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特開2022-37043フローエレメント、バイポーラプレート、及びフローエレメントを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037043
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】フローエレメント、バイポーラプレート、及びフローエレメントを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0258 20160101AFI20220301BHJP
   H01M 8/026 20160101ALI20220301BHJP
【FI】
H01M8/0258
H01M8/026
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021197093
(22)【出願日】2021-12-03
(62)【分割の表示】P 2017511886の分割
【原出願日】2015-08-21
(31)【優先権主張番号】102014112607.6
(32)【優先日】2014-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】503103316
【氏名又は名称】エルリンククリンガー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン クラフト
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル モルコス
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ゲーツ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】燃料電池のバイポーラプレートとして使用される効率的な流れガイドを可能にするフローエレメントを提供する。
【解決手段】フローエレメントはベースボディ104の凹部と隣接する隆起部との間の高低差が標準レベル差Nを有する領域とそれよりも高低差が小さい減少レベル差Nを有する領域が設けられている。減少レベル差Nを有する領域は平行伸張領域146を含み、ベースボディ104が伸張する場合に伸張ベクトルに沿って伸張される平面内に位置している。さらに、減少レベル差Nを有する領域が湾曲伸張領域148に隣接し、ベースボディ104が伸張する場合に伸張ベクトルに沿って伸張され、湾曲伸張領域148が通路116の湾曲するかもしくは曲がった通路部分124を有するかあるいは通路116の湾曲するかもしくは曲がった通路部分124によって形成される領域を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板加工品(110)として形成されて通路構造(118)を有するプレート形状のベースボディ(104)を備えた、フローエレメント(102)であって、
通路構造(118)が複数の通路(116)を有し、前記通路がベースボディ(104)内の凹部(112)によって形成されており、かつベースボディ(104)の隆起部(114)によって互いに分離されており、
標準レベル差(NN)を有する少なくとも1つの領域が設けられており、前記標準レベル差が、ベースボディ(104)の2つの主要延び方向(106)に対して垂直に延びる高さ方向(108)に関して、凹部(112)と隣接する隆起部(114)との間の高低差を表し、
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が設けられており、前記領域内で凹部(112)と隣接する隆起部(114)との間の高低差が標準レベル差(NN)よりも小さく、
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を含み、前記平行伸張領域は、薄板加工品(110)の変形によってベースボディ(104)が伸張する場合に伸張ベクトルに沿って伸張されており、前記伸張ベクトルが互いに平行に延びる平面内に位置しており、
ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を含む、減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)に隣接し、前記湾曲伸張領域は、薄板加工品(110)の変形によってベースボディ(104)が伸張する場合に伸張ベクトルに沿って伸張されており、前記伸張ベクトルはそれ自身が交差する平面内に位置している、
フローエレメント。
【請求項2】
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)のみを有していることを特徴とする、請求項1に記載のフローエレメント(102)。
【請求項3】
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)内へ延びていることを特徴とする、請求項1に記載のフローエレメント(102)。
【請求項4】
少なくとも1つの平行伸張領域(146)がベースボディ(104)の、通路(116)の略直線状の通路部分(122)を有するかあるいは通路(116)の略直線状の通路部分(122)によって形成される領域であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のフローエレメント(102)。
【請求項5】
少なくとも1つの湾曲伸張領域(148)がベースボディ(104)の、通路(116)の湾曲するかもしくは曲がった通路部分(124)を有するかあるいは通路(116)の湾曲するかもしくは曲がった通路部分(124)によって形成される領域であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のフローエレメント(102)。
【請求項6】
標準レベル差(NN)を有する少なくとも1つの領域内で、凹部(112)によって形成される通路底(140)と、隣接する隆起部(114)によって形成されるウェブ(120)とが互いに略平行に延びていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のフローエレメント(102)。
【請求項7】
標準レベル差(NN)を有する少なくとも1つの領域内で、凹部(112)によって形成される通路底(140)と、隣接する隆起部(114)によって形成されるウェブ(120)とが互いに実質的に曲がって延びていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のフローエレメント(102)。
【請求項8】
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域内で、凹部(112)によって形成される通路底(140)と、隣接する隆起部(114)によって形成されるウェブ(120)とが互いに略平行に延びていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のフローエレメント(102)。
【請求項9】
請求項1から8の少なくとも1項に記載の1つ又は複数のフローエレメント(102)を有する、電気化学的装置のためのバイポーラプレート(100)。
【請求項10】
バイポーラプレート(100)が、第1のフローエレメント(102)と少なくとも1つの他のフローエレメント(102)を有し、第1のフローエレメント(102)及び/又は少なくとも1つの他のフローエレメント(102)が、請求項1から8のいずれか一項に記載のフローエレメント(102)であることを特徴とする、請求項9に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項11】
第1のフローエレメント(102)が他のフローエレメント(102)に次のように、すなわちベースボディ(104)内の凹部(112)が他のフローエレメント(102)の方向に延びるように配置されていることを特徴とする、請求項10に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項12】
ベースボディ(104)内の凹部(112)が、少なくとも部分的に凹部(112)の通路底(140)の領域内で、他のフローエレメント(102)に密接していることを特徴とする、請求項11に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項13】
第1のフローエレメント(102)のベースボディ(104)の減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、他のフローエレメント(102)から離隔して配置されていることを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項14】
第1のフローエレメント(102)のベースボディ(104)の平行伸張領域(146)の少なくとも一部分が、他のフローエレメント(102)から離隔して配置されていることを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項15】
第1のフローエレメント(102)のベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)の少なくとも一部分が、他のフローエレメント(102)から離隔して配置されていることを特徴とする、請求項10から14のいずれか一項に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項16】
フローエレメント(102)、特に請求項1から8のいずれか一項に記載のフローエレメント(102)を製造する方法であって:
ベースボディ(104)を準備する段階;及び
通路構造(118)を形成するためにベースボディ(104)を変形させる段階、を含んでおり
前記通路構造(118)が複数の通路(116)を有し、前記通路がベースボディ(104)内の凹部(112)によって形成され、かつベースボディ(104)の隆起部(114)によって互いに分離されており、
標準レベル差(NN)を有する少なくとも1つの領域が形成され、前記標準レベル差が、ベースボディ(104)の2つの主要延び方向(106)に対して垂直に延びる高さ方向(108)に関して、凹部(112)と、隣接する隆起部(114)との間の高低差を表し、
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が形成され、前記領域内で凹部(112)と、隣接する隆起部(114)との間の高低差が、標準レベル差(NN)よりも小さく、
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を含み、前記平行伸張領域は、ベースボディ(104)が変形される場合に伸張ベクトルに沿って伸張されるとともに前記伸張ベクトルが互いに平行に延びる平面内に位置し、
ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を含む、減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)に隣接し、前記湾曲伸張領域は、ベースボディ(104)が変形される際に伸張ベクトルに沿って伸張されるとともに前記伸張ベクトルの交差する平面内に位置している、
フローエレメントを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にバイポーラプレートの構成要素として電気化学的装置内で使用される、フローエレメントに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の課題は、安定的に形成され且つ効率的な流れガイドを可能にするフローエレメントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
この課題は、本発明によれば、プレート形状のベースボディを有し、そのベースボディが薄板加工品として形成されて通路構造を有しているフローエレメントによって解決され、その場合に通路構造が複数の通路を有し、その通路がベースボディ内の凹部によって形成され、かつベースボディの隆起部によって互いに分離されており、
その場合に標準レベル差を有する少なくとも1つの領域が設けられており、その標準レベル差は、ベースボディの2つの主要延び方向に対して垂直に延びる高さ方向に関して、凹部と、隣接する隆起部との間の高低差を表し、
その場合に減少レベル差を有する少なくとも1つの領域が設けられており、その領域内で、凹部と、隣接する隆起部との間の高低差が標準レベル差よりも小さく、
その場合に減少レベル差を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディの平行伸張領域を含み、その平行伸張領域は、薄板加工品の変形によってベースボディが伸張する際に伸張ベクトルに沿って伸張されており、その伸張ベクトルが互いに平行に延びる平面内に位置し、
その場合にベースボディの平行伸張領域を含む、減少レベル差を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディの湾曲伸張領域に隣接し、その湾曲伸張領域は、薄板加工品の変形によってベースボディが伸張する際に伸張ベクトルに沿って伸張されており、その伸張ベクトルは交差する平面内に位置している。
【0004】
フローエレメントの本発明に係る特徴によって、フローエレメントは好ましくは安定的に形成される。特に好ましくは、薄板加工品を形成する際の望ましくない、激しい材料伸張は、回避することができる。同時に、好ましくはフローエレメントによる効率的な流れガイドを実現することができる。
【0005】
標準レベル差を有する領域、減少レベル差を有する領域、平行伸張領域及び/又は湾曲伸張領域は、好ましくはそれぞれベースボディの、通路の通路部分を有する領域である。
【0006】
ベースボディの、通路の通路部分を有する領域は、好ましくは、通路内を案内される流体の流れ方向に対して垂直に方向付けされた横方向において、通路を画成する隆起部から通路を画成する他の隆起部まで延びている。
【0007】
標準レベル差は、特に、ベースボディ全体にわたって上回るもののない最大のレベル差である。
【0008】
ベースボディは、好ましくは両側において、特に高さ方向に関してベースボディの下側と上側において平坦な面に密接可能である。上側もしくは下側の、ベースボディがそれをもって平坦な面に密接可能でありかつ直接接触する表面領域は、好ましくは上側の密接平面もしくは下側の密接平面内に位置している。
【0009】
標準レベル差を有する領域内において、ベースボディの少なくとも1つの隆起部が好ましくはベースボディの上側の密接平面まで延びており、ベースボディの少なくとも1つの凹部が下側の密接平面まで延びている。
【0010】
したがって標準レベル差を有する領域内において、凹部の最も低い点(通路底)と隣接する隆起部(ウェブ)の最も高い点との間の高さ方向に沿って延びる高低差が最大となる。
【0011】
減少レベル差を有する領域内では、好ましくは、少なくとも1つの凹部はベースボディの下側の密接平面まで延びない。
【0012】
その代わりに、あるいはそれに加えて、減少レベル差を有する領域内において、ベースボディディの少なくとも1つの隆起部は、ベースボディの上側の密接面までは延びない。
【0013】
ベースボディの平行伸張領域は、好ましくはベースボディの1つの領域であって、その領域内で、薄板加工品の変形から生じるベースボディの伸張は、伸張ベクトルが流体の流れ方向に対して垂直と見なされる横断面平面内に位置するように行われ、その場合に流れ方向に沿って互いに連続する横断面平面は互いに平行に方向付けされている。
【0014】
本発明の形態において、減少レベル差を有する少なくとも1つの領域は、ベースボディの平行伸張領域のみを含むことができる。
【0015】
代替的に、減少レベル差を有する少なくとも1つの領域は、ベースボディの湾曲伸張領域内へ延びることができる。
【0016】
その場合に好ましくは減少レベル差を有する領域は、好ましくはベースボディの平行伸張領域とベースボディの湾曲伸張領域とを有している。
【0017】
少なくとも1つの平行伸張領域が、ベースボディの通路の略直線状の通路部分を含むかあるいは通路の略直線状の通路部分によって形成される領域であると、好ましい場合がある。
【0018】
直線状の通路部分は、好ましくはその中で流体が直線状の流れルートに沿って案内されるかあるいは案内可能な通路部分である。
【0019】
さらに、減少レベル差を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディの通路の略直線状の通路部分を有するかあるいは通路の略直線状の通路部分によって形成される領域であると、効果的であり得る。
【0020】
少なくとも1つの湾曲伸張領域は、好ましくはベースボディの、通路の湾曲するかもしくは曲がった通路部分を有するかあるいは通路の湾曲するかもしくは曲がった通路部分によって形成されている領域である。
【0021】
湾曲するかあるいは曲がった通路部分は、好ましくはその中で流体が湾曲するかもしくは曲がった流れルートに沿って案内されるか、あるいは案内可能な通路部分である。
【0022】
湾曲するかあるいは曲がった通路部分は、例えば流れ方向変換部分とすることができ、その中で通路内を案内される流体の1回又は多数回の流れ方向変換が行われ、例えば少なくとも約60°、例えば少なくとも約80°、特に約90°あるいは約180°だけ1回又は複数回流れ方向変換が行われる。
【0023】
さらに、少なくとも1つの湾曲伸張領域はベースボディの、通路端部及び/又は通路のウェブ端部を有するかあるいは通路端部及び/又は通路のウェブ端部によって形成される領域とすることができる。
【0024】
通路端部は、特に通路の、通路を形成する凹部及び/又は通路を画成する2つの隆起部がその中で終了する部分である。
【0025】
標準レベル差を有する少なくとも1つの領域は、通路の湾曲するかもしくは曲がった通路部分を有するか、あるいは通路の湾曲するかもしくは曲がった通路部分によって形成することができる。
【0026】
特に、減少レベル差を有する少なくとも1つの領域が、部分的に、通路の略直線状の通路部分によって、かつ部分的に同じ通路の、略直線状の通路部分に続く湾曲するかあるいは曲がった部分によって形成されることが可能である。減少レベル差を有するこの領域は、好ましくは流体の流れ方向に沿って、標準レベル差を有する領域に隣接し、その領域が特に通路の湾曲された、あるいは曲がった通路部分及び/又は通路の略直線状の通路部分を含み、あるいは通路の湾曲するかあるいは曲がった通路部分及び/又は通路の略直線状の通路部分によって形成されている。
【0027】
標準レベル差を有する少なくとも1つの領域内に、凹部によって形成される通路底と、隣接する隆起部によって形成されるウェブとが、互いに略平行に延びていると、好ましい場合がある。
【0028】
さらに、標準レベル差を有する少なくとも1つの領域内で、凹部によって形成される通路底と、隣接する隆起部によって形成されるウェブとが互いに曲がって延びることができる。
【0029】
減少レベル差を有する少なくとも1つの領域内で、好ましくは、凹部によって形成される通路底と、隣接する隆起部によって形成されるウェブとが互いに略平行に延びている。
【0030】
本発明に係るフローエレメントは、特に、バイポーラプレートとしての使用、あるいはバイポーラプレート内での使用に適している。
【0031】
したがって本発明は、特に1つ又は複数の本発明に係るフローエレメントを有する、電気化学的装置のためのバイポーラプレートにも関する。
【0032】
本発明に係るバイポーラプレートは、好ましくは本発明に係るフローエレメントに関連して説明された特徴及び/又は利点の1つあるいは複数を有している。
【0033】
バイポーラプレートが第1のフローエレメントと少なくとも1つの他のフローエレメントを有し、その場合に第1のフローエレメント及び/又は少なくとも1つの他のフローエレメントが本発明に係るフローエレメントであると、好ましい場合がある。
【0034】
第1のフローエレメントは、好ましくはベースボディ内の凹部が他のフローエレメントの方向へ延びて、他のフローエレメントに接して配置されている。
【0035】
それに対して代替的に、ベースボディ内の凹部が他のフローエレメントから離れて延びるように、第1のフローエレメントを他のフローエレメントに接して配置することができる。
【0036】
ベースボディ内の凹部は、好ましくは少なくとも部分的に、凹部の通路底の領域内で、他のフローエレメントに密接する。
【0037】
第1のフローエレメントのベースボディの減少レベル差を有する少なくとも1つの領域は、好ましくは他のフローエレメントから離隔して配置されている。
【0038】
特に、第1のフローエレメントのベースボディの減少レベル差を有する領域内で、第1のフローエレメントと少なくとも1つの他のフローエレメントとの間に間隙を形成することができる。
【0039】
間隙は、特に溢流領域あるいは流れゲートを形成し、それが、第1のフローエレメントと少なくとも1つの他のフローエレメントとの間のこの領域内での流体の流れを可能にする。
【0040】
第1のフローエレメントのベースボディの平行伸張領域の少なくとも一部分が他のフローエレメントから離隔して配置されていると好ましい場合がある。
【0041】
その代わりに、あるいはそれに加えて、第1のフローエレメントのベースボディの湾曲伸張領域の少なくとも一部は、他のフローエレメントから離隔して配置することができる。
【0042】
第1のフローエレメントが、第1のフローエレメントの下側の密接平面内で、他のフローエレメントに密接することができる。
【0043】
第1のフローエレメントと他のフローエレメントは、例えば第1のフローエレメントの下側の密接面に関して鏡像対称に形成することができる。
【0044】
しかし、第1のフローエレメントと他のフローエレメントの非鏡像対称の形態であってもよい。
【0045】
本発明は、さらに、フローエレメント、特に電気化学的装置のバイポーラプレートのためのフローエレメントを製造する方法に関する。
【0046】
これに関して本発明の課題は、安定的に形成され、かつ効率的な流れガイドを可能にするフローエレメントを製造することのできる方法を提供することである。
【0047】
この課題は、本発明によれば、フローエレメント、特に本発明に係るフローエレメントを製造する方法によって解決され、該方法は以下の段階、即ち:
ベースボディを準備する段階;及び
通路構造を形成するためにベースボディを変形させる段階、を含んでおり、
その場合に通路構造が複数の通路を有し、それらの通路がベースボディ内の凹部によって形成され、かつベースボディの隆起部によって互いに分離されており、
その場合に標準レベル差を有する少なくとも1つの領域が形成され、その標準レベル差はベースボディの2つの主要延び方向に対して垂直に延びる高さ方向に関して、凹部と、隣接する隆起部との間の高低差を表し、
その場合に減少レベル差を有する少なくとも1つの領域が形成され、その領域内で凹部と、隣接する隆起部との間の高低差は、標準レベル差よりも小さく、
その場合に減少レベル差を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディの平行伸張領域を有し、その平行伸張領域は、ベースボディが変形する際に伸張ベクトルに沿って伸張されるとともにその伸張ベクトルが互いに平行な平面内に位置し、
その場合にベースボディの平行伸張領域を有する、減少レベル差を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディの湾曲伸張領域に隣接し、その湾曲伸張領域はベースボディが変形する際に伸張ベクトルに沿って伸張されるとともにその伸張ベクトルの交差する平面内に位置している。
【0048】
本発明に係る方法は、好ましくは本発明に係るフローエレメント及び/又は本発明に係るバイポーラプレートに関連して説明した特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有している。
【0049】
ベースボディは、好ましくは通路構造を有し、その通路構造が2つ又はそれより多い通路ストリップを有し、その通路ストリップがそれぞれ通路構造の流入側を通路構造の流出側と接続する。
【0050】
通路ストリップは、好ましくは1つ又は複数の蛇行部分を有しており、その中で流体が蛇行して案内されるかあるいは案内可能である。
【0051】
フローエレメントのベースボディは、好ましくは少なくとも近似的に、特にフローエレメントの形成前及び/又は後に、略一定の材料厚を有する。
【0052】
特にベースボディの材料厚は、その広がり全体にわたって、実質的に凹部と隆起部の形成からもたらされるベースボディの伸張のみに基づいて変化することができる。
【0053】
フローエレメントを形成するための初期材料及び従ってベースボディの初期材料は、好ましくはプレート状の薄板である。
【0054】
さらに、本発明に係るフローエレメント、本発明に係るバイポーラプレート及び/又は本発明に係る方法は、好ましくは、以下で説明する特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有している:
【0055】
フローエレメントの本発明に係る形態によって、好ましくは、通路構造を形成する際のベースボディの望ましくない亀裂を回避することができる。
【0056】
特に減少レベル差を有する1つ又は複数の領域によって、好ましくは局所的に、通路構造を形成する際のベースボディの変形度をより小さくすることができる。
【0057】
例えば持ち上げた通路底を補償するために、例えば、特に流れ方向に沿った流れ横断面を一定に維持するために、通路の1つ又は2つの側面(通路底と隣接する隆起部との間の領域)を広げ、かつ/又は扁平にすることができる。
【0058】
フローエレメントの通路構造は、特にいわゆる流れ場を形成する。
【0059】
好ましくは、ベースボディの隆起部と凹部によって、ベースボディの上側とベースボディの下側との間に多数の支持箇所又は支持領域が形成される。
【0060】
バイポーラプレートは、3つの異なる流体のために、全部で3つの流れガイドを有することができる。
【0061】
バイポーラプレートは、例えば2つのフローエレメントを有することができ、その場合に2つのフローエレメントの間で第1の流体が、そしてフローエレメントの互いに逆となる外側においてそれぞれ他の流体が案内可能であるかあるいは案内される。
【0062】
ベースボディの通路構造の通路幅は、好ましくは最大で約3mm、例えば最大で約1.5mm、特に約1mmである。その場合に通路幅というのは、特に通路の2つのウェブの間の間隔である。
【0063】
通路の通路深さは、好ましくは少なくとも約0.3mm、特に少なくとも約0.4mm、例えば約0.5mmである。特にこの種の通路深さは、好ましくは標準レベル差の領域内に設けられている。
【0064】
減少レベル差を有する領域内では、通路深さは、標準レベル差を有する領域内の通路深さの、最大で約90%、例えば最大で約80%である。
【0065】
ベースボディは、好ましくはプレス成形加工プロセスにおいて、薄い板、特に金属薄板の変形によって形成される。
【0066】
ベースボディの材料厚は、好ましくは0.3mmより小さく、特に0.15mmより小さく、例えば最大で約0.1mmである。
【0067】
さらに、ベースボディの材料厚は、約0.05mmとすることができる。
【0068】
ベースボディは、例えば金属材料から、特に記号1.4404又は1.4306を有する特殊鋼から形成することができる。
【0069】
減少レベル差を有する2つの領域の間に、標準レベル差を有する領域を設けることができる。その場合に標準レベル差を有する領域は、特にフローエレメントをその下側又は上側において安定して支持するために用いることができる。
【0070】
本発明の他の好ましい特徴及び/又は利点が、実施例の以下の説明及び図面表示の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】バイポーラプレートのフローエレメントを図示する斜視図である。
図2図1の領域IIの拡大図である。
図3図1のフローエレメントの上側を図示する上面図である。
図4図1のフローエレメントを図3のA-A線に沿って図示する断面図である。
図5図1のフローエレメントを図3のB-B線に沿って図示する断面図である。
図6図1のフローエレメントを図3のC-C線に沿って図示する断面図である。
図7図3の領域VIIの拡大図である。
図8図3の矢印8の視線方向にフローエレメントの拡大斜視図である。
図9図1のフローエレメントの拡大斜視断面図である。
図10図1に示すフローエレメントを有するバイポーラプレートを図示する斜視図である。
図11図10の領域XIの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図全体において、等しい部材又は機能的に等価の部材には、同一の参照符号が付されている。
【0073】
図1から図11に全体を符号100で示すバイポーラプレートの実施形態は、特に電気化学的装置、例えば燃料電池装置において使用される。その場合にバイポーラプレート100は、隣接する電気化学的ユニット(セル)を電気的に接触させ、流体を供給し、流体を排出し、かつ冷却するために用いられる。
【0074】
バイポーラプレート100は、1つ又は複数のフローエレメント102を有している。
【0075】
図1から図11に示すバイポーラプレート100の実施形態においては、2つのフローエレメント102が設けられている。
【0076】
これらのフローエレメント102の1つを、図1から図9に個別に示し、かつ以下で詳細に説明する。
【0077】
フローエレメント102は、ベースボディ104を有し、そのベースボディは実質的にプレート形状に形成されており、かつ2つの主要延び方向106に延びている。
【0078】
主要延び方向106は、特に互いに垂直かつベースボディ104の高さ方向108に対して垂直に方向付けされている。
【0079】
ベースボディ104は、特に薄板加工品110であり、例えば金属薄板からプレス成形加工によって薄板加工品として形成されている。
【0080】
ベースボディ104は、特に複数の凹部112と複数の隆起部114を有している。
【0081】
ベースボディ104内の凹部112は、フローエレメント102の通路構造118の通路116を形成している。
【0082】
ベースボディ104の隆起部114は、ベースボディ104のウェブ120を形成し、それらの間に通路116が延びている。
【0083】
通路116は、部分的に直線状に形成されている。
【0084】
特に通路116は、それぞれ1つ又は複数の直線状の通路部分122を有している。
【0085】
さらに通路116は、湾曲した通路部分又は曲がった通路部分124を有しており、その通路部分によって特に通路116の流れ方向変換部分126が形成されている。
【0086】
フローエレメント102の通路116は、特に流体、例えばガス又は液体を、フローエレメント102の流入側からフローエレメント102の流出側へ案内するために用いられる。
【0087】
通路116は、例えば1つ又は複数の蛇行部分128を有しており、その蛇行部分によって案内される流体の均一な分配及び/又は流れルートの延長が実現可能となる。
【0088】
フローエレメント102の取り付けられた状態において、フローエレメント102は好ましくは両側において他のエレメントに平面的に密接している。
【0089】
その場合にフローエレメント102は、特に上側130によって第1の隣接するエレメントに隣接し、下側132によって第2の隣接するエレメントに隣接する。
【0090】
ベースボディ104の隆起部114及び従ってウェブ120は、上側130の共通の密接平面134内へ延びており、その密接平面内には好ましくはフローエレメント102の全領域が配置されており、それらの領域は上側130に密接する他のエレメントと接触する。
【0091】
ベースボディ104の凹部112は、好ましくは少なくとも部分的に、ベースボディ104の下側132の密接平面136内へ延びている。
【0092】
ベースボディ104の下側132の密接平面136内に、好ましくはベースボディ104の、フローエレメント102が取り付けられた状態において他のエレメントと接触する領域が配置されている。
【0093】
密接平面134とそれに対して平行に延びる密接平面136の間の間隔が、フローエレメント102の高さHを定める。
【0094】
ベースボディ104が薄板加工品110として形成されている事実を考慮して、特に図2、8及び9から所望の通路構造118を得るためには、ベースボディ104が通路構造118を形成するために様々な箇所で様々な強さで変形されなければならないことが明らかにされる。
【0095】
その場合に特に、凹部112と隆起部114の間の移行領域を形成する側面138の領域が強く伸張される。
【0096】
ベースボディ104の亀裂をもたらすおそれのある強すぎる伸張を回避するために、ベースボディ104は様々なレベル差を備えた領域を含む。
【0097】
その場合にレベル差というのは、凹部112と隣接する隆起部114との間の高さの差である。
【0098】
図1から図11に示すフローエレメント102において、一方で標準レベル差NNが設けられている(図5を参照)。
【0099】
標準レベル差NNの領域内で、凹部112は下側132の密接平面136まで延びている。2つの隣接する隆起部114は、上側130の密接平面134まで延びている。
【0100】
したがって標準レベル差NNの領域内に、最大の通路深さTが設けられる。したがって、以下で通路底140と称する、通路116の最も低い点は、標準レベル差NNを有する領域内で、上側130の密接面134からできる限り離れた領域内にある。したがって通路底140と、最終的に上側130の密接面134内に位置するウェブ120との間の高低差も、最大となる。
【0101】
通路底140と下側132の密接平面136との間の間隔は、標準レベル差NNの領域内で、この通路底140の領域におけるベースボディ104の材料厚Mによって生じる。
【0102】
図4から図6には、ベースボディ104の通路116が断面で示されている。
【0103】
その場合に、断面表示は、流れ方向142に対して略垂直と見なされる横断面である。
【0104】
流れ方向142は、通路116を流体が貫流することができる方向である。
【0105】
横方向144は、流れ方向142に対して垂直に方向付けされており、主要延び方向106によって形成される平面内に延びている。
【0106】
したがって横方向144は、特に高さ方向108に対して垂直に方向付けされている。
【0107】
ベースボディ104を直線状の通路部分122の領域内で変形する場合に、特にベースボディ104の平行伸張領域146が生じる。
【0108】
この種の平行伸張領域146内で、ベースボディ104の材料は通路116を形成するために、伸張ベクトル(図2に矢印によって示唆される)が互いに平行に延びる平面内に位置するように伸張される。
【0109】
その場合に伸張ベクトルは、特に、流れ方向142に対して垂直かつ互いに平行に方向付けされた平面内に位置する。
【0110】
この種の平行伸張領域146から区別されるのは、特に、以下で湾曲伸張領域148と称されるベースボディ104の領域である。
【0111】
ベースボディ104の湾曲伸張領域148は、次のような領域、すなわち通路構造118を形成するためにベースボディ104を変形する場合に、伸張ベクトルの交差する平面内に位置する領域である(図2を参照)。
【0112】
平行伸張領域146内では、ベースボディ104の材料は、1つの方向に実質的に均一に伸張される。
【0113】
それに対して湾曲伸張領域148内では、特にベースボディ104の材料の伸張は複数の方向において生じる。
【0114】
したがって湾曲伸張領域148内では、望まれない材料厚減少が生じる危険があり、そこからベースボディ104の亀裂が生じるおそれがある。
【0115】
この危険には、ベースボディ104の所定の領域内で通路底140を持ち上げることによって対処することができる。
【0116】
その場合にこの種の通路底持ち上げは、特に、凹部112が部分的に少し浅く形成され、したがって通路116の内部で流れルート全体にわたってベースボディ104の下側132の密接面136まで延びないことによって実現される。
【0117】
凹部112が下側132の密接平面136から隔たっている領域は、以下において、減少レベル差NRを有する領域と称される(特に図4図6を参照)。
【0118】
原則的に、減少レベル差NRを有する領域と湾曲伸張領域148は、同一とすることができる。というのは、まさに湾曲伸張領域148が材料の亀裂のより大きい危険にさらされるからである。
【0119】
しかし驚くべきことに、湾曲伸張領域148内におけるベースボディ104の望ましくない亀裂の危険は、湾曲伸張領域148に隣接する平行伸張領域146が持ち上がった通路底140を有しすなわち減少レベル差NRを有する領域である場合にも著しく減少できることが明らかにされている。その場合に本来危険にさらされる湾曲伸張領域148は、それ自体標準レベル差NNを有する領域となることができる(特に図2を参照)。
【0120】
特に図6から明らかなように、通路底を持ち上げることによって生じる通路横断面の減少は、側面138を斜めにすることによって補償することができる。
【0121】
このように側面138を斜めにすることによっても、亀裂形成の危険を効果的に減少させることができる。
【0122】
図1から図9に示すフローエレメント102は、例えばその下側132をもって他のフローエレメント102に密接することができる。
【0123】
その場合に2つのフローエレメント102は、異なるように成形された通路構造118を有することができる。
【0124】
図10図11に示すバイポーラプレート100の実施形態において、フローエレメント102は、図1から図9に示すフローエレメント102の下側132の密接平面136に関して互いに鏡像対称に形成されている。
【0125】
フローエレメント102がこのように鏡像対称に形成されていることに基づいて、以下では各フローエレメント102の下側132は、これがフローエレメント102の、それぞれ他のフローエレメント102へ向けて配置された側であるように、参照される。
【0126】
したがってフローエレメント102は、そのそれぞれの下側132をもって互いに密接する。
【0127】
したがって密接平面136は、フローエレメント102が互いに直接接触する共通の密接平面136である。
【0128】
したがってフローエレメント102は、正確に、それぞれのベースボディ104が密接平面136まで延びる領域内で接触する。
【0129】
したがって特にフローエレメント102は、標準レベル差NNを有する領域内でその凹部112によって互いに密接する。
【0130】
それに対して減少レベル差NRを有する領域内では、フローエレメント102は互いに離隔して配置されているので、フローエレメント102の間に間隙150が形成されている。
【0131】
フローエレメント102の間で案内される流体は、この間隙150を通り抜けることができる。
【0132】
したがって間隙150は、特に溢流領域又は流れゲートであり、それが本来互いに分離されている通路116の間の流体の溢流を可能にする。
【0133】
上述したバイポーラプレート100は、以下のように形成される:
【0134】
まず、フローエレメント102を形成するために金属薄板が準備される。
【0135】
ベースボディ104を形成するこの金属薄板が、変形によって、特にプレス成形加工によって加工される。
【0136】
変形プロセスによって、特にベースボディ104の凹部112と隆起部114が形成され、それによって最終的に通路構造118が形成される。
【0137】
標準レベル差NNの領域と減少レベル差NRを有する領域を望ましく形成することによって、ベースボディ104の湾曲伸張領域148内の望ましくない強さの材料伸張を回避することができる。したがってフローエレメント102は、高い安定性を獲得し、それにもかかわらず効率的な流れガイドを可能にする。
【0138】
特に図1図9から明らかなように、湾曲伸張領域148は、例えば通路端部152に、及び/又は湾曲されたかもしくは曲がった通路部分124に設けることができる。
【0139】
特に減少レベル差NRを有する領域を含む平行伸張領域146は、特に通路116の直線状の通路部分122の領域である。
【0140】
他のフローエレメント102は、同様にして金属薄板から形成される。
【0141】
最後に、バイポーラプレート100を形成するために、2つのフローエレメント102が互いに結合され、例えば互いに溶接される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板加工品(110)として形成されて通路構造(118)を有するプレート形状のベースボディ(104)を備えた、フローエレメント(102)であって、
通路構造(118)が複数の通路(116)を有し、前記通路がベースボディ(104)内の凹部(112)によって形成されており、かつベースボディ(104)の隆起部(114)によって互いに分離されており、
標準レベル差(NN)を有する少なくとも1つの領域が設けられており、前記標準レベル差が、ベースボディ(104)の2つの主要延び方向(106)に対して垂直に延びる高さ方向(108)に関して、凹部(112)と隣接する隆起部(114)との間の高低差を表し、
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が設けられており、前記領域内で凹部(112)と隣接する隆起部(114)との間の高低差が標準レベル差(NN)よりも小さく、
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を含み、前記平行伸張領域は、薄板加工品(110)の変形によってベースボディ(104)が伸張する場合に伸張ベクトルに沿って伸張されており、前記伸張ベクトルが互いに平行に延びる平面内に位置しており、
ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を含む、減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)に隣接し、前記湾曲伸張領域は、薄板加工品(110)の変形によってベースボディ(104)が伸張する場合に伸張ベクトルに沿って伸張されており、前記伸張ベクトルはそれ自身が交差する平面内に位置しており、
少なくとも1つの湾曲伸張領域(148)がベースボディ(104)の、通路(116)の湾曲するかもしくは曲がった通路部分(124)を有するかあるいは通路(116)の湾曲するかもしくは曲がった通路部分(124)によって形成される領域である、
フローエレメント(102)
【請求項2】
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)を有することなく、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)に隣接するベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を有していることを特徴とする、請求項1に記載のフローエレメント(102)。
【請求項3】
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)内に広がっていることを特徴とする、請求項1に記載のフローエレメント(102)。
【請求項4】
少なくとも1つの平行伸張領域(146)がベースボディ(104)の、通路(116)の略直線状の通路部分(122)を有するかあるいは通路(116)の略直線状の通路部分(122)によって形成される領域であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のフローエレメント(102)。
【請求項5】
標準レベル差(NN)を有する少なくとも1つの領域内で、凹部(112)によって形成される通路底(140)と、隣接する隆起部(114)によって形成されるウェブ(120)とが互いに略平行に延びていることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のフローエレメント(102)。
【請求項6】
標準レベル差(NN)を有する少なくとも1つの領域内で、凹部(112)によって形成される通路底(140)と、隣接する隆起部(114)によって形成されるウェブ(120)とが互いに実質的に曲がって延びていることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のフローエレメント(102)。
【請求項7】
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域内で、凹部(112)によって形成される通路底(140)と、隣接する隆起部(114)によって形成されるウェブ(120)とが互いに略平行に延びていることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のフローエレメント(102)。
【請求項8】
請求項1からの少なくとも1項に記載の1つ又は複数のフローエレメント(102)を有する、電気化学的装置のためのバイポーラプレート(100)。
【請求項9】
バイポーラプレート(100)が、第1のフローエレメント(102)と少なくとも1つの他のフローエレメント(102)を有し、第1のフローエレメント(102)及び/又は少なくとも1つの他のフローエレメント(102)が、請求項1からのいずれか一項に記載のフローエレメント(102)であることを特徴とする、請求項に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項10】
第1のフローエレメント(102)が他のフローエレメント(102)に次のように、すなわちベースボディ(104)内の凹部(112)が他のフローエレメント(102)の方向に延びるように配置されていることを特徴とする、請求項に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項11】
ベースボディ(104)内の凹部(112)が、少なくとも部分的に凹部(112)の通路底(140)の領域内で、他のフローエレメント(102)に密接していることを特徴とする、請求項10に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項12】
第1のフローエレメント(102)のベースボディ(104)の減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、他のフローエレメント(102)から離隔して配置されていることを特徴とする、請求項から11のいずれか一項に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項13】
第1のフローエレメント(102)のベースボディ(104)の平行伸張領域(146)の少なくとも一部分が、他のフローエレメント(102)から離隔して配置されていることを特徴とする、請求項から12のいずれか一項に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項14】
第1のフローエレメント(102)のベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)の少なくとも一部分が、他のフローエレメント(102)から離隔して配置されていることを特徴とする、請求項から13のいずれか一項に記載のバイポーラプレート(100)。
【請求項15】
ローエレメント(102)を製造する方法であって:
ベースボディ(104)を準備する段階;及び
通路構造(118)を形成するためにベースボディ(104)を変形させる段階、を含んでおり
前記通路構造(118)が複数の通路(116)を有し、前記通路がベースボディ(104)内の凹部(112)によって形成され、かつベースボディ(104)の隆起部(114)によって互いに分離されており、
標準レベル差(NN)を有する少なくとも1つの領域が形成され、前記標準レベル差が、ベースボディ(104)の2つの主要延び方向(106)に対して垂直に延びる高さ方向(108)に関して、凹部(112)と、隣接する隆起部(114)との間の高低差を表し、
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が形成され、前記領域内で凹部(112)と、隣接する隆起部(114)との間の高低差が、標準レベル差(NN)よりも小さく、
減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を含み、前記平行伸張領域は、ベースボディ(104)が変形される場合に伸張ベクトルに沿って伸張されるとともに前記伸張ベクトルが互いに平行に延びる平面内に位置し、
ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を含む、減少レベル差(NR)を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)に隣接し、前記湾曲伸張領域は、ベースボディ(104)が変形される際に伸張ベクトルに沿って伸張されるとともに前記伸張ベクトルの交差する平面内に位置しており、
少なくとも1つの湾曲伸張領域(148)がベースボディ(104)の、通路(116)の湾曲するかもしくは曲がった通路部分(124)を有するかあるいは通路(116)の湾曲するかもしくは曲がった通路部分(124)によって形成される領域である、
フローエレメントを製造する方法。
【請求項16】
薄板加工品(110)として形成されて通路構造(118)を有するプレート形状のベースボディ(104)を備えた、フローエレメント(102)であって、
通路構造(118)が複数の通路(116)を有し、前記通路がベースボディ(104)内の凹部(112)によって形成されており、かつベースボディ(104)の隆起部(114)によって互いに分離されており、
標準レベル差(N N )を有する少なくとも1つの領域が設けられており、前記標準レベル差が、ベースボディ(104)の2つの主要延び方向(106)に対して垂直に延びる高さ方向(108)に関して、凹部(112)と隣接する隆起部(114)との間の高低差を表し、
減少レベル差(N R )を有する少なくとも1つの領域が設けられており、前記領域内で凹部(112)と隣接する隆起部(114)との間の高低差が標準レベル差(N N )よりも小さく、
減少レベル差(N R )を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を含み、前記平行伸張領域は、薄板加工品(110)の変形によってベースボディ(104)が伸張する場合に伸張ベクトルに沿って伸張されており、前記伸張ベクトルが互いに平行に延びる平面内に位置しており、
ベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を含む、減少レベル差(N R )を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)に隣接し、前記湾曲伸張領域は、薄板加工品(110)の変形によってベースボディ(104)が伸張する場合に伸張ベクトルに沿って伸張されており、前記伸張ベクトルはそれ自身が交差する平面内に位置しており、
減少レベル差(N R )を有する少なくとも1つの領域が、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)を有することなく、ベースボディ(104)の湾曲伸張領域(148)に隣接するベースボディ(104)の平行伸張領域(146)を有している、フローエレメント(102)。
【外国語明細書】