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特開2022-37042拡散媒体を介した画像および波フィールド投影
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037042
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】拡散媒体を介した画像および波フィールド投影
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20220301BHJP
   G03H 1/22 20060101ALI20220301BHJP
   G02B 5/32 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G03H1/22
G02B5/32
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197008
(22)【出願日】2021-12-03
(62)【分割の表示】P 2019209850の分割
【原出願日】2015-07-30
(31)【優先権主張番号】62/031,702
(32)【優先日】2014-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516201548
【氏名又は名称】ビュージックス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Vuzix Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン ピー.マックグロウ
(57)【要約】
【課題】拡散媒体を介した画像および波フィールド投影を提供すること。
【解決手段】波フィールドを投影するための方法およびシステムは、拡散媒体、波面シェイパ、イルミネーション源、および制御システムを使用する。オブジェクト波フィールドを投影容量に投影するためにシステムは、波散乱器、波フィールドを波散乱器に投影するように構成される波フィールドプロジェクタ、および波フィールドプロジェクタに連結したコントローラを含む。コントローラは、波散乱器と相互作用すると、投影容量の所定のパターンを形成するオブジェクト波フィールドを形成するために再方向付けされた波フィールドを波フィールドプロジェクタに投影させるように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波管と、
前記導波管に沿った異なる位置に複数のホログラフィックコンポーネントを含むホログラフィック要素と、
前記ホログラフィックコンポーネントに伝搬するために、第1の光フィールドを光学カプラ経由で前記導波管に投影するように構成される光フィールドプロジェクタと、
前記光フィールドプロジェクタに連結されるコントローラであって、前記コントローラは、前記光フィールドプロジェクタに、前記第1の光フィールドを複数の伝搬モードとして前記導波管に投影させるように構成され、前記第1の光フィールドは、前記ホログラフィック要素の特性を拡散することに適合できるように予歪されている、前記コントローラと
を備え、
前記ホログラフィックコンポーネントの各々は、前記導波管に沿った異なる位置から前記第1の光フィールドの前記伝搬モードのうちの異なる1つを変換するように動作して、アイボックスに方向付けられる第2の光フィールドを形成し、
前記第2の光フィールドは、観察者の眼および前記ホログラフィック要素から離れた仮想画像として前記観察者の目によって前記アイボックス内で知覚可能であり、
前記ホログラフィック要素は、前記コントローラの制御に従って連続的に作成される前記第2の光フィールドの構成のセットが、前記投影される仮想画像のうちの所定の列または行に対応するように、前記光フィールドプロジェクタによって所有される光伝搬の自由度数に相当する方向数のみに光を散乱する有向デフューザとして構成されたことを特徴とするニアアイディスプレイ。
【請求項2】
前記導波管は、半透明の材料の平らなまたは湾曲したスラブ内に包含されることを特徴とする請求項1に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項3】
前記ホログラフィック要素は、所定の色の光を再方向付けし、および他の色の光を再方向付けせずに伝達するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項4】
前記ホログラフィックコンポーネントの各々は、少なくとも1つのボクセルを形成し、複数のボクセルは、所定のパターンを形成することを特徴とする請求項1に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項5】
請求項1に記載の前記ニアアイディスプレイを備えるアイウェアアセンブリであって、着用者の頭に着用されるように構成されるフレームをさらに備え、前記フレームは、レンズを有する第1および第2のリムと、前記第1および第2のリムから離れて伸びている第1および第2のテンプルアームとを含むことを特徴とするアイウェアアセンブリ。
【請求項6】
前記導波管および前記ホログラフィック要素は、第1および第2のレンズのうちの少なくとも1つに統合されることを特徴とする請求項5に記載のアイウェアアセンブリ。
【請求項7】
前記光フィールドプロジェクタおよび前記コントローラは、前記第1および第2のテンプルアームのうちの1つに統合されることを特徴とする請求項5に記載のアイウェアアセンブリ。
【請求項8】
第2のニアアイディスプレイをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のアイウェアアセンブリ。
【請求項9】
導波管に沿った異なる位置に複数のホログラフィックコンポーネントを含むホログラフィック要素を製造するステップと、
前記ホログラフィック要素に対して光学カプラを配置するステップと、
光フィールドプロジェクタが、前記ホログラフィックコンポーネントに伝搬するために、第1の光フィールドを前記光学カプラ経由で複数の伝搬モードとして前記導波管に投影するように構成されるように、前記光学カプラに対して前記光フィールドプロジェクタを配置するステップであって、前記第1の光フィールドは、前記ホログラフィック要素の特性を拡散することに適合できるように予歪されており、
前記ホログラフィックコンポーネントの各々は、前記導波管に沿った異なる位置から前記第1の光フィールドの前記伝搬モードのうちの異なる1つを再方向付けて、アイボックスに方向付けられる第2の光フィールドを形成し、
前記第2の光フィールドは、観察者の眼および前記ホログラフィック要素から離れた仮想画像として前記観察者の目によって前記アイボックス内で知覚可能である、該ステップと、
前記光フィールドプロジェクタに連結したコントローラを提供するステップと
を備え、
前記ホログラフィック要素は、前記コントローラの制御に従って連続的に作成される前記第2の光フィールドの構成のセットが、前記投影される仮想画像のうちの所定の列または行に対応するように、前記光フィールドプロジェクタによって所有される光伝搬の自由度数に相当する方向数のみに光を散乱する有向デフューザとして構成されたことを特徴とするニアアイディスプレイを製造する方法。
【請求項10】
前記ホログラフィック要素を製造するステップは、
ホログラフィック記録媒体を提供するステップと、
第1の入射角からの参照ビームを用いて前記ホログラフィック記録媒体をイルミネートする一方、第1の構成における前記光フィールドプロジェクタからの光を用いて前記ホログラフィック記録媒体をイルミネートするステップであって、前記光フィールドプロジェクタからの光は、参照ビームと時間的にコヒーレントである、前記ホログラフィック記録媒体をイルミネートするステップと、
を備えることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2の入射角からの平行な前記参照ビームを用いて前記ホログラフィック記録媒体をイルミネートすることであって、前記第2の入射角は、前記第1の入射角とは異なり、一方第2の構成における前記光フィールドプロジェクタからの光を用いて前記ホログラフィック記録媒体をイルミネートすることであって、前記第2の構成は、前記第1の構成とは異なることをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の構成は、前記第2の構成と直交することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ホログラフィック記録媒体は、半透明の材料のスラブ内に組み込まれることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、拡散媒体を介した波フィールド投影を対象とし、より詳細には、非従来型の散乱要素を介して画像を投影するための方法およびシステムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年7月31日に出願された米国特許仮出願第62/031,702号明細書の利益を主張し、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
拡散媒体を介して画像化するための多くの方法が科学文献および特許文献で説明されている。しかしながら、画像または他の波フィールドを拡散媒体によってプロジェクタからよく見えない空間に投影する、全く逆の方法を実現する必要性がある。
【0004】
最近の顕微鏡法の研究では、デフューザがポイントに集中する収束する球面波面を形成する波面を再構築するという方法で光学波面を予歪することが可能であることを示している。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる非特許文献1は、空間光モジュレータを使用して波面を予歪し、そして学習アルゴリズムにより波面を非常に強力なデフューザを通って精密な焦点スポットに伝達することを説明している。
【0005】
プロジェクタのアレイを用いて、本質的にレンズ写真術(lenticular photography)のプロセスを逆にするいわゆる「光フィールドディスプレイ」を形成するためにかなりの量の研究が行われてきた。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる非特許文献2を掲載した。論文において、著者は、プロジェクタのアレイからの画像を、レンズアレイとレンズの焦点の長さで分離される拡散表面を備えるスクリーンの拡散表面に投影することを説明している。拡散スクリーンは、レンズの後方の焦点平面への画像中継として機能し、レンズはその後ピンホールプロジェクタのアレイの形式で光フィールドを投影する。
【0006】
その全体が参照により本明細書に組み込まれる特許文献1において、空間的に対処可能な光減衰レイヤのスタックに関与する3Dディスプレイを説明している。特許文献1等はまた、高度に構造化されたレンズスクリーンおよび空間光モジュレータを用いる“Compressive Light Field Projector”を説明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第2014/0063077号明細書
【特許文献2】米国特許第7352469号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】M.Vallekoop et.al.,in“Exploiting disorder for perfect focusing”(ArXiv:0910.0873v1[Physics.optics]5 Oct 2009)
【非特許文献2】“Toward the Light Field Display:Autostereoscopic Rendering via a Cluseter of Projectors”(Fellner and Hansen in EUROGRAPHICS 2006)
【非特許文献3】Physical Review Letters 193905,“Scattering lens resolves sub-100 nm structures with visible light”(May 2011)
【非特許文献4】Optics Letters Vol.32,No.16,Aug.15,2007,“Focusing coherent light through opaque strongly scattering media”(15 August 2007)
【非特許文献5】Chaigne et al.,“Controlling light in scattering media non-invasively using the photoacoustic transmission matrix”,Nature Photonics 8,58-64(2014)
【発明の概要】
【0009】
本技術は、本明細書に説明されるように、1または複数の空間位相モジュレータおよび1または複数の非従来型の光学要素を用いる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】予歪された波フィールドがデフューザに入り、その後にデフューザによって再成形されてポイント焦点に収束することを示す図である。
図2】予歪された波フィールドを放射する波フィールドプロジェクタを示し、予歪された波フィールドがデフューザに入り、デフューザによって再成形された後に画像ポイントの列を形成する図である。
図3】デフューザを通って波面を伝達することによって形成される光フィールドのアイボックスを介して可視である画像を示す図である。
図4】波フィールドエミッタおよび投影容量の画像を一緒に形成する、2つのデフューザから成る投影システムを示す図である。
図5】本技術の実施形態を使用する時のステップを示すフロー図である。
図6A】ポイント光源のアレイ、第1のホログラフィック容量デフューザ、第2のデフューザ、および投影容量のポイントのアレイを備える投影システムを示す図である。
図6B】6Aのホログラフィックデフューザの1つのコンポーネントを生成するための方法を示す図である。
図7A】投影容量の一連の焦点ポイントを形成するために光フィールドプロジェクタをキャリブレートするための方法を示す図である。
図7B】光フィールドプロジェクタの使用に関与するいくつかの情報フローである。
図8】1または複数の再帰反射ビーズを使用して光フィールドプロジェクタに使用されるデフューザをキャリブレートするための方法を示す図である。
図9A】凸面球面反射器が使用される光フィールドプロジェクタのデフューザをキャリブレートするための代替方法を示す図である。
図9B】凹面反射器が使用される光フィールドプロジェクタのデフューザをキャリブレートするための別の代替方法を示す図である。
図9C】平面鏡が使用される光フィールドプロジェクタのデフューザをキャリブレートするための別の代替方法を示す図である。
図10】再帰反射ビーズが使用される光フィールドプロジェクタのデフューザをキャリブレートするための別の代替方法を示す図である。
図11A】デフューザのポイントにおける記憶効果を示す図である。
図11B】デフューザを介してまたはホログラムを介して伝搬する光フィールドによって形成される画像の記憶効果を示す図である。
図12A】拡張現実アイウェアまたは他のニアアイディスプレイのホログラフィック要素を使用するための方法を示す図である。
図12B図12Aのホログラフィック要素の1つのコンポーネントを作るための方法を示す図である。
図13図12Aのホログラフィック要素を利用する一対の拡張現実眼鏡を示す図である。
図14】光フィールドエミッタによってイルミネートされると光をアイボックスのみに方向付ける大型の反射有向デフューザを示す図である。
図15】光フィールド投影ディスプレイに使用されるエッジライト有向デフューザを示す図である。
図16】光フィールド投影ディスプレイに使用される大型のバックライト有向デフューザを示す図である。
図17】アイボックスを通して3次元光フィールドディスプレイを見ている何人かの人々を示す図である。
図18A】光フィールドプロジェクタを用いるラップトップコンピュータに表示された3次元画像を示す図である。
図18B】ラップトップの拡散スクリーンに衝突する光フィールドエミッタからの光線を示す図である。
図18C】拡散スクリーンによって形成される下流の光フィールドをさらに示す、図19Bに示したシステム側面図である。
図19】光フィールドエミッタが頭上にありデフューザが反射する部屋サイズの3Dディスプレイ示す図である。
図20】背景の3D画像を表示するカモフラージュされた車両を示す図である。
図21】超音波フィールドプロジェクタおよび拡散媒体を経由した超音波の集中を示す図である。
図22】立方体オブジェクトがポイントオブジェクトを塞いでいるように見えるように、立方体オブジェクトおよびポイントオブジェクトの実画像を形成する光フィールドの一部の光線表現を示す図である。
図23】実画像と仮想画像の両方を示す光フィールドプロジェクタを示す図である。
図24】デフューザからの投影された画像ポイントに使用できるビューイング角度の範囲を示す図である。
図25】例えば、ニアアイディスプレイに役立つ光フィールドプロジェクタ要素の代替表現の図である。
図26】ニアアイディスプレイの1つの光フィールドプロジェクタ要素を通してユーザが見つめている図である。
図27】非平面表面で焦点があった画像を形成する光フィールドプロジェクタの使用を示す図である。
【0011】
本明細書に与えられる見出しは、唯一便宜を図るためであり、特許請求される発明の範囲または意味に必ずしも影響を与えるものではない。さまざまな描画要素のサイズは、必ずしも尺度通りではなく、これらのさまざまな要素は、読み易さを改善するために任意に拡大される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
導入
光伝搬の線形性によって、オブジェクトによって放射された光からの画像を回復し、その後に拡散媒体を介した伝達によって拡散される直接的方法が可能となる。本質的に、単一のオブジェクトポイントから放射される光から生じる拡散または散乱パターンを、そのオブジェクトポイントからの光の符号化バージョンとして翻訳することができる。複数のオブジェクトポイントから放射される光から生じる拡散または散乱パターンは、コヒーレントでないイルミネーションの場合、すべての個々のオブジェクトポイントの符号化バージョンの単なる線形重ね合わせである。
【0013】
周知の行列代数法を使用して、個々のコンポーネントパターンが分かっていれば、複合拡散または散乱パターンを復号化することができ、実際には復号化するために逐次近似を使用することがずっと効率的である。しかしながら、重要な点は、複合パターンを復号化するために使用される数学的手法ではない。その代わりに、重要な点は、2つの部分からなり、第1に復号化が可能であること、第2に問題の線形性は、プロセスが逆になることを意味することである。
【0014】
復号化プロセスを逆にすることができる実現値に基づく、現在の技術の実施形態は、拡散媒体を介して伝達されると、複合画像を形成する所望の光フィールドを形成するために復号化される符号化光フィールドを形成する。いくつかの実施形態において、複合画像は、任意の形状の2次元または3次元表面に集中することができる。同様に、複合画像は、自由空間の3次元実画像から成ることができる。
【0015】
本明細書で使用される場合、「従来型散乱要素」(CSE)は、効果的な線形または効果的な二次位相関数(またはそれに近い近似)を入射波フィールドの位相に付加する関数を有する要素である。線形位相関数の付加により、光学要素に均一にわたる波フィールドの光線の方向が変更し、従って例えば、鏡は、単一の線形位相関数CSEから成り、一方プリズムは、一対の線形位相関数CSEs(1つは入口表面において、1つは出口表面において)から成る。二次位相関数の付加により、光学要素により変化する方法で波フィールド光線の方向が変更する。放物面鏡は、放射対称性の二次CsEであり、通常のレンズは、一対の放射対称性CsEである(即ち、レンズの前面と後面)。同様に、単純な回折格子を線形CsEsと見なし、フレネルゾーンプレートを二次とCsEsと見なす。
【0016】
本明細書で使用される場合、「非従来型散乱要素」(NCSE)は、CSEに行うよりもかなり複雑な方法で入射波フィールドを変換する任意の光学要素である。静的NCSEsのいくつかの例は、複合ホログラム、ランダムなすりガラスデフューザ、シャワーガラス、拡散反射器、レンズアレイ、再帰反射ビーズアレイ、および散乱媒体から作られる伝達要素を含む。プログラマブルNCSEsのいくつかの例は、マイクロミラーアレイ、液晶空間光モジュレータ、および可変鏡を含む。
【0017】
本技術のいくつかの実施形態に組み込まれ得る例示的な非従来型散乱要素は、複合ホログラフィック要素である。複合ホログラフィック要素は、回折を経てCSEによって適用されるよりもかなり複雑な変換を光フィールドに適用する光学要素である。いくつかの実施形態において、デフューザをNCSEとして使用して第1のクラスの入射波フィールドを第2のクラスの波フィールドに変換することができる。例えば、固有のデフューザに適切に適合された波フィールドは、そのデフューザによってポイントに集中する波フィールドに変換される。
【0018】
発明のさらなる例をこれより説明する。以下の説明は、完全に理解し、およびこれらの例の説明を可能にするためにいくつかの固有の詳細を提供する。当業者には理解されようが、その発明は、これらの詳細の多くを用いずに実施することができる。同様に、発明は、本明細書に詳細に説明されていない他の多くの明らかな特徴を含むことができることを当業者はさらに理解されよう。さらに、いくつかの周知の構造または機能は、さまざまな例の関連のある説明を不必要に曖昧にするのを避けるために詳細に説明されない場合もある。
【0019】
本明細書に使用される用語は、発明のいくつかの固有の例の詳細な説明と共に使用されていても、その広範で合理的な方法で解釈されるべきである。実際、いくつかの用語は、以下にさらに強調されているが、任意の制限された方法で解釈されることを意図する任意の用語は、本詳細な説明の節においてそのように明白に具体的に定義される。一般的に、本明細書に使用されるいくつかの用語の簡潔な定義は、二重引用符内に囲まれた用語が先行する。そのような定義は、簡潔であるが、当業者が本明細書に提供された詳細な説明に基づいて発明の態様をより完全に理解するのに役立つであろう。そのような定義は、発明の説明によって全体として(特許請求の範囲を含む)および必ずしもそのような定義だけによらず、さらに定義される。
【0020】
拡散媒体を介した波フィールド投影
図1は、予歪された波フィールド101がデフューザ103に入り、その後にデフューザ103によって第2の波フィールド105に再成形されてポイント107に収束する図を示している。これは、投影容量における単一ポイントの投影を示している。より複雑な画像を作成するためにこのアプローチを外挿することができる。投影容量の他のポイントをイルミネートするように構成される他の波フィールドの線形重ね合わせを同時に提供して、投影容量の多くのポイント(ボクセル)から成る複合画像を作成することができる。
【0021】
デフューザを介して光フィールドで形成される焦点ポイントのコントラストは、N/Mに比例し、ここにNは、光フィールドの自由度数であり、Mは、集中するポイント数である。これは、画像のポイント数が増加するにつれて画像が劣化すること、およびハイコンテンツ画像を取得する唯一の方法は、極めて大きい自由度数を有するであろうことを意味する。しかしながら、ラスター走査またはライン走査で表示される画像、または一般的に画像の異なる部分の高速連続で表示される画像は、全体が表示される完全な画像と同じコントラスト損失を受けない。代わりに、そのような画像は、N/Rに比例するコントラストを有し、ここでのRは、走査の各モーメントにおいて表示される画像部分のポイント数である。
【0022】
デフューザを介して投影する時にハイコンテンツオブジェクトのより高いコントラスト画像を取得するためにその原則を利用することが可能ないくつかの方法がある。そのような方法の1つである、「サブフレーム投影」は、多数のサブフレームの光フィールドを連続的に即座に投影する方法であり、それぞれの光フィールドは、投影される画像部分から成る。例えば、サブフレームの光フィールドは、画像のピクセルの列またはラインから成ることができる。あるいは、サブフレームの光フィールドは、コントラストまたは解像度が、人の顔と背景との対比、または重要な英数字の更新と進行中の画像コンテンツとの対比など、異なるレベルの視覚的重要度を有する領域にセグメント化される画像である、画像セグメントから成ることもある。別の例において、画像は、見る人が注目する領域に従ってセグメント化され得る。
【0023】
図2は、予歪された波フィールド203を放射する波フィールドプロジェクタ201を示し、予歪された波フィールドは、デフューザ205に入り、デフューザ205によって再成形された後に画像207を形成する。波フィールド203は、ほぼ光軸209の方向に沿って伝搬する。デフューザ205を通過する光は、ここでは文字「F」の形を有する、画像207の1つの列211のボクセルを作成するために投影容量の複数のボクセルをイルミネートする。本明細書は、「サブフレーム投影」のように、画像のボクセルの総数の比較的わずかな一部のみが任意の時点で投影される、この投影方法について言及する。全体画像207は、画像207を成すボクセルのそれぞれの列を連続的に作成することによって作成される。
【0024】
本技術に従って投影される画像の視覚的品質を最適化する1つの方法は、a)光フィールドプロジェクタの大きい自由度数を提供すること(複数の空間光モジュレータまたはOLEDアレイを使用するなど)、b)表示されるピクセルアレイに優先的に光を方向付けるデフューザを設計して構築すること、c)見る人の眼になるアイボックス(eyebox)のみに光を方向付けるデフューザをさらに設計して構築すること、d)制御状態のセットが光フィールドの構成のセットに対応するようにし、次いで光フィールドの構成のセットが、表示される画像のピクセルの所定の列または行に対応するように、光フィールドプロジェクタのコントローラの自由度をデフューザと適合させることの組み合わせである。
【0025】
サブフレーム投影が使用される場合、標準のビデオ投影フレームレートよりもずっと速く構成を切り替えることができる光フィールドプロジェクタを使用することができる。ほとんどの液晶デバイスは、これを行うのに十分高速ではない。しかしながら、マイクロミラープロジェクタなどのMEMSデバイスは、マイクロ秒時間スケールで切り替えることができる。好適な光フィールドプロジェクタは、サブフレーム画像のコンポーネントを即座に投影することができるように切り替え時間がかなり短い。
【0026】
図3は、デフューザ205を通って波面203を伝達することによって形成される光フィールドのアイボックス313を介して可視である画像を示している。コンポーネントは、見る人が画像207を見ることを意図したビューイングエリアを表すアイボックス313が付加されたことを除いては図2のコンポーネントと同様である。
【0027】
図4は、コントローラ403に連結した波フィールドジェネレータ401を含むシステム400を示している。第1の波フィールド405は、波フィールドジェネレータ401から、伝達デフューザである第1のデフューザ407に向かって放射される。第2の波フィールド409は、第1の波フィールド405と第1のデフューザ407との間の相互作用を経由して、第1のデフューザ407から、反射デフューザである第2のデフューザ411に向かって放射される。第2のデフューザ411から反射された光は、観察者415に可視である画像を作成するために投影容量413に集中する。
【0028】
波フィールドジェネレータ401は、従来型のプロジェクタのアレイ、またはコヒーレントまたはコヒーレントでない波によってイルミネートされる複数の波面形状のトランスデューサなど、いくつかの異なる形態のいずれかにすることができる。波面シェイパが、平行単色レーザビームなどの初期波フィールドによってイルミネートされ、必要に応じて初期波フィールドを再成形することによって任意の波フィールドを形成することができる理由により、用語「波フィールドジェネレータ」と「波面シェイパ」は、置き換え可能である。第1のデフューザ407および第2のデフューザ411は、すりガラスデフューザ、「シャワーガラス」デフューザ、凹凸反射面、波形ガラス、または不均一な反射インデックスまたは伝搬速度を有する媒体など、いくつかの異なる形態のいずれかにすることができる。いくつかの実施形態において、デフューザの拡散プロパティは、ランダムにすることができる。デフューザは、伝達、反射、またはその両方であってよい。各デフューザ内の散乱は、単一または複数であってよい。デフューザは、平状または曲状などの任意の形状を有することができる。
【0029】
所望の画像を作成するために、波フィールドジェネレータ401は、第1のデフューザ407および第2のデフューザ411の特性に適応するためにキャリブレートされ得る。複合光学システムの入力端の光フィールドを光学システムの出力端の光フィールドに関連付けるいくつかの方法-つまり、光学システムをキャリブレートする方法-が周知であるが、その関連付けは、顕微鏡法、混濁媒質を介する写真術、天文学、および長距離写真術に見られるような光学システムを介して見るための従来のアプローチに使用されているに過ぎない。対照的に、現在の技術の実施形態は、反対の結果:拡散または散乱光学システムを介して画像を投影することを実現できる。これは、所与の複雑な散乱または拡散光学システムを通過した後に所望の出力光フィールドを形成するのに必要とされる入力光フィールドを算出することによって実現することができる。例えば、所望のオブジェクト光フィールドを平面波の線形和として表すことができ、所望のオブジェクト光フィールドを形成するために拡散媒体に投影されなければならない光フィールドは、対応するコンポーネントの光フィールドの線形和になる。
【0030】
図5は、拡散媒体を介して画像を投影して、投影容量にする例示的なプロセス500を示している。プロセスは、投影容量のいくつかのポイントに対応する光フィールドを判定する光プロジェクタをキャリブレートするブロック501から開始する。上記のように、このキャリブレーションは、いくつかの異なるアプローチを使用して実現できる。プロセスは、投影容量で表示される画像を投影容量でイルミネートされるポイントの合計として提供するブロック503に続く。プロセスは、投影容量でイルミネートされるそれぞれのポイントに対応する光フィールドを判定するブロック505に続く。例えば、投影容量で表示される静止画像が、イルミネートされる1000ポイントで構成される場合、対応する光フィールドは、1000ポイントの光フィールドのそれぞれに対して算出される。次に、ブロック507において、判定された光フィールドの線形重ね合わせが算出される。上記の例を使用すると、プロセスは、投影容量で1000と特定されたポイントのイルミネーションに対応する1000の光フィールドの線形重ね合わせを算出することに関与するであろう。次に、ブロック509において、算出された線形重ね合わせに対応する光フィールドが投影される。結果として、投影容量で示されたポイントのそれぞれがイルミネートされて、投影容量の所望の画像を作り出す。画像は、3次元または2次元画像であってもよく、静的または動的画像(例えば、ビデオ)であってもよい。
【0031】
図6Aおよび図6Bは、画像を投影する所望の光学特性を提供するためにホログラフィックデフューザが構築される投影システムを示している。図6Aは、ポイント光源のアレイ601、第1のホログラフィック容量デフューザ603、第2のデフューザ605、および投影容量のポイントのアレイ607から成る、本技術に従う投影システムを示している。図示されたように、ポイント光源601からの光604が反射して、ホログラフィックデフューザ603によって光610として、光608を特定のポイント607に集中させる第2のデフューザ605に向かって再方向付けされる。図6Bは、図6Aのホログラフィックデフューザ603の1つのコンポーネントを生成するための方法を示している。図6Bに示すように、コヒーレントなレーザ源からの光609は、図6Aのシステムの光源601が位置付けされる位置に対応する特定のポイント611に向かって方向付けされる。同時に、光613は、図6Aの投影容量のポイント607の位置に対応するポイント615から放射されて、光609に対してコヒーレントである。ポイント615から放射された光は、光614として伝達デフューザ605経由で散乱して、ホログラフィックデフューザ603に向かって伝搬する。ポイント615からの光613と参照ビーム609との間の干渉によってホログラフィックデフューザ603の特定のコンポーネントの構築が可能になり、そのコンポーネントは、図6Aに見られるように、ポイント源601からの光が投影空間ポイント607に集中する結果となる。完全なホログラフィックデフューザ603を構築するために、ポイント位置611と615のペア毎に別個の露出が行われる。図6Aのシステムにキャリブレーションの必要がないことに留意されたい。なぜならば、ホログラフィック要素603は、必須の画像コンポーネント607を形成する波面610を自動的に成形するからである。
【0032】
図4に示したシステムの使用において、キャリブレーションのステップは、典型的には最初に遂行される。さまざまなキャリブレーション手法が可能であり、いくつかを以下に詳細に説明する。光波フィールドプロジェクタのそのような1つのキャリブレーション手法は、図8に示したように、画像が形成される領域に複数の再帰反射粒子を置くことである。ランダムな光フィールドが拡散媒体を介して投影される。一部の光は、再帰反射粒子に入射して、光フィールドプロジェクタに帰還する。光フィールドは、最大量の光を単一の再帰反射粒子に方向付ける光フィールドが見つかるまで、最適化アルゴリズムの制御に従って変化する。
【0033】
当業者には理解されるように、さまざまな最適化アプローチが可能である。波面シェイパを使用する方法は、単に波面シェイパの1つの要素を一度に変化させることによって、(例えば、再帰反射粒子からの)最大輝度のリターン信号を探すことによって頻繁に最適条件を見つけることができる。アルゴリズムは、波面シェイパのすべての要素を介して、これ以上改善が見つからないまで複数回循環して、各要素の最大リターンを探す。
【0034】
純粋に数学的である方法は、典型的には散乱パターンの位相コンポーネントにおける推測から開始して、カメラにおける光フィールドを“sqrt(散乱パターンの輝度)×exp(i×シータ)”と表し、ここにシータは、位相(カメラセンサアレイにおけるxとyの関数)である。散乱パターンのカメラ画像から分かる、振幅(sqrt(散乱パターンの輝度))は、第1の制約である。デルタ関数になる散乱パターンの自己相関を必要とするなど、他の制約が適用される表現をフーリエ領域に移動するために数学的変換が行われる。散乱パターンの光フィールドのさらに制約された推定が変換されて、振幅の制約が再度適用される空間領域、他に、解の質が十分良くなるまで空間領域とフーリエ領域との間を循環するおよび循環の度に制約を再適用する空間領域に戻る。解の質は、制約の両方のセットがいかに上手く満たされるかに対応する。
【0035】
その最適な光フィールドは、その単一の再帰反射粒子のロケーションに対応する画像ポイントの符号化バージョンである。プロセスは、それぞれの再帰反射粒子の符号化バージョンが見つかるまで反復される。このキャリブレーションプロセスが非特許文献3に概説されたキャリブレーションプロセスと非常に似ていることに留意されたい。キャリブレーションプロセスはまた非特許文献4において使用される方法にも類似している。これらの文書のそれぞれは、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
拡散媒体を超える領域に画像を投影するために、光フィールドプロジェクタは、画像のそれぞれのポイントに対応する光フィールドの線形重ね合わせを投影する。実際には、画像が形成される領域のどこにでも再帰反射粒子を置くことは現実的でないこともあり、従って第1の考慮により、詳細な画像を形成することができないと思われる。しかしながら、いわゆる「記憶効果」は、ポイントに対応する投影された光フィールドがわずかに傾くと、結果として生じる焦点ポイントは、なおも集中するが、傾斜角のサインにほぼ比例して変位されることを保証する。記憶効果は、図11Aおよび図11Bに示される。図11Aにおいて、光パターン1109は、レーザ1107がデフューザ(またはホログラム)媒体1103に入射することによって形成される。(レーザ1101を形成するために)レーザ1107の入射角を傾けるが、入射の位置を不変に保つことによって光パターン1109を新しい位置1105に移動させる。
【0037】
図11Bは、発生源1113(ポイント源またはより複合波フィールドであってよい)からの光に作用するデフューザ1103によって形成される画像1115を示している。記憶効果毎に、発生源1113を新しい位置1117にわずかに移動させた結果、画像1115が新しい位置1111に移動する。
【0038】
単に一様な傾きを適用するよりも光フィールドの曲率を変更することによって、焦点をZ軸に沿って(つまり、拡散媒体に向かうまたは離れる方向に)移動させることができる。これは、以下のように理解される。投影領域の所与のポイントに収束する光フィールドは、必然的に球面波から成る。フィールドを拡散媒体からさらに離れた新しいポイントに収束させるために、球面波を再成形して新しいポイントに集まる球面波を形成することができる。従って、再帰反射粒子周囲の3D領域で任意のポイントを符号化する光フィールドを算出することが直接的である。従って、画像投影容量の可能なすべてのポイントにおいて再帰反射粒子を使用してキャリブレーションを行う必要がない。再帰反射粒子がキャリブレーションに使用されると、記憶効果によって投影容量内の粒子間のすべてのポイントに対応する光フィールドの算出を可能にすることを保証するのに十分密に位置付けされた再帰反射粒子を使用することのみが必要である。
【0039】
再帰反射粒子が、本明細書で説明されるキャリブレーションの1つの方法を提供するが、投影容量の位置のアレイにおいてポイント光源を使用するなど、他の方法でキャリブレートすることも可能である。この場合、拡散媒体を介して投影容量のポイントとは逆方向に伝達される光によって光フィールドジェネレータにおいて形成される光フィールドが、順方向で拡散媒体を通過した後にそのポイントに集中する光フィールドの共役である理由により、実際には、投影容量のポイントに対応する入力光フィールドを発見することがより簡単になる。代替のキャリブレーション方法は、「伝達行列測定(transmission matrix measurement)」と呼ばれており(非特許文献5において上手く説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)上記のより簡単な例と基本的に同等である。複合拡散光学システムの伝達行列が分かると、光が光学システムを通過して光学システムの他方の端部で記録された、発生源オブジェクトを抽出することが可能である。伝達行列を測定するために、平面波を投影容量から拡散媒体に投影することができ、結果として生じる光フィールド(またはその一部)が拡散媒体のプロジェクタ側に記録される。平面波は、多数の異なる角度で拡散媒体に投影されて、光フィールド(またはその一部)は、各角度で記録される。任意のオブジェクトをコンポーネントの平面波の線形重ね合わせとして解析することができる理由により、および伝達行列が線形重ね合わせから成る理由により、オブジェクトから記録された光フィールドは、光学システムを通過した後、それぞれがオブジェクトの異なる平面波のコンポーネントに対応する、コンポーネントの光フィールドの線形重ね合わせから成る。
【0040】
さらに別の代替のキャリブレーション方法は、いずれの任意のパターンもキャリブレーションパターンの線形和として構成されるように、基底関数に達するように選択されたパターンである、投影容量の表面のキャリブレーションパターンをイルミネートすることに関与する。適したパターンのセットは、さまざまなピッチおよび角度の回折格子、ガボールウェーブレット、および画像および信号処理の当業者には周知である他のパターンセットを含む。いくつかのキャリブレーション方法を以下により詳細に説明する。
【0041】
第1のキャリブレーション方法
第1のキャリブレーション方法は、デフューザを通って光センサアレイに後方伝搬されて、そこで参照ビームと結合して、位相および/または振幅が、光フィールドがデフューザに向かって投影されるロケーションで算出される配光を取得する、周知の画像(例えば、反射光のポイント源)を使用する。
【0042】
図7Aは、第1のキャリブレーション方法に従って光フィールドプロジェクタに使用されるデフューザをキャリブレートするための方法を示している。レーザ701は、散乱スクリーン703上のポイントをイルミネートする。スクリーンからの散乱光705は、デフューザ707を通過してカメラ709に届く。同じレーザ701からの光711は、ビームスプリッタ713経由でカメラに入る。カメラ709は、光705の位相が推定される、光705と光711との間の干渉を検出する。散乱スクリーン703上の異なるポイントにレーザ701を走査することによって、およびスクリーン703を軸715に沿って異なる位置に移動することによって、全投影容量のキャリブレーションを遂行できる。
【0043】
位相限定の空間光モジュレータ、振幅空間光モジュレータ、または算出された光フィールに共役した光フィールドを投影する、カメラ709と同じ位置に正確に位置付けされた位相空間光と振幅空間光が結合したモジュレータから成る光フィールドプロジェクタは、デフューザに入射すると、スクリーン703上のスポットのロケーションの焦点を形成するために出現する光フィールドを作り出す。同様に、コヒーレントなレーザ光を使用して画像がスクリーン703上に投影されると、散乱光705の位相および/または振幅の分布は、カメラ709の配光から算出される。共役光フィールドはその後、集中画像を形成する光フィールドプロジェクタによってデフューザ707から下流の表面703に投影される。
【0044】
図7Bは、光フィールドプロジェクタの使用に関与する一部の情報フローを示している。図示したように、特定のシステムの所定の画像717およびキャリブレーションパターン719は、所定の画像717を構成要素となる個々のポイントのキャリブレーションパターン719の線形和721を構成する入力と見なされる。この線形和はその後、光フィールドプロジェクタ723に提供される。
【0045】
第2のキャリブレーション方法
第2のキャリブレーション方法において、図8に示すように、光フィールドプロジェクタ801は、第1の光フィールド803をデフューザ805に方向付ける。いくつかの実施形態において、光フィールドプロジェクタ801は、例えば、ポイントから発するレーザ光によってイルミネートされる空間光モジュレータになる。第1の光フィールド803は、デフューザ805によって散乱されて、デフューザから下流の第2の光フィールド807を形成する。
【0046】
第2の光フィールド807のある部分は、ビーズに衝突する光のみを再帰反射する、再帰反射ビーズ809に衝突する。その光は、光フィールドを形成するデフューザを介して、光フィールドの位相および振幅が推定され得る光検出器アレイ813に帰還する。検出器813上の帰還光が最大化される場合、放射される光フィールド803は、再帰反射ビーズ809の中心に集中する光フィールドである。
【0047】
光フィールドプロジェクタ801は、反射または伝達タイプになり、最初に光フィールドプロジェクタ801をイルミネートした光の共役を形成する逆方向パスの光の位相を変える。ビームスプリッタ811は、逆方向パスの光を光検出器813に方向付ける。
【0048】
この方法の変形形態を図9A図9Cに示す。図9Aにおいて、球面凸面鏡917を使用して、曲率中心に対応する焦点919に向かって収束する光を球面が再帰反射し、図9Bにおいて、球面凸面鏡921を使用して、鏡の曲率の中心に対応する焦点923に向かって収束する光を再帰反射する。光検出器アレイ913を使用して、最適化されると、光フィールドプロジェクタ801によって放射される光フィールドの共役になる帰還光フィールドを検出する。この方法のさらに別の変形形態を図9Cに示し、平面鏡925(数学的観点から、単に曲率半径が無限大である球面鏡である)を使用して、結果として無限遠点に対応するキャリブレーションパターンが生じる。
【0049】
第3のキャリブレーション方法
第3のキャリブレーション方法を図10に示す。この方法は、帰還光を単一の光センサ813に方向付ける(図8)のではなく、ロケーションおよび位置が光フィールドプロジェクタ1001のアクティブコンポーネントである、空間光モジュレータの反射と同等である光センサアレイ1027に方向付けることを除いては、上記の第2のキャリブレーション方法と同様である。光フィールドプロジェクタ1001によって投影される光フィールド1013が、デフューザ1005経由で光フィールド1016として再帰反射ビーズ1009上に完全に集中すると、光フィールド1018として戻って再帰反射して、光フィールド1015としてデフューザ1005を通り、本質的にすべての光は、ビームスプリッタ1011に帰還して光センサアレイ1027に伝搬し、そしてプロジェクタ1001における光フィールドと同じ位相分布を有する。しかしながら、光センサアレイ1027は、帰還光の配光を検出し、帰還光の位相分布を検出しない。位相を検出するために、711(図7A)などの参照ビームを提供できる。
【0050】
位相分布を推定する図7Aに示すような干渉法的配置をかなり直接的に使用することができるが、干渉計を使用する必要がない。その代わり、プロジェクタ801における光フィールドの周知の位相分布と光センサアレイ1027における光フィールドの配光との間の近似した数学的関係を利用することが可能である。プロジェクタ801における光フィールドが周知である理由により、光学分野で周知の手法を使用して、その配光を光フィールド内の任意の平面において算出できる。プロジェクタ801に近似した配光と光センサ813に近似した配光は、光フィールドが再帰反射ビーズ809の焦点に合うように正確に調整される場合にほとんど同一になる。G-Sアルゴリズムとして周知の方法を適応して比較的即座に最適化を行い、以下のように高度に並行化可能に形成する。
・任意の光フィールドを投影する。
・光センサアレイにおいて受信された配光から空間光モジュレータにおいて算出された配光を減算して光度誤差分布を取得する。
・空間光モジュレータにおける振幅/位相分布から光度誤差分布の平方根の減衰定数倍したものを減算することによって算出される、新しい光フィールドを投影する。
・光センサアレイにおいて受信された配光が空間光モジュレータにおいて算出された配光に近似するまでステップ2からステップ3を循環する。
【0051】
第4のキャリブレーション方法
上記の画像構築のプロセスにおいて、個々のオブジェクトポイントの大きさは、対応するキャリブレーションパターンを乗じたものであり、すべてのオブジェクトポイントの結果が合計されて、デフューザを介して投影されると、オブジェクトの画像を形成する光フィールドパターンを取得する。これは、各投影フレームを形成するために非ゼロのオブジェクトポイントのすべてのキャリブレーションパターンの再現(recalling)を必要とし、そのようなキャリブレーションパターンの数は、容易に100万から1000万の範囲になり得る。従って、再現されるキャリブレーションパターンをあまり必要としない方法が望ましい。第4のキャリブレーション方法を図11Aおよび図11Bに示す。
【0052】
記憶効果を活用して現在の技術を使用して画像を構築して投影するために必要なデータ転送の量を削減することができる。図11Aについて、記憶効果は、光線1101がデフューザ1103によって散乱されてパターン1105を形成すると、デフューザ1103の同じポイントであるが異なる角度で入射する異なる光線1107が本質的に同じパターン1109に散乱されて、入射角の変更に従ってオフセットするという原則を参照する。この原則は、入射角の変更が比較的小さい限り維持される。「比較的小さい」とは、角度の変更が(pi×L)で割った光の波長に比べて小さいという意味であり、ここにLは、デフューザの厚みである。例えば、すりガラスデフューザは、厚みゼロが効率的である。図11Bは、デフューザまたはホログラムを介して伝搬する光フィールドによって形成される画像の記憶効果を示している。例えば、光フィールドプロジェクタ1111は、画像1113を散乱して生成するデフューザ1103に向かって光フィールドを投影する。異なるロケーションにおける光フィールドプロジェクタ1115の位置付けは、本質的に同じ画像1117を作成することができるが、翻訳されたロケーションは、デフューザ1103のプロパティに応じて異なる。
【0053】
これは、妥当な近似の場合、デフューザを通過した後、焦点が光軸(x=0,y=0)上にあり距離Dがデフューザを超えるように、光フィールドがポイントに集中すると、焦点は、デフューザにおける光フィールドを単に角度θ傾けることによって新しいポイント(x=Δx,y=Δy)に移動し、ここに
θ=sin-1(sqrt(Δx2Δy2)/D2
であるという意味である。さらに、焦点は軸からの距離に対して直線的に変化する傾きを適用することによってデフューザから新しい距離D+ΔDに移動する。従って、デフューザが、シータが(pi×L)で割った光の波長よりも小さい程度に薄ければ、オブジェクト空間のポイント毎の別個のキャリブレーションパターンを再現する、または記録することも必要もない。その代わり、いくつかのキャリブレーションパターンをローカルメモリに保持して、オブジェクト空間の任意の所望の画像を形成するために必要なキャリブレーションパターンを作成するために数学的に変換するまたは補間することができる。
【0054】
拡張現実アイウェアの選択された実施形態
図12Aおよび図12Bは、小型の拡張現実アイウェアに使用される要素1200を示している。アイウェアは、ホログラフィック向けデフューザ、2次元導波管空間光モジュレータ、レーザ光源、およびモジュレータのコントローラから成る。特に、図12Aは、拡張現実アイウェアのホログラフィック要素を使用する方法を示している。レーザ1201は、光軸1205に沿ってカプラ1203をイルミネートする。光は、全反射(TIR)を経てモジュレータ1207を介して伝搬しホログラフィック要素1200に入り、そしてホログラフィック要素1200のコンポーネント1209によって、軸1215に配向して示された、1213におけるユーザの眼の瞳孔に入る平行ビーム1211に変換される。異なる方向1215から光をユーザの眼の瞳孔に方向付ける、ホログラフィック要素1200の第2のコンポーネント1217も示している。図12Bは、オブジェクトビーム1219およびコヒーレントな光源1223からの参照ビーム1221を使用して、図12Aのホログラフィック要素の1つのコンポーネントを作成する方法を示している。
【0055】
マルチモード導波管内部において、伝搬モードは重ね合わせられるが、異なる全反射角度を有する異なる方向に進む。従って、導波管のごく一部に作用する光モジュレータ要素は、変調された要素が1自由度だけで作用するとしても、各モードに異なる効果を与える。導波管の異なるポイントで作用する多数のモジュレータ要素のアレイは、各要素が独立した自由度を提供する、モードのすべてに影響を与える。そのような単一の要素を使用して任意の1つのモードを制御することは困難であろうが、光伝搬の直線性は、制御されるモード数よりも十分に大きい要素の数を用いて、さまざまな制御要素に適用される制御パラメータのいくつかの結合が、他のモードの効果を消しながら任意に選択されたモードを効果的に制御することを保証する。
【0056】
任意のディスプレイまたはプロジェクタをその自由度数によって特徴付けることができる。Nピクセルを有する典型的なフラットパネルディスプレイは、N自由度を有する。それぞれがMの独立して制御可能な光線を投影する、N投影要素を有する光フィールドプロジェクタは、N×M自由度を有する。
【0057】
N自由度を有する光フィールドは、デフューザをイルミネートし、デフューザから出射する光フィールドは、N自由度を有する。デフューザがイルミネートしている光フィールドの各コンポーネントをM異なる方向に散乱すると、結果として出射した光フィールドはなおもN自由度しか有しない。MがNよりも大きければ、出射光フィールドが構築される品質は、ノイズ比がおよそ(M-N)/Mとなって低下する。従って、本技術に見られるようなデフューザを使用して投影される光フィールドの品質は、デフューザをイルミネートする光フィールドプロジェクタによって所有される自由度数に相当する方向数のみに光を散乱するデフューザを使用することによって大幅に改善することができる。
【0058】
そのようなデフューザは、「有向デフューザ(directed diffuser)」と呼ばれる。有向デフューザの1つの例は、ホログラフィック光学要素である。ホログラフィック有向デフューザを作り出すための方法を図12Bに示す。選択された波長の平行レーザ光は、眼鏡レンズの形状を有するホログラフィック記録媒体をイルミネートし、光フィールドプロジェクタからの光は、同時に同じ記録媒体をイルミネートする。平行光と投影される光フィールドは、相互に時間的にコヒーレントである。一連のN露出が行われ、各露出は、異なる入射角を有する平行光と、異なる構成を有する投影される光フィールドとを有する。いくつかの実施形態において、それぞれの光フィールド構成は、任意の1つの構成と任意の他方の構成との交差相関がゼロであるという意味において、他方の構成と直交する。幸いなことに、ランダムな位相分布を有する任意の2つの光フィールドは、相互に極めて直交に近い。
【0059】
図12A図12Bはそれぞれ、比較的少ない自由度を有するが、なおも広範視差3次元画像(wide-parallax three-dimensional image)を搬送する能力がある光フィールドを投影するのに役立つ特定のタイプの有向デフューザの使用と構成を示している。結果として生じるホログラフィックデフューザは、光フィールド構成のうちの任意の1つでイルミネートされると、ホログラフィックデフューザを記録する時にその構成と一緒に使用された平行光の方向のみに光を回折する。そのような2または3以上のイルミネーション構成が使用される場合、デフューザは、対応するビーム(ビーム1211など)の線形重ね合わせを放射する。光が好ましくない方向に「漏出する」度合いは、異なる光フィールド構成の直交性の度合いに大きく依存する。
【0060】
図12Bの設定において、各露出ステップの平行光は、ホログラフィック要素1209と関連付けられたアイボックスまたは開口部を満たす。全記録媒体を満たす必要はない。全記録媒体が満たされると、結果として生じるホログラフィックデフューザは、眼の瞳孔の外側の領域に光を回折する。いくつかの実施形態において、平行光のみが「アイボックス」を満たし、従って記録媒体の比較的小さい部分のみから外に放射される。
【0061】
いくつかの実施形態において、ホログラフィックデフューザを構築する時に使用される平行光の入射方向は、高角度nおよび広角度mで合計n×m=Nの個別の角度である、角度の長方形アレイを形成するように選択される。なぜならば、少なくとも現在の技術において使用されるような光散乱は、ホログラフィックデフューザを構築するために使用される光フィールド構成の任意のサブセットの線形重ね合わせを用いてホログラフィックデフューザをイルミネートする結果として、イルミネーション構成に対応する出射光フィールドの線形重ね合わせの構成要素となる出射光フィールドが生じる、線形プロセスであるからである。従って、2次元画像の仮想画像を無限遠で構築するために、ホログラフィックデフューザは、それぞれの画像のポイントに対応する光フィールド構成の重ね合わせによってイルミネートされる。もちろん、無限遠点は、そのポイントに向かって進む平行ビームに対応する。
【0062】
この実施形態の光フィールドプロジェクタは、最小のN=n×m要素を有する導波管モジュレータアレイである。最良の結果を出すには、Nは、n×mよりもずっと大きい、100倍のオーダーで大きくなり得る。Nをより大きくすることによってより高い解像度およびより高いコントラストの投影画像が可能となる。
【0063】
図13は、眼鏡レンズであるホログラム1207と、アイウェア1300のテンプルアーム1305に統合された導波管モジュレータアレイ1301およびコントローラ1303とを有する、拡張現実アイウェアシステム1300を示している。それぞれが一対の眼鏡の1つのレンズとして機能する、このような一緒に動作する2つのシステムは、一対のステレオ画像のうちの1つを各眼に投影することができ、それにより3次元画像を提供する。十分高速なコントローラを用いて、画像を毎秒30以上のフレームに更新して3次元ビデオディスプレイを提供することができる。カメラ1307は、アイウェアシステム1300のテンプルアーム1305に組み込まれ、着用者が顔を向ける方向に画像(静止またはビデオ)をキャプチャするように配向され得る。いくつかの実施形態において、拡張現実などの適用において、カメラ1307からのデータを含み、環境および環境に対するアイウェア1300のロケーションおよび配向に関する情報をコントローラ1303に提供することができる。発生源1223がOLEDアレイなど、独立して対処可能な発生源のアレイであれば、モジュレータ1207が省略されることに留意されたい。
【0064】
いくつかの実施形態において、ホログラフィック要素は、重クロム酸ゼラチン、ホログラフィック高分子分散液晶、またはフォトポリマーなどの、ホログラフィック容量記録媒体に形成され得る。ホログラフィック光学要素に関する当業者には周知であるように、容量ホログラムは、適切に記録されると、周辺光に透過的であるが、高角度およびスペクトル選択性を有する固有の波長の光を回折する。ホログラフィックデフューザがそのような容量ホログラムである場合、アイウェアは、周辺光に透過的であり、はっきりと見える環境を提供するが、同時に3次元コンピュータで作成されたビューまたは環境に重ね合わされたリモートに記録されたビューを提供する。
【0065】
眼鏡レンズ1207は、赤、緑、および青の範囲で、合計が少なくとも3×N露出の少なくとも3つの波長のレーザ光を使用して構築されるホログラフィック要素になる。実質的に同じ波長がその後、導波管光フィールドプロジェクタに使用されてフルカラー3次元ディスプレイを提供する。ホログラフィックデフューザの高角度およびスペクトル選択性により、赤、緑、および青の画像コンポーネント間の無視できる程度のクロストークが存在する。
【0066】
これおよび他の技術の実施形態においてホログラフィック要素を使用する大きな利点は、(例えば、上記の)デフューザをキャリブレートする必要がないということであり、なぜならば、デフューザは、光フィールドプロジェクタのコントローラ状態のセットと所望の投影画像ピクセルとの間の1対1対応が存在するやり方で最初に構築されるからである。ホログラフィック要素を使用する別の大きな利点は、画像のコントラストおよび解像度を最大にする、並びに光効率を最大にするデフューザが容易に設計されて構築されることである。
【0067】
ここで説明される実施形態は、技術の例として知らせる目的で提供される。それは、技術の範囲の制限を定義するものではない。説明される構造および方法に対する多数の変形形態は、技術の範囲から逸脱しない範囲で実現可能である。例えば、デフューザは、ホログラフィックでなくてもよい。デフューザは、ランダムまたは非ランダムでよい。ホログラフィック容量デフューザの場合のように透過的であってもよいし、または光散乱粒子の濃密混濁の場合ように不透明であってもよい。デフューザは、広角度デフューザまたは狭角度デフューザであってよく、シャワーガラスなどの伝達デフューザまたは映画投影スクリーンなどの反射デフューザであってよい。デフューザをイルミネートする光フィールドプロジェクタは、例えば、導波管光フィールドプロジェクタ、それぞれがLEDアレイまたはVCSELアレイなどの発光アレイによって支援されたレンズアレイ、それぞれがLCDなどの伝達アレイによって支援されたレンズアレイ、またはLCOSディスプレイなどの反射アレイのアレイであってよい。光源は、例えば、外部レーザ、レーザのアレイ、またはLEDのアレイであってよい。
【0068】
拡張現実眼鏡において、環境に関する視覚情報は、例えば、眼鏡フレームに取り付けられたビデオカメラ経由で、または透過的デフューザの眼鏡レンズを通した直視によって提供され得る。
【0069】
図13に示した実施形態において、光フィールドプロジェクタと眼鏡フレームは共に、着用者によって遠くにある画像として知覚される光フィールドを投影する投影システムから成る。画像は、無限遠にも任意の固有の固定距離にもする必要がなく、画像は、3D画像であることに留意されたい。この場合、システムは、仮想画像を着用者の眼に投影する。眼鏡レンズは、拡散材料または容量ホログラムにすることができる。所定の波長および伝搬角度(またはいくつかの所定の波長および角度)の光のみを拡散する理由により、容量ホログラムを使用することが有利である。従って、大多数の周辺光は、変わらずに眼鏡レンズを介して伝達される一方、光フィールドプロジェクタからの光は、ユーザの瞳孔に再方向付けされる。結果として、着用者は、あたかも単純な透過レンズであるかのような眼鏡レンズを通して見ることができるが、アイウェアによって投影される仮想画像は、周辺場シーンの重なりとして知覚される。従って、眼鏡レンズは、独立して視覚補正の機能を遂行することができる。
【0070】
着用者の眼が光学的システムの一部であると見なされると、および光フィールドコンポーネントが回折格子または目の網膜のポイントなどの固有のパターンに対応すると、拡張現実アイウェアの仮想現実は、眼の収差を補償し、そして白内障およびそのような他の複合視覚欠損でさえも補償することができる。
【0071】
上記に説明されるような実施形態は、拡張現実ディスプレイとし使用することに限定されない。例えば、ビデオを見る、またはヘッドアップ機器表示、または通信デバイスとして使用されてもよい。また例えば、仮想現実システム、またはドローンまたはロボットを操作するシステムなどのテレプレゼンスシステムに使用されてもよい。
【0072】
3次元表示パネルの選択された実施形態
本技術はまた、3次元表示パネルも提供する。図14について、ホログラフィックデフューザなどの大型の有向デフューザ1401は、見る人1407が画像を見ることができるアイボックス1405を介して広角度の、フルパララックス3次元表示を提供する光フィールドプロジェクタ1403によってイルミネートされ得る。イルミネーションは、図14のような反射経由で、図15に示すような全反射および入力カプラ1509経由で、または図16に示すような伝達によって実現され得る。デフューザが、図17に示すように、両方が電力効率を最大にし、制御されなければならない自由度数を削減するように、見る人の眼になるアイボックスの開口部のみに光を拡散することが有利である。3次元表示パネルとして使用するのに十分大きいホログラフィックデフューザを構築することは煩雑で高価となる理由で、この実施形態のデフューザをUVキャスティング、射出成形または加圧成形などの周知の方法によって大量生産することができる表面レリーフ構造の形式で製造することが望ましいであろう。
【0073】
3次元ディスプレイの提供における現在の技術の利点は、そのような各画像ポイントが広範囲の角度から収束するまたは発散する光線によって形成されることである。従って、広範囲の角度から任意の画像ポイントを見ることができる。これは、ステレオビューを狭範囲の角度または位置に投影する3次元ディスプレイとは対照的であり、従って見る人が左右に移動すると、画像が跳ぶように見える。
【0074】
光フィールドプロジェクタが大きい自由度数を有する場合、光線を使用して選択された方向から束ねる画像ポイントを構築することが可能である。それによって、画像ポイントは、不透明または透過的である外観を与ることができる。これは、投影されるオブジェクト2208の後ろのポイントから現れる光が、領域2205から見られる時は不在である一方、領域2207から見られる時は存在し、それによってオブジェクト2208を不透明に見えるようにする、図22に示している。
【0075】
図22は、実像を形成する光フィールドの一部の光線表現を示している。光は、デフューザ2200から焦点2201に向かってビューイング平面2203まで伝搬する。光フィールドの第1の部分2205は、ビューイング平面2203から見ることができる実画像を形成する一方、光フィールドの第2の部分2207は、ビューイング平面2203から可視である実画像を形成しない。
【0076】
投影される光フィールドの任意のサブセットは、投影容量の所望の光フィールドの対応するサブセットを形成すること、およびより大きいサンプリング密度を使用するかまたはより広い領域のサンプリング角度を使用するいずれかによって投影されるサブセットがより大きくなるので解像度が改善することに留意されたい。現在の技術は、光波フィールドを投影することに限定されない。光波、超音波、地震波、水面波、表面プラズモン波、マイクロ波、テラヘルツ波、X線波、可聴音波、さらに原子粒子および素粒子の量子波のフィールドを含む任意の種類の波フィールドを投影することが適用可能である。どの場合も、投影される波フィールドの波のタイプを成形する能力がある、波面シェイパが必要とされる。
【0077】
反射波面シェイパは、反射インタフェースが存在するすべての波のタイプに可能である。可変鏡は、例えば、補償光学に一般的に使用される。例えば、圧電デバイスによって個々に駆動される可変鏡または小鏡のアレイは、光、マイクロ波、X線、または音波に対して波面成形を遂行できる。位相モジュレータのアレイは、光、マイクロ波、音波、表面プラズモン波、電子の量子波、または電子波に対して波面成形を遂行できる。
【0078】
一般的な波面シェイパのタイプは、それぞれが電気的に対処される、液晶充填要素のアレイから成る。要素によって電圧を変化させることによって、液晶レイヤの遅延特性は、特定の偏光方向に対して変化し、結果としてその要素を通過してその特定の偏光を有する光の制御可能な位相シフトが生じる。液晶波面シェイパは、反射タイプと伝達タイプの両方に存在する。
【0079】
波面シェイパは、位相シフティングに限定されない。位相限定(phase-only)波面シェイパほど効率的ではないが、振幅限定(amplitude-only)波面シェイパは、上手く働くことができる。拡散媒体は、投影される波のタイプを拡散するように機能する。例えば、ゲル、ガラスまたはポリマースラブに懸濁したチタニア粒子を使用して光を拡散することができる。ゲルに懸濁したマイクロビーズは、光または音波を拡散することができる。すりガラス、バスルームガラス、または凹凸反射面などの媒体を使用して光を拡散することができる。同様に、伝搬速度が周囲の材料とは異なる任意の材料の凹凸スラブは、デフューザの波として機能することができる。マイクロ波は、例えば、空気中に比べてパラフィン内で異なる伝搬速度を有する。表面トポグラフィー、ドーピングパターン、および表面プラズモン波の伝搬速度にローカルに影響を与える他の特徴は、表面プラズモン波を拡散することができる。
【0080】
「投影容量」は、3次元領域、2次元領域、または1次元領域さえも参照することができる。例えば、表面プラズモン波は、水の表面波および表面音波が行うように表面に沿って進む。現在の実施形態において、波フィールドプロジェクタは、投影容量内の所定のパターンを形成し、および表面波が伝搬する表面の領域である、オブジェクト波フィールドを形成するために拡散媒体によって再方向付けされる表面波を投影することができる。
【0081】
付加的な適用
拡散媒体を介して適切な光フィールドを伝搬する(または拡散媒体から光フィールドを反射する)ことによって所定の集中画像を形成する能力によって、今まで不可能であった画像投影の適用を可能にする。いくつかの例は、以下を含む:画像を任意の形状の表面に投影すること、広角度の3D実画像および3D仮想画像を投影すること、仮想現実アイウェア、拡張現実アイウェア、没入型仮想現実環境、カモフラージュ、聴覚手術、およびビームステアリング。これらの一部の実際の適用は、さらに説明する必要がある。
【0082】
ミサイルのノーズコーン、翼、またはレンズなどの表面に共形するパターンを形成するために、画像をフォトリソグラフィーの任意の形状に投影することが有利である。例えば、球面屈折ボールの湾曲した裏面の光センサアレイは、非常に広角度のカメラを作ることができる。
【0083】
図18A図18Cは、現在の技術によって可能にできるラップトップコンピュータ3Dディスプレイを示している。図示したように、ラップトップ1800は、キーボード1803の上に配置された光フィールドプロジェクタ1801を含む。光フィールドプロジェクタ1801は、光を拡散スクリーン1805に向かって投影し、拡散スクリーンはその後、スクリーン1805の前方の空間に画像1807を形成するために集中する光を散乱する。
【0084】
図19に示すような現在の技術に従って没入型仮想現実環境を構築することができる。拡散パネル1901は、壁全体にあり、光フィールドプロジェクタ1903は、頭上のパネルに置かれている。システムは、任意のどんな3Dシーンでもプロジェクタおよび拡散パネル経由で部屋に投影することができ、ユーザ1905は、シーン内を自由に移動することができる。
【0085】
本技術が、大型の拡散パネルに比較的近い3D画像を投影するために使用されると、3D画像のビューイング角度は、3D画像に対する光フィールドプロジェクタの幅および位置よりはむしろ、3D画像に対するパネルの幅および位置に応じて異なる。従って、拡散パネルが反射して光フィールドプロジェクタが見る人の背後にあっても、見る人は、影をパネルに拡散する以上には影を落とさない。
【0086】
拡散パネル2001および光を拡散パネル2001に方向付けるように構成されるオーバーヘッド光フィールドプロジェクタ2003を含む、車両カモフラージュシステム2000を図20に示す。車両2005の側面を拡散パネル2001として使用して任意の3D画像を投影し、それにより車両をカモフラージュする現在の技術を使用することが可能である。投影される画像が車両2005の背後の3Dシーンに対応すると、車両は、効果的に不可視になる。図20の描画において、平面拡散パネル2003を簡潔に示しているが、いくつかの実施形態において、拡散パネルを例えば、車両2005の輪郭をたどる、複雑に湾曲した表面に置き換えることができる。
【0087】
現在の技術は、静止投影に限定されないことを留意することが重要である。投影される画像を頻繁に更新することによって、3Dビデオを投影することが可能である。より大規模に、3D画像を映画館で投影することが可能である。現在のシステムによって投影される3D画像の利点は、画像をビューイング容量内のすべてのロケーションからの完全な視点および視差を用いて、あたかも実際の3Dオブジェクトであるかのように可視にできることである。
【0088】
現在の技術はまた、超音波が集中する特定の組織の領域を正確に選択することが可能になる理由で超音波手術の使用に有利である。図21は、超音波波フィールドプロジェクタ2101が、拡散媒体2105を介しておよび組織2107を介して拡散されると、例えば、焦点領域2109、例えば、手術部位に集中する超音波2103を作り出す、超音波手術システム2100を示している。
【0089】
現在の技術を使用して、不利な音響センサには実際の船、潜水艦、または障害物のように見える水中の音響画像を投影することができる。同様に、不利なレーダーセンサにはマイクロ波波フィールドが実際の飛行機、車両、または他のオブジェクトのように見えるように、静的なアース体からの反射経由でマイクロ波波フィールドを投影することができる。
【0090】
現在の技術を使用して、建物の壁などの拡散表面を経由して可視の3D画像を投影して、人またはオブジェクトが実際には存在していない時に存在している印象を与えることができる。
【0091】
図23は、光2303が第1のデフューザ2305に入射して、第1のデフューザが第2の光波2307を第2のデフューザ2309に向かって散乱して伝搬する、光フィールドプロジェクタ2301を示している。第2の光波2307が第2のデフューザ2309と相互作用する時、実画像2311と仮想画像2313の両方が表示される。光フィールド2303は、フィールド2311とフィールド2313との結合である。
【0092】
図24は、ポイント2403およびポイント2405においてデフューザ2401から投影される画像に使用できるビューイング角度の範囲を示している。図示したように、ポイント2403の画像は、ポイント2403がデフューザ2401により近い理由で、ポイント2405の画像と関連付けられたビューイング角度2409よりもずっと大きいビューイング角度2409を有する。
【0093】
図25は、スラブに似た形のファクタの光フィールドプロジェクタ要素2500の代替表現である。使用中、光2501は、カプラ2503に衝突し、全反射を経てモジュレータアレイ2505を通過し、そして画像2509を形成するためにホログラフィック要素2507によって回折される。これは、アイウェアアプリケーションの好適な形のファクタである。
【0094】
図26は、ユーザ2601がニアアイ(near-eye)ディスプレイの1つの光フィールドプロジェクタ要素2603を介して見つめていることを表現している。画像2605および画像2607は、ユーザ2601には離れた場にあるように見える。光源アレイ2620からの光は、全反射導波管2615を介して伝達されてモジュレータ2610によって成形され、その後、ホログラフィック眼鏡レンズ要素2603に入り、そこで画像2605および画像2607を形成するために回折される。
【0095】
図27は、非平面表面2705に焦点画像2703を形成する光フィールドプロジェクタ2701の使用を示している。図示したように、プロジェクタ2701からの光は、デフューザ2707を通過し、その後に表面2705に集中して画像2703を作成する。
【0096】
さまざまな実施形態において、光ビーム、超音波ビーム、またはマイクロ波ビームを複数のターゲットに同時に方向付けることが望ましい場合、ビームステアリングの現在の技術を使用することが有利である。その場合、オブジェクト波フィールドによって形成される「画像」は、各ターゲットに対して1焦点の、複数のポイント焦点となる。
【0097】
現在の技術の上記の説明が、即座に変更しない光フィールドのみを扱っているが、今日の技術を用いてミクロンおよびフェムト秒の尺度で光フィールドの空間および時間位相を制御することが可能であることに留意されたい。長さ数十フェムト秒の光パルスは、ミクロンオーダーでわずかの縦伸びしか有しない。このようなパルスがミクロンよりもかなり大きいデフューザに広範に広がると、結果として生じる光フィールドは、単一のパルスとしてではなく、入射の長さおよび方向が広範に即座に変化するイルミネーションとして下流の任意の所与のポイントに達する。光フィールドがコヒーレントであれば、任意のポイントに同時に入射するすべての光は、干渉するが、干渉パターンは、即座に変化する。光フィールドが複数の光周波数を包含するならば、ポイントの光スペクトルは、即座に変化する。
【0098】
現在の技術のキャリブレーションプロセスにおいて、光フィールドが拡散反射器を介して(またはそれに反射して)投影容量の反射粒子または任意の表面の回折格子などの所定のパターンに伝わった後に光フィールドの空間と時間の両方の収束を最大にするために光パルスの空間と時間の両方の形状を制御することが可能である。光パルスの空間/時間形状は従って、投影容量の任意の時空間パルス光フィールドまたは画像を形成するコンポーネントパターンから成る。
【0099】
同様に、現在の技術は、(全体が参照により本明細書に組み込まれる特許文献2に説明されているように)空間および時間形状と共に光フィールドの偏光を制御することが可能である。従って、現在の技術によって、制御された空間および時間形状および偏光を有する所定のパルス光フィールドの投影が可能となる。
【0100】
ハードウェアおよびソフトウェアの考慮
波または光フィールドプロジェクタ(複数)、光検出器、および/または光センサアレイを、プロジェクタを制御するおよび/または光検出器または光センサアレイの出力を解析するための処理装置に連結することができる。処理装置は、システムメモリに格納されたコンピュータ可読命令に従ってデータを処理するのに適したプロセッサまたは中央処理装置(CPU)を含む計算デバイスにすることができる。CPUは、例えば、本明細書で説明されるさまざまなルーチンの性能を制御することができ、および波または光フィールドプロジェクタを制御する入力を提供することができる。CPUは、1または複数のCPU、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)などといった任意の論理処理装置であってよい。CPUは、1つのデバイスの単一の処理装置または複数のデバイスに分散された複数の処理装置であってよい。CPUは、メモリに接続されて、例えば、バス(例えば、PCIエキスプレスまたはシリアルATAバス)を使用して他のハードウェアデバイスに連結され得る。CPUは、例として、標準のパーソナルコンピュータ(「PC」)またはLinux(登録商標)、Windows、Android、iOS、MAC OSなどの任意の適したオペレーティングシステム、または組み込まれたリアルタイムオペレーティングシステムを実行する他のタイプの組み込まれたコンピュータを含むことができる。いくつかの実施形態において、CPUは、集積ハードディスクドライブ(「HDD」)またはソリッドステートドライブ(「SSD」)およびユニバーサルシリアルバス(「USB」)または他のコンポーネントと通信する他のポートを有するスモールフォームファクタPCにすることができる。他の実施形態において、CPUは、別個のHDDとインタフェースをとるスタンドアロンのマザーボードを有するマイクロプロセッサを含むことができる。メモリは、リードオンリーメモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)または実行可能なアプリケーション、テストソフトウェア、データベースおよび例えば、本明細書に説明されるさまざまなルーチンを実装するために必要な他のソフトウェアを格納するディスクドライブまたはSSDなどの、他のストレージデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態において、処理装置を配線接続経由で波または光フィールドプロジェクタに接続することができる一方、他の実施形態において、処理装置がプロジェクタを遠隔操作することができる。
【0101】
拡散媒体が複数であり遠く離れている最悪の場合、各画像ポイントを符号化する光フィールドパターンは、無相関になる。言い換えれば、記憶効果が非常に小さいので役に立たない。従って、その場合、投影容量のすべてのポイントは、拡散媒体に個々にキャリブレートされるであろう。
【0102】
光フィールドプロジェクタに関する本明細書の記述は、プロジェクタは、あるタイプの光フィールドを投影し、拡散または散乱媒体は、そのタイプの波を反射し、そしてオブジェクト波フィールドは、そのタイプの波フィールドであるという条件の波フィールドプロジェクタに関する一般的な記述として解釈される。用語「拡散する(diffuse)」またはその派生語が使用される時は常に、用語「散乱(scattering)」またはそれに対応する派生語は、同じ意味を有し、逆もまた同様である。ホログラフィック要素の場合、投影される画像または画像ポイントは、通常の拡散よりはむしろ回折によって形成されるが、便宜上、私は、一部の場合において要素によって「回折される(diffracted)」よりはむしろ、ホログラフィック要素によって「拡散される(diffused)」光について述べた。そのような場合、意味は、効果的に同じである。
【0103】
光フィールドプロジェクタは、何百万もの独立した要素を容易に包含することができるので、投影容量の1つのポイントに対応する光フィールドは、典型的には、何百万もの値で表現される。Nポイントから成る所与の3D画像を投影するために、Nセットのコンポーネント光フィールドを重ね合わせることが必要となる。これは、100億から1000億の数の操作、ならびに必須のコンポーネント光フィールドのすべての格納および読み出しを必要とする可能性がある。3D画像を最大解像度で投影するために、30オーダーの複合光フィールドを毎秒計算しなければならない。マルチCPU/マルチGPUコンピュータなどに使用できるコンピュータハードウェアは、毎秒何万ものビデオフレームを処理することができる。
【0104】
デフューザをイルミネートするために使用されると、デフューザから下流に望ましい画像の形成が生じる光フィールドパターンを見つけるための多くの方法がある。そのような光フィールドパターン見つけるプロセスは、実際にはデフューザ、光フィールドプロジェクタ、およびコントローラの結合によるキャリブレーションであることが理解されるが、本明細書ではデフューザの「キャリブレーション」と呼ばれる。
【0105】
結論
「光フィールド」は、空間容量の光線のセットを指す。同等に、「光フィールド」は、空間容量におけるまたは表面を通過してそこから伝搬する光波面のセットを指す。ディスプレイの場合、「光フィールド」は、観察者が光フィールドをまとめて、サブフレーム投影にあるような単一の光フィールドであるかのように知覚する、一連の光フィールドで構成され得る。
【0106】
「波フィールド」は、空間容量におけるまたは表面を通過してそこから伝搬する任意に選択された波のタイプの波長と伝搬ベクトルのセットを指す。
【0107】
波フィールドプロジェクタは、コントローラによって制御され得るまたは指定され得る所定のタイプの波フィールドを投影する任意のデバイスである。
【0108】
「光フィールドプロジェクタ」は、コントローラによって制御され得るまたは指定され得る光フィールドを投影する任意のデバイスである。例えば、光フィールドプロジェクタは、1または複数のコヒーレントまたはコヒーレントでない光源、投影光学素子、および各光源の空間モジュレータにすることができる。空間モジュレータは、位相、振幅、および/または偏光のいずれかを変調することができる。
【0109】
1つのレンズまたは複数のレンズを光フィールド投影システムに組み込むことができるが、光フィールドジェネレータは、必ずしもレンズを必要としない。例えば、光フィールドプロジェクタは、それぞれが球面波を放射する、レーザダイオードの大規模な位相アレイになる可能性がある。代替として、光フィールドプロジェクタは、光の平面波によってイルミネートされる液晶要素または可変鏡要素のアレイになる可能性がある。光フィールドジェネレータの他の多くのタイプは、使用および実現可能である。本技術は、使用される光フィールドジェネレータのタイプに依存しない。
【0110】
「散乱器」は、波散乱器を指す。常にではないが頻繁に、用語「散乱器」は、散乱関数が非常に短い長さのスケールで変化する波散乱器を暗示する。光デフューザまたは散乱器は、例えば、オパールガラス、すりガラス、散乱粒子の懸濁液、小型レンズアレイ、小プリズムのアレイ、または一般的にランダムにまたは準ランダムに媒体の各ポイントの光を再方向付ける任意の媒体にすることができる。散乱器の別の例は、ホログラフィック要素である。ポイント源の光フィールドのそれぞれの任意のセットを対応する固有の光フィールドコンポーネントに変換するホログラフィック要素はまた、従来「デフューザ」を意味するものではないが、本明細書では「ホログラフィックデフューザ」とも呼ばれる。
【0111】
用語「導波管」は、光を狭範囲のパスに収容する機能を有する任意の構造、デバイス、またはコンポーネントを指す。例えば、導波管は、光を光ファイバ内部の複数の全反射モードに収容する光ファイバと、ガラス/空気インタフェースにおける全反射によってガラスプレートの内部に光を収容するガラスプレートなどの平面導波管にすることができる。
【0112】
用語「入力カプラ」は、光を導波管外部の光フィールドから導波管に再方向付ける任意の構造またはコンポーネントという意味である。例えば、ガラスプレートの1つの端部のプリズムまたはべベルは、空気中の入射角のある範囲から光をガラスプレート内の全反射モードに再方向付けることができ、従って入力カプラとなる。入力カプラの別の例は、入射光をプレート内部の全反射モードに外回折する回折格子またはホログラフィック光学要素である。
【0113】
用語「出力カプラ」は、導波管の全反射モードから入射する光を、導波管の外部に伝搬する光フィールドに再方向付ける任意の構造またはコンポーネントという意味である。出力カプラは、光が入力カプラおよび出力カプラに対して反対方向に伝搬することを除いては、入力カプラと構造的に同一であることが多い。
【0114】
用語「3次元画像」は、3次元容量の非平面画像、ポイントクラウド、または平面画像を指す場合がある。
【0115】
本開示の文脈上、用語「モジュレータ」は、アクティブ化されると、デバイス、構造または要素のアクティブな領域を制御可能な方法で通過する光の位相、振幅、方向、または偏光に影響を与える任意のデバイス、コンポーネント、構造または要素という意味である。例えば、以下の項目は、「モジュレータ」であると見なしてよい:伝達液晶ディスプレイ、反射液晶ディスプレイ、可変鏡、電気的または光学的に制御された吸収体、音響光学モジュレータ、エレクトロクロミックディスプレイ、およびマイクロミラーアレイ。
【0116】
用語「ニアアイディスプレイ」は、デバイスが眼からわずかな距離(典型的には、3インチよりも短い)に置かれると、眼は、ずっと長い距離(典型的には、2フィートから無限の範囲)の仮想画像を知覚するような、仮想画像から成る制御可能な光フィールドを作り出す機能を有する任意のデバイスという意味である。
【0117】
文脈上明白に他の解釈が必要な場合を除き、明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、用語「を成す(comprise)」、「備える(comprising)」その他は、排他的または徹底的な意味とは対照的に、包括的な意味に解釈されるものとする。つまり「含むが、これらに限定されない(including, but not limited to)」という意味に解釈される。本明細書で使用される場合、用語「接続される(connected)」、「連結される(coupled)」または任意のそれらの変形は、2以上の要素間の直接または間接のいずれかの任意の接続または連結、要素を物理的、論理的、またはそれらの組み合わせにすることができる要素間の連結または接続という意味である。さらに、用語「本明細書において(herein)」、「上記の(above)」、「以下の(below)」、および同様の趣旨の用語は、この適用において使用される場合、この適用全体を指し、この適用の任意の特定の部分を指すものではない。文脈上可能であれば、単数または複数を使用する上記の詳細な説明における用語もまた、複数または単数をそれぞれ含むことができる。2以上の項目のリストに関連する用語「または」は、以下の用語の解釈のすべてを網羅する:リストの項目のいずれか、リストの項目のすべて、およびリストの項目の任意の組み合わせ。
【0118】
発明の例の詳細な説明は、発明を上記に開示された正確な形態に徹底するまたは限定することを意図しない。発明の固有の例を例示目的として上記に説明しているが、当業者には理解されるように、同等のさまざまな変更は、発明の範囲内において可能である。例えば、プロセスまたはブロックを所与の順序で提示しているが、代替実装は、ステップを有するルーチンを遂行でき、またはブロックを有するシステムを異なる順序で用いることができ、そしていくつかのプロセスまたはブロックを削除し、移動し、付加し、小分割し、組み合わせて、および/または変更して代替または部分的組み合わせを提供できる。これらのそれぞれのプロセスまたはブロックは、さまざまな異なる方法で実装されてよい。また、プロセスまたはブロックは、時には順次遂行されるように示しているが、代わりにこれらのプロセスまたはブロックを並行して遂行または実装してもよく、または異なる時間に遂行してもよい。さらに本明細書に記載された任意の固有の数は、単なる例であり、代替実装は、異なる値または範囲を用いることができる。
【0119】
本明細書に提供される発明の教示を、必ずしも上記のシステムとは限らない他のシステムに適用することができる。上記のさまざまな例の要素および動作を組み合わせて発明の実装をさらに提供することができる。いくつかの発明の代替実施形態は、上記に記載のそのような実装に対する付加的な要素を含むだけでなく、より少ない要素を含むこともできる。
【0120】
添付の出願書類に記載されるものを含む、上記のいずれの特許および出願および他の参照文献は、参照により本明細書に含まれる。発明の態様は、上記に説明されたさまざまな参照のシステム、機能、および概念を用いて発明のさらなる実装を提供するために必要に応じて変更することができる。参照により組み込まれた記述または主題が本出願の記述または主題と矛盾する場合、本出願を補正する(control)必要がある。
【0121】
上記の詳細な記述に照らして発明に対するこれらおよび他の変更を行うことができる。上記の説明は、発明のいくつかの例を説明し、企図される最良の形態を説明しているが、上記の明細書にどんなに詳述されようとも、多くの方法で発明を実施することができる。システムの詳細は、その固有の実装においてかなり変化する場合もある一方、本明細書に開示された発明に含まれる場合もある。上記のように、発明のいくつかの特徴または態様を説明する時に使用される特定の用語は、その用語が関連付けられる発明の任意の固有の特性、特徴、または態様に制限されるようにその用語が本明細書で再定義されることを意味するための用語と見なすべきでない。一般的に、以下の特許請求の範囲に使用される用語は、上記の詳細な説明の節でそのような用語が明示的に定義されない限りは、発明を明細書に開示された固有の例に限定するための用語と解釈するべきでない。従って、発明の実際の範囲は、開示された例だけでなく、特許請求の範囲に従って発明を実施するまたは実装するすべての同等の方法も含む。
【0122】
特許請求の範囲の数を削減するために、発明のいくつかの態様が以下のいくつかの特許請求の範囲の形式において提示されているが、出願者は、任意の数の特許請求の範囲の形式において発明のさまざまな態様を企図する。例えば、発明の1つのみの態様が、35U.S.C第112条の第6パラグラフ112(f)(AIA)に従うミーンズプラスファンクションクレーム(means-plus-function claim)として詳述されているが、他の態様も同様にミーンズプラスファンクションクレームとして組み込まれる、またはコンピュータ可読媒体に組み込まれるような、他の形態に組み込まれることが可能である。(35U.S.C.セクション112、段落6(f)に従って扱われることを意図するいずれの特許請求の範囲も用語「ための手段(means for)」から開始されるが、その他の文脈における用語「ための(for)」の使用は、35U.S.C.セクション112、段落6(f)に従う取り扱いを行使することを意図しない)。従って、出願者は、本出願を行った後そのような付加的な特許請求の範囲の形式を、本出願または継続出願のいずれにおいても続行するために、付加的な特許請求の範囲を継続する権利を保有する。
【0123】

1.オブジェクト波フィールドを投影容量に投影するためのシステムであって
波デフューザと、
波フィールドを前記波デフューザに投影するように構成される波フィールドプロジェクタと、
前記波フィールドプロジェクタに連結されたコントローラであって、前記コントローラは、前記波デフューザと相互作用すると、投影容量の所定のパターンを形成するオブジェクト波フィールドを形成するように再方向付けされる波フィールドを前記波フィールドプロジェクタに投影させるように構成される、コントローラと
を備えることを特徴とするシステム。
2.前記波フィールドは、光フィールドプロジェクタを備え、
前記波拡散媒体は、光デフューザを備え、
前記オブジェクト波フィールドは、オブジェクト光フィールドを備える
ことを特徴とする例1に記載のシステム。
3.前記オブジェクト光フィールドは、3次元画像を形成する、例2の前記システムを備えることを特徴とする3次元画像プロジェクタ。
4.例2の前記システムを備えるカムフラージュシステム。
5.例2の前記システムを備えるヘッドアップディスプレイ。
6.前記光デフューザは、複数の所定の波長の光を拡散するように構成される容量ホログラムを備え、
前記光フィールドプロジェクタは、前記所定の波長を備える光フィールドを投影するように構成される
ことを特徴とする例5に記載のヘッドアップディスプレイ。
7、前記波フィールドプロジェクタは、音響フィールドプロジェクタを備え、
前記波デフューザは、音響デフューザを備え、
前記オブジェクト波フィールドは、オブジェクト音響フィールドを備える
ことを特徴とする例1に記載のシステムを備える音響外科システム。
8.着用者の眼の前に位置付けされるように構成されるホログラフィック要素と、
第1の光フィールドを光学カプラ経由で前記ホログラフィック要素に投影するように構成される光フィールドプロジェクタと、
前記光フィールドプロジェクタに連結されるコントローラであって、前記コントローラは、前記第1の光フィールドを判定し、前記光フィールドプロジェクタに前記第1の光フィールドを投影させるように構成されることにより、
前記ホログラフィック要素が前記第1の光フィールドを再方向付けて前記着用者の眼に方向付けられる第2の光フィールドを形成し、
前記第2の光フィールドは、前記眼および前記ホログラフィック要素から離れた仮想画像として前記着用者によって知覚可能である、
コントローラと
を備えることを特徴とするニアアイディスプレイ。
9.前記ホログラフィック要素は、半透明の材料の平らなまたは湾曲したスラブ内に包含されることを特徴とする例8に記載のニアアイディスプレイ。
10.前記ホログラフィック要素は、所定の色の光を再方向付けし、およびあまり再方向付けせずに他の色の光を伝達するように構成されることを特徴とする例8に記載のニアアイディスプレイ。
11.前記第2の光フィールドは、3次元画像をさらに形成することを特徴とする例8に記載のニアアイディスプレイ。
12.前記着用者の頭に着用されるように構成されるフレームであって、前記フレームは、そこに取り付けられたレンズを有する第1および第2のリムを含み、第1および第2のテンプルアームは、前記第1および第2のリムから離れて伸びているフレームを備えることを特徴とする例8に記載の前記ニアアイディスプレイを備えるアイウェアアセンブリ。
13.前記ホログラフィック要素は、前記第1および第2のレンズのうちの少なくとも1つに統合されることを特徴とする例12に記載のアイウェアアセンブリ。
14.前記光フィールドプロジェクタおよび前記コントローラは、前記第1および第2のテンプルアームのうちの1つに統合されることを特徴とする例12に記載のアイウェアアセンブリ。
15.第2のニアアイディスプレイをさらに備えることを特徴とする例12に記載のアイウェアアセンブリ。
16.ニアアイディスプレイを製造する方法であって、
着用者の眼の前に位置付けされるように構成されるホログラフィック要素を製造するステップと、
前記ホログラフィック光学要素に対して光学カプラを配置するステップと、
前記光フィールドプロジェクタが第1の光フィールドを前記光学カプラ経由で前記ホログラフィック要素に投影するように構成されるように、前記光学カプラに対して光フィールドプロジェクタを配置するステップと、
前記光フィールドプロジェクタに連結されるコントローラを提供するステップと
を備えることを特徴とするニアアイディスプレイを製造する方法。
17.前記ホログラフィック要素を製造するステップは、
ホログラフィック記録媒体を提供するステップと、
第1の入射角からの参照ビームを用いて前記ホログラフィック記録媒体をイルミネートする一方、第1の構成における前記光フィールドプロジェクタからの光を用いて前記ホログラフィック記録媒体をイルミネートするステップであって、前記光フィールドプロジェクタからの光は、コリメートされた参照ビームと時間的にコヒーレントである、ステップと
をさらに備えることを特徴とする例16に記載の方法。
18.第2の入射角からの前記参照ビームを用いて前記ホログラフィック記録媒体をイルミネートすることであって、前記第2の角度は、前記第1の角度とは異なり、一方第2の構成における前記光フィールドプロジェクタからの光を用いて前記ホログラフィック記録媒体をイルミネートすることであって、前記第2の構成は、前記第1の構成とは異なることをさらに備えることを特徴とする例17に記載の方法。
19.前記第1の構成は、前記第2の構成と直交することを特徴とする例18に記載の方法。
20.前記ホログラフィック記録媒体は、半透明の材料のスラブに組み込まれることを特徴とする例17に記載の方法。
21.光散乱器と、
光を前記光散乱器に投影するように構成される光フィールドプロジェクタと、
前記光フィールドプロジェクタに連結されるコントローラであって、前記コントローラは、
第1の光フィールドを判定し、
前記光フィールドプロジェクタに前記第1の光フィールドを前記光散乱器に投影させる
ように構成され、
前記第1の光フィールドプロジェクタが前記光散乱器によって散乱されると、前記第1の光フィールドは、第2の光フィールドを形成し、
前記第2の光フィールドは、所定の3次元画像を形成する、
コントローラと
を備えることを特徴とする3次元画像投影システム。
22.前記所定の3次元画像は、実画像を備えることを特徴とする例21に記載の3次元画像投影システム。
23.前記所定の3次元画像は、仮想画像を備えることを特徴とする例21に記載の3次元画像投影システム。
24.前記所定の3次元画像は、非平面表面に共形的に集中することを特徴とする例21の3次元画像投影システム。
25.前記光フィールドプロジェクタは、
光源と、
導波管と、
前記連結された光が全反射経由で前記導波管内に伝搬するように、前記光源からの光を受け取るおよび前記光を前記導波管に連結するように構成される入力カプラと、
前記導波管内のモジュレータのアレイであって、前記モジュレータは、前記位相、振幅、または前記導波管内で伝搬する前記光の偏光を変えるように構成される、アレイと、
前記変調された光を前記導波管の外に再方向付けるように構成される出力カプラを備えることを特徴とする例21に記載の3次元画像投影システム。
26.モジュレータの前記アレイは、空間光モジュレータを備えることを特徴とする例25に記載の3次元画像投影システム。
27.前記光散乱器は、非従来型光学要素であることを特徴とする例21に記載の3次元画像投影システム。
28.前記非従来型光学要素は、容量ホログラムを備えることを特徴とする例27に記載の3次元画像投影システム。
29.オブジェクト波フィールドを投影容量に投影するためのシステムであって、
波デフューザと、
波フィールドを前記波デフューザに投影するように構成される波フィールドプロジェクタと、
前記波フィールドプロジェクタに連結されるコントローラであって、前記コントローラは、前記波デフューザと相互作用すると、投影容量の所定の複合関数パターンを形成するオブジェクト波フィールドを形成するように再方向付けされる波フィールドを前記波フィールドプロジェクタに投影させるように構成される、コントローラと
を備えることを特徴とするシステム。
30.前記波フィールドプロジェクタは、光フィールドプロジェクタを備え、
前記波拡散媒体は、光デフューザを備え、
前記オブジェクト波フィールドは、オブジェクト光フィールドを備える
ことを特徴とする例29に記載のシステム。
31.前記所定の複合関数パターンは、前記投影容量の画像を備えることを特徴とする例30に記載のシステム。
32.例30のシステムを備えることを特徴とするコンピュータモニタ。
33.前記オブジェクト光フィールドは、3次元画像を形成する、例30のシステムを備えることを特徴とする3次元画像プロジェクタ。
34.前記オブジェクト光フィールドは、前記投影容量の表面に共形する感光性媒体で所定の画像を形成するように構成される、例30のシステムを備えることを特徴とするフォトリソグラフィーシステム。
35.例30のシステムを備えることを特徴とするカモフラージュシステム。
36.例30のシステムを備えることを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
37.前記光デフューザは、複数の所定の波長の光を拡散するように構成される容量ホログラムを備え、
前記光フィールドプロジェクタは、前記所定の波長を備える光フィールドを投影するように構成されることを特徴とする例36に記載のヘッドアップディスプレイ。
38.前記波フィールドプロジェクタは、音響フィールドプロジェクタを備え、
前記波デフューザは、音響デフューザを備え、
前記オブジェクト波フィールドは、オブジェクト音響フィールドを備える
ことを特徴とする例29の前記システム。
39.例38のシステムを備えることを特徴とする音響外科システム。
40.着用者の眼の前に位置付けされるように構成されるホログラフィック要素と、
第1の光フィールドを光学カプラ経由で前記ホログラフィック要素に投影するように構成される光フィールドプロジェクタと、
前記光フィールドプロジェクタに連結したコントローラであって、前記コントローラは、前記第1の光フィールドを判定し、および前記光フィールドプロジェクタに前記第1の光フィールドを投影させるように構成されることにより、
前記ホログラフィック要素が前記第1の光フィールドを再方向付けて前記着用者の眼に方向付けられる第2の光フィールドを形成し、
前記第2の光フィールドは、前記眼および前記ホログラフィック要素から離れた仮想画像として前記着用者によって知覚可能である
コントローラと
を備えることを特徴とするニアアイディスプレイ。
41.前記ホログラフィック要素は、半透明の材料の平らなまたは湾曲したスラブ内に組み込まれることを特徴とする例40に記載のニアアイディスプレイ。
42.前記ホログラフィック要素は、所定の色の光を拡散し、およびあまり散乱せずに他の色の光を伝達するように構成されることを特徴とする例40に記載のニアアイディスプレイ。
43.前記第2の光フィールドは、3次元画像をさらに形成することを特徴とする例40に記載のニアアイディスプレイ。
44.例40に記載の前記ニアアイディスプレイを備えるアイウェアアセンブリであって、前記着用者の前記頭に着用されるように構成されるフレームであって、前記フレームは、レンズを有する第1および第2のリムを含み、第1および第2のテンプルアームは、前記第1および第2のリムから離れて伸びているフレームを備えることを特徴とするアイウェアアセンブリ。
45.前記ホログラフィック要素は、前記第1および第2のレンズのうちの1つに位置付けできることを特徴とする例44に記載のアイウェアアセンブリ。
46.前記ホログラフィック要素は、前記第1および第2のレンズのうちの1つに統合されることを特徴とする例44に記載のアイウェアアセンブリ。
47.前記光フィールドプロジェクタおよび前記コントローラは、前記フレームに連結されることを特徴とする例44に記載のアイウェアアセンブリ。
48.前記光フィールドプロジェクタおよび前記コントローラは、前記第1および第2のテンプルアームのうちの1つに統合されることを特徴とする例47に記載のアイウェアアセンブリ。
49.第2のニアアイディスプレイをさらに備えることを特徴とする例44に記載のアイウェアアセンブリ。
50.光フィールドプロジェクタを用いて画像を、デフューザを通って投影容量に投影する方法であって、
前記投影容量の複数のポイントに対応する光フィールドを判定するステップと、
前記投影容量で表示される前記画像を前記投影容量でイルミネートされるポイントの合計として提供するステップと、
前記投影容量でイルミネートされるそれぞれの前記ポイントに対応する前記光フィールドを判定するステップと、
それぞれの前記判定された光フィールドの前記線形重ね合わせを算出するステップと、
前記算出された線形重ね合わせに対応する前記デフューザに光フィールドを投影し、それにより前記投影容量の前記画像を形成するステップと
を備えることを特徴とする方法。
51.前記投影容量の前記複数の画像に対応する前記光フィールドを判定するステップは、前記光フィールドプロジェクタをキャリブレートするステップを備えることを特徴とする例50に記載の方法。
52.前記光フィールドプロジェクタをキャリブレートするステップは、
ポイント光源を前記投影容量に配置するステップと、
最初に前記デフューザを通過する前記ポイント光源からの光を受け取る位置に光センサを配置するステップと、
前記ポイント光源と時間的にコヒーレントである参照ビームを用いて前記光センサをイルミネートするステップと
を備えることを特徴とする例51に記載の方法。
53、ビームスプリッタは、前記デフューザを通過した後に前記ポイント光源からの前記光の少なくとも一部を前記光センサに向かって再方向付けることを特徴とする例52に記載の方法。
54.前記光センサは、光センサアレイ備えることを特徴とする例51に記載の方法。
55.前記光フィールドプロジェクタをキャリブレートするステップは、
再帰反射器を前記投影容量に配置するステップと、
前記デフューザを通過する前記再帰反射器から再帰反射された光を受け取る位置に光センサを配置するステップと、
前記光フィールドプロジェクタからの光を用いて前記再帰反射器をイルミネートするステップを備えることを特徴とする例51に記載の方法。
56、ビームスプリッタは、前記デフューザを通過した後に前記再帰反射された光の少なくとも一部を前記光センサに向かって再方向付けることを特徴とする例55に記載の方法。
57.波フィールドプロジェクタおよびデフューザを用いてオブジェクト光フィールドを投影容量に投影するためのシステムであって、
前記波フィールドプロジェクタによって前記デフューザに投影されると、前記投影容量の対応するコンポーネント波フィールドを形成するために再方向付けされる複数の入力波フィールドを判定するための手段であって、前記コンポーネント波フィールドは一組の波フィールドを備え、前記投影容量の前記オブジェクト波フィールドは、線形重ね合わせとして形成される、判定するための手段と、
前記投影容量に投影するためにオブジェクト波フィールドを指定するための手段と、
前記オブジェクト波フィールドをコンポーネントフィールドにする線形分解の係数を判定するための手段と、
前記コンポーネントフィールドに対応する前記入力波フィールドの線形重ね合わせを算出するための手段と、
前記入力波フィールドの前記線形重ね合わせに対応する波を前記デフューザに投影するための手段を備えることを特徴とするシステム。
58.前記波フィールドプロジェクタは、光フィールドプロジェクタを備え、および前記波フィールドは、光フィールドを備えることを特徴とする例57に記載のシステム。
59.前記線形重ね合わせの係数は、前記指定されたオブジェクト波フィールドの前記線形分解の前記係数に比例することを特徴とする例57に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27