部を含む。
【0197】
第42態様は、第38態様から第41態様までのうちのどれかに記載された方法を実行するコンピュータプログラムを備える。
【0198】
いくつかの態様は装置の文脈で記載されているが、これらの態様に対応する方法の記載として、装置のブロックや要素が方法のステップや方法のステップの特徴に対応するように記載できることは明白である。同様に、方法のステップの文脈でまたは方法のステップとして記載された態様を、対応する装置の対応するブロック、要素、特徴として表すこともできる。いくつかの又は全ての方法のステップは、例えば、マイクロプロセッサ、プログラムで制御できるコンピュータ又は電子回路のような、ハードウェア装置によって(又は用いて)実行されてもよい。いくつかの実施形態において、最も重要な方法のステップのうち、いくつかの又は複数は、前述したような装置によって実行されてもよい。
【0199】
実施の際の要求に応じて、本発明の実施形態はハードウェア内またはソフトウェア内で実施可能である。フロッピーディスク、DVD、ブルーレイディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、その他電子的に読み取り可能に制御信号を記録した磁気または光学メモリ等であって、各方法を実行するようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働するまたは協働可能な、デジタル記録媒体を用いて、前記の実施を実行してもよい。よって、デジタル記録媒体はコンピュータで読み取り可能であってもよい。
【0200】
本発明の実施形態のいくつかは、前記方法の一つが実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働可能で、電子的に読み取り可能な制御信号を含む、データキャリアを含む。
【0201】
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実施可能である。プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行される際に、本明細書の方法の一つが実行されるように動作する。
【0202】
前記プログラムコードは、例えば、機械可読なキャリアに記録される。
【0203】
他の実施形態は、本明細書の方法の一つを実行する、機械可読なキャリアに記録されたコンピュータプログラムを有する。
【0204】
言い換えると、本発明の方法の一実施形態は、コンピュータ上で実行される際に、本明細書の方法の一つを実行するプログラムコードを含むコンピュータプログラムである。
【0205】
本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書の方法の一つを実行するコンピュータプログラムを記録したデータキャリア(またはデジタル記録媒体またはコンピュータ読み取り可能な媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体又はコンピュータ可読媒体は、一般的に、有形及び/又は非一過性及び/又は非一時的である。
【0206】
本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書の方法の一つを実行するコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号列である。前記データストリームまたは信号列は、例えば、インターネット等のデータ通信接続を通じて伝送可能に構成される。
【0207】
さらなる実施形態は、本明細書の方法の一つを実行するように構成または設けられた、例えばコンピュータやプログラム可能な論理デバイスなどの処理手段を有する。
【0208】
さらなる実施形態は、本明細書の方法の一つを実行するためのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを有する。
【0209】
本発明のさらなる実施形態は、本明細書に記載された方法のうち少なくとも一つを実行するために、コンピュータプログラムを受信機に送信するように構成されたデバイス又はシステムを有する。送信は、電子的又は光学的に実行することができる。例えば、受信機は、コンピュータ、携帯機器、メモリデバイスなどであってもよい。例えば、デバイス又はシステムは、コンピュータプログラムを受信機に送信するためのファイルサーバを備えてもよい。
【0210】
実施形態によっては、(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような)プログラム可能な論理デバイスが、本明細書の方法のいくつかまたは全ての機能を実行するために用いられてもよい。実施形態によっては、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書の方法の一つを実行するためのマイクロプロセッサと協働してもよい。一般的に、実施形態によっては、前記方法はハードウェアデバイスによって好適に実行される。このハードウェア装置は、コンピュータプロセッサ(CPU)やASICなどの各方法専用のハードウェアなど、汎用のハードウェアであってもよい。
【0211】
例えば、本明細書に記載されたデバイスは、ハードウェア装置、コンピュータ又はハードウェア装置とコンピュータの組み合わせを用いて実装してもよい。
【0212】
本明細書に記載されたデバイス又は本明細書に記載されたデバイスの構成成分は、少なくともハードウェア及び/又はソフトウェア(コンピュータプログラム)に実装されてもよい。
【0213】
例えば、本明細書に記載された方法は、ハードウェア装置、コンピュータ又はハードウェア装置とコンピュータの組み合わせを用いて実装してもよい。
【0214】
本明細書に記載された方法、又は本明細書に記載された方法の成分は、少なくともハードウェア及び/又はソフトウェアによって実行されてもよい。
【0215】
前記実施形態は、本発明の原理を単に説明するものである。本明細書に記載の構成や詳細の変形例は当業者にとって自明である。よって、本発明は、本明細書の実施形態の特定の記載ではなく、添付の特許請求項の範囲のみによって限定される。
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
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図10
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