(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037092
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】コンジュゲート化莢膜糖類抗原を含む免疫原性組成物、それを含むキットおよびこれらの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 39/09 20060101AFI20220301BHJP
A61K 39/116 20060101ALI20220301BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220301BHJP
A61K 39/39 20060101ALI20220301BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220301BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20220301BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20220301BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20220301BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220301BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220301BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20220301BHJP
C07K 14/195 20060101ALN20220301BHJP
【FI】
A61K39/09 ZNA
A61K39/116
A61P31/04
A61K39/39
A61K9/08
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/18
A61K47/02
A61K47/26
A61K47/64
C07K14/195
【審査請求】有
【請求項の数】80
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201968
(22)【出願日】2021-12-13
(62)【分割の表示】P 2018502252の分割
【原出願日】2016-07-18
(31)【優先権主張番号】62/194,965
(32)【優先日】2015-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【弁理士】
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【弁理士】
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】ウェンディ ジョー ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】ルイ パスカル ホダル マルティン-モンタルボ
(72)【発明者】
【氏名】ラウル エンリケ イストゥリス
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ レネ ライネルト
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)莢膜糖類抗原(グリココンジュゲート)を含む新しい免疫原性組成物、前記免疫原性組成物を含むキットおよびこれらの使用方法を提供する。
【解決手段】本発明の免疫原性組成物は、典型的には、PREVNAR(登録商標)、SYNFLORIX(登録商標)および/またはPREVNAR13(登録商標)には見出されないストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。本発明はまた、前記新規免疫原性組成物を用いた、肺炎球菌感染に対するヒト対象、特に、幼児および高齢者のワクチン接種にも関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来するグリココンジュゲートおよびストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来するグリココンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、前記組成物が7価肺炎球菌コンジュゲート組成物である、免疫原性組成物。
【請求項2】
前記グリココンジュゲートがCRM197、PD、TTまたはDTに個別にコンジュゲートされている、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項3】
前記血清型15Bグリココンジュゲートが1000kDa~20000kDaまたは10000kDa~16000kDaの分子量を有する、請求項2に記載の免疫原性組成物。
【請求項4】
血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)が0.5~3または0.7~0.9である、請求項3に記載の免疫原性組成物。
【請求項5】
前記血清型15Bグリココンジュゲートが血清型15B莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型15B莢膜多糖を含む、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
少なくとも40%の血清型15BグリココンジュゲートがCL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、請求項5に記載の免疫原性組成物。
【請求項7】
前記血清型15Bグリココンジュゲートが血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1mMのアセテートを含む、または、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項8】
血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が少なくとも0.6である、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
前記血清型15Bグリココンジュゲートが血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、少なくとも0.5、または少なくとも0.7mMのグリセロールを含む、または、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5mMのグリセロールを含む、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項10】
前記血清型15Bグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~15である、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項11】
前記血清型15Bグリココンジュゲートが10kDa~1500kDaの分子量を有する糖類を含む、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項12】
前記血清型15Bグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項13】
前記血清型15Bグリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、請求項1~12のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項14】
前記血清型22Fグリココンジュゲートが400kDa~15000kDaまたは1000kDa~8000kDaの分子量を有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項15】
血清型22Fグリココンジュゲート中の血清型22F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)が0.5~3または0.9~1.1である、請求項14に記載の免疫原性組成物。
【請求項16】
前記血清型22Fグリココンジュゲートが血清型22F莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型22F莢膜多糖を含む、請求項15に記載の免疫原性組成物。
【請求項17】
少なくとも30%の血清型22FグリココンジュゲートがCL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、請求項16に記載の免疫原性組成物。
【請求項18】
前記血清型22Fグリココンジュゲートが血清型22F莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1または少なくとも0.7mMのアセテートを含む、請求項15に記載の免疫原性組成物。
【請求項19】
血清型22Fグリココンジュゲート中の血清型22F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型22F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が少なくとも0.6である、請求項15に記載の免疫原性組成物。
【請求項20】
前記血清型22Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~15である、請求項15に記載の免疫原性組成物。
【請求項21】
前記血清型22Fグリココンジュゲートが10kDa~2000kDaの分子量を有する糖類を含む、請求項15に記載の免疫原性組成物。
【請求項22】
前記血清型22Fグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、請求項15に記載の免疫原性組成物。
【請求項23】
前記血清型22Fグリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、請求項14~22のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項24】
前記血清型33Fグリココンジュゲートが50kDa~20000kDaまたは1000kDa~5000kDaの分子量を有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項25】
血清型33Fグリココンジュゲート中の血清型33F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)が0.2~4または0.4~1.7である、請求項24に記載の免疫原性組成物。
【請求項26】
前記血清型33Fグリココンジュゲートが血清型33F莢膜多糖の総量と比較して約40%未満の遊離血清型33F莢膜多糖を含む、請求項25に記載の免疫原性組成物。
【請求項27】
少なくとも35%の血清型33FグリココンジュゲートがCL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、請求項26に記載の免疫原性組成物。
【請求項28】
前記血清型33Fグリココンジュゲートが血清型33F莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1または少なくとも0.7mMのアセテートを含む、請求項25に記載の免疫原性組成物。
【請求項29】
血清型33Fグリココンジュゲート中の血清型33F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型33F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が少なくとも0.6である、請求項25に記載の免疫原性組成物。
【請求項30】
前記血清型33Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~20である、請求項25に記載の免疫原性組成物。
【請求項31】
前記血清型33Fグリココンジュゲートが10kDa~2000kDaの分子量を有する糖類を含む、請求項25に記載の免疫原性組成物。
【請求項32】
前記血清型33Fグリココンジュゲートが2~25個の糖類反復単位ごとに担体タンパク質と糖類との間に少なくとも1個の共有結合を含む、請求項25に記載の免疫原性組成物。
【請求項33】
前記血清型33Fグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、請求項25に記載の免疫原性組成物。
【請求項34】
前記血清型33FグリココンジュゲートがeTECコンジュゲーションを用いて調製される、請求項24~33のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項35】
前記血清型12Fグリココンジュゲートが50kDa~20000kDaまたは500kDa~5000kDaの分子量を有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項36】
血清型12Fグリココンジュゲート中の血清型12F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)が0.2~4または0.8~1.8である、請求項35に記載の免疫原性組成物。
【請求項37】
前記血清型12Fグリココンジュゲートが血清型12F莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型12F莢膜多糖を含む、請求項36に記載の免疫原性組成物。
【請求項38】
少なくとも35%の血清型12FグリココンジュゲートがCL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、請求項37に記載の免疫原性組成物。
【請求項39】
前記血清型12Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~20である、請求項36に記載の免疫原性組成物。
【請求項40】
前記血清型12Fグリココンジュゲートが10kDa~2000kDaの分子量を有する糖類を含む、請求項36に記載の免疫原性組成物。
【請求項41】
前記血清型12Fグリココンジュゲートが2~25個の糖類反復単位ごとに担体タンパク質と糖類との間に少なくとも1個の共有結合を含む、請求項36に記載の免疫原性組成物。
【請求項42】
前記血清型12Fグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、請求項36に記載の免疫原性組成物。
【請求項43】
前記血清型12Fグリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、請求項35~42のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項44】
前記血清型12FグリココンジュゲートがTEMPO/NCS還元的アミノ化を用いて調製される、請求項35~42のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項45】
前記血清型10Aグリココンジュゲートが50kDa~20000kDaまたは1000kDa~10000kDaの分子量を有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項46】
血清型10Aグリココンジュゲート中の血清型10A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)が0.5~3または0.8~1.2である、請求項45に記載の免疫原性組成物。
【請求項47】
前記血清型10Aグリココンジュゲートが血清型10A莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型10A莢膜多糖を含む、請求項46に記載の免疫原性組成物。
【請求項48】
少なくとも30%の血清型10AグリココンジュゲートがCL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、請求項47に記載の免疫原性組成物。
【請求項49】
前記血清型10Aグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~15である、請求項46に記載の免疫原性組成物。
【請求項50】
前記血清型10Aグリココンジュゲートが10kDa~2000kDaの分子量を有する糖類を含む、請求項46に記載の免疫原性組成物。
【請求項51】
前記血清型10Aグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、請求項46に記載の免疫原性組成物。
【請求項52】
前記血清型10Aグリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、請求項45~51のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項53】
前記血清型11Aグリココンジュゲートが50kDa~20000kDaまたは500kDa~20000kDaの分子量を有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項54】
血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)が0.2~4または0.8~1.6である、請求項53に記載の免疫原性組成物。
【請求項55】
前記血清型11Aグリココンジュゲートが血清型11A莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型11A莢膜多糖を含む、請求項54に記載の免疫原性組成物。
【請求項56】
少なくとも30%の血清型11AグリココンジュゲートがCL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、請求項55に記載の免疫原性組成物。
【請求項57】
前記血清型11Aグリココンジュゲートが血清型11A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.3mMのアセテートを含む、または、血清型11A莢膜多糖1mMあたり少なくとも1.8mMのアセテートを含む、請求項54に記載の免疫原性組成物。
【請求項58】
血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が少なくとも0.6である、請求項54に記載の免疫原性組成物。
【請求項59】
前記血清型11Aグリココンジュゲートが血清型11A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1または少なくとも0.4mMのグリセロールを含む、請求項54に記載の免疫原性組成物。
【請求項60】
前記血清型11Aグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が1~15である、請求項54に記載の免疫原性組成物。
【請求項61】
前記血清型11Aグリココンジュゲートが10kDa~2000kDaの分子量を有する糖類を含む、請求項54に記載の免疫原性組成物。
【請求項62】
前記血清型11Aグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、請求項54に記載の免疫原性組成物。
【請求項63】
前記血清型11Aグリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、請求項53~62のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項64】
前記血清型8グリココンジュゲートが50kDa~20000kDaまたは1000kDa~15000kDaの分子量を有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項65】
血清型8グリココンジュゲート中の血清型8莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)が0.2~4または0.8~1.5である、請求項64に記載の免疫原性組成物。
【請求項66】
前記血清型8グリココンジュゲートが血清型8莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型8莢膜多糖を含む、請求項65に記載の免疫原性組成物。
【請求項67】
少なくとも30%の血清型8グリココンジュゲートがCL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、請求項66に記載の免疫原性組成物。
【請求項68】
前記血清型8グリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~20である、請求項65に記載の免疫原性組成物。
【請求項69】
前記血清型8グリココンジュゲートが10kDa~2000kDaの分子量を有する糖類を含む、請求項65に記載の免疫原性組成物。
【請求項70】
前記血清型8グリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、請求項65に記載の免疫原性組成物。
【請求項71】
前記血清型8グリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、請求項64~70のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項72】
前記免疫原性組成物の各用量が1.0μg~10μgの各血清型の多糖および10μg~150μgの担体タンパク質を含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項73】
前記免疫原性組成物がリン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、請求項72に記載の免疫原性組成物。
【請求項74】
前記免疫原性組成物が緩衝液を含む、請求項73に記載の免疫原性組成物。
【請求項75】
前記緩衝液が、リン酸、コハク酸、ヒスチジンまたはクエン酸である、請求項74に記載の免疫原性組成物。
【請求項76】
前記緩衝液が約5.0mMの最終濃度のコハク酸である、請求項74に記載の免疫原性組成物。
【請求項77】
前記免疫原性組成物が約150mMの濃度の塩化ナトリウムを含む、請求項76に記載の免疫原性組成物。
【請求項78】
前記免疫原性組成物が界面活性剤を含む、請求項74に記載の免疫原性組成物。
【請求項79】
前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート85およびポロキサマーの群から選択される、請求項78に記載の免疫原性組成物。
【請求項80】
前記免疫原性組成物が5.5~7.5のpHを有する、請求項74に記載の免疫原性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンジュゲート化莢膜糖類抗原(グリココンジュゲート)を含む新しい免疫原性組成物、前記免疫原性組成物を含むキットおよびこれらの使用に関する。本発明の免疫原性組成物は、典型的には、糖類がストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)の血清型に由来するグリココンジュゲートを含む。本発明はまた、前記新規免疫原性組成物およびキットを用いた肺炎球菌感染に対する、ヒト対象、特に、幼児および高齢者のワクチン接種に関する。
【背景技術】
【0002】
肺炎球菌により引き起こされる感染は、全世界における罹患および死亡の主な原因である。肺炎、熱性菌血症および髄膜炎は、侵襲性肺炎球菌疾患の最も一般的な兆候であるが、一方、気道内での細菌拡散は中耳感染、副鼻腔炎または反復性気管支炎をもたらし得る。侵襲性疾患と比較して、非侵襲的兆候は通常、あまり重篤ではないが、さらにより一般的である。
【0003】
欧州および米国においては、肺炎球菌性肺炎は、最も一般的な市中感染型細菌性肺炎であり、毎年、成人100,000人あたり約100人が罹患すると見積もられている。熱性菌血症および髄膜炎に関する対応する数字は、それぞれ、100000人あたり15~19人および100,000人あたり1~2人である。1つまたは複数のこれらの兆候に関するリスクは、幼児および高齢者、ならびに任意の年齢の免疫力が低下した人々においてははるかにより高い。経済的に発展した地域においても、侵襲性肺炎球菌疾患は死亡率が高い;肺炎球菌性肺炎を有する成人については、死亡率は平均で10%~20%であるが、高リスク群においては50%を超える可能性がある。肺炎は、世界中で肺炎球菌による死亡の圧倒的に最も一般的な原因である。
【0004】
肺炎球菌疾患の原因菌であるストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)(肺炎球菌)は、多糖莢膜により取り囲まれた、グラム陽性被包性球菌である。この莢膜の組成における差異により、約91種の莢膜型間の血清学的鑑別が可能になり、そのうちのいくつかは肺炎球菌疾患と関連することが多いが、他のものはそうであることは稀である。侵襲性肺炎球菌感染としては、肺炎、髄膜炎および熱性菌血症が挙げられる;特に、一般的な非侵襲的兆候は、中耳炎、副鼻腔炎および気管支炎である。
【0005】
肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV)は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)(肺炎球菌)により引き起こされる疾患に対して保護するために用いられる肺炎球菌ワクチンである。現在、世界市場で入手可能な3つのPCVワクチンが存在する:PREVNAR(登録商標)(いくつかの国ではPREVENAR(登録商標))(7価ワクチン)、SYNFLORIX(登録商標)(10価ワクチン)およびPREVNAR13(登録商標)(いくつかの国ではPREVENAR13(登録商標))(13価ワクチン)。
【0006】
必須の抗生物質に対する幅広い微生物耐性が最近発生しており、免疫力が低下した人々の数が増加していることから、さらにより広い保護を示す肺炎球菌ワクチンの必要性が強調される。
【0007】
特に、PREVNAR13(登録商標)には見出されない血清型があり、また非PREVNAR13(登録商標)血清型が出現する可能性があることから、肺炎球菌疾患をカバーする医学的必要性は未だ満たされておらず、対処が必要である。PREVNAR13(登録商標)における13を超える疾患を引き起こす特定の血清型は、地域、集団によって変化し、抗生物質耐性の獲得、肺炎球菌ワクチン導入および未知の起源の長期的傾向のため、時間と共に変化し得る。ヒトおよび特に、2歳未満の子供においてさらなるストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対する免疫応答を誘導するために用いることができる免疫原性組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の新規免疫原性組成物の目的は、PREVNAR13(登録商標)には見出されないストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型に対する適切な保護を提供することである。一態様において、本発明の免疫原性組成物の目的は、PREVNAR(登録商標)(7価ワクチン)、SYNFLORIX(登録商標)および/またはPREVNAR13(登録商標)によって現在包含される血清型に対する免疫応答を維持しながら、前記ワクチンには見出されないストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型に対する適切な保護を提供することである。
【0009】
抗原競合(または干渉)の現象により、多価ワクチンの開発が複雑になる。抗原干渉は、複数の抗原を投与すると、このような抗原が個別に投与される場合に観察される免疫応答と比べてある特定の抗原に対する応答が減少し得るという観察結果を指す。抗原の新しい組合せを作製する際のその発生は、予測不可能である。
【0010】
本発明の免疫原性組成物、キットおよび投与のスケジュールの目的は、PREVNAR13(登録商標)によって現在包含される血清型に対する免疫応答を維持し、免疫干渉のリスクを最小限にしながら、前記ワクチンには見出されないストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型に対する適切な保護を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらおよび他の必要性を満たすために、本発明は、新規免疫原性組成物、それを含むキットおよびこれらの使用に関する。以下の節は、本発明のいくつかの態様および実施形態を記述するものである。
【0012】
本発明の一態様は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来するグリココンジュゲートおよびストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来するグリココンジュゲートからなる群から選択される少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、1、2、3、4、5、6または7価肺炎球菌コンジュゲート組成物である免疫原性組成物に関する。
【0013】
ある態様において、本発明は、(a)前記免疫原性組成物を含む第1の免疫原性組成物;ならびに(b)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる群から選択されるストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む第2の免疫原性組成物を含むキットを提供する。
【0014】
別の態様において、本発明は、同時、同時的、随伴または逐次投与のための前記免疫原性組成物を提供する。
【0015】
本発明の一態様は、ワクチン接種スケジュールにおける使用のための前記免疫原性組成物を提供する。一実施形態においては、ワクチン接種スケジュールは、単回用量スケジュールである。別の実施形態においては、ワクチン接種スケジュールは、複数回用量スケジュールである。
【0016】
ある態様において、前記キットは、第1および第2の免疫原性組成物の同時、同時的、随伴または逐次投与のためである。
【0017】
本発明の別の態様は、医薬としての使用のための前記免疫原性組成物または前記キットを提供する。
【0018】
本発明の一態様では、前記免疫原性組成物または前記キットは、ワクチンとしての使用のためである。
【0019】
本発明の別の態様において、対象における細菌感染、疾患または状態を防止する、処置する、または改善するための方法における使用のための前記免疫原性組成物または前記キットを提供する。
【0020】
本発明の別の態様において、前記免疫原性組成物または前記キットは、対象における細菌感染、疾患または状態を防止するための方法における使用のためである。
【0021】
本発明の一態様は、全身経路または粘膜経路により前記免疫原性組成物を投与することにより、肺炎球菌感染に罹りやすいヒトを保護または処置するための方法における使用のための前記免疫原性組成物または前記キットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8(Pn-8)莢膜多糖の反復多糖構造を示す図である。
【
図2】ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10A(Pn-10A)莢膜多糖の反復多糖構造を示す図である。
【
図3】ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11A(Pn-11A)莢膜多糖の反復多糖構造を示す図である。
【
図4】ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12F(Pn-12F)莢膜多糖の反復多糖構造を示す図である。
【
図5】ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B(Pn-15B)莢膜多糖の反復多糖構造を示す図である。
【
図6】ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22F(Pn-22F)莢膜多糖の反復多糖構造を示す図である。
【
図7】ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33F(Pn-33F)莢膜多糖の反復多糖構造を示す図である。
【
図8】Pn-33Fグリココンジュゲートの調製において用いることができる活性化(A)およびコンジュゲーション(B)プロセスに関する代表的なプロセス流れ図を示す図である。
【
図9】TEMPO/NCS酸化反応におけるNCSの量の変化によるDOに対する効果を示す図である。
【
図10】Pn-12Fグリココンジュゲートの安定性の評価を示す図である。
【
図11】機能横断型OPA応答を示す図である。13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(US Study 6115A1-004;ClinicalTrials.gov Identifier:NCT00427895)をワクチン接種された成人からの59種の血清のサブセットを、血清型9V、9A、9L、および9Nに対する機能的抗体の存在についてOPAにおいて評価した。OPA陽性力価(すなわち、1:8以上)を有する試料のパーセントを、各群の上に示す。幾何平均力価(GMT)を、各群の下のx軸に列挙する。
【
図12】66種の対応付けられた前/後血清の機能横断型OPA応答を示す図である。13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(試験6115A1-3005;ClinicalTrials.gov Identifier:NCT00546572)をワクチン接種された成人からの66種の対応付けられたワクチン接種前および接種後の血清パネルのサブセットを、血清型9V、9A、9L、および9Nに対する機能的抗体の存在についてOPAにおいて評価した。OPA陽性力価(すなわち、1:8以上)を有する試料のパーセントを、各群の上に示す。幾何平均力価(GMT)を、各群の下のx軸に列挙する。
【
図13】肺炎球菌血清型9V(Pn9V)による免疫化の前および後の逆累積分布曲線(RCDC)を示す図である。13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(試験6115A1-3005;ClinicalTrials.gov Identifier:NCT00546572)をワクチン接種された、対応付けられたワクチン接種前および接種後の血清パネル(N=66)からの血清型9Vに対するOPA力価の逆累積分布曲線である。プロットは、OPA陽性力価(すなわち、1:8以上)を有する血清のパーセントを表す。
【
図14】肺炎球菌血清型9A(Pn9A)による免疫化の前および後の逆累積分布曲線(RCDC)を示す図である。13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(試験6115A1-3005;ClinicalTrials.gov Identifier:NCT00546572)をワクチン接種された、対応付けられたワクチン接種前および接種後の血清パネル(N=66)からの血清型9Aに対するOPA力価の逆累積分布曲線である。プロットは、OPA陽性力価(すなわち、1:8以上)を有する血清のパーセントを表す。
【
図15】肺炎球菌血清型9L(Pn9L)による免疫化の前および後の逆累積分布曲線(RCDC)を示す図である。13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(試験6115A1-3005;ClinicalTrials.gov Identifier:NCT00546572)をワクチン接種された、対応付けられたワクチン接種前および接種後の血清パネル(N=66)からの血清型9Lに対するOPA力価の逆累積分布曲線である。プロットは、OPA陽性力価(すなわち、1:8以上)を有する血清のパーセントを表す。
【
図16】肺炎球菌血清型9N(Pn9N)による免疫化の前および後の逆累積分布曲線(RCDC)を示す図である。13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(試験6115A1-3005;ClinicalTrials.gov Identifier:NCT00546572)をワクチン接種された、対応付けられたワクチン接種前および接種後の血清パネル(N=66)からの血清型9Nに対するOPA力価の逆累積分布曲線である。プロットは、OPA陽性力価(すなわち、1:8以上)を有する血清のパーセントを表す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1.本発明のグリココンジュゲート
本発明の免疫原性組成物は、典型的には、糖類がストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の血清型に由来するコンジュゲート化莢膜糖類抗原(グリココンジュゲートとも呼ばれる)を含む。
【0024】
タンパク質担体が組成物中の2つ以上の糖類について同じである場合、糖類を、タンパク質担体の同じ分子(それにコンジュゲートされた2つ以上の異なる糖類を有する担体分子)にコンジュゲートさせることができる[例えば、WO2004/083251を参照されたい]。
【0025】
しかし、好ましい実施形態においては、糖類を、タンパク質担体の異なる分子(それにコンジュゲートされた1つの種類の糖類のみを有するタンパク質担体のそれぞれの分子)にそれぞれ個別にコンジュゲートさせる。前記実施形態においては、莢膜糖類は、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされていると言われる。
【0026】
本発明の目的では、用語「グリココンジュゲート」は、担体タンパク質に共有的に連結された莢膜糖類を示す。一実施形態においては、莢膜糖類は、担体タンパク質に直接連結される。第2の実施形態においては、細菌糖類はスペーサー/リンカーを介してタンパク質に連結される。
【0027】
1.1 本発明の担体タンパク質
本発明のグリココンジュゲートの成分は、糖類がコンジュゲートされている担体タンパク質である。用語「タンパク質担体」または「担体タンパク質」または「担体」は、本明細書では互換的に用いることができる。担体タンパク質は、標準的なコンジュゲーション手順に従うべきである。
【0028】
好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートの担体タンパク質は、DT(ジフテリア毒素)、TT(破傷風毒素)またはTTの断片C、CRM197(ジフテリア毒素の非毒性的であるが、抗原的に同一であるバリアント)、他のDT変異体(CRM176、CRM228、CRM45(Uchidaら(1973)J.Biol.Chem.218:3838~3844)、CRM9、CRM102、CRM103またはCRM107;NichollsおよびYoule、 Genetically Engineered Toxins、Frankel(編)、Maecel Dekker Inc.(1992)により記載された他の突然変異;Glu-148からAsp、GlnもしくはSerおよび/またはAla-158からGlyへの欠失または突然変異ならびに米国特許第4,709,017号および第4,950,740号に開示された他の突然変異;Lys516、Lys526、Phe530および/またはLys534のうちの少なくとも1つまたは複数の残基の突然変異ならびに米国特許第5,917,017号および第6,455,673号に開示された他の突然変異;または米国特許第5,843,711号に開示された断片、肺炎球菌ニューモリシン(ply)(Kuoら(1995)Infect lmmun 63:2706~2713)、例えば、いくつかの様式で解毒されたply、例えば、dPLY-GMBS(WO2004/081515、WO2006/032499)またはdPLY-formol、PhtX、例えば、PhtA、PhtB、PhtD、PhtE(PhtA、PhtB、PhtDまたはPhtEの配列は、WO00/37105およびWO00/39299に開示されている)およびPhtタンパク質の融合物、例えば、PhtDE融合物、PhtBE融合物、Pht A-E(WO01/98334、WO03/054007、WO2009/000826)、通常、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)血清群Bから抽出されるOMPC(髄膜炎菌外膜タンパク質)(EP0372501)、PorB(ナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)由来)、PD(ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)タンパク質D;例えば、EP0594610Bを参照されたい)、または免疫学的に機能的なその等価物、合成ペプチド(EP0378881、EP0427347)、熱ショックタンパク質(WO93/17712、WO94/03208)、百日咳タンパク質(WO98/58668、EP0471177)、サイトカイン、リンホカイン、増殖因子またはホルモン(WO91/01146)、様々な病原体由来抗原に由来する複数のヒトCD4+T細胞エピトープを含む人工タンパク質(Falugiら(2001)Eur J Immunol 31:3816-3824)、例えば、N19タンパク質(Baraldoiら(2004)Infect lmmun 72:4884-4887)、肺炎球菌表面タンパク質PspA(WO02/091998)、鉄取込みタンパク質(WO01/72337)、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)の毒素AまたはB(WO00/61761)、トランスフェリン結合タンパク質、肺炎球菌接着タンパク質(PsaA)、組換えシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)外毒素A(特に、その非毒性変異体(グルタミン酸553に置換を担持する外毒素Aなど)(Douglasら(1987)J.Bacteriol.169(11):4967-4971))からなる群において選択される。オブアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)などの他のタンパク質を、担体タンパク質として用いることもできる。他の好適な担体タンパク質としては、コレラトキソイド(例えば、WO2004/083251に記載される)、大腸菌(Escherichia coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、およびシュードモナス・エルギノーサ(P.aeruginosa)に由来する外毒素Aなどの不活化細菌毒素が挙げられる。
【0029】
好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートの担体タンパク質は、TT、DT、DT変異体(CRM197など)、ヘモフィルス・インフルエンザ(H.influenzae)タンパク質D、PhtX、PhtD、PhtDE融合物(特に、WO01/98334およびWO03/054007に記載のもの)、解毒されたニューモリシン、PorB、N19タンパク質、PspA、OMPC、クロストリジウム・ディフィシレ(C.difficile)の毒素AまたはBおよびPsaAからなる群から独立に選択される。
【0030】
1つの実施形態においては、本発明のグリココンジュゲートの担体タンパク質は、DT(ジフテリアトキソイド)である。別の実施形態においては、本発明のグリココンジュゲートの担体タンパク質は、TT(破傷風毒素)である。
【0031】
別の実施形態においては、本発明のグリココンジュゲートの担体タンパク質は、PD(ヘモフィルス・インフルエンザ(H.influenzae)タンパク質D;例えば、EP0594610Bを参照されたい)である。
【0032】
好ましい実施形態においては、本発明の莢膜糖類は、CRM197タンパク質にコンジュゲートされている。CRM197タンパク質は、非毒性形態のジフテリア毒素であるが、ジフテリア毒素とは免疫学的に区別がつかない。CRM197は、毒素原性コリネファージベータ(Uchidaら(1971)Nature New Biology 233:8~11)のニトロソグアニジン突然変異誘発により作出された非毒素原性ファージβ197tox-により感染したコリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheriae)により産生される。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素と同じ分子量を有するが、構造遺伝子中の単一塩基変化(グアニンからアデニンへの)によりそれとは異なる。この単一塩基変化は、成熟タンパク質中のアミノ酸置換(グルタミン酸からグリシンへの)を引き起こし、ジフテリア毒素の毒性を除去する。CRM197タンパク質は、糖類のための安全かつ有効なT細胞依存的担体である。CRM197およびその産生に関するさらなる詳細を、例えば、米国特許第5,614,382号に見出すことができる。
【0033】
1つの実施形態において、本発明の莢膜糖類は、CRM197タンパク質またはCRM197のA鎖にコンジュゲートされている(CN103495161を参照されたい)。1つの実施形態において、本発明の莢膜糖類は、遺伝子組換え体大腸菌(E.coli)による発現を介して得られたCRM197のA鎖にコンジュゲートされている(CN103495161を参照されたい)。1つの実施形態において、本発明の莢膜糖類は、全てCRM197にコンジュゲートされている。1つの実施形態において、本発明の莢膜糖類は、全てCRM197のA鎖にコンジュゲートされている。
【0034】
したがって、よくある実施形態において、本発明のグリココンジュゲートは、担体タンパク質としてCRM197を含み、ここで、莢膜多糖はCRM197に共有的に連結される。
【0035】
1.2 本発明の莢膜糖類
本明細書を通して、用語「糖類」は、多糖またはオリゴ糖類を含んでもよく、両方を含む。よくある実施形態において、糖類は多糖、特に、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)莢膜多糖である。
【0036】
莢膜多糖は、当業者には公知の標準的な技術により調製される。
【0037】
本発明において、莢膜多糖を、例えば、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから調製することができる。典型的には、莢膜多糖を、培地(例えば、ダイズ系培地)中でそれぞれのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型を増殖させることにより生産した後、細菌培養物から調製する。本発明のグリココンジュゲートにおいて用いられるそれぞれの多糖を作製するために用いられるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の細菌株を、確立された培養株保存機関または臨床標本から得ることができる。
【0038】
生物の集団(それぞれのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型)を、種バイアルから種ボトルまでスケールアップし、生産規模の発酵容量に達するまで増大する容量の1つまたは複数の種発酵器により継代することが多い。増殖サイクルの終わりに、細胞を溶解した後、溶解物培養液を、下流の(精製)プロセスのために収穫する(例えば、WO2006/110381、WO2008/118752、ならびに米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2008/0102498号、および第2008/0286838号を参照されたい)。
【0039】
個々の多糖を、典型的には、遠心分離、沈降、限外濾過、および/またはカラムクロマトグラフィーにより精製する(例えば、WO2006/110352およびWO2008/118752を参照されたい)。
【0040】
精製された多糖を、活性化(例えば、化学的に活性化)して、それらが反応(例えば、eTECスペーサーと)することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明のグリココンジュゲート中に組み込むことができる。
【0041】
ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)莢膜多糖は、最大8個の糖残基を含有してもよい反復オリゴ糖類単位を含む。
【0042】
1つの実施形態において、本発明の莢膜糖類は、1つのオリゴ糖類単位または反復オリゴ糖類単位の天然の長さの糖類鎖よりも短いものであってもよい。1つの実施形態において、本発明の莢膜糖類は、関連する血清型の1つの反復オリゴ糖類単位である。
【0043】
1つの実施形態において、本発明の莢膜糖類は、オリゴ糖類であってもよい。オリゴ糖類は、少数の反復単位(典型的には、5~15の反復単位)を有し、典型的には、合成的に、または多糖の加水分解により誘導される。
【0044】
しかし、好ましくは、本発明の、および本発明の免疫原性組成物中の莢膜糖類の全部は、多糖である。高分子量の莢膜多糖は、抗原表面上に存在するエピトープのため、ある特定の抗体免疫応答を誘導することができる。高分子量莢膜多糖の単離および精製は、好ましくは、本発明のコンジュゲート、組成物および方法における使用のために企図される。
【0045】
いくつかの実施形態においては、コンジュゲーション前に精製された多糖は、10kDa~4,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態においては、多糖は、50kDa~4,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態においては、多糖は、50kDa~3,500kDa;50kDa~3,000kDa;50kDa~2,500kDa;50kDa~2,000kDa;50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~4,000kDa;100kDa~3,500kDa;100kDa~3,000kDa;100kDa~2,500kDa;100kDa~2,250kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~4,000kDa;200kDa~3,500kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~2,500kDa;200kDa~2,250kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0046】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけてもよい。機械的または化学的サイジングを用いることができる。化学的加水分解を、酢酸を用いて行うことができる。機械的サイジングを、高圧均一化剪断を用いて行うことができる。上記の分子量範囲は、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0047】
好ましい実施形態においては、精製された多糖は、莢膜多糖が本明細書に上記された分子量範囲の1つの中にある分子量を有する、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fまたは33Fに由来する莢膜多糖である。
【0048】
本明細書で用いられる場合、多糖または担体タンパク質-多糖コンジュゲートの「分子量」という用語は、多角レーザー光散乱検出器(MALLS)と組み合わせたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により算出される分子量を指す。
【0049】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型9V、18C、11A、15B、22Fおよび/または33Fに由来する肺炎球菌糖類は、O-アセチル化されている。いくつかの実施形態においては、本発明の血清型9V、11A、15B、22Fおよび/または33Fに由来する肺炎球菌糖類は、O-アセチル化されている。
【0050】
本明細書に記載の精製された多糖を化学的に活性化して、担体タンパク質と反応することができる糖類を作製する。これらの肺炎球菌コンジュゲートを、別々のプロセスによって調製し、以下に記載の単一用量製剤に製剤化する。
【0051】
1.2.1 ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来する肺炎球菌多糖
ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来する莢膜糖類を、当業者には公知の標準的な技術により調製することができる(例えば、WO2006/110381を参照されたい)。莢膜多糖を、培地中でそれぞれのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型を増殖させることにより生産することができる;増殖サイクルの終わりに、細胞を溶解した後、溶解物培養液を下流の(精製)プロセスのために収穫する。個々の多糖は、典型的には、遠心分離、沈降、限外濾過、および/またはカラムクロマトグラフィーにより精製される(例えば、WO2006/110352およびWO2008/118752を参照されたい)。精製された多糖を、本明細書にさらに記載されるようにさらにプロセシングして、本発明のグリココンジュゲートを調製することができる。
【0052】
いくつかの実施形態においては、コンジュゲーション前のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび/または23Fに由来する精製された多糖は、10kDa~4,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態においては、多糖は、50kDa~4,000kDa;50kDa~3,000kDaまたは50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態においては、多糖は、50kDa~3,500kDa;50kDa~3,000kDa;50kDa~2,500kDa;50kDa~2,000kDa;50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~4,000kDa;100kDa~3,500kDa;100kDa~3,000kDa;100kDa~2,500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~4,000kDa;200kDa~3,500kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~2,500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0053】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけてもよい。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップの後、コンジュゲーションの前(例えば、活性化の前)の精製された多糖を指す。
【0054】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型9Vおよび/または18Cに由来する肺炎球菌糖類は、O-アセチル化されている。いくつかの実施形態においては、本発明の血清型9Vに由来する肺炎球菌糖類は、O-アセチル化されており、本発明の血清型18Cに由来する肺炎球菌糖類は、脱-O-アセチル化されている。
【0055】
1.2.2 肺炎球菌多糖血清型8
血清型8の多糖反復単位は、1つのグルクロン酸(GlcpA)、2つのグルコピラノース(Glcp)および1つのガラクトピラノース(Galp)を有する直鎖状四糖類からなる(Jonesら(1957) The Journal of the American Chemical Society.79(11):2787~2793)。4つ全ての単糖類は、
図1に示されるように1,4-結合により連結される。
【0056】
血清型8の糖類を、当業者には公知の単離手順を用いて細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号、ならびにWO2008/118752に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを用いて生産することができる。
【0057】
血清型8のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)株を、確立された培養株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0058】
いくつかの実施形態においては、コンジュゲーション前のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来する精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。一実施形態においては、莢膜多糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。
【0059】
さらなる実施形態においては、莢膜多糖は、100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;250kDa~600;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量;および同様の所望の分子量範囲を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0060】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけてもよい。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップの後、コンジュゲーションの前(例えば、活性化の前)の精製された多糖を指す。
【0061】
1.2.3 肺炎球菌多糖血清型10A
血清型10Aの多糖反復単位は、2つのガラクトフラノース(Gal
f)、3つのガラクトピラノース(Gal
p)、1つのN-アセチルガラクトサミン(Gal
pNAc)およびホスホリビトール骨格を有する分枝状六糖類反復単位からなる(Jones,C.(2005)Carbohydrate Research 269(1):175~181)。
図2に示されるように、β-GalpNAc部分(β-3-Galpおよびβ-6-Galf)に2つの分枝単糖類が存在する。
【0062】
血清型10Aの糖類を、当業者には公知の単離手順を用いて細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号、ならびにWO2008/118752に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを用いて生産することができる。
【0063】
血清型10Aのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)株を、確立された培養株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0064】
いくつかの実施形態においては、コンジュゲーション前のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来する精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。一実施形態においては、莢膜多糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。
【0065】
さらなる実施形態においては、莢膜多糖は、100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量;および同様の所望の分子量範囲を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0066】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけてもよい。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップの後、コンジュゲーションの前(例えば、活性化の前)の精製された多糖を指す。
【0067】
1.2.4 肺炎球菌多糖血清型11A
血清型11Aの多糖反復単位は、
図3に示されるように、直鎖状四糖類骨格(2つのガラクトピラノース(Gal
p)および2つのグルコピラノース(Glc
p))およびペンダントホスホグリセロールからなる(Richardsら(1988)Adv.Exp.Med.Biol.228:595~597)。多糖は、複数の位置でO-アセチル化されており、文献(Calixら(2011)J Bacteriol.193(19):5271~5278)中の報告されたデータに基づくと、11A多糖中のO-アセチル化の総量は、多糖反復単位あたり約2.6個のO-アセチル基である。
【0068】
血清型11Aの糖類を、当業者には公知の単離手順を用いて細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号、ならびにWO2008/118752に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを用いて生産することができる。
【0069】
血清型11Aのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)株を、確立された培養株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0070】
ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)溶解物に由来する血清型11A多糖の精製により得られた単離された血清型11A莢膜多糖および場合により、精製された多糖のサイジングを、例えば、分子量(MW)および前記血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMを含む、様々な属性により特徴付けることができる。
【0071】
いくつかの実施形態においては、コンジュゲーション前のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来する精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。一実施形態においては、莢膜多糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。
【0072】
さらなる実施形態においては、莢膜多糖は、100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;100kDa~200kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;150kDa~200kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量;および同様の所望の分子量範囲を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0073】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけてもよい。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップの後、コンジュゲーションの前(例えば、活性化の前)の精製された多糖を指す。
【0074】
1つの実施形態においては、精製された血清型11A多糖のサイズを、高圧均一化により減少させる。高圧均一化は、十分に小さい寸法を有する流路を通してプロセス流をポンプすることにより高い剪断速度を達成する。剪断速度は、より大きい印加される均一化圧力を用いることにより増大し、ホモジェナイザーにより供給流を再循環させることにより曝露時間を増大させることができる。
【0075】
高圧均一化プロセスは、O-アセチル基の存在などの、多糖の構造的特徴を保持しながら、精製された血清型11A多糖のサイズを減少させるのに特に好適である。
【0076】
精製された、単離された、もしくは活性化された血清型11A莢膜多糖中または血清型11A多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0077】
好ましい実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来する精製された多糖は、前記血清型11A莢膜多糖1μmolあたり、少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0078】
1.2.5 肺炎球菌多糖血清型12F
血清型12Fの多糖反復単位は、
図4に示されるように、2つの分枝:Fuc
pNAcのC3で連結されたペンダントα-ガラクトピラノース(Gal
p)およびMan
pNAcAのC3で連結されたα-Glc
p-(1→2)-α-Glc
p二糖類分枝を有する、直鎖状三糖類骨格(1つのN-アセチルフコサミン(Fuc
pNAc)、1つのN-アセチルガラクトサミン(Gal
pNAc)および1つのN-アセチルマヌロン酸(Man
pNAcA))からなる(Leonteinら(1983)Carbohydrate Research 114(2):257~266))。
【0079】
血清型12Fのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)株を、確立された培養株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0080】
ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来する莢膜糖類は、当業者には公知の標準的な技術により調製される。典型的には、莢膜多糖を、培地(例えば、ダイズ系培地)中でそれぞれのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型を増殖させることにより生産した後、多糖を細菌培養物から調製する。生物の集団(ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12F)を、種バイアルから種ボトルまでスケールアップし、生産規模の発酵容量に達するまで増大する容量の1つまたは複数の種発酵器により継代することが多い。増殖サイクルの終わりに、細胞を溶解した後、溶解物培養液を、下流の(精製)プロセスのために収穫する(例えば、WO2006/110381およびWO2008/118752、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2008/0102498号、および第2008/0286838号を参照されたい)。多糖を、典型的には、遠心分離、沈降、限外濾過、および/またはカラムクロマトグラフィーにより精製する(例えば、WO2006/110352およびWO2008/118752を参照されたい)。
【0081】
本明細書にさらに記載されるように、血清型12Fに由来する精製された多糖を、活性化(例えば、化学的に活性化)して、それらを反応することができるようにした後、本発明のグリココンジュゲート中に組み込むことができる。
【0082】
いくつかの実施形態においては、コンジュゲーション前のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来する精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。一実施形態においては、莢膜多糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、50kDa~300kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、70kDa~300kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、莢膜多糖は、90kDa~250kDa;90kDa~150kDa;90kDa~120kDa;80kDa~120kDa;70kDa~100kDa;70kDa~110kDa;70kDa~120kDa;70kDa~130kDa;70kDa~140kDa;70kDa~150kDa;70kDa~160kDa;80kDa~110kDa;80kDa~120kDa;80kDa~130kDa;80kDa~140kDa;80kDa~150kDa;80kDa~160kDa;90kDa~110kDa;90kDa~120kDa;90kDa~130kDa;90kDa~140kDa;90kDa~150kDa;90kDa~160kDa;100kDa~120kDa;100kDa~130kDa;100kDa~140kDa;100kDa~150kDa;100kDa~160kDaの分子量;および同様の所望の分子量範囲を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0083】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけてもよい。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップの後、コンジュゲーションの前(例えば、活性化の前)の精製された多糖を指す。
【0084】
1.2.6 肺炎球菌多糖血清型15B
図5に示されるように、血清型15Bの多糖反復単位は、Glc
pNAcのC4ヒドロキシル基に連結されたαGal
p-βGal
p二糖類を有する、分枝状三糖類骨格(1つのN-アセチルグルコサミン(Glc
pNAc)、1つのガラクトピラノース(Gal
p)および1つのグルコピラノース(Glc
p))からなる。ホスホグリセロールを、二糖類分枝中のβGal
p残基のC3ヒドロキシル基に連結する(Jonesら(2005)Carbohydrate Research 340(3):403~409)。血清型15Cに由来する莢膜多糖は、血清型15Bと同一の骨格構造を有するが、O-アセチル化を欠く。
【0085】
血清型15B多糖を、当業者には公知の単離手順を用いて細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号、ならびにWO2008/118752に開示された方法を参照されたい)。また、それらを、当業者には公知の合成プロトコールを用いて生産することができる。
【0086】
血清型15Bのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)株を、確立された培養株保存機関(例えば、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA USA)など(例えば、寄託株ATCC10354)もしくはStreptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA USA))または臨床標本から得ることができる。
【0087】
細菌細胞を、培地、好ましくはダイズ系培地中で増殖させる。ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖を生産する細菌細胞の発酵後、細菌細胞を溶解して、細胞溶解物を得る。次いで、血清型15Bの多糖を、遠心分離、深層濾過、沈降、限外濾過、活性炭を用いる処理、透析濾過および/またはカラムクロマトグラフィーの使用を含む、当技術分野で公知の精製技術を用いて細胞溶解物から単離することができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号、ならびにWO2008/118752を参照されたい)。次いで、精製された血清型15Bの莢膜多糖を、免疫原性コンジュゲートの調製のために用いることができる。
【0088】
ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)溶解物からの血清型15B多糖の精製により得られる単離された血清型15B莢膜多糖および場合により、精製された多糖のサイジングを、例えば、分子量(MW)、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmM、および前記血清型15B莢膜多糖1mMあたりのグリセロールのmMを含む、様々なパラメータにより特徴付けることができる。
【0089】
好ましくは、有利な濾過特徴および/または収率を有する15Bコンジュゲートを生成するために、標的分子量範囲への多糖のサイジングを、担体タンパク質へのコンジュゲーションの前に実施する。有利には、精製された血清型15B多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保持しながら減少させる。好ましくは、精製された血清型15B多糖のサイズを、機械的均一化により減少させる。
【0090】
好ましい実施形態においては、精製された血清型15B多糖のサイズを、高圧均一化により減少させる。高圧均一化は、十分に小さい寸法を有する流路を通してプロセス流をポンプすることにより高い剪断速度を達成する。剪断速度は、より大きい印加される均一化圧力を用いることにより増大し、ホモジェナイザーにより供給流を再循環させることにより曝露時間を増大させることができる。
【0091】
高圧均一化プロセスは、O-アセチル基の存在などの、多糖の構造的特徴を保持しながら、精製された血清型15B多糖のサイズを減少させるのに特に好適である。
【0092】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、5kDa~500kDa、50kDa~500kDa、50kDa~450kDa、100kDa~400kDa、および100kDa~350kDaの分子量を有する。好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有する。好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~300kDaの分子量を有する。好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有する。好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、莢膜多糖は、100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;100kDa~200kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;150kDa~200kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDaの分子量;および同様の所望の分子量範囲を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0093】
血清型15Bの多糖は、O-アセチル化されており、O-アセチル化の総量は、多糖反復単位あたり約0.8~0.9個のO-アセチル基である。多糖のO-アセチル化の程度を、当技術分野で公知の任意の方法により、例えば、プロトンNMR(例えば、Lemercinierら(1996)Carbohydrate Research 296:83~96;Jonesら(2002)J.Pharmaceutical and Biomedical Analysis 30:1233~1247;WO2005/033148およびWO00/56357を参照されたい)により決定することができる。別の一般的に用いられる方法は、Hestrin,S.(1949)J.Biol.Chem.180:249~261に記載されている。好ましくは、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析により決定される。
【0094】
精製された、単離された、もしくは活性化された血清型15B莢膜多糖中、または血清型15B多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0095】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0096】
グリセロールリン酸側鎖の存在は、多糖をフッ化水素酸(HF)で処理することによって遊離させた後にパルスアンペロメトリック検出(HPAEC-PAD)を用いた高速陰イオン交換クロマトグラフィーを使用してグリセロールを測定することにより決定される。精製された、単離された、もしくは活性化された血清型15B多糖における、または血清型15B多糖-担体タンパク質コンジュゲートにおけるグリセロールの存在は、血清型15B多糖1mMあたりのグリセロールのmM数として表される。
【0097】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0098】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0099】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0100】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0101】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0102】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0103】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0104】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0105】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0106】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0107】
好ましい実施形態においては、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0108】
1.2.7 肺炎球菌多糖血清型22F
図6に示されるように、血清型22Fの多糖反復単位は、βRha
pのC3ヒドロキシル基に連結されたαGlc
p分枝を有する分枝状五糖類骨格(1つのグルクロン酸(Glc
pA)、1つのグルコピラノース(Glc
p)、1つのガラクトフラノース(Gal
f)および2つのラムノピラノース(Rha
p))からなる(Richardsら(1989)、Canadian Journal of Chemistry 67(6):1038~1050)。多糖反復単位中のβRha
p残基の約80%のC2ヒドロキシル基がO-アセチル化されている。
【0109】
血清型22F多糖を、当業者には公知の単離手順を用いて細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号、ならびにWO2008/118752に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを用いて生産することができる。
【0110】
血清型22Fのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)株を、確立された培養株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0111】
ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)溶解物からの血清型22F多糖の精製により得られる単離された血清型22F莢膜多糖および場合により、精製された多糖のサイジングを、例えば、分子量(MW)および前記血清型22F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMを含む、様々なパラメータにより特徴付けることができる。
【0112】
好ましくは、有利な濾過特徴および/または収率を有する血清型22Fコンジュゲートを生成するために、標的分子量範囲への多糖のサイジングを、担体タンパク質へのコンジュゲーションの前に実施する。有利には、精製された血清型22F多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保持しながら減少させる。好ましくは、精製された血清型22F多糖のサイズを、機械的均一化により減少させる。
【0113】
好ましい実施形態においては、精製された多糖のサイズを、高圧均一化により減少させる。高圧均一化は、十分に小さい寸法を有する流路を通してプロセス流をポンプすることにより高い剪断速度を達成する。剪断速度は、より大きい印加される均一化圧力を用いることにより増大し、ホモジェナイザーにより供給流を再循環させることにより曝露時間を増大させることができる。
【0114】
高圧均一化プロセスは、O-アセチル基の存在などの、多糖の構造的特徴を保持しながら、精製された血清型22F多糖のサイズを減少させるのに特に好適である。
【0115】
いくつかの実施形態においては、コンジュゲーション前のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fからの精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。一実施形態においては、莢膜多糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、莢膜多糖は、400kDa~700kDaの分子量を有する。
【0116】
さらなる実施形態においては、莢膜多糖は、100kDa~1,000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量;および同様の所望の分子量範囲を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0117】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書の上記に記載のように、22F多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけてもよい。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップの後、コンジュゲーションの前(例えば、活性化の前)の精製された多糖を指す。
【0118】
多糖のO-アセチル化の程度を、当技術分野で公知の任意の方法により、例えば、プロトンNMR(Lemercinierら(1996)Carbohydrate Research 296:83~96;Jonesら(2002)J.Pharmaceutical and Biomedical Analysis 30:1233~1247;WO2005/033148およびWO00/56357を参照されたい)により決定することができる。別の一般的に用いられる方法は、Hestrin,S.(1949)J.Biol.Chem.180:249~261に記載されている。好ましくは、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析により決定される。
【0119】
精製された、単離された、もしくは活性化された血清型22F莢膜多糖中、または血清型22F多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0120】
好ましい実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fからの精製された多糖は、前記血清型22F莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0121】
1.2.8 肺炎球菌多糖血清型33F
図7に示されるように、血清型33Fの多糖反復単位は、骨格内のαGal
p残基のC2ヒドロキシル基に連結された末端αGal
pを有する分枝状五糖類骨格(2つのガラクトピラノース(Gal
p)、2つのガラクトフラノース(Gal
f)および1つのグルコピラノース(Glc
p))からなる(Lemercinierら(2006)、Carbohydrate Research 341(1):68~74)。骨格3-β-Gal
f残基のC2ヒドロキシル基がO-アセチル化されていることが文献中で報告されている。
【0122】
血清型33F多糖を、当業者には公知の単離手順を用いて細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号、ならびにWO2008/118752に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを用いて生産することができる。
【0123】
血清型33Fのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)株を、確立された培養株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0124】
血清型33Fからの精製された多糖を活性化(例えば、化学的に活性化)して、それらが反応できるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明のグリココンジュゲート中に組み込むことができる。
【0125】
ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)溶解物からの血清型33F多糖の精製により得られる単離された血清型33F莢膜多糖および場合により、精製された多糖のサイジングを、例えば、分子量および前記血清型33F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMを含む、様々なパラメータにより特徴付けることができる。
【0126】
いくつかの実施形態においては、コンジュゲーション前のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fからの精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~1,750kDa;50kDa~15,00kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~7500kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の全ての整数は本開示の実施形態と企図される。
【0127】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけてもよい。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップの後、コンジュゲーションの前(例えば、活性化の前)の精製された多糖を指す。
【0128】
精製された、単離された、もしくは活性化された血清型33F莢膜多糖中、または血清型33F多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0129】
好ましい実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fからの精製された多糖は、前記血清型33F莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0130】
1.3 本発明のグリココンジュゲート
精製された糖類は、担体タンパク質と反応することができる糖類(すなわち、活性化された糖類)を作製するために化学的に活性化される。一度活性化されたら、それぞれの莢膜糖類は、担体タンパク質に別々にコンジュゲートされて、グリココンジュゲートを形成する。一実施形態においては、それぞれの莢膜糖類は、同じ担体タンパク質にコンジュゲートされている。糖類の化学的活性化およびその後の担体タンパク質へのコンジュゲーションは、本明細書に開示される活性化およびコンジュゲーションの方法によって達成することができる。
【0131】
1.3.1 ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲート
ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来する莢膜多糖は、当業者には公知の標準的な技術により調製される(例えば、WO2006/110381、WO2008/118752、WO2006/110352、ならびに米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2008/0102498号、および第2008/0286838号を参照されたい)。
【0132】
1つの実施形態において、多糖を、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて活性化して、シアン酸エステルを形成させる。次いで、活性化された多糖を、担体タンパク質(好ましくは、CRM197)上のアミノ基に、直接、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングさせる。例えば、スペーサーをシスタミンまたはシステアミンとして、チオール化された多糖を得てもよく、このチオール化された多糖は、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、N-[γ-マレイミドブチリルオキシ]スクシンイミドエステル(GMBS)を用いる)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、N-スクシンイミジルブロモアセテート(SBA;SIB)、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸(SIAB)、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸(スルホ-SIAB)、N-スクシンイミジルヨードアセテート(SIA)もしくはスクシンイミジル3-[ブロモアセトアミド]プロピオン酸(SBAP))との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができる。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学反応により作製されていてもよい)を、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングし、アミノ誘導体化糖類を、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学反応を用いて担体タンパク質(例えば、CRM197)にコンジュゲートする。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0133】
コンジュゲーションのための他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S--NHS、EDC、TSTUを用いる。多くは、国際特許出願公開第WO98/42721号に記載されている。コンジュゲーションはカルボニルリンカーを伴ってもよく、これは、糖類の遊離ヒドロキシル基と1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)との反応(Bethellら(1979)、J.Biol.Chern.254:2572~2574;Hearnら(1981)、J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、およびそれに続く、カルバメート結合を形成させるためのタンパク質との反応により形成され得る。これは、アノマー末端の一次ヒドロキシル基への還元、場合により、一次ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための一次ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体とタンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0134】
好ましい実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来する少なくとも1つの莢膜多糖を、還元的アミノ化(米国特許出願公開第2006/0228380号、第2007/0231340号、第2007/0184071号、および第2007/0184072号、WO2006/110381、WO2008/079653、およびWO2008/143709に記載のような)により担体タンパク質にコンジュゲートさせる。好ましい実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来する莢膜多糖を、還元的アミノ化により担体タンパク質に全てコンジュゲートさせる。
【0135】
還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)多糖の酸化、および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元を含む。酸化の前に、多糖を加水分解してもよい。機械的または化学的加水分解を用いることができる。化学的加水分解を、酢酸を用いて行うことができる。酸化ステップは、過ヨウ素酸塩との反応を含んでもよい。本発明の目的では、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO4
-)とオルト過ヨウ素酸塩(IO6
5-)の両方および過ヨウ素酸塩の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。
【0136】
1つの実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fまたは23Fに由来する莢膜多糖を、メタ過ヨウ素酸塩の存在下、好ましくは、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)の存在下で酸化させる。別の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来する莢膜多糖を、オルト過ヨウ素酸塩の存在下、好ましくは、過ヨウ素酸の存在下で酸化させる。
【0137】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書の以下では「活性化された多糖」と呼ばれる。活性化された多糖および担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。一実施形態においては、活性化された多糖および担体タンパク質は同時に凍結乾燥される。別の実施形態においては、活性化された多糖および担体タンパク質は独立に凍結乾燥される。
【0138】
一実施形態においては、凍結乾燥は、非還元糖の存在下で行われ、可能な非還元糖としては、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットが挙げられる。
【0139】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を用いた、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(いわゆる、還元的アミノ化)である。好適である還元剤としては、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどのシアノ水素化ホウ素、ボラン-ピリジン、または水素化ホウ素交換樹脂が挙げられる。一実施形態においては、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0140】
1つの実施形態において、還元反応は、水性溶媒中で実行され、別の実施形態においては、反応は非プロトン性溶媒中で実行される。1つの実施形態において、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を用いて、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を復元させることができる。
【0141】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを好適なキャッピング剤を用いてキャップすることができる。一実施形態においては、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)である。コンジュゲーション(還元反応および場合により、キャッピング)の後、グリココンジュゲートを精製することができる。グリココンジュゲートを、透析濾過および/またはイオン交換クロマトグラフィーおよび/またはサイズ排除クロマトグラフィーにより精製することができる。1つの実施形態において、グリココンジュゲートは透析濾過またはイオン交換クロマトグラフィーまたはサイズ排除クロマトグラフィーにより精製される。一実施形態においては、グリココンジュゲートは滅菌濾過される。
【0142】
いくつかの実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型9Vおよび/または18Cに由来するグリココンジュゲートは、10%~100%、20%~100%、30%~100%、40%~100%、50%~100%、60%~100%、70%~100%、75%~100%、80%~100%、90%~100%、50%~90%、60%~90%、70%~90%または80%~90%のO-アセチル化度を有する糖類を含む。他の実施形態においては、O-アセチル化度は、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、もしくは90%以上、または約100%である。
【0143】
いくつかの実施形態においては、本発明のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型9Vおよび/または18Cに由来するグリココンジュゲートは、O-アセチル化されている。いくつかの実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型9Vに由来するグリココンジュゲートはO-アセチル化されており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲートは、脱-O-アセチル化されている。
【0144】
1.3.2 ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲート
1つの実施形態において、血清型22Fグリココンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることにより得られる。活性化された多糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングさせることができる。例えば、スペーサーをシスタミンまたはシステアミンとして、チオール化された多糖を得てもよく、このチオール化された多糖は、マレイミド-活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを用いる)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを用いる)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができる。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学反応により作製されていてもよい)を、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングし、アミノ誘導体化された糖類を、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学反応を用いて担体タンパク質にコンジュゲートさせる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0145】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S--NHS、EDC、TSTUを用いる。多くは、国際特許出願公開第WO98/42721号に記載されている。コンジュゲーションはカルボニルリンカーを伴ってもよく、これは、糖類の遊離ヒドロキシル基とCDIとの反応(Bethellら(1979)、J.Biol.Chern.254:2572~2574;Hearnら(1981)、J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、およびそれに続く、カルバメート結合を形成させるためのタンパク質との反応により形成され得る。これは、アノマー末端の一次ヒドロキシル基への還元、場合により、一次ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための一次ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体とタンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0146】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型22Fグリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の六糖類単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化、および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質(例えば、CRM197)の還元を含む。
【0147】
好ましくは、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型22F多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型22F多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保持しながら減少させる。好ましくは、精製された血清型22F多糖のサイズを、機械的均一化により減少させる(上記のセクション1.2.7を参照されたい)。
【0148】
1つの実施形態において、血清型多糖は、
(a)単離された血清型22F多糖を、酸化剤と反応させるステップ;ならびに
(b)クエンチング剤の添加により酸化反応をクエンチして、活性化された血清型22F多糖を得るステップ
を含むプロセスにより活性化(酸化)する。
【0149】
好ましい実施形態においては、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的では、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO4
-)とオルト過ヨウ素酸塩(IO6
5-)の両方および過ヨウ素酸塩の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。好ましい実施形態においては、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。好ましい実施形態においては、血清型22F多糖の酸化に用いられる過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。好ましい実施形態においては、血清型22F多糖の酸化に用いられる過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0150】
一実施形態においては、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【0151】
一実施形態においては、クエンチング剤は、式(I):
【0152】
【化1】
(式中、R
1は、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)の1,2-アミノアルコールである。
【0153】
一実施形態においては、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【0154】
一実施形態においては、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態においては、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【0155】
一実施形態においては、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【0156】
一実施形態においては、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2つの隣接する炭素原子に共有的に連結された2つのヒドロキシル基を含む化合物である。
【0157】
好ましくは、クエンチング剤は、式(II):
【0158】
【化2】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)の化合物である。
【0159】
好ましい実施形態においては、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールもしくはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。好ましい実施形態においては、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【0160】
好ましい実施形態においては、単離された血清型22F多糖は、
(a)単離された血清型22F多糖を過ヨウ素酸塩と反応させるステップ;ならびに
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加により酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型22F多糖を得るステップ
を含むプロセスにより活性化する。
【0161】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書の以下では「活性化された多糖」と呼ばれる。
【0162】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型22F多糖は精製される。活性化された血清型22F多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者には公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された22F多糖は、限外濾過装置を用いる濃縮および透析濾過により精製される。
【0163】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型22F多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。好ましい実施形態においては、活性化された血清型22F多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【0164】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型22F多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。1つの実施形態において、活性化された血清型22F多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。1つの実施形態において、活性化された血清型22F多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。好ましい実施形態において、活性化された血清型22F多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。好ましい実施形態において、活性化された血清型22F多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【0165】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型22F多糖は、血清型22F多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、活性化された血清型22F多糖は、血清型22F多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6もしくは0.7mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、活性化された血清型22F多糖は、血清型22F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、活性化された血清型22F多糖は、血清型22F多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0166】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型22F多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型22F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0167】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型22F多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型22F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0168】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【0169】
1つの実施形態において、活性化された血清型22F多糖を、場合により、糖類の存在下で凍結乾燥する。好ましい実施形態においては、糖類は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。好ましい実施形態においては、糖類はスクロースである。一実施形態においては、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【0170】
別の実施形態においては、活性化された多糖および担体タンパク質を同時に凍結乾燥する。そのような実施形態においては、活性化された血清型22F多糖を、担体タンパク質と混合し、場合により、糖類の存在下で凍結乾燥する。好ましい実施形態においては、糖類は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。好ましい実施形態においては、糖類はスクロースである。次いで、同時に凍結乾燥された多糖および担体タンパク質を、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0171】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を用いて、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【0172】
活性化された血清型22F多糖は、
(c)活性化された血清型22F多糖を担体タンパク質と混合するステップ;ならびに
(d)混合された活性化された血清型22F多糖および担体タンパク質を、還元剤と反応させて、血清型22F多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって担体タンパク質にコンジュゲートさせることができる。
【0173】
1つの実施形態において、還元反応を水性溶媒中で実行する。別の実施形態においては、反応を非プロトン性溶媒中で実行する。1つの実施形態において、還元反応を、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行する。DMSOまたはDMF溶媒を用いて、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を復元させることができる。
【0174】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型22F多糖とタンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルを有意に低下させ得る水性相における還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、好ましい実施形態においては、ステップ(c)およびステップ(d)を、DMSO中で実行する。
【0175】
1つの実施形態において、還元剤は、BronstedまたはLewis酸の存在下のシアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。好ましい実施形態においては、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0176】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基が存在してもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を用いてキャップすることができる。一実施形態においては、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)である。
【0177】
担体タンパク質への血清型22F多糖のコンジュゲーション後、グリココンジュゲートを、当業者には公知の様々な技術により精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【0178】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型22Fグリココンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖類を含む。他のそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態においては、糖類は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態においては、糖類は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態においては、糖類は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態においては、糖類は、100kDa~1,000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。いくつかのそのような実施形態においては、血清型22Fグリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。
【0179】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型22Fグリココンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型22Fグリココンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型22Fグリココンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態においては、血清型22Fグリココンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型22Fグリココンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0180】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型22Fグリココンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【0181】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型22Fグリココンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDa;または6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【0182】
グリココンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSにより測定される。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0183】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型22Fグリココンジュゲートは、血清型22F多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型22F多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型22F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型22F多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0184】
好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95である。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0185】
好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95である。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型22F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0186】
本発明の血清型22Fグリココンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖類にコンジュゲートされる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン改変の証拠を、当業者には公知の日常的な方法を用いるアミノ酸分析により得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために用いられるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基の数の減少をもたらす。好ましい実施形態においては、本発明の血清型22Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。1つの実施形態において、本発明の血清型22Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。好ましい実施形態においては、本発明の血清型22Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0187】
本発明の血清型22Fグリココンジュゲートを、糖類の担体タンパク質に対する比(重量/重量)により特徴付けることもできる。いくつかの実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型22F多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。好ましい実施形態においては、コンジュゲート中の血清型22F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0188】
本発明の血清型22Fグリココンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされないが、それにも拘わらず、グリココンジュゲート組成物中に存在する遊離糖類を含有してもよい。遊離糖類を、グリココンジュゲートと非共有的に会合させる(すなわち、非共有的に結合させる、吸着させる、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉させる)ことができる。
【0189】
好ましい実施形態においては、血清型22Fグリココンジュゲートは、血清型22F多糖の総量と比較して約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型22F多糖を含む。好ましい実施形態においては、血清型22Fグリココンジュゲートは、血清型22F多糖の総量と比較して約40%未満の遊離血清型22F多糖を含む。好ましい実施形態においては、血清型22Fグリココンジュゲートは、血清型22F多糖の総量と比較して約25%未満の遊離血清型22F多糖を含む。好ましい実施形態においては、血清型22Fグリココンジュゲートは、血清型22F多糖の総量と比較して約20%未満の遊離血清型22F多糖を含む。好ましい実施形態においては、血清型22Fグリココンジュゲートは、血清型22F多糖の総量と比較して約15%未満の遊離血清型22F多糖を含む。
【0190】
血清型22Fグリココンジュゲートを、その分子サイズ分布(Kd)により特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を用いて、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイルするための重力送りカラム中で用いられる。媒体中の小孔から排除される高分子は低分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を用いて、カラム溶出液を収集する。画分を、糖類アッセイにより比色的に試験する。Kdの決定のために、カラムを較正して、分子が完全に排除される画分(V0)、(Kd=0)、最大保持を表す画分(Vi)、(Kd=1)を確立する。特定の試料属性に達する画分(Ve)は、Kd=(Ve-V0)/(Vi-V0)の式によりKdと関連する。
【0191】
好ましい実施形態においては、少なくとも30%の血清型22Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも40%のグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%の血清型22Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも60%の血清型22Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、50%~80%の血清型22Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、65%~80%の血清型22Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0192】
1.3.3 ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲート
1つの実施形態において、血清型33Fグリココンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることにより得られる。活性化された多糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングさせることができる。例えば、スペーサーをシスタミンまたはシステアミンとして、チオール化された多糖を得てもよく、このチオール化された多糖は、マレイミド-活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを用いる)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを用いる)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができる。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学反応により作製されていてもよい)を、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングし、アミノ誘導体化された糖類を、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学反応を用いて担体タンパク質にコンジュゲートさせる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0193】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S--NHS、EDC、TSTUを用いる。多くは、国際特許出願公開第WO98/42721号に記載されている。コンジュゲーションはカルボニルリンカーを伴ってもよく、これは、糖類の遊離ヒドロキシル基とCDIとの反応(Bethellら(1979)、J.Biol.Chern.254:2572~2574;Hearnら(1981)、J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、およびそれに続く、カルバメート結合を形成させるためのタンパク質との反応により形成され得る。これは、アノマー末端の一次ヒドロキシル基への還元、場合により、一次ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための一次ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体とタンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0194】
ある特定の実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。そのような実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートを、水性相中での還元的アミノ化(RAC/水性)を用いて調製することができる。水性相中での還元的アミノ化は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンを生産するために適用され、成功を収めてきた(例えば、WO2006/110381を参照されたい)。しかし、好ましくは、還元的アミノ化を用いる場合、血清型33Fグリココンジュゲートは、DMSO中での還元的アミノ化(RAC/DMSO)により調製される。RAC/水性プロセスを用いてO-アセチル官能基を保持することに関連する課題を考慮すれば、DMSO中での還元的アミノ化が好ましい。RAC/DMSOは、肺炎球菌コンジュゲートワクチンを生産するために適用され、成功を収めてきた(例えば、WO2006/110381を参照されたい)。
【0195】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートは、実施例1、2および3ならびにWO2014/027302に記載のような、eTECコンジュゲーション(以後、「血清型33F eTEC結合されたグリココンジュゲート」)を用いて調製される。前記33Fグリココンジュゲートは、1つまたは複数のeTECスペーサーを介して担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされた糖類を含み、糖類はカルバメート結合を介してeTECスペーサーに共有的にコンジュゲートされ、担体タンパク質はアミド結合を介してeTECスペーサーに共有的にコンジュゲートされている。本発明のeTEC結合されたグリココンジュゲートを、一般式(III):
【0196】
【化3】
(式中、eTECスペーサーを構成する原子は、中央の箱に含まれる)により表すことができる。
【0197】
eTECスペーサーは、7つの直鎖状原子(すなわち、-C(O)NH(CH2)2SCH2C(O)-)を含み、糖類と担体タンパク質との安定なチオエーテルおよびアミド結合を提供する。eTEC結合されたグリココンジュゲートの合成は、糖類の活性化ヒドロキシル基と、チオアルキルアミン試薬、例えば、シスタミンもしくはシステインアミンまたはその塩のアミノ基との反応を含み、糖類とのカルバメート結合を形成して、チオール化された糖類を生ずる。1つまたは複数の遊離スルフヒドリル基の生成は、活性化されたチオール化された糖類を得るための還元剤との反応により達成される。活性化されたチオール化された糖類の遊離スルフヒドリル基と、アミン含有残基上に1つまたは複数のα-ハロアセトアミド基を有する活性化された担体タンパク質との反応は、チオエーテル結合を生成してコンジュゲートを形成し、ここで、担体タンパク質はアミド結合によりeTECスペーサーに結合される。
【0198】
本発明の血清型33Fグリココンジュゲートにおいて、糖類は、多糖またはオリゴ糖類であってもよい。担体タンパク質を、本明細書に記載の、または当業者には公知の任意の好適な担体から選択することができる。よくある実施形態においては、糖類は多糖である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。いくつかのそのような実施形態においては、eTEC結合されたグリココンジュゲートは、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33F莢膜多糖を含む。
【0199】
特に好ましい実施形態においては、eTEC結合されたグリココンジュゲートは、eTECスペーサーを介してCRM197に共有的にコンジュゲートされているPn-33F莢膜多糖を含む(血清型33F eTEC結合されたグリココンジュゲート)。
【0200】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖類を含む。他のそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0201】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートは、50kDa~20,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型33Fグリココンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型33Fグリココンジュゲートは、200kDa~10,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態においては、血清型33Fグリココンジュゲートは、1,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0202】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;2,000kDa~3,000kDa;3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~12,500kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~9,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;3,000kDa~7,000kDa;3,000kDa~6,000kDa;3,000kDa~5,000kDa;または3,000kDa~4,000kDaの分子量を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0203】
本発明の血清型33Fグリココンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖類にコンジュゲートされる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。
【0204】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~20、4~16、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。1つの実施形態において、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19または約20である。好ましい実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~16である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0205】
好ましい実施形態においては、担体タンパク質は、39個のリシン残基を含むCRM197を含む。いくつかのそのような実施形態においては、CRM197は、糖類に共有的に連結された39個のうちの4~16個のリシン残基を含んでもよい。このパラメータを表現するための別の方法は、約10%~約41%のCRM197リシンが糖類に共有的に連結されることである。別のそのような実施形態においては、CRM197は、糖類に共有的に連結された39個のうちの2~20個のリシン残基を含んでもよい。このパラメータを表現するための別の方法は、約5%~約50%のCRM197リシンが糖類に共有的に連結されることである。いくつかの実施形態においては、CRM197は、糖類に共有的に連結された39個のうちの約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、または約16個のリシン残基を含んでもよい。
【0206】
よくある実施形態においては、担体タンパク質は、担体タンパク質上のリシン残基の1つまたは複数のε-アミノ基へのアミド結合を介してeTECスペーサーに共有的にコンジュゲートされている。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質は、糖類に共有的にコンジュゲートされた2~20個のリシン残基を含む。他のそのような実施形態においては、担体タンパク質は、糖類に共有的にコンジュゲートされた4~16個のリシン残基を含む。
【0207】
本発明の血清型33Fグリココンジュゲートを、糖類の担体タンパク質に対する比(重量/重量)により特徴付けることもできる。いくつかの実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は0.2~4.0(例えば、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、または約4.0)である。他の実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は1.0~2.5である。さらなる実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は0.4~1.7である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0208】
担体タンパク質上のリシンへの糖類鎖の結合の頻度は、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートを特徴付けるための別のパラメータである。例えば、いくつかの実施形態においては、担体タンパク質と多糖との間の少なくとも1つの共有結合は、多糖の4個の糖類反復単位ごとに存在する。別の実施形態においては、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の10個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。別の実施形態においては、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の15個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。さらなる実施形態においては、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の25個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。
【0209】
よくある実施形態においては、担体タンパク質はCRM197であり、CRM197と多糖との間のeTECスペーサーを介する共有結合は、多糖の4、10、15または25個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。
【0210】
他の実施形態においては、コンジュゲートは、5~10個の糖類反復単位ごと;2~7個の糖類反復単位ごと;3~8個の糖類反復単位ごと;4~9個の糖類反復単位ごと;6~11個の糖類反復単位ごと;7~12個の糖類反復単位ごと;8~13個の糖類反復単位ごと;9~14個の糖類反復単位ごと;10~15個の糖類反復単位ごと;2~6個の糖類反復単位ごと;3~7個の糖類反復単位ごと;4~8個の糖類反復単位ごと;6~10個の糖類反復単位ごと;7~11個の糖類反復単位ごと;8~12個の糖類反復単位ごと;9~13個の糖類反復単位ごと;10~14個の糖類反復単位ごと;10~20個の糖類反復単位ごと;4~25個の糖類反復単位ごとまたは2~25個の糖類反復単位ごとに担体タンパク質と糖類との間に少なくとも1つの共有結合を含む。よくある実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0211】
別の実施形態においては、担体タンパク質と糖類との間の少なくとも1つの結合は、多糖の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25個の糖類反復単位ごとに存在する。1つの実施形態において、担体タンパク質はCRM197である。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0212】
コンジュゲーション中に考慮する重要な点は、糖類エピトープの一部を形成し得るO-アシル、リン酸またはグリセロールリン酸側鎖などの個々の成分の潜在的に感受性の非糖類置換官能基の保持を可能にする条件の開発である。
【0213】
一実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートは、10%~100%のO-アセチル化度を有する糖類を含む。いくつかのそのような実施形態においては、糖類は、50%~100%のO-アセチル化度を有する。
【0214】
他のそのような実施形態においては、糖類は、75%~100%のO-アセチル化度を有する。さらなる実施形態においては、糖類は、70%より高いか、またはそれと等しい(70%以上)のO-アセチル化度を有する。
【0215】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートは、血清型33F莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型33F莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型33F莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型33F莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析により決定される。
【0216】
好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95である。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0217】
好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95である。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲート中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型33F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0218】
本発明の血清型33Fグリココンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされないが、それにも拘わらず、グリココンジュゲート組成物中に存在する遊離糖類を含有してもよい。遊離糖類を、グリココンジュゲートと非共有的に会合させる(すなわち、非共有的に結合させる、吸着させる、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉させる)ことができる。
【0219】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型33Fグリココンジュゲートは、血清型33F多糖の総量と比較して約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%または5%未満の遊離血清型33F多糖を含む。好ましくは、血清型33Fグリココンジュゲートは、15%未満の遊離糖類、より好ましくは、10%未満の遊離糖類、さらにより好ましくは、5%未満の遊離糖類を含む。好ましい実施形態においては、血清型33Fグリココンジュゲートは、血清型33F多糖の総量と比較して約25%未満の遊離血清型33F多糖を含む。好ましい実施形態においては、血清型33Fグリココンジュゲートは、血清型33F多糖の総量と比較して約20%未満の遊離血清型33F多糖を含む。好ましい実施形態においては、血清型33Fグリココンジュゲートは、血清型33F多糖の総量と比較して約15%未満の遊離血清型33F多糖を含む。
【0220】
ある特定の好ましい実施形態においては、本発明は、1つまたは複数の以下の特徴を、単独で、または組み合わせて有する血清型33Fグリココンジュゲートを提供する:多糖が50kDa~2,000kDaの分子量を有する;グリココンジュゲートが500kDa~10,000kDaの分子量を有する;担体タンパク質が糖類に共有的に連結された2~20個のリシン残基を含む;糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.2~4.0である;グリココンジュゲートが多糖の4、10、15または25個の糖類反復単位ごとに少なくとも1個の担体タンパク質と多糖との間の共有結合を含む;糖類が75%~100%のO-アセチル化度を有する;コンジュゲートが全多糖に対して約15%未満の遊離多糖を含む;担体タンパク質がCRM197である。
【0221】
血清型33Fグリココンジュゲートを、その分子サイズ分布(Kd)により特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を用いて、上記のように、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。1つの実施形態において、少なくとも15%の本発明の血清型33Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。1つの実施形態において、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%または90%の本発明の血清型33Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0222】
好ましい実施形態においては、少なくとも35%の本発明の血清型33Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%または85%の本発明の血清型33Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも60%の本発明の血清型33Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも70%の本発明の血清型33Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0223】
好ましい実施形態においては、40%~90%の血清型33Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、50%~90%の血清型33Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、65%~80%の血清型33Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0224】
1.3.4 ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来するグリココンジュゲート
1つの実施形態において、血清型15Bグリココンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることにより得られる。活性化された多糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングさせることができる。例えば、スペーサーをシスタミンまたはシステアミンとして、チオール化された多糖を得てもよく、このチオール化された多糖は、マレイミド-活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを用いる)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを用いる)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができる。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学反応により作製されていてもよい)を、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングし、アミノ誘導体化された糖類を、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学反応を用いて担体タンパク質にコンジュゲートさせる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0225】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S--NHS、EDC、TSTUを用いる。多くは、国際特許出願公開第WO98/42721号に記載されている。コンジュゲーションはカルボニルリンカーを伴ってもよく、これは、糖類の遊離ヒドロキシル基とCDIとの反応(Bethellら(1979)、J.Biol.Chern.254:2572~2574;Hearnら(1981)、J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、およびそれに続く、カルバメート結合を形成させるためのタンパク質との反応により形成され得る。これは、アノマー末端の一次ヒドロキシル基への還元、場合により、一次ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための一次ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体とタンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0226】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の六糖類単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化、および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元を含む。
【0227】
好ましくは、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型15B多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型15B多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保持しながら減少させる。好ましくは、精製された血清型15B多糖のサイズを、機械的均一化により減少させる(上記のセクション1.2.6を参照されたい)。
【0228】
酸化ステップは、過ヨウ素酸塩との反応を含んでもよい。本発明の目的では、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO4
-)とオルト過ヨウ素酸塩(IO6
5-)の両方および過ヨウ素酸塩の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。好ましい実施形態においては、血清型15B莢膜多糖の酸化に用いられる過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。好ましい実施形態においては、血清型15B莢膜多糖の酸化に用いられる過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0229】
好ましい実施形態においては、多糖を、0.01~10.0、0.05~5.0、0.1~1.0、0.5~1.0、0.7~0.8、0.05~0.5、0.1~0.3モル当量の酸化剤と反応させる。好ましい実施形態においては、多糖を、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95モル当量の酸化剤と反応させる。好ましい実施形態においては、多糖を、約0.15モル当量の酸化剤と反応させる。好ましい実施形態においては、多糖を、約0.25モル当量の酸化剤と反応させる。好ましい実施形態においては、多糖を、約0.5モル当量の酸化剤と反応させる。好ましい実施形態においては、多糖を、約0.6モル当量の酸化剤と反応させる。好ましい実施形態においては、多糖を、約0.7モル当量の酸化剤と反応させる。
【0230】
好ましい実施形態においては、反応の持続時間は、1時間~50時間、10時間~30時間、15時間~20時間、15時間~17時間または約16時間である。
【0231】
好ましい実施形態においては、反応の温度を、15℃~45℃、15℃~30℃、20℃~25℃に維持する。好ましい実施形態においては、反応の温度を、約23℃に維持する。
【0232】
好ましい実施形態においては、酸化反応を、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)またはBis-Trisから選択される緩衝液中で実行する。好ましい実施形態においては、緩衝液はリン酸カリウムである。
【0233】
好ましい実施形態においては、緩衝液は1mM~500mM、1mM~300mM、または50mM~200mMの濃度を有する。好ましい実施形態においては、緩衝液は約100mMの濃度を有する。
【0234】
好ましい実施形態においては、酸化反応を、4.0~8.0、5.0~7.0、または5.5~6.5のpHで実行する。好ましい実施形態においては、pHは約6.0である。
【0235】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、0.5mg/mL~5mg/mLの単離された血清型15B莢膜多糖を、0.2~0.3モル当量の過ヨウ素酸塩と、20℃~25℃の温度で反応させることにより得る。
【0236】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖を精製する。活性化された血清型15B莢膜多糖を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの、当業者には公知の方法に従って精製する。例えば、活性化された莢膜多糖を、限外濾過装置を用いる濃縮および透析濾過により精製する。
【0237】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖の酸化度は、2~20、2~15、2~10、2~5、5~20、5~15、5~10、10~20、10~15、または15~20である。好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~12、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、または18~20である。
【0238】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、5kDa~500kDa、50kDa~500kDa、50kDa~450kDa、100kDa~400kDa、100kDa~350kDaの分子量を有する。好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有する。好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~300kDaの分子量を有する。好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有する。
【0239】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0240】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0241】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0242】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0243】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0244】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0245】
1つの実施形態において、活性化された血清型15B莢膜多糖は、場合により、糖類の存在下で凍結乾燥される。好ましい実施形態においては、糖類は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。好ましい実施形態においては、糖類はスクロースである。次いで、凍結乾燥された活性化された莢膜多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合することができる。
【0246】
別の実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖を、担体タンパク質と混合し、場合により、糖類の存在下で凍結乾燥する。好ましい実施形態においては、糖類は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。好ましい実施形態においては、糖類はスクロースである。次いで、同時に凍結乾燥された多糖および担体タンパク質を、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0247】
活性化された血清型15B莢膜多糖は、
(a)活性化された血清型15B莢膜多糖を担体タンパク質と混合するステップ、ならびに
(b)混合された活性化された血清型15B莢膜多糖および担体タンパク質を還元剤と反応させて、血清型15B莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスにより担体タンパク質にコンジュゲートさせることができる。
【0248】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型15B莢膜多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低い水性溶液中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。好ましい実施形態においては、ステップ(a)およびステップ(b)を、DMSO中で実行する。
【0249】
好ましい実施形態においては、ステップ(a)は、担体タンパク質とDMSOとを含む溶液中に凍結乾燥された血清型15B莢膜多糖を溶解させることを含む。好ましい実施形態においては、ステップ(a)は、DMSO中に同時に凍結乾燥された血清型15B莢膜多糖および担体タンパク質を溶解させることを含む。
【0250】
ステップ(a)および(b)を水性溶液中で実行する場合、ステップ(a)および(b)は、好ましくは、PBS、MES、HEPES、Bis-tris、ADA、PIPES、MOPSO、BES、MOPS、DIPSO、MOBS、HEPPSO、POPSO、TEA、EPPS、ビシンまたはHEPBから選択される緩衝液中、6.0~8.5、7.0~8.0または7.0~7.5のpHで実行される。好ましい実施形態においては、緩衝液はPBSである。好ましい実施形態においては、pHは約7.3である。好ましい実施形態においては、ステップ(b)における活性化された血清型15B莢膜多糖の濃度は、0.1mg/mL~10mg/mL、0.5mg/mL~5mg/mL、または0.5mg/mL~2mg/mLである。好ましい実施形態においては、ステップ(b)における活性化された血清型15B莢膜多糖の濃度は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9または3.0mg/mLである。
【0251】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する初期入力比(重量/重量)は、5:1~0.1:1、2:1~0.1:1、2:1~1:1、1.5:1~1:1、0.1:1~1:1、0.3:1~1:1、または0.6:1~1:1である。
【0252】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.6:1~1:1である。別の好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.6:1~1.5:1である。そのような初期入力比は、グリココンジュゲート中の低レベルの遊離多糖を得るのに特に好適である。
【0253】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1または2:1である。
【0254】
1つの実施形態においては、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。好ましい実施形態においては、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。好ましい実施形態においては、還元剤は、2-ピコリンボランナトリウムである。
【0255】
好ましい実施形態においては、ステップ(b)において用いられる還元剤の量は、約0.1~10.0モル当量、0.5~5.0モル当量、または1.0~2.0モル当量である。好ましい実施形態においては、ステップ(b)において用いられる還元剤の量は、約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0モル当量である。
【0256】
好ましい実施形態においては、ステップ(b)の持続時間は、1時間~60時間、10時間~50時間、40時間~50時間、または42時間~46時間である。好ましい実施形態においては、ステップ(b)の持続時間は、約44時間である。
【0257】
好ましい実施形態においては、ステップ(b)における反応温度は、10℃~40℃、15℃~30℃または20℃~26℃に維持される。好ましい実施形態においては、ステップ(b)における反応温度は、約23℃に維持される。
【0258】
好ましい実施形態においては、担体タンパク質に共有的に連結されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖を含むグリココンジュゲートの調製のためのプロセスは、NaBH4の添加により未反応のアルデヒドをキャップする(クエンチする)ステップ(ステップ(c))をさらに含む。
【0259】
好ましい実施形態においては、ステップ(c)で用いられるNaBH4の量は、0.1~10モル当量、0.5~5.0モル当量または1.0~3.0モル当量である。好ましい実施形態においては、ステップ(c)で用いられるNaBH4の量は、約2.0モル当量である。
【0260】
好ましい実施形態においては、ステップ(c)の持続時間は、0.1時間~10時間、0.5時間~5時間、または2時間~4時間である。好ましい実施形態においては、ステップ(c)の持続時間は、約3時間である。
【0261】
好ましい実施形態においては、ステップ(c)における反応温度は、15℃~45℃、15℃~30℃または20℃~26℃に維持される。好ましい実施形態においては、ステップ(c)における反応温度は、約23℃に維持される。
【0262】
好ましい実施形態においては、コンジュゲーションステップの収率は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%より高い。好ましい実施形態においては、コンジュゲーションステップ(ステップb)の収率は、60%より高い。好ましい実施形態においては、コンジュゲーションステップ(ステップb)の収率は、70%より高い。収率は、コンジュゲート中の血清型15B多糖の量x100/コンジュゲーションステップにおいて用いられる活性化された多糖の量である。
【0263】
好ましい実施形態においては、担体タンパク質に共有的に連結されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖を含むグリココンジュゲートの調製のためのプロセスは、
(a)高圧均一化により精製された血清型15B多糖をサイジングするステップ;
(b)サイジングされた血清型15B多糖を酸化剤と反応させるステップ;
(c)活性化された血清型15B多糖を担体タンパク質と混合するステップ;
(d)混合された活性化された血清型15B多糖および担体タンパク質を、還元剤と反応させて、血清型15B多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ;ならびに
(e)NaBH4の添加により未反応のアルデヒドをキャップする(クエンチする)ステップ
を含む。
【0264】
好ましい実施形態においては、上記のプロセスのコンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%より高い。好ましい実施形態においては、コンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、60%より高い。好ましい実施形態においては、コンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、70%より高い。収率は、コンジュゲート中の血清型15B多糖の量x100/コンジュゲーションステップにおいて用いられる活性化された多糖の量である。
【0265】
担体タンパク質への血清型15B莢膜多糖のコンジュゲーション後、多糖-タンパク質コンジュゲートを、当業者には公知の様々な技術により精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過、沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【0266】
1つの実施形態において、担体タンパク質は、セクション1.1で定義されている。1つの実施形態において、担体タンパク質は、DT(ジフテリア毒素)、TT(破傷風毒素)、CRM197、他のDT変異体、PD(ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)タンパク質D)、またはその免疫学的に機能的な等価物からなる群において選択される。1つの実施形態において、担体タンパク質はCRM197である。
【0267】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、担体タンパク質(例えば、CRM197)にコンジュゲートされ、5kDa~1,500kDaの分子量を有する糖類を含む。他のそのような実施形態においては、糖類は、10kDa~1,500kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;50kDa~250kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;100kDa~250kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDa;または200kDa~400kDaの分子量を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。いくつかの実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、50kDa~20,000kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、1,000kDa~20,000kDaの分子量を有する。好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa、5,000kDa~10,000kDa、5,000kDa~20,000kDa、8,000kDa~20,000kDa、8,000kDa~16,000kDaまたは10,000kDa~16,000kDaの分子量を有する。
【0268】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、約1,000kDa、約1,500kDa、約2,000kDa、約2,500kDa、約3,000kDa、約3,500kDa、約4,000kDa、約4,500kDa、約5,000kDa、約5,500kDa、約6,000kDa、約6,500kDa、約7,000kDa、約7,500kDa、約8,000kDa、約8,500kDa、約9,000kDa、約9,500kDa、約10,000kDa、約10,500kDa、約11,000kDa、約11,500kDa、約12,000kDa、約12,500kDa、約13,000kDa、約13,500kDa、約14,000kDa、約14,500kDa、約15,000kDa、約15,500kDa、約16,000kDa、約16,500kDa、約17,000kDa、約17,500kDa、約18,000kDa、約18,500kDa、約19,000kDa、約19,500kDa、または約20,000kDaの分子量を有する。
【0269】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、1,000kDa~20,000kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~3,000kDa;2,000kDa~20,000kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0270】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;3,000kDa~4,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDa;または6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【0271】
グリココンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSにより測定される。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。1つの実施形態において、前記血清型15Bグリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。
【0272】
本発明の血清型15Bグリココンジュゲートを、糖類の担体タンパク質に対する比(重量/重量)により特徴付けることもできる。好ましい実施形態においては、コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。好ましい実施形態においては、コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.4~2である。好ましい実施形態においては、コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.5~1.0、1.0~1.5、1.0~2.0である。好ましい実施形態においては、コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.7~0.9である。
【0273】
本発明の血清型15Bグリココンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらずグリココンジュゲート組成物中に存在する遊離糖類を含有してもよい。遊離糖類を、グリココンジュゲートと非共有的に会合させる(すなわち、非共有的に結合させる、吸着させる、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉させる)ことができる。
【0274】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖の総量と比較して約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型15B莢膜多糖を含む。好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖の総量と比較して約25%未満の遊離血清型15B莢膜多糖を含む。好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖の総量と比較して約20%未満の遊離血清型15B莢膜多糖を含む。好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖の総量と比較して約15%未満の遊離血清型15B莢膜多糖を含む。
【0275】
血清型15Bグリココンジュゲートを、その分子サイズ分布(Kd)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を用いて、上記のように、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。好ましい実施形態においては、少なくとも20%の本発明の血清型15Bグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも30%の免疫原性コンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも40%の本発明の血清型15Bグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%の本発明の血清型15グリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも60%の本発明の血清型15Bグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも70%の本発明の血清型15Bグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0276】
好ましい実施形態においては、40%~90%の血清型15Bグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、50%~90%の血清型15Bグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、65%~80%の血清型15Bグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0277】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、O-アセチル基の存在を、イオン-HPLC分析により決定する。
【0278】
好ましい実施形態においては、血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95である。好ましい実施形態においては、血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。好ましい実施形態においては、血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。好ましい実施形態においては、O-アセチル基の存在を、イオン-HPLC分析により決定する。
【0279】
好ましい実施形態においては、血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95である。好ましい実施形態においては、血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。好ましい実施形態においては、血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。好ましい実施形態においては、O-アセチル基の存在を、イオン-HPLC分析により決定する。
【0280】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6、または0.7mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0281】
本発明の血清型15Bグリココンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖類にコンジュゲートされる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン改変に関する証拠を、当業者には公知の日常的な方法を用いるアミノ酸分析により得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために用いられるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基の数の減少をもたらす。
【0282】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。1つの実施形態において、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。好ましい実施形態においては、本発明の血清型15Bグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~5である。
【0283】
1.3.5 ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲート
本発明のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートにおいて、糖類は、多糖およびオリゴ糖類からなる群から選択され、担体タンパク質は、本明細書に記載の、または当業者には公知の任意の好適な担体から選択される。いくつかの好ましい実施形態においては、糖類は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来する多糖である。
【0284】
1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、CDAPを用いて調製される。多糖を、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて活性化して、シアン酸エステルを形成させる。次いで、活性化された多糖を、直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介して、担体タンパク質(好ましくは、CRM197)上のアミノ基にカップリングさせる。例えば、スペーサーをシスタミンまたはシステアミンとして、チオール化された多糖を得てもよく、このチオール化された多糖は、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを用いる)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAP)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができる。好ましくは、シアン酸エステル(場合により、CDAP化学反応により作製される)を、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングさせ、アミノ誘導体化された糖類を、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学反応を用いて担体タンパク質(例えば、CRM197)にコンジュゲートさせる。
【0285】
コンジュゲーションのための他の技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S--NHS、EDC、TSTUを用いる。多くは、国際特許出願公開第WO98/42721号に記載されている。コンジュゲーションはカルボニルリンカーを伴ってもよく、これは、糖類の遊離ヒドロキシル基とCDIとの反応(Bethellら(1979)、J.Biol.Chern.254:2572~2574;Hearnら(1981)、J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、およびそれに続く、カルバメート結合を形成させるためのタンパク質との反応により形成され得る。これは、アノマー末端の一次ヒドロキシル基への還元、場合により、一次ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための一次ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体とタンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0286】
1つの実施形態において、血清型12Fのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来する莢膜多糖を、還元的アミノ化により担体タンパク質にコンジュゲートさせる。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の六糖類単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化、および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された糖類および担体タンパク質の還元を含む。
【0287】
酸化の前に、血清型12F多糖を、場合により、加水分解(サイジング)する。機械的または化学的加水分解を用いることができる。化学的加水分解を、酢酸を用いて行うことができる。
【0288】
1つの実施形態において、酸化剤は過ヨウ素酸塩である。用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む(以下を参照されたい)。
【0289】
好ましい実施形態においては、酸化剤は、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)フリーラジカルおよび共酸化剤としてのN-クロロスクシンイミド(NCS)である。そのような実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートを、実施例7およびWO2014/097099に記載のように、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)フリーラジカルを用いて調製し、共酸化剤としてN-クロロスクシンイミド(NCS)を用いて糖類の第1級アルコールをアルデヒドに酸化する(以後、「TEMPO/NCS酸化」とする)。したがって、一態様においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、a)12F糖類を、水性溶媒中で2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)およびN-クロロスクシンイミド(NCS)と反応させて、活性化された糖類を生産するステップ;ならびにb)活性化された糖類を、1つまたは複数のアミン基を含む担体タンパク質と反応させるステップ(以後、「TEMPO/NCS-還元的アミノ化」とする)を含む方法により得ることができる。一態様においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、前記方法により得られる。1つの実施形態において、活性化された12F糖類の酸化度は、1~50、1~40、1~30、1~20、1~10、1~5、3~40、3~30、3~20、3~10、4~40、4~30、4~20、4~10、5~30、5~25、5~20、5~10、6~50、6~40、6~30、6~20、6~15、6~14、6~13、6~12、6~11、6~10、7~40、7~30、7~20、7~15、7~14、7~13、7~12、7~11、7~10、8~40、8~30、8~20、8~15、8~14、8~13、8~12、8~11、8~10、9~40、9~30、9~20、9~15、10~40、10~30、10~20、または10~15の範囲である。さらなる態様において、活性化された糖類の酸化度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40である。好ましくは、担体タンパク質はCRM197である。
【0290】
1つの実施形態において、ステップa)の前に、12F糖類を、100kDa~400kDaの範囲の分子量まで加水分解する。例えば、一態様において、分子量は、100kDa~350kDa、100kDa~300kDa、100kDa~250kDa、100kDa~200kDa、100kDa~150kDa、200kDa~400kDa、200kDa~350kDa、200kDa~300kDa、200kDa~250kDa、300kDa~400kDa、または300kDa~350kDaの範囲である。
【0291】
さらなる態様において、本方法は、ステップb)の前に活性化された多糖を精製するステップをさらに含む。さらなる態様において、本方法は、ステップb)の後に還元剤を添加するステップをさらに含む。一態様において、還元剤はNaCNBH3である。さらなる態様において、本方法は、NaCNBH3の添加後にNaBH4を添加するステップをさらに含む。さらなる態様において、本方法は、NaBH4の添加後に精製ステップを含む。
【0292】
別の態様において、本開示は、上記に開示された方法のいずれかにより生産されるまたは得ることができる、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートを提供する。例えば、一態様において、本開示は、a)糖類を、水性溶媒中で2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)およびN-クロロスクシンイミド(NCS)と反応させて、活性化された糖類を生産するステップ;ならびにb)活性化された糖類を、1つまたは複数のアミン基を含む担体タンパク質と反応させるステップを含む方法により生産されるまたは得ることができる、担体タンパク質にコンジュゲートされている糖類を含むストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートを提供する。
【0293】
一実施形態においては、本発明のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、約50kDa~約20,000kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、グリココンジュゲートは、約200kDa~約10,000kDaの分子量を有する。別の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、約500kDa~約5,000kDaの分子量を有する。一実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、約1,000kDa~約3,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、約600kDa~約2,800kDa;約700kDa~約2,700kDa;約1,000kDa~約2,000kDa;約1,800kDa~約2,500kDa;約1,100kDa~約2,200kDa;約1,900kDa~約2,700kDa;約1,200kDa~約2,400kDa;約1,700kDa~約2,600kDa;約1,300kDa~約2,600kDa;約1,600kDa~約3,000kDaの分子量を有する。
【0294】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型12Fグリココンジュゲートは、1,000kDa~20,000kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~3,000kDa;2,000kDa~20,000kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。いくつかのそのような実施形態においては、血清型12Fグリココンジュゲートは、TEMPO/NCS-還元的アミノ化により担体タンパク質にコンジュゲートされている。
【0295】
本発明の血清型12Fグリココンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖類にコンジュゲートされる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。
【0296】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型12Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~20、4~16、4~15、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。1つの実施形態において、本発明の血清型12Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19または約20である。
【0297】
糖類にコンジュゲートされている担体タンパク質中のリシン残基の数を、モル比として表すこともできる。例えば、CRM197の4~15個のリシン残基が糖類に共有的に連結されるグリココンジュゲートにおいては、グリココンジュゲート中のコンジュゲートしたリシン残基のCRM197に対するモル比は、約10:1~約40:1である。CRM197の2~20個のリシン残基が糖類に共有的に連結される免疫原性組成物において、グリココンジュゲート中のコンジュゲートしたリシンのCRM197に対するモル比は、約5:1~約50:1である。一実施形態においては、本発明のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲート中、コンジュゲートしたリシンの担体タンパク質に対するモル比は、約10:1~約25:1である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。いくつかの実施形態においては、CRM197は、糖類に共有的に連結される39個のうちの約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16リシン残基を含んでもよい。いくつかのそのような実施形態においては、血清型12Fグリココンジュゲートは、TEMPO/NCS-還元的アミノ化により担体タンパク質にコンジュゲートされている。
【0298】
一実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲート中で0.2~4.0(例えば、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、または約4.0)である。別の実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲート中で1.1~1.7である。他の実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.8(例えば、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7または約1.8)である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。いくつかのそのような実施形態においては、血清型12Fグリココンジュゲートは、TEMPO/NCS-還元的アミノ化により担体タンパク質にコンジュゲートされている。
【0299】
担体タンパク質上のリシンへの糖類鎖の結合の頻度は、本開示の血清型12Fグリココンジュゲートを特徴付けるための別のパラメータである。例えば、一実施形態においては、多糖の100個の糖類反復単位ごとに担体タンパク質と多糖との間の少なくとも1つの共有結合が存在する。一実施形態においては、多糖の50個の糖類反復単位ごとに担体タンパク質と多糖との間の少なくとも1つの共有結合が存在する。一実施形態においては、多糖の25個の糖類反復単位ごとに担体タンパク質と多糖との間の少なくとも1つの共有結合が存在する。別の実施形態においては、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の4個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。別の実施形態においては、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の10個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。さらなる実施形態においては、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の15個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。よくある実施形態においては、担体タンパク質はCRM197であり、CRM197と多糖との間の共有結合は、多糖の4、10、15または25個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。
【0300】
他の実施形態においては、コンジュゲートは、5~10個の糖類反復単位ごと;2~7個の糖類反復単位ごと;3~8個の糖類反復単位ごと;4~9個の糖類反復単位ごと;6~11個の糖類反復単位ごと;7~12個の糖類反復単位ごと;8~13個の糖類反復単位ごと;9~14個の糖類反復単位ごと;10~15個の糖類反復単位ごと;2~6個の糖類反復単位ごと;3~7個の糖類反復単位ごと;4~8個の糖類反復単位ごと;6~10個の糖類反復単位ごと;7~11個の糖類反復単位ごと;8~12個の糖類反復単位ごと;9~13個の糖類反復単位ごと;10~14個の糖類反復単位ごと;10~20個の糖類反復単位ごと;4~25個の糖類反復単位ごと、または2~25個の糖類反復単位ごとに担体タンパク質と糖類との間の少なくとも1個の共有結合を含む。よくある実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0301】
別の実施形態においては、CRM197と糖類との間の少なくとも1個の結合は、多糖の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25個の糖類反復単位ごとに存在する。いくつかのそのような実施形態においては、血清型12Fグリココンジュゲートは、TEMPO/NCS-還元的アミノ化により担体タンパク質にコンジュゲートされている。
【0302】
一実施形態においては、本発明のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、多糖の25個の糖類反復単位ごとに担体タンパク質と多糖との間に少なくとも1個の共有結合を含む。別の実施形態においては、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の4個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。別の実施形態においては、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の10個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。さらなる実施形態においては、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の15個の糖類反復単位ごとに少なくとも1回存在する。いくつかのそのような実施形態においては、血清型12Fグリココンジュゲートは、TEMPO/NCS-還元的アミノ化により担体タンパク質にコンジュゲートされている。
【0303】
本発明の血清型12Fグリココンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、グリココンジュゲート組成物中に存在する遊離糖類を含有してもよい。遊離糖類を、グリココンジュゲートと非共有的に会合させる(すなわち、非共有的に結合させる、吸着させる、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉させる)ことができる。
【0304】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型12Fグリココンジュゲートは、血清型12F多糖の総量と比較して約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%または5%未満の遊離血清型12F多糖を含む。一実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、血清型12F多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型12F多糖を含む。一実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、血清型12F多糖の総量と比較して約45%未満の遊離血清型12F多糖を含む。別の実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型12F多糖の総量と比較して約30%未満の遊離血清型12F多糖を含む。別の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、血清型12F多糖の総量と比較して約20%未満の遊離血清型12F多糖を含む。さらなる実施形態においては、グリココンジュゲートは、血清型12F多糖の総量と比較して約10%未満の遊離血清型12F多糖を含む。別の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、血清型12F多糖の総量と比較して約5%未満の遊離血清型12F多糖を含む。いくつかのそのような実施形態においては、血清型12Fグリココンジュゲートは、TEMPO/NCS-還元的アミノ化により担体タンパク質にコンジュゲートされている。
【0305】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型12Fグリココンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖類を含む。他のそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDa;または200kDa~400kDaの分子量を有する。いくつかのそのような実施形態においては、血清型12Fグリココンジュゲートは、TEMPO/NCS-還元的アミノ化により担体タンパク質にコンジュゲートされている。
【0306】
血清型12Fグリココンジュゲートを、その分子サイズ分布(Kd)により特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を用いて、上記のように、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。好ましい実施形態においては、少なくとも35%の本発明の血清型12Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%または85%の本発明の血清型12Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも60%の本発明の血清型12Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも70%の本発明の血清型12Fグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0307】
好ましい実施形態においては、40%~90%の血清型12FグリココンジュゲートがCL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、50%~90%の血清型12FグリココンジュゲートがCL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、65%~80%の血清型12FグリココンジュゲートがCL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0308】
1.3.6 ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来するグリココンジュゲート
1つの実施形態において、血清型10Aグリココンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることにより得られる。活性化された多糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングさせることができる。例えば、スペーサーをシスタミンまたはシステアミンとして、チオール化された多糖を得てもよく、このチオール化された多糖は、マレイミド-活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを用いる)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを用いる)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができる。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学反応により作製されていてもよい)を、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングし、アミノ誘導体化された糖類を、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学反応を用いて担体タンパク質にコンジュゲートさせる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0309】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S--NHS、EDC、TSTUを用いる。多くは、国際特許出願公開第WO98/42721号に記載されている。コンジュゲーションはカルボニルリンカーを伴ってもよく、これは、糖類の遊離ヒドロキシル基とCDIとの反応(Bethellら(1979)、J.Biol.Chern.254:2572~2574;Hearnら(1981)、J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、およびそれに続く、カルバメート結合を形成させるためのタンパク質との反応により形成され得る。これは、アノマー末端の一次ヒドロキシル基への還元、場合により、一次ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための一次ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体とタンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0310】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型10Aグリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の六糖類単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化、および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元を含む。
【0311】
酸化の前に、血清型10A多糖を、場合により、加水分解(サイジング)する。機械的または化学的加水分解を用いることができる。化学的加水分解を、酢酸を用いて行うことができる。
【0312】
1つの実施形態において、血清型多糖は、
(a)単離された血清型10A多糖を、酸化剤と反応させるステップ;ならびに
(b)クエンチング剤の添加により酸化反応をクエンチして、活性化された血清型10A多糖を得るステップ
を含むプロセスにより活性化(酸化)する。
【0313】
好ましい実施形態においては、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO4
-)とオルト過ヨウ素酸塩(IO6
5-)の両方および過ヨウ素酸塩の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。好ましい実施形態においては、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。好ましい実施形態においては、血清型10A多糖の酸化に用いられる過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。好ましい実施形態においては、血清型10A多糖の酸化に用いられる過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0314】
一実施形態においては、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【0315】
一実施形態においては、クエンチング剤は、式(I):
【0316】
【化4】
(式中、R
1は、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【0317】
一実施形態においては、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【0318】
一実施形態においては、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態においては、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【0319】
一実施形態においては、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【0320】
一実施形態においては、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2つの隣接する炭素原子に共有的に連結された2つのヒドロキシル基を含む化合物である。
【0321】
好ましくは、クエンチング剤は、式(II):
【0322】
【化5】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【0323】
好ましい実施形態においては、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールもしくはブタン-2,3-ジオール、アスコルビン酸である。好ましい実施形態においては、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【0324】
好ましい実施形態においては、単離された血清型10A多糖は、
(a)単離された血清型10A多糖を過ヨウ素酸塩と反応させるステップ;ならびに
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加により酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型10A多糖を得るステップ
を含むプロセスにより活性化する。
【0325】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書の以下では「活性化された多糖」と呼ばれる。
【0326】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型10A多糖は精製される。活性化された血清型10A多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者には公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された10A多糖は、限外濾過装置を用いる濃縮および透析濾過により精製される。
【0327】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型10A多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。好ましい実施形態においては、活性化された血清型10A多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【0328】
好ましい実施形態においては、活性化された血清型10A多糖は、50kDa~400kDa、50kDa~350kDa、50kDa~300kDa、50kDa~250kDa、50kDa~200kDa、100kDa~300kDa、100kDa~250kDa、または100kDa~200kDaの分子量を有する。好ましい実施形態において、活性化された血清型10A多糖は、50kDa~300kDaの分子量を有する。好ましい実施形態において、活性化された血清型10A多糖は、100kDa~200kDaの分子量を有する。好ましい実施形態において、活性化された血清型10A多糖は、100kDa~200kDaの分子量および5~20、5~15、8~14、8~12、または9~11の酸化度を有する。好ましい実施形態において、活性化された血清型10A多糖は、100kDa~200kDaの分子量および9~11の酸化度を有する。
【0329】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【0330】
1つの実施形態において、活性化された血清型10A多糖を、場合により、糖類の存在下で凍結乾燥する。好ましい実施形態においては、糖類は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。好ましい実施形態においては、糖類はスクロースである。一実施形態においては、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【0331】
別の実施形態においては、活性化された多糖および担体タンパク質を同時に凍結乾燥する。そのような実施形態においては、活性化された血清型10A多糖を、担体タンパク質と混合し、場合により、糖類の存在下で凍結乾燥する。好ましい実施形態においては、糖類は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。好ましい実施形態においては、糖類はスクロースである。次いで、同時に凍結乾燥された多糖および担体タンパク質を、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0332】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を用いて、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【0333】
活性化された血清型10A多糖は、
(c)活性化された血清型10A多糖を担体タンパク質と混合するステップ;ならびに
(d)混合された活性化された血清型10A多糖および担体タンパク質を、還元剤と反応させて、血清型10A多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって担体タンパク質にコンジュゲートさせることができる。
【0334】
1つの実施形態において、還元反応を水性溶媒中で実行し、別の実施形態においては、反応を非プロトン性溶媒中で実行する。1つの実施形態において、還元反応を、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行する。DMSOまたはDMF溶媒を用いて、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【0335】
1つの実施形態において、還元剤は、BronstedまたはLewis酸の存在下のシアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。好ましい実施形態においては、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0336】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基が存在してもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を用いてキャップすることができる。一実施形態においては、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)である。
【0337】
担体タンパク質への血清型10A多糖のコンジュゲーション後、グリココンジュゲートを、当業者には公知の様々な技術により精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【0338】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型10Aグリココンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖類を含む。他のそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDa;または200kDa~400kDaの分子量を有する。いくつかのそのような実施形態においては、血清型10Aグリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。
【0339】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型10Aグリココンジュゲートは、50kDa~20,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型10Aグリココンジュゲートは、50kDa~15,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型10Aグリココンジュゲートは、500kDa~15,000kDa、500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;または3,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型10Aグリココンジュゲートは、1,000kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型10Aグリココンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態においては、血清型10Aグリココンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型10Aグリココンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0340】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型10Aグリココンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型10Aグリココンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDaまたは5,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型10Aグリココンジュゲートは、6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型10Aグリココンジュゲートは、7,000kDa~20,000kDa;7,000kDa~15,000kDa;7,000kDa~10,000kDaまたは7,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型10Aグリココンジュゲートは、8,000kDa~20,000kDa;8,000kDa~15,000kDa;または8,000kDa~10,000kDaの分子量を有する。
【0341】
上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。グリココンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSにより測定される。
【0342】
本発明の血清型10Aグリココンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖類にコンジュゲートされる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン改変の証拠を、当業者には公知の日常的な方法を用いるアミノ酸分析により得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために用いられるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基の数の減少をもたらす。
【0343】
好ましい実施形態においては、血清型10Aグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。好ましい実施形態においては、血清型10Aグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、6~8である。好ましい実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0344】
本発明の血清型10Aグリココンジュゲートを、糖類の担体タンパク質に対する比(重量/重量)により特徴付けることもできる。いくつかの実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。好ましい実施形態においては、コンジュゲート中の血清型10A糖類の担体タンパク質に対する比は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。好ましい実施形態においては、コンジュゲート中の血清型10A多糖の担体タンパク質に対する比は、0.8~1.4である。好ましい実施形態においては、コンジュゲート中の血清型10A多糖の担体タンパク質に対する比は、0.8~1.2(例えば、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1または約1.2)である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0345】
本発明の血清型10Aグリココンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされないが、それにも拘わらず、グリココンジュゲート組成物中に存在する遊離糖類を含有してもよい。遊離糖類を、グリココンジュゲートと非共有的に会合させる(すなわち、非共有的に結合させる、吸着させる、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉させる)ことができる。
【0346】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型10Aグリココンジュゲートは、10A糖類の総量に対して、約50%未満の遊離糖類、約45%未満の遊離糖類、約40%未満の遊離糖類、約35%未満の遊離糖類、約30%未満の遊離糖類、約25%未満の遊離糖類、約20%未満の遊離糖類、約15%未満の遊離糖類、約10%未満の遊離糖類、または約5%未満の遊離糖類を含む。好ましくは、血清型10Aグリココンジュゲートは、15%未満の遊離糖類、より好ましくは、10%未満の遊離糖類、さらにより好ましくは、5%未満の遊離糖類を含む。
【0347】
血清型10Aグリココンジュゲートを、その分子サイズ分布(Kd)により特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を用いて、上記のように、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。好ましい実施形態においては、少なくとも30%の本発明の血清型10Aグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも40%の本発明の血清型10Aグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%の本発明の血清型10Aグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも60%の血清型10Aグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、50%~80%の本発明の血清型10Aグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0348】
1.3.7 ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来するグリココンジュゲート
1つの実施形態において、血清型11Aグリココンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることにより得られる。活性化された多糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングさせることができる。例えば、スペーサーをシスタミンまたはシステアミンとして、チオール化された多糖を得てもよく、このチオール化された多糖は、マレイミド-活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを用いる)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを用いる)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができる。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学反応により作製されていてもよい)を、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングし、アミノ誘導体化された糖類を、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学反応を用いて担体タンパク質にコンジュゲートさせる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0349】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S--NHS、EDC、TSTUを用いる。多くは、国際特許出願公開第WO98/42721号に記載されている。コンジュゲーションはカルボニルリンカーを伴ってもよく、これは、糖類の遊離ヒドロキシル基とCDIとの反応(Bethellら(1979)、Biol.Chern.254:2572~2574;Hearnら(1981)、J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、およびそれに続く、カルバメート結合を形成させるためのタンパク質との反応により形成され得る。これは、アノマー末端の一次ヒドロキシル基への還元、場合により、一次ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための一次ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体とタンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0350】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の六糖類単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化、および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元を含む。
【0351】
酸化の前に、血清型11A多糖を、場合により、加水分解して、その粘度を低下させる。機械的または化学的加水分解を用いることができる。化学的加水分解を、酢酸を用いて行うことができる。機械的サイジングを、高圧均一化剪断を用いて行うことができる。
【0352】
酸化ステップは、過ヨウ素酸塩との反応を含んでもよい。本発明の目的では、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO4
-)とオルト過ヨウ素酸塩(IO6
5-)の両方および過ヨウ素酸塩の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の莢膜多糖血清型11Aを、メタ過ヨウ素酸塩の存在下、好ましくは、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)の存在下で酸化する。別の実施形態においては、血清型11Aに由来する莢膜多糖を、オルト過ヨウ素酸塩、好ましくは、過ヨウ素酸の存在下で酸化する。
【0353】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書の以下では「活性化された多糖」と呼ばれる。活性化された多糖を、精製し、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【0354】
活性化された多糖および担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。一実施形態においては、活性化された多糖および担体タンパク質は同時に凍結乾燥される。別の実施形態においては、活性化された多糖および担体タンパク質は独立に凍結乾燥される。
【0355】
一実施形態においては、凍結乾燥は、非還元糖の存在下で行われ、可能な非還元糖としては、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットが挙げられる。
【0356】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を用いた、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。好適である還元剤としては、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどのシアノ水素化ホウ素、ボラン-ピリジン、または水素化ホウ素交換樹脂が挙げられる。一実施形態においては、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0357】
1つの実施形態において、還元反応は、水性溶媒中で実行され、別の実施形態においては、反応は非プロトン性溶媒中で実行される。1つの実施形態において、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を用いて、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を復元させることができる。
【0358】
一実施形態においては、0.1~3.0、0.15~2.0、0.2~2.0、または0.5~1.5モル当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムが還元反応において用いられる。一実施形態においては、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9または3.0モル当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムが還元反応において用いられる。
【0359】
一実施形態においては、還元剤はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである。さらなる実施形態においては、1.0~6.0モル当量、2.0~5.0モル当量または約3.0モル当量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが還元反応において用いられる。
【0360】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基が存在してもよい。これらのものを好適なキャッピング剤を用いてキャップすることができる。一実施形態においては、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)である。1つの実施形態において、キャッピングは、還元反応物を、0.5~5.0モル当量のNaBH4、例えば、約1.0、1.5、2.0、2.5または3.0モル当量のNaBH4と混合することにより達成される。
【0361】
コンジュゲーション(還元反応および場合により、キャッピング)の後、グリココンジュゲートを精製することができる。グリココンジュゲートを、透析濾過および/またはイオン交換クロマトグラフィーおよび/またはサイズ排除クロマトグラフィーにより精製することができる。1つの実施形態において、グリココンジュゲートは、透析濾過またはイオン交換クロマトグラフィーまたはサイズ排除クロマトグラフィーにより精製される。
【0362】
一実施形態においては、グリココンジュゲートは滅菌濾過される。
【0363】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは担体タンパク質(例えば、CRM197)にコンジュゲートされ、10kDa~2,000kDaの分子量を有する多糖を含む。他のそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;50kDa~400kDa;50kDa~300kDa;50kDa~200kDa;50kDa~100kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;100kDa~200kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDa;200kDa~400kDaまたは200kDa~300kDaの分子量を有する。
【0364】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、50kDa~20,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲートは、50kDa~15,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲートは、200kDa~10,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaまたは2,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。
【0365】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~17,500kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~17,500kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;700kDa~20,000kDa;700kDa~17,500kDa;700kDa~15,000kDa;700kDa~12,500kDa;700kDa~10,000kDa;700kDa~7,500kDa;700kDa~6,000kDa;700kDa~5,000kDa;700kDa~4,500kDa;700kDa~4,000kDa;700kDa~3,500kDa;700kDa~3,000kDa;700kDa~2,000kDa;700kDa~1,500kDa;1,000kDa~20,000kDa;1,000kDa~17,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~20,000kDa;2,000kDa~17,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0366】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~17,500kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~17,500kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~17,500kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDaまたは5,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【0367】
1つの実施形態において、前記血清型11Aグリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。
【0368】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、血清型11A多糖1mMあたり少なくとも0.3、0.5、0.6、1.0、1.4、1.8、2.2、2.6、3.0、3.4、3.8、4.2、4.6または5.0mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲートは、血清型11A多糖1mMあたり少なくとも1.8、2.2または2.6mMのアセテートを含む。1つの実施形態において、グリココンジュゲートは、血清型11A多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。好ましい実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、血清型11A多糖1mMあたり少なくとも0.6、1.0、1.4、1.8、2.2、2.6、3.0、3.4、3.8、4.2または4.6mMのアセテートおよび血清型11A多糖1mMあたり約5.0mM未満のアセテートを含む。1つの実施形態において、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、血清型11A多糖1mMあたり少なくとも0.6、1.0、1.4、1.8、2.2、2.6、または3.0mMのアセテートおよび血清型11A多糖1mMあたり約3.4mM未満のアセテートを含む。1つの実施形態において、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、血清型11A多糖1mMあたり少なくとも0.6、1.0、1.4、1.8、2.2、2.6、または約3.0mMのアセテートおよび血清型11A多糖1mMあたり約3.3mM未満のアセテートを含む。任意の上記数が本開示の実施形態として企図される。
【0369】
好ましい実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95である。好ましい実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。好ましい実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。好ましい実施形態においては、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析により決定される。
【0370】
好ましい実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95である。好ましい実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。好ましい実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。好ましい実施形態においては、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析により決定される。
【0371】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、血清型11A多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1.0mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、血清型11Aグリココンジュゲートは、血清型11A多糖1mMあたり少なくとも0.2、0.3または0.4mMのグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、血清型11A多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8または0.9mMのグリセロールおよび血清型11A多糖1mMあたり約1.0mM未満のグリセロールを含む。好ましい実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、血清型11A多糖1mMあたり少なくとも0.3、0.4、0.5、0.6、または0.7mMのグリセロールおよび血清型11A多糖1mMあたり約0.8mM未満のグリセロールを含む。任意の上記数が本開示の実施形態として企図される。
【0372】
本発明の血清型11Aグリココンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖類にコンジュゲートされる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。
【0373】
多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン改変に関する証拠を、当業者には公知の日常的な方法を用いるアミノ酸分析により得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために用いられるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基の数の減少をもたらす。
【0374】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、1~15、1~13、1~10、1~8、1~6、1~5、1~4、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。1つの実施形態において、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。好ましい実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、1~6または2~5である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0375】
本発明の血清型11Aグリココンジュゲートを、糖類の担体タンパク質に対する比(重量/重量)により特徴付けることもできる。いくつかの実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.2~4.0(例えば、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9または約4.0)である。他の実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.7~2.5、0.8~2.0、0.7~2.0、0.8~1.5、0.7~1.5、0.7~1.4、0.8~1.4、0.7~1.45または0.8~1.45である。さらなる実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.6(例えば、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5または約1.6)である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。1つの実施形態において、前記血清型11Aグリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。
【0376】
本発明の血清型11Aグリココンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされないが、それにも拘わらず、グリココンジュゲート組成物中に存在する遊離糖類を含有してもよい。遊離糖類を、グリココンジュゲートと非共有的に会合させる(すなわち、非共有的に結合させる、吸着させる、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉させる)ことができる。
【0377】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型11Aグリココンジュゲートは、血清型11A莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型11A莢膜多糖、血清型11A莢膜多糖の総量と比較して約45%未満の遊離糖類、約40%未満の遊離糖類、約35%未満の遊離糖類、約30%未満の遊離糖類、約25%未満の遊離糖類、約20%未満の遊離糖類、約15%未満の遊離糖類、約10%未満の遊離糖類、または約5%未満の遊離血清型11A莢膜多糖を含む。好ましくは、血清型11Aグリココンジュゲートは、15%未満の遊離糖類、より好ましくは、10%未満の遊離糖類、さらにより好ましくは、5%未満の遊離糖類を含む。
【0378】
血清型11Aグリココンジュゲートを、その分子サイズ分布(Kd)により特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を用いて、上記のように、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。好ましい実施形態においては、少なくとも30%の本発明の血清型11Aグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%または85%の本発明の血清型11Aグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも60%の本発明の血清型11Aグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも65%の本発明の血清型11Aグリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0379】
1.3.8 ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来するグリココンジュゲート
1つの実施形態において、血清型8グリココンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることにより得られる。活性化された多糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングさせることができる。例えば、スペーサーをシスタミンまたはシステアミンとして、チオール化された多糖を得てもよく、このチオール化された多糖は、マレイミド-活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを用いる)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを用いる)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができる。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学反応により作製されていてもよい)を、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングし、アミノ誘導体化された糖類を、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学反応を用いて担体タンパク質にコンジュゲートさせる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0380】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S--NHS、EDC、TSTUを用いる。多くは、国際特許出願公開第WO98/42721号に記載されている。コンジュゲーションはカルボニルリンカーを伴ってもよく、これは、糖類の遊離ヒドロキシル基とCDIとの反応(Bethellら(1979)、J.Biol.Chern.254:2572~2574;Hearnら(1981)、J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、およびそれに続く、カルバメート結合を形成させるためのタンパク質との反応により形成され得る。これは、アノマー末端の一次ヒドロキシル基への還元、場合により、一次ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための一次ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体とタンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0381】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の六糖類単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化、および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元を含む。
【0382】
酸化の前に、血清型8多糖を、場合により、加水分解して、その粘度を低下させる。機械的または化学的加水分解を用いることができる。化学的加水分解を、酢酸を用いて行うことができる。
【0383】
酸化ステップは、過ヨウ素酸塩との反応を含んでもよい。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO4
-)とオルト過ヨウ素酸塩(IO6
5-)の両方および過ヨウ素酸塩の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の莢膜多糖血清型8を、メタ過ヨウ素酸塩の存在下、好ましくは、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)の存在下で酸化する。別の実施形態においては、血清型8に由来する莢膜多糖を、オルト過ヨウ素酸塩、好ましくは、過ヨウ素酸の存在下で酸化する。
【0384】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書の以下では「活性化された多糖」と呼ばれる。活性化された多糖を、精製し、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【0385】
活性化された多糖および担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。一実施形態においては、活性化された多糖および担体タンパク質は同時に凍結乾燥される。別の実施形態においては、活性化された多糖および担体タンパク質は独立に凍結乾燥される。
【0386】
一実施形態においては、凍結乾燥は、非還元糖の存在下で行われ、可能な非還元糖としては、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットが挙げられる。
【0387】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を用いた、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。好適である還元剤としては、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどのシアノ水素化ホウ素、ボラン-ピリジン、または水素化ホウ素交換樹脂が挙げられる。一実施形態においては、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0388】
1つの実施形態において、還元反応は、水性溶媒中で実行され、別の実施形態においては、反応は非プロトン性溶媒中で実行される。1つの実施形態において、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を用いて、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【0389】
一実施形態においては、0.1~3.0、0.15~2.0、0.2~1.0、または0.25~0.5モル当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムが還元反応において用いられる。一実施形態においては、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9または3.0モル当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムが還元反応において用いられる。
【0390】
一実施形態においては、還元剤はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである。さらなる実施形態においては、1.0~6.0モル当量、2.0~5.0モル当量または約3.0モル当量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが還元反応において用いられる。
【0391】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基が存在してもよく、これらのものを好適なキャッピング剤を用いてキャップすることができる。一実施形態においては、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)である。1つの実施形態において、キャッピングは、還元反応物を、0.5~5.0モル当量のNaBH4、例えば、約1.0、1.5、2.0、2.5または3.0モル当量のNaBH4と混合することにより達成される。
【0392】
コンジュゲーション(還元反応および場合により、キャッピング)の後、グリココンジュゲートを精製することができる。グリココンジュゲートを、透析濾過および/またはイオン交換クロマトグラフィーおよび/またはサイズ排除クロマトグラフィーにより精製することができる。1つの実施形態において、グリココンジュゲートは、透析濾過またはイオン交換クロマトグラフィーまたはサイズ排除クロマトグラフィーにより精製される。
【0393】
一実施形態においては、グリココンジュゲートは滅菌濾過される。
【0394】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートは担体タンパク質(例えば、CRM197)にコンジュゲートされ、10kDa~2,000kDaの分子量を有する多糖を含む。他のそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態においては、糖類は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDa;または200kDa~400kDaの分子量を有する。1つの実施形態において、前記血清型8グリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。
【0395】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートは、50kDa~20,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型8グリココンジュゲートは、50kDa~15,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型8グリココンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態においては、血清型8グリココンジュゲートは、200kDa~10,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態においては、血清型8グリココンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaまたは2,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。
【0396】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0397】
さらなる実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDaまたは5,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートは、6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートは、7,000kDa~20,000kDa;7,000kDa~15,000kDa;7,000kDa~10,000kDaまたは7,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートは、8,000kDa~20,000kDa;8,000kDa~15,000kDa;または8,000kDa~10,000kDaの分子量を有する。
【0398】
1つの実施形態において、前記血清型8グリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。
【0399】
本発明の血清型8グリココンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖類にコンジュゲートされる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。
【0400】
多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン改変に関する証拠を、当業者には公知の日常的な方法を用いるアミノ酸分析により得ることができる。よくある実施形態においては、担体タンパク質は、担体タンパク質上のリシン残基の1つまたは複数のε-アミノ基へのアミン結合を介して活性化された多糖に共有的にコンジュゲートされている。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質は、糖類に共有的にコンジュゲートされた2~20個のリシン残基を含む。他のそのような実施形態においては、担体タンパク質は、糖類に共有的にコンジュゲートされた4~16個または6~14個のリシン残基を含む。
【0401】
好ましい実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~20、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。1つの実施形態において、本発明の血清型8グリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。好ましい実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~16または6~14である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0402】
好ましい実施形態においては、担体タンパク質は、39個のリシン残基を含有するCRM197を含む。いくつかのそのような実施形態においては、CRM197は、糖類に共有的に連結された39個のうちの4~16個または6~14個のリシン残基を含んでもよい。このパラメータを表現する別の方法は、約10%~約41%または約15%~約36%のCRM197リシンが糖類に共有的に連結されるということである。別のそのような実施形態においては、CRM197は、糖類に共有的に連結された39個のうちの2~20個のリシン残基を含んでもよい。このパラメータを表現する別の方法は、約5%~約50%のCRM197リシンが糖類に共有的に連結されるということである。いくつかのそのような実施形態においては、CRM197は、糖類に共有的に連結された39個のうちの約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16個のリシン残基を含んでもよい。
【0403】
本発明の血清型8グリココンジュゲートを、糖類の担体タンパク質に対する比(重量/重量)により特徴付けることもできる。いくつかの実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.2~4.0(例えば、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9または約4.0)である。他の実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.7~2.5である。さらなる実施形態においては、糖類の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.5(例えば、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4または約1.5)である。いくつかのそのような実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。1つの実施形態において、前記血清型8グリココンジュゲートは、還元的アミノ化を用いて調製される。
【0404】
本発明の血清型8グリココンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされないが、それにも拘わらず、グリココンジュゲート組成物中に存在する遊離糖類を含有してもよい。遊離糖類を、グリココンジュゲートと非共有的に会合させる(すなわち、非共有的に結合させる、吸着させる、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉させる)ことができる。
【0405】
いくつかの実施形態においては、本発明の血清型8グリココンジュゲートは、血清型8糖類の総量に対して約50%未満の遊離糖類、約45%未満の遊離糖類、約40%未満の遊離糖類、約35%未満の遊離糖類、約30%未満の遊離糖類、約25%未満の遊離糖類、約20%未満の遊離糖類、約15%未満の遊離糖類、約10%未満の遊離糖類、または約5%未満の遊離糖類を含む。好ましくは、血清型8グリココンジュゲートは、15%未満の遊離糖類、より好ましくは10%未満の遊離糖類、さらにより好ましくは、5%未満の遊離糖類を含む。
【0406】
血清型8グリココンジュゲートを、その分子サイズ分布(Kd)により特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を用いて、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイルするための重力送りカラム中で用いられる。媒体中の小孔から排除される高分子は低分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を用いて、カラム溶出液を収集する。画分を、糖類アッセイにより比色的に試験する。Kdの決定のために、カラムを較正して、分子が完全に排除される画分(V0)、(Kd=0)、最大保持を表す画分(Vi)、(Kd=1)を確立する。特定の試料属性に達する画分(Ve)は、Kd=(Ve-V0)/(Vi-V0)の式によりKdと関連する。
【0407】
好ましい実施形態においては、少なくとも40%の本発明の血清型8グリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%の本発明の血清型8グリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも60%の本発明の血清型8グリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、少なくとも70%の本発明の血清型8グリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0408】
好ましい実施形態においては、40%~90%の血清型8グリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、50%~90%の血清型8グリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。好ましい実施形態においては、65%~80%の血清型8グリココンジュゲートが、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する。
【0409】
2.本発明の免疫原性組成物
1つの実施形態において、免疫原性組成物のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)莢膜糖類の数は、1種の血清型(または「v」、価)~7種の異なる血清型(7v)の範囲であってもよい。一実施形態においては、1種の血清型が存在する。一実施形態においては、2種の異なる血清型が存在する。一実施形態においては、3種の異なる血清型が存在する。一実施形態においては、4種の異なる血清型が存在する。一実施形態においては、5種の異なる血清型が存在する。一実施形態においては、6種の異なる血清型が存在する。一実施形態においては、7種の異なる血清型が存在する。莢膜糖類を担体タンパク質にコンジュゲートさせて、本明細書の上記に記載されたようなグリココンジュゲートを形成させる。
【0410】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4に記載のグリココンジュゲートなど)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.2に記載のグリココンジュゲートなど)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.3に記載のグリココンジュゲートなど)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.5に記載のグリココンジュゲートなど)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.6に記載のグリココンジュゲートなど)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.7に記載のグリココンジュゲートなど)およびストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.8に記載のグリココンジュゲートなど)からなる群から選択される少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0411】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、上記のセクション1.3.4に記載のグリココンジュゲートなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、上記のセクション1.3.2に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、上記のセクション1.3.3に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、上記のセクション1.3.5に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、上記のセクション1.3.6に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、上記のセクション1.3.7に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、上記のセクション1.3.8に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0412】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、15Bおよび22F、15Bおよび33F、15Bおよび12F、15Bおよび10A、15Bおよび11A、15Bおよび8、22Fおよび33F、22Fおよび12F、22Fおよび10A、22Fおよび11A、22Fおよび8、33Fおよび12F、33Fおよび10A、33Fおよび11A、33Fおよび8、12Fおよび10A、12Fおよび11A、12Fおよび8、10Aおよび11A、10Aおよび8、ならびに11Aおよび8からなる群から選択されるそれぞれ2種のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型のうちの少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0413】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、それぞれ3種の下記のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型:
15Bおよび22Fおよび33F、
15Bおよび22Fおよび12F、
15Bおよび22Fおよび10A、
15Bおよび22Fおよび11A、
15Bおよび22Fおよび8、
15Bおよび33Fおよび12F、
15Bおよび33Fおよび10A、
15Bおよび33Fおよび11A、
15Bおよび33Fおよび8、
15Bおよび12Fおよび10A、
15Bおよび12Fおよび11A、
15Bおよび12Fおよび8、
15Bおよび10Aおよび11A、
15Bおよび10Aおよび8、
15Bおよび11Aおよび8、
22Fおよび33Fおよび12F、
22Fおよび33Fおよび10A、
22Fおよび33Fおよび11A、
22Fおよび33Fおよび8、
22Fおよび12Fおよび10A、
22Fおよび12Fおよび11A、
22Fおよび12Fおよび8、
22Fおよび10Aおよび11A、
22Fおよび10Aおよび8、
22Fおよび11Aおよび8、
33Fおよび12Fおよび10A、
33Fおよび12Fおよび11A、
33Fおよび12Fおよび8、
33Fおよび10Aおよび11A、
33Fおよび10Aおよび8、
33Fおよび11Aおよび8、
12Fおよび10Aおよび11A、
12Fおよび10Aおよび8、
12Fおよび11Aおよび8または
10Aおよび11Aおよび8
のうちの少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0414】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、それぞれ4種の下記のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型:
15Bおよび22Fおよび33Fおよび12F、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび10A、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび11A、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび8、
15Bおよび22Fおよび12Fおよび10A、
15Bおよび22Fおよび12Fおよび11A、
15Bおよび22Fおよび12Fおよび8、
15Bおよび22Fおよび10Aおよび11A、
15Bおよび22Fおよび10Aおよび8、
15Bおよび22Fおよび11Aおよび8、
15Bおよび33Fおよび12Fおよび10A、
15Bおよび33Fおよび12Fおよび11A、
15Bおよび33Fおよび12Fおよび8、
15Bおよび33Fおよび10Aおよび11A、
15Bおよび33Fおよび10Aおよび8、
15Bおよび33Fおよび11Aおよび8、
15Bおよび12Fおよび10Aおよび11A、
15Bおよび12Fおよび10Aおよび8、
15Bおよび12Fおよび11Aおよび8、
15Bおよび10Aおよび11Aおよび8、
22Fおよび33Fおよび12Fおよび10A、
22Fおよび33Fおよび12Fおよび11A、
22Fおよび33Fおよび12Fおよび8、
22Fおよび33Fおよび10Aおよび11A、
22Fおよび33Fおよび10Aおよび8、
22Fおよび33Fおよび11Aおよび8、
22Fおよび12Fおよび10Aおよび11A、
22Fおよび12Fおよび10Aおよび8、
22Fおよび12Fおよび11Aおよび8、
22Fおよび10Aおよび11Aおよび8、
33Fおよび12Fおよび10Aおよび11A、
33Fおよび12Fおよび10Aおよび8、
33Fおよび12Fおよび11Aおよび8、
33Fおよび10Aおよび11Aおよび8または
12Fおよび10Aおよび11Aおよび8
のうちの少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0415】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、それぞれ5種の下記のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型:
15Bおよび22Fおよび33Fおよび12Fおよび10A、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび12Fおよび11A、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび12Fおよび8、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび10Aおよび11A、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび10Aおよび8、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび11Aおよび8、
15Bおよび22Fおよび12Fおよび10Aおよび11A、
15Bおよび22Fおよび12Fおよび10Aおよび8、
15Bおよび22Fおよび12Fおよび11Aおよび8、
15Bおよび22Fおよび10Aおよび11Aおよび8、
15Bおよび33Fおよび12Fおよび10Aおよび11A、
15Bおよび33Fおよび12Fおよび10Aおよび8、
15Bおよび33Fおよび12Fおよび11Aおよび8、
15Bおよび33Fおよび10Aおよび11Aおよび8、
15Bおよび12Fおよび10Aおよび11Aおよび8、
22Fおよび33Fおよび12Fおよび10Aおよび11A、
22Fおよび33Fおよび12Fおよび10Aおよび8、
22Fおよび33Fおよび12Fおよび11Aおよび8、
22Fおよび33Fおよび10Aおよび11Aおよび8、
22Fおよび12Fおよび10Aおよび11Aおよび8または
33Fおよび12Fおよび10Aおよび11Aおよび8
のうちの少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0416】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、それぞれ6種の下記のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型:
15Bおよび22Fおよび33Fおよび12Fおよび10Aおよび11A、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび12Fおよび10Aおよび8、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび12Fおよび11Aおよび8、
15Bおよび22Fおよび33Fおよび10Aおよび11Aおよび8、
15Bおよび22Fおよび12Fおよび10Aおよび11Aおよび8、
15Bおよび33Fおよび12Fおよび10Aおよび11Aおよび8または
22Fおよび33Fおよび12Fおよび10Aおよび11Aおよび8
のうちの少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0417】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、それぞれ7種の下記のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型:15Bおよび22Fおよび33Fおよび12Fおよび10Aおよび11Aおよび8のうちの少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0418】
1つの実施形態において、このセクションで定義された免疫原性組成物のいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B、22F、33F、12F、10A、11Aおよび/または8に由来するグリココンジュゲートは、上記のセクション1.3.2~1.3.8に開示されたものである。
【0419】
好ましくは、上記の免疫原性組成物の全てのグリココンジュゲートは、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされている。
【0420】
上記の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。
【0421】
上記の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来するグリココンジュゲートは、全てCRM197に個別にコンジュゲートされている。
【0422】
上記免疫原性組成物のいずれかの別の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来するグリココンジュゲートは、全てPDに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来するグリココンジュゲートは、全てTTに個別にコンジュゲートされている。さらに別の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来するグリココンジュゲートは、全てDTに個別にコンジュゲートされている。
【0423】
上記免疫原性組成物の別の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22F、33F、15B、12F、10A、11Aおよび/または8に由来するグリココンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22F、33F、15B、12F、10A、11Aおよび/または8に由来するグリココンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22F、33F、15B、12F、10A、11Aおよび/または8に由来するグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。
【0424】
上記免疫原性組成物のいずれかの別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来する他のグリココンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。
【0425】
上記免疫原性組成物のいずれかの別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来する他のグリココンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、グリココンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。
【0426】
1つの実施形態において、上記免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の1~7種の異なる血清型を含む。一実施形態においては、上記免疫原性組成物は、1、2、3、4、5、6または7価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。一実施形態においては、上記免疫原性組成物は、6価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。一実施形態においては、上記免疫原性組成物は、7価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。
【0427】
1.1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、上記のセクション1.3.4に記載のグリココンジュゲートなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0428】
2.別の実施形態においては、本発明の免疫原性組成物は、上記のポイント1に加えて、上記のセクション1.3.2に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0429】
3.別の実施形態においては、本発明の免疫原性組成物は、上記のポイント1または2に加えて、上記のセクション1.3.3に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0430】
4.別の実施形態においては、本発明の免疫原性組成物は、上記のポイント1、2または3に加えて、上記のセクション1.3.5に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0431】
5.別の実施形態においては、本発明の免疫原性組成物は、上記のポイント1、2、3または4に加えて、上記のセクション1.3.6に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0432】
6.別の実施形態においては、本発明の免疫原性組成物は、上記のポイント1、2、3、4または5に加えて、上記のセクション1.3.7に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0433】
7.別の実施形態においては、本発明の免疫原性組成物は、上記のポイント1、2、3、4、5または6に加えて、上記のセクション1.3.8に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0434】
1つの実施形態においては、本発明の免疫原性組成物は、血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33Fに由来するコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)糖類を含む。
【0435】
1つの実施形態においては、本発明の免疫原性組成物のグリココンジュゲートは、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0436】
好ましくは、本発明の免疫原性組成物のグリココンジュゲートは全て(例えば、上記のポイント1~7のいずれかの)、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされている。
【0437】
上記のポイント1~7のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートはCRM197にコンジュゲートされている。上記のポイント2~7のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートはCRM197にコンジュゲートされている。上記のポイント3~7のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来するグリココンジュゲートはCRM197にコンジュゲートされている。上記のポイント4~7のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲートはCRM197にコンジュゲートされている。上記のポイント5~7のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来するグリココンジュゲートはCRM197にコンジュゲートされている。上記のポイント6~7のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来するグリココンジュゲートはCRM197にコンジュゲートされている。上記のポイント7の実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来するグリココンジュゲートはCRM197にコンジュゲートされている。
【0438】
1つの実施形態において、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。
【0439】
1つの実施形態において、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。1つの実施形態において、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。1つの実施形態において、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。
【0440】
1つの実施形態において、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来する他のグリココンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。
【0441】
別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来する他のグリココンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。別の実施形態においては、上記のポイント1~7の免疫原性組成物のグリココンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、他のグリココンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。
【0442】
1つの実施形態において、上記免疫原性組成物は、1、2、3、4、5、6または7価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。一実施形態においては、上記免疫原性組成物は、6価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。一実施形態においては、上記免疫原性組成物は、7価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。
【0443】
担体タンパク質への莢膜多糖のコンジュゲーション後、グリココンジュゲートを、様々な技術により精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)。これらの技術としては、濃縮/透析濾過操作、沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー、および深層濾過が挙げられる(例えば、米国特許出願公開第2007/0184072号またはWO2008/079653を参照されたい)。個々のグリココンジュゲートを精製した後、それらを混合して、本発明の免疫原性組成物を製剤化する。
【0444】
1つの実施形態において、上記免疫原性組成物の投与量は、以下のセクション5に開示される通りである。
【0445】
1つの実施形態において、上記免疫原性組成物は、以下のセクション6に開示されるように他の病原体、特に、細菌および/またはウイルスに由来する抗原をさらに含む。
【0446】
1つの実施形態において、上記免疫原性組成物は、以下のセクション6に開示されるように1つまたは複数のアジュバントをさらに含む。
【0447】
1つの実施形態において、上記免疫原性組成物は、以下のセクション8に開示されるように製剤化される。
【0448】
3.本発明の免疫原性組成物と組み合わせて用いてもよい免疫原性組成物
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物(上記のセクション2のもののいずれかなど)は、第2の免疫原性組成物と組み合わせて用いられる。
【0449】
一実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる群から選択されるストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0450】
一実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなる群から選択されるストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0451】
1.1つの実施形態において、前記第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、および23Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0452】
2.別の実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、上記のポイント1に加えて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、5、および7Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0453】
3.別の実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、上記のポイント1または2に加えて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19Aに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0454】
4.別の実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、上記のポイント1、2または3に加えて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型3に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0455】
5.別の実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、上記のポイント1、2、3または4に加えて、上記のセクション1.3.2に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0456】
6.別の実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、上記のポイント1、2、3、4または5に加えて、上記のセクション1.3.3に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0457】
好ましくは、上記第2の免疫原性組成物のグリココンジュゲートは全て、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされている。
【0458】
上記第2の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記第2の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、5および7Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記第2の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19Aに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記第2の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型3に由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記第2の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記第2の免疫原性組成物のいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。
【0459】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物のいずれかのグリココンジュゲートは、全てCRM197に個別にコンジュゲートされている。
【0460】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物のいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および/または23Fに由来するグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。
【0461】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物のいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲートは、TTにコンジュゲートされている。
【0462】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物のいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートは、DTにコンジュゲートされている。
【0463】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物のいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および/または23Fに由来するグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲートは、TTにコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートは、DTにコンジュゲートされている。
【0464】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物のいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および/または23Fに由来するグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲートは、TTにコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートは、DTにコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。
【0465】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の7~15種の異なる血清型を含む。一実施形態においては、上記第2の免疫原性組成物は、7、8、9、10、11、12、13、14または15種の異なる血清型に由来するグリココンジュゲートを含む。一実施形態においては、上記第2の免疫原性組成物は、10~15種の異なる血清型に由来するグリココンジュゲートを含む。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、7、8、9、10、11、12、13、14または15価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、10価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、11価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、12価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、13価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、14価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において上記第2の免疫原性組成物は、15価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。
【0466】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、7価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記7価のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来する7つのグリココンジュゲートからなる。
【0467】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、10価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記10価のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲートおよびDTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0468】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、11価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0469】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、11価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0470】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、12価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記12価のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲート、CRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0471】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、13価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記13価のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0472】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、14価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0473】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、14価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0474】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、15価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記15価のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0475】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原の投与量は、以下のセクション5に開示される通りである。
【0476】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、他の病原体、特に以下のセクション6に開示されるものなどの細菌および/またはウイルスに由来する抗原をさらに含む。
【0477】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、以下のセクション7で開示される1つまたは複数のアジュバントをさらに含む。
【0478】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、以下のセクション8で開示されるように製剤化される。
【0479】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物(上記のセクション2のもののいずれかなど)は、PREVNAR(登録商標)(いくつかの国ではPREVENAR(登録商標))(7価ワクチン)、SYNFLORIX(登録商標)(10価ワクチン)および/またはPREVNAR13(登録商標)(いくつかの国ではPREVENAR13(登録商標))(13価ワクチン)と組み合わせて用いられる。
【0480】
4.本発明のキット
ある態様において、本発明は、(a)上記のセクション2で定義されている第1の免疫原性組成物;ならびに(b)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fから選択されるストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む第2の免疫原性組成物を含むキットを提供する。
【0481】
ある態様において、本発明は、(a)上記のセクション2で定義されている第1の免疫原性組成物;ならびに(b)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから選択されるストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む第2の免疫原性組成物を含むキットを提供する。
【0482】
ある態様において、本発明は、(a)上記のセクション2で定義されている第1の免疫原性組成物;および(b)上記のセクション3で定義されている第2の免疫原性組成物を含むキットを提供する。
【0483】
1.1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0484】
2.別の実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、上記のポイント1に加えて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、5、および7Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0485】
3.別の実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、上記のポイント1または2に加えて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19Aに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0486】
4.別の実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、上記のポイント1、2または3に加えて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型3に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0487】
5.別の実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、上記のポイント1、2、3または4に加えて、上記のセクション1.3.2に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0488】
6.別の実施形態においては、前記第2の免疫原性組成物は、上記のポイント1、2、3、4または5に加えて、上記のセクション1.3.3に開示されたものなどの、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む。
【0489】
1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0490】
1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0491】
1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0492】
1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0493】
1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23Fおよび22Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1および1.3.2のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0494】
1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1および1.3.3のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0495】
1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23F、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1、1.3.2および1.3.3のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0496】
1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1および1.3.2のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0497】
1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1および1.3.3のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0498】
1つの実施形態において、キットの第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.1、1.3.2および1.3.3のグリココンジュゲートなど)を含む。
【0499】
好ましくは、キットの第2の免疫原性組成物のグリココンジュゲートは全て、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされている。
【0500】
上記キットのいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記キットのいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、5および7Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記キットのいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19Aに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記キットのいずれかの1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型3に由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。
【0501】
1つの実施形態において、上記キットのいずれかのグリココンジュゲートは、全てCRM197に個別にコンジュゲートされている。
【0502】
別の実施形態においては、上記キットのいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および/または23Fに由来するグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。
【0503】
1つの実施形態において、上記キットのいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲートは、TTにコンジュゲートされている。
【0504】
1つの実施形態において、上記キットのいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートは、DTにコンジュゲートされている。
【0505】
1つの実施形態において、上記キットのいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および/または23Fに由来するグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲートは、TTにコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートは、DTにコンジュゲートされている。
【0506】
1つの実施形態において、上記キットのいずれかのストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および/または23Fに由来するグリココンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲートは、TTにコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートは、DTにコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。
【0507】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)の7~15種の異なる血清型を含む。一実施形態においては、上記第2の免疫原性組成物は、7、8、9、10、11、12、13、14または15種の異なる血清型に由来するグリココンジュゲートを含む。一実施形態においては、上記第2の免疫原性組成物は、10~15種の異なる血清型に由来するグリココンジュゲートを含む。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、7、8、9、10、11、12、13、14または15価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、10価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、11価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、12価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、13価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、14価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。1つの実施形態において上記第2の免疫原性組成物は、15価肺炎球菌コンジュゲート組成物である。
【0508】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、7価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記7価のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来する7つのグリココンジュゲートからなる。
【0509】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、10価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記10価のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲートおよびDTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0510】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、11価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0511】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、11価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0512】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、12価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記12価のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲート、CRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0513】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、13価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記13価のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0514】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、14価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0515】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、14価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0516】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、15価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記15価のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートからなる。
【0517】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原の投与量は、以下のセクション5に開示される通りである。
【0518】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、他の病原体、特に以下のセクション6に開示されるものなどの細菌および/またはウイルスに由来する抗原をさらに含む。
【0519】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、以下のセクション7で開示される1つまたは複数のアジュバントをさらに含む。
【0520】
1つの実施形態において、上記第2の免疫原性組成物は、以下のセクション8で開示されるように製剤化される。
【0521】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物(上記のセクション2のもののいずれかなど)は、PREVNAR(登録商標)(いくつかの国ではPREVENAR(登録商標))(7価ワクチン)、SYNFLORIX(登録商標)(10価ワクチン)および/またはPREVNAR13(登録商標)(いくつかの国ではPREVENAR13(登録商標))(13価ワクチン)と組み合わせて用いられる。
【0522】
本発明のある態様において、キットは、2つの容器の形態を採る。したがって、本発明の一実施形態においては、キットの免疫原性組成物のそれぞれ(すなわち、第1の免疫原性組成物および第2の免疫原性組成物)は、別々の容器に含まれる。
【0523】
一実施形態においては、キットの第1の免疫原性組成物(キットのパート(a))は、バイアル、シリンジ、フラスコ、発酵槽、バイオリアクター、バッグ、広口瓶、アンプル、カートリッジおよび使い捨てペンからなる群から選択される容器に含まれる。ある特定の実施形態では、容器は、シリコン処理されている。
【0524】
一実施形態においては、キットの第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))は、バイアル、シリンジ、フラスコ、発酵槽、バイオリアクター、バッグ、広口瓶、アンプル、カートリッジおよび使い捨てペンからなる群から選択される容器に含まれる。ある特定の実施形態では、容器は、シリコン処理されている。
【0525】
1つの実施形態において、容器は、ガラス、金属(例えば、鋼、ステンレス鋼、アルミニウムなど)および/またはポリマー(例えば、熱可塑性物質、エラストマー、熱可塑性エラストマー)製である。1つの実施形態において、容器は、ガラス製である。
【0526】
一実施形態においては、キットの第1および第2の免疫原性組成物は、シリンジまたは使い捨てペンに含まれる。一実施形態においては、キットの第1および第2の免疫原性組成物は、シリンジに含まれる。ある特定の実施形態では、シリンジは、シリコン処理されている。ある特定の実施形態では、シリコン処理されたシリンジは、ガラス製である。
【0527】
1つの実施形態において、キットの第1および第2の免疫原性組成物は、同時投与のために即席で混合される。
【0528】
1つの実施形態において、第1および第2の免疫原性組成物は、好ましくは2つの容器に含まれた、液体形態にある。一実施形態においては、第1および第2の容器は、駆動されたとき第1の容器中の液体が第2の容器中に導入されるような二重チャンバーシリンジ中の別々のチャンバーである。次いで得られた混合物は、シリンジを出ることができる。2つの免疫原性組成物は、混合の準備ができるまで別々に保たれる。
【0529】
1つの実施形態において、キットの第1および/または第2の免疫原性組成物は、凍結乾燥形態にある。
【0530】
1つの実施形態において、キットの第1の免疫原性組成物は、凍結乾燥形態にあり、第2の免疫原性組成物は、液体形態にある。別の実施形態においては、キットの第2の免疫原性組成物は、凍結乾燥形態にあり、第1の免疫原性組成物は、液体形態にある。前記実施形態において、凍結乾燥した免疫原性組成物は、両免疫原性組成物の同時投与のために液体免疫原性組成物と即席で再構成することができる。
【0531】
前記実施形態において、キットは、2つの容器を含み、1つの容器は、再構成のための液体材料を含み、第2の容器は、凍結乾燥材料を含む。一実施形態においては、第2の容器は、密閉されている。1つの実施形態において、液体材料は、第1の針を介して第2の容器に導入され、それにより凍結乾燥材料を再構成して液体形態にする。次いで得られた混合物は、患者に投与するために引き抜かれて容器(シリンジなど)に入れられる。一実施形態においては、引抜ステップは、第1の針を介するものである。別の実施形態においては、引抜ステップは、第2の針を介するものである。1つの実施形態において、引抜ステップに用いられる針は、患者に注射するのに用いられる同じ針である。別の実施形態においては、引抜ステップに用いられる針は、患者に注射するのに用いられる針と異なる。
【0532】
一実施形態においては、第2の容器は、バイアルである。さらなる実施形態においては、第1および第2の容器は、駆動されたとき液体材料が第1の容器から第2の容器に導入されるような二重チャンバーシリンジ中の別々のチャンバーである。得られた混合物は、液体形態でシリンジを出る。好ましい実施形態においては、凍結乾燥材料および液体材料は、混合の準備ができるまで別々に保たれる。
【0533】
1つの実施形態において、キットは、充填済みシリンジおよびバイアルを含む。一実施形態においては、シリンジは、単回用量の第1の免疫原性組成物を含み、バイアルは、単回用量の第2の免疫原性組成物を含む。1つの実施形態において、シリンジは、単回用量の第2の免疫原性組成物を含み、バイアルは、単回用量の第1の免疫原性組成物を含む。別の実施形態においては、シリンジおよびバイアルは、複数回用量を含む。
【0534】
5.免疫原性組成物の用量
各用量中のグリココンジュゲートの量は、典型的なワクチン被接種者において有意な有害副作用なしに免疫保護応答を誘導する量として選択される。そのような量は、用いられる特定の免疫原およびそれが提示される方法に応じて変化する。
【0535】
5.1 グリココンジュゲートの量
免疫原性組成物中の特定のグリココンジュゲートの量を、そのコンジュゲートの総多糖(コンジュゲート化および非コンジュゲート化)に基づいて算出することができる。例えば、20%の遊離多糖を含むグリココンジュゲートは、100μgの多糖用量中、約80μgのコンジュゲート化多糖および約20μgの非コンジュゲート化多糖を有する。グリココンジュゲートの量は、肺炎球菌血清型に応じて変化してもよい。糖類の濃度を、ウロン酸アッセイによって決定することができる。
【0536】
免疫原性組成物中の様々な多糖成分の「免疫原性量」は、異なっていてもよく、それぞれ、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約15μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、または約100μgの任意の特定の多糖抗原を含んでもよい。
【0537】
一般に、各用量は、所与の血清型について0.1μg~100μgの多糖、特に、0.5μg~20μg、より特には、1.0μg~10μg、さらにより特に好ましくは、2.0μg~5.0μgを含む。上記範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0538】
1つの実施形態において、各用量は、それぞれの特定のグリココンジュゲートについて約1.0μg、約1.2μg、約1.4μg、約1.6μg、約1.8μg、約2.0μg、約2.2μg、約2.4μg、約2.6μg、約2.8μg、約3.0μg、約3.2μg、約3.4μg、約3.6μg、約3.8μg、約4.0μg、約4.2μg、約4.4μg、約4.6μg、約4.8μg、約5.0μg、約5.2μg、約5.4μg、約5.6μg、約5.8μgまたは約6.0μgの多糖を含む。
【0539】
1つの実施形態において、各用量は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび/または33Fに由来するグリココンジュゲートについて、約1.1μg、約1.2μg、約1.3μg、約1.4μg、約1.5μg、約1.6μg、約1.7μg、約1.8μg、約1.9μg、約2.0μg、約2.1μg、約2.2μg、約2.3μg、約2.4μg、約2.5μg、約2.6μg、約2.7μg、約2.8μg、約2.9μg、または約3.0μgの多糖を含む。
【0540】
1つの実施形態において、各用量は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートについて、約1.1μg、約1.2μg、約1.3μg、約1.4μg、約1.5μg、約1.6μg、約1.7μg、約1.8μg、約1.9μg、約2.0μg、約2.1μg、約2.2μg、約2.3μg、約2.4μg、約2.5μg、約2.6μg、約2.7μg、約2.8μg、約2.9μg、または約3.0μgの多糖を含む。
【0541】
1つの実施形態において、各用量は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Bに由来するグリココンジュゲートについて、約2.0μg、約2.2μg、約2.4μg、約2.6μg、約2.8μg、約3.0μg、約3.2μg、約3.4μg、約3.6μg、約3.8μg、約4.0μg、約4.2μg、約4.4μg、約4.6μg、約4.8μg、約5.0、約5.2μg、約5.4μg、約5.6μg、約5.8μg、または約6.0μgの多糖を含む。
【0542】
1つの実施形態において、各用量は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび/または33Fに由来するそれぞれのグリココンジュゲートについて、約1.5μg~約3.0μgの多糖、ならびにストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Bに由来するグリココンジュゲートについて、約3.0μg~約6.0μgの多糖を含む。
【0543】
1つの実施形態において、各用量は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび/または33Fに由来するそれぞれのグリココンジュゲートについて、約2.0μg~約2.5μgの多糖、ならびにストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Bに由来するグリココンジュゲートについて、約4.0μg~約4.8μgの多糖を含む。
【0544】
1つの実施形態において、各用量は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび/または33Fに由来するそれぞれのグリココンジュゲートに由来する、約2.2μgの多糖、ならびにストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Bに由来するグリココンジュゲートについて、約4.4μgの多糖を含む。
【0545】
1つの実施形態において、各用量は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33Fに由来するそれぞれのグリココンジュゲートについて、約1.5μg~約3.0μgの多糖を含む。
【0546】
1つの実施形態において、各用量は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33Fに由来するそれぞれのグリココンジュゲートについて、約2.0μg~約2.5μgの多糖を含む。
【0547】
1つの実施形態において、各用量は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33Fに由来するそれぞれのグリココンジュゲートに由来する約2.2μgの多糖を含む。
【0548】
5.2 担体の量
一般に、本発明の免疫原性組成物の各用量は、1μg~150μgの担体タンパク質、特に、10μg~100μgの担体タンパク質、より特には、15μg~50μgの担体タンパク質、さらにより特には、16μg~40μgの担体タンパク質を含む。1つの実施形態において、前記担体タンパク質はCRM197である。
【0549】
1つの実施形態において、各用量は、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約11μg、約12μg、約13μg、約14μg、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μg、約50μg、約51μg、約52μg、約53μg、約54μg、約55μg、約56μg、約57μg、約58μg、約59μg、約60μg、約61μg、約62μg、約63μg、約64μg、約65μg、約66μg、約67μg、約68μg、約69μg、約70μg、約71μg、約72μg、約73μg、約74μgまたは約75μgの担体タンパク質を含む。1つの実施形態において、前記担体タンパク質はCRM197である。
【0550】
1つの実施形態において、各用量は、約10μg、約11μg、約12μg、約13μg、約14μg、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、または約30μgの担体タンパク質を含む。1つの実施形態において、前記担体タンパク質は、CRM197である。
【0551】
6.さらなる抗原
本明細書に開示される免疫原性組成物は、コンジュゲート化ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)糖類抗原(グリココンジュゲート)を含む。それらはまた、他の病原体、特に、細菌および/またはウイルスに由来する少なくとも1つの抗原をさらに含んでもよい。
【0552】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、ジフテリアトキソイド(D)、破傷風トキソイド(T)、百日咳抗原(P)、無細胞性百日咳抗原(Pa)、B型肝炎ウイルス(HBV)表面抗原(HBsAg)、A型肝炎ウイルス(HAV)抗原、コンジュゲート化ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)b型莢膜糖類(Hib)および不活化ポリオウイルスワクチン(IPV)からなる群から選択される少なくとも1つの抗原をさらに含む。
【0553】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、D-T-Paを含む。1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、D-T-Pa-Hib、D-T-Pa-IPVまたはD-T-Pa-HBsAgを含む。1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、D-T-Pa-HBsAg-IPVまたはD-T-Pa-HBsAg-Hibを含む。1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、D-T-Pa-HBsAg-IPV-Hibを含む。
【0554】
百日咳抗原:ボルデテラ・ペルツシス(Bordetella pertussis)は、百日咳を引き起こす。ワクチン中の百日咳抗原は細胞性(全細胞、不活化ボルデテラ・ペルツシス(B.pertussis)細胞の形態)または無細胞性である。細胞性百日咳抗原の調製は、文書で十分に立証されている(例えば、それをボルデテラ・ペルツシス(B.pertussis)のフェーズI培養物の熱不活化により得ることができる)。しかしながら、好ましくは、本発明は無細胞性抗原を用いる。無細胞性抗原を用いる場合、1つ、2つまたは(好ましくは)3つの以下の抗原:(1)解毒された百日咳毒素(百日咳トキソイド、またはPT);(2)線維性ヘマグルチニン(FHA);(3)ペルタクチン(69キロダルトン外膜タンパク質としても知られる)を用いることが好ましい。FHAおよびペルタクチンを、本発明による使用の前にホルムアルデヒドで処理することができる。PTを、好ましくは、ホルムアルデヒドおよび/またはグルタルアルデヒドを用いる処理により解毒する。無細胞性百日咳抗原を、好ましくは、1つまたは複数のアルミニウム塩アジュバント上に吸着させる。代替手段として、それらを非吸着状態で添加してもよい。ペルタクチンを添加する場合、それは水酸化アルミニウムアジュバント上に既に吸着されていることが好ましい。PTおよびFHAを、水酸化アルミニウムアジュバントまたはリン酸アルミニウム上に吸着させることができる。PT、FHAおよびペルタクチンの全部の水酸化アルミニウムへの吸着が最も好ましい。
【0555】
不活化ポリオウイルスワクチン:ポリオウイルスは急性灰白髄炎を引き起こす。経口ポリオウイルスワクチンを用いるよりもむしろ、本発明の好ましい実施形態はIPVを用いる。患者に投与する前に、ポリオウイルスを不活化する必要があり、これを、ホルムアルデヒドを用いる処理により達成することができる。急性灰白髄炎は、3つの型のポリオウイルスのうちの1つにより引き起こされ得る。3つの型は類似しており、同一の症状を引き起こすが、それらは抗原的に異なり、1つの型による感染は他の型による感染に対して保護しない。したがって、本発明においては3つのポリオウイルス抗原を用いることが好ましい:ポリオウイルス1型(例えば、Mahoney株)、ポリオウイルス2型(例えば、MEF-1株)、およびポリオウイルス3型(例えば、Saukett株)。このウイルスを、好ましくは個別に増殖させ、精製し、不活化した後、混合して、本発明と共に使用するためのバルク三価混合物を得る。
【0556】
ジフテリアトキソイド:コリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheriae)はジフテリアを引き起こす。ジフテリア毒素を(例えば、ホルマリンまたはホルムアルデヒドを用いて)処理して、注射後、特定の抗毒素抗体を誘導する能力を保持しながら毒性を除去することができる。これらのジフテリアトキソイドは、ジフテリアワクチン中で用いられる。好ましいジフテリアトキソイドは、ホルムアルデヒド処理により調製されるものである。ジフテリアトキソイドを、増殖培地中でコリネバクテリウム・ジフテリア(C.diphtheriae)を増殖させた後、ホルムアルデヒドで処理し、限外濾過し、沈降させることにより得ることができる。次いで、トキソイド化された材料を、滅菌濾過および/または透析を含むプロセスにより処理することができる。ジフテリアトキソイドを、好ましくは、水酸化アルミニウムアジュバント上に吸着させる。
【0557】
破傷風トキソイド:クロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)は破傷風を引き起こす。破傷風毒素を処理して、保護トキソイドを得ることができる。トキソイドは破傷風ワクチン中で用いられる。好ましい破傷風トキソイドは、ホルムアルデヒド処理により調製されるものである。破傷風トキソイドを、増殖培地中でクロストリジウム・テタニ(C.tetani)を増殖させた後、ホルムアルデヒドで処理し、限外濾過し、沈降させることにより得ることができる。次いで、材料を、滅菌濾過および/または透析を含むプロセスにより処理することができる。
【0558】
A型肝炎ウイルス抗原:A型肝炎ウイルス(HAV)は、ウイルス性肝炎を引き起こす公知の因子の1つである。好ましいHAV成分は不活化ウイルスに基づくものであり、不活化はホルマリン処置により達成することができる。
【0559】
B型肝炎ウイルス(HBV)は、ウイルス性肝炎を引き起こす公知の因子の1つである。キャプシドの主成分は、HBV表面抗原として知られるタンパク質であり、またはより一般的には、典型的には約24kDaの分子量を有する226アミノ酸のポリペプチドであるHBsAgである。全ての存在するB型肝炎ワクチンは、HBsAgを含有し、この抗原を正常なワクチン被接種者に投与する場合、それはHBV感染に対して保護する抗HBsAg抗体の産生を刺激する。
【0560】
ワクチン製造のために、HBsAgは2つの方法で作製されてきた:慢性B型肝炎キャリアの血漿からの粒子状形態の抗原の精製または組換えDNA法によるタンパク質の発現(例えば、酵母細胞中での組換え発現)。天然のHBsAg(すなわち、血漿精製産物中として)と違って、酵母により発現されるHBsAgは一般的にはグリコシル化されておらず、これは本発明と共に使用するためのHBsAgの最も好ましい形態である。
【0561】
コンジュゲート化ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)b型抗原:ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)b型(Hib)は、細菌性髄膜炎を引き起こす。Hibワクチンは、典型的には莢膜糖類抗原に基づくものであり、その調製は文書で十分に立証されている。Hib糖類を担体タンパク質にコンジュゲートさせて、特に、子供におけるその免疫原性を増強することができる。典型的な担体タンパク質は、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、CRM197、ヘモフィルス・インフルエンザ(H.influenzae)タンパク質D、およびB血清群髄膜炎菌に由来する外膜タンパク質複合体である。コンジュゲートの糖類部分は、Hib細菌から調製される完全長ポリリボシルリビトールリン酸(PRP)および/または完全長PRPの断片を含んでもよい。Hibコンジュゲートを、アルミニウム塩アジュバントに吸着させても、またはさせなくてもよい。
【0562】
1つの実施形態においては、本明細書に開示される免疫原性組成物は、コンジュゲート化ナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖類(MenY)、および/またはコンジュゲート化ナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群C莢膜糖類(MenC)をさらに含む。
【0563】
1つの実施形態においては、本明細書に開示される免疫原性組成物は、コンジュゲート化ナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群A莢膜糖類(MenA)、コンジュゲート化ナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群W135莢膜糖類(MenW135)、コンジュゲート化ナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖類(MenY)、および/またはコンジュゲート化ナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群C莢膜糖類(MenC)をさらに含む。
【0564】
1つの実施形態においては、本明細書に開示される免疫原性組成物は、コンジュゲート化ナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群W135莢膜糖類(MenW135)、コンジュゲート化ナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖類(MenY)、および/またはコンジュゲート化ナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群C莢膜糖類(MenC)をさらに含む。
【0565】
本発明のある態様は、上記さらなる抗原のいずれかが第1の免疫原性組成物のパート(キットのパート(a))である、上記のセクション4で定義されたキットを提供する。
【0566】
本発明のある態様は、上記さらなる抗原のいずれかが第2の免疫原性組成物のパート(キットのパート(b))である、上記のセクション4で定義されたキットを提供する。
【0567】
本発明のある態様は、上記さらなる抗原のいずれかが第1の免疫原性組成物のパート(キットのパート(a))であり、上記さらなる抗原のいずれかが第2の免疫原性組成物のパート(キットのパート(b))である、上記のセクション4で定義されたキットを提供する。
【0568】
7.アジュバント
いくつかの実施形態においては、本明細書に開示される免疫原性組成物は、少なくとも1つ、2つまたは3つのアジュバントをさらに含んでもよい。用語「アジュバント」とは、抗原に対する免疫応答を増強する化合物または混合物を指す。抗原は、主に送達系として、主に免疫モジュレータとして作用するか、またはその両方の強力な特徴を有してもよい。好適なアジュバントとしては、ヒトを含む哺乳動物における使用にとって好適なものが挙げられる。
【0569】
ヒトにおいて用いることができる公知の好適な送達系型アジュバントの例としては、限定されるものではないが、ミョウバン(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)、リン酸カルシウム、リポソーム、MF59(4.3%w/vスクアレン、0.5%w/vポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)、0.5%w/v三オレイン酸ソルビタン(Span85))などの水中油乳濁液、MONTANIDE(商標)などの油中水乳濁液、およびポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)マイクロ粒子またはナノ粒子が挙げられる。
【0570】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、アジュバントとしてアルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)を含む。好ましい実施形態においては、本明細書に開示される免疫原性組成物は、アジュバントとしてリン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含む。1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、0.1mg/mL~1mg/mLまたは0.2mg/mL~0.3mg/mLの、リン酸アルミニウムの形態のアルミニウム元素を含む。1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、約0.25mg/mLの、リン酸アルミニウムの形態のアルミニウム元素を含む。
【0571】
ヒトにおいて用いることができる公知の好適な免疫調節型アジュバントの例としては、限定されるものではないが、アクイラ(Aquilla)の木の樹皮に由来するサポニン抽出物(QS21、QUILA(登録商標))、MPL(モノホスホリルリピドA)、3DMPL(3-O-脱アシル化MPL)またはGLA-AQなどのTLR4アゴニスト、LT/CT変異体、様々なインターロイキン(例えば、IL-2、IL-12)またはGM-CSFなどのサイトカインその他が挙げられる。
【0572】
ヒトにおいて用いることができる送達および免疫調節の両方を特徴とする公知の好適な免疫調節型アジュバントの例としては、限定されるものではないが、ISCOMS(例えば、Sjolanderら(1998)J.Leukocyte Biol.64:713;WO90/03184、WO96/11711、WO00/48630、WO98/36772、WO00/41720、WO2006/134423およびWO2007/026190を参照されたい)またはTLR4アゴニストと水中油乳濁液との組合せであるGLA-EMが挙げられる。
【0573】
限定されるものではないが、動物実験などの獣医学的適用のためには、当業者であれば、完全Freundアジュバント(CFA)、Freund不完全アジュバント(IFA)、EMULSIGEN(登録商標)、N-アセチル-ムラミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル-ノルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(CGP11637、ノル-MDPと呼ばれる)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(CGP19835A、MTP-PEと呼ばれる)、ならびに2%スクアレン/TWEEN(登録商標)80乳濁液中に細菌から抽出される3つの成分、モノホスホリルリピドA、トレハロースジミコール酸および細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を含有するRIBI(商標)を用いることができる。
【0574】
本明細書に開示される肺炎球菌ワクチンの有効性を増強するためのさらなる例示的アジュバントとしては、限定されるものではないが、(1)例えば、(a)より大きい粒径の乳濁液を生成するためにサブミクロン乳濁液中にマイクロ流体化された、またはボルテックスされた10%スクアラン、0.4%TWEEN(登録商標)80、5%プルロニックブロックポリマーL121、およびthr-MDPを含有するSAF、および(b)2%スクアレン、0.2%TWEEN(登録商標)80、ならびにモノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコール酸(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)、好ましくは、MPL+CWS(DETOX(商標))などの1つまたは複数の細菌細胞壁成分を含有するRIBI(商標)アジュバント系(RAS)(Ribi Immunochem、Hamilton、MT)などの、水中油乳濁液製剤(ムラミルペプチド(下記参照)または細菌細胞壁成分などの他の特異的免疫刺激剤を含む、または含まない);(2)QS21、STIMULON(商標)(Cambridge Bioscience、Worcester、MA)、ABISCO(登録商標)(Isconova、Sweden)、または用いることができるISCOMATRIX(登録商標)(Commonwealth Serum Laboratories、Australia)またはさらなる界面活性剤を含まなくてもよいISCOM(免疫刺激複合体)などのそれから生成される粒子(例えば、WO00/07621)などのサポニンアジュバント;(3)完全Freundアジュバント(CFA)および不完全Freundアジュバント(IFA);(4)インターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12(例えば、WO99/44636))、インターフェロン(例えば、ガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカイン;(5)場合により、肺炎球菌糖類と共に用いられる場合(例えば、WO00/56358を参照されたい)、ミョウバンの実質的な非存在下にあるモノホスホリルリピドA(MPL)または3-O-脱アシル化MPL(3dMPL)(例えば、GB-2220221、EP0689454を参照されたい);(6)3dMPLと、例えば、QS21および/または水中油乳濁液との組合せ(例えば、EP0835318、EP0735898、EP0761231を参照されたい);(7)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル(例えば、WO99/52549を参照されたい);(8)オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(例えば、WO01/21207)またはオクトキシノールなどの少なくとも1つのさらなる非イオン性界面活性剤と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルもしくはエステル界面活性剤(例えば、WO01/21152);(9)サポニンおよび免疫刺激オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)(例えば、WO00/62800);(10)免疫刺激剤および金属塩の粒子(例えば、WO00/23105を参照されたい);(11)サポニンおよび水中油乳濁液(例えば、WO99/11241);(12)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IM2(場合により、+ステロール)(例えば、WO98/57659);(13)組成物の効能を増強するための免疫刺激剤として作用する他の物質が挙げられる。ムラミルペプチドとしては、N-アセチル-ムラミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-25アセチル-ノルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(ノル-MDP)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミンMTP-PE)などが挙げられる。
【0575】
本発明の1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、アジュバントとしてCpGオリゴヌクレオチドを含む。本明細書で用いられるCpGオリゴヌクレオチドとは、免疫刺激CpGオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)を指し、したがって、これらの用語は、別途指摘しない限り互換的に用いられる。免疫刺激CpGオリゴデオキシヌクレオチドは、場合により、ある特定の好ましい塩基の文脈内で、非メチル化シトシン-グアニンジヌクレオチドである、1つまたは複数の免疫刺激CpGモチーフを含有する。CpG免疫刺激モチーフのメチル化状態は、一般に、ジヌクレオチド中のシトシン残基を指す。少なくとも1つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含有する免疫刺激オリゴヌクレオチドは、3’グアニンにリン酸結合により連結された5’非メチル化シトシンを含有し、トール様受容体9(TLR-9)への結合により免疫系を活性化するオリゴヌクレオチドである。別の実施形態においては、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数のメチル化CpGジヌクレオチドを含有してもよく、これらはCpGモチーフがメチル化されていない場合ほど強くないが、TLR9により免疫系を活性化する。CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドは、順に、CpGジヌクレオチドを包含してもよい1つまたは複数のパリンドロームを含んでもよい。CpGオリゴヌクレオチドは、いくつかの発行された特許、公開された特許出願、および他の刊行物、例えば、米国特許第6,194,388号;第6,207,646号;第6,214,806号;第6,218,371号;第6,239,116号;および第6,339,068号に記載されている。
【0576】
本発明の1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、WO2010/125480の3頁、22行目~12頁、36行目に記載された任意のCpGオリゴヌクレオチドを含む。
【0577】
異なるクラスのCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドが同定されている。これらのものは、A、B、CおよびPクラスと呼ばれ、WO2010/125480の3頁、22行目~12頁、36行目により詳細に記載されている。本発明の方法は、これらの異なるクラスのCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドの使用を包含する。
【0578】
本発明の1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、AクラスのCpGオリゴヌクレオチドを含む。好ましくは、本発明の「Aクラス」のCpGオリゴヌクレオチドは、以下の核酸配列:5’GGGGACGACGTCGTGGGGGGG3’(配列番号1)を有する。Aクラスのオリゴヌクレオチドのいくつかの非限定例としては、5’G*G*G_G_A_C_G_A_C_G_T_C_G_T_G_G*G*G*G*G*G3’(配列番号2)(式中、「*」はホスホロチオエート結合を指し、「_」はホスホジエステル結合を指す)が挙げられる。
【0579】
本発明の1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、BクラスのCpGオリゴヌクレオチドを含む。一実施形態においては、本発明における使用のためのCpGオリゴヌクレオチドは、少なくとも式:5’X1X2CGX3X43’(式中、X1、X2、X3およびX4はヌクレオチドである)により表されるBクラスのCpGオリゴヌクレオチドである。一実施形態においては、X2はアデニン、グアニン、またはチミンである。別の実施形態においては、X3はシトシン、アデニン、またはチミンである。
【0580】
本発明のBクラスのCpGオリゴヌクレオチド配列は、上記に広く記載されたもの、ならびにWO96/02555、WO98/18810ならびに米国特許第6,194,388号;第6,207,646号;第6,214,806号;第6,218,371号;第6,239,116号;および第6,339,068号に開示されたものである。例示的な配列としては、限定されるものではないが、これらの後者の出願および特許に開示されたものが挙げられる。
【0581】
1つの実施形態において、本発明の「Bクラス」のCpGオリゴヌクレオチドは、以下の核酸配列:
5’TCGTCGTTTTTCGGTGCTTTT3’(配列番号3)、または
5’TCGTCGTTTTTCGGTCGTTTT3’(配列番号4)、または
5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT3’(配列番号5)、または
5’TCGTCGTTTCGTCGTTTTGTCGTT3’(配列番号6)、または
5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTTTTCGA3’(配列番号7)
を有する。
【0582】
これらの配列のいずれかにおいて、全ての結合は全てホスホロチオエート結合であってもよい。別の実施形態においては、これらの配列のいずれかにおいて、1つまたは複数の結合は、好ましくは、セミソフトCpGオリゴヌクレオチドを作るCpGモチーフの「C」と「G」の間のホスホジエステルであってもよい。これらの配列のいずれかにおいて、エチル-ウリジンまたはハロゲンは、5’Tに置き換わってもよい;ハロゲン置換の例としては、限定されるものではないが、ブロモ-ウリジンまたはヨード-ウリジン置換が挙げられる。
【0583】
Bクラスのオリゴヌクレオチドのいくつかの非限定例としては、
5’T*C*G*T*C*G*T*T*T*T*T*C*G*G*T*G*C*T*T*T*T3’(配列番号8)、または
5’T*C*G*T*C*G*T*T*T*T*T*C*G*G*T*C*G*T*T*T*T3’(配列番号9)、または
5’T*C*G*T*C*G*T*T*T*T*G*T*C*G*T*T*T*T*G*T*C*G*T*T3’(配列番号10)、または
5’T*C*G*T*C*G*T*T*T*C*G*T*C*G*T*T*T*T*G*T*C*G*T*T3’(配列番号11)、または
5’T*C*G*T*C*G*T*T*T*T*G*T*C*G*T*T*T*T*T*T*T*C*G*A3’(配列番号12)
(式中、「*」はホスホロチオエート結合を指す)が挙げられる。
【0584】
本発明の1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、CクラスのCpGオリゴヌクレオチドを含む。1つの実施形態において、本発明の「Cクラス」のCpGオリゴヌクレオチドは、以下の核酸配列:
5’TCGCGTCGTTCGGCGCGCGCCG3’(配列番号13)、または
5’TCGTCGACGTTCGGCGCGCGCCG3’(配列番号14)、または
5’TCGGACGTTCGGCGCGCGCCG3’(配列番号15)、または
5’TCGGACGTTCGGCGCGCCG3’(配列番号16)、または
5’TCGCGTCGTTCGGCGCGCCG3’(配列番号17)、または
5’TCGACGTTCGGCGCGCGCCG3’(配列番号18)、または
5’TCGACGTTCGGCGCGCCG3’(配列番号19)、または
5’TCGCGTCGTTCGGCGCCG3’(配列番号20)、または
5’TCGCGACGTTCGGCGCGCGCCG3’(配列番号21)、または
5’TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCG3’(配列番号22)、または
5’TCGTCGTTTTCGGCGGCCGCCG3’(配列番号23)、または
5’TCGTCGTTTTACGGCGCCGTGCCG3’(配列番号24)、または
5’TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCGT3’(配列番号25)
を有する。
【0585】
これらの配列のいずれかにおいて、全ての結合は全てホスホロチオエート結合であってもよい。別の実施形態においては、これらの配列のいずれかにおいて、1つまたは複数の結合は、好ましくは、セミソフトCpGオリゴヌクレオチドを作るCpGモチーフの「C」と「G」の間のホスホジエステルであってもよい。
【0586】
Cクラスのオリゴヌクレオチドのいくつかの非限定例としては、
5’T*C_G*C_G*T*C_G*T*T*C_G*G*C*G*C_G*C*G*C*C*G3’(配列番号26)、または
5’T*C_G*T*C_G*A*C_G*T*T*C_G*G*C*G*C_G*C*G*C*C*G3’(配列番号27)、または
5’T*C_G*G*A*C_G*T*T*C_G*G*C*G*C_G*C*G*C*C*G3’(配列番号28)、または
5’T*C_G*G*A*C_G*T*T*C_G*G*C*G*C*G*C*C*G3’(配列番号29)、または
5’T*C_G*C_G*T*C_G*T*T*C_G*G*C*G*C*G*C*C*G3’(配列番号30)、または
5’T*C_G*A*C_G*T*T*C_G*G*C*G*C_G*C*G*C*C*G3’(配列番号31)、または
5’T*C_G*A*C_G*T*T*C_G*G*C*G*C*G*C*C*G3’(配列番号32)、または
5’T*C_G*C_G*T*C_G*T*T*C_G*G*C*G*C*C*G3’(配列番号33)、または
5’T*C_G*C_G*A*C_G*T*T*C_G*G*C*G*C_G*C*G*C*C*G3’(配列番号34)、または
5’T*C*G*T*C*G*T*T*T*T*C*G*G*C*G*C*G*C*G*C*C*G3’(配列番号35)、または
5’T*C*G*T*C*G*T*T*T*T*C*G*G*C*G*G*C*C*G*C*C*G3’(配列番号36)、または
5’T*C*G*T*C_G*T*T*T*T*A*C_G*G*C*G*C*C_G*T*G*C*C*G3’(配列番号37)、または
5’T*C_G*T*C*G*T*T*T*T*C*G*G*C*G*C*G*C*G*C*C*G*T3’(配列番号38)
(式中、「*」はホスホロチオエート結合を指し、「_」はホスホジエステル結合を指す)が挙げられる。これらの配列のいずれかにおいて、エチル-ウリジンまたはハロゲンは5’Tに置き換わってもよい;ハロゲン置換の例としては、限定されるものではないが、ブロモ-ウリジンまたはヨード-ウリジン置換が挙げられる。
【0587】
本発明の1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、PクラスのCpGオリゴヌクレオチドを含む。1つの実施形態において、本発明における使用のためのCpGオリゴヌクレオチドは、5’TLR活性化ドメインと、少なくとも2つのパリンドローム領域とを含有するPクラスのCpGオリゴヌクレオチドであって、一方のパリンドローム領域が、少なくとも6ヌクレオチド長の5’パリンドローム領域であり、直接的に、またはスペーサーを介して少なくとも8ヌクレオチド長の3’パリンドローム領域に接続されいる、少なくとも1つのYpRジヌクレオチドを含むCpGオリゴヌクレオチドである。1つの実施形態において、前記オリゴヌクレオチドは、T*C_G*T*C_G*A*C_G*T*T*C_G*G*C*G*C_G*C*G*C*C*G(配列番号27)ではない。一実施形態においては、PクラスのCpGオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、TLR活性化ドメインは、TCG、TTCG、TTTCG、TYpR、TTYpR、TTTYpR、UCG、UUCG、UUUCG、TTT、またはTTTTである。さらに別の実施形態においては、TLR活性化ドメインは、5’パリンドローム領域内にある。別の実施形態においては、TLR活性化ドメインは、5’パリンドローム領域のすぐ5’側にある。
【0588】
1つの実施形態において、本発明の「Pクラス」のCpGオリゴヌクレオチドは、以下の核酸配列:5’TCGTCGACGATCGGCGCGCGCCG3’(配列番号39)を有する。
【0589】
前記配列において、全ての結合は、全てホスホロチオエート結合であってもよい。別の実施形態において、1つまたは複数の結合は、好ましくは、セミソフトCpGオリゴヌクレオチドを作るCpGモチーフの「C」と「G」との間のホスホジエステルであってもよい。これらの配列のいずれかにおいて、エチル-ウリジンまたはハロゲンは5’Tに置き換わってもよい;ハロゲン置換の例としては、限定されるものではないが、ブロモ-ウリジンまたはヨード-ウリジン置換が挙げられる。
【0590】
Pクラスのオリゴヌクレオチドの非限定例としては、
5’T*C_G*T*C_G*A*C_G*A*T*C_G*G*C*G*C_G*C*G*C*C*G3’(配列番号40)
(式中、「*」はホスホロチオエート結合を指し、「_」はホスホジエステル結合を指す)を含む。
【0591】
一実施形態においては、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含む。別の実施形態においては、オリゴヌクレオチドの全てのヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である。別の実施形態においては、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホジエステル様結合を含む。別の実施形態においては、ホスホジエステル様結合は、ホスホジエステル結合である。別の実施形態においては、親油性基をオリゴヌクレオチドにコンジュゲートさせる。一実施形態においては、親油性基はコレステロールである。
【0592】
1つの実施形態において、本明細書に開示されるCpGオリゴヌクレオチドの全てのヌクレオチド間結合は、ホスホジエステル結合(WO2007/026190に記載された「ソフト」オリゴヌクレオチド)である。別の実施形態においては、本発明のCpGオリゴヌクレオチドは、分解に耐性にされる(例えば、安定化される)。「安定化されたオリゴヌクレオチド」とは、in vivoでの分解(例えば、エキソまたはエンドヌクレアーゼによる)に比較的耐性であるオリゴヌクレオチドを指す。核酸安定化を、骨格改変により達成することができる。ホスホロチオエート結合を有するオリゴヌクレオチドは、最大活性を生じ、細胞内エキソおよびエンドヌクレアーゼによる分解からオリゴヌクレオチドを保護する。
【0593】
免疫刺激オリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル結合とホスホロチオエート結合との組合せを有するキメラ骨格を有してもよい。本発明の目的では、キメラ骨格とは、部分的に安定化された骨格であって、少なくとも1つのヌクレオチド間結合がホスホジエステルまたはホスホジエステル様であり、少なくとも1つの他のヌクレオチド間結合が安定化されたヌクレオチド間結合であり、少なくとも1つのホスホジエステルまたはホスホジエステル様結合と、少なくとも1つの安定化された結合とが異なるものである、骨格を指す。ホスホジエステル結合がCpGモチーフ内に優先的に配置される場合、そのような分子は、WO2007/026190に記載されたような「セミソフト」と呼ばれる。
【0594】
他の改変オリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、メチルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、および/またはp-エトキシ結合の組合せを含む。
【0595】
混合骨格改変ODNを、WO2007/026190に記載のように合成することができる。CpGオリゴヌクレオチドのサイズ(すなわち、オリゴヌクレオチドの長さに沿ったヌクレオチド残基の数)は、オリゴヌクレオチドの刺激活性にも寄与し得る。細胞中への取込みを容易にするために、本発明のCpGオリゴヌクレオチドは、好ましくは、6ヌクレオチドの残基の最小の長さを有する。より大きいオリゴヌクレオチドは細胞内で分解されるため、十分な免疫刺激モチーフが存在する場合、6ヌクレオチドを超える任意のサイズのオリゴヌクレオチド(多くのkb長であっても)は、免疫応答を誘導することができる。ある特定の実施形態においては、CpGオリゴヌクレオチドは、6~100ヌクレオチド長、好ましくは、8~30ヌクレオチド長である。重要な実施形態においては、本発明の核酸およびオリゴヌクレオチドは、プラスミドまたは発現ベクターではない。
【0596】
1つの実施形態において、本明細書に開示されるCpGオリゴヌクレオチドは、WO2007/026190の段落134~147に記載されたような塩基および/または糖などにおける、置換または改変を含む。
【0597】
1つの実施形態において、本発明のCpGオリゴヌクレオチドは、化学的に改変される。化学的改変の例は、当業者には公知であり、例えば、Uhlmannら(1990)Chem.Rev.90:543;S.Agrawal(編)、Humana Press、Totowa、USA 1993;Crookeら(1996)Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.36:107~129;およびHunzikerら(1995)Mod.Synth.Methods7:331~417に記載されている。本発明によるオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の改変を有してもよく、ここで、各改変は、天然のDNAまたはRNAから構成される同じ配列のオリゴヌクレオチドと比較して、特定のホスホジエステルヌクレオシド間架橋および/または特定のβ-D-リボース単位および/または特定の天然ヌクレオシド塩基位置に位置する。
【0598】
本発明のいくつかの実施形態においては、CpG含有核酸を、当業者には公知の方法(例えば、WO03/024480を参照されたい)に従って免疫原性担体と単純に混合することができる。
【0599】
本発明の特定の実施形態においては、本明細書に開示される任意の免疫原性組成物は、2μg~100mgのCpGオリゴヌクレオチド、好ましくは、0.1mg~50mgのCpGオリゴヌクレオチド、好ましくは、0.2mg~10mgのCpGオリゴヌクレオチド、好ましくは、0.3mg~5mgのCpGオリゴヌクレオチド、さらにより好ましくは、0.5~2mgのCpGオリゴヌクレオチド、さらにより好ましくは、0.75~1.5mgのCpGオリゴヌクレオチドを含む。好ましい実施形態においては、本明細書に開示される任意の免疫原性組成物は、約1mgのCpGオリゴヌクレオチドを含む。
【0600】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物(上記のセクション2で定義されたものなど)は、上記に定義したアジュバント、好ましくはアルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)を含む。1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、アジュバントとしてリン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含む。
【0601】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物(上記のセクション3で定義されたものなど)と組み合わせて用いてもよい免疫原性組成物は、上記に定義したアジュバント、好ましくはアルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)を含む。1つの実施形態において、前記免疫原性組成物は、アジュバントとしてリン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含む。
【0602】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、第1の免疫原性組成物(キットのパート(a))のみが上記に定義したアジュバントを含む、キットを提供する。
【0603】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))のみが上記に定義したアジュバントを含む、キットを提供する。
【0604】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が上記に定義したアジュバントを含む、キットを提供する。
【0605】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))がリン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択されるアジュバントを含む、キットを提供する。
【0606】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))がアジュバントしてリン酸アルミニウムを含む、キットを提供する。
【0607】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))がアジュバントして水酸化アルミニウムを含む、キットを提供する。
【0608】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))がアジュバントして硫酸アルミニウムを含む、キットを提供する。
【0609】
8.製剤
本明細書に開示される免疫原性組成物を、液体形態(すなわち、溶液もしくは懸濁液)または凍結乾燥形態で製剤化することができる。液体製剤は、有利には、その包装された形態から直接的に投与することができ、したがって、凍結乾燥組成物について別途必要とされるような水性媒体中での復元を必要とせず、注射にとって理想的である。
【0610】
本明細書に開示される免疫原性組成物の製剤を、当技術分野で認識される方法を用いて達成することができる。例えば、個々の肺炎球菌コンジュゲートを、生理的に許容できるビヒクルと共に製剤化して、組成物を調製することができる。そのようなビヒクルの例としては、限定されるものではないが、水、緩衝塩水、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)およびデキストロース溶液が挙げられる。
【0611】
本開示は、本明細書に開示されるグリココンジュゲートの任意の組合せと、薬学的に許容できる賦形剤、担体、または希釈剤とを含む免疫原性組成物を提供する。
【0612】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、液体形態、好ましくは、水性液体形態にある。
【0613】
本開示の免疫原性組成物は、緩衝液、塩、二価陽イオン、非イオン性界面活性剤、糖などの凍結防止剤、フリーラジカルスカベンジャーもしくはキレート剤などの酸化防止剤のうちの1つもしくは複数、またはその任意の組合せを含んでもよい。
【0614】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、緩衝液を含む。1つの実施形態において、前記緩衝液は、約3.5~約7.5のpKaを有する。いくつかの実施形態においては、緩衝液は、リン酸、コハク酸、ヒスチジンまたはクエン酸である。ある特定の実施形態においては、緩衝液は最終濃度1mM~10mMのコハク酸である。1つの特定の実施形態においては、コハク酸緩衝液の最終濃度は約5mMである。
【0615】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、塩を含む。いくつかの実施形態においては、塩は塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよびその組合せからなる群から選択される。1つの特定の実施形態においては、塩は塩化ナトリウムである。1つの特定の実施形態においては、本明細書に開示される免疫原性組成物は、150mMの塩化ナトリウムを含む。
【0616】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、界面活性剤を含む。1つの実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート20(TWEEN(商標)20)、ポリソルベート40(TWEEN(商標)40)、ポリソルベート60(TWEEN(商標)60)、ポリソルベート65(TWEEN(商標)65)、ポリソルベート80(TWEEN(商標)80)、ポリソルベート85(TWEEN(商標)85)、TRITON(商標)N-101、TRITON(商標)X-100、オキシトキシノール(oxtoxynol)40、ノノキシノール-9、トリエタノールアミン、トリエタノールアミンポリペプチドオレエート、ポリオキシエチレン-660ヒドロキシステアレート(PEG-15、Solutol H15)、ポリオキシエチレン-35-リシノレエート(CREMOPHOR(登録商標)EL)、大豆レシチンおよびポロキサマーからなる群から選択される。1つの特定の実施形態においては、界面活性剤は、ポリソルベート80である。いくつかの前記実施形態においては、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、少なくとも0.0001%~10%重量/重量(w/w)のポリソルベート80である。いくつかの前記実施形態においては、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、少なくとも0.001%~1%重量/重量(w/w)のポリソルベート80である。いくつかの前記実施形態においては、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、少なくとも0.01%~1%重量/重量(w/w)のポリソルベート80である。他の実施形態においては、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%または0.1%(w/w)のポリソルベート80である。別の実施形態においては、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、1%(w/w)のポリソルベート80である。
【0617】
ある特定の実施形態においては、本明細書に開示される免疫原性組成物は、5.5~7.5のpH、より好ましくは、5.6~7.0のpH、さらにより好ましくは、5.8~6.0のpHを有する。
【0618】
一実施形態においては、本発明は、本明細書に開示される免疫原性組成物のいずれかを充填された容器を提供する。一実施形態においては、容器は、バイアル、シリンジ、フラスコ、発酵器、バイオリアクター、バッグ、ジャー、アンプル、カートリッジおよび使い捨て型ペンからなる群から選択される。ある特定の実施形態においては、容器はシリコン処理されている。
【0619】
1つの実施形態において、本発明の容器は、ガラス、金属(例えば、スチール、ステンレススチール、アルミニウムなど)および/またはポリマー(例えば、熱可塑性物質、エラストマー、熱可塑性エラストマー)から作られている。1つの実施形態において、本発明の容器は、ガラスから作られている。
【0620】
一実施形態においては、本発明は、本明細書に開示される免疫原性組成物のいずれかを充填されたシリンジを提供する。ある特定の実施形態においては、シリンジはシリコン処理されている、および/またはガラスから作られている。
【0621】
注射のための本明細書に開示される免疫原性組成物の典型的な用量は、0.1mL~2mL、より好ましくは、0.2mL~1mL、さらにより好ましくは、約0.5mLの容量を有する。
【0622】
したがって、上記で定義された容器またはシリンジは、0.1mL~2mL、より好ましくは、0.2mL~1mL、さらにより好ましくは、約0.5mLの容量の本明細書で定義される任意の免疫原性組成物を充填される。
【0623】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物(上記のセクション2で定義されたものなど)は、上記に開示されたように製剤化される。
【0624】
1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物(上記のセクション3で定義されたものなど)と組み合わせて用いてもよい免疫原性組成物は、上記に開示されたように製剤化される。
【0625】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が上述したように製剤化される、キットを提供する。
【0626】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が液体形態で製剤化される、キットを提供する。
【0627】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が凍結乾燥形態で製剤化される、キットを提供する。
【0628】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、第1の免疫原性組成物(キットのパート(a))が液体形態にあり、第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))が凍結乾燥形態にある、キットを提供する。
【0629】
本発明のある態様は、上記のセクション4で定義されたキットであって、第1の免疫原性組成物(キットのパート(a))が凍結乾燥形態にあり、第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))が液体形態にある、キットを提供する。
【0630】
9.本発明の免疫原性組成物およびキットの使用
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、薬剤としての使用のためのものである。
【0631】
本明細書に記載の免疫原性組成物およびキットを、対象における細菌感染、疾患または状態を防止する、処置する、または改善するための様々な治療的または予防的方法において用いることができる。特に、本明細書に記載の免疫原性組成物およびキットを用いて、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)感染、疾患または状態を防止する、処置する、または改善することができる。
【0632】
かくして、一態様において、本発明は、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)と関連する感染、疾患または状態を防止する、処置する、または改善する方法であって、対象に、免疫学的に有効な量の本明細書に開示される免疫原性組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0633】
いくつかのそのような実施形態において、感染、疾患または状態は、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、急性中耳炎、髄膜炎、菌血症、敗血症、膿胸、結膜炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、乳様突起炎、蜂巣炎、軟組織感染および脳膿瘍からなる群から選択される。
【0634】
1つの実施形態において、本発明は、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に対する免疫応答を誘導する方法であって、対象に免疫学的に有効な量の本発明の免疫原性組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0635】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、ワクチンとしての使用のためのものである。そのような実施形態においては、本明細書に記載の免疫原性組成物およびキットを用いて、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)感染を防止することができる。かくして、一態様において、本発明は、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)による感染を防止する方法であって、対象に、免疫学的に有効な量の本発明の免疫原性組成物を投与することを含む方法を提供する。いくつかのそのような実施形態においては、感染は、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、急性中耳炎、髄膜炎、菌血症、敗血症、膿胸、結膜炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、乳様突起炎、蜂巣炎、軟組織感染および脳膿瘍からなる群から選択される。一態様において、ワクチン接種される対象は、ヒト、ネコ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシまたはイヌなどの哺乳動物である。
【0636】
一態様において、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)と関連する感染、疾患または状態を防止する、処置する、または改善する方法における使用のためのものである。いくつかのそのような実施形態においては、感染、疾患または状態は、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、急性中耳炎、髄膜炎、菌血症、敗血症、膿胸、結膜炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、乳様突起炎、蜂巣炎、軟組織感染および脳膿瘍からなる群から選択される。
【0637】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、ワクチンとしての使用のためのものである。そのような実施形態においては、本明細書に記載の免疫原性組成物およびキットを用いて、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)感染を防止することができる。かくして、一態様において、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)による感染を防止する方法における使用のためのものである。いくつかのそのような実施形態においては、感染は、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、急性中耳炎、髄膜炎、菌血症、敗血症、膿胸、結膜炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、乳様突起炎、蜂巣炎、軟組織感染および脳膿瘍からなる群から選択される。一態様において、ワクチン接種される対象は、ヒト、ネコ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシまたはイヌなどの哺乳動物である。
【0638】
本発明の免疫原性組成物およびキットを用いて、全身経路または粘膜経路を介して免疫原性組成物を投与することにより、肺炎球菌感染に感受性であるヒトを防止する、または処置することができる。1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、筋肉内、腹腔内、皮内、または皮下経路により投与される。1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、筋肉内、腹腔内、皮内または皮下注射により投与される。1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、筋肉内または皮下注射により投与される。
【0639】
1つの実施形態において、対象に投与された場合、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、標準的なELISAアッセイにより測定された場合、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B、15Aおよび/または15Cに結合することができる抗体の形成を誘導することができる。1つの実施形態において、対象に投与された場合、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、標準的なELISAアッセイにより測定された場合、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15Cに結合することができる抗体の形成を誘導することができる。
【0640】
ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)法においては、ワクチン接種された対象の血清に由来する抗体を、固相支持体に吸着させた多糖と共にインキュベートする。結合した抗体を、酵素コンジュゲート化二次検出抗体を用いて検出する。
【0641】
1つの実施形態において、前記標準的なELISAアッセイは、「Training manual for Enzyme linked immunosorbent assay for the quantitation of Streptococcus pneumoniae serotype specific IgG(Pn PS ELISA)」(http://www.vaccine.uab.edu/ELISA%20protocol.pdfでアクセス可能;2014年3月31日に最後にアクセスされた)においてWHOにより定義された標準化された(WHO)ELISAアッセイである。
【0642】
ELISAによって、ヒト血清中に存在する、型特異的IgG抗ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)莢膜多糖(PS)抗体を測定する。ヒト血清の希釈液を型特異的莢膜PS被覆マイクロタイタープレートに添加する場合、その莢膜PSに特異的な抗体がマイクロタイタープレートに結合する。プレートに結合した抗体を、ヤギ抗ヒトIgGアルカリホスファターゼ標識抗体、次いで、p-ニトロフェニルリン酸基質を用いて検出する。着色された最終産物の光密度は、血清中に存在する抗莢膜PS抗体の量に比例する。
【0643】
1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、ELISAアッセイにより決定された場合、少なくとも0.05、0.1、0.2、0.3、0.35、0.4または0.5μg/mlの濃度でストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B多糖に結合することができる、ヒトにおけるIgG抗体を惹起することができる。
【0644】
1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、ELISAアッセイにより決定された場合、少なくとも0.05、0.1、0.2、0.3、0.35、0.4または0.5μg/mlの濃度でストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15C多糖に結合することができる、ヒトにおけるIgG抗体を惹起することができる。
【0645】
1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、ELISAアッセイにより決定された場合、少なくとも0.05、0.1、0.2、0.3、0.35、0.4または0.5μg/mlの濃度でストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15C多糖に結合することができる、ヒトにおけるIgG抗体を惹起することができる。
【0646】
1つの実施形態において、対象に投与された場合、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、本明細書に開示されるオプソニン貪食作用アッセイにおいてストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bを殺傷することができる抗体の形成を誘導することができる。
【0647】
1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、本明細書に開示されるOPAアッセイ(実施例12のOPAアッセイなど)において試験した場合、コンジュゲートされていない天然のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖を用いて得られるOPA力価よりも高いOPA力価を有する。
【0648】
1つの実施形態において、対象に投与された場合、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、本明細書に開示されるオプソニン貪食作用アッセイ(実施例12のOPAアッセイなど)においてストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Cを殺傷することができる抗体の形成を誘導することができる。1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、本明細書に開示されるOPAアッセイ(実施例12のOPAアッセイなど)において試験した場合、コンジュゲートされていない天然のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖を用いて得られるOPA力価よりも高いOPA力価を有する。
【0649】
機能的抗体および補体の存在下での食作用エフェクター細胞によるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)細胞の殺傷を測定する、肺炎球菌オプソニン貪食作用アッセイ(OPA)は、肺炎球菌ワクチンの有効性を評価するための重要な代理物であると考えられる。
【0650】
ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)細胞、試験される熱不活化ヒト血清、分化したHL-60細胞(食細胞)および外来補体源(例えば、子ウサギ補体)の混合物と一緒にインキュベートすることにより、オプソニン貪食作用アッセイ(OPA)を行うことができる。オプソニン貪食作用は、インキュベーションの間に進行し、抗体および補体で被覆された細菌細胞は、オプソニン貪食作用の際に殺傷される。オプソニン貪食作用を逃れる生存細菌のコロニー形成単位(cfu)は、アッセイ混合物を塗布することにより決定される。OPA力価は、試験血清を含まない対照ウェルに対して細菌計数の50%の減少をもたらす希釈率の逆数と定義される。OPA力価は、この50%の殺傷のカットオフを挟む2つの希釈率から内挿される。
【0651】
1:8またはそれ以上の終点力価は、これらの殺傷型OPAにおける陽性の結果と考えられる。
【0652】
1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、オプソニン貪食作用殺傷アッセイ(OPA)により決定される場合、少なくとも50%の対象においてストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに対する少なくとも1:8の力価を惹起することができる。1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、オプソニン貪食作用殺傷アッセイ(OPA)により決定される場合、少なくとも60%、70%、80%、90%、または少なくとも93%の対象においてストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに対する少なくとも1:8の力価を惹起することができる。
【0653】
1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、オプソニン貪食作用殺傷アッセイ(OPA)により決定される場合、少なくとも50%の対象においてストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Cに対する少なくとも1:8の力価を惹起することができる。1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、オプソニン貪食作用殺傷アッセイ(OPA)により決定される場合、少なくとも60%、70%、80%、90%、または少なくとも95%の対象においてストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Cに対する少なくとも1:8の力価を惹起することができる。
【0654】
さらなる態様において、本開示は、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15A、15Bおよび/または15Cと関連するストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)感染、疾患または状態を処置する、または防止する方法であって、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む、本開示の任意の免疫原性組成物の治療的または予防的に有効な量を投与するステップを含む方法を提供する。1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、対象に投与された場合、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B、15Aおよび/または15Cに結合することができる抗体の形成を誘導する。1つの実施形態において、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、対象に投与された場合、本明細書に開示されるオプソニン貪食作用アッセイ(実施例12のOPAアッセイなど)においてストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B、15Cおよび/または15Aを殺傷することができる抗体の形成を誘導する。
【0655】
本開示の一実施形態は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Cによる感染に対して対象を保護する方法、またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Cによる感染を防止する方法、またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Cにより引き起こされる感染と関連する少なくとも1つの症状の重症度を軽減する、もしくはその開始を遅延させる方法であって、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む、本開示の任意の免疫原性組成物の免疫原性量を対象に投与することを含む方法を提供する。本開示の一実施形態は、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15A、15Bおよび/または15C(好ましくは、15Bおよび/または15C、より好ましくは、15B)と関連するストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)感染、疾患または状態を処置する、または防止する方法であって、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む、本開示の任意の免疫原性組成物の治療的または予防的に有効な量を対象に投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態は、対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15A、15Bおよび/または15C(好ましくは、15Bおよび/または15C、より好ましくは、15B)と関連するストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)感染、疾患または状態を処置する、または防止する方法であって、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む、本開示の任意の免疫原性組成物からポリクローナルまたはモノクローナル抗体調製物を生成すること、および対象に対する受動免疫を付与するために前記抗体調製物を使用することを含む方法を提供する。
【0656】
一実施形態においては、本開示は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)による感染に対して対象を保護する、および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)による感染を防止する、および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)により引き起こされる感染と関連する少なくとも1つの症状の重症度を軽減する、もしくはその開始を遅延させる、および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15A、15Bおよび/もしくは15C(好ましくは、15Bおよび/もしくは15C、より好ましくは、15B)による感染に対して対象を保護する、および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15A、15Bおよび/もしくは15C(好ましくは、15Bおよび/もしくは15C、より好ましくは、15B)による感染を防止する、および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15A、15Bおよび/もしくは15C(好ましくは、15Bおよび/もしくは15C、より好ましくは、15B)により引き起こされる感染と関連する少なくとも1つの症状の重症度を軽減する、もしくはその開始を遅延させるための薬剤の製造のための、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の任意の免疫原性組成物の使用に関する。
【0657】
一実施形態においては、本開示は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)による感染に対して対象を保護する、および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)による感染を防止する、および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)により引き起こされる感染と関連する少なくとも1つの症状の重症度を軽減する、もしくはその開始を遅延させる、および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15A、15Bおよび/もしくは15C(好ましくは、15Bおよび/もしくは15C、より好ましくは、15B)による感染に対して対象を保護する、および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15A、15Bおよび/もしくは15C(好ましくは、15Bおよび/もしくは15C、より好ましくは、15B)による感染を防止する、および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15A、15Bおよび/もしくは15C(好ましくは、15Bおよび/もしくは15C、より好ましくは、15B)により引き起こされる感染と関連する少なくとも1つの症状の重症度を軽減する、もしくはその開始を遅延させるための、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲート(上記のセクション1.3.4のグリココンジュゲートなど)を含む本開示の任意の免疫原性組成物の使用に関する。
【0658】
10.本発明の免疫原性組成物およびキットを用いて処置される対象
本明細書に開示されるように、本明細書に記載の免疫原性組成物およびキットを、対象における細菌感染、疾患または状態を防止する、処置する、または改善するための様々な治療的または予防的方法において用いることができる。
【0659】
好ましい実施形態においては、前記対象はヒトである。最も好ましい実施形態においては、前記対象は、新生児(すなわち、3カ月齢より下)、乳児(すなわち、3カ月齢~1歳)または幼児(すなわち、1歳~4歳)である。
【0660】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、ワクチンとしての使用のためのものである。
【0661】
そのような実施形態においては、ワクチン接種される対象は、1歳未満の年齢であってもよい。例えば、ワクチン接種される対象は、約1カ月齢、約2カ月齢、約3カ月齢、約4カ月齢、約5カ月齢、約6カ月齢、約7カ月齢、約8カ月齢、約9カ月齢、約10カ月齢、約11カ月齢または約12カ月齢であってもよい。1つの実施形態においては、ワクチン接種される対象は、約2、約4または約6カ月齢である。別の実施形態においては、ワクチン接種される対象は、2歳未満の年齢である。例えば、ワクチン接種される対象は、約12~約15カ月齢であってもよい。いくつかの場合、わずか1回用量の本発明による免疫原性組成物が必要であるが、いくつかの状況下では、第2、第3または第4の用量を与えてもよい(以下のセクション11を参照されたい)。
【0662】
本発明の1つの実施形態において、ワクチン接種される対象は、50歳またはそれ以上の成人、より好ましくは、55歳またはそれ以上の成人である。1つの実施形態において、ワクチン接種される対象は、65歳もしくはそれ以上、70歳もしくはそれ以上、75歳もしくはそれ以上、または80歳もしくはそれ以上の成人である。
【0663】
1つの実施形態において、ワクチン接種される対象は、免疫障害を有する個体、特に、ヒトである。免疫障害を有する個体は、一般に、感染性因子によるチャレンジに対して正常な体液性または細胞性防御を高める能力が減衰または低下した人と定義される。
【0664】
本発明の1つの実施形態において、ワクチン接種される免疫障害を有する対象は、免疫系を減弱させる疾患または状態に罹患し、肺炎球菌疾患に対して保護する、またはそれを処置するのに不十分である抗体応答をもたらす。
【0665】
1つの実施形態において、前記疾患は、原発性免疫不全障害である。好ましくは、前記原発性免疫不全障害は、混合TおよびB細胞免疫不全、抗体欠損、明確に定義された症候群、免疫脱調節疾患、食細胞障害、自然免疫不全、自己炎症障害、および補体欠損からなる群から選択される。1つの実施形態において、前記原発性免疫不全障害は、WO2010/125480の24頁、11行目~25頁、19行目に開示されたものから選択される。
【0666】
本発明の特定の実施形態においては、ワクチン接種される免疫障害を有する対象は、HIV感染、後天性免疫不全症候群(AIDS)、がん、慢性心臓または肺障害、鬱血性心不全、糖類尿病、慢性肝疾患、アルコール依存症、肝硬変、髄液漏、心筋症、慢性気管支炎、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、脾臓機能障害(鎌状赤血球症など)、脾臓機能の欠如(無脾症)、血液悪性腫瘍、白血病、多発性硬化症、ホジキン病、リンパ腫、腎不全、ネフローゼ症候群および喘息からなる群から選択される疾患に罹患する。
【0667】
本発明の1つの実施形態において、ワクチン接種される免疫障害を有する対象は、栄養不良に罹患する。
【0668】
本発明の特定の実施形態においては、ワクチン接種される免疫障害を有する対象は、感染に対する身体の耐性を低下させる薬物または処置を受けている。1つの実施形態において、前記薬物は、WO2010/125480の26頁、33行目~26頁、4行目に開示されたものから選択される。
【0669】
本発明の特定の実施形態においては、ワクチン接種される免疫障害を有する対象は、喫煙者である。
【0670】
本発明の特定の実施形態においては、ワクチン接種される免疫障害を有する対象は、5x109細胞/リットルより下、または4x109細胞/リットルより下、または3x109細胞/リットルより下、または2x109細胞/リットルより下、または1x109細胞/リットルより下、または0.5x109細胞/リットルより下、または0.3x109細胞/リットルより下、または0.1x109細胞/リットルより下の白血球数(白血球算定)を有する。
【0671】
白血球数(白血球算定):血液中の白血球(WBC)の数。WBCは通常、CBC(完全血球算定)の一部として測定される。白血球は、血液中の感染と戦う細胞であり、赤血球として知られる赤い(酸素運搬)血液細胞と異なる。好中球(多形核白血球;PMN)、桿状球(わずかに未熟な好中球)、T型リンパ球(T細胞)、B型リンパ球(B細胞)、単球、好酸球、好塩基球などの、異なる型の白血球が存在する。全ての型の白血球が白血球数に反映される。白血球数の正常な範囲は通常、血液1立方ミリメートルあたり4,300~10,800個の細胞である。これはまた、白血球算定と言うこともでき、4.3~10.8x109細胞/リットルの国際単位で表すことができる。
【0672】
本発明の特定の実施形態においては、ワクチン接種される免疫障害を有する対象は、好中球減少症に罹患する。本発明の特定の実施形態においては、ワクチン接種される免疫障害を有する対象は、2x109細胞/リットルより下、または1x109細胞/リットルより下、または0.5x109細胞/リットルより下、または0.1x109細胞/リットルより下、または0.05x109細胞/リットルより下の好中球数を有する。
【0673】
低い白血球数または「好中球減少症」は、循環血液中の異常に低レベルの好中球を特徴とする状態である。好中球は、感染を防止し、それと戦うのを助ける特定の種類の白血球である。がん患者が好中球減少症を経験する最も一般的な理由は、化学療法の副作用としてのものである。化学療法により誘導される好中球減少症は、患者の感染リスクを増大させ、がん処置を中断させる。
【0674】
本発明の特定の実施形態においては、ワクチン接種される免疫障害を有する対象は、500/mm3より下のCD4+細胞数、または300/mm3より下のCD4+細胞数、または200/mm3より下のCD4+細胞数、または100/mm3より下のCD4+細胞数、または75/mm3より下のCD4+細胞数、または50/mm3より下のCD4+細胞数を有する。
【0675】
CD4細胞試験は通常、1mm3中の細胞数として報告される。正常なCD4計数は500~1,600であり、CD8計数は375~1,100である。CD4計数はHIVを有する人々においては劇的に低下する。
【0676】
本発明の1つの実施形態において、本明細書に開示される任意の免疫障害を有する対象は、ヒト男性またはヒト女性である。
【0677】
11.免疫化スケジュール
いくつかの場合、わずか1回用量の本発明による免疫原性組成物が必要であるが、より高い免疫不全または免疫未熟の状態などの、いくつかの状況下では、第2、第3または第4の用量を与えてもよい。初回ワクチン接種後、対象は、十分に間隔を空けた1回または数回の追加免疫を受けてもよい。
【0678】
1つの実施形態において、本発明による免疫原性組成物のワクチン接種のスケジュールは、単回用量である。特定の実施形態においては、前記単回用量スケジュールは、少なくとも2歳の年齢である健康な人々のためのものである。
【0679】
1つの実施形態において、本発明による免疫原性組成物のワクチン接種のスケジュールは、複数回用量スケジュールである。複数回用量スケジュールは、免疫不全(ヒト高齢者または免疫障害を有するヒト個体など)または免疫未熟(ヒト新生児(すなわち、3カ月齢未満)、乳児(すなわち、3カ月齢~1歳)もしくは幼児(すなわち、1歳~4歳)など)などの状態において頻繁に用いられる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズまたは約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。
【0680】
別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。
【0681】
特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。
【0682】
別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。
【0683】
特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。
【0684】
別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1、2、3または4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量または各用量が約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。
【0685】
1つの実施形態において、複数回用量スケジュールは、1歳目に少なくとも1回の用量(例えば、1、2または3回用量)、およびそれに続く、少なくとも1回の幼児用量からなる。
【0686】
1つの実施形態において、複数回用量スケジュールは、各用量が2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回もしくは3回用量シリーズ(例えば、投与間は28~56日)、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる。1つの実施形態において、前記複数回用量スケジュールは、各用量が2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~15カ月齢での幼児用量からなる。別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズ、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる。
【0687】
1つの実施形態において、複数回用量スケジュールは、2、4、6、および12~15カ月齢での4回用量シリーズのワクチンからなる。
【0688】
1つの実施形態において、初回用量は、0日目に与えられ、1回または複数回の追加免疫用量は、用量間隔が約2~約24週間の範囲の間隔で、好ましくは4~8週間の投与間隔で与えられる。
【0689】
1つの実施形態において、初回用量は、0日目に与えられ、追加は約3カ月後に与えられる。
【0690】
別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズからなる。
【0691】
特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズからなる。
【0692】
別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約2カ月の間隔で隔てられた6、7または8回用量シリーズからなる。
【0693】
本発明のある態様は、第2の免疫原性組成物との同時、同時的、随伴または逐次投与のための本発明の任意の免疫原性組成物に属する。本発明のある態様は、同時、同時的、随伴または逐次投与のための本明細書に開示される任意のキットに属する。
【0694】
「同時投与」とは、単一単位剤形中の治療有効用量の第1および第2の免疫原性組成物の投与を意味する。
【0695】
「同時的投与」は、互いに短期間内での同じアクセス部位を通じた、しかし別々の単位剤形での治療有効用量の第1および第2の免疫原性組成物の投与を意味する。同時的投与は本質的に、同じアクセス部位を通じて、ほぼ同じ時間に、しかし別々の剤形で2つの免疫原性組成物を投与することである。第1および第2の免疫原性組成物の同時的投与は、同じ診察の間に行われることが多い。
【0696】
「随伴投与」とは、異なる解剖学的部位における互いに短期間内での別々の単位剤形での治療有効用量の第1および第2の免疫原性組成物の投与を意味する。随伴投与は本質的に、ほぼ同じ時間に、しかし別々の剤形で、かつ異なる解剖学的部位で2つの免疫原性組成物を投与することである。第1および第2の免疫原性組成物の随伴投与は、同じ診察の間に行われることが多い。
【0697】
「逐次投与」とは、治療有効用量の第1または第2の免疫原性組成物単独の投与、およびそれに続く、少なくとも約1カ月の間隔後の治療有効用量の残っている免疫原性組成物の投与を意味する。例えば、一実施形態においては、第1の免疫原性組成物が単一剤形で投与され、次いで、少なくとも約1カ月の間隔後に、第2の免疫原性組成物が別々の単一剤形で投与される。代替の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が単一剤形で投与され、次いで、少なくとも約1カ月の間隔後に、第1の免疫原性組成物が別々の単一剤形で投与される。第1および第2の免疫原性組成物の逐次投与は、異なる診察で行われることが多い。
【0698】
本発明のある態様において、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)は、第2の免疫原性組成物と同時に、同時的に、随伴してまたは逐次投与される。1つの実施形態において、前記第2の免疫原性組成物は、上記のセクション3に開示された免疫原性組成物のいずれかである。
【0699】
したがって、本発明のある態様は、第2の免疫原性組成物との同時、同時的、随伴または逐次使用のための本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)に属する。1つの実施形態において、前記第2の免疫原性組成物は、上記のセクション3に開示された免疫原性組成物のいずれかである。
【0700】
いくつかの場合、わずか1回用量のそれぞれの免疫原性組成物が必要であるが、いくつかの状況下では、免疫原性組成物の1つまたはそれぞれの第2、第3または第4の用量を与えてもよい。初回ワクチン接種後、対象は、十分に間隔を空けた1回または数回の追加免疫を受けてもよい。
【0701】
1つの実施形態において、本発明は、第2の免疫原性組成物との同時投与のための本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)に属する。1つの実施形態において、前記第2の免疫原性組成物は、上記のセクション3に開示された免疫原性組成物のいずれかである。
【0702】
1つの実施形態において、前記同時投与のワクチン接種のスケジュールは、単回用量である。特定の実施形態においては、前記単回用量スケジュールは、少なくとも2歳の年齢である健康な人々のためのものである。
【0703】
1つの実施形態において、前記同時投与のワクチン接種のスケジュールは、複数回用量スケジュールである。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズまたは約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。
【0704】
別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。
【0705】
特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズまたは約2カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。
【0706】
別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1、2、3または4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量または各用量が約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。
【0707】
1つの実施形態において、複数回用量スケジュールは、1歳目における少なくとも1回の用量(例えば、1、2または3回の用量)、およびそれに続く、少なくとも1回の幼児用量からなる。
【0708】
1つの実施形態において、複数回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回または3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる。1つの実施形態において、前記複数回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~15カ月齢での幼児用量からなる。別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズ、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる。
【0709】
1つの実施形態において、複数回用量スケジュールは、2、4、6、および12~15カ月齢で投与される4回用量シリーズのワクチンからなる。
【0710】
1つの実施形態において、初回用量は、0日目に与えられ、1回または複数回の追加免疫用量は、用量間隔が約2~約24週間の範囲の間隔で、好ましくは4~8週間の投与間隔で与えられる。
【0711】
1つの実施形態において、初回用量は、0日目に与えられ、追加免疫用量は約3カ月後に与えられる。
【0712】
特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた5、6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた5、6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた5、6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた5、6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月の間隔で隔てられた5、6、7もしくは8回用量シリーズまたは約2カ月の間隔で隔てられた5、6、7もしくは8回用量シリーズからなる。
【0713】
1つの実施形態において、本発明は、第2の免疫原性組成物との随伴投与のための本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)に属する。1つの実施形態において、前記第2の免疫原性組成物は、上記のセクション3に開示された免疫原性組成物のいずれかである。
【0714】
1つの実施形態において、前記随伴投与のワクチン接種のスケジュールは、単回用量である(第1および第2の免疫原性組成物の投与は、別々の単位剤形においてであるが、免疫化スケジュールを定義する目的で単回用量と見なされる)。特定の実施形態においては、前記単回用量スケジュールは、少なくとも2歳の年齢である健康な人々のためのものである。
【0715】
1つの実施形態において、前記随伴投与のワクチン接種のスケジュールは、複数回用量スケジュールである(第1および第2の免疫原性組成物の投与は、別々の単位剤形においてであるが、免疫化スケジュールを定義する目的で単回用量と見なされる)。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズまたは約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。
【0716】
別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。
【0717】
特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズまたは約2カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。
【0718】
別の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3または4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量または各用量が約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。
【0719】
1つの実施形態において、複数回用量スケジュールは、1歳目における少なくとも1回の用量(例えば、1、2または3回の用量)、およびそれに続く、少なくとも1回の幼児用量からなる。
【0720】
1つの実施形態において、複数回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回または3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~15カ月齢での幼児用量からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズ、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる。
【0721】
1つの実施形態において、複数回用量スケジュールは、2、4、6、および12~15カ月齢で投与される4回用量シリーズのワクチンからなる。
【0722】
1つの実施形態において、初回用量は、0日目に与えられ、1回または複数回の追加免疫用量は、用量間隔が約2~約24週間の範囲の間隔で、好ましくは4~8週間の投与間隔で与えられる。
【0723】
1つの実施形態において、初回用量は、0日目に与えられ、追加は約3カ月後に与えられる。
【0724】
特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた5、6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた5、6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた5、6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた5、6、7または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月の間隔で隔てられた5、6、7もしくは8回用量シリーズまたは約2カ月の間隔で隔てられた5、6、7もしくは8回用量シリーズからなる。
【0725】
別の実施形態において、本発明は、第2の免疫原性組成物との同時的投与のための本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)に属する。1つの実施形態において、前記第2の免疫原性組成物は、上記のセクション3に開示された免疫原性組成物のいずれかである。
【0726】
1つの実施形態において、前記同時的投与のワクチン接種のスケジュールは、単回用量である(第1および第2の免疫原性組成物の投与は、別々の単位剤形においてであるが、免疫化スケジュールを定義する目的で単回用量と見なされる)。特定の実施形態においては、前記単回用量スケジュールは、少なくとも2歳の年齢である健康な人々のためのものである。
【0727】
1つの実施形態において、前記同時的投与のワクチン接種のスケジュールは、複数回用量スケジュール、特に、随伴投与について上記に開示された複数スケジュールのいずれかである。
【0728】
1つの実施形態において、本発明は、第2の免疫原性組成物との逐次投与のための本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)に属する。1つの実施形態において、前記第2の免疫原性組成物は、上記のセクション3に開示された免疫原性組成物のいずれかである。
【0729】
1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目に投与され、第2の免疫原性組成物が2回目に投与される。別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が1回目に投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目に投与される。
【0730】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、2、3、4、5、6、7または8回用量シリーズからなる。
【0731】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、2、3または4回用量シリーズからなる。
【0732】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、2回用量シリーズからなる。1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記複数回用量スケジュールは、約1カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズまたは約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる。
【0733】
前記2回用量スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目に投与され、第2の免疫原性組成物が2回目に投与される。別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が1回目に投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目に投与される。
【0734】
前記2回用量スケジュールの1つの実施形態において、1回目および2回目の用量は、1歳目に投与される。前記2回用量スケジュールの1つの実施形態において、1回目の用量は、1歳目に投与され、2回目の用量は幼児用量である。1つの実施形態において、前記幼児用量は、12~18カ月齢で投与される。1つの実施形態において、前記幼児用量は、12~15カ月齢で投与される。
【0735】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる。
【0736】
前記3回用量スケジュールの1つの実施形態において、1回目および2回目の用量は、1歳目に投与され、3回目の用量は、幼児用量である。1つの実施形態において、1回目および2回目の用量は、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、用量間は28~56日)、3回目の用量は、12~18カ月齢での幼児用量である。1つの実施形態において、1回目および2回目の用量は、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、用量間は28~56日)、3回目の用量は、12~15カ月齢での幼児用量である。
【0737】
前記3回用量スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が最初の2回の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される。
【0738】
前記3回用量スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が最初の2回の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される。
【0739】
前記3回用量スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される。
【0740】
前記3回用量スケジュールのさらに別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される。
【0741】
前記3回用量スケジュールのさらに別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与される。
【0742】
前記3回用量スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与される。
【0743】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、4回用量シリーズからなる。
【0744】
特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約12カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約2カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズからなる。
【0745】
前記4回用量スケジュールの1つの実施形態において、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3または4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量または各用量が約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。
【0746】
別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の3回目の用量および3回目の用量の約1カ月~約2カ月後の4回目の用量からなる。
【0747】
前記4回用量スケジュールの1つの実施形態において、1回目および2回目の用量は、1歳目に投与され、3回目および4回目の用量は、幼児用量である。
【0748】
前記4回用量スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目および3回目の用量は、1歳目に投与され、4回目の用量は、幼児用量である。
【0749】
1つの実施形態において、前記4回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~15カ月齢での幼児用量からなる。
【0750】
1つの実施形態において、複数回用量スケジュールは、2、4、6および12~15カ月齢での4回用量シリーズのワクチンからなる。
【0751】
前記4回用量スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が最初の3回の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【0752】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が最初の3回の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【0753】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される
【0754】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される。
【0755】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【0756】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【0757】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の用量として投与される。
【0758】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の用量として投与される。
【0759】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【0760】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【0761】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される。
【0762】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される。
【0763】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【0764】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【0765】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、5回用量シリーズからなる。
【0766】
特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約12カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約2カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズからなる。
【0767】
1つの実施形態において、前記5回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約3カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の用量または各用量が約2カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の用量からなる。
【0768】
別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、ならびにそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量および4回目の用量の約1カ月~2カ月後の5回目の用量からなる。
【0769】
前記5回用量スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目および3回目の用量は、1歳目に投与され、4回目および5回目の用量は、幼児用量である。
【0770】
前記5回用量スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目および4回目の用量は、1歳目に投与され、5回目の用量は、幼児用量である。1つの実施形態において、前記5回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~15カ月齢での幼児用量からなる。
【0771】
前記5回用量スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど、以下の表で第1のICと指定されている)および第2の免疫原性組成物(上記のセクション3で開示されているものなど、以下の表で第2のICと指定されている)は、以下の順序:
【0772】
【0773】
【0774】
上記表は、異なる用量についての第1および第2の免疫原性組成物(それぞれ第1のICおよび第2のICと指定されている)を投与する順序を提供し、例えば、スケジュール番号1は、前記5回用量スケジュールの実施形態において、第2の免疫原性組成物は、1回目、2回目、3回目および4回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物は、5回目の用量として投与されると読まれる。
【0775】
好ましい実施形態においては、第1および第2の免疫原性組成物を投与する順序は、スケジュール1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、16、17、18、19、20または21に従うものである。
【0776】
1つの実施形態において、前記逐次用量のワクチン接種のスケジュールは、6回用量シリーズからなる。
【0777】
特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約12カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約2カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズからなる。
【0778】
1つの実施形態において、前記6回用量スケジュールは、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の6回目の用量からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の6回目の用量または各用量が約2カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の6回目の用量からなる。
【0779】
前記6回用量スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目、4回目および5回目の用量は、1歳目に投与され、6回目の用量は幼児用量である。1つの実施形態において、前記6回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児用量からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児用量からなる。
【0780】
前記6回用量スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)および第2の免疫原性組成物(上記のセクション3に開示したものなど)は、5回用量スケジュールについて提供された30スケジュール(上記表、スケジュール1~30を参照されたい)のいずれか、およびそれに続く、6回目の用量に従う順序で投与される。1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が6回目の用量として投与される。別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が6回目の用量として投与される。
【0781】
1つの実施形態において、前記逐次用量のワクチン接種のスケジュールは、7回用量シリーズからなる。
【0782】
特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約12カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約2カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズからなる。
【0783】
1つの実施形態において、前記7回用量スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の7回目の用量からなる。
【0784】
前記7回用量スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の用量は、1歳目に投与され、7回目の用量は幼児用量である。1つの実施形態において、前記7回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が、約1カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズ(例えば、用量間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児用量からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が、約1カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズ(例えば、用量間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児用量からなる。
【0785】
前記7回用量スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)および第2の免疫原性組成物(上記のセクション3に開示したものなど)は、6回用量スケジュールについて提供されたスケジュール(上記を参照されたい)のいずれか、およびそれに続く、7回目の用量に従う順序で投与される。1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が7回目の用量として投与される。別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が7回目の用量として投与される。
【0786】
1つの実施形態において、前記逐次用量のワクチン接種のスケジュールは、8回用量シリーズからなる。
【0787】
特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約12カ月の間隔で隔てられた8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた8回用量シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1~約2カ月の間隔で隔てられた8回用量シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた8回用量シリーズまたは各用量が約2カ月の間隔で隔てられた8回用量シリーズからなる。
【0788】
1つの実施形態において、前記8回用量スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の8回目の用量からなる。
【0789】
前記8回用量スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目および7回目の用量は、1歳目に投与され、8回目の用量は幼児用量である。1つの実施形態において、前記8回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が、約1カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズ(例えば、用量間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児用量からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各用量が、約1カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズ(例えば、用量間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児用量からなる。
【0790】
前記8回用量スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)および第2の免疫原性組成物(上記のセクション3に開示したものなど)は、7回用量スケジュールについて提供されたスケジュール(上記を参照されたい)のいずれか、およびそれに続く、8回目の用量に従う順序で投与される。1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が8回目の用量として投与される。別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物が8回目の用量として投与される。
【0791】
1つの実施形態において、本発明は、
(a)本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)および
(b)本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の第2の免疫原性組成物との随伴投与
の逐次投与に属する。
【0792】
1つの実施形態において、前記第2の免疫原性組成物は、上記のセクション3に開示した免疫原性組成物のいずれかである。
【0793】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、2回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、ワクチン接種のスケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、ワクチン接種のスケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズまたは約2カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。
【0794】
前記スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目に投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目に投与される。別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目に投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目に投与される。
【0795】
前記2回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目および2回目の投与は、1歳目に投与される。前記2回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目の投与は1歳目に投与され、2回目の投与は幼児投与である。1つの実施形態において、前記幼児投与は、12~18カ月齢で投与される。1つの実施形態において、前記幼児投与は、12~15カ月齢で投与される。
【0796】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、3回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。
【0797】
前記3回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目および2回目の投与は1歳目に投与され、3回目の投与は幼児投与である。1つの実施形態において、1回目および2回目の投与は、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、投与間は28~56日)、3回目の投与は、12カ月~18カ月齢での幼児投与である。1つの実施形態において、1回目および2回目の投与は、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、投与間は28~56日)、3回目の投与は、12カ月~15カ月齢での幼児投与である。
【0798】
前記3回投与スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目の投与で投与される。
【0799】
前記3回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与される。
【0800】
前記3回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与される。
【0801】
前記3回投与スケジュールのさらに別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目の投与で投与される。
【0802】
前記3回投与スケジュールのさらに別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目および3回目の投与で投与される。
【0803】
前記3回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の投与で投与される。
【0804】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、4回投与シリーズからなる。
【0805】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。
【0806】
前記4回投与スケジュールの1つの実施形態において、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3または4カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与または各投与が約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。
【0807】
前記4回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目および3回目の投与は、1歳目に投与され、4回目の投与は幼児投与である。1つの実施形態において、前記4回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ(例えば、投与間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児投与からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ(例えば、投与間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児投与からなる。
【0808】
1つの実施形態において、前記4回投与スケジュールは、2、4、6および12~15カ月齢での投与シリーズからなる。
【0809】
前記4回投与スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が4回目の投与で投与される。
【0810】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される。
【0811】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目および4回目の投与で投与される。
【0812】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の投与で投与される。
【0813】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される。
【0814】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が4回目の投与で投与される。
【0815】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目、3回目および4回目の投与で投与される。
【0816】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の投与で投与される。
【0817】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が4回目の投与で投与される。
【0818】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される。
【0819】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の投与で投与される。
【0820】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目および4回目の投与で投与される。
【0821】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目および3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される。
【0822】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が4回目の投与で投与される。
【0823】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、5回投与シリーズからなる。
【0824】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。
【0825】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約3カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与または各投与が約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる。
【0826】
前記5回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目および4回目の投与は、1歳目に投与され、5回目の投与は幼児用量である。1つの実施形態において、前記5回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児投与からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児投与からなる。
【0827】
前記5回投与スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物(以下の表で第1のICと指定されている)および本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与(以下の表で第1のIC/第2のICと指定されている)は、以下の順序で投与される
【0828】
【0829】
【0830】
上記表は、異なる用量についての本発明による第1の免疫原性組成物(以下の表で第1のICと指定されている)および本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与(以下の表で第1のIC/第2のICと指定されている)を投与する順序を提供し、例えば、スケジュール番号1は、前記5回投与スケジュールの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与は、1回目、2回目、3回目および4回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物は、5回目の用量として投与されると読まれる。
【0831】
好ましい実施形態においては、投与の順序は、スケジュール1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、22または23に従うものである。
【0832】
1つの実施形態において、前記逐次用量のワクチン接種のスケジュールは、6回投与シリーズからなる。
【0833】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。
【0834】
1つの実施形態において、前記6回投与スケジュールは、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与または各投与が約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与からなる。
【0835】
前記6回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目、4回目および5回目の投与は、1歳目に投与され、6回目の投与は幼児投与である。1つの実施形態において、前記6回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ(例えば、投与間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児投与からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ(例えば、投与間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児投与からなる。
【0836】
前記6回投与スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物および本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与は、5回投与スケジュールについて提供された30スケジュール(上記表、スケジュール1~30を参照されたい)のいずれか、ならびにそれに続く、6回目の投与に従う順序で投与される。1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が6回目の投与で投与される。別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が6回目の投与で投与される。
【0837】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、7回投与シリーズからなる。
【0838】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。
【0839】
1つの実施形態において、前記7回投与スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の7回目の投与からなる。
【0840】
前記7回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の投与は、1歳目に投与され、7回目の投与は幼児投与である。1つの実施形態において、前記7回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズ(例えば、投与間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児投与からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズ(例えば、投与間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児投与からなる。
【0841】
前記7回投与スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)および本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与は、6回投与スケジュールについて提供されたスケジュール(上記を参照されたい)のいずれか、ならびにそれに続く、7回目の投与に従う順序で投与される。1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が7回目の投与で投与される。別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が7回目の投与で投与される。
【0842】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、8回投与シリーズからなる。
【0843】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。
【0844】
1つの実施形態において、前記8回投与スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の8回目の投与からなる。
【0845】
前記8回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目および7回目の投与は、1歳目に投与され、8回目の投与は幼児投与である。1つの実施形態において、前記8回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズ(例えば、投与間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児投与からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズ(例えば、投与間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児投与からなる。
【0846】
前記8回投与スケジュールの1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)および本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与は、7回投与スケジュールについて提供されたスケジュール(上記を参照されたい)のいずれか、ならびにそれに続く、8回目の用量に従う順序で投与される。1つの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物が8回目の用量で投与される。別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与が8回目の用量で投与される。
【0847】
1つの実施形態において、上記に開示された投与スケジュールでは、随伴投与は、同時的投与に置き換えられる。
【0848】
1つの実施形態において、本発明は、
(a)第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)および
(b)本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与
の逐次投与に属する。
【0849】
1つの実施形態において、前記第2の免疫原性組成物は、上記のセクション3で開示された免疫原性組成物のいずれかである。
【0850】
1つの実施形態において、投与のスケジュールは、本発明による第1の免疫原性組成物および本発明による第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与の逐次投与について上記に開示されたスケジュールのいずれかであり(152頁の最後~164頁)、ここで(a)の前記第2の免疫原性組成物の投与が前記スケジュールにおける(a)の第1の免疫原性組成物の投与に取って代わる。
【0851】
1つの実施形態において、上記に開示された投与スケジュールのいずれかでは、随伴投与は、同時的投与に置き換えられる。
【0852】
したがって、1つの実施形態において、本発明は、
(a)第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)および
(b)本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与
の逐次投与に属する。
【0853】
1つの実施形態において、前記第2の免疫原性組成物は、上記のセクション3に開示した免疫原性組成物のいずれかである。
【0854】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、2回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、ワクチン接種のスケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、ワクチン接種のスケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、約1カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズまたは約2カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる。
【0855】
前記スケジュールの1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目に投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目に投与される。別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目に投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が2回目に投与される。
【0856】
前記2回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目および2回目の投与は、1歳目に投与される。前記2回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目の投与は、1歳目に投与され、2回目の投与は、幼児投与である。1つの実施形態において、前記幼児投与は、12~18カ月齢で投与される。1つの実施形態において、前記幼児投与は、12~15カ月齢で投与される。
【0857】
1つの実施形態において、上記に開示された2回投与スケジュールのいずれにおいても、随伴投与は、同時的投与で置き換えられる。
【0858】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、3回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、最初の2回の投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられ、その後に、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の3回目の投与が続く3回投与シリーズからなる。
【0859】
前記3回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目および2回目の投与は、1歳目に投与され、3回目の投与は、幼児投与である。1つの実施形態において、1回目および2回目の投与は、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、投与間は28~56日)、3回目の投与は、12~18カ月齢での幼児投与である。1つの実施形態において、1回目および2回目の投与は、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、投与間は28~56日)、3回目の投与は、12~15カ月齢での幼児投与である。
【0860】
前記スケジュールの1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目に投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目に投与される。
【0861】
前記3回投与スケジュールの1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目の投与で投与される。
【0862】
前記3回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目および2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が3回目の投与で投与される。
【0863】
前記3回投与スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の随伴投与が2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が3回目の投与で投与される。
【0864】
前記3回投与スケジュールのさらに別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の随伴投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の随伴投与が3回目の投与で投与される。
【0865】
前記3回投与スケジュールのさらに別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の随伴投与が2回目および3回目の投与で投与される。
【0866】
前記3回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の随伴投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が2回目および3回目の投与で投与される。
【0867】
したがって、前記3回投与スケジュールの1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)(以下の表で第2のICと指定されている)および本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の随伴投与(以下の表で第1のIC/第2のICと指定されている)は、以下の順序:
【0868】
【0869】
上記表は、異なる用量についての第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)(以下の表で第2のICと指定されている)および本発明による第1の免疫原性組成物の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与(以下の表で第1のIC/第2のICと指定されている)を投与する順序を提供し、例えば、スケジュール番号1は、前記3回投与スケジュールの実施形態において、第2の免疫原性組成物は、1回目および2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与は、3回目の用量として投与されると読まれる。
【0870】
好ましい実施形態においては、投与の順序は、スケジュール1に従うものである。
【0871】
1つの実施形態において、上記に開示された3回投与スケジュールのいずれにおいても、随伴投与は、同時的投与で置き換えられる。
【0872】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、4回投与シリーズからなる。
【0873】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズからなる。
【0874】
前記4回投与スケジュールの1つの実施形態において、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3または4カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与または各投与が約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。
【0875】
前記4回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目および3回目の投与は、1歳目に投与され、4回目の投与は幼児投与である。1つの実施形態において、前記4回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ(例えば、投与間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児投与からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズ(例えば、投与間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児投与からなる。
【0876】
1つの実施形態において、前記4回投与スケジュールは、2、4、6および12~15カ月齢での投与シリーズからなる。
【0877】
前記4回投与スケジュールの1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が4回目の投与で投与される。
【0878】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が4回目の投与で投与される。
【0879】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目および4回目の投与で投与される。
【0880】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目および2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が3回目および4回目の投与で投与される。
【0881】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が4回目の投与で投与される。
【0882】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目および2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が4回目の投与で投与される。
【0883】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目、3回目および4回目の投与で投与される。
【0884】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が2回目、3回目および4回目の投与で投与される。
【0885】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が4回目の投与で投与される。
【0886】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される。
【0887】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が3回目および4回目の投与で投与される。
【0888】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が3回目および4回目の投与で投与される。
【0889】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が2回目および3回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が4回目の投与で投与される。
【0890】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)が2回目および3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が4回目の投与で投与される。
【0891】
したがって、前記4回投与スケジュールの1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)(以下の表で第2のICと指定されている)および本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与(以下の表で第1のIC/第2のICと指定されている)は、以下の順序:
【0892】
【0893】
上記表は、異なる用量についての第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)(以下の表で第2のICと指定されている)および本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与(以下の表で第1のIC/第2のICと指定されている)を投与する順序を提供し、例えば、スケジュール番号1は、前記3回投与スケジュールの実施形態において、第2の免疫原性組成物は、1回目、2回目および3回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与は、4回目の用量として投与されると読まれる。
【0894】
好ましい実施形態においては、投与の順序は、スケジュール1、3、または5に従うものである。
【0895】
1つの実施形態において、上記に開示された4回投与スケジュールのいずれにおいても、随伴投与は、同時的投与で置き換えられる。
【0896】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、5回投与シリーズからなる。
【0897】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズからなる。
【0898】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、各用量が約1カ月~約3カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各用量が約1カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与または各投与が約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる。
【0899】
前記5回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目および4回目の投与は、1歳目に投与され、5回目の投与は幼児用量である。1つの実施形態において、前記5回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児投与からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児投与からなる。
【0900】
前記5回投与スケジュールの1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)(以下の表で第2のICと指定されている)および本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与(以下の表で第1のIC/第2のICと指定されている)は、以下の順序:
【0901】
【0902】
【0903】
上記表は、異なる用量についての第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)(以下の表で第2のICと指定されている)および本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与(以下の表で第1のIC/第2のICと指定されている)を投与する順序を提供し、例えば、スケジュール番号1は、前記5回投与スケジュールの実施形態において、本発明による第1の免疫原性組成物の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与は、1回目、2回目、3回目および4回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物は、5回目の用量として投与されると読まれる。
【0904】
好ましい実施形態においては、投与の順序は、スケジュール16、17、18、19、20、22、23、24、25、26、27、28または30に従うものである。
【0905】
1つの実施形態において、上記に開示された5回投与スケジュールのいずれにおいても、随伴投与は、同時的投与で置き換えられる。
【0906】
1つの実施形態において、前記逐次用量のワクチン接種のスケジュールは、6回投与シリーズからなる。
【0907】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズからなる。
【0908】
1つの実施形態において、前記6回投与スケジュールは、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与からなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与または各投与が約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与からなる。
【0909】
前記6回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目、4回目および5回目の投与は、1歳目に投与され、6回目の投与は幼児投与である。1つの実施形態において、前記6回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ(例えば、投与間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児投与からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ(例えば、投与間は28~56日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児投与からなる。
【0910】
前記6回投与スケジュールの1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)および本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与は、5回投与スケジュールについて提供された30スケジュール(上記表、スケジュール1~30を参照されたい)のいずれか、およびそれに続く、6回目の投与に従う順序で投与される。1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物が6回目の投与で投与される。別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が6回目の投与で投与される。
【0911】
1つの実施形態において、上記に開示された6回投与スケジュールのいずれにおいても、随伴投与は、同時的投与で置き換えられる。
【0912】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、7回投与シリーズからなる。
【0913】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズからなる。
【0914】
1つの実施形態において、前記7回投与スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の7回目の投与からなる。
【0915】
前記7回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の投与は、1歳目に投与され、7回目の投与は幼児投与である。1つの実施形態において、前記7回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズ(例えば、投与間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児投与からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズ(例えば、投与間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児投与からなる。
【0916】
前記7回投与スケジュールの1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)および本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与は、6回投与スケジュールについて提供されたスケジュール(上記を参照されたい)のいずれか、およびそれに続く、7回目の投与に従う順序で投与される。1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物が7回目の投与で投与される。別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が7回目の投与で投与される。
【0917】
1つの実施形態において、上記に開示された7回投与スケジュールのいずれにおいても、随伴投与は、同時的投与で置き換えられる。
【0918】
1つの実施形態において、前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールは、8回投与シリーズからなる。
【0919】
1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。特定の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1、2、3、4、5または6カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。別の実施形態においては、前記スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズまたは各投与が約2カ月の間隔で隔てられた8回投与シリーズからなる。
【0920】
1つの実施形態において、前記8回投与スケジュールは、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の8回目の投与からなる。
【0921】
前記8回投与スケジュールの1つの実施形態において、1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目および7回目の投与は、1歳目に投与され、8回目の投与は幼児投与である。1つの実施形態において、前記8回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズ(例えば、投与間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~18カ月齢での幼児投与からなる。1つの実施形態において、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズ(例えば、投与間は28~40日)、およびそれに続く、12カ月~15カ月齢での幼児投与からなる。
【0922】
前記8回投与スケジュールの1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物(上記のセクション3のものなど)および本発明による第1の免疫原性組成物(上記のセクション2のものなど)の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与は、7回投与スケジュールについて提供されたスケジュール(上記を参照されたい)のいずれか、およびそれに続く、8回目の用量に従う順序で投与される。1つの実施形態において、第2の免疫原性組成物が8回目の用量で投与される。別の実施形態においては、本発明による第1の免疫原性組成物の前記第2の免疫原性組成物との随伴投与が8回目の用量で投与される。
【0923】
1つの実施形態において、上記に開示された8回投与スケジュールのいずれにおいても、随伴投与は、同時的投与で置き換えられる。
【0924】
1つの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、筋肉内または皮下注射により投与される。
【0925】
1つの実施形態において、免疫原性組成物は、大腿または腕に筋肉内注射により投与される。1つの実施形態において、注射部位は、前外側大腿筋または三角筋である。
【0926】
1つの実施形態において、免疫原性組成物は、大腿または腕に皮下注射により投与される。1つの実施形態において、注射部位は、前外側大腿筋上の脂肪組織または三頭筋上の脂肪組織である。
【0927】
随伴投与の場合、第1の注射を一方の大腿に行うことができ、第2の注射を他方の大腿に(好ましくは前外側大腿筋に)行うことができる。あるいは、第1の注射を一方の腕に行うことができ、第2の注射を他方の腕に(好ましくは三角筋に)行うことができる。第1の注射を大腿に行い、第2の注射を腕に行い、または第1の注射を腕に行い、第2の注射を大腿に行うこともできる。
【0928】
ある態様において、本発明は、上記に開示された免疫化スケジュールのいずれかにおける使用のための本発明のキット(上記のセクション4のものなど)に属する。
【0929】
本発明の特定の実施形態を以下の番号を付けた段落において示す:
1.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来するグリココンジュゲートおよびストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来するグリココンジュゲートからなる群から選択される少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、1、2、3、4、5、6または7価肺炎球菌コンジュゲート組成物である免疫原性組成物。
【0930】
2.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む、段落1に記載の免疫原性組成物。
【0931】
3.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む、段落1から2のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0932】
4.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む、段落1から3のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0933】
5.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む、段落1から4のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0934】
6.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む、段落1から5のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0935】
7.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む、段落1から6のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0936】
8.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む、段落1から7のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0937】
9.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型12Fに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに由来するグリココンジュゲート、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに由来するグリココンジュゲートおよびストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8に由来するグリココンジュゲートを含み、7価肺炎球菌コンジュゲート組成物である、段落1から8のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0938】
10.前記グリココンジュゲートがCRM197に個別にコンジュゲートされている、段落1から9のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0939】
11.前記グリココンジュゲートがPDに個別にコンジュゲートされている、段落1から9のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0940】
12.前記グリココンジュゲートがTTに個別にコンジュゲートされている、段落1から9のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0941】
13.前記グリココンジュゲートがDTに個別にコンジュゲートされている、段落1から9のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0942】
14.前記血清型15Bグリココンジュゲートが、1,000kDa~20,000kDaの分子量を有する、段落1から13のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0943】
15.前記血清型15Bグリココンジュゲートが、10,000kDa~16,000kDaの分子量を有する、段落1から14のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0944】
16.血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.5~3である、段落1から15のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0945】
17.血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.7~0.9である、段落1から16のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0946】
18.前記血清型15Bグリココンジュゲートが、血清型15B莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型15B莢膜多糖を含む、段落1から17のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0947】
19.血清型15Bグリココンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、段落1から18のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0948】
20.前記血清型15Bグリココンジュゲートが、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1mMのアセテートを含む、段落1から19のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0949】
21.前記血清型15Bグリココンジュゲートが、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む、段落1から20のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0950】
22.血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が、少なくとも0.6である、段落1から21のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0951】
23.血清型15Bグリココンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が、少なくとも0.6である、段落1から22のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0952】
24.前記血清型15Bグリココンジュゲートが、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1mMのグリセロールを含む、段落1から23のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0953】
25.前記血清型15Bグリココンジュゲートが、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5mMのグリセロールを含む、段落1から24のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0954】
26.前記血清型15Bグリココンジュゲートが、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む、段落1から25のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0955】
27.前記血清型15Bグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~15である、段落1から26のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0956】
28.前記血清型15Bグリココンジュゲートが、10kDa~1,500kDaの分子量を有する糖類を含む、段落1から27のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0957】
29.前記血清型15Bグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、段落1から28のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0958】
30.前記血清型15Bグリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、段落1から29のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0959】
31.前記血清型22Fグリココンジュゲートが、400kDa~15,000kDaの分子量を有する、段落1または3から30のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0960】
32.前記血清型22Fグリココンジュゲートが、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する、段落1または3から31のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0961】
33.血清型22Fグリココンジュゲート中の血清型22F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.5~3である、段落1または3から32のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0962】
34.血清型22Fグリココンジュゲート中の血清型22F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.9~1.1である、段落1または3から33のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0963】
35.前記血清型22Fグリココンジュゲートが、血清型22F莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型22F莢膜多糖を含む、段落1または3から34のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0964】
36.血清型22Fグリココンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、段落1または3から35のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0965】
37.前記血清型22Fグリココンジュゲートが、血清型22F莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1mMのアセテートを含む、段落1または3から36のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0966】
38.前記血清型22Fグリココンジュゲートが、血清型22F莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む、段落1または3から37のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0967】
39.血清型22Fグリココンジュゲート中の血清型22F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型22F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が、少なくとも0.6である、段落1または3から38のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0968】
40.血清型22Fグリココンジュゲート中の血清型22F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型22F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が、少なくとも0.6である、段落1または3から39のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0969】
41.前記血清型22Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~15である、段落1または3から40のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0970】
42.前記血清型22Fグリココンジュゲートが、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖類を含む、段落1または3から41のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0971】
43.前記血清型22Fグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、段落1または3から42のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0972】
44.前記血清型22Fグリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、段落1または3から43のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0973】
45.前記血清型33Fグリココンジュゲートが、50kDa~20,000kDaの分子量を有する、段落1または4から44のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0974】
46.前記血清型33Fグリココンジュゲートが、1,000kDa~5,000kDaの分子量を有する、段落1または4から45のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0975】
47.血清型33Fグリココンジュゲート中の血清型33F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.2~4である、段落1または4から46のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0976】
48.血清型33Fグリココンジュゲート中の血清型33F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.4~1.7である、段落1または4から47のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0977】
49.前記血清型33Fグリココンジュゲートが、血清型33F莢膜多糖の総量と比較して約40%未満の遊離血清型33F莢膜多糖を含む、段落1または4から48のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0978】
50.血清型33Fグリココンジュゲートの少なくとも35%が、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、段落1または4から49のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0979】
51.前記血清型33Fグリココンジュゲートが、血清型33F莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1mMのアセテートを含む、段落1または4から50のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0980】
52.前記血清型33Fグリココンジュゲートが、血清型33F莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む、段落1または4から51のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0981】
53.血清型33Fグリココンジュゲート中の血清型33F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型33F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が、少なくとも0.6である、段落1または4から52のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0982】
54.血清型33Fグリココンジュゲート中の血清型33F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型33F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が、少なくとも0.6である、段落1または4から53のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0983】
55.前記血清型33Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~20である、段落1または4から54のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0984】
56.前記血清型33Fグリココンジュゲートが、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖類を含む、段落1または4から55のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0985】
57.前記血清型33Fグリココンジュゲートが、2~25個の糖類反復単位ごとに担体タンパク質と糖類との間に少なくとも1個の共有結合を含む、段落1または4から56のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0986】
58.前記血清型33Fグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、段落1または4から57のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0987】
59.前記血清型33Fグリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、段落1または4から58のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0988】
60.前記血清型33FグリココンジュゲートがeTECコンジュゲーションを用いて調製される、段落1または4から59のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0989】
61.前記血清型33Fグリココンジュゲートが、一般式(III):
【0990】
【化6】
(式中、eTECスペーサーを構成する原子は中央のボックス中に含まれる)により表される、段落60に記載の免疫原性組成物。
【0991】
62.前記血清型12Fグリココンジュゲートが、50kDa~20,000kDaの分子量を有する、段落1または5から61のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0992】
63.前記血清型12Fグリココンジュゲートが、500kDa~5,000kDaの分子量を有する、段落1または5から62のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0993】
64.血清型12Fグリココンジュゲート中の血清型12F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.2~4である、段落1または5から63のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0994】
65.血清型12Fグリココンジュゲート中の血清型12F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.8~1.8である、段落1または5から64のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0995】
66.前記血清型12Fグリココンジュゲートが、血清型12F莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型12F莢膜多糖を含む、段落1または5から65のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0996】
67.血清型12Fグリココンジュゲートの少なくとも35%が、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、段落1または5から66のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0997】
68.前記血清型12Fグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~20である、段落1または5から67のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0998】
69.前記血清型12Fグリココンジュゲートが、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖類を含む、段落1または5から68のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【0999】
70.前記血清型12Fグリココンジュゲートが、2~25個の糖類反復単位ごとに担体タンパク質と糖類との間に少なくとも1個の共有結合を含む、段落1または5から69のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1000】
71.前記血清型12Fグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、段落1または5から70のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1001】
72.前記血清型12Fグリココンジュゲートが、還元的アミノ化を用いて調製される、段落1または5から71のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1002】
73.前記血清型12Fグリココンジュゲートが、TEMPO/NCS還元的アミノ化を用いて調製される、段落1または5から72のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1003】
74.前記血清型10Aグリココンジュゲートが、50kDa~20,000kDaの分子量を有する、段落1または6から73のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1004】
75.前記血清型10Aグリココンジュゲートが、1,000kDa~10,000kDaの分子量を有する、段落1または6から74のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1005】
76.血清型10Aグリココンジュゲート中の血清型10A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.5~3である、段落1または6から75のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1006】
77.血清型10Aグリココンジュゲート中の血清型10A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.8~1.2である、段落1または6から76のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1007】
78.前記血清型10Aグリココンジュゲートが、血清型10A莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型10A莢膜多糖を含む、段落1または6から77のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1008】
79.血清型10Aグリココンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、段落1または6から78のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1009】
80.前記血清型10Aグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~15である、段落1または6から79のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1010】
81.前記血清型10Aグリココンジュゲートが、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖類を含む、段落1または6から80のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1011】
82.前記血清型10Aグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、段落1または6から81のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1012】
83.前記血清型10Aグリココンジュゲートが、還元的アミノ化を用いて調製される、段落1または6から82のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1013】
84.前記血清型11Aグリココンジュゲートが、50kDa~20,000kDaの分子量を有する、段落1または7から83のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1014】
85.前記血清型11Aグリココンジュゲートが、500kDa~20,000kDaの分子量を有する、段落1または7から84のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1015】
86.血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.2~4である、段落1または7から85のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1016】
87.血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.8~1.6である、段落1または7から86のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1017】
88.前記血清型11Aグリココンジュゲートが、血清型11A莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型11A莢膜多糖を含む、段落1または7から87のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1018】
89.血清型11Aグリココンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、段落1または7から88のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1019】
90.前記血清型11Aグリココンジュゲートが、血清型11A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.3mMのアセテートを含む、段落1または7から89のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1020】
91.前記血清型11Aグリココンジュゲートが、血清型11A莢膜多糖1mMあたり少なくとも1.8mMのアセテートを含む、段落1または7から90のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1021】
92.血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が、少なくとも0.6である、段落1または7から91のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1022】
93.血清型11Aグリココンジュゲート中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型11A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比が、少なくとも0.6である、段落1または7から92のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1023】
94.前記血清型11Aグリココンジュゲートが、血清型11A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1mMのグリセロールを含む、段落1または7から93のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1024】
95.前記血清型11Aグリココンジュゲートが、血清型11A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.4mMのグリセロールを含む、段落1または7から94のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1025】
96.前記血清型11Aグリココンジュゲートのコンジュゲーション度が1~15である、段落1または7から95のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1026】
97.前記血清型11Aグリココンジュゲートが、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖類を含む、段落1または7から96のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1027】
98.前記血清型11Aグリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、段落1または7から97のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1028】
99.前記血清型11Aグリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、段落1または7から98のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1029】
100.前記血清型8グリココンジュゲートが、50kDa~20,000kDaの分子量を有する、段落1または8から99のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1030】
101.前記血清型8グリココンジュゲートが、1,000kDa~15,000kDaの分子量を有する、段落1または8から100のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1031】
102.血清型8グリココンジュゲート中の血清型8莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.2~4である、段落1または8から101のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1032】
103.血清型8グリココンジュゲート中の血清型8莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.8~1.5である、段落1または8から102のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1033】
104.前記血清型8グリココンジュゲートが、血清型8莢膜多糖の総量と比較して約50%未満の遊離血清型8莢膜多糖を含む、段落1または8から103のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1034】
105.血清型8グリココンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低いか、またはそれと等しいKdを有する、段落1または8から104のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1035】
106.前記血清型8グリココンジュゲートのコンジュゲーション度が2~20である、段落1または8から105のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1036】
107.前記血清型8グリココンジュゲートが、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖類を含む、段落1または8から106のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1037】
108.前記血清型8グリココンジュゲートの担体タンパク質がCRM197である、段落1または8から107のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1038】
109.前記血清型8グリココンジュゲートが還元的アミノ化を用いて調製される、段落1または8から108のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1039】
110.前記免疫原性組成物の各用量が0.1μg~100μgの各血清型の多糖を含む、段落1から109のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1040】
111.前記免疫原性組成物の各用量が1.0μg~10μgの各血清型の多糖を含む、段落1から110のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1041】
112.前記免疫原性組成物の各用量が、各血清型グリココンジュゲートについて約1.0μg、約1.2μg、約1.4μg、約1.6μg、約1.8μg、2.0μg、約2.2μg、約2.4μg、約2.6μg、約2.8μg、約3.0μg、約3.2μg、約3.4μg、約3.6μg、約3.8μg、約4.0μg、約4.2μg、約4.4μg、約4.6μg、約4.8μg、約5.0μg、約5.2μg、約5.4μg、約5.6μg、約5.8μg、または約6.0μgの各血清型グリココンジュゲートの多糖を含む、段落1から111のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1042】
113.前記免疫原性組成物の各用量が、存在する場合、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび/または33Fに由来する各グリココンジュゲートについて約1.5μg~約3.0μgの多糖を含む、段落1から112のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1043】
114.前記免疫原性組成物の各用量が、10μg~150μgの担体タンパク質を含む、段落1から113のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1044】
115.前記免疫原性組成物の各用量が、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約11μg、約12μg、約13μg、約14μg、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μg、約50μg、約51μg、約52μg、約53μg、約54μg、約55μg、約56μg、約57μg、約58μg、約59μg、約60μg、約61μg、約62μg、約63μg、約64μg、約65μg、約66μg、約67μg、約68μg、約69μg、約70μg、約71μg、約72μg、約73μg、約74μgまたは約75μgの担体タンパク質を含む、段落1から114のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1045】
116.他の病原体に由来する少なくとも1種の抗原をさらに含む、段落1から115のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1046】
117.ジフテリアトキソイド(D)、破傷風トキソイド(T)、百日咳抗原(P)、無細胞性百日咳抗原(Pa)、B型肝炎ウイルス(HBV)表面抗原(HBsAg)、A型肝炎ウイルス(HAV)抗原、コンジュゲート化ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)b型莢膜糖類(Hib)、および不活化ポリオウイルスワクチン(IPV)からなる群から選択される少なくとも1つの抗原をさらに含む、段落1から116のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1047】
118.D、TおよびPaをさらに含む、段落1から117のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1048】
119.D、T、PaおよびHibをさらに含む、段落1から117のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1049】
120.D、T、PaおよびIPVをさらに含む、段落1から117のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1050】
121.D、T、PaおよびHBsAgをさらに含む、段落1から117のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1051】
122.D、T、Pa、HBsAgおよびIPVをさらに含む、段落1から117のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1052】
123.D、T、Pa、HBsAgおよびHibをさらに含む、段落1から117のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1053】
124.D、T、Pa、HBsAg、IPVおよびHibをさらに含む、段落1から117のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1054】
125.コンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖類(MenY)をさらに含む、段落1から124のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1055】
126.コンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群C莢膜糖類(MenC)をさらに含む、段落1から125のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1056】
127.コンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群A莢膜糖類(MenA)をさらに含む、段落1から126のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1057】
128.コンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群W135莢膜糖類(MenW135)をさらに含む、段落1から127のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1058】
129.コンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖類(MenY)、およびコンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群C莢膜糖類(MenC)をさらに含む、段落1から128のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1059】
130.コンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群W135莢膜糖類(MenW135)、コンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖類(MenY)、および/またはコンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群C莢膜糖類(MenC)をさらに含む、段落1から124のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1060】
131.コンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群A莢膜糖類(MenA)、コンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群W135莢膜糖類(MenW135)、コンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖類(MenY)、および/またはコンジュゲート化されたナイセリア・メニンギティディス(N.meningitidis)血清群C莢膜糖類(MenC)をさらに含む、段落1から124のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1061】
132.少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、段落1から131のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1062】
133.リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、リポソーム、水中油乳濁液、MF59(4.3%w/vスクアレン、0.5%w/vポリソルベート80、0.5%w/vトリオレイン酸ソルビタン)、油中水乳濁液、MONTANIDE(商標)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)マイクロ粒子およびポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)ナノ粒子からなる群から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、段落1から132のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1063】
134.リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、段落1から131のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1064】
135.アジュバントとしてリン酸アルミニウムをさらに含む、段落1から131のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1065】
136.アジュバントとして硫酸アルミニウムをさらに含む、段落1から131のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1066】
137.アジュバントとして水酸化アルミニウムをさらに含む、段落1から131のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1067】
138.アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態の0.1mg/mL~1mg/mLのアルミニウム元素を含む、段落1から131のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1068】
139.アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態の0.2mg/mL~0.3mg/mLのアルミニウム元素を含む、段落1から131のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1069】
140.アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態の約0.25mg/mLのアルミニウム元素を含む、段落1から131のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1070】
141.CpGオリゴヌクレオチドをさらに含む、段落1から140のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1071】
142.液体形態で製剤化された、段落1から141のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1072】
143.凍結乾燥形態で製剤化された、段落1から141のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1073】
144.水性液体形態で製剤化された、段落1から142のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1074】
145.緩衝液、塩、二価陽イオン、非イオン性界面活性剤、糖などの凍結防止剤、およびフリーラジカルスカベンジャーもしくはキレート剤などの酸化防止剤のうちの1つもしくは複数、またはその任意の組合せを含む、段落1から144のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1075】
146.緩衝液を含む、段落1から145のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1076】
147.前記緩衝液が約3.5~約7.5のpKaを有する、段落146に記載の免疫原性組成物。
【1077】
148.前記緩衝液が、リン酸、コハク酸、ヒスチジンまたはクエン酸である、段落146から147のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1078】
149.前記緩衝液が1.0mM~10mMの最終濃度のコハク酸である、段落146から148のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1079】
150.前記緩衝液が約5.0mMの最終濃度のコハク酸である、段落146から149のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1080】
151.塩を含む、段落1から150のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1081】
152.前記塩が、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよびその組合せからなる群から選択される、段落151に記載の免疫原性組成物。
【1082】
153.前記塩が塩化ナトリウムである、段落151から152のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1083】
154.前記塩が、約150mMの濃度の塩化ナトリウムである、段落151から153のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1084】
155.界面活性剤を含む、段落1から154のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1085】
156.前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート85、Triton N-1 01、Triton X-100、オキシトキシノール40、ノノキシノール-9、トリエタノールアミン、トリエタノールアミンポリペプチドオレエート、ポリオキシエチレン-660ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレン-35-リシノレエート、大豆レシチンおよびポロキサマーからなる群から選択される、段落155に記載の免疫原性組成物。
【1086】
157.前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート85およびポロキサマーの群から選択される、段落155から156のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1087】
158.前記界面活性剤がポリソルベート80である、段落155から157のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1088】
159.界面活性剤が、少なくとも0.0001%~10%重量/重量(w/w)の最終濃度のポリソルベート80である、段落155から158のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1089】
160.界面活性剤が、少なくとも0.001%~1%重量/重量(w/w)の最終濃度のポリソルベート80である、段落155から159のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1090】
161.界面活性剤が、少なくとも0.01%~1%重量/重量(w/w)の最終濃度のポリソルベート80である、段落155から160のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1091】
162.界面活性剤が、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%または0.1%重量/重量(w/w)の最終濃度のポリソルベート80である、段落155から161のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1092】
163.5.5~7.5のpHを有する、段落1から162のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1093】
164.5.6~7.0のpHを有する、段落1から163のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1094】
165.5.8~6.0のpHを有する、段落1から164のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1095】
166.(a)段落1から165のいずれか1つに記載の前記免疫原性組成物を含む第1の免疫原性組成物;ならびに(b)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる群から選択されるストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む第2の免疫原性組成物を含むキット。
【1096】
167.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落166に記載のキット。
【1097】
168.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落166に記載のキット。
【1098】
169.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落166に記載のキット。
【1099】
170.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落166に記載のキット。
【1100】
171.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23Fおよび22Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落166に記載のキット。
【1101】
172.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落166に記載のキット。
【1102】
173.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23F、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落166に記載のキット。
【1103】
174.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落166に記載のキット。
【1104】
175.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落166に記載のキット。
【1105】
176.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落166に記載のキット。
【1106】
177.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落166から176のいずれか1つに記載のキット。
【1107】
178.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、5および7Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落166から177のいずれか1つに記載のキット。
【1108】
179.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19Aに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落166から178のいずれか1つに記載のキット。
【1109】
180.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型3に由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落166から179のいずれか1つに記載のキット。
【1110】
181.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落166から180のいずれか1つに記載のキット。
【1111】
182.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落166から181のいずれか1つに記載のキット。
【1112】
183.前記グリココンジュゲートが、全てCRM197に個別にコンジュゲートされている、段落166から182のいずれか1つに記載のキット。
【1113】
184.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来する前記グリココンジュゲートがPDに個別にコンジュゲートされている、段落166から176のいずれか1つに記載のキット。
【1114】
185.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来する前記グリココンジュゲートがTTにコンジュゲートされている、段落166から176または184のいずれか1つに記載のキット。
【1115】
186.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来する前記グリココンジュゲートがDTにコンジュゲートされている、段落166から176または184から185のいずれか1つに記載のキット。
【1116】
187.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および/または23Fに由来する前記グリココンジュゲートがPDに個別にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来する前記グリココンジュゲートがTTにコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来する前記グリココンジュゲートがDTにコンジュゲートされている、段落166から176または184から186のいずれか1つに記載のキット。
【1117】
188.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落184から187のいずれか1つに記載のキット。
【1118】
189.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落184から188のいずれか1つに記載のキット。
【1119】
190.前記第2の免疫原性組成物が、7、8、9、10、11、12、13、14または15価肺炎球菌コンジュゲート組成物である、段落166から189のいずれか1つに記載のキット。
【1120】
191.前記第2の免疫原性組成物が、10、11、12、13、14または15価肺炎球菌コンジュゲート組成物である、段落166から190のいずれか1つに記載のキット。
【1121】
192.前記第2の免疫原性組成物が、13価肺炎球菌コンジュゲート組成物である、段落166から191のいずれか1つに記載のキット。
【1122】
193.前記第2の免疫原性組成物が11価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価のコンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落166から191のいずれか1つに記載のキット。
【1123】
194.前記第2の免疫原性組成物が11価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価のコンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落166から191のいずれか1つに記載のキット。
【1124】
195.前記第2の免疫原性組成物が12価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記12価のコンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲート、CRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落166から191のいずれか1つに記載のキット。
【1125】
196.前記第2の免疫原性組成物が、13価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記13価のコンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落166から192のいずれか1つに記載のキット。
【1126】
197.前記第2の免疫原性組成物が14価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価のコンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落166から191のいずれか1つに記載のキット。
【1127】
198.前記第2の免疫原性組成物が14価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価のコンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落166から191のいずれか1つに記載のキット。
【1128】
199.前記第2の免疫原性組成物が15価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記15価のコンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落166から191のいずれか1つに記載のキット。
【1129】
200.第2の免疫原性組成物の前記グリココンジュゲートが、全て還元的アミノ化により担体タンパク質にコンジュゲートされている、段落166から199のいずれか1つに記載のキット。
【1130】
201.前記第2の免疫原性組成物の各用量が1.0μg~10μgの各血清型の多糖を含む、段落166から200のいずれか1つに記載のキット。
【1131】
202.前記第2の免疫原性組成物の各用量が、10μg~150μgの担体タンパク質を含む、段落166から201のいずれか1つに記載のキット。
【1132】
203.前記第2の免疫原性組成物の各用量が、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μgまたは約50μgの担体タンパク質を含む、段落166から202のいずれか1つに記載のキット。
【1133】
204.前記第2の免疫原性組成物が、他の病原体に由来する少なくとも1つの抗原をさらに含む、段落166から203のいずれか1つに記載のキット。
【1134】
205.前記第2の免疫原性組成物が、少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、段落166から204のいずれか1つに記載のキット。
【1135】
206.前記第2の免疫原性組成物が、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、段落166から204のいずれか1つに記載のキット。
【1136】
207.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムをさらに含む、段落166から204のいずれか1つに記載のキット。
【1137】
208.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態の0.2mg/mL~0.3mg/mLのアルミニウム元素をさらに含む、段落166から204のいずれか1つに記載のキット。
【1138】
209.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態の約0.25mg/mLのアルミニウム元素をさらに含む、段落166から204のいずれか1つに記載のキット。
【1139】
210.前記第2の免疫原性組成物が緩衝液をさらに含む、段落166から209のいずれか1つに記載のキット。
【1140】
211.前記緩衝液が約3.5~約7.5のpKaを有する、段落210に記載のキット。
【1141】
212.前記緩衝液が、リン酸、コハク酸、ヒスチジンまたはクエン酸である、段落210から211のいずれか1つに記載のキット。
【1142】
213.前記緩衝液が約5.0mMの最終濃度のコハク酸である、段落212に記載のキット。
【1143】
214.前記第2の免疫原性組成物が塩をさらに含む、段落166から213のいずれか1つに記載のキット。
【1144】
215.前記塩が、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよびその組合せからなる群から選択される、段落214に記載のキット。
【1145】
216.前記第2の免疫原性組成物が、150mMの最終濃度の塩化ナトリウムを含む、段落166から215のいずれか1つに記載のキット。
【1146】
217.前記第2の免疫原性組成物が界面活性剤をさらに含む、段落166から216のいずれか1つに記載のキット。
【1147】
218.前記界面活性剤がポリソルベート80である、段落217に記載のキット。
【1148】
219.ポリソルベート80の最終濃度が、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%または0.1%(w/w)である、段落218に記載のキット。
【1149】
220.前記第2の免疫原性組成物が5.8~6.0のpHを有する、段落166から219のいずれか1つに記載のキット。
【1150】
221.前記第1の免疫原性組成物および前記第2の免疫原性組成物が別々の容器中にある、段落166から220のいずれか1つに記載のキット。
【1151】
222.前記第1および第2の免疫原性組成物が、液体形態で製剤化される、段落166から221のいずれか1つに記載のキット。
【1152】
223.前記第1および第2の免疫原性組成物が、凍結乾燥形態で製剤化される、段落166から221のいずれか1つに記載のキット。
【1153】
224.前記第1の免疫原性組成物が液体形態にあり、前記第2の免疫原性組成物が凍結乾燥形態にある、段落166から221のいずれか1つに記載のキット。
【1154】
225.前記第1の免疫原性組成物が凍結乾燥形態にあり、前記第2の免疫原性組成物が液体形態にある、段落166から221のいずれか1つに記載のキット。
【1155】
226.第2の免疫原性組成物と同時に、同時的に、随伴してまたは逐次投与される、段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1156】
227.第2の免疫原性組成物との同時、同時的、随伴または逐次投与のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1157】
228.上記のセクション3に開示された免疫原性組成物のいずれかとの同時、同時的、随伴または逐次投与のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1158】
229.前記第2の免疫原性組成物が、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる群から選択されるストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型に由来する少なくとも1つのグリココンジュゲートを含む、段落226から228のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1159】
230.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落229に記載の免疫原性組成物。
【1160】
231.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落229に記載の免疫原性組成物。
【1161】
232.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落229に記載の免疫原性組成物。
【1162】
233.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落229に記載の免疫原性組成物。
【1163】
234.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23Fおよび22Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落229に記載の免疫原性組成物。
【1164】
235.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落229に記載の免疫原性組成物。
【1165】
236.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23F、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落229に記載の免疫原性組成物。
【1166】
237.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落229に記載の免疫原性組成物。
【1167】
238.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落229に記載の免疫原性組成物。
【1168】
239.前記第2の免疫原性組成物が、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートを含む、段落229に記載の免疫原性組成物。
【1169】
240.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落229から239のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1170】
241.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、5および7Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落229から240のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1171】
242.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19Aに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落229から241のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1172】
243.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型3に由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落229から242のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1173】
244.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落229から243のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1174】
245.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落229から244のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1175】
246.前記グリココンジュゲートが、全てCRM197に個別にコンジュゲートされている、段落229から245のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1176】
247.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来する前記グリココンジュゲートがPDに個別にコンジュゲートされている、段落229から239のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1177】
248.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来する前記グリココンジュゲートがTTにコンジュゲートされている、段落229から239または247のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1178】
249.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来する前記グリココンジュゲートがDTにコンジュゲートされている、段落229から239または247から248のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1179】
250.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および/または23Fに由来する前記グリココンジュゲートがPDに個別にコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来する前記グリココンジュゲートがTTにコンジュゲートされており、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来する前記グリココンジュゲートがDTにコンジュゲートされている、段落229から239または247から249のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1180】
251.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落247から250のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1181】
252.ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来する前記グリココンジュゲートがCRM197にコンジュゲートされている、段落247から251のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1182】
253.前記第2の免疫原性組成物が、7、8、9、10、11、12、13、14または15価肺炎球菌コンジュゲート組成物である、段落226から252のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1183】
254.前記第2の免疫原性組成物が、10、11、12、13、14または15価肺炎球菌コンジュゲート組成物である、段落226から253のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1184】
255.前記第2の免疫原性組成物が、13、14または15価肺炎球菌コンジュゲート組成物である、段落226から254のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1185】
256.前記第2の免疫原性組成物が、13価肺炎球菌コンジュゲート組成物である、段落226から255のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1186】
257.前記第2の免疫原性組成物が11価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価のコンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落226から254のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1187】
258.前記第2の免疫原性組成物が11価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価のコンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落226から254のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1188】
259.前記第2の免疫原性組成物が12価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記12価のコンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23Fに由来するグリココンジュゲート、TTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型18Cに由来するグリココンジュゲート、DTにコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型19Fに由来するグリココンジュゲート、CRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに由来するグリココンジュゲートおよびCRM197にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型33Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落226から254のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1189】
260.前記第2の免疫原性組成物が、13価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記13価のコンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落226から256のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1190】
261.前記第2の免疫原性組成物が14価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価のコンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落226から255のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1191】
262.前記第2の免疫原性組成物が14価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価のコンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落226から255のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1192】
263.前記第2の免疫原性組成物が15価肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記15価のコンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲートからなる、段落226から255のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1193】
264.第2の免疫原性組成物の前記グリココンジュゲートが、全て還元的アミノ化により担体タンパク質にコンジュゲートされている、段落229から263のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1194】
265.前記第2の免疫原性組成物の各用量が1~10μgの各血清型の多糖を含む、段落229から264のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1195】
266.前記第2の免疫原性組成物の各用量が、10μg~150μgの担体タンパク質を含む、段落229から265のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1196】
267.前記第2の免疫原性組成物の各用量が、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μgまたは約50μgの担体タンパク質を含む、段落229から266のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1197】
268.前記第2の免疫原性組成物が、他の病原体に由来する抗原をさらに含む、段落229から267のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1198】
269.前記第2の免疫原性組成物が、少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、段落229から268のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1199】
270.前記第2の免疫原性組成物が、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、段落229から268のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1200】
271.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムをさらに含む、段落229から268のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1201】
272.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態の約0.2mg/mL~0.3mg/mLのアルミニウム元素をさらに含む、段落229から268のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1202】
273.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態の約0.25mg/mLのアルミニウム元素をさらに含む、段落229から268のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1203】
274.前記第2の免疫原性組成物が緩衝液をさらに含む、段落229から273のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1204】
275.前記第2の免疫原性組成物が、約3.5~約7.5のpKaを有する緩衝液を含む、段落229から274のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1205】
276.前記第2の免疫原性組成物の前記緩衝液が、リン酸、コハク酸、ヒスチジンまたはクエン酸である、段落274から275のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1206】
277.前記第2の免疫原性組成物の前記緩衝液が約5.0mMの最終濃度のコハク酸である、段落274から276のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1207】
278.前記第2の免疫原性組成物が塩をさらに含む、段落229から277のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1208】
279.前記第2の免疫原性組成物の前記塩が、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよびその組合せからなる群から選択される、段落229から278のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1209】
280.前記第2の免疫原性組成物が、150mMの最終濃度の塩化ナトリウムを含む、段落229から279のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1210】
281.前記第2の免疫原性組成物が界面活性剤をさらに含む、段落229から280のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1211】
282.前記第2の免疫原性組成物の前記界面活性剤がポリソルベート80である、段落281に記載の免疫原性組成物。
【1212】
283.前記第2の免疫原性組成物中のポリソルベート80の最終濃度が、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%または0.1%(w/w)である、段落281から282のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1213】
284.前記第2の免疫原性組成物が5.8~6.0のpHを有する、段落229から283のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1214】
285.ワクチン接種スケジュールが単回用量スケジュールであるワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1215】
286.ワクチン接種スケジュールが複数回用量スケジュールであるワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1216】
287.ワクチン接種スケジュールが、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1217】
288.ワクチン接種スケジュールが、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1218】
289.ワクチン接種スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1219】
290.ワクチン接種スケジュールが、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1220】
291.ワクチン接種スケジュールが、約1カ月~約6カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1221】
292.ワクチン接種スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1222】
293.ワクチン接種スケジュールが、約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1223】
294.ワクチン接種スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1224】
295.ワクチン接種スケジュールが、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回または3回用量シリーズ、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1225】
296.ワクチン接種スケジュールが、2カ月齢で開始する、約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズ、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1226】
297.ワクチン接種スケジュールが、2、4、6、および12~15カ月齢で投与されるワクチンの4回用量からなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1227】
298.ワクチン接種スケジュールが、0日目に与えられる初回用量、および約2~約24週間の範囲の間隔で与えられる1回または複数回の追加免疫用量からなる、ワクチン接種における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【1228】
299.第1および第2の免疫原性組成物の同時、同時的、随伴または逐次投与のための段落165から225のいずれか1つに記載のキット。
【1229】
300.第1および第2の免疫原性組成物を同時投与する方法における使用のための段落226から284のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落299に記載のキット。
【1230】
301.前記同時投与のワクチン接種のスケジュールが単回用量である、段落300に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1231】
302.前記同時投与のワクチン接種のスケジュールが複数回用量スケジュールである、段落300に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1232】
303.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1233】
304.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1234】
305.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1235】
306.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1236】
307.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1237】
308.前記複数回用量スケジュールが、各用量が約1、2、3または4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1238】
309.前記複数回用量スケジュールが、1歳目における少なくとも1回の用量(例えば、1、2または3回の用量)、およびそれに続く、少なくとも1回の幼児用量からなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1239】
310.前記複数回用量スケジュールが、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回または3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1240】
311.前記複数回用量スケジュールが、2、4、6、および12~15カ月齢で投与されるワクチンの4回用量シリーズからなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1241】
312.前記複数回用量スケジュールが、0日目に与えられる初回用量、および約2~約24週間の範囲の間隔で、好ましくは4~8週間の投与間隔で与えられる1回または複数回の追加免疫用量からなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1242】
313.前記複数回用量スケジュールが、0日目に与えられる初回用量、および約3カ月後に与えられる追加免疫用量からなる、段落302に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1243】
314.第1および第2の免疫原性組成物を随伴投与する方法における使用のための段落226から284のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落299に記載のキット。
【1244】
315.前記随伴投与のワクチン接種のスケジュールが単回用量である、段落314に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1245】
316.前記随伴投与のワクチン接種のスケジュールが複数回用量スケジュールである、段落314に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1246】
317.第1および第2の免疫原性組成物を同時的投与する方法における使用のための段落226から284のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落299に記載のキット。
【1247】
318.前記同時的投与のワクチン接種のスケジュールが単回用量である、段落317に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1248】
319.前記同時的投与のワクチン接種のスケジュールが複数回用量スケジュールである、段落317に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1249】
320.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、段落316または319に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1250】
321.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、段落316または319に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1251】
322.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、段落315または318に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1252】
323.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、段落316または319に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1253】
324.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる、段落316または319に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1254】
325.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる、段落316または319に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1255】
326.前記複数回用量スケジュールが、1歳目における少なくとも1回の用量(例えば、1、2または3回の用量)、およびそれに続く、少なくとも1回の幼児用量からなる、段落316または319に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1256】
327.前記複数回用量スケジュールが、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回または3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる、段落316または319に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1257】
328.前記複数回用量スケジュールが、2、4、6、および12~15カ月齢で投与されるワクチンの4回用量シリーズからなる、段落316または319に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1258】
329.前記複数回用量スケジュールが、0日目に与えられる初回用量、および約2~約24週間の範囲の間隔で、好ましくは4~8週間の投与間隔で与えられる1回または複数回の追加免疫用量からなる、段落316または319に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1259】
330.前記複数回用量スケジュールが、0日目に与えられる初回用量、および約3カ月後に与えられる追加免疫用量からなる、段落316または319に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1260】
331.第1および第2の免疫原性組成物を逐次投与する方法における使用のための段落226から284のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落299に記載のキット。
【1261】
332.前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールが、2、3、4、5、6、7または8回用量シリーズからなる、段落331に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1262】
333.前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールが、2、3または4回用量シリーズからなる、段落331または332に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1263】
334.第1の免疫原性組成物が1回目に投与され、第2の免疫原性組成物が2回目に投与される、段落331から333のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1264】
335.第2の免疫原性組成物が1回目に投与され、第1の免疫原性組成物が2回目に投与される、段落331から333のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1265】
336.ワクチン接種のスケジュールが、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、段落331から335のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1266】
337.ワクチン接種のスケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、段落331から335のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1267】
338.1回目および2回目の用量が1歳目において投与される、段落331から338のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1268】
339.1回目の用量が1歳目に投与され、2回目の用量が幼児用量である、段落331から338のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1269】
340.前記幼児用量が12~18カ月齢で投与される、段落339に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1270】
341.前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールが3回用量シリーズからなる、段落332または333に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1271】
342.前記スケジュールが、各用量が約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、段落341に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1272】
343.前記スケジュールが、各用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、段落341に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1273】
344.1回目および2回目の用量が1歳目に投与され、3回目の用量が幼児用量である、段落341から343のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1274】
345.1回目および2回目の用量が、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、用量間は28~56日)、3回目の用量が12~18カ月齢での幼児用量である、段落341から344のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1275】
346.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される、段落341から345のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1276】
347.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される、段落341から345のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1277】
348.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される、段落341から345のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1278】
349.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される、段落341から345のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1279】
350.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与される、段落341から345のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1280】
351.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与される、段落341から345のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1281】
352.前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールが4回用量シリーズからなる、段落332または333に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1282】
353.1回目、2回目および3回目の用量が約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられており、その後に、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量が続く、段落352に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1283】
354.1回目、2回目および3回目の用量が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており、その後に、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量が続く、段落352または353に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1284】
355.1回目、2回目および3回目の用量が1歳目に投与され、4回目の用量が幼児用量である、段落352から354のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1285】
356.1回目、2回目および3回目の用量が、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、用量間は28~56日)、4回目の用量が12~18カ月齢での幼児用量である、段落352から355のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1286】
357.第1の免疫原性組成物が1回目、2回目および3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1287】
358.第2の免疫原性組成物が1回目、2回目および3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1288】
359.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1289】
360.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1290】
361.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1291】
362.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1292】
363.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1293】
364.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1294】
365.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1295】
366.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1296】
367.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1297】
368.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1298】
369.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1299】
370.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落352から356のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1300】
371.前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールが5回用量シリーズからなる、段落331から332のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1301】
372.ワクチン接種のスケジュールが、約1カ月~約3カ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の用量からなる、段落371に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1302】
373.1回目、2回目、3回目および4回目の用量が1歳目に投与され、5回目の用量が幼児用量である、段落371から372のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1303】
374.第1の免疫原性組成物(第1のIC)および第2の免疫原性組成物(第2のIC)が、以下のスケジュール:
【1304】
【1305】
【表6-2】
のいずれかに従って投与される、段落371から372のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1306】
375.前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールが6回用量シリーズからなる、段落331から332のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1307】
376.ワクチン接種のスケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の6回目の用量からなる、段落375に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1308】
377.1回目、2回目、3回目、4回目および5回目の用量が1歳目に投与され、6回目の用量が幼児用量である、段落375から376のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1309】
378.第1の免疫原性組成物および第2の免疫原性組成物が、段落374のスケジュールのいずれか、およびそれに続く、6回目の用量に従って投与される、段落375から377のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1310】
379.本発明による第1の免疫原性組成物が6回目の用量として投与される、段落378に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1311】
380.本発明による第2の免疫原性組成物が6回目の用量として投与される、段落378に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1312】
381.前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールが7回用量シリーズからなる、段落331から332のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1313】
382.ワクチン接種のスケジュールが、約1カ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の7回目の用量からなる、段落381に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1314】
383.1回目、2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の用量が1歳目に投与され、7回目の用量が幼児用量である、段落381から382のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1315】
384.第1の免疫原性組成物および第2の免疫原性組成物が、段落379または380のスケジュールのいずれか、およびそれに続く、7回目の用量に従って投与される、段落381から383のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1316】
385.本発明による第1の免疫原性組成物が7回目の用量として投与される、段落384に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1317】
386.本発明による第2の免疫原性組成物が7回目の用量として投与される、段落384に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1318】
387.前記逐次投与のワクチン接種のスケジュールが8回用量シリーズからなる、段落331から332のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1319】
388.ワクチン接種のスケジュールが、約1カ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の8回目の用量からなる、段落387に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1320】
389.1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目および7回目の用量が1歳目に投与され、8回目の用量が幼児用量である、段落387から388のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1321】
390.第1の免疫原性組成物および第2の免疫原性組成物が、段落385または386のスケジュールのいずれか、およびそれに続く、8回目の用量に従って投与される、段落387から389のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1322】
391.本発明による第1の免疫原性組成物が8回目の用量として投与される、段落390に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1323】
392.本発明による第2の免疫原性組成物が8回目の用量として投与される、段落390に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1324】
393.ワクチン接種のスケジュールが:
(a)第1の免疫原性組成物および
(b)第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与
の逐次投与からなる、段落331から333のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1325】
394.ワクチン接種のスケジュールが2回投与シリーズからなる、段落393に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1326】
395.ワクチン接種のスケジュールが約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる、段落393から394のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1327】
396.第1の免疫原性組成物が1回目に投与され、随伴投与または同時的投与が2回目に投与される、段落393から395のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1328】
397.随伴投与または同時的投与が1回目に投与され、第1の免疫原性組成物が2回目に投与される、段落393から396のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1329】
398.1回目および2回目の投与が1歳目に投与される、段落393から397のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1330】
399.1回目の投与が1歳目に投与され、2回目の投与が幼児投与である、段落393から398のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1331】
400.前記幼児投与が12~18カ月齢で投与される、段落399に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1332】
401.ワクチン接種のスケジュールが3回投与シリーズからなる、段落393に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1333】
402.前記スケジュールが、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる、段落401に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1334】
403.1回目および2回目の投与が1歳目に投与され、3回目の投与が幼児投与である、段落401から402のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1335】
404.1回目および2回目の投与が、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、投与間は28~56日)、3回目の投与が12~18カ月齢での幼児投与である、段落401から403のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1336】
405.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目の投与で投与される、段落401から404のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1337】
406.随伴投与または同時的投与が1回目および2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与される、段落401から404のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1338】
407.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与される、段落401から404のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1339】
408.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目の投与で投与される、段落401から404のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1340】
409.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目および3回目の投与で投与される、段落401から404のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1341】
410.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の投与で投与される、段落401から404のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1342】
411.ワクチン接種のスケジュールが4回投与シリーズからなる、段落393に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1343】
412.1回目、2回目および3回目の投与が約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられており、その後に、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与が続く、段落411に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1344】
413.1回目、2回目および3回目の投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており、その後に、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与が続く、段落411に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1345】
414.1回目、2回目および3回目の投与が1歳目に投与され、4回目の投与が幼児投与である、段落411から413のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1346】
415.1回目、2回目および3回目の投与が、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、投与間は28~56日)、4回目の投与が12~18カ月齢での幼児投与である、段落411から414のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1347】
416.第1の免疫原性組成物が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1348】
417.随伴投与または同時的投与が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1349】
418.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目および4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1350】
419.随伴投与または同時的投与が1回目および2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1351】
420.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1352】
421.随伴投与または同時的投与が1回目および2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1353】
422.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目、3回目および4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1354】
423.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1355】
424.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1356】
425.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1357】
426.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1358】
427.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目および4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1359】
428.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目および3回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1360】
429.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が4回目の投与で投与される、段落411から415のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1361】
430.ワクチン接種のスケジュールが5回投与シリーズからなる、段落393に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1362】
431.スケジュールが、各用量が約1カ月~約3カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる、段落430に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1363】
432.1回目、2回目、3回目および4回目の投与が1歳目に投与され、5回目の投与が幼児用量である、段落430から431のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1364】
433.第1の免疫原性組成物(第1のIC)および第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与(第1のIC/第2のIC)が、以下のスケジュール:
【1365】
【1366】
【表7-2】
のいずれかに従って投与される、段落430から432のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1367】
434.ワクチン接種のスケジュールが6回投与シリーズからなる、段落393に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1368】
435.スケジュールが、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与からなる、段落434に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1369】
436.1回目、2回目、3回目、4回目および5回目の投与が1歳目に投与され、6回目の投与が幼児投与である、段落434から435のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1370】
437.第1の免疫原性組成物および第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が、段落433のスケジュールのいずれか、およびそれに続く、6回目の投与に従って投与される、段落434から436のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1371】
438.第1の免疫原性組成物が6回目の投与として投与される、段落437に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1372】
439.第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が6回目の投与として投与される、段落437に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1373】
440.ワクチン接種のスケジュールが7回投与シリーズからなる、段落393に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1374】
441.ワクチン接種のスケジュールが、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の7回目の投与からなる、段落440に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1375】
442.1回目、2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の投与が1歳目に投与され、7回目の投与が幼児投与である、段落440から441のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1376】
443.第1の免疫原性組成物および第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が、段落438または439のスケジュールのいずれか、およびそれに続く、7回目の投与に従って投与される、段落440から442のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1377】
444.第1の免疫原性組成物が7回目の投与として投与される、段落443に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1378】
445.第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が7回目の投与として投与される、段落443に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1379】
446.ワクチン接種のスケジュールが8回投与シリーズからなる、段落393に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1380】
447.ワクチン接種のスケジュールが、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の8回目の投与からなる、段落446に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1381】
448.1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目および7回目の投与が1歳目に投与され、8回目の投与が幼児投与である、段落446から447のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1382】
449.第1の免疫原性組成物および第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が、段落444または445のスケジュールのいずれか、およびそれに続く、8回目の投与に従って投与される、段落446から448のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1383】
450.第1の免疫原性組成物が8回目の投与として投与される、段落449に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1384】
451.第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が8回目の投与として投与される、段落449に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1385】
452.ワクチン接種のスケジュールが:
(a)第2の免疫原性組成物および
(b)第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与
の逐次投与からなる、段落331から333のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1386】
453.前記スケジュールが、段落394から451によるスケジュールのいずれか1つであり、(a)の前記第2の免疫原性組成物の投与が、前記段落中の(a)の第1の免疫原性組成物の投与に取って代わる、段落452に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1387】
454.医薬としての使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1388】
455.ワクチンとしての使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1389】
456.対象における細菌感染、疾患または状態を防止する、処置する、または改善するための方法における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1390】
457.対象における細菌感染、疾患または状態を防止するための方法における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1391】
458.全身経路または粘膜経路により前記免疫原性組成物を投与することにより、肺炎球菌感染に罹りやすいヒトを保護または処置するための方法における使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1392】
459.前記免疫原性組成物が、筋肉内、腹腔内、皮内、または皮下経路により投与される、段落458に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1393】
460.ワクチン接種しようとする対象が年齢1歳未満のヒトである、ワクチンとしての使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1394】
461.ワクチン接種しようとする対象が年齢2歳未満のヒトである、ワクチンとしての使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1395】
462.ワクチン接種しようとする対象が50歳以上の成人である、ワクチンとしての使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1396】
463.ワクチン接種しようとする対象が免疫障害を有するヒトである、ワクチンとしての使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1397】
464.単回用量スケジュールにおける使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1398】
465.複数回用量スケジュールにおける使用のための段落1から165のいずれか1つに記載の免疫原性組成物または段落166から225のいずれか1つに記載のキット。
【1399】
466.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、段落465に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1400】
467.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、段落465に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1401】
468.前記複数回用量スケジュールが、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる、段落465に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1402】
469.前記複数回用量スケジュールが、1歳目における少なくとも1回の用量、およびそれに続く、少なくとも1回の幼児用量からなる、段落465に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1403】
470.前記複数回用量スケジュールが、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた2回または3回用量シリーズ、およびそれに続く、12~18カ月齢での幼児用量からなる、段落465に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1404】
471.前記複数回用量スケジュールが、2、4、6、および12~15カ月齢で投与されるワクチンの4回用量シリーズからなる、段落465に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1405】
472.ワクチン接種のスケジュールが:
(a)第2の免疫原性組成物および
(b)第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与
の逐次投与からなる、段落331から333のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1406】
473.ワクチン接種のスケジュールが2回投与シリーズからなる、段落472に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1407】
474.ワクチン接種のスケジュールが約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる、段落472から473のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1408】
475.第2の免疫原性組成物が1回目に投与され、随伴投与または同時的投与が2回目に投与される、段落472から474のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1409】
476.随伴投与または同時的投与が1回目に投与され、第2の免疫原性組成物が2回目に投与される、段落472から474のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1410】
477.1回目および2回目の投与が1歳目に投与される、段落472から476のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1411】
478.1回目の投与が1歳目に投与され、2回目の投与が幼児投与である、段落472から476のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1412】
479.前記幼児投与が12~18カ月齢で投与される、段落478に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1413】
480.ワクチン接種のスケジュールが3回投与シリーズからなる、段落472に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1414】
481.前記スケジュールが、約1カ月~約12カ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる、段落480に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1415】
482.1回目および2回目の投与が1歳目に投与され、3回目の投与が幼児投与である、段落480から481のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1416】
483.1回目および2回目の投与が、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、投与間は28~56日)、3回目の投与が12~18カ月齢での幼児投与である、段落480から482のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1417】
484.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目の投与で投与される、段落480から483のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1418】
485.随伴投与または同時的投与が1回目および2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の投与で投与される、段落480から483のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1419】
486.第2の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の投与で投与される、段落480から483のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1420】
487.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目の投与で投与される、段落480から483のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1421】
488.第2の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目および3回目の投与で投与される、段落480から483のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1422】
489.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の投与で投与される、段落480から483のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1423】
490.ワクチン接種のスケジュールが4回投与シリーズからなる、段落472に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1424】
491.1回目、2回目および3回目の投与が約1カ月~約4カ月の間隔で隔てられており、その後に、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与が続く、段落490に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1425】
492.1回目、2回目および3回目の投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており、その後に、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与が続く、段落490に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1426】
493.1回目、2回目および3回目の投与が1歳目に投与され、4回目の投与が幼児投与である、段落490から492のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1427】
494.1回目、2回目および3回目の投与が、2カ月齢で開始する、約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられており(例えば、投与間は28~56日)、4回目の投与が12~18カ月齢での幼児投与である、段落490から493のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1428】
495.第2の免疫原性組成物が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1429】
496.随伴投与または同時的投与が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1430】
497.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目および4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1431】
498.随伴投与または同時的投与が1回目および2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1432】
499.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1433】
500.随伴投与または同時的投与が1回目および2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1434】
501.第2の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目、3回目および4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1435】
502.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1436】
503.第2の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1437】
504.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1438】
505.第2の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1439】
506.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が3回目および4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1440】
507.第2の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が2回目および3回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1441】
508.随伴投与または同時的投与が1回目の投与で投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の投与で投与され、随伴投与または同時的投与が4回目の投与で投与される、段落490から494のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1442】
509.ワクチン接種のスケジュールが5回投与シリーズからなる、段落472に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1443】
510.スケジュールが、各用量が約1カ月~約3カ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる、段落509に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1444】
511.1回目、2回目、3回目および4回目の投与が1歳目に投与され、5回目の投与が幼児用量である、段落509から510のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1445】
512.第2の免疫原性組成物(第2のIC)および第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与(第1のIC/第2のIC)が、以下のスケジュール:
【1446】
【1447】
【表8-2】
のいずれかに従って投与される、段落509から511のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1448】
513.ワクチン接種のスケジュールが6回投与シリーズからなる、段落472に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1449】
514.スケジュールが、各投与が約1カ月~約2カ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与からなる、段落513に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1450】
515.1回目、2回目、3回目、4回目および5回目の投与が1歳目に投与され、6回目の投与が幼児投与である、段落513から514のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1451】
516.第2の免疫原性組成物および第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が、段落512のスケジュールのいずれか、およびそれに続く、6回目の投与に従って投与される、段落513から515のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1452】
517.第2の免疫原性組成物が6回目の投与として投与される、段落516に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1453】
518.第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が6回目の投与として投与される、段落516に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1454】
519.ワクチン接種のスケジュールが7回投与シリーズからなる、段落472に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1455】
520.ワクチン接種のスケジュールが、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の7回目の投与からなる、段落519に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1456】
521.1回目、2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の投与が1歳目に投与され、7回目の投与が幼児投与である、段落519から520のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1457】
522.第2の免疫原性組成物および第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が、段落517または518のスケジュールのいずれか、およびそれに続く、7回目の投与に従って投与される、段落519から521のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1458】
523.第2の免疫原性組成物が7回目の投与として投与される、段落522に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1459】
524.第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が7回目の投与として投与される、段落522に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1460】
525.ワクチン接種のスケジュールが8回投与シリーズからなる、段落472に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1461】
526.ワクチン接種のスケジュールが、各投与が約1カ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズ、およびそれに続く、1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の8回目の投与からなる、段落525に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1462】
527.1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目および7回目の投与が1歳目に投与され、8回目の投与が幼児投与である、段落525から526のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1463】
528.第2の免疫原性組成物および第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が、段落523または524のスケジュールのいずれか、およびそれに続く、8回目の投与に従って投与される、段落525から527のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1464】
529.第2の免疫原性組成物が8回目の投与として投与される、段落528に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1465】
530.第1の免疫原性組成物の第2の免疫原性組成物との随伴投与または同時的投与が8回目の投与として投与される、段落528に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1466】
531.1回目および2回目の用量が1歳目に投与され、3回目および4回目の用量が幼児用量である、段落352に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1467】
532.スケジュールが、各用量が約1カ月~2カ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の3回目の用量および3回目の用量の約1カ月~約2カ月後の4回目の用量からなる、段落352に記載の免疫組成物またはキット。
【1468】
533.第1の免疫原性組成物が1回目、2回目および3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1469】
534.第2の免疫原性組成物が1回目、2回目および3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1470】
535.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1471】
536.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1472】
537.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1473】
538.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1474】
539.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1475】
540.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1476】
541.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1477】
542.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1478】
543.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1479】
544.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1480】
545.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1481】
546.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、段落531から532のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1482】
547.1回目、2回目および3回目の用量が1歳目に投与され、4回目および5回目の用量が幼児用量である、段落371に記載の免疫原性組成物またはキット。
【1483】
548.スケジュールが、各用量が約1カ月~2カ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、およびそれに続く、1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量および4回目の用量の約1カ月~約2カ月後の5回目の用量からなる、段落371に記載の免疫組成物またはキット。
【1484】
549.:第1の免疫原性組成物(第1のIC)および第2の免疫原性組成物(第2のIC)が、以下のスケジュール:
【1485】
【1486】
【表9-2】
のいずれかに従って投与される、段落547から548のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1487】
550.第1の免疫原性組成物(第1のIC)および第2の免疫原性組成物(第2のIC)が、以下のスケジュール:
【1488】
【表10】
のいずれかに従って投与される、段落547から548のいずれか1つに記載の免疫原性組成物またはキット。
【1489】
本明細書で用いられる用語「約」は、記述される濃度範囲、時間枠、分子量、温度またはpHなどの、ある値の統計的に意味のある範囲内にあることを意味する。そのような範囲は、所与の値または範囲の1桁分以内、典型的には、20%以内、より典型的には、10%以内、さらにより典型的には、5%以内、または1%以内にあってもよい。時には、そのような範囲は、所与の値または範囲の測定および/または決定のために用いられる標準的な方法に典型的な実験誤差の範囲内にあってもよい。用語「約」により包含される許容し得る変動は、試験下の特定のシステムに依存し、当業者であれば容易に理解することができる。範囲がこの適用の範囲内で記載される場合はいつでも、範囲内の全ての全整数も本開示の実施形態として企図される。
【1490】
本明細書における用語「含む(comprising)」、「含む(comprise)」および「含む(comprises)」は、それぞれ、例ごとに、用語「本質的にからなる(consisting essentially of)」、「本質的にからなる(consist essentially of)」、「本質的にからなる(consists essentially of)」、「からなる(consisting of)」、「からなる(consist of)」および「からなる(consists of)」と置換可能であってもよいと本発明者らによって意図される。
【1491】
「免疫原性量」、「免疫学的有効量」、「治療有効量」、「予防有効量」または「用量」は、それぞれが本明細書で互換的に用いられ、一般に、当業者に公知の標準アッセイで測定した場合に、細胞性(T細胞)もしくは体液性(B細胞または抗体)または両方の免疫応答を誘発するのに十分な抗原または免疫原性組成物の量を指す。
【1492】
本特許明細書内で引用される全ての参考文献または特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【1493】
本発明を、添付の実施例に例示する。以下の実施例は、別途詳細に記載される場合を除いて、当業者には周知であり、日常的である標準的な技術を用いて実行される。実施例は例示的なものであるが、本発明を限定するものではない。
【実施例1494】
(実施例1)
eTEC結合されたグリココンジュゲートの調製のための一般的プロセス
シスタミンジヒドロクロリドによる糖類の活性化およびチオール化
糖類を、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中で復元させる。溶液の湿度含量を、Karl Fischer(KF)分析により決定し、0.1%~0.4%、典型的には、0.2%の湿度含量に達するように調整する。
【1495】
活性化を開始させるために、1,1’-カルボニル-ジ-1,2,4-トリアゾール(CDT)または1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)の溶液を、DMSO中、100mg/mLの濃度で新鮮に調製する。糖類を、様々な量のCDT/CDI(1~10モル当量)で活性化し、23±2℃で1時間、反応を進行させる。活性化レベルを、HPLCにより決定することができる。シスタミンジヒドロクロリドを、50mg/mLの濃度に無水DMSO中で新鮮に調製する。活性化された糖類を、1モル当量(mol.eq.)のシスタミンジヒドロクロリドと反応させる。あるいは、活性化された糖類を、1mol.eq.のシステアミンヒドロクロリドと反応させる。チオール化反応を、23±2℃で21±2時間進行させて、チオール化された糖類を生産する。チオール化レベルを、添加された量のCDT/CDIにより決定する。
【1496】
活性化反応溶液中の残留CDT/CDIを、100mM四ホウ酸ナトリウム、pH9.0溶液の添加によりクエンチする。計算を実施して、添加される四ホウ酸の量を決定し、最終湿度含量が総水性のうちの1~2%となるように調整する。
【1497】
活性化されたチオール化された糖類の還元および精製
チオール化された糖類の反応混合物を、0.9%塩水、pH6.0中の予め冷却した5mMのコハク酸ナトリウムへの添加により10倍に希釈し、5μmフィルターを通して濾過する。チオール化された糖類の透析濾過を、40倍の透析容量のWFIに対して実施する。10%容量の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0により希釈した後、保持液に、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、1~5mol.eq.の溶液を添加する。この還元反応を、5±3℃で20±2時間進行させる。活性化されたチオール化された糖類の精製を、好ましくは、予め冷却した10mMリン酸二水素ナトリウム、pH4.3に対して限外濾過/透析濾過により実施する。あるいは、チオール化された糖類を、標準的なサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)手順またはイオン交換クロマトグラフィー法により精製する。活性化されたチオール化された糖類の保持液のアリコートを取って、糖類濃度を決定し、チオール含量(Ellman)アッセイを行う。
【1498】
活性化されたチオール化された糖類の代替的な還元および精製
また、上記の精製手順に対する代替として、活性化されたチオール化された糖類を、以下のように精製した。
【1499】
チオール化された糖類の反応混合物に、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の溶液、5~10mol.eq.を添加し、23±2℃で3±1時間進行させた。次いで、反応混合物を、0.9%塩水、pH6.0中の予め冷却した5mMコハク酸ナトリウムへの添加により5倍希釈し、5μmフィルターを通して濾過した。チオール化された糖類の透析濾過を、予め冷却した10mMリン酸二水素ナトリウム、pH4.3の40倍透析容量を用いて実施した。活性化されたチオール化された糖類の保持液のアリコートを取って、糖類濃度を決定し、チオール含量(Ellman)アッセイを行った。
【1500】
ブロモアセチル化担体タンパク質の活性化および精製
担体タンパク質の遊離アミノ基を、ブロモ酢酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(BAANS)、ブロモアセチルブロミド、または別の好適な試薬などのブロモアセチル化剤との反応によりブロモアセチル化する。
【1501】
担体タンパク質(0.1Mリン酸ナトリウム、pH8.0±0.2中)を、活性化の前にまず、約pH7で、8±3℃で保持する。タンパク質溶液に、ストックジメチルスルホキシド(DMSO)溶液(20mg/mL)の形のブロモ酢酸のN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(BAANS)を、0.25~0.5の比のBAANS:タンパク質(w/w)で添加する。反応物を、5±3℃で30~60分間、穏やかに混合する。得られるブロモアセチル化(活性化)されたタンパク質を、例えば、10mMリン酸(pH7.0)緩衝液を用いた10kDaのMWCO膜を用いる限外濾過/透析濾過により精製する。精製後、ブロモアセチル化された担体タンパク質のタンパク質濃度を、Lowryのタンパク質アッセイにより見積もる。
【1502】
活性化の程度を、抑制電導度検出(イオンクロマトグラフィー)と共役させたイオン交換液体クロマトグラフィーによる総ブロミドアッセイにより決定する。活性化されたブロモアセチル化されたタンパク質上の結合したブロミドを、アッセイ試料調製物中のタンパク質から切断し、存在し得る任意の遊離ブロミドと共に定量する。タンパク質上に残存する共有的に結合した臭素は全て、アルカリ2-メルカプトエタノール中で試料を加熱することにより、イオン性ブロミドへの変換により遊離させる。
【1503】
ブロモアセチル化されたCRM197の活性化および精製
CRM197を、10mMリン酸緩衝化0.9%NaCl pH7(PBS)を用いて5mg/mLに希釈した後、1Mストック溶液を用いて、0.1M NaHCO3、pH7.0を作製した。BAANSを、20mg/mLのDMSOのBAANSストック溶液を用いてCRM197:BAANS比1:0.35(w:w)で添加した。反応混合物を3℃~11℃で30min~1時間インキュベートした後、10K MWCO膜および10mMリン酸ナトリウム/0.9%NaCl、pH7.0を用いる限外濾過/透析濾過により精製した。精製された活性化されたCRM197を、Lowryアッセイによりアッセイして、タンパク質濃度を決定した後、PBSで5mg/mLに希釈した。スクロースを凍結保護剤として5%wt/volまで添加し、活性化されたタンパク質を凍結し、コンジュゲーションのために必要となるまで-25℃で保存した。
【1504】
CRM197のリシン残基のブロモアセチル化は非常に一貫しており、利用可能な39個のリシンから15~25個のリシンの活性化が得られた。この反応は、高収率で活性化されたタンパク質を生じた。
【1505】
ブロモアセチル化された担体タンパク質への活性化されたチオール化された糖類のコンジュゲーション
コンジュゲーション反応を開始する前に、反応容器を5℃に予め冷却する。続いて、ブロモアセチル化された担体タンパク質および活性化されたチオール化された糖類を添加し、150~200rpmの撹拌速度で混合する。糖類/タンパク質の入力比は0.9±0.1である。反応のpHを、1M NaOH溶液で8.0±0.1に調整する。コンジュゲーション反応を20±2時間、5℃で進行させる。
【1506】
残存する反応性官能基のキャッピング
担体タンパク質上の未反応のブロモアセチル化された残基を、5℃で3時間、キャッピング試薬である2mol.eq.のN-アセチル-L-システインと反応させることによりクエンチする。残存する遊離スルフヒドリル基を、5℃で20時間、4mol.eq.のヨードアセトアミド(IAA)でキャッピングする。
【1507】
eTEC結合グリココンジュゲートの精製
コンジュゲーション反応(ポストIAAキャップ)混合物を、0.45μmフィルターを通して濾過する。グリココンジュゲートの限外濾過/透析濾過を、5mMコハク酸-0.9%塩水、pH6.0に対して実施する。次いで、グリココンジュゲート保持液を、0.2μmフィルターを通して濾過する。グリココンジュゲートのアリコートを、アッセイのために取る。残りのグリココンジュゲートを5℃で保存する。
【1508】
(実施例2)
Pn-33F eTECコンジュゲートの調製
活性化プロセス
Pn33F多糖の活性化
Pn-33F多糖を、500mMの1,2,4-トリアゾール(WFI中)と混合して、多糖1グラムあたり10グラムのトリアゾールを得た。混合物をドライアイス-エタノール浴中でシェル凍結した後、乾固まで凍結乾燥した。凍結乾燥された33F多糖を、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中で復元させた。凍結乾燥された33F/DMSO溶液の湿度含量を、Karl Fischer(KF)分析により決定した。33F/DMSO溶液にWFIを添加して、0.2%の湿度含量を達成することにより、湿度含量を調整した。
【1509】
活性化を開始する前に、1,1’-カルボニル-ジ-1,2,4-トリアゾール(CDT)を、DMSO溶液中、100mg/mLとして新鮮に調製した。チオール化ステップの前に、Pn33F多糖を、様々な量のCDTで活性化した。CDT活性化を23±2℃で1時間実行した。活性化レベルを、HPLC(A220/A205)により決定した。四ホウ酸ナトリウム、100mM、pH9.0溶液を添加して、活性化反応溶液中に残存するCDTを完全にクエンチした。計算を行って、四ホウ酸の添加される量を決定し、最終湿度含量が総水性の1.2%となるようにする。反応を23±2℃で1時間進行させた。
【1510】
活性化されたPn-33F多糖のチオール化
シスタミン-ジヒドロクロリドを、無水DMSO中で新鮮に調製し、1mol.eq.のシスタミンジヒドロクロリドを活性化された多糖反応溶液に添加した。反応を、23±2℃で21±3時間進行させた。チオール化された糖類溶液を、0.9%塩水、pH6.0中の予め冷却した5mMコハク酸ナトリウムへの添加により10倍希釈した。希釈された反応溶液を、5μmフィルターを通して濾過した。チオール化されたPn-33F多糖の透析濾過を、注射用水(WFI)を用いて、100K MWCO限外濾過膜カセットを用いて実行した。
【1511】
活性化されたチオール化されたPn-33F多糖の還元および精製
10%容量の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0により希釈した後、保持液に、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、5mol.eq.の溶液を添加した。この還元反応を、23±2℃で2±1時間進行させた。チオール化された33F多糖の透析濾過を、100K MWCO限外濾過膜カセットを用いて実行した。透析濾過を、予め冷却した10mMリン酸ナトリウム、pH4.3に対して実施した。チオール化された33F多糖の保持液を、糖類濃度とチオール(Ellman)アッセイの両方のために取った。
【1512】
活性化されたチオール化されたPn-33F多糖の代替的還元および精製
また、上記の精製手順に対する代替として、33F活性化されチオール化された糖類を以下のように精製した。
【1513】
チオール化された糖類の反応混合物に、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、5mol.eq.の溶液を添加し、23±2℃で3±1時間進行させた。次いで、反応混合物を、0.9%塩水、pH6.0中の予め冷却した5mMコハク酸ナトリウムへの添加により5倍希釈し、5μmフィルターを通して濾過した。チオール化された糖類の透析濾過を、100K MWCO限外濾過膜カセットを用いて、予め冷却した10mMリン酸二水素ナトリウム、pH4.3の40倍透析容量を用いて実施した。チオール化された33F多糖保持液を、糖類濃度とチオール(Ellman)アッセイとの両方のために取った。活性化プロセスの流れ図を、
図8(A)に提供する。
【1514】
コンジュゲーションプロセス
ブロモアセチル化されたCRM197へのチオール化されたPn33F多糖のコンジュゲーション
CRM197担体タンパク質を、実施例1に記載のように、ブロモアセチル化により別々に活性化した後、コンジュゲーション反応のために活性化されたPn-33F多糖と反応させた。コンジュゲーション反応を開始する前に、反応容器を5℃に予め冷却した。ブロモアセチル化されたCRM197とチオール化された33F多糖を、150~200rpmの撹拌速度で、反応容器中で一緒に混合した。糖類/タンパク質入力比は0.9±0.1であった。反応のpHを8.0~9.0に調整した。コンジュゲーション反応を、5℃で20±2時間進行させた。
【1515】
ブロモアセチル化されたCRM197とチオール化されたPn33F多糖上の反応性基のキャッピング
CRM197タンパク質上の未反応のブロモアセチル化された残基を、5℃で3時間、2mol.eq.のN-アセチル-L-システインと反応させた後、5℃で20時間、4mol.eq.のヨードアセトアミド(IAA)を用いてチオール化された33F多糖に残存する遊離スルフヒドリル基を完全にキャッピングすることによりキャッピングした。
【1516】
eTEC結合Pn-33Fグリココンジュゲートの精製
コンジュゲーション溶液を、0.45μmまたは5μmフィルターを通して濾過した。33Fグリココンジュゲートの透析濾過を、300K MWCO限外濾過膜カセットを用いて実行した。透析濾過を、5mMコハク酸-0.9%塩水、pH6.0に対して実施した。次いで、Pn-33Fグリココンジュゲート300K保持液を、0.22μmフィルターを通して濾過し、5℃で保存した。コンジュゲーションプロセスの流れ図を、
図8(B)に提供する。
【1517】
結果
Pn-33F eTECグリココンジュゲートのいくつかのバッチに関する反応パラメータおよび特徴付けデータを、表1に示す。シスタミンジヒドロクロリドを用いるCDT活性化-チオール化は、63%~90%の糖類収率および1%~13%未満の遊離糖類を有するグリココンジュゲートを生成した。
【1518】
【1519】
CRM197に対するPn-33F eTECグリココンジュゲートのOPA力価
マウスにおけるPn-33FのOPA力価を、標準的な条件下で決定した(10Aおよび22Fコンジュゲートについて以下に記載されるOPA手順と同様)。4および7週でのOPA力価(95%CIを有するGMT)を表2に示し、これは、血清型33F Pnグリココンジュゲートがマウス免疫原性モデルにおいてOPA力価を惹起したことを示している。
【1520】
【1521】
(実施例3)
さらなるPn-33F eTECコンジュゲートの調製
さらなるPn-33F eTECコンジュゲートを、実施例2に記載のプロセスを用いて生成した。Pn-33F eTECグリココンジュゲートのこれらのさらなるバッチに関する反応パラメータおよび特徴付けデータを、表3に示す。
【1522】
【1523】
上記および表3に示されるように、上記のeTECコンジュゲーションを用いて、いくつかのPn-33Fコンジュゲートを得た。eTEC化学反応により、高収率、低い%の遊離糖類および高いコンジュゲーション度(コンジュゲートしたリシン)を示すコンジュゲートの調製が可能になった。さらに、eTECコンジュゲーションプロセスを用いて80%を超えるアセチル官能基を保持することができた。
【1524】
(実施例4)
Pn-33F eTECグリココンジュゲートの安定性の評価:遊離糖類の%の傾向
コンジュゲートバッチ33F-2Bのアリコート(表1を参照されたい)をポリプロピレン管に分注し、それぞれ、4℃、25℃および37℃で保存し、遊離糖類%における傾向についてモニタリングした。データ(遊離糖類%)を表4に示す。この表に示されるように、遊離糖類%における有意な変化はなかった。
【1525】
【1526】
また、別のコンジュゲートロット(バッチ33F-3C)の加速安定性試験も37℃で1カ月まで行った。表5に示されるように、37℃で1カ月まで、遊離糖類%に対する有意な変化はなかった。
【1527】
【1528】
eTECコンジュゲートの安定性をさらに確認するために、4℃で保存されたさらなるコンジュゲートバッチ(33F-3Cおよび33F-5E(表1を参照されたい))を、遊離糖類%における潜在的な傾向について、約1年までモニタリングした。表6に示されるように、約1年までの長期間にわたって4℃で保存されたコンジュゲートについて遊離糖類レベル(%)における有意な変化はなかった。
【1529】
【1530】
33F eTEC化学反応により生成された血清型33Fコンジュゲートは、様々な温度における遊離糖類の傾向によりモニタリングされる(リアルタイムおよび加速)顕著な分解なしに安定であることが示された。
【1531】
(実施例5)
CRM197に対するPn-8コンジュゲートの調製
Pn-8 RAC/DMSOグリココンジュゲートの調製
凍結された多糖を解凍し、反応容器に移した。2M酢酸およびWFI(注射用水)を多糖溶液に添加して、約2.5g/Lの最終多糖濃度および0.2Mの最終酢酸濃度を達成した。
【1532】
多糖の加水分解
天然多糖を、活性化の前に化学的に加水分解した。希釈された多糖溶液を70℃に加熱した後、この温度を3.5時間保持した。
【1533】
多糖の酸化
多糖の酸化を、過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加により開始し、反応を23℃で20h進行させ続けた。
【1534】
活性化された多糖の精製
活性化された多糖を、限外濾過カセットを用いて濃縮した。透析濾過を、20倍透析容量のWFIに対して実施した。
【1535】
凍結乾燥
活性化された多糖を、活性化された多糖1グラムあたり25グラムのスクロースの比率でスクロースと混合する。活性化された糖類とスクロースとを含有するボトルを、エタノール浴中でシェル凍結し、凍結乾燥する。
【1536】
CRM197への活性化された多糖のコンジュゲーションおよびキャッピング
凍結乾燥された活性化された多糖を、DMSO中で2mg/mLに復元させた。復元のために、凍結乾燥されたCRM197にDMSOを添加した。復元されたCRM197を、復元された活性化された多糖に添加した。次いで、コンジュゲーションを、反応混合物にシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加することにより開始させ、23℃で24hインキュベートした。コンジュゲーション反応の終結を、2MEqの水素化ホウ素ナトリウムを添加することにより行う。このキャッピング反応を、23℃で3h進行させた。
【1537】
コンジュゲートの精製
次いで、コンジュゲート溶液を、冷却した5mMコハク酸-0.9%塩水(pH6.0)中で希釈し、濾過し、300Kセルロース膜を用いて2~4g/Lに濃縮し、第1段階の透析濾過を、5mMコハク酸-0.9%塩水(pH6.0)に対して実施した。最終精製ステップを、5mMコハク酸-0.9%塩水、pH6.0緩衝液を用いる透析濾過により行った。透析濾過が完了した後、精製されたコンジュゲートを、0.22μmフィルターを通して収集タンクに移した。
【1538】
一価バルクコンジュゲートの希釈
コンジュゲートを、5mMコハク酸/0.9%塩水(pH6)を用いて、0.5mg/mLの標的糖類濃度にさらに希釈した。最終的な0.22μmの濾過ステップを完了させて、製剤のための一価バルクコンジュゲート(MBC)産物を調製した。
【1539】
様々なパラメータ(例えば、糖類-タンパク質入力比、反応物濃度およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムのMeq)を変化させることにより上記のプロセスを用いて、いくつかのコンジュゲートを得た。CRM197に対する代表的なPn-8グリココンジュゲートに関する特徴付けを、表7に示す。
【1540】
【1541】
マウスにおける血清型8-CRM197コンジュゲートに関するオプソニン貪食活性(OPA)力価を、標準的な条件下(10Aおよび22Fコンジュゲートについて以下に記載されるOPA手順と同様)、マウスにおいて決定した。様々な用量で4週でのOPA力価(95%信頼区間(CI)を有する幾何平均力価(GMT))を表8および表9(2つの別々の実験)に示し、これは、血清型8コンジュゲート(試料1~9;これらのコンジュゲートの特徴付けデータについては表7も参照されたい)がマウス免疫原性モデルにおいてOPA力価を惹起したことを示している。
【1542】
表8に示されるように、血清型8コンジュゲートは、低い抗体力価を有する対照の非コンジュゲート化多糖と比較して、有意により高い抗体力価を有することが示された。
【1543】
【1544】
【1545】
上記の還元的アミノ化プロセスにより調製されたコンジュゲートから生成された全データにより、良好なコンジュゲーション収率、低い遊離糖類%、および良好な安定性を示すコンジュゲートを調製することができることが示された。さらに、調製されたコンジュゲートは、マウス免疫原性モデルにおいて良好なOPA力価を惹起した。
【1546】
(実施例6)
血清型10A多糖-CRM197コンジュゲートの調製
単離されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10A多糖の調製
血清型10A莢膜多糖を、当業者には公知の単離手順(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752に開示された方法を参照されたい)を用いて、細菌から直接得ることができる。
【1547】
ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型10Aを、種ボトル中で増殖させた後、種発酵器に移した。一度、標的光密度に達したら、細胞を生産発酵器に移した。発酵培地を、N-ラウロイルサルコシンの添加により不活化し、限外濾過および透析濾過により精製した。
【1548】
単離されたストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型10A莢膜多糖の酸化
計算された容量の0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)および注射用水(WFI)を多糖溶液に添加して、必要なpHを約6.0に調整した場合、2.5g/Lの最終多糖濃度および25mMリン酸カリウム緩衝液の最終濃度を達成した。次いで、希釈した多糖を5℃に冷却した。0.25モル当量(MEq)の過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加により、酸化を開始させた。酸化反応時間は5℃で約4hであった。酸化反応を、5℃で1~2hの連続撹拌下で、1MEqの2,3-ブタンジオールを用いてクエンチした。
【1549】
標的反応時間に達した後、活性化された多糖を、30K MWCO Millipore限外濾過カセットを用いて濃縮した。次いで、透析濾過を、20倍透析容量のWFIに対して実施した。精製された活性化された多糖を、5℃で保存した。精製された活性化された糖類を、特に、(i)SEC-MALLSによる分子量および(ii)酸化度により特徴付ける。
【1550】
活性化されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10A多糖とCRM197とのコンジュゲーション
コンジュゲーションプロセスは、以下のステップからなっていた:
a.スクロース賦形剤との混合、および凍結乾燥;
b.凍結乾燥された多糖およびCRM197の復元;
c.CRM197への活性化された多糖のコンジュゲーションおよびキャッピング;ならびに
d.コンジュゲートの精製
【1551】
a.スクロースとの混合
活性化された多糖を、活性化された多糖1グラムあたり25gのスクロースの比でスクロースと混合する。次いで、混合された混合物のボトルを凍結乾燥した。凍結乾燥後、凍結乾燥された活性化された多糖を含有するボトルを、-20℃で保存した。
【1552】
b.凍結乾燥された活性化された多糖とCRM197タンパク質の復元
凍結乾燥された活性化された多糖を、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中で復元させた。多糖が完全に溶解されたら、復元のために、計算されたCRM197に同量のDMSOを添加した。
【1553】
c.CRM197への活性化された多糖のコンジュゲーションおよびキャッピング
復元されたCRM197(DMSO中)を、コンジュゲーション反応器中で復元された活性化された多糖に添加した。最終多糖濃度は1g/Lである。1.2MEqのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加することにより、コンジュゲーションを実施した。反応物を23℃で24hインキュベートした。2MEqの水素化ホウ素ナトリウムを添加することにより、コンジュゲーション反応の終結を行う。キャッピング反応を、23℃で3hインキュベートした。
【1554】
2MEqの水素化ホウ素ナトリウムを添加することにより、コンジュゲーション反応の終結を行う。このキャッピング反応を、23℃で3h進行させた。
【1555】
d.コンジュゲートの精製
次いで、コンジュゲート溶液を、冷却した5mMコハク酸-0.9%塩水(pH6.0)で5倍(容量で)に希釈し、20X透析濾過を、5mMコハク酸-0.9%塩水(pH6.0)を用いて実施した。初回の透析濾過が完了した後、コンジュゲート保持液を、0.22μmフィルターを通して移した。コンジュゲートを、5mMコハク酸/0.9%塩水(pH6)でさらに希釈し、最終的な0.22μm濾過ステップの後、それを2~8℃で保存した。
【1556】
様々なパラメータ(例えば、糖類-タンパク質入力比、反応物濃度およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムのMEq)を変化させることにより上記のプロセスを用いて、いくつかのコンジュゲートを得た。上記の化学反応により、血清型10Aコンジュゲートを生成することが可能になり、様々な温度での遊離糖類の傾向によりモニタリングされるように(リアルタイムおよび加速)、顕著な分解なしに安定であることが示された。CRM197に対する代表的なPn-10Aグリココンジュゲートに関する特徴付けを、表10に示す。
【1557】
【1558】
マウスにおける血清型10A-CRM197コンジュゲートに関するオプソニン貪食活性(OPA)力価を、標準的な条件下で決定した。30匹の6~7週齢のメスのSwiss Websterマウスの群を、0週目に皮下経路により0.001μg、0.01μg、または0.1μgの試験コンジュゲートで免疫した。3週目にマウスに同じ用量のコンジュゲートを追加接種した後、4週目に出血させた。血清型特異的OPAを4週目の血清試料に対して実施した。
【1559】
オプソニン貪食活性(OPA)アッセイを用いて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型10Aに特異的なマウス血清中の機能的抗体を測定する。試験血清を、細菌をオプソニン化し、補体沈着を誘発し、それによって食細胞による細菌の食作用および殺傷を容易にする莢膜多糖特異的免疫グロブリンの能力を測定するアッセイ反応において設定する。OPA力価を、試験血清を含まない対照ウェル上での細菌計数の50%の減少をもたらす希釈率の逆数として定義する。OPA力価を、この50%の殺傷カットオフを挟む2つの希釈率から内挿する。OPA手順は、以下の改変を含む、Huら(2005)Clin Diagn Lab Immunol 12(2):287~295に記載の方法に基づくものであった。試験血清を2.5倍に連続希釈し、マイクロタイターアッセイプレートに添加した。生きた血清型10A標的細菌株をウェルに添加し、プレートを37℃で30分間振盪した。
【1560】
分化したHL-60細胞(食細胞)および子ウサギ血清(3~4週齢、PEL-FREEZ(登録商標)、12.5%最終濃度)をウェルに添加し、プレートを37℃で60分間振盪した。反応を終結させるために、80μLの0.9%NaClを全てのウェルに添加し、混合し、10μLのアリコートを、200μLの水を含有するMULTISCREEN(登録商標)HTS HVフィルタープレート(MILLIPORE(登録商標))のウェルに移した。液体を減圧下でプレートを通して濾過し、150μLのHYSOY(登録商標)培地を各ウェルに添加し、濾過した。次いで、フィルタープレートを37℃、5%CO2で一晩インキュベートした後、Destain Solution(Bio-Rad Laboratories,Inc.、Hercules、CA)を用いて固定した。次いで、プレートをクマシーブルーで染色し、一度脱色した。コロニーを画像化し、Cellular Technology Limited(CTL)(Shaker Heights、OH)IMMUNOSPOT(登録商標)Analyzer上で数えた。生コロニー計数を用いて、殺傷曲線をプロットし、OPA力価を算出した。
【1561】
様々な用量で4週でのOPA力価(95%信頼区間(CI)を有する幾何平均力価(GMT))を表11に示し、これは血清型10Aコンジュゲート(試料1~3;これらのコンジュゲートの特徴付けデータについては表10も参照されたい)がマウス免疫原性モデルにおいてOPA力価を惹起したことを示している。表11に示されるように、血清型10Aコンジュゲートは、低いOPA応答を有する対照の非コンジュゲート化多糖と比較して、有意により高いOPA力価を有することが示された。
【1562】
【1563】
(実施例7)
TEMPO/NCSを用いるPn血清型12Fのコンジュゲーション
血清型12F-CRM
197グリココンジュゲートの安定性を改善するために、第1級アルコールをアルデヒド基に酸化するための共酸化剤として2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシフリーラジカル(TEMPO)およびN-クロロスクシンイミド(NCS)を用いて、代替化学反応を探索した。GC/MS分析により、酸化部位が過ヨウ素酸媒介性酸化のものと異なることが示された。TEMPO-NCS酸化の場合、α-D-Glcpおよび2-Glcpが酸化されたが、過ヨウ素酸塩を用いた場合、α-D-Galpが主要な酸化部位であった(
図4を参照されたい)。本明細書にさらに詳細に記載されるように、TEMPOを触媒量(0.1モル当量以下)で用いて、所望の酸化度(DO)を、用いたNCSの量を変化させることにより達成した。続いて、いくつかのコンジュゲートを合成し、特徴付けた。一般に、血清型12Fグリココンジュゲートの生産を、以下のように、いくつかのフェーズで実行した:
a)分子量50kDa~500kDaへの血清型12F多糖の加水分解;
b)TEMPO/NCSによる血清型12F多糖の活性化;
c)活性化された多糖の精製;
d)CRM
197タンパク質への活性化された血清型12Fのコンジュゲーション;および
e)血清型12F-CRM
197コンジュゲートの精製。
【1564】
血清型12Fの加水分解および酸化
多糖の加水分解を、典型的には、加熱しながら酸性条件下で実施して、100kDa~350kDaの所望の範囲の平均分子量を得た。典型的な実験を、以下に記載する。
【1565】
加水分解
血清型12F多糖溶液を、カバー付き反応容器に添加した。これに、必要な容量の0.30M酢酸および注射用水(WFI)を添加して、約0.1Mの酢酸濃度を維持した。溶液のpHを、1N NaOHまたは氷酢酸を用いて3.2±0.3に調整した。反応混合物の温度を、70±5℃まで上昇させた。反応混合物を70±5℃で90~120分間撹拌した。反応混合物を23±2℃に冷却し、1M NaOH溶液を添加することにより中和した(pH7.0)。加水分解された多糖を、30K MWCO膜を用いてWFIに対して限外濾過/透析濾過により精製した。溶液を、0.22μmフィルターを通して濾過し、酸化まで2~8℃で保存した。加水分解された多糖の分子量を、SEC-MALLSにより分析して、分子量が100kDa~350kDaの標的範囲を満たすことを保証した。
【1566】
部分酸化
1つの実験において、マイクロフルイダイザーを用いる圧力均一化を用い、血清型12F多糖を機械的にサイジングして、分子量を約100kDa~500kDaに低下させた。サイジングされた多糖を4.0mg/mLの濃度で反応容器に添加し、1:1v/vの比で重炭酸/炭酸緩衝液(0.5M NaHCO3/0.05M Na2CO3緩衝液、pH8.6)と混合した。撹拌した混合物に、0.1モル当量以下のTEMPOを添加した。0.6~1.0モル当量のNCSの添加により、反応を開始させた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、30K限外濾過膜を用いて、WFIを用いる透析濾過により活性化された多糖を精製した。精製された多糖を回収し、アルデヒド(3-メチル-2-ベノチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)アッセイを用いる)および多糖(アントロンアッセイを用いる)の定量測定により酸化度(DO)を決定した。
【1567】
別の実験において、血清型12F多糖を加水分解して、分子量を、約100kDa~500kDaの分子量に低下させた。血清型12F多糖を反応容器に添加し、1:1v/vの比で0.5M NaHCO3/0.05M Na2CO3緩衝液(pH8.6)と混合した。撹拌した混合物に、WFI中に溶解した0.6~1.0モル当量のNCSを添加した。WFI中に溶解した約0.1モル当量のTEMPOの添加により、活性化を開始させた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、30K限外濾過膜を用いて、WFIを用いる透析濾過により活性化された多糖を精製した。精製された活性化された多糖を、0.2μmフィルターを通して濾過し、使用前に4℃で保存した。
【1568】
また、TEMPO/NCS媒介性酸化を、pH6.5、7.0、7.5および8.0のリン酸ナトリウム緩衝液において実施することに成功した。いくつかの活性化実験において、n-プロパノールなどの第1級アルコールを用いて試薬をクエンチして、糖類の過剰酸化を回避した。別のセットの実験において、化学的に加水分解された多糖を、限外濾過/透析濾過精製ステップを用いずに、直接的に酸化にかけた。
【1569】
血清型12F酸化多糖のコンジュゲーション
1つの実験において、精製された酸化された血清型12F多糖を、反応容器に添加した後、0.1Mの最終緩衝液濃度となるように0.5Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)を添加した。この溶液に、予め凍結乾燥されたCRM197を添加し、完全に混合して、均一な溶液を得た。pHを、希HClまたは1N NaOH溶液を用いて6.8に調整した。この後、1.5モル当量のNaCNBH3を添加した。反応混合物を、室温(23℃)で24時間および37℃で2.5日間撹拌した。次いで、反応混合物を1X0.9%塩水で希釈し、未反応のアルデヒド基を2モル当量の水素化ホウ素ナトリウムで「キャッピング」した。キャッピング反応時間は3時間であった。
【1570】
別の実験において、精製された活性化された血清型12Fを反応容器に添加した後、0.1Mの最終緩衝液濃度となるように0.5Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)を添加した。この溶液に、予め凍結乾燥されたCRM197を添加し、完全に混合して、均一な溶液を得た。pHを、希HClまたは1N NaOH溶液を用いて6.8に調整した。この後、3モル当量のNaCNBH3を添加した。反応混合物を、23℃で24時間および37℃で48h撹拌した。次いで、反応混合物を1X0.9%塩水で希釈し、撹拌しながら、未反応のアルデヒド基を1モル当量の水素化ホウ素ナトリウムNaBH4で「キャッピング」した。キャッピング反応時間は3時間であった。
【1571】
別の実験において、精製された活性化された血清型12Fを反応容器に添加し、CRM197溶液と混合した。混合物を凍結乾燥し、5mg/mLの最終糖類濃度となるように0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)中に粉末を溶解した。必要に応じて、希HClまたは1N NaOH溶液を用いて、pHを6.8に調整した。この後、3モル当量のNaCNBH3を添加した。反応混合物を、23℃で24時間および37℃で48h撹拌した。次いで、反応混合物を1X0.9%塩水で希釈し、未反応のアルデヒド基を1モル当量の水素化ホウ素ナトリウムNaBH4で「キャッピング」した。キャッピング反応時間は3時間であった。
【1572】
コンジュゲーション精製
キャッピングされた反応混合物を、5μmフィルターを用いて濾過した後、100K MWCO限外濾過膜を用いて精製した。コンジュゲートを、まず、10mMコハク酸/0.9%塩水、pH6.0緩衝液を用いて透析濾過した。次いで、精製されたコンジュゲートを、0.45/0.22μmフィルターを通して濾過して、バルクコンジュゲートを得た。
【1573】
酸化度
血清型12F多糖における第1級アルコールの酸化の成功を、TEMPO/NCS系を用いて達成した。加水分解された血清型12F多糖を、NCS共酸化剤の量を調整することにより様々な酸化度(DO)レベルに酸化した。様々な多糖バッチおよび分子量を用いてNCSの量を変化させることによるDOに対する効果を、
図9に示す。DOにおける有意な変化は2時間後でも観察されなかったため、典型的には、酸化反応は2時間以内に完了する。
【1574】
いくつかの血清型12Fコンジュゲートを生成し、TEMPO/NCS酸化多糖を用いて特徴付けた。結果を、表12にまとめる。
【1575】
【1576】
(実施例8)
TEMPO/NCS酸化法を用いたPn-血清型12F-CRM197コンジュゲートの免疫原性
マウスにおける血清型12F-CRM197コンジュゲートに関するオプソニン貪食活性(OPA)力価を、標準的な条件下でマウスにおいて決定した。4および7週でのOPA力価(95%信頼区間(CI)を有する幾何平均力価(GMT))を表13に示し、これは、血清型12F-CRM197コンジュゲート(バッチ12F-97B;このコンジュゲートの特徴付けデータについては、表12も参照されたい)がマウス免疫原性モデルにおいてOPA力価を惹起したことを示している。TEMPO-NCSにより生成されたコンジュゲートは、過ヨウ素酸酸化から生成された対照コンジュゲート(171B)よりも免疫原性が高かった。
【1577】
【1578】
(実施例9)
Pn-12Fグリココンジュゲート安定性の評価
過ヨウ素酸酸化とTEMPO/NCS酸化により生成されたコンジュゲートの安定性(25℃での)の比較(
図10を参照されたい)により、Pn-12F多糖の酸化により生成されたコンジュゲートが相対的により安定であることが示された。
図10に示されるように、経時的な遊離糖類の増加が、25℃でのPn-12F多糖の過ヨウ素酸酸化により生成されたグリココンジュゲートについて観察された。対照的に、Pn-12F多糖のTEMPO/NCS酸化を用いて調製されたグリココンジュゲートは、同様の条件下で遊離糖類に関する有意な傾向を示さなかった。
【1579】
(実施例10)
血清型15B多糖-CRM197コンジュゲートの調製
単離されたストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型15B多糖の調製
血清型15B莢膜多糖を、当業者には公知の単離手順を用いて、細菌から直接得ることができる。ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bを、種ボトル中で増殖させた後、種発酵器に移した。一度、標的光密度に達したら、細胞を生産発酵器に移した。発酵培地を、N-ラウロイルサルコシンの添加により不活化し、限外濾過および透析濾過により精製した。
【1580】
次いで、精製されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B多糖を、PANDA 2K(登録商標)ホモジェナイザー(GEA Niro Soavi、Parma、Italy)を用いる高圧均一化によりサイジングして、単離されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B多糖を生産した。
【1581】
好ましくは、上記プロセスにより得られた単離されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖は、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含み、50kDa~500kDa、好ましくは、150kDa~350kDaの分子量を有する。
【1582】
単離されたストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型15B莢膜多糖の酸化
多糖の酸化を、計算された量の500mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)およびWFIの連続的添加により100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)中で実行して、2.0g/Lの最終多糖濃度を得た。必要に応じて、反応のpHを約pH6.0に調整した。pH調整の後、反応温度を23℃に調整した。約0.25モル当量の過ヨウ素酸ナトリウムの添加により、酸化を開始させた。酸化反応を、約16h、23℃で実施した。
【1583】
活性化された多糖の濃縮および透析濾過を、10K MWCO限外濾過カセットを用いて実行した。20倍透析容量のWFIに対して透析濾過を実施した。次いで、精製された活性化された多糖を5℃で保存した。精製された活性化された糖類を、特に、(i)比色アッセイによる糖類濃度;(ii)比色アッセイによるアルデヒド濃度;(iii)酸化度;(iv)SEC-MALLSによる分子量ならびに(v)O-アセチルおよびグリセロールの存在により特徴付けた。
【1584】
多糖および多糖-タンパク質コンジュゲートの分子量の決定のために、SEC-MALLSを用いる。流体力学的容積により多糖を分離するために、SECを用いる。分子量の決定のために、屈折率(RI)および多角レーザー光散乱(MALLS)検出器を用いる。光が物質と相互作用する場合、それは散乱し、散乱光の量は物質の濃度、dn/dc(特定の屈折率増分)の2乗、および分子量と関連する。分子量測定を、MALLS検出器からの散乱光シグナルおよびRI検出器からの濃度シグナルからの読み取り値に基づいて算出する。
【1585】
活性化された多糖の酸化度(DO=糖反復単位のモル数/アルデヒドのモル数)を、以下のように決定した:
糖反復単位のモル数を、様々な比色法により、例えば、Anthrone法を用いることにより決定する。多糖を、硫酸および熱の作用により最初に単糖類まで破壊する。Anthrone試薬は、ヘキソースと反応して黄緑色の複合体を形成し、その吸光度は625nmで分光光度的に読み取られる。アッセイの範囲内で、吸光度は存在するヘキソースの量に正比例する。
【1586】
また、アルデヒドのモル数を、MBTH比色法を用いて同時に決定する。MBTHアッセイは、アルデヒド基(所与の試料に由来する)を3-メチル-2-ベンゾチアゾロンヒドラゾン(MBTHアッセイ試薬)と反応させることによるアジン化合物の形成を含む。過剰の3-メチル-2-ベンゾチアゾロンヒドラゾンは酸化して、反応性陽イオンを形成する。反応性陽イオンとアジンは反応して、青色の発色団を形成する。次いで、形成された発色団を、650nmで分光光度的に読み取る。
【1587】
好ましくは、上記プロセスにより得られた活性化されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖は、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含み、50kDa~500kDa、好ましくは、150kDa~350kDaの分子量を有する。
【1588】
活性化されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖とCRM197とのコンジュゲーション
コンジュゲーションプロセスは、以下のステップからなっていた:
a)スクロース賦形剤との混合および凍結乾燥;
b)凍結乾燥された活性化された多糖とCRM197の復元;
c)CRM197への活性化された多糖のコンジュゲーションおよびキャッピング;ならびに
d)コンジュゲートの精製
【1589】
a)スクロース賦形剤との混合および凍結乾燥
活性化された多糖を、活性化された多糖1グラムあたり25グラムのスクロースの比でスクロースと混合した。次いで、混合された混合物のボトルを凍結乾燥した。凍結乾燥後、凍結乾燥された活性化された多糖を含有するボトルを、-20℃で保存した。計算された量のCRM197タンパク質をシェル凍結し、別々に凍結乾燥した。凍結乾燥されたCRM197を、-20℃で保存した。
【1590】
b)凍結乾燥された活性化された多糖とCRM197タンパク質の復元
凍結乾燥された活性化された多糖を、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中で復元させた。多糖が完全に溶解されたら、復元のために、凍結乾燥されたCRM197に等量の無水DMSOを添加した。
【1591】
c)コンジュゲーションおよびキャッピング
復元された活性化された多糖を、反応容器中で復元されたCRM197と混合(入力比:0.8:1)した後、完全に混合して、シアノ水素化ホウ素ナトリウムとのコンジュゲーションを開始する前に透明な溶液を得た。反応溶液中の最終多糖濃度は、約1g/Lである。反応混合物に1.0~1.5MEqのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加することにより、コンジュゲーションを開始させ、23℃で40~48hインキュベートした。2MEqの水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)を添加して未反応のアルデヒドをキャッピングすることにより、コンジュゲーション反応を終結させた。このキャッピング反応を、23℃で3h継続した。
【1592】
d)コンジュゲートの精製
コンジュゲート溶液を、100~300K MWCO膜を用いる接線流濾過による精製のための調製物中、冷却した5mMコハク酸-0.9%塩水(pH6.0)を用いて1:10に希釈した。希釈したコンジュゲート溶液を、5μmフィルターに通過させ、媒体として5mMコハク酸-0.9%塩水(pH6.0)を用いて透析濾過を実施した。透析濾過が完了した後、コンジュゲート保持液を、0.22μmフィルターを通して移した。
【1593】
コンジュゲートを、約0.5mg/mLの標的糖類濃度となるように5mMコハク酸/0.9%塩水(pH6)でさらに希釈した。最終的な0.22μmの濾過ステップを完了させて、グリココンジュゲートを得た。
【1594】
好ましくは、上記プロセスにより得られたコンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含み、3,000kDa~20,000kDaの分子量を有し、2~6のコンジュゲーション度を有する。
【1595】
(実施例11)
CRM197に共有的に連結されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖を含むグリココンジュゲートの特徴付け
コンジュゲート1を、実施例10のプロセスにより調製した。コンジュゲート2および3を、異なる量の酸化剤を用いる同様のプロセスにより調製した。コンジュゲート4を、精製された血清型15B莢膜多糖をサイジングせず、より低いDO(より高い酸化レベル)まで活性化し、コンジュゲーションを水性媒体中で実施した以外は同様のプロセスによって調製した。コンジュゲート5を、精製された血清型15B莢膜多糖を化学的加水分解によりサイジングし、コンジュゲーションを水性媒体中で実施した以外は同様のプロセスによって調製した。コンジュゲート6および7を、精製された血清型15B莢膜多糖をサイジングしなかった以外は同様のプロセスによって調製した。
【1596】
得られたコンジュゲートを特徴付け、その結果を表14にまとめる。
【1597】
【1598】
遊離多糖のパーセンテージは、水酸化アルミニウムゲルを用いて、タンパク質および共有的に結合した糖類を結合させ、遠心分離により除去する手順により測定する。試料をリン酸緩衝水酸化アルミニウムゲルと混合し、遠心分離する。結合した糖類はゲルと共にペレット化し、遊離糖類は上清中に残存する。得られる上清および対照試料を、適切な比色アッセイにより定量して、遊離糖類のパーセンテージを決定し、タンパク質の十分な除去および糖類の回収を確認する。
【1599】
アミノ酸分析のために、多糖-タンパク質試料を最初に、減圧および加熱下(160℃で15分間)での6N塩酸(HCl)加水分解を用いて、遊離アミノ酸としてその個々の成分に加水分解する。加水分解後、試料を、アミノ酸分析装置を用いて分析する。個々のアミノ酸を、温度および流量を変化させながらクエン酸ナトリウム緩衝液の段階勾配を用いて、イオン交換クロマトグラフィーにより分離する。分離後、それぞれのアミノ酸残留物の量を、ポストカラムニンヒドリンカップリング検出システムを用いて定量的に決定する。このシステムにおいては、ニンヒドリンを、ポストカラムリアクターシステム中でカラム溶出液と混合し、混合物を光度計に通過させる。ニンヒドリンと溶出したアミノ酸との反応は、570nmで最大吸収する紫色の化合物をもたらす。この吸光度は、存在するα-アミノ基の量の線形応答(関数)であり、この反応はα-アミノ基を有する全ての有機化合物のための定量比色アッセイとなる。遊離アミノ基を有さない、プロリンおよびヒドロキシルプロリンなどのイミノ酸との反応においては、明黄色の化合物が生成され、440nmでモニタリングされる。各アミノ酸に関するピーク面積を、570nmと440nmの波長の出力の両方を用いて算出する。
【1600】
収率を以下のように算出する:(コンジュゲート中の多糖の量x100)/活性化された多糖の量。
【1601】
水性媒体を用いて生成されたコンジュゲート(4および5)は、O-アセチルレベルの有意な喪失を示した。MWサイジングを用いずに天然多糖を用いてDMSO溶媒中で生成されたコンジュゲート(6および7)は、O-アセチルレベルの喪失を示さなかった。しかしながら、低い濾過可能性特徴に加えて、コンジュゲート収率も非常に低かった。高圧均一化によりサイジングされた多糖を用いてDMSO中で生成されたコンジュゲート(1、2および3)は、O-アセチルレベルの有意な保持と共に、高い収率およびより良好な濾過可能性特徴を有していた。これらのコンジュゲートもまた、非常に低レベルの遊離多糖を有していた。
【1602】
(実施例12)
Pn-血清型15B-CRM197コンジュゲートを用いたオプソニン貪食活性(OPA)アッセイ
本発明のストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bコンジュゲートの免疫原性を、以下に記載のOPAアッセイを用いて評価することができる。
【1603】
30匹の6~7週齢のメスのSwiss Websterマウスの群を、0週目に皮下経路により0.001μg、0.01μg、または0.1μgの試験コンジュゲートで免疫した。3週目にマウスに同じ用量のコンジュゲートを追加接種した後、4週目に出血させた。血清型特異的OPAを4週目の血清試料に対して実施した。
【1604】
OPAを用いて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bに特異的なマウス血清中の機能的抗体を測定する。試験血清を、細菌をオプソニン化し、補体沈着を誘発し、それによって食細胞による細菌の食作用および殺傷を容易にする莢膜多糖特異的免疫グロブリンの能力を測定するアッセイ反応において設定する。OPA力価を、試験血清を含まない対照ウェル上に対して、細菌計数の50%の減少をもたらす希釈率の逆数として定義する。OPA力価を、この50%の殺傷カットオフを挟む2つの希釈率から内挿する。
【1605】
OPA手順は、以下の改変を含む、Huら(2005)Clin Diagn Lab Immunol 12(2):287~295に記載の方法に基づくものであった。試験血清を2.5倍に連続希釈し、マイクロタイターアッセイプレートに添加した。生きた血清型15B標的細菌をウェルに添加し、プレートを37℃で30分間振盪した。分化したHL-60細胞(食細胞)および子ウサギ血清(3~4週齢、PEL-FREEZ(登録商標)、6.25%最終濃度)をウェルに添加し、プレートを37℃で45分間振盪した。反応を終結させるために、80μLの0.9%NaClを全てのウェルに添加し、混合し、10μLのアリコートを、200μLの水を含有するMULTISCREEN(登録商標)HTS HVフィルタープレート(MILLIPORE(登録商標))のウェルに移した。液体を減圧下でプレートを通して濾過し、150μLのHYSOY(登録商標)培地を各ウェルに添加し、濾過した。次いで、フィルタープレートを37℃、5%CO2で一晩インキュベートした後、Destain Solution(Bio-Rad Laboratories,Inc.、Hercules、CA)を用いて固定した。次いで、プレートをクマシーブルーで染色し、一度脱色した。コロニーを画像化し、Cellular Technology Limited(CTL)(Shaker Heights、OH)IMMUNOSPOT(登録商標)Analyzer上で数えた。生コロニー計数を用いて、殺傷曲線をプロットし、OPA力価を算出した。
【1606】
コンジュゲート1および2の免疫原性を、上記のアッセイに従って試験した。また、同じアッセイにおいて、1つのさらなるコンジュゲートおよび非コンジュゲート化天然ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖(非コンジュゲート化PS)を試験した。
【1607】
コンジュゲート9を、水性溶液中での還元的アミノ化によるCRM197への天然(すなわち、サイジングされていない)血清型15B莢膜多糖のコンジュゲーションにより調製した。
【1608】
その結果を、表15に示す。
【1609】
【1610】
上記の表15に示されたように、コンジュゲート1および2は、マウスに投与された場合、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15Bをオプソニン化し、補体沈着を誘発し、それによって、食細胞による細菌の食作用および殺傷を容易にすることができる抗体を生成した。さらに、その低い分子量にも拘わらず、それらはまたサイジングされていないコンジュゲート9と比較して同様のレベルの免疫原性を示した。
【1611】
(実施例13)
血清型22F多糖-CRM197コンジュゲートの調製
単離されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22F多糖の調製
ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型22Fを、種ボトル中で増殖させた後、種発酵器に移した。一度、標的光密度に達したら、細胞を生産発酵器に移した。発酵培地を、N-ラウロイルサルコシンの添加により不活化し、限外濾過および透析濾過により精製した。
【1612】
精製されたストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型22F多糖を、PANDA 2K(登録商標)ホモジェナイザー(GEA Niro Soavi、Parma、Italy)を用いる高圧均一化によりサイジングして、単離されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22F多糖を生産した。
【1613】
単離されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22F莢膜多糖の酸化
多糖の酸化を、計算された量の500mMリン酸カリウム緩衝液(pH5.8)およびWFIの連続的添加により100mMリン酸カリウム緩衝液(pH5.8)中で実行して、2.0g/Lの最終多糖濃度を得た。必要に応じて、反応のpHを約pH5.8に調整した。pH調整の後、反応温度を5℃に低下させた。0.10モル当量(MEq)の過ヨウ素酸ナトリウムの添加により、酸化を開始させた。標的酸化反応時間は5℃で16hである。
【1614】
酸化反応を、5℃で1~2h、連続撹拌下で2MEqの2,3-ブタンジオールを用いてクエンチした。
【1615】
活性化された多糖の濃縮および透析濾過を、100K MWCO限外濾過カセットを用いて実行した。35倍透析容量のWFIに対して透析濾過を実施した。精製された活性化された多糖を5℃で保存した。精製された活性化された糖類を、特に、(i)SEC-MALLSによる分子量、(ii)O-アセチルの存在および(iii)酸化度により特徴付ける。
【1616】
多糖および多糖-タンパク質コンジュゲートの分子量の決定のために、SEC-MALLSを用いる。流体力学的容積により多糖を分離するために、SECを用いる。分子量の決定のために、屈折率(RI)および多角レーザー光散乱(MALLS)検出器を用いる。光が物質と相互作用する場合、それは散乱し、散乱光の量は物質の濃度、dn/dc(特定の屈折率増分)の2乗、および分子量と関連する。分子量測定を、MALLS検出器からの散乱光シグナルおよびRI検出器からの濃度シグナルからの読み取り値に基づいて算出する。
【1617】
活性化された多糖の酸化度(DO=糖反復単位のモル数/アルデヒドのモル数)を、以下のように決定した:
糖反復単位のモル数を、様々な比色法により、例えば、Anthrone法を用いることにより決定する。多糖を、硫酸および熱の作用により最初に単糖類まで破壊する。Anthrone試薬は、ヘキソースと反応して黄緑色の複合体を形成し、その吸光度は625nmで分光光度的に読み取られる。アッセイの範囲内で、吸光度は存在するヘキソースの量に正比例する。
【1618】
また、アルデヒドのモル数を、MBTH比色法を用いて同時に決定する。MBTHアッセイは、アルデヒド基(所与の試料に由来する)を3-メチル-2-ベンゾチアゾロンヒドラゾン(MBTHアッセイ試薬)と反応させることによるアジン化合物の形成を含む。過剰の3-メチル-2-ベンゾチアゾロンヒドラゾンは酸化して、反応性陽イオンを形成する。反応性陽イオンとアジンは反応して、青色の発色団を形成する。次いで、形成された発色団を、650nmで分光光度的に読み取る。
【1619】
活性化されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22F多糖とCRM197とのコンジュゲーション
コンジュゲーションプロセスは以下のステップからなっていた:
a.スクロース賦形剤との混合、および凍結乾燥;
b.凍結乾燥された多糖およびCRM197の復元;
c.CRM197への活性化された多糖のコンジュゲーションおよびキャッピング;ならびに
d.コンジュゲートの精製
【1620】
a.スクロースとの混合および凍結乾燥
活性化された多糖を、活性化された多糖1グラムあたり25gのスクロースの比でスクロース(WFI中の50%w/v)と混合した。次いで、混合された混合物のボトルを凍結乾燥した。凍結乾燥後、凍結乾燥された活性化された多糖を含有するボトルを、-20℃で保存した。計算された量のCRM197タンパク質(標的S/P入力比=1)をシェル凍結し、別々に凍結乾燥した。凍結乾燥されたCRM197を-20℃で保存した。
【1621】
b.凍結乾燥された活性化された多糖とCRM197タンパク質の復元
凍結乾燥された活性化された多糖を、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中で復元させた。多糖が完全に溶解されたら、復元のために、凍結乾燥されたCRM197に、等量の無水DMSOを添加した。
【1622】
c.CRM197への活性化された多糖のコンジュゲーションおよびキャッピング
復元されたCRM197(DMSO中)を、コンジュゲーション反応容器中で復元された活性化された多糖と混合した。反応溶液中の最終多糖濃度は1g/Lである。1.5MEqのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加することにより、コンジュゲーションを開始させ、反応物を23℃で20hインキュベートした。2MEqの水素化ホウ素ナトリウムを添加することにより、コンジュゲーション反応の終結を行う。キャッピング反応を、23℃で3hインキュベートした。
【1623】
d.コンジュゲートの精製
コンジュゲート溶液を、100K MWCO膜を用いる接線流濾過による精製のための調製物中、冷却した5mMコハク酸-0.9%塩水(pH6.0)で1:5に希釈し、20X透析濾過を、媒体として5mMコハク酸-0.9%塩水(pH6.0)を用いて実施した。透析濾過が完了した後、コンジュゲート保持液を、さらに希釈し、0.22μmフィルターを通して濾過し、2~8℃で保存した。
【1624】
様々なパラメータ(例えば、糖類-タンパク質入力比、反応物濃度およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムのMeq)を変化させることにより上記のプロセスを用いて、いくつかのコンジュゲートを得た。CRM197に対する代表的なPn-22Fグリココンジュゲートに関する特徴付けを、表16に示す。
【1625】
【1626】
最終コンジュゲート中のO-アセチル(保持された)レベルの%を、多糖のO-アセチル含量(血清型22F多糖反復単位1μmolあたりのO-アセチルのμmol)に対する、コンジュゲートのO-アセチル含量(血清型22F糖類反復単位1μmolあたりのO-アセチルのμmol)の比から算出した。
【1627】
上記で得られたコンジュゲートの免疫原性を、以下に記載のオプソニン貪食作用アッセイ(OPA)を用いて評価した。
【1628】
30匹の6~7週齢のメスのSwiss Websterマウスの群を、0週目に皮下経路により0.001μg、0.005μg、または0.01μgの試験コンジュゲートで免疫した。3週目にマウスに同じ用量のコンジュゲートを追加接種した後、4週目に出血させた。血清型特異的OPAを4週目の血清試料に対して実施した。
【1629】
オプソニン貪食活性(OPA)アッセイを用いて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型22Fに特異的なマウス血清中の機能的抗体を測定する。試験血清を、細菌をオプソニン化し、補体沈着を誘発し、それによって食細胞による細菌の食作用および殺傷を容易にする莢膜多糖特異的免疫グロブリンの能力を測定するアッセイ反応において設定する。OPA力価を、試験血清を含まない対照ウェル上での細菌計数の50%の減少をもたらす希釈率の逆数として定義する。OPA力価を、この50%の殺傷カットオフを挟む2つの希釈率から内挿する。
【1630】
OPA手順は、以下の改変を含む、Huら(2005)Clin Diagn Lab Immunol 12(2):287~295に記載の方法に基づくものであった。試験血清を2.5倍に連続希釈し、マイクロタイターアッセイプレートに添加した。生きた血清型22F標的細菌株をウェルに添加し、プレートを25℃で30分間振盪した。
【1631】
分化したHL-60細胞(食細胞)および子ウサギ血清(3~4週齢、PEL-FREEZ(登録商標)、12.5%最終濃度)をウェルに添加し、プレートを37℃で45分間振盪した。反応を終結させるために、80μLの0.9%NaClを全てのウェルに添加し、混合し、10μLのアリコートを、200μLの水を含有するMULTISCREEN(登録商標)HTS HVフィルタープレート(MILLIPORE(登録商標))のウェルに移した。液体を減圧下でプレートを通して濾過し、150μLのHYSOY(登録商標)培地を各ウェルに添加し、濾過した。次いで、フィルタープレートを37℃、5%CO2で一晩インキュベートした後、Destain Solution(Bio-Rad Laboratories,Inc.、Hercules、CA)を用いて固定した。次いで、プレートをクマシーブルーで染色し、一度脱色した。コロニーを画像化し、Cellular Technology Limited(CTL)(Shaker Heights、OH)IMMUNOSPOT(登録商標)Analyzer上で数えた。生コロニー計数を用いて、殺傷曲線をプロットし、OPA力価を算出した。
【1632】
血清型22F-CRM197コンジュゲートに関するオプソニン貪食活性(OPA)力価を、上記のように決定した。様々な用量で4週でのOPA力価(95%信頼区間(CI)を有する幾何平均力価(GMT))を表17および表18(2つの別々の実験)に示し、これは、血清型22Fコンジュゲート(バッチ1~7;これらのコンジュゲートの特徴付けデータについては、表16も参照されたい)がマウス免疫原性モデルにおいてOPA力価を惹起したことを示している。
【1633】
【1634】
【1635】
(実施例14)
CRM197に対するPn-11Aコンジュゲートの調製
Pn-11A RACグリココンジュゲートの調製
脱イオン水または25mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)中で保存された凍結されサイジングされた多糖を、5℃で解凍した。
【1636】
多糖の酸化
多糖酸化を、500mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)およびWFIの添加により100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)中で実行して、2.0g/Lの最終多糖濃度を得た。酸化反応を、23℃で実行した。酸化を、過ヨウ素酸ナトリウムの添加により開始させた。撹拌速度は100~140rpmの範囲である。
【1637】
活性化された11A多糖の精製
活性化された多糖の濃縮および透析濾過を、限外濾過カセットを用いて実行した。透析濾過を、20倍透析容量のWFIに対して実施した。0.22μm濾過後、精製された活性化された多糖を、5℃で保存した。
【1638】
コンジュゲーションプロセスの説明
コンジュゲーションプロセスは以下のステップからなっていた:
a.CRM197タンパク質のシェル凍結および凍結乾燥;
b.活性化された多糖およびCRM197の復元;
c.CRM197への活性化された多糖のコンジュゲーション;ならびに
d.コンジュゲートの精製および希釈
【1639】
a.CRM197タンパク質のシェル凍結および凍結乾燥
CRM197タンパク質をシェル凍結し、凍結乾燥した。
【1640】
b.活性化された多糖およびCRM197タンパク質の復元
活性化された多糖溶液(約10g/L)をリアクター中に入れた後、計算された量の0.5Nリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)を添加した。撹拌下で、凍結乾燥されたCRM197を添加し、反応混合物を2~4時間撹拌して、CRM197の完全な溶解を達成した。
【1641】
c.コンジュゲーションおよびキャッピング
コンジュゲーションを、シアノ水素化ホウ素を添加することにより開始させた。反応混合物を23℃で72~96hインキュベートした。コンジュゲーション反応の終結を、0.5X WFI、次いで、2MEqの水素化ホウ素ナトリウムを添加することにより行った。このキャッピング反応を23℃で3~4h保持した。
【1642】
d.コンジュゲートの希釈および初期精製
コンジュゲート溶液を、接線流濾過(TFF)による精製のための調製物中で0.15Nリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)を用いて1:5(反応容量)に希釈した。希釈されたコンジュゲートを、希釈容器中で混合した後、5μmフィルターに通過させた。次いで、濾過されたコンジュゲート溶液を、1~2g/Lまで濃縮した。2ステップの透析濾過プロセスを実施した。ステップ1においては、30X(透析濾過容量)の0.15Nリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)、次いで、20Xの5mMコハク酸-0.9%NaCl(pH6.0)を用いて、TFFを実行した。初回の透析濾過が完了した後、コンジュゲート保持液を、0.45μmフィルターを通して収集タンク中に移した。
【1643】
コンジュゲートの最終透析濾過
最終精製ステップは、再生セルロース膜を用いた、5mMコハク酸-0.9%NaCl、pH6.0媒体を用いる20X透析濾過であった。
【1644】
一価バルクコンジュゲート(MBC)の希釈
コンジュゲートを、5mMコハク酸/0.9%NaCl、pH6を用いて、0.5mg/mLの標的糖類濃度にさらに希釈した。最終的な0.22μmの濾過ステップを完了させて、製剤化のための一価バルクコンジュゲート(MBC)産物を調製した。
【1645】
様々なパラメータ(例えば、糖類-タンパク質入力比、反応物濃度およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムのMeq)を変化させることにより上記のプロセスを用いて、いくつかのコンジュゲートを得た。CRM197に対する代表的なPn-11Aグリココンジュゲートに関する特徴付けを、表19(バッチ1~5)に提供する。
【1646】
RAC/DMSOを用いたPn-11Aグリココンジュゲートの調製
酸化された多糖を、上記のように調製および精製した(Pn-11A RACグリココンジュゲートの調製を参照されたい)。
【1647】
DMSO中での還元的アミノ化によるコンジュゲーション(RAC/DMSO)
RAC/DMSOによる11Aのコンジュゲーションは、以下のステップからなっていた:
a.スクロースとの混合、シェル凍結および凍結乾燥;
b.活性化された多糖およびCRM197の復元;
c.CRM197への活性化された多糖のコンジュゲーション;ならびに
d.コンジュゲートの精製および希釈。
【1648】
a.スクロースとの混合、シェル凍結および凍結乾燥
サイジングされた多糖から調製された活性化された多糖を、活性化された多糖1グラムあたり25gのスクロースの比でスクロース(WFI中の50%w/v)と混合した。成分を混合した後、混合された混合物のシェル凍結されたボトルを凍結乾燥した。CRM197タンパク質をシェル凍結し、別々に凍結乾燥した。
【1649】
b.凍結乾燥された活性化された多糖とCRM197タンパク質の復元
凍結乾燥された活性化された多糖を、DMSO中で2mg/mL濃度に復元させた。多糖が完全に溶解されたら、復元のために、凍結乾燥されたCRM197にDMSOを添加した。
【1650】
c.コンジュゲーションおよびキャッピング
復元されたCRM197(DMSO中)を、コンジュゲーション反応容器中で復元された活性化された多糖と混合した。反応溶液中の最終多糖濃度は1g/Lである。シアノ水素化ホウ素を反応混合物に添加することにより、コンジュゲーションを開始させ、23℃で22hインキュベートした。2MEqの水素化ホウ素ナトリウムを添加することにより、コンジュゲーション反応の終結を行う。このキャッピング反応を、23℃で3~4h保持した。
【1651】
d.コンジュゲートの精製および希釈
コンジュゲート溶液を、上記と同様のプロセスを用いて精製および希釈した。
【1652】
様々なパラメータ(例えば、糖類-タンパク質入力比、反応物濃度およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムのMeq)を変化させることにより上記のプロセスを用いて、いくつかのコンジュゲートを得た。上記プロセスにより得られたCRM197に対する代表的なPn-11Aグリココンジュゲートに関する特徴付けを、表19(バッチ6~8)に提供する。
【1653】
【1654】
上記の還元的アミノ化により調製されたコンジュゲートから生成された全データにより、良好なコンジュゲーション収率、低い遊離糖類%および良好な安定性を示すコンジュゲートを調製することができることが示された。
【1655】
上記で得られたコンジュゲートの免疫原性を、以下に記載のオプソニン貪食作用アッセイ(OPA)を用いて評価した。
【1656】
30匹の6~7週齢のメスのSwiss Websterマウスの群を、0週目に皮下経路により0.001μg、0.005μg、0.01μg、または0.1μgの試験コンジュゲートで免疫した。3週目にマウスに同じ用量のコンジュゲートを追加接種した後、4週目に出血させた。血清型特異的OPAを4週目の血清試料に対して実施した。
【1657】
オプソニン貪食活性(OPA)アッセイを用いて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型11Aに特異的なマウス血清中の機能的抗体を測定する。試験血清を、細菌をオプソニン化し、補体沈着を誘発し、それによって食細胞による細菌の食作用および殺傷を容易にする莢膜多糖特異的免疫グロブリンの能力を測定するアッセイ反応において設定する。OPA力価を、試験血清を含まない対照ウェル上での細菌計数の50%の減少をもたらす希釈率の逆数として定義する。OPA力価を、この50%の殺傷カットオフを挟む2つの希釈率から内挿する。
【1658】
OPA手順は、以下の改変を含む、Huら(2005)Clin Diagn Lab Immunol 12(2):287~295に記載の方法に基づくものであった。試験血清を2.5倍に連続希釈し、マイクロタイターアッセイプレートに添加した。生きた血清型22F標的細菌株をウェルに添加し、プレートを25℃で30分間振盪した。
【1659】
分化したHL-60細胞(食細胞)および子ウサギ血清(3~4週齢、PEL-FREEZ(登録商標)、12.5%最終濃度)をウェルに添加し、プレートを37℃で60分間振盪した。反応を終結させるために、80μLの0.9%NaClを全てのウェルに添加し、混合し、10μLのアリコートを、200μLの水を含有するMULTISCREEN(登録商標)HTS HVフィルタープレート(MILLIPORE(登録商標))のウェルに移した。液体を減圧下でプレートを通して濾過し、150μLのHYSOY(登録商標)培地を各ウェルに添加し、濾過した。次いで、フィルタープレートを37℃、5%CO2で一晩インキュベートした後、Destain Solution(Bio-Rad Laboratories,Inc.、Hercules、CA)を用いて固定した。次いで、プレートをクマシーブルーで染色し、一度脱色した。コロニーを画像化し、Cellular Technology Limited(CTL)(Shaker Heights、OH)IMMUNOSPOT(登録商標)Analyzer上で数えた。生コロニー計数を用いて、殺傷曲線をプロットし、OPA力価を算出した。
【1660】
血清型11A-CRM197コンジュゲートに関するオプソニン貪食活性(OPA)力価を、上記のように決定した。様々な用量で4週でのOPA力価(95%信頼区間(CI)を有する幾何平均力価(GMT))を表20に示し、これは、血清型11Aコンジュゲート(バッチ2~4および8;これらのコンジュゲートの特徴付けデータについては、表19も参照されたい)がマウス免疫原性モデルにおいてOPA力価を惹起したことを示している。
【1661】
【1662】
(実施例15)
16価肺炎球菌コンジュゲートワクチンの製剤
CRM197に全て個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F(16vPnC)に由来するグリココンジュゲートを含む16価コンジュゲート組成物を製剤化した。
【1663】
血清型15B、22Fおよび33Fに由来するストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来するグリココンジュゲートを、上記に開示されたように生産し、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)グリココンジュゲートを、WO2006/110381に開示されたように生産した。
【1664】
バルク濃縮物の必要な容量を、バッチ容量およびバルク糖類濃度に基づいて算出した。必要な容量のNaCl/コハク酸緩衝液(pH5.8)を添加して、5.0mMコハク酸および150mM NaClの最終標的緩衝液濃度を得ることにより、製剤化されたバルクワクチンを調製した。0.02%の最終濃度となるようにポリソルベート80および16価肺炎球菌コンジュゲートを添加した。調製物を0.2μm Millipore PES膜を通して濾過した後、AlPO4を添加した。製剤を混合して、結合を可能にし、均一性を達成した。
【1665】
次いで、0.5mLの投与容量を送達するために、製剤をガラスシリンジ中に充填した。
【1666】
最終的な剤形は、0.5mLの用量について、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fに由来するそれぞれのグリココンジュゲート2.2μg、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Bに由来するグリココンジュゲート4.4μg、5mMコハク酸緩衝液pH5.8、0.02%(w/w)PS80、150mM NaClおよびAlPO4として0.25mg/mLのアルミニウムからなっていた。CRM197含量は、0.5mLの用量について約38μgであった。
【1667】
(実施例16)
20価肺炎球菌コンジュゲートワクチンの製剤
CRM197に全て個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F(20vPnC)に由来するグリココンジュゲートを含む20価コンジュゲート組成物を製剤化した。
【1668】
血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33Fに由来するストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来するグリココンジュゲートを、上記に開示されたように生産し、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来するストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)グリココンジュゲートを、WO2006/110381に開示されたように生産した。
【1669】
バルク濃縮物の必要な容量を、バッチ容量およびバルク糖類濃度に基づいて算出した。必要な容量のNaCl/コハク酸緩衝液(pH5.8)を添加して、5.0mMコハク酸および150mM NaClの最終標的緩衝液濃度を得ることにより、製剤化されたバルクワクチンを調製した。0.02%の最終濃度となるようにポリソルベート80および20価肺炎球菌コンジュゲートを添加した。調製物を0.2μm Millipore PES膜を通して濾過した後、AlPO4を添加した。製剤をよく混合して、アルミニウムへのコンジュゲートの最大結合を得た。
【1670】
次いで、0.5mLの投与容量を送達するために、製剤をガラスシリンジ中に充填した。
【1671】
最終的な剤形は、0.5mLの用量について、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fに由来するそれぞれのグリココンジュゲート2.2μg、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型6Bに由来するグリココンジュゲート4.4μg、5mMコハク酸緩衝液pH5.8、0.02%(w/w)PS80、150mM NaClおよびAlPO4として0.25mg/mLのアルミニウムからなっていた。CRM197含量は、0.5mLの用量について約46μgであった。
【1672】
(実施例17)
16価免疫原性組成物の免疫原性
16価免疫原性組成物の免疫原性(実施例15を参照されたい)を、多重化直接Luminexイムノアッセイ(dLIA)を用いてウサギにおいて評価して、血清中の血清型特異的IgG濃度および血清型特異的OPAを測定した。
【1673】
10匹の2.5kg~3.5kgのメスのNew Zealand白ウサギの群を、0週目に筋肉内経路により、提唱されるヒト臨床用量(4.4μgであった血清型6B以外は2.2μgのコンジュゲート、加えてAlPO4の形の0.1mgのアルミニウム)で免疫した。ウサギに、2週目に同じ用量のコンジュゲートワクチンを追加接種した後、4週目に出血させた。血清型特異的dLIAおよびOPAを、0週目および4週目の血清試料に対して実施した。
【1674】
それぞれの肺炎球菌多糖(PnPS)に特異的な総多糖結合抗体(IgG)を定量するために、ウサギ血清を2つの直接Luminexイムノアッセイ(dLIA;13プレックスdLIA、PREVNAR13(登録商標)血清型および7プレックスdLIA、さらなる血清型)において評価した。13プレックスアッセイは、13価肺炎球菌コンジュゲート(PnC)ワクチン(1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23F)中に含まれる13種の血清型に特異的な抗PnPS抗体を測定し、7プレックスアッセイは、さらなる血清型(15B、22F、33F)に対する抗PnPS抗体を測定する。それぞれのアッセイは、PnPSコンジュゲート(PnPS-PLLコンジュゲート:ポリ-L-リシンにコンジュゲートされたPnPS)に結合した13または7種のスペクトルが異なる磁気ミクロスフェアの組合せを含有する。
【1675】
簡単に述べると、参照標準、対照および試験血清を、最初に2つのPn吸収剤;CWPS1(PnA含有C多糖に由来する細胞壁多糖)およびCWPS2(無莢膜ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型2に由来するCWP)に予め吸着させて、非特異的抗体がPnPS被覆抗原に結合しないようにした。予備吸着後、PnPSに結合したミクロスフェアを、適切に希釈された参照標準血清、対照またはウサギ試験血清と共にインキュベートした。インキュベーション後、各混合物を洗浄し、R-フィコエリトリンコンジュゲート化ヤギ抗ウサギIgG二次抗体を添加した。蛍光シグナル(中央蛍光強度(MFI)として表される)を、Bio-Plexリーダーを用いて測定し、結合したPnPS特異的IgGの量と相関付けた。試験血清に関する値を、(単位/mL、U/mL)として報告する。
【1676】
血清型特異的OPAを、上記のように実施した。OPA力価は、血清を含まない対照(バックグラウンドCFUとして定義される)と比較した場合、細菌コロニー形成単位(CFU)数の50%の減少をもたらす最も高い血清希釈率の逆数である。力価を、この50%の殺傷カットオフを挟む2つの希釈率から内挿する。
【1677】
【1678】
結果は、16vPnCを用いる2回の免疫化後に血清型特異的IgGおよび機能的OPA抗体応答の有意な増加を示した(表21)。血清IgGレベルは、ベースラインよりも2logを超えて増加した。同様に、ベースラインの上のOPA GMTにおいて最小で22倍の増加と共にロバストな機能的OPA抗体応答が惹起された。免疫前血清(Wk0)により、血清型14および33Fを除いて、16vPn血清型の大部分について検出不可能なレベルのPnPS特異的IgGおよび機能的OPA抗体が示された。低レベルのOPA力価がこれらの血清型について存在していたが、これらのベースライン応答はワクチン接種後の抗体応答に有害に影響しなかった。
【1679】
(実施例18)
20価免疫原性組成物の免疫原性
20価免疫原性組成物(実施例16で調製された)の免疫原性を、多重化直接Luminexイムノアッセイ(dLIA)を用いてウサギにおいて評価して、血清中の血清型特異的IgG濃度および血清型特異的OPAを測定した。
【1680】
10匹の2.5kg~3.5kgのメスのNew Zealand白ウサギの群を、0週目に筋肉内経路により、提唱されるヒト臨床用量(4.4μgであった血清型6B以外は2.2μgのコンジュゲート加えてAlPO4の形の0.1mgのアルミニウム)で免疫した。ウサギに、2週目に同じ用量のコンジュゲートワクチンを追加接種した後、4週目に出血させた。血清型特異的dLIAおよびOPAを、0週目および4週目の血清試料に対して実施した。
【1681】
それぞれの肺炎球菌多糖(PnPS)に特異的な総多糖結合抗体(IgG)を定量するために、ウサギ血清を2つの直接Luminexイムノアッセイ(dLIA;13プレックスdLIA、PREVNAR13(登録商標)血清型および7プレックスdLIA、さらなる血清型)において評価した。13プレックスアッセイは、13価肺炎球菌コンジュゲート(PnC)ワクチン(1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23F)中に含まれる13種の血清型に特異的な抗PnPS抗体を測定し、7プレックスアッセイは、さらなる血清型(15B、22F、33F)に対する抗PnPS抗体を測定する。それぞれのアッセイは、PnPSコンジュゲート(PnPS-PLLコンジュゲート:ポリ-L-リシンにコンジュゲートされたPnPS)に結合した13または7種のスペクトルが異なる磁気ミクロスフェアの組合せを含有する。
【1682】
簡単に述べると、参照標準、対照および試験血清を、最初に2つのPn吸収剤;CWPS1(PnA含有C多糖に由来する細胞壁多糖)およびCWPS2(無莢膜ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型2に由来するCWP)に予め吸着させて、非特異的抗体がPnPS被覆抗原に結合しないようにした。予備吸着後、PnPSに結合したミクロスフェアを、適切に希釈された参照標準血清、対照またはウサギ試験血清と共にインキュベートした。インキュベーション後、各混合物を洗浄し、R-フィコエリトリンコンジュゲート化ヤギ抗ウサギIgG二次抗体を添加した。蛍光シグナル(中央蛍光強度(MFI)として表される)を、Bio-Plexリーダーを用いて測定し、結合したPnPS特異的IgGの量と相関付けた。試験血清に関する値を、(単位/mL、U/mL)として報告する。
【1683】
血清型特異的OPAを、上記のように実施した。OPA力価は、血清を含まない対照(バックグラウンドCFUとして定義される)と比較した場合、細菌コロニー形成単位(CFU)数の50%の減少をもたらす最も高い血清希釈率の逆数である。力価を、この50%の殺傷カットオフを挟む2つの希釈率から内挿する。
【1684】
20vPnCで免疫されたウサギはまた、16vおよび20v製剤ならびにさらなる4つの血清型(8、10A、11Aおよび12F)に共通の血清型に対する総IgGおよび機能的OPA抗体力価の有意な増加を示した(表22)。20種の血清型にわたる血清IgGレベルの2logの増加が、2回の免疫化後に誘導された。ワクチンを用いて惹起されたOPA GMTは、ベースラインの少なくとも27倍上であった。血清型14および33Fに関する免疫前血清における低レベルのOPA力価は20vPnCワクチン接種後に同様に観察されたが、再度、ワクチン接種後の抗体応答のロバスト性を変化させなかった。
【1685】
16vPnCおよび20vPnC製剤は、両方とも肺炎球菌多糖に特異的であり、細菌の機能的殺傷と関連するロバストな体液性応答を惹起した(表21および表22を参照されたい)。結論として、実施例17および実施例18に示された試験は、16cPnCと20vPnC製剤の両方の良好な免疫原性を示した。
【1686】
【1687】
(実施例19)
ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)の血清型9内の交差反応性オプソニン貪食作用免疫応答の評価
機能的抗体および補体の存在下での食作用エフェクター細胞によるストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)細胞の殺傷を測定する、肺炎球菌オプソニン貪食作用アッセイ(OPA)は、肺炎球菌ワクチンの有効性を評価するための重要な代用物であると考えられる。
【1688】
材料および方法
13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(13vPnC)をワクチン接種された成人からの免疫血清の2つの無作為に選択されたサブセットを、血清型9V、9A、9Lおよび9NについてOPAアッセイにおいて試験した。血清を、それぞれ、米国臨床試験6115A1-004(N=59、ワクチン接種後)および6115A1-3005(N=66、対応付けられたワクチン接種前および後)から収集した。
【1689】
試験6115A1-3005(ClinicalTrials.gov Identifier:NCT00546572)は、試験登録の少なくとも5年前に1回用量の23vPSを受けた70歳以上の外来高齢者における23価肺炎球菌多糖ワクチン(23vPS)と比較した、PREVNAR13(登録商標)の安全性、忍容性、および免疫原性を評価するフェーズ3、無作為化、実薬対照、改変二重盲検であった(http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT00546572を参照;2014年3月31日にアクセス)。
【1690】
試験6115A1-004(ClinicalTrials.gov Identifier:NCT00427895)は、23vPSに対してナイーブである60~64歳の成人における23価肺炎球菌多糖ワクチン(23vPS)と比較した13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(13vPnC)の安全性、忍容性、および免疫原性ならびに23vPSに対してナイーブである18~59歳の成人における13vPnCの安全性、忍容性、および免疫原性を評価するフェーズ3、無作為化、実薬対照、改変二重盲検であった(http://clinicaltrials.gov/show/NCT00427895を参照;2014年3月31日にアクセス)。
【1691】
これらの試験において試験された13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(13vPnC)は、ジフテリア交差反応物質197(CRM197)担体タンパク質に個別にコンジュゲートされた、肺炎球菌血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23Fに由来するコンジュゲートを含んでいた。
【1692】
OPAを用いて、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型9V、9N、9Aおよび/または9Lに対するヒト血清中の機能的抗体を測定する。試験血清を、細菌をオプソニン化し、補体沈着を誘発し、それによって食細胞による細菌の食作用および殺傷を容易にする莢膜多糖特異的免疫グロブリンの能力を測定するアッセイ反応において設定する。OPA力価を、試験血清を含まない対照ウェル上での細菌計数の50%の減少をもたらす希釈率の逆数として定義する。OPA力価を、この50%の殺傷カットオフを挟む2つの希釈率から内挿する。
【1693】
OPA手順は、Huら(2005)Clin Diagn Lab Immunol 12(2):287~295に記載の方法に基づくものであった。試験熱不活化血清を2.5倍に連続希釈し、アッセイプレート中に標的細菌と一緒に添加し、振盪しながら30分間インキュベートした。次いで、分化したHL-60細胞(食細胞)および子ウサギ血清(3~4週齢、PEL-FREEZ(登録商標)、Arkansas、12.5%最終濃度)を、200:1の近似エフェクターの標的に対する比でウェルに添加し、37℃で振盪しながらインキュベートした。反応を終結させるために、80μLの0.9%NaClを全てのウェルに添加し、混合し、10μLのアリコートを、200μLの水を含有するMULTISCREEN(登録商標)HTS HVフィルタープレート(MILLIPORE(登録商標))のウェルに移した。液体を減圧下でプレートを通して濾過し、150μLのHYSOY(登録商標)培地を各ウェルに添加し、濾過した。次いで、フィルタープレートを37℃、5%CO2で一晩インキュベートした後、Destain Solution(Bio-Rad Laboratories,Inc.、Hercules、CA)を用いて固定した。次いで、プレートをクマシーブルーで染色し、一度脱色した。コロニーを画像化し、Cellular Technology Limited(CTL)(Shaker Heights、OH)IMMUNOSPOT(登録商標)Analyzer上で数えた。
【1694】
統計分析:Pearsonの両側相関を算出した。
【1695】
結果-9V、9A、9Lおよび9NにおけるOPA応答
血清型9A、9Lおよび9Nに対する13vPnCで免疫された成人の免疫血清からの機能横断型応答を、血清型9Vに対する相同な機能的応答と共に、それぞれのマイクロコロニーオプソニン貪食作用アッセイ(mcOPA)において評価した。13vPnCをワクチン接種された成人からの免疫血清の2つの無作為に選択されたサブセットを試験した。血清を、それぞれ、米国臨床試験6115A1-004(N=59、ワクチン接種後)および6115A1-3005(N=66、対応付けられたワクチン接種前および後)から収集した。
【1696】
試験6115A1-004における対象は任意の肺炎球菌ワクチン接種に対して以前はナイーブであり、試験プロトコールの一部として単回用量の13vPnCを受けた。試験6115A1-004からの免疫血清は、それぞれ、9V、9A、9Lおよび9Nについて98.3%、98.3%、100%および93.2%の値を示す全ての血清群に対する類似するパーセンテージの応答者を示し(
図11)、6115A1-3005(
図12)からの結果を支持する。比較的良好なOPA力価の相関が、9N(p=0.1217、p<0.3627)ではなく、血清型9Vと9A(Pearson相関p=0.5456、p<0.0001)または9L(p=0.7353、p<0.0001)との間で観察された。
【1697】
試験6115A1-3005における対象は、試験登録の少なくとも5年前に1回用量の23vPSを以前に受けており、試験プロトコールの一部として単回用量の13vPnCを受けた。13vPnCで免疫された成人からの対応付けられたワクチン接種前および後の血清パネル(N=66)(試験6115A1-3005)を、血清型9Vに対する相同な応答について、ならびに血清型9A、9Lおよび9Nに対する抗9V抗体の交差反応性についてOPAによって評価した。
図12に示されるように、9V(84%)、9A(82%)、9L(82%)および9N(86%)に対する比較的高い免疫(応答者のパーセンテージ)が、おそらく血清型9Vおよび9Nに由来する非コンジュゲート化多糖を含む23vPSを用いる、対象に対する以前の免疫化のため、OPAアッセイにおいて検出された。しかしながら、応答者のパーセンテージは、血清群9に由来する血清型9Vコンジュゲートのみを含有する13vPnCを用いるワクチン接種後、4つ全部の血清型について95%またはそれ以上に増加した。力価の値における倍数の上昇を表23に示し、これは血清型間で類似し、交差反応性も示唆する。
【1698】
【1699】
OPA力価分布のより包括的な分析を、
図13~
図16中の逆累積分布曲線(RCDC)に示す。RCDCは、血清型9V、9A、9Lおよびより低い程度では9Nに関するワクチン接種後の血清型特異的免疫応答の増加を示す。個々の対応付けられた試料の力価の上昇倍率の、9V、9A、9V/9L、および9V/9N間における相関も、Pearsonの相関を用いて分析した。9Lに関してはより低い程度であるが(p=0.1804、p<0.1640)、血清型9Vと9A(Pearsonの相関p=0.8720、p<0.0001)または9N(p=0.5801、p<0.0001)の間で、力価の上昇倍率の比較的良好な相関が観察された。
【1700】
結論
これらのデータに基づけば、13vPnCワクチンは、血清型9A、9Lおよび9Nに対するさらなる保護を提供することによって、より広い血清型包含率を実現する可能性がある。
【1701】
(実施例20)
血清型15Bと血清型15Cとの間の機能横断型OPA応答
肺炎球菌血清群15は、4つの構造的に関連する血清型:15A、15B、15Cおよび15Fを含む。血清型15Bおよび15Cは、遺伝子タイピング技術によっては識別不可能であり、15B-PSが15C-PSのO-アセチル化変異体であることを除いて、類似する莢膜多糖(PS)組成を有する。血清型15Bに対する抗莢膜PS抗体が血清型15Cと機能的に交差反応するかどうかを理解するために、10匹のウサギを、16vPnC(実施例15を参照されたい)および20vPnC(実施例16を参照されたい)ワクチンで免疫した。いずれのワクチンも、その製剤の一部として、本明細書に開示されるCRM197に共有的に連結されたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖を含む免疫原性コンジュゲートを含有する。ワクチン接種の前および後に由来する血清を、血清型15Bおよび15C標的肺炎球菌株に対するOPAアッセイにおいて試験した。
【1702】
各群からの10匹のウサギのうちの100%が、血清型15Bコンジュゲートを用いる免疫化後に血清型15Bに対するOPA応答を有していた。これらの同じ試料のうちの100%が、同様に血清型15Cに対するOPA応答を有していた(表24および表25)。15C OPAにおいては、ワクチン接種前の血清中で低いOPA力価が観察された。しかしながら、ワクチン接種前と比較したワクチン接種後の血清に関する10倍を超えるGMT OPA力価の増加により、本発明の免疫原性コンジュゲートがOPAにおいて血清型15Bおよび15Cストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)を殺傷することができる抗体の形成を誘導することが示された。
【1703】
【1704】
【1705】
(実施例21)
7価肺炎球菌コンジュゲートワクチンの製剤
CRM197に全て個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33F(7vPnC)に由来するグリココンジュゲートを含む7価コンジュゲート組成物を製剤化した。
【1706】
血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33Fに由来するストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)に由来するグリココンジュゲートを、上記に開示されたように生産した。
【1707】
バルク濃縮物の必要な容量を、バッチ容量およびバルク糖類濃度に基づいて算出した。必要な容量のNaCl/コハク酸緩衝液(pH5.8)を添加して、5.0mMコハク酸および150mM NaClの最終標的緩衝液濃度を得ることにより、製剤化されたバルクワクチンを調製した。0.02%の最終濃度となるようにポリソルベート80および7価肺炎球菌コンジュゲートを添加した。調製物を0.2μm Millipore PES膜を通して濾過した後、AlPO4を添加した。製剤をよく混合して、アルミニウムへのコンジュゲートの最大結合を得た。
【1708】
次いで、0.5mLの投与容量を送達するために、製剤をガラスシリンジ中に充填した。
【1709】
最終的な剤形は、0.5mLの用量について、CRM197に個別にコンジュゲートされたストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33Fに由来するグリココンジュゲート2.2μg、5.0mMコハク酸緩衝液pH5.8、0.02%(w/w)PS80、150mM NaClおよびAlPO4として0.25mg/mLのアルミニウムからなっていた。
【1710】
本明細書に記載された全ての刊行物および特許出願は、本発明が属する当技術分野における当業者のレベルを示すものである。全ての刊行物および特許出願は、あたかもそれぞれ個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれると示されたのと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【1711】
前記発明を、理解の明確性のために例示および実施例によりいくらか詳細に説明してきたが、ある特定の変化および改変を、添付の特許請求の範囲内で実行することができる。