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▶ 大阪硅曹株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037165
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】鋳物砂の再生方法
(51)【国際特許分類】
   B22C 5/00 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
B22C5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2021206510
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】520432129
【氏名又は名称】大阪硅曹株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 義明
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水ガラスが付着した使用済み鋳物砂の容易な再生処理方法の提供。
【解決手段】本発明は、水ガラスが付着した使用済み鋳物砂を再生処理する方法であって、粘結剤としての水ガラスが付着した使用済み鋳物砂に水を添加し、50℃以上200℃未満にて加熱を行いながら攪拌し砂粒同士の摩擦によって水ガラスを取り除くことで再生処理された鋳物砂が得られる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘結剤としての水ガラスが付着した使用済み鋳物砂に水を添加し、50℃以上200℃未満にて加熱を行いながら攪拌し砂粒同士の摩擦によって水ガラスを取り除くことで再生処理された鋳物砂が得られる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水ガラスが付着した使用済み鋳物砂を再生処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェノール系樹脂やウレタン系樹脂、フラン系樹脂など有機粘結剤を使用した鋳物砂の再生方法は確立されており、粘結剤の種類により熱的再生や砂粒同士の摩擦によって残留粘結剤を取り除く機械再生がある。
例えば、使用済の鋳物砂の再生方法として、焙焼炉により焙焼して再生を行う鋳物砂の再生方法が開示されている。(例えば、特開昭52-120915号参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭52-120915号
【発明の概要】
【発明が解決しようとしている課題】
【0004】
水ガラスを粘結剤とした無機鋳型や中子は注湯時のガス発生量が有機鋳型に比べて少ないため、ガス欠陥が少なくまた異臭もしないため作業環境も良く近年注目を浴びている。しかし水ガラスが付着した使用済み鋳物砂の再生方法においては、十分その方法が確立されていないため、水ガラスが付着した使用済み鋳物砂を再生処理できる容易な方法が強く求められている。
【0005】
即ち本発明は、上記問題に鑑み、水ガラスが付着した鋳物砂の再生処理において容易に処理が可能な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的は、粘結剤としての水ガラスが付着した使用済み鋳物砂に水を添加し、50℃以上200℃未満にて加熱を行いながら攪拌し砂粒同士の摩擦によって水ガラスを取り除く再生処理の方法によって達成される。
【0007】
粘結剤としての水ガラスは、珪酸ソーダや珪酸カリウムが使用できる。
【0008】
使用済み鋳物砂への水の添加は、鋳物砂が水分を含む状態になればどのような方法でも可能であり、たとえばシャワーリングや水槽を使用して浸漬を行うなどの方法も可能である。
【0009】
加熱温度は50℃以上200℃未満が好ましく、特に100℃以上150℃以下が好ましい。
【0010】
攪拌は、加熱を行いながら攪拌を行う。そのために撹拌機は加熱設備を備えかつ砂粒同士の摩擦が行える撹拌機が好ましい。特にロータリーキルンやロータリーリクレイマーが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、粘結剤としての水ガラスが付着した使用済み鋳物砂の再生処理が容易に行える。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0013】
(実施形態)
本実施形態では、水ガラスが付着した使用済みの鋳物砂を用いて再生処理を行う。
【実施例0014】
本実施例では、鋳物砂としてムライト砂を、粘結剤としては珪酸ソーダを使用し造型した中子の使用済み鋳物砂を用いた。使用済み鋳物砂はあらかじめ210μmの網目の篩にかけ、210μm以上の大きさの鋳物砂を使用した。上記鋳物砂50gを撹拌機にいれ、水5gを添加し、150℃にて加熱しながら30分間攪拌を行った。攪拌後常温に戻し鋳物砂の再生処理の評価を行った。
【実施例0015】
粘結剤として珪酸ソーダを使用した使用済み鋳物砂50gを撹拌機に入れ、水5gを添加し、150℃にて加熱しながら30分攪拌を行い、攪拌後常温に戻し鋳物砂の再生処理の評価を行った。
【0016】
(比較例1)
粘結剤として珪酸ソーダを使用した使用済み鋳物砂50gを撹拌機に入れ、水の添加なしに、150℃にて加熱しながら30分攪拌を行い、攪拌後常温に戻し鋳物砂の再生処理の評価を行った。
【0017】
(比較例2)
粘結剤として珪酸ソーダを使用した使用済み鋳物砂50gを撹拌機に入れ、水5gを添加し、300℃にて加熱しながら30分攪拌を行い、攪拌後常温に戻し鋳物砂の再生処理の評価を行った。
【0018】
(評価方法)
1.再生処理の状態
実施例1および比較例1~2について、それぞれ攪拌後常温に戻した鋳物砂を210μ mの網目の篩にかけ通過率の測定を行い、鋳物砂の通過率が99%以上の場合は○、通 過率が99%未満の場合を×とし、評価を行った。
【0019】
(評価)
再生処理の状態について実施例1および比較例1~2の結果を表1に示す。
【表1】
【0020】
本発明である実施例1は粘結剤としての珪酸ソーダが付着した使用済み鋳物砂50gに水5g添加し、150℃に加熱しながら30分間攪拌し再生処理を行った例である。再生処理の評価は良好な結果を示した。
【0021】
比較例1は粘結剤としての珪酸ソーダが付着した使用済み鋳物砂50gに水の添加なしに、150℃に加熱しながら30分間攪拌し再生処理を行った例である。再生処理の評価は210μmの網目の篩を通過せず、良好な結果は得られなかった。
【0022】
比較例2は粘結剤としての珪酸ソーダが付着した使用済み鋳物砂50gに水5gを添加し、300℃に加熱しながら30分間攪拌し再生処理を行った例である。撹拌機に鋳物砂が固着し再生処理の評価が行えず、良好な結果は得られなかった。